中国の問題-1
2025.03.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250319-DJEBJSP76ZBH5ELMKS4UERS5VM/
中国がアフリカの大統領府を作った ソファに「龍」の彫刻 OECD加盟国なら〝禁じ手〟
(国際舞台駆けた外交官 岡村善文氏(1))-
(聞き手 黒沢潤)
公に目にする記者会見の裏で、ときに一歩も譲れぬ駆け引きが繰り広げられる外交の世界。その舞台裏が語られる機会は少ない。
戦後最年少(50歳)で大使に就任し、欧州・アフリカ大陸に知己が多い岡村善文・元経済協力開発機構(OECD)代表部大使に、40年以上に及ぶ外交官生活を振り返ってもらった。
「中国進出」どころか「中国席巻」
《外務省有数の〝アフリカ通〟として、ここ十数年のアフリカ大陸での中国の伸長ぶりには驚かされてきたという》
東アフリカ、西アフリカ、南部地域を問わず、アフリカへの中国の経済進出には目を見張るものがあります。「中国進出」どころか、「中国席巻」の状態。以前、アフリカにとって最大の貿易相手はフランスや英国などの旧宗主国や米国などでした。しかし今は全部、中国。アフリカのどの国も第1位は中国です。
私たち先進国の中で「常識」と思っていることは、アフリカでは「常識」ではない。たとえば携帯電話でいうと、私たちはアップルやサムスンが世界を支配していると考えています。しかし、アフリカにそれらはほとんどない。試しにアフリカ人に「スマホを見せてくれ」と言ってみれば分かります。アフリカ人のスマホはほぼ全て、中国製なのです。
アフリカのスマホ、中国が支配
《中国製の性能は先進国並みに高くない。しかし、技術的に工夫し、ツボを押さえた仕様だという》
私たちは、アフリカ人が中国のスマホを買うのは、「安かろう、悪かろう」だから、と考えます。最先端の半導体を使わず安いようですが、決して「悪かろう」ではない。
アフリカ人はよく不満をこぼします。「アップルやサムソンを使うと、自分たちの顔が映らない」と。確かに、アフリカ人の顔を撮影すると、真っ黒になり、きちんと映らない。ところが、中国製のスマホだと、鼻や口、目などが奇麗に写り、表情が出る。色彩を考えた「アフリカ仕様」なのです。そういう製品は、市場では強いわけです。
先進国は甘いと思います。アフリカのスマホ市場を中国が支配するとは、どういうことか。ソフトも中国製であり、購買履歴やGPSの位置情報をはじめ、アフリカの人々の行動の情報がみな中国に流れるということです。こうして、中国が着々と支配力、覇権を確立しつつあるのです。
中国が作る舗装道路は10倍も長い
《中国がアフリカで有利な地位を占めるのは、〝先進国スタンダード〟に縛られないことも理由だという》
中国は経済協力開発機構(OECD)に加盟していません。このため、OECDのルールに縛られることはない。OECDには、インフラを整備する際、社会的影響や環境を考慮したさまざまなルールが存在し、加盟国はみんな、安全・開発基準面でお互いを縛っています。しかし、中国は全く縛られない。
たとえば、同じ資金で道路を建設する際、10キロしか作れない〝先進国基準〟があるとすれば、中国は100キロぐらい簡単に作ってしまう。アフリカにしてみれば、基準がどうのこうのより、とにかく100キロの舗装道路ができた方がよっぽどいいのです。だからどんどん、アフリカが中国になびくのです。
中国の大建造物、〝アフリカの首都〟に
《アフリカを訪れると、大統領府や国会議事堂、スタジアムなどの多くを中国が作っているという現実を突き付けられる》
有名なのが、〝アフリカの首都〟ともいわれるエチオピアの首都アディスアベバにある「アフリカ連合」(AU)の本部です。ニューヨークの国連本部のような建物が、中国の資金で建設され、堂々と立っている。
私が2008年、西アフリカのトーゴとベナンの大使として、両国の大統領に信任状を捧呈するため大統領府を訪れたとき、大変、驚かされました。
どちらの大統領府も、中国が建設し、寄贈していたのです。廊下を歩いていると、消火栓の施設が漢字で「消火栓」と書かれてあった。現地の人が読めない文字で、火事の時に大丈夫なのだろうか、とも思いました。
〝人気取り〟はタブー
大統領府の待合室に入ると、高級ソファがあった。肘掛け部分には、竜の彫り物が施されていました。そうした大統領府、スタジアム、国会議事堂を建設する〝人気取り〟の建設を「してはいけないよね」というのが、OECDに加盟する先進国の良識あるルールです。ところが、中国はそんなものに縛られず、各国で建設をどんどん進めている。
OECDは、加盟国がアフリカに開発協力の融資を行う際、さまざまなルールを設けていますし、世界銀行も融資に際し、アフリカ側に厳しい政治・財政の条件を突き付けます。・・ところが、OECDに加盟していない中国は難しいことを言わない。アフリカの国々は、借りやすい中国の資金を借りることになるのです。
中国は、相手国が多額の債務を返済できない場合、港湾施設など重要なインフラ権益の譲渡を迫る「債務の罠(わな)」をつかうのだと悪口を言われます。しかし、中国がアフリカ各国を罠にはめようとして資金を貸し出すわけではない。中国の資金のほうが使いやすいから、進んで中国の資金を借りるのです。
アフリカ各国が中国になびき、結果として欧米や日本などに排他的になるわけではありません。それでも、中国がアフリカでのビジネスを席巻すれば、中国の企業やビジネスマンたちも根を広げ、いい意味でも悪い意味でも関係を深化させ、「中国なしにアフリカは成り立たない」ということになる。そうした状況になることを私は大変、危惧しています。
(聞き手 黒沢潤)
〈おかむら・よしふみ〉
1958年、大阪市生まれ。東大法学部卒。81年、外務省入省。軍備管理軍縮課長、ウィーン国際機関日本政府代表部公使などを経て、2008年にコートジボワール大使。12年に外務省アフリカ部長、14年に国連日本政府代表部次席大使、17年にTICAD(アフリカ開発会議)担当大使。19年に経済協力開発機構(OECD)代表部大使。24年から立命館アジア太平洋大学副学長を務める。
2025.02.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250213-7VTLXMAX6FNQNF3JHSVX6EPOWM/
中国自動車大手が統合か 現地メディア報道 長安汽車と東風汽車、実現すれば首位浮上
【北京=三塚聖平】中国メディアは13日までに、
中国国有自動車大手の重慶長安汽車(重慶市)と東風汽車集団(湖北省武漢市)が経営統合する可能性があると報じた。実現すれば中国の自動車業界で首位に浮上する。
中国市場は急速に電気自動車(EV)シフトが進んでおり、比亜迪(BYD)など新興メーカーが躍進する一方、国有大手は苦戦しているため業界再編が進む可能性がある。
中国紙、毎日経済新聞(電子版)によると、2024年の販売台数は長安汽車が約268万台、東風汽車が約248万台。単純合算で計516万台となり、首位のBYD(約427万台)を上回る。
今月9日に長安汽車と東風汽車の支配株主がそれぞれ再編計画を発表した。再編先は明らかにしていないが、中国メディアは両社の統合計画が進められているとの見方を伝えている。
長安汽車はマツダや米フォード・モーターと、東風汽車はホンダや日産自動車などとそれぞれ合弁会社を作っている。
中国市場ではEVなどの販売が伸び、BYDなど新興勢がシェアを拡大。ガソリン車で優位だった国有大手や外資合弁は苦戦しており、長安汽車と東風汽車はいずれも24年の販売目標が未達に終わった。
国有大手の経営統合は中国共産党・政府の方針も反映している。共産党が昨年7月に開いた第20期中央委員会第3回総会(3中総会)では、国有企業を「より強く、より良く、より大きくする」との方針を打ち出している。
2025.02.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250204-JOCAZ7VRIVIDRIN76KJL77IYHU/
タイ国内で中国人被害の事件続発、観光産業に打撃 首相訪中で犯罪対策協議
【北京=三塚聖平】中国外務省は
4日、タイのペートンタン首相が5~8日に中国を訪問すると発表した。
今年は両国が国交を樹立してから50年に当たるため協力強化を進めるほか、タイ入国後に中国人が人身売買などの被害に遭うケースが報告されていることから犯罪対策についても協議するとみられる。
タイでは1月、中国人俳優が入国後に行方不明となって、ミャンマーで特殊詐欺の訓練を受けさせられる事件が表面化した。
それにより春節(旧正月)に中国人がタイ旅行をキャンセルする動きが起きている。香港メディアによると、
タイでは外国人観光客のうち国別では中国からが最も多く、中国人観光客の減少はタイの観光産業に影響を与えている。
中国側としては、「米国第一」を掲げて保護主義的な政策を進めるトランプ米政権をにらみ、タイなど東南アジア諸国連合(ASEAN)各国との関係を強化する狙いがありそうだ。タイでは中国車が販売を伸ばすなど、中国企業にとって重要な成長市場となっている。米国向け輸出の落ち込みが予想される中、中国はASEAN向けの輸出を強化するとみられる。
2025.02.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250204-XDZPMEHY2BIW7GB75T4RFPUHWM/
中国が米輸入品に最大15%の追加関税 米への報復措置 独禁法違反でグーグルへの調査も
【北京=三塚聖平】中国政府は4日、米国からの輸入品の一部に対して最大15%の追加関税を課すと発表した。
石炭や液化天然ガス(LNG)が対象で、今月10日から実施する。
トランプ米政権が中国からの輸入品に10%の追加関税を発動したことへの報復措置。米中両国は制裁合戦に再び突入した。
中国政府の発表によると、追加関税は「関税法」などに基づいて実施する。原油や農業機械などには10%の追加関税を課すとしている。
中国政府は、米側が関税合成麻薬「フェンタニル」の米国への流入問題などを挙げて追加関税を決めたことに対し、「世界貿易機関(WTO)のルールに著しく違反している」と批判した。米側の措置を「自国の問題解決のためにならないだけでなく、中国と米国の正常な経済・貿易協力を損なう」と強調した。
中国の独禁当局に当たる国家市場監督管理総局は同日、米IT大手グーグルに対して独禁法違反の疑いで調査すると発表した。
米政府の制裁措置には触れていないが、報復措置の一環である可能性がある。
2025.01.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250124-DQ45UVO4F5MKDL6NIGOYMUKLRY/
中国が連日のスピード極刑判決 政府系メディアは沈黙、国内世論の刺激を警戒か
【北京=三塚聖平】中国広東省深圳で昨年9月に起きた日本人男子児童の刺殺事件は、
24日の初公判で被告の男に死刑が言い渡されるというスピード判決となった。
前日の23日には江蘇省蘇州で昨年6月に日本人母子らが切り付けられて死傷した事件でも
死刑判決が出ており、
幕引きを急ぐ中国当局の姿勢が鮮明になっている。
中国外務省の毛寧報道官は23、24両日の記者会見で、蘇州と深圳の両事件に関して、「事件は既に司法手続きに入っている」と慎重な発言に終始した。中国政府系メディアは両事件の判決について目立った報道を行わず沈黙した。中国では景気低迷を背景に不満のはけ口が日本批判に向かいやすい環境にあり、死刑判決が国内世論を刺激しないよう当局が警戒した可能性がある。
トランプ米政権の対中圧力への対応に集中するため、対外関係を安定させたいのが中国政府の本音だ。そのため日中関係の懸案になっている邦人襲撃事件の幕引きを急いだという見方もある。中国各地で相次いだ無差別襲撃事件に対し、厳罰を科して再発を防止し治安を維持するという思惑もうかがわれる。
しかし、安全に関する在留邦人の懸念は払拭されていない。反スパイ法に基づく日本人拘束という重い課題が残るほか、今年9月には中国の抗日戦争勝利80年の記念日が控え、それに向けて反日感情がさらに高まる事態も考えられる。
金杉憲治・駐中国日本大使は24日夜、北京の日本大使館で記者団に対し「今回の判決いかんにかかわらず中国側に邦人の安全確保を引き続き求めることに変わりはない」と述べた。
2025.01.20-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250120-TYIMQXLXPBMT5K5XE2FULYV2RY/
中国、トランプ氏によるTikTok経営体制の変更要求牽制「中国の法律に合致する必要」
【北京=三塚聖平】中国外務省の毛寧(もう・ねい)報道官は20日の記者会見で、トランプ新米大統領が中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を巡り、米企業との合弁にすれば適切な管理下に置くことできるとの認識を示したことに対し、
「中国企業に関することならば、中国の法律や法規に合致する必要がある」と述べた。一方的な経営体制の変更要求を牽制した形だ。
毛氏は、企業の運営や買収などについて「市場の原則や、企業の自主的な決定に基づくべきだ」との認識を示した。
米側に対し「開放、公平、公正、差別的でないビジネス環境を提供する」ことを求めた。
2025.01.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250108-2WQ3IUVHUNOJDKL4Y3SHV26MAU/
中国ICBMサイロ、ミサイル装填に向け作業が進捗 国基研の衛星分析で判明
(有元隆志)
中国が
北西部甘粛省玉門の砂漠地帯に大陸間弾道ミサイル(ICBM)用の地下式格納施設(サイロ)を建設している問題で、
シンクタンク国家基本問題研究所(国基研、櫻井よしこ理事長)が衛星写真を分析した結果、これまで偽装網をかぶせていたのを取り外すなどミサイル装塡に向けた作業が進捗していることが分かった。
警備施設、監視施設の建設も着々と進んでおり、サイロが運用開始間近であることがうかがえる。
完成近づく
中国はサイロの存在を公表していないが、玉門、新疆ウイグル自治区哈密(ハミ)、内モンゴル自治区杭錦の3カ所に広大なサイロ群を建設している。
玉門サイロ群では掘削作業隠蔽などのためドーム状天幕がかぶせられていたようだが、昨年4月の時点ではミサイル装塡のためか天幕は取り外され、代わりに偽装網がかぶせられているサイロがあった。内部の配線調整など実戦運用に向けた作業が行われていたもようだ。
昨年9月の衛星写真をみるとその偽装網も外されたサイロもあった。サイロの蓋(ふた)は約6メートル、ミサイルを装塡する車両用の台座約21メートル。まさに直径2・25メートル、全長13メートルとされるDF31シリーズミサイルが収まる大きさだ。
4月と9月に撮影したのは同じサイロではないが次々にサイロが完成に近づいていることがわかる。
30年に米中戦力互角か
サイロ周辺には駐屯地や警備施設、監視施設が建設されている。9月の写真では警備施設に軍用車両が4台止まっているのを確認できる。車両の形状、大きさからみて、施設に1個小隊規模の警備部隊が駐屯していると推定される。
中国軍は昨年9月、
サイロに装塡するとみられる固体燃料式のDF31AGを海南島から太平洋に向けて発射したが、ミサイルの実証試験だったとみられる。
中国国内で行う発射試験と異なり、太平洋上にミサイルを落とすとなると、米国などにミサイルの性能を示す電波信号を収集され、部品を回収されるリスクもある。それでもミサイル性能の秘匿よりも信頼性の検証を重視したといえる。
その理由として、
国基研は「サイロ群での使用を念頭に置いたのではないか。最大射程で行われた可能性が大きく、弾頭が模擬である以外、実戦に即した飛翔だった」と分析する。
推定飛翔距離は1万1700キロで最大射程とされている1万1200キロを超えていた。この意味するところは中国が首都ワシントンまで到達できるICBMの実証試験の成功を米国に見せつけ、DF31AGを今後サイロ群に実戦配備していく姿勢を示したといえる。
現在中国軍が保有しているICBM発射機およびサイロは140基だが、3カ所のサイロ群全てが運用を始めると約450基になると見積もられている。米国が保有しているサイロは約400基であり、2030年には米中両国のICBM戦力が互角になる可能性がある。
国基研は「サイロ群の運用開始で中国の核戦力は大幅に増強される。
発射実験が中国の発表通り成功だったとすれば、米国との相互確証破壊戦略に向けた大きな一歩になる」と指摘。
核戦力で米国と互角になれば中国が「核大国」として振る舞い、核保有国のロシアが非核保有国のウクライナを侵略したように周辺国に対し力による現状変更を推し進めることも予想されるだけに、
日本としても抑止力強化に向け対応を急ぐ必要があると警鐘を鳴らす。
(有元隆志)
2024.12.29-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20241229-NOHYZLMXBZMLRLGUFENA4LB2WI/
中国の習近平国家主席が韓国に弔電 務安国際空港の旅客機事故を受け
中国国営中央テレビによると
習近平国家主席は29日、韓国務安国際空港で発生した旅客機事故を受け、
尹錫悦大統領らの弾劾訴追に伴い大統領権限を代行している崔相穆経済副首相兼企画財政相に弔電を送った。
(共同)
2024.12.15-産経新聞(週刊フジ)-https://www.sankei.com/article/20241215-GZPLVZGKOJAHXFMWI2FM4HFAAA/?outputType=theme_weekly-fuji
不気味な中国軍の「ステルス」演習 「意表を突く奇襲こそ毛沢東以来の伝統」 峯村健司
(キヤノングローバル戦略研究所主任研究員 峯村健司)
中国が90隻以上の艦艇を日本の南西諸島から台湾、フィリピンを結ぶ「第1列島線」周辺に集結させている、と台湾の中央通信社が10日、安全保障当局者の話として報じた。
事実ならば、1996年の台湾海峡危機以来、最大規模となる。こうした事実を台湾国防部(国防省に相当)も確認したうえで、
中国軍で台湾方面を管轄する東部戦区だけでなく、北部戦区や南部戦区の部隊も大規模に展開していることも明らかにした。
筆者はさっそく、船舶自動識別装置(AIS)の情報を元に、中国軍の船舶の位置を調べた。台湾海峡や東シナ海一帯に中国軍の艦艇や海警局(海上保安庁に相当)の監視船が展開していることが分かる。
一方、軍港がある山東省青島や浙江省舟山などの周辺には船舶がほとんどおらず、もぬけの殻となっていた。相当数の艦艇が出航していたことがうかがえる。
監視船の「臨検」訓練も
どのような演習が行われているのだろうか。中国軍の動向に詳しい台湾軍関係者は言う。
「軍艦は米軍や自衛隊の艦艇を攻撃する訓練をしていたようだ。海警局の訓練は台湾を出入りする外国船籍への監視船による『臨検』を想定した内容だったとみている。いずれも実戦に近い内容といえる」
本稿でも解説したように、
習近平政権は台湾周辺における軍事演習に加え、監視船による「臨検」を実施することで、台湾の物流を遮断してエネルギーや食料不足に陥らせる「新型統一戦争」を準備している。
すでに5月と10月に「連合利剣」と名付けた、台湾周辺を封鎖する軍事演習を実施している。
台湾の頼清徳総統が11月30日から1週間、3つの太平洋島嶼(とうしょ)国を訪問した際、「経由地」として米ハワイや米領グアムにも立ち寄り、米下院議長や上院議員らと電話やオンライン会議をした。
これに対し、中国外務省は「断固とした強力な措置をとる」と反発していたことから、今年3度目となる大規模演習が実施される、と筆者は予測していた。
ところが、中国側からは演習に関する発表がない。国防部や外交部の会見でも、当局者は沈黙を貫いている。これまで中国軍は、演習を実施するときにはほぼ公表してきた。演習の目的は相手国を威嚇したり報復をしたりする政治的な動機があるからだ。
今回は規模が大きいにもかかわらず公表をしていない、いわば「ステルス演習」の可能性が高いとみている。一連の演習を調査しながら、筆者が北京特派員をしていた2008年に取材をした中国軍幹部が発した言葉を思い出した。
「わが軍は本気で戦争をするときには、静かに、そして素早く攻撃をする。敵の意表を突く奇襲こそが、毛沢東同志以来の伝統なのだ」
(キヤノングローバル戦略研究所主任研究員 峯村健司)
2024.11.24-産経新聞(週刊フジ)-https://www.sankei.com/article/20241124-C3IJVRSN5RBRRHZGOGCDUUFVQ4/?outputType=theme_weekly-fuji
中国の逃げ道ふさぐトランプ高関税砲 延命には台湾海峡の平和約束するしかない 田村秀男
(産経新聞特別記者 田村秀男)
本欄前回では、
トランプ米第2次政権がぶっ放すと宣言している対中高関税は、
莫大(ばくだい)な関税収入増をもたらし、無理なく大型減税の財源を確保できると指摘した。では、中国の習近平政権に及ぼす衝撃はいかばかりか。
トランプ氏は中国からの輸入品に対して60%以上、日本など中国以外からの輸入品には一律10%以上の追加関税を宣言してきた。トランプ氏は、中国が台湾封鎖を強行するなら150~200%の関税をかけると宣言済みだ。また、中国企業がメキシコからの迂回(うかい)輸出で高関税適用を回避するなら、メキシコからの対米輸出に100%の追加関税をかけると息巻いている。
2017年に発足した第1次トランプ政権は中国製品に対し、おおむね10~25%の制裁関税をかけたが、中国側はメキシコやベトナムなど東南アジア経由で対米輸出減を防いだ。第2次政権はその迂回ルートも封じる構えだ。
米ゴールドマン・サックスの中国調査部は60%の対中追加関税は中国の国内総生産(GDP)を2ポイントも押し下げると試算した。スイスUBSエコノミストも中国の成長率は半減するとみている。無理もない。2022年に本格化した不動産バブル崩壊は底が見えない状況が続き、住宅相場下落は今年になって、上海、北京など巨大都市でも加速している。住宅など不動産開発投資を中心する固定資産投資は中国GDPの5割前後を占めるが、昨年は前年比12%減で、今年も低迷が続く。
中国金融モデルは、流入する外貨を中国人民銀行が全面的に買い上げ、人民元資金を供給するのだが、バブル崩壊不況を受けて資本逃避が急増し、経常収支の黒字分相当額が雲散霧消している。外国からの直接投資や証券投資も激減し、金融緩和に必要な外貨が不足しているため人民銀行は国債買い上げを伴う金融の量的拡大に踏み切れず、中央政府は大規模な財政出動が困難だ。習近平政権の窮余の一策が電気自動車(EV)、鉄鋼、太陽光発電装置などの大増産による安値輸出攻勢だが、EVなどの製品で米欧から制裁関税をかけられているし、その他の国々からもダンピング提訴を相次いで受けている。その結果、中国の輸出は頭打ちになっている。
そこに、
トランプ砲による追い打ちが襲いかかるとどうなるか。グラフは中国の主力の外貨獲得源である貿易など経常収支黒字と米国の対中貿易赤字の推移である。カンのよい読者ならすぐにわかるだろう。
中国の対外黒字は実は全面的に米国の対中貿易赤字で支えられている。高関税のために迂回輸出を含めた対米貿易黒字が激減すれば、中国の経常収支黒字は大幅に縮小する。
外貨頼みの中国金融は破綻の危機に直面する。やけっぱちになって台湾に侵攻しようものなら、米国から150%以上の追加関税を受け、中国経済は沈む。
習政権が生き延びるためには、強権体制を改めて自由化して外資を呼び戻し
、台湾海峡の平和を約束するしかない。
(産経新聞特別記者 田村秀男)
2024.11.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241122-B5LHR76UAJLMFKTHY37UNF7JE4/
中国、持論を曲げ対日ビザ免除再開 景気低迷やトランプ氏再登板が影響か 日本側は驚き
【北京=三塚聖平】中国外務省が22日、日本に対する短期滞在のビザ(査証)免除措置を今月30日から再開すると発表したことに対し、日本側では
「一方的なビザ免除に動くとは」と驚きが広がった。中国経済が景気低迷に直面する中で外資の対中投資を必要としていることに加え、トランプ次期米大統領の就任を前に日本などとの関係改善を急いでいることが今回の決定につながったとみられる。
「こんなに急に事態が動くとは思っていなかった」
日中交流団体幹部は、
ビザ免除再開の決定を寝耳に水の出来事と受け止めた。
経済界の要望を受けて日本政府が再開を繰り返し求めていたが、中国側は中国人の訪日でも同様に免除する「相互主義」を新たに掲げて再開に応じていなかったからだ。
日中関係筋によると、日本側は中国との相互のビザ免除は受け入れておらず、今回の決定は中国側の一方的なものとなった。
中国政府が持論を曲げて再開に応じた背景には景気悪化がある。
不動産不況の長期化で中国の景気には勢いがなく、外資の対中投資を必要としている。中国商務省は21日、貿易の安定成長に向けた措置として、一方的なビザ免除の対象国を拡大させるといった方針を盛り込んだ通知をホームページに掲載していた。
また、
中国は現在、来年1月に発足する第2期トランプ政権に備え、米国の同盟国などとの関係改善を進めている。尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権下で関係が悪化していた韓国も今月8日からビザ免除対象国に初めて加えている。
日本とは10月の石破茂首相の就任を機に、関係安定化に向けた動きを積極化させている。
日中関係筋は「新首相が誕生したことで対日アプローチを変えてきた」と指摘。中国メディア関係者は「中国政府は、米国と緊密だった岸田文雄前首相と比べて石破氏は『対中穏健派』と考えているようだ」と指摘する。
ただ、
反スパイ法に基づく日本人拘束や、広東省深圳(しんせん)の日本人男児刺殺事件に関する詳細な情報開示といった日中間の人的交流を巡る重い課題はまだ残る。また、今回のビザ免除措置は来年末までの措置としており、延長に向けて再び「相互主義」などを持ち出してくる可能性もある。
2024.11.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241117-JD2YNT2BZRJKFPPL7EOYRAE63Y/
「朝鮮半島で戦乱許さず」 習近平氏が米国に表明、台湾問題「独立に反対すべき」と求める
(中国総局 三塚聖平)
中国の習近平国家主席は
16日、バイデン米大統領とペルーの首都リマで会談し、ロシアのウクライナ侵略に北朝鮮兵が参戦している問題でさらなる不安定化が懸念される朝鮮半島情勢について、「朝鮮半島で戦乱が起きることを許さず、中国の戦略的安全保障や核心的利益が脅かされることを座視しない」と述べた。
ウクライナ問題については和平協議の促進に取り組んでいると強調した。
台湾問題に関しては「明確に『台湾独立』に反対し、中国の平和統一を支持すべきだ」と求めた。
フィリピンなどと領有権を争う南シナ海に監視、
習氏は「中国は領土主権と海洋権益を断固として守る」と主張。その上で
「当事者による対話、協議が争議をコントロールする最善のやり方だ」とし、米国に対し「二国間争議に介入すべきでない」と求めた。
米側が提起している中国のサイバー攻撃について、習氏は「証拠がない」として「中国自身も国際的なサイバー攻撃の被害者だ」と主張した。
(中国総局 三塚聖平)
2024.10.20-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241020-4KJSD4C3QRN2RKATLYH3XK2T5E/
中国が軍民両用品の輸出管理厳格化 12月施行 対露貿易巡る米欧の批判に対応の狙い
【北京=三塚聖平】中国共産党機関紙、人民日報は20日、軍事と民生の双方で利用できる
「デュアルユース(両用)」物品に関する輸出管理条例が12月1日に施行されると伝えた。
軍民両用品の輸出を許可制にして罰則も定めた。軍事転用可能な物資の輸出で中国がロシアのウクライナ侵略を支えていると米欧諸国から批判されていることに対応する措置とみられる。
中国政府が公表した
「両用物品輸出管理条例」の全文によると、
軍事転用可能な物品や技術、サービスなどに関する輸出管理を強化する。特に大量破壊兵器の設計や開発、生産、使用に関する物品に重点を置く。輸出先の最終使用者や使用目的の管理も強化する。
対象物品を輸出する際には、中国政府の担当部門に許可申請を輸出業者に義務付けた。報告義務を履行しなかった輸出業者に罰金を科すなどの罰則規定も設けた。
条例制定で、中国の軍民両用品輸出への米欧諸国の批判に対応する狙いとみられる。米政権らは、中国がロシアへの軍事産業支援を進めていると非難している。
中国司法省と商務省は19日に発表した談話で、同条例について「国情に基礎を置き、国際的に通用するルールと調和した輸出管理制度を整える」と強調。一方で「正常な国際的な科学技術交流や経済貿易協力の障害にはならない」と主張した。
中国政府はロシアと「正常な貿易協力を進める」としている。
北京の外交筋は
「中国は輸出管理体制の整備により、米欧からの批判に反論できる法制度を構築することを急いでいる」と指摘する。
2024.10.16-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20241016-APVNOFQWUBKQ7I6EELKSMBHNDU/
習近平氏が台湾対岸の福建省を視察 軍事演習の翌日、頼清徳総統を牽制する狙いか
中国で台湾政策を主管する国務院(政府)台湾事務弁公室の陳斌華報道官は16日の記者会見で、
中国は台湾との平和統一に最大限努力するとしながら「武力行使を放棄することは決して認めない」と改めて表明した。
中国国営メディアは16日、習近平国家主席が台湾対岸の福建省を15日に視察したと報じた。
台湾を包囲する海空域で軍事演習を実施した14日の翌日に当たり、台湾独立派と見なす台湾の頼清徳総統を牽制する狙いがありそうだ。
国営メディアによると
習氏が視察したのは福建省東山県。1950年代に共産党と中国国民党が交戦し、国民党は台湾へ退いた。
習氏は当時の地元幹部の記念館を訪ねたほか、農村振興の状況を視察したという。
(共同)
2024.09.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240927-QA2KLI7QQVNPNCC5VE6SPT27KU/
中国外務省が石破氏勝利で日本側にクギ 「平和発展の堅持を」 台湾訪問に改めて反対表明
【北京=三塚聖平】中国外務省の林剣(りん・けん)報道官は27日、同日に行われた自民党の総裁選で石破茂元幹事長が勝利したことについて、
「日本の内政なので論評しない」と述べた。その上で、日本側に対し「歴史を鑑(かがみ)に、平和発展の道を歩むことを堅持するよう望む」とクギを刺した。
中国側は、石破氏が戦力不保持を定めた憲法9条2項を削除すべきだとの持論があることを警戒しているもようだ。中国のシンクタンクも関与するニュースサイト「観察者網」は27日、自民党の新総裁決定前に掲載した記事で、石破氏が8月に出版した著書で憲法改正に関して戦力不保持をうたった9条2項を削除すると主張したことについて「警戒に値する」と強調している。
林氏は会見で、石破氏勝利に関し、日本側に「中国側に歩み寄り、中日関係が正しい軌道に沿って健全かつ安定的な発展を続けることを推し進めるよう希望する」と呼び掛けた。
また、
石破氏が今年8月に台湾を訪問して頼清徳総統と会談したことについては、日本の政治関係者の訪台に「中国側は一貫して断固反対している」と改めて表明した。
2024.09.27-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240927-57HSK2VWWJOO3KUZTG57VEDD74/
中国の最新鋭原潜が長江で沈没 事態隠蔽に奔走か、「周」級1番艦が5~6月に
米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版は26日、
中国で就役前の最新鋭原子力潜水艦が5月下旬か6月上旬に、長江で沈没していたと報じた。事態は公表されておらず、同紙は
「中国が隠蔽に奔走した」と指摘。
米国に対抗して海軍力増強を進める中国の計画に影響しそうだとしている。
死傷者や放射線漏れの有無は明らかになっていない。
米政府当局者は同紙に、沈んだ原潜が核燃料を積んでいたかどうかは不明だと語ったが、専門家はその可能性が高いと指摘した。
沈没したのは攻撃型原潜「周」級の1番艦。5月16日に長江に面した湖北省武漢市の造船所で桟橋に停泊し、装備の調整に入っている様子が民間人工衛星の画像で確認されたが、その後に沈没したとみられ、6月15日の画像では原潜があった場所でクレーン船などが作業していた。
原潜は引き揚げられたが、修復して航行可能になるためには何カ月もかかる見通しだという。
(共同)
2024.09.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240915-FZC6TFPUQRLVDLKLPCA4JYXI34/
中国が希少金属「アンチモン」を輸出規制対象に 10月にはレアアース管理条例も施行へ
【北京=三塚聖平】中国政府は15日、レアメタル(希少金属)の一種であるアンチモンの関連品目を輸出規制の対象に加えた。
半導体などに使われており、日本企業にも影響が出る恐れがある。
アンチモンの関連品目を無許可で輸出することを禁止した。アンチモンは半導体の材料や難燃剤、弾丸などに幅広く使われている。中国は主要生産国で、米地質調査所(USGS)によると昨年の世界シェアは約48%だった。
欧米メディアによると
中国政府が8月に輸出規制を発表してからアンチモン価格は高騰した。
駆け込みで調達する動きが起きたとみられる。
中国はレアメタルに関する規制を相次ぎ打ち出している。
10月1日にはレアアース(希土類)への統制を強化する「レアアース管理条例」の施行も予定する。重要鉱物資源の管理を強めるとともに、対中圧力を強める米国などへの対抗措置の可能性がある。
2024.08.15-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240815-6DNW3CUO2VKORP5O4ITA63LVUU/
靖国神社への奉納や参拝「中国を傷つける」 新華社が批判「残忍な軍国主義の象徴」
中国国営通信新華社は
15日、岸田文雄首相が靖国神社に玉串料を奉納し、国会議員が参拝したことを報じ「日本の当局者による参拝や奉納は常に批判され、中国と韓国を含む各国の国民感情を傷つけてきた」と批判した。
新華社の配信記事は靖国神社を
「残忍な軍国主義の象徴」と指摘した。
(共同)
2024.08.09-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240809-CNEVDL3OWZKWBPIISOILAIA5HU/
中国、バングラデシュ暫定政権を「歓迎する」と談話 協力関係発展させたいと強調
中国外務省は9日、
バングラデシュでノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス氏率いる暫定政権が発足したことを「歓迎する」との報道官談話を発表した。
他国の内政不干渉の原則を堅持していると強調し、
バングラデシュとの協力関係を発展させたいとした。
(共同)
2024.07.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240727-UHQMQRHI2BNDBBJK7K57JM7OFM/
「独立勢力が挑発すれば反撃」 王毅氏が台湾問題で主張 米中外相会談
【北京=三塚聖平】中国の王毅共産党政治局員兼外相は
27日、ブリンケン米国務長官とラオスの首都ビエンチャンで会談した。中国外務省によると、王氏は、台湾問題を巡り「『台湾独立』勢力が挑発をする度にわれわれは必ず反撃する」と述べた
。米側が台湾問題に関する中国の「挑発的な行動」に懸念を表明したのに対し、批判を一切受け入れない姿勢を改めて示した。
王氏は「完全統一の目標実現に向かって努力する」と強調した。「『台湾独立』と台湾海峡の平和は水と火のように相いれない」とも主張しており、
「台湾独立」派とみなす台湾の民主進歩党の頼清徳政権を牽制した。
また、
中国とフィリピンが対立する南シナ海問題に関しては、フィリピン側と事態を制御するための一時的な合意に達したと強調。その上で
「米国は火付け役となって再び面倒を引き起こし、海上の安定を破壊してはならない」と述べ、
南シナ海問題に関与しないようくぎを刺した。
ロシアのウクライナ侵略については、引き続き和平協議を推進する考えを表明。ロシアの防衛産業を中国が支えているといった米側の批判を念頭に、「中傷やぬれぎぬを着せることに反対する」と反発した。
米中関係については、過去3カ月間で外交や財政・金融、軍事分野などでの意思疎通が保たれていると評価。一方で「米国は対中抑止をやめておらず、前より一層ひどくなっている」と指摘し、「中米関係が直面するリスクは依然として蓄積されている」と不満を示した。
会談では、パレスチナ自治区ガザ情勢や朝鮮半島情勢、ミャンマー問題などについても意見交換を行った。
2024.07.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240707-AH7RRO6ZWBOSVM2POK75C3FNGQ/
盧溝橋事件から87年 北京市の式典に中国共産党最高指導部メンバーは出席せず
【北京=三塚聖平】日中戦争の発端となった1937年の盧溝橋事件から7日で87年を迎えた。中国国営新華社通信によると、
北京市の盧溝橋近くにある中国人民抗日戦争記念館で同日、北京市トップの尹力(いん・りき)市共産党委員会書記(党政治局員)が主宰する記念式典が開かれた。
最高指導部メンバーである党政治局常務委員の出席は確認されていない。
基本的に党最高指導部メンバーは5年ごとの区切りの年にしか出席しておらず、中国側は今年も通常の対応をとった。式典には、
日中戦争に参加した元兵士や遺族ら約500人が参加し、学生が抗日戦争の詩を朗読したほか、共産党をたたえる歌を合唱した。
日中関係を巡っては、
6月下旬に江蘇省蘇州市で日本人母子が中国人の男に刃物で切り付けられて負傷する事件が発生した。
何立峰(か・りつほう)副首相は今月1日、河野洋平元衆院議長を団長とする日本国際貿易促進協会の代表団と会談し、事件について「偶発的」なものだと説明し、「日中の貿易協力関係は影響を受けないだろうし、影響があってはならない」と強調した。
中国側は日本の対中投資に影響を与えたくないものとみられる。
2024.07.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240701-UM7JOJ36KRL5JIDR6LM7ALKFJY/
中国、「反分裂法」違反などで台湾人15人拘束 最高刑は死刑の指針で台湾警戒
【台北=西見由章】「台湾独立」の動きを違法とする「反国家分裂法」に違反したなどとして、
中国当局に拘束された台湾人が少なくとも15人に上ることが分かった。台湾の当局者が1日までに明らかにした。
中国は「台湾独立派」に最高刑として死刑を適用するとの処罰指針を6月下旬に公表しており、
台湾当局は台湾人を標的とした拘束の増加を懸念。
中国が影響力を持つ第三国においても台湾人が政治的理由で拘束される恐れがあるとみて警戒を高めている。
当局者によると、15人が拘束された時期は「ここ数年」で、国家政権転覆罪で5年間投獄された後に台湾に戻った
人権活動家の李明哲氏も含まれる。
この当局者は、中国が公表した指針について、
「台湾独立派」の定義があいまいで「台湾人のほとんどが含まれることになる」と指摘。さらに対象は台湾人に限らず、台湾の国際的地位の向上や防衛力強化を支持している外国人にも拘束のリスクがあるとの見方を示した。
また中国本土や香港、マカオ以外に滞在する場合も、中国と犯罪人引き渡し条約を結んでいる国や、中国が「海外警察拠点」を設置している国では拘束される恐れがあると指摘。「とりわけ中国経済への依存度が高く、『一つの中国』原則の順守を公表している国ではリスクが高い」(同当局者)としている。
中国側の指針公表を受けて、台湾で対中政策を主管する大陸委員会は6月27日、中国本土や香港、マカオへの渡航警戒レベルについて、4段階のうち2番目に厳しいレベルに一段階引き上げた。「不必要な渡航は避けるよう強く勧める」と警告している。
中国は2005年に「反国家分裂法」を施行したほか、14年に反スパイ法(23年に改正)、15年に国家安全法を施行するなど外国人や台湾人への監視を強化。15年以降、スパイ行為に関与したなどとして拘束された日本人は少なくとも17人に上る。
21年に中国当局が発表した国勢調査の結果によると、
中国本土に長期滞在している台湾人は約15万8000人。
2024.06.29-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240629-H27SK3QLYNJ6BMR32GVC4BUOUQ/
中国、レアアース管理条例を10月施行へ 「国家所有」を強調、米国などに対抗
(中国総局 三塚聖平)
中国政府は
29日、ハイテク製品の生産に欠かせないレアアース(希土類)への統制を強化する「レアアース管理条例」を公布したと発表した。中国国営新華社通信が伝えた。
10月1日に施行する。レアアースについて「国家の所有に属し、いかなる組織や個人も不法に占有したり資源を破壊したりしてはならない」と明記した。
国家の戦略資源としてレアアースに関する管理を強め、ハイテク分野で対立の長期化が見込まれる米国などに対抗する狙いとみられる。
施行後、レアアースを中国から輸入する日本企業にも影響が出る可能性がある。
条例はレアアースの採掘や精錬・分離、利用、製品流通、輸出入などサプライチェーン(供給網)の全体に適用する。中国共産党と国家の方針に基づきレアアース資源の保護と開発を重視するよう規定。レアアース産業の新たな技術や製品、材料、装置の研究開発や応用を国家が奨励する。
中国はレアアース管理条例の草案を2021年に公表し、制定へ準備を進めてきた。レアアースに限らず現代の産業に欠かせない重要鉱物資源の管理を強めており、日米欧との対立が激化した際の「カード」にする狙いもうかがわれる。
(中国総局 三塚聖平)
2024.06.21-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240621-65AFNGKQVZJDDLUXLMJAQ6NFPY/
中国、米ロッキードに制裁 台湾への武器提供で関連企業と幹部に 資産凍結や入国禁止
中国外務省は
21日、台湾への武器売却を巡り米航空防衛機器大手ロッキード・マーチン社の関連企業と幹部らに対し、
中国の資産凍結や中国入国禁止の制裁を科すと発表した。
米政府は18日、自爆型無人機や小型無人機などを台湾に売却することを承認し、議会に通知していた。
中国外務省は、中台を不可分の領土とする「一つの中国」原則に違反すると主張し「中国の内政への重大な干渉だ」と強く非難した。
(共同)
2024.05.18-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240518-SYMCIQGAPRKI7BPQJI7DZS4MWA/
中国のA農業相が規律違反の疑い 現職の調査は異例、汚職に関与の可能性も
中国共産党中央規律検査委員会と国家監察委員会は
18日、農業農村相のA氏が重大な規律・法律違反の疑いで調査を受けていると発表した。
現職の閣僚級が調査されるのは異例の事態だ。違反の内容は明らかにしていない。
A氏は広西チワン族自治区の幹部や甘粛省の省長などを歴任し、農業農村相に就任。習近平指導部は汚職を摘発する反腐敗運動を強化しており、汚職に関わった可能性もある。
(共同)