ウクライナ-1



2022.05.31-AFP BB news-https://www.afpbb.com/articles/-/3407581?cx_part=topstory
マリウポリから貨物船出航 ロシア向け金属製品を積載

  【5月31日 AFP】ウクライナ東部ドネツク州の親ロシア派指導者デニス・プシリン氏は31日、金属製品を積んだ貨物船1隻が、南東部マリウポリからロシア南部ロストフに向けて出航したと発表した。ロシア軍に制圧されて以来、マリウポリの港から船舶が出航するのは初めて

  プシリン氏はメッセージアプリのテレグラムに、積み荷は金属ロール2500トンだと投稿した。(c)AFP


2022.05.30-SportnichiAnnex-https://www.sponichi.co.jp/society/news/2022/05/30/kiji/20220530s00042000077000c.html
ゼレンスキー氏が前線激励 初の首都圏外公式訪問

  ウクライナのゼレンスキー大統領はロシア軍の攻撃が続く東部ハリコフ州の前線を訪れ、軍を激励した。大統領府が29日に発表した。ロイター通信によるとロシアの侵攻開始以来、大統領が公式に首都キーウ(キエフ)やその近郊を離れたのは初めて

  ゼレンスキー氏は「ウクライナの独立(維持)のための防衛活動に感謝する」とねぎらいを述べ、兵士らを表彰した。
  ハリコフ州はロシアが完全掌握を目指す東部ドンバス地域と近接。侵攻直後から激戦が続いていたが、5月中旬以降、ウクライナ側が反攻を強め、州内の集落を次々と奪還、ロシア軍を国境近くまで後退させていた。
  大統領府によると、ゼレンスキー氏はハリコフ市内の住宅街などを視察した。同行したハリコフ州知事は州内の5%をロシア軍から奪還したものの、31%が今も占領下にあると指摘。約2230棟の高層ビルが損壊したなどと被害を報告した。


2022.05.29-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/world/20220528-OYT1T50202/
爆弾で負傷した少女、ロシアへ強制連行の危機に「いつ来てくれるの」…祖父が1か月後に救出
(1)
  ウクライナは、ロシア側が子供だけでも23万人に上る住民の強制連行を進めていると主張している。南東部マリウポリに住んでいたキラ・オベディンスカさん
は、その一人となるところを、祖父に間一髪で救出された。
  生後間もなく母を病気で亡くしていたキラさん。父は3月17日頃、露軍の砲撃に巻き込まれて死亡した。キラさんは父の交際相手の女性とともにマリウポリから脱出を試みたが、爆弾の爆発で負傷し、親ロシア派武装集団の支配下にある東部ドネツクの病院に移送された。
「看護師は冷たい態度でひどい病院だった」(キラさん)という待遇に加え、そのまま露国内の児童養護施設に送られる恐れがあった。祖父オレクサンドルさん(67)、女性からドネツクにいる孫娘の危機を知らされたのは、3月28日だった。
ウクライナ西部チェルニウツィ 上地洋実)

(2)
  オレクサンドルさんには、キラさんからSNSで「いつ来てくれるの」「もう泣きたい」とメッセージが送られてきた。ウクライナや英国のメディアに支援を訴えると、ウクライナ政府がロシア側との交渉に動き、「(ウォロディミル・ゼレンスキー)大統領が安全を保証するので助けに行ってください」と伝えられた。
  ポーランド、トルコを経由して空路でモスクワに入ったオレクサンドルさんはさらに列車や車を乗り継いで南下し、東部ドネツクに達した。4月23日、再会を果たして強く抱きしめた孫娘に「家に帰る準備はできてるかい」と声を掛けると、跳びはねて喜んだという。
   救出の道中では様々な支援者の助けがあったという。オレクサンドルさんは「彼らの安全のため、詳細は明かせない」と語る。一方、親露派武装集団はキラさんの引き渡しの様子などを報じ、人道的に対応したことをアピールした。
(3)
  避難先の西部チェルニウツィで取材に応じたキラさんは「おじいちゃんが迎えに来ると言っていたから信じていた」と、傍らの祖父に笑顔を見せた。
  それでも、今回の体験がもたらした心の傷はあまりに深いようだ。5月から編入した学校でオンライン授業に参加しているキラさんは「新しい友達は欲しくない」と口にしていた。
  マリウポリ脱出の際の負傷は戦闘のために仕掛けられたトラップによるものとみられる。丘を登って逃げる途中、一緒にいた子供が地面に張られた鉄線に足を引っかけたことで爆発が起き、キラさんの顔や手足に破片が突き刺さったという。
  キラさんは、父が亡くなった時の様子については口を閉ざしている。マリウポリで父の交際相手の女性とその子供と転々とした避難所については「地下室は寒くて、重ね着しても耐えられなかった。遊ぶものもなく、爆撃が静かになるまで、じっと座っていた」と振り返った。ドネツクで離ればなれになったこの女性と子供はロシアに連行され、連絡が取れなくなっている。

  ウクライナ最高会議の人権オンブズマンは21日、ロシア側が強制連行した住民は約138万人に上り、うち約23万人が子供だと主張した。その目的は、住民の再教育や辺境地域での労働力確保とみられている。


2022.05.28-Yahoo!Japanニュース(BBC news Japan.)-https://news.yahoo.co.jp/articles/02d230ade67759aad29d0b91b14f05646c96cf0e
ウクライナ東部でロシアの攻勢続く 主要都市からウクライナ軍撤退の可能性と地元当局

  ロシア軍が大攻勢を続けるウクライナ東部で27日、現地幹部が、主要都市セヴェロドネツクからウクライナ軍が撤退する可能性を示唆した。ロシアは東部ドンバス地域の完全制圧を、主要な軍事目標に定めている。

  東部ルハンスク州のセルヒィ・ハイダイ州知事は、セヴェロドネツクにとどまりロシア軍に包囲されるのを防ぐため、「ウクライナ軍が市内を出るしかない事態になる可能性もある」と述べた。
  セヴェロドネツクにいるハイダイ氏は、市内にある住宅の半数以上が破壊され、ほぼ全ての建物がなにかしらの被害を受けていると話した。市内に残る住民は全員がシェルターに避難しているという。
  セヴェロドネツクを出てウクライナ支配地域まで移動するための道路は常時、砲撃されているものの、まだ通行可能だとも知事は話した。 27日にはこのほか親ロシア派武装勢力が、セヴェロドネツクの南にあるリマンの町を掌握。これによって、ロシア軍はリマンを足がかりに、主要都市スロヴィヤンスクやクラマトルスクへの進軍が可能になった。
■<解説>ドンバスへの圧力――ポール・カービー欧州デジタル編集長
  ロシアの代理部隊はこれまでウクライナ東部でゆっくりと進軍していたが、リマンの掌握は重要なポイントとなる。ウクライナ軍は今週初めから後退を始めていたが、それでもリマンでの激しい攻防は続いていた。さらに南のスヴィトロダルスク制圧に続き、ロシアにとっては今週2カ所目の大きな成果となる。 リマンはそれ自体が大きい都市ではないが、親ロシア勢力はこれで東西に走る幹線道路を押さえることができた。さらに、南西にある主要都市スロヴィヤンスクまで20キロと迫ることもできた。スロヴィヤンスクを通る鉄道はもうずっと運休しているが、それでもこの街はウクライナにとって主要な交通の要衝だ。 さらに東へ移動すると、近接するセヴェロドネツクとリシチャンスクの双子都市がロシア軍の標的になり、激戦が続いている。両都市は「ドンバス」と呼ばれるウクライナの製造業の一大中心地域で重要な位置を占めるだけに、ここを失うことはウクライナ軍にとって大きな打撃となる。
■長距離兵器の提供
  ロシア軍のこうした進軍への防戦のため、ウクライナ政府は長距離兵器の提供を西側に強く求めているが、これまでのところアメリカ政府は応じていない。 ボリス・ジョンソン英首相は27日、ウクライナは長距離多連装ロケット発射システムを必要としていると述べた。
  首相は米ブルームバーグに対し、「残念ながらプーチンは、自分とロシア軍の多大な負担をよそに、ドンバスでぐいぐい前進しつつある」と話した。 「ゆっくりとしたものだが、遺憾ながら着実な前進を続けているので、我々がウクライナ軍を支え続けるのは完全に不可欠だ」と、首相はつづけた。
■ウクライナが和平協議
  「妨害」=プーチン氏 ロシア政府によると、ウラジーミル・プーチン大統領は同日、ウクライナが和平交渉を「妨害」していると述べた。オーストリアのカール・ネハンマー首相との電話会談で発言したという。
  ロシア政府が発表した会談内容によると、プーチン氏はさらに、世界の食料供給に混乱が生じているのは、ロシア軍がウクライナの港を封鎖しているからではないと主張。ウクライナ産の穀物などが出荷されずにいる本当の原因は、欧米による対ロシア制裁だと述べた。
   国連はすでに、ロシアによるウクライナ侵攻のため、今後何カ月かのうちに世界的な食料不足が発生し、何年も続く恐れがあると警告している。 ウクライナ侵攻開始から、すでにトウモロコシや小麦といった穀類のほか、食用油の供給量が世界的に減少し、代替品の価格が急騰している。
  国連によると、世界全体で食品価格は前年比30%近く上昇しているという。 他方、ウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系)は27日、ロシア正教会のキリル総主教がウクライナ侵攻を支持していることから、ロシア正教会との関係を断つと発表した。 ウクライナ正教会の一部は、すでに2019年の時点で独立している。


2022.05.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220528-PI5PEHCZMRLBVDAJ3HHZTPI7W4/
ウクライナ軍撤退に言及 東部州知事、露攻勢

  ウクライナ東部ルガンスク州のガイダイ知事は27日、通信アプリへの投稿で、ロシア軍の攻勢を受けウクライナ軍の撤退が可能性としてあり得る」との考えを示した。同州の要衝セベロドネツク市の市長は同日「市の周囲3分の2がロシア軍に占拠された」とした。ウクライナ側は危機感を強め、欧米に対し長距離砲撃ができる多連装ロケットシステムなど強力兵器の供与を急ぐよう求めた。(共同)

  ドネツク州では27日、親ロ派部隊が、北部の鉄道の拠点リマンを制圧したと表明。同州のキリレンコ知事もウクライナメディアに、リマンのほとんどの地域は「ウクライナ軍の統制下にない」と指摘した。ウクライナ国防省は26日、ロシア軍がドネツク州で大規模な砲撃を加えているとする映像を公開した。


2022.05.25-CNN co.jp-https://www.cnn.co.jp/world/35187945.html
マリウポリの高層ビルのがれきから遺体200体 ウクライナ当局

  (CNN) ロシアが支配するウクライナ南部の港湾都市マリウポリの廃虚と化した高層ビルのがれきの中から遺体200体が発見された。ウクライナ当局者が明らかにした。

  マリウポリのバディム・ポイチェンコ市長の顧問であるペトロ・アンドリヤシェンコ氏は24日、メッセージアプリ「テレグラム」での声明で、郊外のガソリンスタンド近くの高層ビルのがれきを解体中に約200人の遺体が発見されたと述べた。遺体は腐敗が進んだ状態で、破壊された建物の地下で発見されたという。
  「地元の人々が遺体の回収と梱包を拒否したため、ロシア非常事態省は現場から立ち去った」とアンドリヤシェンコ氏は述べた。「遺体はその場に残されたままだ。建物は部分的に解体されていることから、一帯で悪臭がしている」と説明した。

  CNNはアンドリヤシェンコ氏の主張をただちに確認することができなかった。同氏はマリウポリにいるわけではないが、市内に残る住民からの情報収集の窓口となっている。
  ウクライナ当局は、3カ月に及ぶ戦争で住民2万人以上が死亡したと発表しているが、この数字は第三者によって確認できていない。アンドリヤシェンコ氏によると、死者を埋葬する手続きは複雑になっている。ロシア当局は、回収され遺体安置所に運ばれた遺体を引き取る者は、遺体はウクライナ軍に殺されたものとするビデオの録画に同意することを要求しているという。
  「街は延々と続く墓地と化している」とアンドリヤシェンコ氏は述べた。


2022.05.23-日本海テレビ-https://www.nkt-tv.co.jp/pc-news/news91nz47jwmzh7ij2d56.html
あす“侵攻”から3か月…「戒厳令・総動員令の90日間延長」ウクライナ議会が発表

  ウクライナ側の戦闘員の退去が続くマリウポリの製鉄所では、ロシア側がガレキの撤去などの作業を進めています。ロシアによる侵攻が、24日で3か月となるのを前に、ウクライナ議会は「戒厳令と総動員令の90日間延長」を発表しました。

ウクライナ・ポドリャク大統領府顧問(22日)
  「ロシアのウリは戦争と(領土)拡大だけだ。きょうはウクライナを攻撃し、あしたは周辺にある他の国を攻撃する可能性がある」
  今回の侵攻が始まってから、まもなく3か月となります。戦闘を経て、今はロシアが掌握を宣言したマリウポリのアゾフスタリ製鉄所。廃虚と化したこの場所で、ロシア兵が行っていたのは地雷の撤去です。
ロシア兵
  「敵(ウクライナ側)は自分たちで地雷を設置し、私たちも敵を阻止しながら地雷を設置していた」
  ロシア国防省によると、製鉄所からは20日に最後の531人が投降したということです。製鉄所では、ロシア軍によるガレキの撤去などが進んでいます。
  現在、主戦場の1つとなっているのは、東部ドンバス地方のルハンシク州とドネツク州です。ロシア軍はマリウポリの掌握を発表して以降も、東部の制圧を目指し、攻撃を続けています。
  ドネツク州では、街中でも砲撃のような音が聞こえていました。28歳の娘を亡くしたという、地下に避難している女性は、次のように話しました。
娘を亡くした女性
  「彼女は私たちの最愛の人です。受け止められる母親はいません」
  同じドネツク州では21日、日本政府の支援で2016年に改修された音楽学校も破壊されたということです。
  ロシアによるウクライナ侵攻から、24日で3か月。戦闘が長期化する中、徹底抗戦しているウクライナのポドリャク大統領府顧問は、停戦協議について次のように述べました。
ポドリャク大統領府顧問(22日)
  「ロシアが戦争では目標を達成できないことを理解し始めた瞬間に、交渉プロセスが現実のものとなる」
  ポドリャク大統領府顧問は、「ロシア軍が諦めたら実現する」と強気な姿勢を見せています。

  こうした中、ウクライナ国営メディアによると、地元メディアに「今回の勝利とは何か」と問われたゼレンスキー大統領は、「これ以上の損失なしに(侵攻が始まった)2月24日の状態にできたら勝利」と発言し、戦い続ける意思を示しました。
  22日、ウクライナ議会は現在発令中の戒厳令と総動員令を8月23日まで90日間延長することを承認し、長期戦に備える構えです。


2022.05.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220522-ZXK67MOSMFIO7HOJBNQ7CVP2QA/
東部で攻防続く 露軍、橋を破壊 渡河作戦、再び失敗か

  ウクライナ侵攻で、東部ルガンスク州のガイダイ知事は22日、ロシア軍が同州のセベロドネツク市に4方向から侵入を図ったが、ウクライナ軍が撃退したと発表した。ガイダイ氏は21日には露軍が同市とリシチャンスク間の橋を破壊したと発表。露軍は両市を孤立させ、ウクライナ軍の防衛を困難にする狙いだとみられるが、ガイダイ氏は両市間の連結は維持されているとした。

  ウクライナのゼレンスキー大統領は21日のビデオ声明で、東部ドンバス地域(ルガンスク州とドネツク州)の状況は「非常に厳しい」としつつ、侵攻前の状況に戻せば「勝利」との認識を示し、反攻に自信をみせた。
  ガイダイ氏は露軍が同州全域の制圧に「全力を注いでいる」と指摘する一方、ウクライナ側は同州の10%をなお保持し、露軍の前進を阻止しているとした。
  露軍はここ数週間、セベロドネツクやリシチャンスクに攻勢を継続。ただ、米英の国防当局は露軍がわずかな前進にとどまっていると分析している。
  ウクライナ軍は21日、ドンバス地域の40以上の集落が露軍の攻撃を受け、少なくとも民間人7人が死亡したとする一方、ドネツ川で再び露軍の渡河作戦を失敗させ、少なくとも1個大隊戦術群(700~800人)に相当する戦力を喪失させたと発表した。
  ドネツ川では露軍が今月中旬にも渡河作戦を行ったが、ウクライナ軍が撃退。英国防省によると、この際にも露軍は1個大隊戦術群に相当する損害を受けた。
  一方、露外務省は21日、計963人の米国人の露入国を禁止すると発表。侵攻をめぐる米国の対露制裁への報復。バイデン大統領やブリンケン国務長官らは3月に既に入国禁止となっている。


2022.05.21-TBS NEWS DIG.-https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/51170?display=1
“マリウポリを掌握”ロシア宣言 マリウポリの製鉄所2439人投降か

  戦闘が続いたウクライナ・南東部マリウポリをロシア側は「完全制圧したと」表明しました。
  ロシアのショイグ国防相は20日、プーチン大統領に対し、マリウポリのアゾフスタリ製鉄所からウクライナの兵士らが全員投降したとして、「作戦が完了し、製鉄所とマリウポリを完全に制圧した」と報告しました。ロシア国防省によりますと、これまでに司令官を含む2439人が投降したとのことです。

  これに先立ち、ショイグ国防相はウクライナ東部のルハンシク州について「解放はまもなく達成される」と述べ、ロシア側が近く州全域を制圧する見通しだと主張しました。
  こうした中、フィンランドとスウェーデンのNATO=北大西洋条約機構への加盟申請を受け、ロシア側は年末まで両国に近いロシア西部に2000を超える兵器を配備するなど部隊を増強する方針を明らかにしました。
  一方、フィンランドの国営ガス会社ガスムは21日、ロシアからの天然ガスの供給が停止したと発表しました。フィンランドとロシアはロシア側がガス代金をルーブルで支払うように求めたことで対立していて、フィンランドのNATO加盟に対する報復措置の可能性もあります。


2022.05.20-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/60caa763f67554bf97920a7326a4299fefbad7a4
「世界の数百万人人質に」 米国務長官、食料危機でロシア非難

  【ニューヨーク=平田雄介】国連安全保障理事会は19日、ロシアのウクライナ侵攻を受け、紛争と食料安全保障をめぐる公開会合を開いた。
  米国はブリンケン国務長官が出席し、ロシアがウクライナの穀物輸出を妨げて食料危機を引き起こし「世界の数百万人を人質に取った」と非難した。

  ロシアのネベンジャ国連大使は「西側の対露経済制裁が食料流通を停滞させた」などと激しく応酬した。 ブリンケン氏は会合で、食料危機の原因は「米国などの対露制裁ではなく、ロシアだ」と強調した。具体的には「ロシアがウクライナの食料生産や輸送に不可欠な水道や鉄道のほか、穀物の貯蔵施設を攻撃して破壊したうえ、黒海を封鎖しウクライナ産穀物の輸出を妨げている」と指摘した。
  ブリンケン氏はまた、ウクライナでは「国民の3人に1人が食料を確保できなくなった」との世界食糧計画(WFP)の調査を紹介し、ロシアは「食料を武器として利用することで、武力侵攻で果たせていないウクライナ人の士気をくじく目標を達成できると信じているようだ」と訴えた。
  ネベンジャ氏は、ブリンケン氏の指摘は「全くの誤りだ」とし、露軍は黒海での安全な航行を保とうとしているとして「海上輸送を妨げているのはウクライナの方だ」と持論を述べた。
  ロシアは世界最大の小麦輸出国。露国家安全保障会議副議長のメドベージェフ前大統領は4月、「食料はわれわれの静かな武器だ」と交流サイト(SNS)に投稿し、非友好国に農産物を渡さない姿勢をみせた。ブリンケン氏はこの発言を会合で紹介し「メドベージェフ氏は『静かだが恐るべき武器だ』とも述べている」と訴えた。


2022.05.19-BBC NEWS JAPAN-https://www.bbc.com/japanese/61497482
ウクライナ、兵士の解放交渉「非常に難しい」 ロシアは和平交渉再開の可能性低いと
英語記事 Live Page

  ウクライナのミハイロ・ポドリャク大統領顧問は18日、南東部マリウポリの製鉄所から退避し、ロシアの支配地域へ移された戦闘員の解放をめぐる交渉について、「非常に難しいもの」になっていると述べた。ロシア政府のドミトリー・ペスコフ報道官は、和平交渉は進んでおらず、製鉄所のウクライナ軍が「降伏」した後に交渉を再開する可能性は低いとした。

  ポドリャク大統領顧問は同国のラジオNVに対し、「人命がかかっているため、交渉は非常に難しいものになっている」と語った。
  「アゾフスタリ製鉄所やマリウポリ、アゾフ連隊など、マリウポリの防衛に関わるものは全て非常に象徴的だ。そしてロシアにとっても、否定的な意味で象徴的と言える」
  ウクライナ和平交渉団の一員でもあるポドリャク氏は、避難についてコメントする人々に対し、慎重に行動するよう求めた。同氏は、ロシアの報道機関が伝える様々な声明は「非常に攻撃的だ(中略)こちらとしては慎重に対処したい」と述べた。
  また、製鉄所からの避難に関する協議に複数の「影響力のある仲介者」も参加していると明かしたが、名前は伏せた。「作戦が完了すればお伝えできる」。
ロシア、和平交渉再開の可能性は低い
  ロシア政府のドミトリー・ペスコフ報道官は18日、ロシアとウクライナの和平交渉は進んでおらず、製鉄所のウクライナ軍が「降伏」した後も交渉を再開しない可能性がかなり高いと述べた。
  同国のインタファクス通信によると、ペスコフ氏は「交渉は全く進んでいない。ウクライナの交渉担当側に、このプロセスを継続する意欲が完全に欠けているようだ」と述べた。
  また、製鉄所を離れたウクライナ側の戦闘員が降伏したことに疑問の余地はないとした。「アゾフスタリ製鉄所の敷地に避難した者や兵士たちは武器を捨て、降伏しているのは明らかだ」

  ウクライナ当局は自国の戦闘員とロシア兵捕虜を交換する可能性があるとしているが、製鉄所をめぐる両国の合意内容の詳細は公表されていない。
  ペスコフ氏は、ウクライナ兵捕虜を戦争犯罪や、ロシア側の言うナチスとして、軍事裁判にかけるかどうかは「軍部の問題」だと述べた。
ロシア、「ウクライナ投降兵」の動画公開
  ロシア国防省は18日、16日以降に製鉄所から避難したウクライナの負傷兵の一部とする動画を公開した。動画には、疲れた表情の男性たちが病棟のベッドに横たわり、毛布にくるまっている姿が映っている。その多くはまっすぐ前方を見つめている。
  男性たちの中には、医師から薬を処方されたり包帯を交換してもらうなど、世話をしてもらっていると、撮影者に話している人もいる。ある男性は、ロシア側は普通の態度で自分たちに接しており、肉体的・精神的虐待は受けていないと話している。動画の男性たちが、自由に発言できているのかは分かっていない。
  ロシアによると、製鉄所にいた約1000人のウクライナ人戦闘員が降伏し、ロシア支配地域へ移されている。ロシア政府はこうした戦闘員の多くを捜査対象にするとしており、彼らの身の安全への懸念が高まっている。
  ロシアの一部の国会議員からは、ウクライナ戦闘員をロシア兵捕虜と交換すべきではないとの声も上がっている。
ウクライナ東部、民間人10人が死亡
  東部ドネツク州のパウロ・キリレンコ知事は18日、同州で子供2人を含む民間人10人がロシア軍に殺害されたと、メッセージアプリ「テレグラム」に投稿した。また、7人が負傷したとしている。詳細は明らかにしなかった。
  BBCはこれらの主張を独自に検証できていない。
  ロシア軍は現在、ウクライナ東部に軍事作戦を集中させている。同地域の一部は2014年以降、ロシアが支援する分離主義者に支配されている。
ゼレンスキー大統領、戒厳令の延長求める
  ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、戒厳令と国民総動員令を5月25日からさらに90日間延長する法令に署名した。延長には議会の半数以上の承認が必要となる。
  ウクライナはロシアが侵攻を開始した2月24日に戒厳令を発令。当初は30日間としていたが、これまでに2度延長している。
  ウクライナの国防相は先週、「新たな、長い戦争の局面」に備えて、戦闘員100万人を武装させたいとしていた。
英語記事 Live Page


2022.05.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220519-4UNRLRUQRNI2BDEW5V7XZHK4F4/
米大使館、キーウで業務再開 3カ月ぶり

  ブリンケン米国務長官は18日、ロシアによるウクライナ侵攻で業務を停止していた首都キーウ(キエフ)の米国大使館の業務を再開したとの声明を発表した。ウクライナ支援を継続する考えを示し、大使館から任務を遂行するとした。

  ブリンケン氏は声明で、ウクライナが自国を守った結果として「再び星条旗が大使館の上に掲げられている」と指摘。ロシア軍について、ウクライナに毎日「死と破壊」を与えていると非難すると同時に「われわれは今後の課題に立ち向かう」と強調した。
  米国は、侵攻前の2月中旬に大使館機能を西部リビウに一時移転させ、同下旬の侵攻直前に外交官を隣国ポーランドへ退避させた。(共同)


2022.05.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220517-N53PPNQKKZLFVBAVSUYL3S7MGU/
マリウポリ陥落か ウクライナ「戦闘任務完了」 残存部隊に投降許可

  ロシアによるウクライナ侵攻で、ウクライナ軍参謀本部は17日、東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所に籠城するウクライナ部隊について「戦闘任務を完了した」とし、部隊指揮官に事実上の投降を許可した。同製鉄所は2カ月半にわたり攻防戦が続いてきたマリウポリでのウクライナ側の最終拠点。数百~1千人規模とされる籠城部隊が製鉄所を明け渡せば、マリウポリは陥落する形となる。

  露国防省やウクライナ政府によると、製鉄所からは16日、双方の合意に基づき重傷を負った兵士53人が退避し、親露派支配地域の病院に搬送された。このほか兵士211人も製鉄所を離れ、親露派支配地域に移送された。ウクライナ側は今後、兵士の帰還に向けてロシア側と捕虜交換の手続きを進めるとした。
  ウクライナ軍参謀本部は「人員の命を守る」ように部隊指揮官に命じたと表明した。同国のゼレンスキー大統領は16日のビデオ声明で、この決定について「簡単ではない日だった」と語った。「ウクライナの英雄は生きている必要がある」と述べ、兵士らを生存させるための判断だと強調。マリウポリからの撤退に国民の理解を求めた。
  マリウポリは侵攻開始から間もなく包囲され、露軍の砲撃で廃虚化。市当局は市民2万人以上が犠牲になったと推計している。露国防省は4月21日、市街地の制圧を発表し、その後も露軍はウクライナ部隊「アゾフ大隊」などが籠城した製鉄所に攻撃を続けてきた。
  一方、米国防総省高官は16日、ウクライナ第2の都市、東部ハリコフ周辺でウクライナ軍が国境から3~4キロの地点まで露軍を後退させたと明らかにした。東部ルガンスク州のガイダイ知事は17日、セベロドネツク近郊の2集落から露軍を撤退させたとし、ウクライナ軍参謀本部は侵攻開始以降の露軍の損害が約2万8千人になったと主張した。


2022.05.17-Yahoo!Japanニュース(AP)-https://news.yahoo.co.jp/articles/908fbfa5161058fe1695407272a4f5be68ddc0f9
製鉄所から負傷兵などが避難 アゾフ連隊は戦闘任務を達成
(日本語翻訳・編集 アフロ)

  マリウポリ、ウクライナ、5月17日(AP)― アゾフ連隊などのウクライナ軍の一部が頑強に抵抗を続けていた、同国南東部の港湾都市マリウポリにある製鉄所から5月16日夜、軍用車両に先導された数台のバスが、親ロシア派武装組織支配地域に向かった。

  バスには、負傷兵を含むウクライナ軍兵士の一部が乗っているものとみられている。
  ロシア国防省はこれより先、アゾフタリ製鉄所に立てこもっていたウクライナ軍の負傷兵を避難させることで、ウクライナ側と合意に達したと発表した。

  また、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア軍を数週間にわたって足止めしたことで、アゾフ連隊の任務は達成されたと述べ、同製鉄所からの避難は、これ以上のウクライナ兵の戦死者を出さないための措置だったことを明らかにした。  なお、製鉄所内には数は不明だが、依然としてウクライナ軍兵士が残っている。 (日本語翻訳・編集 アフロ)


2022.05.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220516-6UA6BZRCG5MJVBQDCXKJPFF4GM/
ウクライナ軍、露国境まで到達 「勝利できる」とNATO事務総長

  ロシアによるウクライナ侵攻で、ウクライナ国防省は16日未明、同国軍が東部ハリコフ州から露軍を撤退させ、ロシアとの国境地帯まで到達したと発表した。北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は15日、NATOの非公式外相会合での演説で「ウクライナは勝利できる」と述べ、加盟国に支援強化を呼び掛けた。

  一方、これまで朝と夜に戦況発表を行ってきた露国防省は15日、夜の発表をサイトに掲載しなかった。タス通信なども発表を報じておらず、この日は侵攻開始後で初めて夜の発表が行われなかった可能性がある。
  ハリコフ州では最近、ウクライナ軍の反攻作戦が進展していた。ゼレンスキー大統領は15日のビデオ声明で「作戦の破綻にもかかわらず、露軍はなお東部ドンバス地域で前進しようと新たな試みを準備している」などと警戒を呼び掛けた。
  東部マリウポリの製鉄所に籠城するウクライナ部隊の救出について、同国治安当局は15日、「露軍の防御線が厚く、軍事的手段では困難だ」と説明。マリャル国防次官も「部隊退避を認めるよう露側と交渉しているが、プーチン大統領が同意しない」と述べた。ウクライナメディアが伝えた。


2022.05.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220514-M73CHICJ3VIMZH3I5YSH7H3L6A/
「露軍、ハリコフで敗退」米機関分析 戦闘「第3段階に移行」の見方も

  ウクライナ侵攻で、米シンクタンク「戦争研究所」は13日、東部ハリコフ州を巡る攻防戦で「ロシア軍が敗退した」とする分析を公表した。一方、ウクライナのベレシチュク副首相は同日、東部マリウポリの製鉄所に籠城するウクライナ部隊の救出について「結果は全ての人を満足させるものにならないかもしれない」とし、実現は困難だとの認識を示した。ゼレンスキー大統領も退避の実現は困難だと認める一方、「可能な限りのことをする」と表明した。

  戦争研究所は同日付リポートで「露軍は増援不足とウクライナ軍の反攻によりハリコフ周辺から完全撤退を決めたようだ」とした。
  英国防省も同日、露軍が東部ルガンスク州のドネツ川を渡る作戦で失敗し、少なくとも1個大隊戦術群に相当する戦力を失ったとする分析を公表。露軍は主目標とするドンバス地域で前進できていない-とした。

  ウクライナメディアによると、同国内務省のアンドルシフ顧問は、露軍が電撃的なキーウ(キエフ)制圧を狙った作戦の第1段階、東部で占領地を拡大する第2段階に失敗し、現在は防御線を構築して占領地を維持する「第3段階に入った」と指摘。「ロシアは作戦の長期化を決断した」と分析した。
  一方、マリウポリの製鉄所を巡り、ベレシチュク氏は13日、交流サイト(SNS)上で「交渉は困難だ。戦争は冷徹な現実で、奇跡は起きない」と述べた。同氏は12日、重傷を負った一部の兵士の退避と引き換えにロシア兵捕虜を返還する交渉を露側と行っている-と明らかにしていたが、交渉の停滞を示唆した。

  製鉄所内には数百人から1千人のウクライナ兵が籠城し、多数が負傷しているとされる。ロシアは交渉での退避は認めず、降伏しない限り攻撃を継続する構えを崩していない。


2022.05.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220514-AO7RTLBKLVJIBD4LR7EVQMPF3E/
渡河作戦失敗のロシア軍、防御戦に移行か 長期化決断

  ロシアによるウクライナ侵攻で、同国のベレシチュク副首相は13日、東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所に籠城するウクライナ部隊の救出について結果は全ての人を満足させるものにならないかもしれない」とし、退避は困難との認識を示した。同国のゼレンスキー大統領もロシアとの交渉は困難だと認めた一方、「部隊が退避できるよう可能な限りのことをする」と表明した。

  ベレシチュク氏は13日、SNS(交流サイト)上で「敵との交渉は非常に困難だ。戦争は冷徹な現実であり、奇跡は起きない」と述べた。同氏は12日、一部の重傷者の退避と引き換えにロシア兵捕虜を返還する交渉を露側と行っている-と明らかにしていたが、交渉の停滞を示唆した形だ

  製鉄所内にはウクライナ部隊「アゾフ大隊」などに所属する数百人から1000人の兵士らが籠城し、多数が負傷しているとされる。
  一方、ロシアはアゾフ大隊を「ネオナチ」だとして敵視。交渉での退避は認めす、降伏しない限り攻撃を継続するとしている。プーチン露大統領は13日、電話会談したドイツのショルツ首相に「製鉄所から民間人は全て退避した」と述べ、攻撃を正当化した。
  戦況に関し、英国防省は13日、露軍が東部ルガンスク州のドネツ川を渡る作戦に失敗し、少なくとも1個大隊戦術群に相当する戦力を失ったとの分析を公表。主目標とするドンバス地域で露軍は「前進を達成できていないと指摘した。

  ウクライナメディアによると、同国のアンドルシフ内務省顧問は、露軍が電撃的なキエフ制圧を狙った作戦の第1段階、東部で占領地を拡大する第2段階に失敗し、現在は防御線を構築して占領地を維持する「第3段階に入った」と指摘。「ロシアは作戦の長期化を決断した」と分析した。


2022.05.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220513-6TVL6RNJQVI4RPCSUYQMFWJ4RU/
露軍が学校攻撃、3人死亡 1カ月で子供100人犠牲

  ウクライナ軍当局は12日、北部チェルニヒウ州の学校と学生寮ロシア軍が複数のロケット弾を撃ち込み、少なくとも3人が死亡、12人が負傷したと明らかにした。国連児童基金(ユニセフ)のアブディ事務局次長は12日、ウクライナではこの1カ月間で100人近くの子供が犠牲になったとし「実際の数はより多いと考えられる」と指摘した。

  東部ルガンスク州でも7日、避難民が身を寄せていた学校への空爆で約60人が死亡したと伝えられ、民間施設への攻撃に国際的な非難が高まっていた。
  ロシア国防省は12日夜、ウクライナ南部の主要港湾都市オデッサ沖の黒海西部にある戦略的拠点、ズメイヌイ島の上空で、防空システムによりウクライナ軍無人機1機を撃墜し、弾道ミサイル3発を迎撃したと発表した。(共同)


2022.05.13-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/article/20220513-RX324R3XKNIEFNN7BSTUG3TE74/
最新鋭ロシア艦船に新たな損害か ウクライナが炎上と発表

  ウクライナ南部オデッサ州当局は12日、オデッサ沖の黒海海域で、物資輸送や測量を担うロシア海軍の最新鋭の支援艦「フセボロド・ボブロフ」がウクライナ軍の攻撃により炎上したと発表した。ロシア軍はオデッサへのミサイル攻撃を続け、オデッサをめぐる攻防が一層激化している。ウクライナ部隊が籠城する南部マリウポリの製鉄所でも戦闘が続いている

  オデッサ州当局によると、フセボロド・ボブロフはロシアが実効支配する南部クリミア半島の海軍基地に向け曳航された。ウクライナメディアによると、同艦にウクライナ軍の最新対艦巡航ミサイル「ネプチューン」が命中したとの情報もある。

  露軍は黒海に面した要衝オデッサを掌握し、ウクライナを内陸に封じ込めるとともに、隣接するモルドバ国内の親露分離派地域「沿ドニエストル」への回廊を確保する思惑とされる。
  ただ、ウクライナ軍の抵抗は強固で、4月に露黒海艦隊の旗艦「モスクワ」を撃沈。今月上旬には哨戒艇や上陸艇など複数の露艦艇を撃破したと発表した。
  一方、露国防省は12日、オデッサのレーダー施設を破壊したと発表。オデッサ市長は露軍のミサイル攻撃で市内中心部の歴史的建造物、ボロンツォフ宮殿が損傷したと明らかにした。露軍が占領したオデッサ沖のズメイヌイ島周辺でも、島の奪還を目指すウクライナ軍と露軍との戦闘が続いている。

  東部では、マリウポリの製鉄所に籠城するウクライナ部隊「アゾフ大隊」が12日、SNS(交流サイト)上で「露軍の襲撃を撃退した」と発表。一方で「露軍の空爆や砲撃が絶え間なく続いている」とも述べた。
  露国防省は同日、東部ハリコフ州やドネツク州で弾薬庫やレーダーをミサイルで破壊したと主張した。


2022.05.12-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/world/20220512-OYT1T50107/
南部ヘルソン州巡り、親露派勢力はロシア編入要請…ウクライナ軍は「州を解放する」
(1)
  【キーウ(キエフ)=上地洋実】ウクライナ南部ヘルソン州の親露派勢力がロシアへの編入を要請する方針を明らかにしたのに対し、ウクライナ大統領府のミハイロ・ポドリャク顧問は11日、SNSにウクライナ軍はヘルソン州を解放する」と投稿し、これを阻止する構えを強調した。ウクライナ国営通信によると、同州の北部では11日、奪還を目指すウクライナ軍と露軍との間で戦闘が続いた。

  ロシアは同州の全域制圧を宣言している親露派の幹部は11日、「ヘルソンは古くからロシアの領土」だと主張し、年末までにロシアへの編入に必要な法整備を完了すると表明していた。
  ロシアは2014年に併合した南部クリミアとの統合も想定しているとみられ、同州が完全にロシアの支配下に置かれれば、今後の南部での戦況にも大きく影響してくる。ヘルソン市のイーホル・コリハエフ市長は11日、SNSで「市民は(ヘルソン州が)ウクライナの一部だと考えている」と訴えた。軍事的圧力で統合に持ち込もうとするロシアの手法を強く非難した。
(2)
  南東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所では、露軍による突入作戦が続いている。同通信によると、露軍は空爆に加え、戦車や多連装ロケットシステムを使用し、攻勢を強めている。
  ウクライナのイリナ・ベレシュチュク副首相は11日夜、重傷の兵士を製鉄所から退避させる代わりに、捕虜にしている露軍兵士を引き渡す交換条件を露側に提案したと明らかにした。
  一方、ウクライナ軍参謀本部は11日、攻防が続く東部ハルキウ(ハリコフ)郊外で、新たに1集落を奪還したと発表した。ハルキウ周辺ではウクライナ軍が反撃を強め、露軍を国境方面に押し戻しているとみられている。


2022.05.11-産経新聞(KYDOU)-https://www.sankei.com/article/20220511-NJBUDXCAW5JDDHLOR56T4L66RM/
東部ハリコフで4集落奪還 ウクライナ、戦闘続く

  ウクライナ軍は10日、東部ハリコフ州で四つの集落をロシア軍から奪還したと発表した。ロシア軍との激戦が続いている

  南東部の要衝マリウポリでは、ウクライナ側が最後の拠点とするアゾフスターリ製鉄所にロシア軍が攻撃を続けた。抵抗しているウクライナ内務省系の軍事組織アゾフ連隊は10日、手足を失うなどした負傷兵の写真を通信アプリで公開、救助の必要性を訴えた。
  ベレシチューク副首相は10日、製鉄所に千人以上の兵士が残っていると述べた。
 ウクライナメディアによると、ミサイル攻撃が頻発した南部オデッサ州では10日、戦略的に重要な橋が巡航ミサイルで4度目の攻撃を受けた。(共同)


2022.05.11-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/957652ce9ddbb57dccfc5d8f16013a698dbf7434
ウクライナ、東部ハリコフで反攻 ベラルーシが国境に部隊、陽動作戦の可能性

  ロシアによるウクライナ侵攻で、ウクライナ軍参謀本部は10日、東部ハリコフ州で新たに4集落の奪還に成功したと発表した。同国軍は6日にもハリコフ州の複数の集落を露軍から解放したとしており、反攻作戦の前進を示した。一方、露同盟国のベラルーシは同日、ウクライナ国境などに部隊を配備すると発表した。ウクライナ軍を東部に集中させないためのロシアと協調した陽動作戦である可能性がある。

  ウクライナ軍参謀本部は10日、ハリコフ州の集落を奪還したとする一方、露部隊が損害拡大により露西部ベルゴロドに撤退したとの情報を入手したとした。
  ハリコフ方面をめぐっては、ウクライナ軍のザルジニー総司令官が5日、「反攻作戦を開始した」と表明。6日には米シンクタンク「戦争研究所」が露軍は今後数日間で、ハリコフへの砲撃射程外まで押し戻される可能性がある」との分析を公表していた。

  一方、ベラルーシ国防省は10日、北大西洋条約機構(NATO)圏に接する西部と北西部国境に戦術大隊を、ウクライナに接する南部国境に特殊部隊を配備すると発表した。国営ベルタ通信が伝えた。
  同省は、国境付近でのNATO側とウクライナ軍の兵力増強といった「脅威」に対応した措置だと説明。しかし実際は、ウクライナやNATOの注意を分散させるための陽動作戦の可能性がある。
  露国防省は10日、ウクライナ軍の複数の航空機を東部で撃墜し、地上戦力にも損害を与えたと発表。さらにルガンスク州ポパスナを掌握し、露軍部隊が州境に到達したとも主張した。 これに対し、同州のガイダイ知事は、ウクライナ軍はポパスナから撤退したものの後方で防御線を構築したとし、州境に達したとの主張は虚偽だと反論した。


2022.05.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220510-ZT3ESFYIU5OVLKD5NDKL5GQWNM/
露軍、マリウポリ製鉄所の残存部隊掃討へ突入か

  ウクライナ国防省は9日、東部マリウポリでのウクライナ軍が最後の拠点となっている製鉄所に対しロシア軍が突入作戦を行っていると発表した。製鉄所に籠城していた市民の退避が進み、露軍がウクライナ部隊の掃討に乗り出した可能性がある。一方、同日の演説でプーチン露大統領が侵攻の先行きに関し言及しなかったことで、米欧では侵攻のさらなる長期化を予測する声が強まった。

  ウクライナメディアによると、同国国防省は9日、「マリウポリの製鉄所で露軍が火砲や戦車の支援を受け、突入を行っている」と発表。同市の市議もSNS(交流サイト)を通じ「11日に露軍が製鉄所に化学兵器の使用を計画しているとの情報がある」と述べた。
  製鉄所にはこれまでウクライナ部隊や数百人の市民が籠城。しかしウクライナ政府は7日、「女性と子供、高齢者の退避が完了した」と発表していた。
  露軍は残存部隊を掃討し、マリウポリを完全制圧した上で、製鉄所を包囲していた戦力を別の戦線に差し向ける考えとみられるマリウポリを制圧すれば、ロシアは東部の支配地域と併合した南部クリミア半島を陸路で結び、アゾフ海の支配権も確立できる。
  一方、プーチン氏は9日の演説で「戦勝」の早期達成に向けた方策を示さなかった。米欧では、プーチン氏が国民の動員を発表し、損害が拡大している露軍の再増強を図る可能性があるとの観測も出ていた。

  トーマスグリーンフィールド米国連大使は米CNNテレビに「プーチン氏の演説は祝える勝利がないことを示したが、戦争終結の意図も見せなかった。私たちは紛争がなお数カ月続くとみている」と指摘。ウォレス英国防相も「プーチン氏は自分が信じたいものだけを信じている」と述べた。英メディアが伝えた。
  英大学教授の著名軍事評論家、オブライエン氏もツイッターで「プーチン氏が動員を宣言しなかったことは重大だ。戦力を再構築する具体的手段がない限り、露軍は長期間戦えない。露軍の敗北に向けて時計の針が進み始めた」と述べた。


2022.05.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220510-566DJ26CFRMEHO6GX2RUADP5SQ/
南部オデッサめぐり攻防激化 露、上陸阻止と発表

  ロシア国防省は9日夜、ウクライナ南部の主要港湾都市オデッサ沖の黒海に浮かぶズメイヌイ島周辺で多数の航空機を撃墜し、島の奪還を狙ったウクライナ軍の上陸を阻止したと発表した。島はウクライナとルーマニア国境に近い黒海西部に位置する軍事上の重要地点。ウクライナ東部での戦況が膠着する中、軍事面や経済面で重要なオデッサをめぐる攻防が激化しているとみられる。

  ロシア国防省によると、ウクライナ側は7日から島への上陸を空と海から試みた。ロシア側が応戦し、スホイ戦闘機などの飛行機とヘリコプターそれぞれ4機ずつを撃墜。8日夜には海兵隊員を乗せた小型船3隻を破壊し、無人機29機も撃墜したという。
  オデッサはウクライナを代表する港湾があり、穀物の主な積み出し港でもある。9日には欧州連合(EU)のミシェル大統領が訪問した。(共同)


2022.05.08-Yahoo!Japanニュース(TBS NEWS DIG)-https://news.yahoo.co.jp/articles/291152c8b40769c6958d057edbbb484a37bb045f
ウクライナ東部で学校爆撃60人死亡 あす戦勝記念日前に攻撃続く

  9日に迫ったロシアの対ドイツ戦勝記念日を前に各地で攻撃は続いていて、東部ルハンシク州では学校が爆撃を受け、およそ60人が死亡しました。 辺り一面に広がる瓦礫の山。攻撃を受けたのは学校です。

  ウクライナ東部ルハンシク州の知事によりますと、7日、前線付近にある村の学校に爆弾が投下され、およそ60人が死亡しました。学校は村の外に逃げられなかった市民にとって唯一の避難所となっていて、当時およそ90人がいたということです。
  また、南部のオデーサでもミサイルによる攻撃があり、ウクライナ軍によりますと、住宅街にある工場が4発、空港の滑走路が2発、攻撃を受けました。けが人の数などはわかっていません。
  ウクライナ ゼレンスキー大統領 「女性や子どもなど300人以上が救出された。アゾフスタリ製鉄所から市民を避難させた

  一方、ロシア軍に包囲されている南東部マリウポリの製鉄所に残っていた市民について、ゼレンスキー大統領はこのように述べ、「市民の避難を完了させた」と明らかにしました。
  ロシア国防省も7日、子どもを含むあわせて51人が避難したとして「製鉄所からの民間人の避難作戦はきょう完了した」と主張しています。
  こうした中、あす9日、第2次世界大戦の対ドイツ戦勝記念日を迎えるロシアでは、軍事パレードが行われます。1万1000人の兵士や131の兵器のほか、戦後77年に合わせて77機の航空機が参加する予定で、プーチン大統領も冒頭で演説を行う見通しです。
  これまで「ウクライナを非軍事化させる」として侵攻を「特別軍事作戦」と称してきたロシアですが、プーチン氏が「戦争宣言」を行うと言う見方があるほか、何らかの「戦果」をアピールするとの見方など様々な憶測が飛び交っていて、プーチン氏がどのように戦況について語るのか、その発言が注目されます。TBSテレビ


2022.05.06-JIJI COM -https://www.jiji.com/jc/article?k=2022050600965&g=int
マリウポリ退避、時間との闘い 製鉄所の攻撃激化―ロシア艦、また炎上か

  【ロンドン時事】ウクライナ南東部の要衝マリウポリで、ロシア軍は6日、ウクライナ側の最後の拠点となっているアゾフスタル製鉄所に対する攻撃を継続した。製鉄所に取り残された民間人の新たな退避計画も進行しているが、第2次大戦の対ドイツ戦勝記念日に当たる9日を前にロシア軍の攻勢が激化しており、退避は時間との闘いの様相を呈してきた。

  ウクライナのメディアは6日、南部オデッサ沖の黒海でロシア海軍のフリゲート艦にウクライナ軍の対艦ミサイル「ネプチューン」が命中し、炎上していると報じた。真偽は確認されていないが、事実なら黒海艦隊旗艦「モスクワ」の沈没に続き、ロシア軍にとって大きな打撃となりそうだ。
  ウクライナ軍参謀本部は6日、「ロシア軍は空からの支援を受け、製鉄所掌握のための攻撃を再開した」と説明した。英国防省も戦況報告で、ロシアによる製鉄所攻撃が前日に続いて行われていると指摘。こうした攻勢について、プーチン・ロシア大統領が戦勝記念日を控えて「ウクライナでの象徴的成功を望んでいるためだと分析した。
  一方、製鉄所に取り残された民間人の退避も進んでいる。ロイター通信などによると、ウクライナのイェルマーク大統領府長官は6日、「製鉄所の民間人を退避させる新たな計画が進行中だ」と述べた。グテレス国連事務総長も5日、製鉄所からの新たな退避計画が進められていると明らかにした。国連主導の退避が始まって以降、製鉄所やマリウポリの市街地からこれまでに約500人が退避した。
  ただ、退避が安全に行われるかは予断を許さない状況だ。マリウポリ市当局は、製鉄所内で退避活動に関わる車両をロシア軍が対戦車兵器で攻撃し、ウクライナ兵士1人が死亡、6人が負傷したと非難した。


2022.05.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220505-FTBJS6J3O5JXVGWK42YIGJXDYU/
マリウポリから2度目の民間人退避 国連

  【ニューヨーク=平田雄介】国連のルブラニ人道問題調整官は4日、ロシアが侵攻したウクライナの東部マリウポリから民間人を退避させる2度目の活動を行ったとの声明を発表した。周辺都市からの避難者を含め、これまでに市民300人超が南部ザポロジエに逃れ、国連や赤十字国際委員会(ICRC)の支援を受けているという。

  声明によると、4日の退避ではマリウポリや近郊のマンフシュなど計5自治体から市民が退避した。多くは「着の身着のままの状態だ」といい、心のケアも含めて支援していくという。
  国連とICRCが関与する退避作戦は1日にも行われ、マリウポリのアゾフスタリ製鉄所から101人が退避した。ルブラニ氏は4日の声明で「戦闘に巻き込まれた全ての市民が希望の地域へ退避できるよう引き続きロシアやウクライナと協力していく」と述べた。


2022.05.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220504-AQHIZDHURJJUZBLV3B6LVBFRHE/
露、ウクライナの鉄道施設6カ所にミサイル攻撃 装備供与絶つ狙いか

  ウクライナの国営鉄道企業は3日、同国中部や西部で計6カ所の鉄道施設がロシア軍のミサイル攻撃を受けたと発表した。職員や乗客に死者は確認されていないが、インフラが大きく損傷し、列車の運行が乱れたという。ウクライナメディアが伝えた。

  鉄道施設への攻撃をめぐっては、露国防省が先月25日にも、中部と西部の変電所など6カ所をミサイルで破壊したと発表していた。ロシアは、米欧側がウクライナに供与した装備品の輸送ルートに打撃を与える思惑だとみられる。
  また、ウクライナメディアによると、東部ドネツク州当局は、州内のコークス工場が露軍の砲撃を受け、少なくとも10人が死亡、15人が負傷したと発表した。死傷者数はさらに増える恐れがあるという。


2022.05.03-朝日新聞-https://www.asahi.com/articles/ASQ533G3CQ53UHBI00C.html
「ロシアは第2次大戦の教訓忘れた」ゼレンスキー大統領が激しく非難

  ウクライナのゼレンスキー大統領は2日夜のビデオ演説で、ロシアのラブロフ外相が「ヒトラーにはユダヤ人の血が入っている」と発言したことに触れ、「閣僚がこれほど反ユダヤ的な発言をするのは、ロシアが第2次世界大戦の教訓をすべて忘れたからだ」などと激しく非難した。

  ロシアはウクライナ侵攻の理由として、ゼレンスキー政権による「ナチ化」を防ぐためなどと主張。ゼレンスキー氏は自身がユダヤ系であることも挙げて反論してきた。ラブロフ氏はイタリアのテレビ局とのインタビューで「ヒトラーはユダヤ系」と述べ、ユダヤ系のゼレンスキー氏の元でもナチズムは存在しうる、と持論を展開した。
   この発言には、ウクライナ情勢をめぐってロシアに配慮してきたイスラエル政府も強く反発。ベネット首相が非難声明を発表した。


2022.05.03-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220504/k10013592201000.html
【随時更新】ロシア ウクライナに軍事侵攻

  ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交などウクライナ情勢をめぐる5月4日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

マリウポリから101人が避難 30人ほどはとどまる
  マリウポリの製鉄所からの市民の避難を支援した国連の担当者は3日、南東部ザポリージャからオンラインで記者会見し、今回、製鉄所からは女性や幼い子どもを含む101人が避難したことを明らかにしました。
  製鉄所の中にはおよそ2か月にわたって避難していたために歩くことも難しい高齢者がいたほか、当初想定されていたのとは違うルートでの避難を余儀なくされ、避難は困難を極めたということです。
  また、30人ほどが外に出たあとの身の危険を感じ、避難せずに製鉄所の中にとどまることを選んだとしています。
  一方で、「製鉄所はとても広く人々は別々の場所にいたため、何人が残されているのかはわからない」としたうえで、今後について「避難を支援する準備はできている。今回の避難をきっかけに、残された人たちの次の避難につなげたい」と述べ、再びマリウポリを訪れ市民の避難に取り組む考えを示しました。
マリウポリからの避難者「道のり困難だった」
  東部マリウポリのアゾフスターリ製鉄所から避難してきた市民たちの第1陣が、3日、避難先の南東部ザポリージャに到着しました。バスから降りる人たちの中には、荷物を抱えた親子連れが多く見られ、安どの表情を浮かべ、笑顔で手をふる人の姿もありました。
  女性の1人は「ここまでの道のりはとても困難でした。大きく回り道をして、製鉄所を出発してからおよそ3日かかりました」と話しました。そのうえで「人生をゼロからスタートすると言う人がいますが、私はそうしたくありません。できるなら以前の状態に戻りたいですが、それが不可能なことはわかっています。家族とともに新しい人生を歩まなければなりません」と述べ、生活が一変することへの憤りをあらわにしていました。また、別の女性は「毎晩、眠るときに再び目を覚ますことができるのかと考えていました。攻撃で大きく揺れる建物の地下のシェルターにいる恐ろしさはことばでは言い表せません」と、製鉄所の地下での体験を語りました。
仏ロ首脳が電話会談も平行線
  ウクライナ情勢をめぐって、3日、フランスのマクロン大統領がロシアのプーチン大統領とおよそ1か月ぶりに電話会談を行いました。
  フランス大統領府によりますと、会談は2時間余りにわたり、マクロン大統領は、東部マリウポリなどの状況に懸念を示し、ロシア軍が包囲する製鉄所から引き続き市民が避難できるよう、対応を求めたということです。
  そのうえで、軍事侵攻を終わらせ、国連安全保障理事会の常任理事国としての責任を果たすよう、強く訴えたということです。一方ロシア大統領府によりますと、プーチン大統領は、ウクライナ東部ではウクライナ側による攻撃で市民が犠牲になっているにもかかわらず、EU=ヨーロッパ連合の各国がこれを無視していると、主張したということです。
  そのうえで「西側諸国がウクライナへの武器供与を停止することで、残虐行為を阻止できる」と一方的に主張し、改めて欧米各国がウクライナへの武器の供与を止めるよう求めたとしています。
ウクライナ副首相「製鉄所の中にはまだ数百人の市民」
  ウクライナのベレシチュク副首相は、3日、ロシア軍に包囲されている東部マリウポリのアゾフスターリ製鉄所から避難してきた市民が到着した南東部ザポリージャで記者会見し、「ロシアが国連の担当者を立ち会わせなかったので、製鉄所から避難できた人数は、当初の発表よりも少なかった」と述べ、ロシア側が市民やけが人の避難を妨げていると非難しました。そして、「製鉄所の中には、まだ数百人の市民が残っている」と述べ、市民の避難を実現するよう、訴えました。
プーチン大統領 「報復措置についての大統領令」に署名
  ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアのプーチン大統領は3日、「特定の外国や国際機関による非友好的な行動に対する報復措置についての大統領令」に署名し、ロシアの政府機関や企業に、報復の対象となる企業や個人への製品や原材料の輸出を禁止しました。
  大統領令は、具体的な国名などは明らかにしていませんが、ロシアに対する経済制裁などを打ち出した欧米や日本などを念頭にした措置とみられます。
  大統領令は、制裁対象となる企業や個人との新たな契約の締結に加え、これまでの契約義務の履行も禁止するとしていて、ロシア政府が10日以内に制裁対象のリストを作成するとしています。
自衛隊輸送機がポーランドに到着
  ウクライナの避難者を支援するための国連の救援物資を積んだ航空自衛隊の輸送機が3日、ポーランドに到着しました。
  ウクライナ情勢をめぐって日本政府はUNHCR=国連難民高等弁務官事務所の要請を受け、航空自衛隊の輸送機で救援物資を運ぶことを決めました。今月1日に日本を出発した航空自衛隊のC2輸送機は、途中、UAE=アラブ首長国連邦で備蓄されている毛布やビニールシート、それに太陽光で充電できるランタンなどの物資を積み込み、現地時間3日午後4時ごろ、ポーランド南東部、ジェシュフの空港に到着しました。そして、空港の敷地内にある建物の近くに駐機しました。
  政府関係者によりますと、輸送機が運んだ救援物資は空港内の倉庫に保管され、その後、各地へ運ばれるということです。
マリウポリ攻撃 “取り残された人の数は不明”
  ロシア軍がマリウポリの製鉄所への攻撃を再開し市民の避難が中断したことについて、ICRC=赤十字国際委員会のウクライナ代表部のパスカル・フント首席代表は、3日の記者会見で「市民を避難させるためできることはすべてしたが、より多くの人が地獄のような状況から抜けだせることを願っていたので、複雑な心境だ」と述べました。
  そして「どれくらいの人が取り残されているのか、詳細はわからない。われわれは製鉄所のすべての建物に入ることができなかったため、推測することもできない」としたうえで「残された人たちを避難させる準備ができていることを、ロシアとウクライナの双方に伝えている」と述べ、引き続き市民の避難を支援する用意があると強調しました。
マリウポリ アゾフ大隊 “ロシア軍の攻撃で女性2人が死亡”
  東部マリウポリのアゾフスターリ製鉄所でロシア軍と抗戦を続けるウクライナの「アゾフ大隊」の副司令官は3日、SNSのテレグラムに動画を投稿し、「ロシア軍は3日、製鉄所への砲撃を続け、激しい空爆も行った」として、この攻撃で女性2人が死亡し、およそ10人がけがをしたと明らかにしました。
  そして、ロシア軍の攻撃にあらゆる手段で応戦するとする一方、取り残された市民を避難させる行動を直ちにとるべきだと訴えました。
英 ウクライナに490億円相当の追加軍事支援を表明
  ジョンソン首相は、3日、ロシアによる軍事侵攻が始まって以来、外国の首脳としては初めて、ウクライナの議会でオンラインによる演説を行いました。その中でジョンソン首相は、3億ポンド相当、日本円でおよそ490億円相当の追加の軍事支援を表明し、敵の大砲の位置を特定するためのレーダーや、物資を運ぶためのドローンなどが含まれると説明しました。
  また、戦闘が続く地域から市民を避難させたり、公共部門の職員などを守ったりするための車両も提供すると明らかにしました。


2022.05.02-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220502-M4FXOHQWR5LILNNKZ5QKJEHOZU/
製鉄所からの市民退避 籠城部隊殲滅への下準備か

  ロシアによるウクライナ侵攻で、ウクライナ軍部隊や市民約1000人が籠城してきた東部マリウポリの製鉄所からの市民の退避が1日、始まった。食料などの欠乏が伝えられていた中、多数の市民が犠牲となる最悪の事態は避けられる見通しが出てきた。ただ、市民の退避はマリウポリの完全制圧と残存部隊の殲滅(せんめつ)に向けた露軍の下準備である可能性が高く、なお先行きは予断を許さない。

  露国防省は市民の退避を「人道的措置」だと主張。しかしロシアは、製鉄所内に立てこもる市民について、籠城部隊に「人間の盾」として利用されてきた-との立場を取っている。市民の退避が進み次第、露軍が部隊の掃討に動く可能性は排除できない。実際、ウクライナメディアによると、ウクライナ軍は1日、市民の退避後に露軍が製鉄所への砲撃を再開したと発表した。
  ロシアは4月21日、マリウポリの市街地の制圧を宣言。一方でプーチン露大統領は、2000人規模の部隊が地下に籠城する製鉄所への突入作戦を禁じる代わりに、厳重な包囲をショイグ国防相に命じた。その後も露軍は製鉄所への砲撃を継続し、地上施設をほぼ完全に破壊。プーチン氏は突入による兵力の損耗を避ける思惑だとされてきた。
  ただ、残存部隊の大半はマリウポリを本拠とする「アゾフ大隊」に所属している。同大隊は、2014年からウクライナ東部で続く親露派武装勢力とウクライナ軍との紛争の最前線を担い、ロシア側が「親露派住民を虐殺してきたネオナチ」だと一方的に敵視してきた。ロシアが今後、同大隊の投降を認めない可能性すらある。

  アゾフ大隊は露軍によるマリウポリの制圧宣言後も、露軍への反撃を公言してきた。ロシアは製鉄所から市民を退避させた上で、アゾフ大隊を殲滅し、製鉄所を包囲していた部隊を他の戦線に差し向ける方針とみられる。
  一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、部隊を全滅させれば「停戦交渉から撤退する」と表明。マリウポリを巡る両国の駆け引きはなお続く見通しだ。


2022.05.02-Yahoo!Japanニュース(BBC NEWS JAPAN)-https://news.yahoo.co.jp/articles/f2d1a09178074c440893f04c826293366fff6b6a
マリウポリ製鉄所から100人が避難、ウクライナ大統領がツイート

  ウクライナ南東部マリウポリの製鉄所の地下から出られなくなっていた民間人について、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は1日、第1陣として約100人がロシアやウクライナが支配する地域に避難したと明らかにした。

  一方、南部ヘルソンでは通貨をロシアのルーブルにする変更が始まったが、市民らは抵抗しているウクライナ南東部マリウポリの製鉄所の地下から出られなくなっていた民間人について、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は1日、第1陣として約100人がロシアやウクライナが支配する地域に避難したと明らかにした。
  一方、南部ヘルソンでは通貨をロシアのルーブルにする変更が始まったが、市民らは抵抗している。 戦略上の要衝となっているマリウポリのアゾフスタリ製鉄所は、同市を防衛するウクライナ軍の最後の陣地となっている。ロシア軍の激しい爆撃が続く中、兵士らと多数の民間人が数週間、立てこもってきたが、先月30日に民間人の避難が始まった。
  ゼレンスキー大統領は1日、「第1陣の約100人がすでに管理区域に向かっている」とツイート。「明日(2日)、ザポリッジャでみんなと会う。私たちのチームに感謝している!チームは現在、国連と共に、製鉄所からの他の民間人の避難を進めている」と述べた。
  南東部の都市ザポリッジャは、ウクライナが掌握を続けている。 一方、ロシア国防省も、同国が支配しているベジメンヌ村に民間人80人ほどが到着したと明らかにした。避難者に医療や物資を提供しているという。また、ウクライナ支配地域への移動を望む人について、「国連と赤十字国際委員会の代表に引き渡している」と述べた。

■まだ多数が製鉄所に
  国連は、市民を避難させる「安全な通行作戦」が先月30日に始まり、赤十字国際委員会と協力して進めていると発表した。同日朝には避難用の車列が到着したとしたが、作戦の安全が脅かされる恐れがあるとして、行き先や避難人数などは公表しなかった。
  ロイター通信の映像には、製鉄所から出て来た女性や子どもたちが、助けを受けながらがれきの上を歩き、窓のないバスに乗り込む様子が映っている。 生後半年の赤ちゃんを連れた女性は、製鉄所に2カ月間、閉じ込められていたと話した。別の年配の女性は、食料が無くなっていたと述べた。 ウクライナ当局は、製鉄所への砲撃について、ロシア軍が1日に短時間停止した後、再開したとした。
  製鉄所内にはまだ民間人約1000人と、負傷兵500人以上がいるとし、食料や水などの深刻な不足が生じているとしている。
  ロイター通信は同日、ウクライナ国家警備隊のデニス・シュレハ氏の話として、製鉄所の地下室にはまだ、子どもを含め数百人が取り残されており、全員を避難させるには少なくともあと2回は今回のような避難活動が必要だと伝えた。
  ロシアが掌握している地域に避難したナタリア・ウスマノワ氏(37)は、「地下室はもたないと思っていた。ものすごく怖かった」、「かなりの間、太陽を目にしていなかった」と話した。
■ヘルソンでロシア通貨に切り替え
  ロシア軍が占拠した南部の都市ヘルソンでは、1日から同国の通貨ルーブルが導入されることになり、市民らが反発している。 ロシア当局によって失職させられた同市のイホル・コリハイェウ市長は、市内で唯一機能している銀行システムはロシアではなくウクライナのものだとし、ルーブル導入は不可能だと述べた。
  多くの住民は、受け取ったルーブルをウクライナの通貨フリヴニャに両替している。60日間占拠を続けているロシア軍に対する、市民のささやかな抵抗の1つだ。
  ヘルソン市内では現在、ロシアで戦争支持のシンボルとなっている「Z」の文字があちこちで見られ、市庁舎にはロシア国旗が掲げられている。ロシア軍の装甲車が中心部を走り回っている。
  市長によると、住民の約4割が市外に避難している。住民らによると、国内の安全な場所に通じる道路は封鎖されているという。唯一通行できる道路はロシアが併合したクリミアを通るもので、利用する市民はいないという。
  多くの住民らはBBCに、スーパーの棚は空っぽで、わずかな商品の購入にも苦労していると話した。商店、レストラン、事業所が閉鎖しており、経済は部分的に停止しているという。
■米下院議長がキーウ訪問
  米議会下院のナンシー・ペロシ議長が1日、ウクライナの首都キーウを訪れ、ゼレンスキー大統領と会談した。 ペロシ氏は、ウクライナへの支援の継続を約束。「私たちはこの戦いで(ウクライナを)支援している。あなたたちがごろつきに屈するわけにはいかない」と述べた。
  また、ジョー・バイデン米大統領が議会に要求した、ウクライナ支援のための330億ドル(約4.3兆円)の追加予算を、議会として素早く承認すると語った。 ペロシ氏は、議会代表団を率いてキーウを訪れた。ウクライナ側とは、「安全保障、人道支援、経済支援、勝利を収めたときのゆくゆくの再建」を中心に話し合ったと話した。
■その他の動き
 ・ロシア当局は、ウクライナ国境近くのロシア南部ベルゴロドにある国防省の施設で火災が発生したと明らかにした。原因については説明しなかった。
 ・デンマークとスウェーデンは、ロシアの航空機が領空侵犯したとして、それぞれロシア大使を呼び出した。デンマークの外相は「とうてい容認できない」と抗議した。
 ・ウクライナ北東部ハルキウの軍当局は、クトゥゾフカなど周辺の4地区をロシアから奪還したと明らかにした。


2022.05.01-朝日新聞-https://www.asahi.com/articles/ASQ516DX8Q51UHBI01J.html
「人道回廊設置でマリウポリの製鉄所から46人避難」 ロシア国防省

  ロシア国防省は1日、同国軍が数週間にわたり包囲するウクライナ南東部マリウポリの製鉄所「アゾフスターリ」からの市民の避難について、第1陣の25人に加え、第2陣の21人が製鉄所を出たと発表した

  同省は「停戦状態の確立と人道回廊の設置により、2グループの市民が避難した。全員に食料や必要な治療が与えられている」としている。市民がどこに避難したのかは明らかにしていない。



2022.04.30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220430-AH5DNLSIV5NHNHYXXFAR33ANVU/
露国境地帯で爆発相次ぐ ウクライナ軍攻撃か ポーランド、戦車を供与

  ウクライナに隣接するロシア南西部クルスク州と西部ブリャンスク州の知事は29日、ウクライナ側から攻撃を受けたと主張した。国境地帯のロシア側では最近、燃料貯蔵施設などの爆発が相次いで伝えられており、ウクライナ軍がロシアの補給施設を攻撃している可能性がある。一方、ポーランドメディアは同日、同国政府が保有する戦車をウクライナ軍に提供したと報じた。

  クルスク州の知事は同日、SNS(交流サイト)上で「国境地帯の集落が迫撃砲で攻撃され、露軍が反撃の射撃を行った」と発表。ブリャンスク州の知事もSNSを通じ「国境管理施設がウクライナ軍に砲撃された」と述べた。いずれも死傷者はないという。ブリャンスク州では25日にも燃料貯蔵施設で爆発が起きた。
  さらに露南西部ベルゴロド州の知事も27日、弾薬庫が爆発したと発表。同州では3月末から4月上旬にも弾薬庫の爆発や石油関連施設の火災が発生した。

  米シンクタンク「戦争研究所」は27日、ウクライナ軍がドローン(無人機)かミサイルでベルゴロド州などの補給拠点を攻撃しているとの分析を発表した。
  ウクライナ側は露国内への攻撃を否定も肯定もしていない。ただ、同国のポドリャク大統領府長官顧問は27日、「ロシアは戦争のコストを支払っており、今後も増える。それは露国民に侵攻への疑問を生じさせるだろう」と述べ、ウクライナ側の関与を示唆した。
  一方、ポーランドメディアによると、同国はウクライナに旧ソ連設計の戦車T72の引き渡しを開始した。引き渡しは今後、200両以上の規模になる可能性があるという。T72はウクライナを含む旧ソ連諸国が運用し、チェコも既にT72をウクライナに提供している。
  米CNNテレビによると、米政府は29日、民間軍事会社(PMC)に所属しウクライナ国内で露軍と戦っていた元米海兵隊員の男性(22)が戦死したことを確認した。
  露国防省は29日、ウクライナ東部の燃料貯蔵施設や軍事拠点をミサイルや空爆で破壊したと発表した。


2022.04.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220424-JHW7RDFMLNJBDPEHTF55ZRVZHI/
「ヘルソン住民投票なら停戦交渉停止」とウクライナ大統領

  ウクライナ侵攻で、同国のゼレンスキー大統領は23日、記者会見を行い、ロシアが占領した南部ヘルソンで「ヘルソン人民共和国」を設立するための「住民投票」を計画しているとした上で、住民投票を実施した場合は停戦交渉を停止すると述べた。露軍は同日、南部オデッサをミサイル攻撃。ウクライナ側は子供を含む民間人8人が死亡したと発表した。露軍は東部にも激しい攻撃を続けた。

  ゼレンスキー氏は会見で、ロシアがヘルソンをウクライナから「独立」させる住民投票や、東部マリウポリの製鉄所に籠城するウクライナ部隊の掃討に踏み切った場合、「停戦交渉から撤退する」と表明した。同国メディアが伝えた。
  ヘルソンは侵攻開始直後に露軍が占領。3月中旬に地元議員が「ロシアが住民投票を計画している」と告発していた。ウクライナ国防省も今月22日、ロシアが住民投票を準備していると発表。住民投票は4月下旬にも行われる恐れがある。

  ヘルソンはロシアが2014年に併合したウクライナ南部クリミア半島の付け根に位置し、併合前はクリミアに水を供給してきた。併合後、クリミアでは水不足が深刻化。ロシア側は現時点で住民投票に言及していないが、ヘルソンを親露地域として「独立」させ、占領の永続化とクリミアの実効支配の強化を企図している可能性がある。
  23日のオデッサへのミサイル攻撃に関し、ウクライナ側は高層住宅に着弾し、生後3カ月の赤ちゃんを含む8人が死亡、18人が負傷したと発表した。一方、露国防省は、米欧からウクライナに供与された装備品が集積されていた軍事施設への攻撃だと主張した。ドネツク州など東部でも複数のウクライナ軍の弾薬庫や兵器を破壊したとした。


2022.04.23-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220423-DFPGE44TUFPT3LRJPA4EER6LTY/
露軍ブチャで50人を「殺害」 300人疑いの地域も 国連

  【ニューヨーク=平田雄介】国連のバチェレ人権高等弁務官は22日、ロシア軍が侵攻し一時占領したウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊ブチャで、「処刑」するなどの違法な手段で民間人約50人が殺されたと声明で発表した。他の占領地で300人以上の民間人が虐殺された疑惑も調査している。バチェレ氏は「侵攻開始後の2カ月間、国際人道法は投げ捨てられた」と非難した。

  バチェレ氏は、管轄する国連ウクライナ人権監視団(HRMMU)の現地調査の状況を説明した。300人以上が殺害された疑いがあるのは、北部チェルニヒウや東部のハリコフ、スムイなど。露軍が2月下旬から3月初旬に占領した。
  ブチャでは、監視団員が話を聞いたほぼ全ての住民が親族や隣人らの死を語ったという。同氏は「実態を掘り起こすため調査を続ける必要がある」と述べた。
  声明は、露軍が人口密集地や病院、学校、民間施設に対して「無差別攻撃を行った」と明言した。「戦争犯罪」の可能性があり、民間人60人が殺害された今月8日の東部ドネツク州クラマトルスクの駅への攻撃は「象徴的だ」とした。
  病院への攻撃で医療が寸断された影響で、適切な医療を受けられずに死亡した人は少なくとも3000人いると推定。性的暴行の親告は75件あったという。
  露軍は、地方公務員や記者、人権活動家を含む民間人を拘束し、拷問したり食べ物や水を与えなかったりしているという。

  22日発表の国連データによると、殺害された民間人は子供184人を含む2435人。民間人の負傷者は子供286人を含む2946人。バチェレ氏は「軍隊の指揮官は、違反行為をした者が責任を取らされると戦闘員に明確にしなければならない」と訴えている。


2022.04.23-スポーツ報知-https://hochi.news/articles/20220422-OHT1T51289.html?page=1
マリウポリ近郊に大規模集団墓地 ロシア虐殺隠し? 3000~9000人の遺体が埋められている可能性

  米宇宙技術企業マクサー・テクノロジーズは21日、衛星写真を基に、ウクライナ南東部マリウポリ市内から西に約20キロ離れたマングシュ村の道路沿いに、最近大規模な集団墓地が造られたとの分析結果を示した。英米メディアが伝えた。

   墓地の拡張は過去数週間続いており、200以上増加。マリウポリでロシア側に殺害された3000~9000人の遺体が運ばれて埋められている可能性があり、キーウ郊外のブチャで発見されたものよりもかなり大きいものであるとした。同市はこれまで、死者を2万2000人と推計している。
   マリウポリのボイチェンコ市長は英ガーディアン紙に、「ロシアのトラックが港湾都市の通りから死体を集め、戦争犯罪の証拠を隠すために輸送した」と話し、ロシア側を非難。「墓地は、環状道路の左側にあるガソリンスタンドの近くにある。ロシア人は幅30メートルの巨大な塹壕(ざんごう)を掘った」と説明した。
   また、ボイチェンコ氏は市議会の声明で、同墓地を「新しい『バビ・ヤール』だ」と強調。バビ・ヤールとは、第2次世界大戦中にナチスドイツが数万人のユダヤ人市民を大虐殺したキーウ郊外の渓谷で、現在は追悼碑が建てられている。ボイチェンコ氏は「ヒトラーはユダヤ人、ロマ民族、スラブ人を殺害した。現在、プーチンはウクライナ人を殺害している。私たちは大量虐殺を止めるために、できる限りのことをする必要がある」と危機感をあらわにした
   一方、ボイチェンコ氏の顧問であるアンドリュシェンコ氏は自身のフェイスブックで、ロシア側がビニール袋に入れた遺体を衛星写真内に写っている堤防に投棄していると指摘。「マリウポリの悲劇、ロシア人の非人道性」を表しているとし、「戦争犯罪を隠蔽(いんぺい)している証拠だ」と厳しく非難した。


2022.04.22-沖縄タイムス(KYODO)-https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/947219
地下施設大破、死傷者多数 製鉄所籠城の幹部が証言

  「われわれがここにいる限り、マリウポリはウクライナの統制下だ」。アゾフ連隊のパラマル副司令官は、製鉄所に残る部隊がロシア軍の度重なる攻撃を撃退したとして、ロシアの「解放」宣言に反論した。

  しかし、最後のとりでとなった製鉄所は「全ての建物が破壊され」、頑丈なトンネルが張り巡らされた地下施設も地下貫通弾による攻撃で損壊。がれきに閉じ込められた民間人がいるほか、兵士約500人が重傷を負ったが必要な処置を受けられていないという。士気だけで持ちこたえているのが実情のようだ。
  パラマル氏は「52日間の封鎖と戦闘で医薬品が底を突いた。兵士の遺体も埋葬できない」と窮状を訴えた。

  同氏によると、地下施設に避難した民間人はウクライナ軍とは離れた場所で80~100人ごとに集まっている。中には生後3カ月の乳児も。ただ、激しい砲撃で近づけず、崩れたコンクリートで入り口がふさがれた所もあり、全体の人数は把握が難しいという。パラマル氏は民間人が安全に退避できるよう国際機関などの協力を求めた。
  アゾフ連隊は海兵隊や国境警備隊などと共に抵抗を続ける。ロシア側は2千人以上が残っているとみて、包囲を続けつつ投降を求める。パラマル氏は兵士の退避ルートを確保したいとしながらも、「投降はあり得ない」と強調。「ロシアの狙いは破壊と恐怖だ。われわれが倒れれば、この大軍はさらに進撃し、文明世界全体が危険にさらされるだろう」(共同通信)


2022.04.22-Yahoo!Japanニュース(テレNEWS)-https://news.yahoo.co.jp/articles/8ccfc7d035bb72d5683a2aba2ff00b6f362abf84
ウクライナ東部で攻撃激化 “ロシア軍に制圧”された都市の状況は…ルハンシク州知事に聞く

  ロシア軍の攻撃はウクライナ東部で激化し、ウクライナ側も徹底抗戦を続けています。東部ルハンシク州の知事によると、ロシア軍は、すべての戦線で砲撃を行っていて、避難所であっても危険な状況だといいます。ロシア軍に制圧されたルハンシク州の都市クレミンナの状況など、知事に話を聞きました。

◇ ウクライナ第2の都市ハルキウでは20日、ウクライナ軍の兵士がロケット砲を撃っていました。
  東部で激化するロシア軍の攻撃に対し、ウクライナ軍は徹底抗戦を続けています。 ドネツク州で19日に撮影された映像では、バスなどで避難する人たちの姿が見られました。地元警察の警察官はカメラに向かって、「寝たきりの人やケガ人などを警察やボランティアの人が、バスに乗せて移動させています」と説明していました。 避難する人 「周りが燃やされたり、壊されたりが毎日のようにありました。きのう、近所の家が1棟焼け落ち、ガス管が燃えました。私たちは地下から出られませんでした」 ◇ 「news zero」は、日本時間20日夜、東部ルハンシク州のセルギー・ガイダイ知事に話を聞くことができました。
  セルギー・ガイダイ知事 「多くの市民がこの2か月間、電気やガス、水がありません。非常に困難な状況です」 ガイダイ知事が21日に公開したルハンシク州の様子を捉えた映像には、攻撃を受けた建物などが映っていました。ロシア軍はすべての戦線で砲撃を行っていて、避難所であっても危険な状況だといいます。 ガイダイ知事は、2週間ほど前に取材した時には、「このままでは街がなくなる」と訴えていました。
  その後、東部地方でロシア軍の大規模攻撃が開始され、ルハンシク州ではクレミンナが制圧されるなど、攻勢はさらに強まっています。 セルギー・ガイダイ知事 「攻撃の頻度が増えてきて、重大な攻撃が多く、激しくなってきています。2倍から3倍くらい攻撃が多くなりました」 制圧されたクレミンナの状況については
  ―― セルギー・ガイダイ知事 「亡くなった人や負傷者もいます。この数日間、ロシア軍はクレミンナを無差別に砲撃しました。残念ながら破壊されている建物もあります。自分の車で逃げようとした人もいましたが、攻撃にあって亡くなったりもしています。クレミンナと近郊の村には、まだおよそ3500人います。今、避難するのは危ないです」 取り残された人たちのため、制圧される前に約2週間分の支援物資を送ることができたといいますが…。
   ――「2週間分」ということは、そのあとのことはわからない? セルギー・ガイダイ知事 「予測するのは難しいです。なぜなら、全地域が包囲されている状態だからです」
  ――ルハンシク州には今、どれくらいの人が残っている? セルギー・ガイダイ知事 「7万人くらいが残っています」 ルハンシク州全体でも、どれだけの市民が犠牲になっているか把握できていないと話します。 セルギー・ガイダイ知事 「亡くなった方の多くが、埋葬さえできない状況です。(プーチン大統領を)止めなければ、さらに侵攻するでしょう」
◇ ウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊のボロジャンカでは、民間人の虐殺があったとされる同じキーウ近郊のブチャよりも、さらに多くの犠牲者がいるとみられます。
  日本時間21日午後、ボロジャンカには黒焦げになった集合住宅があり、建物があった場所はぽっかり空いた空間になっていました。建物はロシア軍の空爆で崩落し、41人が亡くなりました。建物の基礎部分には隙間があり、そこはシェルターになっていました。当時、多くの住民が避難していましたが、生き埋めになったといいます。
   近くに住んでいる人は、次のように証言します。 ボロジャンカの住民 「83台くらい(ロシア軍の)装甲車がやってきました。 私の孫が、携帯で撮影しようと外へ飛び出したら、1人の兵士が銃撃してきましたが、幸い当たりませんでした」 その後も、攻撃は続いたといい… ボロジャンカの住民 「30回から40回ぐらいです。地面にうつぶせになったり、蔵に隠れたりしました」 最後に「略奪行為も始まって…すべて奪われました」と語りました。 (4月21日放送『news zero』より)


2022.04.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220422-JIY37MSDCVNYJG5MSF3BOD5NVI/
マリウポリで戦闘継続 露、民間人被害を正当化

  ウクライナ侵攻で、同国東部のマリウポリ当局は21日、ロシアによる制圧発表後も市内で戦闘が続いていると明らかにした。一方、露国防省は同日、「マリウポリ解放」と題したウェブサイトを公表。第二次大戦中のナチス・ドイツからの同市の解放と今回の「解放」は同一だとする内容で、多数の民間人犠牲者を出した同市制圧作戦を正当化した。露軍は同日も制圧を目指す東部に激しい攻撃を続けた。

  1カ月半以上にわたり激戦が続いてきたマリウポリをめぐり、ショイグ露国防相は21日、プーチン大統領に制圧を報告。プーチン氏はウクライナ守備隊が籠城する製鉄所への突入中止を命じる一方、製鉄所の包囲継続を命じた。ウクライナ側は「ロシアの本心は自軍の損害回避で、突入中止は人道アピールにすぎない」との見方を示している。
  実際、マリウポリ市当局は21日、SNS(交流サイト)上で「市内で戦闘が続いている」と動画付きで報告。製鉄所への砲撃も続き、「製鉄所内の全員を殺害するまで露軍は攻撃をやめない」と述べた。多数の市民が埋葬されたとみられる集団墓地も確認されたとした。ウクライナ側は同市で民間人2万人以上が死亡したと推計している。
  一方、露国防省が公表した「マリウポリ解放」と題したサイトでは、1943年に旧ソ連軍が同市を解放するまでナチスは住民を虐殺したと指摘。「当時のナチスと、市民を盾にする現在のウクライナ過激派は連続している」と主張した。
  露軍は東部の親露派支配地域と南部クリミア半島の中間に位置する要衝マリウポリを制圧して東部と南部の占領地支配を確実し、今後、東部での前進を本格化させる思惑だとみられる。

  露国防省は21日、東部ルガンスク州ポパスナヤのウクライナ軍部隊などをミサイルで攻撃したと発表。露軍は同市を制圧し、セベロドネツクやスリャビャンスクなど重要都市の掌握に向かう戦略だとされる。
  ウクライナメディアによると、同国政府は21日、東部ドネツク州で過去1日間に42の集落が露軍に占領されたと発表した。


2022.04.19-Yahoo!Japanニュース(読売新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/afd9fc4302e916fbc3f9479e0a1b68ce5fb083ec
ロシア軍、マリウポリ製鉄所に特殊部隊投入か…東部ドンバスに兵力5万人
(1)
  【ワシントン=田島大志】ロシア軍は19日、東部ドンバス地方の全域制圧に向けた攻勢をさらに強めた。東部の戦線は拡大しており、ロシアのウクライナ侵攻作戦は新局面に入った。一方、陥落を目指す南東部マリウポリでは爆撃を継続し、製鉄所を拠点に抵抗するウクライナ軍に改めて投降を迫った。製鉄所に特殊部隊を投入したとの情報もある。

  露国防省は19日、露軍のミサイル・砲兵部隊が、東部や南部の各地で1260の標的を攻撃したと発表した。前日の発表(315か所)の4倍に増えた。東部には高精度ミサイル13発を撃ち込んだとしている。

  タス通信によると、セルゲイ・ラブロフ露外相は19日のインタビューで「軍事作戦が新局面に入った」とし、ドンバス地方「解放」まで作戦を続けると述べた。
  ドンバス地方を構成するドネツク、ルハンスク(ルガンスク)両州では2014年以降、親露派武装集団が一部を実効支配し、ウクライナ軍と交戦。プーチン露政権は侵攻直前の2月21日に親露派支配地域を一方的に国家承認し、ドンバス地方全域の「解放」を侵攻目的に掲げた経緯がある。

  ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は18日夜のビデオ演説で、「ロシア軍は長期間準備してきたドンバスの戦いを開始した」との認識を示し、徹底抗戦を呼びかけた。
  また、オレクシー・ダニロフ国家安全保障国防会議書記も18日、露軍がドンバス地方の制圧地域拡大のため、「ほぼ全域でウクライナ軍の防衛線を突破しようとしている」と語った。
  米国防総省高官は18日、露軍がドンバス地方攻撃のため兵力投入を続け、ここ数日で最大1万人程度を追加配置したとの分析を明らかにした。戦闘用装備を伴う700~1000人の兵士で構成される大隊戦術グループ(BTG)は76に上り、ドンバス地方を中心として5万人規模に達しているとの見方も示した。
  プーチン政権は5月9日の旧ソ連の対独戦勝記念日までの東部制圧を目標にしているとされ、攻撃を急いでいるとの指摘がある。
(2)
  東部ではルハンスク州ポパスナ付近やハルキウ(ハリコフ)州イジューム周辺でも戦闘が起きているとみられるが、ウクライナ軍の激しい抵抗で制圧には時間がかかるとの見方もある。
  一方、露国防省は19日の声明で、マリウポリのウクライナ軍や武装組織「アゾフ大隊」に対し、19日午後4時(日本時間午後10時)までに拠点のアゾフスタリ製鉄所を明け渡し、投降しなければ、排除すると警告した。最後通告は17日に次ぎ2度目だ。「アゾフ大隊」の司令官は18日夜、SNSを通じ、製鉄所で避難生活を送る子どもや女性の様子を収めたとする動画を公開した。徹底抗戦の決意も表明しており、投降の警告には応じないとみられる。


2022.04.19-CNN NEWS japan-https://www.bbc.com/japanese/61145964
ロシア軍、東部ドンバスで本格攻撃を開始 ゼレンスキー氏が演説

  ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は18日夜に公開した演説動画で、ロシア軍が予想どおり、東部ドンバス地方で大規模な攻撃を始めたと説明した。現地当局者も、激しい攻撃にさらされていると報告している。
  ゼレンスキー氏は演説で、「ロシア軍がドンバスでの戦いに乗り出したことを確認している。ロシア軍は長い時間をかけて準備をしていた。ロシア軍の相当の部分が現在、この攻撃に投入されている」と述べた。
  そして、「どれだけ多くのロシア兵がここに投入されようと、私たちは戦う。自衛する」と述べた。
  ゼレンスキー氏の最側近のアンドリー・イェルマク氏は、ドンバス地方への攻撃が始まったことで、今回の戦争は第2段階」に入ったとの見方を示した。同氏はメッセージアプリ「テレグラム」に、「私たちの軍を信じよう、非常に強力だ」と投稿した。
民間人8人が死亡
  ウクライナの安全保障当局も、18日朝にロシアが東部で攻撃を開始したとして、警戒を呼びかけた。
  国家安全保障・国防会議のオレクシー・ダニロフ書記は、「ドネツク、ルハンスク、ハルキウ各州において前線のほぼ全域でロシア軍がウクライナ軍の防衛線を突破しようとしていると述べた
  また、ルハンスク州のクレミンナはロシア軍に占拠されたが、そのほかの地域ではウクライナ軍が持ちこたえているとした。
  ドンバス地方を構成するウクライナ東部2州の知事は同日、民間人計8人の死亡を明らかにした。
  ドネツク州知事はテレグラムへの投稿で、ロシア軍の砲撃によって州内で4人が死亡したと公表。ルハンスク州のセルゲイ・ガイダイ知事も、クレミンナが夜間にロシア軍に陥落され、4人の死者が出たとした。
  ガイダイ知事はフェイスブックに、「地獄だ」、「攻撃が始まった。ここ何週間か話が出ていたものだ」と投稿。ルビズネ、ポパスナの両市で戦闘が「絶えず続いている」とした。
マリウポリの状況
  南東部の要衝マリウポリでは、ロシア軍が完全制圧に向けて攻勢を強めており、アゾフスタリ製鉄所で攻防が繰り広げられているとみられている。
  市議会によると、同製鉄所の地下シェルターには約1000人の民間人が避難している。多くは女性、子ども、高齢者だという。ロシア軍はここに激しい爆撃を仕掛けているという。
  ヴァディム・ボイチェンコ市長は18日、民間人の市民約4万人がロシア国内またはロシアが管理する地域に強制的に移送された」と訴えた。市長はウクライナのテレビ局の取材に、移動を強いられた人数について、「自治体の住民登録を通して確認された」と述べた。
  BBCはこの主張を独自に検証できていない。ロシアは、民間人を攻撃などの対象にしていないとしている。マリウポリにはロシアによる侵攻前、40万人以上が暮らしていた。これまでに14万人以上が市外に避難したとされる。
米国防当局の見方
  マリウポリについて、米国防総省のジョン・カービー報道官は18日、ロシアが「大打撃」を加えているものの、陥落はしていないとの見方を示した。
  カービー氏は、「ドンバス地方と南部、特にマリウポリ市内とその周辺で引き続き、空爆と砲撃の集中が見られる」と説明。攻勢を強めるロシア軍に対し、ウクライナ側は抗戦しているとした
  また、ロシア軍がウクライナ東部で、より大規模であからさまな攻撃の下地を整えているとした。11の部隊が最近、ウクライナ国内に入ったとみられという。ウクライナに展開しているロシア軍はこれで76部隊となり、すべて南部と東部にいるという。
  カービー氏はさらに、アメリカがウクライナに供与するハウイツァー榴弾(りゅうだん)砲について、米兵が近くウクライナ軍に対して訓練を実施すると述べた。同砲はアメリカによる8億ドル規模の軍事支援の一部。
南部でも爆撃
  南部の都市ミコライウでも18日夜、継続的な攻撃と爆撃があった。基幹インフラが深刻な被害を受け、水の確保が懸念されている。
  ウクライナ軍の南方司令部は、ミコライウ市民のため、南部オデーサ(オデッサ)からトラックで水を運ぶ手配がなされているとした。
  ウクライナ国家警備隊のダニエル・サレム氏はBBCに、ミコライウから戻ったばかりだとし、ミコライウの市境やヘルソン近郊で攻撃が激化していると説明。「本当に厳しくなっている」と述べた。サレム氏は元俳優でテレビ司会者。ウクライナ軍については、「苦戦している」が士気は高く、「強い意志」を保っていると話した。


2022.04.18-毎日新聞-https://mainichi.jp/articles/20220418/ddm/005/070/022000c
ウクライナ侵攻 文化財の危機 人類の宝失われぬように

  ロシアによる侵攻が長引くウクライナで、世界遺産をはじめ文化財が損壊の危機にひんしている
  国連教育科学文化機関(ユネスコ)によると、宗教施設や歴史的建造物、美術館や博物館など90以上の文化財が被害を受けたという。第二次大戦中に虐殺されたユダヤ人の追悼施設も含まれる。

  ウクライナには、11世紀初めに建立された首都キーウ(キエフ)の聖ソフィア大聖堂や、西部のリビウ歴史地区など7件の世界遺産がある。戦闘の激化で被害が及ぶことが危惧されている。
  いずれも、ウクライナの人々が大切に守ってきた心のよりどころであり、人類共有の財産だ。
  ユネスコは「ウクライナの文化遺産は歴史の証人にとどまらない。平和を促し、未来につながるものであり、国際社会が守らなければならない」との声明を出した。
  文化財への意図的な軍事攻撃は、国際法違反だ。

  1954年には、紛争時に文化財を保護するためのハーグ条約ができた。第二次大戦中に多くの歴史的建造物が破壊され、美術品が略奪されたことへの反省からだ。締約国にはロシア、ウクライナ両国が名前を連ねている。
  戦時下のウクライナでは、美術館や博物館のスタッフが地下施設など安全な場所に収蔵品を避難させている。建造物には、攻撃対象とならないよう文化財であることを示す標章を掲示している。
  ユネスコも現地の専門家らとの連携を強化し、世界遺産を含む文化財の状況を衛星画像で監視している。
  21世紀に入ってからも、武力紛争によって人類の宝が失われた例は後を絶たない。
  アフガニスタンのイスラム主義組織タリバンは、バーミヤンの石仏を爆破した。シリアでは過激派組織「イスラム国」によって古代ローマ時代のパルミラ遺跡が破壊された
  「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」。ユネスコ憲章は前文でそううたっている。
  戦争という非人道的な行為は、文化をも破壊する。一刻も早く終止符が打たれるよう、国際社会は力を尽くさなければならない。


2022.04.18-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220418/k10013586731000.html
「絶対に降伏しない」ウクライナ準軍事組織「アゾフ大隊」幹部

  ウクライナ東部のマリウポリなどでロシア軍と戦闘を続けているウクライナの準軍事組織「アゾフ大隊」の幹部がNHKのインタビューに応じ、降伏を迫るロシア側に対し「われわれには最新の武器があり、効果的に戦うことができる。絶対に降伏しない」と述べ、徹底抗戦する構えを強調しました。
  「アゾフ大隊」は2014年、ウクライナ東部の親ロシア派の武装勢力と戦うため義勇兵などで結成され、現在はウクライナの準軍事組織の精鋭部隊として、東部の要衝マリウポリなどでロシア軍と激しく戦っています。

  この「アゾフ大隊」の司令官で、首都キーウからマリウポリでの戦闘の指揮をとっているというマキシム・ゾリン氏が17日、NHKのオンラインインタビューに応じました。
  ゾリン氏はマリウポリの戦況について「ロシア軍は1万4000人以上の兵士を集結させ、マリウポリの50%以上を支配している。これに対し、ウクライナ側はアゾフ大隊と海兵隊など合わせて1000人程度が製鉄所を拠点に戦い、そのほかにも重要なインフラを守っている。ロシア軍部隊は30分に1回、攻撃を仕掛け、1時間に1回、空爆を行い、2、3時間に1回、海上の艦艇からミサイルを撃ち込んでくる。こうした状況が1か月以上続いている」と述べ、圧倒的に数的不利な状況での戦いを強いられていると説明しました。
  そして、ロシア側がマリウポリの防衛にあたっている部隊に武装を解除し降伏するよう迫っていることについて「われわれは数の上では劣るが最新の武器があり、効果的に戦うことができる。アゾフ大隊は戦い続け、絶対に降伏しない」と徹底抗戦する構えを強調し、支援のため、キーウ近郊に配置していた部隊をマリウポリに向かわせていることを明らかにしました。
  また、ロシアのプーチン政権が「アゾフ大隊」をネオナチの極右部隊だと主張し、軍事侵攻を正当化する名目としていることについて「ロシアは長年、アゾフ大隊についてうそを広めてきた。今の状況を見ると、『ナチズム』ということばはプーチンに最も当てはまる。私たちはただ、家族や子どもを守りたいだけだ」と反論しました。
  そのうえでゾリン氏は「われわれがウクライナを守れなかったら、この戦争はあした世界のどこで起きてもおかしくない。いま最も必要なのは、各国政府の支援、そして最新の武器だ」と述べ、外交と軍事面でのさらなる支援の必要性を訴えました。


2022.04.18-Yahoo!Japanニュース(読売新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/ebb2260ad168bf9d4da28a588724da768fde87f0
ロシア軍が315か所にミサイル攻撃…親露派の武装集団が東部マリウポリを封鎖
【リビウ(ウクライナ西部)=倉茂由美子、ワシントン=横堀裕也】
(1)
  ロシア国防省は18日、露軍が17日夜から18日にかけ、ウクライナの各地で計315か所をミサイルなどで攻撃したと発表した。西部リビウ州知事によると、リビウでは鉄道関連施設などに4発が撃ち込まれ、7人が死亡した。南東部マリウポリでも陥落を目指す露軍の攻勢が続いている

  露国防省は17日夕、ミサイル・砲撃部隊の標的数を113と発表していた。翌18日の発表で、約3倍となる315に急増した。

  セルゲイ・リャプコフ露外務次官は13日、タス通信を通じ、米国や北大西洋条約機構(NATO)加盟国によるウクライナ全土への武器輸送を「軍事的な標的とみなす」と警告していた。露軍は東部ドンバス地方(ドネツク、ルハンスク両州)の全域制圧に向けた総攻撃の準備を進める中、東部で抵抗するウクライナ軍への武器供与を阻むため、各地で砲撃を強めている。
  リビウ州知事によると、リビウへのミサイル攻撃4発のうち3発は軍の施設を狙ったもので、1発は駅付近の民間施設に着弾した。死者7人に加え、子どもを含む11人が負傷したという。
  東部ハルキウ(ハリコフ)州当局も18日、露軍の砲撃などで24時間のうちに州内で9人が死亡、25人が負傷したと発表。ルハンスク州の知事によると、人口約2万人の町が制圧された。
  マリウポリでは、ウクライナ軍と武装組織「アゾフ大隊」が、投降しなければ全滅させるとしたロシア側の最後通告を拒否し、市南部のアゾフスタリ製鉄所を拠点に抵抗を続けている。
  市議会は18日、SNSで、製鉄所では、子どもを含む民間人1000人以上が退避生活を送っていることを明らかにした。露軍が総攻撃に出れば、民間人の犠牲拡大が懸念される。

  露軍の支援を受ける親露派武装集団は18日、市内への出入りを禁じ、取り残されている約10万人の住民については、通行証発行を通じて市内での移動を規制し始めた。市長顧問によると、住民が親露派かどうかを選別する意図があるという。
(2)
  露側は、従来とは別の市長が「就任した」と一方的に宣言している。製鉄所を巡る攻防が続く一方、完全掌握を待たずに市内を統治下に置く方針とみられる。
  ウクライナのドミトロ・クレバ外相は17日、米CBSニュースに「マリウポリがレッドライン(越えてはならない一線)になるかもしれない」と述べ、露軍の出方次第で停戦協議を打ち切る可能性を示唆した。
  イリナ・ベレシュチュク副首相は18日、マリウポリを含む激戦地からの住民退避を図るための「人道回廊」の実施を、2日連続で断念したと明らかにした。


2022.04.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220418-HIRWFPKUTZI3XDV3KXXC322MUQ/
「マリウポリ降伏せず」とウクライナ首相 ハリコフでは反攻

  ロシアによるウクライナ侵攻で、ウクライナのシュミハリ首相は17日、米ABC放送のインタビューに、露軍が降伏を勧告した東部マリウポリの守備隊について「最後まで戦うだろう」と述べ、降伏勧告に応じないとの見通しを示した。一方、東部ハリコフ州のシネグボフ知事は同日、同州内で反攻作戦が成功していると明らかにした。

  マリウポリをめぐっては露国防省が16日、市街地を制圧したと主張。アゾフスタリ製鉄所で籠城している守備隊に降伏を勧告し、応じない場合は「命は保証しない」と警告していた。
  ABCによると、シュミハリ氏は「守備隊は残っており、マリウポリは陥落していない」と強調。守備隊は降伏しないとも述べた。
  米誌タイムの記者も、接触に成功した守備隊員が「降伏は選択肢にない」と話した、とツイッターで明らかにした。守備隊員は多数の露軍をマリウポリに引き付け、他の都市の住民が救出される機会をつくり出せたことに達成感を示したという。
  一方、ハリコフ州知事のシネグボフ氏は17日、SNS(交流サイト)を通じ、「反攻作戦の結果、複数の集落を奪還した」と発表。露軍を東方向に後退させているとも明らかにした。
  北部から撤退した露軍は現在、主要目標とする東部に兵力を移動させており、今後、東部で戦闘のさらなる激化が予想されている。
  露国防省は同日、ハリコフ州と東部ドネツク州の燃料貯蔵施設と弾薬庫をミサイル攻撃で破壊したと発表した。


2022.04.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220417-WQYKQQLAS5I3NNQ7OHP6MXFCUE/
露「マリウポリ市街地制圧」 ウクライナ側は否定

  ロシアによるウクライナ侵攻で、露国防省は17日までに東部マリウポリの市街地全域を制圧したと主張した。市内で未制圧なのはウクライナ守備隊が拠点とするアゾフスタリ製鉄所だけだとし、守備隊に投降を呼びかけた。ウクライナ側はロシア側の主張を否定。ただ、米欧側でも同市の陥落は目前だとの見方が強く、約1カ月半にわたり続いてきたマリウポリ攻防戦は最終局面を迎えつつある。

  露国防省は17日、北部キーウ(キエフ)州ブロバルイの弾薬工場をミサイル攻撃で破壊したと発表。16日もウクライナ東部を中心にミサイル攻撃を継続し、複数の弾薬庫などを破壊したほか、南部オデッサ周辺では米欧から供与された装備の運搬を担ってきたウクライナ軍輸送機を対空ミサイルで撃墜したと主張した。
  マリウポリについて露国防省は16日、「市街地からウクライナ守備隊を完全に掃討した」と主張。残存守備隊が籠城するアゾフスタリ製鉄所も露軍が完全に包囲しているとし、当初8000人規模だった守備隊は2500人以下まで減少したと指摘。同省は17日、守備隊に午後1時(日本時間同7時)までに投降するよう求めたが、期限までに投降の動きは伝えられていない。同省報道官は、守備隊に「さらに抵抗を続ければ全滅させる」と警告した。
  露国防省の発表に対しウクライナ当局は16日、SNS(交流サイト)で「虚偽だ」と反論。露側の投降要求に対し、ウクライナのゼレンスキー大統領は「部隊が全滅すれば交渉に終止符を打つ」と述べ拒否。停戦交渉中断の構えも示した。

  ただ、守備隊は補給を受けられず孤立。米シンクタンク「戦争研究所」は露軍が近く同市を制圧する可能性があると分析している。
  マリウポリは露軍が約1カ月半にわたって包囲し、激しいミサイル攻撃や砲撃を加えてきた。ウクライナ側は2万人を超す民間人が犠牲になっていると推計している。ロシアは同市を陥落させ、「独立」を承認した東部の親露派武装勢力の実効支配地域と、2014年に一方的に併合した南部クリミア半島を陸路で結ぶ思惑だとされる。
  東部攻略に注力するロシアにとり、マリウポリ掌握は「戦勝」をアピールできる一定の成果ともなり、各国の専門家は攻防の帰趨(きすう)を注視している


2022.04.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220416-LKSIVBZGDFILHNMJZPXAIP2T3A/
露、巡洋艦沈没への報復攻撃を激化 ミサイル工場を破壊

  ロシア国防省は15日、ウクライナ北部キーウ(キエフ)州の軍需工場を同日未明にミサイル攻撃で破壊したと発表した。ウクライナ軍事企業体「ウクロボロンプロム」は同日、攻撃を受けた工場が、露黒海艦隊旗艦の巡洋艦モスクワを攻撃した最新鋭対艦ミサイル「ネプチューン」の生産に携わっていたと明らかにした上で、工場への攻撃は巡洋艦が沈没した直後に実行された、と指摘した。ウクライナのメディアは、工場への攻撃は巡洋艦を沈められたことに対する報復だと報じた。

  また、同企業体は「工場を頻繁に攻撃されても、ウクライナには戦う方法がある」とし、防衛産業は健在だと強調した。
  露国防省は15日、東部ハリコフやドネツク、南部ミコライフ、オデッサなど各地にミサイル攻撃を行い、装備や弾薬庫などを破壊したとしている。ハリコフ当局によると、同日の露軍の攻撃で生後7カ月の幼児を含む10人が死亡。ミコライフ当局も露軍の攻撃で5人が死亡したと発表した。
  ウクライナ軍は同日、激戦が続く東部マリウポリで、露軍が侵攻開始以降初となる戦略爆撃機による空爆を行ったと発表した。


2022.04.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220414-3HYPZXV3FBPFXOMIWNHFG4HCDI/
露国防省「キーウ再攻撃も」 東部では空爆激化 バルト3国、ポーランド首脳がウクライナ訪問

  ロシア国防省のコナシェンコフ報道官は13日、ウクライナ侵攻をめぐり、首都キーウ(キエフ)への再攻撃の可能性に言及した。露軍は先月末、キーウ周辺の軍事作戦を大幅縮小すると表明。東部の制圧に向け兵力を集中させているが、首都を含む戦線の再拡大を示唆した。東部では同日、露軍によるミサイル攻撃などが続いた。

  インタファクス通信によると、コナシェンコフ氏は「ウクライナ軍が露領内への攻撃」を繰り返し試みているとし、そのような事態が続けば「キーウを含めた」ウクライナ政府施設が所在する地域への攻撃も辞さないと発言した。ウクライナ側を恫喝(どうかつ)しつつ、露軍が攻勢を仕掛ける東部の防衛に注力させない狙いも伺える。
  露軍は東部で激しい攻撃を続けている。ロイター通信によると、東部ハリコフ州の知事は13日、同州内で露軍が前日から50回以上のミサイル攻撃などを実施し、子供が含む29人が死傷したと発言した。ウクライナ軍は露軍がハリコフ州のほか、南部ザポロジエ州でもミサイル攻撃を継続していると指摘した。
  ウクライナのゼレンスキー大統領は13日、エストニア議会で行われたビデオ演説で、露軍が非人道的とされる「白リン弾」を使用したと指摘した。

  エストニアなどバルト3国とポーランドの大統領は同日、キーウを訪問してゼレンスキー大統領と会談した。4カ国の大統領はキーウ近郊で多数の民間人が虐殺された現場も訪問し、ポーランドのドゥダ大統領は「これは戦争ではなく、テロだ」と述べて露側を強く非難した


2022.04.12-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220412-RSQGRQQYAJKXHJSCPLSQD43NCQ/
露軍、マリウポリ制圧迫る 東部本格攻撃「準備整った」

  ウクライナ東部の要衝マリウポリの制圧に向け、ロシア軍が攻勢をかけている。ウクライナ軍側は同市の製鉄所構内などに追い詰められているもようだ。マリウポリが陥落すれば、ロシアは併合した南部クリミア半島と東部の親ロシア派支配地域を結ぶ回廊を構築でき、東部の残る地域への大規模攻撃の拠点となりうる。ウクライナ当局は露軍が東部への攻撃態勢をほぼ整えたとの見方も示した。

  マリウポリは露軍により1カ月以上包囲され、空爆など激しい攻撃を受けて街のほぼ全域が破壊された。市内に残る約10万人とみられる住民は脱出もままならず、食料や水、医薬品もない状態に置かれている。ボイチェンコ市長は11日、民間人1万人以上がすでに死亡し、死者数は2万人を超える恐れがあるとAP通信に語った。

  ウクライナ軍兵士らは市内の製鉄所や工場に立てこもっているとみられる。露メディアによれば、親露派武装勢力の幹部は製鉄所で3千~4千人が抵抗しているとして、「出入り口をふさぎ、化学部隊の手であぶりだせばいい」と語った。化学兵器使用の意図を示唆したような発言に、ウクライナのゼレンスキー大統領は「最大限深刻に受け止めている」と表明した。

  マリウポリでは11日、露軍がドローン(無人機)から化学物質を投下したとの報告もあった。米国務省のプライス報道官は同日、米CNNテレビで「(化学兵器使用を)現時点で確認していない」と述べた。
  露軍がマリウポリを制圧すれば、東部ドネツク州の南部が完全に露側の支配下に入り、露軍は同州北西部への攻撃にも集中できる。ウクライナ側は鉄や石炭などの主要輸出港を失うほか、アゾフ海への出口も奪われることになる。

  ロイター通信によると、ウクライナ国防省報道官は11日、露軍がドネツク、ルガンスク両州で総攻撃を行う態勢をほぼ整えたとし、「間もなく本格的な戦闘が開始される」との見通しを示した。
  一方、ロシアのプーチン大統領は12日、ウクライナ侵攻の主要目標は東部地域の住民の保護であり、これは「高尚」なものだと主張。「(達成に)いかなる疑いもない」とも述べ、両州の制圧への自信を強調した。タス通信が伝えた。


2022.04.12-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20220412-762ZLD4BUZL4HDMKA46XE26PTQ/
露軍、マリウポリ制圧へ攻勢 南東部要衝、大統領「死者数万人」

  ウクライナに侵攻したロシア軍は11日、南東部最大の要衝マリウポリの制圧に向け攻勢をかけた。ウクライナ側が抵抗を続けていた2カ所のうち港湾地区は既に制圧され、アゾフ海に面する広大な製鉄所の敷地内で作戦が続いている。マリウポリが陥落すれば東部ドネツク州の南部は完全にロシアの支配下に入り、ロシア軍は同州北西部への攻撃に全力を傾けるとみられる。

  ウクライナのゼレンスキー大統領は11日に韓国国会に向けて行ったオンライン演説で、マリウポリについて少なくとも数万人が殺害された」と述べ、甚大な民間人被害に言及した。
  ロシア国防省は11日、同州の最大都市ドネツクの北方にあるウクライナ部隊の地域司令部を極超音速ミサイル「キンジャル」で破壊したと発表。一時は首都キーウ(キエフ)周辺に迫っていた部隊を撤退させ、代わりにドネツク州全体を含む東部地域の制圧を視野に攻撃を続けた。(共同)


2022.04.09-WOW !Korea-https://s.wowkorea.jp/news/read/343081/
ロシア軍、汽車駅の避難民に「クラスター爆弾」攻撃…子供など50人が死亡=韓国報道

  ウクライナの東部ドンバス地域のある汽車駅がミサイル攻撃を受け、少なくとも50人が死亡し300人以上の負傷者が発生した。
  8日(現地時間)、ウクライナ政府と国営鉄道会社はロシア軍が放ったトーチカU短距離弾道ミサイルがドネツク州北部都市クラマトルスクの汽車駅を攻撃し、これにより現在まで少なくとも50人が死亡し300余人が負傷したと発表した。また「死者の中には、子ども5人も含まれている」とAFP通信は伝えた。

  ウクライナ側は「ロシアはこの日の攻撃に、大量殺傷武器である “クラスター爆弾”を使用した」と主張した。
  クラスター爆弾は、一つの爆弾の中に数百の小さな爆弾が入っていて、広い地域で多数の人命を殺傷することができる武器である。
  「非人道的武器だ」という共感の下、2008年には100か国以上がクラスター爆弾の使用禁止に同意している。しかしロシアはここに参加していない。ウクライナ政府はこのことに対し「ロシアは意図的に民間人の密集施設を攻撃した」と強く糾弾した。
  ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は「攻撃当時、汽車駅の周辺にはウクライナ軍はいなかった」とし「ロシアが無差別に民間人を攻撃している」と非難した。つづけて「彼ら(ロシア軍)が行なう “悪”には限りがない。これを処罰しなければ、彼らはやめることはないだろう」と国際社会に警告した。
  一方、ロシアは「今回のことは、ウクライナ政府が行なった “自作自演”だ」と反発している。


2022.04.09-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220409-NA5GD5SCMJLPJOMFVCPILB66FU/
駅攻撃は短距離弾道ミサイル 米分析

  【ワシントン=渡辺浩生】米国防総省高官は8日、ウクライナ東部クラマトルスクの駅に着弾して多数の民間人が死亡した攻撃について、ロシア軍が短距離弾道ミサイルSS21を使用したとの分析を示した。高官は民間人攻撃を否定するロシアを「容認できない」と非難。同駅攻撃の意図は不明としつつ、ウクライナ軍と露軍が激しく戦う東部地方の戦線に比較的近く、鉄道輸送の拠点という戦略的位置にあるとの見方を示した。

  高官は、首都キーウ周辺から撤退し国境近くのベラルーシやロシア西部で補給を受ける露地上軍について各部隊の損耗が激しく、兵員と装備の補充に時間がかかっていると指摘。露軍が集中するウクライナ東部地方にすぐに再投入するのは難しいとの見方を示した。
  露地上軍の戦闘単位である大隊戦術グループ(BTG)は600~800人の兵士で構成されるが、高官によると、兵力が約3割まで落ち込んだBTGもある。BTGの集約や予備役の動員に加え、6万人以上の徴兵を計画しているとの分析を示した。


2022.04.08-Yahoo!Japanニュース(JIJI com)-https://news.yahoo.co.jp/articles/5ef029addcfa57a7e7c991391511b6dd9e4aa270
駅にミサイル、避難民ら50人死亡 ウクライナ大統領が非難 ロシアまた「戦争犯罪」か

  【ロンドン時事】ウクライナ当局は8日、東部ドネツク州クラマトルスクの鉄道駅が弾道ミサイルで攻撃され、避難民ら50人が死亡したと発表した。

   うち5人が子供で、犠牲者はさらに増える恐れがある。負傷者は98人。当時、駅は避難を待つ約4000人で混み合い、女性や子供が大半だったという。
   クラマトルスクは政府軍が支配している。ゼレンスキー大統領は、ロシア軍について「戦場で戦う勇気がなく、民間人を殺している。これは際限のない悪であり、罰することなしには止められない」と非難した。首都キーウ(キエフ)近郊ブチャなどで多数の遺体が見つかる中、度重なる「戦争犯罪」への厳しい対応を訴えた。
   欧米各国も一斉に非難し、トラス英外相はツイッターで「民間人を狙うのは戦争犯罪だ」としてロシアを指弾した。
   一方、ロシアのペスコフ大統領報道官は7日、英スカイニューズのインタビューで「(ロシア)部隊は重大な損失を被った。われわれにとって巨大な悲劇だ」と述べ、侵攻開始以来、ロシア軍に大きな被害が生じていることを認めた。「今後数日のうちに作戦の目標が達成されるだろう」とも強調し、東部や南部の制圧に向け、近く本格攻勢に入ることを示唆した。 


2022.04.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220408-2H6NZY74URI3LPAWIH2MNKXN6E/
ゼレンスキー氏「犠牲者はブチャ以上」 ボロジャンカ 26人死亡、200人超行方不明

  ロシアのウクライナ侵攻で、同国のゼレンスキー大統領は7日、露軍から解放された首都キーウ(キエフ)近郊ボロジャンカについて「露軍による犠牲者はより多い」と述べ、露軍の戦争犯罪が判明したキーウ近郊ブチャなどよりも犠牲者が多数に上るとの認識を示したボロジャンカでは同日までに倒壊した住居のがれきの下などから市民26人の遺体が見つかっているが、なお多数が生き埋めになっているとみられる。

  ボロジャンカは今月、露軍を撤退させたウクライナ軍が奪還。同国のベネディクトワ検事総長や内務省のゲラシチェンコ顧問の7日の発表によると、露軍の空爆などで倒壊した住居のがれきの撤去作業が進められており、これまでに市民26人の遺体を発見したが、なお200人以上が行方不明となっている。露軍による女性の殺害や性的暴行も確認されている。
  ウクライナメディアによると、ゼレンスキー氏は7日のビデオ声明で、ブチャやイルピン、ホストメリなど露軍から解放されたキーウ近郊の各都市よりも「ボロジャンカの方が犠牲者は多い」と指摘。その上で、露軍に包囲され、市民の犠牲者が少なくとも数千人に上ると指摘されている東部マリウポリについて、「露軍のさらなる残虐行為や戦争犯罪を今後、世界は知ることになる」と述べた。
  キーウ近郊の各都市からはこれまでに410人以上の遺体が搬出されている。

  露軍はウクライナ第2の都市ハリコフやイジュム、マリウポリなど東部の各都市への攻撃を継続。7日の発表によると、ハリコフでは前日から7日にかけて48回の砲撃を受け、市民3人が死亡した。南部の湾口都市オデッサの市当局も7日深夜(日本時間8日早朝)、露海軍によるミサイル攻撃を受けたと発表した。


2022.04.07-東京新聞-https://www.tokyo-np.co.jp/article/170412
ハリコフで48回の集中攻撃 ロシア軍、東部に攻撃強める 米英などとの安保枠組み会合が近く開催の見通し

  ロシア軍の侵攻を受けているウクライナ東部ハリコフの軍当局者は7日、同日までの24時間にロシア軍がミサイルなど48回の集中攻撃を行ったと発表した。
  ロシア軍はキーウ(キエフ)州などから撤退した部隊を東部に集中させているとみられる。一方、ゼレンスキー大統領は7日、停戦交渉で提案していた自国の安全を保障する国際枠組みに関し、会合が近く開催されるとの見通しを明らかにした。

  ベレシチューク副首相は6日、東部ドンバス地域全域で危険が差し迫っているとして、民間人に対し他地域に避難するよう勧告した。ドンバス地域のうちルガンスク州当局は、ロシア軍が3、4日以内に攻撃を仕掛けると分析した。
  ウクライナ軍は2日にキーウ州や北部チェルニヒウの奪還を発表したが、米国の国防当局も6日、この地域からのロシア軍の完全撤退を確認したと明らかにした。首都キーウで犠牲となった市民は、これまでに89人。市当局はロシア軍が再び侵攻する恐れもあるとみて、退避した市民に対し、当面は帰還を思いとどまるよう呼び掛けている。
  一方、ロシア軍が包囲を続ける南東部の港湾都市マリウポリの市当局は6日、ロシア軍による空爆で小児病院にいた約50人が犠牲になったと主張した。マリウポリではロシア軍の妨害で支援物資の搬入も途絶え、既に5000人超の市民が死亡したとされる。
  ゼレンスキー氏は、ウクライナの安全を国連安保理常任理事国や欧米諸国が担保する枠組みの呼び掛けに対し、米英独仏とトルコ、ポーランド、イスラエルが準備会合に参加する意思を示していると明かした。ロシアについては呼び掛けに応じず、参加しないとの見通しを示した。

  3月の停戦交渉でウクライナは、ロシアが求める「北大西洋条約機構(NATO)への加盟断念」をのむ条件として、安保理常任理事国や欧州諸国で「集団的自衛権」を定めた条約を結ぶ案を提唱していた。


2022.04.07-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/5d4b9af7f4841e3896cfd4e5e76bdcd0c79cfd3f
ウクライナ副首相 東部住民に「即時避難を」 露大統領 ブチャ虐殺は「挑発」

  ウクライナのベレシチュク副首相は6日までに、同国東部のルガンスク、ドネツク両州の住民に対し移動が可能なうちに至急避難を開始してほしい」と呼びかけた。クライナメディアが報じた。首都キーウ(キエフ)周辺に展開していたロシア軍はウクライナ東部への移動を進めており、近く本格的な攻撃に参加するとみられている。
  ベレシチュク氏は、露軍の攻撃が激化した後では手遅れになる」との見方を示した。 東部の各地では露軍による攻撃が続いており、ウクライナの鉄道当局は6日、東部の駅に3発のミサイルが撃ち込まれ、多数の死傷者が出たと発表した

  ルガンスク州でも州当局が拠点としていたシエビエロドネツクへの攻撃があり、複数のビルで火災が発生した。 露国防省は6日、東部ハリコフ州の燃料施設やドネツク州のウクライナ軍拠点などにミサイル攻撃を行ったと発表した。
  南部マリウポリの港では5日、外国籍の貨物船が露軍のミサイル攻撃を受けた。 ウクライナのキーウ近郊ブチャで多数の民間人が露軍に殺害されたことに国際社会の非難が強まる中、ロシア側は、一連の情報はウクライナ側の策略と反論している
  露大統領府の発表によると、プーチン大統領は5日、ハンガリーのオルバン首相との電話会談で、「(ブチャでの民間人殺害は)ウクライナ政府の挑発」との見方を示した。 インタファクス通信によると、露外務省のザハロワ報道官は6日、ブチャでの民間人虐殺を「犯罪的なフェイク」と述べ、欧米諸国が「対露制裁を行う口実にする狙いで用意された」と主張した


2022.04.06-Yahoo!Japanニュース(KYODO)-https://news.yahoo.co.jp/articles/5546f9e60ed719322d0fe0c0f487e86b8b89fde2
チェコ、ウクライナに戦車提供 歩兵戦闘車も

  【ワルシャワ共同】ロイター通信によると、北大西洋条約機構(NATO)加盟国チェコウクライナに対し、旧ソ連が開発したT72戦車と歩兵戦闘車を提供した。チェコ国防筋が6日までに明らかにした。戦車などの提供はNATO諸国が合意していた。
   米紙ニューヨーク・タイムズは1日、バイデン米政権が同盟国からウクライナへの旧ソ連製戦車の供与を支援すると報じた。ウクライナ軍はソ連製戦車の使い方を把握しており、ゼレンスキー大統領が要請していた。
   チェコ国防省報道官は2月24日のロシアの侵攻以降、ウクライナに約10億チェコ・コルナ(約55億円)相当の軍事援助を行ったと述べた。


2022.04.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220406-CAH6ERDEVZPNVO74RZTCMGNA3A/
ブチャ以外でも民間人虐殺か ウクライナ人権担当者が発表

  ウクライナ最高会議(議会)の人権担当者デニソワ氏は5日、キーウ(キエフ)州内でロシア軍が拠点として利用していたキャンプ場で、5人の男性が後ろ手に縛られた状態で殺害されていたとフェイスブック上で発表した。4人は後頭部や胸を撃たれて殺害され、1人は頭蓋骨を強打されて骨折していた。

  ウクライナメディアによるとデニソワ氏は、キーウ近郊イルピンで、性的暴行や拷問を受けたとみられる10歳以下の子供が殺害されていたことも明らかにした。東部スムイ州でも露軍の駐留地域で3人の民間人が拷問を受け殺害されていたのが発見されたという。
  ウクライナのベネディクトワ検事総長は、約5000件の露軍の戦争犯罪の調査を開始したと表明した。ウクライナの情報当局は、キーウ近郊ブチャで民間人殺害に関わった露軍の部隊が近日中に、ウクライナ東部のハリコフ周辺での戦闘に投入されるとの見通しを示した


2022.04.03-BBC News Japan-https://www.bbc.com/japanese/60971033
ウクライナの路上に残される数々の遺体、ロシア後退後の首都郊外ブチャで

  ロシア軍が軍事侵攻を続けるウクライナの首都キーウ(ロシア語でキエフ)から北西近郊にあるブチャで1日、ロシア軍が後退した後の路上に、複数の遺体が残されていることが明らかになった。市内にはロシア軍に殺害された約280人を埋葬した集団埋葬地もあるという。

  ロシア軍後退後のブチャに入ったAFP通信記者は、路上で少なくとも20人の遺体を発見したという。そのうち少なくとも1人の男性は、両手を後ろに縛られていた
  キーウから約24キロ北西のブチャに入ったロイター通信のカメラマンも、路上に点在する複数の遺体や大破した車両、砲撃で大きな穴の開いた集合住宅などの様子を撮影している。
  ウクライナ軍は数日前にブチャを奪還。現地は、激しい破壊の様子が見て取れる。ブチャとは別に、BBCのジェレミー・ボウエン中東編集長と取材チームはキーウ西郊の高速道路で、ロシア軍に殺害されたとみられる13人の遺体を発見。そのうち2人はかつて殺害の様子がドローン映像に捉えられていた民間人の夫妻で、他の犠牲者の一部はウクライナ兵だった可能性がある

  2月24日に始まったロシアの軍事侵攻に、ウクライナ軍は徹底抗戦を続けている。ウクライナから少なくとも400万人が避難する中、西側はロシアに厳しい経済制裁を科し、軍事援助も供与している。
  ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、かつてソヴィエト連邦の一部だったウクライナが北大西洋条約機構(NATO)や欧州連合(EU)加盟を目指しているのは、ロシアにとって常態的な脅威で、そのためロシアは「安全を実感しながら発展も存在もできない」と、ウクライナ攻撃を正当化している。
  ロシア軍は軍事侵攻開始から首都キーウに迫り、近郊を制圧していた。しかし3月末になるとロシア軍はキーウ近郊から後退を開始。一部のウクライナ当局者は2日までに、首都周辺の全域をウクライナ軍が奪還したと述べている

  ロシア軍が後にしたブチャで、AFP通信の記者が目視した20人の遺体のうち16人は、歩道や緑地のそばに倒れていた。3人は通りの真ん中に横たわり、1人は破壊された民家の中庭で横向きに倒れていた。白い布で両手を後ろ手に縛られ倒れていた人の隣には、ウクライナのパスポートが開いて地面に置かれていた。ほかに2人が上腕部に白い布を縛り付けられていた。


2022.04.03-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220403/k10013565901000.html
ウクライナ“キーウ州全域奪還” ロシア 来月勝利宣言意向か

  ウクライナ政府は、首都を含むキーウ州の全域をロシア軍から奪還したと強調するなど、ウクライナ側は、反撃を強めているとみられます。
  一方、ロシアのプーチン大統領は、戦略を見直してウクライナ東部の掌握を成果とすることで、来月上旬にも国民向けに「勝利した」とアピールしたい意向とも伝えられ、東部での戦闘がいっそう激しくなるとみられています。

  ロシア国防省は3日、ウクライナ南部の黒海に面する港湾都市、オデーサ、ロシア語でオデッサ近郊の製油所や燃料施設をミサイルで破壊したと発表するなど、東部や南部を中心にミサイルや空爆での攻撃を続けています。
  一方、首都キーウ・ロシア語でキエフの周辺地域について、ウクライナのマリャル国防次官は2日、自身のフェイスブックでキーウ州全域をロシア軍から奪還したと強調しました。
  こうした中、アメリカのCNNテレビは3日までに、複数のアメリカ政府当局者の話として、ロシア軍が苦戦を強いられる中、プーチン大統領はロシア国内向けに「勝利した」とアピールする必要性に迫られ、戦略を見直して東部の掌握を成果とすることに焦点を当てているとみられると伝えました。

  その時期は、旧ソビエトが第2次世界大戦でナチス・ドイツに勝利した来月9日の「戦勝記念日」が考えられ、例年、首都モスクワで軍事パレードを開くなど、愛国心を高める重要な行事であることから、この場で「勝利宣言」を行いたい意向とみられるということです。

  ウクライナの国家安全保障・国防会議のダニロフ書記も今月1日、プーチン大統領の思惑について同じような認識を示していますが、いったん国民向けに成果をアピールするだけで、実際には戦闘は長期化するという見方も出ています
  一方、停戦交渉について、ロシア代表団トップ、メジンスキー大統領補佐官は3日、交渉が4日も継続すると明らかにしましたが、「合意文書の草案の作成は大きく遅れている」とするなど双方の主張の隔たりは依然埋まっていないという認識を示しています。
  ロシアとしては、東部でどこまで戦況を有利に進められるか注視しながら、交渉にどのように臨むのか見極めるものとみられます。


2022.04.02-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220402-4DJ4CTA7MBKVHIH7KX3CA2FYGY/
マリウポリから3000人退避 ウクライナ、露本土空爆を否定 停戦交渉進展なし

  ロシアによるウクライナ侵攻で、激戦が続く東部マリウポリで1日、民間人を退避させる「人道回廊」が設置され、ウクライナ政府によると、市民約3000人が退避した。露西部ベルゴロド州の燃料貯蔵施設で同日発生した大規模な火災について、ロシア側はウクライナ軍による空爆を主張したが、ウクライナは否定した。オンライン形式で実施された停戦交渉は具体的進展はなかったもようだ。

  マリウポリではなお市民約10万人が水や食料なしで取り残されているが、人道回廊はこれまで露軍の妨害などで十分には機能してこなかった。この日も退避に成功したのは約3000人にとどまった上、ウクライナメディアによると、退避の安全を確保しようとした赤十字国際委員会(ICRC)の支援団は現地に到着できなかった。マリウポリでは2日も人道回廊が設置される予定で、ICRCは再度、現地に向かうという

  ウクライナ国境に近い露西部ベルゴロド州では1日朝、燃料貯蔵施設で火災が発生。ロシア側は「ウクライナ軍が空爆した」と主張した。ウクライナ側は当初、否定も肯定もしないとの立場を示したが、その後、国家安全保障防衛会議のダニロフ書記が「事実ではない」と否定した。ロイター通信が伝えた。
  停戦交渉はこの日、オンライン形式で継続されたが、双方は具体的進展を報告していない。ただ、先月29日のトルコでの停戦交渉の合意に基づき、一部の捕虜交換が行われ、ウクライナ側の発表によると、86人の捕虜が返還された。

  また、ウクライナ軍参謀本部は1日、露軍が後退した首都キーウ(キエフ)やチェルニヒウ周辺など北部で28の集落を奪還したと発表。一方、東部では露軍による激しい砲撃や空爆が続いているとした。


2022.04.02-REUTERS-https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-mariupol-russia-idJPKCN2LT4O6
マリウポリ人道回廊開かれず、ロシア確約違反=ドネツク州知事

  [チューリヒ 1日 ロイター] - ウクライナ南東部ドネツク州のキリレンコ州知事は1日、ロシア軍に包囲されているマリウポリの人道回廊設置の確約ロシアが破ったとして非難した。

  キリレンコ州知事は「ロシアは人道支援物資の輸送を可能にすると確約したにもかかわらず、実施できていない」と「人道回廊は基本的に開かれていない」と述べた。
  ロシア国防省は前日、ウクライナ南部マリウポリからザポロジエへの人道回廊を1日に開放すると発表。ただ、マリウポリ市長の側近はこの日、ロシア軍に包囲された同市に入ることができない状況で、脱出することも「非常に危険」との認識を示していた。
  赤十字国際委員会(ICRC)はこの日、民間人を避難させるためにマリウポリに向かっていたICRCの車両が先に進めなくなり、ザポロジエに戻らざるを得なかったと明らかにしている。


2022.04.01-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220401/k10013563471000.html
ロシア “マリウポリに人道回廊設置” 避難進むかが焦点

  ロシア軍が完全掌握を目指しているウクライナ東部のマリウポリをめぐり、ロシア側は4月1日、住民の避難ルートを設置するとしていて、避難が進むかが焦点です。一方、双方の停戦交渉がオンライン形式で始まりましたが、停戦についてロシアのプーチン大統領は「機は熟していない」と話したとされ、交渉が具体的に進展する見通しはたっていません。ロシア国防省は4月1日、ウクライナ東部で弾薬庫などウクライナ軍の軍事施設をミサイルで破壊したなどと発表しました。

  また、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は3月31日、ロシア軍は完全掌握を目指している東部の要衝マリウポリで「着実に前進を続けている」と指摘しました。
  マリウポリでの住民の避難についてロシア国防省は「人道回廊」と呼ばれる避難ルートを日本時間の4月1日に設置するとしています。避難ルートの設置には、国連難民高等弁務官事務所とICRC=赤十字国際委員会も参加する予定だとしています。
  ロイター通信などによりますと、マリウポリからの避難は54台のバスで行われ、ICRCの責任者が現地に向かっていることを明らかにし避難が進むかが焦点です。
  一方、ロシア側は、首都キーウ・ロシア語でキエフ周辺などで軍事作戦を大幅に縮小するとしていましたが、イギリス国防省は1日、「継続的な空爆とミサイル攻撃にさらされている」と指摘しています。
  こうした中、1日、ロシアとウクライナ側の停戦交渉がオンライン形式で始まりました。
  ロシア代表団のトップ、メジンスキー大統領補佐官は、SNSで「交渉が続いている。われわれのクリミアとドンバスの立場は変わらない」と述べ、一方的に併合した南部クリミアや親ロシア派の武装勢力が影響力を持つウクライナ東部の主権について譲歩しない姿勢を強調しました。
  また、ロシアのプーチン大統領と3月30日に電話会談したイタリアのドラギ首相が、速やかな停戦などを働きかけたのに対してプーチン大統領は「まだ機は熟していない」と話したとされ、交渉が具体的に進展する見通しはたっていません


2022.04.01-Yahoo!Japanニュース(JIJI com,AFP News Japan)-https://news.yahoo.co.jp/articles/c09bd85c09872227ef029a6a350b28a9a3f4a905
ロシア軍、チェルノブイリから撤退完了 ウクライナ当局発表

  【AFP=時事】(更新)ウクライナ当局は3月31日、同国北部のチェルノブイリ(Chernobyl)原子力発電所を占拠していたロシア軍が、撤退を完了したと発表した。

  チェルノブイリ原発の立ち入り禁止区域を管理するウクライナ政府機関はフェイスブック(Facebook)に「チェルノブイリ原発の敷地内にはもはや部外者はいない」と投稿した。
   ウクライナの国営原子力企業エネルゴアトム(Energoatom)はこれに先立ち、ロシア軍が同原発とその周辺の立ち入り禁止区域から撤退を開始したと発表していた。  エネルゴアトムはメッセージアプリのテレグラム(Telegram)に「けさ、侵略者たちはチェルノブイリ原発から撤退する意向を表明した」と投稿。ロシア軍は「2列縦隊でベラルーシとウクライナの国境に向けて行進」し、同原発に残っているのは「少数の」ロシア兵だけとした。
   また、原発作業員が居住する都市スラブチッチ(Slavutych)を包囲しているロシア兵が、ベラルーシに移動するために隊列を組んでいるという証拠もあるという。  ロシアはウクライナへの侵攻を開始した2月24日、同原発を占拠していた。
【翻訳編集】 AFPBB News








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