中国の犯罪の実態-1


2020.5.18-Yahoo!!Japanニュース(COURiER)-https://news.yahoo.co.jp/articles/d8c3c9681c456790f8d93acbbcf7a60f55187811
79歳の実母を墓に「生き埋め」─残酷すぎる中国“姥捨て事件”の顛末
(1)
  親の介護に疲れた58歳の息子が、あろうことか、79歳の実母を墓地に生き埋めにする──という衝撃的な事件が中国北西部・陝西省で発生した。その顛末とともに、2億人の高齢者人口を抱える中国の“闇”についてお伝えする。

  5月6日、中国最大のミニブログ「新浪微博(ウェイボー)」に衝撃的な告発動画が載り、半日で1万1000件以上のコメントが寄せられた。
  動画は生き埋めにされた老婆が救出される光景を撮ったものだ。 陝西省の北端に位置し荒涼とした黄土高原が広がる靖辺県で、5月5日午後6時、地元警察十数名が、 廃墓地にある地下2mの古い墓穴から79歳の老婆・王某を掘り起こした。老婆は2日深夜に埋められ、約70時間飲まず食わずのまま墓穴で生きながらえてきた
  墓は横穴式の構造で、閉じ込められた老婆は、そのまま入り口を埋め戻され、自力では地上に出ることが不可能だった。
  ニュースキュレーションサイト「封面新聞(ザ・カバー)」によると靖辺県公安局に5日、地元主婦の張某から通報があり、夫の馬楽寛(マァ・ロァクアン、58)が2日午後8時ごろ、手押し車の荷台に寝たきりの実母の王某を載せてどこかへ出掛けてしまい、行方不明という内容だった。
  張某によると、3日深夜2時ごろ一人で帰宅した馬楽寛へ「アンタ、一体どこへ行ってたのよ! お義母さんはどうしたの!」と詰め寄ると「近所でライトバンを借り、バスターミナルへ行って、甘粛省行きの夜行便に乗せてきた。甘粛省の遠縁がおふくろを預かってくれると言ってきた」とつぶやいたので大急ぎでバスターミナルへ行き、義母の消息を確認したが、それらしき老婆がバスに乗った形跡は無かった。
  張某が帰宅すると、夫は忽然と姿を消していた。 実際には、馬楽寛は手押し車を押して郊外の廃墓地に行き、鍬と鋤で古墓を掘り起こして、墓穴に実母を埋めたのだった。墓穴には空間があり、頭部は埋められなかったため、老婆は辛うじて呼吸ができる状態だった
  県公安局は5日午前11時、県内をふらふらしていた馬楽寛の身柄を拘束した。尋問中、彼は「おふくろは今、甘粛省の親戚のもとに送られている最中で断じて失踪ではない」との主張を繰り返したが、次第に追い詰められてパニックに陥り、ついに実母を生き埋めにしたと自供した。
  県公安局は警官と遺体鑑定の法医からなる救出チームを組織し、同日午後4時過ぎから、馬楽寛の自宅から約4㎞離れた廃墓地で当該古墓の発掘を開始した。1時間半かかって墓室を掘り当てると、中からうめき声のような音が。「生きてるぞ!!!!」の掛け声とともに警官隊は老婆を抱え上げた。
  酸欠状態で瀕死の老婆は、自身の身よりも厳罰に処されるかもしれない息子を案じて警官に「誰に強要されたわけでもない。ワシが自ら這いつくばって穴の中に入ったんだよ」と話しながら靖辺県中医院(県漢方医学病院)へ搬送され、地元政府から見舞金5万元(約75万円)を受け取った。当の息子の馬楽寛は、救出劇の一部始終を一言も発せず見守っていた。そして現在も「故意殺人罪」容疑で県公安局に刑事拘留されている。
(2)
  総合ニュースメディアの「澎湃新聞(ザ・ペーパー)」が報道した馬楽寛の供述によると、犯行の動機は介護疲れと怨恨。2019年9月に長らく別居していた実母を自宅に引き取ったが、同年11月に実母は屋内で昏倒して骨折し、寝たきりの身となってしまう。
  排泄も困難で粗相も多くなり、馬が仕事先から帰宅すると、家中に糞便の臭気が立ち込め、我慢がならず、強いストレスに直面していた 。
  生来無口で非社交的な馬楽寛は日雇い仕事で長年日銭を稼いでおり、1男3女を儲け、長女は嫁ぎ、三女は大学進学を果たしたという。妻の張某は飲食店で、息子はガス工場で働いており、世帯収入は地域の平均を上回っていた。
  ただ、隣人によると馬楽寛は生い立ちが複雑だという。実父は馬楽寛の幼少時に早世し、実母は馬が12歳の時に甘粛省の男と再婚し家を出て行ったため、靖辺県に残された馬楽寛は、父方の祖母や叔父の家で貧困生活を強いられる。
  実母は再婚当時妊娠しており、甘粛省で馬楽寛の弟や妹を産んだ。弟は生来虚弱で長じても生活保護対象であったため、実母は再婚相手と死別したあと生活が困窮したため、2013年に弟を連れて靖辺県に戻り、二人暮らしを始めた。
  だが、19年に弟が重い障害を負い、同年9月から実母と弟は馬楽寛の家に間借りするようになった。 母子は46年ぶりの同居で、馬楽寛は長男としての義務感から実母と弟を引き取ったが、幼少時に自分を捨てて再婚した実母に対して言い尽くせない積年の恨みがあり、実母が白内障で視力を失い、寝たきりとなり、尿毒症を患い、大小便を垂れ流すようになって介護の負担が増すと、屈折した思いと合わさり、実母への殺意が湧き上がってきたという。
  ただ、馬楽寛夫婦が実母を虐待した形跡はみられず、怒り狂って実母を罵倒したりする怒鳴り声も近所に響いたことはなかった。たまに実母は、玄関先にぼんやりと所在なげに腰掛けていたという。
  中国では今も家計を支えるため児童が労働を強いられる場合があり(法的には違法)、実母が「働き手」となる12歳の長男を婚家に置いて(長子相続の伝統から姑や亡夫の弟が跡取りの馬楽寛は連れて行くなと命じた可能性も濃厚)再婚した事情も分からなくはない。
  ただ「母に捨てられた」馬楽寛少年の寂しさはひとしおだったようだ。 隋の初代皇帝・楊堅(文帝、在位581~604年)が定めた法律『開皇律』に中国人の道徳規範となる「十悪不赦(赦されない十の大罪)」との文言がある。すなわち、謀反(国家や君主への反逆)、謀大逆(君主や親を殺す企み)、謀叛(他国と通牒する)、悪逆(近親尊長を殺害)、不道(残虐な殺人)、大不敬(皇帝・皇族に対する不敬)、不孝(祖父母や父母を罵倒する)、不睦(家庭不和)、不義(恩人を殺害)、内乱(不倫、近親相姦)。中国メディアはこぞって、馬楽寛を十悪のうち三悪(悪逆、不道、不孝)を犯したと指摘した。
(3)
老婆の介護スタッフが「豹変」
  陝西省で老婆が生き埋めにされた同じ5月2日、江蘇省内溧陽市に住む83歳の老婆・陳某が、雇用してわずか8日目の介護スタッフに殺害される痛ましい事件が発生した
  江蘇省の日刊紙「現代快報」によると、糖尿病と運動機能障害を患っていた老婆は3月下旬から症状が重くなり、介護をしていた嫁が、家族ぐるみで旧知の女性・虞某(67)を介護スタッフとして雇い入れた。
  虞某は陳老婆と同郷で気心が知れており、かつ病院で看護の仕事をしていた経験から老人の世話について熟知していた。虞某も老婆の世話を二つ返事で快諾し、4月25日から仕事を始めた。
  虞某は献身的で、老婆の一家の信頼をすぐに勝ち得た。 老婆の息子の張阿留夫妻は、老婆の部屋に監視カメラを設置した。老婆が以前、雇った介護スタッフから「ぶたれた」と訴えて、事実無根と否定する当該スタッフと争いになったことがあり、念のための措置だった。
  虞某の勤務8日目である5月2日22時6分、老婆の息子の張阿留は虞某に夜間の世話の説明をした後に老婆の部屋を退出。すると22時11分、虞某は立ち上がってバスタオルを手に取り、ベッドに横たわる老婆の顔をいきなりバスタオルで塞ぎ、窒息させようとした。
  その1分後、虞某は部屋の出入口のドアを閉め、老婆の顔をなおもバスタオルで塞ぎ続け、さらに横たわったままの老婆の胸の上に座って呼吸困難を意図的に引き起こした。老婆は何度もうめいてもがいたが、虞某は一切を無視し続けた。虞某は手に扇子を持ってパタパタあおぎながら22時27分まで老婆の胸の上にどっかり座り続けた。
  22時30分、張阿留が老婆の部屋を覗いた時には母親の異変に気付かなかったという。 23時00分、虞某は老婆が悶死したのを確認し、張阿留に「奥様が死んでしまっているわ……すぐに来て」と電話して一家を部屋に呼んだ。落ち着き払った虞某は悲嘆に暮れる一家にテキパキ葬送の指示を出し、「地元の習俗なので、煮卵を死者の口に含ませてあげて」と依頼した。
  一家は老婆が虞某に看取られて自然死したと思い込み、虞某に礼金まで手渡した。ただ、監視カメラの映像を確認した一家の通報により、虞某は5月12日に「故意殺人罪」容疑で逮捕された。 現時点でも虞某の殺害動機ははっきりしない。
  介護スタッフは、契約期間中に被介護者が死去しても、当該月の1ヵ月分の報酬(虞某は月3000元=約4万5000円))を得ることができるという「潜規則(暗黙のルール)」があり、「現代快報」は虞某が「手っ取り早くまとまったカネを手にしたかったのではないか」と分析している。殺人の動機にしては安易すぎて“弱い”気もするのだが。
(4)
高齢者人口はすでに2億人
  国務院(内閣に相当)直属の哲学・社会科学研究の最高学術機構、中国社会科学院は、中国人の平均寿命が1949年の建国当初はわずか35歳だったのに対し、2020年は77歳になると予想している。65歳以上の高齢者人口はすでに、国・地域別世界最多の2億人だが、2052年には4億8700万人(総人口の約34%)まで増大する見通し。
   1979~2015年の人口抑制国策「計劃生育(一人っ子政策)」の弊害で少子化も急速に進むなか、中国でも日本同様「未富先老(生活が豊かになる前に老いる)」や「未備先老(老後の準備ができる前に老いる)」が社会問題となり、介護や終末医療環境を整え、高齢者を社会でいかに支えていくかが大きな課題になっている。
   儒教の影響から親の面倒は子が自宅で見るのが当然という風潮は今も根強く、介護で精神的、経済的に追い詰められる子世代、孫世代も増加している。


2020.5.13-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/200513/wor2005130025-n1.html
中国、空母建造の責任者を摘発 「重大な規律違反」

  【北京=西見由章】中国共産党中央規律検査委員会は13日までに、国有造船最大手「中国船舶重工集団」(現・中国船舶集団)の元会長、胡問鳴氏を「重大な規律違反と違法行為」の疑いで調査していると発表した。海軍艦艇を開発・建造する同社で、胡氏は昨年12月に就役した中国初の国産空母「山東」の建造に当たり総指揮を務めた。2018年以降、中船重工幹部らの摘発が相次いでおり、中国海軍の装備開発に影響が出ている可能性がある。
  同社をめぐっては中央規律検査委が18年6月、孫波元社長に対する調査を発表。孫氏は第三者に便宜を図って報酬を受け取り、「国家利益に重大な損失」をもたらしたなどとして収賄罪や職権乱用罪に問われ、19年7月に懲役12年の実刑判決を受けた。
  香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは軍関係者らの証言として、孫氏が中国初の空母「遼寧」に関する機密情報を外国の情報機関に渡した疑いで罪に問われたと報道。孫氏の公判は「国家秘密に関わる」として非公開で行われた。一方、他国に情報を漏らした場合に適用される国家安全危害罪については起訴・判決時の発表で言及されていない。認定された犯罪事実について具体的な説明はなく、真相は不明だ。
  また、孫氏の事件と今回の胡氏に対する調査に関連があるかについても現段階ではわかっていない。
  18年12月には中船重工の研究所の前所長が、規定に違反しカナダ国籍を取得したなどとして共産党籍の剥奪処分を受けている。
  中国の軍事専門家は共産党機関紙、人民日報系の環球時報(英語版)で、国産空母建造の責任者だった胡氏に対する調査が「中国の艦艇建造計画に影響を与えることはない」としつつ、一連の不祥事が「軍需産業に警鐘を鳴らしている」と危機感を示した。


2020.5.11-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://special.sankei.com/a/international/article/20200511/0001.html
コロナの“教訓”生きぬ中国 児童生き埋めの悲劇でも隠蔽体質

  中国河南省原陽県の住宅地建設予定地で4月中旬、遊んでいた男児4人がダンプカーの降ろした土砂に巻き込まれ、生き埋めになって死亡する痛ましい事故が起きた。この悲劇は中国全土の注目を集めたが、地元当局者は中国メディアの記者を「暴行」して取材を妨害その携帯電話のデータを消去するなど情報隠蔽に走った。新型コロナウイルスの震源地となった中国の当局は、その隠蔽体質が感染爆発を招いたと国内外から指摘されているが、教訓は生かされていないようだ。(北京 西見由章)

   地元当局の発表や中国メディアによると、原陽県の住宅地基礎工事現場で4月18日午後、5~11歳の男児4人が、土砂をいったん運び込むために掘られたくぼみの中で遊んでいたところ、児童らに気づかないまま複数のダンプカーが大量の土砂を降ろし、生き埋めになった
   まもなくパワーショベルがくぼみの中の土砂を付近に積み上げる作業を始めた際、「人形のような黄色い物体」を発見。近くで確認すると、男児の遺体であることがわかった。現場では夜までに他の3人の遺体が見つかった。


2019.7.12-産経 WEST-https://www.sankei.com/west/news/150402/wst1504020002-n1.html
拷問道具の輸出大国・中国の実態…チベット人を宙づりでサンドバッグ、鉄の椅子「虎の腰掛け」で電気ショック

中国の治安当局によるチベット人への恣意(しい)的な逮捕や拷問を告発する報告書が2月に発表された。一方で、人権団体は、中国が拷問道具の輸出大国になっていると指摘。報告書は「チベットでの拷問、虐待の実態」とし、英ロンドンを拠点とする非営利組織(NPO)「チベットウオッチ」などが、国連拷問禁止委員会で中国の人権状況が審議されるのにあわせて発表した。2008年北京五輪前にチベット自治区のラサを中心に起きたチベット騒乱後、押さえ込みにかかる当局によるチベット人への非道が暴かれている。

ストーブの煙突抱き、サンドバッグ…顔はやけど
 中国の治安当局によるチベット人への恣意(しい)的な逮捕や拷問を告発する報告書が2月に発表された。一方で、人権団体は、中国が拷問道具の輸出大国になっていると指摘。報告書は「チベットでの拷問、虐待の実態」とし、英ロンドンを拠点とする非営利組織(NPO)「チベットウオッチ」などが、国連拷問禁止委員会で中国の人権状況が審議されるのにあわせて発表した。2008年北京五輪前にチベット自治区のラサを中心に起きたチベット騒乱後、押さえ込みにかかる当局によるチベット人への非道が暴かれている。

 「やつらはチベット人を動物以下と見なしている。人間とは見ていない。(私は生き延びたが)一度、拷問所に連れて行かれたら終わり。死が待っている…」 ある男性僧侶(43)は08年3月23日、知人宅にいたところ、突然踏み込んできた警官隊に連行され、警察署で寝ずの尋問と暴行を受けた揚げ句、裁判もなしに刑務所に送られた。待ち向けていたのがさらなる拷問だ。
 1日中、宙づりにされ、尋問者からサンドバッグのように殴る蹴るの暴行を受けた後、ストーブの煙突を抱かされる格好で手枷をはめられ、顔面などはやけどと水ぶくれの状態に。夜間は窓が開けっ放しの極寒部屋にほうり込まれた。翌日からは再び拷問の日々だ。
 さらに黒頭巾を被(かぶ)せられて行った場所には「鉄の椅子(虎の腰掛け)」と呼ばれる拷問道具があった。縛り付けられ、警官から「分裂主義者め」とののしられながら、電気ショックも含めた暴行が何度も繰り返されたという。「意識は朦朧(もうろう)とし、痛みも感じなくなった。自分の肉が焼け焦げる臭いだけ覚えている」
 「やつらはチベット人を動物以下と見なしている。人間とは見ていない。(私は生き延びたが)一度、拷問所に連れて行かれたら終わり。死が待っている…」 ある男性僧侶(43)は08年3月23日、知人宅にいたところ、突然踏み込んできた警官隊に連行され、警察署で寝ずの尋問と暴行を受けた揚げ句、裁判もなしに刑務所に送られた。待ち向けていたのがさらなる拷問だ。
 1日中、宙づりにされ、尋問者からサンドバッグのように殴る蹴るの暴行を受けた後、ストーブの煙突を抱かされる格好で手枷をはめられ、顔面などはやけどと水ぶくれの状態に。夜間は窓が開けっ放しの極寒部屋にほうり込まれた。翌日からは再び拷問の日々だ。 さらに黒頭巾を被(かぶ)せられて行った場所には「鉄の椅子(虎の腰掛け)」と呼ばれる拷問道具があった。縛り付けられ、警官から「分裂主義者め」とののしられながら、電気ショックも含めた暴行が何度も繰り返されたという。「意識は朦朧(もうろう)とし、痛みも感じなくなった。自分の肉が焼け焦げる臭いだけ覚えている」

僧侶は5月半ばまで拘留された。その後も2度逮捕され、当局に葬り去られる危険を察知、マージャンに興じる看守らの隙をついて脱出。20万元(約390万円)の懸賞金付き脱獄殺人犯の汚名を着せられる中、1年8カ月かけてヒマラヤを越え、チベット亡命政府があるインド・ダラムサラにたどり着いたという。

釈放理由は、施設で死なれたら面倒だから
 報告書には、こうした事例が多数掲載され、命を落としたり、拷問で命の危険にさらされたりしているチベット人の名前が何人も記載されている。
 逮捕状もなしに連行され、罪状は後回し。拷問で無理やり強いられた証言をもとに裁判で刑を言い渡されるのが大抵で、弁護士も形式だけだ。裁判もあれば良い方で、当局による恣意的な長期拘束が日常茶飯事なことが読み取れる。
 こんな指摘もある
 釈放当日、大勢の親類縁者、友人らが拘置所、刑務所の門前で出迎え、騒ぐのを嫌い、今は全く知らせず、こっそり自宅まで連れて行くようにしている。また、拷問で衰弱しきった状態に陥った場合、家族のもとに帰すという。慈悲ではなく、当局の施設で死なれたら面倒だからだ。

「共産党なくして新中国はないなど、共産党をたたえる歌を覚えられなかったりしたら、とても立てないほど極小の独房に罰として入れられる。そう絶えず脅された」(40歳男性)
 「刑務所の労役で、まじめに働く者には刑期が短くなる恩典があったが、漢族だけの話。チベット人は除外されていた。差別的扱いだった」(29歳男性)
 再教育キャンプ、労働改造所など、共産主義国家にはかかせない人格破壊施設への言及もある。

拷問器具会社が10年で4・6倍に増加
 もちろん、中国政府は「中国は法治国家である」と主張、チベットやウイグル問題は「内政干渉だ」と突っぱねている。 だが、報告書からは、中国5千年の歴史の中で積み重ねてきた拷問嗜好(しこう)が“支配民族”の漢族のDNAにしっかり刻み込まれているのがわかる。そしてそれは、経済発展にともなって中国特産拷問道具の輸出にもつながっている。
 国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルが昨年9月公表した「中国における拷問器具取引と弾圧」によると、2003年に28社しかなかった製造業者は10年間で約130社に増加。電気ショック棒や突起棒、拘束具、重し付き足枷などの「憂慮すべき」拷問道具を含め、「世界の法執行器具の分野で供給国としての地位を大きく伸ばした」と指摘、世界市場でシェアを拡大しつつある成長産業になっているのだ。

チベットウオッチなどの報告書ではまた、密告制度の奨励にも触れている。500~5万元の報酬が当局から渡され、有力な情報にはさらに上乗せもされる。だが、それは裏を返せば、チベット人の反抗を警戒している証だろう。
 自由アジア放送などによると、2月の旧正月、チベット自治区や周辺の各地で、今年80歳を迎えるダライラマ14世の長命を祝う行事が密(ひそ)かに行われた。14世を「分裂主義者」と批判し、傀儡(かいらい)にできる15世擁立に血眼の中国当局だが、チベットの人々の14世への厚い信心は変わらない。
 「チベットは新中国のもと、豊かになった」。習政権が強調するそんな主張がいかに空虚なプロパガンダかがわかる。拷問がまかり通る人権無視の強権支配。“赤い帝国”の「舌先」に騙(だま)されてはいけない。







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