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中国の防衛問題-2020年04月~2023年3月



2023.04.09-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230409-CCQHB3AU5BN3HCC6FA3MP5TGWE/
中国、台湾海峡周辺で演習続行 中間線付近で中台艦船にらみ合い

  【北京=三塚聖平】中国人民解放軍は9日、台湾周辺で2日目の軍事演習を行い、多数の艦船と軍用機が参加して重点目標を攻撃する訓練を実施した。中国メディアは、中国初の国産空母「山東」が演習に参加したと伝えた。台湾の蔡英文総統が米国を訪問してマッカーシー下院議長と会談したことへの報復措置で、中国は台湾の包囲能力を誇示して圧力を強めている。

  中国軍東部戦区は、台湾を取り囲む形で10日まで演習などを行うと表明。中国国営中央テレビなどによると、9日の演習では複数の部隊が連携して台湾本島とその周辺海域の重要な目標に対し、正確な攻撃を行う模擬訓練を実施した。
  台湾の国防部(国防省に相当)は9日、同日午後4時(日本時間同5時)までに、中国軍が軍用機延べ70機と艦船延べ11隻を台湾海峡周辺で活動させたと発表した。軍用機のうち延べ35機が中台間の事実上の停戦ラインである台湾海峡の中間線を越えたり、南西の防空識別圏(ADIZ)に進入したりした。
  ロイター通信によると、中台の艦船約10隻ずつが中間線付近に展開し、にらみ合いになったという。
  中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報(電子版)は9日までに、空母「山東」が軍事演習に参加し、「重要な役割を発揮した」という中国の軍事専門家の分析を伝えた。
  初日8日の演習では、制海権、制空権の奪取や情報戦に関する統合作戦能力の検証を行った。演習にはロケット軍も参加しており、中国軍が公開した動画では短距離弾道ミサイル「東風(DF)11」が確認されたと中国メディアが伝えている。これまで発射は確認されていない。昨年8月、ペロシ米下院議長(当時)が訪台した際にも、中国軍は台湾を包囲する形で大規模な軍事演習を行っている。


2023.02.01-Yahoo!Japanニュース(KYODO)-https://news.yahoo.co.jp/articles/f3a9d657b140e2892c2ed0ff49f6cd1305bb4536
中国海警局150隻体制を始動 海保の2倍超、軍艦と同じ主砲も

  中国海警局が海軍から移管された艦船約20隻の改修をほぼ完了させ、千トン以上の艦船約150隻の実動体制を始動させたことが分かった。日本の海上保安庁が保有する大型巡視船70隻の2倍を超える規模。中国の海警事情に詳しい消息筋が明らかにした。

  共同通信が入手した写真によると、浙江省では1月下旬、軍艦と同じ主砲を装備した艦船を含む海警船団の停泊も確認された。
  海警局に武器使用を認めた海警法の施行から1日で2年。海軍の影響を強く受ける海警の「第2海軍」化が加速している。中国が領有権を主張して領海侵入を繰り返す沖縄県・尖閣諸島周辺での摩擦激化が懸念される。
  入手した写真によると、海警艦船の新造や改修が実施されている浙江省舟山市のドック近くの埠頭に1月下旬、計9隻が係留されていた。デッキ上では乗員が行き交い、装備の点検を行っていた。迷彩服に身を包んだ数人が物資を搬入する姿も見られた
  日本の海上保安庁によると、中国海警船は推定で132隻。消息筋によると、これに艦船20隻前後が加わり150隻体制となった。



2022.12.17-JIJI com-https://www.jiji.com/jc/article?k=2022121700004&g=soc
中国空母が沖縄-宮古島間通過 5月以来、能力向上訓練か―防衛省

  防衛省は16日、中国海軍の空母「遼寧」など6隻が沖縄本島と宮古島の間を南下し、太平洋に向け航行したと発表した。遼寧の同海域通過は5月以来。領海侵入はなく、海上自衛隊の哨戒機などが警戒に当たった。

  同省によると、通過したのは遼寧のほか、フリゲート艦やミサイル駆逐艦など。15日に長崎県の西方約440キロの海域で確認され、16日に順次沖縄―宮古島間を抜けた。
  遼寧は5月、沖縄南方の太平洋上を移動しながら、艦載戦闘機や艦載ヘリの発着艦を300回以上繰り返した。同省は今回も発着艦訓練などを実施し、より遠方での作戦能力を向上させる狙いがあるとみて警戒している。


2022.08.10-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220810/k10013763631000.html
中国 台湾統一で白書 “平和統一方針堅持も武力行使放棄せず”

  台湾情勢をめぐって緊張が高まる中、中国政府は、台湾統一に関する白書を発表し「平和統一」を目指す基本方針を堅持するとしながらも、武力行使は放棄しないとして、アメリカなどを強くけん制しました。

  中国政府で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室などは10日、「台湾問題と新時代の中国統一事業」と題する白書を発表しました。
  白書では「台湾は中国の一部だという歴史的、法的事実に疑いの余地はない」としたうえで「われわれは、歴史上のどの時期よりも祖国の完全な統一という目標に近づき、その実現に向けた自信と能力を持っている」と強調しました。
  そして「『平和統一と一国二制度』が、台湾問題の解決に向けた基本方針であり、国家統一を実現する最良の方式だ」とする一方で、「武力行使の放棄は約束しない」としています。

  さらに「アメリカの一部の反中勢力による、統一を阻もうとする政治的なたくらみを徹底的に暴き、厳しく非難しなければならない」として、ペロシ下院議長の台湾訪問などを念頭に、強くけん制しました。
  習近平指導部としては、軍事演習などを通じて台湾への軍事的な圧力を強めるとともに、台湾統一に関する白書を発表することで、求心力を高めるねらいもあるとみられます。
北朝鮮 朝鮮労働党 “中国を全面的に支持”
  北朝鮮国営の朝鮮中央通信によりますと、朝鮮労働党中央委員会は9日、台湾問題をめぐって、中国共産党中央委員会に連帯を表明する書簡を送り、中国を全面的に支持していく考えを伝えたということです。
  この「連帯書簡」では、アメリカのペロシ下院議長の台湾訪問についても言及され「アメリカと追従勢力の悪辣(あくらつ)な中国への攻撃も、祖国の完全統一を実現しようとする中国人民の確固たる意志をくじくことはできない」として、アメリカを非難しています。
  また、ことし後半の共産党大会について「習近平国家主席の指導のもと、中国共産党が、民族の復興に向けた新しい歴史的な道のりの中で、大会を成功裏に迎えることへの確信を表明した」と強調していて、北朝鮮としては、台湾問題をめぐる連携をアピールすることで、最大の後ろ盾である、中国との関係強化につなげたい思惑があるとみられます。
台湾当局が声明「厳正に抗議する」
  台湾当局で対中国政策を担う大陸委員会は「中国がありとあらゆる武力による脅迫や圧迫を連日繰り返しながら、国際法と台湾海峡両岸の事実に反した統一促進の古い主張を発表したことに対し、厳正に抗議する。台湾は『海峡両岸は互いに隷属せず』の立場を堅持し、『一国二制度』を堅く拒否する。これこそが今の台湾海峡の現状であり事実だ」などとする声明を発表しました。


2022.08.09-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220809/k10013760811000.html
中国軍 台湾周辺で演習を継続 軍事的圧力を常態化するねらいか

  中国軍は、8日も台湾周辺の海域と空域で演習を実施したと発表しました。中国軍は当初、7日までの日程で演習を行うとしていましたが、さらに継続させることで、アメリカのペロシ下院議長の台湾訪問を口実に、台湾への軍事的な圧力を常態化させるねらいがあるとみられます

  中国軍で東シナ海を管轄する東部戦区は、8日、台湾周辺の海域と空域で、引き続き、演習を実施したと発表しました。
  これについて、中国外務省の報道官は、8日の記者会見で「台湾は中国の領土であり、みずからの領土の周辺海域で正常な軍事演習を行っているものだ」と正当化しました。
  中国軍は、アメリカのペロシ下院議長の台湾訪問に反発して、7日までの4日間の日程で、台湾を取り囲むように合わせて6か所の海域と空域で演習を行うとしていましたが、これまでに終了の時期は示していません。
  一連の演習では、中国軍の航空機などが、連日、中台両軍の偶発的な衝突を避けるための境界線とされてきた台湾海峡の「中間線」を越えて活動していて、台湾国防部の発表によりますと、8日も延べ14機の戦闘機が「中間線」を越えました。
  沖縄県の尖閣諸島の国有化をきっかけに、中国は、海警局の船を周辺に航行させる活動を常態化させましたが、今回も、ペロシ議長の台湾訪問を口実に、台湾海峡の「中間線」を形骸化させ、台湾への軍事的な圧力を常態化させるねらいがあるとみられます。
米国防総省 米軍艦艇の台湾海峡の通過続ける
  中国軍による台湾周辺での軍事演習について、アメリカ国防総省のカール国防次官は8日、記者会見で、「中国が台湾と国際社会を威圧しようとしているのは明らかだ。これはつくられた危機であり、われわれが乗ってはいけない。それは中国に有利になるだけだ」と述べました。
  そして、これまで定期的に行っていたアメリカ軍の艦艇による台湾海峡の通過について、「今、重要なのはこの地域にいるアメリカ軍は国際水域であれば、どこでも飛行や航行を続けることを中国に理解させることだ。今後、数週間のうちに台湾海峡を通過するだろう」と述べて、引き続き、アメリカ軍の艦艇が台湾海峡を通過するとの見通しを示しました。
  また、カール次官はアメリカ軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長が去年11月、中国の軍が今後2年程度のうちに台湾に侵攻する可能性は低いとの認識を示したことに関連して、この評価に変化はあるかと問われたのに対し、「ない」と答え、これまでの見方を維持しました。


2022.08.08-朝日新聞-https://www.asahi.com/articles/ASQ884Q4GQ88UHBI00S.html
中国軍、8日も演習を継続 日米豪の非難への「あてつけ」で延長か
(北京=高田正幸)

  中国軍で台湾方面を担当する東部戦区は8日、台湾周辺の海空域で演習を継続していると発表した。当初は4~7日の日程で実弾を使った演習を行うとして台湾周辺の六つのエリアを封鎖していたが、さらに演習を続けていることを明らかにしたものだ

  東部戦区によると、この日は潜水艦に対する対応や海上での攻撃を想定した演習を行っている。
  中国紙環球時報の前編集長の胡錫進氏は8日未明、ツイッターで「演習は日曜日(7日)正午までの予定だったが延期された。これは米国、日本、豪州の警告に向けた侮りを示すものだ」と投稿。日米豪の外相は5日付で、中国軍の軍事演習の非難し、中止を求める声明を公表。これへの「あてつけ」の狙いがあるという見方を示唆した。
  4~7日の演習はペロシ氏が2日深夜に台湾に到着した直後、中国軍が国営メディアを通じて公表した。一部のエリアは台湾が主張する領海内の地域を含んでいた。さらに台湾海峡の演習エリアは中間線の台湾側に及んでいた。
 演習が始まる前から連日、中国軍用機や軍艦が中間線を越えて台湾側に侵入した。特に中国軍艦が中間線を越えるのは、極めてまれだ。4日には台湾の東側海域に向けて弾道ミサイルを発射し、5発が日本の排他的経済水域(EEZ)に落下した。
  台湾では、こうした演習が常態化することに懸念の声も出ている
(北京=高田正幸)


2022.08.08-REUTERS-https://www.reuters.com/article/idJP2022080701000359
中国軍の大規模演習が終了

  【北京、台北共同】中国人民解放軍が台湾周辺で4日から展開してきた大規模な重要軍事演習行動」は7日正午(日本時間同日午後1時)、終了予定時刻を迎えた。多数の艦船や軍用機、ミサイル、ドローンを投入し、台湾を包囲、攻撃する想定で実弾演習を実施した。台湾だけでなく米国や日本を威嚇する意図が鮮明で、地域の外交、安全保障環境は悪化した。

  台湾国防部(国防省)は7日、中国軍が同日午前に台湾海峡で行った演習で台湾本島と台湾の艦船に対する攻撃を想定したと発表。中国軍東部戦区は7日、火力による地上への攻撃と遠距離からの空中への攻撃の訓練を同日に重点的に実施したと発表した。
【共同通信】


2022.07.25-東京新聞-https://www.tokyo-np.co.jp/article/191762
中国無人機、沖縄を通過 防衛省確認、初の単独飛行

  防衛省統合幕僚監部は25日、中国のTB001偵察・攻撃型無人機が同日、沖縄本島と宮古島の間を南下し、東シナ海から太平洋へ飛行したと発表した。さらに無人機は台湾の東側へ向かった航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)して対応した。領空侵犯はなかった。

  防衛省によると、沖縄本島と宮古島の間を中国の無人機が単独で飛行し、通過したのを確認したのは初めてとしている。中国は無人機の開発を強化しており、防衛省は活動の拡大に警戒を強めている。
  TB001は25日午前から午後にかけて飛行した。太平洋側へ抜けた後、台湾方向へ移動。台湾の東側では周回するように飛行した。


2022.07.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220704-HU44BVFFUBIBVMLEYCXYPVNYIM/
中国、戦争外の軍事行動規定 グレーゾーンに警戒も

  【北京=三塚聖平】中国の習近平政権が戦争以外の軍隊の行動に関する規定を6月に施行した。突発的事態への対処などの軍の活動に法的なよりどころを与えるのが目的だが、具体的な狙いは明らかにされていない。台湾海峡や南シナ海などを念頭に、戦争には至らない「グレーゾーン」の段階での軍隊の役割を明確化する思惑もうかがえ、周辺国が警戒を高める可能性がある。

  規定は「軍隊非戦争軍事行動要綱」。中国軍トップの中央軍事委員会主席を兼ねる習国家主席の署名を経て6月15日に施行された。全6章59条で構成されているというが、中国メディアは全文を報じていない
  主な目的として、突発的事態の対応人民の生命や財産の保護国家の主権、安全、発展の利益の擁護世界平和と地域の安定の擁護-を挙げ、「非戦争軍事行動」に法的な根拠を与えるものだとしている

  非戦争軍事行動は戦争ではない状況での軍隊の行動を指し、1990年代に米軍が示した概念とされる。具体的には、対テロや治安維持、海上治安活動、国際的な平和維持活動、災害救助などがある。中国国防省の譚克非(たん・こくひ)報道官は6月30日の記者会見で「新時代の軍隊の使命、任務を有効に履行するのに重要な意義がある」と強調した。
  ただ、中国側が規定の具体的な狙いをはっきりと説明していないことが論議を呼んでいる。台湾メディアは規定について、中国軍が台湾統一に向けて「グレーゾーンの行動を遂行するための隠れみの」とする可能性があるとして警戒を強めている。

  中国側の過去の発言を見ると、自国の海洋権益を守るために活用することを想定している可能性もある。中国空軍出身の軍事理論家、喬良(きょう・りょう)氏は2018年12月に「非戦争軍事行動は南シナ海問題で最も実行可能で最も良い対応方法だ」との考えを共産党機関紙、人民日報系の環球時報(電子版)で表明。喬氏は南シナ海でのグレーゾーンの対応として、中国が領海と主張する海域に入った船舶への抗議などだけでなく、「発砲や流血」が起きつつも戦争には至らない「制御可能な非戦争軍事行動」があるとの考えを示している。


2022.06.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220617-ZFU2AIELDVIGPDVNWTD4O2CR24/
中国3隻目の空母「福建」が進水

  【北京=三塚聖平】中国国営新華社通信によると、中国が上海市で建造していた3隻目の空母が17日に進水し、「福建」と命名された。国産空母としては2隻目。従来の中国空母より大型化し、艦載機の発艦能力を高める電磁式カタパルト(射出機)を備えている

  就役すれば、中国の空母は旧ソ連製を改修した「遼寧」(2012年就役)、初の国産「山東」(19年就役)と合わせた3隻態勢となる。習近平国家主席は「海洋強国」の掛け声の下、空母の整備を急いできた。習氏は、今秋の中国共産党大会で総書記として3期目入りを目指しており、海軍力増強を自らの成果としてアピールし、求心力を高める狙いとみられる。
  新空母は原子力ではなく通常動力で稼働し、満載排水量は8万トン余り。従来の空母2隻は、艦首部分に傾斜をつけた甲板から艦載機を発進させるスキージャンプ式だったが、新空母は、リニアモーターの原理を応用した最新鋭の電磁式カタパルトを採用したと中国メディアが伝えている。
  17日に行われた進水式には、中国軍の制服組トップ、許其亮(きょ・きりょう)中央軍事委員会副主席が出席した。今後、試験航行や装備の取り付け作業などを経て、24年以降に就役するという見通しが伝えられている。
  新空母は、中国海軍の創設記念日である4月23日前後に進水することが見込まれていたが、3月下旬から約2カ月間続いた上海のロックダウン(都市封鎖)で遅れたとみられている。


2022.06.17-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220617/k10013676151000.html
中国海軍3隻目の空母「福建」が進水 中国 国営メディア

  中国の国営メディアは、海軍が建造を進めていた3隻目の空母が17日、進水したと伝えました。最新鋭の空母をアピールすることで、習近平国家主席の求心力を高めるねらいがあるとみられますが、アメリカや周辺国の警戒感がさらに強まることは避けられない見通しです。

  中国国営の新華社通信によりますと、海軍が建造を進めていた中国としては3隻目となる空母の進水式と命名式が現地時間の17日午前、上海の造船所で行われました。空母は「福建」と名付けられ、排水量は8万トン余りとすでに就役している2隻の空母と比べて大型化しています。さらに、艦載機を加速して発進させることができる電磁式の「カタパルト」という装置が初めて装備されたとしています。

   中国は「今世紀半ばまでに世界一流の軍隊をつくる」という目標を掲げて軍事力の増強を進めていて、これまでに初の空母「遼寧」と、初の国産空母「山東」の2隻を就役させるなど、とりわけ海軍力の強化に力を入れています。
  このうち、2017年に進水した「山東」は、装備の取り付けや航行試験などを経て就役までに2年余りかかっていることから、今回の「福建」も就役には数年かかるとみられます
  中国としては、習近平国家主席の共産党トップとして異例の3期目入りがかかることし後半の党大会を前に、最新鋭の空母をアピールすることで、習主席の求心力を高めるねらいがあるとみられますが、急速な軍備の増強にアメリカや周辺国の警戒感がさらに強まることは避けられない見通しです。
松野官房長官「重大な関心を持って関連動向を注視」
  松野官房長官は午後の記者会見で「中国は3隻目の空母の建造を含め、海上戦力の近代化を急速に推進している。こうした軍事力の広範かつ急速な強化に加え、海空域での軍事活動などの急速な拡大、活発化や国防政策の不透明性などを踏まえれば、中国の軍事動向はわが国を含む地域と国際社会の強い懸念となっており、今後とも重大な関心を持って関連動向を注視する」と述べました。


2022.06.13-JINF(国家基本問題研究所)-https://jinf.jp/feedback/archives/38039
中国のカンボジア軍事進出の狙い 冨山泰(国基研企画委員兼研究員)

  中国がカンボジア海軍基地の改修に着手した。2年後に完成すれば、その一部を中国海軍が使用する見込みで、中国海軍にとって、アフリカ北東部のジブチに続いて2カ所目インド太平洋地域では初の恒久的な海外拠点となる。中国の軍事拠点がインド太平洋地域でこれ以上増えないように、日本は米国、オーストラリアなどと調整しながら、域内途上国への援助戦略を再構築しなければならない。
「佐世保」の半分の広さ
  6月8日の着工式典で改修が始まったのは、カンボジア南西部の港町シアヌークビル近くにあるカンボジア海軍のリアム基地だ。改修は中国の無償援助で行われ、中国企業が中国軍の技術者と協力し、船舶修理用の乾ドック、メンテナンス工場、二つの埠頭、電気・上下水道施設などを建設する。軍艦が入港できるように、海底のしゅんせつ工事も開始されたもようだ。

  米紙報道によると、改修後、リアム海軍基地の敷地面積の約3分の1に当たる約24万平方メートルを中国海軍が独占的に使用する。この広さは東京ドーム5個分で、長崎県の米海軍佐世保基地の中核を成す「佐世保海軍施設」の敷地面積(約46万平方メートル)の約半分に相当する。

  中国がカンボジアで軍事利用しそうなのは海軍基地だけではない。リアム基地の北西約60キロの「カンボジア・中国総合投資開発試験区」では中国企業がダラサコル国際空港を建設中だ。長さ3800メートルの滑走路が1本、3200メートルの滑走路が2本造られる予定で、既に3200メートルの1本が完成しており、今年中に部分的に開業する見通しだ。
  成田空港の滑走路が現時点で4000メートルと2500メートルの2本しかないことを考えると、リゾート開発を表看板とする壮大過ぎる国際空港建設事業は疑念を生む。これだけの長さの滑走路が3本もあれば、中国空軍の長距離爆撃機や大型輸送機の発着が十分に可能だからである。
南シナ海や台湾有事にらむ
  リアム海軍基地とダラサコル国際空港はどちらもシャム湾に面し、係争地の南シナ海に近接している。中国軍がこれらの施設を利用すれば、南シナ海を航行する米国とその同盟国の軍艦の動きを監視しやすくなるし、南シナ海や台湾の有事の際には作戦行動の拠点として使うことができる。リアム海軍基地には、米国の全地球測位システム(GPS)の中国版で軍事利用可能な北斗の地上局も設置されている。
  中国は4月に南太平洋の島国ソロモン諸島と安全保障協定を結び、将来の軍事拠点として利用しかねないと米豪両国などの警戒を引き起こしたが、軍事拠点にする時期は既に施設が存在するカンボジアの方がずっと早いのではないか。

  米国防総省の中国の軍事力に関する年次報告書は、中国軍が海外の基地あるいは兵たん拠点として考慮しそうな候補国として、インド太平洋地域ではカンボジアの他、ミャンマー、タイ、シンガポール、インドネシア、パキスタン、スリランカを列挙している。
日米豪は対応後手に回る
  中国が建国100周年の2049年までに「世界一流」の軍事力を持つとの国家目標に向かってまい進しているのに対し、日米豪を中心とするインド太平洋の民主主義陣営の対応は後手に回っている。中国がチャイナ・マネーを武器に開発途上国への影響力を拡大しているから、民主主義国側も途上国の需要に応じた支援が不可欠だ。
  例えば、東南アジアや南太平洋の諸国は排他的経済水域(EEZ)内における中国漁船団の違法操業に悩まされているので、岸田文雄首相がシンガポールのアジア安全保障会議(シャングリラ対話)で6月10日、インド太平洋の20カ国以上に今後3年間で少なくとも20億ドルを援助して巡視船供与や海上法執行能力強化を行うと表明したのは、時宜を得たものだった。
  そうした海洋安全保障問題以外に、特に太平洋島しょ国では、気候変動に伴う海面の上昇が文字通り国家の存亡を左右する重大問題になっている。米豪両国などと連携しながら域内諸国のニーズを吸い上げて適切な援助を実行する努力が欠かせない。


2022.03.06-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM043V70U2A300C2000000/
中国、国防費7.1%増で伸び拡大 台湾統一へ軍備増強

  【北京=羽田野主】5日開幕した中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が審議する2022年予算案で、国防費は前年比7.1%増えた。経済成長が鈍るなか伸び率は前年(6.8%)を上回った。ロシアによるウクライナ侵攻で中国の台湾への対応が注目されるが、台湾統一に向けて軍備増強を進める姿勢を示した。

  国防費は1兆4504億元(約26兆3000億円)と米国に続く世界第2位で、日本の防衛予算の4倍以上ある。伸び率は2年連続で拡大し、19年以来3年ぶりの高さ。
  22年の経済成長率は目標で5.5%にとどまり、21年(8.1%)から大幅に減速しそう。成長率に逆行して国防費の伸びを拡大したのは台湾問題が念頭にある。

  李克強(リー・クォーチャン)首相は5日の政府活動報告で台湾について「外部勢力の介入に断固反対する」と述べた。米国や日本を意識した発言とみられる。12年に習近平(シー・ジンピン)指導部が発足して以来、初めての表現だ。
  これまでは中台の経済交流を進める方針を盛り込んできたが、今回からなくなった。「両岸(中台)の同胞は民族復興を共になし遂げなければならない」とし、中台統一に協力することを台湾人の義務だと位置づけた。

  「台湾問題解決の総合的な方策を貫徹する」と初めて書き込んだ。習指導部が平和統一を軸にしながらも武力行使の可能性を排除しないことを示唆したとみられる。
  中国は中国大陸と台湾が一つの国に属するとする「一つの中国」原則を掲げ、台湾との平和統一を探ってきた。台湾では独立志向の強い民進党が政権を握っており、習指導部は近年、武力統一も排除しない姿勢を示す。
  李氏は活動報告で「外部環境はさらに複雑で厳しさを増した」と述べるにとどめ、ロシアによるウクライナ侵攻に直接言及しなかった。活動報告の起草にかかわった国務院(政府)研究室の向東副主任は5日の記者会見で「様々な要素を十分に考慮した」と述べ、ウクライナ情勢も踏まえて経済成長目標などを設定したことを示唆した。



2021.11.27-テレ朝 news-https://news.yahoo.co.jp/articles/4d814ded1d27dbc4536d66bcb1ddf3fe1b87399f
中国軍が台湾海峡周辺で「戦闘に備えたパトロール」

  中国軍は、台湾海峡周辺で海軍と空軍が合同で戦闘に備えたパトロールを行ったと発表しました。

  台湾では、蔡英文総統がアメリカの超党派議員団と会談していました。  中国軍で台湾海峡を管轄する東部戦区は26日、「海軍空軍の兵力を動員し、台湾海峡方面で戦闘に備えたパトロールを実施した」と発表しました。  「国家主権と領土保全を守ることは中国軍の神聖な使命だ」とし、「あらゆる外部勢力による干渉と、『台湾独立』のたくらみに反撃する」と強調しています。  台湾の蔡英文総統は、同じ26日にアメリカのマーク・タカノ下院議員が代表を務める超党派議員らと会談し、貿易協定に関する協議を通して関係を強化したいと述べていました。
(テレビ朝日)


2021.11.25-熊本日日新聞(共同通信社)-https://kumanichi.com/articles/478930
中国、極超音速兵器を相当数配備-国防省が発表、軍備増強懸念も

  【北京共同】中国国防省の呉謙報道官は25日の定例記者会見で、中国軍が極超音速滑空兵器を搭載する新型弾道ミサイル「東風17」を既に相当数配備していると発表した。戦いの在り方を一変させる可能性がある次世代兵器と位置付けられており、中国の軍備増強に対する米国や台湾の懸念が高まりそうだ

  米国防総省が3日発表した報告書は、中国のロケット軍が2020年に東風17の運用を始めたと指摘していた。香港メディアによると、東風17は台湾に向けたミサイル基地にも配備されている。

 呉氏は、対艦弾道ミサイル「東風26」も同様に配備していると述べた。


2021.11.09-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211109/k10013340691000.html
中国 砂漠に米空母の実物大模型 ミサイル命中させる訓練目的か

  中国の新疆ウイグル自治区にある砂漠でアメリカ海軍の空母や駆逐艦の実物大の模型が衛星写真で捉えられました。
  専門家は、航行中の艦船に見立てて弾道ミサイルを命中させる訓練を行うためのもので、台湾への関与を強めるアメリカを意識した動きだと指摘しています。

  ロイター通信などによりますと中国の新疆ウイグル自治区にあるタクラマカン砂漠で、10月、アメリカ海軍の空母1隻と駆逐艦2隻の実物大の模型が衛星写真で捉えられたということです。
  アメリカの衛星会社「マクサー・テクノロジーズ」、弾道ミサイルの発射実験の演習場とみられる場所につくられていて、レールの上に乗った模型も確認できるということです。
  防衛省の元情報分析官で軍事アナリストの西村金一氏は「レールに沿って模型を移動させることで航行中の空母などに見立てて弾道ミサイルを命中させる訓練を行うのが目的とみられる。以前は確認されておらず、台湾への関与を強めるアメリカを意識した動きだ」と指摘しています。
  そのうえで、衛星から発見されにくいようにする様子が見られないことから、中国が艦船などへの打撃力を着実に高めていることを示すねらいもあると分析しています。


2021.11.04-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/40c665a5b40a59539362f9fcf1d1a3b1aaa9d75a
中国の台湾侵攻「1~2年以内はないが…」 米制服組トップ

  【ワシントン=渡辺浩生】米軍制服組トップのミリー米統合参謀本部議長は3日、米シンクタンク「アスペン研究所」主催の安全保障フォーラムで、中国による台湾侵攻は近い将来あるのかとの質問に対し「近い将来にあるとは思わない。(近い将来を)定義づけるならば半年、12カ月、24カ月、そんな間隔だ」と述べ、1~2年以内は台湾侵攻はないとの見方を示した。

   ただしミリー氏は、中国軍が台湾統一を「歴史的任務」とする習近平指導部に対し、「武力侵攻の選択肢を提示できるよう能力を構築しているのは明らかだ」と強調し、将来的に習指導部が武力統一を選択する可能性を示唆した。
  中国の台湾侵攻のシナリオについて米国防総省は3日、議会に示した中国の軍事動向に関する報告書で、中国人民解放軍が軍創設100年の2027年までの近代化目標を達成すれば、台湾有事に「より信頼できる軍事オプションを指導部に示すことが可能となる」と分析している。
  一方、バイデン米政権では、中国側が急ぐ侵攻準備を受けて、台湾防衛の意思を戦略的に曖昧にしてきた従来の台湾関与を見直し「戦略的明確さ」に転換する可能性が取り沙汰されている。
  ミリー氏は、台湾関係法などに基づく現行の「戦略的曖昧さ」は成功を収めてきたと指摘。見直しにはリスクもあり慎重な検討が必要とし、「しばらくの間は継続する」との見方を示している。
  さらに同氏は「中国が国際秩序を自国に都合の良い秩序に変えるよう並外れた力を備えている」と指摘。「今後10~20年間が米国にとり非常に重大な時期になる」と述べ、米中対立の長期化に米国はあらゆる備えを続けるべきだと訴えた。 中国の台湾侵攻の時期をめぐっては今年3月、米インド太平洋軍のデービッドソン司令官(当時)が上院公聴会で「6年以内」に起きる可能性を語っている。


2021.11.04-REUTERS-https://jp.reuters.com/article/usa-china-military-idJPKBN2HP00X
中国の核弾頭は30年までに1000発に増加、米国防総省が報告書

  [ワシントン 3日 ロイター] - 中国の核戦力は今後急速に強化され、核弾頭数が2027年までに700発、30年までに1000発に達する恐れがある――。米国防総省は3日公表した中国の軍事力に関する年次報告書でこう警告した。

  米国は現在核弾頭を3750発保有し、そのうち1389発を実戦配備している。それに比べればまだずっと少ないものの、昨年時点で30年までに400発としていた見積もりが大きく上方修正された。
  報告書は、中国による台湾への圧力が高まり続けている点に改めて懸念を示したほか、中国の化学・生物兵器開発、軍事技術の進歩にも言及した。ただ特に強調したのは、核戦力の増強だ。「向こう10年で中国は核戦力の最新化、多様化と拡大を目指している」という。
  米政府は、米国とロシアの新たな核軍縮条約の枠組みに中国も参加するよう繰り返し呼び掛けている一方中国側は、自国の核戦力は米ロ両国と比較にならないほど小さいと主張し、対話する用意はあるが、それは米国が中国並みに核保有を減らした場合に限ると表明している

  米シンクタンク「軍備管理協会」のエグゼクティブディレクター、ダリル・キンボール氏は「中国がこの米国の見積もりに沿った動きをするかどうかは、米国の政策と行動に大きな影響を与える。中国がこうした水準まで核戦力を引き上げる可能性こそが、核戦争リスクを減らすための二国間ないし多国間の実際的な協議が緊急に必要なことを浮き彫りにしている」と指摘した。


2021.10.25-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/211025/mcb2110250913006-n1.htm
中国海事局、1万トン級巡視船を配備 南シナ海の巡視活動強化

  中国防衛軍(防衛)-1【北京=三塚聖平】中国で海上の交通管理などを担う海事局は24日までに、同局初の1万トン級巡視船「海巡09」を中国南部の広東省広州に配備した。実効支配を強めている南シナ海などで巡視活動に当たるとみられる。中国は海事局の権限を強化する法改正も行っており、周辺国との間で緊張が高まる恐れもある。

  中国メディアによると、新たな巡視船は23日に配備された。2019年に建造を始め、全長165メートル、満載排水量1万3000トンで、90日間の航行が可能だという。ヘリコプターも搭載でき、法執行のための放水システムも装備している。 中国共産党機関紙、人民日報のウェブサイト「人民網」は「国家海洋権益の確保に重要な意義がある」と配備の必要性を強調した。
   中国は9月、交通運輸省に属する海事局の権限を強化する「改正海上交通安全法」を施行した。中国の領海を脅かす可能性があると判断した外国船に退去を命じて追跡する権限を与えており、海巡09がそうした活動にも従事する可能性がある。

   「海洋強国」を掲げる習近平政権は、2月に海上警備を担う海警局の武器使用権限を明確化した「海警法」を施行するなど、海洋権益確保に向けて法律、装備の両面で態勢固めを進めている。一方、中国国防省は23日、中国とロシアの両国海軍が今月17~23日に西太平洋の海域で初の合同巡視航行を行ったと発表した。同省は「国際法の関連規定を厳格に順守し、他国の領海には進入しなかった」と主張した。
   人民日報系の環球時報(電子版)は、「宣伝」だけでなく「実戦に向けて重要な意味を持つ」という識者の見方を伝えた。この識者は「中露は国連安全保障理事会の常任理事国として世界平和を守る共通の責任を担っている」とも強調した。


2021.10.23-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20211023-CACMXFPW65JI3AKKQT3NDGCFNA/
中国、陸地国境法が成立 国境地帯に基地建設

  【北京=三塚聖平】中国の立法機関、全国人民代表大会(全人代)の常務委員会は23日、陸上の国境管理を強化するための「陸地国境法」を可決、成立させた。同法は「国家主権と領土保全を守る」ことを掲げ、国境の中国側に防衛施設を建設できると定めた。係争地域を抱えるインドとは軍による衝突が発生しており、強硬姿勢を強める可能性もある。

  来年1月1日に施行する。法案では、中国人民解放軍と人民武装警察部隊(武警)が、国境地帯で武装侵略を食い止め、重大な突発事件やテロ活動に対処すると規定した。市民に対しては国境警備に関する協力を求めている。
  国が国境防衛に必要だと判断すれば、国境の「中国側」において交通や通信、監視、防衛などのインフラ施設の設置や、立ち入り禁止区域の設定ができると明記した。違法な出入国者が暴力行為に及んだ場合には、当局者の武器使用を認める。国境付近でドローン(無人機)を許可なく飛ばすことも禁じている。

  一方で、国境をめぐる隣国との係争に関して「対等、相互信頼、友好協議」を原則に協議を通じて適切に解決するとも示した。
  習近平政権は海上では、南シナ海の人工島に防衛施設を設置するなどして実効支配を強化し、各国との間で摩擦が生じている。中国の陸地国境線の長さは2万2000キロ余りで14カ国と国境を接しており、法整備を進めて陸上でも同様の対応をとることが考えられる。

  全人代常務委は23日、家庭でのしつけ充実を求める「家庭教育促進法」も可決し、来年1月1日に施行する。法案では、未成年者の心身の健康や十分な睡眠などを確実にするよう保護者に求めている。子供の著しい不良行為に関して保護者への訓戒も定めた。


2021.10.20-Yahoo!Japanニュース(中央日報)-https://news.yahoo.co.jp/articles/e3ed9592458eb1cadbd96eb43cbb4bed1e200aa2
中国「米国潜水艦衝突、事故原因を明らかにしろ」

  米国原子力潜水艦が今月初めにインド太平洋で未知の物体と衝突していた事故に関連して中国国防部が正確な事故原因と背景を明らかにするよう求めるコメントを発表した。
   20日、中国国防部のホームページによると、譚克非報道官は記者との問答形式の論評を通じて「中国は今回の事件に深い懸念を表し、米国側に説明を要求する」とし「米国は当事国として事件関連の状況を詳しく説明する責任と義務がある」と主張した。 特に米国が原子力潜水艦衝突事故の5日後に事故の事実を明らかにした点を強調して「このように無責任で、隠そうとする方法は誤解と誤判断を呼びやすい」とし「中国と南シナ海周辺国は事件の真相と米国の意図を疑うざるを得ない」と非難した。 米海軍は7日(現地時間)、報道資料を出してシーウルフ級高速攻撃型原子力潜水艦コネチカット(SSN-22)が今月2日午後、インド太平洋の公海で作戦中に特定物体と衝突したとし、命にかかわるほどの負傷はなく、潜水艦は安全で安定した状態だと発表した。


2021.08.10-Yahoo!Japanニュース(JB press)-https://news.yahoo.co.jp/articles/d48a07b9be8918c69bb949a6fe9736907ac0b295
合同軍事演習で「準同盟化」する中ロ、いずれ矛先は北方領土に
近藤 大介
(1)
  8月8日に東京オリンピックが閉幕すると、日本では10日から甲子園の高校野球が始まったが、隣の中国では、9日朝からおどろおどろしい軍事演習が本格的に始まった
  中国西部の寧夏(ねいか)回族自治区で、13日まで行われるロシア軍との合同軍事演習「西部連合-2021」である。

■ 年々規模が大きくなる合同演習
  1979年の中越戦争でベトコンを多数殺戮し、「ベトナムの虎」の異名を取った李作成Li Zuocheng)中央軍事委員会連合参謀部参謀長が、開始式典で演習開始命令を発令した。
   中国とロシアは、2004年10月に4374kmの国境を完全に画定した。これを祝して、2005年8月18日~25日に、初の合同軍事演習「平和の使命-2005」を行った。この時の中国側の責任者は、梁光烈Liang Guanglie)総参謀長だった。
   中国がロシアと合同軍事演習をおっぱじめた目的は主に2つあって、1つは-スホイ戦闘機など、ロシア製の最新兵器を売ってもらうこと。もう1つは-中ロが組んで、アフガニスタン戦争、イラク戦争とのめり込むアメリカに対抗することだった。
  以後、中ロ合同軍事演習は年を追うごとに規模や内容が拡大、深化していき、今年も特大の合同軍事演習となった。
   7月29日に行った中国国防部の定例記者会見の冒頭で、呉謙(Wu Qian)報道官はこう述べた。
   「今回の演習のテーマは、地域の安全と安定を合同で維持、保護することだ。中ロ両軍で連合指揮センターを設置する。中国は主に西部戦区の部隊が参加し、ロシアは東部軍区の部隊が参加する。双方の兵力は合わせて1万人余りで、多数の航空機、火砲・装甲装備を用いる。混合編隊、合同作戦、混成訓練とし、共同で部隊の連合偵察警備、サイバー攻撃、連合打撃殲滅などの検査実験を行い、能力を高めていく。

   今回の演習の目的は、中ロ新時代の全面的な戦略的パートナーシップ関係を強固にし発展させ、両軍の実務提携と伝統的な友誼を深化させることだ。それによって双方が、テロ組織に対してさらなる打撃を与え、共同で地域の平和と安全を維持・保護する決意と能力を示していくのだ」
■ 隠せない米国への敵意
  中国がここまでロシアとの合同軍事演習に肩入れする目的は、主に3つある。
   第一に、所期の目的通りアメリカへの対抗である。呉報道官の会見で、一番苛立った顔つきで述べたのが、次の2つのくだりだった。 「今年に入って、アメリカ軍の中国に対する近距離偵察の活動は、ますます強まっている。アメリカ軍は多くの海洋探査船を南シナ海に展開し、海上および上空で中国に対して近距離偵察を行った回数は、2000回近くに上る。アメリカのこのような行動は、中国の安全という国益を損害し、南シナ海の行動の自由に脅威を与え、南シナ海の『軍事化』を加速させ、地域の平和と安定を破壊するもので、われわれは固く反対する」  「アメリカはインターネット空間の軍事化を余すところなく推進しており、サイバー攻撃能力を大きく発展させている。ウィキリークスの創始者アサンジ氏が暴露したところによれば、アメリカが開発したサイバー兵器は2000種類以上に及び、世界最大のサイバー兵器大国だ」  このように、アメリカへの怒りを炸裂させたのだった。
(2)
■ すべては「台湾統一」のために
  前述の2004年のロシアとの国境画定は、中国側が多少譲歩したものだった。それでも中国がロシアとの国境画定を急いだのは、ロシア側に張り付いている陸軍を減らし、台湾統一のために必要な海空軍を増強させたいためだった。
    習近平政権に入って、南シナ海で7つもの人工島を造成したのも、台湾統一のためには南シナ海の支配が必要不可欠と判断したことが大きかった。昨今、活発化させているサイバー攻撃も、やはり台湾統一のための最大の障害となっているアメリカ軍を、中国近海から駆逐する意味合いがある。

   第二に新疆ウイグル問題である。今世紀初頭にロシアは、チェチェンのイスラム勢力を完全に制圧してウラジーミル・プーチン長期政権が築かれた。同様に中国も、新疆ウイグル自治区のイスラム勢力を完全に制圧して、習近平長期政権を築こうとしている。新疆ウイグル自治区で演習を行うとあまりに露骨なので、同じ「イスラム圏」である寧夏回族自治区にしたのかもしれない
   第三はアフガニスタン問題だ。周知のように、アメリカのジョー・バイデン大統領は、9月11日までにアメリカ軍をアフガニスタンから完全撤退させると宣言している。アメリカ軍が撤退した後のアフガニスタンは、イスラム急進派勢力のタリバンが支配するのは確実だ。そこでウイグルとチェチェンを有する中国とロシアは、タリバンと中ロのイスラム独立勢力が組まないよう、軍事的な威嚇を見せたというわけだ。
■ 日本も対岸の火事ではない
  この「中ロ準同盟」とも言える合同軍事演習は、一見すると日本とは無関係のようだが、日本が「次はわが身」となるリスクを秘めていることを忘れてはならない。それは、「中ロ準同盟」の次の矛先が、北方領土に向かう可能性があるからだ。
   プーチン大統領は、安倍晋三前首相と26回も会談し、北方領土の返還問題に手を付けないで、北方領土の経済を日本と共同で発展させようとした。だがそれは絵に描いた餅だと悟り、昨年7月に憲法を改正。北方領土問題を完全に封印してしまった。
   日本側も、昨年9月に安倍政権から菅義偉政権に代わった。だが、残念ながら現在まで、菅外交など無きに等しい。
   そんな中、7月26日にミハイル・ミシュスティン首相が択捉島を電撃訪問し、北方領土の経済特区構想をブチ上げたのだ。これは、中国が進めている海南島の経済特区を模倣しようとしているように見受けられる。
   そもそもロシアは、自力で北方領土経済を発展させられないから日本を頼ったわけで、日本がダメなら中国を頼るのは、自然な流れだ。中国でも、「国後ナマコ」は中華料理の最高級食材の1つで、これまでも北方領土に熱い視線を送ってきた。
   6月28日、習近平主席とプーチン大統領が、オンラインの首脳会談を開き、7月に締結20周年を迎えた中ロ善隣友好協力条約を延長することで合意した。この会談で、「北方領土問題も話し合われたかもしれない
(3)
■ 安倍前首相の台湾訪問を中国は警戒
  この先、中国側は2つの局面で、「北方領土カード」を切ってくる可能性がある。1つは、年内に開かれる予定の今年2回目の「日米2+2」で、日本国内にアメリカ製の中距離ミサイルを配備する問題が進展した場合だ。これは中国とロシアが、ともに大いに警戒している。
   もう1つは、安倍前首相が秋の総選挙後に、台湾訪問を敢行した場合である。安倍前首相の台湾訪問は、たびたび取り沙汰されているが、中国は強硬に反対している。
   そもそも安倍前首相があれほどロシアとの友好親善に熱心だったのは、中国を牽制する目的が大きかったそれが自らの台湾訪問で中国を北方領土に招き入れてしまうことになれば、こんな皮肉はない。
   ともあれ、中ロ合同軍事演習の華々しい中国のニュースを見ていると、「次は北方領土」に思えてならない。近藤 大介


2021.05.03-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210503/mcb2105032045007-n1.htm
就役の中国・原潜、米本土射程のSLBM搭載が可能 香港紙

  【北京=三塚聖平】香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは3日までに、4月下旬に就役した中国軍の原子力潜水艦が、中国近海から米本土の大部分を射程に収める新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載可能だと報じた。実際に搭載されていれば、米国にとり大きな脅威になる。

  中国は4月23日に海南省三亜(海南島)で、「晋」級戦略原子力潜水艦など3隻の就役式を行った。同紙は海軍筋の情報として、新たに就役した原潜は静粛性を高めた晋級の改良型で、推定射程1万キロ超の新型SLBM「巨浪(JL)3」を搭載できると伝えた。

  中国が現在保有するJL2(推定射程約8000キロ)は中国近海から北米の一部にしか届かないが、この海軍筋は、原潜の改良で「今や米本土全体をカバーできる」と述べ、実際にJL3が搭載されている可能性を示唆した。


2021.05.02-産経新聞 THE SANKEI WEB-https://www.sankei.com/world/news/210502/wor2105020011-n1.html
中国空母が南シナ海訓練「今後も常態化」

  中国海軍は2日、中国の空母「山東」の部隊が南シナ海で訓練を実施したと発表した。中国は南シナ海の広い範囲で領有権などを主張しており、海軍報道官は「国家の主権を守る能力を向上させる」と強調した。対中圧力を強める米国を牽制(けんせい)する狙いとみられる。

  訓練は最近行ったとしている。報道官は「年間計画に基づく定例訓練であり、完全に正当で合法的だ」と指摘した。「今後も常態的に同様の訓練をする」とも述べた。
  中国は4月に空母「遼寧」も南下させた。米海軍は同艦とみられる船がフィリピン海で米駆逐艦と並走する写真を公開。同月、米原子力空母セオドア・ルーズベルトも南シナ海を航行した。
  中国は南シナ海のほぼ全域で領有権などの権益を主張し、フィリピンなど周辺諸国と対立している。(共同)


2021.04.29-Yahoo!Janan(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/061810d9262cc28d6f3c15aa5593ae070ebb84f0
中国全人代常務委、海上交通安全法可決 海警法に続き当局の権限強化へ

  【北京=三塚聖平】中国の立法機関、全国人民代表大会(全人代)の常務委員会は29日に北京で開いた会議で、海事当局の権限を強化する海上交通安全法の改正草案を可決した。2月に施行された海警法に続く海洋権益の維持や強化につながる措置で、中国が独自の領有権主張を展開する尖閣諸島(沖縄県石垣市)の周辺海域や南シナ海で緊張が高まる恐れがある

  中国国営新華社通信によると、改正法は9月1日に施行される。
   改正により、交通運輸省に属する海事局の権限を強化する。草案では、外国船が「中国の領海の安全を脅かす」可能性があれば、海事当局が退去を命じる権利があると明記。領海内で中国の法律に違反した外国船を追跡できるとも規定している。
   中国は、海警法の施行で海上警備を担う海警局(海警)に武器使用を認めた。海事局は、主に海上の交通管理や汚染防止などを担っている。だが、海上交通安全法改正を受け、将来的に海警と連携して尖閣周辺などで日本側と対峙(たいじ)することが懸念される。

   一方、中国国防省の呉謙報道官は29日の記者会見で、空母「遼寧」を中心とした艦艇がこのほど、台湾周辺や南シナ海の海域で定期訓練を行ったと明らかにした。呉氏は「武器装備の性能をテストし、部隊の能力レベルを高めるのが目的だ」と説明。その上で、こうした訓練を定例化するかどうかについて、「空母は『引きこもり』ではない。航海は常態化しなければならない」と強調した。


2021.04.06-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210406/k10012958401000.html
中国 “空母部隊 台湾周辺で訓練”と発表 けん制するねらいか

  中国海軍は空母の部隊が台湾の周辺海域で訓練を実施したと発表しました。「今後も常態的に訓練を行う」としていて、アメリカのバイデン政権が台湾に関与する姿勢を示すなか、海軍力を誇示してけん制するねらいもある」とみられます。中国海軍の高秀成報道官は5日夜、空母「遼寧」の部隊が台湾の周辺海域で訓練を実施したと発表しました。

  発表では「年度計画に基づく定期的な訓練で、部隊としての成果を確かめ、国の主権と安全、発展の利益を守る能力を高めるものだ。今後も常態的に同様の訓練を行う」としています。
  空母「遼寧」に関して日本の防衛省は4月3日から4日にかけてほかの5隻の艦艇とともに沖縄本島と宮古島の間の海域を通過し、東シナ海から太平洋に出たのを確認し、警戒と監視を続けていました。
  台湾を巡ってアメリカのバイデン政権はホワイトハウスの報道官が3月の記者会見で「台湾が自衛に必要な能力を維持するための支援を続けていく」と述べたほか、日米の外務・防衛の閣僚協議いわゆる「2プラス2」で「台湾海峡の平和と安定の重要性を確認したとするなど台湾への関与を続ける姿勢を示していて、中国としては海軍力を誇示してけん制するねらいもあるとみられます。


2021.03.24-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210324/mcb2103240736006-n1.htm
中国、露や北と連携 ウイグルめぐる欧米の圧力に対抗

  【上海=三塚聖平】中国の新疆ウイグル自治区でのイスラム教徒少数民族に対する人権侵害の問題をめぐり、中国と欧米諸国との亀裂が鮮明になっている。欧州連合(EU)が中国政府当局者らへの制裁を発表したことに対し、中国は「内政干渉」と猛反発し、すぐさま対抗措置に打って出た中国は、ロシアや北朝鮮といった友好国に接近し、高まる米欧の圧力に対抗する構えも見せている

  中国外務省は22日夜、EUが対中制裁の発動を決めたことを受けるとすぐ、対抗措置としてEU当局者ら10人と4団体に制裁を科すと発表した。中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は23日付の社説で「いかなる中国の利益侵害や内政干渉の行為も、断固たる報復を受ける。相手が誰であろうと、少しの例外もない」と強調した。
  EUによる対中制裁は、前身機構による1989年の天安門事件を受けた武器輸出禁止以来、初めてだった。天安門事件当時、米欧による制裁を受けて中国は経済的にも大きな打撃を受けているが、今回も強権統治が米欧との軋轢(あつれき)を生むこととなった
  今後、欧米とのさらなる関係悪化につながりそうなのが香港情勢だ


2021.03.05-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210305/mcb2103051936033-n1.htm
中国全人代 国防費を着実に増額、AI活用などで質も向上

  中国の習近平政権は5日に開幕した全国人民代表大会(全人代)に前年比6・8%増となる1兆3553億元(約22兆6200億円)の国防予算案を提出した。米国に次ぐ世界第2位の規模で、予算全体が0・2%減となる中、高い伸び率を維持した。李克強首相は同日の政府活動報告で「国家の主権と安全、発展利益を守る戦略能力を高める」と述べて、人工知能(AI)の活用も含めて軍事力を質量ともに拡充する方針を示した。

  国防予算の伸び率は、新型コロナウイルス禍で抑えられた昨年度の6・6%を上回り、前年からの増加額は約873億元(1兆4500億円)となった。総額では、日本の令和3年度防衛予算(5兆1235億円)の4倍以上となり、中国が軍事的な圧力を強める台湾と比べると約16倍、増額分だけで台湾の今年度国防予算(約1兆4200億円)に匹敵する額となった。中国の国防費の実態は公表額を上回るとの見方が主流で、実際の差はさらに大きいとみられる。

  中国は米国を念頭に、2035年までに軍の現代化を実現し今世紀半ばに世界一流の軍隊」とする目標を定めており、裏付けとなる国防費を確実に増加させた。このほか「公共安全保障支出」に前年比0・7%増の1850億元(約3兆900億円)を計上し、国内の治安維持も引き続き重視する姿勢を示した。
   李氏が政府活動報告で言及した「戦略能力の向上」は昨年の報告にはなく、軍の能力を一層増強させる方針を示したものだ。14次5カ年計画案では、機械化や情報化に加え、人工知能(AI)を活用する「知能化」を加速するとした。
   一方、李氏は「各方面・分野の安全保障リスクに統一的に対応する」とも述べ、中国を取り巻く安全保障環境が悪化しているとの認識もにじませた。27年の人民解放軍の「建軍100年奮闘目標」については科学技術や人材育成などの面で軍隊を強化すると述べたが、5カ年計画案でも具体的な目標は示さなかった。


2021.01.28-メーテレ-https://www.nagoyatv.com/news/kokusai.html?id=000205449
中国軍演習 台湾上陸想定か 米新政権へ対決姿勢

  バイデン政権の発足後、初となる中国軍の軍事演習です。  演習には複数の艦船が参加し、海上に向けて砲撃を繰り返します。  中国当局は23日から南シナ海の特定の海域で船舶の航行を禁止し、軍事演習を行っています。  上陸作戦を担う揚陸艦を中心に、砂浜に兵士や物資を降ろす訓練も実施され、南シナ海の離島や台湾への上陸を想定した可能性があります。  アメリカのバイデン新政権が発足した直後の演習で、あえて対決姿勢を鮮明にした形です



2020.12.21-産経新聞 THE SA KEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/201221/wor2012210017-n1.html
中国空母が南シナ海へ 海軍「能力向上」強調

  中国海軍は21日、空母「山東」が台湾海峡を通過し、南シナ海での演習に向かったと発表した。山東は昨年12月に就役した中国初の国産空母。海軍報道官は同艦の能力が「不断に向上している」とアピールした。
  報道官は、艦載機の離着艦などの訓練を経て山東の作戦能力が向上していると強調した。今回の演習は年間計画に沿った広域機動訓練で「今後も訓練の必要性に基づき同様の行動を続ける」と説明した。
  台湾メディアは、19日夜から20日にかけて中国の空母が台湾海峡を北から南へと航行したと報じていた。米海軍の駆逐艦も19日に同海峡を通過したばかり。(共同)


2020.11.06-ZaqZaq by 夕刊フジ-https://www.zakzak.co.jp/soc/news/201106/for2011060003-n1.html
中国海警局が尖閣で「武器使用」も 中国が海警法の草案公表 海保や日本漁船に迫る危険 識者「尖閣への日本人常駐を急げ」
(1)
  中国が警戒すべき法案成立に乗り出した。中国海警局の権限を定める海警法の草案で、外国船が中国の管轄する海域で違法に活動し、海警局の停船命令などに従わない場合は武器の使用を認めると記されているのだ。中国は沖縄県・尖閣諸島の領有権を一方的に主張しており、中国海警局の公船が連日のように周辺海域に侵入している。尖閣周辺で相対する海上保安庁や日本漁船が対象となる危険性もありそうだ。
  驚くべき草案は、中国の全国人民代表大会(全人代=国会)が4日に公表した。80条で構成され、国家主権や海洋権益を損なう行為を予防し阻止するため、海警局が領海や接続水域を含む管轄海域でパトロールや監視を行うとした。南シナ海を念頭に、人工島を守るため必要な措置を取るとも盛り込んだ。
  さらに、領海などに違法に進入した外国船を強制的に駆逐する権利があると明記し、警告の効果がない場合や緊急時は、携行している武器を使えると規定した。
  尖閣諸島は、歴史的にも国際法上も日本固有の領土だが、中国海警局の公船が頻繁に周辺海域に侵入している。海上保安庁の巡視船は4日、領海外側にある接続水域で、中国公船1隻が航行しているのを確認した。尖閣周辺で中国当局の船が確認されるのは59日連続。
(2)
東海大学海洋学部の山田吉彦教授(海洋政策)は「中国は国際法上を無視するように、力を背景に、国内法で一方的に正当化し、体系立てて海洋進出を加速している。今回の草案は、象徴的な出来事だ。米大統領選で米国が動けないタイミングを狙った動きだろう。尖閣周辺の日本漁船などを脅し、周辺海域から追い出すのが目的ではないか。日本政府は、尖閣の島々に日本人を常駐させ、実効支配を強める態勢作りを急ぐべきだ。中国は国際社会に挑戦している。ASEAN(東南アジア諸国連合)と危機感を共有し、連携して明確な対抗措置を打ち出すべきだ」と語っている。


2020.9.4-ZaqZaq by 夕刊ヒジ-https://www.zakzak.co.jp/soc/news/200904/for2009040004-n1.html
「中国艦隊、第3列島線に接近」ハワイ沖で訓練 台湾・国防部が指摘 
(1)
台湾の国防部(国防省に相当)が1日付で立法院(国会)に提出した中国軍に関する非公開の年次報告書で、中国海軍の艦隊が今年初め、米ハワイを含む「第3列島線」に初めて接近して訓練を実施したと指摘していることが3日までに、分かった。小笠原諸島や米領グアムを結ぶ「第2列島線」を越え、米国がインド太平洋軍司令部を置く戦略拠点のハワイを攻撃できる能力を誇示した。
 報告書は、南海艦隊(司令部・広東省湛江=たんこう)の遠洋航海艦隊が年初に「第3列島線に初めて接近し、(第1、第2)列島線の封鎖を突破し遠海で作戦を行う実力を対外的に示した」と指摘。中国本土から離れた海域での指揮管制能力と長期間の航海、洋上での艦艇整備などの能力を検証したと記した。中国海軍が米領グアムだけでなく、さらに遠方のハワイを含む第3列島線を脅かす戦略的な構図を示した。
 第3列島線は、アリューシャン列島やハワイ、南太平洋の米領サモアを経てニュージーランドに至る線。近年、研究者やメディアで用いられる概念で、米国防総省が1日に公表した中国の軍事力に関する報告書では言及されていない。
 台湾の国防部の報告書はまた、中国軍の轟(H)6爆撃機が射程1500キロの長距離対艦巡航ミサイル「鷹撃(YJ)100」を搭載すれば「攻撃範囲は第2列島線を越えるため、米領グアムや空母打撃群を急襲でき、接近阻止・領域拒否(A2/AD)の目的を達成できる」とも指摘。中国海空軍の長距離攻撃能力の増強に警戒感を示した。
(2)
香港の週刊紙「香港01」(電子版)は2月、南海艦隊の052D型駆逐艦、054A型フリゲート艦と大型補給艦、情報収集艦など5隻が日付変更線を東側に越えた「西半球の海域」で補給や海難救助訓練を行ったとする同艦隊の中国版ツイッター「微博」への投稿を基に、「中国の新鋭艦隊がハワイに接近した」と報道した。ハワイまでの距離は約1200キロで「巡航ミサイルを発射すれば、ハワイを直接脅かすことができる」とする元軍高官の言葉を紹介した。(田中靖人)


2020.8.27-JIJI.COM.-https://www.jiji.com/jc/article?k=2020082700234&g=int
中国、南シナ海に弾道ミサイル4発発射 「空母キラー」で米けん制

  【ワシントン、北京時事】米国防当局者は26日、中国軍が中国本土から南シナ海に向けて中距離弾道ミサイル4発を発射したと明らかにした。中国は25日に米軍偵察機が軍事演習区域を飛行したと非難したばかり。今回の発射には中国の南シナ海領有権主張を否定し、経済・軍事両面で対中圧力を強めるトランプ米政権をけん制する意図があるとみられる。

  当局者によると、弾道ミサイルは南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島と海南島に挟まれた航行禁止海域に着弾した。「ミサイルの種類については現在分析中」という。
  これに先立ち、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(電子版)は中国軍が対艦ミサイル2発を発射したと報じていた。それによると、中国軍は26日午前、内陸部の青海省から「東風26」(推定射程4000キロ)、沿岸部の浙江省から「東風21D」(同1500キロ)を1発ずつ発射。中国軍筋は「米軍が頻繁に軍用機や艦艇を南シナ海に派遣し、潜在的危機を高めていることに対する中国の返答だ」と警告した。
  東風26は米領グアムを射程に収めることから「グアムキラー」と呼ばれ、対艦攻撃も可能とされる。また「海上の大型艦艇を正確に攻撃できる」(中国国防省)といい、東風21Dと並んで「空母キラー」の別名もある。


2020.7.7-Yahoo!!Japanニュース(スポーツ放送)-https://news.yahoo.co.jp/articles/344bff04d680670ef2af84be25778d2da74b01e4
自らつくる“中国包囲網”~3海域で軍事演習

  ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月7日放送)にジャーナリストの有本香が出演。中国海軍が3つの海域で軍事演習を行ったというニュースについて解説した。

中国が3つの海域で軍事演習
  中国海軍が東シナ海、南シナ海、黄海の3つの海域で同時に軍事演習を行ったと発表。現地の中国国営中央テレビは「3大戦区で海軍が熱い軍事訓練」という見出しをつけてその様子を伝えた。
飯田)   こういったことは異例だそうですが、かなり力を見せつけるような行動に出ました。
有本)   二正面作戦になれば厳しいといろいろ言われているなかで、「どこでもやれる」というところを見せようということなのでしょう。ただ、いまベトナムなどは激しく中国に抗議をしています。南シナ海等をめぐって5年ほど前に反中感情が高まり、ベトナム国内にいる中国人が襲われるという、かなり激しい事態に陥ったこともあります。
中国自らが中国包囲網をつくってしまった~日本のメッセージが弱い
有本)   ASEAN諸国が、コロナの後ということもあり、ただでさえ反中感情が高まっているなかでこういう動きをすると、多くの国が中国に対してあまりいい感情を持たなくなる。
  アメリカもイギリスも、香港の件もあって、中国に対しては相当厳しく当たって行くという感じになっている。そこにASEAN諸国も、ということになると、中国自らが中国包囲網をつくってしまったようなことになります。
  今後の世界は、「中国対自由主義国」という戦いになって行くだろうという様相が、ますますはっきりして来るのですが、そのなかで日本のメッセージは相変わらず弱いと思います。
飯田)   「価値観を共にする」という外交をやろうと言っているのだから。
有本)   日本の領海に中国の公船が入って来て、漁船を追尾するということが度々あります。こういう事態もあるなかで、日本のメッセージが弱いなと思います。


2020.7.6-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/200706/wor2007060017-n1.html
中国、3海域で軍事演習 米空母の南シナ海演習に対抗

  【北京=西見由章】中国国営中央テレビ(CCTV)は6日までに、中国海軍が最近、黄海と東、南シナ海で相次いで演習を実施したと伝えた。米海軍が4日から南シナ海で空母ロナルド・レーガンとニミッツの2隻による演習を開始したことで双方の軍事的緊張が高まっており、米軍に対抗して近海での海軍力を誇示する狙いがありそうだ。
   中国の海事当局によると、南シナ海では1~5日、パラセル(中国名・西沙)諸島の周辺海域で演習を実施。CCTVは、「中国版イージス」と呼ばれる052D型ミサイル駆逐艦「フフホト」が敵艦を「破壊」する砲撃訓練を実施したと伝えた。
   東シナ海では同型艦の「アモイ」がヘリとともに「疑わしい船」を臨検・拿捕(だほ)する訓練を実施した6月の人民武装警察法改正で、海軍が武警傘下の中国海警局と合同訓練や共同作戦を行うことが可能となり、訓練は尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺海域での活動を念頭に置いている可能性がある。
   ただ、中国国防省は演習について公表しておらず、規模などは不明。また北京の軍事関係筋は、今年8月に開催される米海軍主催のリムパック(環太平洋合同演習)に対抗して中国海軍が今夏、南シナ海で大規模な軍事演習を計画しているとしていたが、今回の演習との関連も不明だ
   中国当局は今年に入り、尖閣周辺や南シナ海で海洋進出の動きを強めている。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは5月末、中国が南シナ海上空に防空識別圏の設定を検討していると報じた。
   こうした中国側の強硬姿勢の背景には、米中間の軍事バランスが変動期に入ったとの認識がある。新型コロナウイルスの感染拡大で米海軍に一時期、大きな影響が広がったことを中国側は好機ととらえた。一方、トランプ米政権が米露の中距離核戦力(INF)全廃条約を破棄し、中国のミサイル基地を標的とする中距離弾道ミサイルの開発に踏み切ったことに危機感も募らせている。米海軍を中国近海から追い出す「接近阻止・領域拒否」戦略が抜本的な見直しを迫られるためだ。


2020.6.11-Sankei Biz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200611/mcb2006112122026-n1.htm
中国、南シナ海で大規模演習へ 2空母参加の可能性

  【北京=西見由章】中国海軍が今夏、南シナ海で大規模な軍事演習を計画していることがわかった。北京の軍事関係筋によると、4~5月に米海軍が南シナ海で繰り返し実施した航行の自由」作戦や、8月にハワイ周辺海域で開催される米海軍主催のリムパック(環太平洋合同演習)に対抗する狙いがある。中国海軍の空母2隻が同時に演習に参加する可能性もあるといい、米中間の軍事的緊張が高まりそうだ。

  リムパックには米国や日本、ベトナムなど20カ国以上が参加する見通しだが、中国は前回の18年に招待を取り消された。軍事関係筋によると、「中国側も空母を出動させて大規模な軍事演習を行い、西太平洋周辺における独自の海上安全保障体系を誇示する」構えだという。
   昨年12月に就役した中国初の国産空母「山東」は5月25日、遼寧省大連の造船所を出港した。中国国防省は「武器装備の性能を検査するための訓練」だとしており、夏の大規模演習に向けた準備との見方もある。中国海軍が運用する空母は現在、旧ソ連の「ワリヤーグ」を改修した遼寧と山東の2隻体制。両空母が同時に演習に参加すれば初のケースとなる。
   一部メディアは中国軍が8月、台湾が実効支配する東沙諸島の奪取を想定した上陸演習を南シナ海で実施すると報道した。一方、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは今夏に中国海軍が南シナ海で大規模な軍事演習を計画していると報じ、「東沙諸島は地政学的に重要ではなく、中国軍に掌握の意図はない」とする台湾の軍事専門家の分析を紹介。中国軍関係者も「(台湾侵攻を想定した)通常の上陸訓練は演習に含まれるものの、目的は東沙諸島の奪取ではない」としている。


2020.5.22-Yahoo!!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/e682151cc45e353f44fbd924dcc01e2d65fe50a9
中国、軍拡を優先 米軍との対立激化見据える

  【北京=西見由章】新型コロナウイルス感染拡大が各国の財政に大きな影響を与える中で、中国の2020年国防予算は前年実績比6・6%増と高水準を維持した。中国の習近平指導部は南シナ海や台湾問題をめぐって米軍との対立が今後激化するとみている。外交や公共サービスの支出を大幅に削減する一方、国防費の伸びは維持し、軍拡を優先する姿勢を示した形だ。
  20年の国防予算は1兆2680億500万元(約19兆1千億円)で、米国に次ぐ世界第2位の規模。日本の令和2年度当初予算の防衛費5兆3133億円の約3・6倍にあたる。全国人民代表大会(全人代)の張業遂(ちょう・ぎょうすい)報道官は21日夜に開いた記者会見で「中国の防衛費の国内総生産(GDP)に占める割合は長年1・3%前後を保ち、世界の平均水準である2・6%を大きく下回っている」と主張した。
   ただ中国は今年1~3月期のGDP実質成長率が前年同期比マイナス6・8%を記録。通年でも「現実的には3%台にとどまる」(北京の経済ジャーナリスト)とされる中、軍事費の突出が際立つ。
   日本の中国軍事研究者は、各国の経済や国民生活が新型コロナでダメージを受ける中で「民主主義国はこれから軍事費が抑制される流れになる一方、(国民の批判を受けない)権威主義国家は軍備増強をとめることはない」と指摘する。また、中国の国防予算の実態は公表額の2倍以上との見方もあり、国際社会や自国民のみえないところで不透明な軍拡を図っている可能性もある。
   「中国は短期間のうちに、核弾頭の数を1千発の水準まで増やす必要がある
 共産党機関紙、人民日報系の環球時報編集長、胡錫進氏が今月、中国のSNSに投稿した内容は国内外で議論を呼んだ。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると中国は19年1月時点で290発の核弾頭を保有していると推定され、3倍近く増やせという主張だ。北京の外交筋は「中国当局のアドバルーンである可能性があり、危険な兆候だ」と警戒する。


2020.4.11.-NHKNEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200411/k10012382381000.html
中国の空母「遼寧」 沖縄本島と宮古島間を通過 領海侵入なし

  中国海軍の空母などが11日夕方、沖縄本島と宮古島の間の海域を通過して東シナ海から太平洋に出たのが確認されました。中国の空母がこの海域を通過したのは去年6月以来で、防衛省は航行の目的を分析するとともに警戒と監視を続けています。
  防衛省によりますと、中国の空母「遼寧」やミサイル駆逐艦など合わせて6隻が、11日午後4時ごろ、沖縄本島と宮古島の間の海域を通過して東シナ海から太平洋に出たのを海上自衛隊の艦艇や航空機が確認しました。
  日本の領海への侵入はなく、空母からの艦載機の発着も確認されていないということです。
  中国海軍の空母がこの海域を通過したのが確認されたのは去年6月以来で、これが4回目です。
  6隻の中には燃料を提供できる補給艦も含まれているということで、防衛省は航行の目的を分析するとともに、中国軍が遠方への展開能力を高めているとみて、警戒と監視を続けています。


2020.4.10-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/politics/news/200410/plt2004100027-n1.html
中国が西太平洋全域で軍事力展開も 防研の戦略概観

  防衛省のシンクタンク・防衛研究所は10日、昨年1~12月の日本周辺の安全保障環境を分析した「東アジア戦略概観」を発表した。太平洋島嶼(とうしょ)国と関係構築を進めている中国について、第2列島線(小笠原諸島-米領グアム-パプアニューギニア)を越えて西太平洋全域で軍事力を展開する可能性があるとの見方を示した。
   中国は昨年、台湾と断交したソロモン諸島やキリバスと外交関係を樹立した。パプアニューギニアやフィジーなどには大規模な経済支援を実施している。戦略概観で「台湾と外交関係を結んでいることで寄港できなかった地域にも、中国はアクセス可能になった」と指摘した。
   また、台湾と外交関係を維持しているパラオに関し、第2列島線の南端に位置することから「仮に中国がパラオと国交を樹立すれば、西太平洋全域での(軍事的な)行動の自由を得る橋頭堡(きょうとうほ)を得ることになる」と明記。今後、米軍の太平洋における拠点のグアムを「後背から狙う戦略も選択肢に入る」と解説した。
   中国以外では、核開発を進める北朝鮮について、核兵器は相手国の政治指導者を脅す手段であり「北朝鮮の対外戦略の枢要な部分」だと分析した。
   昨年8月には米露の中距離核戦力(INF)全廃条約が失効し、米露は中距離ミサイル開発に着手している。戦略概観は「東アジアにおいてミサイル分野で軍拡競争が発生する可能性がある」とした。



YJ-83 (ミサイル)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


YJ-83は、中国で開発された対艦ミサイル。輸出名はC-802であり、また、西側諸国においては、アメリカ国防総省(DoD)識別番号としてはCSS-N-8NATOコードネームとしては「サッケード」(英: Saccade)とされている

概要
  中国航天科工集団公司(CASIC)傘下の中国海鷹電気技術学院(CHETA; 第三航空宇宙学院)では、1970年代より、フランスエグゾセ MM38をモデルにした国産対艦ミサイルとしてYJ-8の開発に着手した。これは、動力として固体燃料ロケットを採用したもので、空対艦ミサイル型のYJ-81潜水艦発射型のYJ-82が派生したほか、のちに翼を折りたためるようにした艦載型改良版のYJ-8Aも開発・配備された。

  エグゾセは、加速力を重視して固体燃料ロケットを採用したMM38をもとにして、動力をターボジェットエンジンに変更して射程延伸をはかったMM40に発展した。YJ-83も同様に、YJ-8Aをもとにしてサステナーをパラフィン系の燃料を用いたターボジェットエンジンとすることで長射程化したものである。また、ブースターの固体燃料ロケットも改良された。YJ-8Aと比べると、弾体重量は100kg軽量化されたが、弾頭重量は165kgが維持されている。本ミサイルは、中間航程では高度20-30メートルを巡航し、終末航程では攻撃高度5-7メートルを飛翔するシースキマーであり、飛翔速度はマッハ0.9とされている。なお、終末航程ではマッハ1.5-2の超音速を発揮するという説もあるが、一方で、エアインテークの形状は超音速を想定した設計ではないと指摘されている。
  飛翔試験は1990年に行われ、1994年より中国人民解放軍海軍への配備が開始された。1999年10月の第60回国慶節の軍事パレードにおいて初めて公開されたが、この際は、従来のYJ-8シリーズと同様の四角柱型キャニスターが公開されたのみで、内部に収められているとされるミサイルの外観は不明であった。その後、駆逐艦フリゲートにおいて、主力対艦ミサイルとして搭載されるようになっている。
  イランでは、C-802をリバース・エンジニアリングしたノールを生産して配備した。一部はシリアに輸出されている。


YJ-7 (ミサイル)
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  YJ-7(中国語: 鷹撃-7, 拼音: Ying-Ji-7、輸出名:C-701)は、中華人民共和国で開発された対艦ミサイル。地対艦空対地ミサイルとしても使用出来る。

概要
  開発は、YJ-8などと同じく中国航天科工集団公司(CASIC)傘下の中国海鷹電気技術学院(CHETA; 第三航空宇宙学院)によって行われ、1998年の珠海エア・ショーで初めて公開された。輸出型においては、光学画像(TV)誘導型のC-701Tと、アクティブ・レーダー・ホーミング(ARH)誘導型のC-701ARの2種類があった。大きさは、同学院が開発したYJ-8対艦ミサイルの半分程度で、翼を折り畳んで発射機に収納する事も出来る。陸上の発射器やヘリコプター航空機などから発射される。
戦歴
  艦対艦型と陸上発射型がイランに採用され、「Kowsar」(資料によってはKosar)と呼ばれている。イランは「C-701」と「C-802」(イラン名はNoor)対艦ミサイルを、ライセンス生産している。
  2006年7月14日 レバノンシーア派武装組織ヒズボラに供給された陸上発射型「Kowsar」または「Noor」対艦ミサイルが、イスラエル海軍のサール5型コルベット「Hanit」に1発命中し乗組員4名が死亡している。
YJ-9
  2013年には、インターネットを通じて後継となる小型対艦ミサイル YJ-9 が公開された。このミサイルは、ヘリ等から指令を受けて優先順位を付けて攻撃できる能力を持っている。発射後にもデータリンクを通じて優先攻撃目標の変更が可能となっている。同様のサイズ・性能の小型対艦ミサイルTL-10と混同されるが、TL-10では前翼がボディの中ほどから出ているのに対して、YJ-7やYJ-9は、尾に近い方にある違いがある。


YJ-62 (ミサイル)
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  YJ-62(中国語: 鷹撃-62)は、中華人民共和国で開発された対艦ミサイル。輸出名はC-602

  1970年代HY-2空対艦ミサイル型としてYJ-6(輸出名: C-601)が開発、配備されていた。本ミサイルは、それとは直接は関係はない。本ミサイルはYJ-83の拡大版であり、弾頭重量と射程を大幅に拡張している。中国海鷹機電技術研究院(CHETA; 第三航空宇宙学院)が開発し、2004年蘭州級駆逐艦(052C型)と共に公開された。2005年ごろから実用段階に入ったものと考えられている。
  YJ-83から設計は全面的に刷新されている。寸法は一回り大きく、弾頭重量は210キログラムに大型化され、また射程も延伸されている。アメリカ海軍情報局(ONI)では、「150海里 (280 km)の射程で、中・大型艦を撃沈できるよう設計されている」と分析している。またのちに、射程を400キロメートル (220 nmi)に延伸したYJ-62Aも開発された。なおこれらはいずれもシースキマー型の対艦ミサイルであり、終末航程では、シーステート6までなら7-10メートルの攻撃高度で飛翔することができる。射程・重量ともにロシアのクラブに類似するが、終末航程での超音速性能は備えていない


中華人民共和国の大量破壊兵器
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  中華人民共和国の大量破壊兵器では、中華人民共和国(以下「中国」と略す。)の大量破壊兵器について記述する。 中国は化学兵器及び核兵器を含む大量破壊兵器を開発し保有している。保有する数は非公表であり正確な数は判明しないが、米国科学者連盟の予想によれば、中国は2009年に約180個の戦略核弾頭を含む合計240個の核弾頭を保有していて、その保有数量は核拡散防止条約 (NPT) で核兵器保有の資格を国際的に認められた核保有国の5か国中少ない方から2番目となっている。一方、多めの予想も存在し、中には三千発の核弾頭を保有しているとする説もある

  中国は1964年に ロプノール周辺において最初の核実験596を実施してアジア初の核保有国となり、初の水爆実験は1967年に確認された第六実験であった。核実験は包括的核実験禁止条約 (CTBT) に中国が署名した1996年まで続けられた。また、中国は1984年に生物兵器禁止条約 (BWC) を批准、加盟し、1997年に化学兵器禁止条約 (CWC) を批准した。

化学兵器
  中国は1993年1月13日に化学兵器禁止条約に署名した。化学兵器禁止条約は1997年4月25日に批准された。化学兵器禁止機関 (OPCW)に提出された公式宣言において、中国政府は過去に少量の化学兵器を保有していたが、条約の批准以前に化学兵器を破棄したことを申告している。また、中国は、マスタードガスルイサイトの2種類の化学物質が生産可能な化学製品製造施設は2か所だけであったと申告している 
  中国は冷戦時代の1970年代においてアルバニアに対し化学兵器を供給し、少量の備蓄を行なっていたことが判明している
生物兵器
  中国は今のところ生物兵器禁止条約に参加調印しており、中国政府当局は中国は攻撃的兵器として戦闘においてこれを使用することはないと明言している。しかしながら、中国は1980年代において生物兵器開発計画が行なわれていたことが報告されている。
  ソ連の生物兵器開発機関バイオプレパラトの元指揮官の一人であるカナジャン・アリベコフは、中国は1980年代後半に生物兵器工場の1か所で重大な事故を引き起こしていたと述べている。アリベコフは、ソ連は偵察衛星により、中国の核弾頭試験場近くで生物兵器研究施設及び製造工場の存在を確認していたと断言した。 ソ連は1980年代に2つの地域で別々に発生した出血熱の流行は中国の科学者がウイルス性出血熱の兵器化に関与した研究施設における事故が原因ではないかと考えている
  1997年1月、アメリカ合衆国国務長官マデレーン・オルブライトはロバート・E・ベネット上院議員(共和党ユタ州)にあてた文書中で、イラン及び他の国へ中国が生物兵器を輸出している疑いがあると述べた。オルブライトは彼女と合衆国政府がイランの生物兵器開発計画への支援を防止するための包括的輸出管理を中国に対し要請していたにもかかわらず、軍民の両方に利用可能な物資が中国企業からイラン政府へ売却されたという懸念すべき報告を受けていたことを言明した。2002年1月16日、合衆国は従来からの主張に基づき中国の3企業に対し化学兵器及び生物兵器の製造に使用される材料をイランに供給したとして制裁措置を課した。これに対し、2002年後半に中国は軍民両用に利用可能な生物学的技術について「生物両用品及び関連設備・技術輸出管理条例」を施行した。
核兵器
核兵器開発史
  中国の核戦力の正確な数量と構成を明らかにするのは極秘事項となっているため極めて困難である。いくつかの機密解除された合衆国政府の報告書で過去の推定を知ることができる。 1984年の合衆国国防情報局の防衛推定資料 (Defense Estimative Brief) では、中国の核弾頭備蓄量は150から160個と推定している[13]。1993年のアメリカ国家安全保障会議の報告では、中国の核抑止力については核搭載弾道ミサイルは60から70基と信じられていた。合衆国国防情報局の「数十年の将来:1999 – 2020」の報告では1999年の核兵器の備蓄量は140から157と推定していた。2004年には合衆国国防総省は中国が約20基の大陸間弾道ミサイルが合衆国本土を標的にできると評価した。 2006年には、合衆国国防情報局はアメリカ合衆国上院軍事委員会に対し「中国は現在100個以上の核弾頭を保有している」との推定を提出した

  1964年10月16日、中国の最初の核実験が新疆ウイグル自治区にあるロプノール周辺の核実験場で行なわれた。中国の最後の核実験は1996年7月29日に行なわれた。キャンベラのオーストラリア地質調査協会 (Australian Geological Survey Organization) によって1996年の核実験の規模が1-5キロトンであったことが明らかにされた。これまでに、中国は22回の地下核実験を含む合計45回の核実験を行なった
  中国は1980年代から核弾頭の小型化という重要な技術改良を進めた。中国が秘かに合衆国の誘導弾道ミサイルに関する技術ばかりでなくW88核弾頭の設計を獲得したことがコックス報告書により明らかにされ、非難されている。しかしながら、中国の科学者はこれらの分野については独自に研究を進めたもので、諜報活動によるものではないと主張している。
  けれども、中国の保有する核兵器の総数は明らかではなく、2005年現在の推定値で低くは80から高く見積もったもので2,000個までのものとなっている。2004年に中国は「核兵器保有国の内で、中国の核兵器保有量は最少である」と言明したが、これはイギリスの保有する核兵器数200個より少ないことを事実上暗示したものであった。 いくつかの非公式な情報源によれば中国は400個前後の核弾頭を保有していると推定される。ジョージタウン大学のフィリップ・カーバー教授らの研究グループは、米連邦議会の公聴会において中国の核弾頭保有数は3000発であると公表した。 けれども、合衆国情報機関の核戦力の推定値は多くの非政府組織の推定値よりも小さいものとなっている
核兵器に関する政策
  中国は自身が1992年に批准した核拡散防止条約において核兵器保有を認められた5か国の内の1つである。中国は核保有国の内唯一非核保有国に対し核兵器不使用の保障を行なった国である。
  中国はいつ、いかなる状況下にあっても非核保有国あるいは非核地帯に対し核兵器を使用しないし、核兵器をもって脅迫をしないことを約束するとした
  中国が公式に表明している核兵器に対する政策は、敵国の標的に対し核報復攻撃を行なう能力を保有した抑止力であり、常に「先制不使用」を維持していることである。
2005年の中国外交部の白書
  2005年の中国外交部が発表した「白書」において、中国政府はいつ、いかなる状況下であっても核兵器の先制使用は行なわないと言明した。さらに、同書において中国の「先制不使用」政策は将来にわたって変わることが無く、いかなる非核保有国あるいは非核地帯に対し核兵器を使用することも、核兵器をもって脅威となることもしないと言明した。
朱成虎少将の発言
  一方で、中国軍朱成虎少将は「台湾海峡での武力紛争に米国が介入し、中国を攻撃するなら、中国は対米核攻撃に踏み切る用意がある」と公言し、米国との軍事衝突が起きた場合、「中国は西安以東のすべての都市が破壊されることを覚悟する。もちろん米国も数多くの都市が中国によって破壊されることを覚悟しなければならない」とも公言し、物議を醸した。同少将は日本についても言及し、「政府はすべての幻想を捨て、あらゆる力を集中して核兵器を増やし、10年以内に地球人口の半分以上を消滅できるようにしなければならない。」「アメリカは強大な国力を保っているので、徹底的に消滅させないと、将来大患になる。アメリカに対しては、我が国が保有する核の一〇分の一で充分だ。台湾、日本、インド、東南アジアは人口密集の地域であり、人口消滅のための核攻撃の主要目標となる。」としている







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