ウクライナ-1



2023.06.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230603-WHEVVX22HRM4BP6FBMEXOQTLXI/?outputType=amp
ウクライナで長距離攻撃の応酬激化

  ロシアの侵略を受けるウクライナ南部ザポロジエ州のマラシコ知事は2日、州内の集落カムイシェバハの集合住宅が露軍の砲撃を受け、民間人女性2人が死亡し、男女4人が負傷したと交流サイト(SNS)で発表した。一方、同州の6割超を支配する親露派勢力幹部、ロゴフ氏は同日、州内の港湾都市ベルジャンスクの港がウクライナ軍のミサイル攻撃を受け、9人が負傷したと主張した。

  ロゴフ氏は、ウクライナ軍の攻撃には英国から供与された巡航ミサイル「ストームシャドー」が使用された可能性が高いとした。
  ザポロジエ州は、露本土とロシアが実効支配するウクライナ南部クリミア半島を結ぶ陸路の「回廊」の一部を構成する重要地域ウクライナ軍が準備している本格的な反攻作戦の主目標となる可能性が指摘され、5月ごろから両国軍による長距離攻撃の応酬が激化している。両国軍は反攻を念頭に双方の拠点への攻撃を続けているとみられる。
  ウクライナ軍の反攻に備え、ロシア側は5月、同州の前線付近から住民1万人以上を後方に移動させた。露軍は同州内に幅120キロ以上の防衛線を構築しているとも分析されている。


2023.05.29-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230529-CSN2RQ2BHJKRNAL73Q5L6U47OA/
露、2日連続でキーウなどへ大規模攻撃 ウクライナは「大半を撃墜」

  ウクライナ空軍は29日、同日未明に重要インフラなどを標的としたロシア軍のミサイルと自爆型無人機(ドローン)による多数の攻撃があったと発表した。露軍の大規模な長距離攻撃は2日連続。ウクライナメディアによると、首都キーウ(キエフ)市当局は撃墜したミサイルなどの破片が市内に落下したが、死傷者は出ていないとした。

  ウクライナ空軍によると、露軍は最大40発のミサイルと約35機のドローンを発射。防空部隊がミサイル37発とドローン29機の撃墜に成功したとしている。


2023.05.28-Yahoo!Japanニュース(テレ朝NEWS)-https://news.yahoo.co.jp/articles/2f00d6313f8fa4907ba6919959e00ae6205b9d25
露領内で破壊や越境攻撃“ロシア義勇兵”キーマン直撃 ウクライナ反転攻勢への影響は
5月28日『サンデーステーション』より テレビ朝日

  大規模な反撃と共に注目を集めるのが、ウクライナ側で戦うロシアの義勇兵たち。 なぜ自国に攻め入るのか、ウクライナ軍の関与はあるのか。キーマンを取材し、背景を探りました。

▽ウクライナ総司令官「取り戻す時が来た」 「ウクライナ 母なる土地 神は我々の父だ 断固たる反撃にご加護を…」
  27日、ロシア軍との戦闘に臨む兵士の動画と共に「我々のものを取り戻す時が来た」とメッセージを出したのはウクライナ軍のザルジニー総司令官。“反転攻勢の開始宣言”ともとれる軍のトップのこの発信。
  反転攻勢は始まったのでしょうか… 「ベルジャンシクで爆発がありました。SNSで煙の映像が公開されました。ベルジャンシク市議会の副会長によると、ロシア軍の兵士がいた保養所に着弾があったということです」 ロシアが一方的に併合を宣言したウクライナ南部のザポリージャ州ベルジャンシクで27日、複数回起きた爆発。ウクライナ軍は、21日にもベルジャンシクにあるロシア軍の拠点を攻撃したと表明しており、今回もウクライナ軍による攻撃の可能性があります。
  これもウクライナの反転攻勢に関係あるのでしょうか…22日に明らかになったロシア領土内への越境攻撃。
  ロシアのショイグ国防相は… (ロシア ショイグ国防相)「5月22日、ウクライナの民族主義者の部隊がベルゴロドの国境検問所付近でロシア領土に侵入した。(対テロ作戦で)70人以上のウクライナのテロリストを殲滅した」 場所はウクライナと国境を接するロシアのベルゴロド州。悠々と国境を越え、ロシア領内に入る武装組織。 「ロシア義勇軍団 進め!」 この攻撃を行ったと主張しているのが、反プーチン政権を掲げるロシア人のパルチザン、「自由ロシア軍団」と「ロシア義勇軍団」です。
  犯行声明では… (自由ロシア軍団 司令官)「クレムリンの独裁を終わらせる時が来た」 24日には、戦利品とされる装甲車の前で幹部らが合同の会見を行いました。 (ロシア義勇軍団 司令官)「これはロシアのカラシニコフ銃。戦利品の一つだ。ロシア義勇軍団には2人の軽傷者を除いて死傷者はいない。我々の活動は継続中で、第一段階は成功した」
▽「自由ロシア軍団」祖国への“越境攻撃”なぜ?
  今なぜ、越境攻撃を行うのか…その理由について、「自由ロシア軍団」政治部門の代表バラノフスキー氏(自由ロシア軍団 政治部門代表 アレクセイ・バラノフスキー氏)「一部の地域では、ウクライナの反転攻勢はすでに始まっています。地面も乾いてタイミングが良かった。我々の目的は、ロシア軍の一部を撤退させ、防衛体制を弱体化させることです」 ロシア領土内で攻撃するのは、今回が初めてだという自由ロシア軍団。
  ウクライナ軍の関与については… (バラノフスキー氏)「ウクライナ領土にいるときは、ウクライナ軍の管理下にあるので、私たちはウクライナ軍の指示に従って動いています。ロシア領土に戻ったときは、自由ロシア軍団の司令官の指示に従うので、ウクライナ軍は全く関与していません」
  Q. ベルゴロド州の攻撃にウクライナ軍は関与していないのですか? (バラノフスキー氏)「関与していません。今回の攻撃は、私たちの部隊が独断で行いました」
▽「ウクライナの英雄」が解説
  “ロシアのパルチザン“ 現在、ウクライナ政府と共に、占領下のパルチザン活動を支援するジェムチュゴフ氏はこう説明します。 (元パルチザン指導者 ジェムチュゴフ氏)「自由ロシア軍団は今、ウクライナ国内で独立した軍事組織です。ウクライナ軍はロシア軍の大規模な進軍を止めることができた現時点でロシアの義勇兵は前線にいる必要がなくなりました」
  ウクライナ軍との連携については… (ジェムチュゴフ氏)「彼らは戦地から撤退し、本来の目標達成に向けた活動を始めました。ウクライナの諜報機関と連携し、私たちは偵察情報を提供しています。ロシア国内で本格的な内戦を起こすのに必要なIT系の支援をしています」 「自由ロシア軍団」では、2日間に渡る戦闘がSNSなどを通じ急速に広まったことで、変化があるといいます。
  (バラノフスキー氏)「ロシア国内から自由ロシア軍団やロシア義勇軍団への志願者が非常に多く集まっています。あまりにも志願者が多すぎて、選定作業が間に合っていません。中には組織に侵入しようとするロシアのスパイがまぎれているかもしれないので、全員きちんと調べないといけません」
▽ロシア義勇兵の本懐
  “プーチン政権の転覆” 26日、タス通信は、ロシア南部の都市クラスノダールで爆発があり、住宅の屋根や窓ガラスが破壊されたと伝えています。3日のクレムリンへのドローン爆破など、ロシア国内では、国境付近のみならず、各地で“破壊工作”が頻発。ロシアメディアが報じたものだけで、今月に入って29件に及びます。
  (ジェムチュゴフ氏)「ロシア国内で起きているすべての出来事はロシア国民によるものです。ウクライナ諜報機関はロシアのパルチザンと連絡を取り合い可能な範囲で支援している。」 ロシアのパルチザンによる破壊工作や越境攻撃、ウクライナの反転攻勢にどう影響するのでしょか。
  (ジェムチュゴフ氏)「ロシアは自国内で行われる戦闘に準備しておらず、今前線にいる部隊をロシア領内に慌てて移動しています。ウクライナ国内の体制が弱体化し、ロシア軍の攻勢が弱まることが、ウクライナ軍にとって一番大きなメリットです。プーチン政権を弱体化させ、政権転覆につながると期待しています」 今、自由ロシア軍団は、第二・第三の攻撃を水面下で進めているといいます。
  (バラノフスキー氏)「ベルゴロド州以外にも、今はブリャンスク州、クルスク州でも作戦の準備を進めています。ただ、これが最後ではありません。最終目標はモスクワです。ウクライナがクリミアを取り戻したら、プーチン政権は崩壊し始めると確信しています。その時、ロシアに戻ってプーチンを完全に潰さなければいけない。」
5月28日『サンデーステーション』より テレビ朝日


2023.05.27-NHKNEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230527/k10014080421000.html
ウクライナ政府高官 “大規模な反転攻勢開始に向け準備整う”

  ウクライナ政府の高官は、領土奪還を目指した大規模な反転攻勢の開始に向けて準備が整っているという認識を示しました。南部などではウクライナ軍がすでに軍事作戦を進めているともみられていてロシア側が警戒を強めています。

  ウクライナ軍の大規模な反転攻勢を巡り、ウクライナの国家安全保障・国防会議のダニロフ書記は27日までにイギリスの公共放送BBCのインタビューに対し「あす、あさって、あるいは1週間以内に始まる可能性がある。歴史的な機会を逃すわけにはいかない」と述べ、開始に向けて準備が整っているという認識を示しました。
  また、ウクライナ軍のザルジニー総司令官は27日、SNSで兵士の動画とともに「奪還するときが来た」とするメッセージを投稿しました。
  ロシアが併合を主張する南部ザポリージャ州の親ロシア派のトップ、バリツキー氏は、ウクライナ軍がイギリスから供与された巡航ミサイルで攻撃を続けているとしたうえで、「ウクライナ軍の反転攻勢が近く始まる可能性が高い」と述べました。
  ザポリージャ州では、ロシア軍が占領する都市にある軍施設で爆発が起きるなど、ウクライナ軍がすでに軍事作戦を進めているともみられていて、ロシア側が警戒を強めています。
  一方、ウクライナ東部ドネツク州の激戦地バフムトをめぐり、イギリス国防省は27日、撤退を表明したロシアの民間軍事会社ワグネルの部隊が「バフムト周辺の一部から撤退を開始した可能性が高い」とする一方、周辺にロシア軍の空てい部隊が投入されてきた可能性が高いと指摘しました。
  ワグネルからロシアの正規軍への交代が進められているとみられますが、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は26日、「バフムト周辺でのウクライナ軍の反撃が成功すれば、ロシアの作戦が複雑になる可能性がある」と分析しています。


2023.05.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230525-HQDPIGGYUFJMXNF7QAJ4Y3OCNE/
通信傍受の米情報機関が分析 クレムリン無人機攻撃にウクライナ関与か

  【ワシントン=坂本一之】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)や米CNNテレビ(同)は24日、ロシアの首都モスクワ中心部にあるクレムリン(大統領府)を狙った今月3日の無人機攻撃に関し、米情報機関がウクライナ側の関与が疑われる情報を得ていると報じた。米側は誰の決定で攻撃が実行されたか結論付けることはできず、ウクライナのゼレンスキー大統領は作戦を把握していなかったと分析する米当局者もいる。

  報道によると米側は、ロシア当局者が無人機攻撃について協議する会話を傍受。無人機がモスクワ中心部まで侵入したことに驚いていた様子やウクライナを非難していることを把握した。ウクライナ当局者が自国の関与を推測する会話も傍受したという。
  関係者は、ロシア政府が無人機攻撃を受けて内部の安全対策を変更したとしている。米側は指摘されていたロシアによる自作自演ではないと分析しているものの、ゼレンスキー氏らウクライナの政府高官が作戦を把握していたかは不明のままだという。
  バイデン米政権はロシアによる侵略を強く非難し、ウクライナに大量の武器支援を実施しているが、核兵器使用をちらつかせるロシアを過度に刺激することを警戒している。
  また、米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は24日の電話記者会見で、「ロシア領内への攻撃に米国製の装備が使われることを支持しない」と述べている。米議会もウクライナ支援の継続を重視する一方で、兵器支援に関する「透明性」の確保も求めていて、目的外の使用を懸念している。
  米当局は今回の無人機攻撃に加え、ロシア国内で昨年8月に民族主義的思想家の娘が車の爆発で死亡した事件や、ロシア産天然ガスをドイツに送る海底パイプライン「ノルドストリーム」で昨年9月に起きたガス漏れなどについても、ウクライナ側の関与を疑っている。


2023.05.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230522-G6SCSI3DUZNYPPOXOKD7AEBLJM/
マリウポリ陥落1年 捕虜「兵士2000人戻らず」 親族、解放訴え
(キーウ 桑村朋)

  ウクライナが東部ドネツク州の要衝マリウポリをロシア軍との激しい攻防の末に占拠されて1年が経過した。露軍の捕虜となったままの兵士は約2千人に上るといい、親族らは「非人道的な拷問が行われている」と焦燥感を募らせる。ウクライナのゼレンスキー大統領は先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)で捕虜らの解放を含む和平案の重要性を訴えたが、早期解放の見通しは立たない。

  マリウポリはアゾフ海に面した工業都市で、露軍が昨年2月の侵攻直後から包囲した。ウクライナ側ではアゾフスタリ製鉄所を最後の拠点に「アゾフ大隊」などが籠城。2万人以上が死亡したとされ、昨年5月16日に投降を始めた。露側は20日に完全制圧を宣言し、2439人が投降したと発表。投降者を捕虜としてドネツク州の支配地域や露国内に移送したとみられる。
  今月16日には捕虜の妻や親族らでつくる団体「鋼の女性」代表のナタリヤ・ザリツカ氏ら5人がキーウ市内で記者会見。ザリツカ氏は「あらゆる努力にもかかわらず、過去1年で帰還できた兵士はわずか約500人。残りは今も地獄の日々を送っている」と涙ながらに語った。
  今月6日にも新たに45人のウクライナ兵が帰還したと明かしたが、「1年前の丈夫で健康な姿に永遠に戻らないかのようなひどい状態だ」と嘆く。露側に電気ショックで尋問、暴行されるなどし、昨年9月に帰還した215人は体重が平均で40キロ減少。背骨の骨折や腎臓の損傷、視力・聴力の低下がみられたという。
  ウクライナ政府に対し、拘束したロシア人捕虜が自国の家族と連絡が取れるように求め、実現したことも紹介。ロシア側にも同様の人道的な配慮を要求し、ウクライナ兵への拷問の停止や十分な食事の提供を求めた
  ゼレンスキー氏は製鉄所の部隊全員の生還を目指し、これまで露側との捕虜交換に複数回成功した。だが、ロシアは部隊の中心を担ったアゾフ大隊を「ネオナチ」と敵視し、露最高裁は昨年8月、大隊を「テロ組織」に認定。全員の早期解放は厳しい情勢だ。
  会見に出席したソフィア・チェレパノワさんも大隊の兵士だった弟が捕虜となっている。「良い知らせを受け取ったのはわずかな家族だけ。捕虜たちは人間性を失いつつある。ウクライナ政府は3倍の努力をすべきだ」と訴えた。(キーウ 桑村朋)


2023.05.17-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230517-H3Q5YZMPIBLX3LVUP5DEQ6INR4/
ミサイル「18発全て」迎撃で欧米に謝意 ゼレンスキー大統領「歴史的成果」

  ウクライナのゼレンスキー大統領は16日、欧州評議会の首脳会議でオンライン演説し、同日未明に首都キーウ(キエフ)を狙ったロシア軍の攻撃に言及した。ミサイル18発を全て迎撃する「歴史的成果」を上げたと強調し、防空システムを供与した欧米に謝意を表明した。ウクライナ空軍は、うち6発はミグ31戦闘機6機から発射された極超音速ミサイル「キンジャル」だったと発表した。

  キンジャルはマッハ10で飛行し、プーチン政権が迎撃困難だと誇示していた最新兵器。ゼレンスキー氏は、1年前は多くのミサイルが迎撃不能だったと振り返り、欧米の支援で防空能力が格段に向上したと説明。戦闘機も供与するよう訴えた
  空軍は、黒海の艦船から巡航ミサイル「カリブル」9発、地上からミサイル3発も同時発射され、北・南・東からの複合攻撃だったと発表。キーウ市は、空爆は5月に入って8回目だが異例の密度だったと指摘した。(共同)


2023.05.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230515-YBNOWJKLARIIVE7ULDCVW4FC5A/
英仏独伊首脳が「武器供与」 ウクライナ支援固め

  【ロンドン=板東和正、パリ=三井美奈】欧州歴訪中のウクライナのゼレンスキー大統領は15日、ロンドン郊外のチェッカーズ(英首相別荘)を訪問し、スナク英首相と会談した。英政府によると、スナク氏は同日、数百発の防空ミサイルと、飛行距離200キロを超える長距離攻撃型無人機数百機を含む無人航空機システムをウクライナへ新たに供与する方針を確認した。

  ゼレンスキー氏は訪英に先立ちイタリア、ドイツ、フランスを訪問し、ロシアに対する大規模攻勢に向け、各国首脳に戦闘機の提供を求めた。広島での先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)を前に、対露圧力で支援固めも目指した。
  ゼレンスキー氏は出迎えたスナク氏に「英国はこれまで多くのことをしてくれた」と感謝の意を表明。会談では今後のウクライナへの軍事支援を協議した。
  英政府は11日にもウクライナに長距離巡航ミサイル「ストームシャドー」を供与すると発表した。英BBC放送などによると、ウクライナに長距離ミサイルを提供するのは英が初めて。
  スナク氏は15日、「英国はウクライナとその国民を支援することに揺るぎはない」と強調した。
  ゼレンスキー氏は14日には、ベルリンでショルツ独首相、パリでマクロン仏大統領とそれぞれ会談。ショルツ氏との共同記者会見では、「戦闘機の支援国連合の構築を目指している。今回の訪欧の目的でもある」と協力を求めた。
  ショルツ氏はレオパルト1戦車、IRIS-T防空システムなど総額27億ユーロ(約4千億円)の支援を発表した。戦闘機については「防空ではすでに、効果的な装備を提供している」と述べるにとどめた。会談では広島サミットも議題になり、ゼレンスキー氏はG7でのわれわれの立場を調整した」と述べた。
  ゼレンスキー氏はパリでマクロン氏との会談後、共同声明を発表した。フランスはウクライナ軍の大隊に、偵察戦闘車や装甲車など数十両を提供し、兵員の訓練を行うと表明した。広島サミットを視野に両大統領は、ロシアに対する追加制裁が必要という立場も確認した。仏大統領府筋は、戦闘機供与については「まず操縦訓練が必要。時期尚早」とした。
  13日に会談したイタリアのメローニ首相も武器支援の継続を約束した。


2023.05.13-Yahoo!Japanニュース(読売新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/1d103b2a43541d6a5ac50f6cbd0e79d1cc66720f
ウクライナが東部で反撃、ロシア軍司令部で大規模爆発…英ミサイル「ストーム・シャドー」か

  タス通信などによると、ウクライナに侵略するロシアが一方的に併合した東部ルハンスク州の州都ルハンスク中心部12、13の両日、露軍の司令部などで大規模な爆発が起きた。露国防省は13日、ウクライナが英国から供与を受けた長射程巡航ミサイル「ストーム・シャドー」(射程250キロ・メートル超)を使ったと主張し、非難した。

  州都は最前線から約100キロ・メートル後方にあり、米国が供与した高機動ロケット砲システム「HIMARS」(同約80キロ・メートル)では届かない。露側の地元「当局」は12日の爆発に関し、現場付近でストーム・シャドーの刻印が入った部品などが見つかったとする写真も公表した。英国防相は11日にウクライナに提供済みだと発表していた。
  一方、ウクライナ軍は大規模な反転攻勢の準備段階として、東部で反撃を強化し、露軍に揺さぶりをかけているようだ。 ウクライナ軍の報道官は12日、露軍が全域制圧を狙う東部ドネツク州の要衝バフムト周辺で、過去3日間に約17平方キロ・メートルを解放したと強調した。米CNNも12日、露軍が市北郊で約5キロ・メートル後退したとの見方を伝えた。
  露国防省も12日の発表で、露軍部隊がバフムト北郊の貯水池周辺まで撤退したと認めた。ウクライナ陸軍の司令官は13日、SNSで「複数の地域で前進している」と強調した。


2023.05.11-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230511-PSSINFXOTNKYPFZTUYMFOVCHUI/
ウクライナ「反攻に時間」 英、巡航ミサイル供与

  ウクライナのゼレンスキー大統領は、近く実施するとみられていた対ロシアの大規模な反転攻勢について、欧米供与の装甲車などが必要で「もう少し時間がかかる」と述べ、反攻開始が遅れるとの認識を示した。英BBC放送が11日にインタビューを報じた。

  米CNNテレビは11日、英国がウクライナに巡航ミサイル「ストームシャドー」を供与したと報じた。報道によると、ウクライナ軍が保有する旧ソ連製の戦闘機に搭載可能。射程は250キロ超で、米国がこれまでに供与した兵器の最大射程約80キロを大きく上回る。 ゼレンスキー氏はインタビューで「われわれは前進できるし、成功すると思う」とした上で、今すぐ反攻に踏み切れば「多くの人員を失う。それは受け入れられない」とした。
  BBCはウクライナの反攻の時期や場所は不明だと指摘。ロシア軍は東部ドンバス地域(ルガンスク、ドネツク両州)から南部ザポロジエ、ヘルソン両州にわたる約1450キロの前線で防衛を強化しているとした。(共同)


2023.05.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230508-EXRX5EMQKRONDNBQUBTGARG3JA/
ロシアが自爆ドローン60機投入 対独記念日前にウクライナ各地攻撃

  ロシア軍は8日未明にかけ、ウクライナ各地を自爆ドローン(無人機)やミサイルによる大規模攻撃を実施した。プーチン露政権が重視する第二次大戦の対ドイツ戦勝記念日の9日を控えて攻勢を強めた

  ロイター通信によると、投入された自爆ドローンは大規模爆撃が再開された4月末以降最大となる60機に上った。ウクライナ側によると、首都キーウ(キエフ)では飛来したドローン36機全てを撃墜されたが、破片の落下などで5人が負傷した。
  南部オデッサでは食料施設がミサイル攻撃で延焼し、3人が負傷。ウクライナメディアによると、南部ヘルソン州では露軍の砲撃によって9歳の子供を含む9人が負傷した
  また、露側は実効支配する南部クリミア半島でウクライナ側の無人機22機を破壊したと主張した。


2023.05.08-TBS NEWS DIG.-https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/473499?display=1
ウクライナがロシアを非難 要衝バフムトでロシア側が「白リン弾と焼夷弾を使用した」映像を公開

  ウクライナ東部の要衝バフムトからの撤退を表明していたロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者は、「戦闘継続に必要な弾薬の供給を約束された」と明らかにしました。
  ワグネルの創設者プリゴジン氏は7日、ロシア国防省から「戦闘を続けるために必要な弾薬などの供給を約束された」とSNSに投稿しました。
  そのうえで、ウクライナの軍事作戦で副司令官を務めるスロビキン氏が今後、「ワグネルの軍事作戦に関する決定権を持つ」としています。
  プリゴジン氏は5日、弾薬の供給が止められたとしてショイグ国防相らを厳しく批判し、“10日に要衝バフムトから撤退する”と表明していました。

  一方、ウクライナ側は6日、バフムトで撮影されたとみられる映像を公開しました。非人道兵器とされる“白リン弾と焼夷弾を使用した”としてロシア側を非難しています。
  9日にロシアで対ドイツ戦勝記念日を迎えるのを前にウクライナへの攻撃は続いていて、南部オデーサ州では食品企業の倉庫などにミサイルが着弾し、火災が発生しました。
  また、首都キーウにはドローン攻撃があり、市長は4人がけがをしたとしています。


2023.05.06-朝日新聞-https://www.asahi.com/articles/ASR4X0G2XR4WUHBI03J.html
前線付近の7万人を自主避難へ ウクライナ中南部

  ロシアの民間軍事会社ワグネル創設者のエフゲニー・プリゴジン氏は5日、SNSに投稿した動画で、激戦が続くウクライナ東部バフムートから、10日にワグネルの部隊を撤退させると明らかにしました。近くウクライナ軍の領土奪還作戦が予想されるなか、ワグネルが撤退すれば、戦況が大きく変わる可能性もあります。


2023.05.04-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230504-AUORU4OUDVNH3D42OXIETGRX2E/
南部ヘルソン州で16人死亡 スーパー攻撃、外出禁止へ

  ウクライナ検察は3日、ロシア軍が南部ヘルソン州の民間施設など複数の場所を攻撃し、計16人が死亡したと発表した。これに先立ち、ウクライナ内務省は3日、同州の州都ヘルソンで唯一開いている大型スーパーマーケットが攻撃を受け、死傷者が出たと通信アプリで明らかにした。

  ヘルソン市当局は3日、5日午後8時から8日午前6時まで58時間の外出禁止を発令すると発表した。外出禁止令の間、市内の移動や、市への出入りができなくなる。
  英国防省は2日までに公表したウクライナ戦況分析で、ロシアが昨年夏以降、ウクライナとの国境に近い自国領内に全長数百キロにわたる大規模な塹壕を構築したと指摘した。ウクライナ軍が計画する大規模反攻への強い警戒の表れと分析している。(共同)



2023.05.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230504-CCUR5BHOX5IKPOP6HP7WIRI2OQ/
ゼレンスキー氏も関与否定 クレムリン無人機攻撃

  モスクワのロシア大統領府をウクライナが無人機で攻撃したとの露大統領府の主張について、フィンランドを訪問しているウクライナのゼレンスキー大統領は3日、「われわれはプーチン(大統領)を、モスクワを攻撃していない。自国領土で戦っている」と述べ、関与を否定した。

  ゼレンスキー氏はフィンランドでの北欧5カ国首脳との共同記者会見で発言した。(ロンドン支局)


2023.05.01- 産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230501-WRYNNXFCJRKPXHOZKPEI7UJIVI/
ゼレンスキー氏「重要な戦い近い」 近く反攻着手を示唆か

  ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は、同国が国境警備隊の日と定める4月30日、国境警備隊員の職務をたたえる国家行事に出席し、「重要な戦いが間近に迫っている。われわれはロシアから領土と国民を解放せねばならない」と演説した。ウクライナ軍が近く大規模な反攻作戦を開始することを示唆した可能性がある。

  ウクライナは従来、最激戦地の東部ドネツク州バフムトなどで露軍を損耗させつつ、米欧諸国から供与される主力戦車などを使って反攻に着手する方針を示してきた。米欧製戦車の引き渡しが着々と進む中、ウクライナ国防省情報総局のブダノフ局長も最近、同国メディアに対し、時期は機密だとしつつも「決戦が近づいている」と述べていた。
  ただ、反攻が失敗した場合、領土の奪還が困難になる上、国際的な停戦圧力が強まる可能性もあることから、ウクライナは反攻に着手する時機を慎重に見定めているとみられている。
  一方、バフムトでの戦闘に露軍側で参戦している露民間軍事会社「ワグネル」トップのプリゴジン氏は、露軍事メディアが29日に公開したインタビューで「ウクライナ軍が5月15日までに反攻を始める可能性がある」と指摘。「(露軍側の)誰も(反攻を)真剣に受け止めていない」などと不満を表明した。複数の露メディアが伝えた。
  プリゴジン氏は「1日8万発の弾薬をワグネルは必要としており、露国防省に1日4000発の弾薬を供給するよう求めているが、800発しか渡されていない」とも指摘。弾薬不足が解消されない場合、ワグネルはバフムトから撤退するとショイグ露国防相に通告したと明らかにした。ワグネルと露国防省の間では、足並みの乱れがこれまでもたびたび指摘されてきた。


2023.04.29-東京新聞-https://www.tokyo-np.co.jp/article/246981
ミサイル攻撃、死者25人に 子ども犠牲、ロシアを非難

  【キーウ共同】ウクライナのクリメンコ内相は29日、ロシア軍のミサイル攻撃を受けた中部チェルカスイ州ウマニ集合住宅での死者が23人に上り、うち5人が1歳半から16歳までの子どもだったと明らかにした。東部ドニプロでもミサイル攻撃で女児を含む2人が死亡。ゼレンスキー大統領は28日の声明で「このようなテロ行為に及ぶのは絶対的な悪だけだ」とロシアを非難した。

  ロシア軍は27日夜から28日未明にかけ、ウクライナ各地をミサイルや無人機で攻撃していた。
  2014年にロシアが併合したクリミア半島のセバストポリでは29日、海岸付近の石油備蓄施設で火災が発生。ラズボジャエフ市長は無人機による攻撃だと通信アプリに投稿した。けが人などは出ていない。
  インタファクス通信によると、東部ドネツク州でロシア側行政府「ドネツク人民共和国」が支配する州都ドネツクに28日、ウクライナ側から激しい砲撃があった。ロシア側市長によると、子どもを含む市民9人が死亡。NATO側が供与した長距離砲による攻撃とみられ、住宅や病院などに着弾したという。


2023.04.29-dmenuニュース-https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/yomiuri/world/20230428-567-OYT1T50237
ウクライナ中部の集合住宅にミサイル、子供ら21人死亡…米欧製の防空システム試したか

  ウクライナ非常事態庁などによると、ロシア軍は28日、首都キーウを含む広範囲をミサイルや自爆型無人機で攻撃した。中部チェルカスイ州ウマニでは集合住宅約10棟が被害を受け、子供3人を含む21人が死亡し、18人が負傷した。キーウへの攻撃は51日ぶりだった。露軍が、ウクライナで実戦配備が始まっている米欧製の防空システムの対応能力を試した可能性がある。

  ウマニではがれきの下に取り残されている人もいる。東部ドニプロでもミサイル攻撃で2人が死亡し、3人が負傷した。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は28日、SNSへの投稿で「ロシアのテロはウクライナと世界から公正な報いを受けなければならない」と非難した。28日夕にも広範囲に空襲警報が出た。
  ウクライナ軍総司令官は、露軍が28日未明、カスピ海上空の戦略爆撃機「Tu(ツポレフ)95」から巡航ミサイル23発を発射し、ウクライナ軍が21発を迎撃したと明らかにした。無人機2機も撃墜した。ウマニの集合住宅には巡航ミサイルの「Kh101」が着弾したとみられている。キーウ市当局によると、このうちキーウではミサイル11発と無人機2機を撃墜した。
  ウクライナ空軍幹部は27日、米国製「パトリオット」の2セット目が配備されたことを明らかにした。ドイツ製「IRIS―T SLM」もすでに配備済みだ。いずれも防衛範囲は半径数十キロ・メートルとされている。
  このタイミングで行われたミサイル攻撃では、昨年10月から冬場までの断続的な攻撃で標的となったエネルギー施設に被害はなかった。攻撃規模は100発超を投入していた今年2月頃から縮小している。流出した米政府の機密文書でウクライナ軍の地対空ミサイルが深刻な不足に陥っているとの指摘があったことを踏まえ、ウクライナ側のミサイルを消耗させる狙いもあった可能性がある。
  露軍は自爆型無人機での攻撃を再び活発化させているほか、ウクライナ空軍によると、27日、南部ミコライウへのミサイル攻撃では、地上発射型で低空を飛行するため探知困難な「イスカンデル」が使われた。
  露側もミサイルの深刻な不足が指摘されてきた。ただ、米政策研究機関「戦略国際問題研究所」(CSIS)は今月発表の露軍需産業に関する報告書で、露軍のミサイル攻撃に関し「生産力は落ちているものの旧型や精度の低いものを組み合わせて、ペースを落としながら攻撃を継続する能力がある」と指摘した。
  プーチン露大統領は27日、国内の無人機企業の幹部と会談し、国産機の生産ペースを上げるよう指示した。


2023.04.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230424-2Q5AN22UT5L2BNUL5B663SAKSU/
ウクライナ軍、ヘルソン州で渡河成功か 陣地確保の情報 露側は「虚偽」と否定

  ロシアによるウクライナ侵略で、米シンクタンク「戦争研究所」は24日までに、露軍の支配下にある南部ヘルソン州のドニエプル川東岸地域にウクライナ軍が進出し、陣地を確保したもようだとする分析を公表した。これに関し、ウクライナ軍南部方面部隊のグメニュク広報官は否定も肯定もしなかった。一方、同州の親露派勢力トップのサリド「知事代行」は、ドニエプル川東岸へのウクライナ軍の進出情報は「虚偽」だと主張した。

  戦争研究所は22日、複数の露軍事ブロガーの報告を基に、ウクライナ軍がドニエプル川の渡河に成功したもようだと指摘。東岸地域の小都市アリョシュキの北方に陣地を構築したが、規模や意図は不明だとした。
  グメニュク氏は同日、「ドニエプル川の渡河が必要な現在の状況下で、困難な作戦が続いていることを理解してほしい。わが軍の安全が確保されていない現状では、機密は保持されるべきだ」などと述べ、具体的なコメントは避けた。地元テレビでの発言をウクライナメディアが伝えた。
  ヘルソン州を巡っては、ロシアが昨年9月、一方的に併合を宣言。しかし11月、ウクライナ軍が反攻を行い、州都ヘルソンを含むドニエプル川西岸地域を奪還した。以降、露軍はウクライナ軍の渡河を防ぐため東岸地域を要塞化し、西岸地域に砲撃を続けていた。
  ヘルソン州は、ロシアが実効支配するウクライナ南部クリミア半島の付け根に位置するほか、侵略開始後にロシアが確保した露本土とクリミアを陸路で結ぶ「回廊」の一部を成す重要地域。ドニエプル川東岸地域へのウクライナ軍の進出が事実であれば、露軍はクリミアや回廊の「防衛」に戦力を割く必要に迫られ、全域の制圧を狙う東部ドネツク州での戦闘がさらに停滞する可能性がある。


2023.04.23-Yahoo!Japanニュース(TBS NEWS DIG.)-https://news.yahoo.co.jp/articles/8784fb52de7219fb100a6815acd368a5f2a9f4bc
「今年中に侵攻終わらせるため10倍の軍事支援を」 ウクライナ 欧米にさらなる支援訴え

  ロシアによる侵攻が続く中、ウクライナの高官は欧米からの軍事支援について「十分ではない」とし、「侵攻を終わらせるためには10倍必要だ」と訴えました。

  建物内で爆発が起こり煙が上がります。これは22日に公開されたもので、激戦となっている東部バフムトでウクライナ軍がロシア側の陣地を攻撃したとする映像です。また、別の映像では、ウクライナ軍の兵士がバフムトを歩く様子が映っています。
  一方、ロシア国防省は、バフムト西部の3つの地区を解放したと発表していて、両者の攻防が続いているとみられます。 このほか、北東部や南部などでもロシア軍側による攻撃が報告される中、ウクライナの外務次官は欧米からの軍事支援について感謝を述べつつも、「十分ではない」と指摘。 「今年中にロシアの侵攻を終わらせるためには10倍必要だ」として、さらなる武器の供与を訴えました。
TBSテレビ


2023.04.20-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230420-TX7LAAHOKRPQDKIPA33ZSM3XTY/
パトリオットがウクライナ到着 防空能力向上に期待

  ロシアの侵略を受けるウクライナのレズニコフ国防相は19日、米欧諸国が供与を表明していた米国製の地対空ミサイルシステム「パトリオット」がウクライナに到着したとツイッターで明らかにした。同氏はウクライナの防空部隊が既にパトリオットの運用法を習得しているとし、「わが国の美しい空がより安全になった」と表明。ドイツ製防空システム「IRIS-T」も新たに到着したとした。

  パトリオットはこれまでに米国とドイツ、オランダが供与を表明。露軍のミサイル攻撃に対するウクライナの防空能力の向上が期待されている。レズニコフ氏は、今回到着したパトリオットの数や、供与した国については言及しなかった。
  一方、ウクライナ空軍は19日、東部ドニエプロペトロフスク州などに対し、露軍が同日夜、少なくとも11機の自爆型ドローン(無人機)による攻撃を試みたものの、10機を撃墜したと発表した。ウクライナメディアが伝えた。露軍は最近、大規模ミサイル攻撃の頻度を減らす一方、イラン製とされる自爆ドローンによる攻撃を継続。露軍は枯渇しつつあるとされる高精度ミサイルの温存を図っているとする観測が出ている。
  前線の戦況を巡り、ウクライナ軍参謀本部は19日、最激戦地である東部ドネツク州のバフムト市内やリマン方面で激しい戦闘が続いていると発表した。一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は19日、露同盟国ベラルーシとの国境地域を視察した。


2023.04.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230410-676C5UFGLFI5PH4744YXJC5AQQ/
露連れ去りの子供31人 「半年ぶりにお母さんと会えた」民間団体が救出

  ロシアがウクライナ侵攻後に占領地から連れ去った子どもの救出活動を行っている民間団体が、新たに31人を帰還させることに成功した。

  母親と再会した13歳のダーシャさんは「とても幸せだ。半年ぶりにお母さんに会えた」と語った。
  一方ロシア側は、子供たちは安全のために移動させただけだとしている。(映像 ロイター)


2023.03.29-CNN co.jp-https://www.cnn.co.jp/world/35201899.html
ゼレンスキー氏、習近平氏をウクライナに招待

  (CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領が中国の習近平(シーチンピン)国家主席を、ウクライナへ正式に招いた。AP通信が29日に報じたインタビューで語った。

  ゼレンスキー氏はこの中で、「私たちはここで習氏と会う用意がある。会談を希望する」と語った。「全面戦争」以前は同氏と接触があったものの、この1年以上は連絡を取っていないと述べた。
  習氏はロシアのプーチン大統領と近い関係にあり、ロシアがウクライナ侵攻を始めてからさらに経済的、政治的なつながりを深めてきた。習氏が今月ロシアを公式訪問し、両首脳は幅広い連携を確認したが、ウクライナ侵攻をめぐる突破口は開けていない
  ゼレンスキー氏はインタビューの中で、東部バフムートで続くロシアとの激戦にも言及。ウクライナが負ければ、プーチン氏は欧米や国内、中国、イランに勝利を売り込み、さらに攻勢を強めるだろうと危機感を示した


2023.03.28-CNN co.jp-https://www.cnn.co.jp/world/35201781.html
欧米供与の戦車・装甲車、第1陣がウクライナに到着

  (CNN) ウクライナのレズニコウ国防相は27日、英国の主力戦車や欧米諸国の装甲車の第1陣を受け取ったと明らかにした。
  レズニコウ氏はフェイスブックへの投稿で、空挺(くうてい)部隊の司令官らとともに、機甲部隊に新たに加わった兵器の試験を行う栄誉を得たと報告した。

  レズニコウ氏によれば、英国から主力戦車「チャレンジャー」を受け取ったほか、米国からは装甲車の「ストライカー」と「クーガー」、ドイツからは歩兵戦闘車「マルダー」の供与を受けた。レズニコウ氏は各国からの支援の継続に謝意を示した。
  ドイツのショルツ首相は、主力戦車「レオパルト2」をウクライナに引き渡したことを明らかにした。ショルツ氏は27日、ロッテルダムで行われたオランダのルッテ首相との共同記者会見で、発表通りにレオパルトを引き渡したと述べた。ドイツは先に、ウクライナに対して18両のレオパルトを供与すると明らかにしていた。レオパルトは高い機動性や燃費の良さで知られる。数カ月にわたる協議の後、レオパルト2がウクライナに到着した。ドイツは、米国が主力戦車「エイブラムス」をウクライナに送るのを待っているとして、レオパルトのウクライナへの供与を決断せずにいた


2023.03.26-CNN co jp-https://www.cnn.co.jp/world/35201730.html
ロシア軍のバフムート攻撃が大きく停滞、極度に消耗か 英分析

  (CNN) 英国防省は25日、ウクライナ戦況の焦点ともなっている同国東部ドネツク州バフムート市での激戦に触れ、ロシア軍の攻撃は大幅に停滞しているとの分析結果を示した。

  声明で「ロシア軍が被っている極度の消耗が主要な要因の可能性がある」とした。同時に、ウクライナ軍も防御戦で大きな損失を受けたとも述べた。ロシア軍は作戦の重心をバフムートの近くに位置するアウディイウカへ移したとも見立てた。アウディイウカは、ウクライナ政府当局者が以前、第2のバフムートになりかねないと警戒していた場所となっている。
  ロシア軍のこれら動向について英国防省は、「今年1月以降に仕掛けた総攻撃で決定的な戦果を確保できなかったことからより防御的な作戦に全般的に戻ったことをうかがわせる」と説明した。
  ウクライナ軍首脳の1人は最近、バフムートでロシア軍の戦力は衰退したと主張。自国軍の反攻の時期も「間近」と述べていた。バフムートでウクライナ軍は一時、敗北の瀬戸際まで追い詰められたともされたが、反攻で形勢を覆せるとの見方もある。
  一方、赤十字国際委員会(ICRC)は24日、バフムート市とその周辺地域には推定で約1万人の民間人が残っており、「生存の環境は極限状態にある」との苦境を報告した。
  同市で最近、救援活動を実施したICRC要員は記者会見で、住民らは激しい砲撃にさらされる避難場所にほぼ終日閉じ込められている状態にあると証言した。


2023.03.24-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230324/k10014017801000.html
スロバキア “4機のミグ29戦闘機をウクライナへ引き渡した”

  ウクライナのゼレンスキー大統領東部の激戦地に続き、南部ヘルソン州も視察に訪れ、徹底抗戦する姿勢を強調しています。また、隣国スロバキアがウクライナへ戦闘機を引き渡したと明らかにし、今後、ウクライナ側の反転攻勢につながるか注目されます。

  ウクライナ大統領府は23日、ゼレンスキー大統領が南部ヘルソン州を訪問し、ロシア側から奪還した地域で攻撃を受けていた電力施設の復旧状況などを視察したと発表しました。
  ゼレンスキー大統領は22日には東部ドネツク州のウクライナ大統領府は23日、ゼレンスキー大統領が南部ヘルソン州を訪問し、ロシア側から奪還した地域で攻撃を受けていた電力施設の復旧状況などを視察したと発表しました。
  ゼレンスキー大統領は22日には東部ドネツク州の激戦地、バフムトを訪れたことを明らかにするなど各地を相次いで視察し、ロシアの軍事侵攻に徹底抗戦する姿勢を強調しています。こうしたなか、スロバキアのナジ国防相は、23日、ウクライナへ4機の旧ソビエト製のミグ29戦闘機を引き渡したと明らかにしました。
  ミグ29を巡っては、今月、隣国のポーランドとスロバキアがウクライナに供与する方針を相次いで表明し、欧米メディアは、NATO=北大西洋条約機構の加盟国として戦闘機の供与は初めてとなると伝えていました。スロバキアが供与するミグ29は13機で残りの9機も今後引き渡すということで、ウクライナ側の反転攻勢につながるか注目されます。
  一方、ウクライナへの戦闘機の供与を巡っては、ロシア大統領府は、「紛争への直接的な関与のレベルを上げる、新たな事例となる」と反発しています。また、ロシアの安全保障会議のメドベージェフ副議長が23日軍需産業の関係者を集めた会議を開きました。
  このなかで、第2次世界大戦中に当時のソビエトの指導者スターリンが軍需工場に対して兵器の製造が遅れた場合は処罰すると警告したということばを紹介し、兵器の製造を速やかに進めるよう強く促しました。激戦地、バフムトを訪れたことを明らかにするなど各地を相次いで視察し、ロシアの軍事侵攻に徹底抗戦する姿勢を強調しています。


2023.03.13-朝日新聞-https://www.asahi.com/articles/ASR3F2198R3FUHBI001.html
射殺されたウクライナ兵に「英雄」の称号贈る ゼレンスキー氏が表明

  ウクライナのゼレンスキー大統領は12日、演説動画をSNSで公開し、自軍兵士のオレクサンドル・マツィエフスキーさんに「ウクライナの英雄」の称号を贈ると表明した。マツィエフスキーさんはロシア軍の捕虜となり、処刑されたとみられている。

  SNSでは数日前から、武器を持たない兵士がたばこを吸いながら「ウクライナに栄光を」とつぶやき、その直後に射殺される動画が出回っていた。ウクライナ当局は「捕虜の扱いを定めた国際法に違反する」と非難していた。
  ウクライナのメディア「キーウ・インディペンデント」によると、この兵士は当初、別の人物だと取りざたされたが、同国の情報機関が12日、マツィエフスキーさんだと特定。北部チェルニヒウの部隊に所属した狙撃手だという。


2023.03.09-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230309-5FOTSU2SV5PIZDZEXTXLKVO574/
露軍、ウクライナ全土にミサイル攻撃 2月中旬以来 11人死亡

  ロシア軍は9日、ウクライナ全土をミサイルで攻撃するなどし、米CNNテレビによると少なくとも民間人11人が死亡した。2月中旬以来の大規模なミサイル攻撃で、ウクライナのゼレンスキー大統領は「ロシアは行為の責任を免れることはできない」と非難した。

  ウクライナメディアによると、飛来したミサイルは計81発。ウクライナ側は34発を撃ち落とした6発は極超音速ミサイル「キンジャル」で、同ミサイルがこれほど同日に使われた前例はないともしている。
  西部リビウ州では集合住宅に着弾し、民間人5人が死亡。東部ドニエプロペトロフスク州でも1人が死亡した。南部ヘルソン州では露軍の砲撃で3人が犠牲になった。各地で停電も相次ぎ、原子力企業エネルゴアトムによると、南部のザポロジエ原発は外部電源が一時切断され、非常用ディーゼル発電機を稼働させた。
  露国防省は9日、ミサイル攻撃について、露西部ブリャンスク州にウクライナの「妨害工作部隊」が侵入し攻撃したことへの「大規模な報復攻撃だ」とした。
  一方、激戦が続く東部ドネツク州バフムトを巡っては、露軍側で参戦する民間軍事会社「ワグネル」トップのプリゴジン氏が8日、「バフムト東部を完全に制圧した」と交流サイト(SNS)で主張した。北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は同日、バフムトが「数日以内に陥落する事態も排除できない」と語った。
  露軍は交通の要衝であるバフムトを制圧し、ドネツク州中心部方面への進出路を確保したい考え。米シンクタンク「戦争研究所」は7日、ウクライナ軍はバフムトの後方に防衛線を築いており、露軍がバフムトを陥落しても、さらに前進できる保証はないとの分析を明らかにした。


2023.03.08-JB press-https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/74236
ロシア軍バフムート攻勢は大敗北の予兆、クリミア奪還許す可能性大
(迫力の欧米戦車とロシア戦車の直接対決、戦法を詳解)
(1)
  2023年1~2月、米欧がウクライナに、戦車や歩兵戦闘車などを供与することを決定した。そして、2月下旬から国境を越えて続々と運び込まれている4月の初めには、米欧の戦車とロシアの戦車が激突することになる

  これからの戦いでは、米欧の兵器の技術レベルの差を映像で見ることになるだろう。現在、ウクライナ東部のバフムートで、激しい戦闘が続いている。日々、このニュースであふれている。
  この地が、戦いの焦点であるかのようなメディア報道である。しかし、戦いの焦点となる地域は、ザポリージャ、へルソンからクリミア半島での戦闘になるはずだ。今のところ、この地での戦闘の情報は極めて少ない。私は、その情報の少なさに不気味さを感じている。
  ウクライナ軍としては、ドニエプル川からクリミア半島におけるロシア軍防御部隊を撃破することは容易ではない。では、ウクライナ軍はロシア軍の防御組織をどのように破壊しながら攻撃するのか。
  今回は、ドニエプル川からクリミア半島までの範囲の戦闘の一場面である戦闘戦術を考察する。
(2)
1.クリミア半島奪還作戦
  クリミア半島は、ウクライナやロシア両国にとって黒海から地中海に通じる交通路を制する重要地点になっている 両国とも自国領にしたいという強い思いがある。
  ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、2022年8月24日の独立記念日を前に、2014年に併合されたクリミア半島からロシアを排除するとの決意を示した。また、2月26日には「クリミアの解放により、人々の生活を破滅させるロシアのあらゆる試みに終止符を打つ」と述べた。
  このように、南部クリミアの奪還を目指す考えをことあるごとに強調している。米国の立場はどうか。
  米国国務次官が2023年2月クリミア半島について最低限でも非軍事化する必要があるとの見解を示し、クリミアの軍事目標に対するウクライナの攻撃を米国は支持すると表明した。米国は、ウクライナによるクリミア半島奪還作戦に正当性を示したのだ。
  ウクライナ軍のこれからの反撃に対して、より多くの国家および国際機関の協力を得ようというものだ。
  ロシアにとっては、ドンバス地域とクリミア半島の確保は、必ず達成したい目標だ。そして、クリミア半島は死守したいと考えている。
(3)
2.バフムートは反撃準備の戦い
  今、バフムートを含む東部の戦線で両軍が熾烈な戦いを行っている。ウクライナ軍は、劣勢ではあるが、この正面に戦力を増強することなく持ち堪えている。
  ロシア軍は、バフムートを含む東部の戦線で、南部の戦力の一部までも投入して、遮二無二に攻撃して多くの人的損害を出している。南部の正面では、クリミア半島を守り抜くことが絶対的目標であるため、ドニエプル川東岸(南岸)からクリミア半島の付け根、およびクリミア半島での防御を周到に準備している。
  ここでは、もともとドニエプル川の河川を使った自然障害、戦車の突進を止める「竜の歯(Dragon's teeth)」と呼ばれる対戦車障害を設置し、深さ1メートル以上の対戦車壕を掘っている。
  ロシア軍部隊の陣地には、兵士・戦車・装甲車・火砲・指揮所・弾薬などの兵站物資のための壕を設置している。ウクライナ軍がドニエプル川を越えて攻撃前進してくれば、障害の前に火砲・多連装砲・戦車・ミサイルの火力(弾丸、ロケット、ミサイル)を、短時間に集中的に撃ち込むことを準備している。このような防御戦闘の要領は、旧ソ連から受け継がれている。
  ウクライナ軍は、東部のバフムートなどに戦力を増強しないで、押され気味ながら長期間戦っている。ウクライナ軍にとって、敵に攻撃させて長期間戦うことの方が戦略的に見て有利な場合がある。
  そこには、3つの狙いがある。
  (1)米欧から供与される機甲戦力がウクライナ軍に届き使えるようになるまでの時間を稼ぐこと。
  (2)ウクライナ軍の最小限の戦力でロシア軍戦力をなるべく多く消耗させること。
  (3)反撃のために必要なロシア地上軍の配備を詳細に調べることだ。
(4)
(1)ウクライナ軍の時間稼ぎについて
  今、米国から「M1エイブラムス」戦車、歩兵戦闘車、ドイツなどNATO(北大西洋条約機構)加盟国からはドイツ製「レオパルト2」戦車および様々な装甲車両などが、ドイツ、ポーランドを通過して、続々とウクライナに入っている。
  ウクライナ軍はへルソン奪還後、クリミア半島奪還のために準備を進めているのだ。
(2)ロシア軍戦力の漸減
  ウクライナ軍は、反撃に先立ってロシア軍地上軍をなるべく多く壕から誘い出して、兵や兵器を破壊しておきたい。ロシア軍の無謀な攻撃は、ウクライナ軍にとっては極めて好都合のものだ。
  また、戦力的に見るとロシア軍は東部の戦闘を有利に進めるために、2022年、へルソン撤退後の11月に、南部戦力の一部を引き抜いて東部に転用させた。ロシア軍の南部防衛戦力は、少なくなっている。
  ウクライナ軍は、ロシア軍の南部防衛部隊の戦力をなるべく多く撃破しておきたいために、へルソン奪還後も南部部隊の弾薬庫や陣地に対して砲撃を継続している。
JBpress『「今だ」と塹壕からおびき出されるロシア軍、全滅の危機迫る』(2023.2.21)を参照
(3)ロシア地上軍の配備を詳細に情報収集
  地形と各種情報から分析すると、ロシア軍はドニエプル川からクリミア半島の付け根までに、ドニエプル川を利用した防御ライン、クリミア半島入り口の湖沼を利用した防御ラインなど、クリミア半島内には何線かの防御ラインがあるようだ。
  米国は偵察衛星を使って、ロシア地上軍の詳細な防御位置を把握し、ウクライナ軍に提供しているに違いない。
(5)
3.ロシアの防御陣地を突破する戦闘戦術
  ロシア軍南部の防御陣地に楔を打ち込み、突破して、さらに進撃していくためにはウクライナ軍はどう戦うのか。ウクライナ軍は、米欧諸国から、600両を超える戦車や歩兵戦闘車などが供与されている。
  これら大量に供与された戦車や歩兵戦闘車で突進すれば、ロシア軍の防御陣地を破砕することができるのだろうか。実は、地上戦闘はそう単純ではない
  塹壕を掘って守るロシア軍の防御を突破していくには、戦力、戦いの原則および巧妙な戦闘戦術が必要である。また、地上軍の各種兵器を統合運用することによって達成できるものである。攻撃の場合、ロシア軍がそうであったように、失敗すれば多くの損害を受けることになる。攻撃こそ周到な準備が必要なのだ。
  ウクライナ軍の戦闘戦術を、(1)ロシア軍防御戦闘の仕組み、(2)ロシア軍のキルゾーン戦法、(3)ウクライナ軍の障害処理、(4)ウクライナ軍機動打撃部隊の突進の順で詳細に解説する。
(1)ウクライナ軍機動部隊の進撃を止める防御陣地の仕組み
  ロシア地上軍の防御陣地の前には、ドニエプル川の自然障害がある。また、人工障害として竜の歯という名のコンクリート製ブロック障害や戦車を穴に落とす壕(対戦車壕)を設置している。これらの障害には、対戦車地雷も併せて設置されている。障害で止まった戦車などを破壊するために、射撃設備や地雷が設置されている。
  ウクライナ軍は、ドニエプル川は渡河作戦を実施しなければならない。人工障害の竜の歯ブロックは、処理しなければ、戦車は乗り上げてしまい、キャタピラーが空回りするか、あるいは傾いてしまい動けなくなる。対戦車壕では、深さ1メートルであっても這い出せなくなる
(2)ロシア地上軍のキルゾーン戦法とウクライナ軍の対策
  ロシア軍は、ウクライナ軍が障害処理をするために停止している間に、あらゆる火力を向けて攻撃する。その障害の前で停止するウクライナ軍反撃部隊に対して、戦車砲や火砲の砲弾、対戦車ミサイル、ロケット、弾道ミサイルを短時間に集中的に撃ち込む火力ポケットを準備している。
  この戦法を、キルゾーン戦法とも言う。
  ウクライナ軍の反撃が始まれば、ロシア軍はあらゆる兵器を使用してその反撃を破砕することに専念するだろう。だが、ウクライナ軍は、ロシア軍の兵器をすべて調べ上げているので、HIMARSなどの火器で破壊する。
(6)
(3)ウクライナ軍による障害処理
  ウクライナ軍が、ロシア軍のキルゾーン(火力ポケット)に入っている状況で、障害を事前にどうやって処理するか、また、停止させられた戦車をどのように救出するかが、ウクライナ軍機甲戦力の能力を発揮するために必要なことである。
  素晴らしい性能を有するM1エイブラムスやレオパルト2戦車でも、こられの障害を自ら乗り越えることはできない。事前の障害処理が必要なのだ。
  ウクライナ軍の戦車や装甲車の前面に、ブルドーザーと同じブレードが装着されているものがある。これらの車両で、竜の歯を取り除き、戦車壕を破壊して埋めてしまう。
  この場合、障害処理車は敵の攻撃の的となってしまうので、脅威となる火砲や対戦車ミサイルを事前に破壊しておく必要がある。あるいは、処理中に射撃してくれば、その火器を破壊する。
  処理車が、見えないようにするために、黄燐発煙弾(使用が禁止されていない)を敵の前面に撃ち込むこともする。ロシア軍の陣前の障害をいかに取り除き、損害を少なくしていくかが、その後の機甲戦力の攻撃前進を可能にする。
(4)障害処理に成功し、機動打撃部隊が戦闘展開し前進すれば成功
  ウクライナ軍が障害を処理した後は、米欧から供与された戦車、歩兵戦闘車などが、下車した歩兵とともに、至る所で前進することになる。
  ウクライナ軍の前進を妨害するのは、予備の機動打撃部隊(逆襲部隊)や砲兵射撃、対戦車ミサイルや戦車の射撃だ。抵抗するロシア軍には、予備の機動打撃部隊は、東部方面に転用されたためにクリミア半島には残っていないようだ。また、へルソン奪還から常続的に弾薬庫や砲兵陣地が攻撃され破壊されてきた。
  私の計算では、迫撃砲・榴弾砲・多連装砲を合計した場合でも、投入した火砲等でも、損失が侵攻1年後で約75%であり、残っているのは25%しかない。反撃を阻止する火砲の数は少ない。
  ウクライナ軍の反撃を受け、火砲の射撃を実施しても、ウクライナ軍に発見され、HIMARSなどで破壊されるだろう。
  ロシア軍の防御線は、へルソンとザポリージャからクリミア半島内部までは、3線以上の防御ラインがあるだろうが、第1線防御ラインが破壊された後は、ロシア軍の抵抗は少ないだろう。
(7)
4.ウクライナ軍の反撃の成否
  ウクライナ軍が反撃するための戦力は、米欧から供与されていてほぼ揃いつつある。3月末には完了するようだ。
  ついに、ウクライナの平原で米欧の戦車とロシアの戦車が激突することになった。米欧の戦車等に搭乗して戦うウクライナ軍とロシアの戦車で待ち構える戦いだ。とはいえ、ウクライナ軍が優れていて十分な戦力が持ったからと、その戦力を過信して、ロシア軍と同様に単純な攻撃を実施すれば、失敗する可能性もある。
  成功するかもしれないが、被害も大きなものになる。これまでの戦い方から予測すると、ウクライナ軍は反撃を成功させるために、使える戦力、例えば、戦車部隊、歩兵戦闘車に乗って戦う機械化部隊、砲兵部隊特にHIMARS部隊、自爆型無人機や対戦車兵器を運用する部隊、攻撃ヘリ部隊、空軍戦闘機を総合的に運用するだろう。
  そして、ロシア軍を驚かす攻撃を行うだろう。戦車等からなるウクライナ軍部隊は、空からの攻撃、対戦車ミサイル、戦車障害に弱い。この弱点を、天敵となる兵器が襲う。これを防ぐために、地上軍兵器や空軍戦力などの総合戦力の発揮が必要だ。
  ロシア軍のウクライナ侵攻も、「まさか」と言うほどの予想を超えるものであったが、米欧(NATO)軍の戦車とロシア軍の戦車の激突がこれから起こることも、「本当に現実なのか」と信じられないくらいだ。
  これから、NATO軍の新型の戦車とロシア軍の旧式戦車の戦い、つまり戦車の技術力の差を見ることになる。


2023.03.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230305-KG2XDRZSUNJ43ISHJGKIH6OLMM/
ウクライナ軍、バフムト放棄観測を否定 「郊外で戦闘中」

  ロシアによるウクライナ侵略で、ウクライナ軍東部方面部隊のチェレバティ報道官は5日までに、米CNNテレビに、半年間以上にわたって激戦が続いてきた東部ドネツク州バフムト市の戦況について「戦闘の中心はより郊外に移っているが、市はウクライナ軍の支配下にある」と述べ、ウクライナ軍が近く同市を放棄するとの観測を否定した。

  バフムトをめぐっては、露民間軍事会社「ワグネル」トップのプリゴジン氏が3日、「実質的に包囲した」と主張。ウクライナ政府高官は最近、「ウクライナ軍が戦略的撤退を決定する可能性がある」と述べていた
  ロイター通信は4日までに、ウクライナ軍のドローン(無人機)部隊の指揮官が、バフムト市からの「即時撤退を命じられた」と述べる動画を交流サイト(SNS)に投稿したとも伝えた。
  一方、米シンクタンク「戦争研究所」は3日、ウクライナ軍が最近、同市方面の重要な橋2つを破壊したと指摘。ウクライナ軍が市内東部からの撤退を見据え、露軍のさらなる前進を防ぐために橋を破壊した可能性が高いと分析した
  英国防省は4日、ウクライナ軍にとって2つの橋のうち1つは市内外を結ぶ重要な補給路だったと指摘したが、ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は同日、「別の補給路があり、橋の破壊は兵站の喪失を意味しない」と説明。同市を巡る戦闘は今後も続くとの見通しを示した。同国メディアが伝えた。







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