COP25の問題


2019.1216-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191216/k10012216281000.html
COP25閉幕 「パリ協定」ルールの一部は合意できず

地球温暖化対策の国連の会議、「COP25」はおよそ40時間にわたる延長交渉の末、対策の強化を各国に促すことを盛り込んだ成果文書を採択して閉幕しました。一方で、「パリ協定」のルールの一部については合意できず、課題を抱えたまま「パリ協定」が始まることになります。
  190を超える国と地域が参加してスペインで開かれていた「COP25」は、温室効果ガスの削減目標を引き上げるよう各国に促す記述や、来年から始まる温暖化対策の国際的な枠組み、「パリ協定」の実施に必要なルールの一部をめぐって意見がまとまらず、およそ40時間にわたって会期を延長し、夜も徹して交渉を続けました。
  そして、日本時間の15日午後6時ごろ、現地時間の午前10時ごろから全体会合が開かれ、会議の成果となる文書を全会一致で採択しました。
  成果文書には「各国の削減目標はそれぞれの国の事情に応じて現在よりも前進させ、可能なかぎり高い野心を示す」ことや、「気候変動の緊急性を踏まえ、来年を一つの機会として温暖化対策を可能なかぎり強化することを促す」ことが盛り込まれています。
  「国の事情に応じて」や「可能なかぎり」という表現が使われていて、削減目標を引き上げることを明確にするべきだと主張する国と、国によって事情が異なるためそれぞれの判断に委ねられるべきだとする国と、双方に配慮した形になっています。
  一方で、「パリ協定」の実施に必要なルールのうち、他国への技術支援などで削減できた温室効果ガスの排出量を、自国の削減分として計算する際のルールについては合意できず、来年の「COP26」に先送りされることになりました。
  これによって「パリ協定」が実施できなくなるわけではありませんが、ルールの一部が決まらない状態で課題を抱えたまま始まることになり、パリ協定の信頼性が損なわれるおそれもあります。
小泉環境相「会場の雰囲気は楽観的」
「パリ協定」の実施に必要なルールの一部が合意に至らなかったことについて、小泉環境大臣は「合意を目指して議長や国連のグテーレス事務総長などキーマンと何度も会談を重ねた。日本がこれだけ交渉の成立に向けて  まってからは日本の存在感が高まり、厳しい意見よりも感謝が寄せられた。日本には世界に誇れる取り組みが多くあるので、これからも国内の政策調整を続けるとともに海外への発信をしていきたい。そのスタートになったと思う」と話していました。
ルクセンブルク交渉官「メッセージは示せた
  今回の会議について温室効果ガスの削減目標の引き上げを求めていたルクセンブルクの交渉官は「目標を上げていくという政治的なメッセージは示すことができたがパリ協定のルールについてはゴールに達することができず半分半分といったところだ」と話し、削減目標の引き上げを成果文書に盛り込めた点は温暖化対策の機運向上につながるとして、一定の評価をしていました。
  そのうえで、「今後、自国の削減目標を引き上げることで他国の対策をリードしたい」と話していました。

また、サイクロンなどで大きな被害を受けているモザンビークの交渉官は、「温暖化の被害をより受けている国の現状に多くの国が懸念を感じ始めた」と話し、温暖化への危機感が世界的に高まっていることに手応えを感じていました。
グテーレス国連事務総長「結果にがっかり」
  OP25の閉会を受けて、国連のグテーレス事務総長はツイッターに「結果にはがっかりした。国際社会は気候の危機に対処するため、地球温暖化の緩和や適応、財政支援の面でさらなる野心を見せる機会を失った」と投稿し、失望感をあらわにしました。
  グテーレス事務総長は今回、みずからも2度スペインの会場を訪れ、パリ協定がはじまる来年の2020年に、各国が温室効果ガスの削減目標をさらに引き上げるよう訴えましたが、成果文書では主要排出国や一部の途上国の反対もあり、強い表現では盛り込まれませんでした。
  グテーレス事務総長は「すべての国が2050年までに脱炭素化を達成し、気温の上昇を1.5度以下に抑えるため、2020年に私はこれまで以上に働き、すべての国が行動する年になるようにしたい」として、引き続き温暖化対策に積極的に取り組む姿勢を強調しました。
専門家は機運高めることにつながると評価
  地球温暖化対策の国際交渉に詳しい東京大学の高村ゆかり教授は、今回の成果文書について、「各国の今の削減目標ではパリ協定の目標の達成には十分ではないことを確認し、今後、新たな目標を提出する際に積み増しを求めるものになっている」と述べ、温暖化対策への機運を世界的に高めることにつながる結果だったと評価しました。
  またパリ協定実施のためのルールの一部について、合意が持ち越されたことについては、「時間をかけて交渉したが残念だった」としながらも、今後の合意の具体的な形が見えてきているとし、来年の会議での合意に期待を示していました。
  さらに交渉が長引いたことについては、「来年はパリ協定のもとで初めて各国が目標を出し直す年になる。被害の深刻な国が目標引き上げを訴える一方、排出量が多い国は目標を見直す準備がなかった」と述べ、一部の国が温暖化への危機感を強める中、アメリカや中国、インドなど、主要な排出国が削減について具体的な対策を示さなかったため、世界的な目標の引き上げになかなか合意できず、「可能なかぎり」といった文言を盛り込み、引き上げに消極的な国に配慮した形で合意したと分析しました。
  そして日本については、ルールの交渉などの場面で各国をリードし評価を高めた一方、国内の石炭火力政策について批判を受けたとしたうえで、「石炭火力への厳しい世界の目があることを踏まえ具体的な政策変更への検討が進むのか、世界が注目している」と話していました。
  最後に、COPの会場ではスウェーデンの活動家、グレタ・トゥーンベリさんをはじめ、世界中の若者が会場内で数多くのイベントを行い、対策を訴えたことについて「今回の合意は若者が求める水準には達していなかったといえるが、COP25の重要な動きだった」として、今後、各国が若者の声を聞いて、国内の温暖化対策をさらに強める後押しにしてほしいと話していました。


2019.12.14-AFT BB NEWS-https://www.afpbb.com/articles/-/3259569
COP25、会期延長 夜通し協議 グレタさん「明日はないものと思って行動を」
発信地:マドリード/スペイン [ スペイン イタリア ヨーロッパ ]

【12月14日 AFP】スペインの首都マドリードで開かれている国連(UN)の気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)は行き詰まり、会期を延長して夜通し続けられた。さらに考えられる最も良い結果が出たとしても、地球温暖化で荒廃する未来を防ぐのに必要とされる内容にはほど遠いものとなる見通しだ。
 COP25は12月2日に始まり、13日夕に終わる予定だった。しかしこうした会議にはよくあることだが、14日未明の時点でも議論は続き、共同声明が出るのは数時間後になるとみられている。
 COP25内外からの圧力がかかる中、温室効果ガスの削減量と気候問題で混乱する世界での暮らしに必要な巨額の資金をどう賄うのかをめぐる議論で、裕福な環境汚染国と開発途上国の旧来の確執が再燃した。
 さらに、気候変動の影響を受けやすい貧しい国々と、温室効果ガスの排出量世界1位の中国と4位のインドのような新興大国の間で新たな対立も生じ、議事の進行の妨げとなった。
 スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さん(16)は13日、伊トリノ(Turin)で、高校生らのデモに参加。世界の指導者たちを厳しく批判し、「明日はないものと思って」行動するよう求めた。(c)AFP/Marlowe HOOD and Patrick GALEY


2019.12.11-JIJI.COM-https://www.jiji.com/jc/article?k=2019121101217&g=int
温暖化対策「抜け道を協議」 グレタさん、COPを批判

【マドリード時事】スペインの首都マドリードで開催中の国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)に参加しているスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんは11日、関連イベントで約10分間演説し、「COPで各国が(地球温暖化対策の)抜け道を協議している」と批判した。
<環境活動家グレタ・トゥンベリさん>
 グレタさんは、各国が「温室効果ガス削減量を二重カウントしたり、海外に(数字を)移転させたりと、ずる賢い方法を見つけている」と指摘。温室ガス排出量削減の公約を掲げている先進国に対しては「航空機や輸出入製品の分を加算しておらず、ミスリーディングだ」と断じた。
 グレタさんはまた、「(気候変動問題で)一番危険なのは、政治家や企業トップが実際は何もしていないのに、行動していると見せかけていることだ」と強調。「対策を実行していると素晴らしい言葉で言うだけでは、利益以上に害をもたらす」と非難した。


2019.12.3-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/life/news/191202/lif1912020035-n1.html
COP25開幕 地球温暖化が進めば洪水拡大、サンゴ消失も

国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)が2日、スペイン・マドリードで開幕した。地球温暖化が今後も進行した場合、今世紀末の地球は極端に気温が高い日が増え、中緯度地域の大半と熱帯域で大雨が頻繁に起きるとみられる。一方、中緯度と亜熱帯の乾燥地域では降水量が減少し、干魃が進む。
   世界の平均気温が産業革命以前に比べて2度上昇した場合、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は洪水の被害を受ける世界の人口が今世紀初頭の2・7倍に増えると予測。近年の日本のように台風や水害の頻度が増し、被害が大型化するためだ。
   北極海では少なくとも10年に1回程度、夏の海氷が解けて消失し、南極やグリーンランドの氷床も減少。水温上昇による海水の膨張もあり、海面水位が数メートル上昇する可能性が指摘され、島嶼(とうしょ)国の一部は存亡の危機にさらされる。
   生態系も大きな影響を受ける。多くの生物が気候変動に対応できず、生物多様性が低下。サンゴ礁の99%以上が消失するほか、脊椎動物の8%、植物の16%の生息域が半分以下に減少するとみられている。
   また、農作物が育ちにくい地域が拡大し、小麦やコメなど穀物の収穫量が減り品質も低下。漁業も漁場や漁期が変化し、農林水産業全体が打撃を受けそうだ。


2019.12.2-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191202/k10012198391000.html
COP25開幕 温室効果ガス削減へ対策強化の機運高まるか

地球温暖化対策を話し合う国際会議、「COP25」が2日、スペインで開幕します。国連のグテーレス事務総長が記者会見を開き、各国に対し、温室効果ガスの削減目標を引き上げるなど対策の強化を表明するよう求めました。
  「COP25」は国連の主導で開かれる地球温暖化対策を話し合う会議で190を超える国と地域が参加して、日本時間の2日夜、スペインのマドリードで開幕します。
  開幕を前に、グテーレス事務総長が現地で記者会見を開き、自然災害の頻度が増し、人的、経済的な被害が大きくなっているとして「気候変動は長期的な問題ではない。今まさに私たちは危機に直面している」と指摘しました。

  そのうえで「各国の今のままの努力では不十分なのは明らかだ。足りないのは政治的な意思だ。会議では、各国に責任感とリーダーシップを見せてもらいたい。約束を引き上げるような明確な行動を期待している」と述べ、温室効果ガスの削減目標を引き上げるなど具体的な対策の強化を表明するよう求めました。
  会議では、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」が来年から始まるのを前に、実施に必要なルールのうち協議が続いている一部について合意を目指すことになります。
  また、開幕に先立ち世界全体の温室効果ガスの排出量は増え続けていることが明らかになったほか、世界第2位の温室効果ガスの排出国、アメリカがパリ協定からの離脱を正式に通告したことによる影響も懸念されていて、温室効果ガスの削減に向けて対策を強化する機運が高まるかが焦点となります。
  「COP25」は今月13日まで開かれ、日本からは小泉環境大臣が出席する予定のほかスウェーデンの16歳、グレタ・トゥーンベリさんも参加することになっています。
1.5度への機運は
今回のCOPでは、各国が温室効果ガスの削減目標を引き上げる機運が高まるかが焦点の一つとなります。その際にポイントとなるのが「1.5度」という数字です。去年10月、世界の科学者などでつくる国連のIPCC=「気候変動に関する政府間パネル」が特別報告書を発表し「世界の平均気温は2017年時点で産業革命前に比べておよそ1度上昇している。今のままでは、早ければ2030年には1.5度上昇し、異常気象がさらに増加する」と予測しました。
  それでも「2度上昇した場合と比べれば生態系への影響はかなり低い」としたうえで、各国がいま掲げている目標では、世界の平均気温はおよそ3度上昇してしまうと指摘したのです。
  日本を含む世界各地で、洪水や高潮、猛暑など地球温暖化が影響しているとみられる災害が相次ぐなか、この予測は関係者の危機感を強め、温暖化をせめて1.5度に抑えることが、世界的に意識されるようになりました。
  国連のグテーレス事務総長は、ことし9月、国連総会に合わせて温暖化対策サミットを開き、これまでの対策を上回る具体策を提示するよう各国に求めました。
  国連によると、これまでにフランスやドイツなど70近い国が2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを約束するなど、対策を強化する動きが広がっているということです。
  一方で、日本や中国、インドといった主要な排出国は2050年までに排出量を実質ゼロにすることを約束していないなど温度差があるほか、アメリカのパリ協定離脱による影響も懸念されています。
合意済みのルールと残る課題
「パリ協定」を実施するために必要なルールは、多くが去年、ポーランドで開かれたCOP24で採択されました。
  途上国を含む、すべての国が温室効果ガス削減の実施状況を詳しく報告し、専門家が2年に1度、検証する方法が決まったほか、5年ごとに国連に提出する削減目標は、削減するガスの種類や具体的な計画に加えて、その国の実情に照らして適正で十分高い目標といえるのか、その根拠なども詳しく示すことになりました。
  また、途上国に行う資金支援では、対象となる国や支援の程度、目的などを可能な範囲で国連の事務局に2年に1度、報告することが先進国に義務づけられ、その内容を専門家が検証します。そして、各国が状況を定期的に確認して5年ごとに目標を引き上げ、温暖化対策を段階的に強化する道筋が明確化されました。
  一方で、合意に至らなかった点も残されています。他国への技術支援などで削減できた温室効果ガスの排出量を、自国の削減分として計算する仕組みや、その際にダブルカウントを避けるためのルールなどです。
今回のCOP25では、こうした残された項目について合意に至ることができるのかが、もう一つの焦点となります。
パリ協定とは
「パリ協定」は、地球温暖化対策の国際的な枠組みで、来年から本格的に動き出すことになっています。4年前の2015年にフランスのパリで開かれた「COP21」で採択され、翌年11月に発効。およそ180の国と地域が批准しています。
  世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べ2度未満に保つとともに、1.5度に抑える努力をすることや、世界全体の温室効果ガスの排出量を今世紀後半に実質的にゼロにすることを目標に掲げています。
  先進国だけに排出削減を義務づけた「京都議定書」とは異なり、発展途上国を含む、すべての国が削減に取り組むことを定めています。来年以降、各国は5年ごとに削減目標を国連に提出し、取り組みの状況を報告することが義務づけられています。
専門家「日本は最大限の努力を示す必要」
「COP25」について地球温暖化対策に詳しい専門家は、日本が会議で役割を果たすには、温室効果ガスの削減に向けて最大限の努力をしていると示すことが必要だと指摘しています。
  温暖化対策の国際交渉に詳しい東京大学の高村ゆかり教授は「COP25」の焦点について、世界各地で気候変動が一因と考えられる自然災害が続き危機感が高まるなか、今回の会議が開かれることから「各国の目標の見直しや引き上げに向けて機運を高めること、そのために何らかの合意をすることが期待されている」と話しています。
  そして、「日本は長期戦略の中で、今世紀後半のできるだけ早い時期に脱炭素社会の実現を目指すとしている。その目標に向けて“2050年排出ゼロ”に相当する努力をしていると示すことが、世界の期待に応えることになると思う」として、日本が会議で役割を果たすためには、最大限の努力をしていると示すことが必要だと指摘しました。
  一方で、石炭火力発電所を利用し続ける日本に対して、国際的な批判が高まっていることについて「脱炭素社会を目指すなかで石炭火力発電所をどうしていくのか、長期的な方針や計画が見えてこない。どう減らしていくのかを国際社会に示す必要がある」と話していました。





















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