ウクライナ-1


2024.07.22-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240722-4GMVT3BOPVISPPOAMIHJ5GP6DI/
ゼレンスキー氏「激動の時、支えてくれた」 米大統領選から撤退表明のバイデン氏に謝意

  ロシアの侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領22日、米大統領選撤退を表明したバイデン大統領について「歴史上、最も激動の時にわが国を支えてくれ、このひどい戦争を通じて支援を続けてくれた」と述べ、謝意を表明した。X(旧ツイッター)に投稿した。

  米国はウクライナの最大の軍事支援国で、ゼレンスキー氏はロシアの撃退に向けて米国が「力強い指導力」を発揮し続けることに期待を示した(共同)


2024.07.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240717-FI3665H7JBHMZNREX7NYU3WJUQ/
血まみれで逃げる患者…「一線超えた」ウクライナの小児病院医師、露のミサイル攻撃を非難
(植木裕香子)

  ロシアによるウクライナの首都キーウへのミサイル攻撃で、甚大な被害を受けた小児病院「オフマディト」に勤務する女性医師、レシア・リシツァさん(38)が産経新聞の取材に応じた。大勢の民間人が犠牲になった攻撃について「ロシアは超えてはならない線を超えた。許されない」と非難した。

  小児病院は、キーウ駅に近い住宅街にある。病床数720の専門病院で、がんなどの治療を担う。年間2万人以上の治療実績を持ち、国外からも小児患者を受け入れる
  病院には8日、ミサイルが直撃し、一瞬にして修羅場と化した。リシツァさんによると、当時、院内には600人超の子供が治療を受けていた。リシツァさんは翌日に手術を控えた患者の体調を確認するなど診察の最中だったという
  空襲警報が鳴り響き、窓の外に目を向けると、目がくらむようなまぶしい閃光が差しこんだ。次の瞬間、隣接する病棟から火の手があがった。轟音を立てながら、崩れ落ちる様子が見えたという。
  リシツァさんが診察していた病棟はミサイルの直撃を免れた。自身にけがはなかったが、診察室の窓は粉々に割れ、壁は吹き飛び、天井の一部が落下した。血まみれになった患者らが叫びながら逃げる姿も見えた。
  「現実とは思えなかった。一瞬の出来事だった気もするし、永遠に続くようにも思えた。とにかく生きているのが奇跡だった」 ミサイルの直撃で病院の電源は失われ、手術を中断せざるを得ない患者もいるはずだー。パニックに陥っている場合ではなかった。「とにかく患者を守らなくてはいけない」と思い、急いで担当患者を病院の地下室に避難させた。ウクライナ西部のリビウなど、別の病院への移送にも動いた。現在も、移送されず病院に残った患者の治療や被災した院内の片付けなど、やるべきことが山積しているという。

  ウクライナメディアは10日、同国非常事態当局がキーウでの救出作業を完了し、子供5人を含む民間人33人の死亡子供10人を含む121人の負傷を確認したと伝えた。東部ドニエプロペトロフスク州での死者11人を合わせ、8日のミサイル攻撃の死者は計44人となった。ウクライナのゼレンスキー大統領は「ロシアのミサイルは幼いがん患者を標的にウクライナで最も大きな小児病院を攻撃した」と非難した。
  一方、ロシア側は8日、エネルギー施設が攻撃された対抗措置として、ウクライナの軍事産業施設や空軍基地を攻撃したと主張小児病院を含む民間施設への攻撃を否定したが、リシツァさんは「ロシアは病院を狙って攻撃したのは間違いない。罪もない子供や、命を救おうとする医師がいる場所への攻撃は超えてはならない一線を超えた。許されるべきではない」と憤る。
  リシツァさんは「ロシアを止めるにはウクライナの勝利以外にない。世界はウクライナの出来事を自分事としてとらえて結束してほしい。明日はわが身かもしれないのだから」とも訴えた
(植木裕香子)


2024.07.08-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240708-F5MUPWZCYBI4DH5C3QVXVMJHAQ/
ウクライナ、ロシア弾薬庫に無人機攻撃 ミサイルや大砲保管

  ウクライナ情報筋は7日ロシア南部ボロネジ州の弾薬庫を6日夜から7日にかけてウクライナ側が攻撃したと明かした。情報筋によると、弾薬庫ではミサイルや大砲、小型武器の弾薬が保管されていた。州知事によると、弾薬庫では火災が発生し、地元住民80人以上が避難した

  またウクライナ軍当局は7日、東部ドネツク州ポクロウシクのウクライナ部隊を攻撃していたロシア軍のスホイ25攻撃機を撃墜したと発表した。ポクロウシク方面は最大の激戦地となっている。
  一方、ロシア国防省は7日、ドネツク州の集落チガリを制圧したと発表した。6日にも近くの集落制圧を発表していた。
  ウクライナ東部ハリコフ州知事は7日、州都ハリコフでロシア軍が埋設した地雷の爆発に走行中の車が巻き込まれ、子どもを含む少なくとも4人が死亡したと発表した。(共同)


2024.07.01-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240701-ICXM5QDNLJJVPLWCKCRZLQKDPY/
露の誘導爆弾攻撃、週に800発 ゼレンスキー氏が非難

  ウクライナのゼレンスキー大統領6月30日「今週だけでロシアは誘導爆弾による攻撃を800発以上行った」と通信アプリへの投稿で非難した。爆弾を搭載するロシアの戦闘機を破壊する手段が必要で「市民を守るため明確な決断が求められている」と述べ、友好国に長距離兵器や防空装備の供与強化を訴えた。

  東部ハリコフ市では同日、ロシア西部ベルゴロド州から発射された誘導爆弾の攻撃を受け、1人が死亡、生後8カ月の乳幼児を含む10人がけがを負った。郵便会社の施設が損壊し火災も発生した。州知事らが発表した。
  首都キーウ北部では30日、迎撃したミサイルの破片が集合住宅に落下した。クリチコ市長によると、6人が負傷した。市当局は、これまでの攻撃と時間帯や手法が異なると指摘。ロシア側が効果的な攻撃手法を探っていると注意を促した。(共同)


2024.06.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240625-57N66M3A6VPMLLOFABWU3GBB6A/
ゼレンスキー氏「ドローンで露石油施設30カ所超に打撃」 統合軍司令官の交代も発表

  ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領24日、同国の治安機関「ウクライナ保安局(SBU)」無人機(ドローン)攻撃により、ロシアの石油精製施設や石油貯蔵施設など計30カ所以上に打撃を与えたと述べた。SBUの特殊部隊「アルファ」の創設30周年を記念する国内行事での発言としてウクライナメディアが伝えた。

  ゼレンスキー氏は期間や地域など攻撃の詳細には言及しなかった一方、「SBUのドローンにとって既に1500キロの距離は問題ではない」とし、ドローンで長距離攻撃が可能になったと強調。石油施設への攻撃は「ロシアの戦費調達力を低下させ、戦争で(ウクライナに)プラスの影響を与える」とも指摘した。
  一方、ゼレンスキー氏は同日、部隊間の調整などを担当するウクライナ統合軍司令官のソドル中将を解任し、後任にグナトフ准将を任命したと発表した。
  ゼレンスキー氏はソドル氏の解任理由には触れなかった。ただ、ウクライナメディアによると、今年2月に統合軍司令官に着任したソドル氏を巡っては最近、能力や人格を疑問視して解任を求める声が軍内から上がっていたという。


2024.06.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240618-G5VEGXLBKFO7XETAN7MEHXFIWA/
ロシア、早期警戒機「A50」の被撃墜認める 東部ボフチャンスクで露軍数十人投降

  ロシアの捜査当局は17日、ウクライナ軍第138高射ミサイル旅団の司令官、ジャマン大佐を身柄不在のままテロ罪で起訴し、指名手配したと発表した。露経済紙コメルサントによると、露捜査当局は、ジャマン氏が2月の露航空宇宙軍の早期警戒管制機「A50」の撃墜を指揮したと主張している。「A50」の撃墜をロシアが認めたのは初めて。 捜査当局の発表やコメルサントの報道によると、ジャマン氏は2月23日、非武装かつ軍事行動中ではなかったA50を露領土上空でミサイルによって撃墜し、乗員10人を死亡させたとしている。

  大型レーダーで空域を監視するA50は、露軍の制空権確保の要を担う希少な機体コメルサントはA50の価格が1機3億ドル(約470億円)以上だと伝えた。
  A50を巡っては、ウクライナ国防省情報総局が2月23日、同国空軍との共同作戦によりアゾフ海上空で撃墜したと発表していた。ウクライナは1月中旬にも別のA50を撃墜したと報告している。
  一方、前線の戦況を巡り、米誌フォーブス(電子版)は今月16日、露軍が5月に着手したウクライナ東部ハリコフ州への越境攻撃で攻防が焦点化している国境地帯の小都市ボフチャンスクで、ウクライナ軍が露軍兵400人の立てこもる化学工場を包囲したと伝えた。包囲を受け、露軍兵数十人が投降したという。
  ボフチャンスクを巡っては、露軍が一時、市内の5割程度を制圧したものの、その後、ウクライナ軍が反撃。最近はウクライナ軍が市内の7~8割の支配権を回復したと報告されるなど、優勢だとみられている


2024.06.14-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240614-PY27WHJS2FLZDOLCNTTMOEHHBI/
中国の習近平国家主席「ロシアに兵器売却せず」 ゼレンスキー氏と電話会談で約束

  ウクライナのゼレンスキー大統領は13日、中国の習近平国家主席がゼレンスキー氏との電話会談で「ロシアにいかなる兵器も売却しない」と約束したと述べた。先進7カ国首脳会議(G7サミット)開催中のイタリアでの記者会見で語った。

  ゼレンスキー氏は「習氏が尊敬すべき人物であれば、ロシアに兵器を売りはしないだろう。彼は約束した」と主張した。電話会談の時期などは明らかにしなかった。
  会見に同席したバイデン米大統領は「中国は兵器を供与していないが、兵器を製造する能力や技術を供与している。実際はロシアを手助けしている」と話した。(共同)


2024.06.11-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240611-KDB2V4SXRBKCDAJ56HKJ5JXYOI/
ウクライナ、ロシア石油精製工場を攻撃 「ドローン専門部隊」の司令官任命

  ウクライナ軍参謀本部は10日、ウクライナと国境を接するロシア南西部ロストフ州の石油精製工場を5日に自国製兵器で攻撃したと発表した。参謀本部は、攻撃で発生した火災によりロシアが5億4千万ドル(約850億円)相当の石油と石油製品を失ったと指摘。「石油精製施設への攻撃は露軍の目標達成を困難にしている」と強調した。

  これに先立ち、ロストフ州のゴルベフ知事は6日未明、この石油精製工場がドローン(無人機)攻撃を受け、火災が起きたと交流サイト(SNS)で報告していた。死傷者はないとした。
  両国は過去数カ月間、互いのインフラ施設などをミサイルやドローンで攻撃。相手の継戦能力を低下させる狙いだとみられている。
  一方、ウクライナのウメロフ国防相は10日、同国軍に新設された「ドローン専門部隊」の司令官にスハレフスキー大佐を任命した。同国メディアが伝えた。スハレフスキー氏はこれまで、シルスキー総司令官の副官としてドローンの開発と運用を担当していたという。
  ドローン専門部隊を巡ってはゼレンスキー大統領が2月上旬、創設を定める大統領令に署名。戦場で重要性を増すドローンの運用を高度化する狙いがあり、国防省と参謀本部が具体化作業を進めていた。


2024.06.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240601-NSLKXCNEWBN5JD56BH3WTMKJR4/
ウクライナ前国防相、露領内攻撃「許可を得た」と歓迎 敗北は「独裁国連合の支配構造を生む」と警告

  【ワシントン=渡辺浩生】ロシアの侵略が続くウクライナのレズニコフ前国防相5月31日、ワシントンで講演し、米国や欧州が供与した兵器でウクライナの露占領地だけでなく露領内の軍事的標的を攻撃する重要性を指摘したうえで、「われわれはその許可を得た」と述べ、ウクライナ支援をめぐる一大転換となる米欧諸国の判断を歓迎した。

  米メディアは米国が供与兵器による露領土の軍事拠点への限定的攻撃を容認したと伝え、北大西洋条約機構(NATO)の加盟国もウクライナの越境攻撃容認に続々と支持を表明した。
  レズニコフ氏は、露軍が北方から国境を越えてウクライナ東部主要都市ハリコフ方面へ攻勢を強めていると指摘。露側の軍事拠点を攻撃対象にできれば、民間人の犠牲を減らす有効な手段になると強調した。
  同氏は昨年9月に辞任するまで米欧と軍事支援をめぐる交渉に従事した。ロシアの軍事行動のエスカレートを警戒し米国の供与する兵器は歩兵携行式ミサイルから155ミリ榴弾砲、高機動ロケット砲システム、戦車と段階的に進化したが、同氏は「われわれは常に戦果を示した。今日不可能なことが明日には可能になるとの信念がある」と強調した。
  露軍が制空権を握る中で民間人を守るため防空態勢強化が急務とし、「F16戦闘機は防空システムの主要部分をなす」と早急な配備を求めた。米欧の支援意思喪失を狙うロシアの「認知戦」にも警戒を促した。
  レズニコフ氏は、イランや北朝鮮と結託するロシアの勝利を許せば「独裁国家連合の新たな(支配)構造が世界中で形成される」と予測。別の紛争に発展し米国の軍事・経済負担が増える事態を抑止する意味でもウクライナ支援は「現実的だ」と強調し「われわれは疑いなくこの戦争に勝つ」と結束に自信を示した。


2024.05.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240527-4D356FZXSBJRFH5G3ZMCZ7AMXQ/
ロシア、ハリコフ州東部の集落制圧と主張 ミサイル攻撃の死者16人に

  ロシア国防省は26日、ウクライナ東部ハリコフ州の集落ベレストボエを制圧したと主張した。同集落は露軍が越境攻撃を続ける同州北部の国境地域ではなく、州都ハリコフ市東方のクピャンスク方面に位置越境攻撃は膠着(こうちゃく)状態になり、一部ではウクライナ軍の反撃が伝えられているものの、露国防省の主張が事実であれば、露軍が全体的に優勢を維持していることを示唆した形だ。

  ウクライナの軍事メディア「ディープステート」は26日、ベレストボエを巡る戦闘は続いており、露軍が一部で成功を収めたものの、同集落の完全制圧には至っていないと伝えた。
  一方、露軍による25日のハリコフ市の大型商業施設へのミサイル攻撃で、ハリコフ州のシネグボフ知事は26日、死者が12歳の少女と母親を含む16人に上る見通しになったと発表した。負傷者は少なくとも44人
  ウクライナ軍参謀本部や現場部隊は25~26日、ハリコフ州の国境地域で露越境部隊の前進を停止させたほか、一部で反撃に転じることに成功したと発表した。
  露国防省は25日、ウクライナ東部ドネツク州の集落アルハンゲリスコエを制圧したと主張
した。


2024.05.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240524-4M4W4WYSMZNLFI33HS37UZDZ5Q/
ロシア軍のハリコフ州越境攻撃「行き詰まり、多大な損失」 ウクライナ軍総司令官が報告

  ウクライナ軍のシルスキー総司令官は23日、ロシア軍による東部ハリコフ州への越境攻撃で焦点化している国境地域の小都市ボフチャンスクを巡る攻防について「露軍が市街戦で完全に行き詰まり、多大な損失を出している」と交流サイト(SNS)で報告した。ボフチャンスクは当面、陥落しないとの考えを示したものとみられる。

  露国防省は、10日に着手したハリコフ州への越境攻撃でこれまでに国境周辺の集落13カ所を制圧したと主張。ただ、ウクライナ軍が予備兵力や欧米諸国から供与された兵器を投入した結果、露越境部隊の勢いを止められたとする観測が軍事専門家から出ている。
  シルスキー氏はまた、越境攻撃とは別方面である州都ハリコフ市東方の要衝クピャンスク方面に関し、同市北側の森林地帯で戦闘が続いていると説明。東部ドネツク州バフムト西方の要衝チャソフヤル方面でも激戦が続いているとした。
  一方、露国防省は22日と23日、バフムト周辺の集落クレシチェエフカとアンドレエフカをそれぞれ制圧したと主張した。両集落は昨年9月にウクライナが露軍から奪還していた。露軍は両集落を制圧し、チャソフヤルを巡る攻防を有利に運ぶ狙いだとみられる。
  ハリコフ市では今月23日、露軍のミサイル攻撃により市民7人が死亡。ロシアの実効支配下にあるウクライナ南部クリミア半島の当局者も同日、ウクライナ軍のミサイル攻撃で市民2人が死亡したと主張した。


2024.05.18-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240518-YOWRHC7QPZM7NL4F24COLMUAP4/
フランスの「五輪休戦」拒否 ゼレンスキー大統領「ロシアを利する」

  ウクライナのゼレンスキー大統領17日、欧州メディアのインタビューで、フランスのマクロン大統領が呼びかけたパリ五輪期間中の休戦に対し、ロシアに軍隊などを移動させる時間を与え「ロシアを利する」だけだとして、拒否する考えを示した。

  マクロン氏はパリで開催される夏の五輪期間中、ウクライナや中東など全世界で戦闘停止を求めることを提案している。(共同)


2024.05.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240515-WM365CPN5RPWFBSYVFPCRAJRCI/
ウクライナ軍高官「ロシア軍が北部スムイ州にも越境攻撃の可能性」 米紙に危機感語る

  ロシア軍によるウクライナ東部ハリコフ州への越境攻撃で、ウクライナ国防省情報総局のブダノフ局長は、増援部隊の到着などにより「今後数日間」で前線を安定させられるとし、近く露軍の前進を停止させられるとする観測を示した。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が14日、ビデオ通話インタビューでの発言として伝えた。

  ハリコフ州の地下壕から取材に応じたブダノフ氏は、首都キーウ(キエフ)に近い北部スムイ州に露軍が新たな越境攻撃を行うことが予想されるとも指摘。「われわれには予備戦力が残っていない」と危機感を示した。
  ブダノフ氏はまた、「わが軍の全軍は現在、ここ(ハリコフ州)かチャソフヤル(東部ドネツク州の最前線の都市)にいる」と説明。「われわれが持っているものは使い果たした」と述べた。露軍の越境攻撃の狙いについては、戦線を拡大してウクライナ軍の戦力を分散させることだとする見方を示した。
  一方、露国防省は14日、ハリコフ州の国境地域にある集落1カ所を新たに制圧したと主張した。露軍が10日に越境攻撃に着手して以来、制圧を発表した同州の集落は10カ所目
  ウクライナ軍参謀本部は14日、攻防が焦点化している同州の小都市ボフチャンス周辺で、露軍の攻撃から兵士を守るため「部隊がより有利な陣地に移動した」と発表した。ただ、「戦闘は続く」とし、同市を放棄しない方針を示した。


2024.05.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240513-L6YFL3PJCFIZ3CY3ZSECLK72BQ/
ロシア国防省、新たに4集落制圧と主張 ウクライナ東部ハリコフ州への越境攻撃

  ロシア軍によるウクライナ東部ハリコフ州への越境攻撃で、露国防省は12日、国境地帯にある集落4カ所を新たに制圧したと主張した。同省は11日にも、国境地帯の集落5カ所を制圧したと主張した。

  ウクライナのゼレンスキー大統領は12日のビデオ声明で、11日に続いて「ハリコフ州で防衛作戦が進行中だ」と表明した。「国境地帯の多くの部分で激しい戦いが続いており、周辺集落がグレーゾーン(戦闘周辺地域)から戦闘地域になった」とも述べた。
  露軍は最近、ハリコフ州への越境攻撃に着手。露軍の狙いは、国境地域に「緩衝地帯」を確保して露領土に対するウクライナ軍の攻撃を減らすことや、戦線を拡大してウクライナ軍の戦力を分散させ、全域の制圧を狙う東部ドネツク州での戦闘を有利に運ぶことだとする見方が軍事専門家の間で出ている。


2024.05.12-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240512-HWPMS2G4DRPDDIO2GLWHVXB23E/
ゼレンスキー氏「防衛作戦が進行中」 露軍のハリコフ州越境攻撃で

  ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領11日、東部ハリコフ州のロシアとの国境地帯にある複数の集落周辺で、露軍に対する「防衛作戦が進行中だ」とビデオ声明を通じて明らかにした。 露軍は最近、ハリコフ州への越境攻撃に着手。露国防省は11日、同州の国境地帯にある集落5カ所を制圧したと主張した。

  露軍が越境攻撃に着手した狙いとしては、国境地域に「緩衝地帯」を確保して露領土に対するウクライナ軍の攻撃を減らすことや、戦線を拡大してウクライナ軍の戦力を分散させ、全域の制圧を狙う東部ドネツク州での戦闘を有利に運ぶことだとする見方が軍事専門家の間では出ている
  ただ、ウクライナは、露軍がハリコフ州の州都ハリコフの制圧を狙う可能性も排除できないとして警戒を強めている。
  露軍は2022年2月のウクライナ侵略に際してハリコフ州にも侵攻したが、同年9月にウクライナ軍の電撃的な反撃に遭い、同州のほぼ全域から撤退した。露軍はウクライナ軍が昨年6月に着手した反攻作戦で疲弊したとみて、昨年秋ごろから同州を含む東部で再び攻勢を強めていた。


2024.04.17-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240417-SJ5WIPWMJ5O7BALOSA2ZIOFV7I/
ロシア西部のレーダー設備破壊 無人機攻撃とウクライナ

  ウクライナ保安局(SBU)は16日、ロシア西部ブリャンスク州のレーダー設備を無人機7機による攻撃で破壊した。SBUの情報筋が共同通信に明らかにした。ロシアの監視能力を低下させたことで、ウクライナ軍はロシアへの無人機攻撃などを実行しやすくなると主張した。

  レーダーはブリャンスク州と接するウクライナ北部を監視範囲にしていたという。情報筋によるとSBUは、ロシア西部ベルゴロド州でも同型のレーダー設備を破壊した
  ゼレンスキー大統領は15日公開の米公共放送(PBS)とのインタビューで、中部キーウ(キエフ)州最大の火力発電所が今月、ロシア軍のミサイル攻撃で破壊されたことについて「迎撃用ミサイルが枯渇しているからだ」と強調。米国などに防空態勢の強化を支援するよう訴えた(共同)


2024.04.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240406-SQM5BUYTF5M7REC2IXFRGVZ6NY/
ウクライナ首相「露軍の攻撃で火力発電所8割が破壊」 東部ドネツク州で激戦続く

  ロシアの侵略を受けるウクライナのシュミハリ首相は5日までに、訪問先のバルト三国エストニアで現地メディアのインタビューに応じ、電力インフラを標的とした露軍の攻撃により「過去数週間でわが国の火力発電所の80%が破壊された」と明らかにした。

  シュミハリ氏は、旧ソ連構成国だったエストニアには(ウクライナも使用する)ソ連時代の発電所が残っていると指摘。発電所の復旧のために部品の提供を受けられればウクライナにとって助けになると説明した。
  露軍は3月22日、ウクライナの電力インフラを狙った過去最大規模のミサイル・ドローン(無人機)攻撃を実施。火力発電所や水力発電所などが損傷し、約120万人が停電の影響を受けた。露軍は以降も同様の攻撃を続け、ウクライナで電力危機が深刻化している。
  シュミハリ氏はまた、「ウクライナ軍には前線で使用する弾薬が不足している」と説明。「ウクライナ領内でロシアに勝利することによってのみ欧州に長期的な平和が訪れる」とし、欧米側による支援継続を求めた。
  前線の戦況を巡り、ウクライナ軍参謀本部は5日、最前線の東部ドネツク州などで激しい戦闘が続いたと発表した。同州全域の制圧を主目標とする露軍は現在、同州バフムト西方の小都市チャソフヤルの制圧を狙っているとの観測が強い


2024.04.01-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240401-G7ORUZTXHNP2FAZVYOUFKYP5Z4/
ウクライナ警察、ブチャ虐殺で「戦争犯罪」行ったロシア兵百人超の身元特定

  ウクライナ国家警察は3月31日、ロシア軍の占領下で多数の民間人らが虐殺された首都キーウ(キエフ)近郊ブチャ「戦争犯罪」を行った露兵100人以上の身元を特定したと明らかにした。ウクライナメディアが伝えた。

  ブチャは露軍の侵攻開始直後に制圧され、ウクライナが解放した後に民間人の虐殺や拷問などの実態が判明した。解放宣言から2年がたった3月31日、ゼレンスキー大統領はブチャで開かれた追悼式典に出席した。
  ゼレンスキー氏は声明で「ロシアは自らの倫理観を破壊した上で、暴力と憎しみを信条とした。それを止められるのは、力と結束だ」と述べ、国際社会に連帯を求めた。
  国家警察によると、ブチャは約1カ月にわたって露軍が占領し、露兵による殺人、拉致、拷問、レイプなどが相次いだ(共同)


2024.03.30-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240330-D24DIN2MQVM2JNZA2NSQ345IKY/
ウクライナの弾薬、ロシアの「6分の1」 軍総司令官が厳しい戦況明かす

  ロシアの侵攻を受けるウクライナのシルスキー軍総司令官は、米国からの軍事支援が停滞する中、ウクライナの弾薬数はロシアの約6分の1に過ぎないとし、前線の状況は「本当に厳しい」と述べた。国営通信社ウクルインフォルムが29日報じた。

  2月に前任のザルジニー氏の解任に伴って総司令官に就任したシルスキー氏は、ロシアは数的優位を生かして大規模攻勢を続け、航空戦力の活動を活発化させていると指摘。「目標は領土喪失を防いで敵にできるだけ損失を与えることだ」とし、当面は防衛強化に注力するとした。
 欧米の軍事支援の遅れが、ウクライナの苦境を招いたとの認識を示し、ロシアが2月に制圧した東部ドネツク州アブデーフカについて、ウクライナ側に「十分な防空システムと砲弾があれば、間違いなく陣地を維持していた」と主張した。(共同)


2024.03.14-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240314-GW7WOBIZPNJ5LCBRTECMERVCFE/
ウクライナ検察が北朝鮮弾道弾は「品質低い」と分析 命中2割、約50発発射し20人超死亡

   ロシアがウクライナに発射した北朝鮮製の弾道ミサイルについて、ウクライナ検察当局が標的への命中率が約2割にとどまるなど「品質が非常に低い」と分析していることが14日、軍と協力してミサイルの残骸を調べた検事総長事務所への取材で分かった。発射数が約50発に及んでいることも判明。北朝鮮の弾道ミサイルで計24人が死亡したという。

  北朝鮮は、実戦に初めて投入されたミサイルのデータをロシアから入手し、迎撃回避や攻撃の能力向上を目指しているとされる。同事務所戦争犯罪局のユーリー・ベロウソフ局長は「北朝鮮はウクライナをミサイル実験場にしているようだ」と懸念を表明した。
  ベロウソフ氏によると、全体の約8割が標的に命中せず、半数は着弾前に空中で爆発したという。ウクライナの防空システムによる迎撃を回避する能力がどの程度あるかは捜査中だとした。(共同)


2024.03.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240304-6TO4CK7AANKVJCHQYLGFOFFEBY/
ロシア軍のドローン攻撃で子供5人含む12人死亡 ウクライナ南部オデッサ

  ウクライナ南部オデッサ州のキペル知事によると、州都オデッサの集合住宅が2日夜、ロシア軍の自爆ドローン(無人機)攻撃を受け一部が倒壊した。救助活動は3日夜まで続いた。この攻撃で乳幼児2人と3歳と8歳、10歳の子供計5人を含む12人が死亡した。

  ウクライナのゼレンスキー大統領は3日、犠牲者に哀悼の意を示すとともに「世界はロシアの悪に反応すべきだ。世界がロシアのテロ行為を無視すれば、より多くの人が殺害される」と指摘。「われわれはこの戦争に勝たなければならない」と表明した。
  東部ドネツク州のフィラシキン知事によると、同州クラホベも3日、露軍の空爆を受け、民間人16人が重軽傷を負った。クラホベはロシアの実効支配下にある州都ドネツク市の西方に位置。同州全域の制圧を主目標とする露軍は、ドネツク市近郊のアブデーフカを先月中旬に制圧した後、さらなる占領地域の拡大を狙って前進を試みている。
  前線の戦況を巡り、ウクライナ軍参謀本部は3日、ドネツク州アブデーフカ方面やリマン方面、東部ハリコフ州クピャンスク方面などで前進を図った露軍を撃退したと発表した。


2024.03.02-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240302-A5L6BYEIW5IYZLRWJDJPLB76V4/
ロシア軍がオデッサを無人機で攻撃、3人死亡 集合住宅18棟損傷

  ウクライナ南部オデッサ州のキペル知事は2日、ロシア軍が南部オデッサを無人機で攻撃し、集合住宅が損傷、3人が死亡したと明らかにした。ゼレンスキー大統領は集合住宅18棟が損傷したと通信アプリで発表した。無人機攻撃は東部ハリコフ州や北東部スムイ州にもあったという。

  ウクライナ空軍は同日、露軍が一晩でミサイル3発と無人機17機を発射したと発表した。うち無人機14機を迎撃した。1日には露軍のスホイ34戦闘爆撃機を撃ち落としたと表明。ウクライナ軍による露軍機撃墜の発表が最近、相次いでいる。
  一方でロシアの複数の独立系メディアは2日、北西部サンクトペテルブルクの集合住宅に無人機が衝突して爆発し、損傷したと報じた。付近に変電所や石油備蓄施設があるといい、ウクライナによる攻撃の可能性がある。(共同)


2024.02,24-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240224-RTIUKZDRFFI3PKKVBN6YLCMXVQ/
ゼレンスキー氏が「米支援なければ敗北」と米議員団に訴え 弾薬や長距離兵器不足

  ウクライナのゼレンスキー大統領は23日、西部リビウで米上院民主党トップ、シューマー院内総務ら議員団と会談し、追加の軍事支援を要請した。シューマー氏によると、ゼレンスキー氏は「米国の重要な支援がなければ、戦争に敗北する」と述べた。

  ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから24日で2年。米議会では共和党の一部の反対により約600億ドル(約9兆円)のウクライナ支援を含む緊急予算案の承認が滞っている。ウクライナ軍は弾薬や長距離兵器の不足に陥っており、ゼレンスキー氏は今月の声明で「ロシアが支援の遅れにつけ込んでいる」と追加支援を呼びかけていた。
  ゼレンスキー氏の23日の声明などによると、シューマー氏らに対して戦況を説明し、砲弾や長距離兵器を十分に確保することが重要だと伝えた。防空システムや無人機の供与も必要だと訴えた。(共同)


2024.02.21-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240221-L4CPOY7JDVKZLKXHKYIGRFIY4Y/
ウクライナ軍、ドニエプル川東岸の拠点喪失を否定 「捏造」と声明

  ロシアがウクライナ南部ヘルソン州のドニエプル川東岸の集落クリンキでウクライナ軍の排除を完了したと明らかにしたことに対し、ウクライナ軍南部方面部隊は21日までに「捏造(ねつぞう)」であり、現実に即していないと否定する声明を出した。

  ロシアのショイグ国防相は20日、プーチン大統領に対し、クリンキで露軍がウクライナ軍部隊の掃討を完了し、ドニエプル側東岸全域の支配権を回復したと報告していた。


2024.02.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240219-FSVXGGYN2ZOXLEKR327A7GFC7I/
露軍がザポロジエ州でも前進か ウクライナ軍の防衛線を突破と報道、南部でも優勢示唆

  ロシアによるウクライナ侵略で、ウクライナの大手軍事メディア「ディープステート」は18日、露軍が南部ザポロジエ州の集落ロボティネの南側まで進軍し、集落への進入を試みていると報告した。また、ロボティネ東方の集落ベルボベの南西方向でも露軍がウクライナ軍の防衛線を突破したと指摘。ウクライナ軍が撃退のための戦闘を続けていると伝えた。

  ウクライナ軍は今月17日、弾薬不足などを背景に東部ドネツク州の激戦地アブデーフカの放棄を決定。ロボティネ方面での露軍の前進は、露軍が東部だけでなく南部でも優勢になりつつあることを示唆した。
  ロボティネはウクライナ軍が昨年6月に着手した反攻で奪還。ウクライナ軍はその後も南進を試みたが、露軍の防衛線に直面して停滞し、ロボティネの南方が最前線となってきた。ディープステートは「(ウクライナ軍が)予備部隊を投入しなければ状況は悪化するだろう」と指摘し、ロボティネが再占領される恐れがあるとの見方を示した。
  一方、デンマークのフレデリクセン首相はミュンヘン安全保障会議の関連会合で、同国が保有する全ての大砲をウクライナに引き渡すと表明。他の欧州諸国にもウクライナの武器不足解消に協力するよう求めたフランスのルコルニュ国防相は仏メディアに、新開発の仏製自爆ドローン(無人機)を数週間以内にウクライナに供与するとした。いずれもウクライナメディアが18日までに伝えた。


2024.02.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240218-POPAU3CWABJJFPBX4DYFMVPOQU/
プーチン氏「重要な勝利」 アブデーフカ制圧を祝福 ゼレンスキー氏は奪還誓う

  ロシアのプーチン大統領は17日、ショイグ国防相からウクライナ東部ドネツク州アブデーフカを制圧したと報告を受け、「重要な勝利だ」と露軍を祝福した。ウクライナメディアによると、同国のゼレンスキー大統領はアブデーフカ放棄が兵士の生命を守るための適切な決定だったとした上で「全てを取り戻す。殺人者には何も与えない」と将来的な奪還を誓った

  数カ月間にわたったアブデーフカ攻防戦では最近、ウクライナ軍の弾薬不足などを背景に露軍が優勢を確立。ウクライナ軍のシルスキー総司令官は17日、アブデーフカを放棄すると発表した。ウクライナ側は、一部の兵士が露軍の捕虜になったものの、撤退は順調に行われたとしている。
  ウクライナ軍参謀本部は17日、アブデーフカ西方の集落ラストチキノ方面に前進を図った露軍を撃退したと発表。同じくアブデーフカ西方の集落オルロフカにも露軍が空爆を行ったとした。アブデーフカを制圧した露軍が主目標とするドネツク州全域の制圧に向け、さらなる西進を図っていることが示された形だ


2024.02.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240217-HOXTZHQGBJJC5MQG5X3H7FJLWU/
「プーチンは世界を破滅的に」 ゼレンスキー氏が安保会議で演説 欧米に支援加速要求

  【ミュンヘン=板東和正】ウクライナのゼレンスキー大統領は17日、ドイツ南部ミュンヘンで開催中の「ミュンヘン安全保障会議」で演説した。「ウクライナは砲弾と長射程兵器の不足に直面している」と指摘。「今、行動しなければプーチン(露大統領)は(世界を)破滅的なものにする」とし、欧米諸国に兵器の支援加速を求めた

  ゼレンスキー氏は演説で、露反体制派指導者、ナワリヌイ氏が死亡したとの発表を受け、「(プーチン氏は)汚職と暴力で権力を維持する凶悪犯だ」と述べて、「全ての自由国家に対する脅威だ」と強調した。
  ドネツク州の激戦地アブデーフカから部隊を撤退させたことについては「兵士の命を守るために重要だった」と指摘。ウクライナの兵器不足がプーチン政権を「強化している」と懸念を示した。
  ウクライナ支援に反対するトランプ前米大統領に関しては「もし彼が(ウクライナに)来るなら一緒に戦闘の最前線に行く準備ができている」などと語った。
  ゼレンスキー氏は16日、ドイツ、フランス両国と安全保障協力に関する2国間協定を締結。ドイツは約11億ユーロ(約1800億円)、フランスは30億ユーロの追加の軍事支援も表明した。ゼレンスキー氏は17日、ハリス米副大統領らと会談し、さらなる支援強化を求める。
  ハリス氏は16日、ミュンヘン安保会議で演説し、米国は「ウクライナとともにある」と強調。支援を継続する考えを示した。米国の北大西洋条約機構(NATO)への責任は「揺るがない」と断言。孤立主義は「米国を弱体化させる」とし米欧との結束を強調した。
  安保会議では、各国の首脳らが18日までウクライナ支援やパレスチナ自治区ガザ情勢などを協議する。イタリアが先進7カ国(G7)の議長国となってから初のG7外相会合も17日に開かれた。


2024.02.12-産経新聞(夕刊ヒジ)-https://www.sankei.com/article/20240212
どうなる日本のウクライナ支援 非軍事「6兆円」、米・EU押し付け合いも 高橋洋一
(元内閣参事官・嘉悦大教授 高橋洋一)

  19日に「日・ウクライナ経済復興推進会議」が東京で行われる。日本のウクライナ支援の狙いは何か。日本は米国の支援を肩代わりさせられるとの懸念も一部にあるが、どうなのか。日・ウクライナ経済復興推進会議は、岸田文雄首相肝いりで、外務省および経済産業省の協力を得て内閣官房において準備が進められてきた。主催は日本政府とウクライナ政府、共催が経団連と日本貿易振興機構(ジェトロ)だ。一応、官民体制になっている

  もっともウクライナ側は、日本の企業進出や技術協力だけでなく、日本政府からの財政援助にも期待を寄せているとみられる。
  ウクライナは今年の国家予算が約3兆3500億フリブナ(13兆円超)。その財源は税収が約1兆8000億フリブナ(7兆円程度)、残りの約1兆6000億フリブナ(6兆円程度)は支援国からの援助など―となっている。
  国家予算の税収相当分は、兵器調達や軍の人件費などロシアと戦うための国防関連費、支援国からの援助相当分は国防関連以外の社会保障費などに充てるとしている。
  ウクライナ政府は、支援国の財政援助がなければ、公務員約50万人と教員約140万人の賃金、約1100万人分の年金の支払いが遅れると公言している。というわけで、非軍事への支援なら日本という連想で、日本が「6兆円の支援をする」という噂が出ているのだ。
  たしかに最大の支援国である米国は、ウクライナ支援予算が通らない状況だ。共和党は支援に否定的で、かつ11月に大統領選があるので、今年は期待できない。大統領選ではトランプ氏が優勢なので、来年も状況改善は無理と見たほうがいい。
  他方、欧州連合(EU)は2月1日、500億ユーロ(約8兆円)の支援を決めた。内訳は330億ユーロの融資と170億ユーロの返済不要の補助金からなり、新たに設置される「ウクライナ・ファシリティー」を通じて、2024~27年にウクライナに継続的に提供される
  ウクライナが国防関連費を税収から、その他社会保障費などを外国支援国からの援助という方針なら、EU以外は日本からと考えても不思議でない。EUの支援は4年間で8兆円なので1年では2兆円となる。1年あたり4兆円不足するので、日本にはその程度の期待がかかっているかもしれない。
  ウクライナが税収を国防関連費に充てるというのは、米国の支援がなくなることを見越した対応だ。ということは米国の肩代わりを日本がすることにはならないかもしれない。
  しかし、米・EUでは「支援疲れ」もあり、支援継続が難しくなっている。それぞれの見通しが出る中、残りの非軍事についてはすべて日本となることも考えられる
  ウクライナとロシアは交戦中であるが、世界では支援の押し付け合いが同時進行していた。米、EUの後に日本という順番が大いに気になるところだ。ウクライナとロシアの停戦が日本を除いて急転直下決まり、後の支援は日本となりかねない(元内閣参事官・嘉悦大教授 高橋洋一)


2024.02.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240210-NRUHHLEPAVK45D6RKWNHSP62MQ/
米議会でのウクライナ追加支援停滞に欧州から強い不満 欧州議員団の直談判も不発

  【ロンドン=黒瀬悦成】米上院でロシアに侵略されたウクライナに対し600億ドル(約8兆9千億円)規模を追加支援する予算案の審議が停滞している問題を巡り、欧州諸国の間で不満と不安が広がっているウクライナ支援に対する米国の消極姿勢が原因でロシアのプーチン政権がウクライナ戦争に勝利する事態となれば、同政権が続いて他の欧州諸国への攻撃に踏み切る恐れがあるとみて警戒を強めているためだ。

  スウェーデンなど北欧4カ国とエストニアなどバルト三国の国会の外交委員会の委員長らから成る議員団は今月7、8日、ワシントンでバイデン米政権高官や議会関係者らと面会し、ロシアの攻勢を前に弾薬不足などに苦しむウクライナを早急に支えるよう訴えた。
  議員団らが訪米した最大の目的は、ウクライナ支援に否定的なトランプ前大統領の意向を背景に追加支援をためらう共和党の上下両院議員を説得することだった。だが、同党から議員団との面会に応じたのは下院議員1人にとどまった
  議員団は8日、現地で記者団の取材に応じ、米議会の対応などに強い不満を示した。リトアニアのジーギマンタス・パビリオニス委員長は「欧州がかつてなく結束しているのに米国が孤立主義的傾向を深めていくのは異様だ」と述べ、プーチン露大統領を念頭に「現代のヒトラーを演じる最大の敵を打ち破る覚悟はあるのか」と訴えた。
  エストニアのマルコ・ミフケルソン委員長は、バイデン政権のウクライナ戦略について「どのように戦争を決着させるのかが明確でない」と批判した。
  ベルギーのデクロー首相は1月23日、ロンドン大学経済政治学院(LSE)での講演で、欧州の安全を確保するには「米国と欧州が同じ方向を向く必要がある」と指摘すると同時に、軍事面で米国と適切に連携して脅威に対処できるよう欧州諸国も防衛態勢を一層強化していく必要があると強調した。
  欧州の危機感の背景にあるのは、ロシアによる北大西洋条約機構(NATO)攻撃が前にも増して現実味を帯びているとする厳しい情勢認識だ。
  デンマークのポールセン国防相は今月9日、地元紙とのインタビューで、ロシアが想定以上に急速に軍備を増強し、「3~5年以内」にNATO加盟国を攻撃する可能性があるとする分析を明らかにし、軍事分野への投資を加速させる必要があると訴えた。
  ドイツのピストリウス国防相は1月、ロシアによる攻撃の可能性を「5~8年以内」としていた。
  米国で追加支援が今後も滞った場合、ウクライナをめぐる米欧の結束に深刻な亀裂が生じる恐れが拡大するのは不可避だ。


2024.02.09-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240209-FCBL2VJGOFLZXF55UYGLEWVTA4/
ウクライナ軍総司令官解任 大統領と確執ザルジニー氏 後任シルスキー氏、反発も

  ウクライナのゼレンスキー大統領は8日、ワレリー・ザルジニー軍総司令官(50)を同日付で解任し、後任にオレクサンドル・シルスキー陸軍司令官(58)を充てた。ザルジニー氏は国民的人気が高いが、ゼレンスキー氏との確執が伝えられていた。ロシアへの反転攻勢が失速する中、解任への反発が広がり、国内の結束が揺らぐ恐れもある

  ゼレンスキー氏は声明で「昨年は残念ながら地上戦で目標を達成できなかった。南部戦線の停滞と東部での苦戦が社会の雰囲気に影響を与えた」と指摘。ザルジニー氏に軍刷新の必要性を説明し、今後も要職にとどまることを要請したという。
  ザルジニー氏は英誌エコノミストが昨年11月に報じたインタビューで、ロシアとの戦争が「膠着状態」にあると発言。ゼレンスキー氏が「膠着ではない」と否定し、両者間の亀裂が指摘されていた。(共同)


2024.02.08-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240208-G2QHA56LK5MVZGA66VSWJKEN7U/
ゼレンスキー氏を信頼する69%、軍への信頼は94% ウクライナ世論調査

  ウクライナのシンクタンク「ラズムコフ・センター」は7日、世論調査結果を発表し、ゼレンスキー大統領を「信頼する」との回答が69%だった。昨年2~3月の調査では85%だった。一方、軍の信頼度は94・9%に達した。ゼレンスキー氏を「完全に信頼している」は30・9%、「どちらかといえば信頼している」は38・1%で、調査で問われた政治家や著名人の中で最も高い割合だった。ゼレンスキー氏が解任を検討しているザルジニー軍総司令官は調査対象になっていない

  南部ミコライウ州のキム知事を「信頼する」との回答は58%、タレントのプリトゥーラ氏が54・3%、クレバ外相が50・1%で続いた。
  調査は1月19~25日、ロシアに併合された地域を除くウクライナ全土の2000人を対象に実施された。(共同)


2024.02.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240208-TYSTXWDNRZBZDC6PDSIILM6HEY/
立民・原口一博氏、露国営メディアで「ウクライナ支援の理由ない」「ロシア悪あり得ない」
(奥原慎平)

  立憲民主党の原口一博元総務相がロシア国営メディア「スプートニク」のインタビューに応じ、ウクライナ情勢について「日本ファーストで考えたらロシアと敵対する理由はみじんもない。ウクライナを支援する理由もどこにもない。ロシアが悪で、ウクライナが善という考え方は歴史を見てもあり得ない」と持論を述べた。
  インタビューは今月5日に行った。原口氏は「ロシアと日本の間は長い友好の歴史がある。この短い時間で反故にしては絶対ならない」と強調した。欧州連合(EU)のウクライナへの支援については「腐敗した政権の、腐敗した官僚や政治家の懐に入っているのではないか」と疑問視した。

  欧米がウクライナに武器の提供を続けていることに関しては「腐敗した政権に渡せば横流しされるのは歴史の常だ。ウクライナがいかに腐敗し、武器が横流しされているかについて議論は今までのステージとは違う」と指摘し、自身の主張に理解が広がっているとの見方を示した。
  さらに「周りは最初はとにかくウクライナが善でロシアが悪だというプロパガンダ(政治宣伝)にのせられた人が多かった」と振り返り、ウクライナは中国と核協定を結んでいる。中国を仮想敵のようにいう日本が、中国が核協定を結ぶウクライナにこれほどの支援する理由がどこにあるか」とも語った。
  原口氏は、産経新聞の取材にも「ウクライナをこれ以上支援する理由はない。日本第一で考えるべきだ。(ウクライナの民間人の犠牲者に対し)心が痛む。世界は冷徹な考えで動いているのも事実だ」と述べた。
  原口氏はウクライナ侵略を続けるロシア側を擁護する主張を繰り返している。昨年9月には在日ウクライナ大使館がX(旧ツイッター)で問題視し、立民の岡田克也幹事長から口頭で注意を受けた岡田氏は、原口氏の主張について「ウクライナがネオナチ政権であると発言したと誤解されかねないとの指摘もある」としていた(奥原慎平)


2024.02.04-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240204-QTZGMPKYORPD7IMWNI7EZ5J3XY/
ロシア占領地に砲撃、28人死亡 ルガンスク、米供与兵器で

  ロシアが一方的に併合を宣言したウクライナ東部ルガンスク州リシチャンスク喫茶店に3日、ウクライナ軍の砲撃があり、ロシア非常事態省は4日、子供1人を含む市民ら28人が死亡したと明らかにした。10人が、がれきから救出されて治療を受け、救助活動も続いているタス通信などが報じた

  ロシア連邦捜査委員会は、米国が供与した高機動ロケット砲システム「ハイマース」が使われたとの見方を示した。
  同州のロシア側行政府「ルガンスク人民共和国」トップのパセチニク氏は、ウクライナ軍は前線で成果を上げられず、市民を標的にした非難。死傷者は増える恐れがある(共同)

2024.02.02-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240202-ZSMHLJGT4NIVVHHV673TKHMLJU/
露ミサイル艇を撃沈 ウクライナ発表、クリミア西部

  ウクライナ国防省情報総局は1日、ロシアの実効支配下にあるウクライナ南部クリミア半島西部に位置するドヌズラフ湾で、露黒海艦隊のミサイル艇「イワノベツ」を撃沈したと交流サイト(SNS)で報告した。ウクライナ軍の水上ドローン(無人艇)がイワノベツに体当たりし、爆発する瞬間を撮影したとする動画も公開した。

  同情報総局は「イワノベツの価格は6千万~7千万ドル(約87億~100億円)だ」と指摘。「露軍による乗組員の救助活動は成功しなかった」とも述べた。
  露国防省は1日夕時点でドローン攻撃の有無についてコメントしていない
  海軍力で露軍に劣るウクライナはロシアの全面侵攻後、水上ドローンの開発・製造に着手。これまでに黒海海域で大型揚陸艦や哨戒艦など複数の露軍艦艇を破壊したり撃沈したりしている。ウクライナはロシアの海軍力に打撃を与えることで自国へのミサイル攻撃の脅威を低下させるとともに、制海権の奪取につなげたい思惑だとみられる。


2024.01.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240128-32EYX7OIBRI5DAGGYL3G4LVQNY/
<独自>遠隔医療や農業支援 20件超の協力文書署名へ 政府のウクライナ復興支援

  政府が、ロシアの侵略を受けるウクライナの復興に向け2月に東京都内で開催する「日ウクライナ経済復興推進会議」で示す具体的な支援策が28日、判明した。人道状況の改善や農業の発展など7つの重点分野を設定し、遠隔医療体制の構築に向けた100億円規模の協力を含む20以上の協力文書への署名を目指す。

  2月19日に開かれる推進会議には岸田文雄首相やウクライナのシュミハリ首相ら両国の政府当局者のほか、双方の民間企業の関係者ら計約300人が出席する予定だ。
  推進会議では「緊急復旧支援」「経済復興・産業高度化」「基盤的環境整備」3本柱に据え、ウクライナの主軸産業である農業や畜産業の発展、バイオ技術などによる新たなものづくり、デジタルやIT(情報技術)、ICT(情報通信技術)など7つの重点分野で官民挙げての協力を打ち出す。
  例えば、昨年9月に当時の林芳正外相のウクライナ訪問に同行した医療ICTベンチャーは、現地に病院がなくても、持ち運び可能な医療機器と遠隔診療を組み合わせて高度な検査・診断ができる仕組みをウクライナに導入する方向だ。別のスタートアップ企業は、3Dプリント技術を使った義足の生産に取り組む。
  ダムの決壊により、農地の水不足が懸念されていることから、バイオ分野を手がけるスタートアップ企業は果物の皮などを原料にした吸水性の高いポリマーと呼ばれる素材の現地生産を検討している。デジタルインフラの再構築に取り組む通信プラットフォーム事業者もある。
  推進会議は昨年3月、ウクライナを訪問した岸田首相ゼレンスキー大統領の会談がきっかけ日本では軍事支援に制約があることを踏まえ、首相は昨年5月に立ち上げた準備会議で「日本ならでは」の支援策の検討を指示した。ウクライナ側の要望も踏まえ、投資環境の整備や投資の促進、国際機関との連携など5つのテーマに沿って具体策を検討してきた。


2024.01.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240125-DDBMD7AGPNJQHNN6ZX66JHGVKM/
ゼレンスキー氏、露軍輸送機墜落で国際調査を要求

  ウクライナ軍捕虜65人を含む計74人が搭乗するロシアの軍用輸送機IL76ウクライナ軍のミサイル攻撃で墜落し、搭乗していた全員が死亡したと露国防省が主張した問題で、ウクライナのゼレンスキー大統領は24日夜、「明確な事実を確定する必要がある」とし、軍高官らに報告を求めたことを明らかにした。また、「墜落は露領内で起きた」とし、国際的な調査の実施を求める考えも示した。

  IL76の墜落は24日午前、ウクライナと国境を接する露西部ベルゴロド州で発生露国防省は、同日午後に予定されていた捕虜交換のためにIL76がウクライナ軍捕虜を国境地帯に移送中だったと主張した。
  ウクライナ国防省情報総局は24日午後、捕虜交換が同日予定されていたことを認めた一方、「ロシアとは捕虜の安全を確保するとの合意があったが、ベルゴロド州上空の安全を確保するようロシアから通知されていなかった」と指摘。捕虜の移送手段や経路もロシアから知らされておらず、捕虜が実際にIL76に乗っていたかどうかも把握できていないとした。ウクライナ軍がIL76にミサイル攻撃を行ったかどうかに関しては言及しなかった


2024.01.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240122-M6JLWTPC7JJODCBPMYWLFX5ZVY/
ウクライナ、ドローン攻撃認める 露燃料ターミナル火災

  ロシア北西部レニングラード州の燃料ターミナルで21日未明に起きた火災で、複数のウクライナメディアは21日、消息筋の話として、露軍に燃料を供給しているターミナルを破壊するため、ウクライナ軍特殊部隊が無人機(ドローン)攻撃を行ったと伝えた。

  タス通信によると、火災を受け、ターミナルを運営する露天然ガス大手ノバテクは施設の稼働を一時停止した。同社は「外部要因」で火災が発生したと説明露国防省は21日時点でドローン攻撃の有無についてコメントしていない
  ターミナルは露第2の都市サンクトペテルブルクから西に約120キロのウスチ・ルガ港に併設。天然ガスを石油製品に加工していた。火災で一部施設が損傷したものの、負傷者はなかったという。


2024.01.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240122-L53XUPBIBFKB5GRLNY3GMS7IQE/
北朝鮮、最大の対露兵器供給国 ウクライナ国防省高官

  ウクライナ国防省のブダノフ情報総局長は21日までに、英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューに応じ、北朝鮮が現在、ウクライナに侵攻するロシアへの最大の兵器供給国になっているとの考えを示した。ブダノフ氏は、ロシアはウクライナで自らの生産能力を超えて兵器や砲弾を消費しているとして、他国からの兵器調達を探っていると指摘。「北朝鮮の支援がなければ、(ロシアにとって)破滅的な状況になっていただろう」と語った。

  ロシアと北朝鮮は最近、軍事面で協力を深めており、ロシアは北朝鮮から送られた砲弾や短距離弾道ミサイルをウクライナ侵略で使用しているとされる。
  北朝鮮の朝鮮中央通信によると、プーチン大統領は北朝鮮側に早期訪朝の意欲を伝えた。早ければ3月の露大統領選前に実現する可能性も指摘されている。(共同)


2024.01.18-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240118-7RIGO6BEIVL2LEXYF7MUOMBEBY/
ウクライナの新防空システムで初成果 イラン製無人機を撃墜

  ウクライナのカムイシン戦略産業相は、旧ソ連製と欧米製の兵器を組み合わせた新たな防空システムが初めて成果を上げたと発表した。16~17日に9キロ離れた場所からロシア軍のイラン製無人機を撃墜した。ウクライナメディアが17日に報じた。

  フランスのマクロン大統領は16日、巡航ミサイル「スカルプ」約40発を数週間以内にウクライナに供与すると表明した。2月に同国を訪れ、安全保障協力に関する2国間協定を結ぶとも述べた。ウクライナとの2国間協定は、日本など先進7カ国(G7)を含む約30カ国が検討している。
  英国防省は、ウクライナ軍が15日に撃墜を発表したロシア軍のA50空中警戒管制機について、爆発後にアゾフ海に墜落したとの見方を示した。(共同)


2024.01.15-朝日新聞-https://www.asahi.com/articles/ASS1H3QR5S1HUHBI00R.html
ロシアの早期警戒機A50撃墜される アゾフ海上空とウクライナ報道

  ウクライナ軍は14日夜、アゾフ海上空でロシア軍の早期警戒管制機「A50」を撃墜した。ウクライナ軍の情報筋の話として、ウクライナメディアのRBCウクライナやキーウ・インディペンデントが報じた。

  報道によると、撃墜されたA50は防空システムや誘導ミサイルの探知、戦闘機の標的の調整などのために使われておりウクライナに対する軍事行動で重要な機能を担う。現在、ロシアは8機を保有し、代替は非常に困難とされる。そのため、ロシアはウクライナの防空システムから適度な距離を置いてA50を運用していたという。


2024.01.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240107-IPF4W22RQJOJJJS5TP3V5JTTHI/
露攻撃で子供5人含む11人死亡 F16供与、一部に遅れか

  ウクライナ東部ドネツク州のフィラシキン知事は6日、同州ポクロフスクなどがロシア軍のミサイル攻撃を受け、子供5人を含む11人が死亡し、8人が負傷したと交流サイト(SNS)で発表した。ウクライナのゼレンスキー大統領は「民間住宅を攻撃した」とロシアを非難。犠牲者らに哀悼の意を示すとともに、ロシアに攻撃に対する責任を取らせると表明した。

  ロシアは昨年12月29日、ウクライナ各地に過去最大規模のミサイル攻撃を実施首都キーウ(キエフ)などで40人以上が死亡したウクライナは報復として露西部ベルゴロドを攻撃。ロシア側によると25人が死亡した。その後も双方は各地で長距離攻撃の応酬を続け、民間人死傷者の拡大が伝えられている。
  一方、ウクライナへの米戦闘機F16の供与を巡り、デンマークメディアは6日、同国政府が当初、今年初めにも第1陣として予定していた6機の引き渡しについて、最大で半年程度遅れる見通しだと報じた。詳しい理由は不明だという。
  F16を巡ってはオランダとデンマーク、ノルウェー、ベルギーがウクライナに供与する方針を表明。供与数は2025年までに計数十機規模になるとみられ、今年春にも一部の実戦投入が可能になる見通しだ。オランダは昨年12月、第1陣となる18機の引き渡しの準備を始めたと発表した。



2023.12.29-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231229-5FLETUDJDVKS5N3J4VTSXVUHTQ/
露、ウクライナ全土に大規模攻撃 ミサイル110発、死者18人

  ウクライナのゼレンスキー大統領は29日、同日朝までに首都キーウ(キエフ)など国内各地を標的としてロシア軍が約110発のミサイルを発射したと明らかにした。ウクライナ軍が多数を撃墜したが、各地で産科医院や商業施設、住宅などが被害を受けたとした。ウクライナ内務省は一連の攻撃で18人が死亡、132人が負傷したと発表。死傷者はさらに増える恐れがある。

  ロシアによるウクライナ全面侵攻後、1回のミサイル攻撃としては最大規模だった可能性がある。ゼレンスキー氏は犠牲者に哀悼の意を示すとともに、「われわれはテロリストたちに必ず報復する」と表明した。
  ウクライナ軍のザルジニー総司令官によると、露軍はミサイルのほか、36機の自爆ドローン(無人機)も今回の攻撃に使用した。ウクライナ軍はミサイル87発とドローン27機の撃墜に成功した
  露国防省は29日、「高精度ミサイルとドローンで敵の軍事目標を破壊した」と主張した。
  ウクライナ当局などによると、ミサイル攻撃によりキーウの地下鉄駅が損傷。2人が死亡し、18人が負傷した。東部ドニプロでは商業施設にミサイルが着弾し、5人が死亡、15人が負傷。西部リビウや南部オデッサ、東部ハリコフ、南部ザポロジエなどの各州でも住宅や民間インフラが被害を受け、死傷者が出た。


2023.12.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231225-EIZO2OXSNROXPLWIS2KWWNPASM/
ウクライナ国防相、国外滞在男性に「召喚状を準備」 戦力の回復図る

  ロシアの侵略を受けるウクライナのウメロフ国防相24日に同国メディアが掲載したインタビューで、動員対象となる国外滞在中の25~60歳の男性国民全員に徴兵当局への出頭を命じる召喚状を送る準備をしていると明らかにした。国内在住の多数の男性国民が動員され従軍する中、国民の公平性を保つための措置だと説明。近く関連法案をウクライナ最高会議(議会)に提出するとした。

  前線では露軍が攻勢を強めており、ウクライナ軍は劣勢に立ちつつあるとの見方が強い。ウクライナは国外滞在者を動員して戦力を増強し、露軍の前進を食い止める思惑だとみられる。
  ウメロフ氏は召喚対象となる国外滞在者の人数について「把握している」としつつ、具体的な人数への言及は避けた。国外滞在者に電子メールなどで召喚状を送ることや、召喚状を受け取った国外滞在者が出頭に応じなかった場合の処罰方法も検討中だとした。
  ウクライナのゼレンスキー大統領は19日、軍が45万~50万人の追加動員を求めていると説明していた。
  ロシアの侵略を受け、ウクライナは動員に備えるためとして18~60歳の男性国民の出国を原則禁止した。英BBC放送の11月の報道によると、ウクライナに接する東欧諸国などに少なくとも約2万人のウクライナ人男性が不法入国していることが判明した。動員免除のための書類を偽造して不正に出国したり、国境の川を泳いで渡ったりした可能性が指摘されている


2023.12.14-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20231214-NU2TFMYYG5JRLLUPS7G7WDK5EQ/
EU加盟反対「理由ない」 ゼレンスキー大統領、ハンガリー批判

  欧州連合(EU)加盟を求めるウクライナのゼレンスキー大統領は13日、反対しているハンガリーのオルバン首相を説得するようEUに求めた。加盟交渉入りの是非を決める14、15両日の首脳会議を前に、訪問先のノルウェーでの記者会見で「阻止する理由がない」と批判した。

  EU欧州委員会は、オルバン政権の強権的な政策を理由にしてきたハンガリーへの補助金凍結を一部解除し、最大102億ユーロ(約1兆6千億円)の支給を認めると発表した。オルバン氏を懐柔する狙いがありそうだ。
  ハンガリーはロシアのエネルギーに依存しており、オルバン氏の抵抗の背景にはロシアへの配慮があるとみられている。
  ゼレンスキー氏は記者会見で、10日にアルゼンチンの首都ブエノスアイレスでオルバン氏と立ち話をした際に「反対理由を教えてほしいと率直に伝えた。答えを待っている」と述べ、EUにさらなる説得努力を促した。(共同)


2023.12.13-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20231213-4FP4PGBJAJPW5FC4TEIKJK7MMQ/
サイバー攻撃でネット停止 最大規模、ロシア関与か

  ウクライナ最大の通信事業者「キーウスター」が12日、サイバー攻撃を受け、携帯電話などのインターネットサービスが停止した。ロイター通信によると、ロシアによる侵攻開始後、最大規模のサイバー攻撃とみられる。ウクライナ保安局はロシア当局が関与した可能性があるとみて捜査を始めた

  影響は各地に広がり、一部の銀行ATMも使用できなくなった。ロイターによると、キーウスターの携帯電話の契約者は約2430万人で人口の半数以上を占める。自宅のネット契約者は110万人超に上る。
  キーウスターのコマロフ最高経営責任者(CEO)は地元テレビで、所有するITインフラの一部が破壊されたと明らかにし「残念なことに、この戦争の結果として攻撃を受けた」と述べた。ウクライナでは士気低下を狙い、ロシア軍がインフラ攻撃を激化させる可能性が指摘されている。
(共同)


2023.12.06-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/world/20231206-OYT1T50178/
ウクライナ、アメリカの支援途切れれば「負ける大きなリスク」…予算成立めど立たず

  ロイター通信によると、ウクライナのアンドリー・イェルマーク大統領府長官は5日、米ワシントンの政策研究機関で講演し、米国の支援が途切れた場合、ロシアとの戦争に「負ける大きなリスクが生まれる」と述べ、強い危機感を示した。

  バイデン米政権は、ウクライナへの支援を盛り込んだ総額約1060億ドル(約16兆円)規模の緊急予算を議会に提示したが、野党・共和党の一部が反対し、成立のめどが立っていない
  イェルマーク氏は議会の採決が延期されれば「ウクライナが現在と同じポジションを維持するのは困難になる。一刻も早く(予算案が)採決されることが極めて重要だ」と語った。
  米NBCによると、イェルマーク氏は「ウクライナの国民にとって非常に困難なことだが、まだ士気は非常に高い。勝利を信じ、確信している」とも語った。


2023.12.03-毎日新聞-https://mainichi.jp/articles/20231202/k00/00m/030/013000c
ゼレンスキー大統領、反転攻勢で「期待通りの結果得られず」
【ベルリン念佛明奈】

  ロシアの侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は11月30日、6月に始めた反転攻勢について「期待通りの結果を得られなかった」と語った。AP通信のインタビューに答えた。

   ゼレンスキー氏は、「要望した兵器のすべてを受けられなかった」と述べ、米欧の軍事支援が追いつかず、地上部隊が不利な状況に置かれたとの認識を示した。反転攻勢は大きな戦果が見られず、戦争終結の見通しも立たない。ゼレンスキー氏は「戦争は新たな局面に入っている。それは事実だ」と語り、本格的な冬の到来を受けて、反転攻勢が一区切りを迎えたとの見方を示した。「諦めたり、降参したりする必要はない」とも強調した。
  また、世論調査で米国人の半数近くがウクライナへの支援を「過剰」と回答したことについて問われると、「それは米国人の選択だ」と指摘。支援不足でウクライナが抗戦に失敗すれば、ロシアは北大西洋条約機構(NATO)諸国に侵攻すると主張し、「米国の子供たちが戦うことになる」と語った。
【ベルリン念佛明奈】







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