日本の不祥事-1


2024.04.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240425-HMRMDKUAF5NB5JKXWEOTNNX3AM/
政治資金規正法 最大の焦点は「連座制」 法の趣旨踏まえた議論を
(久原昂也、星直人)

  自民党の派閥パーティー収入不記載事件を受けた政治資金規正法改正の各党の案が出そろった大型連休明け以降、議論が本格化するが、最大の焦点といえるのが、会計責任者が刑事責任を問われた場合に国会議員も責任を問われる「連座制」だ各党とも導入の方向性を示しているが、再発防止のためには「別の視点も必要」とする専門家の声もある。

  事件では安倍派(清和政策研究会)を中心に100人近くの議員の関連団体の不記載が発覚規正法の在り方が問われ衆参が政治改革特別委員会を設置し、政府は今国会の改正を目指している
  立憲民主党などは、議員の起訴が3人にとどまったことを念頭に、選挙運動責任者などが刑事責任を問われれば議員も失職する公選法の規定と同様、会計責任者が責任を問われれば議員が失職する連座制を規正法にも設けるよう主張している
  自民党では、会計責任者がわざと不記載にしただけで議員が失職しては「政治機能がまひする」などの慎重論もあったが、条件付きで連座制の導入を盛り込んでいる
  そもそも、公選法に連座制の規定があるのは、違反者が議員本人でなくとも、議員を選出する前提である「選挙の公正」をゆがめるものだからだ。一方、規正法が罰する政治資金収支報告書の不記載は、議員活動に関係はあっても、議員選出の前提とまでいえるかは、議論の余地が残る。
  元検事の高井康行弁護士は連座制について「会計責任者が恣意的に違反しても議員が失職する可能性があり、民意の軽視につながる」と安易な導入に警鐘を鳴らした上で罰則の強化を提言する。
  具体的には、禁錮5年以下もしくは100万円以下の罰金としている規正法の不記載罪や虚偽記入罪を、業務上横領罪と同じ10年以下の懲役とする「政治資金隠匿罪」とするほか、会計責任者の選任・監督で「相当の注意」を怠った場合、議員に50万円以下の罰金を科すとしている規定も強化すれば「抑止効果は向上する」とみる。また、各党案では企業・団体献金の存続についても意見が分かれており、献金の在り方についても議論が進みそうだ。
もうひとつの焦点「政策活動費」 報告義務の事例も
  自民党の派閥パーティー収入不記載事件に端を発し、各党の主張にばらつきがあるのが、党から議員個人に支出される「政策活動費」だ。具体的な使途を報告する義務がない資金ともいわれるが、場合によっては報告義務が生じることも。自民党が見直しに慎重な一方、立憲民主党は禁止を掲げており、国会で改めて検証されそうだ。
  令和4年分の自民党本部の政治資金収支報告書によると、自民は幹部15人に計14億1630万円を支給。うち9億7150万円が、茂木敏充幹事長に対する支出だった。
  政治資金規正法は議員個人への寄付を禁じ、政治資金管理団体に一本化するよう求めているが、例外として政党から議員個人への寄付を認めている。これが政策活動費で、資金管理団体と違い、議員個人が収支報告書に報告する義務がない。
  ただ、規正法に詳しい日本大の岩井奉信名誉教授によると、党から政策活動費を受け取った幹事長などの党幹部が、さらに個別の議員などに寄付した場合は、党からの直接寄付ではなく党幹部から議員への寄付になるため「受け取った議員側の政治資金収支報告書や、選挙運動費用収支報告書に記載する必要が出てくる」という。
  仮に政策活動費が党幹部を経て議員個人にわたっていたと疑われても、現金のやり取りを裏付けるのは容易ではなく、法律違反に問われた例はないとされるが、岩井教授は「政策活動費のその後の使い道までが、無条件で不記載で済むわけではない」と強調。「政策活動費の本来の性質を踏まえた上で議論する必要がある」と、くぎを刺した。(久原昂也、星直人)


2024.04.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240416-CWTICFDU5RJMRFE4LTLDEHYW44/
自民・B氏、再審査請求却下を受け、週明けにも離党判断 不記載事件

  自民党の派閥パーティー収入不記載事件を巡る離党勧告を不服として再審査を請求していた安倍派(清和政策研究会)のB元文部科学相16日、党が請求の却下を決めたことを受け、週明けにも離党届を提出するか否か判断する考えを記者団に示した。

  再審査請求が認められない場合は離党届を提出するとの意向に変わりないかと記者団に問われ「基本的にはそうだ」と述べた。


2024.04.12-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240412-DZAIRXMZLBOX7APGWJOIKNAJZM/
B氏が処分に再審査請求 安倍派処分を「まるでスケープゴートのよう」と不満

  自民党安倍派(清和政策研究会)の座長を務めたB元文部科学相は12日、派閥パーティー収入不記載事件にからみ、自身が受けた離党勧告処分を不服として、再審査請求したと明らかにした。国会内で記者団に明らかにした

  再審査請求が却下された場合、10日以内に離党届を出さなければ除名となる。総務会が党紀委員会で再審査するかどうかを協議する見通し。
  再審査請求の理由について、B氏は「処分には事実誤認の点が多々ある。事実に基づいた公平な審査を求めたい」と説明。さらに「岸田文雄首相(党総裁)の責任も問われるべきだ」と述べた。党や国会による真相解明も必要だとの考えも示した。
  B氏は4日に提出した弁明書で、安倍派に対する処分を「まるでスケープゴートのよう」と批判。その上で「清和研と同様、関係者が起訴された総裁派閥を率いてきた岸田(文雄)総裁の道義的・政治的責任も問われるべき」と強調していた。


2024.04.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240406-OLQG6KJ5MFNYTIHH62NKEFNYDU/
処分への不満に「最後は党一丸で取り組むのが自民党」岸田首相、車座対話で事件を謝罪
(川島優治)

  岸田文雄首相は6日、熊本市を訪問し、自民党派閥の政治資金パーティー収入不記載事件を受け、執行部が全国の地方組織や党員らから意見を聞く「政治刷新車座対話」に自民総裁として臨んだ。事件について謝罪し、今国会中の政治資金規正法改正を目指す意向を重ねて示した

  首相が車座対話に出席したのは初めて。4日に断行した関係議員の処分に関しては「政治責任、道義的責任について考えた」と説明。政治資金規正法改正については「厳格な内容を実現することで、一歩でも国民の信頼回復につなげたい」と述べた。
  参加者は「今まで応援していたが、信頼できなくなった」「党員を辞めようかと思っている」といった厳しい声が寄せられていると説明。首相は神妙な面持ちで、ときおりうなずきながらメモを走らせていた。
  終了後、首相は記者団に「(意見を)重く受け止め、真摯に反省し、信頼回復に努める思いを強くした」と語った。
  一方、処分内容をめぐる党内の不満については「しっかり受け止めたいが、最後は決定に基づいて党一体として取り組んでいくのが自民党だ」と強調した。(川島優治)


2024.04.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240405-7FIT7JNPXNIJ7GQJFL5JBMMJI4/
安倍派のB元座長、離党勧告に再審査請求検討 「地元と相談して判断」

  自民党安倍派(清和政策研究会)の座長を務めたB元文部科学相は5日、党紀委員会が決定した離党勧告を不服として、党本部への再審査請求を検討する考えを明らかにした。「地元と相談して判断していきたい」と述べた。国会内で記者団の取材に答えた。


2024.04.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240404-EE275WFZJNMDZLUIXYMCZVAMU4/
運行管理者の国家試験で受験者「全員合格」 発表ミス、センター謝罪

  トラック、バス、タクシーなどの営業所に配置が義務付けられている国家資格「運行管理者」の試験で、受験者約2万8千人全員を一時、インターネットで合格者と発表するミスがあったことが4日、分かった。試験を運営する「運行管理者試験センター」は、「事務的なミスがあった」としている。

  センターによると、2、3月に実施した令和5年度の第2回試験で、結果を今月3日午前9時ごろにホームページで発表した際、全員を合格として掲載していた。受験者からの指摘を受け該当ページをいったん削除し、同午前11時半ごろに正しい内容に差し替えた。
  実際の合格者は約9700人で、受験者にメールを送り、合否の再確認を求めた
  各自が番号を入力して合否を検索するシステムではミスはなかった。センターは「再発防止に努める」と話した。


2024.04.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240404-7IZXI2LF2NOT7KDPFN6TPAB2SU/
Y-1幹事長、不記載500万円未満の45人は「厳重注意」 B-2氏やM-1氏ら
(以下実名報道とします、なおその他はいままで通りです)(敬称略)

  自民党の茂木敏充幹事長は4日の記者会見で、派閥の政治資金パーティー収入不記載事件に関し、不記載がありながらも5年間の総額が500万円未満で、党紀委員会の対象とならなかった議員ら45人について「早急に厳重注意を行いたい」と述べた。45人の一覧は次の通り。(敬称略、五十音順、★は二階派、その他は安倍派、衛藤晟一氏は現在安倍派)

  青山周平、赤池誠章、石井正弘、石田昌宏、稲田朋美、井上義行、井原巧、今村洋史、上杉謙太郎、上野通子、江島潔、★衛藤晟一、太田房江、越智隆雄、加藤竜祥、加納陽之助、亀岡偉民、北村経夫、木村次郎、小森卓郎、酒井庸行、佐々木紀、佐藤啓、鈴木英敬、鈴木淳司、高橋はるみ、谷川とむ、田畑裕明、長峯誠、西田昌司、根本幸典、野上浩太郎、福田達夫、藤原崇、松川るい、★宮内秀樹、宮沢博行、宮下一郎、森雅子、山崎正昭、山田美樹、山本順三、義家弘介、吉川有美、若林健太


2024.04.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240401-KP54MWMP7VKV3F4CXXSWKTZSZ4/
自民安倍派のB氏、R氏へ離党勧告検討 処分対象は不記載500万円以上の39人

  自民党は1日、安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティー収入不記載事件を巡り、政治責任が特に重い同派幹部4人のうち、座長だったB元文部科学相と参院側トップだったR前参院幹事長に対し、8段階の処分で2番目に重い「離党勧告」を行う検討に入った。残るO前経済産業相とA元政調会長は4番目に重い「選挙での非公認」を軸に調整しているが、離党勧告を求める意見もあり、慎重に検討する。

  処分は4日にも党紀委員会で決定する。Y-1幹事長は1日、4幹部を含む安倍派と二階派(志帥会)の議員ら39人を処分対象として党紀委員会の招集を要請した。対象となったのは、政治資金収支報告書への不記載額が5年間で500万円以上の議員と、500万円以下でも安倍派の主要幹部だった議員ら。次期衆院選不出馬を表明したA-2元幹事長や、岸田文雄首相(党総裁)は含まれなかった。
  不記載額が「500万円以上、1千万円未満」の議員は、8段階で7番目の「戒告」など軽い処分なる方向だ。「1千万円以上」は、6番目の「党の役職停止」などを科す案がある事務総長経験者のQ前国対委員長とR前官房長官らが該当する
  安倍派4幹部は令和4年4月、当時の会長の安倍晋三元首相に資金還流を中止するよう指示されながら、同年7月の安倍氏の死去後、結果的に資金還流が継続された経緯がある。首相や党執行部は4幹部、特に衆参それぞれの責任者だったB、R両氏は政治不信を招いた重い政治責任を有すると判断した。
  不記載は安倍派と二階派の現職82人と、選挙区支部長3人の計85人に判明した。処分対象となった39人以外は、Y-1氏が注意を行う


2024.4.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240401-BAHOETL6QRLRFJA4Y6XQRNU3U4/
パーティー収入不記載事件巡る処分対象39人の氏名公表 岸田首相は含まれず

  自民党は1日、派閥パーティー収入不記載事件を受け、安倍派(清和政策研究会)の会長代理を務めたB元文部科学相ら処分対象となる39人の氏名を公表した。Y-1幹事長が審査を求めた処分対象者に岸田文雄首相は含まれなかった。


2024.03.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240327-QR7LRME5NFOUROT3JLGQ52ZRIA/
<独自>磯焼け対策の駆除ウニを地元有力者に「贈答」 本来廃棄 長崎・壱岐東部漁協

  長崎県壱岐市の漁協が国の補助金でウニを駆除しながら廃棄せず贈答品として地元議員ら複数の有力者や団体に渡していたことが27日、関係者への取材で分かった。補助金はウニが海藻を食べ尽くすことで発生する「磯焼け」への対策として禁漁期間中のウニを駆除する名目で支出。水産庁の担当者は「補助金の目的はあくまでも駆除。贈答が事実なら(目的外支出で)問題だ」としている。

  複数の関係者によると、駆除は定期的に行われるもの。壱岐東部漁協は禁漁期間に入った直後の昨年6月7日、漁協所属の海女32人に依頼してウニを駆除名目で採取。海女1人あたり1キロのむき身を納めるよう要請し、駆除作業の日当1万円を支払った日当には駆除実施分として漁協が行政側に申請した国の補助金計32万円が充てられた
  駆除したウニは海女がそれぞれの自宅に持ち帰り、殻を割って身を掻き出し、ノルマ分を同漁協に持参。持ち込まれたウニは漁協職員が贈答用に処理し、組合長が指示した有力者ら10件ほどに贈っていた贈答先には壱岐市を含む衆院長崎3区選出で、自民党派閥のパーティー収入不記載事件で今年1月に辞職、有罪が確定したE-1元衆院議員も含まれるという。海女が同漁協に納める量は令和4年までは1人800グラムだったが、潜る人数が減ったため昨年からノルマが200グラム増やされたという。壱岐産のウニは市場では1キロ当たり約3万円の高値で取引されている
  壱岐東部漁協は産経新聞の取材に対し、E-1氏らにウニを贈ったと認めた上で、「お世話になった人に贈っただけで、何もやましいことはない。キックバックのようなことではない」と説明。一方で、駆除名目で採ったウニの贈答は「今年から止める」とも述べた。
  壱岐市内の5つの漁協は例年、国の補助金を使ってウニの駆除を実施。ただ、壱岐東部以外の4漁協は駆除したウニを廃棄していた。


204.03.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240327-QKJIEYWW2VLRLP7XKR2HL6QEHU/
裏金聴取、O・R氏も 首相、安倍派の還流復活 党処分へ詰めの作業

  自民党は27日、派閥の政治資金パーティー収入不記載事件を受け、安倍派(清和政策研究会)事務総長を務めたO、参院側会長だったR両氏から東京都内のホテルで個別に追加聴取した。岸田文雄首相自ら、令和4年8月の安倍派幹部協議で資金還流を復活させた経緯を確認した。26日のB、A両氏を含む4人聴取を受け、執行部は来週にも党処分を決めるため詰めの作業を急ぐ。

  首相は追加聴取に関し記者団に「今日で終わるのでなく必要な調査を執行部で手分けして続けたい。調査の結果、政治責任について判断する」と強調した。
  執行部は、還流復活を止めなかったB氏ら4人の責任は重いとして「選挙での非公認」以上の厳正処分を科す方向で調整を進める


2024.03.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240327-HSDJUOZ6XZNFTAGOVRTZH6ZPAA/
首相の処分は見送り? 党内賛否「岸田派解散は立派」「お手盛り」
(田中一世、竹之内秀介)

  自民党派閥の政治資金パーティー収入不記載事件を受けた岸田文雄首相(党総裁)自身への処分は見送られるとの見方が出ている。首相は、元会計責任者が略式起訴された岸田派(宏池会)の悪質性は、安倍派(清和政策研究会)のケースより軽微との認識で、多くの党幹部も同調している。ただ、党のトップがおとがめなしとなることへの世論の批判を懸念する議員は少なくない

  首相は27日、安倍派4幹部に対する追加聴取を26日に続き行い、処分の検討を本格化させた。一方、自身の処分に関しては25日の参院予算委員会で「党の歴史の中で、現職の総裁が処分された事例はない」と否定的な姿勢を示した。
  安倍派は議員側への資金還流と収支報告書への不記載を長年にわたり派閥全体で行っていた首相としては、岸田派の不記載は「事務的ミス」であり、安倍派とは「全く次元が異なる」と語る。党執行部も、悪質性や組織的関与の点で同列ではないとみなしている。
  党幹部の一人は「岸田派は(意図的ではない)誤記載。誤記載で愛着のある派閥の解散に踏み切った。立派な責任の取り方だ」と理解を示した。
  一方で厳しい声も出ている。自民のZ衆院議員は1月の党政治刷新本部会合で首相の辞任を要求した。ブログで「総裁に対して率先して議員バッジを外すよう促し、本件のけじめの先鞭をつけるよう求めました」と明かした。
  A-2元幹事長は今月25日、二階派(志帥会)の会計責任者と自らの秘書が立件されたことへの「監督責任」を取り、次期衆院選不出馬を表明した。安倍派中堅は「会計責任者が罪に問われたという意味では岸田派も同じ」と語った。
  別の安倍派議員は「(A-2氏は)『俺は責任を取った。お前はどうする』という首相に対するさや当てだろう」と指摘。首相が自身の処分に否定的な答弁をしたことには「野党に追い込まれて処分を決めた形ではなく、自分で打ち出したいのでは」と処分の可能性はあるとの見方を示した。
  ただ、安倍派幹部クラスに検討している「選挙での非公認」や「党の役職停止」を首相に科すのは党にとってハードルが高い。首相は27日の参院予算委で、自身の処分が「党の役職停止」となった場合、「党規約をそのまま読めば、役職を外れるということになる」と述べ、党総裁の辞任は避けられないとの認識を示した。仮に処分するなら比較的軽い「戒告」などが現実的となる。(田中一世、竹之内秀介)


2024.03.26-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240326-X3ZI2JPBL5PXZPNVGCJXRPYI4M/
首相がB、A両氏を追加聴取 弁明踏まえ党処分判断

   自民党は26日、派閥の政治資金パーティー収入不記載事件を受け、安倍派の会長代理を務めたB、A両氏から東京都内のホテルで個別に追加聴取した。安倍派幹部は令和4年8月5日に資金還流の扱いを協議し、その後に還流を復活させており、岸田文雄首相が自ら経緯をただした。安倍派幹部には弁明を踏まえ来月初旬に厳正処分を科す方針で、Y-1幹事長が週内にも党紀委員会の招集を要請する。

   国会の政治倫理審査会の証言では還流復活を誰が主導したか明らかにならなかった幹部協議に加わった当時事務総長のO氏、参院側会長だった世R氏は27日に聴取する。関係者によると、B氏は政倫審の弁明に沿って説明した。首相は聴取後、記者団に「作業をこれからも続ける」と述べるにとどめた。聴取にはY-1氏とZ-1総務会長が同席した。次期衆院選への不出馬を表明したA-2元幹事長の処分は見送る方向だ。


2024.03.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240319-6MACBNOTJZPL5DVKYWTEMNXOE4/
政倫審で幕引きならず、安倍派幹部「話が違うじゃないか」 証人喚問要求に戸惑う自民
(竹之内秀介)

  自民党派閥の政治資金パーティー収入不記載事件を巡り、野党4党が安倍派(清和政策研究会)幹部ら6人の証人喚問を要求したことを受け、自民内に動揺が広がっている。証人喚問は政治倫理審査会とは異なり、虚偽の証言や理由なき出席拒否が処罰の対象になり得るためだ自民側には証人喚問の代わりに政倫審に応じたという思いがあり、「話が違う」などの嘆き節も聞こえる

  「かなりハードルの高い話だ。のめるかどうかは今のところ判断しがたい」。自民のC国対委員長は19日、証人喚問の実施について記者団を前にこう難色を示した。公明党のX-1代表も記者会見で同様の意見を述べた。
  すでに政倫審に出席した安倍派幹部は「われわれを引っ張り出して騒ぎたいだけだ」と野党側への憤りを隠さない。自民幹部からは政倫審に出席すれば証人喚問などは行われないとの見通しを伝えられていたとして、「話が違うじゃないか」ともぶちまけた。別の安倍派幹部は「もうめちゃくちゃだ」と嘆いた。
  自民としては、これまでに開かれた衆参両院の10議員に対する政倫審で幕引きを図りたい考えだ証人喚問が開かれれば、事件に関する新たな疑惑が表面化しかねないとの懸念もくすぶる。
  自民の党三役経験者は野党の求めに応じて政倫審を全面公開で行ったことを念頭に、「野党にはすでに相当譲歩している。自民国対が『防衛ライン』を引けていない」と身内への不満を口にした。
  もっとも、政倫審の出席者は事件に関して「知らなかった」「分からない」といった回答を繰り返すばかりで、安倍派で資金還流が始まった経緯などは明らかにならなかった。世論の理解が得られたとは言い難く、自民内にも「疑問が残った」(中堅議員)との声がある
  事件の影響で岸田文雄内閣の支持率が低迷する中、自民が野党の要求をはね返せるのかは見通せない。自民関係者は「野党の提案を受け入れれば、支持率は上がる面もある。最終的には首相の決断次第だ」と指摘した。
(竹之内秀介)


2024.03.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240318-R3OL5INLM5PLJKMWNCUES5PMXY/
自民が不記載で80人処分検討、「除名」は見送る方向 岸田首相「処分前の衆院解散考えず」

  自民党が派閥パーティー収入不記載事件を受け、安倍派(清和政策研究会)、二階派(志帥会)の議員計80人規模を4月上旬にも処分する方向で検討していることが18日、分かった。党が定める処分で最も重い「除名」は見送る見通し。岸田文雄首相(自民党総裁)は18日の参院予算委員会で、不記載が発覚した議員に対する処分と衆院解散の時期について「処分前の解散は考えていない」と答弁した。

  首相は18日の党役員会で、処分について、政治資金収支報告書への不記載額や役職歴、説明責任の果たし方などを踏まえ総合的に判断する考えを示した。説明責任について、首相は予算委で「説明の形だけではなく、説明の中身が大事だ」と述べた。
  首相は衆院解散の時期に関し、「まずは信頼回復のために、党として政治責任のけじめをつける。この国会で、再発防止策の法律を成立させることによって確定する」と述べた。さらに「先送りできない課題に専念しなければならない。これに尽きる」とも語った。
  自民の茂木敏充幹事長は18日の記者会見で、衛藤晟一党紀委員長(安倍派)から同日に辞任の申し出があったと明らかにした。衛藤氏は「不記載はないが誤記載があったことの道義的責任を取りたい」と説明したという。茂木氏は後任を19日以降にできるだけ早く決める考えを示した。
  一方、自民は17日、東京都内のホテルで党大会を開き、「政治とカネ」をめぐり議員処分を厳格化する党則、規律規約、党の運営指針「ガバナンスコード」の改正を採択。首相は事件を謝罪した上で「私自身が先頭に立って党改革、政治改革を断行することを改めて約束する」と訴えた。
  政治の信頼回復に向け、首相は自身を含む党幹部が全国各地に足を運び、国民の意見を聞く「政治刷新車座対話」(仮称)を行う考えも明らかにした。


2024.03.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240314-GP4QBQNBTVKSJMV2U67ZM3L6HM/
世耕氏「還流の関与なく報告・相談も受けていない」 不記載事件、参院政倫審

  自民党派閥の政治資金パーティー収入不記載事件を巡り、参院政治倫理審査会が14日午前、始まった。安倍派(清和政策研究会)の参院側会長だった世耕弘成前参院幹事長が出席し、冒頭、「国民の政治に対する信頼を大きく毀損し、深くおわびを申し上げる」と陳謝。パーティー券販売ノルマの超過分の還流について「関与したこともなければ、報告、相談も受けていない」と説明した。

  令和4年に安倍派会長の安倍晋三元首相の指示で還流の中止を決め、安倍氏の死去後に復活されたが、その経緯については「私が出席している場で還流が決まったり、私が了承したというようなことは一切ない」と語った。
  参院選の改選議員に全額を還流する仕組みの決定過程を巡っては「全く関与していない」と述べた。派閥からの資金還流に関しては「今回の事態が明らかになるまで、自分の団体が受け取っている意識がなかった」と語った。


2024.03.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240305-VG73ITA56VJOLAD5QG6RA6UVVI/
<独自>自民党、会計責任者起訴で議員「除名」可能に 17日に党則改正

  自民党は17日の党大会で予定している党則改正を巡り、政治資金規正法違反事件で政治団体の会計責任者が逮捕、起訴された場合、団体の代表を務める所属議員に対して、離党勧告や除名を行えるようにする方向で調整に入った。現在の党則では、会計責任者が刑事処分されても議員の責任を問うことができない議員も責任を負う「連座制」に近い仕組みを導入することで、政治の信頼回復につなげたい考えだ。

  複数の自民関係者が5日、明らかにした。政治資金収支報告書への不記載額が少ない場合などは、戒告や党の役職停止といった軽い処分を講じる余地も残す。
  自民派閥の政治資金パーティー収入不記載事件を巡っては、安倍派(清和政策研究会)、二階派(志帥会)、岸田派(宏池会)の3派閥の会計責任者らに刑事処分が下されたが、派閥幹部は不起訴となった。
  このため、党内では「事務方だけではなく議員も責任を取る仕組みをつくらなければトカゲの尻尾切りが続くだけだ」との声が上がっていた。自民が1月にまとめた政治改革の中間報告では、会計責任者が逮捕、起訴された場合は議員も処分できるよう、党則を改正すると明記していた。
  岸田文雄首相(自民総裁)は5日、党本部で政治刷新本部の作業部会幹部らと面会し、党則や党運営指針となる「ガバナンスコード」の改正案について説明を受けた。自民は7日に予定する政治刷新本部で改正案を示す方針だ。

2024.02.29-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240229-ZUGI4I6DJ5LXFB4U2IFDDU5ZKQ/
「ボス」を守れ 二階派自慢の結束で元幹事長の政倫審出席回避も、冷ややかな声
(市岡豊大)

  自民党派閥の政治資金パーティー収入不記載事件を扱った29日の衆院政治倫理審査会には、野党側が出席を求めたW-1元幹事長ではなく、W-1氏が率いる二階派(志帥会)事務総長のV-1元総務相が出席した事件で二階派は元会計責任者が刑事処分されたほか、W-1氏は多額の政治資金収支報告書の訂正に及んだ側近のV-1氏が身をていして領袖(りょうしゅう)を追及から守った形だが、派内には冷ややかな声もある

  「W-1氏は紛れもなく派閥の象徴だ。しかし、事案が発生して数々の作業に携わったのは私であり、一番説明責任がつく」 V-1氏は政倫審で、W-1氏ではなく自身が出席した理由をこう述べた。
  二階派は派閥の収支報告書に過去5年で計2億円超の不記載があったとして、元事務局長が在宅起訴された。また、W-1氏の関係団体でも約3千万円超の不記載があったとして、担当秘書が略式起訴された。
  野党は衆院予算委員会などでW-1氏に追及の矛先を向けており、W-1氏側も指摘された書籍代約3500万円の内訳を公表するなど疑惑の払拭に努める場面もあった。
  W-1氏自身は野党にも政治資金問題があることを念頭に「何で俺が出なきゃならん。俺が出るなら野党も出ろ」と周囲に漏らす。ただ、「売られたけんかを買いがちな性分」(二階派議員)のW-1氏が出席すれば、野党のペースに乗せられる懸念があり、最終的にV-1氏が政倫審への〝代理出席〟を決めた。
  政倫審の出席者を巡り安倍派(清和政策研究会)の対応が混迷した一方で二階派は足並みをそろえて「ボス」を守り、解散決定後も自慢の結束力を見せつけた。とはいえ、V-1氏を含むW-1氏以外の派閥幹部も収支報告書を訂正した経緯があり、派内にも「誰かが責任を取るのは当然だ」と突き放す声がある。(市岡豊大)


2024.02.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240228-JBQO4HILK5OUZHBIQFZ2APDHDY/
岸田首相、衆院政倫審出席の舞台裏 捨て身覚悟で局面打開 動かぬ安倍派に「俺の怒りだ」
(永原慎吾)

  岸田文雄首相(自民党総裁)が、党派閥のパーティー収入不記載事件を巡る衆院政治倫理審査会に自ら出向くことを決断したのは、出席者の調整や開催形式が一向に折り合わない膠着(こうちゃく)状態を打開するためだ。首相は政治不信の根源でありながら説明責任に後ろ向きな安倍派(清和政策研究会)幹部らの姿勢に業を煮やしてきたが、捨て身の覚悟で政倫審への出席を強く促した形だ。

  「政倫審が与野党の駆け引きで動かなくなっていることは国民にとって良いことではない。何とか状況を打開したい」 28日朝、首相は与党幹部の電話を次々と鳴らし、自ら政倫審に出席する意向を伝えた。
  首相は当初から、安倍派幹部らが公開の場で説明責任を果たすよう期待していた。ただ、政倫審への出席や公開は議員自身の意向が尊重されるため、自発的な判断を暗に促すにとどめてきた。26日の衆院予算委員会では「完全な非公開は歴史の中でも1件しかない」と答弁し、周辺は「首相として許される最大限の表現だ」と解説した。
  ところが安倍派幹部は公開での開催に難色を示し続けた。同派のO前経済産業相と二階派(志帥会)のV-1元総務相は応じる意向を示したが、結局は横並びを意識して腰が定まらず、28日開催の日程調整も不調に終わった。首相はこの段階で、心ひそかに自身の出席を決断した。
  首相は野党の出方にもいらだちを強めていた。立憲民主党は政倫審に関する要求を通すため、令和6年度予算案の審議に応じない姿勢を示し始めていた。予算案には能登半島地震の復興に向けた経費も含まれ、看過できる事態ではなかった。
  「こういった状況のままでは、ますます国民の政治に対する信頼を損ね、国民の政治に対する不信はますます深刻になってしまう」
  首相は28日、与党幹部への電話の後、記者団にも政倫審への出席を表明した。安倍派や二階派の幹部は次々と追随し、野党幹部も「首相は勝負に勝った」と評した。
  1月の岸田派(宏池会)解散に続く捨て身の決断で局面を動かしたが、党内で新たな摩擦を生んだとの指摘もある。しかし首相は周囲に言い切った。
  「この決断は、俺の怒りだ」
(永原慎吾)


2024.02.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240228-W562G53BFNIN3PO75XQKQ2JLUI/
岸田文雄首相が衆院政治倫理審査会に自ら出席の意向を表明 「マスコミオープンで説明責任を果たす」

  岸田文雄首相は28日、官邸で記者団に、自民党派閥の政治資金パーティー収入不記載事件を巡り、衆院政治倫理審査会に自ら出席する方針を表明した。首相は「党総裁として政倫審に自ら出席し、マスコミオープンのもとで説明責任を果たしていきたい」と述べた。また、自民のC国対委員長に手続きを進めるよう指示したことを明らかにした。首相が政倫審に出席すれば、現職の首相としては初となる。

  首相は「与野党の駆け引きの中で、(政倫審の)開催の見通しが立たないのは極めて残念だ」と述べた。その上で「今の状況のままでは国民の政治に対する不信がますます深刻になってしまうという強い危機感を感じていた」と出席理由を語った。さらに「志のある議員に政倫審をはじめあらゆる場において説明責任を果たしてもらうことを期待している」と語った。


2024.02.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240222-SDAVHW4KEVOYDMSWV5R2JZYJYE/
衆院政倫審は28、29両日開催で大筋合意 自民と立民 5人は「非公開開催」の意向

  自民、立憲民主両党は22日、自民派閥の政治資金パーティー収入不記載事件を巡る衆院政治倫理審査会28、29両日に開催することで大筋で合意した。26日の幹事会で正式に決定する。

  また、政倫審の開催形式について自民側は出席を申し出た安倍派(清和政策研究会)と二階派(志帥会)の幹部ら5人は「非公開」で開催したい意向だと伝えた。野党側は公開での開催を求めている。
  衆院政倫審に出席を申し出たのは、安倍派のB元文部科学相とP前官房長官、O前経済産業相、Q前国対委員長、二階派のV-1元総務相の計5人。


2024.02.21-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240221-I5H7X5GV3NJKPGQM5R32W3TMIA/
O前経産相「全て正直に話したい」 衆院政倫審出席と表明 安倍派「5人衆」

  自民党安倍派(清和政策研究会)のO前経済産業相は21日、派閥の政治資金パーティー収入不記載事件を巡り、衆院政治倫理審査会に出席すると表明した。「私自身の政治資金のこと、事務総長として私の知っていることを全て正直に話したい」と述べた。国会内で記者団の取材に応じた。

  政倫審を公開開催とするかどうかについては、「これから判断していきたい」と述べるにとどめた。O氏は安倍派の有力者「5人衆」の一人で、派閥の実務を取り仕切る事務総長経験者。


2024.02.21-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240221-M6EYIBWTSRM5XDCKHUEKWEPKCQ/
「安倍派5人衆」P、O、Qの3氏の衆院政倫審出席意向を野党に伝達 出席予定者は計5人に

  自民党のC国対委員長は21日、立憲民主党の安住淳国対委員長と国会内で会談し、自民党派閥の政治資金パーティー収入不記載事件を巡り、安倍派(清和政策研究会)の有力者「5人衆」であるP前官房長官、O前経済産業相、Q前国対委員長が衆院政治倫理審査会に出席する意向だと伝えた。安住氏が会談後、記者団に明らかにした。

  衆院政倫審を巡っては、すでに安倍派の座長を務めたB元文部科学相と二階派(志帥会)のV-1事務総長が出席する意向を示しており、出席予定者は計5人となる。安住氏は「昨日よりは前進だ」と評価した。
  ただ、野党側は派閥からの還流を政治資金収支報告書に記載しなかった現職82人のうち全ての衆院議員51人の出席を要求しており、安住氏は「幹部クラスより下の議員に対して、(自民党幹部が出席の)意向を確認していない可能性がある」と指摘。「『もう一回(意向確認を)やってください』ということは申し上げた」と明らかにした。
  一方、野党4党の参院国対委員長は、参院政倫審に自民党の聞き取り調査を受けた安倍派、二階派の参院議員計31人と、立件され自民を離党したD-1参院議員の計32人の出席を要求する方針で一致した。


2024.02.20-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240220-EYFTMULAK5LXFLNQ5JMBFJ77GQ/
運転免許失効中に21歳女性はねる 元共産女性県議を書類送検 長野

  長野県警は20日、横断歩道を渡っていた女性を車ではねたとして、自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで共産党のA元県議(69)を書類送検した。
  容疑を認めている。事故翌日の1月25日に記者会見し、運転免許の失効中だったと説明。同26日に県議を辞職していた。

  県警によると、書類送検容疑は1月24日午前11時45分ごろ、同県千曲市の市道で、横断歩道を渡っていた女性(21)をはねて骨盤を折る重傷を負わせたとしている。
  共産党長野県委員会は「被害に遭った方と家族におわびを申し上げる。検察の処分を待って党としての処分を判断する」とコメントした。


2024.02.04-毎日新聞(KYODO)-https://mainichi.jp/articles/20240204/k00/00m/010/214000c
自民・旧石破派、政治団体解散で調整 派閥解散相次ぎ判断

  自民党の石破茂元幹事長を中心とする石破グループ(旧石破派、水月会)政治団体を解散する方向で調整に入った。関係者が4日、明らかにした。派閥解散が相次ぐ中、政治資金を扱う政治団体も解散するのが望ましいと判断した。

  2015年に結成した石破派は21年12月、所属議員の減少を理由に、掛け持ち可能なグループに衣替えした。今年1月末の会合では政治団体を残す方向だった。
(共同)


2024.02.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240202-GP5NKJCQPRKVPM4E3PVDEUO7FA/
保証金300万円、L-1議員秘書を保釈 地裁、検察側の準抗告棄却 パーティー収入不記載

  東京地裁は2日、自民党派閥のパーティー収入不記載事件を巡り、政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪で衆院議員、L-1被告(57)=自民除名=とともに起訴された政策秘書N-1被告(45)の保釈を認める決定をした。検察側が準抗告したが、地裁は棄却した。被告は保釈保証金300万円を即日納付。同日夜に東京拘置所から保釈され、迎えの車に乗り込んだ。

  L-1、N-1両被告の起訴内容は共謀して平成30~令和4年、安倍派(清和政策研究会)=解散=からパーティー券の販売ノルマ超過分として計4826万円の還流を受けたのに、その額を除いた虚偽の収入を資金管理団体の政治資金収支報告書に記入したとされる。
  L-1被告は平成24年衆院選で初当選し当選4回。東京地検特捜部は1月7日にL-1、N-1両被告を同容疑で逮捕し、26日に起訴していた。L-1被告側も保釈を請求している。


2024.02.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240201-72C6JWGI3RKSXAZSEN4MOE2DQ4/
自民麻生派、活動継続を確認 S-1元防衛相の退会受理

  自民党の麻生太郎副総裁が会長を務める麻生派(志公会)は1日、東京都内の派閥事務所で会合を開き、引き続き所属議員同士の情報共有などを目的に定例の会合の開催を継続していくことを確認した。同派は、党政治刷新本部の中間取りまとめに沿って、政策集団として存続する方向で一致している。

  同日の会合で麻生氏は、「変えるべきものは何か、変えてはならないものは何か、いましばらく時間をかけ、しっかり考えをまとめていきたい」と述べたという。政策集団としての細かな運営方針の決定に関しては麻生氏に一任するとしている。
  また、同派事務局長の井上信治党幹事長代理は会合後の記者団の取材で、S-1元防衛相の退会届を同日付で受理したと明かした。


2024.02.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240201-O7UKMQKSHJIRFLGPDJGY7YZLQY/
自民安倍派、45年の歴史に幕 幹部の処分巡り岸田首相と茂木幹事長に温度差も
(永原慎吾、竹之内秀介、永井大輔)

  自民党派閥のパーティー収入不記載事件を受け、解散が決まった同党最大派閥の安倍派(清和政策研究会)は1日、党本部で最後の議員総会を開き、約45年の歴史に幕を下ろした。ただ、2日からは派幹部らへの事情聴取が始まり、今後もいばらの道が待ち受ける。岸田文雄首相(党総裁)茂木敏充幹事長の処分を巡る温度差も表面化し、党内には疑心暗鬼が渦巻いている

出席者からの拍手はまばら
  「歴史ある清和研を閉じなければならないのは断腸の思いだ」。安倍派の塩谷立座長は総会冒頭、こう述べた。「日本の政治の中でまた活躍していただきたい」とも語りかけたが、出席者からの拍手はまばらだった。
  派閥として一区切りはつけたが、今後も塩谷氏ら同派幹部の前途は険しい。2日からは森山裕総務会長らによる事情聴取が行われ、党執行部が聴取内容を踏まえて処分を検討するからだ。
  聴取を巡る過程では首相と茂木氏の思惑の違いも浮き彫りとなった。
  「離党というのはひどいじゃないか!」
  1月25日、麻生太郎副総裁の事務所を訪れた安倍派後見役の森喜朗元首相は怒気をあらわにしてこう訴えた。怒りの原因は同派幹部の処分の方向性だ。幹部には森氏が引き立ててきた西村康稔前経済産業相や萩生田光一前政調会長ら同派の「5人衆」が含まれるが、24日には茂木氏が同派幹部の離党勧告処分を検討していると報じられていた。
銀座クラブ問題との整合性
  麻生氏は「そんな話はありません」と森氏をとりなし、茂木氏も周囲に「安倍派幹部から相談があり、『自分で考えることだ』と話した。厳しい処分を伝えたことはない」と説明したという。
  だが、自民関係者は、茂木氏が新型コロナウイルス禍の緊急事態宣言の発令中に東京・銀座のクラブを訪れた松本純元国家公安委員長ら「銀座3兄弟」に離党勧告が下された前例との整合性を重視していたと語る。
  これに対し、首相は当初から同派幹部らの説明責任を優先する。茂木氏の同派を突き放すような態度に「どういうつもりなのか分からない」と周辺にいぶかしむ様子も見せていた。党重鎮は「安倍派幹部を処分し、同じく刑事処分を受けた岸田派(宏池会)にも波及させようとしていたのだろう」と指摘する。
処分求める声、日増しに強く
  首相と茂木氏の溝は深まるばかりだが、安倍派幹部への処分を求める声が日増しに強まっているのも事実だ。昨年12月に首相が同派幹部の強い要請で交代を見送った同派のP-1元総務政務官ら2人にキックバック(還流)の不記載が判明し、1月31日に更迭されたことが決定打となっている。
  同派幹部の処分は不可避との見方もあるが、首相が下す処分内容によっては政権を支えてきた安倍派とのしこりになりかねない。首相は難しい判断を迫られる。
(永原慎吾、竹之内秀介、永井大輔)


2024.01.30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240130-GQEFT3FBJFNDBAJFQZ6IJNAAPM/
自民安倍派、残った資金は外部に寄付の方向 解散へ準備本格化 「清算委」立ち上げへ
(竹之内秀介)

  自民党最大派閥の安倍派(清和政策研究会)は30日、幹部15人で構成する常任幹事会を国会内で開き、解散手続きを行うための「清算委員会(仮称)」を近く立ち上げる方針を共有した。派内に残された資金については外部に寄付するとの見方が強まっている。
  安倍派の令和4年分の政治資金収支報告書によると、収入から支出を差し引いた翌年への繰越額は約1億5千万円

  総務省によると、派閥が解散した際の資金の処分に関する規定はなく、派内の一部では所属議員への分配を求める声も出ている。しかし、派閥のパーティー収入不記載事件の批判が安倍派に向かう中、ある若手議員は「山分けなんてまるでセンスがない。置かれている状況が分かっているのか」と憤る。
  常任幹事会では、派閥の資金の処分方法についても話題に上がったとみられる。幹部の一人は「必要な経費を除いて寄付する方向で検討している」と明かす。能登半島地震の被災地に提供する案などが浮上しているという。詳細は清算委で詰める方針で、メンバーにはO-1国対委員長代行らの名前が挙がっている
  この日の常任幹事会は報道陣に非公開で行われた。事件への関与が疑われたB座長や派内の有力者「5人衆」も出席したが、自身の進退への言及はなかった
  一方、安倍派は31日に派閥の収支報告書の訂正を予定している。2月1日には最後の議員総会を開き、今後の対応について説明を行う。派閥の解散時期については年度末をめどとする案がある。(竹之内秀介)


2024.01.31-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240130-KMXUGYNJNVLM3DC3YUMUE5YTHY/
岸田派再結集は当面困難 木原誠二幹事長代理「信頼得られず、一定期間必要」

  自民党岸田派(宏池会)の木原誠二幹事長代理は30日の動画投稿サイト「ユーチューブ」の番組で、解散方針を決めた岸田派が政策集団として再結集する可能性を問われ、当面困難だとの認識を示した。「(再結集は)信頼を得られない。それなりに一定期間をおかないといけない。集まり方や理念をもう一度構築する必要がある」と述べた。

  木原氏は同派会長だった岸田文雄首相の最側近として知られている。


2024.01.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240127-BAE33ACUNNM5RH3K6WPYS5ZGTE/
安倍派事務総長のQ氏、離党や議員辞職を否定 不正も「関与していない」

  自民党のQ前国対委員長は27日、福井県敦賀市で記者会見し、事務総長を務める安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティー裏金事件への関与を改めて否定し、離党や議員辞職する考えがないと強調した。事件については「多大なる政治不信を招くことになり、深くおわび申し上げる」と陳謝した。

  Q氏は会見で、パーティー券販売ノルマ超過分の議員への還流再開を決めたとされる2022年夏に開かれた派閥幹部の協議への出席を否定し「再び還付するようになった経緯に全く関係していないので分からない」と訴えた。
  Q氏によると、自身が代表の政治団体「21世紀政策研究会」で、18~22年分の政治資金収支報告書への記載漏れが1019万円あった。派閥側からの還付金は、東京都内の事務所で保管し、他の議員やマスコミ関係者との飲食費などに充てたという。不記載については「秘書に任せていた」と説明した。


2024.01.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240125-RFUEVLXNYVJNZN4GBJXTLLSTO4/
<独自>証拠隠滅?ドライバーでパソコン破壊か、F-1議員を26日にも起訴 パーティー収入不記載

  自民党の派閥のパーティー収入不記載事件で、政治資金規正法違反(虚偽記入)容疑で東京地検特捜部に逮捕された衆院議員のF-1容疑者(57)の事務所のパソコンがドライバーのようなもので破壊された疑いがあることが25日、関係者への取材で分かった。特捜部はF-1容疑者が証拠隠滅を主導したとみて、勾留期限の26日にも同罪で起訴する見通し。

  特捜部は昨年12月27日、F-1容疑者の関係先を捜索。関係者によると、名古屋市の地元事務所から押収されたパソコンにはドライバーのようなものでこじあけられた形跡があり、記録媒体が破損した状態だった。また、事務所内の書類が捜索前に破棄され、その前後に事務所を出入りする秘書の姿が近くの防犯カメラに写っていたことも判明した。
  F-1容疑者の秘書の一部は特捜部の調べに対し、特捜部の捜索前にF-1容疑者側の指示でパソコンを破壊したりしたことを認めているという。検察幹部はF-1容疑者らを逮捕した理由について「具体的な罪証隠滅の恐れが大きいと判断した」と説明していた。
  F-1容疑者と政策秘書のN-1容疑者(45)は平成30年~令和4年に安倍派(清和政策研究会)からキックバック(還流)されたパーティー収入計4826万円分を記載しなかった疑いで今月7日に逮捕された。


2024.01,24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240124-UVP64DFLIRC4VFMQAYSVBLW3XI/
無派閥の自民・平将明氏 派閥解消論の急拡大に苦言「空気で物事を決めてはならない」

  自民党の平将明衆院議員23日夜、自身のユーチューブチャンネルで、派閥パーティー収入不記載事件を受けて活性化する派閥解消論について慎重な考えを示した。「『派閥を解消すべきだ』とワイワイ言っているけど、パフォーマンスに過ぎない。政治家が一番やってはいけないことは空気で物事を決めること。そういう政治家が戦争を起こす」と述べ、冷静な議論を促した。平氏は無派閥

  平氏は党政治刷新本部が了承した政治改革の中間取りまとめ案を巡り「資金、人事の問題が派閥から切り離された。麻生派が残ろうが、茂木派が残ろうが、派閥の機能はもうない。解散するもしないも関係ない」と説明。一方で派閥を全廃した場合の党内の雰囲気悪化を懸念し「元〇〇派の議員が〇〇に集まっている。『通報しないと』となるが、そんなことはあり得ない」と語った。
  今後の閣僚人事などの在り方については、派閥による評価を廃した上で、同僚議員ら周囲の評価や、得意な政策分野などを基準に判断すべきとし「人事をデジタル化して360度評価すればいい」とデジタル化した人事評価の導入を訴えた。「政治家の評価は(政策の)専門性だけではない。(議論を)まとめる力、野党と話す力など、官僚や学者に求められる能力と政治家は違う」と述べ、バランス感を持った人事評価が大事だとした。


202401.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240123-XHJW7QRV7FJOHK7G4Y23HBQ6BI/
自民・M-1参院議員も不記載 19年から計204万円

  自民党のM-1参院議員(大阪選挙区)は23日、所属する安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティー収入不記載事件を巡り自身の政治資金収支報告書への不記載が2019~22年までの4年間で計204万円あったと明らかにした。党本部で記者団の取材に「政治不信を招き、おわび申し上げたい」と陳謝した。

  パーティー券の販売ノルマ超過分の還流ではないと説明した。M-1氏は昨年、党女性局のフランス研修中にエッフェル塔前でポーズを取った写真を交流サイト(SNS)に投稿し、厳しく批判された経緯がある。


2024.01.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240122-B3RU2CBYVRM6HJL6T4MT4GJSXA/
裏金「飲食や会合に使った」 辞職願提出の自民・E-1衆院議員が釈明会見

  自民党安倍派のパーティー収入不記載事件で、政治資金規正法違反の罪で東京地検特捜部に略式起訴されたE-1衆院議員=自民離党、長崎3区=は22日、長崎県大村市で記者会見を開き、議員辞職願を提出したと明らかにした。裏金化した多額の還流については「飲食や会合など政治活動に使った」と述べるにとどめ、経緯など詳細は明らかにしなかった。

  午後4時ごろ、E-1議員は到着すると深く頭を下げ「私の認識が甘かった」などと反省の態度を示した。約4300万円を政治資金収支報告書に記載しなかったとして19日に略式起訴されており、「とにかく私が悪かった」と繰り返し、不記載が派閥からの指示だったかは明言を避けた
  また、「力をつけようと思った。金を集める力と堂々と論陣を張れることが政治家として偉くなることだと思っていた」などと語った。E-1議員は当選7回で、文部科学副大臣や農林水産政務官を歴任した。


2024.01.21-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240121-3PYNO6KHMJHLHM7NKWWIA67MJA/?outputType=theme_weekly-fuji
「裏金問題」日本保守党の公開質問状に自民愛知県連、仰天の回答 有本香

  先週の本コラムで、「裏金問題」について日本保守党から自民党愛知県連への「公開質問状」件を書いた。翌日には台湾へ飛んだため、今週の本稿では台湾総統選後の情勢を書くつもりでいた。実際、現地では選挙の様子のみならず、台湾外交部(外務省に相当)はじめ、多くの知人友人と面会できた。そこでの様子も含め、いざ執筆と机に向かった途端、とんでもない情報が飛び込んできた。

  先週の「公開質問状」に対し、自民党愛知県連から「返答」があったのだ。日本保守党の広沢一郎事務局次長から私へのメッセージには、回答の現物が貼り付けられ、次のように添え書きされていた。
  「なんと、自民党愛知県連から返事が来ました。裏金を認識しておらず、回答しません、ですと」 添付された現物の文面を見て、私は呆気(あっけ)にとられた。
  まず、中身以前の問題として、文書の形式がひどい。まともな組織の発出するものとは思えない。思い出したのは3年前のことだ。
  古い話で恐縮だが、2021年6月、私は本コラムに「誰が対中非難決議を潰したのか」という一文を寄せ、当時の自民党幹事長、二階俊博氏や林幹雄幹事長代理らの密室での会話をスクープした。この記事について後日、「自民党幹事長室」名で、曖昧模糊(もこ)としたクレームとも何とも解せない「文書」をもらったのだが、あのときも形式がメチャクチャだった。
  一般企業で仕事をしたことがある人なら誰でも、これはおかしいと思うはずだが、自民党という組織には「幹事長室」という中枢にさえも、その感覚を持つ人がいなかったようだ。

  ましてや今回は「愛知県連」という地方組織。文書の形式など知らなくても無理もないのかもしれない。では、肝心の内容はどんなものか。まず宛名がある。「日本保守党 代表 百田尚樹様 共同代表・減税日本代表 河村たかし様 事務局 有本香様・広沢一郎様」
  この後、「拝啓」などの頭語は一切なく、いきなり次の本文が記されている。「令和6年1月10日に頂戴しました質問につきましては、『裏金』の存在を認識しておらず、調査は致しません」  本文はこれで終わり。
  続けて日付があり、改行して、差出人が「自由民主党愛知県支部連合会」とのみ書かれている。3年前にも書いたが、自民党さんは全箇所に「ビジネス文書の書き方」という本の一冊も常備すべきだ。ただし、この文書形式がいかにおかしいかは、ネット番組で詳述するので本稿では触れずにおくが、「『裏金』の存在を認識しておらず」とはどういうことか。
  広沢次長は「すごい開き直りですね。(中略)公開されることをわかっていながら、よくこの回答を送ってきたな、という感じです」とメッセージしてきたが、これ果たして、日本保守党をバカにしているゆえの珍回答なのか。そうではあるまい。バカにしているなら、完全無視でいい。
  仮に「調査をしない」という回答をするにしても、その言い訳として「現在、司直の手にあるので」というような、もう少しもっともらしい書きようがあるはずだ。とすると、組織としての「問題認知力」に支障があるということか。
  世の中には「不祥事があったとしても、自民党にしか政権担当能力はない」といって、自民党をかばう方々がいるが、本当にそうだろうか
  自民党に「政権担当能力」があるように見える、その理由は明らかだ。自民党には、議員が官僚組織とどう懇(ねんご)ろになるかのノウハウだけは伝承されている。これだけの話ではないか。
  あの程度の「回答」文しか書けない組織にとって代われぬはずがない。政治刷新を行うのは自民党ではない。私たち国民である

有本 香 (ありもと・かおり)
  ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』『「日本国紀」の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。


2024.01.21-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240121-C4VOQ43DJVISREYBM3HQ6JR2VY/
自民・茂木氏「派閥の存続を前提とせず」

  自民党の茂木敏充幹事長は21日のNHK番組で、自身が会長を務める茂木派(平成研究会)の在り方について「派閥の存続というものを前提とはしない」と述べた。その上で、「仮に派閥が残ると、派閥の活動について、党が関与する仕組みを作っていく必要がある。党としてしっかり関与して、派閥のあり方、政策グループの在り方を変えていきたい」と訴えた。


2024.01.20-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240120-JHCIPWP37VLZNDDCIJDJOIH7MQ/
購入者リストに群がる「ハイエナ」 汚れた錬金術・自民党派閥パーティー券事件(上)-(敬称略)

  自民党の派閥のパーティー収入不記載を巡り、東京地検は安倍派、二階派、岸田派の会計責任者らを刑事処分する一方、派閥幹部の立件は見送った。政界に激震が走った事件で明らかになったのは、派閥の空洞化だ。国民の目が届かないまま、密かに行われていた「汚れた錬金術」の背景に迫る。

秘密裏の作業
  「あの社長さん、うちもパーティー券買ってもらってるんだよね。半分もらうよ」 数年前、東京都千代田区のビルの一角。ここを訪れたある国会議員のベテラン秘書が、別の秘書相手に携帯電話で話し始めた。自民党の最大派閥「安倍派」の事務所。この年開かれた派閥のパーティー収入の「配分作業」が、秘密裏に行われていた
  安倍派は議員を通じてパーティー券を販売。支援者は基本的に、派閥の口座にパーティー券の購入代金を直接振り込む。その際、議員ごとに割り振られたパーティー券の番号を名義人欄に明記しないと、パーティー券を売ったのがどの議員か、分からなくなる。
  そこで必要となるのが、こうした配分作業だ。どの議員経由か不明なパーティー券の購入者リストが束になって事務所の一角に置かれ、秘書はその一覧を見て、心当たりのある名義人の横に議員の名前を書く。自分が書こうとした欄に名前があると、ベテラン秘書のように「交渉」する。
  「分捕り合戦だよ」。自民党関係者はささやく。
  自民党の派閥では、議員に課されたパーティー券の販売ノルマを超えた分は政治資金収支報告書に記載せず、キックバック(還流)される。リストによる配分は時に、議員に還流される「裏金」を積み増す、またとない機会にもなる。
  この日、ベテラン秘書から電話を受けた秘書は、リストに記載された企業にパーティー券を全額売った自信があったが、結局押し切られ、譲った。「いやあ、悪いねぇ」。上機嫌で礼を言うベテラン秘書に対し、秘書は心の中で悪態をつくしかなかった。
  「あいつらは、ハイエナだ」 派閥事務所を舞台に、時には噓も駆使して裏金を奪い合う。政治信条も理念も感じられない。 これが、「政策集団」と呼ばれる派閥の実態だ。
保険のようなもの」
  《業界への影響力》《将来性》  その紙には、与野党の有力国会議員の名前とともに、数項目の評価基準とポイント、ポイントに独自の係数をかけて算出された金額が記載されていた。  あるインフラ系企業が作成した、政治資金パーティー券の購入リスト。「政治と業界は切っても切れない。パーティー券は保険のようなものだ」。この企業の政界担当者はリストを手に、こう説明した。
  業界と接点のない議員がとっぴな政策を推進すれば、一社にとどまらず、業界全体が悪影響が及ぶ。政界担当者は「われわれの考えはしっかりアピールしないといけない」と強調する。
  かつて、議員とのつながる手段といえば企業献金だったが、政治資金規正法の改正で企業献金が原則、禁止され、今はパーティー券が頼みの綱となっている。「企業献金のかわりがパーティー券。これもダメといわれたら、企業はどうやって政治を支援すればよいのか」。政界担当者は、戸惑いを隠さない。
家を売ってもらわないと
  政治資金パーティーが命綱になっているのは、議員側も同じだ。  安倍派の中堅議員は「パーティーが無くなったら、何もできなくなってしまう」と漏らす。  政治には金がかかる、といわれる。私設秘書の給与、会食費、選挙や地元活動での印刷費…。数え上げればきりがない
  別の自民党関係者は「選挙が始まったときには、もう選挙が終わっているからね」と打ち明ける。
  選挙期間中は、公選法上の規定でできる活動が限定されている。ただ、支援者へのあいさつ回りなど、日頃の政治活動への制限は緩やかだ。普段からいかにきめ細かく地元にコミットし、支持を広げるか。多くの国会議員はそのために何人もの私設秘書を抱え、地元での政治活動を行っている。
  事件を受け、政治家個人のパーティーも自粛要請が出ている。ある議員秘書は「先生には家を売ってもらわないといけないかも」と、半ば真剣に話した。
超過分はすべて懐に
  企業、議員双方にとって必要な政治資金パーティー。だが、得られた資金が政治資金収支報告書に記載されない「裏金」となったことで、その意義は変質した。  「個人のパーティーより、派閥を優先した方が効率がいいからね」。永田町関係者が明かす、からくりはこうだ。
  政治家個人でパーティーを開けば、会場費や飲食代などの経費も自分たちでまかなう必要がある。だが、安倍派などの派閥パーティーでは、ノルマ超過分はすべて、裏金として懐に入る。  「先生が自由に使える金」。逮捕された衆院議員のL-1(57)の事務所では、安倍派のパーティー券について、そうささやかれていた。
  略式起訴された衆院議員のE-1(82)は、安倍派のパーティー券販売に励む一方、平成30年まで開催していた個人パーティーを、令和4年まで休止していた。
  個人パーティーは地元有権者らと触れ合い、その声を政治に生かすための貴重な場の一つでもある。だが、E-1が選んだのは、裏金を生む安倍派のパーティーだった。
  政治家としての「志」を捨て、裏金にたかる議員を生み出したのが派閥の裏金システムだったとすれば、その罪はあまりにも重い(敬称略)


2024.01.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240119-NVISS7K6EJDJZF2IAAARCYDLOQ/
「在宅起訴」と「略式起訴」 処分の違いで4月補選の対象数に影響与える可能性も 

  自民党の派閥のパーティー収入不記載事件で19日、いずれも安倍派(清和政策研究会)のD-1参院議員(岐阜選挙区)在宅起訴され、E-1衆院議員(長崎3区)略式起訴となった。D-1被告はE-1被告と違って公判請求手続きがとられ、判決までに長い期間が必要となりそうだ。両者の差は、公職選挙法で3月15日までの国会議員の欠員を対象とし、4月28日にまとめて投開票される補欠選挙の数に影響を与える可能性がある。

  在宅起訴とは、起訴段階で身柄が拘束されていない被疑者に対する刑事処分。犯罪行為があった場合、警察当局などが被疑者を逮捕(身柄拘束)することがあるが、逃亡や証拠隠滅の恐れがないなどとして、逮捕しないケースもあり、その場合の手続きがこれに当たる
  裁判は、通常起訴と同様に進められ、証拠調べや被告人質問、証人尋問などが行われる。判決までは準備期間を含めて数カ月程度、重大事件で被告人が否認していると数年かかることも珍しくない
  一方、略式起訴は、検察側が罰金に相当するような事案と判断した場合の処分だ。被疑者が罪を認めていることが前提になる。裁判手続きは簡素に進められ、検察官が提出した書面の審理などのみで簡易裁判所が罰金や科料など略式命令を出す。命令までは2週間以内のケースが多く、在宅起訴とはスピードに大きな違いが出る
  D-1、E-1両被告の起訴罪名は、多額のキックバック(還流)を議員側の政治団体の収支報告書に記載していなかったという、政治資金規正法違反の虚偽記入だ。一方、東京地検特捜部による刑事処分は、前者は在宅起訴、後者は略式起訴で分かれた。両被告の間で不記載額にも大きな違いはないとみられるが、関係者によると、D-1被告は関与を否認、E-1被告は認めており、特捜部はそうした事情を考慮して判断したとみられる。
  E-1被告は起訴された場合に議員辞職する意向を示している。今回の裁判に要する時間も短いことが予想され、3月15日までに辞職し、衆院長崎3区に欠員が生じる可能性が高い。一方、D-1被告は現時点で離党表明にとどまっている。3月15日までに裁判が終わる可能性は低いとみられ、同日までに本人が議員辞職しない限り、参院岐阜選挙区は欠員とならない可能性が高い
  4月の補選の結果は岸田文雄首相の政権運営に大きな影響を与えるとみられている。自民側にマイナス要因が多い選挙が1つでも減れば、「首相にとってありがたい」(自民関係者)との声もある。


224.01.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240119-M765JG6G6ROHBOZ6ZGC567VDNM/
安倍・二階・岸田派、一斉起訴 議員と会計責任者、秘書を処分

  自民党の派閥のパーティー収入不記載事件で、パーティー収入の一部などを政治資金収支報告書に記載しなかったとして、東京地検特捜部は政治資金規正法違反(虚偽記入)罪で19日、安倍派(清和政策研究会)、二階派(志帥会)、岸田派(宏池会)の3派閥の会計責任者と元会計責任者、議員2人や秘書らを一斉に刑事処分した。

  3派閥は所属議員にパーティー券の販売ノルマを課し、超過分やその一部を所属議員にキックバック(還流)。超過分の一部や全額を派閥の収支報告書に記載しておらず、一部の議員はノルマ超過分を派閥に納入せずに「中抜き」していた。
  二階派と岸田派は、還流分は派閥と議員側の収支報告書に記載していたが、安倍派はいずれも記載しておらず所属する大半の議員側の関連団体で、平成30年~令和4年分の数万~数千万円分が不記載となっていた。3派閥では平成30年~令和4で計8億円前後が裏金になった恐れがある。
  特捜部は安倍派の会計責任者の松本淳一郎事務局長(76)と、二階派の元会計責任者の永井等元事務局長(69)は在宅起訴し、岸田派の元会計責任者の佐々木和男元事務局長(80)は略式起訴した。
  高額の還流を受けた大野泰正参院議員(64)とその秘書は在宅起訴し、安倍派の谷川弥一衆院議員(82)とその秘書、中抜きしていたとされる二階俊博元幹事長の梅沢修一秘書(55)は略式起訴した。
  事件を巡っては、4千万円超を還流された安倍派衆院議員の池田佳隆容疑者(57)と政策担当秘書の柿沼和宏容疑者(45)が同法違反容疑で逮捕されている。


2024.01.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240119-CC5BHAE6JJPAZBGQZ4MS3OXIRM/
<独自>自民安倍派も解散へ 党内最大勢力

  自民党の派閥パーティー収入不記載事件を受け、党内最大勢力の安倍派(清和政策研究会)は19日、派閥を解散することを決めた。複数の関係者が明らかにした。


2024.01.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240118-CQL6CMC4H5OWPNEGI6IDAMPHVQ/
W-2衆院議員が保釈、マスク姿で車に乗り込む 区長選巡り買収罪で起訴

  東京地裁は18日、東京都江東区長選を巡り、公選法違反(買収など)の罪で起訴された前法務副大臣で衆院議員のW-2被告(52)=自民党を離党=の保釈を認める決定をした。保釈保証金は600万円。即日納付し、東京拘置所から保釈された。関係者によると、起訴内容を認めて議員辞職の意向を示している。

  午後5時15分ごろ、マスク姿で拘置所の建物から出て、迎えの車に乗り込んだ。W-2被告は昨年4月の区長選で、前江東区長のQ-1被告(58)=同法違反罪で在宅起訴=を支援。起訴内容によると、Q-1被告のための選挙運動報酬として、区議ら10人に計約280万円の供与や申し込みをしたとされる。またQ-1被告と共謀し、区長選中に有料のインターネット広告を約37万円で掲載した罪でも起訴された。


2024.01.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240117-6VGBEM7PERLTTLZVHSNGT3CWWY/
陣中見舞いも有料広告もアウト W-2議員らを起訴 今後の選挙への影響必至
(久原昂也、星直人、川島優治)

  東京地検特捜部は区長選中に配信された有料動画広告を全国で初めて違法な広告にあたると判断し、公選法違反罪で衆院議員のW-2被告らを起訴区議への陣中見舞い名目で配られた現金も買収とした。陣中見舞いや有料動画広告の配信が状況次第では違法となることが明確になり、今後の選挙のあり方にも影響を与えそうだ。
  「本当に難しい」ある国会議員秘書は今後の選挙での戦い方を思い、ため息をついた。同じ地元議員への現金の配布でも、公選法上、地元議員の選挙を応援する趣旨であれば「陣中見舞い」として適法な寄付になる一方、別の選挙の候補者の票の取りまとめなどを依頼する趣旨があれば違法な買収となる
  江東区長選が行われた昨年4月は統一地方選の時期で、区議選とも並行して行われた。出馬した前区長のQ-1被告を支援するW-2らは「区議選の陣中見舞い」と称して区議らに現金を配った
  だが、特捜部は現金を配ったのがQ-1被告の出馬表明後で、相手もQ-1被告の対抗馬を支援する立場にあった区議に集中していたことから、区長選の買収の趣旨も含んでいたと判断した。
  令和元年参院選の広島選挙区を巡るR-1元法相夫妻による買収事件でも、R-1夫妻が現金を配った時期は統一地方選の時期と重なり、配った相手の多くは統一地方選に出馬していた地元政治家だったが、確定判決は配った相手や時期などから買収と認定した。
  市区町村議や首長の選挙が並行して行われる統一地方選。地元政治家の浮沈は今後の国政選挙の結果にも関わることから、与野党問わず、国会議員は陣中見舞いを政党支部間で寄付するなどして支援してきた。自民党関係者は「統一地方選の時期は、ゆくゆくは自分の選挙のためにもなるという局面がいっぱいある」と悩む。
  有料の動画広告についても波紋を呼びそうだ。公選法は自分に投票を呼び掛けるなど選挙用の有料広告の配信は禁じる一方、政治家の自己紹介など、選挙活動ではない政治活動での配信は禁じていない。別の議員秘書は「動員できる人が限られれば、広告などの空中戦に頼るしかない。今後、どこまで広告を活用するかは悩ましい」と話した。(久原昂也、星直人、川島優治)


2024.01.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240117-EVQRJL5YWZPZ5GQGE2LS2OZHAA/
<独自>虚偽記載に「連座制」 自民、規正法改正へ調整 派閥解消論も強まる

  自民党は派閥のパーティー収入不記載事件を巡り、政治資金規正法を改正し、収支報告書に虚偽記載があった場合、会計責任者だけでなく議員にも責任が及ぶ「連座制」を導入する方向で調整に入った。17日、複数の政府・与党関係者が明らかにした。また、党改革に関し、岸田文雄政権内従来の派閥を抜本的に解消する案が浮上した。

  連座制が導入されれば、会計責任者が有罪となった場合、議員は自動失職などの対象となる。事件の再発防止に向け、議員の責任を問いやすくする必要性が指摘されている。16日に開かれた自民の「政治刷新本部」全体会合でも、複数の所属議員から導入を訴える声が上がった。
  連座制は公選法に規定されているが、政治資金規正法にはない。ただ、政治的思惑から敵対者に制度を悪用される懸念も指摘されており、適用条件などを慎重に協議した上で、26日に召集される通常国会で規正法改正を目指す。
  一方、派閥の見直しに関し、人事ポストの配分の是正や政治資金パーティーの禁止にとどめる案が出ているが、厳しい批判を背景に本格的な派閥解消論が強まっている。政権幹部は産経新聞の取材に「国民の見方が最も大事だ」と述べた。
  刷新本部の議論を踏まえ、自民総裁で本部長を務める首相が最終判断する。解消に踏み切る場合、派閥存続に前向きとされる後見役の麻生太郎副総裁らの理解を得られるかが焦点となる。
 刷新本部は17日、弁護士や税理士ら外部の有識者からヒアリングを行った。派閥の意向を反映した従来の人事を見直すべきだといった意見が出たという。


2024.01.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240117-KIY5LWNUKVK55J5WMWVQUXLQFY/
安倍派幹部7人不起訴へ 共謀認定できず、大半議員も立件見送り方針 東京地検

  自民党の派閥のパーティー収入不記載事件で、東京地検特捜部がパーティー収入の一部を政治資金収支報告書に記載していなかった安倍派(清和政策研究会)の会計責任者らを政治資金規正法違反(虚偽記入)罪で在宅起訴する一方、刑事告発を受けていた安倍派幹部7人には共謀が認められないとして不起訴とする方針を固めたことが16日、関係者への取材で分かった。所属議員の大半も立件を見送る方針。上級庁と調整し、週内にも最終判断する。

  安倍派からパーティー収入の一部を収支報告書に記載せずにキックバック(還流)された議員については、同法違反容疑で逮捕された衆院議員のF-1容疑者(57)以外に、4千万円超~5千万円超が不記載だったD-1参院議員(64)とE-1衆院議員(82)の両議員と、関連団体の会計責任者を立件し、パーティー収入の一部を収支報告書に記載しなかった二階派(志帥会)の会計責任者は在宅起訴する見通し。
  安倍派では、大半の所属議員のほかに落選した複数の元議員も収支報告書に記載せず還流を受けていたが、特捜部は3議員よりも還流額が低いことなどから、立件を見送るとみられる
  事件を巡っては、安倍派幹部のA元文部科学相、K-1前官房長官、O前経済産業相、Q前国対委員長、B元文科相、R前参院幹事長、H-1前政調会長らが同法違反罪で告発されていた
  特捜部は、幹部が安倍派の不記載に関与した可能性もあるとみて任意で事情聴取したが、いずれも関与を否定。客観証拠でも共謀を認定できないと判断したもようだ。
  安倍派は、所属議員に課したパーティー券の販売ノルマ超過分を収支報告書に記載せず議員に還流。一部議員はノルマ超過分を派閥に納入せず「中抜き」していた。合わせて6億円近くが裏金となった恐れがある。


2024.01.16-日刊スポーツ-https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202401160000259.html
若狭勝弁護士、東京地検特捜部は「別にもっと大きな事件を仕掛けている」安倍派幹部立件見送りに

  元衆院議員で元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士が16日、フジテレビ系「めざまし8」(月~金曜午前8時)に出演。自民党安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティーを巡る事件についてコメントした。

  番組では安倍派の幹部が東京地検特捜部の事情聴取に対し、キックバックの処理「会長案件」と説明していることや「キックバック廃止」を提起した安倍晋三元首相の死後、廃止の方針を撤回されたことなどが伝えられた。安倍派幹部の立件を見送る方向で進めているとの報道がある検察の調べについて若狭氏は「少なくとも今、話が出てますように今回の検察が仮に全部起訴しないと派閥の幹部を。そうすると国民の感覚と大分ずれがでてきますよね。ずれが出てきた時に、用意されているのが検察審査会っていう制度でありまして。検察が不起訴にしたものに対して、不起訴が本当に正しいかどうかっていうのが、それこそ一般市民から選ばれた人たちが市民目線で、それはおかしいよと。これは起訴すべきということを言えるのが検察審査会の制度」と説明。
  その上で「ですから今後検察審査会に訴えがまわってそこで審議されて決議されて、場合によっては起訴相当というような判断が検察審査会においてされる可能性がある」と推測。幹部が起訴される見通しについては「私はやはり『中止・再開』というところは大きな状況証拠として大事なところであって、それが見つかったってことは私のなかでは2~3割は派閥の幹部が起訴されてもおかしくないという思いはあります」と話した。

  加えて「ただ特捜部は、おそらく政治資金パーティー裏金づくりとは別に、やはり政治資金にまつわるもっと大きな事件を既に内偵で仕掛けているんじゃないかって思いがずっとある」と指摘。「それは私の特捜部を動かしていた副部長の立場からすると、元々こういう政治資金パーティーっていうのは政治資金規正法の壁が厚いので、そんなにすごい成果が出るとは思えないんですよ。にもかかわらず年末年始をつぶして、全国から応援検事をもらって、相当な態勢でやっているっていうのはそれ以外の政治資金パーティー裏金以外の問題で何かすでに仕込んでいるか、あるいは内偵をしているんじゃないかと私はずっと思っているので。場合によっては特捜部が今度新たな案件で今年の通常国会が終わったあたりには動きだすっていう風には私はみている」と述べた。


2024.01.16-FNNプライムオンライン-https://www.fnn.jp/articles/-/643532
安倍派"パー券"裏金問題…B 座長など幹部7人不起訴へ 東京地検は「客観的な証拠なし」と判断か

  自民党・安倍派の政治資金をめぐる事件で、東京地検特捜部がB 座長を含む派閥の幹部7人を不起訴にする方針を固めたことがわかりました。

  安倍派では政治資金パーティーでノルマを超えて集めた分の収入を議員側にキックバックし、派閥側も議員側も収支報告書に記載しなかった疑いが持たれています。
  その後の関係者への取材で、特捜部がB座長など安倍派の幹部や事務総長経験者ら議員7人について不起訴にする方針を固めたことがわかりました。
  安倍派の会計責任者が特捜部の調べに対し「幹部から指示は受けていない」という趣旨の説明をしていることもわかり、共謀を認定できるだけの客観的な証拠がないと判断したものとみられます。


2024.01.15-朝日新聞-https://www.asahi.com/articles/ASS1H4JX2S1HTOLB006.html
「頭悪いね」発言のE-1氏、自民長崎県連会長を辞任「一身上の都合」
(小川崇 寿柳聡)

  自民党の政治資金パーティーをめぐる問題を受け、E-1弥一衆院議員(長崎3区)が党県連会長を辞任したことがわかった。党県連が15日、明らかにした。「一身上の都合」としている。

  パーティー収入の裏金化疑惑が浮上した自民党最大派閥「清和政策研究会」(安倍派)に所属するE-1氏をめぐっては、所属する安倍派から直近5年間で4千万円超の裏金のキックバック(還流)を受けた疑いがあることが関係者への取材でわかっている。
  問題が明らかになった昨年12月10日、長崎市内で報道陣の取材に応じたE-1氏は「刑事告発を受けている案件でもあり、事実関係を調査確認して適切に対応してまいりたい」とコメント。質問を重ねる報道陣に「頭悪いね。質問してもこれ以上、今日は言いませんと言っているじゃないの」と発言し、SNSなどで批判を受けた。
  E-1氏は、長崎・五島出身。県議を5期つとめた後、2003年に衆院選に初当選し、現在7期目。小選挙区を「10増10減」する改正公職選挙法で、県内の選挙区は現在の4から3となり、3区のE-1氏は比例区へ転出することが決まっている(小川崇、寿柳聡)


2024.01.11-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240111-GT7I5AP4OFIFVDFX2YPSS5ZBWI/
自民・小泉元環境相「派閥と政策集団の区別を」 自民政治刷新本部初会合

  自民党の小泉進次郎元環境相は11日、党政治刷新本部の初会合「派閥はやめるべきだが、真の政策集団は大きな組織に必要だ」と述べた。会合後、小泉氏が記者団に明らかにした。

  小泉氏は、派閥と政策集団の違いについて「人事とお金」をあげ、「この2つの問題を派閥から切り離し、政策集団だと胸を張って言えるような環境を整えることが、自民党の立て直しに最低限必要だ」と強調。派閥の政治資金パーティーの禁止や、閣僚人事で派閥から政務三役の登用者を要望することをやめることが派閥解消にあたるとの考えを示した。
  政策集団そのものの存在は否定せず「政策の議論は、派閥の方と無派閥の方の中でも行われている。それは誰も否定できない」と述べた。


2024.01.11-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240111-2YK7W4OOWFCFPNAO3BOY7JODCE/
自民政治刷新本部の人選「安倍派が最多、茶番」「石破さんが外された」 野党議員ら疑問視
(奥原慎平)

  自民党は11日午前、派閥のパーティー収入不記載事件を受け、党本部で総裁直轄機関の「政治刷新本部」の初会合を開いた。政治改革の議論をスタートさせ、月内にも中間とりまとめを行う。ただ、刷新本部のメンバーは東京地検特捜部が集中的に捜査している安倍派(清和政策研究会)から10人が起用されたこともあり、立憲民主党などが問題視している。

  「派閥のトップ3人が入り、急先鋒(せんぽう)で発信していた石破茂さんが外されているとか、安倍派がメンバー構成で最多とか、茶番に近いのではないか。相変わらずの自民党と言わざるを得ない」
  立憲民主党の長妻昭政調会長は11日の記者会見で刷新本部のメンバー構成について、こう疑問の声をあげた。
  刷新本部は岸田派(宏池会)を離脱した岸田文雄首相(党総裁)が本部長を務め、最高顧問には無派閥の菅義偉前首相が就いた。一方、麻生派(志公会)会長の麻生太郎副総裁も最高顧問茂木派(平成研究会)会長の茂木敏充幹事長が本部長代行森山派(近未来政治研究会)会長の森山裕総務会長が本部長代理に就任するなど3人の派閥領袖が幹部に入っている
  最大派閥の安倍派からは、松川るい参院議員らを起用。小泉進次郎元環境相らも幹事に起用された。派閥のあり方について、メディアなどで抜本的な改革を訴えた無派閥の石破氏らは起用されなかった
  刷新本部の人選について、共産党の小池晃書記局長は10日、X(旧ツイッター)で「最初の仕事は、このメンバーを刷新することではないでしょうか」と指摘した。立憲民主党の小沢一郎衆院議員の事務所も「あまりにくだらなすぎて言葉もない。恒例のやってるふりの茶番劇。重要なのは公正な捜査と自民党そのものの解体。それ以外で解決は難しい」と投稿した。
  フォロワー数の多い兵庫県明石市の泉房穂前市長も11日、Xで「刷新されてしかるべき方々を集めたってこと?と思ってしまった。安倍派が10人も入っているなんて、ブラックユーモアにすらなっていない。本日スタートだが、始める前から終わっている」と皮肉った。近年の官房長官会見で話題になっている東京新聞の望月衣塑子記者も10日、Xで「このメンツでは、全く期待できまい。菅氏は派閥の解消を求めているようだが、自民党内に解消しようという気概はない」と指摘した。
(奥原慎平)


2024.01.11-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240111-UBYWP5KPRRNKJPN5AIJCZ4Y4GM/
パーティー収入還流 F-1議員、廃止決定後も要求 幹部「泣きが…」 別の幹部は難色か

  自民党派閥のパーティー収入不記載事件で、東京地検特捜部に政治資金規正法違反の疑いで逮捕された衆院議員のF-1容疑者(57)が、安倍派(清和政策研究会)が一昨年4月にパーティー収入の一部を所属議員にキックバック(還流)する慣例の廃止を決定した後に還流継続を要求し、幹部が再協議していたことが10日、関係者への取材で分かった。特捜部は幹部を再聴取。協議のメモを入手し、詳しい経緯を調べているもようだ。

  関係者によると、令和4年5月のパーティーに先立つ4月上旬、当時の安倍晋三会長、B、A両会長代理、O事務総長らが還流を巡り協議した。安倍氏が「現金で戻すという不透明なことはやめよう」と述べ、還流廃止が決定。幹部は所属議員に電話などで方針を伝えた
  だが、F-1容疑者は幹部に還流継続を求めた同年7月に安倍氏が死去。8月上旬にB、A、O氏らが再協議し、一部幹部から「(F-1容疑者から)泣きが入っている」と還流継続を求める主張が出たという。
  これに対し、別の幹部は還流継続に難色を示しつつ「正々堂々と振り込みを行い政治資金収支報告書に記載するやり方がある」として、将来的に所属議員が開くパーティーの券を派閥が購入し、収支報告書に記載する方法を例示した。この時点では安倍氏の方針を再確認するにとどまり、還流決定には至らなかったという。
  同年8月10日の内閣改造でO氏が経済産業相に任命され、25日に事務総長は高木毅前国対委員長に交代。その後、還流が実施されたが、収支報告書に記載しない従来の処理が踏襲された。
  特捜部は事務総長経験者らに任意で事情聴取した。いずれも派閥の収支報告書の記載に当たり、会計責任者への指示や会計責任者からの相談はなかったなどと説明しているもようだ。B、A、O各氏は還流継続の経緯に関する産経新聞の取材に対し、期日までに回答しなかった。
  別の幹部が例示した手法が採用されなかったのは、政治資金規正法に同一の者から150万円を超えて一つのパーティーの対価支払いを受けられない量的制限があるため、多額の還流を処理しきれないことがネックとなった可能性がある
  問題が表面化した後にF-1容疑者が修正した政治資金管理団体の収支報告書には、同年12月に安倍派から還流分とみられる500万円の寄付を受けたと記載されている。


2024.01.09-朝日新聞-https://www.asahi.com/articles/ASS195VXBS19UTFK00K.html?iref=comtop_Politics_01
「派閥廃止の議論を封じるのはおかしい」 立憲・岡田克也幹事長
(記者会見で)

立憲民主党・岡田克也幹事長(発言録)

  1989年に(自民党の)「政治改革大綱」ができたときには、将来、派閥はなくそうと(決意し)、自民党の役職者は(派閥から)外れることになった。
  今回は、党の中で議論すらせず、派閥が残ることを前提に(岸田文雄)首相が話しているのは極めて遺憾だ。派閥の廃止も含めて、まずフラットに議論すべきだ。あらかじめ首相が(議論を)封じてしまっているのは、極めておかしい話だ(記者会見で)


2024.01.09-朝日新聞-https://www.asahi.com/articles/ASS193FTCS19ULFA002.html
自民の「政治刷新本部」、11日初会合へ 小泉元環境相も参加か
(西村圭史)

   自民党は派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金問題をふまえ、岸田文雄首相(党総裁)の直轄で党内に設ける「政治刷新本部」の初会合を11日に開く方向で最終調整に入った。政権幹部が明らかにした。

  メンバーは茂木敏充幹事長や森山裕総務会長、小渕優子選挙対策委員長ら「党7役」や、首相側近の木原誠二幹事長代理が中核となる予定青年局長経験者も加える方向で、小泉進次郎元環境相や小倉将信前こども政策担当相らを念頭に検討している。最高顧問には首相経験者の麻生太郎副総裁と菅義偉氏が就任。首相周辺は「挙党態勢で臨むための人事だ」と話す。
  刷新本部には外部有識者も参加。政権幹部によると、1月下旬に開会予定の通常国会までに中間取りまとめをする方向だという。首相は年頭の記者会見で「必要があれば関連法案を提出する」としており、政治資金規正法の改正まで踏み込むかが焦点となる。
  自民党の最大派閥「清和政策研究会」(安倍派)が政治資金パーティー収入の一部を裏金化したとされる事件では、東京地検特捜部が7日に同派所属の衆院議員・F-1容疑者らを政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で逮捕するなど、捜査が続いている
  首相は「中間とりまとめでそれなりの形にしたい」と周囲に意気込みを示すが、政権幹部は「議論は捜査の状況を見ながら」。さらに派閥の存在自体に否定的な最高顧問の菅前首相がどう出るかなど、議論の先行きは見通せない。(西村圭史)


2024.01,09-朝日新聞-https://www.asahi.com/articles/ASS194JXXS19UTFK005.html
安倍派・F-1議員逮捕「極めて深刻に受け止め」斎藤経産相 裏金事件
(相原亮)

  自民党の最大派閥「清和政策研究会」(安倍派)が政治資金パーティー収入の一部を裏金化したとされる事件で同派の衆院議員・F-1容疑者(自民党を除名処分)が逮捕されたことについて、斎藤健経済産業相は9日の閣議後会見で「一(いち)自民党の国会議員として申し上げれば、この事態は極めて深刻に受け止めている」と述べた。

 東京地検特捜部は7日、F-1容疑者と政策秘書を政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で逮捕した。会見で斎藤氏は、「私の立場としては全力で(能登半島地震の)震災対応に取り組むのみ」としつつも、逮捕について「極めて深刻」と指摘。「今後、一連の事態を踏まえて党としてどういう対応をしていくかが厳しく問われると思っている」と語った。(相原亮)


2024.01.09-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240109-6NE3MKCK7VNY7GVEQGK27BJHVM/
安倍派 D-1、E-1議員立件へ F-1議員、証拠隠滅指示か 不記載事件

  自民党の派閥のパーティー収入不記載事件で、東京地検特捜部が安倍派(清和政策研究会)に所属するD-1参院議員(64)=岐阜選挙区=とE-1衆院議員(82)=長崎3区=を政治資金規正法違反(虚偽記入)容疑で立件する方針を固めたことが8日、関係者への取材で分かった。上級庁と協議の上、通常国会が始まる1月下旬をめどに最終判断するもようだ。

  安倍派は所属議員に課したパーティー券の販売ノルマを超えた分を政治資金収支報告書に記載せずに議員にキックバック(還流)D-1氏は平成30年~令和4年分で計5千万円超、E-1氏は同時期に計4千万円超を還流されたとされ、それぞれの関連団体の収支報告書に記載していなかった
  特捜部は7日、同法違反容疑で計4826万円を記載していなかった安倍派所属の衆院議員、F-1容疑者(57)を逮捕。D-1氏とE-1谷川氏も他の安倍派議員より不記載額が高額だったことなどから、悪質性が高いと判断したとみられる。
  また、F-1容疑者の秘書が特捜部に対し「F-1容疑者から証拠を隠滅するよう指示された」と説明していることも関係者への取材で判明した。関係者によると、F-1容疑者の事務所には安倍派のパーティー券の販売先などが記されたファイルやパソコンのデータがあったが、パーティーを巡る疑惑が表面化した昨年12月、F-1容疑者が証拠を処分するよう指示。
  特捜部が同月27日にF-1容疑者の衆院会館事務所や名古屋市の事務所を捜索したところ、データの入った記録媒体が破壊されるなどしていたことが確認されたという。


2024.01.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240106-4JZW4LVTNJNEDGBRPZO25ZLQGE/
<独自>O氏が還流継続主導か 事務総長時に方針決着

  自民党の派閥のパーティー収入不記載事件で、安倍派(清和政策研究会)が一昨年夏にパーティー収入の一部を所属議員にキックバック(還流)する慣例の方針継続を決めた際、当時の派閥事務総長だったO前経済産業相が主導した可能性があることが5日、関係者への取材で分かった。O氏は還流分の政治資金収支報告書への記載方法も提案しており、東京地検特捜部はO氏の認識について慎重に調べているもようだ。

  安倍派は所属議員に課したパーティー券の販売ノルマ超過分について、収支報告書に記載せず所属議員に還流する慣例を長年続けていた。
  関係者によると、O氏ら安倍派幹部は令和4年5月のパーティーに先立って協議。還流停止を決めて議員側に通達したが、議員側が反発。同年7月に安倍派会長だった安倍晋三元首相が死去した後、幹部らは同年8月中旬ごろにかけて再び協議し、一転して還流を継続する方針が決まった。
  またO氏は、還流分を安倍派と所属議員の双方の収支報告書に記載しない慣例を改め、還流された所属議員の関連団体の収支報告書に個人のパーティー収入として記載する方法も提案したという。
  O氏は3年10月、安倍派の実務を議員側で仕切る事務総長に就任。4年8月10日に発足した岸田文雄改造内閣で経済産業相に任命された。事務総長は同25日、高木毅前国対委員長に交代した。
  関係者によると、高木氏は還流に関する同年8月の協議に参加しておらず、高木氏が事務総長に就任した時点で還流を継続する方針で決着。その後、安倍派はノルマ超過分を議員に還流し、翌5年に提出された安倍派の収支報告書には還流分が記載されなかった。 
  特捜部はO氏ら幹部を任意で事情聴取。O氏らは還流についての認識は認める一方、不記載については認識を否定しているとみられる。  O氏は産経新聞の取材に対し、期日までに回答しなかった。


2024.01.01-日刊スポrツ-https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202401010000317.html?dicbo=v2-0B6oac9
田崎史郎氏「政治家の逮捕はないでしょう」安倍派裏金問題で言及「何でないんだ!」田原総一朗氏

  政治ジャーナリスト田崎史郎氏は1日放送された「朝まで生テレビ 激論!ド~する!?2024ニッポン」(1日午前2時)で、自民党派閥パーティーをめぐる政治資金問題について、安倍派を含む国会議員が逮捕されることは「ないでしょう」と持論を述べた

  安倍派をめぐっては東京地検特捜部が幹部への任意の事情聴取を行ったほか、キックバックを受けたとされる額が多いD-1参院議員や、F-1衆院議員の関係先に特捜部の強制捜査が入っている。
  番組最終盤で、司会のジャーナリスト田原総一朗氏に「今の状況をいちばん喜んでいるのは現首相さん。彼は何もやらなかったが、初めて『改革』(という言葉が)出てきた」と指摘。現在の状況について、田崎氏は「焦点は、事件でどれくらいの人が摘発されるか。それによって国民も意識がかなり高まってくる可能性がある。それに政治がきちんと応えないといけない。それが今年の初っぱなの課題」と答え、政治資金問題の展開次第で政治改革への機運が寄り高まるとの認識を示した。
  田原氏に「田崎さん、政治家で逮捕される人は出ると思う?」と問われた田崎氏「逮捕はないでしょう。物理的な逮捕っていうのは…」と否定的な考えを表明。これに田原氏は「なんでないんだ!」とほえた。
  一方、衆院議員や明石市長を務めた泉房穂氏は「政治改革と合わせて、国民の生活支援を与野党ともに頑張って欲しい。市長をやっていれば国民の生活がだんだん苦しくなってきているのがつぶさに感じる」とした上で「今日の議論も外交防衛や政治改革はさかんですが、もう1つ大事な国民生活をしっかり支え、救うという辺りも、ぜひ、本気で与野党ともに頑張ってほしい」と、呼びかけた。







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