NATO(北大西洋条約機構)問題-1(詳しくは NATO-HomePage-https://www.nato.int/)


2024.07.15-産経新聞(週刊フジ)-https://www.sankei.com/article/20240715-DQ5LSJCU4ZAIZMCUXDUT2QQM54/?outputType=theme_weekly-fuji
「ポスト岸田」は本命2人、伏兵1人 「これで自民党は変わった」が絶対条件 長谷川幸洋
長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ ジャーナリスト)

  岸田文雄首相11日、米ワシントンで開催していたNATO(北大西洋条約機構)首脳会議にパートナー国として参加した。ジョー・バイデン米大統領とも短時間立ち話をして、連携強化を確認したという。ただ、岸田内閣への国民の評価は高くない。報道各社の世論調査では、内閣支持率は「危険水域」に沈み込んだままだ。次期衆院選での「自民党下野」を警戒する声も噴出している。党内では、党総裁選を見据えて、キーマンである麻生太郎副総裁と菅義偉前首相が駆け引きを激化させている。ジャーナリストの長谷川幸洋氏が「ポスト岸田」について分析した。

  自民党総裁選が9月に実施される。日本を背負う「次の首相」は誰になるのか。情勢は流動的だが、私は「2人の本命候補と、1人のダークホース」の争いになる、とみる。・・・ 岸田文雄政権に対する逆風は収まるどころか、強まる一方だ。東京都知事選と同日投開票(7日)された東京都議補選では、自民党が「2勝6敗」だった。そのうち1勝は、無免許運転スキャンダルで辞任した議員の後釜なので、実質1勝と言っていい。いま総選挙をすれば、自民党の惨敗は必至だ。
  となると、次の総裁は、少なくとも「これで自民党は変わった」とアピールできる候補であることが、絶対条件になる。すなわち、「女性」か、誰もがあっと驚く「若手」だ。
  総裁選には、キングメーカーの存在がささやかれている。ずばり、麻生副総裁と菅前首相だ。2人は、それぞれ誰を担ぐのか。
  菅氏は、かねて萩生田光一前政調会長と武田良太元総務相、加藤勝信元官房長官の3人と定期的に会食を重ねてきた6月6日の会合には、小泉進次郎元環境相が加わった。このうち、萩生田氏は旧統一教会と政治資金の問題で傷ついている。武田氏は首相への野心がないようだ。
  小泉氏はマスコミの人気投票で常に上位に食い込んでいるが、首相には早すぎる。この夜の会合は、NHKと朝日新聞が動画と写真付きで報じた。菅氏の了解なしには、あり得ない。つまり、菅氏は「加藤氏こそが意中の人」として、政局の号砲をブチ上げたとみて間違いない
49歳、小林鷹之氏の名前も浮上
  一方、麻生氏は誰を担ぐのか。・・・当初は上川陽子外相を「あのおばさん、やるねえ」などと持ち上げていたが、肝心の本人は外務官僚の作ったペーパーを棒読みしているだけで、地金がバレてしまった。誰が見ても、難局を引っ張る求心力に欠けている。
  鈴木俊一財務相という声もあったが、「増税メガネの岸田首相から財務相への交代」では、政権と自民党の立て直しをあきらめたも同然だ。とても有権者の支持は得られない。・・・ここへきて、小林鷹之前経済安保相の名前が浮上している。彼の強みは、何といっても49歳という若さだ。衆院当選4回という経歴は、普通なら閣僚にも早いが、東大、大蔵省(現財務省)、ハーバード大ケネディスクール出身という華麗な経歴にも助けられて、総裁候補のダークホースになった。

  加藤氏は、安倍派の多くと二階派、茂木派の一部、それに菅グループの国会議員票が見込める精力的に地方で講演会を開いている高市早苗経済安保相は「党員票狙い」だろう。麻生氏が、高市氏を推す可能性もゼロとは言えない。ライバルの菅氏と距離がある高市氏は、いわば「敵の敵は味方」になる。
  麻生氏が高市氏を推せば、一定の国会議員票を見込め、加藤氏といい勝負になるかもしれない。女性である点も有利だ。かくて、加藤、高市両氏が本命候補ではないか。

  私は、その先に注目している。誰が「ポスト岸田」になろうと、来年10月の任期満了までには、必ず総選挙がある。そこで自公連立政権は過半数を獲得できるだろうか。いまの不人気を見れば、絶対確実とは言えない。そのときは、日本維新の会や国民民主党との連立が視野に入ってくる
  日本の政治は再び、多党連立で流動化しそうだ。欧州の現状を見れば、それは激動する時代の潮流でもある。

長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ ジャーナリスト)
  1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務めた。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア―本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。ユーチューブで「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」配信中。


2024.07.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240713-VD5XJQDFKZLOLI55WYHX7LJBNQ/
社説 <主張>NATO首脳会議 ウクライナ支援を確実に

  創立75年を迎えた北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議米ワシントンで行われ首脳宣言を採択した。 宣言はロシアに侵略されているウクライナのNATO加盟について、「不可逆的な道を歩んでいる」と明記した。来年も最低400億ユーロ(約7兆円)規模の軍事支援を行うことも約束した。

  ウクライナへの兵器供与や同国兵士の訓練などの調整は米国が従来担ってきたが、今後はNATO主導で実施すると明記した。そのための新司令部をドイツに設け、ウクライナの首都キーウにNATOの代表者を常駐させることを打ち出した。
  11月の米大統領選で、NATOに批判的なトランプ前大統領が返り咲いても、ウクライナ支援を長期的に継続するため、NATOの役割と関与を増大させたものだ。歓迎すべき成果であり、支援策を着実に実行してもらいたい。
  NATOの式典でバイデン米大統領は「ウクライナは必ずプーチン(露大統領)を押しとどめる」と演説し、米国など加盟5カ国が計数百基の防空ミサイルを追加供与すると表明した。米製戦闘機F16は今夏に運用可能になる見通しを示した。
  会議に出席したウクライナのゼレンスキー大統領は支援に謝意を示した。 首脳会議前日にはロシア軍によるウクライナ各地への大規模ミサイル攻撃があり、キーウ最大の小児病院などで子供を含む40人超が犠牲となった。
  NATOは約束した兵器を遅滞なく届けてもらいたい
  宣言は中国に関し、ロシアのウクライナ侵略の「決定的な支援者になった」と非難し、兵器転用が可能な物資や原材料の対露輸出停止を要求した。
  北朝鮮やイランについては、弾道ミサイルの供与など「直接の対露軍事支援を行っている」と国連安全保障理事会決議違反を糾弾した。
  3年連続で首脳会議に出席した岸田文雄首相は、ウクライナ支援の継続と、欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障が不可分であると訴えた。NATO側と、秘匿情報の共有やサイバー分野の協力強化など4項目で合意もした。韓国、オーストラリア、ニュージーランドも含め、中露のサイバー攻撃や偽情報工作にNATOとともに対処する意義は大きい。


2024.03.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240314-ESG5QPN24NKP3IHWDWTIZTDE6A/
NATO、加盟国の国防費支出が11%拡大 中露など専制勢力への対抗積極化

  【ロンドン=黒瀬悦成】北大西洋条約機構(NATO)は14日、2023年の年次報告書を発表した。22年2月からのロシアによるウクライナ侵略を受けて加盟国は引き続き軍事力の強化に取り組み、国防費支出は22年比で11%拡大した。国防費の支出を国内総生産(GDP)比の2%以上に増やす目標を23年に達成したのは、加盟31カ国(23年当時)中11カ国だったが、24年初頭に計18カ国に増加したとしている。

報告書「加盟国は自己満足に陥ってはならない」
  報告書は、ウクライナ戦争を受けて加盟国の間で国防強化への切迫感が高まったとした上で「加盟国は自己満足に陥ってはならない」と訴え、NATOが引き続き国防費の拡大と集団防衛態勢の強化を進めていくことを確認した。
  2%目標が設定された14年当時の達成国は3カ国。全ての加盟国が2%を達成する具体的な見通しには言及しなかった
  国防費の20%以上を主要兵器の生産や先端兵器の研究・開発に充当させるとした14年設定の目標については、同年の達成国は7カ国だったのが23年は28カ国に増加したとしている。
  NATOのストルテンベルグ事務総長は報告書の中で、加盟各国は中国を含む専制主義勢力との一層大規模な競争に直面していると指摘。ロシアのプーチン体制がウクライナ侵略戦争で勝利すれば「世界の専制指導者らに『戦争と暴力で目的は達成できる』との危険なメッセージを送ることになる」とし、「NATOはウクライナを支援し続ける」と言明した。
ウクライナ加盟、早期実現を図る
  ウクライナのNATO加盟について、報告書は「全ての加盟国が加盟に同意している」とし、通常は加盟希望国に義務付ける「加盟行動計画」(MAP)の履行手続きを昨年に免除するなど、加盟の早期実現を図っていると強調した。
  また、ストルテンベルグ氏は中国について「私たちと価値を共有せず、利益に挑戦し、ロシアとの同調姿勢を強めている」と批判し、NATOがインド太平洋地域でパートナー国の日本や韓国、オーストラリア、ニュージーランドと連携を深めていくとした。
  報告書によると、NATOは中国への対応でハイテク分野などのサプライチェーン(供給網)での対中依存度を検証するとともに、同盟国の分断を図る中国の工作への対策強化を急いでいる。NATOは22年公表の戦略概念で中国が「深刻な挑戦」を突き付けていると初めて言及していた。







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