中国の経済問題-2020年09月~2023年11月


2023.11.20-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231120-2FLOGUOOXJNKBFOYKMOMNYULNM/
中国が政策金利3カ月連続据え置き、くすぶる追加緩和観測 消費も本格回復見えず

  【北京=三塚聖平】中国人民銀行(中央銀行)は20日、企業への貸出金利の目安で事実上の政策金利と位置付ける「ローンプライムレート(貸出基礎金利、LPR)」の1年物を3・45%のまま維持した。3カ月連続の据え置きとなったが、景気回復が遅れている中で追加緩和の可能性がくすぶっている。

  8月に利下げに踏み切っており、金融緩和の影響を見極める狙いもあるとみられる。住宅ローン金利の基準となるLPRの5年物も4・20%のまま維持した。
  中国経済を巡っては、新型コロナウイルス禍が終わった後も景気回復に勢いがみられない。国家統計局によると、景況感を示す製造業購買担当者指数(PMI)は10月に49・5で、9月から0・7ポイント低下して好不況を判断する節目である「50」を2カ月ぶりに下回った。
  当局の統制強化に端を発する不動産不況が長期化しているほか、「ゼロコロナ」政策の後遺症から庶民の雇用・所得環境が厳しいこともあって消費には本格的な回復の兆しが見えない。中国当局は景気対策に動いているものの、先行きの不透明感を払拭することができていない。


2023.09.25-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230925-VS6NG4WAFVK2LGXOBMUKQVD5RA/
中国恒大、債券発行困難 当局調査で、再建支障も

  経営再建中の中国不動産大手、中国恒大集団は24日、子会社の恒大地産集団が当局による調査を受けているため「新規債券発行の適格基準を満たしていない」とする声明を発表した。新たな債券の発行ができなければ、再建に向けた債務再編案の実行に支障を来す可能性がある

  恒大地産は8月、情報開示に絡んで違反があったとして中国証券監督管理委員会から調査を受けていると発表していた。
  恒大は3月に債務再編案を公表。発行済みの債券を新たな債券や関連会社の株式に転換する方針を示していた。(共同)


2023.09.17-NHKNEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230915/k10014195361000.html
中国不動産不況の衝撃 マネー流出も【中国経済コラム】
(中国総局記者 下村直人)

「中国の不動産問題のフェーズが変わった」
  中国経済に詳しいエコノミストの言葉です。今、中国の不動産不況が世界の金融市場にも悪影響を及ぼし始めています。相次ぐ不動産大手の経営悪化。それは地方の財政問題にも飛び火し、中国政府が恐れていたマネー流出も起きています。(中国総局記者 下村直人)
不動産最大手もついに…
  冒頭の「フェーズが変わった」との言葉のきっかけになったのは中国の不動産最大手「碧桂園」が8月初旬に一部の債券の利払いを先送りしたことでした。「碧桂園」はこれまであまり名の通った会社ではありませんでした。

  経営危機に陥っている不動産大手「恒大グループ」はサッカーチームの運営やEV=電気自動車の製造など、“派手に”多角化を進めてきたこともあり、知名度がありました。
  これに対して「碧桂園」は国内の地方都市の開発などを中心に成長してきた会社なだけに、これまで国際ニュースの話題になることがあまりなかったのです。しかし、今や「碧桂園」は世界でニュースの中心に躍り出ています。(英語名「Country Garden」は欧米メディアでも頻繁にとりあげられ、アメリカの有力紙「ニューヨーク・タイムズ」は「Country Gardenが新たな懸念をもたらしている」などと伝えています。)
  2023年8月30日に発表した中間決算では489億人民元、日本円で9800億円の最終赤字に陥り、会社は「今後も業績が悪化し続ければ、デフォルト=債務不履行に陥る可能性がある」と投資家に脅しともとれるようなメッセージを送りました。
株価下落を引き起こし…
  中国不動産最大手のデフォルト危機とあって中国の株式市場では、株価の下落傾向が続きました。上海株式市場では、株価指数が8月25日に一時、ことしの最安値をつけました。7月31日の高値と比べると、8%余りの下落です。
中国政府が恐れるマネー流出も
  さらに中国政府が恐れていることが起きています。資金の流出です。中国政府は公表していませんが、アメリカ・ワシントンに本部があるIIF=国際金融協会がまとめた資金の流れによると、ゼロコロナ政策の解除以降、中国の株式市場へは資金の流入傾向が続いていましたが、8月は、一転して巨額の資金が流出しました。その額は、149億ドル、日本円で2兆1000万円余りにのぼったのです。
人民元安も進む
  資金の流出は、株式市場からだけではありません。外国為替市場で、中国の通貨・人民元も売られています。2023年9月8日には、1ドル=7.35台まで値下がりし、15年9か月ぶりの安値を更新しました。
加速する元安に危機感
  元売りを抑えるため、中国人民銀行は取り引きの目安となる「基準値」を、元高方向に設定するなど、通貨の防衛姿勢を強めています。また、市場介入には慎重な姿勢を示しているものの、9月7日に発表した8月末時点の外貨準備高は、前の月(7月末)から442億ドル、日本円で6兆4500億円あまり減少
  市場関係者のひとりは、「予想以上の規模の減少であり、通貨を防衛するために介入した可能性もあるのではないか。人民元安は資金流出を加速させるおそれがあり、当局は、相当危機感を強めているはずだ」と話していました。
地方財政をゆるがす
  経営難が明らかになった「碧桂園」。やっかいなのは地方財政と結びついている点です。中国では土地は国有で、地方政府が土地の使用権を不動産開発会社に売って、その収入をインフラ開発の財源にあててきました。
  地方都市での開発に力を入れてきた「碧桂園」の経営難は、不動産業界に依存してきた地方政府の財政悪化につながりかねず、経済に大きな打撃を与えるおそれがあるのです。

  これは2018年、碧桂園がアメリカのフォーチュン誌が発表する世界の企業の売り上げに基づくランキング「フォーチュン・グローバル500」の353位になったときのプレスリリースの文言です。
  住宅建設だけにとどまらない事業拡大に会社が自信を深めている様子が手に取るように伝わります。
不動産投資熱とバブルの崩壊
  経済悪化や金融危機の発端の多くが不動産由来であることは日本のバブル崩壊不良債権処理、アメリカのサブプライムローンの焦げ付きから起きたリーマンショックを見ても明らかです
  経営難に陥った碧桂園は、年内に日本円で3000億円を超える返済が必要になるとされ、デフォルト懸念が依然、くすぶります。中国経済がどのような道をたどっていくのか、歴史を繰り返さないのかどうか、世界の金融市場が神経を使う展開が続きそうです。

  来週は、アメリカ・FRB=連邦準備制度理事会の金融政策を決定する会合が開かれます。利上げ見送りが市場のおおかたの予想ですが、日本時間21日未明にパウエル議長が今後の政策について、何を語るのかが焦点です。また、22日は日銀の金融政策決定会合が開かれます。市場で、金融緩和策の修正が視野に入ってきたという見方も出ていて、こちらも植田総裁の会見内容が注目されています。


2023.09.05-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230905-KKIT42GU7BMABCFB7JGCHXNRVQ/
中国碧桂園が33億円利払い デフォルト回避、市場安堵

  経営難の中国不動産大手、碧桂園が、延滞していたドル建て債券2250万ドル(約33億円)の利払いを実施したと、ロイター通信が5日報じた。当面のデフォルト(債務不履行)危機は回避した形で、市場に安堵感が広がりそうだ。

  利払い期限は8月上旬だったが履行できず、30日間の猶予期間が与えられていた。一方、ロイターによると、年内にも他の巨額利払いを控えている。
  碧桂園は今月、人民元建て債券については償還期限延長の承認を債権者から取り付けている。
(共同)


2023.08.28-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230828-GF6LY757J5MBZGEVJ4G72NYDLI/
中国恒大6600億円赤字 1~6月期、債務超過続く

  経営再建中の中国不動産大手、中国恒大集団が27日発表した2023年1~6月期連結決算の最終損益は330億元(約6600億円)の赤字だった。前年同期の663億元の赤字からは縮小した。6月末時点の負債総額は2兆3882億元で債務超過の状態が続いた。

  恒大は7月に21年と22年の12月期連結決算を発表し、最終損失は計約5819億元に上っていた。21年12月期決算を発表できずに、昨年3月に香港証券取引所での株式取引が停止されていたが、恒大は今月28日からの売買再開を申請している。再開されれば約1年5カ月ぶりとなる。
  恒大は今月17日、米ニューヨークの裁判所に外国企業の破産手続きを調整する連邦破産法15条の適用を申請。国際的な債務再編手続きの一環で、資産保全により円滑な経営立て直しにつなげる狙いだとしている。(共同)


2023.08.26-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230826-65H54ONXDVARJHDD3CX5EAXRTI/?outputType=theme_weekly-fuji
恒大問題が本当に深刻な理由 隠蔽体質で世界経済は出口なき停滞へ
高橋洋一

  中国の不動産大手、中国恒大集団が米国で連邦破産法15条の適用を申請した。米連邦破産法15条は外国企業に適用されるが、外国企業が債権者の差し押さえなどから米国内の資産を保護するために申請する。恒大集団は2021年12月にドル建て債の債務不履行(デフォルト)に陥っているので、この申請には意外感はない。

  恒大集団は形式的にはケイマン島法人で香港市場に上場している。そのバランスシート(貸借対照表)をみると、21年12月末は資産2.1兆元(約42兆円)、負債2.6兆元(約52兆円)で0.5兆元(約10兆円)の債務超過だった。、22年12月末は資産1.8兆元(約36兆円)、負債2.4兆元(約48兆円)で0.6兆元(約12兆円)の債務超過だ。
  欧米の常識なら、表面化した財務諸表で債務超過になった場合、既に自国において破産申し立てがあり、裁判所が破産認定をしているはずだ。例えば、リーマン・ショックとは、多額の損失を計上したリーマン・ブラザーズが米連邦破産法11条の適用を申請し、08年9月15日に破産している。しかし、中国ではそのような公式の手続きはまず期待できない
  恒大集団をめぐっては地元の中国広東省が支援をして、今年3月に外貨建て債務の再編計画が発表されたが、企業集団全体の再建計画もはっきりせず、外貨建てに限っても再編計画で合意したのは一部にとどまっている。筆者の見立てでは、恒大集団は外貨建て再編計画を有利に運ぶために、米国破産法15条の申請をしたのではないだろうか。
  普通に考えれば、恒大ショックは、他の不動産会社に飛び火し、それらの資金調達を支えていた金融のシャドーバンキング(影の銀行)にまで波及し、それは地方政府の資金調達手段である地方融資平台にまでおよび、地方政府の「隠れ借金」が顕在化するだろう。
  しかし、恒大ショックでも分かるように、まともな財務諸表や破産法制がきちんとワークしないのが中国である。中国にも破産法制は形式的には存在するが、先進国では債務超過であれば、ほぼ自動的に破綻申請は裁判所に受理されるのに中国では受理されない。となると、不良債権や破産処理のための法的整理・資本注入などが透明性を持って行われる可能性は少ない。その場合、いつまでたっても不良債権のウミは出ないで、経済取引が停滞する。
  不動産業は関連企業を含めれば中国の国内総生産の3割にもなる。不良債権のウミを出さないままだと、不動産取引でババをつかまされるのではと疑心暗鬼になるので、経済停滞は避けられないだろう。
  経済停滞しても、先日の失業率統計の公表取りやめのように、隠蔽するのが中国のやり方なのだろうが、そうした国とまともに経済取引できない。となると、これまでの対中取引は見直されるので、一時的な世界経済のマイナス要因になるだろう。しかも中国では透明的な破産処理がなされないので、出口は見えない


2023.08.19-Yahoo!Japanニュース(ABEMA)-https://news.yahoo.co.jp/articles/29bc2dbc53495abb9b44ebac7b6badb6a0fd4eab
「破産申請ではない」米破産法15条の適用申請に中国恒大集団が声明発表
(ANNニュース)

  ニューヨークの裁判所破産法の適用を申請した中国の不動産大手恒大集団が、「破産申請ではない」と強調する声明を発表しました。

  アメリカの連邦破産法15条の適用を申請したことについて恒大集団が18日、声明を発表しました。「破産の申請ではない」と強調し、「海外の債務再編を進めるための正常な手続きの一部だ」と主張しています。  今回の申請には海外の債権者による差し押さえなどを防ぎ、再建を図る目的があるとみられています。  広東省にある本社ビルには、債権者やマンションの購入者らが集まらないよう厳重な警備が敷かれています。(ANNニュース)


2023.08.18-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230818/k10014166271000.html
中国「恒大グループ」米裁判所に破産法適用を申請 巨額の債務

  巨額の債務を抱えてデフォルト=債務不履行に陥っていた中国の不動産大手「恒大グループ」は、17日、アメリカの裁判所に連邦破産法の適用を申請しました。中国では不動産市場の低迷が長期化していて、関連する企業の経営不安が中国経済全体に広がることが懸念されます。

  中国の不動産大手「恒大グループ」は、大規模な資金調達で不動産開発を進めてきましたが、中国政府による規制強化などの影響で経営危機となり、デフォルトに陥りました。
  先月発表した決算では、去年が日本円でおよそ2兆円の最終赤字、おととしが9兆円余りの最終赤字と、2年連続で巨額の赤字に陥っています。こうした中、「恒大グループ」は17日、アメリカの裁判所に連邦破産法15条の適用を申請しました。
  適用されれば、アメリカ国内の資産が保全されることになります。
  中国では、不動産市場の低迷が長期化する中、不動産会社や関連する企業の経営に対する不安が強まっていて、中国経済全体への影響も懸念されます。


2023.08.15-Bloombarg-https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-08-15/RZEUA7DWRGG001?srnd=cojp-v2
中国の信託会社の支払い遅延が市場を揺るがした理由-QuickTake

  中国の規制当局は長年、2兆9000億ドル(約422兆円)規模の信託業界を管理しようと試みてきた。この業界は中国のシャドーバンキング(影の銀行)の一部で、通常の銀行預金よりも大きなリターンを提供するが故に、リスクを伴う可能性がある。資産運用会社大手の中植企業集団の傘下にある信託会社が今月、複数の高利回り投資商品の支払いを滞らせたことで、懸念は浮き彫りとなった。世界2位の経済大国である中国の経済が懸念されるという微妙な時期の展開でもある。

1. 信託会社とは何か?
  家計の貯蓄を集めて融資に回したり、不動産や株式、債券、商品に投資したりする規制が比較的緩い会社を指す。これらすべての資産クラスを扱う中国の金融会社は他にない。かつてこの業界は中国の富裕層にとって、多額のリターンを得るために資金を預ける安全な場所と見なされていた。しかし信託会社は近年、何十億ドルもの投資商品でデフォルト(債務不履行)に陥り、規制当局が中国のシャドーバンキングの行き過ぎを取り締まり始めた2017年のピーク時と比べ、業界規模は約20%縮小している。
2. 中植とは?
  信託会社やウェルスマネジメント、プライベートエクイティー(PE、未公開株)に関与するシャドーバンキングの大手。北京を本拠とし、解直錕氏が1995年に創業した。解氏が心臓発作で亡くなった2021年は、新型コロナウイルスやそのパンデミック(世界的大流行)を受けて中国経済が減速、資本市場のボラティリティーが高まった。現在は約1兆元(約20兆円)を運用している。主要投資先の一つが33%出資する中融国際信託であり、データプロバイダーのユーストラストによると、同信託では270商品、総額395億元が年内に償還期限を迎える。これら商品の平均利回りは6.88%と、銀行の1年物預金金利1.5%を大きく上回る。
3. 中植と中融の何が問題なのか?
  中融を含め中植の関連企業が発行した商品の支払いを受けられなかったと、顧客3社が11日に開示。中融は現状についてほとんど公表していないが、同社が営業不可となっているとの偽の書簡がソーシャルメディア上に出回っていることを認識していると明らかにしている。同社ウェブサイトの発表によると、これについて当局に報告した。ソーシャルメディアに出回った真偽不明の書簡1通の中で、中植の資産運用担当者は顧客に謝罪し、グループの資産部門が7月中旬以降、すべての商品で支払い遅延を決定したと説明。同書簡によると、影響を受ける投資家は15万人以上、投資残高は2300億元に上るという。
4. 政府は何をしているのか?
  この問題に詳しい関係者によると、中国の国家金融監督管理総局(NFRA)は、中融の債務残高とリスクを調査する作業部会を設置した。同当局は中融に対し、将来の支払い計画と、流動性不足に対処するために処分可能な資産について報告するよう求めたという。5. なぜ中国にとって重要なのか?
  中国政府は、同国経済への信頼回復を迫られている。投資家は、新型コロナ関連規制からの回復ペースの遅さと、巨大な不動産セクターで続く弱さを警戒している。中国の7月の銀行融資は09年以来の低水準に落ち込み、企業と消費者の需要が衰えていることを示している。同国有数の不動産開発業者である碧桂園は、債務不履行の危機に瀕している。中植の危機は、シャドーバンキング業界がこうした問題に対応できる能力に欠け、一部での動揺がすぐに連鎖して広範な信用危機を引き起こす「伝染」リスクを高めているのではないかとの認識につながっている。不動産業界における金融不安は比較的収まっているものの、信託会社や資産運用会社における問題は、個人投資家や富裕層、企業に広がる恐れが大きい。
6. 不動産危機が中植の問題の根源か?
  まだ、はっきりしていない。分かっているのは、中国の信託会社は不動産開発業者に関連する投資商品を提供しており、過去に債務不履行に陥ったことがあるということだ。中融の年次報告書によると、同社の信託運用資産6290億元の11%を不動産が占めている。同社は昨年、少なくとも10件の不動産プロジェクトに出資。最終的にこれが、投資家に発行した2300億ドル相当の不動産担保ファンドの一部支払いに充てる現金を生み出すことに賭けた。期待された不動産市場の回復は、今のところ実現していない。


2023.08.15-Bloomberg-
中国が予想外の利下げ-7月経済指標低調、若者の失業率公表停止

  JSTMLF金利2.5%に、従来2.65%-引き下げ幅は20年以来の大きさ緩和策強化の切迫感を当局が抱いているとの指摘も-景気安定化で中国人民銀行(中央銀行)は15日、中期貸出制度(MLF)の1年物金利を予想に反して2.5%に引き下げると発表した。従来は2.65%だった。中国経済は不動産市況の悪化や個人消費の伸び悩みによる新たなリスクに直面しており、景気のてこ入れを図る。利下げの発表を受け、人民元が下落。10年債利回りは低下し、2020年以来の低水準を付けた。  ブルームバーグが調査したエコノミスト15人のうち、1人を除く全員がMLF金利の据え置きを見込んでいた。利下げは6月以来で、0.15ポイントの引き下げ幅は20年以来の大きさ。  また、人民銀は短期金融市場の公開市場操作(オペ)金利である7日物リバースレポ金利を1.8%に引き下げた。従来は1.9%だった。

  国家統計局が同日発表した7月の工業生産は前年同月比3.7%増。ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は4.3%増加、6月は4.4%増だった。小売売上高は前年同月比2.5%増加。予想は4%増、6月は3.1%増えていた。
  1-7月の固定資産投資は前年同期比3.4%増。市場では3.7%増加と見込まれていた。
  都市部失業率は5.3%と、6月の5.2%から上昇。国家統計局は若者の失業率について調査方法を見直すとし、その間は公表を停止することを明らかにした。16-24歳の6月の失業率は21.3%と、過去最悪を更新していた。データの透明性を巡り投資家の懸念が広がっている。
内需なお不十分
  統計局は内需に関してなお「不十分」で、「経済回復の基礎を引き続き強化する必要がある」と声明で分析。「マクロ経済政策の調整を強化し、内需拡大や信頼感の押し上げ、リスク防止に注力」しなければならないとした。
  今回の利下げ発表を受け、10年債利回りは7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.56%と、20年以来の低水準。中国本土の人民元は上海時間午前11時32分(日本時間午後0時32分)時点で0.23%安の1ドル=7.2744元と、4日続落している。
  中国不動産開発大手の碧桂園が債務危機に直面しているほか、住宅販売の減少も続いており、予想外の利下げは当局が不動産市場を中心に先行きの悪化を巡る懸念を強めていることを示唆している。リスクは金融セクターにも広がりつつあり、不動産セクターにエクスポージャーを持つ主要金融コングロマリット傘下の企業が一部の信託商品で支払いを履行できなかった。
中国不動産大手の碧桂園、デフォルトなら恒大を上回る影響も-BI
  共産党中央政治局が先月の会議で景気を重視する姿勢を示して以降、当局には財政・金融の刺激策強化を求める声が広がっていた。
  ユニオンバンケールプリヴェ(UBP)のアジア担当シニアエコノミスト、カルロス・カサノバ氏は、「7月の中央政治局会議は景気支援の強化を極めて明確に強調していた。今回の決定はそうした方向での最初の具体的なステップだ」と指摘。次は預金準備率が引き下げられると同氏は見込んでいる。
  クレディ・アグリコルの中国担当チーフエコノミスト、治暁佳氏は「MLF金利の引き下げタイミングはやや早く、0.15ポイントの下げ幅も予想より大きく、中国当局が見通しと景気の安定化に向けて緩和策を強化する切迫感を抱いていることを示している」と分析。向こう数カ月以内に追加金融緩和が講じられる公算が大きいとの見方を示した。


2023.08.03-産経新聞(京共同)-https://www.sankei.com/article/20230803-GOUBRSFVDJOCLCHHFJ3MCOPS6M/
恒大傘下企業の株取引再開 3日から、香港市場

  経営再建中の中国不動産大手、中国恒大集団傘下で、不動産管理の恒大物業集団は2日、3日から香港証券取引所で株式の取引を再開すると発表した。

  グループの財務問題を受け決算発表ができずに、株式取引は2022年3月から取引を停止していた。
  恒大の傘下企業では、電気自動車(EV)メーカー、恒大新能源汽車集団の株取引も7月28日、香港証券取引所で再開した。(京共同)


2023.05.12-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230511-WVYLAECWTFLB3KAI5ESKWFBQOI/
中国、外資系コンサル摘発強化 「機微な情報」警戒

  【北京=三塚聖平】中国の国家安全当局が、外資系コンサルティング会社や調査会社の摘発を活発化させている。米欧が対中抑止のために、コンサル会社を使って中国の機密情報を不正に入手しているという見方を強めているためだ。習近平政権は、7月に改正反スパイ法の施行を予定するなど「国家安全」の強化を急いでおり、中国でビジネスを行う外資企業は懸念を強めている

  中国メディアは11日までに、中国の国家安全機関が、米ニューヨークと中国・上海に拠点を置くコンサルティング会社「凱盛融英(キャップビジョン)」の中国国内の拠点を調査したと報じた。同社の従業員が共産党や政府機関、国防企業の関係者などと接触し、高額な報酬を渡して中国の「デリケートなデータ」を得ていたと伝えた。
  中国国営中央テレビは、「海外の組織」がコンサル会社などを使い、「わが国の重点分野の国家秘密や情報を盗み取っている」という当局の見方を強調した。
  ロイター通信によると、3月には米企業調査会社「ミンツ・グループ」の北京事務所が家宅捜索を受け、4月には米コンサル会社「ベイン」の上海事務所が従業員の聴取を受けている。外資系コンサル会社などへの摘発をキャンペーン的に進めているもようだ。
  中国外務省の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は9日の記者会見で、キャップビジョンへの調査について「正常な法執行であり、業界の健全な発展を促し、国家の安全と発展の利益を守ることが目的だ」と主張した。
  コンサル会社や調査会社は、企業が事業判断を行うのに必要な現地情報を収集している。その中には軍事関連など政権にとって機微な情報も含まれているとみられ、こうした情報が米国などに流れることを当局は警戒しているもようだ。


2023.04.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230418-PHDIRU7BSZLDJL24GETUG4MIQU/
中国GDP4・5%増、1~3月期 ゼロコロナ終了で回復

  【上海=三塚聖平】中国国家統計局が18日発表した2023年1~3月期の国内総生産(GDP、速報値)は、物価変動の影響を除く実質で前年同期比4・5%増だった。伸び率は22年10~12月期の2・9%と比べて拡大した。

  新型コロナウイルスの感染拡大を徹底的に食い止める「ゼロコロナ」政策を終了させ、生産や消費といった経済活動は正常化したものの、ゼロコロナ政策の後遺症から内需の回復ペースは比較的緩やかで、習近平政権の統制強化で不動産業界の低迷が長引いている。
  中国経済は昨年、ゼロコロナ政策下で強化された移動制限の影響で悪化。22年の成長率目標は「5・5%前後」だったが、実績は3・0%と目標を大幅に下回った。


2022.11.24-Yahoo!Japanニュース(テレ朝NEWS)-https://news.yahoo.co.jp/articles/02c9cc22a3036b65820e94e0205c2844c127d9ce
iPhone工場で衝突 待遇に抗議?殴る蹴る“集団暴行”も

  中国にある世界最大のiPhone(アイフォーン)の工場一帯で、待遇の改善などを巡って大規模な抗議デモが勃発しました。防護服姿の当局側が従業員を集団で抑え込む映像などが拡散し、批判が高まっています。

   労働者の行く手には、防護服の集団。中国にある世界最大のiPhone工場の一帯では、この防護服姿の当局者と、工場従業員らとの衝突が続いています。
   路上に倒れた人を、なお当局者が足蹴にしています広場を埋め尽くす群衆。一人に対して当局者が集団で攻撃を加えています。
   一方、こちらは従業員でしょうか。工場の防犯カメラを破壊しようとしています。彼らの怒りが頂点に達していることは間違いなさそうです。しかし、一体何があったのでしょう。
   中国外務省・報道官:「あなたが知りたい情報はありませんし、外交問題でもありません」  ゼロコロナ政策を続ける中国。  しかし、徐々にほころびが見え始めています。各地で感染者が増え始めるなか、河南省鄭州市にある世界最大のiPhone工場では先月末、感染を恐れた従業員が大量に逃げ出しました
  工場は極端な人手不足を補おうと、新しい人員を募集。ところが…。地元の人の話によると、人々の怒りには2つのパターンがある模様。
   一つは、高い賃金を提示され地方から集まってきた人の怒り。実際には働けず、自費で地元に帰るように言われたといいます。
   もう一つは従業員の怒り。給料やボーナスが勝手に引き下げられるなどして、不満が爆発したといいます。工場のある鄭州市は市内の複数の地区に、新たにロックダウンを命じました。
   地元当局によると、中心部の住民は検査で陰性となるか当局の許可がない限り、区外に出ることはできません。そうしたなかで、デモは23日の夜も発生した模様です。
   警察車両をひっくり返すなど、工場従業員らの抗議行動はエスカレート。工場側は、責任者が現場に駆け付け、従業員に宿舎に戻るよう説得。また、仕事を辞めて地元に帰る従業員には、およそ20万円を支払うと説明するなど、事態の収拾に追われています。
   コロナを、ゼロに抑え込みたい政府。工場を稼働させたいビジネスセクター。矛盾が、ここに噴出した形です。-テレビ朝日


2022.07.15-REUTERS-https://jp.reuters.com/article/china-gdp-idJPKBN2OQ043
中国経済急減速、第2四半期GDP前年比+0.4% 目標達成困難に

  [北京 15日 ロイター] - 第2・四半期の中国経済は前四半期から予想以上に縮小し、前年同期に比べた成長も大きく減速した。新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)の産業活動や個人消費への打撃が鮮明になった。

  国家統計局が15日発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)は前期比では2.6%減。市場予想(1.5%減)を上回る減少となった。第1・四半期は1.4%増に改定された。
  前年比では0.4%増と、第1・四半期(4.8%増)から大きく減速し、市場予想の1.0%増も下回った。2020年第1・四半期の6.9%減を除けば、1992年の統計開始以降で最低の伸びとなった。
  上海市経済は第2・四半期に前年比13.7%のマイナス成長となった。北京市は2.9%のマイナス成長。上半期のGDPは前年比2.5%増加した。

  コロナ関連規制の多くが解除され、6月の統計は回復の兆候を示した。ただ中国政府はゼロコロナ政策を堅持しており、足元で感染が再拡大していることもあり、アナリストは景気が急回復するとは予想していない。
  野村のアナリストは「市場は下半期の経済成長に過度に楽観的になっている」と指摘した。
<6月の統計には明るさ>
  6月の鉱工業生産は前年比3.9%増加し、5月の0.7%増から伸びが加速した。ただ市場予想の4.1%増は下回った
  6月の小売売上高はコロナ規制の緩和を受けて前年比3.1%増加し、5月の6.7%減からプラスに転換した。市場予想は横ばいだった。4カ月ぶりの高い伸びとなった。上海のロックダウン解除が背景。
  WPICマーケティング+テクノロジーズのジェイコブ・クック最高経営責任者(CEO)は「小売売上高の伸びはロックダウンが主に消費を圧迫したことを示している」と分析した。その上で「今後のロックダウンはそれほど厳しいものとはならない見通しで、下半期に消費の回復が続くと楽観している」と述べた。

  1─6月の固定資産投資は前年比6.1%増。予想は6.0%増、1─5月は6.2%増だった
  主要都市の新築住宅価格は、6月は前年比0.5%下落。住宅ローン金利の引き下げなど住宅購入支援策が導入されているが、5月(0.1%下落)よりも悪化した。
  不動産投資も振るわない。上半期は前年比5.4%減少で1─5月(4.0%減)よりも落ち込み幅が拡大した。

  中国人民銀行(中央銀行)は13日、実体経済への政策支援強化を表明。流動性を適度に潤沢な水準に維持し、企業の資金調達コストを引き下げるよう金融機関に働きかける考えを示した。景気支援に取り組むに伴い、全体的な債務水準が一時的に増加するとの見込みも示した。15日は流動性供給措置の中期貸出制度(MLF)をロールオーバーした。
  アナリストは、米連邦準備理事会(FRB)が積極的な利上げを進める中での政策緩和は資本流出を引き起こすリスクがあり、人民銀行の対応余地は限られているとみている。消費者物価が上昇していることも金融緩和に足かせとなる可能性がある。
<経済成長目標の達成困難か>
  野村のアナリストは「下期の成長について、市場は楽観的になり過ぎている」との見方を示した。
  第一生命経済研究所の主席エコノミスト、西濵徹氏は5─6月で最悪期は過ぎたが、中国経済はスタグフレーションの危機に瀕していると指摘。景気後退の可能性は排除できるとの見方を示した。政府が景気刺激策を今後導入する公算が大きいが、利下げはインフレを促すためハードルが高いという。

  6月の統計には明るさが見られたが、アナリストは急激な景気回復を予想していない。ゼロコロナ政策の堅持、不動産市場の低迷、世界経済の見通し悪化が背景。
  雇用情勢も依然として脆弱だ。6月の全国調査ベースの失業率は5.5%と、5月の5.9%から改善したが、若者の失業率は過去最高の19.3%と、5月の18.4%から悪化した

  6月の不動産投資は9.4%減と、5月の7.8%減から減少ペースが加速した。6月の不動産販売は18.3%減。

  キャピタル・エコノミクスは「今年の経済成長率を5.5%前後とする政府目標の達成は難しいだろう。下半期に急激な加速が必要になるが、その可能性は低い」と述べた。


2022.05.02-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220502-UVMK5NU6PFJSFKQIJ2WYCMKGQQ/
習氏、長期体制優先で「共同富裕」見直しか 経済減速でIT締め付け停止

  【北京=三塚聖平】中国共産党が、習近平総書記(国家主席)の看板政策として昨年から進めてきた「共同富裕」を見直す動きをみせている。貧富の格差解消を掲げて強めた国内IT大手への締め付けについて、党指導部が方針転換を決めたと報じられた。新型コロナウイルスの感染拡大などにより中国経済の減速懸念が強まる中、習氏の長期体制を目指す今秋の党大会に向け、政治的な安定を最優先させたとみられる。

  共産党が4月29日に開いた中央政治局会議は、IT大手に関して健全な発展を後押しする具体的な措置を実施すべきだと支援する姿勢を示した。中国インターネット通販最大手のアリババ集団などを苦しめてきた規制強化については、「特別な改善を完了し、平常状態の管理を行う」との方針を表明した。

  香港英字紙のサウスチャイナ・モーニング・ポスト(電子版)は会議終了直後、関係者の見方として、党指導部がIT業界への締め付けを停止すると伝えた。5月4日までの労働節(メーデー)の連休後、中国の規制当局がアリババなどIT大手幹部を招いて会議を開き、そうした方針を伝えるという。
  習氏は昨年8月、かつて毛沢東が提唱した共同富裕というスローガンを強調。党指導部は「高過ぎる収入の合理的な調節」や「高所得層と企業の社会への還元」を打ち出した。その後、高収入の象徴である芸能界やIT業界などがやり玉に挙がり、芸能人の脱税での摘発が続発。アリババは共同富裕の促進のために計1千億元(約2兆円)の拠出表明に追い込まれた。
  しかし、こうした施策は、中国経済を牽引してきたIT業界を萎縮させ、不動産業界の冷え込みを深刻化させた。中国メディア関係者によると、党内でも「性急に改革を進め過ぎている」という批判が浮上。李克強首相が3月の全国人民代表大会で行った政府活動報告で「共同富裕」について触れたのは1回だけで、党内での意見対立や看板政策の後退が指摘されていた。

  追い打ちをかけたのは、ロシアによるウクライナ侵攻と、上海のロックダウン(都市封鎖)など「ゼロコロナ」政策による景気悪化だ。事態がさらに深刻化すれば、習政権への庶民の不満の高まりは避けられない。習氏にとって今年は、秋の党大会で総書記3期目入りを決めることが最優先事項であり、異例の方針修正を認めたとみられる。


2022.03.21-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220321-K2NWKDUBRJKGNLWR7R737XQHRI/
中国恒大また株取引停止 香港証取、1月以来

  香港証券取引所で21日、経営危機に陥っている中国不動産大手、中国恒大集団の株取引が停止になった。同取引所が明らかにした。取引停止は1月以来で、理由は不明。

  子会社の不動産管理会社、恒大物業集団と電気自動車(EV)を手掛ける恒大新能源汽車集団の株取引も停止した。事業の再編を見据えた動きの可能性がある。
  恒大株は昨年10月に恒大物業を同業他社に売却しようとした際にも取引停止となった。今年1月にも、中国海南省での住宅撤去を命じた行政処分の内容確認のため停止となった。業績悪化により昨年12月に米ドル建て社債の利払いを実施できず、格付け会社から一部デフォルト(債務不履行)と認定された。恒大は中国政府系の企業がメンバーに入る「リスク管理委員会」を設置し、債務再編などを進めている。(共同)


2022.01.11-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/article/20220111-ZM3RGPQLBZLXZEXUWLU4HV3JNI/
中国恒大が本部移転 債権者集会は延長か

  【北京=三塚聖平】巨額債務で経営危機に陥っている中国不動産大手「中国恒大集団」は10日、中国南部の広東省深圳(しんせん)市にあった本部を移転したと発表した。同市内にある自社所有の物件に移った。資金繰り難が続く中、移転によりコストを削減して運転資金を確保する考え。

  同社の中核子会社である「恒大地産集団」の発表によると、これまで本部を置いていたビルの退去手続きを昨年12月に行ったという。同社は、移転について「コスト節約のため」と説明している。
  ロイター通信は11日までに、恒大集団が債権者集会の投票期間を13日まで延長したと報じた。同社は人民元建て社債の債権者集会を7~10日にオンラインで開き、繰り上げ償還の期日を半年延期する案などについて投票を行うとしていた。資金繰り改善を狙うが、債権者との話し合いが難航している可能性がある。
  恒大集団は昨年末、米ドル建て社債の利払いができず、欧米の大手格付け会社が部分的なデフォルト(債務不履行)と認定した。同社は、米ドル債の利払いは見送る一方で、人民元建て債については利払いを続けている。


2022.01.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220104-ULU3FLZHJZIXFN6BXRGSHKFLZY/
中国恒大建設中39棟の撤去命令 中国地方当局 違法建築指摘

  【北京=三塚聖平】巨額債務で経営危機に陥っている中国不動産大手「中国恒大集団」は4日までに、中国南部の海南省(海南島)で手掛けるリゾート開発をめぐり、地元当局から一部建物の解体を命じられたと発表した。住宅39棟が対象で、中国メディアによると違法な建築と認定された。追加損失が生じるなどして経営のさらなる重荷になる可能性がある。

  恒大集団は3日、海南省で手掛けるリゾート施設「海花島」に関して昨年末に行政処分の通知を受けたことを認めた。同施設は3つの人工島に住宅、ホテル、ショッピングセンターなどを整備している。
  中国メディアによると、建築許可の違法取得などを理由に、10日以内に処分対象となった住宅の撤去を地元当局が求めた。期日内に撤去しない場合には、当局側が強制的に取り壊す。撤去対象となった住宅の資産価値は77億元(約1400億円)にのぼるという。
  恒大集団は「適切に処理する」と表明。処分対象以外の施設への影響はないと強調している。香港証券取引所で3日から一時停止されていた同社株の取引は、処分に関する発表を受けて4日午後に再開した。


2022.01.02-Yahoo!Japanニュース(Bloomberg)
中国の対外債務残高、昨年9月末時点で2兆7000億ドル-前期比で増加

  (ブルームバーグ): 中国の対外債務は昨年7-9月(第3四半期)に167億ドル(約1兆9220億円)増えた。外国人投資家がオンショア人民元建て債の購入を増やしたことが一因。

  国家外為管理局(SAFE)の報道官を務める王春英副局長は12月31日付の発表資料で、9月末時点の対外債務残高2兆7000億ドルのうち中長期の債務が占める割合は約47%と、6月末時点から3ポイント拡大したと説明した。
  オフショア投資家によるオンショア債保有の拡大は、金融市場開放での成果と中国経済見通しに対する投資家の信頼感を反映していると、王氏は指摘した。
  王氏はさらに、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)や一部先進国で見込まれるテーパリング(資産購入の段階的縮小)が突き付ける課題を指摘。当局は対外債務の規模および構造を注意深く監視し、国境を越える資本移動に伴うリスクへの警戒を続けると述べた。



2021.12.29-Bloomberg-https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-12-29/R4V9DFDWRGG001
中国恒大、ドル建て債の利払い期限過ぎる-支払われた様子見られず

  中国恒大集団はドル建て債2本の利払い期限を28日に迎えたが、クーポンが支払われた様子はないデフォルト(債務不履行)と認定されるかどうかは、30日間の猶予期間後となる。

  ブルームバーグ・ニュースが確認した目論見書によれば、この2本のドル建て債は支払い・証券代行をシティバンクのロンドン支店が担当している。28日は英国の祝日だった。
  流動性危機に陥っている不動産開発大手の中国恒大は債務返済に追われているものの、住宅の引き渡しと賃金の支払いを重視。別のドル建て債で猶予期間終了後も利払いを履行できなかった中国恒大は今月、国際的な格付け会社から初めてデフォルトの認定を受けた。
中国恒大に初のデフォルト認定、フィッチが「一部債務不履行」に
  中国不動産企業の株価に連動するブルームバーグの指数は29日の取引で一時2.2%下げ、このままいけば今月20日以来の下落率となる。香港市場では中国恒大の株価が7.4%高となる場面もあったが、その後は上げ幅を大きく縮小した。


2021.12.09-Bloomberg-https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-12-09/R3UA0VT1UM0X01
中国恒大に初のデフォルト認定、フィッチが「一部債務不履行」に

  中国の不動産開発会社、中国恒大集団は流動性危機の中で初めて、ドル建て債でデフォルト(債務不履行)に陥った。

  今月6日に猶予期間を終了したドル建て債の利払い不履行によって、フィッチ・レーティングスが長期発行体デフォルト格付けを「一部債務不履行(RD)」に引き下げた。同社は恒大と同業の佳兆業集団の同格付けもRDと、これまでの「C」から引き下げた

  許家印会長が25年前から築き上げてきた不動産帝国の崩壊が始まったほか、債権者には投資資金回収に向けた闘いの開始も意味する。中国政府も不動産セクターの債務危機が経済全体に広がることを防ぐ課題に直面する。中国人民銀行(中央銀行)は6日に預金準備率引き下げを発表し、市場は一定の冷静さを維持している。
  6月時点で総額3000億ドル(約34兆円)以上の負債があることを開示した中国恒大は、3日の取引所への届け出で、オフショア債権者と再編計画について「積極的」に協議する計画だとしていた。公募および私募の全てのオフショア債を再編計画に含める計画だと事情に詳しい関係者が述べていた。
  中国恒大、債務再編に全てのオフショア債を含める計画-関係者 

  192億ドルのドル建て債保有者は大幅な債務減免要請に見舞われそうだ。このプロセスは長期間を要し、中国経済へのリスクともなり得る。

  中国恒大のドル建て債の一部は額面1ドルに対して約20セントと、ディストレスト債の水準で取引されている。債権者にとっては同社が住宅販売と資産処分を加速できるかどうかが鍵になる。
  中国恒大会長、資金確保に向けた迅速な資産売却に抵抗-英紙FT
  当局も介入しており、中国恒大が本拠を置く広東省の政府は先週、再編計画について債権者と協議するとの同社発表後に許会長を呼んで説明を求めている。
  当局はリスク管理と内部コントロール強化、通常業務継続を求め作業グループを送り込む計画。6日の発表によれば、リスク管理委員会の過半数を政府系の代表者が占める。


2021.12.04-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211204/k10013374421000.html
中国「恒大グループ」 国外の債権者と債務再編協議の方針

  巨額の債務を抱えて経営難に陥っている中国の不動産大手「恒大グループ」は、国外の債権者との間で債務の再編を協議する方針を明らかにしました。
本社がある広東省の地元政府は作業チームを派遣すると発表し、影響の拡大を抑えたいねらいとみられます。

  中国の不動産大手「恒大グループ」は3日、日本円でおよそ290億円の債務保証の履行を求められていることを新たに明らかにしました。
  また、会社が抱える巨額の債務をめぐって「財務上の義務を果たせない可能性がある」として、国外の債権者との間で、債務の再編を協議する方針を示しました。返済条件の見直しなどを求める意向とみられ、資金繰りが引き続き厳しい状態にあることを示しています。
  発表のあと、恒大グループの本社がある広東省の地元政府は許家印会長から事情を聴き「リスクを抑え、社会を安定させるため」として作業チームを派遣すると発表しました。
  さらに、中国の中央銀行、中国人民銀行などの金融当局も「恒大グループのリスクはみずからの管理不足と、やみくもな事業拡大によるものだ」などと相次いで発表し、金融市場全体への影響は限られると強調しました。
  恒大グループや、多額の債務を抱えるほかの不動産企業の経営に対する懸念が続く中、当局としては、影響の拡大を抑えたいねらいとみられます。


2021.12.04-毎日新聞-https://news.yahoo.co.jp/articles/5eeeaffd0464eb11c49dd4704fa852c7477779a9
中国恒大、290億円債務不履行の可能性 省政府が作業チーム派遣

   経営危機が続く中国不動産大手、中国恒大集団は3日夜、2・6億ドル(約290億円)の債務保証の履行ができない可能性があることを明らかにし、債権者と協議して海外の債務再編案を策定すると発表した。これを受け、恒大の本社がある広東省政府は同日、恒大の中核子会社に経営正常化に向けた政府の作業チームを派遣すると発表した。

   恒大は関連会社のものとみられる2・6億ドルの債務の保証を債権者から求められていると発表。「財務責任を履行し続けられるか確定できない」とした。返済繰り上げを要求される可能性があるとしており、履行できなければ、実質的な債務不履行(デフォルト)とみなされる可能性がある。

   恒大は11月6日が期限だった自社の8250万ドルの社債の利払いを履行しておらず、30日間の猶予期間終了が迫るほか、12月下旬には約2・5億ドルの別の社債の利払い日を控える。今回、新たな債務保証が発覚したことで、経営はより厳しい局面を迎えた。
   広東省政府は作業チームにリスク処理と恒大の内部統制強化を進めさせるとしている。中国人民銀行(中央銀行)は3日、同省政府の判断を支持すると表明した。一方で「恒大の危機はむやみな経営拡張に由来する」と恒大を批判。中国の不動産市場についても「徐々に常態に戻っている」と強調し、安易な救済に否定的な姿勢を見せた。【北京・小倉祥徳


2021.11.16-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/c735303bef0e95a51f77920839136a68ef07fc70
中国恒大、必死の資金繰り 創業者豪邸、美術品も売却

  【北京=三塚聖平】巨額債務で経営危機に陥った中国不動産大手、中国恒大集団が、債務不履行(デフォルト)回避へ保有資産の切り売りを急いでいる
  創業者の豪邸を抵当に入れたほか、美術品やプライベートジェット機の売却も伝えられる。6月末時点で1兆9665億元(約35兆円)という負債総額からすると焼け石に水と指摘され、デフォルトはすんでのところで免れているが綱渡りの資金繰りが続く

  ロイター通信は16日、創業者の許家印(きょかいん)氏の指示で同社が美術品などの売却を進めているという関係筋の情報を報じた。許氏は、美術品や書道作品、観賞用のコイに熱中しており、これまでに数千万元を支払っているという
  香港メディアの「香港01」は10日、許氏が香港の豪邸を日本の金融サービス大手「オリックス」の抵当に入れたと報道。香港の高級住宅地である山頂(ピーク)にある物件で、市場価値は8億香港ドル(約117億円)になるという。

  米ブルームバーグ通信は10月下旬、中国当局が債務削減のために個人資産を使うよう許氏に求めたと伝えた。ブリンケン米国務長官が10月上旬、恒大問題の悪影響が世界経済全体に波及しないよう「責任ある行動」を中国政府に求めたこともあり、中国当局は許氏や恒大への圧力を強めているとみられる。
  また、米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、恒大は自社所有のプライベートジェット機2機の売却を10月に終え、5千万ドル(約57億円)余りを調達。許氏ら同社幹部が国内外を移動するのに使っていたものとみられる。
  恒大は事業売却も進めているものの、順調ではないもようだ。10月には傘下の不動産管理会社「恒大物業集団」の株式売却交渉を打ち切ったと発表。売却額は約200億香港ドルを想定していた。 今月11日には、未払いとなっていた米ドル建て社債の利払いを行ったと伝えられた。
  米メディアによると、利払いの額は1億4800万ドルで、デフォルトの危機を再び瀬戸際で回避した形だ。 ただ、年末にかけて別の社債の利払いが予定されており、来年には多額の資金を必要とする元本償還も待ち構えている。本業の不動産市場も、中国政府による不動産バブルの抑制策で冷え込みが伝えられており、恒大の経営は予断を許さない状況が続く。


2021.11.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20211104-JQRXWVUE2BJNHMZXJD22MTHZUA/
中国、米産LNG長期購入 安定確保へ大規模契約

  中国国営新華社通信によると、中国国有資源大手の中国石油化工集団(シノペック)は4日、米国産の液化天然ガス(LNG)の供給を手掛けるベンチャー・グローバルLNGと20年間にわたり、年400万トンを輸入する契約を結んだ。世界的なエネルギー不足を受け、調達先を増やすことで安定的に確保する狙い。

  新華社は米中間で結ぶLNGの長期売買契約としては過去最大規模と強調。貿易摩擦の影響でLNGの米国から中国への輸出は一時減っていたが、ロイター通信によると、中国は天然ガス価格の高騰や電力不足を背景に米国産LNGの輸入拡大に向けた交渉を加速している。
  シノペックの傘下企業もベンチャー・グローバルから計380万トンのLNGを購入する計画だというシノペックは、LNGの輸入拡大は、エネルギー構造を転換し、脱炭素社会を実現する上で重要な意義があるとしている。(共同)


2021.10.29-Rakuten Infoseek News-https://news.infoseek.co.jp/article/sankein__world_china_W5PFH76L4FIKZL77XRUK4BWQ2U/?tpgnr=world
中国、電力不足に続き軽油不足 各地でトラックへの給油制限も

  【北京=三塚聖平】中国各地で軽油不足が深刻化している。電力の使用制限を受け、軽油を燃料とする自家発電機を使う工場が増え、軽油の需要が一気に増したことが要因とみられている。同じく軽油を使用するトラック輸送に影響を与えるほか、中小企業の工場もコスト上昇に苦慮しており、さらなる景気悪化につながる可能性もある。

  中国のニュースサイト「財新網」は26日、「全国で軽油の需給が逼迫(ひっぱく)し、各地で給油所が制限」と報じた。河北省石家荘の給油所では軽油は1回100リットルを上限とするトラックの給油制限を設けた。安徽省阜陽では多くの給油所が軽油を販売していなかったり、数十リットル程度に制限。長距離の依頼を断るトラック運転手も出ているという。

  財新網は「軽油需要は突然、思いがけず増した」とし、9月から続く電力不足の影響を指摘する。中国本土の約3分の2に相当する地域で停電や供給制限が発生。各地の工場で注文に対応するため自家発電機を稼働し、軽油を買い求めたとみられる。9月は軽油の商業用在庫が大幅に減った
  国際市況の影響で価格上昇も続き、特に中小企業への打撃は大きい。産経新聞の取材に応じた上海市郊外で物流倉庫を経営する男性は「燃料代は以前と比べて30~40%も上がった。負担が重くてやっていけず、経営権を手放すことを決めた」と苦境を語った。電力制限に合わせて自家発電機を契約したが、1回使うだけで軽油代は6千元(約11万円)もかかったという。軽油の需給逼迫は3カ月程度続くとみられ、さらなる景気悪化が懸念される。
  電力不足は、火力発電用の燃料である石炭の価格高騰に加え、中央政府から二酸化炭素排出量の削減を求められた地方政府が一気に電力の供給制限を進めたことも響いた。電力不足の深刻化で景気や社会への悪影響が懸念される中で習近平政権は、今度は二酸化炭素の排出量が多い石炭火力発電のフル稼働へ動く

  10月8日には李克強首相が開いた会議で、電力確保へ石炭火力発電所の稼働強化や石炭の増産を指示。石炭産地である内モンゴル自治区で炭鉱の生産拡大を求めたほか、インドネシアなどから石炭輸入も急ぐ
  31日からは英グラスゴーで第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)が始まるが、中国の温暖化対策は一時的に後退することになりそうだ。


2021.10.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20211027-NL65REACRVNCZB3SCAGZ3RUBAM/
中国政府、不動産大手に外債の支払い指示

  【北京=三塚聖平】中国政府は27日までに、外貨建て社債の償還や利払いの確実な履行を求めたと発表した。中国の不動産大手各社が指示を受けたといい、米ドル建て社債の利払いが滞っている中国恒大(こうだい)集団を念頭に、債務不履行(デフォルト)を避けるよう引き締めを図ったとみられる。

  国家発展改革委員会と国家外貨管理局は26日、「重点業界」の企業を集めた会合を開き、経営状況や外債の償還計画について聴取を実施。その上で、企業側に「財務規律と市場ルールの順守」を求めるとともに、外債償還の準備を進めるよう求めた。発表では企業名は明示されていないが、中国メディアは呼び出されたのは不動産大手各社だと伝えている。

  経営危機に陥る恒大集団は、今月23日に猶予期限を迎えたドル建て債の利払いを直前になって実施し、デフォルトを免れた。ただ、29日には別のドル建て社債の利払い約4750万ドル(約54億円)の猶予期日を迎えるなど、年末に向け相次ぎ利払い期日を迎える。
  また、今年に入ってドル建て債のデフォルトに陥った中国不動産大手企業は9社で、未償還額は計280億7300万ドルに達すると中国メディアが伝えている。国内向けの利払いを優先させる動きも見られるため、海外投資家の懸念は増している。ブリンケン米国務長官も10月上旬、恒大問題の悪影響が世界経済全体に波及しないよう「責任ある行動」を中国政府に求めていた

  一方、米ブルームバーグ通信は26日、中国当局が恒大集団創業者の許家印(きょかいん)氏に対し、債務削減のために個人資産を使うよう求めたと伝えた。関係筋の情報として、恒大集団が9月にドル債の利払いを本来の期日に実行できなかったことを受け、許氏に指示したとしている。ブルームバーグは、習近平政権が恒大集団の救済に乗り出す可能性が低いという見方も示している。


2021.10.23-Yahoo!Japanニュース(朝日新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/035612e06d3699287eb7f183273ca96ceb565556
中国が「不動産税」を導入 乱開発で価格高騰が問題に、格差解消狙う
北京=西山明宏

  中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会は23日、日本の固定資産税にあたる「不動産税」を一部都市で試験的に導入することを決めた。まずは5年間の試験期間としているが、習近平(シーチンピン)指導部は不動産市場の安定や格差是正のため、本格導入を目指すとみられる

  国営新華社通信が同日報じた。中国では土地は基本的に国の所有物であるため、個人や企業は土地の使用権を国から購入して建物を所有している。土地も対象に含めた固定資産税は課されていなかった。
   新華社によると、中国政府が今後、実施都市や具体的な税率などを決める。課税対象者は土地の使用権を持つ人や住宅など建物の所有者。農村の住宅などは含まれないという。
   すでに2011年から上海市や重慶市では購入した住宅への課税を先行して実施してきたが、土地の使用権は対象外だった。試験導入の期限について、状況次第で延長するかを再度決めるともした。さらに「条件が熟せば適時法律を制定する」として、将来的に立法化し全国的に拡大していく可能性も示唆した。
   中国が不動産税の導入へと動いた背景には、富裕層による投機や不動産会社による乱開発により価格の高騰が社会問題となっていた不動産市場の改革に加え、習指導部が掲げる「共同富裕」(共に豊かになる)の実現がある。中国共産党の理論誌「求是」は16日付の最新号で、習氏の演説を掲載。高所得者への対策として、所得税の強化と並び不動産税の立法化に向けた試行などの税制改革を打ち出していた。
   また、中国では地方政府が土地の使用権の売却収入に過度に依存していることが、不動産価格の高騰に拍車をかけていると問題視されてきた。税収を安定させることで、こうした問題を解決する狙いもありそうだ。(北京=西山明宏)

■中国の不動産税をめぐる経緯
  1990年代 使用権を売買する形で個人の不動産取得が可能に
  2011年代 2軒目以降の住宅や高額の住宅を対象にした不動産税を上海と重慶で試験導入
  2012年代 習近平指導部が発足
  2013年代 共産党の中央委員会全体会議で不動産税の立法を急ぐ方針を決定
  2018年代 全国人民代表大会の政府活動報告で「不動産税の立法を着実に推し進める」
  2021年代 全人代の常務委員会が不動産税の一部地域での試験導入を決定
  中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会は23日、日本の固定資産税にあたる「不動産税」を試験的に導入することを決めた。まずは5年間試すと国営新華社通信が23日に報じた。「共同富裕」を掲げる習近平(シーチンピン)指導部は、不動産市場の安定や格差の解消のために本格導入を目指す考えとみられる。
(北京=西山明宏)朝日新聞社


2021.10.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20211022-6GPDXWF3UZLFTEXXWUFNJZOAQE/
中国恒大集団、米ドル債の利払い実施へ 23日期限の95億円 中国メディア報道

  【北京=三塚聖平】中国メディアは22日、巨額債務で経営危機に陥っている中国不動産大手中国恒大集団」が23日に猶予期限を迎える米ドル建て債の利払いを実施すると報じた。実際に行われれば23日分に関しては債務不履行(デフォルト)が回避されることになるが、傘下企業の売却交渉が頓挫するなど資金繰り難の解消目途は立っていない

  中国メディアによると、恒大集団は23日に猶予期限が切れる米ドル債の利息8350万ドル(約95億円)の送金を21日に金融機関に行った。恒大集団が猶予期間内に利払いを行わず、デフォルトに陥ることが懸念されていた。
  恒大集団は年末に向けて相次ぎ社債の利払い期限を迎えるが、資金繰りは改善の目途が立っていない。保有資産の売却などによる資金手当てを目指しているが、20日には傘下の不動産管理会社「恒大物業集団」の売却交渉を打ち切ったと発表。売却額は、約200億香港ドル(約2940億円)を想定していたという。恒大集団資金繰りは綱渡りの状態が続いており、資金調達の行方を国内外の市場関係者が注視している。


2021.10.12-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/4d7d45233f4f7437010e35dea0562d4bc29aa2db
中国9月新車販売が2割減 半導体不足など響き変調

  【北京=三塚聖平】中国自動車工業協会が12日発表した9月の新車販売台数は、前年同月比19・6%減の206万7千台だった。マイナスは5カ月連続。世界的な半導体不足などが響き、減少幅は8月(17・8%)から拡大した。

  世界に先駆けて新型コロナウイルス禍からの回復が進んできた中国市場の変調が鮮明になっている。 内訳では、乗用車が16・5%減の175万1千台だった。商用車は33・6%減。一方で、政府が普及を後押ししている電気自動車(EV)などの「新エネルギー車」は2・5倍の35万7千台と大きく伸びた。

  アジアでの感染拡大の影響を受け、中国の自動車産業は部品の調達難に苦しんでおり、販売にも打撃を与えている。中国各地で電力不足が深刻化し、停電や供給制限が起きていることも悪化要因となった

  同協会は「半導体不足はいくらか改善したが、依然として生産需要を満たすことができていない」と指摘した。
  12日に出そろった日系大手4社の中国市場における9月の新車販売も、全社が20~30%台のマイナスだった。好調が続いてきた日系メーカーの中国販売にもブレーキがかかっている。


2021.10.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20211010-N26EWSCTIVNGDLAVCCXN6ZIAZI/
中国不動産業界に増す懸念 巨額簿外債務を米金融大手が指摘

  【北京=三塚聖平】中国不動産業界で広がる債務問題に対する懸念が増している。総額33兆円の巨額負債を抱えた中国恒大(こうだい)集団」が経営危機に陥っているが、恒大集団を含む中国不動産大手が数千億円規模の簿外債務を抱えている可能性があると米金融大手が指摘した。中国不動産大手の不透明な経営状況が、海外を中心とした投資家のさらなる疑念を招きそうだ。

  ロイター通信によると、米金融大手のJPモルガン・チェースはこのほど、恒大集団を含む中国不動産大手の多くが簿外債務を抱えているという推計を示した。その規模は数十億ドルに達する可能性があるという。

  中国政府は昨年、自己資本に対する負債比率を100%以下に抑えることなどを求める三道紅線(3つのレッドライン)」と呼ばれる不動産融資規制を打ち出した。これを守れない企業は銀行融資に関して制限を受けることになったため、恒大集団などは有利子負債の一部を財務諸表から外したとJPモルガンは分析している。これにより見掛け上は債務が圧縮され、新規制を順守しているようになる
  モルガンは、恒大集団が「見たところ最も極端なケース」と指摘しているものの、広州富力地産や融創(ゆうそう)中国など他の不動産大手にも似たような動きがみられるという。
  恒大集団をめぐっては、9月23日と29日に米ドル建て社債の利払い計約1億3100万ドル(約147億円)を見送ったと伝えられている。それぞれ30日間の猶予期間があるが、海外投資家の間ではデフォルト懸念がくすぶる。年末に向け相次ぎ社債の利払い期限を迎えるため、保有資産の売却などによる資金手当てを目指している。

  一方で、恒大集団は中国国内の債権者を優先させる姿勢を見せている。9月23日が期日だった人民元建て社債の利払い2億3200万元(約40億円)は事前に実施を発表。同29日に傘下の地方銀行、盛京銀行の株式を約100億元(約1700億円)で売却すると発表したが、資金は同行の債務返済に使うと説明しており、ドル建て社債の利払いには回らないとみられる。ロイターは、恒大集団の社債を保有する投資家が「透明性」を求めていると伝えている。
  中国人民銀行(中央銀行)は9月下旬に開いた金融政策委員会で、「不動産市場の健全な発展や、住宅消費者の合法的な権益を守る」との方針を確認した。こうした中国当局の姿勢も、恒大集団の国内優先の態度に影響している可能性がある。

  中国の不動産業界でも資金繰り難が広がっており、今月4日には中国の不動産会社「花様年控股集団」が同日に償還期限を迎えた米ドル建て社債の償還ができなかったと発表。2億600万ドル(約230億円)分の元金を返済できなかった。中国不動産業界をめぐる緊張状態は当面続くものとみられる。


2021.10.04-BBC NEWS JAPAN-https://www.bbc.com/japanese/58784804
中国恒大集団、株式の売買停止 「重要取引」発表控え

  中国不動産大手の中国恒大集団の株式が4日、香港株式市場で一時的に売買が停止された。同社をめぐっては、投資家らが先行きに関する発表を待っている。
  恒大集団は、世界最大の負債を抱える不動産開発会社となっている。経営の危機が破綻へとつながれば、世界市場に衝撃を及ぼすと懸念されている。
  同社は香港証券取引所への届け出で、売買停止について、「重大な取引に関する内部情報を含んだ発表」を前に実施されたと述べた。
傘下企業の株売却へと報道
  恒大集団をめぐっては、傘下の不動産企業の株式の51%を、恒大集団のライバルで香港で上場している合生創展集団50億ドル(約5550億円)超で買う見通しだと、中国メディアの財聯が報じた。


2021.09.30-J B Press-https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/67139
住民にとってはたまらない!習近平の「信念」が起こした大停電-予告のない電力供給停止で経済活動、地域住民の生活が大混乱
(1)
  9月下旬、中国の東北3省の多くの都市で相次いで大規模な停電が発生した。23日、瀋陽の公道では信号が消えたため渋滞が起こり、マンション、ビルではエレベータが止まり、断水し、食事が作れなかったりトイレが流せない状況が起きた。停電時間は短くて5時間、長い場合は十数時間に及び断水は2日に及ぶところもあった。携帯電話が充電できず電子決済ができなかったり、親戚と連絡が取れない状況も起きた。パソコンが使えないから仕事もできない。学校は休校。一部商店ではロウソクで営業するありさまとなった。

 予告なしの突然の電力供給停止であったため、一部工場や家屋では、石炭火力を使った装置や暖房の排気のための換気システムが止まり、一酸化炭素中毒などの事故も発生した。たとえば9月24日、遼寧澎輝鋳業有限公司では、停電で排気システムが止まり、鋳造用の高炉から発生するガスによる一酸化炭素中毒で工員23人が遼陽市内の病院に運び込まれた。
突然の大停電が経済活動、市民生活を直撃
  この停電について地域住民は地方当局から一切説明を受けていなかった。
  9月26日、吉林市新北水務有限公司(水道会社)は微信のオフィシャルアカウントで、次のような公告を出した。
  「国家電力網公司(ステート・グリッド)の要請に応じ、東北電力管理局と吉林省エネルギー局は電力使用の優先順位にあわせて、不定期、不定時に非計画、非通知の電力供給停止、電力使用制限を実施します。この措置により2022年3月まで、停電や断水などが常態化します」
(2)
  この通知をみて、地元の企業や住民たちが真っ青になって飲料水やロウソクを買い占めに走ったのは言うまでもない。
  さすがに、この公告は地元の不安を引き起こしたとして上層部から厳しい叱責があったようで、新北水務公司は27日に再度SNSを通じて公告を出し、次のように釈明した。
  「臨時停電によって供水地域のユーザーに対して臨時断水が引き起こされるとの懸念から、弊社アカウントはユーザーの皆様に適時に水の備蓄を準備してもらうよう(26日のSNSで)注意を促しました。ですが、この通知には不適切な言葉遣いと不正確な内容があり、ユーザーの皆様に誤解を生んでしまいました。深く責任を感じ、厳粛に対応し、会社の規則に厳格に則って関連の責任者を処遇します」
  こうした電気・水道企業の慌てぶり、混乱ぶりが示すように、今回の東北大規模停電は尋常ではない事件だった。
  中国で計画停電、電力使用制限措置は珍しいことではない。雨季の大洪水や冬季の大雪害による送電網の寸断、乾期の水不足によるダム湖枯れの水力発電不足、あるいは国家的大規模イベントの開催に合わせて空気のきれいな青空を演出するために火力発電所の稼働時間を制限したりして電力が逼迫することもあった。だが、今回の大規模な予告なしの電力使用制限、停電の背景は、もっと複雑にいろんな問題が絡み合っている。
   まず、これまでの電力使用制限措置は、主に工業用電力に対して計画的に行われてきた。だが今回の東北停電は計画的でなく、地域住民の生活にも混乱をもたらした。東北はすでに冬が始まっており、この調子で民生用電力にも影響が及び続けるようであれば、これから零下十数度から数十度の極寒地域での人々の生活安全すら脅かされかねない。
(3)
  なぜ、このような広範囲にして突然の電力供給制限が今秋、中国で起きたのだろうか。
背景に石炭火力発電の電力不足
  多くの人たちが想像したのは、習近平政権が導入している「エネルギー消費双制御」(総エネルギー消費制御、エネルギー消費強度制御)政策によるものではないか、ということだった。
  実のところ電力供給制限はメディアで騒がれている東北3省(吉林、遼寧、黒竜江)だけでなく全国範囲で散発している。特に9月中旬以降、全国の多くの省で電力使用制限措置を取らざるを得ない状況に陥っていた。中でも、江蘇、雲南、浙江などの省の電力使用制限は、中央の「2030年カーボンピークアウト・2060年カーボンニュートラル」政策における温暖化ガス排出削減目標を達成するために、地方政府が企業に対して電力使用制限を要請したものだった。
  一方、広東省、湖南省、安徽省などの電力使用制限措置は、電力逼迫が主な原因だった。昨年(2020年)から顕著になっている石炭の高騰により、発電企業は赤字削減のために発電量を圧縮した。電気料金は政府により低価格で抑えられているため、原料の石炭が高騰すれば、電力企業は発電所を稼働させるほど赤字になる。しかも、習近平の政策では温暖化ガス削減目標が掲げられているのだ。この結果、電力会社の発電量は、新型コロナ流行から脱して生産量、輸出量が回復してきた企業・工場の電力需要を下回ってしまい、こうした地域は産業の優先順位に従って工場ごとに稼働時間を割り振ったり計画停電を実施する措置がとられた。
  だが、東北地域の大停電は、政府による「エネルギー消費双制御」政策とは関係なく、計画停電でもないという。
(4)
  遼寧省でも実のところ7月以降、広東省などと同じように電力逼迫は起きており、9月10日から計画停電措置が導入され、プライオリティの高い産業から優先的に電力が割り振られるようになっていた。だが、そうした逼迫状況に加えて、9月23~25日の気候変化のせいで風力発電量が急落した。この地域の送電網は一般に50ヘルツで稼働している。49.8ヘルツ以上が安全閾値で、これより低くなると電力系統の安定維持のために出力抑制や負荷(需要)遮断が行われる。遼寧では急激な電力不足による周波数低下が起きたため、この安全措置が取られたのだった。同様の停電はたとえば2019年8月9日に英国で発生している。
  遼寧では今年1~8月、社会用電力使用量が前年同期比で9.47%増え、電力負荷が過去最高になっていた。これは新型コロナ禍から社会・経済活動が急激に回復したことにもよるものだ。
  同時に習近平政権の打ち出すカーボンニュートラル目標、温暖化ガス排出制限目標に従って火力発電所の稼働が次々と停止されていった。それを風力など再生可能エネルギーが補う格好になっていたという。2020年末の段階で、東北3省の電力供給バランスは、火力発電が63%、風力発電が18%、太陽光8%、水力7%、原子力4%。だが、中国「財経」誌によれば、遼寧の火力発電出力は設備容量の半分ほどにとどめられていたという。このため、発電量が気候の変化で急減する風力発電に頼る部分が大きくなったことが、周波数低下リレーによる負荷遮断を引き起こした要因といえる。
  直接的な原因は、風力発電量の急落だが、その背景には石炭火力発電の電力不足がある。
  石炭火力発電の電力不足は、カーボンニュートラル政策のための発電所の稼働停止と、全国的な石炭不足、石炭価格の高騰による電力企業の発電量圧縮が原因である。
  石炭が高騰している理由は、カーボンニュートラル政策を掲げたことから石炭採掘への投資が大きく落ち、石炭生産量の伸びが減速中であることに加え、習近平の戦狼外交が招いたオーストラリアとの関係悪化により、オーストラリアからの石炭購入を昨年以来取りやめていることが挙げられる。石炭価格は環渤海石炭価格指数によれば、昨年1月に1トン当たり550元前後だったのが、今年9月には750元前後に高騰。中国の石炭の備蓄量は昨年1月の段階では2億2000万トン近くあったのが、今は1億2000万トンを切りそうな状況となっている。
(5)
  業界内の事情通が財経誌に語ったところによれば、東北地域で1990年代以降、こうした大規模な電力使用制限措置が取られたことはなかったという。そもそも東北の電力需要は沿海部ほど高くなく、長らく電力不足とは無縁であった。東北送電網はむしろ、河北や山東へ電力輸出をしていたくらいなのだ。このため、東北地元政府が電力不足による電力使用制限の対応に慣れておらず、また送電網の電力制御の経験も不足していたことが、今回の混乱に一層の拍車をかけたという。
  とりあえず、東北3省からの省外への電力輸出はすでに一時停止している。このため山東、華北地域の電力供給も逼迫してくるとみられている。
習近平の譲れない政治目標
  こうした背景をみると、今回の東北大停電の問題は一時的なものではなく、かなり長引く問題ではないかと思われる。そもそもなぜ電力が逼迫しているかというと、すべて習近平の政策がもたらしたものだ。たぶん、それは最初から分かっていたことである。
  おそらく習近平としては、経済成長を犠牲にしても譲れない政治目標がいくつもあるのだろう。2030年までのカーボンピークアウト、2060年までのカーボンニュートラル実現もその1つだ。不動産バブルの圧縮も、インターネットプラットフォームや教育、文化、エンタメ産業のコントロール強化も、結果的には成長産業の目をつぶし、民営企業家を委縮させ、GDPにはマイナスの影響を及ぼすだろう。だが、自らが考える理想の中国、共同富裕社会への道、そして自らの政治権力集中のためならば、経済や人民の暮しを犠牲にすることに躊躇しないのが、習近平の性格なのだろう。
  目下、程度の差はあれ、電力使用制限措置が取られているのは20省に拡大している。人民にとっても企業にとっても厳しい冬になりそうだ。そんな中で、北京冬季五輪が国威発揚とばかり華々しく豪華に開催される。それが習近平の理想とする共同富裕社会らしい。


2021.09.29-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210929/k10013282001000.html
中国 恒大グループ 地方銀行株を売却 資金繰りの改善 焦点に

  巨額の負債を抱えて経営難に陥っている中国の不動産大手「恒大グループ」は、保有する地方銀行の株式を日本円で1700億円余りで国有企業に売却すると発表し、資金繰りの改善にどこまでつながるかが焦点です。中国の不動産業界2位の恒大グループは29日、保有する地方銀行「盛京銀行」の34%余りの株式のうち、19%余りを国有の投資会社に売却すると発表しました。

  「盛京銀行」は中国東北部の遼寧省瀋陽を拠点にする地方銀行で、売却額はおよそ100億人民元、日本円で1700億円余りになるということです
  恒大グループは「国有企業の関与によって銀行の経営が安定化する」などとしていて、市場関係者からは今回の問題の影響が金融システムに波及することを防ぐため、中国の当局が売却を後押しした可能性があるとの指摘も出ています
  巨額の負債を抱えて経営難に陥っている恒大グループは、29日も日本円でおよそ50億円のドル建て社債の利払いが期限となるなど、相次いで巨額の利払い期限を迎えていて、株式の売却で資金繰りがどの程度、改善するかが焦点です。
  一方、中国の不動産業界をめぐっては、この問題をきっかけにほかの大手企業の経営状況にも市場で厳しい目が注がれており、中国経済や金融市場などへの影響がどこまで出るか、なお予断を許さない状況です。


2021.09.24-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM24A2K0U1A920C2000000/
中国人民銀行、仮想通貨を全面禁止 海外取引も違法に

  【北京=川手伊織】中国人民銀行(中央銀行)は24日、暗号資産(仮想通貨)の決済や取引情報の提供など関連サービスを全面的に禁止すると発表した。違法な金融活動と位置づけ、刑事責任も追及する。海外の取引所がインターネットを介して中国国内でサービスを提供することも違法とする。金融リスクを抑えるため、取り締まりを一段と強化する。

  共産党中央インターネット安全情報化委員会弁公室や最高人民法院との連名で、通知を出した。人民銀行は仮想通貨の投機的な取引が「経済や金融の秩序を乱し、資金洗浄(マネーロンダリング)や違法な資金調達、詐欺行為を引き起こしている」と指摘した。
  通知は代表的な仮想通貨であるビットコインなどを例に挙げ「法定通貨と同等の法的地位を有していない」と定義し、「通貨として市場で流通、使用させることはできない」と強調した。
  そのうえで法定通貨との両替や取引に関する情報提供、値決めのサービス、仮想通貨の金融派生商品の取引などを「一律で厳格に禁止する」とした。禁止行為が見つかった場合、刑事責任を追及する。海外取引所が国内でサービスを提供した場合も、取引所の国内関係者らに対して相応の責任を追及する。
  国家発展改革委員会なども同日、仮想通貨のマイニング(採掘)事業の規制強化策を発表した。新規事業を禁じるほか、既存プロジェクトの撤退も加速させる。マイニング事業者の電力調達を封じるほか、金融や税財政による事業支援も認めない。
  中国政府はこれまでも仮想通貨の取引や採掘への規制を強めてきた。人民銀行は6月、銀行などに仮想通貨の取引に関連するサービスを提供しないよう指導した。今回、仮想通貨取引の全面的禁止に踏み込んだのは、仮想通貨を通じた資本の国外逃避を徹底して防ぐ狙いもある
  デジタル人民元の発行準備も影響している。中国人民銀行法の改正案は法定通貨にデジタル人民元も加える方針を示しており、仮想通貨など民間のデジタル通貨の発行は禁じる。複数のデジタル通貨が乱立すると、貨幣流通量の管理が難しくなるとの懸念を抱いているとみられる。
  人民銀行は冬季五輪での実験や法整備を踏まえ、2022年中にもデジタル人民元を正式発行する方針だ。


2021.09.23-Yqahoo!Japanニュース(Bloomberg)-https://news.yahoo.co.jp/articles/8a846dd4766d4db242dc36d3317bbb880ecf18c1
中国当局、中国恒大にドル建て債で目先のデフォルト回避を指示
(1)
  (ブルームバーグ): 中国の金融規制当局は、深刻な資金難が続く不動産開発会社、中国恒大集団に対して幅広い指示を発した。建設中の物件を完成させることと個人投資家への債務を返済することに集中的に取り組むとともに、ドル建て社債で目先のデフォルト債務不履行)を回避するよう求めた。

  当局は中国恒大の担当者との最近の会合で、デフォルト回避のため先を見越して社債保有者と連絡を取るよう指示したが、具体的な助言は与えなかったと、事情に詳しい関係者1人が述べた。中国恒大はドル建て社債で8350万ドル(約92億円)のクーポン支払いが23日に期限を迎えるが、30日間の猶予期間がある。
  当局が支払いに関する資金支援を提案したのか、またオフショア債権者に最終的に損失を負わせるべきだと考えているかどうかは不明だ。当局は中国恒大債の保有者について情報を集めていると、慎重に扱うべき情報だとして関係者が匿名を条件に述べた。
  この当局指導は中国恒大問題の結末がどのような形になるのか手掛かりにはなりにくいが、金融市場を揺るがし成長の足かせとなり得る同社の破綻を政府が当面は回避したい考えであることはうかがわれる。中国恒大に債務危機解決の時間を政府が与える兆候が見られれば、中国内外の投資家の不安は和らぐ可能性がある。
  中国恒大の苦境は不動産業界の過剰債務圧縮を促すと同時にモラルハザードを避けようとする習近平政権の政策が一因だが、経済および社会の安定を脅かす無秩序なデフォルトを政府が座視する公算は小さい中国人民銀行(中央銀行)のここ数日の大量資金供給は、当局が既にセンチメント改善を重視していることを示唆する。
  香港で中国不動産株上昇、恒大が一時32%高-人民銀は流動性供給。中国恒大と人民銀、金融および住宅規制当局はコメント要請に応じていない。
  中国恒大は22日、翌日が期日となる人民元建て債のクーポン支払いについて、「クリアリングハウス外での交渉によって解決された」と発表した。デフォルトと定義されることなく支払いを延期することで本土債の保有者と合意した公算が大きいとアナリストらは推測している。
(2)
  ドル建て債保有者と同様の合意ができるかどうかは明らかでない。


2021.09.21-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/business/news/210921/bse2109211129001-n1.htm
世界同時株安、「中国版リーマンショック」の懸念強まる

  中国の不動産大手「中国恒大集団」の資金繰り悪化に端を発した世界的な株式市場の急落は、投資家が中国の不動産バブルの崩壊による金融・株式市場の混乱リスクを意識したことが背景にある。中国最大級の民間企業の破綻を中国政府が放置する可能性は低いとの楽観論がある一方、高騰する不動産価格の抑制に努める当局は救済に動かないとの悲観的な見方もある。

  中国恒大は33兆円超といわれる巨額債務を抱えている。中国経済を牽(けん)引(いん)してきた不動産産業で業界を代表する企業の資金繰りが行き詰まれば、下請け企業や取引銀行に経営不安が広がり、金融システムにまで影響が広がる可能性がある。

  こうした懸念は以前から指摘されていたが、今月23日に大規模な社債利払いが期日を迎えることでデフォルト(債務不履行)の恐れが急速に強まり、投資家心理が悪化。リスク資産を手放す動きが各地で加速した。
  米証券大手リーマン・ブラザーズの突然の経営破綻をきっかけに起きた2008年のリーマン・ショックに似ているとの指摘も出ており、「中国版リーマン」への警戒感が強まった。
  一方、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘チーフ投資ストラテジストは「中国当局が恒大を潰すことは考えにくい。何らかの支援策を打ち出して債務を再編させ、長期的に返済させる流れになるだろう」と指摘。中国版リーマンの懸念には否定的だ。
  とはいえ、中国の習近平国家主席はかつて毛沢東が提唱した「共同富裕」というスローガンを掲げ、貧富の格差を解消し社会全体を豊かにするとして不動産産業に対する規制を強めてきた。このため、改革開放路線の下で急成長した中国恒大を積極的に支援しないとみる向きもあり、市場関係者は中国当局の判断を固唾をのんで見守っている。


2021.09.20-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/aa61646cbcd9631527312a52d422df8e3536cf75
中国、米国との対立緩和狙いか 北京でユニバーサル・スタジオ開業

  【北京=三塚聖平】北京郊外で20日、米系テーマパークユニバーサル・スタジオ・北京」が正式開業した。米国(2カ所)、日本、シンガポールに続き世界で5カ所目。米中対立が続いている中でも、インターネットで事前販売された初日分のチケットは1分弱で完売する人気だった。
  中国には米国との対立を緩和させる思惑や、国際社会に新型コロナウイルス封じ込めをアピールする狙いもありそうだ。 映画「ハリー・ポッター」や「カンフー・パンダ」など7つのテーマエリアがあり、37のアトラクションを設けている。混雑度合いなどで変動する入場料は418~748元(約7100~1万2700円)
  ホテルや商業施設を併設した「ユニバーサル・北京・リゾート」の中核施設との位置づけ。1日から招待客を入れた試験営業を行っていた。付近には北京中心部とつながる地下鉄の新駅もオープンしている。
  20日昼の開業時は雨模様だったが、ハリー・ポッターの登場人物にふんした来場者らでにぎわった。北京の20代の会社員女性は「ずっと心待ちにしていたので初日に来ることができてうれしい」と笑顔で話した。
   計画は2014年に公表され、北京郊外の通州区で建設が進められてきた。今春に試験営業が始まる予定だと伝えられていたが、新型コロナ対策のためにずれ込んだ。米中関係の悪化を受けて遅れているともささやかれていた。 一方、習近平政権は米中関係改善を模索しており、友好姿勢をアピールする狙いもうかがわれる。中国メディアによると、20日午前の開業式典には習近平国家主席の側近として知られる北京市トップの蔡奇(さい・き)党委書記(党政治局員)らが出席した。陳吉寧(ちん・きつねい)北京市長は「高いレベルの対外開放を引き続き拡大する」と述べ、外資受け入れに前向きな姿勢を強調した。
  また、世界で新型コロナ禍が続く中で大規模アミューズメント施設をオープンさせ、感染押さえ込みの成果を内外に誇示する狙いもあるとみられる。ただ、福建省で感染力が強い新型コロナのデルタ株の感染拡大が続いており、中国当局は警戒を強めている。


2021.09.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20210915-SURXMOLMHBLO7IMGXLAPFTXYHQ/
中国、コロナ再流行で消費大幅鈍化 1年ぶり低水準
北京 三塚聖平

  中国国家統計局が15日発表した8月の主要経済指標によると、消費動向を示す小売売上高は前年同月比2・5%増だった。伸び率は5カ月連続で低下しており、7月を6・0ポイント下回る大幅鈍化だった。中国各地での新型コロナウイルスの再流行が直撃し、昨年8月以来1年ぶりの低水準だった。

  小売売上高の内訳では、飲食店収入が4・5%減で、7月(14・3%増)から大きく落ち込んだ。7月下旬から8月には感染力が強いインド由来の変異株(デルタ株)の感染が広がり移動制限が行われており、接触型消費を避ける動きが広がったとみられる。消費の柱の自動車も7・4%減とマイナスが続く。
  工業生産は5・3%増だった。7月(6・4%)から鈍化し、6カ月連続で伸び率が低下した。主要産品の生産量では自動車が19・1%減だった。コロナ禍に加え、世界的な半導体不足の影響も続いている
  企業の設備投資を含む固定資産投資は1~8月の累計で前年同期比8・9%増。今年に入って初めて伸びが1桁台にとどまった。道路などのインフラ投資は2・9%増。不動産開発投資は10・9%増だった。
  統計局の付凌暉(ふ・りょうき)報道官は15日の記者会見で「国内各地での感染拡大や、洪水などの自然災害が経済運営に打撃を与えた」と分析した。今月に入ってからも南東部の福建省で感染が拡大しており、相次ぐ各地での散発的な感染拡大で景気悪化懸念が強まっている

  中国の2021年4~6月期の国内総生産(GDP)は、物価変動の影響を除く実質で前年同期比7・9%増だった。中国政府は21年のGDP成長率の目標を「6%以上」に設定しており、今年後半に向けて成長率は鈍化していく見通しだ。(北京 三塚聖平


2021.05.31-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM310YM0R30C21A5000000/
5月の中国景況感、2カ月連続悪化 海外受注減や原材料高

  【北京=川手伊織】中国国家統計局が31日発表した5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は前月より0.1ポイント低い51.0となった。2カ月連続で悪化した。好不調の境目である50は上回ったが、海外受注の減少や原材料価格の上昇が企業の景況感に影を落としている
  PMIは製造業3000社を対象に調べる。新規受注や生産、従業員数など項目ごとに調査する。50を上回れば前月より拡大、下回れば縮小を示す。2020年3月以来、50を上回っている。

  柱である生産は52.7と0.5ポイント改善した。気がかりなのは2カ月連続で悪化した新規受注だ海外からの受注に限った指数は3カ月ぶりに節目の50を下回った。20年6月以来の低さだ。人民元高が重荷になっている可能性がある。
  企業の規模別では明暗が分かれた。大企業と中堅企業はともに改善し、節目の50も上回る。対照的に零細企業は4月から2ポイント低下し、48.8となった。主要原材料の買い入れ価格を示す指数が上昇し、零細企業は価格転嫁に苦しんでいる。
  同時に発表した5月の非製造業のビジネス活動指数は4月より0.3ポイント高い55.2だった。2カ月ぶりに前月を上回った。


2021.04.28-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210410/mcb2104101212005-n1.htm
中国がアリババに独禁法違反で罰金3000億円 過去最高額か

  北京=三塚聖平】中国当局は10日、中国インターネット通販最大手のアリババ集団に対し、独占禁止法違反で182億2800万元(約3050億円)の罰金を科す決定を出した。ネット通販市場で独占行為があったと認定しており、中国メディアは国内の独占禁止法違反の罰金額では過去最大と伝えた。

  習近平指導部は昨年来、アリババをはじめとする巨大ネット企業への統制を一気に強めている。

  独禁法を管轄する国家市場監督管理総局によると、アリババは自社の通販サイトで商品を販売する業者に対し、競合他社のサイトに出店しないよう迫る「二者択一」と呼ばれる行為を2015年から行っていた。当局は昨年12月から、アリババの立件に向けて調査を行っていた。
  国家市場監督管理総局は、同社に対して今後3年間は法令順守などに関する報告書を提出するよう求めた。罰金は、アリババの19年の中国国内の売上高(4557億1200万元)の4%に相当する。罰金額が大きいため、同社の今後の経営にも影響を与えるとみられる。
  アリババは同日、処分について「真摯(しんし)に受け入れ、処罰に従う」とするコメントを発表した。法令順守体制を強化するとの方針を示している。

  習指導部は昨年、中国の経済・社会への影響力が大きくなった国内ネット大手への規制強化にかじを切っている。昨年12月に中国共産党と政府が開いた21年の経済政策の基本方針を策定する中央経済工作会議では、国内のインターネット企業に対する規制強化を表明。「独占と不当競争行為に断固として反対する」との方針を打ち出した。
  特にアリババがやり玉に挙げられており、昨年11月には同社傘下で電子決済サービス「アリペイ」を運営するアント・グループが、上海と香港で計画した株式上場が直前になって延期に追い込まれた。アリババ創業者の馬雲(ジャック・マー)氏が金融当局を批判する発言をしたことも、同社への統制強化の引き金になったと指摘されている。
  アリババは、中国政府からグループの見直しも迫られているもようだ。米紙ウォールストリート・ジャーナルは3月、同社がメディア関連の資産を売却するよう中国政府から要請されていると報じている。



2020.9.28-Livedoo Com(産経新聞)-https://news.livedoor.com/article/detail/18969873/
ラオス、重い対外債務 中国と減免交渉、「債務のわな」懸念

  【シンガポール=森浩】東南アジアの内陸国ラオスが対外債務の返済に苦しんでいる。
  中国主導による巨大経済圏構想「一帯一路」に参加し、巨額の融資を受けてダムや鉄道などのインフラ整備を進めたが、主に中国に対する債務返済で負担が重くのしかかってきた。途上国が返済の代わりに、完成後のインフラ施設を中国に明け渡す「債務のわな」に、ラオスも陥る懸念が指摘されている。
  「厳しい対外債務の状況に直面している」。格付け機関大手のフィッチ・レーティングスは23日、ラオスの長期債務の格付けを「Bマイナス」から「トリプルC」に2段階引き下げた。
  ラオスの外貨準備高が約13億ドル(約1370億円)なのに対し、年内に約5億ドル、来年からの4年間に毎年、約11億ドルの債務返済義務があることが理由だ。ラオスの対外債務は累積100億ドル以上とされ、国際通貨基金(IMF)によると、このうち約4割は中国からの融資だという。

  中国南部と国境を接するラオスも一党支配による社会主義体制で、中国から支援を受けている。ダム建設などのほか、中国側と首都ビエンチャンを結ぶ鉄道も、来年12月の開業を目指して建設が進む。
  だが、今年に入って新型コロナウイルス流行で観光業が打撃を受けたことなどから、ラオスの歳入が急減。通貨安も追い打ちをかけ、財政事情が逼迫(ひっぱく)してきた。英紙フィナンシャル・タイムズは、ラオスが債務減免について「中国と協議した」と報じたが、中国側の対応はなお不透明だ。
  チャイナマネーに頼ったインフラ整備は世界的に懸念の声が強く、米シンクタンクは、ラオスをパキスタンなどと並ぶ「一帯一路の債務負担に対して脆弱(ぜいじゃく)な8カ国」の一つに挙げた。
  ただ、中国によるラオス浸透策は加速している。ラオス国営電力会社と中国電力大手は1日、送電事業などで新会社を設立した
  負担を軽減したいラオス側は経営権を中国に譲ったとされ、ロイター通信は「こうした協定がラオスを巨大な隣国(中国)にこれまで以上に近づける」と警告した。







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