中国の犯罪-1
2024.11.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241119-YXC5KIFYFVLANM5MDYSDARWKQA/
中国湖南省の暴走事件で地元警察が39歳男拘束 負傷者数明らかにせず 日本人被害者なし
【北京=三塚聖平】中国内陸部の湖南省常徳市の小学校前で
19日朝、
多数の児童らが車にはねられて負傷した事件で、地元警察は同日、
容疑者の男(39)を拘束したと発表した。
中国では公共の場で無差別に子供らを襲う事件が各地で頻発している。
警察発表によると、負傷者は病院に運ばれて治療を受けており、現時点で命の危険がある人はいないという。具体的な負傷者数については明らかにしていない。事件については「調査、処理中」だとして動機についても触れていない。
在中国日本大使館によると、被害者に日本人はいない。日本大使館は在留邦人に対し、外出の際は「周囲の状況に注意を払い、広場など大勢の人が集まるような場所では特に注意」するように注意喚起した。
中国メディアによると、男が運転する車が登校時間帯に学校敷地内へ侵入を試み、その際に児童や保護者らをはねた。
中国各地では無差別な襲撃事件が多発している。今月16日には江蘇省無錫市の職業教育を行う学校で男が刃物で無差別に切り付けて8人が死亡したほか、11日には広東省珠海市で乗用車が暴走して多数の人をはねて35人が死亡した。9月には広東省深圳(しんせん)市で日本人学校に通う邦人男子児童が刺殺される事件も起きている。
不動産不況に端を発する景気低迷により、国民の間で不満が高まっていることが背景にあるとも指摘されている。
2024.11.17-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20241117-B6MBB47PD5P67KQKGVSNVR7IPI/
中国で21歳の男が切り付け 8人死亡、17人負傷 江蘇の学校、試験に失敗
中国江蘇省無錫市の職業教育を行う学校で16日午後、男(21)に刃物で切り付けられ、8人が死亡、17人が負傷した。
男は現場で拘束された。地元警察によると、男は同校に通っていたが試験に失敗し、卒業証書を受け取れなかったことなどを恨み犯行に及んだという。
地元警察によると、男は容疑を認めている。
(共同)
2024.11.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241113-C3TJQYQTJFETBG2DXZDBREMACM/
TBS記者、中国で取材中「警察呼ばれ、全て素材削除させられた」 広東の車暴走死傷で
中国広東省珠海市で11日、
車が暴走し多数の人が死傷した事件について、
現地で取材しているTBSテレビの記者が12日、X(旧ツイッター)で「撮影していたら近所の住民を名乗る人に取り囲まれた上、警察を呼ばれ、派出所に連れて行かれて、全ての素材を削除させられました」と書き込んだ。
報道によって社会不安が増すことを中国当局が警戒したとみられる。
記者は別の投稿で、
「不自然に私服の市民が現場近くでたむろしていて、外国人記者を見つけると、すかさず通報」と書き込んだ。
英BBC記者がスタジアム前でレポート中に中国市民を名乗る男から撮影を妨害されているニュース動画も投稿した。TBSは13日、産経新聞の取材に対し、記者がXに一連の投稿をしたことを事実上認めた。
地元警察は12日、35人が死亡し、43人が負傷したと発表した。
車を運転した62歳の男を拘束した。一方、中国のSNSで事件に関するハッシュタグが検索できないなど投稿が一部制限されたり、NHK海外放送のニュース番組が12日に同事件を伝えた際に放送の一部が遮断されたりする場面があった。
記者は13日の投稿では
「現場には献花に訪れる人、涙ぐむ市民もいました。現場取材の妨害もありませんでした」と書き込んだ。
2024.11.12-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241112-UBJ2PZ3XFBL6LDRCV2STCBGC6I/
中国・珠海の車暴走で10人以上死亡、100人近くけがか 中国SNSは投稿制限
【北京=三塚聖平】中国南部、広東省珠海市のスポーツ施設の敷地内で
11日夜、乗用車が暴走して多数の人をはねて逃走した。
香港紙の明報(電子版)は12日、10人以上が死亡し、100人近くが負傷したと伝えた。警察は車を運転していた62歳の男を拘束した。動機などは明らかになっていない。
事件は11日午後7時50分(日本時間同8時50分)ごろ発生。車は人をはねた後に逃走したが、警察車両に止められた。男が刃物で警察に抵抗していたという情報もある。
警察発表は、負傷者の人数やけがの程度などには触れておらず、動機などの詳細も明らかにしていない。同省広州市の日本総領事館が確認したところ、被害者に日本人が含まれているという情報はない。
現場は、ランニングなどのため多くの人が集まる場所で、車の出入りは制限されていた。珠海では12日から中国最大の航空ショー「中国国際航空宇宙博覧会」が開催されるため、国内外の注目を集めるために事件を起こした可能性もある。
中国の交流サイト(SNS)では事件に関する投稿が制限されている。事件が広く知られて社会不安が増すことを中国当局が警戒しているとみられる。
中国では、公共の場での無差別な襲撃事件が各地で起きている。9月末には上海市のスーパーマーケットで男が来店客らを切りつけ、3人が死亡し、15人が負傷した。不動産不況に端を発する景気低迷により、国民の間で社会への不満が高まっていることが背景にあるとも指摘されている。
在中国日本大使館は12日、中国各地の人が集まる場所で刺傷事件などが発生しているとし、「外出する際には周囲の状況に注意を」と注意喚起した。
2024.10.01-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20241001-JKCNV3TEYJK3ZAPL6XFL72SDJY/
上海で切り付け、3人死亡、10人超負傷 スーパーで中国人男
中国上海市の警察は1日、同市郊外にあるスーパーマーケットで
9月30日夜、男(37)が刃物で切り付け、3人が死亡したと発表した。
けが人も10人以上いる。
警察が男の身柄を拘束した。
警察によると、男は経済的なトラブルを抱えており、上海に来て事件を起こし恨みを晴らそうとしたという。
中国では最近、無差別に相手を狙った殺傷事件が各地で相次いでいる。
専門家は景気低迷の影響で行き場をなくした人が犯罪に追い込まれることも多いと指摘している。
(共同)
2024.09.26-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240926-Z5CMF3YNN5N2DNEWG6VIYGEZSA/
社説<主張>日本人児童刺殺 中国政府の態度は誤りだ
中国広東省深圳(しんせん)市で日本人学校に通う10歳の男子児童が中国人に刺殺された事件から1週間がたった。
23日には米ニューヨークで日中外相会談が開かれた。そこでの
王毅中国共産党政治局員兼外相の発言には本当に驚いた。
突然の凶行に未来を奪われた男児と遺族へのこまやかなお悔やみの言葉もないまま、「冷静に事件を扱い、政治化を避けるべきだ」と日本側に注文を付けたからだ。
王氏は刺殺事件を「個別の事案」として調査、処理するとし
、犯行動機について説明しなかった。
日本国民の不安と憤りを理解せず、日本に説教するような態度は傲慢で容認できるものではない。上川陽子外相が犯行動機を含む早期の事実解明と中国在留日本人の安全確保対策を要求したのは当然だ。
上川氏は根拠のない悪質で反日的な中国のSNS投稿の取り締まりも求めたが、王氏は約束しなかった。
中国外務省報道官はSNS上の投稿と刺殺事件を結びつけることに反対している。
反日教育が事件の背景にあるとの見方には、「中国に『仇日(日本を恨む)教育』はない」と主張し、中国の安全リスクが日本で騒ぎ立てられていると反発した。
中国の治安に責任を有する同国政府が、日本人児童刺殺事件を偶発的事件としか位置づけないことを強く懸念する。事件への深刻な反省なしに十分な安全対策が生まれるとは考えられない。中国から日本人が帰国する動きがあるのは当たり前だ。
なぜ中国は犯行の動機を情報公開しないのか。日本人が標的になった点を隠蔽(いんぺい)していると疑われても仕方あるまい。中国共産党政権は統治の正当性を宣伝するため、愛国教育の名の下に反日教育を続けてきた。犯行動機を公表すれば、中国政府の責任が明らかになることを恐れているのではないか。
東京にある中国大使館は日本在留の自国民と日本を旅行する自国民に対し「情勢を鑑みて警戒意識を高め安全を確保」するようホームページで注意を促した。一方、日本の外務省は刺殺事件後、中国滞在者や渡航者に注意喚起をしたが、渡航警戒レベルは「レベルゼロ」に据え置いている。これでは中国政府へ日本の怒りは伝わらない。日本国民のために働くべきだ。
2024.09.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240925-GX2OXD2FRNNJ7OYRGXH3QEFQOU/
政府に中国への厳しい対応求める声 佐藤正久氏「危険情報引き上げ妥当」 深圳事件1週間
中国広東省深圳(しんせん)で日本人学校に通う日本人男子児童(10)が刺殺された事件から
25日で1週間。
日本政府は、中国政府に事実に関する明確な説明や反日的なSNS投稿の取り締まり徹底を求めてきたが、
日本側が納得できる説明はないままだ。
与野党議員からは25日も、日本政府に中国への厳しい対応を求める声が上がった。
事件を巡っては、上川陽子外相が米ニューヨークで23日(現地時間)、中国の王毅共産党政治局員兼外相と会談し、
動機を含む事実解明や犯人の厳正な処罰と再発防止、在留邦人の安全確保のための具体的な措置を要請。
同時に中国のSNSでの根拠のない悪質で反日的な投稿の早急な取り締まりを求めた。
ただ、
王氏は事件について「偶発的な個別事案」と説明し、
事件を矮小(わいしょう)化。逆に
「日本は冷静かつ理性的に対応し、政治化や拡大化を回避すべきだ」と要求した。
林芳正官房長官は25日の記者会見で、王氏から
「それ以上の説明はなかった」と明らかにした。
事件後、現在はレベルゼロとなっている中国の危険情報の引き上げを外務省に求める意見が出ている。25日には外務副大臣経験がある自民党の佐藤正久参院議員がX(旧ツイッター)に
「この感度の悪さが、各種問題が矮小化される原因の一つ。日本人の拘束や殺害、知財の没収等を見ても(レベル)0はない」と投稿、引き上げが妥当との考えを示した。
ただ、危険情報のレベルは
「政情などを踏まえ、総合的に判断している」(外務省幹部)ため、
外務省は直ちに引き上げることには否定的だ。しかし、
8月26日には中国軍機が初めて日本の領空を侵犯するなど、「日本はなめられている」(高市早苗経済安全保障担当相)との意見がある中、
深圳の事件で妥協的な態度をとれば、国内の批判の矛先は日本政府に向かう可能性もある。
松原仁元拉致問題担当相(無所属)は25日、対中政策を問い直すため、衆院外務委員会の閉会中審査を求めていることをXで明らかにした。
202.09.23-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240923-XMPTDJUAC5OEBILIZETXB6QRDM/
中国の地方幹部が日本人に対するヘイト発言「われわれの紀律」 深圳の男児刺殺巡り
中国広東省深圳で邦人男子児童(10)が刺殺された事件を巡り、香港フェニックステレビ傘下のニュースサイトは23日、
四川省内の地方政府幹部が通信アプリ微信(ウィーチャット)のグループチャットで
「日本人を殺すのはわれわれの紀律だ」と
日本人に対するヘイト発言をしていたと伝えた。
問題発言をしたのは
同省カンゼ・チベット族自治州新竜県の副県長。取材に対し、同省の当局者は問題の処理に当たっていると回答したという。
副県長はグループチャットで「子どもを殺したからといって大したことではない。米国は毎日何百人も殺している」「罪のない人を殺したわけではない。殺されたのは日本人だ」と発言した。
(共同)
2024.09.23-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240923-PT52ZZDRBBN63PJQEKNGLPEW6U/
中国外務省、「反日」投稿取り締まり求める日本側に反発「中国に仇日教育はない」
【北京=三塚聖平】中国外務省の林剣(りん・けん)報道官は23日の記者会見で、
広東省深圳(しんせん)で日本人男子児童が刺殺された事件を巡り、中国の交流サイト(SNS)での
「反日的な投稿」の取り締まりを日本側が求めていることについて、
「中国にいわゆる『仇日(日本を恨む)教育』はない」と主張して
反発した。
林氏は「われわれは歴史を鑑(かがみ)とすることを主張している」と発言したうえで
「恨み続けるためでなく、戦争の悲劇を再演しないためだ」と述べた。
柘植芳文外務副大臣は23日、
中国の孫衛東(そん・えいとう)外務次官と北京で会談し、深圳の事件に関して中国のSNSでの「日本人学校関連のものを含む根拠のない悪質で反日的な投稿」に関する取り締まりの徹底を求めた。
林氏は、会談については
「意思疎通を保ち、偶発的な事件が両国関係に影響することを避けることで合意した」と表明した。
柘植氏は会談後、記者団の取材に対し、
中国側から動機や背景について明確な回答はなかったと明らかにした。柘植氏は「再発防止のためにも特に犯行の動機解明は極めて重要であり、これが解決されない限りは前に進めない」と強調した。
2024.09.21-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240921-AEEQ2XZYNZFLDGPALUIUBPBF7U/
深圳の日本人男児殺害で「中国の危険情報引き上げを」 松原仁氏、反日教育のリスク指摘
中国・広東省深圳の日本人学校に通う男子児童(10)が刺殺された事件を受け、松原仁元拉致問題担当相(無所属)は21日、産経新聞の取材に、
政府は中国の渡航・滞在の「危険情報」を、現状のレベルゼロから引き上げるべきとの考えを示した。
「中国で暮らす日本人は反日教育のリスクを抱えている。主体的にわが国が対抗できる措置にもなる」と語った。松原氏はかねて中国への渡航危険情報の引き上げを主張していた。
中国では
6月にも江蘇省蘇州市でスクールバスを待つ日本人母子が刃物で切りつけられる事件が発生。
日本国内でも靖国神社(東京都千代田区)への相次ぐ落書き事件、NHKラジオ国際放送で
中国籍の男性スタッフが尖閣諸島(沖縄県石垣市)を「中国の領土」と主張する問題などが続いている。
松原氏は一連の事件について
「中国の教育現場で行われている『反日教育』に起因しているだろう。
中国メディアも男児殺傷事件をほとんど報じない。『愛国無罪』といわんばかりだ」と指摘。こうした事情を、日本が渡航危険情報を引き上げる理由に挙げることで、習近平体制に対応の改善を促すべきとの考えも示した。
男児が犠牲になったことについては、
「10歳の幼さで命を失ったことは無念だ。反日教育による国家テロの悲惨な犠牲者といえる」と述べ、
「最低限でも渡航レベルを引き上げないと、国家としての姿勢を見失っているといわざるを得ない」と強調した。
松原氏は昨年5月、衆院外務委員会で林芳正外相(当時)に対し、
中国で反スパイ法違反容疑などで拘束される邦人が相次いでいることを受け、
「中国全域は少なくとも渡航危険リスクをレベル1にすべき」と主張したが、
結果的に対応が見送られていた。
外務省によると、
危険情報は渡航・滞在に当たり特に注意が必要な国・地域について発表する情報で、
レベル1「十分注意」からレベル2「不要不急の渡航自粛」、レベル3「渡航中止勧告」、レベル4「退避勧告」まで計4段階ある。
中国の危険度は、新疆ウイグル、チベット両自治区を除き「レベルゼロ」で、外務省は「現段階で見直しの検討はしていない」という。
インド全土はレベル1以上、ロシアはレベル2となっている。
2024.09.20-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240920-3TGIO6X24VL4JKCKQLC3DNSQBU/
中国の危険情報「レベル0」維持 外務省「見直しは検討していない」子供連れには注意喚起
中国・広東省深圳市の日本人学校に通う男子児童(10)が刺殺された事件を受け、
外務省が出す渡航・滞在の「危険情報」が注目されている。
中国の危険度は、新疆ウイグル、チベット両自治区を除き「レベルゼロ」。インドは全土がレベル1以上、ロシアはレベル2だ。外務省は「現段階では見直しの検討はしていないが、中長期的な観点から総合的に判断する」としている。
中国では6月にも江蘇省蘇州市でスクールバスを待っていた日本人母子が刃物で切りつけられる事件が発生。
日本国内でも靖国神社での落書き事件など
「反日」が理由とみられる事件が続いており、
日本政府が具体的な行動を取らないかぎり邦人の安全は守れないとの指摘も出ている。
一方で、
外務省は男児が死亡した19日、日本人の安全に関わる重要な事件が発生した際に速報する「スポット情報」で「凶悪犯罪に対する注意喚起」を出し、「特にお子さん連れの方は、十分注意して行動してください」などと呼びかけた。
外務省によると、危険情報は渡航・滞在に当たり特に注意が必要な国・地域について発表する情報で、
レベル1「十分注意」からレベル2「不要不急の渡航自粛」、レベル3「渡航中止勧告」、レベル4「退避勧告」まで計4段階ある。
強制力はないものの、日本企業の海外進出や海外事業のリスクをカバーする貿易保険などにも影響を及ぼす。
外務省海外邦人安全課は「レベル1~4でないからといって、リスクがゼロというわけではない」とした上で「もちろん今回の事件も検討材料から排除されていない。今回の事件にかぎらず、事案の概要や犯罪統計などを勘案しつつ、外務省としてしかるべき判断をしている」と説明している。
中国への渡航危険情報をめぐっては、
台湾が6月、4段階ある危険レベルを3番目から2番目に引き上げた。
中国が「台湾独立派」を対象にした処罰指針を定めたことなどを受け、
台湾人の「人身の安全」に対するリスクを考慮したという。中国は反発している。
2024.09.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240919-6GFZDQ3YHNP3JNWKIZGCVAANS4/
パナソニック、中国駐在員の一時帰国支援 日本人男児死亡事件受け 希望者は会社負担
【北京=三塚聖平】パナソニックホールディングス(HD)は19日、中国広東省深圳(しんせん)で日本人学校へ登校中に男に刺された小学生の日本人男児が死亡した事件を受け、
家族帯同で中国に駐在している従業員の一時帰国を支援する方針を明らかにした。
希望者には会社負担で一時帰国を認める。
子供連れで中国に駐在している日系企業社員の間では深圳に限らず動揺と不安が広がっている。日系企業も駐在員とその家族に対する支援に動いている。
北京の在中国日本大使館で19日開かれた緊急会合で、中国に進出した日系企業でつくる中国日本商会の本間哲朗会長(パナソニックHD副社長)は「在中日本企業にとって従業員と家族の安心と安全の確保は、中国で事業活動を継続するための基本中の基本だ」と述べ、
中国政府に在留邦人の安全確保などを求めた。
2024.09.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240919-3IUCKVOUJJNCNG2MFSMBQYRVKQ/
中国外務次官、深圳の男児殺害は「前科者による個別事案」 駐中国日本大使と電話会談
【北京=三塚聖平】中国広東省深圳(しんせん)で日本人学校へ登校中に刃物で刺された小学生の日本人男児が死亡した事件を受け、現場となった深圳で対応にあたっている金杉憲治・駐中国日本大使は19日、中国の孫衛東(そん・えいとう)外務次官と電話会談し、事件について申し入れを行った。北京の在中国日本大使館によると、孫氏からは事件について
「前科のある者による個別の事案」との説明があったという。
金杉氏は電話会談で「日本政府として尊い人命が奪われる事態となったことを極めて深刻に受け止めている」と述べ、遺憾の意を表明した。中国側に再発防止策を講じることや事件の背景を含めた詳細情報の迅速な共有、邦人の安全確保と日本人学校の警備強化を強く求めた。
大使館によると、孫氏は「極めて遺憾であり、痛惜の念を禁じ得ない」と述べ、中国政府として日本人を含む外国人の安全を守るため「最大限の努力をしたい」と表明したという。
北京の在中国日本大使館では19日、中国に進出する日系企業の団体「中国日本商会」や日本人学校の関係者を集めた緊急会合を開いた。商会の本間哲朗会長(パナソニックホールディングス副社長)は冒頭、事件について「極めて深刻に受け止めている」と表明。中国側に対し「在中日本企業にとって従業員と家族の安心と安全の確保は、中国で事業活動を継続するための基本中の基本だ」と述べ、在留邦人の安全確保や、事件の背景を含めた詳細な情報の速やかな提供を求めた。
本間氏によると、会員企業の間では一時帰国やカウンセリングといった従業員らに対する支援が始まっているという。
2024.09.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240919-QLPAN2R5PJLE7BFA7YWD6CQO4I/
中国・深圳の男児殺害 日本政府、安全確保策検討急ぐ 自民総裁選候補者からは批判や注文
政府は19日、中国深圳(しんせん)市で日本人学校に通う小学生の男児が中国人の男に刺され死亡したことを受け、
再発防止策の検討を含め、中国に在留する邦人の安全確保に全力を挙げる方針を示した。
中国側から事件を巡る事実関係の詳細な説明が同日午後までになく、自民党総裁選の候補者からは、中国政府への批判や日本政府にさらなる対応を求める声が相次いだ。
「幼い子供を襲う卑劣な行為が行われたことは誠に遺憾だ」。
林芳正官房長官は19日の記者会見で、死亡した男児にこう弔意を示した。その上で
通学時の安全確保策について「外務省、文科省などが中心となって可及的速やかに検討していきたい」と語った。
外務省の統計によると中国の在留邦人は10万1786人で、そのうち未成年は約1万5000人(令和5年10月現在)。北京や深圳など9都市にある11の日本人学校には、計3300人超の児童や生徒が通学している。
江蘇省蘇州では6月、スクールバスで日本人学校に通う母子が襲われる事件が発生。
外務省は令和7年度予算案の概算要求で、初めて中国国内の日本人学校でのスクールバスの警備費として、約3億5000万円を計上し、安全強化を図ろうとしていた。
事件には林氏以外の自民党総裁選の候補者も言及した。高市早苗経済安全保障担当相は
「中国当局がいまだに原因、動機、何も明らかにしていない。これも本当に悔しいし、残念だ」と述べた。
石破茂元幹事長は蘇州の事件や中国で米国人が襲撃された事件を挙げ、
「偶発的な事件ではないという見方もある」と指摘。
「中国がどういう対応をとってきたのか、これから取ろうとしているのか、日本政府として、きちんとした対応を求めるのは当然」と語った。
2024.09.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240919-E6B6VWL6MVJKLJ3UXZDN7EIGJY/
中国外務省が深圳の日本人男児死亡に「遺憾」表明 「どの国でも起こり得る」とも主張
【北京=三塚聖平】中国外務省の林剣(りん・けん)報道官は
19日の記者会見で、広東省深圳(しんせん)の日本人学校への登校中に小学生の日本人男児(10)が男に刺され死亡したことについて、
「不幸な事件」だとして「遺憾」の意を表明した。
男児に対して哀悼の意も示した。
林氏は「類似の事件はいかなる国でも起きる可能性がある」と主張して
「個別の事件が中日両国の往来や協力に影響しないと信じている」との認識を示した。
「中国側は一貫して有効な措置を取り続けており、中国にいる全ての外国人の安全を保障している」とも強調した。
動機など詳細については「現在、調査中であり、中国側の関係部門が法に照らして処理する」と述べるにとどめた。
2024.09.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240919-SBD24I2OZNNVPDRA37EJ5AHNXE/
日本人男児刺殺された深圳は「中国のシリコンバレー」 トヨタや富士通など日系企業も進出
日本人学校に通う男児(10)の刺殺事件が発生した中国の広東省深圳は、「中国のシリコンバレー」と呼ばれ、
世界有数のスタートアップ(新興企業)の拠点として知られる。1980年に経済特区に指定され、外国企業の投資を積極的に受け入れ急成長し、日系企業もトヨタや富士通などが進出している。
深圳は中国南部に位置する港湾都市で、香港の対岸に位置する。かつては小さな漁村だったが、故鄧小平氏が主導した改革・開放路線で、国際都市へと発展。中国では北京、上海に次ぐ第3の都市として知られる。
中国を代表する世界企業、通信機器メーカー
「ファーウェイ(華為技術)」や、大手テクノロジー企業
「テンセント(騰訊)」の本社も深圳にあり、中国経済を牽引するビジネス都市だ。
日系企業も電子部品産業を中心に進出している。富士通は2009年、
「富士通信息系統(深圳)有限公司」を設立したほか、トヨタ自動車も2020年、中国の自動車メーカー「BYD(比亜迪)」との合弁会社を深圳に置いた。また空調機メーカーのダイキン工業は、中国4主要工場の一つが深圳にあり、2019年には研究拠点
「ダイキンオープンイノベーションラボ深圳」を設置した。
深圳の在留邦人は、2023年10月時点で、約3600人と中国本土では5番目に多い。深圳日本商工会によると、会員数は
2024年9月現在、372社の1156人にのぼる。
2024.09.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240919-Z52XZSPCJNJGTCT2HSEEEZ75YA/
岸田首相、中国・深圳で男児殺害に「極めて卑劣な犯行で重大かつ深刻」「説明強く求める」
岸田文雄首相は
19日、中国広東省深圳にある日本人学校に通う男子児童(10)が刺殺された事件について
「極めて卑劣な犯行であり、重大かつ深刻な事案だ」と非難した。
「中国側に事実関係の説明を強く求めていく。犯行からすでに1日以上たっている。一刻も早く説明を強く求めるよう指示した」と語った。視察先の石川県内灘町で語った。
首相は
「このような事案を二度と繰り返してはならない。日本人の安全確保と再発防止を中国側に強く求めていくと同時に、日本政府としても、できることを全て行っていく」と強調。
「ご家族のご心痛、察して余りあるものがある。全力でご家族の支援にあたっていきたい」と語った。
2024.09.19-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240919-T46FIP3YE5MXXCBUHRGYD72HQM/
中国・深圳で男に襲われた日本人の10歳男児が死亡 腹部を刺される
中国広東省深圳にある日本人学校近くで同校に通う男児(10)が18日に男に刺された事件で、
中国広東省広州市にある日本総領事館の貴島善子総領事は19日、男児が同日未明に亡くなったと発表した。
腹部を刺されたことも明らかにした。
容疑者の男は、同校の近くで警備に当たっていた警察関係者が取り押さえた。
日本人を狙った犯行だったかどうかについては「分析するには情報がまだ少ない」としている。
江蘇省蘇州で日本人学校のスクールバスを待っていた母子が切り付けられた事件が6月に起きたことを受け、
総領事館は職員を日本人学校に派遣し、スクールバスのルートや日本人学校周辺を調べて安全の向上に取り組んでいたという。
(共同)
2024.09.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240918-SAMWB2FTFFOJ5FYSXRGJZGHW3I/
中国・深圳で日本人学校に登校中の小学児童が襲われて負傷 容疑者は当局が確保
【北京=三塚聖平】日本政府関係者や現地関係者によると、
中国南部の広東省深圳(しんせん)市で18日午前、日本人学校に登校中だった小学生の男子児童が男に襲われて負傷した。
児童は病院に搬送されて治療を受けている。けがの程度などは明らかになっていない。
中国では6月にも、東部の江蘇省蘇州市で日本人学校のスクールバスを待っていた日本人の母子が刃物で切り付けられて負傷する事件が起きている。
容疑者の男は当局が身柄を確保して取り調べを行っているという。在広州日本総領事館が現地に担当者を送って、被害者の支援や情報収集などにあたっている。
深圳は中国南部の経済都市で、IT産業などの集積地として知られる。
2024.07.13-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240713-UQ3DGZZ3QZIVPH3ENHL35J4G34/
中国、燃料輸送車のタンク洗浄せず食用油運ぶ 不正行為が常態化、市場流通の恐れ
中国で燃料を輸送したタンクローリーが、タンク内部を洗浄しないまま食用油を輸送する不正行為が常態化していることが中国メディアの調査報道で発覚した。
汚染された食用油が市場に出回っていた恐れがあり、食の安全への懸念が高まっている。
2008年に有害物質メラミンに汚染された粉ミルクが流通した事件以来の食の安全を巡る注目事案との指摘もあり、国務院(政府)が本格調査に乗り出した。
調査報道を行ったのは中国紙、新京報。同紙は今月2日、
石炭を原料に生産された液体燃料を輸送したタンクローリーが、河北省と天津市でタンクが未洗浄のまま食用油を積載していた実態を報じた。
運転手は洗浄をしないことは業界内の「公然の秘密」だと証言。運転手らによると、
液体甘味料など別の食用品も未洗浄のタンクローリーで運ばれていた。
交流サイト(SNS)には
「食品安全でこれほど衝撃的なニュースは久しぶりだ」などの声であふれた。
(共同)
2024.02.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240222-MBQRWXGDERK4VIQBEE6VPVLDTI/
中国の元人権派弁護士、日本で死去した長女との面会かなわず 当局が出国を拒み続け
(桑村朋)
中国で軟禁状態にある元人権派弁護士、A氏(55)の長女、正琪(せいき)さん(27)が20日夕、肺炎のため留学先の日本で死去した。支援者が明かした。2021年に結核を患い、意識不明の重体となっていた。
A氏は来日を望んできたが、中国当局は「国家安全」を理由に出国を拒み続け、最終的に面会はかなわなかった。
支援を続けてきた東大大学院の阿古智子教授らによると、
正琪さんは2019年から東京に語学留学していたが、進学準備をしていた21年4月、結核性の髄膜炎と診断され、意識不明に陥った。ここ1年ほどは母親に看病されながら都内の自宅で療養していたが、亡くなる数日前から体調が悪化していたという。
A氏は正琪さんが倒れて以降、何度も出国を試みたが、中国当局は「国家の安全に危害を及ぼす恐れがある」と拒否。21年12月には北京市内で拘束され、23年1月の解放後に吉林省の実家に戻った今も当局の軟禁下に置かれている。
正琪さんは弱い立場の人を救う夢を持っていた。阿古教授は「子供を見舞うために来日したいというA氏の純粋な思いになぜ国家安全が関係するのか。深刻な人権侵害だ」と中国当局の対応を批判。今後は日本で葬儀を行う予定だが、A氏の来日は依然として厳しい状況という。
(桑村朋)
2024.02.05-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240205-ERKRRNW3OFOYJCUTAC5YQ77XMU/
中国大手銀行前頭取に死刑 収賄など百億円、猶予付き
中国湖南省常徳市の中級人民法院(地裁)は5日、
違法に計5億元(約103億円)超を得ていたとして、収賄などの罪で銀行大手、招商銀行のA前頭取に執行猶予2年の付いた死刑判決を言い渡した。国営通信新華社が報じた。
判決によると、A頭取は招商銀行の頭取などを歴任していた期間に、規定に違反して職権を乱用し、インサイダー取引などを行い計2億9千万元余りの利益を得ていたほか、2億1千万元超相当の財物も受け取っていた。裁判所は「社会へ与えた影響は極めて悪く、国家と人民にも重大な損失を与えた」とした。
香港メディアによると、A頭取は王岐山前国家副主席が中国建設銀行で頭取を務めた時代に秘書役だった。招商銀行は2022年4月に頭取辞任を発表。その後、共産党党籍と公職を剝奪されて、逮捕・起訴されていた。
(共同)
2023.11.11-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231111-QG4TAMZ3PRM43FFWCVJ5VSSKRY/
中国で50代日本人男性の懲役12年が確定 「スパイ罪」で上訴を棄却
【北京=三塚聖平】中国湖南省長沙市で2019年に拘束され、反スパイ法に違反した罪で懲役12年の実刑判決を受けた
50代の日本人男性の上訴が棄却され、
判決が確定したことが11日、分かった。日本政府関係者が明らかにした。
上訴は湖南省高級人民法院(高裁)で今月3日に棄却された。
中国は二審制のため懲役刑が確定した。男性は19年7月に国家安全当局に拘束された後、今年2月に長沙市の中級人民法院(地裁)で判決を受け、不服として上訴していたという。
中国は14年に反スパイ法を施行し、外国人の取り締まりを強化した。邦人摘発も相次いでおり、
15年以降、スパイ行為に関与したなどとして拘束された日本人は少なくとも17人に上る。計10人が懲役3~15年の実刑判決を受けた。
中国当局は詳細を明らかにしておらず、具体的に何が違反行為に当たるのかも分からず懸念が深まっている。今年に入っても、
3月にアステラス製薬の日本人社員を拘束し、10月に逮捕した。7月には改正反スパイ法を施行し摘発を進めている。
今月16日を軸に調整中の日中首脳会談が行われれば、相次ぐ邦人の拘束問題が焦点となりそうだ。
2023.11.01-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20231101-WOEN3LUNRNKX7IQTNCK5MXW5WY/
青島ビール放尿で行政拘留 中国
中国山東省青島市の大手ビールメーカー、青島ビールの
工場で作業員の男が原料を運ぶ貨物トラックのコンテナ内に放尿したとみられる動画が拡散した問題で、地元当局は1日、
男を行政拘留処分にしたと発表した。
青島ビールは「消費者に心よりおわびする」とのコメントを出した。
男は10月19日、他の作業員らと共に原料の荷降ろしをしていた際、コンテナ内に放尿したという。インターネット上で男の動画が拡散し、同社が当局に通報していた。
青島ビールは1903年創業で、中国有数のビールメーカー。
問題の原料は生産工程に入らないよう処理したとしている。
(共同)
2023.10.24-毎日新聞(KYODO)-https://mainichi.jp/articles/20231024/k00/00m/030/014000c
中国・青島ビール工場で放尿?動画が拡散 原料の倉庫、当局が捜査
中国山東省青島市の大手ビールメーカー、青島ビールの工場にある原料の倉庫で
作業員が放尿しているとみられる動画が拡散し、同社は24日までに当局に通報したと発表した。動画は中国の短文投稿サイト、微博(ウェイボ)などで広がった。中国メディアによると、
当局が既に関係者を拘束したという。
19日に倉庫で作業員が放尿しているような映像が投稿された。地元当局は「
捜査し、法律に基づいて厳正に対処する」としている。
青島ビールは1903年創業で、中国有数のビールメーカー。ドイツの製造技術を取り入れたとされ、世界各地に輸出されている。
(共同)
2023.08.29-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230829-EO2KNB3KSNNY7ILX42GWMMSMZA/
中国、元貴州省トップ調査 汚職か
中国国営通信新華社は28日、
中国共産党中央規律検査委員会と国家監察委員会が
貴州省トップだった孫志剛・元同省党委員会書記を重大な規律、法律違反の疑いで調査していると伝えた。汚職とみられる。
2017~20年に貴州省の党委書記を務めた。
(共同)
2023.02.18-HEAD TOPICS-https://headtopics.com/jp/200132226925237679329-35556373
中国投資銀行「華興資本」のCEO、音信不通に
中国の首都・北京に拠点を置く投資銀行で、未公開企業への投資も手掛ける華興資本控股(チャイナ・ルネサンス・ホールディングス)は16日、
包凡・会長兼最高経営責任者(CEO)と「連絡が取れなくなっている」と公表した。香港証券取引所への提出書類で明らかにした。
これを受け香港では17日、華興資本の株価が一時50%急落し、28%安で取引を終えた。
華興資本は声明で「包氏の音信不通が当グループの事業や活動に関連している、またはその可能性があることを示す情報は把握していない」と述べた。
包氏は中国のハイテク業界で老練なディールメーカーとして定評がある。2015年には中国の食品配達関連の2大有力サービスである美団と大衆点評の合併を仲介。合併後の企業の「スーパーアプリ」は中国の至る所で使われている。
包氏は1990年代後半、モルガン・スタンレーとクレディ・スイスで投資銀行のキャリアを歩み始め、その後は上海や深圳の証券取引所でアドバイザーも務めた。
包氏のチームは米国に上場している中国の電気自動車(EV)メーカー、蔚来(NIO)と理想汽車(リ・オート)に投資しているほか、中国のインターネット大手、百度(バイドゥ)やJDドット・コムが香港に重複上場するのを支援した。
中国の金融メディア「財新」によると、華興資本では先日も同様の混乱が起きていた。財新が匿名の情報筋の話として伝えたところによれば、中国当局は昨年9月、華興資本の叢林総裁を拘束したという。
中国では企業幹部がほぼ何の説明もなく姿を消すことは珍しくなく、包氏の失踪以前にも
経済界の有力者が消息を絶つ事案が相次いでいた。
.中国・華興資本集団の創業者で最高経営責任者(CEO)、包凡氏。
2022.07.13-毎日新聞-https://mainichi.jp/articles/20220713/k00/00m/030/074000c
中国で預金者が「人権と法治」求めデモ、負傷者多数 各地で騒動拡大
【北京・米村耕一】
中国内陸部・河南省鄭州で、預金引き出しを停止した地方金融機関をめぐる騒動が続いている。香港メディアによると、
今月10日には地方政府や金融機関に抗議する約1000人の預金者が「河南政府の腐敗に反対する」などの横断幕を掲げて抗議デモを行い、抑え込もうとした当局者と衝突。多くのけが人が出た。
中国政府は従来、こうした抗議デモが発生しないよう厳しく抑え込んできた。しかし最近数カ月は、厳格すぎる新型コロナウイルス対策への不満や景気減速による経済難を背景に、中国各地で抗議行動が相次ぐ。当局はこうした動きの広がりに神経をとがらせている模様だ。
インターネット上には、鄭州の抗議現場や当局者の暴行によって負傷したとされる人の写真、動画が多く出回っている。中国人民銀行(中央銀行)鄭州支店前に集結した預金者たちは「
暴力で預金者に対応する省政府に抵抗する。人権と法治を要求する」などの横断幕を掲げていた。香港メディアの報道や動画によると、そこに乗り込んだ大勢の白シャツ姿の当局者が力ずくで預金者たちを引きずり回し、一部を拘束するなどしている。
問題の発端は複数の地方金融機関のオンライン預金口座が4月中旬、突然凍結されたことだ。こうした
金融機関は高い金利で多くの預金者を集めていた。中国メディアによると
凍結の背景には、鄭州の公安当局が、これらの金融機関の大株主である投資会社の不正を調査していたことがあった。しかし、預金の保護について説明はなく、預金者たちは断続的に抗議のために集まり、当局がコロナ対策などを理由にその動きを妨害するなどしていた。
騒動の拡大を受け、地元金融監督当局は11日、「
5万元(約100万円)を上限に払い戻しを行う」と発表したが、これで事態が沈静化するかどうかは不明だ。
中国メディアによると、中国人民銀行(中央銀行)の孫天琦金融安定局長は13日の記者会見で、
「高リスクの金融機関は(問題となった河南省の銀行を含めて)全体の7%、その資産規模は全体の1%だ」と指摘。「大部分の銀行は安全だ」と強調した。
今回の問題の背景としては、コロナ禍で景気が減速し、不動産やインフラに投資してきた地方の開発会社の経営が悪化。こうした企業が問題の金融機関から、不適切な形で資金調達していた可能性が指摘されている。
【北京・米村耕一】
2022.06.27-Yahoo!Japanニュース(テレ朝 NEWS)-https://news.yahoo.co.jp/articles/21a34cc07619328eb2912e0a80f8b51a19277d71
中国“8000億円出金停止” 「主犯格」は米国逃亡か
中国の地方銀行でおよそ8000億円の預金が引き出せなくなっている問題で、
違法に預金を集めたなどとして、警察が行方を追っている人物がアメリカに逃亡した可能性があることが分かりました。
ニューヨークのマンハッタンにあるメディア関連法人の理事長を名乗る人物は、
中国の警察当局から「
銀行を利用した重大犯罪」の主犯格と名指しされています。
この人物には、
河南省などの地方銀行が集めた8000億円の預金を原資に高金利で違法に金を貸していた疑惑などが持たれています。
複数の中国メディアはこの
人物が当局の追及を逃れるため金を海外に持ち出しアメリカに逃亡したと伝えています。
テレビ朝日
2022.06.19-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/b1c530416c1be8dc5f46fbd5c3d65cb2238c5237
中国河北省の女性暴行事件に世論沸騰 当局批判も
【北京=三塚聖平】
中国河北省の飲食店で今月、女性客が男たちから殴る蹴るの暴行を受けて重傷を負う事件が起きた。
暴行の様子を
撮影したとされる凄惨な動画が中国の交流サイト(SNS)で拡散し、世論が沸騰。地元警察の対応を批判する声も強まっており、当局が治安改善の取り組みに乗り出すなど波紋を呼んでいる。
国メディアなどによると、
河北省唐山市の飲食店で10日未明、グループで食事をしていた女性客が男に声を掛けられ、背中を触られた。女性が拒否すると男は殴りかかった。さらに女性を店外に引きずり出し、男の仲間も加わって顔を踏みつけるといった激しい暴行を執拗(しつよう)に加えた。
これにより女性2人が重傷を負い、一時は病院の集中治療室(ICU)に入った。その後、警察が事件に関与した疑いがある男女9人を逮捕している。
この事件が伝わると、SNSでは「
女性の誰もが関係し得る事件だ」「
これが法治社会なのか」といった衝撃の反応が広がった。香港出身のアクション俳優のジャッキー・チェン氏は「男は女の人を殴ってはだめだ」などと投稿した。
また、地元警察の事件に対する動きの遅さや、暴力犯罪への対応の不十分さも批判されている。別の暴行事件の被害を告発する動きもあり、
中国社会における暴力犯罪の根深さを突き付ける事態となっている。
現地入りして同事件を取材した
中国メディア記者が、地元警察署に連れていかれて乱暴な扱いを受けたことも伝えられている。 事件後、唐山市は治安改善のため集中的な犯罪取り締まり活動を展開すると表明。最高人民検察院(最高検)も13日、「
ひどい暴力事件など民衆の安心感に関わる犯罪」を厳しく取り締まるよう指示している。
2022.06.14-Yahoo!Japanニュース(ABEMA TIMES)-https://news.yahoo.co.jp/articles/1929e34cb5b2d374e78d6eaa62c751ab1ac0f92f
中国 約8000億円が出金停止に…抗議した預金者らを“閉じ込め”か-
ANNニュース
中国の銀行で8000億円規模の預金が引き出せなくなっている問題で、
返金を求めて抗議する市民らが次々に連行される事態となっている。
【預金者たちの声】
「なんで外に出られないんだ!」 「私に聞いても無駄だ」 「政府がこんなことするのか」 「そうだ」
中国の投資会社傘下の複数の地方銀行では、4月から8000億円規模の預金が引き出せなくなっている。河南省ではき13日、
抗議に訪れた預金者らが到着した駅から何者かに連行され、ホテルや学校に閉じ込められた。また、銀行とも連絡が取れない状況だ。
【連行された預金者】
「外に出られない。(説明は)何もない。対応にとても失望している」
違法な資金集めの指摘もあり、中国で史上最大級の詐欺事件になる可能性もある。(
ANNニュース)
2021.02.05-BBC News Japan-https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-55944517
中国の女優、美容整形の失敗をSNSで公表 鼻先が壊死と
中国の若手女優が、「悪夢」のような美容整形手術の失敗で鼻先が壊死したと、写真をソーシャルメディアに投稿し、美容整形手術の危険性について警告している。
高溜(ガオ・リュウ)さんは新進気鋭の若手歌手兼女優で、数々の映画やテレビ番組に出演していたが、このところ表舞台に立っていなかった。
その
高溜さんが中国で人気のソーシャルメディア「新浪微博」に、自分の近況を投稿した。しばらく人前に出ていなかったのは、「
美容整形手術に問題」があり、鼻先が壊死してしまったのだと写真と共に公表した。
高溜さんは500万人のフォロワーに、
鼻先が黒ずんだ自分の写真を示した。これを機に、
美容整形手術について論争が起きている。中国では美容整形手術の人気はとても高い。
高溜さんによると、昨年10月に友人から南部・広州市の美容整形医に紹介された。鼻を「少し細く」したらどうかと提案され、自分のキャリアアップにつながると期待して、手術を受けることにした。「施術には計4時間かかった。この4時間で、もっときれいになれると思った」と、高溜さんは書いた。「まさかこの4時間が悪夢の始まりになるなんて」
手術の間、鼻に「ちくちくする違和感があった」と高溜さんは書く。12月か1月までには仕事に復帰できると言われていたものの、鼻はたびたび感染を繰り返してしまったという。「鼻先の皮膚が(中略)どんどん黒ずんで、鼻が壊死してしまった」とガオさんは説明し、自殺も考えたと書いた。
高溜さんは結局、2カ月の入院を余儀なくされ、仕事の上ではドラマ出演料など40万人民元(約650万円)の損失をこうむったと説明した。また、
組織の損傷が大きく、少なくとも今後1年は形成再建手術を受けることができないのだという。
人気ニュースサイト澎湃新聞は、広州市天河区保健当局が公表している情報をもとに、高溜さんが手術を受けたクリニックについて報道。それによると、2020年3月から10月にかけて5回にわたり、行政処分を受けているという。具体的にどういう違反があったかは明らかにされていない。同紙によると、高溜さんの投稿以来、このクリニックについて複数の苦情が保健当局に寄せられており、調査が始まった。
ソーシャルメディアでは、手術関係者の責任を問う声が上がっている。中国の美容整形手術全般に対する規制の改善を求める声もある。
中国ではかねて美容整形の人気は高く、
2004年には美容整形手術を受けた人に限定した美人コンテストも開かれている。
特に若者の間に人気で、
香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、2019年に美容整形手術を受けた約2000万人のうち3分の2近くが30歳未満で、「5人に1人」が21歳未満だった。同紙によると、「就職や恋愛で有利になる」と期待して、高校卒業を機に大学入学前に手術を受ける若者が多い。
しかし、需要の高まりの反動で、無免許医師を使う無認可クリニックも登場しているという。高溜さんが手術を受けたクリニックが、どのような状態のところかははっきりしていない。中国国務院は昨年4月、国内各地で「違反行為が増えている兆候」がうかがえるとして、手術は「資格を持つ医療者」によるものでなくてはならないと強調した。
しかし、
「環球時報」の英字紙「グローバル・タイムズ」によると、2019年には正規の美容整形クリニックに対して無資格クリニックはその6倍の6万軒あり、取り締まりも難しく、規制態勢も「混乱状態にある」と多くの市民が感じていた。
2021.01.22-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/210122/wor2101220018-n1.html
中国、拘束の人権派弁護士に拷問 飲食や睡眠を制限
中国当局に国家政権転覆の疑いで拘束されている人権派弁護士、丁家喜氏と著名民主活動家、許志永氏が
取り調べで睡眠を認められない、水や食事を少量しか与えられないといった拷問を受けたと訴えていることが22日、両氏に接見した弁護士の話で分かった。
中国では正式な逮捕前などに刑事施設以外で拘束する「居住監視」と呼ばれる措置があり、自白強要や拷問の温床と指摘される。両氏への拷問も居住監視期間中だった。
両氏は拘束から約1年たった21日、オンラインで初の弁護士接見が認められた。接見した弁護士によると、丁氏は約半月にわたり毎食、蒸しパン4分の1個で、1日600ミリリットルしか水を与えられない時期もあったと明かした。当局者は交代で尋問し、短時間の睡眠しか認められなかった。許氏も一時期、睡眠が1日2~4時間に制限された。(共同)
2020.11.27-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/201127/wor2011270019-n1.html
中国医師ら6人に実刑 ヤミ臓器移植、事故負傷者らから摘出 手続き無視
【北京=西見由章】
臓器移植に関する正規な手続きを経ずに、交通事故の負傷者ら11人から肝臓や腎臓を違法に摘出したとして、
中国の医師ら6人が懲役10月~2年4月の実刑判決を受けたことが分かった。中国のネットメディア、澎湃(ほうはい)新聞が27日までに伝えた。
中国は2015年、ドナー(臓器提供者)の9割を占めていた死刑囚からの臓器移植を停止したとしており、一般のドナー不足は深刻な状況という。今回の事件は公立病院で臓器移植を担当する医師らが組織的に関与したとされ、中国で横行する“ヤミ臓器移植”の一端が明らかになった。
報道によると、安徽省懐遠県人民病院の集中治療室(ICU)主任医師らは17~18年、事故の負傷者ら11人の家族に、国の補助金給付などを持ち掛けて臓器移植に応じるよう説得。江蘇省南京市の医師らが現場に駆け付け、救急車を装った車両の中で肝臓や腎臓の摘出手術を行ったという。
中国では13年以降、ドナーと移植先のマッチングは正規の統一システム使用が義務化されている。臓器摘出手術に赤十字社スタッフの立ち会いも必要だが、今回の事件は一連の手続きがすべて無視されていた。
2020.5.18-Yahoo!!Japanニュース(COURiER)-https://news.yahoo.co.jp/articles/d8c3c9681c456790f8d93acbbcf7a60f55187811
79歳の実母を墓に「生き埋め」─残酷すぎる中国“姥捨て事件”の顛末
(1)
親の介護に疲れた58歳の息子が、あろうことか、
79歳の実母を墓地に生き埋めにする──という衝撃的な事件が中国北西部・陝西省で発生した。その顛末とともに、2億人の高齢者人口を抱える中国の“闇”についてお伝えする。
5月6日、中国最大のミニブログ「新浪微博(ウェイボー)」に衝撃的な告発動画が載り、半日で1万1000件以上のコメントが寄せられた。
動画は生き埋めにされた
老婆が救出される光景を撮ったものだ。 陝西省の北端に位置し荒涼とした黄土高原が広がる靖辺県で、5月5日午後6時、地元警察十数名が、
廃墓地にある地下2mの古い墓穴から79歳の老婆・王某を掘り起こした。老婆は2日深夜に埋められ、約70時間飲まず食わずのまま墓穴で生きながらえてきた。
墓は横穴式の構造で、閉じ込められた老婆は、そのまま入り口を埋め戻され、自力では地上に出ることが不可能だった。
ニュースキュレーションサイト「封面新聞(ザ・カバー)」によると靖辺県公安局に5日、地元主婦の張某から通報があり、夫の馬楽寛(マァ・ロァクアン、58)が2日午後8時ごろ、手押し車の荷台に寝たきりの実母の王某を載せてどこかへ出掛けてしまい、行方不明という内容だった。
張某によると、3日深夜2時ごろ一人で帰宅した馬楽寛へ「
アンタ、一体どこへ行ってたのよ! お義母さんはどうしたの!」と詰め寄ると「近所でライトバンを借り、バスターミナルへ行って、甘粛省行きの夜行便に乗せてきた。甘粛省の遠縁がおふくろを預かってくれると言ってきた」とつぶやいたので大急ぎでバスターミナルへ行き、義母の消息を確認したが、それらしき老婆がバスに乗った形跡は無かった。
張某が帰宅すると、夫は忽然と姿を消していた。 実際には、馬楽寛は手押し車を押して郊外の廃墓地に行き、鍬と鋤で古墓を掘り起こして、墓穴に実母を埋めたのだった。
墓穴には空間があり、頭部は埋められなかったため、老婆は辛うじて呼吸ができる状態だった。
県公安局は5日午前11時、県内をふらふらしていた馬楽寛の身柄を拘束した。尋問中、彼は「おふくろは今、甘粛省の親戚のもとに送られている最中で断じて失踪ではない」との主張を繰り返したが、次第に追い詰められてパニックに陥り、ついに
実母を生き埋めにしたと自供した。
県公安局は警官と遺体鑑定の法医からなる救出チームを組織し、同日午後4時過ぎから、馬楽寛の自宅から約4㎞離れた廃墓地で当該古墓の発掘を開始した。1時間半かかって墓室を掘り当てると、中からうめき声のような音が。
「生きてるぞ!!!!」の掛け声とともに警官隊は老婆を抱え上げた。
酸欠状態で瀕死の老婆は、自身の身よりも厳罰に処されるかもしれない息子を案じて警官に「誰に強要されたわけでもない。ワシが自ら這いつくばって穴の中に入ったんだよ」と話しながら靖辺県中医院(県漢方医学病院)へ搬送され、地元政府から見舞金5万元(約75万円)を受け取った。
当の息子の馬楽寛は、救出劇の一部始終を一言も発せず見守っていた。そして現在も「故意殺人罪」容疑で県公安局に刑事拘留されている。
(2)
総合ニュースメディアの「澎湃新聞(ザ・ペーパー)」が報道した馬楽寛の供述によると、犯行の動機は介護疲れと怨恨。2019年9月に長らく別居していた実母を自宅に引き取ったが、
同年11月に実母は屋内で昏倒して骨折し、寝たきりの身となってしまう。
排泄も困難で粗相も多くなり、馬が仕事先から帰宅すると、家中に糞便の臭気が立ち込め、我慢がならず、強いストレスに直面していた 。
生来無口で非社交的な馬楽寛は日雇い仕事で長年日銭を稼いでおり、1男3女を儲け、長女は嫁ぎ、三女は大学進学を果たしたという。妻の張某は飲食店で、息子はガス工場で働いており、世帯収入は地域の平均を上回っていた。
ただ、隣人によると馬楽寛は生い立ちが複雑だという。実父は馬楽寛の幼少時に早世し、実母は馬が12歳の時に甘粛省の男と再婚し家を出て行ったため、靖辺県に残された馬楽寛は、父方の祖母や叔父の家で貧困生活を強いられる。
実母は再婚当時妊娠しており、甘粛省で馬楽寛の弟や妹を産んだ。弟は生来虚弱で長じても生活保護対象であったため、実母は再婚相手と死別したあと生活が困窮したため、2013年に弟を連れて靖辺県に戻り、二人暮らしを始めた。
だが、19年に弟が重い障害を負い、同年9月から実母と弟は馬楽寛の家に間借りするようになった。 母子は46年ぶりの同居で、馬楽寛は長男としての義務感から実母と弟を引き取ったが、
幼少時に自分を捨てて再婚した実母に対して「
言い尽くせない積年の恨み」
があり、実母が白内障で視力を失い、寝たきりとなり、尿毒症を患い、大小便を垂れ流すようになって介護の負担が増すと、屈折した思いと合わさり、実母への殺意が湧き上がってきたという。
ただ、馬楽寛夫婦が実母を虐待した形跡はみられず、怒り狂って実母を罵倒したりする怒鳴り声も近所に響いたことはなかった。たまに実母は、玄関先にぼんやりと所在なげに腰掛けていたという。
中国では今も家計を支えるため児童が労働を強いられる場合があり(法的には違法)、実母が「働き手」となる12歳の長男を婚家に置いて(長子相続の伝統から姑や亡夫の弟が跡取りの馬楽寛は連れて行くなと命じた可能性も濃厚)再婚した事情も分からなくはない。
ただ「母に捨てられた」馬楽寛少年の寂しさはひとしおだったようだ。 隋の初代皇帝・楊堅(文帝、在位581~604年)が定めた法律『開皇律』に中国人の道徳規範となる「
十悪不赦(赦されない十の大罪)」との文言がある。すなわち、
謀反(国家や君主への反逆)、
謀大逆(君主や親を殺す企み)、
謀叛(他国と通牒する)、
悪逆(近親尊長を殺害)、
不道(残虐な殺人)、
大不敬(皇帝・皇族に対する不敬)、
不孝(祖父母や父母を罵倒する)、
不睦(家庭不和)、
不義(恩人を殺害)、
内乱(不倫、近親相姦)。中国メディアはこぞって、馬楽寛を十悪のうち三悪(悪逆、不道、不孝)を犯したと指摘した。
(3)
老婆の介護スタッフが「豹変」
陝西省で老婆が生き埋めにされた同じ5月2日、江蘇省内溧陽市に住む83歳の老婆・陳某が、雇用してわずか8日目の介護スタッフに殺害される痛ましい事件が発生した。
江蘇省の日刊紙「現代快報」によると、糖尿病と運動機能障害を患っていた老婆は3月下旬から症状が重くなり、介護をしていた嫁が、家族ぐるみで旧知の女性・虞某(67)を介護スタッフとして雇い入れた。
虞某は陳老婆と同郷で気心が知れており、かつ病院で看護の仕事をしていた経験から老人の世話について熟知していた。虞某も老婆の世話を二つ返事で快諾し、4月25日から仕事を始めた。
虞某は献身的で、老婆の一家の信頼をすぐに勝ち得た。 老婆の息子の張阿留夫妻は、老婆の部屋に監視カメラを設置した。老婆が以前、雇った介護スタッフから「ぶたれた」と訴えて、事実無根と否定する当該スタッフと争いになったことがあり、念のための措置だった。
虞某の勤務8日目である5月2日22時6分、老婆の息子の張阿留は虞某に夜間の世話の説明をした後に老婆の部屋を退出。すると22時11分、虞某は立ち上がってバスタオルを手に取り、ベッドに横たわる老婆の顔をいきなりバスタオルで塞ぎ、窒息させようとした。
その1分後、虞某は部屋の出入口のドアを閉め、老婆の顔をなおもバスタオルで塞ぎ続け、さらに横たわったままの老婆の胸の上に座って呼吸困難を意図的に引き起こした。老婆は何度もうめいてもがいたが、虞某は一切を無視し続けた。虞某は手に扇子を持ってパタパタあおぎながら22時27分まで老婆の胸の上にどっかり座り続けた。
22時30分、張阿留が老婆の部屋を覗いた時には母親の異変に気付かなかったという。 23時00分、虞某は老婆が悶死したのを確認し、張阿留に「奥様が死んでしまっているわ……すぐに来て」と電話して一家を部屋に呼んだ。落ち着き払った虞某は悲嘆に暮れる一家にテキパキ葬送の指示を出し、「地元の習俗なので、煮卵を死者の口に含ませてあげて」と依頼した。
一家は老婆が虞某に看取られて自然死したと思い込み、虞某に礼金まで手渡した。ただ、監視カメラの映像を確認した一家の通報により、虞某は5月12日に「故意殺人罪」容疑で逮捕された。 現時点でも虞某の殺害動機ははっきりしない。
介護スタッフは、契約期間中に被介護者が死去しても、当該月の1ヵ月分の報酬(虞某は月3000元=約4万5000円))を得ることができるという「潜規則(暗黙のルール)」があり、「現代快報」は虞某が「手っ取り早くまとまったカネを手にしたかったのではないか」と分析している。殺人の動機にしては安易すぎて“弱い”気もするのだが。
(4)
高齢者人口はすでに2億人
国務院(内閣に相当)直属の哲学・社会科学研究の最高学術機構、中国社会科学院は、中国人の平均寿命が1949年の建国当初はわずか35歳だったのに対し、2020年は77歳になると予想している。65歳以上の高齢者人口はすでに、国・地域別世界最多の2億人だが、2052年には4億8700万人(総人口の約34%)まで増大する見通し。
1979~2015年の人口抑制国策「計劃生育(一人っ子政策)」の弊害で少子化も急速に進むなか、中国でも日本同様「未富先老(生活が豊かになる前に老いる)」や「未備先老(老後の準備ができる前に老いる)」が社会問題となり、介護や終末医療環境を整え、高齢者を社会でいかに支えていくかが大きな課題になっている。
儒教の影響から親の面倒は子が自宅で見るのが当然という風潮は今も根強く、介護で精神的、経済的に追い詰められる子世代、孫世代も増加している。
2020.5.13-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/200513/wor2005130025-n1.html
中国、空母建造の責任者を摘発 「重大な規律違反」
【北京=西見由章】
中国共産党中央規律検査委員会は13日までに、国有造船最大手「中国船舶重工集団」(現・中国船舶集団)の元会長、胡問鳴氏を「重大な規律違反と違法行為」の疑いで調査していると発表した。
海軍艦艇を開発・建造する同社で、胡氏は昨年12月に就役した中国初の国産空母「山東」の建造に当たり総指揮を務めた。2018年以降、中船重工幹部らの摘発が相次いでおり、中国海軍の装備開発に影響が出ている可能性がある。
同社をめぐっては中央規律検査委が18年6月、孫波元社長に対する調査を発表。孫氏は第三者に便宜を図って報酬を受け取り、「国家利益に重大な損失」をもたらしたなどとして収賄罪や職権乱用罪に問われ、19年7月に懲役12年の実刑判決を受けた。
香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは軍関係者らの証言として、
孫氏が中国初の空母「遼寧」に関する機密情報を外国の情報機関に渡した疑いで罪に問われたと報道。孫氏の公判は「国家秘密に関わる」として非公開で行われた。一方、他国に情報を漏らした場合に適用される国家安全危害罪については起訴・判決時の発表で言及されていない。認定された犯罪事実について具体的な説明はなく、真相は不明だ。
また、孫氏の事件と今回の胡氏に対する調査に関連があるかについても現段階ではわかっていない。
18年12月には中船重工の研究所の前所長が、規定に違反しカナダ国籍を取得したなどとして共産党籍の剥奪処分を受けている。
中国の軍事専門家は共産党機関紙、人民日報系の環球時報(英語版)で、国産空母建造の責任者だった胡氏に対する調査が「
中国の艦艇建造計画に影響を与えることはない」としつつ、
一連の不祥事が「軍需産業に警鐘を鳴らしている」と危機感を示した。
2020.5.11-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://special.sankei.com/a/international/article/20200511/0001.html
コロナの“教訓”生きぬ中国 児童生き埋めの悲劇でも隠蔽体質
中国河南省原陽県の住宅地建設予定地で4月中旬、遊んでいた男児4人がダンプカーの降ろした土砂に巻き込まれ、生き埋めになって死亡する痛ましい事故が起きた。この悲劇は中国全土の注目を集めたが、
地元当局者は中国メディアの記者を「暴行」して取材を妨害、
その携帯電話のデータを消去するなど情報隠蔽に走った。新型コロナウイルスの震源地となった中国の当局は、その隠蔽体質が感染爆発を招いたと国内外から指摘されているが、教訓は生かされていないようだ。(北京 西見由章)
地元当局の発表や中国メディアによると、
原陽県の住宅地基礎工事現場で4月18日午後、5~11歳の男児4人が、土砂をいったん運び込むために掘られたくぼみの中で遊んでいたところ、児童らに気づかないまま複数のダンプカーが大量の土砂を降ろし、生き埋めになった。
まもなくパワーショベルがくぼみの中の土砂を付近に積み上げる作業を始めた際、「
人形のような黄色い物体」を発見。近くで確認すると、男児の遺体であることがわかった。
現場では夜までに他の3人の遺体が見つかった。
2019.7.12-産経 WEST-https://www.sankei.com/west/news/150402/wst1504020002-n1.html
拷問道具の輸出大国・中国の実態…チベット人を宙づりでサンドバッグ、鉄の椅子「虎の腰掛け」で電気ショック
中国の治安当局によるチベット人への恣意(しい)的な逮捕や拷問を告発する報告書が2月に発表された。一方で、人権団体は、中国が拷問道具の輸出大国になっていると指摘。報告書は「チベットでの拷問、虐待の実態」とし、英ロンドンを拠点とする非営利組織(NPO)「チベットウオッチ」などが、国連拷問禁止委員会で中国の人権状況が審議されるのにあわせて発表した。2008年北京五輪前にチベット自治区のラサを中心に起きたチベット騒乱後、押さえ込みにかかる当局によるチベット人への非道が暴かれている。
ストーブの煙突抱き、サンドバッグ…顔はやけど
中国の治安当局によるチベット人への恣意(しい)的な逮捕や拷問を告発する報告書が2月に発表された。一方で、人権団体は、中国が拷問道具の輸出大国になっていると指摘。報告書は「チベットでの拷問、虐待の実態」とし、英ロンドンを拠点とする非営利組織(NPO)「チベットウオッチ」などが、国連拷問禁止委員会で中国の人権状況が審議されるのにあわせて発表した。2008年北京五輪前にチベット自治区のラサを中心に起きたチベット騒乱後、押さえ込みにかかる当局によるチベット人への非道が暴かれている。
「やつらはチベット人を動物以下と見なしている。人間とは見ていない。(私は生き延びたが)一度、拷問所に連れて行かれたら終わり。死が待っている…」 ある男性僧侶(43)は08年3月23日、知人宅にいたところ、突然踏み込んできた警官隊に連行され、警察署で寝ずの尋問と暴行を受けた揚げ句、裁判もなしに刑務所に送られた。待ち向けていたのがさらなる拷問だ。
1日中、宙づりにされ、尋問者からサンドバッグのように殴る蹴るの暴行を受けた後、ストーブの煙突を抱かされる格好で手枷をはめられ、顔面などはやけどと水ぶくれの状態に。夜間は窓が開けっ放しの極寒部屋にほうり込まれた。翌日からは再び拷問の日々だ。
さらに黒頭巾を被(かぶ)せられて行った場所には「鉄の椅子(虎の腰掛け)」と呼ばれる拷問道具があった。縛り付けられ、警官から「分裂主義者め」とののしられながら、電気ショックも含めた暴行が何度も繰り返されたという。「意識は朦朧(もうろう)とし、痛みも感じなくなった。自分の肉が焼け焦げる臭いだけ覚えている」
「やつらはチベット人を動物以下と見なしている。人間とは見ていない。(私は生き延びたが)一度、拷問所に連れて行かれたら終わり。死が待っている…」 ある男性僧侶(43)は08年3月23日、知人宅にいたところ、突然踏み込んできた警官隊に連行され、警察署で寝ずの尋問と暴行を受けた揚げ句、裁判もなしに刑務所に送られた。待ち向けていたのがさらなる拷問だ。
1日中、宙づりにされ、尋問者からサンドバッグのように殴る蹴るの暴行を受けた後、ストーブの煙突を抱かされる格好で手枷をはめられ、顔面などはやけどと水ぶくれの状態に。夜間は窓が開けっ放しの極寒部屋にほうり込まれた。翌日からは再び拷問の日々だ。 さらに黒頭巾を被(かぶ)せられて行った場所には「鉄の椅子(虎の腰掛け)」と呼ばれる拷問道具があった。縛り付けられ、警官から「分裂主義者め」とののしられながら、電気ショックも含めた暴行が何度も繰り返されたという。「意識は朦朧(もうろう)とし、痛みも感じなくなった。自分の肉が焼け焦げる臭いだけ覚えている」
僧侶は5月半ばまで拘留された。その後も2度逮捕され、当局に葬り去られる危険を察知、マージャンに興じる看守らの隙をついて脱出。20万元(約390万円)の懸賞金付き脱獄殺人犯の汚名を着せられる中、1年8カ月かけてヒマラヤを越え、チベット亡命政府があるインド・ダラムサラにたどり着いたという。
釈放理由は、施設で死なれたら面倒だから
報告書には、こうした事例が多数掲載され、命を落としたり、拷問で命の危険にさらされたりしているチベット人の名前が何人も記載されている。
逮捕状もなしに連行され、罪状は後回し。拷問で無理やり強いられた証言をもとに裁判で刑を言い渡されるのが大抵で、弁護士も形式だけだ。裁判もあれば良い方で、当局による恣意的な長期拘束が日常茶飯事なことが読み取れる。
こんな指摘もある
釈放当日、大勢の親類縁者、友人らが拘置所、刑務所の門前で出迎え、騒ぐのを嫌い、今は全く知らせず、こっそり自宅まで連れて行くようにしている。また、拷問で衰弱しきった状態に陥った場合、家族のもとに帰すという。慈悲ではなく、当局の施設で死なれたら面倒だからだ。
「共産党なくして新中国はないなど、共産党をたたえる歌を覚えられなかったりしたら、とても立てないほど極小の独房に罰として入れられる。そう絶えず脅された」(40歳男性)
「刑務所の労役で、まじめに働く者には刑期が短くなる恩典があったが、漢族だけの話。チベット人は除外されていた。差別的扱いだった」(29歳男性)
再教育キャンプ、労働改造所など、共産主義国家にはかかせない人格破壊施設への言及もある。
拷問器具会社が10年で4・6倍に増加
もちろん、中国政府は「中国は法治国家である」と主張、チベットやウイグル問題は「内政干渉だ」と突っぱねている。 だが、報告書からは、中国5千年の歴史の中で積み重ねてきた拷問嗜好(しこう)が“支配民族”の漢族のDNAにしっかり刻み込まれているのがわかる。そしてそれは、経済発展にともなって中国特産拷問道具の輸出にもつながっている。
国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルが昨年9月公表した「中国における拷問器具取引と弾圧」によると、2003年に28社しかなかった製造業者は10年間で約130社に増加。電気ショック棒や突起棒、拘束具、重し付き足枷などの「憂慮すべき」拷問道具を含め、「世界の法執行器具の分野で供給国としての地位を大きく伸ばした」と指摘、世界市場でシェアを拡大しつつある成長産業になっているのだ。
チベットウオッチなどの報告書ではまた、密告制度の奨励にも触れている。500~5万元の報酬が当局から渡され、有力な情報にはさらに上乗せもされる。だが、それは裏を返せば、チベット人の反抗を警戒している証だろう。
自由アジア放送などによると、2月の旧正月、チベット自治区や周辺の各地で、今年80歳を迎えるダライラマ14世の長命を祝う行事が密(ひそ)かに行われた。14世を「分裂主義者」と批判し、傀儡(かいらい)にできる15世擁立に血眼の中国当局だが、チベットの人々の14世への厚い信心は変わらない。
「チベットは新中国のもと、豊かになった」。習政権が強調するそんな主張がいかに空虚なプロパガンダかがわかる。拷問がまかり通る人権無視の強権支配。“赤い帝国”の「舌先」に騙(だま)されてはいけない。