露-ロシア問題-1


2020.2.7-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200207/mcb2002070700001-n1.htm
ガス輸出の危機で低下する“ロシアの影響力” 販路の多角化に躍起

(モスクワ 小野田雄一)
ロシアの主要な外貨獲得源である天然ガス輸出事業が新たな局面を迎えている。米国の制裁で、欧州向け新パイプライン「ノルドストリーム2」の稼働開始が遅れることが確実となったほか、ガス通過料をめぐるウクライナとの交渉でもロシアは一定の譲歩に応じた。主要輸出先である欧州でもシェア低下が予想されている。ロシアは、外交戦略カードでもあるガス輸出のほころびが収入減や自国の影響力低下につながることを危惧。販路の多角化に躍起だ。(モスクワ 小野田雄一)

米の狙いは自国LNGの販路拡大?
 「米国は欧州からガスの安定供給源(ロシア)を奪い、割高な自国の液化天然ガス(LNG)を欧州に押しつけようとしている」 
露外務省は昨年12月21日、米国が前日にノルドストリーム2の建設に携わる企業の資産凍結を可能にする制裁を導入したことを受け、米国をこう非難した。
 ノルドストリーム2はバルト海底を通す約1200キロのパイプラインで、ロシアとドイツを結ぶ。輸送力は年550億立方メートルで、ロシアから欧州へのガス輸出の約4分の1に当たる。
 米国は「欧州のロシア依存が高まり、安全保障上のリスクとなる」と建設に反対してきたが、真意は自国産LNGの欧州向け輸出の拡大にあるとの見方も根強い。脱原発の推進に向け、安価なガス供給源を確保したいドイツのメルケル首相も制裁に苦言を呈した。
 パイプライン建設は約160キロを残すのみだったが、制裁導入を受け、建設に参加していたスイス企業が現場から作業船を撤退。ロシアは当初予定した今年半ばの稼働開始を今年末以降に変更した。
ウクライナにやむなく譲歩
 旧ソ連時代から存在する欧州向けパイプラインを通るガスの通過料をロシアから受け取ってきたウクライナとロシア間の通過契約(09年締結。19年末期限)の更新交渉も難航した。
 両国間では00年代、ガス価格などをめぐる紛争が相次ぎ、06、09年にはロシアがウクライナ経由のガス供給を一時停止する事態に発展。欧州に混乱を招いた。ロシアはウクライナへの依存度を下げるため11年、ウクライナを迂回するパイプライン「ノルドストリーム」の稼働を開始した。
 ウクライナとの更新交渉は、こうした中で行われた。露メディアによると、ロシアは契約期間の短縮を主張。ロシアには、ウクライナへの依存度をさらに減らして揺さぶりをかけ、将来的な同国への発言力を強める狙いがあった。一方、ガス通過料を重要な歳入源とするウクライナは長期契約や通過料値上げを要求。同国は、ガス供給を再び停止すれば収入減や欧州での信用低下を招く−とのロシアの弱みをてこに交渉を展開した。
 最終的に両国は昨年12月下旬、5年間の契約更新で合意。ロシアは以前の契約違反の賠償金約29億ドル(3000億円)をウクライナに支払うことになったほか、通過料の値上げにも応じたとされる。コザク露副首相は「より大きな損失を避けるための厳しい決断だった」と、一定の譲歩をしたことを示唆した。
欧州の需要減少
 ロシアにとってガスの最大輸出先である欧州では、ガス需要が長期的に減少していく見通しだ。また、エネルギー安全保障の観点などから調達先を多角化させており、ロシア産ガスのシェアは低下が予想されている。
 ロシアにとって、外交戦略にも利用してきたガスの輸出がつまずくことは、経済的打撃にとどまらず、国際的影響力の低下にも直結する。こうした危機感の中、ロシアは昨年12月、中国と結ぶ初のパイプライン「シベリアの力」を稼働。今月1月にはトルコと結ぶ「トルコストリーム」も稼働させた。さらにアジアへの輸出を見据えて北極圏のLNG開発も進めるなど、販路拡大を急いでいる。


2020.1.27-IZAイザ(産経新聞)-http://www.iza.ne.jp/kiji/world/news/200127/wor20012716270014-n1.html
ロシア、プーチン批判勢力が攻勢強める 政権側はスピード改憲で対抗

【モスクワ=小野田雄一】ロシアのプーチン大統領が改憲案を提示したことについて、政権の批判勢力は支持基盤拡大の好機ととらえ、「改憲はプーチン体制の永続化につながる」などと攻勢を強めている。これに対し、政権側は異例の速さで改憲を実施する意向だ。批判勢力が改憲阻止へ“共同戦線”を張る前に改憲を済ませ、プーチン氏あが狙う権力構造の変更を早急に既成事実化する狙いがあるとみられている。

 改憲案はプーチン氏が15日の演説で提示した。プーチン氏の狙いは、2024年に控える大統領退任後も実権を保持することにあるとの見方が支配的だ。

 これに対し、反体制派指導者のナワリヌイ氏は20日、自身のウェブサイトで「プーチン氏は永遠に指導者の座にとどまろうとしている」と指摘。「プーチン氏によるこれ以上の権力簒奪(さんだつ)を防ぐ必要がある」とし、抗議デモの実施や選挙闘争を行う方針を示した。

 ナワリヌイ氏は昨年9月のモスクワ市議会選で、有力野党系候補に政権批判票を集中させる「賢い投票」戦術を呼びかけ、与党側の議席減に導いた。今年9月の統一地方選や来年の露下院選でも同様の戦術で、改憲によるプーチン氏の権力保持を牽制(けんせい)する考えだ。

 一方、リベラル政党ヤブロコの創設者、ヤブリンスキー氏は19日、自身のサイトで「党独自の作業部会を設置し、別の改憲案を作成して国民に提示する」と表明。プーチン氏の政敵として長年獄中にあった元石油王、ホドルコフスキー氏も19日、フェイスブックで、改憲阻止のために改憲の及ぼす影響を分析して国民に提示する「憲法会議」を創設すべきだと訴えた。

 ただ、各勢力は政権主導の改憲を防ぐべきだとの主張で一致しているものの、方法論はさまざまで、共闘の動きも現時点では出ていない。その背景には、プーチン氏の真意や改憲後に権力構造がどう変わるかといった見通しが必ずしも明瞭でないことがある。

 そうした中、政権側は異例の速度で改憲を実現する方針だ。改憲案は20日に下院に提出され、23日に第1読会(3段階審議の1番目)を通過。第2読会は2月11日に予定され、改憲の是非を問う国民投票も4月までに行われるとの観測が出ている。露専門家は「政権側の狙いは、批判勢力が結集したり、改憲の本質について国民の理解が追いたりする前に改憲を行うことだ」と指摘している。







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