露-ロシア問題-1
2022.06.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220624-FNDKPO2GVRILNHXK52UXAGSGEE/
東部で激戦続く ウクライナ「露の戦争犯罪1万9000件」
ウクライナに侵攻したロシア軍は23日、東部ルガンスク州やハリコフ州など各地で攻勢を続けた。ウクライナのベネディクトワ検事総長は同日、「
1万9000件近くのロシアの戦争犯罪が確認されている」と明らかにし、国際刑事裁判所などと協力して関係者の訴追を目指すとした。同氏によると、
容疑者数は現時点で露政府や軍の関係者ら623人に上る。ウクライナメディアが伝えた。
ウクライナ軍参謀本部は同日、ルガンスク州の中心都市セベロドネツク市内で激戦が続いていると発表。ドネツ川を挟んだ対岸の都市リシチャンスク方面では、露軍が同市南西約10キロの集落から前進を図ったが、撃退したとした。露軍は予備の部隊を投入しているという。
ハリコフ州当局は23日、同州内への露軍の砲撃で民間人2人が死亡し、子供を含む複数の負傷者が出たと発表した。露軍は一時、同州内で後退したが、最近は再び砲撃を激化させ、部隊の前進も試みている。同州ではここ数日で民間人死者が計約10人に上っている。
南部ザポロジエ州当局も23日、露軍の砲撃を受けたと発表、被害状況を調べているとした。
2022.06.23-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20220623-HGUX5UG6FNJSNCVIHXVYSKE6WY/
ロシア、ルーブルで利払い 23日期限ドル建て国債
ロシア財務省は23日、支払期限が23日のドル建て国債の利払い計約2億3500万ドル(約320億円)を自国通貨ルーブルで実施したと発表した。前日にプーチン大統領が署名した大統領令に基づく手続きだとし、「支払い義務は完全に履行された」と説明した。ただ、
米欧の金融制裁の影響で、国債保有者が実際に利息を受け取れるかどうかは不透明だ。
これに先立つ22日、
ロシア大統領府は、国債のデフォルト(債務不履行)回避策として、外貨建てロシア国債の利払いなどをルーブルで行った場合でも、債務を履行したと見なすとした大統領令にプーチン氏が署名したと発表した。
ロシアは23、24日に相次いで国債利払い期日を迎え、金融制裁の影響で、一定の支払猶予期間後に全面的なデフォルトと見なされる可能性が高まっている。
(共同)
2022.06.22-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/1799f5d3ca041f6af833cc192fd6914c93b832e5
ロシア軍「155ミリ榴弾砲15基破壊」 〝脅威〟を集中攻撃か
ロシアによるウクライナ侵攻で、露国防省は21日、
米欧側がウクライナに供与した155ミリ榴弾(りゅうだん)砲15基を過去1日間で破壊したと主張した。
長射程・高火力の155ミリ榴弾砲は米欧側が計100基以上を供与し、南部などでウクライナ軍が展開する反攻作戦を支えている。露軍は攻勢を維持するために「脅威」となる155ミリ榴弾砲を集中的に破壊しているとみられる。
露国防省が公開したドローン(無人機)で撮影したとする動画では、155ミリ榴弾砲と搬送用のトラックが砲撃を受け、炎上する様子が映されている。
155ミリ榴弾砲は通常、発射後に反撃をかわすため即座に移動するが、露軍はドローンで事前に位置を把握し、攻撃を加えているもようだ。
ウクライナメディアによると、一部が露軍に占領されている南部ザポロジエ州のスタルフ知事は21日、地元テレビで「最前線では現在、火砲の応酬が主な戦闘形態になっている」とした上で、米欧供与の火砲によりウクライナ軍が地位を強化していると説明した。
同州やヘルソン州など南部ではウクライナ軍の反攻作戦の進展が伝えられている。 一方、東部ハリコフ州のシネグボフ知事は21日、同日の露軍の砲撃で州都ハリコフや州内の集落で子供を含む民間人計15人が死亡したと発表した。
露軍は同州内で一時、後退したが、最近は再び前進を図っている。 ウクライナ軍参謀本部は21日、東部ルガンスク州やドネツク州でも激しい戦闘が続いていると報告した。
2022.06.21-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220621-Z7IG2USP4FLABAIH6PDZ64HRUI/
露、新型ICBM「サルマト」年末に実践配備 米ミサイル防衛網を無効化
ロシアのプーチン大統領は21日、露国防省高官らとの会合に出席し、
ロシアが開発中の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「サルマト」が年末に実戦配備されるとの見通しを示した。
サルマトは1万1000キロ以上とされる長大な射程で、
米ミサイル防衛(MD)網を無効化する新兵器としてロシアが開発。複数の核弾頭を搭載可能とされる。露国防省が4月、初の本格的な試験発射を行い、成功したと発表していた。
露国営宇宙開発企業ロスコスモスのロゴジン社長はこれまでに、サルマトが東シベリアに配備されるとの見通しを語っている。
2022.06.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220618-AAJGN4EIWNK53JGBMSPYPUTDNI/
プーチン氏、ウクライナ「中枢」への攻撃示唆 EU加盟「反対せず」
ウクライナに侵攻したロシアのプーチン大統領は17日、露主催の「サンクトペテルブルク国際経済フォーラム」の全体会合に出席した。プーチン氏は司会者との質疑応答で、
ウクライナが「一線」を超えた場合、同国の「意思決定中枢」を攻撃する可能性もあると述べた。
同国のゼレンスキー大統領らの殺害を示唆し、米欧側にウクライナへの兵器供与を停止するよう警告する思惑だとみられる。
プーチン氏は「一線」の内容について「自分だけにとどめておく」とし、明言は避けた。ただ、プーチン氏は5日に国営テレビが放映したインタビューで、
米欧側が供与を決定した長距離兵器がウクライナに配備された場合、「これまで攻撃対象としなかった対象も攻撃する」と警告しており、重火器の配備を念頭に置いている可能性がある。
プーチン氏はまた、欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会が17日、ウクライナを「EU加盟候補国」と認定するよう勧告したことを受け、
「EUは軍事組織ではなく、ロシアは反対しない」と述べた。ただ、
ウクライナはEUに加盟しても、EUの「半植民地」になる-と主張した。
プーチン氏は戦況についても言及。
露軍が掌握を狙う東部ドンバス地域(ルガンスク、ドネツク両州)のうち、制圧が遅れているドネツク州について「ウクライナ軍が要塞化しており、突入は合理的ではない」とし、「迂回(うかい)して背後を突く作戦を展開しており、時間がかかる」と述べた。「
ロシアは核兵器で誰も脅していないが、主権を守るためにロシアが何を持ち、何を使用するかを誰もが知るべきだ」とも述べ、核使用の可能性を否定しなかった。
侵攻について、プーチン氏は「
ロシアの安全保障のためにやむを得なかった」と改めて正当化。「
ロシアの安全を保証するのは陸海軍だけだ」と述べたほか、ウクライナ領土の大半は旧ソ連指導部に与えられたものだ-とし、
侵攻はロシア領の〝回復〟だとする認識も示唆した。さらに「ロシアとウクライナの関係は遅かれ早かれ正常化するだろう」と一方的に主張した。
2022.06.17-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220617/k10013675861000.html
ロシア海軍の7隻 千葉の沖合約180キロを航行 防衛省が監視
16日午前、ロシア海軍の駆逐艦やフリゲート艦など7隻が千葉県の犬吠埼の南東およそ180キロの海域を南西に向かって航行しているのを海上自衛隊の艦艇が確認しました。
7隻は15日の正午ごろには、北海道の襟裳岬の南東、およそ280キロの海域を南下していたということです。
このうち5隻は、今月9日に北海道沖の太平洋で活動しているのが確認された艦艇で、この時の活動は、
ロシア国防省が実施するとしていた大規模な演習の一環とみられています。
一方、16日に中国海軍の情報収集艦など2隻が津軽海峡を東の方向に進み、太平洋に出たのを海上自衛隊が確認しました。
2隻は今月、対馬海峡を通過して日本海に入ったのが確認されていました。
防衛省はロシア軍と中国軍、双方の艦艇の航行について、情報収集と警戒・監視を続けています。
2022.06.17-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220617/k10013675501000.html
ロシア 国際経済会議を開催 友好国との協力強化をアピールか
ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアは、プーチン大統領の出身地サンクトペテルブルクで国際経済会議を開いています。
欧米の企業が参加を見送る中、中国やアフリカの国々などとの協力強化をアピールし、ロシアは国際社会で孤立しているわけではないと印象づけたいねらいもあるとみられます。
ロシア第2の都市サンクトペテルブルクで開かれている国際経済フォーラムは16日、ロシアとの経済協力を話し合う中国、トルコ、イランといった国々との個別のセッションが開かれました。
このうちロシアと中国のセッションでは、中国側のパネリストの多くがオンライン参加となる中、ロシア側は、経済団体のトップが出席し、両国の地域間の連携や通貨ルーブルと人民元による決済などの経済協力を巡り意見を交わしました。
一方、ウクライナ侵攻を受けて世界的な課題となっている食料安全保障やエネルギー価格の高騰などを議論するセッションも行われました。
食料安全保障をテーマにしたセッションでは、ブラジルや、AU=アフリカ連合の議長国セネガルの大使のほか、インドの閣僚が登壇し、ウクライナ情勢が与えている問題の深刻さを訴えました。
これに対してロシアのアブラムチェンコ副首相は「制裁によって、必要なところに食料を届けられなかったり、これまでの2倍のコストがかかったりしている」と述べ、
責任はあくまでロシアへの制裁を強める欧米にあると主張しました。
会議では、欧米や日本の企業が参加を見送る中、ロシアは、友好関係にある国々との協力強化をアピールし、国際社会で孤立しているわけではないと印象づけたいねらいもあるとみられます。
17日にはプーチン大統領が演説する予定で、食料安全保障などについて言及するものの、ロシアの対応を正当化するなど、強気の姿勢を貫くものとみられます。
専門家 “欧米けん制し中国などとの連携アピールする機会に”
ことしの「サンクトペテルブルク国際経済フォーラム」について、ロシアの企業活動に詳しい経済専門家、ドミトリー・ポタペンコさんはNHKのインタビューに対し「私が理解するかぎり、EU=ヨーロッパ連合で知られている指導者はイベントなどに出席しないだろう。フォーラムは軽量級のものとなる。
一方、ロシアとしては、自分たちがどれだけ優れ、制裁などに対応できていて、安定しているのかを示す必要がある」と指摘しました。
そして、プーチン大統領が17日に予定している演説について「『
今の世界的な経済の危機は欧米側が引き起こしたものであり、ロシアが成長しているアジアと関係を築いていることにヨーロッパ諸国はとても後悔するだろう』などと話すのではないか。そして、
ロシアにはすばらしい未来が待っているとアピールするだろう」と述べ、欧米をけん制し、中国やインドなどアジアの友好国との連携をアピールする機会になると分析しました。
また「各国の外交使節団やビジネス関係者はプーチン大統領の演説に注目するより、むしろ情報収集のために来るのだろう。制裁をどう回避するのか中国やインド、イラン代表団の行動を観察するだろう」と述べ、出席者は、ロシアとの経済関係を維持している国の動向を注視するという見方を示しました。
さらに、ポタペンコ氏は、欧米などの制裁が与えるロシア国内への影響について「品ぞろえが減り、モノの価格が上昇するなど、サプライチェーンが劣化している」と指摘する一方で「制裁は長期的に影響を与えるが戦争を止めることはできない」と述べ、経済制裁がプーチン政権の軍事侵攻を阻む手段にはならないと悲観的な見方を示しました。
2022.06.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220610-6SBB776C4RN4RJD2UYGSL56YIE/
親露派の裁判所、英国人義勇兵ら3人に死刑判決
【ロンドン=板東和正】
ロシアによるウクライナ侵攻で、
東部ドネツク州の一部を実効支配する親露派武装勢力「ドネツク人民共和国」の裁判所は9日、
ウクライナ側の義勇兵として戦闘に参加したとして、
拘束していた28歳と48歳の英国人男性2人とモロッコ人男性1人(21)に死刑判決を言い渡した。タス通信などが伝えた。侵攻後、ロシアと親露派による外国人義勇兵に対する刑事裁判の判決は初とみられる。
ロシアと親露派は、外国人義勇兵を厳罰に処すことで、数千人規模とされる義勇兵の戦意を削いで離脱を促し、ウクライナを支援する米欧に対抗する狙いがあるとみられる。
3人の義勇兵を今後の捕虜交換や停戦交渉を有利に進めるための「人質」として利用する可能性もある。
ロシア本国は、死刑制度を事実上廃止している。
タスによると、検察側は3人が親露派地域の「刑法」で禁じられた雇い兵として敵対活動を展開し、武力で権力掌握を図ったと主張。3人が起訴内容を認めたとも指摘した。判決を受け、3人の弁護側は上訴する意向を示した。
判決を受け、ウクライナのベネディクトワ検事総長は9日、3人はウクライナ軍と契約していたため、戦時国際法であるジュネーブ条約における「捕虜」に該当し、戦闘に参加したことを理由に訴追できないと指摘した。その上で「
判決は違法で、責任者を処罰するための捜査を開始した」と述べた。ウクライナのメディアが伝えた。
トラス英外相も同日、ツイッター上で「
彼らは戦争捕虜だ」と述べ、「
全く正当性のない偽りの判決だ」と強調した。
ロイター通信などによると、英国人2人は4月、ウクライナ東部マリウポリでの戦闘中に親露派側に拘束された。ともに2018年から同国で暮らしていた。
2022.06.09-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/world/20220609-OYT1T50222/
ロシア、占領地から穀物輸送…ウクライナ「略奪して輸出」と非難
タス通信によると、
ロシア軍が占領するウクライナ南部メリトポリから穀物の第1便を積んだ11両の貨物列車が8日、
南部クリミアの拠点都市セバストポリに到着した。ロシア側は港湾都市マリウポリなどから穀物の海上輸送も可能になったと発表した。
黒海を封鎖して穀物輸出を妨害する一方、自らは輸送に動くロシアの行為をウクライナ側は略奪だと非難している。
露軍が一部を占領している南部の穀物生産拠点ヘルソン州の親露派幹部は9日、ロシア通信に、同州からクリミアに「鉄道で輸送する用意が整った」と述べた。ロシア側は、2014年に併合したクリミアに鉄道で穀物を集積し、南部の各港湾からの海上輸送を想定している可能性がある。
セルゲイ・ショイグ露国防相は7日、黒海海域のアゾフ海に面したマリウポリとベルジャンシク両港周辺の機雷撤去作業が完了し、船舶での穀物輸送が可能になったと強調していた。
しかし、
ウクライナ側は、ロシアに無断で穀物を取引されていると主張している。ロイター通信によると、ウクライナの在レバノン大使館は
6月上旬、ロシアが侵攻開始以降に「約10万トンの穀物をウクライナから略奪してシリアに輸出した」と非難した。実態として、親露派を名義人とした穀物取引が横行している模様だ。
ロシアとトルコは8日の外相会談で南部オデーサからの輸出再開などについて協議したが、具体的な進展はなかった。ウクライナのドミトロ・クレバ外相は8日の記者会見で「当事国の安全が考慮されなければならない」と述べ、
ウクライナの輸送船の安全を保証するとしているロシアに、改めて不信感をにじませた。
2022.05.29-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/c21af78cf0d0f8d52a2b18f0f82c06502161d1b2
セベロドネツクで攻防続く 露、軍人契約年齢の上限撤廃 損耗兵力の補充狙う
ロシアによるウクライナ侵攻で、ウクライナ軍参謀本部は28日、東部ルガンスク州でウクライナ軍の事実上の最終拠点となっているセベロドネツクの制圧を図った露軍を撃退したと発表した。
ただ、ウクライナメディアは、露軍に同日までに占拠された同市郊外のホテルの奪還には成功していないと伝えるなど、同市をめぐる激しい攻防が続いているもようだ。
一方、
プーチン露大統領は同日、契約軍人
が最初に契約を結ぶ際の年齢上限を撤廃する法改正に署名し、成立させた。
従来は露国民は18~40歳、外国人は18~30歳までとされていた。
法案を提出した露下院議員は法改正の目的について、医療や工学、通信分野などで熟練した専門家を確保するためだとしたが、実際は侵攻で損害が拡大している露軍の兵力を補充する狙いだとする見方が強い。
プーチン氏は同日、フランスのマクロン大統領、ドイツのショルツ首相と電話会談を行った。露大統領府によると、プーチン氏は両氏に「米欧からウクライナへの軍事支援がさらなる情勢の不安定化と人道危機の悪化を招く」と警告。侵攻で穀物価格が高騰し、世界的な
食糧危機が危惧されていることについても「米欧側の誤った経済・金融政策と対露制裁が主な要因だ」と一方的に主張した。
他方でプーチン氏は「ロシアはウクライナが黒海から穀物を輸出できる方策を検討する準備がある」とも述べたが、対露制裁の解除が条件だとした。
2022.05.29-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20220528-5IPWZQ26LJLGHGHJBZ7YNTMGFQ/
露、北極圏で極超音速ミサイル実験 北欧2国のNATO加盟牽制か
ロシア国防省は28日、北方艦隊所属のフリゲート艦「アドミラル・ゴルシコフ」が
北極圏のバレンツ海から極超音速巡航ミサイル「ツィルコン」の発射実験を行い、約千キロ離れた白海上の標的に命中させたと発表した。インタファクス通信が伝えた。
白海は北大西洋条約機構(NATO)加盟を正式に申請した北欧フィンランドとスウェーデンに近く、両国への牽制とみられる。
ツィルコンはマッハ9(音速の9倍)の速度で千キロ以上先の標的を攻撃できるとされる。今年中の大量生産入りが見込まれている。
ロシアのプーチン大統領はロシアで「国境警備隊の日」に当たる同日にビデオ声明を発表。
ウクライナ侵攻を受けた日米欧の制裁を念頭に「
ロシアに対し前例のない政治、経済的圧力がかけられ、NATOは国境付近で軍事力を強化している」と述べ、
国境警備強化の必要性を指摘した。(共同)
2022.5.24-JIJI com-https://www.jiji.com/jc/article?k=20220524043020a&g=afp
ロシアの戦死者、若年・貧困地出身・少数民族が大半
【パリAFP=時事】
ロシアによるウクライナ侵攻で戦死したロシア兵の
大半が極めて若く、貧困地域出身であることが、メディアなどの調査で明らかになった。
少数民族も多いという。
旧ソ連時代のアフガニスタン侵攻では、1979~89年で約1万5000人のソ連兵が死亡したが、ウクライナ侵攻での戦死者はすでにこれを上回っているという。
ロシアはウクライナ侵攻での戦死者数について口を閉ざしている。累計戦死者数は3月2日には498人、25日には1351人となったと発表したが、それ以来、新たな情報は公表していない。
ウクライナ側は、ロシアの戦死者が2万7000人に上るとしている。西側諸国はこの数字は多すぎると指摘するが、それでもロシア側の発表は大きく上回ると考えている。
英国防省は今月15日、ロシアがウクライナに投入した地上戦力の3分の1を失った可能性が高く、約5万人が死亡または負傷したとみられると発表した。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は9日の戦勝記念日に、
戦死者数には触れなかったものの、被害の重要性を珍しく認めたかのように、戦死者を追悼した。
プーチン氏は「あらゆる兵士や将官の死は、われわれの悲しみであり、愛するものたちにとっては代わりがない損失である」と述べ、遺族や負傷者の家族への支援策を発表した。
ロシア語メディア「メディアゾナ」は、公表されている情報のみでも、5月6日までにロシア兵2099人の死亡を確認できたと報じた。
年齢が公表されている死者では21~23歳の割合が最も多く、20歳未満も74人含まれていた。
地域別では、戦死者の大半をロシア南部出身者が占めていた。イスラム教徒が多い北カフカス地方のダゲスタン共和国の兵士が最多で135人。次いで、シベリア連邦管区のモンゴル系少数民族ブリャート人が住むブリャート共和国出身者が98人だった。
首都モスクワや第2の都市サンクトペテルブルクなど、
国内の他の地域よりかなり裕福な地域出身者の死亡は、数えるほどしか報告されていない。
■教育格差
オンラインニュースサイト「リドル・ラシャ」に寄稿するパベル・ルージン氏はAFPに対し、「
地上部隊の兵士や将校の大半は小さな町や村の出身だ。このことは社会経済、ひいては教育格差と関係がある」と指摘した。
「地上部隊の入隊条件は比較的低く、優秀で高学歴な兵士や幹部候補者は航空宇宙軍や空挺(くうてい)軍、海軍など他の軍に配属される」
ダゲスタン共和国は、長年にわたるイスラム過激派との戦いで、ロシア最貧地域の一つとなっている。地元メディアやメッセージアプリ「テレグラム」は、国の弔問を受け悲しみに暮れる戦死者遺族の写真や映像であふれている。
ブイナクスキー地区のトップ、カミル・イジイエフ氏は今月6日、戦争で死亡したダゲスタン出身者5人の遺族に勲章を授与する様子を捉えた動画を自身のテレグラムに投稿した。勲章を授与された兵士の妻や母親はイスラム教徒とみられ、スカーフを身に着けていた。
イジイエフ氏は遺族に「あなた方は、父親が勇敢にも命をささげた子どもたちの母親として生きなければならない」と呼びかけた。
ルージン氏は、地方や少数民族の多い地域では明らかな反抗の兆候は見られないが、将来も何も反応がないとは限らないと指摘する。「表立った反抗ではなく、徴兵や入隊を避け始めるといった隠れたものになる」
【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕
2022.05.17-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/dbcfa21de0c0c0861acbc84a43c77070b40fea15
露軍事同盟に足並みの乱れ 首脳会合で侵攻めぐり批判も
ロシア主導の軍事同盟「集団安全保障条約機構」(CSTO)の首脳会合は16日、モスクワで共同声明を採択し、閉会した。
会合では
異例のロシア批判やウクライナ侵攻の早期終結を促すような発言が出たほか、共同声明にも侵攻を直接支持する文言は記載されず、足並みの乱れを示唆。
友好国の結束を図ったロシアの思惑は外れ、かえって求心力の低下を露呈した。
プーチン露大統領は公開された会合冒頭の演説で、「ウクライナではネオナチと反露主義が横行し、米欧も奨励している」と主張した。だが、ベラルーシ
のルカシェンコ大統領を除き、各国首脳から同調する発言は出なかった。
アルメニアのパシニャン首相は、係争地ナゴルノカラバフ自治州をめぐり2020年に起きたアゼルバイジャンとの紛争の際、「CSTO諸国はアルメニアと国民を喜ばせなかった」と指摘。
アルメニアに実効支配地域の多くを放棄させる条件で停戦合意を仲介したロシアを批判した形だ。
カザフスタンのトカエフ大統領はCSTOと国連平和維持活動の連携を提案。同氏は対話による侵攻の早期終結を訴えてきた。ウクライナのクレバ外相によると、4月末に会談した
カザフのトレウベルディ外相は「ロシアに制裁回避の手段を提供しない」と表明。
ロシアとの距離感が目立つ。 キルギスのジャパロフ大統領、タジキスタンのラフモン大統領はアフガニスタン情勢について演説した。 唯一、ウクライナに言及したルカシェンコ氏も「
米欧はウクライナを支援して戦争を長期化させようとしている。狙いはロシアを戦争に没頭させ、弱体化させることだ。そのために米欧はさらに火を注ぐことができる」と指摘。
米欧を批判しつつ、
侵攻継続は不利だとしてロシアに停戦を勧めたとも取れる発言をした。 各国はロシアと米欧の対立に巻き込まれる事態を警戒しているとみられる。実際、CSTO事務局によると、
プーチン氏は作戦の進捗を各首脳に説明したが、CSTO軍の参戦は議題にすら上らなかった。 共同声明では「ナチズムの美化や外国人排斥に対抗していく」などとしたものの、米欧側やウクライナを直接的に非難する文言は盛り込まれなかった。
2022.05.16-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220516/k10013628941000.html
ロシア主導の軍事同盟 首脳会議始まる 欧米をけん制か
ロシアが主導する軍事同盟の首脳会議が、モスクワで始まりました。
ロシアのプーチン大統領としては、ウクライナ情勢をめぐって国際社会で孤立を深めるなか、
加盟国の結束をアピールし、欧米をけん制するねらいがあるとみられます。
ロシアが主導する軍事同盟のCSTO=集団安全保障条約機構は、条約が初めて調印されてからことしで
30年となり、これにあわせた首脳会議が16日、ロシアの首都モスクワで始まりました。
会議には、
ロシアをはじめ、旧ソビエトの
ベラルーシ、カザフスタン、タジキスタン、キルギス、それに
アルメニアの、6か国の首脳が全員出席しています。
プーチン大統領は首脳会議の冒頭で演説し「われわれがモスクワに集まったのは条約が結ばれて30年たったからだ。この組織は、ポスト・ソビエトの世界で、安定化という非常に重要な役割をになっている。この地域の情勢に対して、われわれの能力と影響力がますます高まることを願う」と述べ、加盟国の結束を確認するとともに、今後も同盟としての影響力を拡大したい考えを強調しました。
またベラルーシのルカシェンコ大統領は「西側が、ベラルーシやロシアに対して全面的なハイブリッド攻撃を仕掛けている。ロシアを最大限に弱体化させるため、ウクライナでの紛争を長引かせようとしている」と欧米を批判しました。
CSTOの首脳会議が開かれるのは、ことし2月、ロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始してから初めてです。
ロシアに対する欧米の制裁が強まり、国際社会で孤立を深める中、プーチン大統領としては、加盟国の結束をアピールし、欧米をけん制するねらいがあるとみられます。
2022.05.14-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20220514-C7BQYUXO2JO3RN5YFPGBPEAXFA/
北欧2国視野に核増強も NATO申請で露次官
ロシアのグルシコ外務次官は14日、
フィンランドとスウェーデンが北大西洋条約機構(NATO)加盟申請の動きを見せていることについて、
核兵器がロシア国境に近づくなら「抑止力維持のための方策を取らざるを得ない」と述べ、
北欧2カ国を視野に入れた核軍備増強があり得るとの考えを示した。インタファクス通信が伝えた。
グルシコ氏は、両国がNATOに加盟すれば「戦略上の大きな転換で、ロシアは政治的対応を迫られる」と指摘。両国にNATO側の核兵器が配備されるかどうかは不明だとしながらも、両国が「非核政策を事実上放棄するのかなどの疑問が生じる」と述べた。
その上で、
北極圏に領土を持つ両国のNATO加盟は北極での軍拡につながりかねないとの懸念を示した。(共同)
2022.05.09-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220509/k10013603141000.html
【随時更新】ロシア ウクライナに軍事侵攻(5月9日の動き)
ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。
ロシアで5月9日は、第2次世界大戦で旧ソビエトがナチス・ドイツに勝利したことを祝う「戦勝記念日」で、愛国心が最も高まる日とされ、極東地域から順次軍事パレードを含めた記念式典が行われます。
「
追悼と和解」の象徴という側面もありましたが、
プーチン政権は近年この祝日を国威発揚の場として利用する傾向が強まっています。
ウクライナへの軍事侵攻が続く中で迎える9日の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)
アメリカがロシアへの追加制裁発表 国営のテレビ局3社など対象アメリカ・ホワイトハウスは8日、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアに対する追加の制裁を発表しました。
このなかでロシア国営の「第1チャンネル」など、テレビ局3社について「プーチン大統領による残忍な侵略をうそで隠し、プロパガンダの道具にもなっている」などとして、アメリカの企業が広告費や中継技術、それにカメラなどの機材を提供できないようにするとしています。
また、ロシアの企業や富豪が資産を隠し、制裁を逃れることを防ぐため、アメリカ人がロシアの個人や企業に対して経営コンサルタントや会計業務などのサービスを提供することを禁止するとしています。
このほか、ロシアの軍事産業に寄与しているとして、輸出規制の対象を産業用エンジンや建設用の大型機械などにも拡大するほかロシア最大の金融機関「ズベルバンク」や「ガスプロムバンク」などの幹部を新たに制裁対象に加えるとしています。
カナダ トルドー首相がウクライナ訪問 ゼレンスキー大統領と会談
カナダのトルドー首相は8日、事前の予告なしにウクライナを訪問し、首都キーウでゼレンスキー大統領と会談しました。会談の後の共同会見でトルドー首相は、ウクライナへのさらなる支援として小型の武器や弾薬などに加えて地雷の撤去作業のための資金を提供することや、新たな制裁をプーチン大統領に近い「オリガルヒ」と呼ばれる富豪らに科すことなどを表明しました。
会談に先立ってトルドー首相は、ロシア軍による激しい攻撃にさらされたキーウ近郊のイルピンを訪れ、破壊されたアパートなどを視察したほか、キーウにあるカナダ大使館を訪れてカナダの国旗を掲げ、一時的に停止していたキーウでの大使館業務を再開することを発表しました。
ルハンシク州で学校の建物にロシア軍の爆撃 民間人60人死亡
ウクライナの大統領府によりますと、ゼレンスキー大統領は、8日に行われたG7のオンラインの首脳会合の中で「きのう、ルハンシク州でロシア軍の爆撃により60人の民間人が死亡した。彼らはロシア軍の砲撃から逃れるために学校の建物にいた」と述べました。
ドイツ ショルツ首相 演説でウクライナ支援の姿勢強調
ドイツのショルツ首相は、ナチス・ドイツが降伏してヨーロッパで戦争が終わってから77年になる8日、テレビ演説し「ドイツ人は人道に対する罪を犯した」として、過去への反省に言及しました。
そのうえで、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻について「プーチン大統領は、残忍な侵略戦争をナチスとの戦いと同じだとしているが、歴史のわい曲で忌まわしい」と強く非難しました。
そして「われわれは史上初めて非常に多くの兵器を戦地に送り、今後も続ける。自由と正義を守る」と述べウクライナへの軍事支援を続ける方針を強調しました。
5月8日はドイツにとってナチスの過去と向き合う特別な日ですが、首相の演説は異例です。
ショルツ首相としては、ロシアの戦勝記念日を前にしてウクライナを支援する姿勢を強調するとともに、国民の間で軍事支援に慎重な意見もある中で理解を求めた形です。
イギリス政府 ウクライナに新たに13億ポンドの軍事支援
イギリスのジョンソン首相は、G7=主要7か国が8日に開いたオンラインの首脳会合で「ウクライナは領土を取り戻すことができるような軍事装備を受け取る必要がある」と述べました。
また、会合にあわせてイギリス政府は、ウクライナに対して新たに13億ポンド、日本円でおよそ2100億円の追加の軍事支援を行うと発表しました。砲弾の弾道を捉えるためのレーダーなどが含まれるとしています。
イギリスはこれまでにウクライナに対して15億ポンドを支援してきたとしています。
アメリカ大統領夫人 ウクライナ訪問 ウクライナ大統領夫人と面会
アメリカのジル・バイデン大統領夫人は8日、ウクライナを訪問し、ゼレンスキー大統領の夫人のオレナ氏と面会しました。面会が行われたのはスロバキアとの国境近くのウクライナ西部の町にある国内の避難民の受け入れ施設となっている学校で、ジル氏は「この残酷な戦争を止めなければならない。アメリカの国民はウクライナの人々とともにあると示すことが重要だ」と述べました。
これに対してオレナ氏は「あなたの勇気ある行動に感謝する。私たちは皆さんの支援やアメリカの大統領のリーダーシップを感じている」と応じました。
ホワイトハウスによりますと、ことし2月にロシアによる軍事侵攻が始まって以降、オレナ氏が公の場に姿を見せたのは初めてだということです。
アメリカ国務省 キーウで大使館業務再開の準備開始と発表
アメリカ国務省は8日、ウクライナの首都キーウにアメリカの臨時代理大使などが入り、大使館の業務を再開するための準備を始めたと発表しました。
ブリンケン国務長官が、この日行われたウクライナのクレバ外相との電話会談の中で伝えたということです。
アメリカはウクライナ情勢の悪化を受け、大使館の機能をいったん隣国ポーランドに移したあと、先月26日にウクライナの西部リビウで業務を再開することを発表していました。
モルドバの沿ドニエストル地方 祝福の一方で市民から不安の声も
モルドバの沿ドニエストル地方は1990年に一方的に分離独立を宣言して紛争になり、現在も1500人を超えるロシア軍の兵士が駐留するなど、ロシアの強い影響下にあります。
ここでは外国メディアが正式な許可を受けて取材することが難しく、NHKは中心都市ティラスポリで8日に撮影された映像を独自のルートで入手しました。
地元当局は先月下旬、電波塔が破壊されるなど緊張感が高まっていることを受けて、毎年5月9日に行われている戦勝記念日のパレードの中止を発表していますが、市街地には当時兵士として戦った軍人たちの写真やロシアの国旗をイメージした飾りが掲げられていました。
道行く若い女性もモルドバ政府が禁止している黒とオレンジ色でデザインされたロシアの勝利の象徴「ゲオルギー・リボン」を胸につけていました。市民の男性は「祖父が兵士として戦いました。戦勝記念日は私にとって名誉な日です」と話していました。
一方、女性は「戦勝記念日は家族にとって最も重要な祝日ですが、ウクライナの緊迫した雰囲気は隠しようもありません。この土地が危険にさらされることのないよう願いたい」と話していました。
U2ボノ氏らキーウで演奏 ウクライナの人たちを激励
世界的な人気を誇るロックバンド、U2のボーカルのボノさんが、メンバーでギタリストのジ・エッジさんとともに8日、ウクライナの首都キーウを訪れ、地下鉄の駅でサプライズで演奏を披露しました。
ボノさんたちは代表作の「ウィズ・オア・ウィズアウト・ユー」などを熱唱し、集まった人たちは体を揺らしながら静かに聞き入ったり、演奏が終わると拍手を送ったりしていました。
U2はツイッターの公式アカウントでメッセージを発表し、今回の演奏はウクライナのゼレンスキー大統領の招待で実現したと明らかにしました。ボノさんは歌の合間「ウクライナの人々は自分たちだけでなく、自由を愛する私たち、皆のために戦っている」と語りかけ、軍事侵攻への抵抗を続けるウクライナの人たちを激励しました。
マリウポリで戦闘続く アゾフ大隊副司令官「負傷兵も避難必要」
ウクライナ東部の要衝、マリウポリの製鉄所を拠点にロシア軍と抗戦を続ける「アゾフ大隊」の副司令官は8日、新たに公開した動画で「現時点で停戦はなされていない。敵は一晩中爆撃を行い、戦車や歩兵も加わっている」と述べ、マリウポリでは今も戦闘が続いていると明らかにしました。
また、市民の避難が完了したとされる製鉄所について「最悪なのは、ウクライナの指導部からも国際機関からも誰も製鉄所に来なかったことだ。地下室も防空ごうも調べず、さらに民間人がいるかどうかの確認もしていない。ここにもっと多くの民間人がいる可能性はあるし、がれきの下に何十もの遺体がある可能性もある」と述べました。
そのうえで「任務の遂行を続けている兵士たちも適切な治療を受ける必要がある」と述べて、けがをした兵士たちなどについても避難が必要だと訴えました。
ウクライナのゼレンスキー大統領は7日に公開した動画で、製鉄所から女性や子どもなど300人以上が救助されたと述べたうえで「私たちは避難の第2段階を準備している。負傷者や衛生兵が対象だ」などとして、けがをした兵士などの避難も必要だという考えを示しています。
ゼレンスキー大統領 ロシアをナチス・ドイツになぞらえ強く批判
ウクライナのゼレンスキー大統領はナチス・ドイツに勝利した記念日としている8日、ビデオメッセージを発表し「第2次世界大戦から数十年がたって、闇がウクライナへ戻ってきた。違う姿をして、違うスローガンを掲げているが目的は同じだ。血塗られたナチズムがウクライナに再建された」と述べ、軍事侵攻を続けるロシアをナチス・ドイツになぞらえて強く批判しました。
そして、ナチス・ドイツが第2次世界大戦中、ウクライナやヨーロッパ各国に行った侵略の歴史にふれたうえで「われわれの軍隊や国民はナチズムに勝利した人々の子孫なのだから、再び勝利を収める」と述べ、ロシアに屈しない姿勢を改めて強調しました。
ウクライナでは8日が記念日 キーウでは犠牲者追悼
ウクライナでは、ロシアによる一方的なクリミア併合などで反ロシア感情が高まったことを背景に、2015年以降は、ほかのヨーロッパの国と同様、5月8日を記念日としています。
首都キーウにある第2次世界大戦の記念碑には、8日、人々がカーネーションなどの花を持って次々と訪れ、戦争で亡くなった人たちに思いをはせていました。
このうち、会社経営者のナタリア・コニフツェワさん(76)は、「5月9日は、ソビエト時代に記念日に定められたものです。ロシアがウクライナに軍事侵攻している今の状況を考えても、5月8日こそが記念日です」と話していました。
また、東部のハルキウから来たアンリ・アボヤンさん(34)は「5月9日を記念日として祝うことはしません。私たちにとって5月8日は、みずから犠牲となり将来への希望を与えてくれた人たちへの尊敬の念を示す日です」と話していました。
一方、激しい戦闘が続く東部のマリウポリから来た男性は「なぜ戦争が始まったのか理解できません。ロシアがウクライナの人々に対して行っていることはジェノサイドです。故郷のマリウポリには両親が残ったままで、連絡もとれません」と話し、涙を流しました。
G7 ロシアからの石油の輸入 段階的または即時禁止で一致
アメリカ・ホワイトハウスは、G7=主要7か国が8日開いたオンラインの首脳会合で、ロシアからの石油の輸入を段階的、もしくは即時に禁止することで一致したと発表しました。ロシア経済に大きな打撃を与え、プーチン大統領による戦費調達を妨げることが狙いだとしています。ロシアからの石油の輸入をめぐってはアメリカがすでに禁輸に踏み切っているほか、EU=ヨーロッパ連合は年内に禁止する制裁案を発表しています。
この中で、岸田総理大臣は「ロシアによるウクライナ侵略は、ヨーロッパのみならずアジアを含む国際秩序の根幹を揺るがす行為であり、歴史の岐路に立つ今ほど、普遍的価値を共有するG7の結束が求められている時はない」と述べました。
そして、資産凍結の対象におよそ140人の個人を追加したことをはじめとするロシアへの制裁措置や、ウクライナや周辺国に対する支援の実施状況を説明し、G7が連携して対応を強化していくことが重要だという認識を示しました。そのうえで、「エネルギー資源の大半を輸入に頼っている日本としては厳しい決断だが、G7の結束が何よりも重要な時だ」と述べ、今回の首脳声明も踏まえロシア産の石油を原則禁輸する方針を表明しました。
ウクライナの歴史学者 プーチン大統領の一方的な主張を非難
クライナの歴史学者、ボロディミル・ビアトロビッチ氏は、首都キーウで5日、NHKのインタビューに応じ、ロシアの戦勝記念日の意味合いについて話しました。
このなかで「ロシアで5月9日となっている戦勝記念日は、当時のソビエトの指導者スターリンがファシズムに対する勝利に特別な貢献をしたと誇示するために考え出した」と述べました。
そして、ウクライナでは2015年以降、ほかのヨーロッパ各国と同様に、5月9日ではなく前日の8日に記念の行事が行われていると指摘しました。
その理由については「2014年のロシアによるクリミアの一方的な併合や、ウクライナ東部での混乱を受けて、ウクライナで反ロシア感情が高まったことが背景にある」と述べました。
またビアトロビッチ氏は「プーチンは今回の戦争で、『ウクライナのナチスと戦っている』と発言している。これは、5月9日に関するソビエト時代のプロパガンダを利用しているにすぎない」と述べ、プーチン大統領がナチス・ドイツとの戦いとウクライナへの軍事侵攻を同一視するような主張を一方的に展開していると非難しました。
「今 ロシアがやっていることがファシズムそのもの」
ロシアが戦勝記念日を祝うことについて、ウクライナの人たちからは批判的な意見が多く聞かれました。
このうち、年金生活者のペトロ・ドロトゥさん(84)は「私の家族のうち9人が第2次世界大戦で亡くなったので、以前はこの日は大切な記念日だった。しかしそれはもう過去の話だ。残念ながらロシアとの戦争が続いている今、もはや祝うべき日ではなくなった」と話していました。
そのうえで「ロシア人たちが祝いたいなら、そうさせておけばいい。それはロシアの都合であり、ロシアの指導部の勝手だ」と述べました。そしてペトロさんの妻のジーナさん(83)は「今では、ウクライナではほかのヨーロッパの国々と同じように、5月8日を犠牲者を追悼する日にしている」と話し、8日の日付が重要だと強調しました。
また、地元のインターネットメディアで働くジャーナリストのオレクサンドラ・ポボローズニクさん(28)は「ロシアは第2次世界大戦に勝利した日として祝うだろうが、皮肉なことだ。マリウポリの悪夢のような惨状を見れば、ロシア軍がやっていることはナチス・ドイツよりもひどいことがわかる」と批判しました。
さらに法律家のヤニーナ・ティシェンコさん(31)は「『ファシズムに勝った日』があってもいいが、今、ロシアがやっていること自体がファシズムそのものだと思う。軍事侵攻が始まった2月24日までロシアに対する敵対心はなかったが、ファシズム国家がファシズムに勝ったと祝うようなことはあってはならない」と批判しました。
一方、ロシア系住民が多く暮らし、ロシアの影響力が比較的強い東部ドネツク州出身のドミートリ・ブラトツェフさん(23)は「5月9日はロシアでもウクライナでも戦勝記念日であることに違いはない。あの戦争ではロシア人もウクライナ人も当時のドイツ軍との戦いに参加した。記念日が悪いわけではない」と一定の理解を示しました。
専門家「戦争が長引けばあっという間に不人気に」
シア大統領府でプーチン大統領の演説の草稿を準備する部署に所属していたロシアの政治学者アッバス・ガルリャモフ氏がNHKのオンラインでのインタビューに応じ、5月9日の戦勝記念日について「プーチンにとっての聖なる祝日だ」と表現し、プーチン大統領が愛国心に訴えてみずからへの求心力を高めるとともに、国内の結束や国威発揚に利用してきたと指摘しました。
ガルリャモフ氏は2016年までロシア大統領府に所属していましたが、その後政権批判に転じ、ロシアがウクライナへ軍事侵攻を始める前に身の危険を感じてロシアを離れ、現在はイスラエルにいるということです。
ガルリャモフ氏は戦勝記念日に行われる軍事パレードに関して「プーチン政権下のロシアは兵器を見せつけて世界を脅し、わが軍がいかに偉大かと誇示してきた」と政権のねらいを分析しました。
そのうえで「プーチンの正当性は、自分は強く、常に相手を打ち負かし、ほしいものを手に入れるという力の概念に基づいている」と述べ、ウクライナへの軍事侵攻にはこうしたプーチン大統領の考えが背景にあると指摘しました。
ただ、軍事侵攻についてガルリャモフ氏は「真に正当な戦争とは敵の攻撃に対して身を守るウクライナのほうだ。ロシアの場合は『なぜ私たちは戦っているのか』という疑問が存在する」と述べ、多大な犠牲を払って祖国を守ったとする第2次世界大戦とは根本的に異なるという認識を示しました。
そして、ウクライナ側の激しい抵抗で劣勢も伝えられる現状について「戦場で勝利できていないことがわかった今、ショックを受けている。それこそが大統領や側近が直面している喫緊の問題だ」と指摘し、プーチン政権が動揺していると分析しました。
こうした中で、プーチン大統領が「戦争状態」を宣言し、ロシア国民が総動員される可能性も指摘されていることについては「問題は戦場の人員不足ではなく、ウクライナが国際社会の支援で強くなったことだ。新兵を送り込んでも戦死者がさらに増えるだけだ」と指摘しました。
そのうえで「国民はソファーの上にいる間なら政権の行動に賛成するが、それ以上ではない。政権や愛国心のために自分を犠牲にすることは決してない」と述べ、むしろロシア国内で反戦の機運を高めることにつながるという見方を示しました。
さらに欧米などの制裁の影響が市民生活に出始めているとして「この戦争が長引けばあっという間に不人気になる」と述べ、軍事侵攻の長期化によってプーチン大統領への支持が落ち込んでいくという考えを示しました。
ただ、政権による情報統制を恐れて国民が声をあげられない現状を踏まえ「強権的なプロパガンダの成功は恐怖に基づくものだ。ナチス・ドイツでもそうだったし、ここでも同じだ」と述べ、ナチス・ドイツに勝利した日を祝うプーチン政権が、同じことを繰り返していると皮肉りました。
プーチン大統領「ナチズムの復活を防ぐ」
ロシア大統領府は8日、9日の「戦勝記念日」にあわせて、旧ソビエトの国の首脳や市民などに向けてプーチン大統領が祝福のメッセージを送ったと発表しました。
この中でプーチン大統領は「われわれの共通の義務はさまざまな国の人々に多大な苦痛をもたらしたナチズムの復活を防ぐことだ」と述べたということです。
また、ロシアが一方的に国家承認したウクライナ東部2州の親ロシア派の武装勢力の指導者らに対しては「ロシア軍の兵士は彼らの先祖のように、ナチスの汚物から領土を解放するためにともに戦っている。1945年と同様、勝利はわれわれのものになるという確信を示した」としていて、ウクライナへの軍事侵攻を改めて正当化し、ロシアが勝利すると呼びかけたとしいています。
さらにロシア大統領府は、プーチン大統領からウクライナの市民や第2次世界大戦の退役軍人に向けたとするメッセージも掲載しました。
このなかでプーチン大統領は「私たちの共通のすばらしい休日である勝利の日を心から祝福する」とする一方で「残念ながらいま再びナチズムが頭をもたげ、野蛮で非人道的な統治を行おうとしている。私たちの神聖な義務は、『大祖国戦争』の敗北者の思想を受け継いだ者たちによる復しゅうを阻止することだ」と述べ、軍事侵攻の目的がウクライナのネオナチ集団との戦いだと主張しています。
軍事パレードに「終末の日の飛行機」 核大国を誇示
ロシアでは、「戦勝記念日」の5月9日に毎年各地で軍事パレードが行われます。
ロシア国防省は、ことしの軍事パレードについて28の都市で実施されると発表し、一方的に併合したウクライナ南部のクリミアでもロシアによる軍事パレードを行うとしています。
首都モスクワのパレードでは131の兵器が披露される予定で、なかには、アメリカのミサイル防衛網に対抗するICBM=大陸間弾道ミサイルの「ヤルス」や、ウクライナへの攻撃でも使用されている短距離弾道ミサイルの「イスカンデル」など、核弾頭も搭載できるロシア製のミサイルが登場するということです。
さらにことしは、戦後77年にちなんだ77機の戦闘機や軍用ヘリコプターなどが参加するということです。
このうちロシアの主力戦闘機の「ミグ29」は、8機が「Z」の文字を表す編成で飛行するとしていて、ウクライナへの軍事侵攻を支持する象徴となっている「Z」を用いて国民にも支持を訴える演出となっています。
また、核戦力による戦争など非常時に大統領などが乗り込み、上空から部隊を指揮することから「終末の日の飛行機」とも呼ばれる特別機「イリューシン80」も飛行することになっています。
プーチン大統領は核兵器を使用する可能性も辞さない構えを示していて、軍事パレードでは核大国であることを誇示し、ウクライナを支援するアメリカをはじめNATO=北大西洋条約機構の加盟各国をけん制するねらいもあるとみられます。
愛国心最も高まる「戦勝記念日」 プーチン政権は国威発揚に利用
第2次世界大戦で旧ソビエトは、世界で最も多い、少なくとも2600万人の兵士と市民が死亡したとされています。
なかでもナチス・ドイツとの戦いはロシアでは「大祖国戦争」と呼ばれ、苦難の末に勝利した栄光の日と位置づけられています。
こうした歴史はロシアの学校現場でも詳しく教えられていて、5月9日はロシアの人たちがソビエト軍の功績や戦争に加わったそれぞれの祖先に思いをはせるなど、愛国心が最も高まる日とされています。
毎年この日は首都モスクワにある赤の広場で記念式典が開かれ、このうち2005年の60周年の式典には欧米を含む50か国以上の首脳が出席し、戦勝国・敗戦国を問わず犠牲者を追悼するなど、平和に向けた国際社会の結束が誓われました。
このように「戦勝記念日」は「追悼と和解」の象徴という側面もありましたが、プーチン政権は近年、この祝日を国威発揚の場として利用する傾向が強まっています。
ロシアのラブロフ外相は今月1日に公開されたインタビューで「ロシア軍は、戦勝記念日を含む特定の日にもとづいて行動を調整することはない。5月9日はいつものように厳粛に祝う」と述べ、1つの節目ともみられてきたこの記念日のあとも戦闘が継続されるという見方を示しています。
プーチン大統領 モスクワで演説へ
首都モスクワでは、日本時間の9日午後4時から中心部の赤の広場で式典が開かれ、プーチン大統領が演説する予定です。
プーチン大統領は、ウクライナへの軍事侵攻を続ける理由として、ゼレンスキー政権が「ネオナチ」だと一方的に主張し、ロシア系住民を保護する必要性を強調しています。
プーチン大統領としては、ナチス・ドイツに勝利した先の大戦と重ね合わせることで、軍事作戦に対する支持を国民に訴えるのではないかという見方も出ています。
また、戦闘が長期化する中、イギリスのウォレス国防相などは、プーチン大統領が演説の中で「戦争状態にある」と宣言し、ロシアの国民を大量動員する可能性に言及しています。プーチン大統領が国威発揚を演出する式典でどのような演説を行うのか関心が集まっています。
一方、演説の後、赤の広場では1万人以上の兵士が行進し、最新兵器なども披露される軍事パレードが行われます。この中では、核戦力による戦争など、非常時に大統領などが乗り込んで部隊を指揮する「終末の日の飛行機」とも呼ばれる特別機「イリューシン80」も飛行する計画となっています。核兵器が使用される事態を想起させることで、ウクライナを軍事支援する欧米側を強くけん制する狙いもあるとみられます。
また、ロシア側は、軍事侵攻で掌握したと主張するウクライナの地域でも式典を開催する可能性が伝えられています。ロシア側が9日に行う予定の一連の行事は、軍事侵攻の見通しや、ウクライナでの支配を既成事実化させようとする動きを見る上でも重要な意味を持つとみられます。
2022.05.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220505-OSRRSSR32VLRRKODVM27BSIN7U/
露、核可能ミサイル模擬演習 「人道回廊」は不透明
ロシア国防省は4日、ポーランドに接する西部カリーニングラードで、
核弾頭を搭載可能な弾道ミサイル「イスカンデル」の模擬発射演習を実施したと発表した。ウクライナに武器を供与する米欧を威圧する思惑だとみられる。一方、
ウクライナ部隊や市民が籠城する東部マリウポリの製鉄所には露軍が侵入し、敷地内で激しい戦闘が発生。露国防省は5~7日に市民を退避させる人道回廊を製鉄所に設置すると発表したが、機能するかは不透明だ。
露軍は5日にかけてもウクライナ東部などに攻撃を継続。東部クラマトルスクでは4日夜のミサイル攻撃で市民25人が負傷した。
イスカンデルの演習は、ロシアが核兵器や生物兵器で攻撃されたことを想定し、「電子発射」と呼ばれる実弾を使用しない形式で実施。カリーニングラードに近いラトビアのメディアは「
武器供与を警告するロシアから米欧へのシグナルだ」との見方を示した。
マリウポリの製鉄所に籠城するウクライナ部隊指揮官は4日、敷地内に侵入した露軍と「血の降るような戦い」が続いていると明らかにした。ウクライナメディアが伝えた。インタファクス通信によると、露国防省は同日夜、5~7日の午前8時~午後6時、製鉄所内の市民退避のため攻撃を停止すると発表。製鉄所からは市民100人以上が退避したが、現在も約200人が残っているとされる。
プーチン露大統領は先月下旬、ショイグ国防相に製鉄所への突入を禁じ、包囲するよう命じた。しかし、市民の退避が進み次第、残存部隊を掃討する方針に切り替えた可能性がある。
一方、ペスコフ露大統領報道官は4日、9日の第二次大戦の対ドイツ戦勝記念日にプーチン氏が国家総動員令を発令する可能性がある-とする観測が出ていることについて、「ナンセンスだ」と完全否定した。
2022.05.05-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20220505-SYWMULBZQ5IU5HPW4QZUYHYPSI/
戦勝記念日の宣戦布告否定 露大統領報道官
ロシアのペスコフ大統領報道官は4日、今月9日の
対ドイツ戦勝記念日にプーチン大統領がウクライナに対し宣戦布告する可能性があるとの見方について「あり得ない。たわ言だ」と一蹴した。インタファクス通信などが伝えた。
ペスコフ氏は、プーチン氏が総動員を命じるとの見方についても「ばかげている」と否定。英国のウォレス国防相は、プーチン氏が5月9日にウクライナと戦争状態にあると表明し、宣戦布告して総動員をかける可能性があると述べていた。
ロシアは侵攻を「特殊軍事作戦」と位置付け、戦争とは表現していない。
戦勝記念日には第2次大戦でソ連軍がナチス・ドイツに勝ったことを祝い、ロシア全土で軍事パレードが行われるなど、現代のロシアで最も重要な祝日になっている。(共同)
2022.05.04-朝日新聞-https://www.asahi.com/articles/ASQ537WNBQ53UHBI01N.html
ロシア外務省、イスラエルを批判「ウクライナのネオナチ政権を支持」-
(エルサレム=高久潤)
ロシアのラブロフ外相がナチスドイツの独裁者ヒトラーに「ユダヤ人の血が流れている」と発言したことをめぐり、ロシア外務省は3日、
イスラエルのラピド外相からの非難について、
歴史に反していると主張する声明を発表した。ロイター通信などが報じた。
ラブロフ氏は1日に公開されたメディアのインタビューで、ロシアがウクライナの「非ナチ化」を理由として侵攻していることについて問われ、ユダヤ人大虐殺(ホロコースト)をしたヒトラーに「ユダヤ人の血が流れている」と発言。ラピド氏が
「ユダヤ人はユダヤ人自身を殺していない。ユダヤ人を反ユダヤ主義と非難するのは最低レベルの人種差別だ」などと強く非難していた。
これに対し、ロシア外務省は3日の声明で「イスラエル政府が現在のウクライナのネオナチ政権を支持している理由を大部分で説明している」と批判。「日常生活や政治で、反ユダヤ主義は止められておらず、その反対に(ウクライナで)育っている」ともした。
(エルサレム=高久潤)
2022.05.01-Yahoo!Japanニュース(KYODO)-https://news.yahoo.co.jp/articles/8a249cf02a265cda7aa78018f16fbe040d5d9fc7
ロシア軍、イルカを軍事利用か 要衝セバストポリ港で艦船守る
【ワシントン共同】米CNNテレビは4月30日、米海軍系シンクタンク、海軍協会の発表として、
ロシア黒海艦隊が拠点を置くクリミア半島の要衝セバストポリ港の入り口に、ウクライナ侵攻に伴い軍用イルカが配置されていると伝えた。
海中からの破壊活動に弱い艦船を守る目的とみられるという。
海軍協会によると、衛星写真の分析から、ウクライナ侵攻開始時期と重なる2月にイルカ用の囲いが二つ設置されたことが判明。軍用イルカは、港に潜入し爆発物設置工作などを行うウクライナの特殊部隊を探知する訓練を受けている可能性があるという。
2022.05.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220501-RLYF6MBV2NL7VPE6YD6GSRCQIU/
ウクライナ「露が大規模攻勢の兆候」 米下院議長が現地入り
ロシアによるウクライナ侵攻で、ウクライナ国防省は4月30日、
露軍が東部で大規模な攻勢を準備している兆候があると発表した。同省は、ロシアが5月9日の第二次世界大戦の対ドイツ戦勝記念日に合わせて
国家総動員令を発動する可能性も排除できないと指摘し、警戒感を示した。
露軍は南部オデッサの空港をミサイルで破壊したほか、東部や南部でも激しい攻撃を続けた。
ペロシ米下院議長は1日までに、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪れゼレンスキー大統領と会談した。米政権関係者では最高位の訪問。ペロシ氏は、ウクライナが「プーチン露大統領の悪魔的な侵略」から民主主義を守るために戦っており、米国として強力に支援すると表明した。
ウクライナ国防省は4月30日、東部ハリコフ州の露占領地域で、病院が空きベッドを増やしており、追加の野戦病院も建設されたと発表。ウクライナに隣接する露西部ロストフナドヌーの軍病院にも遺体の保冷設備が新たに搬入されたとし、大規模攻勢に向けた準備だとの見方を示した。
同省は露軍の目標について、東部ドネツク、ルガンスク、南部ヘルソンの各州を完全制圧し、2014年に併合した南部クリミア半島と陸路で結ぼうとしていると分析した。一方、ウクライナ軍参謀本部は4月30日、
東部ハリコフ州の複数の集落を奪還したと発表した。
オデッサ州当局は同日、同州の空港の滑走路がミサイル攻撃を受けたと発表。露軍は5月1日、「米欧から供与された兵器が収められていた空港の格納庫を破壊した」と主張した。
米CNNテレビは4月30日、衛星写真を基に、ウクライナ守備隊や約1千人の市民が立てこもる東部マリウポリの製鉄所の地上施設がほぼ完全に破壊されたと伝えた。守備隊や市民は地下施設で籠城。現時点で退避に成功した市民はごく一部にとどまっている。
露国防省は30日から5月1日にかけ、ハリコフ州や東部ドニエプロペトロフスク州、南部ザポロジエ州の弾薬庫などをミサイル攻撃で破壊したと発表した。
2022.04.28-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/a6626eb81a51bb7240acdf48e3e9f7c9dc6b76c3
「対抗措置は電撃的だ」 プーチン露大統領、核使用改めて示唆
ロシアのプーチン大統領は27日、ウクライナ侵攻に第三国が干渉し、
ロシアに「戦略的脅威」を与えた場合、その国は「ロシアの対抗措置が電撃的だと知ることになる。
ロシアはそのための手段を持っており、その使用に必要な決定もなされている」と述べた。
プーチン氏は核兵器と直接は言及していないが、核兵器を使用する可能性を示唆したとみられる。 ロシア第2の都市サンクトペテルブルクで開かれた議会関係者との会合での発言をタス通信が伝えた。
プーチン氏は米欧諸国を威圧し、ウクライナへの兵器供与の見直しを迫る思惑だとみられる。侵攻が長期化し、露軍の損害が拡大していることへのいらだちが表れた可能性もある。
プーチン氏はまた、「
将来的な平和と安全保障を確保するために、特別軍事作戦(侵攻の露側呼称)の全ての任務は無条件で達成されるだろう」と述べ、今後も侵攻を継続する意思を改めて示した。
プーチン氏は侵攻開始から3日後の2月27日、北大西洋条約機構(NATO)がロシアに攻撃的な姿勢を強めているとして、核戦力を「戦闘準備態勢」に移行させるようショイグ露国防相らに指示していた。
2022.04.27-REUTERS-ロイター-https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-poland-gas-idJPKCN2MI1S0
ロシア、ポーランド・ブルガリアへのガス供給停止 27日から
[27日 ロイター] -
ロシア国営天然ガス独占企業・ガスプロムは、
ポーランドとブルガリアに対し、27日からガスの供給を停止すると通知した。
ロシアが2月24日のウクライナ侵攻開始以降、ガス供給を停止するのは両国が初めてとなる。
れに関連し、
欧州連合(EU)ガス輸送事業者ネットワークの27日付データによると、パイプライン「ヤマル・ヨーロッパ」経由によるベラルーシからポーランドへのガス供給が停止していることが確認された。
ポーランドは26日、ガスプロムを含むロシア企業やオリガルヒ(新興財閥)に対する制裁措置を発表した。
ロシアのプーチン大統領は「非友好国」に対して、ガスの支払いをルーブルで行うよう要求している。
長期契約の下で
ガスプロムから天然ガスを購入しているポーランドのPGNiGはこれに応じない構えで、今年末が期限の契約も更新しない方針を示している。
ポーランドのガスプロムとの契約は年間102億立方メートルで、国内消費の約50%を賄っている。
ポーランド当局は国内のエネルギー供給は確保されており、ガスの備蓄を取り崩す必要はなく、消費者へのガス供給は削減されないとした。
ブルガリアもガスプロムとの契約が今年末に期限を迎える。同国はガス需要の90%超をガスプロムからの輸入(年間約30億立方メートル)で賄っている。
2022.04.26-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220426-2XQRZXUIWJIXLGSBOB5JDVLWQA/
ロシア軍、ウクライナ鉄道施設を攻撃 国連事務総長、きょう訪露へ
国連のグテレス事務総長は26日、ロシアの首都モスクワを訪問し、プーチン大統領、ラブロフ外相と会談する。グテレス氏は、
ロシアが侵攻したウクライナの和平や人道支援、東部マリウポリでウクライナ側が籠城する製鉄所からの民間人退避の実現について両氏と協議する意向。ただ、ロシアはウクライナ東部や南部の制圧を目指して攻撃を激化させており、停戦に応じる可能性は極めて低い。
露外務省によると、
ロシア側はグテレス氏に「特別軍事作戦」(侵攻の露側呼称)の進捗(しんちょく)状況を説明。国連がロシアとウクライナの間で中立的立場をとるようにも要請するという。
グテレス氏は28日にはウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪れ、ゼレンスキー大統領らとも会談する。
グテレス氏の訪露を翌日に控えた25日、
露国防省は、ウクライナ西部と中部の鉄道施設6カ所をミサイル攻撃で破壊したと発表した。米メディアによると、攻撃はブリンケン米国務長官らのキーウ訪問から数時間後に発生。
露国防省は、鉄道施設が米欧からウクライナへの装備供与ルートになっていたと主張した。
ウクライナメディアによると、鉄道施設への攻撃で少なくとも6人が死亡。東部ハリコフ州でも同日、露軍の砲撃で3人が死亡した。
マリウポリの製鉄所をめぐっては、ウクライナ守備隊のほか民間人約1千人が退避。露国防省は25日、製鉄所から民間人を退避させるための人道回廊を同日設置すると発表した。ウクライナ側は「両国合意に基づかない一方的な設置で、受け入れられない」と拒否。露国防省によると、退避者はいなかったという。
一方、
露外務省は25日、ロシアで勤務するドイツ外交官40人を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」とし、国外退去を命じたと発表した。ドイツが4月上旬、キーウ近郊ブチャでの露軍による残虐行為の発覚を受け、露外交官40人を追放したことへの報復措置だとしている。
タス通信によると、
露外務省は同日、侵攻後に欧米を中心とした計28カ国から露外交官計約400人が追放されたと明らかにした。
2022.04.23-日刊スポーツ-https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202204230000148.html
ロシア新興財閥の相次ぐ死亡、一部で暗殺を疑う声 5人のオリガルヒが家族を殺した後自殺と報道
(ロサンゼルス=千歳香奈子)
ウクライナ侵攻を続ける
ロシアのオリガルヒ(新興財閥)と呼ばれる富豪とその家族が相次いで死亡したことを受け
、一部で暗殺を疑う声が出ている。
天然ガス大手ノバテク社の元副会長セルゲイ・プロトセーニャ氏が19日、スペインのリゾート地で妻と娘と共に遺体で発見され、地元警察は同氏が家族を殺害した後で自殺した可能性を示唆していると米メディアは伝えている。
地元メディアによると、
同氏はカタルーニャのアパートで首をつって死んでいるのが発見され、室内からは刺し傷のある妻と娘の遺体も発見されたという。一家は主にフランスを拠点に暮らしており、イースター休暇でスペインを訪れていたという。ノバテク社は「彼は家族思いの素晴らしい男だった」と語り、無理心中説に疑問を投げかけており、殺人を疑う証拠は出ていないというが、無理心中に見せかけた殺人だった可能性も取りざたされている。
また、
その前日にはロシア有数の銀行の1つ、ガスプロムバンクの元副社長ウラジスラフ・アバエフ氏もモスクワ市内の自宅で妻と娘とともに銃で撃たれて亡くなっているのが発見されている。ロシアのメディアによると、一家と数日間連絡が取れないことを心配した親族によって発見されたといい、自宅は鍵がかけられた密室で、拳銃はアバエフ氏が手に握った状態だったことから、無理心中を図ったものだと見られているという。
しかし、
24時間以内に相次いで2人のオリガルヒが家族を殺害したのち自らも自殺したことに疑問の声が上がっており、ネットでは何者かに殺害された可能性を指摘する声も上がっている。
一方、
2月24日のウクライナ侵攻以降、2人の他に少なくとも3人のオリガルヒが家族を殺した後で自殺を図って亡くなっているとニューズウィーク誌は伝えており、西側諸国の経済制裁を非難する声もあるという。
(ロサンゼルス=千歳香奈子)
2022.04.21-東京新聞-https://www.tokyo-np.co.jp/article/173016
ロシアが新型ICBMサルマトの発射実験に成功と発表 アメリカ政府高官は「脅威ではない」
ロシア国防省は20日、
次世代の重量級大陸間弾道ミサイル(ICBM)「サルマト」の初めての発射実験に成功したと発表した。
プーチン大統領は「ロシアを脅す者に再考を迫る」と述べ、対ロ制裁を強める日米欧をけん制。「外国製部品を使っていない」とも語り、「純ロシア技術」をアピールした。
サルマトは北西部アルハンゲリスク州のプレセツク宇宙基地から発射され、極東カムチャツカ半島の目標地点に着弾した。近い将来の実戦配備を目指す。
ロシア通信によると、
サルマトは最大15の弾頭を搭載でき、
射程は世界最長の1万8000キロに及ぶ。北極経由だけでなく、より遠い南極経由でも攻撃が可能で、
米国のミサイル防衛(MD)網では迎撃できないとされ、プーチン氏は「過去も今後も世界で例のないものだ」と自賛した。
対ロ制裁で日米欧からの機械部品の輸入がストップしたロシアでは、航空機や軍事車両の組立や補修に支障が出ている。実験は制裁にもかかわらず核攻撃が可能だと威嚇する狙いがあったとみられる。
また
米欧でつくる北大西洋条約機構(NATO)がウクライナに軍事支援を繰り返し、侵攻が遅れていることに焦りもあるようだ。英国は「今後は砲撃戦となる」(ジョンソン首相)としてウクライナに重火器を提供する意向を表明。オランダやチェコも装甲車や戦車を供与する方針で、米欧がウクライナへの兵器供与を中止するよう求めたメッセージともみられる。
米国防総省のカービー報道官は20日、
サルマトの発射実験について、
新戦略兵器削減条約(新START)に基づいてロシアから実験計画の事前通告があったと明らかにした。
カービー氏は「このような実験は日常的に行われている。米国や同盟国への脅威ではない」とした。
ICBMを巡っては、米国も核弾頭を搭載できるICBM「ミニットマン3」の発射実験を3月に予定していたが、ロシアを刺激しないために中止している。サキ大統領報道官は20日の会見で、ロシアの発射実験を受けてミニットマン3の実験を再調整するか問われ「事前に予告するものではない」と述べるにとどめた。
2022.04.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220416-6HGBFKMYVVJHXLUPRTJOAABM3U/
露、米に武器支援の停止要求「予測不能な結果招く」
【ワシントン=大内清】
米国によるウクライナへの軍事支援をめぐり、ロシアのプーチン政権が15日までにバイデン米政権へ外交文書を送り、
高性能な兵器の供与はウクライナでの戦闘を激化させ「予測不能な結果を招く」可能性があるとして支援の停止を求めていたことが明らかになった。米紙ワシントン・ポスト(電子版)が15日報じた。同紙によると、米政府当局者は「支援が非常に効果を上げている証しだ」と語り、ロシアが焦燥感を強めているとの見方を示した。
バイデン大統領は13日、ウクライナのゼレンスキー大統領との電話会談で、同国に射程の長い155ミリ榴弾砲や自爆型無人機「スイッチブレード」などを含む8億ドル(約1000億円)の追加軍事支援を行うことを表明している。
また同紙は、
ゼレンスキー氏がバイデン氏に、ロシアを米国内法に基づく「テロ支援国家」に指定するよう要請したとも伝えた。バイデン氏は明確な返答はしなかったという。テロ支援国家に指定した場合、幅広い分野でさらなる対露制裁措置が可能となる。
ロイター通信は15日、ウクライナのシュミハリ首相らが週明けにワシントンを訪れると報じた。世界銀行などが21日に開催する円卓会議に出席する。
2022.04.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220415-OOEFKPHMSNN2BEQHDHDI3FMB5A/
露軍旗艦沈没 司令役失い 作戦に打撃
ウクライナ侵攻で、ロシア国防省は14日、
黒海艦隊旗艦の巡洋艦「モスクワ」が沈没したと発表した。同艦は露海軍の象徴的な存在。米国防総省のカービー報道官は14日、米CNNテレビに対し、
「モスクワ」の沈没は露黒海艦隊全体への「大打撃」になるとし、露軍による黒海からの作戦能力に影響を与えるとの見方を明らかにした。
露国防省によると、「モスクワ」では14日、火災が起き、弾薬に引火して爆発が発生。修理のため曳航(えいこう)中に暴風に遭い、復元力を失って沈没した。乗員は避難していた。火災原因は調査中としている。
ウクライナ軍はこれに先立ち、南部オデッサ近くの黒海海域で、対艦巡航ミサイル「ネプチューン」2発を命中させたと発表していた。
カービー氏はネプチューンの射程などから判断してウクライナ側の主張が「妥当であり、(ミサイルが命中した)可能性がある」と指摘。その上で、「(『モスクワ』は)黒海洋上を支配する彼らの試みの重要な一部をなし、その能力に影響を与える」と語った。
露メディアによると「モスクワ」は露海軍最大のミサイル巡洋艦の一隻で、旧ソ連時代の1983年に就役。P1000対艦ミサイル16基や130ミリ艦砲などを装備。2008年のジョージア(グルジア)侵攻や15年のシリア内戦への軍事介入などに従事してきた。
ウクライナ大統領府のアレストビッチ顧問によると、「モスクワ」は攻防が続く南部ヘルソン州の防空を担い、オデッサへの上陸作戦を支援する任務も担っていた。英国防省は15日、同艦が海上司令でも中心的役割を果たしていたとし、露海軍は運用の見直しに迫られると分析した。
ネプチューンはウクライナ軍が自国で開発した最新鋭対艦巡航ミサイルで、射程は従来保有していた同種ミサイルの2倍以上となる280キロ。保有数は不明だが、「モスクワ」に損傷を与えたことが事実なら、同軍の士気を高めるほか、露軍艦艇が南部に接近しにくくなる抑止効果が働き、露軍による上陸作戦や海上封鎖に影響を与える可能性も指摘されている。
一方、露著名軍事専門家のカーシン氏は地元メディアで、
露海軍にはより高性能な軍艦があり、旗艦機能を担えると主張。「(『モスクワ』の)損失は名声だけのもので、軍事的に大したものではない」と強調。露軍が報復攻撃を強める可能性も指摘されている。
2022.04.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220415-2RJCNZHFJFNETEB6FQEMCIPCNM/
露黒海艦隊旗艦「モスクワ」沈没 露国防省が発表、東部で攻勢
ウクライナ侵攻で、ロシア国防省は14日、黒海艦隊旗艦の巡洋艦「モスクワ」が沈没したと発表した。
ウクライナ軍の攻撃で損傷した可能性がある。
露軍は同日もウクライナ東部や南部への攻撃を継続。一方、同国首都キーウ(キエフ)近郊ブチャなどを訪れた国際刑事裁判所(ICC)のカーン主任検察官は、民間人の多数の犠牲は「虚偽ではない」とし、法に基づき責任者を処罰する意思を示した。
露国防省によると、「モスクワ」では14日、火災が起き、弾薬に引火して爆発が発生。修理のために曳航(えいこう)中に暴風に遭い、復元力を失って沈没した。乗員は避難していたという。火災原因は調査中だとしている。
これに先立ち、
ウクライナ軍は南部オデッサ近くの黒海海域で、同国軍の対艦巡航ミサイル「ネプチューン」2発が「モスクワ」に命中したと発表していた。
露軍はウクライナ南部や東部に、海上からもミサイル攻撃を実施。黒海海域では海上封鎖も行ってきた。司令部の機能を持つ「モスクワ」の喪失で、露軍の作戦に支障が出るのは避けられない見通しだ。
露国防省は14日、ウクライナ東部ルガンスク州やドネツク州各地で、ウクライナ軍の弾薬庫や装甲車を空爆で破壊したと発表。ドネツク州当局によると、露軍の攻撃で3人が死亡した。ウクライナメディアによると、攻防が続く南部ヘルソン州の都市アリョシキの市長は同日、同市が露軍に占領されたと明らかにした。
一方、ICCのカーン氏は同日、数百人、もしくは1千人を超える民間人が死亡したとされるキーウ州のブチャやボロディアンカを訪問。同氏は記者会見で「ロシアとウクライナの双方から聞き取りを行い、公正な裁判に向けて戦争犯罪の証拠収集を進める」と述べた。ウクライナメディアが伝えた。
2022.04.11-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220411-36AZFLBSQVP7ZNTVRG2D42RFFQ/
露新司令官、シリアでは強引手法で民間人多数犠牲-
(黒川信雄)
米欧の主要メディアは11日までに、
ロシアのプーチン大統領がウクライナ軍事作戦を統括する司令官に南部軍管区のアレクサンドル・ドボルニコフ司令官(60)を任命したと報じた。作戦を統括する司令官の任命は侵攻後初とされる。部隊間の連携を強め、ウクライナ東部の掌握に向けて攻勢をかける狙いだ。
ドボルニコフ氏は2015年にロシアが軍事介入したシリア内戦で作戦を指揮し、民間人多数が巻き添えとなった。
批判をいとわず作戦を遂行した手腕をプーチン氏は評価するが、ドボルニコフ氏の司令官就任により、東部での戦闘激化に拍車がかかりそうだ。
露メディアによると、ドボルニコフ氏は1961年極東沿海地方ウスリースク生まれ。モスクワの軍学校を卒業し、第2次チェチェン紛争にも参加した。2011~12年には東部軍管区の副司令官を務め、その後、軍内部で要職を務めた。
15年9月~16年6月にはシリア内戦で露軍介入作戦を指揮。シリアのアサド政権は当時、反体制派やイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の攻勢を受け劣勢に立たされていたが、
露軍はIS〝殲滅(せんめつ)〟を名目に大規模空爆を連日実施。アサド政権軍の立て直しを後押しした。
ただ、米国務省は15年11月、露軍の空爆対象の約9割は穏健な反体制派だったと証言。シリア人権監視団は露軍による空爆開始以降、民間人約500人が死亡したと発表するなど、露軍の作戦が実際には、アサド氏と対立する反体制派を押さえ込む目的で実施されていた疑惑が強まった。プーチン氏はドボルニコフ氏の戦功を高く評価し、16年3月には「ロシア英雄勲章」を授けた。
プーチン政権は第2次世界大戦での対ナチス・ドイツ戦勝の記念日にあたる
5月9日までに
一定の戦果を挙げる狙いとみられ、ウクライナ東部のドネツク、ルガンスク両州の制圧に向けて戦力を集中させつつある。
ドボルニコフ氏の司令官任命は、シリアでの「成功」の再現を狙うプーチン政権の意図の表れとみられるが、露軍がシリアと同様に苛烈な作戦を実施すれば、民間人の犠牲が激増する恐れがある。
(黒川信雄)
2022.04.09-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/25056b8533efd1f27851767a76eee0ea544848a0
ウクライナ軍の反撃で膨張するロシアの戦費 国家財政を圧迫
(坂本一之)
ロシアがウクライナ侵攻で戦力投入を首都キーウ(キエフ)から親露派が実効支配する東部地域にシフトする中、米欧はウクライナへの武器供与を拡大している。
露軍はウクライナ軍の反撃で多数の戦車などを失っており、東部で激しい戦闘が続けば戦費が膨らみ、
ロシアの国家財政を圧迫していくことになる。
ロシアが2月24日に始めたウクライナ侵攻の戦費について、欧州の調査研究機関などは3月上旬、人的被害の影響などを含めた1日当たりのコストが200億ドル(約2兆4900億円)超になるとの試算を明らかにした。
露軍は侵攻当初、空爆とともに戦車や装甲車両などを進軍させて支配地域を広げたが、ウクライナ軍の激しい反撃も受けた。
米経済誌フォーブス(ロシア語版)はウクライナ軍の情報をもとに、兵器の損失額について、侵攻開始から約16日間で戦車363両やヘリコプター83機などで計51億ドルになると報じた。
ストックホルム国際平和研究所によると
ロシアの2020年の軍事費は約617億ドルで、侵攻の戦費負担は決して軽くない。ペスコフ露大統領報道官は今月7日、露軍に「甚大な損失が出ている」と認めた。
ウクライナ軍は、北大西洋条約機構(NATO)加盟国から供与された携帯型の対戦車ミサイル「ジャベリン」や地対空ミサイル「スティンガー」などで露軍を攻撃している。
さらに、
米国は自爆型の無人攻撃機「スイッチブレード」も支援。
同兵器は戦車や軍用車両などの標的にミサイルのように突っ込んで自爆する兵器で、規模で露軍に劣るウクライナ軍にとっては有効な打撃手段となる。米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は7日、米国と同盟国が約6万基の対戦車兵器と約2万5千基の対空兵器を供与していると明らかにした。
ロシアはウクライナと停戦交渉を進めるが、東部攻撃で手を緩める気配はない。同地域で激しい戦闘が続けば、高額なミサイル攻撃の支出や兵器損失で戦費が拡大するのは必至だ。
ショイグ露国防相は先月25日にシルアノフ財務相と軍予算の増額について協議しているが、軍事費の国内総生産(GDP)比は4・3%と米英に比べても高い。欧米の対露経済制裁で外貨獲得が難しくなる中、
戦費拡大はロシアの財政を直撃する。
(坂本一之)
2022.04.8-Yahoo!Japanニュース(文春オンライン)-https://news.yahoo.co.jp/articles/1903edd9fc0d7a19f63b860b3ce123242230e43d
「ウクライナ政権は邪悪」プーチンが心酔するロシア正教会“75歳怪僧”の正体〈元KGB工作員との噂も…〉
(1)
ロシアのウクライナ侵攻開始から1カ月半が経とうとしているが、ロシア軍は要衝の掌握に苦戦し、欧米の推計では兵士1万人以上が戦死するなど、甚大な被害を出している。ロシア側は市民を対象とした無差別攻撃に走り、いまだ停戦の出口は見えない。
なぜプーチン大統領は、それほどまでの損失を出しても執拗にウクライナ制圧にこだわるのか? ウクライナ在住ジャーナリストの古川英治氏は「文藝春秋」に寄せたレポートのなかで、今回の侵略には「宗教戦争」の側面があることを指摘する。
侵略を正当化する宗教指導者
ロシア正教会の最高指導者でモスクワ総主教の
キリル1世(75)は、プーチン大統領の盟友として知られ、ウクライナ侵攻についても積極的な発言を繰り返してきた。古川氏はこう解説する。 〈
キリル1世は今回の侵攻前から「ロシア軍はロシアの人々のために平和を守っている」などと発言。侵攻後も、プーチン政権を批判したり停戦を求めたりすることはなかった。
そればかりか、キリル1世は3月9日、モスクワの大聖堂でウクライナ侵攻を支持するかのような、こんな説教をしてみせた。 「
ロシアとウクライナは同じ信仰と聖人、希望と祈りを分かち合う一つの民族だ」 「(外国勢力が)私たちの関係を引き裂こうとしている」 「悲劇的な紛争は、第一にロシアを弱体化させるための(外国の)地政学上の戦略になっている」〉
宗教指導者にもかかわらず、侵略戦争を全面支持するキリル1世とは、いったいどのような人物なのか? 古川氏によると、スパイ組織KGB(国家保安委員会)の工作員だったとの情報もあるという。
〈
キリル1世はロシア第二の都市サンクトペテルブルク出身。ソ連時代にはKGBの工作員だったとの噂も絶えない。プーチンは自らの出身地であるサンクトペテルブルク出身者やKGB時代の同僚らを引き上げており、
キリル1世が2009年にロシア正教会トップの地位を射止めた理由はそこにあるとの見方もある。〉 さらに、聖職者でありながらクレムリンの宮殿内に住んでいるとされ、豪奢な生活ぶりが問題視されたこともある。
〈キリル1世が総主教になる前に面識があった欧州のある外交官は同氏について、「現実主義者で柔軟、聖職者というよりは出世欲の強い官僚のようだった」と評する。3万ドルのスイス高級時計ブレゲを身に着けている写真が出回り、釈明に追われたこともある。他の政権幹部と同様に、プーチンに忠実な部下のような横顔も浮かんでくる。〉
(2)
核兵器を「祝福」
プーチン大統領と一体になって権力をふるうキリル1世は、およそキリスト教の教えにふさわしくない言動を繰り返す。他の聖職者たちに闘争を呼び掛けたり、戦争で使われる武器を「祝福」しているというのである。
古川氏はこう指摘する。 〈キリル1世はプーチンの統治を「神による奇跡」と評し、聖職者でありながら、ロシア安全保障会議にもたびたび出席する。(中略)キリル1世は親欧米に転じたウクライナの政権を「邪悪」と呼び、聖職者に事実上の闘争を呼びかけた。
ロシア正教会は軍と関係を深めており、2020年にはモスクワ郊外に祖国の防衛者を讃えるロシア軍主聖堂を創設した。聖職者が聖水を振りまきながら、核を含む兵器類や兵士を祝福する伝統もある。〉
一方のプーチン大統領もキリル1世には全幅の信頼を寄せ、「信仰心」の篤さをアピールしている。 〈プーチンはかつて「宗教と核の盾がロシアを強国にし、国内外での安全を保障する要だ」と語ったことがある。自由・民主主義を柱とする欧米の価値観に対して、専制体制を敷くプーチンは、ロシアの精神的な支柱としてロシア正教会を後押しし、政権の求心力にしてきた。自ら頻繁に教会に姿を見せ、復活祭は政権幹部が揃ってモスクワの教会で祝う。〉
戦争は「ウクライナ人の罪への報い」?
歴史上、キリスト教会は恵まれない者たちに温かい手を差し伸べてきた。
だが、ウクライナ国内にあるロシア正教会では、避難民たちへの援助を断るところも多くある。古川氏は、東部地区から逃れてきた避難民が体験した、こんなエピソードを紹介する。 〈(避難民が)歴史的な大修道院に支援を求めに行った。ところが、「避難民を収容する場所はない」と冷たくあしらわれた。
その大修道院の司祭は、今回のロシアの侵攻について、こう言い放ったという。 「この地(ウクライナ)の人々は罪深い。これ(戦争)はその罪に対する報いだ」
たまらず「子供や女性を殺害しているプーチンこそ悪魔ではないのか」と反論すると、「プーチンの過ちではない、神がお決めになったのだ」との答えが返ってきたという。〉
だが、ここ数週間、さすがにこのような事態を見かねたロシア正教会の聖職者たちから、異論が巻き起こっている。はたしてプーチン大統領とキリル1世の一蓮托生の関係は、どうなるのか?
――
「文藝春秋」5月号(4月8日発売)では古川英治氏のレポート「 プーチンが心酔するロシアの怪僧 」を9ページにわたり掲載している。
2022.04.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220401-T2NOH6OWTJIHHKBWVPXGVCJ6WI/
ロシア人教師、1本のインスタ投稿で教職も国も追われ 「政府のプロパガンダを映す鏡にはならない」
ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアでは、異論を排除する言論統制が激しさを増している。「
政府のプロパガンダを映す鏡になりたくない」。自身のインスタグラムにこう投稿した
モスクワの教員は解雇された揚げ句、反体制派指導者との結託も疑われ、いまは祖国を追われて国外で身を隠す。教員は「
言論の自由がなければロシアは衰退する」と、母国の行く末を憂慮する。
投稿したのはモスクワの中等教育を行う学校で、地理の教師として教鞭(きょうべん)をとっていた
カマラン・マナフリーさん(28)。ロシアによるウクライナ侵攻開始後の3月8日、「
私は政府のプロパガンダを映す鏡になりたくない。私には私なりの意見がある。他の先生だって同じだ。必ずしも政府の意見と同じではない」と率直な気持ちをつづった。
きっかけは2月下旬の職員会議での通達だった。「公務員として(侵攻を特別軍事作戦と呼ぶ)政府の立場を逸脱するような指導はしないように」と伝える校長に対し、マナフリーさんは納得がいかなかったからだ。
投稿には「
戦争」
という表現はなかった。それでも書き込んだ約2時間後、
校長から「すぐ削除しなさい。そうでなければ辞職するように」と厳命された。「
教員としてロシアの将来を担う子供たちを指導する責任がある。ロシアが自由で経済的に豊かな国に発展するには多角的に物事を考え、論じられる人材を育てることが重要だ」。マナフリーさんは削除を拒否し、「子供らを一つの考えに固執させるような政府の道具にはなりたくなかった」と話す。
熟慮の末、退職する覚悟を決めた。
削除命令の翌日、辞表を胸に学校を訪れたが、校内に入ることさえ許されなかった。生徒らが恩師との別れを惜しむために集まろうとした事態をとらえ、「違法な集会を開催しようとしている」と学校側から警察に通報され、「辞職」ではなく「解雇」処分を言い渡された。
理由は「職場で道徳に反する行為に及んだため」。マナフリーさんは「自分の意見を発信することが道徳に反することなのか」と、異論を許さない空気に憤りを感じたという。学校側は追い打ちをかけるように、マナフリーさんへの弾圧を強めた。
解雇処分を言い渡した校長らは他の教員らに対し、マナフリーさんが米国やドイツなどに旅行した際の写真を手に、虚偽の情報を流布した。「彼は服役している反体制派指導者と結託している。西側諸国の手下だ」と言い放ち、「あらゆる手を使って彼を投獄に追い込む」と語ったという。
身の危険を感じたマナフリーさんは現在、「場所は言えないが、安全な場所で生活している」と国外で暮らす。一方で「現政府支持の世論から、多くの国民が変革の必要性を感じるように変われば、言論統制も改善されるのではないか」と訴えながら、一日も早い事態の収束を願う。
「そして、自分もいつか家族も友人もいる場所に戻りたい」
2022.03.31-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN30E9G0Q2A330C2000000/
プーチン氏に戦況で誤情報 米分析「軍と緊張関係に」
【ワシントン=坂口幸裕】
米ホワイトハウスのベディングフィールド広報部長は30日の記者会見で、
ロシアのプーチン大統領にウクライナでの戦況などについて
軍から誤った情報が伝えられていると明らかにした。「
プーチンがロシア軍に欺かれたと感じているとの情報があり、その結果、軍との間に緊張が生じている」と述べた。
ウクライナでの想定外の苦戦や米欧などによる対ロシア制裁に伴う経済的打撃に関し「
誤った情報がもたらされている」と主張した。
誤情報が伝えられる背景をめぐっては、プーチン氏の側近は「怖くて真実を話せないからだ」と語った。
バイデン政権は情報機関の調査に基づく今回の機密を解除してプーチン氏を取り巻く状況に関する情報公開に踏み切った。ベディングフィールド氏は「我々が公開した意図はロシアにとって(ウクライナ侵攻が)いかに戦略的失策だったかを理解してもらうことだ」と説明した。
ブリンケン米国務長官は同日、訪問先のアルジェリアの首都アルジェで記者会見し、プーチン氏に正確な情報が伝わっていない理由について「独裁国家のアキレスけんのひとつが権力者に真実を語る人物がいないことだ。それがロシアで表れている」と話した。
ウクライナの戦線に送られたロシア兵の多くは徴兵された若者が占める。米CNNは30日、米政府高官の話として「
プーチン氏が徴兵を使っていると知らなかった。正確な情報の流れに明らかな断絶がある」と伝えた。
米国防総省のカービー報道官は29日、ロシア国防省が同日にウクライナの首都キエフなどでの軍事活動を縮小すると発表したのを受け「
キエフ制圧に失敗した」と断定した。
米欧の分析によると、
当初ロシアは2月24日の侵攻から2~3日でウクライナを制圧できるともくろんでいたが、ウクライナ軍の激しい抵抗や現地での物資不足などで苦戦を強いられている。
2022.03.31-AFP.BB.News-https://www.afpbb.com/articles/-/3397900
プーチン氏に誤情報 側近「恐怖で真実語れず」 米当局が分析
【3月31日 AFP】
米ホワイトハウスのケイト・ベディングフィールド広報部長は30日、
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナの戦況などについて
正確な報告を受けておらず、側近との関係が悪化しているとする、米情報機関の機密情報に基づく分析結果を明らかにした。
ロシアによるウクライナ侵攻開始から1か月以上が経過する中、ロシア軍の攻撃が行き詰まる一方、ウクライナ軍はここにきて首都キエフ近郊の要地イルピンを奪還するなど一部で反転攻勢に出つつある。
ベディングフィールド氏は「(プーチン氏は)ロシア軍が苦戦していることや制裁によるロシア経済への影響について、顧問から誤情報を伝えられていると考えられる」と述べた。その背景には、「上級顧問団が恐怖のため真実を語れない」ことが挙げられると説明した。
米政府高官によると、プーチン氏は、ウクライナに徴集兵が派遣されていることさえ知らなかったとされる。
アントニー・ブリンケン米国務長官は30日、訪問先のアルジェリアの首都アルジェで記者会見し、「専制国家では権力者に真実を告げる人はいない」と語った。(c)AFP
2022.03.28-東京新聞-https://www.tokyo-np.co.jp/article/168311
ロシアがウクライナ住民数万人をシベリアなどへ強制移送か 「収容所」で選別…ソ連時代の抑圧再現?
ウクライナに侵攻したロシア軍が
東部や南部の「占領地」で、住民を拉致しシベリアや極東サハリン島に強制移送しているとして、ウクライナが非難している。
東部2州では、侵攻前から「難民保護」の名目で移送が行われており、侵攻後を含めると累計で数万人規模に達する可能性が出ている。スターリン時代のソ連を連想させる重大な人権侵害として国際的な批判がさらに高まりそうだ。
ロシア軍が市街地を包囲した南東部のドネツク州マリウポリでは25日、市当局が「ロシア軍が住民1万5000人を強制移住の対象にした」と発表。27日にも「市立病院の職員らがロシア軍に連れ去られた」と説明、違法な拉致行為が続いていると強調した。
ウクライナ外務省も24日、マリウポリの住民6000人がロシア領内の「選別収容所」に強制的に送り込まれ、ウクライナ政府に圧力をかけるための「人質」にされているとの声明を出した。
ウクライナのベレシチューク副首相によるとロシア軍は「収容所」で住民の肌にウクライナの国章などが入れ墨で彫られていないかなどを確認。ロシアにとって都合の良い人間かふるいにかけ、住民から身分を証明する旅券を奪っているという。ロシアの侵攻後、強制移送された住民は4万人に達するとの見方も示した。
住民移送の事実はロシア側も認めている。極東メディア「サハリン・インフォ」(電子版)は13日、侵攻前後にシベリアや極東に移送された東部2州の住民は、ロシア政府の公式データだけで約9万5000人に達すると報じた。
移送先では、シベリア中部の工業地域クラスノヤルスク地方が最多の3900人余で、炭鉱や天然ガスの産業が盛んなケメロボ州や北方領土を事実上管轄するサハリン州にもそれぞれ1000人以上が到着したという。ロシア政府は「難民」としているが、現地の人口減への対応策や、労働力の補充の意図があるとみられている。
ウクライナのウニアン通信によると南部ヘルソン州でも多数の女性がロシア軍に誘拐されているとの情報がある。一方、ウクライナ東部2州では戦火を避けてロシアに移る住民もいるが、シベリア移送が自発的かは不明。
ロシアでは共産体制下のソ連時代の1930~50年代、政治犯のほかクリミア・タタール人やチェチェン人など反抗的とみなされた少数民族を、シベリアや極東各地に移送し、労働力として使役させた経緯がある。
2022.03.21-khb-5-https://www.khb-tv.co.jp/news/14577815
ロシアで前代未聞の“放送事故” 20万人参加式典でプーチン氏演説中に…
上空約400キロに浮かぶISS(国際宇宙ステーション)に3人のロシア人宇宙飛行士が新たに迎え入れられました。
■“黄色の服”でISSへ
3人が着ている鮮やかな黄色い服には、ロシア国旗もプリントされていますが、ウクライナ国旗を連想させる青色のデザインも施されています。
侵攻開始以来、黄色と青色を身にまとうことは、ウクライナへの連帯を示す意味と捉えられています。
ロシアの宇宙開発機関・ロスコスモスの管制官:「服はなぜ黄色いのですか?ISSクルーメンバーはグレーの服を着ていますが?」 ロシア人宇宙飛行士 オレグ・アルテミエフ氏:「黄色い生地が多く余っていたので、使わなければならなかった。だから今回は、黄色の服になりました」
ロシア政治に詳しい専門家は、次のように話します。
慶応義塾大学総合政策学部・廣瀬陽子教授:「もものあたりを見ると、3人そろって青と黄色のストライプ、ウクライナ国旗にどうしても見えてしまうような色合いを身に着けているというのは、ウクライナに対する連帯と考えてもおかしくないんじゃないんでしょうか。やはり反戦、反プーチンというところだと思います」
■前代未聞の“放送事故”
もう一つの異例な事態は、モスクワのスタジアムで開かれたクリミア併合8周年を祝う式典で起きました。
暗殺を警戒し、潜伏生活に入っていると噂が飛び交うプーチン大統領が、先月24日の侵攻開始以来、初めて国民の前に姿を現したときのことです。
スタジアムの内外に20万人が集まったといいますが、参加者を取材した独立系ニュースサイト「メドゥーサ」は“中には遊び感覚で来た人もいた”と報じています。
参加した男性公務員:「
上司に行くように要請され、報酬ももらえるというので来ました」
大勢の観衆を前に、ウクライナ侵攻の正当性を熱弁するプーチン大統領。この模様は、ロシア国営テレビを通じて生放送されていました。
プーチン大統領:「
人々を苦しさやジェノサイド(集団殺害)から解放させることが(ウクライナ東部の)ドンバスとウクライナで軍事作戦を開始した主な動機と目的です」 そして、
異変が起きたのは演説が終わりにさし掛かったとき、突然、映像がコンサートのVTRに切り替わってしまいました。
大統領の演説が中断されるという前代未聞の放送事故に、
ロシア大統領府は「
原因はサーバーの技術的な問題」
と説明しています。 慶応義塾大学総合政策学部・廣瀬陽子教授:「やはり相当、批判的な人が増えていると推察します。もうすぐ戦争が始まって1カ月になろうとしている段階で、“もうこれ以上やめてくれ”というメッセージも含まれているのではないでしょうか」
(「グッド!モーニング」2022年3月21日放送分より)
2022.03.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220319-QFOFVQ65DRIPJNKXBPVRKICRYY/
露軍、極超音速ミサイル実戦初使用 軍事施設破壊
ロシア国防省は19日、ウクライナ西部デリャチンで、航空機から発射する極超音速ミサイル「キンジャル」を18日に使用、
地下のミサイル貯蔵庫を破壊したと発表した。
実戦使用は初めて。
地上部隊がウクライナ軍の抗戦で進軍を阻まれ、首都キエフ周辺などで戦線が膠着。英国防情報当局は、ロシア軍が無差別攻撃を含む「消耗戦に移行し始めた」と分析、無謀な砲火使用で民間人の犠牲がさらに拡大すると警告した。
キンジャルはマッハ10(音速の10倍)で飛行し迎撃が困難で、核搭載が可能とされる。ロシア国防省は、新型地対艦ミサイル「バスチオン」で、南部オデッサ近郊の軍の通信施設2カ所を破壊したとも表明した。
最新鋭ミサイルの実戦投入でウクライナへの心理的圧迫を狙ったとみられる。米国防総省高官によると、ロシアが侵攻後に発射したミサイルは
1080発以上に達した。(共同)
2022.03.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220318-2T4PFM7LURJERC4DY3IX6XOZWM/
ロシア、SNS規制 インスタ遮断 次はユーチューブか
ウクライナに侵攻した
ロシアが米欧系のSNS(会員制交流サイト)やインターネットサービスの規制を急速に強化している。露通信規制当局は18日までに、
フェイスブックとツイッターに続いてインスタグラムへの接続を遮断した。
政界からはユーチューブも規制すべきだとの声が出ている。プーチン露政権は侵攻の実態を国民から隠すことに躍起だが、人々が慣れ親しんだネットサービスの遮断は反政権機運を高めることにもなりかねない。
14日に遮断されたインスタグラムの利用者は、アカウント登録者以外も含めて露国内で約3800万人とされる。当局は遮断の理由について、インスタグラムやフェイスブックを運営する米IT大手メタ社が、ロシアを対象とした暴力的な投稿を容認したためだと説明している。
2022.03.17-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220317/k10013538481000.html
ロシア国債 デフォルトの可能性 “影響に注意を” 全銀協会長
欧米などの経済制裁の影響で、ロシアの国債がデフォルト=債務不履行に陥る可能性が高まっていることについて、全国銀行協会の高島誠会長は17日の記者会見で、
日本の金融システムに深刻な影響はないとした一方で、実体経済への影響には注意を払う必要があるという考えを示しました。
この中で、高島会長は、ロシア国債がデフォルトになった場合の影響について「
日本の金融機関が保有するロシア国債の規模は限定的であり、直接的にわが国の金融システムに深刻な影響を与えるとはみていない」と述べました。
その一方で、
デフォルトに陥れば、ロシア向けの取り引き全体のリスクが高まるとして「
今後の実体経済の幅広い影響は、細心の注意を払う必要がある」と述べました。
また、
SWIFTと呼ばれる国際的な決済ネットワークからロシアの一部の銀行が除外された影響について、高島会長は「現時点では大きな混乱は起きてはいないものの、銀行間の資金決済に、通常よりも時間がかかったり、
最終的に決済ができない可能性が生じている。各銀行には、顧客に事態を丁寧に説明して送金経路の検討など、適切な善後策を検討するよう努めている」と述べました。
2022.03.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220316-6YKS63GRJFN27PYVEMZ4MMQPWY/
露、「反戦」訴えの女性に罰金刑 今後より重い刑罰の恐れ
ウクライナに侵攻したロシアの国営テレビの生放送番組中に14日、「
戦争をとめて。プロパガンダ(政治宣伝)を信じないで」
と書いた紙を掲げ、拘束された国営テレビ編集局員、マリーナ・オフシャンニコワさんについて、モスクワの裁判所は15日、行政罰として罰金3万ルーブル(約3万3千円)の支払いを命じた。露主要メディアが伝えた。
ただ、タス通信は、
今回の罰金はテレビでの反戦活動に対するものではなく、拘束に先立ちSNS(会員制交流サイト)上で「反戦デモに参加して」と呼び掛けたことが、違法な無許可デモの呼び掛けに当たると認定されたものだと伝えた。
オフシャンニコワさんは現在も拘束中だという。
タス通信によると、テレビでの反戦活動に関する捜査は別に行われているといい、今後、より重い罰則が科される可能性がある。
ロシアでは、ウクライナ侵攻に関して露軍の「虚偽情報」を故意に拡散した場合、最長で禁錮15年を科す法律が今月施行された。
2022.03.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220315-I73URLQAQ5JF7HVXOH7M3AUFXU/
「プーチン氏の暴挙を止められるのはロシア人の力だけ」 生放送乱入の局員の反戦発言全文
ロシアの国営テレビで14日、反戦を訴えたマリーナ・オフシャンニコワさんは事前にビデオメッセージを収録していた。発言の全文は次の通り。
今ウクライナで起きていることは犯罪だ。そしてロシアは侵略国家だ。その侵略の責任は、プーチン大統領にある。私の父はウクライナ人で、母はロシア人だ。これまで一度も敵対したことはない。(ロシアとウクライナの国旗の色があしらわれた)私の首にかかるネックレスは、ロシアが今すぐに、同胞を殺す戦争を止めねばならないという象徴だ。私たち兄弟国は、まだ和解ができるはずだ。
残念ながら、私は過去何年もの間「第1チャンネル」で働き、クレムリンのプロパガンダを広めてきた。今は、それを本当に恥ずかしいと思っている。テレビ画面を通じ、ウソを伝えることを許してきたことを恥じている。国民を、何も考えないようにすることを許してきたことを恥じている。
すべてが始まった2014年、私たちはただ黙っていた。
クレムリンがナワリヌイ氏を毒殺しかけたとき、私たちは抗議集会に行かなかった。この非人間的な政権をただ黙って見ていた。
そして今、世界中が私たちに背を向けてしまった。私たちの子孫は今後10世代にわたり、この兄弟殺しの戦争の恥を洗い流すことはできないだろう。
私たちロシア人は思考力があり、賢い。私たちの力だけが、この暴挙を止めることができる。抗議集会に参加してほしい。何も問題はない。彼らは私たち全員を拘束することなどできないのだから。
2022.03.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220315-52B2QMC3IBOHXHXATQAOST465U/
露国営テレビでスタッフが「反戦」訴え 生放送中に
ロシアの国営テレビで14日、
夜の生放送のニュース番組中に「
戦争をやめて。プロパガンダ(政治宣伝)を信じないで」
との紙を掲げた女性が登場し、画面が切り替えられる放送事故があった。
女性は、キャスターがニュースを読み上げている最中に画面に登場し、反戦を訴える紙を掲げ、「
戦争をやめて」と叫んだ。
タス通信が情報筋の話として伝えたところでは、女性は国営テレビのスタッフで、その後、警察署に連行されたという。
ロシアではプーチン政権の統制下にある国営テレビが侵攻を正当化するプロパガンダ放送を大々的に展開。一方、メディアに対して「
特別軍事作戦」(侵攻の露側呼称)を「
侵攻」や「
戦争」と呼ぶことを禁じているほか、
ロシア軍に関する「
虚偽情報」
を拡散した場合は最長禁錮15年を科す法律も施行している。
2022.03.15-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220315/k10013531721000.html
【随時更新】ロシア ウクライナに軍事侵攻(15日の動き)
ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交などウクライナ情勢をめぐる15日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)
“ウクライナ市民 636人死亡” 国連人権高等弁務官事務所
国連人権高等弁務官事務所は、ロシアによる軍事侵攻が始まった先月24日から今月13日までにウクライナで少なくとも636人の市民が死亡したと発表しました。このうち
46人は子どもだということです。
亡くなった636人のうち、148人が東部のドネツク州とルガンスク州で、ほかの488人は首都キエフや第2の都市ハリコフ、北部のチェルニヒウ、南部のヘルソンなど各地で確認されています。犠牲者の多くは砲撃やミサイル、空爆などによって命を落としたということです。また、けがをした人は1100人余りに上っているということです。
国連人権高等弁務官事務所は、数百人の死傷者がいるとされる東部マリウポリなど、詳しい状況が確認できていないケースも多いとしていて、亡くなった人やけがをした市民は、実際にはさらに多いとみられます。
キエフ中心部で車両が爆発
ウクライナの首都キエフの中心部で14日に撮影された監視カメラの映像では、バスとみられる車両が攻撃によって爆発して煙が上がり、通行人が驚く様子が確認できます。
ロイター通信は地元住民の話として、この爆発で少なくとも2人が犠牲になったと伝えています。
2022.03.11-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220311-B7FAJFCZVBKATGNZENMT6FMPMY/
露、撤退企業の「国有化」検討 国際社会の反発必至
ウクライナに侵攻したロシアのプーチン大統領は10日、
対露制裁対策を協議する政府会議を開き、ロシアから撤退を表明した外国企業の生産設備をロシアが管理し、事業を継続すべきだとする露政府の提案を支持した。事実上、
外国企業の保有資産の一方的な「国有化」で、実行した場合、ロシアへの国際的非難がいっそう強まるのは確実だ。
会議でミシュスチン首相は「
生産停止を防ぐ法案を準備した。不当に閉鎖した企業に政府が外部管理者を送り込むことを想定している」と報告。プーチン氏も「断固として露供給者の損害を防がねばならない」とし、外部管理者を送り込んだ後、事業を望む人物に企業を譲渡すべきとの考えを示した。
露経済紙RBK(電子版)は9日、入手した法案を基に、
事業を停止した企業には3カ月間、事業を清算する企業には6カ月間、政府が外部管理者を送り込み、事業再開に応じない場合は別の所有者に株式が譲渡される-などと報じた。
インタファクス通信によると、
露非鉄金属大手ノルニッケル所有者で富豪のポターニン氏は10日、「
ロシアを旧ソ連に戻すものだ。国際的不信を招き、ロシアは今後何十年も苦しむ」と批判的な考えを示した。
米国のサキ大統領報道官は9日、国有化を実行した場合は「対抗措置を取る」と警告した。
2022.03.10-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20220310-5WODS6FEPVP5TES66HUCK664TM/
名門バレエ団、辞任相次ぐ ボリショイ、ロシアの侵攻に抗議
ロシアの名門ボリショイ・バレエ団で、
ダンサーがウクライナ侵攻に抗議して相次ぎ辞任している。
最高位プリンシパルとして活躍するイタリア人のジャコポ・ティッシさん(27)は7日、インスタグラムに「
あらゆる暴力に反対する」
と投稿し、辞任を表明した。ロシアメディアが伝えた。
ティッシさんは「毎日我慢しなければならない状況にショックを受けている。私はモスクワでキャリアを続けることができない」と書き込んだ。
ソリストの
ブラジル人ダンサー、ダビド・モッタ・ソアレスさん(24)も7日、インスタグラムで「何事もなかったかのように振る舞うことはできない」と述べ
、辞任を表明した。
6日には同バレエ団が拠点とするモスクワのボリショイ劇場の首席指揮者兼音楽監督トゥガン・ソヒエフ氏が
辞任を発表。
同氏はロシア人で、ウクライナ侵攻に対する立場表明を求める圧力があったことをにじませた。
(共同)
2022.03.09-JIJI com-https://www.jiji.com/jc/article?k=2022030800150&g=int
ロシア軍がシリアで傭兵募集と米高官 ウクライナは外国人部隊投入―3回目停戦協議、進展わずか
【ワシントン、イスタンブール時事】米国防総省高官は7日、
ウクライナ軍の激しい抗戦で戦線がこう着する中、
ロシア軍がシリアで傭兵(ようへい)を募集し、戦闘に投入しようとしていると明らかにした。これに対し
ウクライナ軍は、外国人部隊を首都キエフ郊外に展開させているとされる。
双方の外国人動員によって、戦況はさらに混沌(こんとん)としてきた。
ロシア軍はこれまでに、ウクライナ国境地帯へ集結させた戦力のほぼ100%を投入したが、キエフや北東部ハリコフなどの都市を制圧できていない。米高官は「既に大規模な戦力を投入しているにもかかわらず、
(ロシアのプーチン大統領が)外国の戦闘員に戦力の補充を頼らなければならないのは特筆すべき点だ」と指摘した。シリアでの募集人数や戦闘員の質などは不明という。
ウクライナのメディアによると、
外国人部隊は既に配置に就いている。ウクライナ軍は「米国や英国、スウェーデン、リトアニア、メキシコ、インドからの義勇兵」がいると述べた。日本からの志願者もいるとされるが、前線に送り込まれたかは不明だ。
一方、米国防総省は欧州に500人規模の米軍部隊を増派する方針を決定した。ギリシャにKC135空中給油機を派遣するほか、ポーランドとルーマニアに航空支援作戦本部を設置し、ドイツにも後方支援部隊を派遣。これにより欧州に駐留する米軍は、巡回駐留する部隊を含め10万人規模になる。
ベラルーシ西部ブレスト州では7日、ロシアとウクライナによる停戦交渉の3回目の協議が行われた。協議の後、ウクライナ代表団は「(民間人避難のための)人道回廊について、いくらか前向きな成果があった」と表明。一方のロシア代表団は「交渉への期待は満たされなかった」と述べ、進展はわずかだったという認識を示した。両代表団は改めて4回目の協議を行う見通し。
2022.03.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220308-2PVWZPRRZFK6JH52ST2ERPU6AQ/
露、日米欧「非友好国」指定 ウクライナ人道回廊設置
ウクライナ侵攻を続けるロシア政府は7日、
外貨建て債務について自国通貨ルーブルでの返済対象とする「
非友好国・地域」のリストを承認した。日本や米欧が含まれる。露主要メディアが伝えた。
対露制裁を受けたデフォルト(債務不履行)回避策となる。ロイター通信によると、ウクライナ東部スムイには8日、「
人道回廊」が設置され、市民の退避が始まったが、米国防総省によるとロシア軍は国境沿いに集結させた戦力の100%近くをウクライナに投入、
侵攻後のミサイル攻撃は625発を超えた。
非友好国リストには、米国や英国、欧州連合(EU)諸国のほか、日本や韓国、台湾などが含まれた。
対象国・地域の政府や企業に対し、
露政府や企業は露中央銀行が設定したレートに従ってルーブルでの債務返済が認められる。
暴落するルーブルで一方的に債務を返済した場合、ロシアの信用低下と通貨安がさらに加速するのは確実だ。
対露制裁で国外に保有する多額の外貨を凍結されたロシアは今後数カ月で、デフォルトに陥るとの観測が強まっている。米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは6日、ロシアの自国通貨建てと外貨建て長期国債の格付けを非常に投機的であることを示す「Ca」に格下げした。
一方、7日に行われた停戦交渉を受け、ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は「状況を改善する結果はない」と述べたものの、東部スムイに続き、首都キエフや東部ハリコフ、マリウポリなどでの
人道回廊設置が決まるか注目される。停戦をめぐっては、ウクライナのクレバ外相とラブロフ露外相が10日、トルコで会談を実施。両国閣僚の会談は侵攻後、初めてとなる。
ウクライナでは8日までに、ハリコフやマリウポリを包囲したロシア軍の砲撃で民間人の死傷者が拡大。南部ミコライフにもロシア軍が侵入し、ウクライナ軍が撃退した。キエフ近郊のパン工場がロシア軍の空爆を受け、少なくとも13人が死亡したという。
オースティン米国防長官は同日までに米軍約500人の欧州への追加派兵を命じた。北大西洋条約機構(NATO)の防衛・抑止力を高める目的で、ポーランドやルーマニアなどに派遣。航空機の給油業務や戦闘装備の維持管理などにあたる。
2022.03.08-IT mediaビジネスonline-https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2203/08/news202.html
ロシア政府、日本を「非友好国」リストに 対露制裁への対抗措置か
(1)
ウクライナ侵攻を巡り、ロシア政府が、日本を含む48の国と地域を「非友好国」として承認したと、国営タス通信が3月7日(現地時間)に報じた。
対露制裁を課す欧米諸国への事実上の報復措置とみられる。
非友好国の企業が取引する際は、今後、ロシア政府の許可などが必要になるという。
“敵国”認定を受けたのは、日本に加え、米国、カナダ、EU全加盟国(独仏など27カ国)、英国(ジブラルタルなど海外領土も含む)、ウクライナ、モンテネグロ、スイス、アルバニア、アンドラ、アイスランド、リヒテンシュタイン、モナコ、ノルウェー、サンマリノ、北マケドニア、韓国、オーストラリア、ミクロネシア、ニュージーランド、シンガポール、台湾。タス通信はこれらの国と地域について、ウクライナへの軍事侵攻以降に「ロシアに制裁を
課した、またはそれに加わった」としている。
時事通信の報道によると、ロシア政府は、プーチン大統領が5日に署名した対外債務に関する大統領令に基づき、非友好国リストを作成。ロシア政府や企業、国民は非友好的な国・地域の債権者に対して、債務をロシア通貨「ルーブル」で支払うことが可能になるという。適用条件は月額1000万ルーブル(約820万円)以上の債務から。
(2)
松野官房長官「大変遺憾。企業の利益が損なわれないよう求めたい」
ロシア政府の非友好国認定について、松野博一官房長官は3月8日の
会見で「大変遺憾で、外交ルートを通じて抗議した。日本国民や企業の利益が損なわれないよう求めたい」と話した。企業活動への影響については「現在、内容を精査しており、影響について、現時点で述べるのは差し控えたい」とした。
周辺国はロシアの対応をどう見ているのか。旧ソビエト連邦の指導者スターリンの出身地で、かつて同国の構成国だったジョージア(旧グルジア)のティムラズ・レジャバ駐日大使は自身の公式Twitterアカウントで「ジョージアと日本は非非友好国です。
ガウマルジョス」と投稿した。
「
ガウマルジョス」は「
われわれの勝利に!(乾杯)」を意味するジョージア語。“非非友好国”と二重否定することで、同国と日本が友好国であるとともに、日本政府の措置を支持したものとみられる。同国も日本同様、ロシア政府への非難とウクライナ政府に連帯する意思を示している。
ウクライナを巡っては、NATO(北大西洋条約機構)の東方拡大を目指す米国を中心とした欧米諸国と、ウクライナを緩衝地帯(バッファー)にしたいロシアの対立が激化。2月下旬からロシアはウクライナでの軍事行動に踏み切った。
これを受け、外務省や経済産業省、財務省は2月26日、ロシア政府関係者の資産凍結などを盛り込んだ制裁措置を講じると発表。3月8日には、ロシアの軍事行動を支援しているとして、ベラルーシを制裁対象に追加し、同国にも同様の制裁を課すと発表
している。
制裁内容や、対象者などの詳細は、経済産業省の公式Webサイトで確認できる。
2022.03.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220308-KI5RMKGXANLDFH2MG5FLQIPVQY/
老醜をさらすな(コラム/浪速風)-「ロシアには高齢化問題は存在しない」
「ロシアには高齢化問題は存在しない」。少子高齢化・人口減少問題の連載を担当していた時、ある大学教授に教えてもらった。
理由は、ロシアが世界屈指の早死に国で、80歳、90歳と長生きする人が少なく、長期の年金支給や医療費を心配する必要がないからだという
▶昨年の世界保健統計では、
ロシア人男性の平均寿命は68・2歳。世界118位で1位のスイス(81・8歳)、2位の日本(81・5歳)の足元にも及ばないだけでなく、
109位の北朝鮮(69・3歳)にも後塵(こうじん)を拝している。厳しい冬やウオッカの飲み過ぎ、遅れた医療制度などが短命の理由とされる
▶
プーチン大統領は今年10月で70歳。本人は、武力による「ロシア帝国」復活でバイデン米大統領(今年11月で80歳)のような長寿を願っているだろうが、とうに平均寿命は過ぎている。ウクライナへの侵略戦争や世界への核攻撃の脅迫、国民さえ欺く言論統制…。もう老醜をさらすなと警告したい。
2022.03.06-ITmediaビジネス-https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2203/06/news037.html
露国債、デフォルト迫る 16日から相次ぐ支払い期限 通貨ルーブル失墜も
(1)
ウクライナ侵攻を受けた日米欧の包囲網で、
ロシア国債のデフォルト(債務不履行)が迫ってきた。
制裁による外貨不足で外貨建て国債の利払いができなくなるためだ。
国債が“紙くず”になれば通貨ルーブルの信認が失墜し、物価が急騰してロシア国民の生活が破壊されかねない。いわば
人為的に危機を作り出し、プーチン政権への批判を強めて撤退を促す強硬策。首都キエフ攻防戦が続く中、今月16日から大きな支払期限が相次ぐ予定で、まさに時間との戦いになっている。
「
(西側の)厳格かつ協調的な制裁とロシアの債務返済意志に関する重大な懸念から、国債の返済が中断されるリスクが高まった」
格付け会社の米ムーディーズ・インベスターズ・サービスは3日、ロシアの国債格付けを投資に適さない「投機的水準」まで6段階引き下げた際の声明で、こう指摘した。まずは16日に期限を迎える1億1700万ドル(約135億円)の利払いを監視するという。
マネックス証券の大槻奈那チーフ・アナリストによると、
年内に元本や金利の支払期限を迎えるロシアの外貨建て債券(社債含む)は2兆円超。返済原資があっても制裁で送金処理ができず利払いが滞るなどすれば債務不履行を認定されるケースもあり、「
いずれにしてもデフォルトになる可能性が高い」と分析する。
2022.03.05-LiveNews(テレ朝ニュース)-https://news.livedoor.com/article/detail/21782978/
マイクロソフトがロシアでの製品販売停止を発表
アメリカのIT大手マイクロソフトはロシアでの製品とサービスの新規販売を停止すると発表しました。 マイクロソフトのブラッド・スミス社長は4日、「
ロシアによる不当で不法な侵略を非難する」との声明を出し、ロシア国内で製品とサービスの新規の販売をすべて停止すると発表しました。
また、
ロシアによるウクライナ侵攻が始まって以降、ウクライナ政府や民間のサイトなど、20以上の組織へのサイバー攻撃に対処したことを明らかにしました。
さらに、ウクライナのサイバーセキュリティーの担当者がロシアの攻撃から身を守ることができるよう支援を続けるということです。
アメリカのIT大手では、アップルがロシアでのすべての製品の販売を停止すると発表するなど、ロシアでの事業を停止する動きが広がっています。
2022.03.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220306-BEUH5RAFSJKRLFJBXQKJCTR7VQ/
「東部の親露派保護には全面侵攻必要だった」 プーチン氏が主張
ロシアのプーチン大統領は5日、ウクライナに全面侵攻した理由について、ロシアが「独立」を承認したウクライナ東部の親露派2地域を保護するためにはウクライナの軍事力を完全に破壊する必要があった、との認識を明らかにした。
国営航空会社の女性パイロットらとの面会での発言をタス通信が伝えた。
プーチン氏は、
ロシア軍を親露派2地域に進駐させるにとどめることも可能だったとしつつ、「
その場合は米欧から物資や弾薬、装備が無制限にウクライナに支援される」と主張。その上で「
参謀本部と国防省は別の手段を選んだ。全ての軍事施設、特に武器保管庫や弾薬、航空機、対空システムを破壊することにした」と述べた。
プーチン氏は
先月24日の緊急演説で、親露派住民の保護やウクライナの「非軍事化」、「非ナチス化」を実現するために軍事作戦を開始すると表明していた。
2022.03.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220305-WUEXMPECRZJNTAI4R6UK2ZJH3Q/
情報統制下、真実求める露国民 規制回避アプリ需要急増
ロシア軍によるウクライナに侵攻を受け、
ロシア国内で過去にない厳しい情報統制が進む中、
国民は当局によるソーシャルメディアなどへのアクセス規制を回避できる「VPNアプリ」をスマートフォンにダウンロードし、「戦争の真実」を知ろうとしている。
今回の侵攻に際し、ロシアの通信規制当局は国内メディアに対し、露軍の行動を「特別軍事作戦」と呼ぶよう指示。
作戦を「侵攻」や「戦争」と呼んだり、政権の公式情報と食い違う報道をした場合は最大500万ルーブル(約460万円)の罰金を科すと警告した。
露政権は4日までに、ウクライナ側の死傷者数など政権の公式発表ではない「虚偽情報」を報じたなどとして、
リベラル派のラジオ局「エホ・モスクブイ」やテレビ局「ドシチ」を電波停止に追い込んだ。
独立系電子メディア「メドゥーザ」のサイトへの接続も遮断。
ウクライナメディアへの接続も不可能だ。
一方、国民の多くが情報源とする国営テレビは、ロシア軍の損害の拡大や都市の破壊、露国内の反戦デモなどを報じず、侵攻の正当性を強調する政治宣伝で埋め尽くされている。
露政権が情報統制を強めているのは、戦場の実態を国民に知られ、反戦ムードや反政権機運が高まることを警戒しているためだ。
だが、
国民は真実を求めている。4日現在、「アンドロイド」と「iPhone」(アイフォーン)用アプリの露国内のダウンロード数ランキングでは、VPNアプリが軒並み最上位を占めている。国外サーバーを経由して通信する
VPNを使えば、露国内回線では接続が規制されたサイトにもアクセスできる。
2日付の露経済紙RBKは「
国民は政権に規制されていない情報を得るためVPNを積極的にダウンロードしている」と指摘した。
2022.03.03-Ameba(毎日新聞)-https://ameblo.jp/aizu1952412/entry-12729807292.html
ロシア、崩れた短期決戦のシナリオ 「侵略者」にウクライナ市民抵抗 | 毎日新聞
ロシアによるウクライナ侵攻から3日で1週間。ロシア軍は短期決戦による勝利のシナリオを描いたとみられるが、
ウクライナ軍の粘り強い抵抗に遭い、苦戦を強いられている。戦闘の終結は見通せない。
ロシア軍の部隊は目標の達成まで特別軍事作戦の遂行を続ける」。 ロシアのショイグ国防相は1日の国防省の会議でこう強調した。
プーチン政権は2月24日、東部の親露派支配地域の「住民保護」を理由に侵攻を開始した。
その狙いはウクライナのゼレンスキー政権の転覆と、親露派政権の樹立だとみられている。
露軍はウクライナ軍を圧倒的に上回る戦力を誇る。作戦開始後、東南北の3方向から侵攻するとともに、ウクライナ各地の空軍基地などをミサイルで一斉攻撃。首都キエフの近郊に空挺(くうてい)部隊を派遣した。制空権を奪って一気に短期戦を成功させる計画だったとみられる。
ロシア国営のロシア通信は2月26日朝、
露軍の戦勝を前提とした論説記事を誤って公開。直後に削除されたがインターネット上に拡散した。だが
ウクライナ軍の激しい抵抗を受け、苦戦を強いられている。ゼレンスキー大統領はこれまでに「約6000人のロシア兵を殺害した」としている。
露軍の低い士気も戦況に影響しているようだ。ウクライナ軍の捕虜となった露軍兵士はそろって「
訓練のために派遣されたと思っていた」と話しており、実戦が目的だと部隊に伝わっていなかった可能性がある。
ウクライナの市民は各地で露軍の車両の前に立ち塞がって抵抗。兵士たちは「侵略者」と非難され、ますます戦意をくじかれている。SNS(ネット交流サービス)上には、戦闘車両を放棄して徒歩で国境方面に戻ろうとする兵士らの映像なども出回っている。
米国防総省高官は1日、露軍が燃料だけでなく食料不足にも陥っているとの認識を示した。
毎日新聞
プーチンのウクライナ戦争は、大失敗に終わるだろう。ウクライナ政府の関係者は、このロシアの侵略戦争は、先ずキエフを48時間を守り抜くこと、さらに、10日間死守すれば流れが変わると戦った。目論見は達成をした。
ロシアという軍事国家でも1日150億ドルの戦費は痛い損出である。それに、
欧米の経済制裁もある。これから、ロシアは終わりの始まりである。
2022.03.02-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220302-UXPCQ56KNRM2FNYNQ6772SYJD4/
露経済、制裁で大混乱 底つくATM、一部富豪も「反戦」
【モスクワ=小野田雄一】
ウクライナ侵攻をめぐる米欧の対ロシア制裁を受け、
ロシア経済が早くも大混乱の様相を呈している。
露通貨のルーブルは暴落し、国民は銀行のATM(現金自動預払機)に長蛇の列をつくった。プーチン政権を支えてきた富豪のオリガルヒ(新興寡占資本家)からも今回の軍事行動に否定的な声が出始めた。
過去1年間、おおむね1ドル=70ルーブル台前半で推移していたルーブルは侵攻初日の2月24日、1ドル=90ルーブル近くに下落。ロシアの主要金融機関を国際決済ネットワーク「国際銀行間通信協会(SWIFT)」から切り離すとの米欧日の方針決定を受け、28日には一時1ドル=120ルーブル近くに下がった。
専門家の間では、SWIFTからの排除により、今年のロシアの国内総生産(GDP)は少なくとも3%縮小するとの見方が強まっている。
露中央銀行は28日、政策金利を9・5%から20%に引き上げると発表。通貨安に伴うインフレを抑えるのが目的だが、同時に景気を冷え込ませるのは必至だ。今回の制裁で対象となっている露中銀は外国為替市場でルーブル買い支えの介入を行うことが難しく、今後もルーブル安は進行するとの観測が強い。
プーチン大統領は同日、輸出企業などに対し、今年1月以降に得た外貨収益の80%を売却するよう義務づける大統領令に署名した。
一般国民の間では、クレジットカードを使えなくなったり、通貨安が進んだりすることへの不安が広がり、手持ちの現金や外貨を増やす動きが加速している。28日には各地でATMの現金が底をつき、引き出し不能となった。
オリガルヒの一部からも侵攻を批判する声が上がる。露アルミニウム大手「ルスアル」創業者のデリパスカ氏は27日、自身のSNS(会員制交流サイト)で「平和が重要だ。早く停戦交渉を始めるべきだ」と表明。28日にも「(ウクライナ南部クリミア半島をロシアが併合し、制裁を受けた)2014年は耐えられたが、今回は無理だ」と危機感を示した。
27日の英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)によると、露金融大手「アルファ・グループ」総帥のフリードマン氏(3月1日辞任)も「
戦争は何も解決せず、数百年間も兄弟関係だった両国民を傷つける」とするメッセージをロンドンの従業員に送った。
2022.03.02-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220302-2TBUWWPQRFO2DFAG3IZHEQXNZU/
露、国際社会で孤立進む 国連人権理の演説で一斉退場
【ニューヨーク=平田雄介、ポーランド南部ジェシュフ=佐藤貴生】
ウクライナ侵攻への強い非難を受け、
ロシアが国際社会で孤立を深めている。
1日の国連人権理事会では、ラブロフ露外相のビデオ演説時に各国大使らが議場から続々と退出した。国連総会は2日の緊急特別会合で、ロシアを非難し、ウクライナからの即時撤退を求める決議案を採決する見通しだ。
ジュネーブでの人権理では、ラブロフ氏のビデオ演説が始まるや、欧米や日本など約40カ国の外交官ら100人以上が議場から退出して抗議の意を示した。ラブロフ氏は欧州連合(EU)が露航空機の乗り入れを禁止したために現地入りしなかった。
ラブロフ氏は演説で、ウクライナに武器を供給して「ロシア嫌悪症の熱狂」をあおっているとEU諸国を批判。議場に残ったのは、中国、シリア、ベネズエラなど一部の国だけだった。
2月28日に始まった国連総会の緊急特別会合では3月1日までに111カ国の代表が演説を終えた。
ロシアを擁護する姿勢を見せたのは中国やシリア、キューバ、ベネズエラなど少数の権威主義国だけ。「ウクライナの主権侵害だ」などとロシアを非難する演説が続き、ロシア包囲網が狭まっていることを印象づけた。
ルーマニアやモンテネグロはウクライナ侵攻を「侵略」と表現した。
プーチン露大統領が核運用部隊を戦闘警戒態勢に移行させたことへの批判も相次いだ。
緊急特別会合は、ロシアが拒否権を持つ国連安全保障理事会の機能不全を受けて開催。決議に法的拘束力はないが、どのような文言で、どれだけの支持を集められるかが焦点となる。
ロシアを擁護してきた中国の発言もトーンダウンしている。2月28日の緊急特別会合では「ロシアを含む全ての当事国の正当な安全保障上の懸念に留意すべきだ」「ウクライナは東西のかけはしになるべきだ」とするにとどめた。
ロシアに抗議するデモは世界各地で続いている。3月1日にはワシントンやベルリンで行われ、市民らがウクライナとの連帯や対露制裁の強化を訴えた。
2022.03.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220301-EAN2EZ2NJ5JFFHGTGYXA5PQ6OM/
露軍、首都キエフ包囲へ態勢強化 米分析、制空権争いも激化
【ワシントン=渡辺浩生】
米国防総省高官は2月28日、ウクライナへの全面侵攻から5日目の戦況について、
ロシア軍は首都キエフの制圧を目標に多方向から進軍を続けていると語った。
首都包囲を狙っているとみられる。
ウクライナ側は「持続的で強固な反撃」を続け露軍を悩ませているとしたが、
ロシア側が態勢を整え今後は、標的を選ばずより激しい攻撃に乗り出す可能性を示した。
高官によると、
キエフに向けロシア軍は過去24時間で約5キロ進軍し、北方約25キロに達した。
一部の部隊が燃料不足に悩まされるなど予想以下のペースに「いらだっている」としたが、「彼らは課題から学び、適応し、克服しようとしている」とも指摘。戦術を再評価し、
従来の軍事目標から標的をより無差別に拡大する可能性を示した。
高官によると、
5日間の空爆で発射されたミサイルは380発に達した。ロシア側はなお制空権を確保できておらず、ウクライナ側の防空システムも機能を続けている。制空権をめぐる争いは激しさを増しているという。
一方、民間衛星の画像により、約27キロに及ぶ戦闘車両の車列がキエフの郊外で確認されたとの米CNNなどの報道について、国防総省のカービー報道官は28日の記者会見で、首都制圧というロシア側の意図に沿った動きとの見方を示した。
カービー報道官は、
ロシアのプーチン大統領が核兵器の運用部隊を戦闘警戒態勢に移行させたことについて、「分析と監視を続けている」と述べるにとどめ、
米国の核抑止態勢と同盟国を防衛する能力は自信を持っていると強調した。
2022.03.01-朝日新聞-https://www.asahi.com/business/reuters/CRBKBN2KX2T0.html
NY外為市場=ルーブル急落、ユーロ弱含み ロシア追加制裁で
[ニューヨーク 28日 ロイター] -
ニューヨーク外為市場でロシアの通貨ルーブルが急落。ユーロ/ドルも弱含んだものの、終盤にかけて下げ幅を縮小した。
西側諸国が対ロシア制裁を強化する中、高リスクへの投資を手じまう動きが強まっている。
欧米諸国はウクライナへの侵攻を続けるロシアへの新たな制裁措置として、
ロシアの一部銀行を国際銀行間の送金・決済システムのSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除することで合意した。
ルーブルは一時30%急落し、対米ドルで過去最安値となる120ルーブル近辺に落ち込んだ。その後はロシア中銀の緊急措置を追い風に下げ幅を縮小し、約24%安の111ルーブル近辺で推移した。
ジェフリーズのFXグローバル主任、ブラッド・ベクテル氏は、ルーブル以外では、為替相場は比較的安定的に推移していると指摘。「ルーブル以外の東欧の通貨の低調も目立ったが、最安値を付けているわけではない」とし、「極めて控えめな反応にとどまっている」と述べた。
ロシア・ウクライナの停戦交渉が28日に終了したとロシア通信(RIA)がウクライナ大統領府のポドリャク顧問の話として伝えた。双方の当局者が結果を持ち帰り一段の協議を重ねた後、第2回交渉に臨む見通しという。
ロシア・ウクライナの停戦交渉のニュースを受け、ユーロ/ドルは下げ幅を縮小。一時1%超下落したものの、終盤の取引では0.49%安の1.1212ドル。
安全通貨とされる円とスイスフランは堅調。ドルは対円で0.53%安、対スイスフランで0.95%安となった。
カナダドルは対米ドルで約0.1%上昇。主要輸出品目の原油の価格上昇が追い風となったものの、リスクテイクに消極的な動きから上値は重かった。
投資家の間では地政学上の緊張に加え、米連邦準備理事会(FRB)の利上げの道筋に影響する可能性があるとして、3月4日に発表される米雇用統計が注目される。