ウクライナ-1
2025.03.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250328-T527AL5QW5PNXIKDOVC7KVXLJE/
「ロシア軍がスムイ州に春の攻勢も」ウクライナ警戒 双方がエネ施設攻撃を報告
ロシアによるウクライナ侵略で、
ウクライナ軍のシルスキー総司令官は27日、同国軍が越境攻撃を行った露西部クルスク州に隣接するウクライナ北東部スムイ州を視察した。SNSで発表した。
シルスキー氏は「露軍がスムイ州に攻勢を仕掛けようとしている」と指摘した。
ウクライナメディアの27日の報道によると、同国のゼレンスキー大統領もフランス紙フィガロとのインタビューで、露軍がスムイ州とウクライナ東部ハリコフ州で「春の攻勢」を行うとの諜報情報があると指摘。また、露軍がスムイ州への攻勢を8カ月前に計画していたが、クルスク州での越境攻撃を受け変更を余儀なくされたとも述べた。
シルスキー氏はSNSへの投稿で、クルスク州の戦況にも言及。ウクライナ軍が現在、スムイ州などへの露軍の侵入を防ぐための戦闘を続けていると説明した。クルスク州への越境攻撃の結果、露軍兵約5万4000人を死傷させ、940人を捕虜にしたとした。
一方、
露国防省は27日、米国の仲介でエネルギー施設への攻撃停止合意が成立したにもかかわらず、26~27日に露西部ブリャンスク州の電力インフラがウクライナ軍のドローン(無人機)攻撃や砲撃を受けたと主張した。
これに対し、ウクライナ南部ヘルソン市当局も27日、露軍の砲撃により市内で停電が起きたと報告した。ロイター通信が伝えた。
2025.03.21-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250321-U53I2SDNEZNIXBKGIJ2T4L54BA/
原発はウクライナ所有 ゼレンスキー氏、トランプ米政権と相違
ロシアが侵攻するウクライナの原発の米国所有案をトランプ政権が示したことに関し、ゼレンスキー大統領は20日、訪問先のノルウェーで記者会見し、
全ての原発は「ウクライナ国家の所有物だ」と述べた。
「米国が所有すれば最善のインフラ保護策になる」とするトランプ政権との立場の食い違いを見せた。
ゼレンスキー氏は、19日のトランプ大統領との電話会談でロシアが占領するウクライナ南部のザポロジエ原発が議題になったとした一方、「所有権は話し合っていない」と主張した。米国とウクライナは2月28日の首脳会談が決裂して以来、主張がかみ合わない場面が相次いでいる。
ゼレンスキー氏は、19日の電話会談後のオンライン記者会見で
「トランプ氏から『ザポロジエ原発の復旧に米国は関われるか』と聞かれ、投資は可能だと答えた」と説明。ザポロジエ原発をロシアの支配から取り戻し、1年以上かけてインフラ整備を進めて復旧する構想を伝えたという。
電話会談で合意した米国とウクライナの会合は24日にサウジアラビアで実施すると表明した。
(共同)
2025.03.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250317-L3IL4W46W5NDVFRFORZIGBX2WU/
ウクライナがクルスク州スジャの放棄を認める、越境攻撃最大の拠点 参謀総長は交代
(小野田雄一)
ウクライナ軍参謀本部は
16日、越境攻撃を行ったロシア西部クルスク州の戦況図を更新した。
戦況図では、ウクライナ軍が占領していた同州の小都市スジャについて露軍の支配下にあると記載した。スジャからの撤退を公式に認めた形。一方、同州にはなおウクライナ軍の支配地域が残っているとも記載した。
スジャはウクライナ軍が昨年8月に着手した越境攻撃で占領した最大の拠点で、駐屯司令部を設置していた。露国防省は今月13日、スジャを奪還したと発表していた。
一方、
ウクライナのゼレンスキー大統領は16日、同国軍のグナトフ副参謀長を新たな参謀総長に任命した。統制の効率化が目的だという。これに伴い、バルギレビッチ前参謀総長は同国国防省の監察部門に異動した。
(小野田雄一)
2025.03.11-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250311-DO6RTJIMEVODJHFASNTXSJJDC4/
米ウクライナ高官がサウジで会談、ロシアとの戦争終結など協議 部分停戦提案か
【カイロ=佐藤貴生、ワシントン=大内清】サウジアラビア西部ジッダで11日、米国とウクライナの高官が会談する。
協議に加わるルビオ米国務長官は10日に現地入りした。ウクライナと、同国を侵略したロシアとの戦争終結に向けた方策などが議題になる見通しで、4年目に入った戦争に終止符を打つ動きが出るかが注目される。
両国高官の会談は2月28日、トランプ米大統領らとウクライナのゼレンスキー大統領の会談が決裂して以降、初めて。ウクライナからはシビハ外相やイエルマーク大統領府長官、ウメロフ国防相らが会談に参加し、米国からはウィトコフ中東担当特使らも加わる。トランプ氏は良い結果が出ると期待していると述べた。
英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)は、会談でウクライナ側が長距離ドローン(無人機)やミサイル攻撃、黒海での戦闘を対象に、ロシアとの部分的な停戦を提案する見通しだと報じた。
米政権は会談決裂後、ウクライナへの軍事支援と機密情報の共有を停止した。同紙はウクライナが提案を通じて終戦を望む姿勢をアピールし、米側に軍事支援と情報共有の再開を求める意向だとしている。ウクライナは現在、越境攻撃するロシア西部クルスク州で窮地に立たされている。
10日に現地入りしたルビオ氏は、終戦には一定の「譲歩」が必要だという考えを示した。一時的な停戦に関し、ロシアはウクライナが態勢を立て直すための時間稼ぎだとして拒否してきた。
ルビオ氏はまた、会談の決裂により署名が見送られたウクライナのレアアース(希土類)を巡る米国との取り決めについて、詳細は詰める必要があるとしつつも、合意に楽観的な姿勢を示した。
ゼレンスキー氏も10日にジッダに到着したが、11日の高官会談には参加しない見通し。同氏はウクライナ側が「建設的な対話」を行うとし、レアアースを巡る合意文書に署名する用意もあると表明した。
米国務省によるとルビオ氏は10日、サウジのムハンマド皇太子と会談し、ウクライナ戦争終結に向けた協議への協力に感謝の意を表明。パレスチナ自治区ガザの再建や、アサド政権崩壊後の混乱が続くシリア情勢の安定化、イエメンの親イラン民兵組織フーシ派への対応などを協議した。
2025.03.09-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250309-L5DVR5APEFNSXPXQ6SX7QPQC7Y/
ウクライナ軍1万人をロシア軍が包囲か 米機密情報の提供停止で窮地、越境攻撃から撤退も
英紙デーリー・テレグラフは7日、
ウクライナ軍兵士約1万人が越境攻撃するロシア西部クルスク州でロシア軍による包囲の危機にあると報じた。
トランプ米政権がウクライナへの機密情報の提供を一時停止して以降、同州でロシア軍が攻勢を強めており、ウクライナ軍は窮地に立たされいる。
テレグラフによると、
機密情報の提供が停止された以降の数日間で、ロシア軍はクルスク州スジャ近郊の防衛線を突破し、ウクライナ軍の重要補給路の遮断を狙い攻撃している。
ロシア国防省は8日、スジャ近郊で3集落を奪還したと発表。
ウクライナ軍が近く、同州からの撤退を余儀なくされるとの観測も出ている。
ウクライナ軍は昨年8月にクルスク州への越境攻撃を開始。約2週間で約1300平方キロを制圧したが、ロシア側の奪還が続き、今年1月下旬時点での占領面積は約400平方キロとされる。
米誌タイムはウクライナ政府高官の話として、
米国の機密情報の提供停止により、ロシア国内から離陸してウクライナに向かう爆撃機や軍用機の動きもつかみにくくなったという。
(共同)
2025.03.09-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250309-L7OCSH54K5LM5CSKIAVCVC5X74/
米ウクライナ、11日にサウジアラビアで高官会談 ゼレンスキー大統領は欠席
ウクライナのゼレンスキー大統領は
8日、11日にサウジアラビアで米国との高官会談を行うとX(旧ツイッター)で表明した。
ウクライナ側はイエルマーク大統領府長官、シビハ外相、ウメロフ国防相らが出席し、ゼレンスキー氏は出席しない。
ウクライナの鉱物資源の権益を巡る合意や、米国が停止した対ウクライナ軍事支援の再開を協議するとみられる。米メディアによると、米国からはウィットコフ中東担当特使やルビオ国務長官、ウォルツ大統領補佐官が参加する見通し。
ゼレンスキー氏はまた、高官会談に先立つ10日にサウジを訪問し、ムハンマド皇太子と会談すると明らかにした。
(共同)
2025.03.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250305-NOPZW3WBRZPWLEBARDRFQ72E7Q/
ウクライナと米国、鉱物資源で合意か トランプ氏が演説で発表意向 米報道
(ワシントン支局)
ロイター通信は4日、
トランプ米政権とウクライナが鉱物資源に関する合意に署名する計画だと報じた。
トランプ米大統領が4日午後9時(日本時間5日午前11時)から上下両院合同会議で行う施政方針演説で、合意を発表したい意向を側近らに伝えたという。
ウクライナが保有するレアアース(希土類)と呼ばれる希少鉱物の共同開発について、
同国のゼレンスキー大統領が2月28日、トランプ氏との首脳会談で合意し、署名する予定だった。
だが、
報道陣の前で両首脳が激しい言い合いとなり、会談が決裂。ゼレンスキー氏らウクライナ側高官がホワイトハウスから退去させられた。
ロイターは関係者の話として、
トランプ氏が演説の中で合意を発表したい意向だが、まだ署名されておらず、状況が変わる可能性もあるとしている。
米ウクライナ首脳会談の決裂後、ゼレンスキー氏は鉱物資源合意の協議を続ける意向を示し、トランプ氏らと言い合いとなったことについて「残念だ」と表明していた。
(ワシントン支局)
2025.03.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250301-VLDRUETXIFJBXNV42NI4PZVFRY/
「ウクライナは感謝しろ」声荒らげるトランプ氏、会談は険悪 「力による平和」に危うさ
【ワシントン=大内清】2月28日に行われたトランプ米大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の会談は、
同席したバンス米副大統領の一言で険悪なものに急転した。
ロシアがウクライナ南部クリミア半島を一方的に併合した2014年以降の経緯から「安全の保証」の必要性を説明しようとするゼレンスキー氏を、
「ここでそんな話は無礼だ」「(トランプ)大統領に感謝の言葉はないのか」となじった。
ゼレンスキー氏は会談冒頭で複数回、トランプ氏への感謝の意を表明している。
「一度ウクライナに来てほしい」。こう訴えるゼレンスキー氏にバンス氏は「あなたは(同国を訪問する者を)プロパガンダ(政治宣伝)ツアーに連れ歩いている」とも主張した。
ゼレンスキー氏がロシアの脅威や再侵略のリスクを説明しようとすると、今度はトランプ氏が「われわれ(米国が)どのように感じるべきかを押し付けるな」「ウクライナは感謝しろ」と声を荒らげた。
ゼレンスキー氏のことを「停戦を拒否している」と決めつけ、「兵士の命や第三次世界大戦(の危険性)でギャンブルをしている」と非難。ロシアが停戦を破った場合はどう対処するのかとの記者団の質問には「知るか」と答え、プーチン氏との良好な関係を強調することに終始した。
トランプ氏は自身の外交方針に「力による平和」を掲げる。旧ソ連との冷戦を終結に導いたレーガン元大統領をはじめとした歴代政権が、米主導の国際秩序を形容するのに用いてきたスローガンだ。
だが、この日の
「公開口論」で露呈したのは、一方的な現状変更を認めないとの基本原則や、そのために同盟・友好国を重視する姿勢などではなく、十分な事前調整もなしに強引にディール(取引)を迫る姿だった。
今回決裂したウクライナの鉱物資源を巡る協議は元々、ゼレンスキー氏が昨年9月にトランプ氏と面会し提示した案とされる。
露軍の侵攻を受けるウクライナ東部に多い資源の開発を材料に、米国とより長期的な信頼関係を築く狙いがある。これに対し
トランプ氏は、足もとを見るように「ゼレンスキー氏には交渉カードがない」とし、ウクライナや欧州が求める「安全の保証」への関与に消極的な態度を崩さなかった。
安全保障の専門家らの間では、米国がロシアに宥和的な姿勢をみせることは、中国などの現状変更勢力を喜ばせることにつながるとの見方が強い。ブッシュ(息子)元政権で大統領次席補佐官を務めたカール・ローブ氏は28日、FOXニュースのインタビューで、両首脳の口論での「唯一の勝者はプーチン氏だ」と嘆いた。
2025.02.26-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250226-TINVOAAHT5KM7LK3GENPMUUCYU/
ウクライナが鉱物共同開発の合意書面に署名へ 米の安全保障確約は盛り込まれず、英紙報道
英紙フィナンシャル・タイムズは
25日、ウクライナ政府が同国の鉱物資源の共同開発に関する米国との合意文書に署名する方針を決めたと報じた。
ウクライナが要求していた米国による安全保障の確約は盛り込まれていないという。
ウクライナ当局者は、鉱物資源の合意を結んだ上で、ウクライナの長期的な安全保障への米国の関与について交渉を進めたい考え。
ウクライナの閣僚が既に合意内容を承認し、ゼレンスキー大統領が近く訪米してトランプ大統領と署名式典を行う見通しという。
24日付の合意文書の最終版によると、
ウクライナが石油やガスを含む国有の鉱物資源から得られる収益の50%を拠出して基金を設立し、ウクライナでの事業に投資するという。基金への米側の拠出金や所有権については今後議論される。
トランプ政権は米国の対ウクライナ支援の見返りとして、同国の希少な鉱物を含む天然資源の権益を要求し、合意文書への署名を迫ってきた。ウクライナは安全保障措置が盛り込まれていないとして、署名に応じていなかった。
(共同)
2025.02.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250225-SOG6YEPG4FMZJNNGIRQDZDRF4I/
「トランプ氏も来て話を聞いてほしい」ロシア軍占領下で500人超銃殺、キーウで追悼式典
【ブチャ=遠藤良介】ロシアによるウクライナ全面侵攻から3年の節目だった
24日、多数の民間人が虐殺された同国の首都キーウ郊外のブチャで、犠牲者を追悼する式典が行われた。市関係者によると、
2022年2~3月の露軍占領下で銃殺されるなどした民間人は500人超。参列した人々は犠牲者の冥福を祈り、関係者の処罰を含む「公正な和平」を誓った。
式典は教会敷地内に建立された慰霊碑の前で行われ、多数の市民が聖職者とともに祈りをささげた。登壇したフェドルク市長は「ロシア兵の犯罪を帳消しにしてはならない。私たちの結束と強さが試されている」と訴えた。
参列したアンナ・ニキチュクさん(60)は「犠牲となった無辜(むこ)の市民の冥福と出征している人々の無事を祈った。停戦交渉がどうなるかは分からないが、早く戦争が終わることを願っている」と語った。
ポリーナ・ボイコさん(23)は
「ウクライナの自由が守られ、公正な形で戦争が終わることを願っている」という。停戦協議を急ぐ
トランプ米大統領に対しては「公正な和平のあり方を知るために、ブチャに来て、親族や友人を殺された人々の話を聞いてほしい」と話した。
2025.02.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250225-N4ZTJCQMKZNC5BRHRZAP7SR53I/
ウクライナ、米露接近でも抗戦継続の意思 欧州首脳ら「支援会合」出席、石破首相も参加
(小野田雄一)
ロシアの侵略開始から3年となったウクライナの首都キーウ(キエフ)で24日、ウクライナ支援に関する首脳会合が開かれた。同国大統領府によると、
会合には欧州諸国の首脳陣らが出席。石破茂首相もオンラインで参加した。
同国のゼレンスキー大統領は各国に謝意を表明し、「今年は真に永続的な平和が始まる年にしなければならない」と支援の継続を訴えた。
今回の会合では、トランプ米政権がロシア寄りの姿勢を強める中でも、欧州諸国や英国、日本などと団結して抗戦を続けようとするウクライナの意思が示された。
発表によると、会合にはカナダやスペイン、フィンランドなど10カ国の首脳や欧州連合(EU)欧州委員会など国際組織トップが出席。オンラインを含めると、計40人超の首脳陣が参加した。
欧州委員会のフォンデアライエン委員長は
「ウクライナは来月にも35億ユーロ(約5500億円)の支援を受け取る」と表明。英国やスウェーデン、スペイン、カナダ、ノルウェーなども追加軍事支援などを発表した。
(小野田雄一)
2025.02.23-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250223-FUD7X46PEZPHBMBYAUINFREEFU/
ウクライナ全土に無人機267機襲来 ゼレンスキー大統領「過去最多」
ウクライナ空軍は23日、
ウクライナ全土にイラン製無人機「シャヘド」計267機が22日夜から23日未明に襲来したと発表した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は23日「侵攻から3年を前に、最多の無人機攻撃を受けた」と交流サイト(SNS)への投稿で非難した。
空軍によると、弾道ミサイルによる攻撃も受けた。南部でけが人が出たほか、首都キーウ(キエフ)でも迎撃した無人機の破片が落下、火災で民家などに被害が出た。
ゼレンスキー氏は、過去1週間で無人機約1150機、誘導爆弾1400発超、ミサイル35発が使われたと指摘。「ウクライナに永続的で公正な平和をもたらすため全力を尽くさなければいけない」と欧米へ協力を呼びかけた。
シビハ外相も23日「民間人や重要なインフラを狙った。ロシアが侵略者なのは自明だ。
誰もプーチン(大統領)の言葉を信じるべきではない」と投稿で非難した。
(共同)
2025.02.23-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250223-LYMUARLISBJLVIOGN6SCE5L56Q/
ロシアとウクライナ、交渉見据え立場強化狙う 24日で侵略3年、民間人1万2千人超犠牲
(小野田雄一)
ロシアによるウクライナ侵略は24日、開始から3年を迎える。ウクライナ軍は昨年8月、劣勢を打開しようと露西部クルスク州への越境攻撃に着手。ロシアは北朝鮮兵も同州に投入して反撃する一方、ウクライナ東部で徐々に前進している。トランプ米大統領が和平プロセスを本格始動させた中、ロシアとウクライナは将来的な停戦交渉を優位に運ぶためにも戦場で成果を示したい構えだ。
ウクライナ領の20%超を支配下に置く露軍は現在、全域の制圧を狙うウクライナ東部ドネツク州で攻勢を継続。
ウクライナ軍の防衛線を突破し、主要都市クラマトルスクなどへの進軍ルートを確保しようとしている。
一方、
ウクライナ軍は守備を固めつつ、露国内の弾薬庫などへの攻撃を続け、攻勢が維持できなくなる水準まで露軍を損耗させたい思惑だ。
クルスク州でも、占領地域の維持を図るウクライナ軍と、同州奪還を狙う露軍の戦闘が続いている。
全体的な戦況は国力で劣るウクライナが不利に立たされている。
両国軍の損害に関しては確証のあるデータが存在しないが、欧米当局や研究機関などの推計を総合すると、双方とも数十万人規模の死傷者を出している可能性が高い。・・・国連は今年1月、これまでに
ウクライナで子供650人を含む少なくとも計1万2300人超の民間人の死者が確認されていると発表した。
トランプ米政権は双方から譲歩を引き出し、停戦に導く構想を示唆している。ただ、
プーチン露大統領はロシアの要求が満たされない限り停戦には応じない姿勢を堅持。ウクライナのゼレンスキー大統領も停戦には欧米によるウクライナの安全の保証が必要だとしている。
和平プロセスは既に難航が予想されている。
ロシアは2022年2月24日、ウクライナの「中立化」や「非ナチス化」、「非軍事化」などを掲げて全面侵攻を開始した。
(小野田雄一)
2025.02.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250219-VQD54I7ABZIYVITFUCTGSTPEUE/
「ロシアの偽情報に取り込まれている」 ゼレンスキー大統領、トランプ米政権を痛烈批判
(小野田雄一)
ウクライナのゼレンスキー大統領は
19日、ウクライナ戦争の早期終結を訴えるトランプ米大統領について「ロシアの偽情報に取り込まれている」などと批判した。
トランプ氏がウクライナ支援の対価として5千億ドル(約76兆円)相当のレアアース(希土類)権益の譲渡を求めていることに関しても「国を売ることはできない」とし、容認できないとの立場を示した。
首都キーウ(キエフ)で開いた記者会見の発言をロイター通信などが伝えた。
過去にない厳しい発言で、ロシア寄りの姿勢を示すトランプ米政権への不満を鮮明にした。
ゼレンスキー氏はトランプ氏が18日に「ゼレンスキー氏の支持率は4%だ」と発言したことについて「事実と異なる」とし、トランプ氏はロシア発の情報をうのみにすべきではないと指摘した。
直近の世論調査でゼレンスキー氏の支持率は57%とする結果が出ていた。
ゼレンスキー氏はまた、開戦後の米国からの支援額は計1千億ドル弱だとし、レアアースを巡るトランプ氏の要求は法外だとする認識を示した。
ゼレンスキー氏はトランプ政権を「ロシアを孤立から救おうとしている」とも批判。トランプ政権がウクライナでの大統領選実施に言及していることについて「誰かが私を交代させようとしたとしても、今すぐは無理だ」と述べた。
ゼレンスキー氏は18日にも、ウクライナ抜きでロシアとの外相級協議を開いたとしてトランプ政権を非難していた。
19日にはケロッグ米特使(ウクライナ・ロシア担当)がキーウを訪問した。
3日間の滞在中にゼレンスキー氏と会談する予定で、
両国の見解相違の緩和につながるかが焦点となる。
(小野田雄一)
2025.02.18-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250218-VOYAKDOHYZNSBI5VLWTGKJESWE/
ゼレンスキー氏が米を痛烈批判 「プーチンを喜ばすため都合のいいことを…」
ウクライナのゼレンスキー大統領は17日のドイツ公共放送ARDの番組で
「米国が望んでいるのは『停戦』だけで、それは勝利ではない」と述べ、
米国とロシアがウクライナ抜きで和平合意に至ったとしても、受け入れない考えを示した。
ゼレンスキー氏は
「米国はプーチン(ロシア大統領)を喜ばすために都合のいいことばかり言っている。会ってすぐに成果を出したいからだ」と述べ、ロシア寄りの立場を取る
米国のトランプ政権を批判した。
ゼレンスキー氏は17日、トルコを訪問した。エルドアン大統領と会談する。19日にサウジアラビアを訪れる予定だが、18日にサウジである米ロ協議には参加しない。
(共同)
2025.02.12-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250212-WIX26EK3XVJ6NITI23VYK3MEA4/
ウクライナ、18~24歳の志願兵に370万円支給などの優遇措置 兵力不足の解消図る
(小野田雄一)
ロシアの侵略を受けるウクライナの
ウメロフ国防相は11日、18~24歳の国民が軍に志願した場合に各種の優遇措置を与える新たな制度を同国政府が開始したと発表した。
優遇措置は、一時金として100万フリブナ(約366万円)の支給や除隊後の高等教育の提供、住宅ローン金利の無償化などを規定。過去3年間にわたる戦闘で疲弊しているウクライナ軍は志願兵を増やし、兵力不足の解消につなげる思惑だ。
ウメロフ氏は「1年間の契約で報酬は計200万フリブナに達する可能性がある」と指摘。契約を満了した国民には国外渡航の自由や動員を1年間免除される権利なども与えられると説明した。
ウクライナは昨年、
従来は27歳だった軍への動員年齢を25歳に引き下げるなど一連の動員規則の改正を行った一方、
18~24歳の国民に関しては自発的な志願を除き軍に入隊させてこなかった。
米国からは「18~24歳の国民も動員すべきだ」との指摘も出ていたが、
ウクライナは若者の戦死者増や国内の反発を懸念し、18~24歳の動員に否定的な立場を示してきた。
ウクライナは今回、18~24歳の志願兵に対する優遇措置の導入により、国内の反発を招きうる動員を避けつつ戦力を補充する構えだ。優遇措置の導入案は、同国のゼレンスキー大統領が今月、ロイター通信のインタビューで言及していた。
前線の戦況を巡り、
露国防省は11日、ウクライナ東部ドネツク州の集落1カ所を新たに制圧したと主張した。ウクライナ軍参謀本部は11日、露南西部サラトフ州の製油所をドローン(無人機)で損傷させたと報告した。
(小野田雄一)
2025.02.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250205-2RVJK5CRDVPPVNYCJCPECIFGOE/
ウクライナ、空海軍から5万人を陸軍に転属へ 現地報道 戦局の打開図る狙いか
(小野田雄一)
ロシアの侵略を受けるウクライナのメディアは
4日、ウクライナ軍が5万人規模の兵員を陸軍に配置転換する方針だと伝えた。
ウクライナは空海軍などに所属する兵員を陸軍に転属させて地上戦力を増強し、兵力で勝る露軍に劣勢を強いられている戦局を打開したい思惑だとみられる。ただ、
防空システムを運用してきた空軍兵員の転属により、ウクライナの防空態勢が弱体化する恐れも指摘されている。
現地紙「ウクラインスカヤ・プラウダ」(電子版)が消息筋の話として報じた。転属の目的は、過去3年間にわたり休みなく前線で戦い続けてきた兵士らの本格的な交代に備えるためだとした。
同紙は5万人の兵員をどこから確保するかに言及していない。ただ、同紙は1月、ウクライナ軍のシルスキー総司令官が空軍に兵員を陸軍に供出するよう命じたと報道。この命令により空軍から陸軍に5000人規模の転属が行われる予定だとする消息筋の話や、実際に空軍から地上部隊に転属させられたとする航空技術者の証言を伝えていた。
同紙は一方で、ある空軍将校が「2024年春から空軍は兵員を陸軍に転属させ始めた。現時点で空軍は定員の50%にすぎない」とし、これ以上の転属は防空態勢を崩壊させる恐れがあると訴えたとも報じていた。
ウクライナ陸軍では25万~35万人が戦闘任務に就いてきたと推計されている。
ただ、長引く戦闘で死傷者が増えているほか、交代・補充の乏しさに伴う士気低下などで脱走兵が相次いでいるとされ、米国からは動員を拡大して地上戦力を補充すべきだとする指摘も出ていた。
(小野田雄一)
2025.01.23-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250123-CKZPUXGKARK67NG4US6W2SS7FI/
ロシア派遣の北朝鮮兵「3分の1」が死傷と米紙報道 損害補充で2カ月以内に増派か
(小野田雄一)
ウクライナを侵略するロシアへの北朝鮮兵の派遣で、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は22日、米国防当局高官が
「北朝鮮が今後2カ月以内に増援を送ると見込まれている」と明かしたと伝えた。また、
ウクライナと米国の当局者が、派遣された1万1千~1万2千人規模の北朝鮮兵のうち「約3分の1」が死傷したとの見方を示したとも報じた。
増援の動きが事実であれば、損害の補充が目的とみられる。
北朝鮮兵はウクライナ軍の越境攻撃下にある露西部クルスク州に投入され、露軍とともに戦闘に従事。ウクライナ軍のシルスキー総司令官は地元テレビで最近、北朝鮮兵について「かなり戦意が高く、十分に訓練されている」と述べ、ウクライナ軍の脅威になっていると指摘していた。
ウクライナ軍は昨年8月上旬、クルスク州への電撃的な越境攻撃に着手。同月末までに同州の1300平方キロを占領したと発表した。その後、ロシアは北朝鮮兵を投入して反撃を加速。露国防省は今月中旬、約800平方キロを奪還したと主張した。
(小野田雄一)
2025.01.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250113-LIKFBQ2PHBJWTIHDITZCVDQLK4/
ゼレンスキー氏、条件付きで北朝鮮兵の返還可能性を表明 ウクライナに残留希望の捕虜も
ウクライナのゼレンスキー大統領は12日、
ウクライナ侵略にロシア軍側で参戦し、ウクライナ軍の捕虜となった北朝鮮兵について、北朝鮮に身柄を返還する用意があるとSNS(交流サイト)で表明した。条件として、
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記がロシアに働きかけ、北朝鮮兵とウクライナ兵の捕虜交換を組織することを提示した。
ゼレンスキー氏は捕虜を活用して北朝鮮に圧力をかけた形。また、捕虜とした北朝鮮兵2人に関し、1人は北朝鮮への帰還を望み、もう1人はウクライナに残ることを望んでいるとし、「帰還を望まない北朝鮮兵は、朝鮮語でこの戦争の真実を広めて平和を近づける願望を示すのであれば、そうした(ウクライナ残留という)可能性を与えられる」とも説明した。
前線の戦況を巡り、
露国防省は12日、ウクライナ東部ドネツク州の集落ヤンタルノエとハリコフ州の集落カリノボを制圧したと主張した。
ウクライナメディアによると、露軍は現在、ドネツク州の要衝ポクロフスクの包囲を目指し、攻勢を続けている。
2025.01.11-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250111-BKRW3YNB4VM4DMFKTGSHSUHR6M/
捕虜の北朝鮮兵「訓練に行くと考えていた」 1人は露軍の身分証明書保持とウクライナ
ウクライナのゼレンスキー大統領は11日、
ウクライナ軍がロシア西部クルスク州で、北朝鮮兵士2人を捕虜にしたとX(旧ツイッター)で明らかにした。
2人は負傷しており、首都キーウ(キエフ)に移送された。
うち1人は保安局の事情聴取に対し、戦争ではなく訓練に行くと考えていたと説明したという。ウクライナ当局が、捕虜にした北朝鮮兵の聴取内容を公表したのは初めて。
保安局によると、捕虜2人はそれぞれ1999年と2005年生まれ。1人はロシア軍の身分証明書を携行しており、別人の名前が記載されていた。
韓国の情報機関、国家情報院は昨年12月、クルスク州で北朝鮮兵1人が負傷しウクライナの捕虜になったことを確認したと韓国メディアに明らかにしたが、捕虜はまもなく死亡した。
ウクライナ当局によると、クルスク州には、ロシア極東で訓練を受けるなどした北朝鮮兵士約1万2千人が展開し、一部は前線に投入され戦闘任務に就いている。
(共同)
2025.01.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250104-OQMAGQ5C5NKNZFGD3CUBCM2KAI/
ウクライナ軍外国人部隊「自殺的任務」で離脱者増加 疲弊と混乱、台湾人兵士が証言
【台北=西見由章】ロシアによるウクライナ侵略は来月で丸3年を迎える。
ウクライナ軍は全領土奪還を掲げ抗戦を続けるが、疲弊と混乱に直面している。
外国人義勇兵の部隊「領土防衛国際軍団(ILDU)」に参加した台湾人兵士が産経新聞に実態を証言した。
「ILDUではいま、戦闘経験が豊富なベテラン兵が著しく減り、新兵が非常に多い。自殺的な任務を命じられるなど危険性が高まり、ベテラン兵の離脱者が増えているからだ」
昨年、ウクライナ東部ドネツク州バフムト周辺での戦闘などに参加した台湾人兵士によると、ILDUはウクライナ軍の中でも突出して死傷率が高い。その原因の一つは人員不足で「新兵が新兵を率いる状況」になっていることだ。複数の言語が話せることを理由に、軍務経験がわずか2週間の兵士を小隊長に任命したこともあったという。
戦闘で負傷した兵士が救出されないまま戦場に取り残され死亡するケースも目立つ。戦力に余裕がないためだ。作戦のリスク評価は行われず「想定外の事態が起きた場合の『プランBやC』がなく、運任せの側面が強かった」と指摘した。
ILDUの死傷率が高い背景には、ウクライナ軍上層部から戦力として重視されず「消耗品のように扱われている」実態もある。
装備の不足は深刻だ。部隊の規模が小さいため重火器や戦車、装甲車などは与えられず、民間車両を使用していた。作戦任務はいずれも小規模の分隊で行われ、待ち伏せに遭うなどして全滅するケースも多い。
ウクライナ政府は外国人の軍志願者を約2万人と公表したが、この台湾人兵士は「プロパガンダだ。全部隊の外国人を合わせても数千人だろう」と指摘した。
外国人義勇兵の志願理由はさまざまだ。欧米出身者は「ウクライナの自由を守りたい」という純粋な思いのほか、戦闘経験を積むことが目的の兵士もいた。中南米出身者は給与に魅力を感じたケースが多い。外国人兵士は毎月の基本給が2万フリブナ(約7万2000円)で、戦闘への参加状況などに応じて月3万~10万フリブナが日割りで加算されるという。
ILDUによると昨年5月以降、ウクライナ軍と契約した外国人は少なくとも6カ月間軍務に就くことが法的に義務付けられた。
この台湾人兵士は軍側から「6カ月以内に任務を拒否して軍を離れた場合、強制的に憲兵に送致される」などと伝えられた。
しかしウクライナの弁護士と契約書を精査した結果、6カ月の軍務は道徳上の義務に過ぎず法的な強制力はないことが分かったという。
「ILDUが直面している問題をウクライナ軍上層部は改善してほしい」。台湾人兵士は取材に応じた理由をそう語った。
2024.12.24-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20241224-F6WXAVZXPZNSFIIMMQMAVS6FDI/
新たに防空システム「IRIS―T」を供与 独、対ウクライナ軍事支援 戦車レオパルト1も
ドイツ政府は23日、
ロシアの侵攻を受けるウクライナへの新たな軍事支援を発表した。
2基の防空システム「IRIS―T」や15両の戦車レオパルト1、多数の無人機などを供与したとしている。
ウクライナでは無人機の襲来が増加傾向にあるほか、ロシア軍が20日に首都キーウ(キエフ)を弾道ミサイルなどで攻撃し、防空システムの強化が急務となっている。
侵攻開始当初、ドイツは軍事支援への慎重姿勢が非難されたが、その後は積極姿勢に転じ、現在では米国に次ぐ支援国となり、
既に280億ユーロ(約4兆5700億円)の軍事支援を実施した。今後も支援を続ける方針。
23日のDPA通信によると、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長はインタビューで、ウクライナのゼレンスキー大統領が支援を巡りドイツのショルツ首相をたびたび批判してきたことについて「不当だ」と指摘した。批判をやめるよう再三求めてきたとした上で
「ショルツ氏のウクライナ支援は称賛に値する」と強調した。
(共同)
2024.12.17-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20241217-MEKFPW25PVISRMIP4ULIFFJHHA/
ウクライナ軍拠点に突撃した北朝鮮兵士 ゼレンスキー氏が映像を公開
ウクライナのゼレンスキー大統領は
16日の声明で、ロシアはクルスク州での戦闘で「北朝鮮兵士の犠牲を隠そうとしている」と主張した。
「北朝鮮兵がこの戦争で死ぬ理由は何一つない」と述べ、ロシアを非難した。
ゼレンスキー氏はX(旧ツイッター)への投稿で、ウクライナ軍拠点に突撃した北朝鮮兵士を上空から撮影したとする映像を公開した。撮影の日時や場所は明らかにしていない。
(共同)
2024.12.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241203-QRUDNZX7AVNF7ALA7HDBEYX7GA/
ウクライナ軍、脱走兵が深刻化 数万~20万人試算も 戦局悪化など要因、苦戦を加速
(小野田雄一)
ロシアによるウクライナ侵略で、
欧米メディアが最近、ウクライナ軍で兵士の脱走問題が深刻化し、戦局の悪化を加速させていると相次いで報じた。
ウクライナ軍では30万~35万人が戦闘任務に就いていると推計されてきたが、少なくとも数万人規模の脱走が起きているという。
同国のゼレンスキー大統領は11月末、脱走兵の帰還を促す法律に署名したが、効果がどの程度出るかは不透明だ。
脱走者急増で戦況悪化
AP通信は11月29日、露軍との火力差や戦勝への希望の薄れ、部隊交代が行われないことによる疲弊や士気の低下などを背景に、ウクライナ軍内で前線の持ち場を離れたり、治療休暇の取得後に部隊に戻らなかったりする脱走兵が少なくとも数万人に上っていると報じた。軍の内情を知るウクライナ最高会議(議会)議員が「脱走兵は20万人に達する可能性がある」と明かしたとも伝えた。
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)も12月1日、ウクライナ検察当局が今年1~10月に脱走罪で兵士を訴追した件数が6万件に上り、露軍との戦闘が始まった2022年と23年を合わせた件数の約2倍に達していると報道。23年に465平方キロのウクライナ領しか制圧できなかった露軍が今年は2700平方キロを制圧したとし、「脱走者の急増はウクライナにとって厳しい戦況をさらに悪化させている」と指摘した。
初回のみ軍復帰で刑事責任免除の法律も
ウクライナは4月以降、軍への動員に関する一連の法改正を実施。
動員可能年齢を27歳から25歳に引き下げるなどし、
兵力増強を進めようとした。だが、APは
「政府や軍の高官は(制度改正が)ほとんど失敗していると認めている」と指摘。FTも、
ウクライナは今後3カ月で16万人を動員する計画だとしつつ、
予定通り達成されることに懐疑的な見方を示した。
こうした中、
ゼレンスキー氏は11月28日、初めての脱走者に限り、軍に復帰すれば刑事責任を免除し、
各種の社会保障なども再開する法律に署名した。ただ、
この法律でどこまで脱走者が帰還するかは不透明だ。
バイデン米政権は現在
、ウクライナに動員年齢を18歳まで引き下げ、人員不足を補うよう働きかけているとされる。しかし、ウクライナは
「足りないのは兵士ではなく兵器と弾薬だ」とし、動員年齢のさらなる引き下げには否定的だ。
国連によると、
ウクライナの人口はロシアの侵略後、国外避難や戦闘での犠牲などにより侵略前の4300万人から800万人減少した。ウクライナが動員年齢の引き下げに否定的な背景には、
多くの若者が戦死すれば将来的な国家運営が困難になることや、
国民の強い反発を招くことへの危惧もあるとみられる。
(小野田雄一)
2024.11.27-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20241127-ADTO5IS6VBP6HINSPIDHDCZEUI/
ロシア西部にまた米国製長射程兵器 ウクライナ軍が23~25日に13発、うち3発が命中
ロシア国防省は26日、ロシア西部クルスク州で、越境攻撃を続けるウクライナ軍による米国製長射程兵器の地対地ミサイルATACMS(エイタクムス)を使った攻撃が23日からの3日間に2度あったと発表した。
計13発が撃ち込まれた。ATACMSでのロシア西部への攻撃は19日のブリャンスク州に続くもので、ロシア軍は報復を準備している。
プーチン大統領は米欧製の長射程兵器による攻撃には報復措置を取ると警告しているが、ウクライナ軍は改めて攻撃に踏み切った。
ロシア国防省の発表によると、23日に州都クルスクの北西近郊にあるロシア軍の地対空ミサイルシステム「S400」にATACMS5発の攻撃があった。3発を迎撃したが、2発が命中。レーダー施設が損壊し、複数の負傷者が出た。
25日にはクルスク東郊の飛行場に8発の攻撃があり、7発を撃墜したが1発が命中。残骸の落下で軍人2人が軽傷を負い、インフラ施設が損壊した。ロシア国防省はATACMSとみられる残骸の写真も公開した。
(共同)
2024.11.19-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20241119-SOBNH45CDBNUPETZ7VQR6OO46E/
ウクライナで化学兵器の暴動鎮圧剤 OPCWが確認 戦争で使用禁止
化学兵器禁止機関(OPCW、本部オランダ)は
18日、ロシアのウクライナ侵攻に絡む化学兵器使用疑惑を巡り、ウクライナ側から提供された手りゅう弾と土壌のサンプルに化学兵器の暴動鎮圧剤が含まれていることを確認したと発表した。
化学兵器禁止条約では、戦争の手段としての暴動鎮圧剤の使用は禁止されている。
OPCWはロシアとウクライナのどちらが使用したのかを明らかにしていない。ロイター通信によると、米国とウクライナはロシアが使ったと主張している。
OPCWによると、ウクライナ東部ドニエプロペトロフスク州で今年9月に有毒な化学物質が使われた疑いがあるとしてウクライナ政府が支援を要請し、
OPCWが専門家チームを派遣。ロシアとの前線近くにあるウクライナ側の塹壕から採取したとするサンプルの提供を受け、
OPCW指定の研究所が分析した。
OPCWは5月の声明で、
ロシアとウクライナから互いの化学兵器使用疑惑の報告を受けたが「十分に立証されていない」としていた。
(共同)
2024.11.16-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20241116-WPYDCECLKBKZTMHMCUT4UPCIUY/
現状でのロシアとの交渉否定 ウクライナ・ゼレンスキー大統領「得ること何もない」
ウクライナのゼレンスキー大統領は16日放送の同国公共放送ススピリネのインタビューで
「ウクライナが弱い立場では、(ロシアとの)交渉で得ることは何もない。ただ敗北するだけだ」と述べ、
現時点でのロシアとの交渉入りを否定した。
ゼレンスキー氏は、交渉入りには、戦場や外交面でウクライナが強化される必要があるとの見解を示し、欧米による支援の重要性を訴えた。
現状でロシアのプーチン大統領と協議すれば、国際社会から孤立するロシアに資するとして、西側諸国に対しても自制を求めた。
トランプ次期米大統領については、ウクライナを支援する立場だと指摘。同氏の政策により
「戦争はより早く終わるだろう」との考えを示したが、その根拠については語らなかった。
(共同)
2024.11.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241114-FUCJZABZOVILLMVV43NPHZJ53I/
ゼレンスキー氏のオルバン氏への怒り 「子供が死に、家が壊されること分かっているか」
(三井美奈)
ハンガリーのブダペストで会議取材を抜け出し、「レトロ博物館」に行った。
東西冷戦中の生活が再現されている。共産主義礼賛の教科書やレーニン像を見ながら、前日の記者会見を思い出した。オルバン首相とウクライナのゼレンスキー大統領の応酬だ。
オルバン氏は会議のホスト役。仲の良いトランプ前米大統領の復活に勢いを得て、
「ウクライナはすぐ停戦すべきだ。西側でも停戦支持が広がっている」と訴えた。続いて、
疲れた顔のゼレンスキー氏が登壇し、「停戦を求めるのは、わが国を北大西洋条約機構(NATO)に入れたくない指導者だ」と反論した。
一方で
NATO加盟も領土奪回も実現できず、停戦圧力をかけられるかもしれないと覚悟している。「停戦後、どうなるか分かるか。あなた方は子供が死に、家が壊されることが分かっているのか」と心情を吐露した。
オルバン氏はゼレンスキー氏より15歳上。若いころは民主化の闘士だった。ソ連のくびきの重さを身に染みて知る世代だ。救いを求める隣国の手をなぜ振り払うのか。
ゼレンスキー氏は悔しかったに違いない。
博物館で、赤旗を振ってソ連をたたえる行進の画像が流れた。地元の観光客は「懐かしい」と無邪気にはしゃいでいた。戦火のウクライナ人の目にはどう映るだろう。
(三井美奈)
2024.11.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241106-JKLPJCK43VOCPOVFBFQB7W2GWE/
ロシア派遣の北朝鮮兵と戦闘は「新局面」 ゼレンスキー氏が声明 各国に支援呼びかけ
ロシアの侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は5日の声明で、
ロシアに派遣された北朝鮮兵との戦闘は「世界の不安定化の新たなページを開く」と述べ、
戦争の局面が変わるとの考えを示した。戦闘の詳細は明らかにしなかった。
「戦争を拡大しようとするロシアの動きを失敗させなければならない」と強調し、各国に
支援を呼びかけた。
ウクライナのウメロフ国防相は、韓国メディアが5日に報じたインタビューで、北朝鮮兵との間で限定的な交戦が初めて起きたと述べた。ウメロフ氏も戦闘の日時や場所などは説明しなかった。
ゼレンスキー氏は「テロは十分な対抗措置がないと、ウイルスのように広がる。措置は十分で、強力でなければならない」と訴えた。今月1日には米英独の3カ国を名指しして「傍観しているだけだ」と語り、対応の遅れを批判していた。(共同)