ウクライナ-1



2022.08.30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220830-I7AMNFANGBPPTKPSVF7C6YLUW4/
ウクライナ、南部の奪還作戦本格化か 露軍の複数部隊が撤退

  ロシアによるウクライナ侵攻で、ウクライナ軍は29日、露軍が制圧を宣言している南部ヘルソン州で露軍の第1防御線を突破した。同州のウクライナ当局高官が明らかにした。同国軍はまた、同州から露軍の複数の部隊が撤退したとも発表した。7月上旬ごろから同州などで露軍の兵站(へいたん)破壊を進めてきたウクライナ軍が、本格的な南部の奪還作戦を開始したとの見方が出ている。

  ウクライナメディアによると、同国軍は29日、「ヘルソン州の露軍の物資補給ルートの大半を破壊した」と発表。同州では日中から夜間にかけ、多数の爆発音が響いた。国営ロシア通信は同日、露占領下にあるノバカホフカで住民に避難命令が出されたと伝えた。

  米CNNテレビは29日、ウクライナ南部軍のグメニュク報道官が「軍は南部の占領地の解放に向け、攻勢を開始した」と述べたと報道。CNNはまた、「ウクライナ軍が今後の奪還作戦を有利にするための作戦を開始した」とする複数の米高官の見方を伝えた。米高官は今後、地上・航空部隊が参加する作戦が行われる可能性が高いとした。
  グメニュク氏は同日の記者会見で「露軍の士気低下はわれわれに有利だが、露軍はなお強力だ。気を緩めるのは尚早だ」と述べ、楽観論を戒めた。ウクライナメディアが伝えた。
  一方、タス通信によると、露国防省は同日、ヘルソン州や南部ミコライフ州で前進を図ったウクライナ軍を撃退し、560人超の損害を与えたと主張した。

  ヘルソン州はロシアが2014年に併合した南部クリミア半島に隣接する要衝で、露軍は侵攻後の今年3月に制圧を宣言。ウクライナ軍は7月ごろから米高機動ロケット砲システム「ハイマース」などで同州内の橋や露軍弾薬庫の破壊を進め、奪還に向けて露軍の弱体化を進めてきた。


2022.08.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220828-3XBDKEBAGFJTPFRU4U7DU6JICI/
露軍部隊が10人規模で攻勢、米は戦力劣化を指摘 ウクライナ戦線膠着

  ロシアによるウクライナ侵攻で、ウクライナ軍参謀本部は28日、東部ドネツク州の3方面で露軍の前進を撃退したと発表した。露軍は全域の制圧を目指す同州で過去1カ月半以上、目立った前進を遂げられていない。同参謀本部はまた、南部ヘルソン州でも10人規模の露軍部隊が前進を試みたと発表した。米シンクタンク「戦争研究所」は27日付リポートで、10人規模の部隊では攻勢には不十分で、露軍の戦闘能力の劣化を示唆していると指摘した。

  同参謀本部によると、ドネツク州で前進を阻止したのは、中心都市スラビャンスク方面や要衝バフムト方面など。露軍は各方面で砲撃を続け、地上部隊を前進させようとしたが、反撃を受け撤退したとした。ヘルソン州では奪還を目指すウクライナ軍が露軍弾薬庫などの兵站(へいたん)破壊を進めており、露軍の戦力低下が指摘されてきた。


2022.08.28-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20220829-ACOKJXFO6ROFTA72YQU5W43B54/
原子炉から100メートルに被弾 ザポロジエ 放射線増えず

  ロシア軍が占拠し、砲撃が相次いでいるウクライナ南部ザポロジエ原発について、国際原子力機関(IAEA)は28日の声明で、原子炉から約100メートルにある廃棄物の管理や水処理などを担う特別な建物が被弾したと発表した。安全を保つシステムは稼働しており、放射線量の増加や水素漏れを示すデータはないとした。

  IAEAはグロッシ事務局長率いる派遣団の数日中の現地入りを目指し、関係国と調整を続けているとも表明した。
  声明によると、ウクライナ側は原発の被害状況の全体像を把握できていない。一時中断した原発への電源供給は復旧しているという。
  ウクライナのクレバ外相は28日、ツイッターで「ロシアが原発を軍事基地にし、(欧州)大陸全体を危険にさらしている」と非難し、露軍の撤退を改めて求めた。
(共同)


2022.08.26-Yahoo!Japanニュース(REUTERS)-https://news.yahoo.co.jp/articles/8e47a2449495439e7903a51198f8c21a68d2b8fb
ウクライナ・米首脳が電話会談、ロシアにザポロジエ原発返還を要請

  [ワシントン 25日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領とバイデン米大統領が25日、ウクライナの独立記念日を祝う電話会談を行い、ロシアに対し、ザポロジエ原子力発電所の管理をウクライナ当局に返すよう要請した。

  また、核災害が懸念される中、ザポロジエ原発の安全性を評価するよう国際原子力機関(IAEA)に呼びかけた。
  ゼレンスキー大統領はツイッターへの投稿で、「素晴らしい対話」を持ち、ウクライナへの支援に対する謝意を伝えたとした上で、「侵略者に勝利する道筋における将来のステップと、ロシアに戦争犯罪の責任を負わせる重要性を巡り協議した」と明らかにした。
  米ホワイトハウスのジャンピエール報道官によると、バイデン大統領はロシアの侵攻が続くウクライナへの支援を改めて表明。
  さらに、3月以降ロシアが掌握するウクライナ南部のザポロジエ原子力発電所について、ロシア側が原発周辺を非武装地帯とする案に合意すべきという考えを示した。


2022.08.25-JIJI COM-https://www.jiji.com/jc/article?k=2022082500105&g=int
鉄道駅にミサイル、22人死亡 独立記念日、全土で空襲警報―ウクライナ

  【キーウ、ニューヨーク時事】ウクライナのゼレンスキー大統領は24日、東部ドニプロペトロウシク州の鉄道駅などにロシアがミサイル攻撃を仕掛け、少なくとも22人が死亡、約50人が負傷したと明らかにした。死者には11歳の子どもが含まれているという。国連安保理会合のオンライン演説とその後のビデオ演説で語った。

  この日は、ウクライナ全土で空襲警報が鳴り続けた。ロシア軍の侵攻から半年というだけでなく、旧ソ連からの独立を宣言して31回目の独立記念日にも当たる。ロシア軍が、記念日を狙って攻撃を強化したとみられる。
  ゼレンスキー氏によると、今回の攻撃で車両4両が破壊された。同氏は安保理演説で「これがわれわれの日常だ」と述べ、ロシアを非難した。


2022.08.24-Sponichi Annex-https://www.sponichi.co.jp/society/news/2022/08/24/kiji/20220824s00042000164000c.html
クリミア奪還手段選ばず ゼレンスキー大統領「停戦の用意ない」

  【キーウ共同】ウクライナのゼレンスキー大統領は23日の記者会見で、ロシアが2014年に強制編入したウクライナ南部クリミア半島について他国との相談なしに、自ら正しいと決めたあらゆる手段で取り戻す」と述べ、奪還への強い決意を示した。「われわれに停戦の用意はない」とも明言し、紛争解決は一段と困難になった。

  ロシアのウクライナ侵攻から24日で半年。ゼレンスキー氏は以前、侵攻前の状況までロシアが撤退すれば停戦交渉の再開が可能だとしていた。クリミアでは8月に入ってロシア軍基地などで爆発が相次ぎ、ウクライナ軍精鋭部隊が関与したとの見方も浮上。緊張が高まっている。

  ゼレンスキー氏は、クリミア返還を目指す国際枠組み「クリミア・プラットフォーム」の首脳会合で記者会見した。14年に始まった親ロ派との東部紛争で、停戦などを定めた「ミンスク合意」が履行されなかったことから「新たな合意を重ねても、領土の一部を失うだけだ」と強調した。
  首脳会合の演説では「クリミアに始まったロシアの侵攻は、クリミアに終わる」と述べ、各国首脳らに奪還の正当性を訴えた。クリミア・プラットフォームは昨年設立され、今回の首脳会合には約60の国や国際機関が参加した。

  ロシアは14年、ウクライナの親ロ政権が崩壊した後にクリミアに部隊を派遣して制圧し「住民投票」を経て編入。クリミア帰属問題は決着済みとの立場を取る。今年2月の侵攻後の停戦交渉でも協議対象に含めることを拒否してきた。


2022.08.19-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220819/k10013778231000.html
ウクライナ 国連 トルコとの3者会談 砲撃相次ぐ原発めぐり協議

  ロシアによる軍事侵攻が続く中、ウクライナのゼレンスキー大統領は、現地を訪れている国連のグテーレス事務総長と会談し、砲撃が相次いでいるザポリージャ原子力発電所からのロシア軍の撤退を求めました。
  ウクライナのゼレンスキー大統領は、18日、西部リビウを訪れている国連のグテーレス事務総長、それにトルコのエルドアン大統領と会談しました。

  会談後の共同記者会見で、ゼレンスキー大統領はロシア軍が掌握するウクライナ南東部にあるヨーロッパ最大規模のザポリージャ原発やその周辺で砲撃が相次いでいることをめぐりIAEA=国際原子力機関による視察や調査を目指して対応を協議したことを明らかにしました。

  そのうえで「ロシアは原発から軍を無条件に撤退させるべきだ。ロシアは私たちを核の大惨事の瀬戸際に追い込んでいる」と述べました。
  また、国連のグテーレス事務総長も原発の状況に強い懸念を示し「原発の周辺は非武装化されるべきだ」と述べ、軍事行動の停止と部隊の撤退を求めました。
  会談では、トルコと国連の仲介でウクライナとロシアが合意した農産物の輸出をさらに進める方策についても協議したということです。
  トルコのエルドアン大統領はこの合意を引き合いに出し「合意の前向きな機運を和平につなげなければならない」と述べ、和平の実現に向けて協議したと説明しましたが、ゼレンスキー大統領は和平交渉はロシア軍がウクライナの領土から撤退しなければ始められないという考えを示しました。


2022.08.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220816-7AVYFFBWORO5FBMH7RZP4F56ZY/
世界最大貨物機アントノフ225 後継機の建造を表明

  ウクライナの首都キーウ近郊のホストメリ空港で15日までに、ロシアの侵攻を受けて2月下旬に大破した世界最大の貨物機アントノフ225ムリーヤ」が報道陣に公開された。ゼレンスキー大統領は5月、後継機の建造に強い意欲を表明。先代の機体の一部を再利用する計画という。ウクライナ語で「夢」を意味するムリーヤが再び空を飛ぶ日は来るのか―。

  ムリーヤは宇宙船などを運ぶ目的でソ連時代に設計、開発された。全長84メートル、幅88メートルで、エンジン6基を備えていた。
  ロシア軍は侵攻開始直後に空港を攻撃、格納庫で修理中だった機体は機首と胴体が分断され、右翼もちぎれそうな状態。無数の穴が開き、戦闘の激しさを物語る。操縦席は跡形もなく、エンジンの一つは焼け落ちていた。

  ムリーヤは1988年に初飛行。2011年3月、東日本大震災を受け救援物資をフランスから成田空港に輸送した。20年には中部空港にも着陸した。(共同)


2022.08.14-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220814/k10013769641000.html
ウクライナ外貨建て国債 部分的なデフォルトと認定 格付け会社

  ロシアによる軍事侵攻を受けているウクライナについて、大手格付け会社「S&Pグローバル・レーティング」は外貨建ての国債が部分的なデフォルト=債務不履行に陥ったと認定しました。

  ウクライナ政府は、先月、ロシアによる軍事侵攻を受けて国防支出を優先するための外貨保全策として、外貨建ての国債の元利払いについて2年間延期することを債権者に要請し、今月10日、条件を変更することで合意したと発表していました。
  これを受けて、大手格付け会社「S&Pグローバル・レーティング」は12日、ウクライナが発行する外貨建ての国債の信用度を示す格付けを引き下げ、部分的なデフォルト=債務不履行に陥ったと認定しました。
  また、別の格付け会社「フィッチ・レーティングス」も12日、ウクライナが発行する外貨建ての国債について、部分的な債務不履行を示す格付けに引き下げました。


2022.08.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220814-S5N62GQB3RKWRBA5LXEL2G6N7Q/
露「最前線の集落」ペスキを制圧と主張 ドネツク州で一定の前進か

  ロシアによるウクライナ侵攻で、ウクライナ軍参謀本部は14日、露軍が制圧を目指す東部ドネツク州の複数の方面で前進を図った露軍を撃退したものの、各地で戦闘が続いていると発表した。一方、露国防省は13日、親露派武装勢力「ドネツク人民共和国」(自称)が「首都」とするドネツク市の近郊の集落ペスキを制圧したと主張した。

  ペスキは親露派武装勢力とウクライナ軍の間で2014年から続くウクライナ東部紛争の最前線の一つ。ペスキの制圧が事実であれば、ドネツク州で停滞が指摘されている露軍にとって一定の前進となる。
  ドネツク州のキリレンコ知事は13日、同州の中心都市クラマトルスクなどが露軍に攻撃され、民間人計5人が死亡したと発表した。
  米シンクタンク「戦争研究所」は13日付のリポートで、露軍は反攻にさらされているへルソン州など南部にウクライナ軍の戦力を集中させないため、東部での攻勢に再注力している可能性があると分析した。

  戦争研究所はまた、ウクライナ軍が最近進めているへルソン州のドニエプル川に架かる複数の橋への攻撃により、露軍は同州での補給路を絶たれる可能性があると指摘。そうなれば露軍の防衛力は低下し、ウクライナ軍のさらなる反攻を許すとの見通しを示した。


2022.08.12-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220812-VIUTSXIABBKEXGHA3S7BYHWB7U/
ウクライナ南部原発への攻撃激化 露と非難の応酬

  【ニューヨーク=平田雄介】ロシア軍が占拠しているウクライナ南部ザポロジエ州の原子力発電所11日、砲撃が相次ぎ、現地の親露派勢力とウクライナ側は互いに相手が攻撃したと非難した。ザポロジエ原発は欧州最大級で、事故が起きれば1986年のチェルノブイリ原発事故を上回る被害が出るとの懸念が高まっている。国連のグテレス事務総長は、ザポロジエ原発周辺での軍事行動を停止するよう双方に呼びかけた。

  タス通信によると、ザポロジエ州の一部を制圧したロシアが一方的に設けた「軍民行政府」のロゴフ幹部は11日、ザポロジエ原発があるエネルゴダールの町や原発施設に、ウクライナ軍が無人機による攻撃や砲撃を行ったと述べた。ロシア製防空システムですべて迎撃したとしている。
  一方、ウクライナ国営原子力企業エネルゴアトムは11日、原発をロシア側が攻撃したため、勤務を終えた職員を乗せるバスが引き返し、引き続き業務を続けざるを得なくなったとした。双方とも、小規模な火災が起きたが負傷者はいなかったとしている。

  ザポロジエ原発には5、6日にも砲撃があり、ウクライナとロシア側が非難合戦を展開した。国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は11日の国連安全保障理事会で演説し、原発の安全性を確保するために立ち入り調査の実施を求めた。ロシアのネベンジャ国連大使は「早ければ月内にも立ち入りが可能だ」と述べたが、十分な調査を実施できるかは不透明だ。
  同原発はウクライナに侵攻した露軍が3月に占拠した。稼働中の原発が戦闘の標的になったのは史上初とされる。露軍は兵士500人を常駐させて兵器を搬入し、軍事拠点として使っているもよう。原発の安全性を懸念するウクライナ軍が反撃できない「核の盾」だとして、ブリンケン米国務長官らが批判していた。

  ロシアは侵攻後にチェルノブイリ原発も一時制圧するなど、ウクライナのインフラ掌握を主要な目標としてきた。エネルゴアトムのコティン総裁は9日、ロシアはザポロジエ原発を制圧し、一方的に併合した南部クリミア半島への送電を計画しているとの見方を示した。


2022.08.11-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220811-AKNNBZ2AGBMQXHSWKKXGKBVA5E/
ロシア軍補給路の橋遮断 ウクライナ、南部で反撃

  ウクライナ軍は10日、ロシア軍が制圧する南部ヘルソン州内を流れるドニエプル川に架かるカホフカ橋を攻撃し、通行不能にしたと発表した。橋は州都ヘルソンに向けた重要補給路の一つで、遮断してロシア軍を混乱させる狙いがある。ウクライナ軍は「正確で効果的な打撃」を与えたと強調した。

  南部奪還を目指すウクライナ軍はヘルソン州で反撃を強めている。カホフカ橋は水力発電所に隣接しており、ウクライナ軍が8日に攻撃。南側に位置するアントノフ大橋も7月下旬に砲撃し、通行止めにしていた。

  ロシアの支配下にある南部からは住民の避難が加速。南部ザポロジエ州メリトポリの市長は10日、ロシア側が設けた検問所に脱出を図る住民の車千台以上が列をつくり、暑さの中で待機させられるなどして死者が出たと訴えた。ウクライナメディアが伝えた。(共同)


2022.08.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220810-ATWWQBLATJPYPAA3JUEBBN2IGY/
露、占拠の原発からクリミアに送電計画か

  ロシア軍が占拠しているウクライナ南部ザポロジエ州の原子力発電所について、同国国営原子力企業エネルゴアトムのコティン総裁は9日、露軍がウクライナ国内への送電網を遮断し、ロシアが一方的に併合した南部クリミア半島への送電を計画していると述べた。ウクライナのニュースメディアが伝えた。

  同原発では5、6日に砲撃があり、コティン氏は送電網を遮断する計画の一環として露軍が実行したとの見方を示した。クリミアではロシアによる2014年の併合後、電力不足がしばしば問題になってきた。
  露軍はウクライナ侵攻後の3月にザポロジエの原発施設を占拠し、兵士約500人を常駐させて軍事拠点にしているもよう。ロシアは原発攻撃はウクライナ軍が行ったと主張している。

  ウクライナ軍は、露軍が制圧した南部ヘルソン州の奪還に向けて攻勢を強めている。同州はクリミアに隣接する地政学上の要衝。ウクライナのゼレンスキー大統領は9日、「ロシアのウクライナと欧州に対する戦争はクリミア(の併合)で始まった。戦争はクリミアの解放で終結しなくてはならないと決意を述べた


2022.08.08-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-
ザポロジエ原発に再び攻撃 使用済み核燃料施設近く

  ウクライナ国営原子力企業エネルゴアトムは7日、ロシア軍が6日に南部ザポロジエ州の原子力発電所にロケットを発射し、使用済み核燃料の貯蔵施設周辺に着弾したと述べた。計測機器が損傷したため、放射線量に変化があるかは不明だとしている。 ロイター通信が伝えた。

  ウクライナのゼレンスキー大統領は「核のテロ」だと非難し、欧米に露原子力部門に制裁を科すよう要求した。
  エネルゴアトムは露軍による攻撃は5日にも起きたとしており、原発の安全性を懸念する国際原子力機関(IAEA)は施設への立ち入りを求めている。 ザポロジエ原発は3月に露軍が占拠、兵士を常駐させて兵器を運び込み、軍事拠点として使っている。
  露軍は原発への攻撃はウクライナ軍によるものだと主張している。 一方、英国防省は8日、東部ドネツク州のドネツクやクラマトルスクで、露軍が支配地域防衛のため対人地雷「PFM1」などを敷設している可能性が高いと分析した。

  PFM1はソ連が侵攻したアフガニスタンでも使われ、老朽化していることから予測しがたい危険性があるとした。 露軍は3月に制圧した南部ヘルソン州でウクライナ軍の反撃が強まっているため、東部からヘルソン方面に兵力を大規模に移動しているとの観測がある。
  1日に再開されたウクライナの穀物輸出は8日も続き、黒海に面する南部チョルノモルスク港などから2隻が出航した。出航した貨物船は計10隻になった。


2022.08.05-REUTERS-https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-russia-nuclearpower-idJPKBN2PB1ET
ザポロジエ原発に砲撃、ロ・ウクライナが互いに相手側の攻撃主張

  [キーウ(キエフ)/ロンドン 5日 ロイター] - ウクライナ国営原子力企業エネルゴアトムは5日、ウクライナ南東部でロシアの管理下にある欧州最大級のザポロジエ原子力発電所の高圧送電線がロシア軍による砲撃を受けたと発表した。発電所は引き続き稼働しており、放射能の漏れは検出されていないという。

  また、ザポロジエ原発とザポロジエ火力発電所を結ぶ330キロワットの高圧配電線が損傷したため、原子炉一基を切り離すことを決定したとした。エネルゴアトムによると、原子炉6基のうち2基が現在も稼働している。

  一方、ロシアの占領下にあるウクライナ南東部エネルホダルの当局はウクライナ軍の砲撃によりザポロジエ原子力発電所の送電線が切断されたと発表。原発の敷地内で火災が発生したほか、原子炉の安全な稼働に必要な電力が遮断されたとした。
  クライナ側の説明とは異なり、750キロワットの開閉装置に電気を供給する2本の送電線が砲撃を受け、切断されたという。
  ロシア国防省は、ウクライナ軍がザポロジエ原発を砲撃したと非難。「ウクライナ軍の砲弾は石油・燃料施設と酸素プラントに命中しなかったため、大規模火災や放射能漏れは回避された」とした。
  ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアに責任があるとし、ロシアは「公然と大胆なテロ行為」を行ったと非難。「他国に核の脅威を及ぼす国は、核技術を安全に利用する能力を持ち合わせていない」とし、ロシアの原子力産業全体に対する制裁の導入を呼びかけた。


2022.08.03-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/af1f32917d07f87cdd3b7073887ea0ab5e3b5bc7
ロシア軍、原発を「核の盾」にして攻撃 米が非難「反撃できない」

  ロシア軍が占拠したウクライナ南部ザポロジエ州の原子力発電所を拠点に攻撃を仕掛け原発の安全性を懸念するウクライナ軍が反撃を控える事態となっている。

  原発はウクライナの農工業を支えるドニエプル川に面しており、大規模な事故が起きればウクライナの国民が大きな打撃を受ける恐れもある。
  ブリンケン米国務長官は1日、核拡散防止条約(NPT)再検討会議が開かれている米ニューヨークで、原発施設から攻撃を行う露軍に対し、ウクライナは「もちろん反撃できない」と述べ、人間の盾を上回る「核の盾」だとしてロシアの行為を非難した。
  ウクライナ外務省高官は同日、「核の惨事を防ぐために協調行動が必要だ」とし、原発上空に防空システムを備えた飛行禁止空域を設けるよう欧米に求めた。
  露軍は侵攻から間もない3月上旬、ザポロジエ原発を交戦の末に制圧。ウクライナのメディアによると兵士500人が常駐している。同原発は欧州最大級で、爆発が起きれば1986年のチェルノブイリ原発事故の10倍の被害が出るとの見方も出た。稼働中の原発施設が戦闘の標的になったのは史上初とされる。

  ロシアは発電所などウクライナ市民に不可欠なインフラの掌握を進めてきた。米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は7月上旬、ウクライナ政府やザポロジエ原発の職員らの証言を基に、露軍が原発施設内に重火器や対人地雷を持ち込み、多連装ロケット「スメルチ」や戦車で防衛していると伝えた。
   露軍は侵攻直後にチェルノブイリ原発を掌握したが、3月末に撤収した。兵士が高レベルの放射性物質に触れるなどして被ばくした可能性も指摘された。
  同紙によると、ザポロジエ原発では露国営原子力企業ロスアトムの技術職員が地下に防護施設を築いた。7月上旬の時点で40人以上が人質になり、他の職員が過酷な作業を強いられているとしている。ウクライナのスパイだという疑いをかけられ、拷問されたり身代金を要求されたりしているとの情報もあるという。


2022.08.02-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/2b39a184f473945e6414a1f7b6d6dc1229975b7a
ハイマース、露軍に打撃 米、ウクライナに720億円追加軍事支援

  【ワシントン=坂本一之】米国防総省は1日、ウクライナに対し高機動ロケット砲システム「ハイマース」用のロケット弾など最大5億5000万ドル(約720億円)の追加軍事支援を行うと発表した。

  追加支援はハイマースのロケット弾に加え、長射程・高火力の155ミリ榴弾(りゅうだん)砲の砲弾7万5000発を含む。ハイマースや155ミリ榴弾砲はすでにウクライナ軍が戦闘で使用しロシア軍に打撃を与えているとされ、今回は砲弾などを補充する。
  ブリンケン国務長官は1日発表の声明で、追加支援の武器について「ウクライナ軍が自国を守るために戦場で効果的に使用している」と強調。国防総省は「変化する戦場に応じて同盟国やパートナー国と協力し支援を続ける」としている。
  ロシアによるウクライナ侵略開始後、米国がウクライナに実施してきた軍事支援は計80億ドルとなる。
  ブリンケン氏とサリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)、ミリー統合参謀本部議長は同日、ウクライナ側と電話会談を開催。米国の永続的な支援について協議し、今回の追加支援内容などを伝えた。


2022.08.01-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR014JL0R00C22A8000000/
ウクライナから穀物船出航 輸出再開第1号、レバノンへ

  【イスタンブール=木寺もも子ウクライナ産穀物を積んだ貨物船が1日、南部オデッサの港から出航した。ウクライナとトルコがそれぞれ明らかにした。ロシアによる侵攻で輸送が止まった黒海への回廊設置で関係国が合意してから初めての輸出再開となる。

  第1号の船はシエラレオネ船籍の貨物船で、トウモロコシ2万6千トンを積みレバノンのトリポリ港に向かうという。2日に黒海の出入り口にあたるトルコのイスタンブールに到着後、新たに設置した共同管理センターが積み荷などを検査する。
  ウクライナのクブラコフ・インフラ相はフェイスブックへの投稿で、さらに16隻が出航待機中だと明らかにした。輸出再開で少なくとも10億ドル(約1300億円)の外貨収入が見込めるという。
  国連のグテレス事務総長は声明を出し「合意に基づき多くの商船が動き出す最初(の事例)となり、世界の食糧安全保障に求められていた安定と救済をもたらすことを希望する」などと述べた。

  ロシアのウクライナ侵攻で世界的に穀物価格が上昇したが、国際指標となる米シカゴ商品取引所の小麦先物はこのところ軟調な展開が目立つ。侵攻前比で1割弱安い。小麦の世界輸出量の1割程度を占めるウクライナから、供給が本格的に再開するとの観測が上値を抑えている。
  ウクライナ国内に滞留する穀物は2000万トン超にのぼる。ただロシアは回廊設置の合意翌日の7月23日にオデッサ港を攻撃した。船会社などが輸送を引き受けるかや保険料が高騰しないかといった懸念はくすぶり、本格再開の時期は不透明だ。


2022.07.30-BBC NEWS JAPAN-https://www.bbc.com/japanese/62359121
東部の収容所で捕虜50人以上死亡 ウクライナ、国連と赤十字に調査要請

  ロシア軍が占領するウクライナ東部ドネツク州の収容所で、戦争捕虜50人以上が殺害された問題で、ウクライナ政府は国連と赤十字による調査を呼びかけている。

  ドネツク州オレニフカの収容所で何が起きたのか、詳細は判明していないが、ウクライナとロシアの双方は相手が収容所を砲撃したと互いを非難している。未検証のロシア側の映像には、壊れた簡易ベッドがねじ曲がった残骸や、焼け焦げた遺体が映っている

  ウクライナ政府は、ロシアによる拷問や殺害の証拠を隠滅するため、ロシア軍が砲撃したのだと主張。ウクライナ軍参謀本部は、国連と赤十字に調査を呼びかけた。ウォロディミル・ゼンスキー大統領は「ロシアの意図的な戦争犯罪」だと非難した。対するロシア側は、ウクライナが高精度の多連装ロケット砲で収容所を砲撃したのだとしている。

  ウクライナの新しい検事総長、アンドリイ・コスティン氏は、収容所砲撃について戦争犯罪として捜査に着手したと明らかにした。

  ウクライナの陸軍参謀本部は国連と赤十字に対し、調査を要請。ロシアが戦争捕虜の扱いを隠蔽(いんぺい)するために、この収容所を攻撃したのだと主張した
  陸軍参謀本部はソーシャルメディアで、ウクライナ兵のマリウポリ避難を仲介した国連と赤十字は、ロシアが戦争捕虜を適切に扱い、その安全を保証するという仲立ちをしただけに、今回の実態を調査する必要があると書いた。

  赤十字国際委員会は声明で、「現在の最優先事項は負傷者が確実に救命措置を受け、命を落とした人たちの遺体が確実に丁重に扱われるようにすることだ」と述べた。現場に入れるようロシアに要請し、負傷者の避難に協力すると申し出たという。
  収容所に拘束されていた中には、5月に南東部マリウポリの攻防戦で捕虜になったアゾフ連隊の兵士も含まれるとみられる。ロシア側はアゾフ連隊のことを、ネオ・ナチスや戦争犯罪人だと主張している。
収容所で何が起きたのか
  いわゆる「ドネツク人民共和国」を自称する親ロシア派のダニイル・ベズソノフ報道担当は、「捕虜を収容する兵舎が直撃された」と述べた。
  ロシア国防省は、アメリカがウクライナに提供した機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」による攻撃だと主張。ウクライナが「意図的な」挑発行為に及んだと非難した。同省は、HIMARSが発射したロケット砲の破片だと主張するものを証拠として示している。
  他方、ウクライナ側は砲撃や爆撃を否定。ゼレンスキー大統領の顧問は現場の様子から、放火のようだと指摘。ミサイル砲撃だった場合、遺体は飛散していたはずだと主張した。
  格納庫のような宿泊施設が破壊された様子を写した映像は、29日朝からオンラインに登場。ロシア国営テレビ「ロシア1」の映像から、建物外の破壊や流血の映像に切り替わる。
  建物内部の様子と屋外の様子が、同じ建物の内外なのか、BBCは検証できていない。
  ただし、BBCの「リアリティー・チェック」チームは、建物の外で撮影された映像は、ウクライナ東部ドネツク州オレニフカの近くにある第120刑務所の様子に一致すると確認した。


  この刑務所は2022年2月以前は無人で、その後はロシアの「濾過(ろか)」手続きを通過していない戦争捕虜や民間人の収容に使われた。ロシアの「濾過」手続きとは、ウクライナで拘束したものを尋問した後、次の移送先を決定するもの。
  ウクライナのアゾフ連隊を創設したアンドリー・ビレツキー氏は、収容所で死亡した中に、連隊の兵士が複数含まれていると話した。
  今年5月までマリウポリのアゾフスタリ製鉄所に立てこもり、ロシア軍に抵抗していたアゾフ連隊から、複数の兵士が投降後に、オレニフカへ移送されたことが確認されている。
  ウクライナ当局は、オレニフカに運ばれた戦争捕虜は拷問されたと主張してきた。

  オレニフカ収容所とは別に、ロシアが占領するドンバス地方のセヴェロドネツクで撮影されたとみられる映像が29日、オンラインで広まり、ウクライナ人に衝撃を与えた。
  映像では、ロシア側の兵士が戦争捕虜の性器を切り落とす様子が映っている。ロシア兵は、ロシア南部チェチェン共和国のラムザン・カディロフ首長が率いる部隊の一員だと特定されている。


2022.07.24-毎日新聞-https://mainichi.jp/articles/20220724/k00/00m/030/015000c
オデッサ港へのミサイル攻撃、ロシアが関与否定 ウクライナは非難
【エルサレム三木幸治】

  ウクライナとロシアがトルコ、国連の仲介で穀物の海上輸送の再開について合意した翌23日、ウクライナ南部オデッサの港がミサイル攻撃を受けたことを巡り、トルコのアカル国防相は23日夜、ロシア側が関与を否定していることを明らかにした。

  アカル氏によると、ロシア側はミサイル攻撃について「全く無関係だ」と全面否定した上で、「事案の詳細について調査している」と述べたという。ウクライナ軍によると、使われたミサイルは巡航ミサイル「カリブル」で、黒海で活動する戦艦から発射されたとみられる。4発のうち2発を迎撃し、残り2発は港のポンプ場に直撃したが、被害は小さいという。

  アカル氏は、港から穀物を輸送船に積み込む作業に影響はなく、合意の履行は「継続できる」との認識を示した。ウクライナのクブラコウ・インフラ相もフェイスブックに「穀物を輸出するための準備を継続する」と投稿した。
  ウクライナのゼレンスキー大統領は23日、通信アプリ「テレグラム」で「ロシアが何を約束しようとも、彼らが(輸送を再開する)合意を実行しない方法を探していることが証明された」と攻撃を強く非難。欧米からも批判が相次いでおり、英国のトラス外相は23日、今回の攻撃はプーチン露大統領の発言が「一言も信用できないことを示している」と指摘。ウクライナ産穀物の輸出再開に向け、「ロシアを関与させない」方法を考えるべきだと主張した。

  国連によると、穀物輸送はオデッサなど三つの港から穀物を船に積み込み、黒海からボスポラス海峡を通じて目的地に向かう。またロシアとウクライナ、トルコ、国連の4者による「共同調整センター」を設置し、海上輸送を監視する。国連のグテレス事務総長のハク副報道官によると、グテレス氏は合意から2週間以内に輸送再開が可能になるとの見方を示していた。【エルサレム三木幸治】


2022.07.23-Yahoo!Japan(KYODO)-https://news.yahoo.co.jp/articles/5ff6cbe9a9f777198f0ae42712ce6dd567d64f26
1日の戦死者、30人に減少 ウクライナ軍、大統領が指摘

  【ワシントン共同】ウクライナのゼレンスキー大統領は22日のウォールストリート・ジャーナル(電子版)とのインタビューで、ロシアとの戦闘によるウクライナ軍の死者は、戦闘が激しかった5~6月の1日100~200人に比べ、現在は30人程度に減ったと述べた。

  ゼレンスキー氏は現在の1日の負傷者は約250人と指摘。2月以来のウクライナ軍の死者総数は明らかにしなかったが、ロシア側の死者よりは数分の一だと主張した。  ウクライナ軍参謀本部の23日発表の戦況分析によると、ロシア軍はウクライナ東部ドネツク州のクラマトルスクやスラビャンスク、バフムトの周辺で攻撃を継続している。


2022.07.22-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220722/k10013730711000.html
ウクライナ穀物輸出トルコ高官 “再開に向けた署名式 22日に”

  ロシア軍による封鎖でウクライナの港から小麦などの輸出が滞っている問題をめぐり、トルコの高官は、ロシア、ウクライナの代表団と国連が参加して輸出再開に向けた署名式が22日にイスタンブールで行われることを明らかにし、世界的に食料価格が高騰するなか事態の打開につながるのか注目されます。

  ロシア軍による封鎖でウクライナの港から小麦などの輸出が滞っている問題をめぐって、両国がトルコと国連を交えて行っている協議は、大詰めを迎えているとみられ、トルコのカルン大統領首席顧問は穀物輸出の署名式は22日、イスタンブールで開催される」とツイッターで明らかにしました。

  これについてウクライナのゼレンスキー大統領は、21日に公開したビデオメッセージで「あす、海上封鎖についてトルコからのよいニュースを期待する」と述べ、協議の成果に期待を示しました。
  ただ、国連の副報道官は会見で「状況はやや流動的なため、いつ、どのような署名が行われるのかは現段階では言えない」と述べるにとどめているほか、ロシア外務省のルデンコ次官はロシア産の農産物の輸出制限の解除が必要だと主張していて世界的に食料価格が高騰する中、事態の打開につながるのか、注目されます。

  こうした中、ロシア軍は、掌握を目指す東部ドネツク州やハルキウ州で攻撃を続けています
  ウクライナの非常事態庁によりますと、21日、ドネツク州のクラマトルシクで現地の学校が砲撃を受け1人が死亡、2人ががれきの下に取り残されているということです。一方、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は21日、「ロシア軍は地上攻撃に成功しておらず、スロビャンシクなどを掌握することなく失速を迎える」という分析を発表し、ロシア軍の進軍が鈍っているという見方も出ています。


2022.07.19-Yahoo!Japanニュース(日テレNEWS)-https://news.yahoo.co.jp/articles/04b2516457c4985ef99618903798b8beeb67f1d9
ウクライナ検事総長ら解任 「脅迫」「お金」… “アメとムチ”で職員がロシア側に寝返り?

  ロシアが制圧、支配している地域で、60人以上のウクライナ職員がロシアに協力していたとして、ウクライナのゼレンスキー大統領は、検事総長と保安局の長官を解任しました。専門家は「ロシアの情報機関は、脅迫や身分の保障などアメとムチを使う」と指摘しました。
◇ 有働由美子キャスター
  「ロシア軍に破壊された街を訪れ、『戦争犯罪を追及する』と述べていた姿が印象的だったウクライナのベネディクトワ検事総長ですが、突然、ゼレンスキー大統領が解任を発表しました。
  保安局のバカノフ長官も同時に解任ということで、重要ポストの2人がそろって処分されたわけなんですが、何があったんですか?」 小野高弘・日本テレビ解説委員

  際部デスク 「解任された2人の部下にあたる検察や保安局の職員60人以上が、ロシアが支配する地域で『ロシア側に協力していた』というんです」
  有働 「協力というのはどういうことですか?」
  小野 「例えば、ロシア兵に対する捜査情報やウクライナの治安に関する機密情報といったものを、ロシア側に漏らしていたということが考えられます。こうした情報が漏れると、戦況に重大な影響を及ぼすということを、ゼレンスキー大統領は国民にも知らしめて、引き締めを図ったということになります」
  有働 「ウクライナの検察職員などを、ロシア側が取り込んだということですか?」
  小野 「そういうことになりますね。では、どういった人が取り込まれたんでしょうか? ロシア政治に詳しい廣瀬陽子教授によると『もともとロシア側に感覚が近くて協力した人もいるだろうし、ロシア側に働きかけられて寝返った人もいるだろう』と話していました」
  有働 「どう働きかけるんですか?」
  小野 「(廣瀬教授は)例えば、『家族がひどい目にあうぞ』と脅迫して寝返らせたり、お金で釣ったり、『あなたの街が将来、ロシアに併合される際に、あなたをロシアの高官として受け入れる、将来的に身分を約束する』といって取り込んでいく、といったことが考えられるということで、『ロシアの情報機関は、アメとムチを使う』と、廣瀬教授は見ています」
  小野 「そして、気がつけばロシア化が進んでしまっている、ということになります。ロシアが支配している地域の内、ウクライナ・南部ヘルソン州では、ロシア主導の『州政府』が業務を始めました。職員はもちろんロシア人です。『ここで生まれたすべての子どもは、自動的にロシア国籍にする』と決められたといいます。この先、支配した地域をロシアに併合するというのが、プーチン大統領の狙いです。そうなってしまう前に、支配を食い止め、取り戻すのが、今、ゼレンスキー大統領の優先課題の一つになっています」
(7月18日放送『news zero』より)


2022.07.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220717-WRB2Q6PVCBMLLAHU42FVHTV5AA/
露軍の砲撃数減少 兵站乱れが一因か 米研究所

  ロシアによるウクライナ侵攻で、ウクライナ側は16日、東部ドンバス地域(ドネツク、ルガンスク両州)の露軍の弾薬庫など2カ所を米国製の高機動ロケット砲システム「ハイマース」で破壊したと発表した。米シンクタンク「戦争研究所」は16日、「ドンバスで露軍の砲撃がここ最近、大幅に減っている」と指摘。ウクライナ軍が進めるハイマースでの兵站(へいたん)破壊戦術が露軍の戦闘力を低下させている一因だと分析した。

  戦争研究所は、米航空宇宙局(NASA)が世界中の熱源を公開しているサイト「FIRMS」を基に露軍の砲撃数を分析。今月10日ごろからドンバスでの砲撃が著しく減少しているとした。同研究所は要因として、ハイマースによる弾薬庫の破壊のほか、露国防省が今月上旬に表明した「戦力補充」のための攻勢の一時停止が影響している可能性があるとした。
  ハイマースは6月下旬にウクライナ軍が実戦投入し、南部などで露軍の弾薬庫や基地など30カ所以上を破壊したとされる。
  ただ、露国防省の今月16日の発表によると、ショイグ国防相は各方面の指揮官に対し、ウクライナ軍からの長距離攻撃を防ぐよう指示。事実上、ハイマースへの対処を命じたもので、戦争研究所は「攻勢再開の表明だ」との見方を示した。
  その上で同研究所は「露軍の砲撃の減少が戦闘力低下によるものか攻勢の一時停止によるものかは、今後数日間の戦況である程度、判明する」と予測した。


2022.07.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220715-UACFLL34DVJRLJK2LEVA6NM7ZA/
ウクライナ南部、9月に露占領地域編入の住民投票へ

  ロシアによるウクライナ侵攻で、ロシア軍が南部ザポロジエ州の占領地域に設置した暫定行政当局トップのバリツキー氏は14日、同州のロシア編入の是非を問う「住民投票」を9月初旬に実施すると発表した。タス通信が伝えた。一方、ウクライナ緊急事態当局は14日、中西部ビンニツァ市街地への同日の露軍のミサイル攻撃による死者が子供3人を含む23人となり、39人が行方不明になっていると明らかにした。

  プーチン露政権はザポロジエ州や南部ヘルソン州の占領地域の住民を対象に露国籍の付与を簡素化する措置を5月下旬に導入。2014年に併合した南部クリミア半島と両州を結ぶ交通網も整備するなど、ロシア化政策を進めてきた
  ただ、ウクライナ側は今月、両州の奪還作戦を本格化させると表明米国製の高機動ロケット砲システム「ハイマース」でロシア軍拠点の破壊を進めている。ロシアは住民投票を根拠に両州を早期に編入し、実効支配を既成事実化する思惑とみられる。タスによると、ヘルソン州でも住民投票の準備が進んでいる。

  一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は14日、ビンニツァへのミサイル攻撃の一部が医療施設に命中したと指摘。「ロシアはテロ国家だ」と非難し、対露制裁を強化する必要性を国際社会に改めて訴えた。
  ウクライナ軍参謀本部は14日、ロシア軍が東部ドネツク州やハリコフ州で砲撃を続け、一部地域で前進を図ったが、ウクライナ軍に撃退されたと発表した。


2022.07,13-Yahoo!Japanニュース(JIJI com/AFP BB News)-https://news.yahoo.co.jp/articles/a0f8a76e9459319f30a0e5e20558cc42d8a89892
北朝鮮、親ロ派の独立承認 ウクライナ.

  【AFP=時事】ウクライナ東部の親ロシア派武装勢力「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」は13日、北朝鮮が両勢力の独立を承認したと発表した。ウクライナはこれに反発し、北朝鮮との国交断絶を宣言した。

  親ロ派勢力の在ロシア代表部はメッセージアプリのテレグラム(Telegram)への投稿で、同勢力の「駐ロシア大使」に任命されたオリガ・マケエワ(Olga Makeyeva)氏が北朝鮮の申紅哲(シン・ホンチョル、Sin Hong-chol)駐ロシア大使から独立の承認書とする書簡を受け取っている写真を公開
  北朝鮮は今のところコメントしていない。 「ドネツク人民共和国」は12日、ロシアの首都モスクワに「大使館」を開設。その際、独立承認について北朝鮮と協議中だと述べていた。
   ロシアは2月24日にウクライナへ侵攻する数日前、ロ派支配地域の独立を承認。先月には、北朝鮮と同じくロシアの同盟国であるシリアも追随していた。

   ウクライナ外務省は声明で北朝鮮を非難し、同国との国交断絶を表明。独立承認はロシアの働きかけによるものであり、「北朝鮮の有害さよりも、ロシアの有害さを示している」と指摘した。【翻訳編集】 AFPBB News


2022.07.12-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://www.sankei.com/article/20220712-AX7NNZRLQRI7TJ65QLV7XEOC6A/
ウクライナ、南部奪還へ攻勢継続 反露闘争も激化

  ロシアの侵攻を受けるウクライナは11日、露軍の占領下にある南部ヘルソン州ノバカホフカの露軍の弾薬庫を米国製の高機動ロケット砲システム「ハイマース」で破壊したと発表した。同日にはロシア側が同州に設置している暫定行政当局トップらに対する爆殺未遂事件も発生ウクライナはヘルソン州やザポロジエ州など南部の奪還作戦を本格化させており、今後も戦闘の激化が予測される。

  ノバカホフカへの攻撃に関し、ロシア側も11日、ハイマースの砲弾が「肥料倉庫」に命中し、誘爆して負傷者が出ていると発表。ウクライナ軍はまた、同日に州都ヘルソン周辺に展開する露軍部隊に砲撃を加え、損害を与えたとした。
  ウクライナ側は8日、南部の奪還作戦を開始するとして住民に即時退避を勧告。その後、ヘルソンや周辺に展開する露軍部隊や弾薬庫への攻撃を相次いで発表していた。
  一方、ロシア側は11日、ロシアが任命したヘルソン州の暫定当局トップと、ザポロジエ州メリトポリの暫定当局トップに対する手製爆弾などによる暗殺未遂事件が起きたが、ともに防いだと発表した。しかし東部ハリコフ州では同日、露占領下にある集落のトップが自動車に設置された爆弾により死亡した。
  露占領地域ではウクライナ情報当局と連携した反露パルチザンの激化が伝えられており、いずれの事件も奪還作戦を有利に運ぶためのパルチザン活動によるものとみられている。


  一方、プーチン露大統領は11日、全てのウクライナ国民を対象に露国籍の付与を簡素化する大統領令に署名した。従来はヘルソン、ザポロジエ両州の占領地域の住民のみが対象だった。ウクライナ国民を分断させ、抗戦を断念させる思惑だとみられ、同国のクレバ外相は「主権と領土保全への侵害だ」と非難した。

  同国のゼレンスキー大統領は11日、首都キーウ(キエフ)でオランダのルッテ首相と会談。ゼレンスキー氏は追加の兵器供与で合意したことを示唆したが「ロシアを利さないため」として詳細への言及は避けた。


2022.07.10-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/a5d9239d457714962fb14daf6a8256481ff50cd5
ウクライナ、ヘルソン奪還作戦を開始か 露部隊にミサイル攻撃

  ロシアによるウクライナ侵攻で、ウクライナ軍は10日、露軍が制圧を宣言している南部ヘルソン州の州都ヘルソンに駐留する露軍部隊をミサイルで攻撃した。ヘルソン州当局者の発表をウクライナメディアが伝えた。

   これに先立つ8日、ウクライナのベレシチュク副首相は、ヘルソン州や南部ザポロジエ州の奪還作戦が近く開始されるとし、露占領地域の住民に即時避難を呼びかけており、攻撃は同作戦の一環だとみられる。
   タス通信によると、露軍の指導下にあるヘルソンの行政当局も10日、ウクライナ軍のミサイル攻撃で市内の病院などが損傷し、負傷者が出ていると発表した。


2022.07.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220706-3JUOZWDNH5LVNASHEMKEWIPLGU/
露軍、ドネツク州で攻勢 市場攻撃で8人死傷

  ウクライナに侵攻したロシア軍は5日、東部ドネツク州で攻勢を強めた。ロシアは隣接するルガンスク州の全域制圧を3日に宣言しており、両州で構成するドンバス地域の制圧を急いでいるとみられる。

  米CNNによると、ドネツク州クラマトルスク市の市長は5日、露軍の攻撃目標は目下、同市と北方約16キロのスラビャンスク市になっていると主張。同州のキリレンコ知事は、激しい無差別砲撃が「インフラと居住地域を破壊するためだけに行われている」と訴えた。スラビャンスク市の市長は、市中心部の市場などへの攻撃で、少なくとも1人が死亡、7人が負傷したと明らかにした。
  キリレンコ氏は同州内の約35万人に、露軍の攻撃を避け、ウクライナ軍の行動を容易にするために避難するよう呼びかけた。
  一方、ロシア国家安全保障会議のパトルシェフ書記は5日、露軍の軍事行動は、露系住民をジェノサイド(集団殺害)から守り、ウクライナを「非ナチス化」するまで続くと発言した。米シンクタンク「戦争研究所」は5日、同書記の発言は、ロシアの目標がドンバス地域にとどまらず、「戦争の長期化に備えていることを示唆している」と分析した。


2022.07.02-REUTERS-https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-usa-arms-idJPKBN2OD0G0
米、ウクライナに追加軍事支援 高性能地対空ミサイルなど

  [ワシントン 1日 ロイター] - 米国防総省は1日、ウクライナに対する8億2000万ドルの追加軍事支援を発表した。バイデン大統領が30日に北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で明らかにしていた。

  支援には高性能の地対空ミサイルシステム(NASAMS)2基、対砲兵レーダー4基、155ミリの砲弾最大15万発、高機動ロケット砲システム「ハイマース」の弾薬が含まれる。
  これによりロシアによる侵略開始後の米国によるウクライナ軍事支援の総額は約69億ドルとなる。


2022.07.01-AFP BB News-https://www.afpbb.com/articles/-/3412406
米大統領、「必要な限り」ウクライナ支援 1千億円追加支出
(c)AFP/Sebastian Smith

  【7月1日 AFP】米国のジョー・バイデン大統領は6月30日、ウクライナに追加で8億ドル(約1000億円)規模の追加軍事支援を行うと発表し、米国はロシアの侵攻に対抗するウクライナを「必要な限り」支援すると述べた。
  西欧諸国から武器供与を受けたウクライナ軍はこの日、黒海の要衝ズミイヌイ島(スネーク島)をロシアから奪還。一方、スペイン・マドリードで行われた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議では、バイデン氏を含む加盟国首脳が強い結束を示した。

   バイデン氏は帰国前にマドリードで開いた記者会見で、ウクライナに対する8億ドルの追加支援を「数日中」に正式発表すると表明。追加支援には、西側諸国の最新防空システム、追加の大砲と弾薬、対砲兵レーダー、米国が供与した高機動ロケット砲システム(HIMARS)の追加弾薬、さらに他国からのHIMARSが含まれる
   ウクライナ危機を受けて欧米諸国の国民が強いられる経済的負担が増加していることから、西側諸国や米国内では時に、バイデン氏に対してウクライナから妥協を引き出すよう求める声が上がっていた。しかし同氏は記者会見で、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領への圧力を維持する姿勢を明確に表明。米国と同盟国は、ウクライナがロシアに敗れないよう「必要な限り」支援を行うと述べた。
(c)AFP/Sebastian Smith


2022.06.28-スポニチSponichiAnnex-https://www.sponichi.co.jp/society/news/2022/06/28/kiji/20220628s00042000215000c.html
ウクライナの商業施設にミサイル、16人死亡 店内に千人以上の客 G7「無差別攻撃」とロシアを非難

  【キーウ共同】ウクライナ中部ポルタワ州クレメンチュクのショッピングセンターに27日、ロシア軍のミサイルが撃ち込まれた。ウクライナのゼレンスキー大統領は店内に千人以上の客がいたと指摘、「犠牲者数は想像もできない」と述べ、民間人を巻き込む攻撃を批判した非常事態庁は16人が死亡、59人が負傷したと28日明らかにした。死傷者はさらに増える恐れがある

  先進7カ国(G7)首脳は27日「罪のない市民に対する無差別攻撃は戦争犯罪だ」とし、ロシアのプーチン大統領を名指しで非難する声明を発表した。
  ロシアは欧州でのG7首脳会議(サミット)や北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の開催に合わせる形で首都キーウ(キエフ)などウクライナ全土へミサイル攻撃を激化させ、民間人の犠牲拡大が懸念されている。

  ウクライナ空軍によると、モスクワの南西カルーガ州から飛び立った爆撃機がミサイルを発射した。ゼレンスキー氏は通信アプリに建物が炎上する動画を投稿。ショッピングセンターは「ロシア軍にとって危険なものではなく、戦略的価値はない」とし、攻撃しても無意味だと訴えた。
  ロシアがミサイル攻撃を強める中、サリバン米大統領補佐官は27日、バイデン政権がウクライナへの追加軍事支援として防空システムを新たに供与する方向で調整していると述べた。長距離の地対空ミサイルも含むという。G7サミット開催中のドイツ南部エルマウで記者団に語った。

  ロシア軍は東部ルガンスク州でウクライナ軍が最後の防衛拠点とするリシチャンスク市の制圧を狙い攻撃を強化州知事によるとロシア軍は27日、水をもらうために集まった住民らに向けて砲撃し、8人が死亡、21人が負傷した。親ロ派の関係者は26日、タス通信に「5方向から市内に進入した。中心部に向けウクライナ軍部隊への包囲を狭めている」と主張した。


2022.06.26-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220626/k10013689821000.html
ロシア軍 セベロドネツク完全掌握 リシチャンシクの攻勢激化へ

  ロシア軍は、激しい攻防が続いていたウクライナ東部ルハンシク州のセベロドネツクを完全に掌握したと発表しました。今後は、ルハンシク州の完全掌握に向け、隣接するリシチャンシクへの攻勢をさらに強めるものとみられます。

  ウクライナ東部では、ロシア軍がルハンシク州の完全掌握を目指して、ウクライナ側が拠点とするセベロドネツクなどに対して、3か月以上にわたり攻勢を強めてきましたが、セベロドネツクのストリュク市長は25日「街は完全にロシア軍の支配下に置かれた」とウクライナ軍が撤退したことを認めました。
  また、ロシア国防省のコナシェンコフ報道官も、セベロドネツクを完全に掌握したと発表しました。
  これについて、イギリス国防省は26日、ロシア軍にとってセベロドネツクの掌握は重要な戦果であるとする一方「ドンバス地域全体の掌握に向けた目標の1つでしかない」と指摘しています。
  ロシア軍はルハンシク州の完全掌握に向け、川を挟んで隣接するリシチャンシクへの攻勢をさらに強めるものとみられ、地元のハイダイ知事は26日「リシチャンシクは空爆されている。敵の軍はセベロドネツクを占領したあと、ルハンシク州の最後のとりでであるリシチャンシクを占領するため全力を注いでいる」とSNSに投稿しました。
  こうした中、ロシア国防省は26日、ショイグ国防相が、軍事作戦に関わる司令部などを訪問したとする映像を公開しました。
  具体的な場所は明らかにされていませんが、作戦が展開されている主要な場所の状況について報告を受けたとしていて、士気を高めるねらいがあるとみられます。

  一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、25日に公開した動画で「すべての都市を取り戻す」と述べ、掌握された都市の奪還に向けて全力を尽くす姿勢を強調していて東部を中心に激しい攻防が続く見通しです。


2022.06.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220625-7FKDI2LIUZPRRKV3YLJSCOQ2QU/
親露派幹部「1週間半でルガンスク州制圧」

  ロシアによるウクライナ侵攻で、露軍と実質的に一体の親露派武装勢力「ルガンスク人民共和国」(LNR、自称)幹部は24日、東部ルガンスク州内のウクライナ側の最終拠点の一つ、リシチャンスクの制圧が「1週間から1週間半で完了する」との見通しを示した。タス通信が伝えた。同市を陥落させた場合、露軍側は事実上、ルガンスク州全域を制圧する形となる。

  タスによると、LNR幹部のキセリョフ氏は24日、リシチャンスク周辺の集落の制圧が完了し、その過程で600人近くのウクライナ兵を投降させたと主張。同市には約4500人のウクライナ軍部隊がいるとした。キセリョフ氏はまた、ウクライナ軍が同市に増援部隊を派遣しようとしているとの情報があるとも述べた

  露国防省は24日、リシチャンスクの南方で包囲が完了したと主張した。
  ルガンスク州のガイダイ知事は24日、ドネツ川を挟んだリシチャンスクの対岸の都市、セベロドネツクを防衛してきたウクライナ軍部隊に撤退命令が出たと発表。ただ、同市にはなお同国軍部隊が残存しているとみられ、ウクライナ国防省や露国防省、LNRのいずれもセベロドネツクでの戦闘終結を宣言していない
  東部ドンバス地域(ルガンスク、ドネツク両州)全域の制圧を主目標とする露軍は、セベロドネツクとリシチャンスクを制圧し、ルガンスク州を完全に掌握した後、攻防が続くドネツク州に戦力を差し向ける戦略だとみられている。


2022.06.24-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR245MD0U2A620C2000000/
ウクライナ部隊に東部要衝から撤退命令 地元知事表明

  ウクライナ東部ルガンスク州のガイダイ知事は24日、ロシア軍が大半を制圧した要衝セベロドネツクに残る部隊に対し、撤退命令が下ったとSNS(交流サイト)で明らかにした。セベロドネツクは同州でのウクライナ側最後の拠点とされ、同国軍は化学工場に立てこもって抗戦していた。

  ガイダイ氏はこれに先立つ投稿で撤退の必要性に言及し「(施設が)壊れた場所にとどまる意味はなく、死者の数は増え続けている」などと説明していた。
  同国メディアによると、撤退は未明のうちに始まっていたもようだ。川を挟んでセベロドネツクに隣接するリシチャンスクをめぐっても、ロシア軍は南部近郊の2集落を23日までに制圧。ガイダイ氏は同市から撤退する可能性も示唆していた。

  ロシア通信は24日、セベロドネツクでロシア側の「市長代行」が任命されたとする親ロ派勢力の話を伝えた。ロシア国防省によると、ロシア軍は同市近郊でウクライナの部隊約2000人を包囲している
  首都キーウ(キエフ)攻略に失敗したロシア軍は4月以降、ドンバス地方と呼ばれるルガンスク、ドネツクの東部2州の完全制圧に目標を切り替えた。5月下旬からセベロドネツクの制圧に向けた攻撃を本格化していた。
  ウクライナのゼレンスキー大統領は今月8日「ここ(セベロドネツク)でドンバス地方の命運が決まる」と徹底抗戦を訴えていたが、死傷者の急増で撤退を余儀なくされたもようだ。
  一方、米国は23日、ウクライナに4億5000万ドル(約600億円)相当の兵器を追加で支援すると発表した。6月に初めて4基の引き渡しが行われた高機動ロケット砲システム「ハイマース」をさらに4基追加する。
  ハイマースはりゅう弾砲よりも射程が長く、火力の応酬となっている東部戦線でウクライナ側の劣勢を埋める兵器と期待されている。
  米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は「最も強い決意をもってウクライナ支援を進める」と述べた。戦闘車両や機関銃、哨戒艇、弾薬なども追加供与する。
  英国防省は24日公表の戦況分析で、ロシア空軍の人材不足などを指摘した。ウクライナ軍が6月中旬に拘束したロシア軍機のパイロットが退役将校で、民間軍事会社ワグネルの雇い兵として重要な近接航空支援に従事していたことが判明したという。


2022.06.22-Yahoo!Japanニュース(KYODO)-https://news.yahoo.co.jp/articles/d28d2522268eaea4f0c78c2205b920e5c69c441a
ウクライナ、独製の自走砲を配備 欧米の武器続々、実戦へ

  【キーウ共同】ウクライナのレズニコフ国防相は21日、ソーシャルメディアで、ドイツ製の自走式155ミリりゅう弾砲が配備されたと明らかにした。英国防省は21日の分析で、ウクライナ軍が欧米供与の対艦ミサイル「ハープーン」により攻撃を初めて成功させたと発表。ウクライナの要求に応じて提供された欧米製の武器が続々と実戦投入され、今後の戦況に影響を与えそうだ。

   レズニコフ氏は供与に謝意を表明し「十分な知識とともに100%効果的に使う」と実戦使用に自信を示した。ドイツは当初、供与に慎重だったが、その後7両の供与を表明していた。


2022.06.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220622-Z7CCAOXJ4JLXBLQY37REQPFZBI/
「露が120万人強制連行」 ウクライナ、帰還へ圧力強化訴え

  ロシアの侵攻を受けるウクライナのベレシチュク副首相は20日の記者会見で、侵攻後に「子供24万人を含む国民120万人がロシアに強制連行された」と発表した。捕虜になった軍人の扱いなどを定める戦時国際法のジュネーブ条約は民間人を適用対象とせず、連行された国民を帰還させる枠組みが存在しないと強調。国民を帰還させるために国際社会による対露圧力の強化が必要だと訴えた。

  ロシア側は20日時点で、親露派武装勢力の実効支配地域を含むウクライナ国内から、子供30万人超を含む約200万人の「避難者」を受け入れ、「人道支援」を提供していると主張。ウクライナはロシアが自国内への避難ルートを一方的に設定しており、事実上の強制連行だと批判している。

  東部ルガンスク州のガイダイ知事は21日、同州の中心都市セベロドネツクをめぐり、ウクライナ軍が保持するアゾト化学工場で激しい戦闘が続いていると明らかにした。隣接するリシチャンスクも砲撃され、民間人犠牲者が出ている。
  ガイダイ氏は20日、「露軍が予備戦力を投入し、大規模攻勢を開始した」と発表。ウクライナ国防省のマリャル次官は同日、「露軍は26日までにルガンスク州全域を制圧しようとしている」との認識を示した。
  東部ハリコフ州の当局者は21日、州都ハリコフが露軍の砲撃を受けて乳児1人を含む4人が死亡、10人が負傷したと発表した。シネグボフ州知事は同日、20日にも露軍の砲撃で民間人3人が死亡したと明かした。露軍は最近、一時後退した同州内で再び前進を図っている。ウクライナのゼレンスキー大統領は20日、「露軍はハリコフの占領を断念していない」と述べた。
  ウクライナ軍によると、露軍は20日、南部オデッサ州などに計14発のミサイルを発射。同州の食糧貯蔵施設が破壊されたという。


2022.06.20-Yahoo!Japanニュース(読売新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/0aced0233235f7e392441b56a658e763e4b5ceae
ウクライナ支援額、アメリカが5割超…日本は0・7%で7位

  【ロンドン=池田慶太、ワシントン=田島大志】ロシアの軍事侵攻を受けるウクライナに対し、西側諸国が表明した支援額の5割超を米国だけで占めることが、ドイツの調査研究機関「キール世界経済研究所」の集計でわかった。各国が約束した支援が滞っている実態も判明しており、迅速な実行が課題となっている。
(1)
日本は7位
  キール研究所は、先進7か国(G7)や欧州など37か国と欧州連合(EU)を対象に、侵攻開始1か月前の1月24日から6月7日までに表明された軍事・財政・人道分野の支援額を集計、比較した。
   各国の支援総額は783億ユーロ(約11兆円)に上り、国別では米国が427億ユーロ(55%)、英国48億ユーロ(6%)、ドイツ33億ユーロ(4%)などと続いた日本は6億ユーロ(0・7%)で7位だった。

   米国は射程の長い榴弾(りゅうだん)砲や、高機動ロケット砲システム(HIMARS)など最新兵器の支援を次々と表明している。軍事物資購入に充てる資金援助を含めた軍事分野の支援額(240億ユーロ=約3・4兆円)は、日本の今年度防衛予算(5・4兆円)の半分を超える。
到着遅れ課題
   だが、兵器・弾薬支援の遅れも目立つ。キール研究所が公開情報を分析したところ、ウクライナに実際に届いた米国の兵器・弾薬は、約束した分の48%(金額ベース)にすぎずドイツはさらに低い35%だった。37か国全体でも69%にとどまるという。

   また、ウクライナ政府に対する財政支援は総額309億ユーロが約束されたものの、支払われたのは2割弱だった。軍事侵攻の長期化はウクライナ財政を圧迫しており、国際通貨基金(IMF)は、兵士の給与や年金の支払いで毎月50億ユーロの外部資金が必要だと指摘する。支援がさらに遅れれば、政府機能がマヒしかねない。

  国内総生産(GDP)比でみると、支援額では13位(2億ユーロ)のエストニアが0・87%と最も高く、ロシアと地理的に近い東欧、バルト諸国が上位を占めた。特にポーランドは、支援額が米英独に続く4位(GDP比では3位)で、ウクライナから多くの難民も受け入れており、貢献が際立っている。
(2)
  対照的に独仏伊は対GDP比では0・1%未満と低いEUと加盟27か国の支援額を合わせても、米国の7割に届かない。キール研究所は「米国の支援が、激しい戦闘が間近で起きているEU加盟国の総額を上回るのは驚くべきことだ」と指摘する。

  ウクライナ侵攻以来、世界のエネルギー、食糧価格の高騰が各国の財政を直撃する中、支援をいつまで続けられるかも議論され始めた。英国のジョンソン首相は18日、地元メディアに「世界各地で『ウクライナ疲れ』が起き始めていることは懸念だ」と語った。米国でも、国内のインフレを背景に、支援の限界を指摘する声が出ている。


2022.06.20-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220621-VVQVEYQKGBP67BAVQ2PFF74B7E/
ウクライナ「露軍、東部で攻勢強化」 南部オデッサにはミサイル

  ロシアによるウクライナ侵攻で、東部ルガンスク州のガイダイ知事は20日、激戦が続く同州の中心都市セベロドネツクなどで「露軍が全ての予備戦力を投入し、大規模攻勢を開始した」と発表した。ウクライナ軍が保持する市内のアゾト化学工場などで戦闘が起きているという。同国国防省のマリャル次官は同日、「露軍は26日までにルガンスク州全域を制圧しようとしている」と述べた。ウクライナメディアが伝えた。

  セベロドネツクは、ドネツ川を挟んだ対岸の都市リシチャンスクとともにルガンスク州内でウクライナ軍が保持する最終拠点。露軍は同州の制圧後、攻防が続くドネツク州に戦力を集中させる思惑だとみられている。ガイダイ氏によると、露軍はリシチャンスクにも激しい砲撃を加えている。
  東部ハリコフ州のシネグボフ知事は20日、露軍のミサイル攻撃で民間人3人が死亡したとし、「露軍が州都ハリコフや周辺集落への砲撃を強化している」と明らかにした。露軍はウクライナ軍の反攻に遭い、同州内で後退したが、最近は再び前進を図る動きを強めている。ウクライナのゼレンスキー大統領は同日、「露軍はハリコフの占領を断念していない」と述べた。
  ウクライナメディアによると、ウクライナ軍は20日、露軍が同日、南部オデッサ州とミコライフ州に計14発のミサイルを発射したと発表した。一部は撃墜したが、攻撃でオデッサ州の食糧貯蔵施設が破壊され、負傷者も出たという。


2022.06.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220619-INXTFF64UJK3PIOBR33A6GH52A/
セベロドネツク攻防続く 米機関「露、各地で停滞」

  ロシアによるウクライナ侵攻で、ロシアと実質的に一体の親露派武装勢力「ルガンスク人民共和国」(自称)は18日、激戦が続くルガンスク州の中心都市セベロドネツク近郊の集落メテルキノを制圧したと発表した。ウクライナ軍参謀本部もメテルキノの喪失を認めた一方、別の集落では露軍を撃退したとした。

  ウクライナメディアによると、同州のガイダイ知事は同日、セベロドネツクのウクライナ軍の拠点、アゾト化学工場内に退避している民間人が工場からの避難を拒否した-と明らかにした。
  ガイダイ氏によると、同工場には子供38人を含む568人が退避。これに先立ち、ロシア側は民間人を同工場から退避させる「人道回廊」を設置すると一方的に発表。その後、「ウクライナ側が人間の盾とするため民間人の退避を妨害している」と主張していた。
  英国防省は18日、ロシア側はセベロドネツクの市民を親露派支配地域に強制的に移送していると指摘。市民には親露派支配地域に送られることへの拒否感情がある-と分析した。
  米シンクタンク「戦争研究所」は18日付の戦況リポートで、「露軍はセベロドネツクに戦力を集中投入し、わずかな成果を上げてているが、その代償として他方面では大幅に停滞に陥っている」と指摘した。
  東部ドニエプロペトロフスク州当局は18日、州内の石油貯蔵施設が露軍のミサイル攻撃を受け爆発し、11人が重軽傷を負ったと発表した。


2022.06.17-JIJI com-https://www.jiji.com/jc/article?k=2022061700173&g=int
仏独伊首脳がキーウ訪問 ウクライナのEU加盟支援

  【パリ時事】フランスのマクロン大統領とドイツのショルツ首相、イタリアのドラギ首相が16日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪問し、ゼレンスキー大統領と会談した。ロシアによる2月の侵攻開始後、3首脳のウクライナ訪問は初めてで、3首脳はウクライナの欧州連合(EU)加盟を後押しし、軍事支援を強化していくことを確認した。会談にはルーマニアのヨハニス大統領も出席した。
欧州東部の防衛強化協議 NATO国防相理事会
  ロシアとの対話を重視する仏独伊とウクライナの間には、対ロ姿勢をめぐり溝が生じている。西欧3国はウクライナ寄りの姿勢をアピールし、関係修復を図った格好だ。
  マクロン氏は会談後の共同記者会見で、「(ウクライナの)勝利までEUはあなたたちの味方だ」と強調。「われわれ4人はウクライナを『EU加盟候補国』として速やかに認定することを支持する」と表明した。EUは来週の首脳会議で、ウクライナを加盟候補国と認めるかどうか議論する見通し。

  ゼレンスキー氏は、西欧3首脳の訪問を「歴史的な意義がある」と歓迎。「これまでの支援に感謝している」と述べた上で、「より強力な武器があれば、より早く国民と国土を解放できる。最新のロケット砲や対ミサイル防衛システムなどの提供を期待している」と呼び掛けた。
  これを受け、マクロン氏は「(対ロ)制裁や経済・軍事支援を強化する。頼りにしてほしい」と応じた。ショルツ氏も、ウクライナへの「できるだけ長期的な」軍事支援を続けると強調した。


2022.06.16-Yahoo!Japanニュース(読売新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/bcc412458e7cfe3a1c5491cfde1c88daf541f15c
米、「劣勢」ウクライナ軍へ追加軍事支援10億ドル…ハープーンも初供与

  【ワシントン=田島大志、ブリュッセル=酒井圭吾】米政府は15日、ロシアの侵攻を受けるウクライナに対し、地上配備型の対艦ミサイルシステム「ハープーン」2基など10億ドル(約1345億円)の追加軍事支援を発表した米国による対艦ミサイル供与は初めて。露軍が黒海を封鎖し、ウクライナからの穀物輸送が停滞しているため、南部オデーサの港からの輸出再開に向け、ウクライナ軍の対艦能力向上を図る。

  バイデン米大統領は15日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と電話会談し、支援内容を説明した。東部地域の地上戦で劣勢が伝えられるウクライナ軍に、榴弾(りゅうだん)砲18門、砲弾3万6000発も追加提供する。4基の供与を決めている高機動ロケット砲システム(HIMARS)用の砲弾も含む。

  ゼレンスキー大統領は15日のビデオ演説で、「(東部)ドンバス地方(ルハンスク、ドネツク両州)における我々の防衛にとって特に重要だ」と謝意を示した。
  米国による軍事支援は、2月の侵攻開始後、総額56億ドル(約7530億円)に上った。バイデン氏は15日、2億2500万ドル(約300億円)の追加人道支援も表明した。
  一方、15日にオースティン米国防長官が主導してブリュッセルで開かれたウクライナへの軍事支援を協議する国際会合では、ドイツが多連装ロケットシステム3基の提供を表明するなど、各国が支援拡大の意向を示した。
  会合後、北大西洋条約機構(NATO)の防衛相会合も始まり、ウクライナ軍やNATO加盟各国の装備近代化を進める重要性を確認した。NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は15日の記者会見で「重火器や長距離(攻撃)システムなど、ウクライナの勝利に必要な軍備提供を続けることを約束する」と述べた。


2022.06.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220615-KY4NTVHBVBL3VFCOQRBKIHFCHI/
ウクライナ軍、ヘルソン20キロ地点まで前進 奪還に意欲

  ロシアによるウクライナ侵攻で、露軍が制圧を宣言しているウクライナ南部ヘルソン州のフラニ顧問は14日、ウクライナ軍が同州の州都ヘルソンから20キロ地点付近まで前進したと発表した。一方、最激戦地となっている東部ルガンスク州の中心都市セベロドネツクについて、ウクライナ軍参謀本部は同日、「戦闘が続いている」とした上で、露軍が部隊を再編成して攻勢を強めようとしている-と発表した。

  ロシアは5月下旬、ヘルソン州と南部ザポロジエ州の占領地域の住民に露国籍を付与する政策を開始。実効支配の永続化を図ろうとしている。ウクライナは両州の奪還を掲げている。
  ウクライナメディアによると、同国のゼレンスキー大統領は同日のビデオ声明で「ヘルソンの奪還という主要目標に向け、われわれは前進している」と述べた。また、セベロドネツクなど東部に関しては「戦況は特に変わっていない」と説明。「わが軍の損害は大きいが、持ちこたえなければならない」と述べ、戦闘を継続する考えを示した。
  米シンクタンク「戦争研究所」は5月下旬、仮にセベロドネツクを制圧しても露軍は軍事的利益を得られず、同市掌握を宣言できる政治的利益しか得られない-と分析。露軍がルガンスク州での前進に注力する間に、より戦略的に重要なヘルソン州や東部ハリコフ州で反攻を進めたウクライナを「賢明だ」と評価した。

  一方、ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は、同国を支援する米欧諸国の会議が15日にブリュッセルで開かれるのを前に、露軍を敗北させるには155ミリ榴弾(りゅうだん)砲1000門▽多連装ロケット砲システム300基▽戦車500両-など大幅な追加支援が必要だとツイッターで表明。「(米欧の)決断を期待している」と述べた。


2022.06.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220614-HLMKWKXJBNPY7C7PEO7S7WKSWU/
ウクライナの砲弾不足鮮明に 東部苦戦の主因と米側分析

  【ワシントン=渡辺浩生】ウクライナ軍が東部ドンバス地域(ルガンスク・ドネツク両州)の戦闘で大砲などの火力で露軍との圧倒的な差に直面し、死傷者増加など苦戦の主因となっているとの分析を米紙や専門家が相次ぎ示している。15日、ベルギーで米国は北大西洋条約機構(NATO)などの同盟諸国と対応を協議するが、西側がより多くの重火器を迅速に投入できなければ、ウクライナが東部でさらに苦境に陥る危険も指摘されている。

  13日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルはウクライナ軍の試算として、同軍の大砲1発に対し露軍は10~20発を有し、量的に圧倒していると伝えた。ウクライナ側の兵力の消耗も進み、死者は連日100~200人、負傷者はその約5倍に上るとみられる
  ウクライナ当局者は同紙に「西側の兵器供給の大増強がなければ、露軍は現状の進行速度で8月か9月までにドンバス全域を取るだろう」との見方を示した。

  11日付米紙ワシントン・ポストは、ウクライナ側は装備の大部分を占める旧ソ連製の弾薬をほぼ使い果たし、それを補充してきた東欧諸国も余剰がなくなってきた、とするウクライナの軍事顧問の見方を伝えた。
  同紙によれば、露軍は連日5万発の大砲を発射するのに対し、ウクライナ側が撃ち返せるのは5千~6千発にとどまるという。
  バイデン米政権は今月1日に7億ドルの追加軍事支援を発表し、高機動ロケット砲システム(HIMARS=ハイマース)4基を新たに供与、155ミリ榴弾(りゅうだん)砲と砲弾の供給は計108基・22万発に達した。

  榴弾砲は大半が投入されたが、砲弾の総数は「露軍が発射する4日分」(同紙)。ハイマースは到着後に約3週間の訓練が必要となり使用に至っていない。ウクライナが待望する長射程の多連装ロケット発射システム(MLRS)は、ロシア領内への直接攻撃とそれによる露側のエスカレートを懸念して排除された。
  東部地上戦に備え重火器支援にシフトした西側だが、露軍との質量差が露呈した格好で、米政策研究機関、戦争研究所も10日付の報告で、ウクライナ軍が「東部の重要戦線における砲撃戦に閉じ込められている」と危機感を呈した。
  オースティン米国防長官は15日、ブリュッセルでNATO加盟国や他の同盟諸国の当局者を招集して第3回「ウクライナ・コンタクトグループ」を開く。

  ブリードラブ元NATO・ヨーロッパ連合軍最高司令官は13日、米大西洋評議会の対談で「西側はウクライナへのタイムリーな支援に失敗している」と批判。「西側はより計画的で速やかな補給に向け、決断を下す必要がある」と訴えた。


2022.06.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220614-SRGT7HLV4NLUNJK7YCK6VWUODM/
セベロドネツク孤立か 全ての橋破壊 補給不可能に

  ロシアによるウクライナ侵攻で、東部ルガンスク州のガイダイ知事は13日、激戦が続く同州の中心都市セベロドネツクとドネツ川を挟んだ対岸の都市リシチャンスクを結ぶ3つの橋全てが破壊されたと発表した。同氏は「市の一部はウクライナ軍が保持している」としたものの、避難や物資の補給が不可能になったと明らかにした。

  ガイダイ氏によると、橋のうち2つは12日までに露軍に破壊された。残る1つも損傷して通行が危険な状態になっており、この橋が破壊されればセベロドネツクは孤立するとしていた。また、ウクライナ軍が保持しているセベロドネツク郊外の工場には子供40人を含む民間人約500人が退避しているが、激しい砲撃を受けているという。
  ウクライナ側は、仮にセベロドネツクが陥落しても、高台に位置するリシチャンスクで防衛戦を展開する方針。セベロドネツクとリシチャンスクは、ルガンスク州内でウクライナ側が保持する事実上の最後の拠点となっている。

  東部ドンバス地域(ルガンスク、ドネツク両州)全域の制圧を目指す露軍は、ルガンスク州を掌握後、ドネツ川を渡河し、一進一退の攻防が続くドネツク州の制圧に戦力を集中させる思惑だとみられている。露軍はこれまでに複数回にわたり渡河に失敗してきた。英国防省は13日の戦況分析で「今後の露軍の渡河作戦の成否が、戦争の先行きを決める最も重要な要素になるだろう」と指摘した。


2022.06.13-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20220613-CEPCLL2OV5OC5DLPUJQ4TBCH6I/
英国人捕虜ら死刑撤回せず 親露派幹部

  ウクライナ東部ドネツク州の一部を実効支配する親ロシア派勢力「ドネツク人民共和国」トップのプシーリン氏は12日、ウクライナ側の雇い兵としてロシア側と戦い、捕虜になった英国人ら3人の死刑判決について「犯罪の性質上、特赦の決定をする根拠は見当たらない」と述べ、撤回はしない方針を示した。タス通信が伝えた。

  「ドネツク人民共和国」の裁判所は9日、英国人2人とモロッコ人1人に死刑判決を言い渡した。英政府は「正当性のない偽りの判決」(トラス外相)と反発。3人の弁護人は判決を不服として上訴する方針だ。(共同)


2022.06.11-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/7ee56f1ece8fb739a8866b3109213b3409d5d207
穀物輸出停滞で「深刻な飢饉」 ゼレンスキー氏

  【シンガポール=森浩】ウクライナのゼレンスキー大統領は11日、シンガポールで開催中のアジア安全保障会議(シャングリラ対話)でオンライン講演を行った。ゼレンスキー氏はロシアがウクライナ南部の黒海の港を封鎖して穀物輸出が停滞しているため、「アジアやアフリカなどで深刻な食料危機と飢饉(ききん)」が訪れると警告した。

  ゼレンスキー氏は講演で「ロシアが始めたこの戦争に必ず勝利する」と主張。戦争の結果によって「この世界の将来のルールが決まる」と述べて、支援を呼びかけた。 ゼレンスキー氏は、「大きい魚が小さい魚を食べ、小さい魚はエビを食べる」という大国が小国を蹂躙(じゅうりん)することへの危機感について述べたシンガポール建国の父、リー・クアンユー元首相の言葉を引用。国際秩序の重要性を訴えた。


2022.06.11-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220611/k10013666871000.html
ロシア黒海艦隊に巡航ミサイル搭載の潜水艦 ウクライナは警戒

  ウクライナ東部で一進一退の攻防が続くなか、黒海ではロシアの艦隊に巡航ミサイルを積んだ潜水艦が新たに加わり、ウクライナ軍が警戒を強めています
  10日には、イギリスのウォレス国防相がウクライナを訪問し、ゼレンスキー大統領は軍事支援のさらなる拡大に期待を示しました。

  ウクライナ東部で攻撃を続けるロシア軍は10日も、激戦地となっているルハンシク州のセベロドネツクに地上部隊を送り込みましたが、ウクライナ側の激しい抵抗にあい、一進一退の攻防が続いています。
  ルハンシク州のハイダイ知事は「セベロドネツクは持ちこたえている。ロシア軍は、行く手を阻むすべてを破壊しようとしている」とSNSに投稿し、住宅などに対する無差別攻撃を非難しました。
  また、ウクライナ軍の報道官は10日に「ロシアの黒海艦隊に、巡航ミサイルを積んだ潜水艦1隻が新たに加わった。ウクライナは、40発もの巡航ミサイルが撃ち込まれる脅威にさらされている」と述べ、ロシア海軍の動きに警戒を強めています。

  報道官によりますと、ロシア海軍は、黒海の北西部でウクライナの船舶の航行を妨害しているほか、上陸作戦に使われる揚陸艇を配置しているということで、引き続き、海上での優勢を確保するとともに、ウクライナ軍の一部を南部にとどめるねらいがあるとみられます。
  こうした中、ウクライナを訪れていたイギリスのウォレス国防相は10日、首都キーウでゼレンスキー大統領と会談しました。
  イギリス国防省によりますと、会談では、ロシアによる違法な占領からの解放という共通の目標に向けて、両国が一層緊密に連携していくことで合意したということです。
  イギリスは、ウクライナへの追加の軍事支援として、射程80キロの多連装ロケットシステム「M270」を供与すると今月発表しています。
  ゼレンスキー大統領は「イギリスは兵器、資金、制裁の3つの分野で、ウクライナ支援のリーダーシップを発揮している。約束したことを、必ず行動に移す国だ」とSNSに投稿し、謝意を示すとともに、軍事支援のさらなる拡大に期待を示しました。


2022.06.09-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220609-NVKIAGO6DRN5TIRZ3Q43FSSJWU/
ウクライナ軍劣勢に「セベロドネツク主要部から撤退」 ドネツク州でも激しい地上戦

  ロシア軍との戦闘が続くウクライナ東部ルガンスク州のガイダイ知事は8日、通信アプリに投稿し、同州の要衝セベロドネツク主要部からウクライナ軍が撤退したと明らかにした。支配地域は「市郊外だけになった」としており、ウクライナの劣勢が鮮明になった。ロシア軍は東部のルガンスク、ドネツク2州(ドンバス地域)全域制圧へ攻勢を強めており、ドネツク州でもウクライナ軍主力部隊がいる北部の拠点都市包囲を狙って激しい地上戦を展開している。

  ロシア国防省は8日、前日に制圧を表明したドネツク州北部スビャトゴルスク攻略の過程で過去3日間に戦車6両、装甲車15台、36の迫撃砲を破壊し、300人以上を殺害するなどウクライナ側に大損害を与えたと発表した。(共同)


2022.06.06-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220606/k10013659491000.html
ウクライナ東部セベロドネツク 地元の知事「5割まで奪還」

  ウクライナでは5日、ロシア軍が首都キーウをミサイルで攻撃し、鉄道車両の修理工場が被害を受けました。一方、東部ルハンシク州のセベロドネツクでは、ウクライナ軍が市の5割まで奪還したことを地元の知事が明らかにするなどウクライナ側の激しい抵抗が続いています

  ウクライナ軍などによりますと5日、ロシア軍の爆撃機が首都キーウに5発の巡航ミサイルを発射し、このうち4発が鉄道車両の修理工場に着弾し作業員1人がけがをしたということです。
  ウクライナ当局は、ミサイルが着弾した場所だとする現場を5日報道陣に公開し、映像には、建物の外壁や屋根が大きく壊れ、一部がまだ燃え続けていたり、がれきが散乱していたりする様子が写されています。
  一方、東部ルハンシク州でウクライナ側の主要拠点とされるセベロドネツクでは、完全掌握を目指すロシア軍と反撃するウクライナ軍との間で激しい攻防が続いています。
  こうした中、ルハンシク州のガイダイ知事は5日に「ロシア軍はセベロドネツクを70%支配していたが、この2日間で彼らは撃退され、ウクライナ軍は市の半分まで取り戻した」とSNSに投稿し、ウクライナ軍がロシア軍を押し返し、市の5割まで奪還したことを明らかにしました。
  イギリス国防省は最新の戦況分析で、ロシア軍は東部ルハンシク州での戦闘に、装備や訓練が貧弱な親ロシア派の予備役の兵士を動員しているとしたうえで「ロシア軍の勢いは鈍い」と指摘しました。
  こうした中、ウクライナのゼレンスキー大統領はセベロドネツクに隣接する都市などを訪問したことを6日、明らかにしました。
  ゼレンスキー大統領は、軍の司令官と話したり、兵士と一緒に写真を撮ったりする動画をSNSに投稿したうえで、ビデオ演説で「出会ったすべての人を誇りに思う」と述べ兵士らを激励しました。
  ウクライナ軍の抵抗の原動力となっているのが、欧米各国が供与する最新鋭の兵器です。
  これに対して、プーチン大統領は、5日に放送された国営テレビのインタビューで、射程が短く脅威にはなっていないという認識を示しました。
  一方で「もしウクライナに射程の長いミサイルが供与されればわれわれは、新たな標的を攻撃するだろう。破壊するための手段は十分にある」と述べ、ウクライナへの軍事支援を強める欧米をけん制しました。


2022.06.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220606-KSO2JC36JZIJ5IVOECFKEZE4KE/
露軍、カスピ海からキーウにミサイル攻撃 ウクライナを威圧

  ロシア軍は5日朝、カスピ海からウクライナの首都キーウ(キエフ)に向けて巡航ミサイル5発を発射した。ウクライナ軍が同日午後発表した。うち1発は迎撃し、4発が鉄道施設などキーウのインフラ施設に着弾した。キーウのクリチコ市長は、市内2地区が攻撃を受けたとし、1人が負傷したと明らかにした。

  キーウでミサイル攻撃による被害が出たのは、国連のグテレス事務総長が同市を訪問した4月28日以来という。ミサイル攻撃には、米欧からの供与兵器の輸送ルートを破壊する狙いや、ウクライナのゼレンスキー政権を威圧する思惑があるとみられる。
  ゼレンスキー大統領は4日、東部ドネツク州のスビャトヒルスク修道院をロシア軍が攻撃したと交流サイト(SNS)で非難。歴史的建造物である同修道院には子供ら300人が避難しており、ゼレンスキー氏は国連教育科学文化機関(ユネスコ)からのロシア追放を訴えた
  東部ルガンスク州の中心都市セベロドネツクでは5日も激しい市街戦が続いた。露軍は一時、市の大部分を制圧したが、ウクライナ軍が一部を奪還。英国防省は同日、「ウクライナ軍の反攻が露軍の勢いをそいでいる」と分析した。


2022.06.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220604-LUNQ4BREZ5LMXPF7NJ2Q3CLPEQ/
ウクライナ、東部中心都市「20%奪還」 露、東部に大軍配備 渡河試みる

  ロシアによるウクライナ侵攻で、東部ルガンスク州のガイダイ知事は3日、激戦が続く同州の中心都市セベロドネツクでウクライナ軍が抗戦を続け、「市内の20%を奪還した」と述べた。ウクライナ軍参謀本部は同日、露軍が東部ドネツク州の要衝スラビャンスク方面に20個大隊戦術群の配備を進めているほか、ドネツ川の渡河を試みたと公表した。ウクライナメディアが伝えた。

  露軍は現在、東部ドンバス地域(ルガンスク、ドネツク両州)全域の掌握を主目標に設定。ルガンスク州を制圧した後、ドネツ川を渡河して攻防が続くドネツク州に戦力を集中させる思惑だとみられている。
  ウクライナ軍の発表によると、ドンバスでは3日、20の集落が露軍の砲撃を受け、子供1人を含む民間人4人が死亡した。
  セベロドネツクはルガンスク州のウクライナ側の最終拠点の一つ。市内の大部分を制圧したとする露軍側は「近く完全制圧できる」との見通しを示してきた。しかし、ガイダイ氏は3日、地元テレビで「20%を奪還した」と主張した。援軍として外国義勇兵部隊が到着したとも明らかにし、セベロドネツクは容易には陥落しないとの認識を示した。
  一方、ウクライナメディアによると、同国のポドリャク大統領府長官顧問は、反攻に必要な米欧からの供与兵器が届きつつあると指摘。「体勢が整い次第、すぐに本格的な反攻作戦を始める」と述べた。


2022.06.04-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20220604-3ARA2FPNIBKXLJLZSEN47ZB7X4/
親露派武装勢力の一部「戦意落ち」と州知事 ウクライナ軍、東部要衝市で一部奪還

  ロシア軍が猛攻をかけているウクライナ東部ルガンスク州の要衝セベロドネツク市について、同州のガイダイ知事は3日、ロシア軍が制圧していた市地域の20%を奪い返したと、通信アプリで明らかにした。ロシア側は市の8割を支配下に置いたとされており、激しい攻防が続いている

  ガイダイ氏は、親ロシア派武装勢力の一部は戦意が落ち戦闘に向かうのを嫌がっていると指摘。ロシア軍撃退のため「さらなる長距離砲が必要だ」として米欧などに武器の支援を訴えた。
  セベロドネツク市はルガンスク州でウクライナ軍が抵抗している最後の拠点。同軍によると、ロシア軍は市東部の住宅地を襲撃したほか、西隣リシチャンスク、南西のドネツク州バフムトにも攻撃を仕掛けたものの失敗し、従来の陣地に撤退したとしている。(共同)


2022.06.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220603-RJJGSWLBWVOTBG3FV4LS3EO5MI/
セベロドネツク攻防続く 侵攻100日 露、侵攻長期化に焦り

  ロシアによるウクライナ侵攻は3日、開始から100日目を迎えた。攻防が続く東部ルガンスク州のガイダイ知事は2日、州の中心都市セベロドネツクの大部分が露軍に制圧されたが、ウクライナ軍がなお抗戦していると指摘。ガイダイ氏は米CNNテレビに、ウクライナ軍が保持する工場に民間人約800人が退避していることも明らかにした。ロシア側はウクライナ軍が民間人を「人間の盾」としていると非難している。

  露軍は現在、東部ドンバス地域(ルガンスク州とドネツク州)全域の制圧を主目標に設定。プーチン露政権は侵攻の長期化で国民に厭戦(えんせん)気分が高まることを警戒しているとされ、露軍は両州で攻勢を強めている。

  ウクライナのゼレンスキー大統領は2日、中欧スロバキアで開かれた国際会議でのオンライン演説で「ドンバスで連日、ウクライナ兵が最大100人死亡し、500人が負傷している」と戦闘の激しさを強調。「(強権主義国ロシアと自由主義国ウクライナの)価値観の戦いだ」と述べ、国際社会の支援を求めた。
  また、ロイター通信によると、ゼレンスキー大統領は2日、ルクセンブルク議会向けにもオンライン演説し「現時点でロシア軍はウクライナの領土の2割を支配下に置いている」との認識を示した。
  侵攻直後に露軍に占領された南部メリトポリのフェドロフ市長(市外で執務中)は同日、占領後の市内でウクライナ諜報機関と反露パルチザン(抵抗勢力)により「露軍100人以上が殺害された」と述べた一方、占領に抗議した住民約500人が拘束されたとした。ウクライナ側は最近、同市や南部ヘルソン州でパルチザン活動が活発化していると主張している。
  一方、露独立系インターネットメディア「メドゥーザ」は2日、複数の情報筋の話として、露大統領府が国営メディアに「作戦開始から100日を強調した報道をしないよう命じた-と報じた。国民に戦闘の長期化を意識させ、厭戦気分を高めないようにするためだという。


2022.06.02-Yahoo!Japaニュース(日テレ NEWS)-https://news.yahoo.co.jp/articles/5f93d394c31369ba4e93023305dde28d72c56b0e
セベロドネツク7割が露軍の支配下 ウクライナ軍の一部が撤退

  ロシア軍が制圧を目指すウクライナ東部のセベロドネツクについて、地元の知事は1日、7割がロシア軍の支配下にあり、ウクライナ軍の一部が撤退したと明らかにしました。

  セベロドネツクがあるルハンシク州のハイダイ知事は1日、「セベロドネツクの7割がロシア軍の支配下にある」とSNSに投稿しました。また、市街戦が続く一方で、「ウクライナ軍の一部が、より有利な位置まで撤退した」と明らかにしました。

  「住民の避難が中止になり、人道支援や医薬品を届けるすべがない」と訴えています。
  ウクライナ国防省も、ロシア側が市の中心部に到達したことを認めています。 ウクライナ国防省報道官「(セベロドネツクで)市街戦が行われ、敵は中心部に到達して足場を固めようとしている」 こうした中、ウクライナに対し、アメリカが高機動ロケット砲システムの供与を発表したことに、ロシア側は自国の領土への攻撃につながりかねないとして、強く反発しています。
  ラブロフ外相「西側諸国を軍事行動に引き込むことを目的とした、直接的な挑発だ」 ラブロフ外相がこう述べて、第三国を戦闘に巻き込むことになると警告したほか、ロシア大統領府のペスコフ報道官も、「火に油を注いでいる」とアメリカを強く批判しています。


2022.06.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220601-WHNXB2BB3NPT3BQLRFRATBSOOI/
露軍、セベロドネツク7割制圧 化学工場で爆発も

  ウクライナ東部ルガンスク州のガイダイ知事は5月31日、侵攻を続けるロシア軍が同州の要衝、セベロドネツクの7割を制圧したと英メディアに明らかにした。同市を制圧すれば、露軍はルガンスク州全域を掌握することになる。一方、ウクライナメディアは同日、露軍が市内の化学工場を攻撃したと報道。地元当局が市民に避難を呼びかけているという。

  ガイダイ氏は、露軍がセベロドネツクを完全に制圧しても、「ウクライナ軍はセベロドネツクから戦術的に撤退することで、より強固な陣地で露軍の侵攻を食い止めることができる」と強調した。市中心部にはすでに露軍が侵入し、市街戦が発生している。
  ガイダイ氏はまた、市内の化学工場が露軍の空爆を受け、硝酸が入ったタンクが破壊されたと表明。市民に避難用のシェルターから出ないよう求めた。タス通信によると、親露派武装勢力は、ウクライナ軍の攻撃によるものだと主張した。
  セベロドネツク郊外で活動していたノルウェーの支援団体幹部はロイター通信に対し、市内に最大1万2000人の市民が取り残されているとの見方を示した。十分な水や食料、医薬品がない状態だが、激しい交戦のため市外に脱出できないでいるという。

  ウクライナ軍参謀本部は同日、露軍が東部ハリコフ州イジュムやドネツク州スロビャンスクでも攻勢をかける準備を進めているとの見方を示した。








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