中国のNET事情と法-1


2024.10.20-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241020-AQAEW7VR65AVVC7DREHQ4S4TPQ/?outputType=theme_monthly-seiron
月刊正論-中国のネット管理強化に一人の女性学者が異を唱え…巻き起こった当局非難の嵐 天沼康-正論11月号 「中華考現学」
あまぬま・やすし 作家、チャイナウォッチャー

  「まるで呼吸をするのに許可証が必要というようなでたらめな制度だ!」・・・中国では8月、当局が11億人近くに達したネット人口の管理強化を進めるため、一人一人にネットを利用するための番号と証明書を交付する制度を発表これに学者やネット市民から反対の声が相次いだ。当局は軌道修正を迫られるなど、ネットの自由を巡る駆け引きが表面化している。

  発端は7月26日、公安省と国家インターネット情報弁公室(中国政府のネット管理部門)が発表した「国家インターネット身分認証公共サービス管理弁法」という行政法規だ。これは、ネットを利用する国民一人一人に「網号(ネット番号)」と「網証(ネット証明書)」を交付するというもので、ネットの各種サービスやアプリにアクセスする場合は、この番号と証明書を提示すれば、個人情報の登録が不要になるとして「個人情報保護に役立つ」としていた。
  この法規が出るきっかけとなったのは、今年3月の全国人民代表大会(全人代)に、黒竜江省の地方都市のネット警察が提出した「国家統一ネット身分認証制度設立の建議書」だった。その後、わずか半年足らずで、国民全体を対象とした法規が発表されたのだ。
  これについて8月25日まで行われたパブリックコメントの募集では、多くの学者から反対の声が寄せられた特に、リベラルな女性学者として知られる清華大学法学部の労東燕教授は短文投稿サイト「微博」に文章を発表。ネット番号や証明書の申請は強制ではないとしているが、骨抜きにされる可能性が高いことなどを指摘した
  労氏は「この法規は個人情報の保護ではなく、ネット上の言動の管理強化が目的ではないのか」と批判。「ゼロコロナ政策における『健康コード』で国民の管理が常態化したように、ネット番号は一人一人のネット利用に監視機器を取り付けるようなもので、その人のネット上の痕跡が一網打尽に収集されることになる」「ネット利用は許可が必要な特権となり、関連部門が許可しなければ、個人はネット上での発言やアプリの利用など、あらゆるサービスが受けられなくなる」と指摘した。

  この文章は予想通り、ネットから封殺されたが、ネット市民の間からも批判が噴出した。「ネット証明書は、社会で政府に批判的意見を持つ人が対象だろう。だが本当の被害者となるのは、大学や職場でハラスメントを受けた人や、子供が学校で自殺したのに、その理由を知ることができない親たちだ。彼らは社会に声を上げる道が塞がれてしまうだろう」社会的な弱者がネットにより不正や真相究明を求めることができる権利が奪われてしまうという指摘だ。
  批判が相当こたえたのか、公安省はコメント募集締め切り直前の8月23日、「ユーザーは『証明書』がなければネットにアクセスできないということはない。ユーザーに使用を強制しない」との見解を発表した。
  これについて、ネット上に公開された「労東燕氏は我々のために局面を挽回してくれた」という文章は「ネット番号と証明書はご破算になった」として、当局が一度実施すると決めた政策がひっくり返るという驚くべき事態となったのは、労東燕氏が人々に警告を発してくれたおかげだと称えた。また、「最初にこの制度が発表された時、人々は意味がよく分からなかったが、彼女が呼びかけてくれたことで、人々はこれを理解し、勇気を出して意見を発表し、反対の声が大きな潮流となった」と、ネット社会の声が言論統制に歯止めを掛けたことを高く評価した(この文章も削除された)

  台湾・国立成功大学の洪敬富教授(中国政治)は今回の事実上の見送りについて「もしネット証明書が中国在住の外国人にも適用されれば、反発し外資撤収の恐れがある上、共産党政権内の人々も自分たちのネット上の言動がすべて監視されることに不満を感じたのだろう。だが今後、形を変えて導入される可能性もある」とメディアに指摘している
月刊「正論」11月号から)(あまぬま・やすし 作家、チャイナウォッチャー


2024.08.02-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240802-BZW7M2BEOVNXNLAKHD57D2L44I/
中国著名論客が発信停止、メディア取材に「何も話したくない」 当局が投稿問題視か

  中国共産党機関紙人民日報系の環球時報で編集長を務めた著名な論客、A氏が交流サイト(SNS)で発信を停止し、香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは2日、党が7月中旬に開いた第20期中央委員会第3回総会(3中総会)に関する投稿を当局が問題視したことが要因となったとの見方を伝えた。

  A氏は中国の短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」に政治や経済について頻繁に投稿し、フォロワーが約2500万人に上るが、7月27日を最後に投稿が途絶えた。A氏は発信停止について別の香港紙の取材に「何も話したくない。理解してほしい」と答えたという。(共同)



2022.07.30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220730-4H6XVC4FERKJPANDBLOHNRZUF4/
中国初の改正独禁法 ネット大手規制強化

  【北京=三塚聖平】中国は、インターネット大手への規制を強化する改正独占禁止法を8月1日に施行する。改正は2008年の同法施行以来初めてで、中国で拡大したネット業界を念頭に置いた規定を新設し、違法行為の罰金を引き上げた習近平指導部は、中国ネット通販最大手のアリババ集団など国内大手に対する締め付けを強めており、こうした動きが続くとみられる。

  改正独禁法は、アリババなどの「プラットフォーマー」と呼ばれる巨大ネット企業への対応に重点を置いた。独禁法を所管する国家市場監督管理総局幹部は、同法改正にあたり「一部の大規模プラットフォーマーが、データや技術、資本などの優位性を乱用して独占行為を行い、公平な競争の障害になっている」と狙いを説明している。

  改正法には「データやアルゴリズム(計算手法)、技術、資本の優位性、プラットフォームのルールなどを利用して独占行為を行ってはならない」という文言が新たに入った。「中国共産党の指導を堅持する」とも明記しており、党主導で対応を進める姿勢を明確にした形だ。
  巨額の利益を得ている大手ネット企業を念頭に厳罰化も行われた。違反の状況が重大で、悪影響が大きいといった場合には、罰金を引き上げることを可能にした。また、犯罪に関わる場合は刑事責任を追及することも定めた。
  一方で、事業者の市場シェアが一定基準を下回る場合には禁止規定を適用しない「セーフハーバー」と呼ばれるルールが入った。中国政府は、関連規定の整備も進めている。
  習指導部は、中国の経済・社会に対する影響力を増した国内の大手ネット企業を警戒し、取り締まりや管理強化を進めてきた。特にやり玉に挙げられたアリババには昨年4月、独禁法違反で約182億元(約3600億円)という巨額の罰金を科した。

  習指導部は今年4月、景気悪化を受けてネット大手への締め付けを緩和する方針を表明している。ただ、独禁法の改正など新たな法制度の整備は止まっておらず、「ネット大手への統制強化という方向性は中長期的には変わらないだろう」(北京のエコノミスト)という見方が出ている。改正独禁法の施行後、実際にどのように運用されるのか業界関係者は注視している。


2022.07.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220708-3AM6P5GHUJOLHMS3SPHDI5YXTU/
中国10億人情報、販売打診 闇サイト、専門家が分析 別に9千万人、史上最悪か

  中国の警察当局から約10億人分の個人情報が流出した疑いが浮上している。ハッカーが会員制の闇サイトで販売を持ちかけているほか、新たに約9千万人分の個人情報が販売されていることも8日、判明。流出の真偽は不明だが、本物なら計約11億人分と史上最大の情報漏えいとなり、中国の人口の8割近くに被害が及ぶことになる。

  サイバーセキュリティー専門家の吉川孝志さんの調査によると、個人情報は氏名や携帯電話番号、住所、生年月日、出生地、身分証情報など。ハッカーは数十億件の犯罪情報も含んでいると主張している。ハッカーが情報交換する会員制の闇サイトは「ハッカーフォーラム」と呼ばれ、6月30日に投稿された。ハッカーは「ChinaDan(チャイナダン)」と名乗り、個人情報と犯罪情報を約2900万円相当の暗号資産(仮想通貨)で販売すると持ちかけている。情報は上海国家警察のデータベースから流出したと主張し、本物の証拠として、このうち75万件の個人情報や犯罪情報を公開した。
  吉川さんが一部を分析すると、個人情報の住所は架空でないことが分かった。1989年5月生まれの人が32歳と記載されており、5月以前に漏えいしたとみられる。警察当局の記録のようにみえる、緊急通報を受けた対応や事件の捜査情報などもあった。(共同)


2022.05.25-BBC news Japan-https://www.bbc.com/japanese/video-61574856
中国のウイグル族収容、警察ファイルが流出 不明家族の写真や警備の状況が明るみに

  中国・新疆ウイグル自治区における、ウイグル族など少数民族に対する中国当局の対応に関して、大量の文書や写真がBBCに提供された。

  中国政府は、収容所での「再教育」と投獄という2つの方法で、ウイグル族を大規模に拘束している。今回のデータからは、その詳細をかつてないほど知ることができる。
  ウイグル族の中には、行方不明になっていた家族の写真を見つけた人もいる。


2022.05.25-Yahoo!Japanニュース(JIJI com/BB NewsJapan)-https://news.yahoo.co.jp/articles/cb5fe05315d32a3ff56800f3a5d9ad952a11bef9
新疆の内部資料が大量流出 収容所の「衝撃的」実態浮き彫りに

  【AFP=時事】中国当局から流出した新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)に関する数万点の内部資料が24日、米団体により公開された。資料には数千枚の写真や公文書が含まれ、同自治区でウイグル人などの少数民族が暴力的な手段で収容された実態が改めて浮き彫りとなった

  資料は、匿名の人物が新疆の公式データベースをハッキングして入手し、米NPO「共産主義犠牲者記念財団(Victims of Communism Memorial Foundation)」に所属するドイツ人研究者アドリアン・ツェンツ(Adrian Zenz)氏に提供。ミチェル・バチェレ(Michelle Bachelet)国連人権高等弁務官による新疆訪問中に公開された。

   活動家によると、新疆ではイスラム教徒を中心とするウイグル人ら少数民族100万人以上が収容所や刑務所に収容されてきた。一方、中国政府はこれら施設を職業訓練所としており、強制収容の事実はなく、過激な宗教思想の根絶を目的とした施設だと説明している。
  だが、公開された写真や文書からは、収容が自発的なものではなかったことや、習近平(Xi Jinping)国家主席をはじめとする政権上層部が厳しい取り締まりを呼び掛けていたことが示されている。
   資料によると、同自治区の陳全国(Chen Quanguo)共産党委員会書記は2017年の演説で、収容所から脱走を試みる者は射殺するよう命じ、地元の役人に「宗教信者を厳重に管理する」よう要請。趙克志(Zhao Kezhi)公安相は18年の演説で、習国家主席が収容所の増設を指示したことに言及したとされる。

   さらに、警察から流出した被収容者の写真2800枚以上も公開された。こうした被収容者の中には、違法な演説を聞いたとして拘束された17歳や、別の被収容者の親族だという理由で拘束されたとみられる16歳も含まれている
   AFPが先に入手した警察の名簿でも、一度に数百人の住民が捕らえられ、一つの世帯から多数の人が拘束されることも頻繁にあったことが示されている。今回の資料の一部は、英BBCや仏紙ルモンド(Le Monde)などの報道機関によって信ぴょう性が確認された。
  資料からは、収容所内部の実態も浮き彫りとなった。写真には、頭を袋状の物で覆われ手錠をかけられた被収容者が警棒を持った警察官によって拘束され、迷彩服を着て銃を構えた他の警察官に囲まれる様子が写されている。

  英国のリズ・トラス(Liz Truss)外相は、流出した資料の内容は「衝撃的」だと非難。新疆を訪問中のバチェレ氏が現地の状況を的確に把握できるよう、「完全かつ制限のない」視察を許可するよう中国側に要請した。
   一方、中国外務省の汪文斌(Wang Wenbin)報道官は、流出資料を「新疆を中傷する反中国勢力」による「寄せ集めの資料」と断じ、報道機関が「うそとうわさを広めている」と非難した。
【翻訳編集】 AFPBB News



2021.09.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20210927-OQOTICQPGFM4XBQO75ZSAX3BQY/
中国でウルトラマンティガ一斉削除 暴力場面問題視か

  中国の動画配信サイトから特撮番組「ウルトラマンティガ」の中国語版が一斉に削除され、視聴できなくなった。中国メディアが27日までに伝えた。当局が暴力的なシーンを問題視し、規制に乗り出したとの見方がある

  24日、動画配信大手、愛奇芸(アイチーイー)などで「ティガ」が表示されなくなった。短文投稿サイト、微博(ウェイボ)で「ティガ削除」の検索数が急上昇するなど注目を集めた。
  「ティガ」以外のウルトラマンシリーズは視聴可能で、削除の理由は不明。中国でメディアを管理する国家ラジオテレビ総局はこのほど「暴力や血なまぐさい」シーンのあるアニメ作品を「断固阻止する」方針を示した。江蘇省当局が未成年の成長に影響を及ぼす可能性があるとして4月に公表した作品リストに「ティガ」が入っており、関連が指摘されている。
  中国政府は最近、娯楽分野での規制や思想統制を強めている。(共同)


2021.04.29-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/210429/wor2104290028-n1.html
中国人民銀、ネット企業13社を一斉指導 金融事業で改善求める

  【北京=三塚聖平】中国人民銀行(中央銀行)は29日、騰訊控股(テンセント)など中国の大手インターネット企業13社に行政指導を行ったと発表した。ネット企業が許可を得ずに金融事業を行っていることなどを問題視し、改善を求めた。中国ネット通販最大手のアリババ集団などネット業界に対する統制を強めており、その一環となる。

  人民銀は、中国銀行保険監督管理委員会などと合同で一斉に指導を行った。人民銀は、ネット業界で企業が許可を得ずに金融業務を行っていることや、不公正競争、消費者の利益を損なうような「深刻な規則違反の問題が広く存在している」と指摘した。
  指導対象となったネット企業に対し、金融業務を行う際には許可を得て金融当局の監督・管理を受けることや、ネット決済サービスと金融商品を不当なやり方で結びつけないことなどを求めた。
  人民銀は4月中旬に、アリババ傘下で電子決済サービス「アリペイ」を運営するアント・グループに対して行政指導を行うなど統制を強めている。今回の指導は、業界全体に改善を求めた形だ。
  習近平指導部は、中国社会への影響力を増した国内の大手ネット企業への警戒感を強め、締め付けを一気に増している。中国共産党と政府が昨年12月に開いた、2021年の経済政策の基本方針を策定する「中央経済工作会議」でも、国内ネット企業に対する規制強化の方針を表明していた。


2021.01.15-朝日新聞 デジタル-https://www.asahi.com/articles/ASP1G3R0VP18UHBI025.html
中国、ネット「デマ」に罰金へ 「言論規制さらに」懸念

  中国政府は、インターネット上で感染症などに関する「デマ」を放置したネット事業者らに対し、最大で100万元(約1600万円)の罰金を科す法令改正の検討を始めた
  新型コロナウイルス流行初期の情報統制が批判を浴びるなか、ネット上の言論規制がさらに強まると懸念する声も出ている。
中国政府の国家インターネット情報弁公室が、ネット事業者を規制する「インターネット情報サービス管理規則の改正案を8日に公表した。
  改正案は、ネット事業者が発信や拡散を防ぐべき情報として、新たに「感染症や自然災害、食品や薬品に関するうそ」や「違法な集会、結社、デモ」などを追加。事業者は提供するサービスでこうした情報が流れていることを察知した場合、削除などの対応をとった上で、警察に報告することが求められている。
  違反した場合、最大100万元の罰金を科すことも新たに定めた。ネット事業者のほか、情報を発信したり、拡散したりした企業や個人も対象となる。 新型コロナをめぐって中国政府は、ウイルスの流行をSNSで呼びかけた医師をデマを流した」として処分したことで内外の強い批判を受けた。一方、昨年3月にはネットのコンテンツ制作者らを対象に社会秩序を乱すデマを流すことを禁止する規定を施行。今回の改正は、主にネット事業者を対象に規制の厳格化に乗り出す狙いだ。(北京=高田正幸)



2020.3.2-産経新聞 TEH SANKEI NEWS-https://special.sankei.com/a/international/article/20200302/0002.html
新型肺炎 中国、記者や学者を相次ぎ拘束 「言論の自由」要求を警戒

【北京=西見由章】中国当局の新型コロナウイルスへの対応に国内から批判の声が高まる中、湖北省武漢市で実態を取材してきたフリーの中国人記者が相次いで拘束されている。習近平指導部を批判した学者らも軟禁されるなど、体制の動揺を警戒する中国当局は言論弾圧を強化している。
   「私は国にとって不利なことを何もしていない。父母や自らの国に何も恥じることはない」
   「公民記者」として武漢で取材を進めていた李沢華氏が2月26日、インターネット中継で“最後のメッセージ”を訴えた。その直後、部屋の外から当局者とみられる人物が現れ、中継は途絶えた。李氏は拘束されたもようだ。


2020.2.29-産経新聞 TEH SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/200229/wor2002290036-n1.html
新型肺炎追及の記者拘束か 中国、ネット中継途絶える

新型肺炎が発生した中国湖北省武漢で感染被害の実態を伝えていた独立系メディア記者の20代男性が当局に拘束されたとみられることが29日分かった。インターネット中継の途中で当局者とみられる人物が現れ、行方不明となった。米政府系放送局、ラジオ自由アジア(RFA)などが伝えた。
   記者は李沢華氏。国営中央テレビの司会者を務めたこともあるという。2月に武漢入りし、集団感染が起きたとされる集合住宅や火葬場を撮影した動画を公開。当局が被害状況を実際よりも少なく発表しているなどと指摘していた。
   26日、当局に尾行されているとして助けを求める動画を投稿。再び投稿した動画で、中国当局が学生らの民主化要求デモを武力弾圧した1989年の天安門事件に言及し、理想のために立ち上がるよう若者に訴えた。その後、当局者とみられる人物が部屋に入り中継が途絶えた。
(北京 共同)


2020.2.9-dmenuニュース(読売新聞)-https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/yomiuri/world/20200208-567-OYT1T50269
口を閉ざせ・ネットに流すな…中国当局、肺炎警鐘医師「追悼」に締め付け

【北京=比嘉清太】新型コロナウイルスによる肺炎で湖北省武漢市の医師、李文亮さんが亡くなったことをめぐり、中国当局が人権派弁護士らへの締め付けを強めている李さんへの追悼ムードの高まりが、言論の自由などを求める動きにつながることを警戒している模様だ
  李さんの死去が公表された7日、北京の人権派弁護士は警察から電話を受け、死去について「口を閉ざすように」と要求された。
  天津の人権活動家も8日、「好ましくない情報をネットに流さないように」と当局者に告げられ、警察施設への同行を求められた。
  李さんは、当局が新型ウイルスの感染拡大を発表する前に、感染が広がっている実態をSNS上で報告し、警鐘を鳴らしていた。
  李さんは、発信した情報が警察にデマとみなされ、処分された。中国メディアの取材に対し、「健康な社会は1種類の声に占められるべきではない」と言論の多様性を求める発言もしていた。
  ネット上では、李さんの死去情報が流れた2月6日を「言論の自由の日」に指定するように求める声が出ている。
  言論の自由は共産党の一党支配を揺るがしかねないため、当局は人権活動家の動きを未然に封じることで、同調意見の広がりを防ごうとしているとみられる。
  上海紙・新民晩報は、李さんはホイッスル・ブロワー(告発者、警笛を鳴らす人)だったと称賛する記事を1面に掲載した



中国法の法制度
富山県貿易・投資アドバイザー 梶田幸雄

はじめに 日本企業による対中国投資が、対米国投資と肩 を並べた。

  投資のみならず、貿易、生産委託、技 術・ライセンス供与などさまざまな形態の取引が 行われている。これら取引の際には、当然ながら 国際契約が締結される。さまざまな取引が実態と して行われているが、一方で中国法を理解し、適 切な国際契約が締結された取引は、必ずしも多く ないといえる。このために対中事業展開の中で、 多くのビジネス紛争が生じてもいる。
   ビジネス紛争を未然に防止するためには、中国法、中国企業との契約のあり方についての理解も 不可欠である。
  そこで、今回からごく簡単ではあ るが中国法の体系、とりわけ渉外経済法について 紹介をすることとしたい。
  第1回目として、以下、1中国法の発展過程と 22004年3月の憲法改正における中国の変化につ いて叙述する。また、3渉外経済貿易関連法の体 系を示しておき、次回以降は渉外経済貿易関連法 のうち、とりわけ対中事業の実務の展開の上で重 要と思われる法律について順次紹介することとし たい。

1 中国法の発展過程 中国法には、独特な法形成・発展過程がある(浅 井敦『現代中国法の理論』東京大学出版会、1973 年)。
  中華人民共和国成立時には、社会主義革命の 法であり、社会主義(政治)革命の後の社会主義 経済の形成とあらゆる社会主義的上部構造の形成、 とりわけ社会主義国家権力の樹立、発展および強 化と密接な関係を有していた。
  しかし、その後の 文化大革命期には、近代立憲主義的な「法の支配」 の観点からは理解しがたい「大衆の支配」を、そ の原理的基礎として形成、発展してゆく。
  1978年 の対外開放以降に入って、はじめて法理論面で、 中国は、現代化路線にもとづく「改革・開放」政 策にしたがって、法制整備に取り組む時期に入っ た。
  そして、WTO加盟後に現代法の形成過程に入 ったといえる。
2 現代法の形成と憲法改正
  2004年3月の全国人民代表大会における憲法改 正は、現代法の形成にかかわり、特筆すべきこと である。憲法改正は、第10次5ヵ年計画期におけ る立法計画(改正を含む。)俎上にのぼっていたも のである。
  そもそも中国としては、第一に、WTO加盟国からの要請に応じるということと、第二に、 自国経済活性化という思惑の2つの側面からの法 改正・整備の必要性を認識している。
  2004年3月の憲法改正は、過去の改正に比べ、 内容が多岐にわたり、改正の範囲も広範に及ぶも のであった。 この改正の主な内容は、
  1「3つの代表」思想 の明記、  2私有財産の保護強化、  3非公有制経済 の地位向上、  4人権保護の強化、  5人民主権の範 囲拡大および権利強化、  6政治文明の明記、  7 国家主席の職権の拡大、  8社会保障制度確立を国 家目標とすることなどである。
  外国企業に強くかかわると考えられる憲法改正 は、1~3である。

 3つの代表および社会主義事業の建設者
  憲法序文に「3つの代表」および「社会主義事 業の建設者」という言葉か挿入された。
  「3つの代表」とは、a)先進的な社会生産力の 発展の要請、  b)先進的な文化の前進の方向、  c) 最も広範な人民の根本的利益の3点を党が代表す ることを2000年2月、江沢民が広東省視察時に発 表したものである。
  そして、党を担うのが「社会主義事業の建設者」 である。この社会主義事業の建設者とは、具体的 に誰をいうのか。この概念には、民営科学教育企 業の創業者および技術者、外資企業の管理者およ び技術者、個体戸、私営企業主などが含まれると されている。 ここに外資企業の従業員である管理者および技 術者が、確実に「社会主義事業の建設者」として、 認容されたといえる。
  私有財産の保護 「公民の適法な私有財産は侵されない」(8条) とした。
  この改正は、個人の財産権、例えば、所得、預 金、不動産などの所有権の保護について、従来か ら規定は存在していたものの、土地の収用などに かかわる手続や補償問題など、実質的に保護され ていないのではないかと考えられるケースが少な くなかったからである。
  また、もう1つの改正背 景として、社会主義体制にあっても私営企業が興 隆しているということもある。私営企業数は244万 社(2002年末)、GDPへの寄与度は3分の1超に達 している。中国国民経済の高成長を維持するには、私営企業の活力を利用することも必要である。
  こ の場合、憲法上、個人の財産権の保護について具 体的に規定されることが不可欠との認識がある。
   非公有制経済の地位向上 11条2項は、旧憲法において「国は、個体経済、 私営経済の適法な権利および利益を保護する。」と 規定されていたところ、新憲法は「国は、個体経 済、私営経済など非公有制経済の適法な権利およ び利益を保護する。」(下線は筆者による。)とした。“など”に含まれるものが外資企業である。
  3 渉外経済貿易関連法の体系 渉外経済貿易関連法の体系は、国内立法と国際 条約、二国間条約から形成されている。基本的に 以下の通り分類することができる。
   原則規定 渉外経済貿易関連法の原則を規定するのは、 「憲法」、「民法通則」である。
   基本法 直接的な渉外経済貿易の基本法には、例え ば、「対外貿易法」、「海関法」、「輸出入商 品検査法」、「中外合資経営企業法」、「外資 企業法」(いわゆる独資企業法)などがある。
   行政法規 渉外経済貿易関連に関する行政法規には、 例えば、「海洋石油資源の対外合作開発条例」、 「輸出商品管理暫定弁法」などがある。
   国際条約、二国間条約 1998年末までに、180余カ国と二国間の経済 貿易取決めを締結し、90カ国と投資保護協定 を締結している。中国が加入し、または締結 している国際条約、二国間条約には、次の範 疇のものがある。 商務条約または通商航海 条約、 貿易協定、支払協定、 借款協定、 経済援助協定、経済技術合作協定、同盟条 約
  ――例えば、「国連国際貨物売買契約条約」、 「工業所有権保護に関するパリ条約」、「国家 および他国公民との間の投資紛争解決に関す る条約」などがある。中国のWTO加盟に伴い、 国際条約も中国の渉外経済貿易関連法の重要 な構成部分となっている。

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中国大陸におけるウィキペディアへのアクセス封鎖
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


  中国大陸におけるウィキペディアへのアクセス封鎖は、中華人民共和国(香港とマカオを除く)にあるISPが、ウィキペディアを含むウィキメディア財団系列サイトへのアクセスを意図的に封鎖し、中国大陸に住む中国人が通常の手段を用いてこれへのアクセスを不能にしていたことを指す。

概要
  中国政府とその支配下のISPは大陸に住む中国人が同国に議論を巻き起こす可能性があるインターネット・サイトへのアクセスを常に審査している。ウィキメディア財団系列のサイトは中国政府から事前注意、事後説明なしにこれまで少なくとも7回のアクセス封鎖を受けている。2004年に始まった一連の封鎖は、北京オリンピック直前の2008年7月末に解かれ、その後何度も封鎖されて、2015年5月19日から封鎖は行われている。

  経験がある大陸在住のインターネットユーザーはさまざまな手段を用いてこれを回避することが可能であったが、一般のインターネットユーザーがウィキペディアにアクセスすることは容易でないため、中国語版ウィキペディアの編集は台湾、香港、マカオの居住者やその他国外にいる中国人によるものが主となっている。
  一方で、ウィキペディアに掲載されている記事で、中国政府に影響を与えないような内容は、百度百科など、中国の他のサイトに転載して利用されることも多く、一種の検閲となっている。
  2015年12月4日頃から、中国国内の諸言語のうち、北京語版広東語版呉語版及びウイグル語版は全遮断されたが、贛語版漢文版白話字で書かれる閩南語版客家語版閩東語版及びチベット語版朝鮮語版は遮断されていない。また、2017年12月28日よりウィキペディア日本語版デスクトップバージョンが中国大陸部で遮断された。
  2019年4月23日から、ウィキメディア・コモンズ等のウィキメディア・プロジェクトを含む全言語版のウィキペディアが中国大陸部で遮断された。ウィキメディア財団は、遮断の理由は分からず、当局からの通知はないとしたうえで、公開情報の自由な入手は「基本的な人権だ」と主張し、遮断の解除を求めている。
  国境なき記者団によると2019年度の「世界報道自由度ランキング」では世界180カ国中177位となっている。
  一方で、台湾問題2019年-2020年香港民主化デモなど、中国が過敏になっている問題の記事について、相次いで中国当局の主張に沿った内容の書き換えられていると指摘されている。
  2020年1月、トルコ裁判所は、ウィキペディアへのアクセス禁止を憲法違反と断定。これにより、中国が唯一のウィキペディアへのアクセス禁止国となった。


中国のネット検閲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


  中国のネット検閲とは、中華人民共和国におけるインターネットに対する行政行為の検閲である。法律に従って60以上の条例が中国政府によって作られ、地方政府インターネットサービスプロバイダ、インターネット企業などが検閲を実施している。
  国家インターネット情報弁公室(通称国家網信辦,中共中央サイバー安全和情報化領導小組弁公室と同一機構、国務院新聞弁公室に設置されている)が中国大陸インターネット情報コンテンツ管理、法の実行監督などを行っている。

概要
  中国はサイバー主権を主張し、大規模情報検閲装置で世界最大のネット人口に対して人海戦術または、ビッグデータによる人工知能機械学習を利用した自動検閲を行っている。
  システムは数百台の中国のスーパーコンピュータによって構成されているとされ、インターネットポリス(網警)やネット秘密警察(世論分析官)は10万人から200万人ともされ、インターネットフォーラムブログSohu(捜狐)Sina.com(新浪)といったポータルサイトにおいて、政府に不都合な批判が現れると、通常は数分で削除する。
  このサイバー警察は「網警巡査執法」という公式サイトも全国50省・直轄市のSNS微博微信など)に設けて24時間体制でネット監視・パトロールを行っている。それらはウェブサイトへのアクセスを制限する。
  アムネスティインターナショナルによれば、中国では投獄されているジャーナリストとサイバー反体制派が世界で一番多く、国境なき記者団は「世界最大のネチズン刑務所」と呼んでいる。海外のユーザーまたはそのグループとの通信、インターネット上の嘆願に署名、不正の改革の要請は軽犯罪で起訴される。ソーシャルメディアのプラットフォーム上での一見無害な発言でも迅速にかつ厳しく処罰される可能性がある。この検閲制度は情報検閲以外にも効果を発生し、自国のIT企業(BATBATH)を保護する非関税障壁として外国企業から市場を独占することになった(ガラパゴス化)。
法律根拠
  中国政府がインターネットコンテンツに対して検閲方式は多様で、複数の行政レベル、部門をまたがっており、検閲は各級人民政府およびすべて関連部門からインターネットプロバイダーまでの責任とされている。 国内のウェブサイトに対する検閲は中国のさまざまの法律、地方行政法規で定められている。
検閲対象になるインターネットサービス
  ウェブサイトの閲覧だけでなく、すべてのインターネットを利用して情報交換を可能とするサービスは検閲の対象になる。
検索エンジン電子メールの送受信・インスタントメッセンジャーの通信・ウェブサイトブログソーシャル・ネットワーキング・サービスマイクロブログ電子掲示板
検閲対象になるウェブサイト
  検閲を受けるサイトを以下に記述する。リアルタイムのブロック状況はGreatFire.orgで調べられる。
 ・残虐な行為や情景またはそれに関連するアニメーション作品やドラマ映画天安門事件言論の自由民主主義香港台湾マルクス主義に関連するニュースソース
 ・これらのサイトにウィキペディアボイスオブアメリカYahoo!香港、YouTubeも含まれる。 ・台湾や香港、アメリカやイギリス関連の政府、メディア、組織関連のウェブサイトもしくは宗教的サイト ・わいせつ、ポルノ、反道徳的なウェブサイト ・ダライ・ラマおよび14世に関係する、もしくは独立運動や宗教運動関連のウェブサイト ・中華民国に関するウェブサイト ・香港デモに関連したウェブサイト ・SNS - FacebookTwitter など ・動画共有サイト - YouTubeニコニコ動画 など ・動画配信サイト - Ustream など ・写真共有サイト - Flickr など ・インスタントメッセンジャー - LINEフェイスブックメッセンジャーカカオトークWhatsApp など
  ブロックされたウェブサイトは、サーチエンジンの検索結果に表示されないことがある。例: 百度
  ニューヨークタイムズによればGoogleは中国国内から国外にアクセスできるコンピュータを設置した。そのコンピュータからアクセスできないサイトはGoogle中国のブラックリストに載せられる。ブロックが解除されたウェブサイトは再度インデックス化される。
自己検閲
サーチエンジン
  ブロックの一つに、中国のサーチエンジンでの特定の言葉の検索結果に対するフィルタリングがある。
  中国国内サーチエンジン(例: 百度)と外国のサーチエンジン(Yahoo!Google等)の両方がフィルタリングされている。中国版のサーチエンジンで検閲を受けている言葉を検索すると、他の地域版に比べて少ない結果が返ってくる。加えて厳しく検閲されている検索ワードは金盾によって遮断され数分間復旧しない。HTTPPOPの接続はこの影響を受ける。サーチエンジンが検閲を受ける前は多くのサーチエンジンはブロックされていた(例: GoogleAltaVistaTechnoratiなど)。
現代
  2004年からSMTH BBSとYTHTBBSを含む、いくつかの大学の掲示板は一般からのアクセスが制限または切断されている。
地方企業
  西側陣営に国外サイトへのブロッキングは注目されるが、それは中国のインターネット検閲の一部である。政府は、中国本土の事業者のコンテンツへの検閲も行う。ISP(インターネットサービスプロバイダ)やその他の事業者は顧客の違法行為が発覚するのを恐れ、顧客の行動を制限している。事業者は顧客のコンテンツによる名誉毀損や他の不法行為に対して法的に責任を負う。
  政府は全てのインターネットチャットとフォーラムを監視する設備をもたない。しかし、取り締まりを恐れ、インターネットコンテンツプロバイダーは口語で「大媽」「ビッグ・ママ」(en:big mama) と呼ばれるスタッフを雇用し、政治的に微妙なフォーラムのコンテンツを削除している。深圳(シンセン)では、それらの職務を啓発する警察のマスコットキャラクター「警警と察察」en:Jingjing and Chacha) がある。

  しかしながらインターネットコンテンツプロバイダは記事を削除しないことがある。政治的に微妙なものが投稿されたとき、政府が批判したときだけそれを削除する。削除される前に、その情報は既に公になっている。有名な例として2001年の学校爆破事件において、地方の役人はその爆発の原因が、子供が違法に製造した花火によるものであるという事実を隠そうとした。役人がその記事をインターネットから削除したときにはそのニュースは既に広く拡散していた
  インターネットコンテンツプロバイダは検閲されたフォーラムのコメントを空白に置き換えることが多い。これはコメントが当局に批判的だったことを予測させ、書き込まれていたであろう批判を予測させる材料となる。
国際企業
  外国企業が中国政府のネット検閲の手助けに加担するべきか否かという議論がある。言論の自由や報道の自由を制限することも含めた検閲によって、利益を上げることが間違ったことだと主張がある。しかし一方でアメリカIT企業のシスコシステムズなどによるIT関連の設備は、標準的なインターネットのインフラであると主張するものもいる。中国政府は西側企業なしでも標準的な機器を使って独自にインターネット網を整備することが可能である。対照的に、ヒューマン・ライツ・ウォッチのような人権活動家団体や国境なき記者団のようなマスコミのグループは中国政府の検閲に加担することを止めることで中国の状況を変えることができると主張している。
  Yahoo!AOLGoogleSkypeといった中国の市場で、中国国内のコンテンツを有している海外の検索エンジンやインターネットサービスを運営する企業もまた同様のジレンマを抱えている。マイクロソフトは、インターネットサービスの提供を継続することが中国人にとってより有益であるとの判断により、中国政府の法律に合わせて、自社のブログサービスであるMSN Spacesのコンテンツを検閲することを始めたこれによりミハエル・アンティのMSN Spaces上にあるブログはマイクロソフトにより削除された。そしてミハエル・アンティは、MSN Spacesのサービスが継続できなくなることより賢明なことであるとマイクロソフト側と合意した。
  FreenetPeek-a-Bootyのような検閲を妨げるソフトウェアを用いたサービスも使用が禁止されている。Freenetプロジェクトを公開しているSourceForge.netなど、その他数多くのオープンソースを開示しているサイトもブロックされる。
最近の動き
  2003年、インターネットで活動している人やジャーナリストがオンラインで蜂起し、収容移送手続きの放棄を強制し、全国人民代表大会常務委員会の憲法委員会の設立を要求した。 2003年7月11日中国政府はインターネットカフェチェーン店の開店を認可した。その認可は3つの中国文化省が提携しているものを含め、10の商店に付与された。中国オーディオビジュアル出版社は50,000のカフェを40の町に3年で建てる予定である。他には中国文化遺産情報センター、中国国営図書館、政治的に強力な中央委員会の中国共産主義青年団の系列である中国ユースネットなどの事業者がある。残りの6つの事業者である、チャイナ・ユニコムやGreat Wall Broadband Network Service Co Ltdの親である中国聯合通信有限公司はRead Investment Holdings Co.,に所属している。このテクノロジーコングロマリットは1988年に設立され、歳入は100億である。ビジネスアナリストや外国のインターネット事業者は、この許可は中国政府に害を与える情報を取り締まることを目的としているとみている。
  2005年夏、中国政府が米シスコシステムズからルータ200個を購入。これによりさらなる検閲能力の向上が行われた。
  2005年10月18日、中国政府はウィキペディアへのアクセスブロックを再開した。当時、大部分の中国大陸から検閲に関する記事に接続しにくい状態だった。
  2006年2月14日、上級中国共産党当局の前任者らは、インターネットに対する厳しい検閲は中国の政変の災いの種をまいているかもしれないとを批評した。次の日、政府スポークスマンは検閲のルールは外国と同じで、オンラインコンテンツを書いているだけでは逮捕されないと答えた。
  2006年6月、Googleは中国に装置を設置するために検閲に対し譲歩し、中国政府が違法と認めたウェブサイトをブロックした。TIMEによるとGoogleは抵抗したが、難しい状況で最終的に地域法に従った。
  2006年3月8日、2つの有名な中国人のブログが、西側諸国のメディアは検閲を誤解しているとして自身によって一時的に閉鎖された。国境なき記者団、BBCロイターそしてボイスオブアメリカは当局の圧力により閉鎖されたと報じた。
  2006年4月、マイクロソフト社の運営するWebメールサービス「HotMail」に中国からの接続がしづらくなった。マイクロソフトは技術的問題が原因だとしたが、多くのメディアはインターネットの検閲が関連しているのではないかと報じた。
  2006年4月まで、多くの大手メールプロバイダへのPOPアクセスがしづらくなった(POP-over-SSLは除く)。また、4月の最終週に、Googleと多くのそのサービスにアクセスできなくなった。
  2006年7月、ケンブリッジ大学の研究員が、TCPリセットパケットを無視するとファイアウォールの影響を避けられると発表した。
  2006年8月7日、中国の数人のウィキペディアンがいくつかのプロキシツールを使ってもウィキペディアにアクセスできないことを発見した。アメリカと韓国のウィキペディアプロキシーサービスはGreat Firewallによって遮断されている。中国にいるユーザがウィキペディア(全言語)、ウィキメディア財団ウィキマニア2006とChinese Wikimedia Conference 2006のアドレスに接続しようとをした場合、"接続できません"というエラーが起きる。中国のウィキペディアンの中には“Wikipedia-maniac”いうタイトルのインデックスページにつながると信じている人もいる。これは8月6日の“Beijing News”に現れた。(新京報
  2006年9月27日、今までブロックされていたBloggerブログに中国内からアクセスできるようになった。
  2006年10月10日、中国側がブロックしていると明らかにしているウィキペディア英語版が中国からプロキシなしでアクセスできるようになった。中国テレコムのユーザは、台湾に関する部分を含むウィキペディアの多くの部分はアクセスできるが、他の政治的に敏感な問題を含むページはアクセスできないと報告している。この記事の英語版en:Internet censorship in the People's Republic of Chinaは2006年10月26日時点で北京からアクセス可能であった。中国政府は当時、英語版ウィキペディアへのアクセスを許可すると決定したが、中国のいくつかの地域ではアクセスできなかった。
  2011年1月、チュニジア政府退陣要求運動に触発され、インターネットを利用した反政府運動の市民への呼びかけからエジプト騒乱が起こると、中国ではエジプトを示す中国語「埃及」の2文字が、新浪捜狐で検閲の対象になったと台湾メディアにより報じられた。
  2020年からGoogle、Twitter、Facebookといったビッグテックは検閲を強化し、社会問題となっている。
  中国の一般人はTwitterを利用できないが、外交官や国営のメディアなどは対外宣伝のために利用している。
反響
性的サイトの自由化
  性的な話題を扱うブログは2004年の始まり頃に始まった。ハンドルネームMuzi Mei(木子美)やZhuying Qingtong(竹影青瞳)らが彼女らのセックスライフをオンライン日記に書きちょっとした有名人となった。このことは報道され中国大陸のニュースメディアで非難されたが、取り締まりはまだされていない。またこのサイトにはヌード写真も掲載されている。ダンサーTang Jialiの自己出版の本を含む半裸やトップレスの女性を描いた新聞や雑誌に対して、どのような規制がなされるのか注目された。検閲は性的なものより政治的なものに実施された。デートサイトやアダルトチャットサイトが中国でブロックされていない。
  2005年にThe Registerは20,000人の中国人が定期的に裸でチャットをしていると報告している。
企業責任
  2005年11月7日210億ドルを超える資産Money's Nice, but Freedom's Nicerになるアメリカ、ヨーロッパ、そしてオーストラリアを代表する26の会社の投資家と研究者は協調して表現の自由を保護して、中国のように人権を侵害する国に協力する会社を批判すると誓約した。2005年12月21日国際連合で、欧州安全保障協力機構と米州機構はインターネット会社に“共に働き・・・公にインターネット利用を制限したり、制御する試みに抵抗する”と特命した。
回避への努力
  ファイアウォールは情報の流れを防ぐためには効果的でなく、ファイアウォールの外のプロキシサーバを利用することにより、突破できる。VPNと中国の外へのSSH接続は遮断されていない。Great Firewallの検閲と監視を回避することは、これら中国大陸の外への安全な接続方法を知っている人には簡単である。
  Torウェブサイトはブロックされている。Torソフトウェアを入手すれば、検閲を回避するために有効なツールである。Torはエントリーノードのパブリックリストを保持しており、当局はそれをブロックできる。Tor FAQ 6.4と7.9セクションによればTorは中国当局によるタイミング解析に弱く、匿名性の喪失を許してしまう。それゆえ現在のところ、Torは無検閲の通信を実現しているが、その結果に対する保障はない。
  Torにさらに加えて、さまざまなHTTP/HTTPSトンネルサービスがあり、それらはTorと同じように働く。それらの一つは、Your Freedom中国から使用することを承認されており、伝送のための暗号化機能を提供している。
  ブロックされたサイトを見るためにGoogleのキャッシュ機能を使うことは一般的であった。しかしながらこれはいくつかのレベルでブロックされ、不安定である。現在のところ、そのブロックはほとんどファイアウォールの外のプロキシを利用することで回避できる。いくつかの有名なプロキシサーバはブロックされている。
  中国がGoogleをブロックした後、GoogleのミラーサイトelgooGを利用している中国人もいた。elgooGが中国のGreat Firewallを残った理由は、Great Firewallのオペレータがグーグルの完全な機能を備えていないと考えたからと信じられている。
  法輪功のウェブサイトは一般的に中国本土からアクセスしにくい。中国本土の人々が検閲に検出されずにインターネット・エクスプローラーを通してアクセスするために、法輪功はUltraReach Internet Corpという会社を設立し、UltraSurfというソフトウェアを開発した。
  他に使われているテクニックとしてFreenetやTriangleBoyがあり、P2P分散データストアでは匿名での情報の送受信を行える。
他国への影響
  国境なき記者団によればキューバジンバブエベラルーシなど海外にも中国はネット検閲技術を輸出しているとされ、フリーダム・ハウスによればアジア中東アフリカなどの権威主義的な国家にも輸出されている。
  2016年4月にはロシアで中国に倣ってネット検閲を導入すべきとする論文を治安機関トップであるロシア連邦捜査委員会アレクサンドル・バストルイキン委員長が主張して注目を浴び、「インターネットの皇帝」( 網絡沙皇)と呼ばれた魯煒や「グレート・ファイアウォールの父」と呼ばれる方浜興らはロシアに招かれて度々訪露してネット規制を担当するロスコムナドゾル(ロシア連邦通信監督庁)のアレクサンドル・ジャロフ長官やネット検閲論者で有名なコンスタンチン・マロフェーエフらから技術協力を要請されており、同年6月に訪中したロシアのウラジミール・プーチン大統領は中国の習近平国家主席インターネット主権の確立に向けたサイバー面の協力を掲げた中露共同声明に署名した。2019年4月にロシア連邦議会で可決されたインターネット規制法案ではトラフィックを検閲する中国の方法を踏襲した。
クラウド特区
  2011年6月現在、「クラウド特区」と呼ばれる中華圏最大になる予定のクラウド・データセンターが建造中である。運用が開始されると、中国国内で唯一ネット検閲がない地域となる。ただし特区から海外の回線に直結はするものの、中国国内へのアクセスは遮断される予定。場所は、重慶市江津区の双福新区







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