新型コロナウイルス第6波
2022.03.06-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/d6691391256f5bf8eae9c8e195b99adcce8ec9d2
死者数全国ワーストに…コロナ「第6波」での大阪特有の事情とは
(尾崎豪一)
新型コロナウイルスのオミクロン株による感染「第6波」で、
大阪府が発表する死者数に歯止めがかからない。
新規感染者数の前週比が減少に転じた2月中旬以降も連日2桁に上り、人口10万人当たりの死者数は全国ワースト。医療関係者や専門家に聞くと、死者の大半を占める高齢者に関連した大阪特有の事情が浮かび上がる。
■全国ワースト
府が第6波の始まりとする昨年12月17日以降、2月26日までに発表した死者数は計799人。厚生労働省の集計によると、全国最多で、2位の東京都(421人)を引き離している。
人口10万人当たりでも大阪が9・04人と都道府県別で1位となり、全国平均3・07人の約3倍。東京(3・00人)との差が際立つ。
一方、感染者の死亡率(2月26日時点)をみると、大阪は0・19%と全国平均(0・18%)並みで、吉村洋文知事は「医療レベルが低いわけではない」と弁明する。ただ昨年3~6月の第4波や同6~12月の第5波と比べて、母数の感染者数が急増して死亡率を押し下げている面もあり、東京はさらに低い0・07%だ。
第6波で府内の死者の9割を占めるのが高齢者。府は高齢者施設などへの支援策を強化しているが、それでも死者が続出している。吉村氏は高齢者と若者が同居するなど生活圏の近さが影響しているとの見方を示すが、「これが原因というのは、専門家も含めて分からない」とお手上げ状態だ。
■施設の対応を調査 医療関係者はどうみているか。
大阪府医師会の茂松茂人会長は「高齢者施設のクラスター(感染者集団)が一番の問題だ」と指摘する。 府によると、1月に42件758人だった高齢者施設関連のクラスターは、2月の17日間で107件1601人に急増した。
オミクロン株による感染者急増に伴い病床が逼迫(ひっぱく)し、陽性が確認されても速やかに入院できない事情が背景にある。
実
際、第6波で2月26日までに判明した死者799人のうち、重症病床に収容されずに亡くなったのは9割近い706人に上る。 ここには自宅・宿泊療養のほか、高齢者施設などで亡くなった人も含まれ、茂松氏は「
高齢者施設で治療を受けずに亡くなるか、入院できても治療が遅れて最期を迎える事態になっている」と問題視する。
茂松氏によると、一口に高齢者施設といっても、施設ごとにコロナ対応には差がみられるという。 特別養護老人ホームや介護老人保健施設は介護保険法などに基づき、協力医療機関を指定する義務があるのに対し、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や住宅型の有料老人ホームについては、国が指針で指定を促すにとどまる。住居の提供が主目的であるためだが、有料老人ホームでも、介護付き施設は医療機関と連携している。
サ高住や有料老人ホームの数は大阪が全国最多で、大阪市内の有料老人ホームの7割以上が住宅型だ。
茂松氏は「感染判明後、早期に対応する施設もあれば、対策などが行き届かず処置が遅れる場合もある。高齢者施設で感染者が出た際の対応を行政がチェックする必要があるのではないか」と問題提起した。府は高齢者施設の対応を調査し、今月中旬をめどに調査結果を取りまとめる方針。
■経済格差も関係か 大阪市立大大学院の城戸(きど)康年准教授(感染症学)は経済格差の観点から分析。
城戸氏によると、英国の研究で
貧困地域のコロナ死亡率は富裕地域に比べて約2倍高いという。
コロナ感染は人口が密集する都市部で拡大する傾向にあるが、厚労省の令和2年度統計で全国20の政令市のうち、千人当たりの生活保護受給者数が最多だったのは、大阪市で49人。堺市は30・2人で3位だった。
貧困で身寄りも少なく、医療にかからない傾向があるとみられる。 城戸氏は「
収入や教育など個人の社会経済因子が、健康状態や寿命の長さに決定的に関わる」との見解を示す。その上で一般論として「
西日本の人は活発に動く県民性があり、コロナ感染に一定の影響を与える可能性はある」と指摘した。
(尾崎豪一)
2022.02.27-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/d52e083cced990c00743aba55d15a1a8065accb4
「第6波」目立つ高齢入院患者、転退院調整も課題に
新型コロナウイルスのオミクロン株による感染「第6波」で、
入院患者に占める高齢者の割合が際立っている。
高齢者施設などから受け入れている大阪市内の病院では患者の約9割を70歳以上が占めた。生活の介助が必要な高齢患者は入院期間が長期化する傾向にあり、病床逼迫の緩和に向けて転退院など受け入れ先の確保が課題となる。
軽症や中等症の患者を治療する大阪市立十三(じゅうそう)市民病院(同市淀川区)では、24日時点で70床のコロナ病床に45人が入院し、うち40人が70歳以上。
酸素投与が必要な「中等症2」の患者は約20人に上り、増加傾向にあるという。 関係者は「生活介助が必要な患者が増え、看護師らに負担がかかっている」と漏らす。病床が逼迫している影響で、高齢者施設などで待機を余儀なくされた患者の症状が悪化し、早期投与が求められる治療薬を使えないケースもある。
入院患者の高齢化は顕著だ。
大阪府によると、昨年6~12月の第5波で入院患者に占める60代以上の割合は25・5%だったのに対し、今月17日までの7日間では3倍超の86・9%に達した。
高齢患者の中には持病があったり、自立生活が困難だったりして、コロナの症状が改善しても入院を続ける例が少なくない。
これまでは府の「転退院サポートセンター」がコロナ受け入れ病院からの転院調整を担ってきた。ただ対象となるのは治療を終えて一定期間が経過し回復した患者で、態勢が整った病院グループや地域医療の枠組みの中では調整を依頼するメリットがあまりなかった。
感染者急増の際は同センターの対応が追い付かなくなる懸念もあった。 そこで府は今月9日、同センターに「宿泊転送班」を新設。コロナ受け入れ病院の医師と転送班の専任看護師が直接やり取りし、従来の退院基準を満たさない入院患者も含め、転送の可否を判断している。
具体的には、中和抗体薬を投与済み▽入院後4日がたち、症状が悪化していない▽肺炎症状があっても酸素投与までは必要ない「中等症1」以下-といった患者が対象になるが、24日までの約2週間で、診療機能を備えた宿泊療養施設などに移送されたのは41人にとどまる。
これには宿泊療養施設などへの転送にあたり、自立生活が条件になっていることが影響している。実際、コロナ受け入れ病院から転送を打診された患者について、転送班が介護が必要なことを理由に不可としたケースが複数あった。
もともと入所していた高齢者施設でクラスター(感染者集団)が発生すれば、速やかに施設に戻れない場合もある。
こうした事情を踏まえ、府は22日、国の支援を受けて大阪市淀川区のホテルに開設した臨時医療施設(150床)を高齢者向けに特化し、食事や入浴など一定の介助を必要とする患者を受け入れ始めた。
府の担当者は「複数の病院から連日問い合わせがある。臨時医療施設の存在を周知し、利用を少しでも増やしたい」と話している。(尾崎豪一、小泉一敏)
2022.02.16-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220216/k10013488041000.html
脇田座長「第6波 2月上旬にピーク越えた」厚労省 専門家会合
厚生労働省の専門家会合のあと開かれた記者会見で、
脇田隆字座長は現在の流行の“第6波”について「全国の感染状況のデータから傾向をみるとだいたい2月上旬にピークを越えたと考えている。地域によってかなりばらつきはあるが、平均すると全国ではピークを越えたと考えている」と述べました。
「ワクチン3回目接種進めることが重要」
そのうえで、今後の流行の推移については「20代の若者は感染者数が急速に増えて、急速に減っているが過去の流行でも、高齢者の場合は徐々に増えて徐々に減るのが特徴だ。高齢者の感染者数はゆっくり減っていくことから、全体でみると減少はややゆっくりになっていくと思われる」と述べました。
そして、必要な対策については「感染対策をしっかりとって、ハイリスクな場所や行動を避けるとともに、何よりワクチンの3回目の接種を進めていくことが重要だと考えている。きょうの会合でも今の流行が終わったあとにまた、次の流行が起こる可能性があり、それに対する備えとしてもワクチンの3回目の接種が重要だという議論があった。さらに、これから卒業や花見のシーズンで、年度が替わる時期でもある。これまでも年末年始や大型連休などで感染拡大があった。年度替わりの際の人の移動やふだん会わない人との接触などが感染拡大のきっかけになる可能性が高いため、十分注意する必要がある」と話していました。
家庭 学校 介護福祉施設などで感染続く
専門家会合は、全国の感染状況についてほぼすべての年代で減少傾向となっているものの、80代以上の高齢者で微増し、家庭や学校、介護福祉施設などの場で感染が続いているとしています。
また、まん延防止等重点措置が適用されている地域の一部では、夜間の繁華街の人出が再び増加する兆しが見られるほか、いまのところ兆候は見られないとしながらも今後、オミクロン株の一種で感染力がさらに高いと指摘されている「BA.2」と呼ばれる系統のウイルスに置き換わり、感染が再び増加に転じる可能性にも注意が必要だとしています。
一方で、療養者数や重症者数、それに高齢者を中心に亡くなる人の数は増加が続いていて、中には基礎疾患の悪化などによって「重症患者」とされないまま亡くなる人も含まれている可能性があると指摘しました。
感染が先行して拡大した沖縄県では感染者が減り始めてから入院患者が減少に転じるまで2週間程度の遅れが見られたことから、全国でも感染者数の減少傾向が続いても当面は多くの地域で軽症や中等症の医療体制のひっ迫や高齢の重症者数の増加によって重症患者の病床使用率の増加が続く可能性があるとしています。
専門家会合は高齢者への追加接種をさらに加速化し、高齢者以外も接種の前倒しを行うとともに、オミクロン株の特性を踏まえて感染が広がっている学校や保育所、介護福祉施設、職場などで、職員らへのワクチンの追加接種を進め、職場ではテレワークの活用など接触機会を減らすことが求められるとしています。
さらに1つの密でも避け、外出の際には混雑した場所や感染リスクの高い場面を避けるほか、不織布マスクの正しい着用や手指の消毒、換気など、改めて、基本的な感染対策を徹底するよう呼びかけました。
15日までの1週間の新規感染者数
厚生労働省の専門家会合で示された資料によりますと、15日までの1週間の新規感染者数は、全国では前の週と比べて0.90倍と去年12月上旬以来、およそ2か月半ぶりに減少となりました。まん延防止等重点措置が適用されているほとんどの地域で減少に転じています。
重点措置が適用されている地域のうち、首都圏の1都3県では-▽東京都で0.82倍、▽神奈川県で0.94倍、▽千葉県で0.98倍、▽埼玉県で0.87倍、
関西の2府1県では▽大阪府で0.94倍、▽京都府で0.86倍、▽兵庫県で0.88倍と
横ばいから減少となっています。
また東海3県では-▽愛知県で1.03倍、▽岐阜県で1.05倍と
横ばいから増加となっている一方-▽三重県で0.91倍と減少しています。
このほかの地域では、-▽北海道で0.91倍、-▽青森県で0.97倍、-▽山形県で0.72倍、-▽福島県で0.78倍、-▽茨城県で0.96倍、-▽栃木県で0.91倍、-▽群馬県で0.78倍、-▽新潟県で0.98倍、-▽石川県で0.83倍、-▽長野県で0.91倍、-▽静岡県で0.90倍、-▽和歌山県で0.89倍、-▽岡山県で0.78倍、-▽広島県で0.83倍、-▽山口県で0.89倍、-▽香川県で0.98倍、-▽福岡県で0.88倍、-▽佐賀県で0.86倍、-▽長崎県で0.81倍、-▽熊本県で0.90倍、-▽大分県で0.87倍、-▽宮崎県で0.77倍、-▽鹿児島県で0.92倍、-▽沖縄県で0.91倍と横ばいから減少となっています。
その一方で、-▽島根県で1.12倍、-今月12日から重点措置が適用されたばかりの-▽高知県で1.14倍と増加しているほか、富山県や奈良県など、重点措置が適用されていない地域でも増加しているところがあります。
現在の感染状況を、人口10万当たりの直近1週間の感染者数でみると-▽大阪府が最も多く942.63人、
次いで-▽東京都が758.39人、-▽兵庫県が628.44人、-▽京都府が591.91人、-▽奈良県が576.76人、-▽神奈川県が573.50人などとなっていて、全国では464.39人となっています。
2022.01.18-Yahoo!Japanニュース(THE PAGE)-https://news.yahoo.co.jp/articles/83b58aeb9f1fe6beb04629925e2e66e1fb127eab?page=1
新型コロナ“第6波”急拡大 「第1波」からの流行を振り返る
(1)
新型コロナウイルスの新たな感染の急拡大が始まっています。1月12日には全国の新規感染者が4か月ぶりに1万人を突破。
沖縄県の玉城デニー知事は4日の会見で「
第6波に突入した」との認識を示したと伝えられます。日本がこれまでに経験した「
感染の波」を振り返りながら、急激に広がりを見せる今回の流行の特徴を見てみましょう。
●そもそも感染の“波”とは?
一般的に、メディアなどでは新規陽性者数が急激に増える感染のヤマを「波」と表現しています。この波は昨年2021年末までに5回ありました。
最初の波は、全国の1日あたりの新規陽性者の報告数が720人を記録した昨年4月11日をピークとする流行(第1波)で、次は昨年8月7日に1605人を記録した流行(第2波)です。
2021年に入ると、感染のヤマがひときわ大きくなり、1月8日には全国で7956人まで急増しました。これが「第3波」で、1月7日には東京都の新規報告者数が2520人を記録しました。
3月下旬から再び感染拡大したヤマが「第4波」です。この流行では5月8日に全国で7234人の感染者が報告されました。
7月からに入るとまた感染が急拡大します。これが「第5波」で、8月20日には全国で2万5995人と過去最多を更新。東京都でも8月13日に過去最多の5908人の感染が報告されました。
そして2022年の年明け早々、これまでにないレベルで急激な感染拡大が始まっています。1月12日には全国で昨年9月9日以来の1万人超の感染者が確認されました。
●「第1波」と初の「緊急事態宣言」(2020年3月~5月ごろ)
国内では2020年1月16日に初の感染者の確認が発表され、2月13日には初の死者が出ました。とりわけ3月下旬から感染者が急増し、3月27日には全国の新規陽性者が初めて100人を超えました。「第1波」です。
4月7日からは新型コロナウイルス対策の特別措置法(特措法)に基づく「緊急事態宣言」が初めて発出されました。政府は人と人との接触機会を「最低7割、極力8割」削減する目標を掲げ、都道府県知事から飲食店やスポーツジム、ライブハウスなど幅広い業種に休業要請が出されました。全国的かつ大規模なイベントは中止や延期などの対応が主催者に求められました。
(2)
●「第2波」と飲食店への時短要請(2020年7月~8月ごろ)
7月から8月にかけて、第1波を上回る感染のヤマができました。「第2波」です。
接待を伴う飲食店など繁華街での感染例が多く報告され、そこから全国に感染が広がっていきました。当初は若い世代の感染者が多いのが特徴でしたが、東京など都市部で感染が拡大するにつれて中高年層へも感染が広がり、感染経路も会食や飲み会が目立つようになりました。
第2波では緊急事態宣言は発出されず、感染拡大した自治体で酒類を提供する飲食店やカラオケ店への営業時間の短縮要請が行われました。7月22日には政府の観光支援事業「Go
Toトラベル」が東京都発着分を除いてスタートしました。
●「第3波」と2回目の「宣言」(2020年11月~2021年3月ごろ)
9月に入っても全国の新規報告者数が500人前後で推移するなど、第2波の流行は「下げ止まり」状態が続きました。
そして感染者は11月上旬から再び全国で増加し始めました。この「第3波」では、より幅広い地域・年代層に感染が広がりました。東京都では、会食や接待を伴う飲食店などが主な感染経路だった第2波とは異なり、家庭内感染の割合が大幅に増えました。年齢層も中高年、特に重症化リスクの高い高齢者の感染が数・比率ともに増加。それにより、重症者が第1波、第2波よりはるかに多くなりました。
第3波では、クリスマスや忘年会、新年会といった年末年始の恒例行事や帰省が感染の急拡大につながったと専門家は指摘しています。実際に2021年の年明け早々、新規陽性者数は一気に増えました。東京都では1月7日に2520人を記録。翌8日、9日も2000人を超える感染者が報告されました。全国でも1月8日に7955人と過去最多となりました。
政府は1月8日から2度目となる緊急事態宣言を発出。1回目の宣言と異なるのは、感染リスクが高いとされる飲食の機会を感染拡大の“急所”と捉え、飲食店などへの時短要請に絞った対策を取った点です。飲食店には午後8時までの時短営業(酒類提供は午後7時まで)を求めました。
(3)
●「第4波」と「まん延防止等重点措置」初適用(2021年3月~4月ごろ)
第4波は、3月下旬から大阪府や兵庫県で急激に感染者が増え始めました。政府はここで新しいコロナ対策を打ち出します。「まん延防止等重点措置」です。昨年2月の特措法改正で緊急事態宣言の罰則規定とともに設けられた措置で、宣言に至らないように予防的・集中的な対策を取ることが狙いです。4月5日から大阪、兵庫、宮城の3府県に初めて適用されました。
この頃の大阪府は、予定していた手術に優先順位をつけるなど「一般診療に影響が出るレベル」の医療危機に陥りました。
●3回目の「宣言」と「アルファ株」(2021年4月~6月ごろ)
第4波が関西で急激に広がった大きな要因は「変異ウイルス」です。この頃の感染の主体は、英国で見つかった変異ウイルス(アルファ株)で、従来型ウイルスよりも感染力が強いとされました。関西では、従来株からこのアルファ株への置き換わりが急速に進行したのです。
第4波では、大阪の感染者数が東京を上回っていたことも特徴です。大阪府では4月28日と5月1日に1260人を記録し、過去最多を更新しました。
政府は4月25日から、3回目となる緊急事態宣言を東京、大阪、兵庫、京都の4都府県に発出しました。
ゴールデンウイークを見据えたこの宣言は、飲食店での酒類提供を禁じるなど前回よりも強い措置が盛り込まれました。飲食店には午後8時までの時短営業を求めたほか、酒類やカラオケを提供する飲食店には休業を要請しました。さらに大型商業施設にも休業を要請し、大規模イベントは原則無観客で行うことを主催者に求めました。
●「第5波」と4回目の「宣言」(2021年7月~9月ごろ)
3回目の宣言が解除された東京都は、6月21日からまん延防止等重点措置に切り替えられました。飲食店に午後8時までの時短営業を要請し、酒類提供については一定の要件を満たした店のみ午後7時まで認められることになりました。
しかし東京の新規陽性者は500人前後の高止まり状態で、7月に入るとじわじわと増加に転じ、再び1000人に迫るようになりました。
この「第5波」を受けて、政府は7月12日から東京都に4回目となる緊急事態宣言を出しました。打ち出された対策は、3回目の宣言の後半の内容を踏襲したものでした。酒類やカラオケを提供する飲食店には再び休業要請がなされたほか、それ以外の飲食店や大型商業施設には午後8時までの時短営業が求められました。大規模イベントは引き続き、上限5000人かつ収容率50%以下での開催要請が維持されました。
しかし、東京の感染は収まるどころか急激に悪化していきました。7月28日には3234人と初の3000人台に、さらに8月5日には5149人と初の5000人超えとなり、8月13日には5908人と過去最多を更新しました。全国でも8月13日に初めて2万人を超えると、8月20日には2万5995人と過去最多を更新しました。
コロナの影響で1年延期されていた東京五輪(7月23日~8月8日)は、緊急事態宣言のさなかでの「異例の開催」(菅義偉首相)となりました。
(4)
●「デルタ株」の猛威と医療ひっ迫
「第5波」がこれほど急激に拡大したのは、アルファ株以上に感染力が強いとされるインド由来の「デルタ株の猛威」の影響が指摘されます。専門家によると、デルタ株は従来株より2倍、アルファ株より1.5倍程度、感染力が強いといわれました。
「第5波」のもう一つの特徴は、感染者の年齢構成です。4月以降、65歳以上の高齢者にワクチン接種が進んだ結果、新規陽性者に占める高齢者の比率は減少していました。その一方で、50代以下の中高年、若年層の感染が拡大。東京都のモニタリング会議は、6月中旬以降は50代以下が新規陽性者のうち9割以上を占めていると指摘しました。
感染が広がるにつれて、重症者も増えていきました。全国でみても重症者は2223人(9月3日)と過去最多を更新しました。
感染急拡大の影響で、東京を中心とした都市部の医療が危機的な状況に陥りました。8月20日の都のモニタリング会議は「40代・50代を中心に、重症患者が急激に増加しており、救急医療や予定手術等の通常医療も含めて医療提供体制は深刻な機能不全に陥っている」と警告。また、この時期は自宅療養中の死亡者も相次いで報告され、同会議は「深刻な事態」と憂慮しました。
●「オミクロン株」の急拡大と“第6波”(2022年1月~)
そして2022年1月、新たな感染拡大が始まっています。沖縄県では1月6日、981人の新規陽性者が報告されました。同日開かれた東京都のモニタリング会議は「新規陽性者数の増加比が著しく上昇し、これまでに経験したことのない高い水準になった。デルタ株からオミクロン株への置き換わりによる、急速な感染拡大に警戒する必要がある」と指摘しています。
オミクロン株の特徴について、政府のコロナ対策分科会の尾身茂会長は昨年末の会見で、英国や南アフリカなどのオミクロン株流行地域では、感染者が倍増するのにかかる時間(倍加時間)が2日から3日と「極めて短い」との報告を紹介し、「市中感染が始まると急速に感染拡大する可能性がある」と警戒感を示していました。
厚生労働省の専門家組織「コロナ対策アドバイザリーボード」は1月13日の評価分析で、「デルタ株と比較してオミクロン株による感染は重症化しにくい可能性が示唆されている」との報告例を紹介したものの、今後さらに療養者数が急増した場合には「軽症・中等症の医療提供体制等が急速にひっ迫する可能性があること」「今後高齢者に感染が波及することで重症者数の増加につながる可能性があること」に注意が必要だと呼びかけています。
政府は1月9日から沖縄、山口、広島の3県を対象に、まん延防止等重点措置を適用しました(期間は1月31日まで)。しかし感染拡大は続き、“第6波”の様相を呈しています。1月15日に沖縄県で過去最多の1829人の新規陽性者が報告され、
1月18日には大阪府で過去最多の5396人、全国でも初の3万人を超え、過去最多の3万2197人を記録しています。
(※)…記事内の新規陽性者数は「JX通信社/FASTALERT」のデータを参照
2022.01.08-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220108/k10013420411000.html
3県に「まん延防止」決定 大都市部も注視 機動的に対応 政府
新型コロナの感染の急拡大を受けて、
政府は、沖縄、山口、広島の3県にまん延防止等重点措置を適用することを決めました。今後、大都市部などの感染状況も注視し、必要があれば重点措置の適用も含め、機動的に対応する方針です。
新型コロナの7日の新規感染者は去年9月15日以来、全国で合わせて6000人を超え、各地で感染が拡大しています。政府は対策本部を開き、感染が急激に拡大している
沖縄、山口、広島の3県について知事からの要請を踏まえ、9日午前0時から1月末まで、まん延防止等重点措置を適用することを決めました。重点措置の適用は、去年9月に解除されて以来で、岸田内閣では初めてとなります。
対策本部で岸田総理大臣は「新型コロナ対策の全体像に基づき、確保した医療体制をしっかりと稼働させるための準備や、予防・発見から早期治療への流れの強化に先手先手で取り組んできた。確保された体制が各地域でしっかり機能することが重要だ」と指摘しました。
政府は、オミクロン株の感染力の高さを考慮すれば、沖縄などと同様に首都圏や関西圏などでも新規感染者が急増する可能性があるとして、最大限の警戒を続けていて、各自治体と連携して病床や医師など医療提供体制の確保を急いでいます。
政府としては、大都市部に重点措置を適用すれば経済に大きな影響が出かねず、できるだけ避けたいとしていますが、今後の感染状況を注視し、必要があれば重点措置の適用も含め、機動的に対応する方針です。
一方、7日の国会での質疑で、与野党から、
在日アメリカ軍の施設の周辺で感染が広がっているとして、アメリカ側に対して外出制限など厳格な措置を求める意見や、政府の対応への批判が出されました。
政府としては、地元の不安を解消するため、感染拡大を防ぐ措置の強化と徹底をアメリカ側に粘り強く働きかけることにしています。
2022.01.07-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/79fae829a7a764194cd1e33284d3897b44a07367
大阪「黄信号」前倒し 3連休前に警戒強める
大阪府内で676人の新型コロナウイルス感染が確認された7日、
府は急遽(きゅうきょ)、対策本部会議を開き、自粛要請の基準「大阪モデル」の黄信号(警戒)点灯を決めた。
直近7日間の感染者数の前週比が過去最大ペースの5・75倍に達し、8日からの3連休を前に警戒を呼びかける狙いがある。入院基準の見直しにより、病床や宿泊療養施設などの医療資源を効果的に運用したい考えだ。
「
陽性者数の警戒基準に一両日中に達することは間違いない。
3連休に入る今の段階で黄信号を点灯し、一人一人の感染対策の徹底をお願いしたい」
吉村洋文知事は対策本部会議後、記者団にこう述べた。会議の開催は、670人台の感染確認の報告を受けた7日午後に決断したことも明らかにした。
会議では、大阪モデルで警戒の目安の一つとなる直近7日間の人口10万人当たりの新規感染者数「35人以上」の基準を近く上回る可能性が報告された。
■過去最多更新のおそれも
府の試算によると、新規感染者数の前週比が今後、感染「第5波」の2倍で推移した場合、15日に1018人に上り、25日には過去最多の5121人に達するという。
吉村氏はオミクロン株の「驚異的な感染拡大力」を警戒し、会議で「適切な医療資源の配分が重要だ。これを誤れば(症状の)軽い人の入院が多くなり、医療崩壊することもあり得る」と強調した。
府内では7日時点で重症病床を612床、軽症・中等症病床を3110床確保し、使用率はそれぞれ0・2%と13・9%。オミクロン株の重症者こそ出ていないものの、軽症・中等症病床は5段階の確保計画の中で最も低いフェーズ1から一気にフェーズ4まで引き上げ、2700床程度を運用するとしている。 宿泊療養施設も14日に確保予定の1万室余りを全て運用する方針を前倒しで決めた。7日に改定した入院基準では、40歳以上で入院の必要がない患者らを原則宿泊療養とし、大幅な需要増が見込まれる。
府は医療機関の病床や宿泊療養施設が逼迫(ひっぱく)する事態を想定し、
国際展示場「インテックス大阪」(大阪市住之江区)に開設した千床規模の臨時医療施設の運用準備に入った。 さらに自宅療養となる40歳未満で重症化リスクがない患者を支援するため、府のホームページや専用の電話相談窓口を通じ、抗体カクテル療法の投与やオンライン診療を行う医療機関などを紹介する。
吉村氏は「
防がなければならないのは医療崩壊だ。感染はゼロにならない。適切な医療を受けられるように体制を整えていく」と述べた。
2022.01.06-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220105/k10013417031000.html
山口県と広島県「まん延防止等重点措置」適用要請へ
新型コロナウイルスの感染が急拡大していることを受けて
山口県と広島県は政府に「まん延防止等重点措置」を適用するよう要請する方針を固めました。山口県では、関係者の感染が相次いで発表されている
アメリカ軍岩国基地がある岩国市を中心に、新型コロナウイルスの感染が急激に拡大していて、5日発表された一日の感染者数は104人と、去年8月19日以来、100人を超えました。
また
広島県も先月末以降、感染が拡大し、県内の感染確認の発表が2日連続で100人を超え関係者によりますと6日も感染確認が増える見通しだということです。
こうした状況を受けて山口県と広島県は早期に感染拡大を抑え込む必要があるとして政府に対し「まん延防止等重点措置」を適用するよう要請する方針を固めました。
山口県は岩国市と隣接する和木町を対象に、広島県は広島市を含む岩国市に近い県西部の自治体を対象に重点措置を適用する方向で検討しています。
いずれも6日、新型コロナウイルス対策本部の会議を開いて重点措置の適用の要請を決定することにしています。
まん延防止等重点措置が適用された場合、山口県は初めて広島県は2回目となり対象地域の飲食店に営業時間の短縮を要請するなどの感染防止対策を行う方針です。
2022.01.05-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220105/k10013416701000.htm
沖縄県「まん延防止等重点措置」適用要請で時短など対応案示す
沖縄県は、「
まん延防止等重点措置」適用の要請をめぐって、5日午後、経済団体との会議を開き、重点措置が適用された場合は、飲食店に対して営業時間の短縮を求めるなどの対応案を示しました。沖縄県は、6日にも「
まん延防止等重点措置」の適用を政府に要請する方向で調整していますが、5日午後、経済団体との会議で重点措置が適用された場合の対応案を示しました。
それによりますと、
重点措置の対象になる地域は・・▽沖縄本島、▽宮古地域、▽八重山地域、▽本島周辺離島の4つに分け、感染状況によって判断するとしています。
重点措置の対象地域の飲食店に対しては、・・・▽県の認証店では午後9時までの時短営業、▽認証のない店では午後8時までの時短営業で、酒類は提供の自粛を求めます。
要請に応じた店舗は、認証店では一日2万5000円、認証のない店では3万円の協力金が支払われます。
県民に対しては、要請に応じない店舗の利用自粛、混雑した場所や感染リスクが高い場所への外出や移動の自粛、都道府県をまたぐ不要不急の移動は控えるよう求めるとしています。また政府への要請案では、重点措置の期間を今月9日から今月末としています。
これに対し、飲食店の業界団体からは「感染対策の認証店が認証のない店よりなぜ協力金の金額が低いのか」という意見や、観光の業界団体からは「県内の感染が中心なので、県外の人に対し沖縄への渡航自粛を求めるメッセージを出すのは控えてほしい」という意見が寄せられました。
飲食店の経営者は…
「まん延防止等重点措置」の適用に伴って、今後、飲食店には営業時間の短縮が求められる見通しについて、店の経営者は先行きが見えない状況に不安を募らせていました。
那覇市久茂地で飲食店を経営する鈴木学さんは、去年9月に「緊急事態宣言」が解除されたあと、店の営業を再開しました。年末年始は、新型コロナの感染が拡大する前よりも多くの客が訪れたと言いますが、4日からキャンセルが相次いでいるということです。
鈴木さんは、「せっかくお店が再開してお客さんが戻ってきてくれたが、今後、だいぶ減るので経営は厳しくなると思う。食材をたくさん仕入れているので急な休業要請などがきたら、どう対応すればいいかわからない」と落胆した様子で話していました。
この店では、1グループの人数を4人以下、滞在時間を2時間以内に制限するなど感染対策を徹底してきたということで、鈴木さんは「感染者の急増に対して私たちだけではどうしようもできないですし、感染者が少ないうちに国や県にはもう少し具体的な対策を取ってほしかった」と話していました。
2022.01.05-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220105/k10013415591000.html
沖縄県 新型コロナ 623人感染確認 600人超は去年8月28日以来
沖縄県は5日、新たに623人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表しました。一日の感染者数が県内で600人を超えるのは、およそ4か月前の去年8月28日以来です。
沖縄県によりますと、新たに感染が確認された623人は、
年代別では、▽20代が332人、▽30代が76人、▽10代が63人、▽40代が50人、▽50代が31人、▽60代が26人、▽10歳未満が22人、▽80代が12人、▽70代が7人、▽90歳以上が2人、▽確認中が2人です。
1日の感染者数が600人を超えるのは、去年8月28日以来です。20代の感染が300人を超える状況について、沖縄県の担当者は「若者の間で年末年始の飲食による感染が広がったと考えられる」としています。
地域別では、▽那覇市が114人、▽中部保健所管内が61人、▽名護市が57人、▽うるま市が52人、▽南部保健所管内が50人、▽浦添市が49人、▽宮古島市が41人、▽沖縄市が37人、▽宜野湾市が36人、▽糸満市が31人、▽豊見城市が31人、▽南城市が16人、▽石垣市が14人、▽北部保健所管内が11人、▽東京都が6人、▽愛知県が3人、▽大阪府が2人、▽神奈川県が2人、▽山梨県が2人、▽千葉県が2人、▽長崎県が2人、▽兵庫県が1人、▽新潟県が1人、▽石川県が1人、▽確認中が1人です。
推定される感染経路は、▽家庭内が51人、▽友人・知人が47人、▽飲食が29人などとなっていて、445人は感染経路が分かっていません。
沖縄県内で確認された感染者は合わせて5万1747人になりました。人口10万人当たりの感染者数は、4日までの1週間で38.99人と全国で最も多く、全国平均の10倍を超えています。沖縄県内では5日現在、4日より23人多い152人が入院しています。
国の基準では、重症が4日より6人多い19人、中等症が4日より1人多い45人です。宿泊施設での療養者は358人、自宅療養者は204人、入院・療養の調整中は571人で、全体の療養者数は1286人です。
新型コロナの患者の病床使用率は23.5%で、このうち重症者用は31.7%です。一方、アメリカ軍から沖縄県に対し新たに6人の感染が確認されたと連絡があり、沖縄のアメリカ軍関係者の感染確認は合わせて3868人になりました。
また、沖縄県は、県立学校について、7日から分散登校を実施すると発表しました。部活動も原則休止するとしています。
玉城知事「非常に驚異的な数でがく然」
沖縄県は5日、新たに623人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表しました。一日の感染者数が県内で600人を超えるのは、およそ4か月前の去年8月28日以来です。
沖縄県によりますと、新たに感染が確認された623人は、
年代別では、▽20代が332人、▽30代が76人、▽10代が63人、▽40代が50人、▽50代が31人、▽60代が26人、▽10歳未満が22人、▽80代が12人、▽70代が7人、▽90歳以上が2人、▽確認中が2人です。
1日の感染者数が600人を超えるのは、去年8月28日以来です。20代の感染が300人を超える状況について、沖縄県の担当者は「若者の間で年末年始の飲食による感染が広がったと考えられる」としています。
地域別では、▽那覇市が114人、▽中部保健所管内が61人、▽名護市が57人、▽うるま市が52人、▽南部保健所管内が50人、▽浦添市が49人、▽宮古島市が41人、▽沖縄市が37人、▽宜野湾市が36人、▽糸満市が31人、▽豊見城市が31人、▽南城市が16人、▽石垣市が14人、▽北部保健所管内が11人、▽東京都が6人、▽愛知県が3人、▽大阪府が2人、▽神奈川県が2人、▽山梨県が2人、▽千葉県が2人、▽長崎県が2人、▽兵庫県が1人、▽新潟県が1人、▽石川県が1人、▽確認中が1人です。
推定される感染経路は、▽家庭内が51人、▽友人・知人が47人、▽飲食が29人などとなっていて、445人は感染経路が分かっていません。
沖縄県内で確認された感染者は合わせて5万1747人になりました。人口10万人当たりの感染者数は、4日までの1週間で38.99人と全国で最も多く、全国平均の10倍を超えています。沖縄県内では5日現在、4日より23人多い152人が入院しています。
国の基準では、重症が4日より6人多い19人、中等症が4日より1人多い45人です。宿泊施設での療養者は358人、自宅療養者は204人、入院・療養の調整中は571人で、全体の療養者数は1286人です。
新型コロナの患者の病床使用率は23.5%で、このうち重症者用は31.7%です。
一方、アメリカ軍から沖縄県に対し新たに6人の感染が確認されたと連絡があり、沖縄のアメリカ軍関係者の感染確認は合わせて3868人になりました。
また、沖縄県は、県立学校について、7日から分散登校を実施すると発表しました。部活動も原則休止するとしています。
玉城知事「非常に驚異的な数でがく然」
デルタ株からオミクロン株へ急速に置き換わり
沖縄県によりますと、県と国立感染症研究所が県内の新規感染者でオミクロン株が疑われる症例の占める割合を調べたところ、先月26日までは15%だったのが、先月30日は97%に上昇していたということです。
沖縄県は、県内でデルタ株からオミクロン株への置き換わりが急速に進んでいることが推定されると分析しています。
宮古島保健所の窓口業務 一時停止へ
感染が急拡大している沖縄県の宮古島にある宮古保健所は、感染経路を特定するための積極的疫学調査の体制を強化するため、今月11日から窓口業務を一時停止することを決めました。
一時停止されるのは、宮古島保健所の生活環境班が所管する生活衛生や食品衛生、それに動物関連や環境保全関連などの業務と地域保健班が所管する小児慢性特定疾患や特定不妊の申請業務、それに精神保健業務などです。
停止期間は、今月11日から21日までで緊急を要する場合は、電話で問い合わせるよう呼びかけています。
電話番号は
▽生活環境班が0980-72-3501、▽地域保健班が0980-72-8447です。
感染者急増に不安訴える市民は…沖縄県内で新型コロナウイルスの感染者が急増していることについて、那覇市の中心部では不安を訴える声が多く聞かれました。那覇市の59歳の介護職の女性は、「友達が沖縄に遊びに来たいと言っていますが、キャンセルになると思います。コロナにかかったら怖いので、これからは家でじっとしています」と話していました。
那覇市の85歳の男性は、「あまり人混みにはいかないようにしています。孫がよく遊びに来ますが、家でもマスクをしていますし、非常に心配しながら生活しています」と話していました。
豊見城市の20歳の大学生は、「年末年始で感染者が増えると思っていましたが、ここまで増えたのはアメリカ軍基地の影響が大きいと思います。大学では対面授業を行っていますが、オンラインでできるなら安心できるので、そうしたいです。友達に会えなくなるのは寂しいですが、これ以上、感染を広めないためにも、割り切ることが大事だと思います」と話していました。
沖縄県内の成人式 過半数が実施予定
今月10日の「成人の日」を前に、NHKが5日、式典の開催について沖縄県内すべての市町村を取材したところ、国頭村が新成人に陽性者が出たため、急きょ中止を決めるなど、4つの市と村が中止を決めています。
一方、全体の半数を超える22の市町村が次の土日に式典を行う予定にしていることが分かりました。沖縄県内の41すべての市町村を対象に成人式の開催について取材したところ、新成人がふるさとに帰省する正月三が日までに実施したのは6つの町村で、4日が7市町村、5日が2つの町村と、これまでに15市町村が式典を実施しています。
残る26の市町村のうち、式典の中止を決めているのは4つの市と村で、半数を超える22の市町村が次の土日に開催する予定です。
中止する自治体のうち、▽国頭村は新成人に陽性者が出たため、4日、急きょ中止を決めたほか、▽渡嘉敷村は、新規感染者の急増を受けて5日午前中に中止を決めました。
また、▽宮古島市は去年11月に中止を決めていたほか、▽渡名喜村は新型コロナとの関係は分かりませんが、新成人2人が式典への参加を希望しなかったため中止を決めたということです。
一方、式典の開催を予定している22市町村のうち、▽北中城村はワクチンの接種証明書の提示を求めるほか、▽本部町は6日までの3日間のうちに役場でPCR検査を受けるよう呼びかけています。
▽南城市と中城村は当日、入場の際に発熱がわかった新成人に県が配布する抗原検査キットを使ってもらうなどして、感染防止対策を行うとしています。
市町村の中には、県の方針しだいでは成人式を中止するという自治体もあり、開催は流動的な状況です。
バスケットボール男子の全日本選手権 準々決勝が中止に
バスケットボール男子の全日本選手権は5日夜、準々決勝の2試合が行われる予定でしたが、沖縄県に本拠地がある琉球ゴールデンキングスなどの選手が新型コロナウイルスに感染したことからいずれも中止となりました。
日本バスケットボール協会によりますと、3日、琉球ゴールデンキングスの選手1人がBリーグの試合後に発熱したため、新型コロナウイルスのPCR検査を受けたところ、感染が確認されたということです。
協会によりますと管轄する保健所が濃厚接触者の特定を進めているということですが、チーム内に濃厚接触者と判断される人が出る可能性が高いということです。
このため協会は5日夜、沖縄市で行われる予定だった信州ブレイブウォリアーズとの準々決勝を中止すると発表しました。
Bリーグの試合も中止に
また、Bリーグが選手全員に対して定期的に行っているPCR検査で4日、アルバルク東京の選手が陽性と判定され、医療機関で再び検査をした結果、感染が確認されたことから、川崎市で予定されていた川崎ブレイブサンダースとの試合も中止となりました。
日本バスケットボール協会などでは、中止が決まった準々決勝の2試合について今後、対応を協議するとしています。
NPBコミッショナー “プロ野球キャンプは有観客の意向”
NPB=日本野球機構の斉藤惇コミッショナーは、来月1日に始まるプロ野球のキャンプについて、キャンプ地の沖縄県で新型コロナウイルスの感染が急拡大しているものの、「経済問題を無視することは不可能なので、政府関係者などと相談して、できるだけお客さんを無制限で入っていただけたらと思う」と述べ、現時点では観客を入れて開催したい考えを示しました。
プロ野球の去年の春のキャンプは、新型コロナウイルスの影響で観客を入れずに行いましたが、ことしは観客を制限なく入れる形での実施を目指しています。
斉藤コミッショナーはNPBの仕事始めの5日、報道関係者向けにオンラインで取材に応じました。
この中で斉藤コミッショナーは、キャンプが行われる沖縄県、宮崎県、高知県のうち、沖縄県で5日、600人以上の新たな感染確認が発表されるなど感染が急拡大していることを受け、キャンプの開催方法について、「選手の体をどう守るかという問題があり、練習試合などでお客さんを入れるか入れないかという新しい課題が出てくる」と述べました。
そのうえで、「しかし、経済問題を完全に無視することは不可能なので、政府関係者、スポーツ庁、地方自治体と相談してできるだけお客さんに無制限で入っていただき、粛々と開催させていただけたらと思っている」と話し、現時点では制限なく観客を入れる形でキャンプを開催したい考えを示しました。
2021.11.25-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211125/k10013360491000.html
韓国 感染者急増 政府“要因分析 第6波見据え対策に万全”
新型コロナウイルスの感染者が韓国で急増していることから、政府はその動向を注視し要因を分析することにしています。そして
日本国内でも第6波を見据えた対策が求められるとして、3回目のワクチン接種や病床の確保を着実に進め、軽症者向けの飲み薬の実用化を急ぐ方針です。
新型コロナウイルスの海外での感染者は韓国で23日、初めて一日4000人を超え重症者も過去最多となったほか、
ヨーロッパでも感染が再び拡大しています。
こうした状況について松野官房長官は「注視しているところだ。厚生労働省の専門家会合では、今後の感染再拡大も見据えて現在の低い水準の感染状況を維持していくことが重要だと評価・分析されている」と述べました。
韓国ではワクチン接種を終えた人が80%近くに上っているにもかかわらず感染者数が急増していることから、政府は要因を分析することにしています。
また日本国内でも年末年始を前に人の流れが増えることも予想される中で
第6波を見据えた対応が求められるとして、対策に万全を期す方針です。
このため先に決定した対策の全体像に基づいて、来月始める3回目のワクチン接種や病床の確保などを着実に推進したい考えです。
また軽症者向けの飲み薬についても来月中の実用化を目指し、薬事承認が行われれば速やかに医療現場に供給していく方針です。
2021.11.24-Yahoo!Japanニュース(東スポWeb)-https://news.yahoo.co.jp/articles/a31f46819471d7cd0692050061193734f336a8b8
コロナ第6波の予兆が北海道に? 「ワクチン神話にしがみつきすぎ」と専門家が警鐘
新型コロナウイルスの感染者数が日本で今夏、あれだけ増加したにもかかわらず、最近は1日あたりの新規感染者数が100人にも満たない日々が出てきた。しかし喜んでばかりもいられない。
世界に目を向ければ、感染のピークの真っただ中にある国も存在するなど、まだまだ混乱は続いている。
中にはこれからピークを迎えようとしている国もあるほどだ。果たして日本は、
第6波を回避できるのか?
東京都の新規感染者は22日、今年最少となる6人を記録。23日も17人だった。街には多くの人が繰り出して食事や買い物を楽しむなど、長らくステイホームを強いられたことがウソのような状況になっている。
一方で世界に目を向けると、欧米ではジワジワと感染者数が高まりつつある。ドイツは過去最悪ペースで感染者数が増え続け、18日発表ではこれまで最多の6万5000人以上が新規感染。1日に200人以上が亡くなる日も増え、多くの病院が満床となっている。ちなみにドイツのワクチン接種率は日本には及ばないものの、人口の約68%が2回接種を完了。決して少なくない数字だが、過去最悪の感染の波が襲っている状況だ。
人口約1700万人のオランダでは19日、1日あたりの新規感染者が2万1000人を超え、フランスでは1日2万人の新規感染が伝えられている。ベルギーも1日あたり約1万人。オーストリアでは全土ロックダウン――というのが最近の状況だ。
ネット上には「欧米と日本の生活習慣の違いだ」として楽観する人も少なくないが、果たして本当にそうなのか? 医学博士で防災・危機管理アドバイザーの古本尚樹氏は、「ワクチン神話にしがみつきすぎ」として警鐘を鳴らす。
「
思っている以上にワクチンの抗体が長持ちしていない可能性が高くなってきた。欧米では日本より2か月ほど早くワクチン接種を開始したが、時間の経過とともに抗体が減って感染予防効果が落ちたと考えられる。
これにならえば日本も最初に接種した人たちは、2か月後に抗体が減少して感染リスクにさらされる可能性が高い。政府は2回目の接種から8か月後をメドにブースター接種を進める考えですが、前倒しして行わなければ第6波は防げない」
欧米で感染拡大している要因を「
生活習慣の違い」とするには無理がある状況も生まれている。ワクチン接種率が約78%とほぼ日本と同じで、生活習慣も近い
韓国では、1日の新規感染者数が3000人を超えるなど過去最悪の感染の波にさらされている。
一方でブラジルやインドなどワクチン接種率が低く、一時は目も当てられない状態だった国が、感染をかなり抑え込んでいるという不思議な状況も生じている。
「もうそろそろちゃんとした検証をしなければならない。
今のままでは感染者数が減ったのはワクチン効果なのか、人的交流を抑えたからなのか、酒の提供を規制したからなのか、ハッキリ分からない。
第6波が来たときに、これらすべてをまたやるとなったら経済が持たない。いったい、
どういう要因が感染の増減に関係するのか、WHO(世界保健機関)も日本政府も本腰を入れて調査すべき」 古本氏によれば、日本での第6波の予兆はすでに、北海道の感染者がジワジワと増えていることに出ているという。確かにこれまで、北海道で増え始めてから全国の感染者数が増加する傾向があるのは事実だ。
最近は「
感染者数より重症者数が大事」とはよくいうが、古本氏は「
一定程度、国民がワクチン接種をしているにもかかわらず、かなりの死者数が出ているドイツを見れば、感染者数は無視できない」と感染者数軽視の風潮に警鐘を鳴らす。
第5波ではあっという間に大きな波にのみ込まれた日本。それを教訓にするならば“ワクチン神話”に浮かれず、万全の対策を取るに越したことはないだろう。
2021.10.02-JIJI COM-https://www.jiji.com/jc/article?k=2021100200132&g=pol
「第5波」検証を提言 3回目接種対象明示も―全国知事会
全国知事会(会長・平井伸治鳥取県知事)は
2日、新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が全面解除されたことを受けてオンライン会議を開き、国への提言をまとめた。
「第5波」に講じた対策の効果などを検証・総括した上で、次の感染拡大に備え有効な具体策を示すよう求めている。また、政府が目指す3回目のワクチン接種について、対象者を早期に示すことなども要望した。
会議には知事42人が出席した。参加者からは「対策の良しあしを追究し、
『第6波』に備えることが重要だ」(荒井正吾奈良県知事)、「今までの対応がどうだったか反省し、次に備えなければならない」(仁坂吉伸和歌山県知事)といった声が続出した。
提言では、
第5波やその後の急激な感染者数の減少、対策の効果について「十分な検証が必要だ」と指摘。
第6波に備え、科学的根拠を踏まえた具体的な対策を提示するよう要請した。
2021.10.01-Yahoo1Japanニュース(毎日新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/41f1fe511901e5a3c0c4250e97da3d9219669a5f
第6波に向けた医療体制の見直し 厚労省が都道府県に通知
厚生労働省は1日、冬場に懸念される新型コロナウイルスの感染拡大「第6波」に備え、
医療提供体制を見直すよう各都道府県に通知した。
病床が逼迫(ひっぱく)した第5波と同程度の感染拡大を前提に、患者に切れ目なく対応するため、臨時の医療施設を含めた病床や、医療従事者を確保するのが柱。通知を受け、都道府県では11月末までに体制を整備する。
緊急事態宣言は
9月末を期限に全面解除されたが、今夏の第5波では感染者数は国の病床計画を大幅に超えた。入院できず、自宅で死亡する人も相次いだ。
厚労省は今回、医療整備の考え方を提示。一般医療との両立を図る観点から、既存の医療機関で病床を増やすことが難しい状況を踏まえ「数だけではない、総合的な戦略」(同省幹部)をとったという。
具体的には、保健所だけが対応してきた陽性判明後の感染者の健康観察について、医療機関の医師らも担う仕組みを地域ごとに構築。感染拡大時も、全ての感染者が陽性判明当日か翌日には最初の連絡があり、症状に応じた頻度で健康観察や診察が受けられるようにする。自宅療養者を対象に、抗体カクテル療法など重症化を防ぐための医療を受けられるようにする。
少なくとも重症者、中等症で酸素投与が必要な人、重症化リスクがある人は速やかに病院に入院できるようにする。さらに感染急拡大で入院調整に時間がかかる時も、臨時の医療施設や入院待機ステーションの活用を含む「安心して入院につなげられる環境」を整える。さらに回復後も入院が必要な場合の転退院調整を一元化する。地域の医療従事者をリスト化し、必要な時に派遣できるように事前に関係者で決めておく。
各都道府県に10月中に方針を決めるよう求める。田村憲久厚労相は1日の閣議後記者会見で、「
年末年始を含めた冬場は感染拡大のリスクがある。国としても都道府県と連携を取り、医療提供体制を整備していきたい」と述べた。【神足俊輔、小鍜冶孝志】