ASEAN-1(東南アジア諸国連合)


2023.09.19-朝日新聞-https://www.asahi.com/articles/ASR9M65WZR9MUHBI01G.html?iref=comtop_BreakingNews_list
中国への牽制も狙う? ASEAN各国、南シナ海で初の共同軍事演習
(ニューデリー=石原孝)

  南シナ海の領有権をめぐって中国と沿岸国の対立が続くなか、東南アジア諸国連合(ASEAN)は19日から、南シナ海南部にあるインドネシア領のリアウ諸島などで初の共同軍事演習を始めた。軍事的な連携を深めるのが狙いで、23日まで海上パトロールや捜索・救助活動などを実施する。
  演習を主催したインドネシア国軍によると、加盟国の全10カ国が参加。軍政下のミャンマーからも高官が出席したという。

  南シナ海に面し、領有権を主張しているフィリピンやベトナム、マレーシアといったASEANの国々は、中国による海域内での岩礁の埋め立てなどに反発している。中国が8月に南シナ海のほぼ全域の管轄権を主張する「標準地図」を公表した際にも、批判する声明を出していた。
  ただ、インドネシア国軍のマルゴノ司令官は19日、「今回の演習は『標準地図』に対応するためのものか」と報道陣から聞かれると、「そうではない」と強調した。同国軍は演習範囲を南シナ海ではなく、「ナトゥナ海」と表現して配慮を見せる一方、「(海域での)全ての活動は、国連海洋法条約に従わなければならない」とも訴えている。(ニューデリー=石原孝)


2023.02.04-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230204/k10013970771000.html
ASEAN外相会議でミャンマー情勢を議論 包括的な対話実現目指す

  ASEAN=東南アジア諸国連合の外相会議がインドネシアで開かれ、軍によるクーデターで混乱が続くミャンマー情勢について議論が交わされ、議長国インドネシアが提案したすべての当事者による包括的な対話の実現を目指すことで一致しました。

  ASEANの外相による会議は、ことし議長国を務めるインドネシアのジャカルタで4日に開かれ、ミャンマーを除く加盟国が出席しました。
  会議では2年前のクーデター以降、軍と軍に反発する民主派勢力などの間で戦闘が続くミャンマー情勢について議論が交わされました。
  インドネシアはASEANがおととし合意した暴力の即時停止や対話を仲介する特使の派遣など5つの項目をミャンマー側に履行させることが重要だと改めて強調した上で、平和的な解決の鍵となるのは、すべての当事者による包括的な対話であり、その実現に向けて取り組んでいく方針を提案し、一致したということです。
  会議の後の記者会見でインドネシアのルトノ外相は「5項目の履行についてASEANとして強い団結を示すことができた」と今回の成果を強調しました。
  ただASEANの加盟国のうち、インドネシアやシンガポールはミャンマーに対し厳しい姿勢を示す一方、隣国のタイやラオスなどは融和姿勢を示していて、今後ASEANとして一致した対応をとれるかが課題となります。



2022.12.23-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20221223-OBL3ZIB5RNN3JKB6VZX5STU6X4/
ASEAN、足並みに乱れ ミャンマー問題で会合、半数欠席

  【シンガポール=森浩】国軍がクーデターで実権を握ったミャンマー情勢をめぐり、東南アジア諸国連合(ASEAN)の一部加盟国は22日、タイの首都バンコクで非公式の外相会議を開いた。会議開催は国軍と関係が深いタイが提案したが、国軍に反発するインドネシアなどは出席を拒否来年2月1日でクーデターから2年を迎えるが、ASEAN内部の足並みは乱れ、問題解決に遠い現状が浮き彫りとなった。

  会議には加盟10カ国のうち、タイやカンボジアなど5カ国が参加した。いずれもインドシナ半島に位置し、国軍に融和的な姿勢を保つ。ミャンマーからは国軍が外相に任命したワナマウンルイン氏のほか、国際協力を担う閣僚らが出席した。インドネシアやマレーシア、シンガポールなどは外相の派遣を見送った。
 ミャンマー情勢を巡り、ASEANと国軍は2021年4月、暴力の即時停止やASEAN特使受け入れなど5項目で合意した。しかし、国軍は合意をほぼ無視。ASEAN側は態度を硬化させ、首脳会議や外相会議などで国軍代表者の参加を拒否している。来年の議長国は対国軍強硬派のインドネシアで圧力をさらに強める可能性が高い。
  タイとミャンマーは軍の間で結びつきが強い。タイのプラユット首相も14年のクーデターでトップの座に就いた経緯がある。タイはこのタイミングで非公式ながら外相会議を開催し、国軍の決定的な孤立を避けたい思惑がある。
  タイ外務省は会議後の声明で、「ミャンマーが正常な状態に戻る道筋を見つけるため意見交換を行った」と意義を強調した。タイメディアによると、5項目の合意の履行について話し合われたもようだが、具体的な内容は明らかになっていない。
  ASEANが一枚岩になれず有効な手立てを打てない中、ミャンマー国内では国軍による市民弾圧が進んでいる国軍は民主派が結成した武装組織「国民防衛隊(PDF)」や民主派に呼応する少数民族武装勢力の拠点への攻撃を強化。10月には北部で大規模な空爆を行い、市民ら60人以上が死亡した。


2021.11.22-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211122/k10013357751000.html
中国 ASEANとの関係を“格上げ” 米などけん制がねらいか

  中国とASEAN=東南アジア諸国連合の首脳会議習近平国家主席は、ASEANとの関係を格上げして関係強化を打ち出す一方「地域の平和を損なう負の要素に対応しなければならない」と呼びかけ、南シナ海問題への関与やASEANとの関係を強めるアメリカなどをけん制しました。

  中国とASEANが対話関係を始めて、ことしで30年となるのを記念した会議が22日、オンライン形式で行われ、中国の習近平国家主席とASEAN各国の首脳らが出席しました。
  中国外務省によりますと、この中で習主席は「われわれはきょう正式に『包括的戦略パートナーシップ関係』を構築した。周辺国との外交においてASEANを優先する方針は揺るぎない」と述べ、これまでの「戦略パートナーシップ関係」から格上げして関係を強化する考えを強調しました。
  そのうえで、今後5年間で1500億ドル、日本円で17兆円余りの農産品を輸入するほか、新型コロナウイルス対策と経済復興のために今後3年間で15億ドル、日本円で1700億円余りの援助や、ワクチン1億5000万回分の追加支援などを行う考えを示しました。
  一方で習主席は「地域の平和を損なうさまざまな負の要素に手を携えて対応しなければならない」と呼びかけました。
  来月にはASEANの国々を初めて招いたG7=主要7か国の外相会合が開かれるなど、アメリカやイギリスなどが南シナ海問題への関与やASEANとの関係を強める中、こうした動きをけん制するねらいがあるとみられます。
ミャンマーは首脳会議を欠席
  22日の首脳会議にASEAN加盟国のミャンマーは出席しませんでした。クーデターで実権を握ったミャンマー軍のトップ、ミン・アウン・フライン司令官の出席は許されず、代わりに駐中国のミャンマー大使が招かれましたが、ミャンマー側はこの措置を拒否した形です。
  ミャンマー軍は会議後に声明を出し、司令官の出席を調整しようとしたと伝えられる中国に感謝を示す一方で、これに反対したとされるインドネシアやマレーシアなどいくつかの国を念頭に名指しは避けつつも不満を示しました。
  ミャンマーは先月開かれたASEANの一連の首脳会議も同様の理由により欠席し、ASEANとしては極めて異例な状態が続いています。
松野官房長官「関係強化に取り組む」
  松野官房長官は午後の記者会見で「わが国とASEANは、広範な分野で着実に協力が進展している。先に岸田総理大臣は、再来年に日本で特別首脳会議を開催し、日ASEAN関係を新たなステージに引き上げる意向を示して、各国の首脳から歓迎を受けているところであり、引き続きASEANとの関係強化に取り組んでいきたい」と述べました。


2021.10.26-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20211026-OX674XTTD5OXPLCHSJ4M6RDODQ/
ミャンマー国軍、ASEAN首脳会議ボイコット

  【シンガポール=森浩】東南アジア諸国連合(ASEAN)は26日、オンライン形式で首脳会議を開いた。クーデターで国軍が実権を掌握したミャンマーは参加をボイコットしたASEANが国軍トップのミン・アウン・フライン総司令官ではなく、外務省高官を招待したことに抵抗したもようだ。ASEAN関連会議で加盟国代表の不参加は異例。

  ASEANは民主派との対話を促す特使受け入れを拒む国軍への圧力として、15日の臨時外相会議で総司令官の首脳会議参加を認めないことを決めた。ミャンマー外務省は25日夜、「首脳か閣僚級」が参加できなければ首脳会議を欠席する方針を示唆していた。

  26日の首脳会議ではミャンマー情勢が主要テーマとなり、加盟国は出席を見送ったミャンマーに失望感を示しつつ、早期の特使受け入れなどを訴えた。
  シンガポールのリー・シェンロン首相は「特使に完全に協力するよう(国軍に)強く促す」と強調。タイのプラユット首相もミャンマー情勢について「対応によっては、国際社会からのASEANの信頼に影響を与える」と主張した。
  ASEANは27日に日中韓3カ国との首脳会議のほか、ASEAN各国と日米中などによる東アジアサミット(EAS)を開く。EASには米国からバイデン大統領が参加する予定。トランプ前大統領は任期中、EASに一度も出席せず、東南アジア軽視との批判を浴びた。


2021.08.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20210803-HQXLS4JUDRJ7BDWI4GLQMLSEPU/
ミャンマー派遣特使、調整難航 ASEAN外相会議

  【シンガポール=森浩】東南アジア諸国連合(ASEAN)は2日、オンライン形式で外相会議を開き、国軍がクーデターで実権を握ったミャンマー情勢などを協議した。最大の焦点である国軍と民主派の調停役となる特使の人選について調整が難航し、加盟国間の足並みの乱れが浮き彫りとなった

  特使派遣は4月のASEAN特別首脳会議で合意された。国軍は当初は受け入れに消極的だったが、ミン・アウン・フライン総司令官は今月1日の演説で「協力する用意がある」と前向きな姿勢を示した。

  特使には、今年のASEAN議長国ブルネイのエルワン第2外相や、タイのウィラサック元外務副大臣らの名前が浮上している。ミャンマー側は、国軍に融和的なタイの特使を受け入れたい考えだが、クーデターに批判的なインドネシアなどが反発しているという。


2021.04.27-毎日新聞-https://mainichi.jp/articles/20210427/k00/00m/030/298000c
ミャンマー国軍「安定したら慎重に検討」 ASEAN暴力停止提言

  ミャンマー国軍の最高機関「国家統治評議会(SAC)」は27日付の国営紙で、東南アジア諸国連合(ASEAN)が24日の臨時首脳会議でまとめた暴力の停止などを求める提言について、「国内状況が安定したら慎重に検討する」と発表した。

  ASEAN臨時首脳会議は24日、インドネシアの首都ジャカルタで開催され、国軍のミンアウンフライン最高司令官も出席した。議長声明で、暴力の即時停止や特使派遣などの5項目の提言を合意事項に盛り込んだ。

  SACの26日付の発表によると、ミンアウンフライン氏は首脳会議で「議長国ブルネイを支持し、議長声明の内容を達成するため全加盟国と協力する」と発言。ミャンマー軍が2月1日以降、なぜ国の責任を包括的に引き受けるようになったのかを説明したという。
  議長声明で指摘されたミャンマーへの提言についてSACは、「国益を鑑み、ASEAN憲章などの目的と原則に基づいて提言を積極的に検討する」としている。【高木香奈】


2021.04.26-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210426/mcb2104260550008-n1.htm
ASEAN首脳会議、ミャンマーでの暴力停止で合意

  【シンガポール=森浩】東南アジア諸国連合(ASEAN)は24日、インドネシアの首都ジャカルタで、ミャンマー問題を議論する特別首脳会議を開催した。会議にはミャンマー国軍のミン・アウン・フライン総司令官も出席し、暴力の即時停止を含む5項目が合意された。確実に実行されれば市民への武力行使停止につながるが、国軍がどこまで合意を順守するかは不透明だ。

  5項目は会議後に議長国ブルネイが発表した声明に盛り込まれた。暴力を即時停止し、全当事者が最大限の自制を行うことや、ASEAN議長国が特使をミャンマーに派遣して当事者間の対話を促すことなどで合意に達した。

  議長声明では犠牲者が745人(23日時点)に上るミャンマー情勢について、「深い懸念」を表明。平和的解決策を促進する上で、「ASEANが積極的かつ建設的な役割を果たす」と明記した。会議では一部加盟国から全政治犯の解放を要求する声が上がったが、アウン・サン・スー・チー氏らの解放では合意できず、市民の反発の沈静化につながるかは不透明だ。

  会議後に取材に応じたシンガポールのリー・シェンロン首相は、会議で一定の成果があったことを強調しつつ、「暴力を止めると言っても、それを実行に移すのは別のことだ」と述べ、国軍に対して合意に従うことを強く要求した。
  会議は域内の盟主を自任するインドネシアのジョコ大統領の呼びかけで開催された。これまでASEANは内政不干渉の原則が足かせとなり、ミャンマー情勢をめぐって存在感を発揮できておらず、問題解決を主導できなければASEANの求心力が弱体化するとの危機感があった。
  総司令官は2月1日のクーデター以降、初の海外訪問。会議出席を通じて、国際社会から正統な政府としての承認を得たい考えがあったもようだ。

  ただ、首脳会議にはタイ、フィリピン、ラオスが首脳の出席を見送って外相を派遣するなど、ミャンマー問題をめぐっては加盟国に温度差が存在する。インドネシアとシンガポール、マレーシアは国軍の弾圧を厳しく非難。一方、強権体制のタイやカンボジア、社会主義国のベトナムはこの問題での深入りを避けている。
   ミャンマー情勢をめぐり、東南アジア諸国連合(ASEAN)特別首脳会議が議長声明に盛り込んだ合意項目は次の通り。
     -----------------
一、暴力を即時停止し、全当事者が最大限自制 
一、全当事者が平和的解決に向け対話を開始
一、対話促進に向けASEANが特使を派遣
一、ASEANによる人道支援の提供
一、特使はミャンマーで全当事者と面会

     -----------------
共同


2021.04.24-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/210424/wor2104240019-n1.html
ミャンマーに代表団派遣へ ASEAN首脳会議

  【シンガポール=森浩】東南アジア諸国連合(ASEAN)は24日、インドネシアの首都ジャカルタで、ミャンマー問題を議論する特別首脳会議を開催した。首脳会議にはクーデター後初の海外訪問となるミャンマー国軍のミン・アウン・フライン総司令官も出席。加盟国はミャンマー国内の対話を促すことを目的としたASEAN代表団の派遣を提案し、総司令官は受け入れる意向を示したという。

  会議は域内の盟主を自任するインドネシアのジョコ大統領が呼びかけた。総司令官は会議出席を通じて国際社会から正統な政府としての承認を得たい狙いがあった。会議ではシンガポールやマレーシアが総司令官に対して暴力行為の停止を要求。事態の平和的な解決に向けてミャンマー国内での国軍と民主派の対話を促した。会議後に取材に応じたシンガポールのリー・シェンロン首相によると、総司令官は代表団受け入れに反対しなかったという。
  ASEANはミャンマー情勢に懸念は表明しつつも、内政不干渉の原則が足かせとなり、事態の打開に向けて存在感を発揮できていない。3月には、ミャンマー情勢を話し合う特別外相会議を開き、議長声明で「すべての当事者に暴力の自制を求める」と呼びかけたが、国軍を名指ししての強い批判は避けた。
  ジョコ氏らはASEANが主導して事態を打開したい考えだが、首脳会議にはタイ、フィリピン、ラオスの首脳が出席を見送り、それぞれ外相を派遣するなど、各国首脳には温度差が存在する。インドネシアとシンガポール、マレーシアは国軍の弾圧を厳しく非難。一方、強権体制のタイやカンボジア、社会主義国のベトナムはこの問題での深入りを避けている。
  ミャンマーの地元人権団体によると、国軍の弾圧による市民の累計犠牲者は23日時点で745人となり、混迷収束の兆しは見えていない。


2021.02.25-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210225/mcb2102250615014-n1.htm
ASEAN、ミャンマー情勢に苦慮 外相会議開催も不透明

  【シンガポール=森浩】国軍がクーデターで実権を握ったミャンマーをめぐり、東南アジア諸国連合(ASEAN)が対応に苦慮している。加盟国のクーデターへの受け止めには温度差があり、ミャンマー情勢を話し合う特別外相会議実施を目指す動きもあるが実現は不透明だ。内政不干渉の原則もあるだけに、どこまで共同歩調を取れるかは見通せない状況だ。

  ミャンマー情勢に積極的に関与する動きを見せているのは地域大国のインドネシアだ。24日にはルトノ外相がタイを訪問。同じくタイを訪問中のミャンマー軍事政権のワナ・マウン・ルウィン外相と会談した。1日のクーデター後、ミャンマーと外国の高官協議が確認されたのは初めて。
  インドネシアはミャンマーも交えたASEAN特別外相会議を開催したい考えだ。ルトノ氏は18日にシンガポールのバラクリシュナン外相と会談し、早期開催を目指す考えで一致した。ただ、どこまで賛同が広がるかは未知数で、ASEAN外交筋によると、他の加盟国が特別外相会議開催で合意したとしても、ミャンマーは不参加の意向を内々で示しているという。

  ロイター通信によると、インドネシアは加盟国に対して、ミャンマー国軍が1年後に約束している総選挙への監視団派遣も提案した。ミャンマーのデモ隊は昨年11月の総選挙結果を尊重するよう求めており、国軍管理下の選挙実施を前提とするインドネシアの提案には既に反発の声が上がっている。
  一方、カンボジアは「内政問題」と距離を置く。タイのプラユット首相は10日、ミャンマー国軍のミン・アウン・フライン総司令官から書簡を受け取ったことを明らかにし、「重要なのは良好な関係を維持することだ」と述べた。プラユット氏自身が2014年のクーデターで実権を握った経緯があり、ミャンマー国軍にも融和的だ。

  ミャンマーはかつての軍事政権下の1997年にASEANに加盟地域の連帯を重く見るASEANは、欧米が軍事政権への制裁を強めた際も、ミャンマーに経済面を中心とした交流を進めて民主化を促す「建設的関与政策」を推進した。今回の政変を受けても、ASEANとして踏み込んだ制裁に出ることはなさそうだ。
  ミャンマーでは24日も全土で抗議デモが行われた。最大都市ヤンゴンでは治安部隊が各地で交通規制を行い、デモ拡大を制限した。


2020.11.21-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/201121/mcb2011210227004-n1.htm
中国「TPPに意欲」 米の包囲網切り崩しへ先手

  【北京=三塚聖平】中国の習近平国家主席環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加意欲を表明することで、米国の機先を制して攻勢に出た。米大統領選で勝利を確実にしたバイデン前副大統領が政権を握っても対中政策の軟化は見込みにくく、中国としては米国が進める「対中包囲網」の切り崩しが喫緊の課題だ。米国の外交戦略の方向性が定まらない中で、中国は「TPP」という対米牽制(けんせい)の新たなカードを手に入れようとしている。

中国はこれまでTPPについて「前向きで開放的な態度を取っている」(李克強首相)と述べるにとどめており、今回の習氏の発言で大きく踏み込んだ。このタイミングでの表明が、政権移行期で混乱する米国を意識したのは明白だ。
  トランプ米政権は、中国製通信機器の排除を各国に求めるなど対中包囲網の形成を呼びかけてきた。こうした対中強硬姿勢はバイデン氏が大統領になっても大きくは変わらないという見方が中国国内でも根強い上、「自由で開かれたインド太平洋」の旗印の下で日米豪印が連携を強めるという動きもある。
  そうした中で、世界2位の経済規模を武器に自国の影響が及ぶ経済圏を広げ、対中包囲網を切り崩す思惑がうかがわれる。
  15日には日中韓などが参加する地域的な包括的経済連携(RCEP)交渉が妥結して15カ国が署名したが、北京の日本人エコノミストは「中国にとりRCEP妥結は、世界や地域で孤立していないとアピールする効果があった」と指摘する。習氏は19日に行われたAPEC首脳会議の関連会合での演説で「多国間や2国間の投資・貿易協力に積極的に参加する」と経済連携交渉を加速させる方針を示している。
  実際に中国がTPPに参加するハードルは高い。TPPは、RCEPよりも関税撤廃率やルール作りで高い水準にあり、参加には国有企業改革などが求められるからだ。ただ、参加にまでたどり着けないとしても、TPPから離脱した米国を横目に開放的な姿勢を戦略的にアピールすることにつながるのは間違いない。


2020.11.15-NHK NEWS WEB-https://www.yomiuri.co.jp/world/20201115-OYT1T50172/
米「中国の行動が平和を脅かす」、中国首相は「法の支配を推進している」とけん制

  【ハノイ=田中洋一郎】オンライン形式で開かれていた東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の首脳会議は15日、全日程を終了して閉幕した。14日の東アジア首脳会議(EAS)では、米国が、南シナ海で覇権主義的な行動を強める中国を名指しで批判した。

  EASは日米中露やASEANなど18か国の首脳らが参加し、地域の安全保障などを議論する枠組み。
  米国務省の発表によると、トランプ米大統領の代理として出席したロバート・オブライエン国家安全保障担当大統領補佐官は、南シナ海などでの「中国の行動が平和と安定性、(周辺国の)主権を脅かしている」と批判した。日本の菅首相や、フィリピンなど一部のASEAN加盟国首脳も懸念を表明した。
  一方、中国政府の発表によると、中国の李克強リークォーチャン首相は「中国は南シナ海の平和と安定を守ると強く決意しており、国際的な舞台での法の支配を擁護し、推進している」と語った。米国をけん制したものとみられる。


2020.11.15-Yahoo!Japanニュース(毎日新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/a382c8e129b6e80f76fa4ee40459be5105a658e4
「東シナ海で日本の主権を侵害する活動」 首相、中国の海洋活動に懸念表明 東アジアサミット

  菅義偉首相は14日夜、日米中韓露と東南アジア諸国連合(ASEAN)など18カ国による東アジアサミットにオンライン形式で参加した。沖縄県・尖閣諸島周辺で領海侵入を繰り返す中国を念頭に東シナ海では日本の主権を侵害する活動が継続している」と述べて懸念を表明した。南シナ海についても「緊張を高める行動や国連海洋法条約に整合しない主張が見られる」と指摘した。

  菅氏は法の支配などを重視する「自由で開かれたインド太平洋」構想に言及したうえで、構想に基づきASEAN各国と連携を強めていく考えを強調した。南シナ海のほぼ全域に主権が及ぶとする中国の主張を退けた2016年のオランダ・ハーグの仲裁裁判所の判断にも言及し「判断は最終的で、紛争当事国を法的に拘束するものだ」と指摘。中国に関しては、香港への統制を強化する「香港国家安全維持法」への重大な懸念を改めて表明した。
   来年に延期された東京オリンピック・パラリンピックについては「人類が疫病に打ち勝った証しとして開催する」と述べ、安全・安心な大会の実現に全力で取り組む考えを示した。オンライン形式で開かれた会議には、米国からはトランプ大統領に代わってオブライエン大統領補佐官が参加。ロシアはプーチン大統領、中国は李克強首相がそれぞれ参加した。【青木純】


2020.11.12-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/politics/news/201112/plt2011120047-n1.html
《独自》日本が「AIIB」削除要求 中国は「インド太平洋」反対…ASEAN声明で応酬

  日本政府が東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の首脳会議でまとめられる成果文書をめぐり、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)や巨大経済圏構想「一帯一路」に関する文言の削除を求めていることが12日、分かった。一方、中国は日本が主導する「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を念頭に、地理的概念を含む「インド太平洋」を盛り込むことに反対しており、日中両国がASEANを舞台に牽制(けんせい)し合っている形だ
  ASEAN外交筋が明らかにした。それによると、中国政府は14日にテレビ会議形式で開かれるASEANと日中韓3カ国(ASEANプラス3)の首脳会議、米露も含む東アジア首脳会議(EAS)などでまとめる声明で、AIIBに言及するよう主張。日本は「特定の国がイニシアチブ(主導権)を持つ内容を入れるのは不適切だ」と反対し、米政府なども同様の立場を取っているという。
  昨年11月のASEANプラス3では交通インフラの整備などを盛り込んだ「連結性イニシアチブ」に関する共同声明でAIIBに言及した。だが、AIIBなどを活用したインフラ投資の結果、中国が返済に窮した発展途上国に政治的要求を突き付ける「債務の罠(わな)」が関係国の懸念を招いており、日本による削除要求はこうした動きを牽制する意味もある。
  一方、中国側は日本主導のFOIPを連想させる文言を成果文書の草案から削除するよう要求。ASEANが昨年6月に採択した「インド太平洋に関するASEAN・アウトルック(AOIP)」にも反対している。中国は昨年のEAS議長声明などでAOIPへの言及を認めたが、日米が主導する対中封じ込めにつながる恐れがあると警戒を強めたとみられる。


2020.10.20-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/politics/news/201020/plt2010200053-n1.html
中国牽制へ「インド太平洋」深化 ASEANは米中両にらみ

  菅義偉(すが・よしひで)首相が「自由で開かれたインド太平洋」の推進に向け東南アジア諸国連合(ASEAN)との連携を強めるのは、拡張主義を強める中国を牽制(けんせい)する狙いがある。中国は東シナ海や南シナ海への進出を活発化する一方、巨大経済圏構想「一帯一路」などを通じ経済的な関与を強めているからだ。ただ、米国と同盟を組む日本と、米中両にらみのASEANには温度差もある。
  中国は新型コロナウイルス感染拡大後も南シナ海で強権的な振る舞いを続ける。人工島の軍事拠点化に加え、8月には中距離弾道ミサイルを撃ち込んだ。
  インドネシアは中国と経済的な結びつきが強い。ただ、排他的経済水域(EEZ)への中国公船の侵入などもあり、近年は「これまで以上に南シナ海の問題を自分のことと捉えている」(外務省幹部)。
  法の支配や質の高いインフラ整備などを掲げる「インド太平洋」は安倍晋三前首相が2016年に提唱した。政府は名指ししていないが、念頭にあるのは中国だ。日本は6日、東京で米豪印との外相会議を開き、「インド太平洋」の推進を確認。19日には、印国防省が海上自衛隊と米海軍との今年の共同訓練「マラバール」に豪海軍が参加すると発表した。中国離れを強める豪軍の参加は07年以来で、安全保障面の連携でも中国を牽制する。
  菅首相は19日、ベトナムで防衛装備品の輸出に関する協定に実質合意した。20日のジョコ・インドネシア大統領との会談でも約5年開かれていない外務・防衛閣僚会合(2プラス2)の早期実施などを確認した。

  一方で、ASEANには米中の覇権争いに巻き込まれることへの警戒感が強く、米国や日本との安保協力に及び腰な部分もある。加盟国が「親米」「親中」で分断されれば一体感を失い、影響力が低下する恐れもあるからだ。
  日米同盟を基軸とする日本でさえ中国とは経済面などのつながりから、米国のように対決姿勢を取るのは難しい。政府は米豪印やASEANなどと経済や安保面の連携を深化させることで中国を押さえ込もうとしている。(ジャカルタ 田村龍彦)


2020.6.27-Livedoor.com(産経ニュース)-https://news.livedoor.com/article/detail/18483710/
南シナ海「最近の動向に懸念」と中国牽制 ASEAN首脳会議議長声明

  【シンガポール=森浩】東南アジア諸国連合(ASEAN)は27日、テレビ会議形式で26日に開催した首脳会議の議長声明を発表した。
  声明では、南シナ海情勢について「地域の安全や安定を損なう可能性のある最近の動向、重大な事件について懸念が表明された」と盛り込まれ、名指しは避けながらも実効支配を強化する中国の動きを牽制した。
  南シナ海をめぐって中国は4月、領有権に争いがあるスプラトリー(中国名・南沙)諸島などを管轄する新たな行政区の設置を発表中国の公船がフィリピン海軍艦艇にレーダーを照射したり、ベトナム漁船に衝突したりする事案も相次ぎ、ASEANの一部加盟国と対立が深まっている。こうした状況を受け、今回の議長声明は「複数の懸念に留意する」とした昨年11月の首脳会議の声明から表現をやや強めた。
  首脳会議では中国の動きを警戒する声が相次ぎ、フィリピン大統領府によると、加盟10カ国の少なくとも半数が南シナ海問題に触れたという。会議でフィリピンのドゥテルテ大統領は中国を念頭に「新型コロナウイルスを封じ込めようと奮闘する中、南シナ海で憂慮すべき事件が発生した」と話し、緊張を高める動きを批判。インドネシアのジョコ大統領も情勢を懸念する発言を行った。







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