中国の経済問題-1


2024.04.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240408-BUZU37AYMJOI5EKJY5Y5OJGSUA/
中国不動産開発大手の世茂集団に中国建設銀が清算申し立て 資金繰り悪化の影響広がる

  【北京=三塚聖平】中国不動産大手の世茂集団は8日、債権者の中国建設銀行から香港高等法院(高裁)に清算の申し立てを受けたと発表した。関連する金融債務は約16億香港ドル(約310億円)。世茂集団は2022年にデフォルト(債務不履行)に陥っている中国不動産大手では碧桂園(へきけいえん)も今年2月に債権者から清算の申し立てを受けており、市況低迷に起因する資金繰り悪化の影響が広がっている

  世茂集団が香港証券取引所の開示で明らかにした。中国建設銀は5日に申し立てを行った。世茂集団は、申し立てに対し「極力反対する」と表明するとともに、債務再編に引き続き取り組む方針を示した
  中国の不動産開発業者は当局の統制強化に端を発する市況低迷により資金繰り悪化に直面している。香港高等法院は今年1月、中国恒大集団に清算を命じる決定を下した。今後も債権者による清算申し立ての動きが広がる可能性がある。
  中国政府は「重大な債務超過に陥って経営能力を失った不動産会社は、法と市場の原則に照らして破産すべきは破産し、再編すべきは再編すべきだ」という厳しい姿勢を示している。


2024.03.24-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240324-P2KVRI7DNVLVHNIEMY3M4AXFZE/
恒大、米破産法申請を撤回 香港高裁の清算命令受け

  中国不動産大手の中国恒大集団は24日、昨年8月に米国の裁判所に適用を求めた連邦破産法15条の申請を撤回したと発表した。今年1月に香港高等法院(高裁)が同社に清算命令を出したことで、債務再編の協議が「これまでの方式では進展しないと予想される」ためだと説明している。

  債務超過に陥った恒大は、債権者の差し押さえなどから米国内の資産を保護するため、破産法15条の適用を申請した。
  その後、香港高裁が恒大に対して清算命令を出したことで、同社の債務再編は不透明感が強まった。中国政府は経営に問題のある不動産会社に対して「破綻すべきは破綻させる」と強硬姿勢で臨む姿勢を明確にしている。
  恒大子会社の恒大地産集団は今月18日、財務報告に虚偽記載があったとして中国証券監督管理委員会から41億7500万元(約880億円)の罰金が科されると発表した。(共同)


2024.03.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240319-HDIKUEXV45MULGIF2RASXSGIOY/
中国、恒大集団に厳しい処分 中核子会社は虚偽記載で900億円罰金、創業者は追放か…

  【北京=三塚聖平】経営再建中の中国不動産開発大手、中国恒大集団の中核子会社に当たる恒大地産集団は18日、財務報告に虚偽記載があったとして中国当局から41億7500万元(約865億円)の罰金を科されたと発表した。恒大集団の創業者であるA氏らは証券市場から永久追放になったという。

  中国当局は不動産市場の下支えに動く一方で、問題がある不動産開発会社には「破産すべきは破産」と厳しい姿勢を示している。問題企業に反発する庶民感情を意識し、放漫経営を続けてきた恒大集団に厳しく対処する姿勢を示した形だ
  株式市場を監督する中国証券監督管理委員会(証監会)が、恒大地産の2019年と20年の財務報告に虚偽記載があったと認定した。売上高について計約5640億元(約11兆7千億円)を水増ししていたという。これにより最終利益も水増しされた。
  証監会は、A氏の責任について「特に重大だ」と指摘し、4700万元(約9億8千万円)の罰金処分を科した。不動産市場の底打ちには時間がかかっている。中国国家統計局によると、不動産開発投資は1~2月に前年同期比9・0%減だった。工業生産などと比べて低迷ぶりが際立っている
  倪虹(げい・こう)住宅都市農村建設相は今月9日の記者会見で、不動産開発会社に関して「大衆の利益を損なう行為には、調査や処分を行い代価を払わせなければならない」と述べている。


2024.02.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240218-BFXT6DSEONPP5MBFBDYJJCFRSQ/
外資企業の中国への直接投資が昨年は82%減 30年ぶりの低水準 経済鈍化や政治リスク警戒

  【北京=三塚聖平】中国国家外貨管理局18日発表した2023年の国際収支によると、外資企業による直接投資は330億ドル(約4兆9500億円)だった。前年比で約82%減で、30年ぶりの低水準にとどまった。中国は改革開放政策の下で外資を呼び込んで急速な経済成長につなげてきたが、経済成長の鈍化や政治リスクを警戒して外資企業が対中投資意欲を減退させているとみられる。

  23年10~12月期は175億ドルと持ち直した。7~9月期には118億ドルのマイナスに陥っていた。新規投資よりも撤退や事業の縮小が大きくなった形で、比較可能な統計を公表している1998年以降で初のマイナスだった。
  中国での新規投資に慎重になり、撤退や事業縮小を進めている外資企業が出ている。不動産不況を背景とした中国経済の減速に加え、米中対立や反スパイ法が中国事業に与える影響を懸念しているもようだ。中国に進出する日系企業の団体、中国日本商会が1月発表した会員企業アンケートでは、2023年の対中投資を「しない」か「22年より投資額を減らす」と回答した企業は計48%で、増加意向は計15%にとどまった。
  習近平政権は昨年、外資の対中投資を呼び込んで中国経済の回復につなげようとしたが、思うような成果をあげることができていない。


2024.01.28-産経新聞(夕刊フジ)-https://www.sankei.com/article/20240128-HPLDAZ7HBVEEXMACU3TYWUVFCI/?outputType=theme_weekly-fuji
実態はマイナス成長 嘘がバレバレの中国GDP 田村秀男
(産経新聞特別記者・田村秀男)

  昨年来、本欄でしばしば指摘してきたように、中国経済は長期停滞局面に入っている。中国のビジネス・エリート氏は匿名を条件に、「中国で情報技術(IT)の企業を立ち上げようとして、業界の友人たちと意見交換したが、全員が中国経済はあと10年から20年間は停滞が続くと口をそろえていた」と打ち明ける。そして、「『中国経済ダメ』を口にすれば、『反スパイ法』違反で拘束されるからだれも表向きには口にしない」とも言う。

  そんな中、中国の習近平政権は先週、2023年の国内総生産(GDP)の成長率は名目4・6%、実質5・2%で、実質5%の政府目標を達成したと発表した。
  中国のGDP統計はかなり前から、各地方の党幹部が党中央の掲げる成長率目標に合わせようとして、データを改竄(かいざん)するという疑惑が消えないのに、日本の経済メディアは北京大本営発表を鵜呑みにして報じるのは何とも情けない。
  そこでGDPに大きく影響する不動産投資、純輸出、家計消費に関連するデータから、GDPの伸び率を筆者なりに粗計算してみた(グラフ参照)。これらのデータはGDPと同じく中国国家統計局がまとめているが、政治的意図がGDP統計ほど反映しない分だけ信憑性は高い。
  不動産投資自体はGDPの10%以上を占めるが、電気製品など関連需要を含めると3倍程度、約3割になる。23年の不動産投資は前年比16・7%減なので関連需要込みで5%近く、GDPを押し下げる計算になる。ちなみに不動産投資に企業の設備投資を加えた固定資産投資はGDPの5割前後を占めるが、23年は前年比12%の大幅減である。
  輸出から輸入を差し引いた純輸出はGDPの3%以上を占める。23年1~11月合計の前年同期比は32・3%減で、1%程度GDPが減る。不動産関連と合わせると6%程度GDP縮小効果になる。
  GDPの約4割を占める家計消費のデータは未公表だが、23年の消費財の小売り高は前年比7・2%増である。それを家計消費とみなせばGDPは2・8%以上押し上げられる。こうして3項目を集計するとGDP前年比は名目で約3%のマイナスになっておかしくないインフレ率はゼロ・コンマ数%のマイナスだから、実質でも昨年の成長率は2%以上の減少になる。公共投資も景気の鍵になるが、習政権は財政出動を渋ってきた
  GDP統計に象徴される情報の偽装と隠蔽工作は中国への投資リスクを増大させずにはおかない。2021年秋から始まった不動産バブル崩壊はいまだにおさまらず、最近ではノンバンクを中心とする金融不安が頻発している。それに対し、習政権は公安警察に関係者を拘束し、情報を遮断するだけである。欧米企業や投資家は直接投資、証券投資とも大幅に減らしている。日本企業の一部はすでに撤退へと動いているが、多くは逡巡(しゅんじゅん)している。この際、対中投資に完全に見きりを付け、国内回帰を急ぐべきではないか。(産経新聞特別記者・田村秀男)


2024.01.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240117-SAJLUQD4YRNMPK732CPMB2KQUE/
中国、23年成長率は5・2% 目標達成も不動産不況が重荷に

  【北京=三塚聖平】中国国家統計局が17日発表した2023年の国内総生産(GDP、速報値)は、物価変動の影響を除く実質で前年比5・2%増だった。政府目標の「5%前後」を上回った習近平政権は昨年、新型コロナウイルスの感染拡大を徹底的に食い止める「ゼロコロナ」政策に終止符を打って景気回復を急ぐ方針に転じた。ただ、不動産不況などが重荷となって景気は勢いを欠いている

  中国経済を巡っては、昨年1月のゼロコロナ政策の正式終了を受けて企業の生産活動が持ち直した。一方で、不動産不況が深刻化して中国恒大集団や碧桂園など不動産大手に経営悪化が広がった。また、長期化したゼロコロナ政策の後遺症もあって庶民の雇用・所得環境は厳しく、消費回復は勢いを欠き、デフレ懸念がくすぶっている。
  習政権は、金融緩和や追加の国債発行などによる景気下支えを進めている。中国共産党と政府は昨年12月に開いた中央経済工作会議で、低迷が続く不動産について「発展の新たなモデルの構築を加速する」と表明したほか、積極的な財政政策を強化し、穏健な金融政策の柔軟性を増すとの方針を盛り込んだ。


2024.01.08-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240108-J7S2TJCYMJJIFMIOUMUM3JDQOU/
恒大集団傘下のEV株取引停止  資金繰り懸念で株価急落原因か 香港市場

  香港証券取引所は8日、経営再建中の中国不動産大手、中国恒大集団傘下の電気自動車(EV)メーカー、恒大新能源汽車集団(恒大汽車)の株取引を停止した。内部情報に関する発表の遅れがあるとして同社が取引停止を要請した。資金繰り悪化懸念から年明けに株価が急落したことが原因とみられる。

  米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版によると、恒大汽車は昨年末にアラブ首長国連邦(UAE)のEVメーカーとの出資交渉の合意が失効。今月2日に株価が一時20%近くも下落した。
  恒大汽車を巡っては、昨年9月下旬にも同社株の取引が一時停止した。(共同)


2023.12.04-毎日新聞(KYODO)-https://mainichi.jp/articles/20231204/k00/00m/030/045000c
中国恒大の清算審理、結論は2024年1月29日に延期 香港高裁

  香港高等法院(高裁)は4日、経営再建中の不動産大手、中国恒大集団の清算申し立てに関する審理の結論来年1月29日に延期した。恒大側の提案を受け入れたとみられる。

   恒大は6月末時点で2兆3882億元(約50兆円)の負債を抱え、広東省政府の指導で再建を進めている恒大は3月に外貨建て債務の再編案を発表したが、債券の新規発行が困難になるなどしてまとまっていない。9月には創業者の許家印氏が当局に拘束された。
  裁判所は10月の前回の法廷で審理を延期すると発表し、具体的な債務再編案の提示を恒大に求めていた。(共同)







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