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北朝鮮



2019.12.22-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191222/k10012224371000.html
北朝鮮労働者送還の国連決議 きょう期限 中国は黙認か

北朝鮮の核やミサイル開発の資金源を断つため、国連は制裁決議で各国に対し、22日までに北朝鮮の労働者を送還するように求めています。ただ、北朝鮮の友好国・中国では依然として多くの労働者がとどまっていて、北朝鮮の外貨獲得を黙認する形になっています。
  アメリカ政府がことしまとめた報告書によりますと、海外で働く労働者によって北朝鮮は年間数百億円を得ていて、中国やロシアを中心に合わせておよそ10万人が海外で働いているとしています。
  国連安全保障理事会はおととし、北朝鮮の核兵器や弾道ミサイル開発の資金源を断つため制裁決議を採択し、各国に対し、22日までに自国で働く北朝鮮の労働者を送還するよう求めています。
  ところが、先週、北朝鮮と国境を接する中国東北部、遼寧省にある縫製工場では数百人の北朝鮮労働者が働いているのが確認され、期限が迫る中でも送還が進められている様子はありませんでした。
  また、北朝鮮の女性従業員が働いているレストランの担当者は、就労ビザではなく観光ビザを毎月更新する方法で、今後も北朝鮮の従業員が働き続けると明らかにしました。
  中国外務省は、表向きは国連の決議にのっとって対応するとして送還する立場を示していますが、外貨獲得を黙認する形になっています。
労働めぐる制裁決議 違反が多数
決議の実施状況を話し合う安保理の制裁委員会の関係者は、制裁の違反とみられる事例が多数あると指摘し、関係国に対応を求めていくことにしています。
  制裁委員会の関係者によりますと北朝鮮の労働者に労働許可証を発行した場合は期限の今月22日の前でも制裁違反に当たるとしていて、例えば、ことし9月にイタリアのプロサッカーチームと契約した北朝鮮の選手のケースのほか、オーストリアのチームと契約した北朝鮮の選手のケースも制裁違反に当たるとしています。
  また、旧ソビエトのジョージアから独立を宣言しているアブハジア自治共和国には、ロシアから一時的に数百人の北朝鮮労働者が派遣されていて、これも制裁違反だとしています。
  さらに、アフリカ東部モザンビークでは、北朝鮮の6人の医師が無許可で診療所を開設していた疑いで、先月、当局の捜査を受けていて、6人は送還されるべきだとしてモザンビーク政府に事実関係を問い合わせるとしています。
  制裁委員会の関係者は、こうした事例は多数あると指摘し、関係国に対応を求めていくことにしています。
  その一方で、制裁委員会は、北朝鮮の労働者が病気の場合などは、送還を一定期間、猶予することもあるとして、現地の情報収集を通じて実態を見極めたうえで、来年2月にも報告書にまとめ、安保理に提出する予定です。
ロシアは送還進み建設に影響も
ロシアにはおととし12月の時点で3万人余りの北朝鮮の労働者が登録され、人口の少ない極東地域を中心に建設業や農林水産業の現場で働いていました。
  しかし、国連の制裁決議が採択されるとロシアは順守する姿勢を示し、去年12月の時点では1万1500人ほどに減り、ことし3月の時点では4000人ほどにまで減ったと見られています。今月に入るとウラジオストク空港とピョンヤンの空港を結ぶ便が大幅に増便され、連日、多くの荷物を抱えた北朝鮮労働者が帰国していました。
  北朝鮮の労働者が帰国した影響で、ウラジオストクでは中央アジアや東南アジアなど別の国の労働者を代わりに雇い始めた現場や一時的に建設が止まった現場もあるということです。
  ウラジオストクの不動産協会の代表は「北朝鮮の労働者は休み無く、遅くまで働いていたため影響がでている」と嘆いていました。
  一方で専門家や外交関係者は、北朝鮮の労働者が観光ビザや学生ビザなどでロシアに入国しそのまま働いていると指摘していて、登録数は大きく減ったものの実際にはまだ多くの北朝鮮労働者がロシアで働いているという見方もあります。


2019.12.21-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/191221/wor1912210020-n1.html
北朝鮮、深まる対中依存、「自力更生」誇示も貿易赤字拡大

【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、国連安全保障理事会決議による経済制裁を「自力更生」で乗り越えるよう国民を鼓舞してきた。だが、苦境は隠しようがなく、貿易統計に表れている。制裁後に対中国貿易赤字が大幅に拡大するなど、対中依存が深まる皮肉な結果も浮かび上がっている。
 国連貿易開発会議(UNCTAD)が最近公表した統計によると、北朝鮮の2018年の輸出規模は約3億ドル(約328億円)と前年比で83・8%激減した。労働者の海外派遣だけでなく、北朝鮮の主力輸出品の石炭や鉄鉱石、海産物の輸出も禁じた17年の一連の安保理決議が直撃した形だ。
 韓国の情報機関、国家情報院の国会報告によると、今年1~10月の北朝鮮の対中貿易規模は22億4000万ドルと前年同期比で15・8%増。輸入が一方的に増えており、1~10月の対中貿易赤字は18億9000万ドルだった。対中赤字は通年で過去最大を更新する見通しだ。
 農作物の不作も伝えられる中、食糧の輸入に加え、一定の生活水準を保つための中国製品輸入が欠かせず、外貨を切り崩す状態が続いている。
 韓国貿易協会によると、北朝鮮の貿易相手国で中国が占める割合は18年に91・8%に達したが、これほどの対中依存は最近のことだ。01年には貿易相手国として最大の30・1%を占めていた日本が、06年の北朝鮮の核実験を受けて輸入禁止に踏み切る。主な外貨獲得源だった南北経済協力事業の開城(ケソン)工業団地の操業も韓国が16年に中断した。


2019.12.14-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53377460U9A211C1EA3000/
北朝鮮、再び「重大な実験」 ICBMエンジンか

【ソウル=鈴木壮太郎】北朝鮮の国防科学院報道官は14日、北西部東倉里(トンチャンリ)の「西海衛星発射場」で13日夜、「重大な実験」を再び実施したとの談話を発表した。朝鮮中央通信が14日報じた。北朝鮮は7日にも同じ場所で「非常に重大な実験」に成功したと発表しており、専門家は大陸間弾道ミサイル(ICBM)のエンジン燃焼試験だった可能性を指摘している。
  報道官によると、実験は13日午後10時41分から48分にかけて実施された。具体的な実験内容には触れなかったが、「戦略的核戦争の抑止力をさらに強化するのに適用される」と語った。
  7日の実験時は「朝鮮の戦略的地位をもう一度変化させる上で重要な効果を持つだろう」と説明していた。今回は「核戦争の抑止力強化」を明言したことで、ICBMのエンジンの燃焼実験だった可能性が高まったといえる。
  米朝の非核化交渉が暗礁に乗り上げるなか、米国のビーガン北朝鮮担当特別代表が15日、訪韓する。北朝鮮との接触に注目が集まる。北朝鮮は自ら設定した米国との交渉期限である年末が迫っており、米国の譲歩を迫るため挑発の水位をさらに高めたとみられる。


2019.12.9-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/191209/wor1912090019-n1.html
トランプ氏の「自慢の種」脅かす東倉里カード…正恩氏は決裂避けつつ圧力
(1)
【ソウル=桜井紀雄、ニューヨーク=上塚真由】北朝鮮は、北西部、東倉里(トンチャンリ)の「西海(ソヘ)衛星発射場」で7日午後に「極めて重大な試験」を行い、成功したと発表した。大陸間弾道ミサイル(ICBM)にも用いられるエンジンの燃焼実験だった可能性がある。トランプ米大統領が米朝対話の功績として誇るICBM発射凍結をやめる動きをちらつかせ、年末までの譲歩を引き出す狙いとみられる。
 北朝鮮国営メディアは8日、国防科学院が「成功裏の結果」を朝鮮労働党中央委員会に報告したとし、「遠からず、(北朝鮮の)戦略的地位をいま一度変化させる上で重要な作用を果たすだろう」と強調した。
 米国の核・ミサイル専門家のジェフリー・ルイス氏は8日、衛星写真から東倉里のエンジン実験施設周辺に燃焼実験の噴射で土が吹き飛ばされたような跡があったとツイッターで明らかにした。韓国の専門家らは、ICBM用固体燃料エンジンの実験のほか、「衛星運搬ロケット」用液体燃料エンジンの実験などの可能性があるとみている。
 金正恩(キム・ジョンウン)党委員長が年末を交渉期限として米側に譲歩を迫る中、米国の態度に変化がなければ、「人工衛星打ち上げ」と称して事実上の長距離弾道ミサイル発射に踏み出す恐れがあるとの見方も出ている。ICBM発射まで強行すれば、即決裂を意味するからだ。
 ただ、「平和利用の衛星だ」と称しても弾道ミサイル技術を使った発射を禁じた国連安全保障理事会決議に違反する。トランプ氏は昨年6月の米朝首脳会談後、金氏がエンジン実験場の破壊を約束したと明言しており、今回、実験を再開しただけで、米大統領の顔に泥を塗ったことになる。
非核化外し
 北朝鮮の金星(キム・ソン)国連大使は7日の声明で「われわれはもはや米国と長話をする必要はなく、非核化は既に交渉のテーブルから外れている」と主張。米国が求める「持続可能で実質的な対話」は「国内政治に都合よく利用する時間稼ぎの戦術にすぎない」と批判した。
(2)
北朝鮮はこれまでも「敵視政策」の撤回なしに非核化協議はないと主張しており、非核化より米側が制裁解除や米韓合同軍事演習の完全中止を約束するのが先だと改めて要求した形だ。
 金桂寛(キム・ゲグァン)外務省顧問は11月に「何の見返りも得ないままこれ以上、米大統領に自慢の種を与えないだろう」と強調していた。東倉里での実験は、ICBM発射凍結という功績さえも取り消され得るとの警告メッセージとも読み取れる。
 ■長期戦に備え
 東倉里で実験が行われた7日、正恩氏は中部、陽徳(ヤンドク)の温泉リゾートの完工式に出席していた。急ピッチで工事を進めた正恩氏肝煎りの事業で、崔竜海(チェ・リョンヘ)最高人民会議常任委員長は、式典で「最悪の逆境の中でも発展、繁栄できると世界に宣言した自力更生路線の巨大な勝利だ」と強調した。
 正恩氏の発案でスキー場や乗馬施設も併設され、正恩氏から「人民への愛の贈り物」と国営メディアが伝えたが、案内板に英語や中国語が記され、外国人観光客を誘致し、外貨稼ぎにつなげる狙いもあるようだ。
 正恩氏は2日に中朝国境地域にあり、「革命の聖地」とされる白頭山(ペクトゥサン)の麓に位置する三池淵(サムジヨン)の開発地区の完工式に出席。3日には、北東部、鏡城(キョンソン)の野菜の温室農場と養苗場の操業開始式に出向いた。いずれの式典でも「自力更生」が強調された。東倉里の実験でトランプ政権に圧力を加える一方、米国との交渉が長引くことを見越して制裁が続いても耐え抜くよう民生部門のテコ入れに奔走する姿を国民に誇示している。


2019.12.9-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191209/k10012207541000.html
北朝鮮「重大な実験」 固体燃料使ったエンジン実験の可能性

北朝鮮が事実上の長距離弾道ミサイルの発射を行ってきた施設で「非常に重大な実験を行った」と発表したことについて、韓国では発射までの時間が短縮できる固体燃料を使ったエンジンの実験の可能性などが指摘されていて、米韓で詳しい分析を進めています。

  北朝鮮国営の朝鮮中央通信は8日、国防科学院の報道官の談話として、北西部ピョンアン(平安)北道のトンチャンリ(東倉里)にあるソヘ(西海)衛星発射場で「非常に重大な実験を行った」と発表しましたが、具体的な内容は明らかになっていません。
  この施設ではこれまでに「人工衛星の打ち上げ」として事実上の長距離弾道ミサイルの発射などが行われていて、韓国メディアはICBM=大陸間弾道ミサイル用の固体燃料を使ったエンジンの実験の可能性があると伝えています。
  固体燃料は発射までの時間が短縮でき奇襲能力を高めることができるほか、飛距離も伸ばすことができると指摘されています。
  また「人工衛星の開発」の名目で新たな液体燃料を使ったエンジンの実験を行ったとの見方も出ています。
  9日午前行われた韓国国防省の記者会見ではこれに関連した質問が相次ぎましたが、報道官は詳しい言及はせず「米韓で緊密に協力しながら、状況を注視し、分析を進めている」と述べるにとどまりました。
衛星写真 施設周辺に変化
  北朝鮮の核問題を研究するアメリカのミドルベリー国際大学院モントレー校のジェフリー・ルイス氏はNHKに対し、北朝鮮が「非常に重大な実験を行った」とする施設を7日と8日に撮影した衛星写真を明らかにしました。
  ルイス氏によりますと、北朝鮮が実験を行ったとする7日の写真では弾道ミサイルのエンジンの燃焼実験施設の近くに複数の車両のようなものが確認できるとしています。
  ところが8日の写真ではその車両のようなものは確認できず、エンジンの燃焼実験施設の近くの地面の表面が何かで吹き飛ばされていると指摘しています。
  ルイス氏は「北朝鮮はロケットエンジンのテストを行ったのではないか。エンジンの排気のせいだとみられる」という見方を示しています。
  ルイス氏は先週、今月5日の衛星写真の分析から、同じ施設内に大型の貨物コンテナのようなものが運び込まれているのがわかったとして、ICBM=大陸間弾道ミサイルの発射の再開に向けた動きの可能性があると指摘していました。」
菅官房長官「米朝プロセス 後押ししたい」
菅官房長官は午前の記者会見で、「わが国としては常日頃から北朝鮮をめぐる動向について、重大な関心を持って情報収集と分析に努めている。政府として引き続きアメリカなどとも緊密に連携を取りながら、必要な情報収集、分析、そして警戒監視に全力を挙げて、わが国の平和と安全を確保していきたい」と述べました。
そのうえで「北朝鮮の意図について、断定的に答えることは差し控えたい。重要なことは朝鮮半島の完全な非核化に向けた北朝鮮のコミットメントを含め、米朝両首脳の合意が完全に迅速に履行されることだ。引き続き、米朝プロセスをしっかり後押ししていきたい」と述べました。


2019.12.3-Yahoo!!ジャパン-夕刊フジ-https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191203-00000010-ykf-int
正恩氏の叔父・金平一氏が31年ぶりに帰国 権力基盤に影響なしと判断か

北朝鮮の金正恩キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の叔父で駐チェコ大使を務めた金平一(ピョンイル)氏(65)が最近、北朝鮮に帰国したことが明らかになった。平一氏は、正恩氏の父、金正日(ジョンイル)総書記との権力争いに敗れ、30年間以上海外を転々としてきたが、もはや正恩氏の権力基盤に影響を及ぼさないと判断されたもようだ。政敵を徹底的につぶしていく正恩氏の独裁手法がうかがわれる。
 韓国の情報機関、国家情報院が国会で報告したと、産経ニュースが1日報じた。
 平一氏は、正日氏の異母弟だが、北朝鮮を建国した父親の金日成(イルソン)主席と風貌も似ていることから、一時は後継者の有力候補と目されていた。
 だが、正日氏との後継者レースに敗れたことで国外に出されることに。1988年に駐ハンガリー大使に赴任したのを手始めに、欧州の複数の大使を務めてきたが、国内の要職に返り咲くことはなかった。
 2017年2月に正恩氏の異母兄、金正男(ジョンナム)氏がマレーシアで殺害される事件の前には、欧州の脱北者団体が平一氏を亡命政府の首班に担ぎ上げようとする動きがあったが、平一氏は一貫して正恩氏に恭順の意を示してきたとされる。
 正恩政権が、平一氏が海外にいても「血統」を利用しようとする勢力が現れるだけで、国内に戻しても、もはや正恩氏の権力基盤に影響を及ぼす恐れはないと判断した可能性がある。


2019.11.30-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191130/k10012196991000.html
北朝鮮「弾道ミサイル近くで見ることに」新たな発射を示唆

北朝鮮外務省は、28日発射した弾道ミサイルに関連して談話を発表し、安倍総理大臣を名指ししたうえで「弾道ミサイルが何なのか、遠からず、非常に近くで見ることになるだろう」として、新たなミサイルの発射を示唆してけん制しました。
  北朝鮮は28日、東部のハムギョン(咸鏡)南道リョンポ(連浦)付近から日本海に向けて弾道ミサイル2発を発射し、国営メディアはキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の立ち会いのもと「超大型ロケット砲」の発射実験を行ったと伝えました。
  北朝鮮外務省の日本担当副局長は30日朝、国営の朝鮮中央通信を通じて談話を発表し「日本の海域に落ちてもいない砲弾をめぐって『日本のみならず国際社会に対する深刻な挑戦だ』と述べており、ぶざまだ」として安倍総理大臣を繰り返し名指しで批判しました。
  そのうえで「本当の弾道ミサイルが何なのか、遠からず、非常に近くで見ることになるだろう」として新たなミサイルの発射を示唆してけん制しました。
  さらに、安倍総理大臣が前提条件をつけずにキム委員長と直接向き合う決意を表明していることを念頭に「永遠に向き合わないほうが賢明だという考えが日に日に固まっている」としています。
  一方、談話では、28日発射したのは「ロケット砲」で弾道ミサイルではないとしていて、日本政府が弾道ミサイルの発射は国連の安保理決議に違反すると指摘していることを念頭に、こうした批判をかわしたい思惑もありそうです。


2019.11.29-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191129/k10012195681000.html
北朝鮮ミサイル 発射間隔は約30秒 連射能力向上か

北朝鮮が28日発射した2発の弾道ミサイルについて、韓国軍の関係者は発射の間隔がおよそ30秒だったことを明らかにし、北朝鮮が連射能力の向上を図っているとの見方が出ています。
  北朝鮮は28日、東部のハムギョン(咸鏡)南道リョンポ(連浦)付近から日本海に向けて弾道ミサイル2発を発射し、29日、北朝鮮の国営メディアは、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の立ち会いのもと、「超大型ロケット砲」の発射実験を行ったと伝えました。
  これに関連し韓国軍の関係者は、2発の発射の間隔はおよそ30秒だったと明らかにしました。
  北朝鮮は、ことし8月24日、9月10日、先月31日にも弾道ミサイルを2発ずつ発射し、「超大型ロケット砲」の発射実験だと主張していますが、韓国軍によりますと、それぞれ発射の間隔は、
▽8月24日が17分、
▽9月10日が19分、
▽先月31日が3分でした。
  このため北朝鮮が連射能力の向上を図っているとの見方が出ていて、韓国の連合ニュースは「移動式の発射台で短い間隔で発射されると、韓国側は対応が困難な場合があるとの指摘が出ている」と伝えています。
  さらに連合ニュースは軍事専門家の話として「4発連続での発射を試みる可能性もある」と伝え、韓国軍は、北朝鮮による追加の発射に警戒を強めています。

防衛省「連続発射能力の向上を図ったと考えている」
防衛省は、北朝鮮が28日発射した2発の短距離弾道ミサイルについて、ことし8月24日、9月10日、先月31日にいずれも2発ずつ発射されたものと同じ系統だと推定しています。

2発の発射間隔は
▽8月と9月はおよそ20分だったのに対し、
▽先月はおよそ3分、
▽今回は1分未満と次第に短くなっていて、防衛省は「連続発射能力の向上を図ったと考えている」としています。

多数のミサイルを一度に発射できれば迎撃される可能性が減るため、その能力は攻撃力の向上に欠かせないとされています。

北朝鮮が発射の翌日に公開している映像では、いずれも発射機にミサイルを発射する筒のような装置が4つあることが確認されているということで、「今後は2発だけでなく、さらに多くのミサイルを同時に発射する可能性もある」として、警戒・監視に万全を期すことにしています。


2019.10.23-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/191023/wor1910230015-n1.html
正恩氏が韓国施設撤去を指示「みすぼらしい」 文氏の融和策頓挫は決定的

【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は、視察先の東部の景勝地、金剛山(クムガンサン)で中断している南北経済協力の観光事業を批判し、韓国側が建てた施設を韓国側と合意の上で全て撤去して景観にふさわしい施設を新たに建設するよう指示した。北朝鮮国営メディアが23日に報じた。
 金剛山一帯で韓国側が建てたホテルなどを視察した金氏は「みすぼらしい」「見るだけで気分が悪くなる」と指摘。「国力が弱いときに他者に依存しようとした先任者らの政策は極めて誤っていた」と批判した。父、金正日総書記が決めた事業の否定とも取れる異例の発言だ。
 1998年に始まり、北朝鮮の外貨収入源となってきた金剛山観光は、2008年に韓国人観光客の射殺事件で中断。金氏と韓国の文在寅大統領が昨年9月の首脳会談で開城(ケソン)工業団地とともに条件が整い次第、再開することで合意し、金氏は今年1月、無条件での再開の用意を表明していた。
 だが、文政権は国際社会の制裁を理由に再開に踏み切らず、米韓合同軍事演習を行ったことから、北朝鮮は韓国との対話拒否に転じた。金氏の指示は、文政権の焦りを誘う揺さぶり戦術の一環とみられる。南北経済協力への意欲を依然、強調する文氏の対北融和政策は頓挫が決定的となった。
 金氏は「金剛山が北と南の共有物、北南関係の象徴で、関係の発展なしに観光もできないかに言われるが、間違った認識だ」と指摘。総開発計画を作成し、隣接する一帯をゴルフ場やスキー場を備え、外国人客も誘致できる一大観光地区に整備するよう指示した。

韓国の金錬鉄(キム・ヨンチョル)統一相は23日、国会議員との懇談会で「南北関係にはまだ重要な協力の余地がある」と述べたが、文政権内では当惑が広がっている。


2019.9.2-時事COM-https://www.jiji.com/jc/article?k=2019100200258&g=pol
北朝鮮が弾道ミサイル=日本EEZに落下-潜水艦から発射か

  日本政府は2日午前、北朝鮮から弾道ミサイルが発射され、島根県沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したとみられると発表した。菅義偉官房長官は当初2発と発表したが、その後の記者会見で「1発が二つに分離し、落下した可能性がある」と説明した。北朝鮮は非核化をめぐる米国との実務協議を5日に行うことで合意したばかり。対米交渉を推進する一方、軍事的な威嚇を継続して日米韓を揺さぶる狙いとみられる。
 北朝鮮による弾道ミサイルのEEZ内への落下は、2017年11月29日に青森県西方沖で確認されて以来約1年10カ月ぶり。
 菅長官によると、ミサイルは2日午前7時10分ごろに北朝鮮東岸から東方向へ発射され、7時27分ごろに島根県島後沖の北350キロのEEZ内に落ちたとみられる。付近を航行する航空機や船舶への被害は確認されていない。

韓国軍などによると、北朝鮮東部・江原道元山の北東沖約17キロの海上から発射された1発は、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の「北極星」系列と推定され、最大高度約910キロ、距離約450キロに達した。
 安倍晋三首相はミサイル発射について「国連決議違反であり、厳重に抗議し、強く非難する」と記者団に語った。首相は、情報収集・分析に全力を挙げ、迅速・的確な情報提供を行うことや、航空機・船舶などの安全確認を徹底することなどを指示。外務省は北京の大使館ルートを通じて北朝鮮に抗議した。
 日本政府は国家安全保障会議(NSC)を首相官邸で開いた。外務省の滝崎成樹アジア大洋州局長は、米国のビーガン北朝鮮担当特別代表と電話協議し、日米、日米韓で緊密に連携して対処することを確認した。


2019.10.2-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/191002/wor1910020012-n1.html
北朝鮮発射は潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)か

【ソウル=桜井紀雄】韓国軍合同参謀本部は2日、北朝鮮が同日午前7時11分(日本時間同)ごろ、東部、元山(ウォンサン)の北東沖の海上から日本海の東方向に向けて弾道ミサイルを発射したと発表し、ミサイルが潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の一種である「北極星」系列の弾道ミサイルとの分析を明らかにした。 北朝鮮は1日、米国と4日の予備接触に続いて5日に実務協議を開くことで合意したと発表したばかり。トランプ米大統領が短距離なら北朝鮮による弾道ミサイル発射を問題視しない立場を保つ中、協議の合意と同時に、米本土への奇襲も可能なSLBM実験を突き付け、トランプ政権の出方を試した可能性がある。
 金正恩朝鮮労働党委員長が国防力強化を強調する中、新兵器実験を常態化させるとともに、国内に向けても対米対話と兵器開発の並立を誇示し、自らの路線を正当化する狙いもありそうだ。
 韓国軍は、ミサイルは最高高度約910キロに達し、約450キロ飛行したと探知した。北朝鮮によるミサイルなどの発射は9月10日以来で、5月以降11回目。
 北朝鮮は特に7月下旬以降、米韓合同軍事演習に反発して発射を繰り返し、9月10日には、金正恩朝鮮労働党委員長立ち会いの下、「超大型放射砲(多連装ロケット砲)」と称した事実上の短距離弾道ミサイルを内陸部から発射。だが、一部は試射に失敗したとみられ、金氏はさらなる試射の必要性を示唆していた。


2019.9.10-LivedoorNews-https://news.livedoor.com/article/detail/17059448/
北朝鮮が今年10回目の飛翔体発射 「内陸横断」で性能誇示か

【ソウル聯合ニュース】韓国軍合同参謀本部は10日、北朝鮮が同日午前6時53分ごろと同7時12分ごろ、平壌北方の平安南道・价川付近から東に向け未詳の短距離飛翔(ひしょう)体2発を発射したと明らかにした。2発は内陸を横断する形で発射されたことから、意図や背景が注目される。1発は330キロを飛行し、残りの1発の飛行距離はそれより短いとされている。
韓国と米国の軍当局は飛翔体の正確な飛行距離や高度、速度などを分析している。飛行距離などから、8月24日に発射した超大型放射砲(多連装ロケット砲)である可能性に重きを置いている。
 韓国の軍当局は今回の飛翔体が北朝鮮内陸を飛び越える形で発射されたことに注目している。北朝鮮は5月4日からこれまで10回、計20発の短距離ミサイル、または放射砲を発射。8月6日にはロシア製短距離弾道ミサイル「イスカンデル」の北朝鮮版と呼ばれる「KN23」を内陸上空を通過する形で発射した。このミサイルは高度が37キロで、約450キロを飛行した。
 当時、韓国の軍当局は北朝鮮が新しく開発した弾道ミサイルを首都の平壌付近の上空に飛ばしたのは精度や飛行能力に自信を持ったためと分析した。実戦配備を控え、最終的な実験を行ったとの見方もあった。
 今回の飛翔体の高度が40~60キロとされていることも注目される。7月31日と8月2日に発射した大口径放射砲は直径が400ミリと推定され、高度は25~30キロ、飛行距離は220~250キロだった。
 一方、8月24日に発射した超大型放射砲の直径は600ミリと推定される。高度は97キロで、約380キロを飛行したと分析された。
 今回の飛翔体が超大型放射砲の場合、高度が低くなったことになる。飛翔体の高度が低ければ低いほどミサイル防衛システムによる迎撃が難しくなる。
 韓国軍関係者は「きょう発射した短距離飛翔体は飛行距離や高度などから、北が主張する超大型放射砲の可能性もある」として、「ただ、別の新型短距離飛翔体の可能性も念頭に置いて分析中」と伝えた。


2019.8.24-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/190824/wor1908240022-n1.html
北朝鮮がまた飛翔体2発を発射 7月末以降7回目、米韓軍事演習後は初

【ソウル=名村隆寛 田中一世】韓国軍合同参謀本部によると、北朝鮮は24日午前6時45分ごろと7時2分ごろに、東部の咸鏡南道(ハムギョンナムド)宣徳(ソンドク)付近から日本海に向けて、短距離弾道ミサイルと推定される2発の飛翔(ひしょう)体を発射した。北朝鮮は7月25日以降、新型短距離弾道ミサイルなどの発射を繰り返しており、今回で7回目。8月5~20日に行われた米韓合同軍事演習に反発していたが、演習終了後の発射は初めて。
 韓国軍による分析では、飛翔体の飛行距離は約380キロ、最高高度約97キロ。飛行速度がマッハ6・5以上で、今年に入って発射されたミサイルの中では最も高く飛んだという。防衛省では2発の飛行距離を約400キロと350キロだったとみており、日本の領域や排他的経済水域(EEZ)に落下しなかったとしている。
 日本政府は弾道ミサイルと断定し、外交ルートを通じて北朝鮮に抗議した。
 トランプ米大統領は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長から8日に届いた手紙で、演習後にミサイル発射を止め非核化協議を始めたいとの意向を伝えてきたことを明らかにしていた。
 韓国政府は22日に、日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決め、日本政府に23日、その旨を公式に通告した。日韓の安保での亀裂が深まるなか、北朝鮮はトランプ氏に約束していたにもかかわらず、ミサイル発射を継続して日米韓を挑発する構えを示した。
 岩屋毅防衛相は24日、記者団に「(ミサイル発射は)明白に国連(安全保障理事会)決議に違反している。距離や種類に関わらず看過できるものではない」と北朝鮮を非難。韓国によるGSOMIA破棄通告直後に発射した意図を問われると「北朝鮮も地域情勢をしっかり見ているから、間隙を突いたということではないか」と述べた。
 韓国軍は日本から情報共有の要請があったとし、協定が11月22日まで有効であるため、情報を共有する意向であることを明らかにした。米韓連合軍司令部の報道担当者は、日韓と緊密に協議するとの声明を発表した。


2019.8.24-朝日新聞 Ditigal-https://www.asahi.com/articles/ASM8S2H0PM8SUTFK004.html
北朝鮮、飛翔体2発を日本海に発射 韓国軍合同参謀本部

 防衛省は24日朝、北朝鮮から弾道ミサイル発射されたとみられると発表した。日本の領域には飛来せず、我が国の排他的経済水域(EEZ)内にも落下しないとみられるという。
 韓国軍の合同参謀本部によると、北朝鮮は朝鮮半島東部の咸鏡南道(ハムギョンナムド)宣徳(ソンドク)から飛翔(ひしょう)体を2回、日本海に向けて発射した。北朝鮮による飛翔体の発射は、7月25日以降、7回目。(ソウル=清水大輔)


2019.8.17-神戸新聞 NEXT-https://www.kobe-np.co.jp/news/zenkoku/compact/201908/0012612071.shtml
北朝鮮がまた飛翔体発射 軍事演習や韓国に反発か

【ソウル共同】韓国軍合同参謀本部は16日、北朝鮮が同日朝、東部・江原道から日本海に向け、飛翔体を2回発射したと明らかにした。北朝鮮は米韓合同軍事演習などに反発して、7月25日以降、短距離弾道ミサイルなどの発射を繰り返しており、今回で6回目。
 16日朝には、北朝鮮の対韓国窓口機関、祖国平和統一委員会が報道官談話を発表し、韓国の文在寅大統領が15日の演説で南北対話や協力を訴えたことを批判していた。


2019.8.10-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/190810/wor1908100017-n1.html
金氏「米韓演習後に実務協議を」 トランプ氏への書簡 短距離発射は「少し謝る」

【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領は9日、ホワイトハウスで記者団に対し、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長から8日に「非常に美しい書簡」を受け取ったと述べた。トランプ氏が10日、ツイッターで明らかにしたところでは、金氏は5日から始まった米韓合同軍事演習について苦情を書きつづる一方、演習が終わり次第、北朝鮮の非核化に向けた米朝の実務者協議を再開させたい意向を表明した。
 北朝鮮が米韓演習の中止を求めて短距離弾道ミサイルを立て続けに発射していることに関し、書簡で金氏は、米韓演習が終了すれば発射をやめると述べた。発射についても「少し謝った」という。トランプ氏は「そう遠くない将来に金氏と会うのを楽しみにしている」とし、4度目の米朝首脳会談実現に意欲を示した。
 トランプ氏は米韓演習について、ツイッターで「ばかげていて費用がかかる」と発言。9日の記者団とのやり取りでも「米国が演習の費用を支払うのが気に入らない」とし、「韓国は米国に(演習の経費を)返済すべきで、韓国にもそう伝達した」と述べていた。
 トランプ氏が金氏から書簡を受領したことを公表するのは約2カ月ぶり。書簡は3枚にわたり、北朝鮮から大統領執務室まで「古典的な手法」で持参されたとしている。


2019.8.10-ZAQZAQ by 夕刊フジ-https://www.zakzak.co.jp/soc/news/190810/for1908100004-n1.html
北朝鮮がまた飛翔体2発 日本政府「現時点で安全保障に影響ない」

韓国軍合同参謀本部は10日、北朝鮮が同日、東部咸興(ハムフン)付近から飛翔(ひしょう)体を2度、日本海に向けて発射したと明らかにした。日本政府関係者は、発射されたのは短距離弾道ミサイルとの見方を示した。
 北朝鮮は新型短距離弾道ミサイルなどの飛翔体発射を繰り返しており、7月25日以降、5回目。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長はトランプ米大統領への手紙で、5日から始まった米韓の合同軍事演習に不満を訴えたという。

 日本政府は「わが国領域や排他的経済水域(EEZ)への弾道ミサイルの飛来は確認されておらず、現時点で安全保障に直ちに影響を与えるような事態は確認されていない」と発表した。


2019.8.7-産経新聞-THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/190807/wor1908070004-n1.html
北がサイバー攻撃で2100億円調達か 国連報告書

【エルパソ=上塚真由】国連安全保障理事会で北朝鮮制裁決議の履行状況を監視する専門家パネルは、北朝鮮が銀行や暗号資産(仮想通貨)取引業者に対するサイバー攻撃を仕掛け、これまでに最大で20億ドル(約2100億円)を得た可能性があるとする中間報告書をまとめた。資金は、核兵器など大量破壊兵器の資金源になっているという。ロイター通信が5日伝えた。
 また報告書は、相次ぐ短距離弾道ミサイルの発射について「北朝鮮は核・ミサイル計画を強化し続けている」と警鐘を鳴らした。
 専門家パネルは、少なくとも17カ国で行われた35件のサイバー攻撃を調査。攻撃方法は「広範でますます洗練されている」とし、北朝鮮はサイバー空間を利用して、調達した資金のマネーロンダリング(資金洗浄)も行っていると指摘した。サイバー攻撃は、朝鮮人民軍偵察局の指揮下で行われているという。
 報告書は、仮想通貨取引への攻撃が「伝統的な銀行よりも追跡が難しく、政府の監視や規制も緩い」ことから、資金を稼ぐことを可能にしているとした。報告書は安保理の北朝鮮制裁委員会に提出されており、来月にも公表される見通し。


2019.8.2-Bloomberg-https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-08-02/PVKYL0DWRGG601
北朝鮮、2日未明に飛翔体2回発射-米国務長官との会談の機会見送り

北朝鮮は8日間で3度目の挑発行為、米国への不満を示唆
ポンペオ国務長官:北朝鮮との外交的対話を続ける用意は整っている

北朝鮮は2日未明、正体不明の飛翔体を2回にわたって日本海に向けて発射した。韓国当局が明らかにした。北朝鮮はポンペオ米国務長官とタイで会談する機会を見送った。
  韓国軍の合同参謀本部が発表文で明らかにしたところによると、飛翔体は咸鏡南道の沿岸部にある永興から発射された。これは7月31日に短距離弾道ミサイル2発が発射された場所に近い。8月2日の1回目の発射は現地時間午前3時少し前だった。北朝鮮のこうした挑発行為は過去8日間で3度目。
  合同参謀本部は「追加発射に備えて動向を注視し、対備態勢を維持している」とコメント。日本の防衛省によると、排他的経済水域(EEZ)への弾道ミサイルの飛来や国家安全保障に直ちに影響を与えるような事態も確認されていないという。
  北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長はトランプ政権との劇的だがあまり実りのない1年余りにわたる核協議を経て、兵器実験をエスカレートし、米国側への不満を示唆している。トランプ大統領が6月30日に南北軍事境界線の非武装地帯(DMZ)で金委員長と歴史的な会談を行った際に発表された実務レベルの協議はまだ再開されていない。
  ポンペオ長官は1日、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の会合でバンコクを訪問中に北朝鮮の代表と会談しないことを認めた。同長官は「われわれは北朝鮮との外交的対話を続ける用意が整っている」と述べた上で、「バンコク滞在中に実行する機会は持てないようだ」と語った。


2019.7.31-BBC ニュースジャパンhttps://www.bbc.com/japanese/49174254
北朝鮮、弾道ミサイル2発を日本海に発射 韓国軍が発表

北朝鮮は31日未明、弾道ミサイル2発を日本海側に向けて発射した。韓国軍合同参謀本部(JCS)が発表した。25日に続き、1週間で2回目のミサイル発射となった。JCSによると、ミサイルは東部・元山(ウォンサン)市付近から発射された。
250キロ飛行し、日本海(韓国名・東海)に落下した。最高高度は30キロに達した。JCSは発射されたミサイルについて、「これまでの型とは別の種類だ」との見方を示した。また、さらなる発射に備え監視していると話した。

北朝鮮はミサイル発射についてコメントしていない。日本の防衛省は、同国の領域へのミサイル飛来はないと話した。

25日にも2発を発射
JCSによると、北朝鮮は25日にも元山(ウォンサン)市付近から短距離ミサイル2発を発射した。ミサイルは少なくとも片方が約690キロ飛行し、やはり日本海に落下した。最高高度は50キロだった。
25日のミサイル発射は、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長とドナルド・トランプ米大統領が6月末に急きょ板門店で会談して以来、初めてだった。この会談では、北朝鮮の非核化交渉を再開することで合意した。
一方で北朝鮮は、韓国と米国が毎年恒例の合同軍事演習を予定していることに抗議。非核化交渉の再開に影響を及ぼすと警告していた。北朝鮮は25日のミサイル発射を、「厳粛な警告」と表現した。
韓国政府高官は先月、合同演習は予定通り実施するとしたが、コンピューターによるシミュレーションが多くなると説明。実際に部隊が展開することは少なく、規模はやや小さくなると話した。


2019.7.26-産経新聞-THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/190726/wor1907260007-n1.html
ミサイル発射は文政権への「厳重な警告」 正恩氏が新型兵器の「武力示威」視察

【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の朝鮮中央通信は26日、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が25日に「新型戦術誘導兵器の威力示威射撃」を視察したと報じた。北朝鮮は25日に東部、虎島(ホド)半島から日本海に向けて短距離弾道ミサイル2発を発射した。同通信は、今回の武力示威は再三の警告にもかかわらず、「先端攻撃型兵器」を搬入して軍事演習を強行しようとする韓国軍部の好戦勢力に「厳重な警告」を送るためだと強調した。
 米国製の最新鋭ステルス戦闘機F35Aの韓国配備や8月に予定する米韓合同軍事演習に対する反発をミサイル発射という行動で示した形だ。この兵器を新たに作戦配備するとしている。
 昨年4月と9月の首脳会談で経済協力を約束しながら米国の反対で実行しない文在寅(ムンジェイン)政権を揺さぶる狙いとみられ、「南朝鮮(韓国)当局者は、きょうの警告を無視する失敗を犯してはならない」とクギを刺した。半面、非核化協議の再開で合意しているトランプ米政権の非難には言及しておらず、米韓の分断を図る思惑もありそうだ。

金氏は視察で「世界の人々の前では、平和の握手を演出し、後ろでは演習強行などの二重行動を見せている」と文政権を批判。「南朝鮮当局者が事態の危険性を悟り、演習などの自滅行為を中断し、昨年4月と9月のような姿勢を取り戻すことを望むという勧告を伝える」と述べたという。
 5月にも発射した今回の兵器については「低高度滑空跳躍型飛行軌道」という特性を挙げて防御が容易でないと指摘。ロシア製短距離弾道ミサイル「イスカンデル」をモデルに開発され、複雑な軌道から迎撃が困難な新型ミサイルとの専門家らの分析を裏付けた。
 2発目は約690キロ飛行しており、韓国全土や日本の一部を射程に収める。


2019.7.27-時事COM-https://www.jiji.com/jc/article?k=2019072500753&g=int
北朝鮮、弾道ミサイル2発発射=新型か、690キロ飛行-米韓演習に対抗姿勢

【ソウル時事】韓国軍合同参謀本部などによると、北朝鮮は25日早朝、東部・元山付近から日本海に向け、飛翔体2発を発射した。韓国政府は同日午後、国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開き、「新たな種類の短距離弾道ミサイル」とする分析結果を発表した。
弾道ミサイル発射は国連安保理決議違反に当たり、国際社会からの批判が強まりそうだ。常任委は「韓米間の精密評価を通じ、最終的に判断する」と説明。「このような北朝鮮の行為は朝鮮半島の軍事的緊張緩和の努力への助けとならない」として、強い懸念を表明した。
発射したのは午前5時34分(日本時間同)ごろと同57分ごろ。飛行距離は1発目が約430キロ、2発目は約690キロで、日本海に落下したとみられる。
 移動式発射台(TEL)を使って発射されたといい、飛行最高高度は50~60キロだった。CNNテレビによると、米国防当局者は、5月に発射された2発のミサイルと似ていると指摘した。
 北朝鮮は8月に予定される米韓合同軍事演習に反発しており、対抗姿勢を誇示する狙いがありそうだ。また、日本政府の輸出管理強化措置発動などで日韓関係が悪化する中、日米韓の安全保障協力を試そうとの意図もうかがえる。


2019.7.26-bbc.com-https://www.bbc.com/japanese/49123649
北朝鮮、ミサイル発射は「韓国の戦争屋への警告」
(英語記事 N Korea missile launch a 'solemn warning' to South

北朝鮮は26日、日本海側に向けて25日早朝に発射した短距離ミサイル2発について、「韓国の戦争屋たち」への「重大な警告」だと説明した。
韓国の合同参謀本部(JCS)によると、ミサイルは北朝鮮東岸の元山(ウォンサン)市付近から発射され、少なくとも片方は約690キロ飛行して日本海(韓国名・東海)に落下した。アメリカ政府も、ミサイルは「短距離型」だと確認している。
北朝鮮の国営メディアによると、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、「直接的な脅威や脅威の可能性を排除するために」兵器の開発を強いられていると声明で説明した。今回の実験は新たな弾道ミサイルシステムにまつわるものだという。
韓国は来月、アメリカと合同軍事訓練を行う予定。北朝鮮はかねて米韓の軍事訓練は侵攻の準備だとしており、来月の訓練についても非難している。
米韓は軍事訓練の取りやめには応じていないものの、規模を大幅に縮小した。

金委員長の声名
金委員長は声明で、新たな兵器システムに「満足」しており、「これに対する防衛は難しいだろう」と語った。その上で、「韓国はこの警告を無視するという過ちを犯すべきではない」と強調している。
韓国政府は、軍事的脅威を示しても南北間の緊張は緩和しないとして、実験中止を求めている。一方で、マイク・ポンペオ米国務長官は、今回のミサイル発射は交渉戦術に過ぎないとして、発射実験についてそれほど心配する必要はないと述べた。
BBCのローラ・ビッカー・ソウル特派員は、今回発射されたミサイルは朝鮮半島全域を射程圏に収めていることから、北朝鮮の今回の実験は特に韓国を意識したものだと指摘。自分たちが韓国にどれほどの影響力を持つのか試すと共に、米韓を分断しようとしていると説明した。一方で、金委員長は今回もドナルド・トランプ米大統領をまったく批判していない。このことから、トランプ氏との対話には引き続き前向きのようだと、ビッカー記者は分析している。
(英語記事 N Korea missile launch a 'solemn warning' to South


2019.5.31-NewsWeek-https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/05/post-12233.php
金正恩、米朝会談決裂で対米特別代表を処刑 妹の与正も「重大な間違い」で謹慎処分に

韓国の朝鮮日報は31日、北朝鮮が2月の米朝首脳会談が物別れに終わった責任を問い、金革哲(キム・ヒョクチョル)対米特別代表、
     および事務レベルの交渉を行った複数の外務省担当者を処刑した、と伝えた。
  同紙が匿名の北朝鮮筋の話として伝えたところによると、金革哲氏は4人の外務省幹部とともに3月に平壌の美林飛行場で処刑された。
     いずれも米国のためにスパイ活動を行った罪に問われたという。
  同筋は朝鮮日報に「交渉に関して米国の意図を適切に把握しない不十分な報告を行ったため」、金革哲氏はスパイの罪に問われたと述べたという。
     ロイターは、この報道の信憑性を確認できていない。
  米国務省の複数の当局者は、報道を確認する情報を得ていないと述べた。
  韓国統一省の担当者はコメントを避けた。青瓦台(韓国大統領府)の高官は、まず信憑性を確認すべき問題にコメントするのは不適切だと述べた 
  ある外交筋はロイターに対し、ハノイの米朝首脳会談決裂後、金革哲氏らが強制労働や思想教育といった処罰を受けている兆候があったが、
     処刑されたことを示す証拠はない、と語った。
 朝鮮日報によると、金正恩朝鮮労働党委員長の側近で、米朝首脳会談に向けてポンペオ米国務長官のカウンターパートを務めていた」
     金英哲(キム・ヨンチョル)党副委員長は強制労働と思想教育を受けるために中国との国境近くの施設に送られた。
  韓国国会の議員は4月、ロイターに対し、金英哲氏は党の主要ポストから外されたと明らかにしていた。

躍進、そして凋落
金革哲氏は、ハノイ首脳会談の数週間前に米国のビーガン北朝鮮担当特別代表のカウンターパートに任命された時は、北朝鮮側の新星とみなされていた。
  だが、金氏がどのような専門知識を持つのかや、米側との実務協議でどのような役割を担っていたかは、ほとんど分かっていない。
  朝鮮日報によると、首脳会談の事前交渉に加わっていた党統一戦線部のキム・ソンヘ統一戦線策略室長と首脳会談で北朝鮮側の通訳を務めた
     シン・ヘヨン氏は政治犯収容所に収容された。
  キム・ソンヘ氏について、外交筋は、寧辺の核施設を廃棄する見返りに制裁を解除するという提案を策定した中心人物であり、処罰は避けられなかった
     ようだと述べた。この提案は結局、完全な非核化の行程表を要求する米国に拒否された。

金正恩、米朝会談決裂で対米特別代表を処刑 妹の与正も「重大な間違い」で謹慎処分に
朝鮮日報は、金正恩氏の妹で、首脳会談に同行した金与正(キム・ヨジョン)氏について、匿名の韓国政府筋の話として、謹慎していると伝えた。
  シン氏は、会談から出ていこうとするトランプ米大統領に対して金委員長が行った「土壇場の提案」を通訳できなかったなど、重大な間違いを犯した罪
     に問われているという。
  北朝鮮の朝鮮労働党の機関紙、労働新聞は30日付の論説記事で「二枚舌を使う」当局者は「革命の厳しい審判」を受けることになると警告。
     「指導者の前では崇敬しているふりをして、実際は別のことを夢想するというのは反党・反革命の行為だ」と主張した。
  韓国統一研究所のホン・ミン上級研究員は、金革哲氏、その他の当局者が何らかの処罰を受けることはあり得るが、さらなる事実確認が必要と指摘。
  「米国との交渉の顔だったかれ(金革哲氏)のような人々を処刑あるいは完全に排除することは、協議したことの全面否定を示唆することにもなり、
     米国に非常に悪いシグナルを送ることになる」と述べた。


2019.5.7-NewsWeek-https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/05/post-12074.php
金正恩の「最愛の妹」身辺に異変か......「米朝決裂で問責」指摘も
高英起(デイリーNKジャパン編集長/ジャーナリスト) ※NKNewsより転載
<米朝首脳会談や南北首脳会談では常に金正恩の身近にいて補佐していた妹の金与正が、4月中旬以降、公式の場に姿を見せていない>
  北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の妹・金与正(キム・ヨジョン)党中央委員会第1副部長について、各方面で異変説が指摘されている。
  まず、米ニュースサイトのビジネスインサイダー(英字版)が2019年4月16日付で、金与正氏が北朝鮮の権力中枢から遠ざけられた可能性を指摘した。
     たしかに金与正氏は、4月11日の最高人民会議第14期第1回会議に代議員として参加したが、公式の場で姿が確認されたのはこれが最後だ。
     北朝鮮メディアが公開した政治局委員33人の団体写真にも写っておらず、故金日成主席の誕生日(4月15日)に際し、金正恩氏が幹部たちを
     引き連れて錦繍山太陽宮殿を参拝した際にも、その姿は見られなかった。
  彼女が今や、金正恩氏の側近中の側近であることを考えれば、不自然な出来事ではある。

参考記事:「急に変なこと言わないで!」金正恩氏、妹の猛反発にタジタジ
  さらに、金正恩氏のロシア訪問に随行しなかったことが、異変説の拡散に拍車をかけた。金与正氏は過去3回の南北首脳会談や2回の米朝首脳会談
     では、常に金正恩氏の身近にいて補佐していたからだ。
  そもそも金与正氏は、兄の「動線」を管理しながら出世の階段を上ったとも言われている。北朝鮮が核・ミサイル実験を繰り返していた時期、
     米韓は北朝鮮指導部に対する「斬首作戦」の導入を公言していた。それでなくとも、金正恩氏には一般人と同じトイレを使うことが出来ない
     という状況もある。そんな条件下で金正恩氏の動きを取り仕切る事ができるのは、やはり信頼できる身内しかいなかったのかもしれない。

参考記事:金正恩氏が一般人と同じトイレを使えない訳
  それを考えると、やはり彼女がロシア訪問に同行しなかった理由が気になる。実際、北朝鮮側はロシアで「儀典上のミス」を繰り返していた。
     たとえば25日午後、金正恩氏とロシアのプーチン大統領が初めて会った際には、金正恩氏の上着のベント部分がせり上がっていた。
  これについて、韓国紙・朝鮮日報は北朝鮮の内部事情に詳しい消息筋の話として、「金正恩氏の身体に唯一触れることができる金与正氏が現場
     にいなかったので起こったようだ」と伝えている。そんな重要人物を外すのだから、そこにはそれなりの理由があるはずだ。
  北朝鮮専門家の間からは、彼女が党宣伝扇動部に籍を置いていることから、「対米交渉などでの宣伝戦に失敗した責任を問われたのではないか」
     との指摘が出ている。確かに、金正恩時代に入ってからの北朝鮮のメディア戦略は、金正日総書記の時代とは大きく異なるものになっている。
     そこに、最高指導者の妹として発言力があり、若さも兼ね備えた金与正氏のセンスが反映されている可能性はある。
  2月末にベトナム・ハノイでの2回目の朝米首脳会談が決裂するまで、北朝鮮メディアの論調にはどこか楽観的な雰囲気が漂っていただけに、
     金与正氏が兄や周囲から「甘かった」と指摘される余地はあるかもしれない。
  しかし果たして、金正恩氏がそうした理由をもって、金与正氏を完全に遠ざけてしまうかは疑問だ。金正恩氏が妹を相当、大事にしてきたことは、
     つとに知られている。大事にし過ぎて、彼女の友人を大量失踪させる事件まで起こしたことがあるほどだ。
  金与正氏の「不在」には、健康不安などほかの様々な要因も考えられる。見極めるには、もうしばらくの観察が必要と言える。
                                                ※当記事は「NKNews」からの転載記事です。[筆者]
       
高英起(デイリーNKジャパン編集長/ジャーナリスト)
北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。関西大学経済学部卒業。98年から99年まで中国吉林省延辺大学に留学し、北朝鮮難民「脱北者」の現状や、北朝鮮内部情報を発信するが、北朝鮮当局の逆鱗に触れ、二度の指名手配を受ける。雑誌、週刊誌への執筆、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に『コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記―』(新潮社)、『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』(宝島社)、『北朝鮮ポップスの世界』(共著、花伝社)など。近著に『脱北者が明かす北朝鮮』(宝島社)。


2019/5/22-日本経済新聞(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45120370S9A520C1FF8000/
核・ミサイル開発なお継続 北朝鮮、新拠点相次ぎ発覚

【ソウル=恩地洋介】北朝鮮が核・ミサイル開発を継続している最新の状況が米国の分析サイトなどで判明した。北朝鮮は5月に2度、短距離ミサイルなど
     飛翔(ひしょう)体を発射したほか、新たな拠点を設けて開発を続けている。北朝鮮指導部は経済制裁を緩めない米国への反発を強めており、
     非核化を巡る米朝の対話再開の機運は遠のいている。
  韓国メディアによると、北朝鮮が短距離弾道ミサイルを発射した今月9日以降も、通常と異なる移動式発射台などの動きが確認されている。
     ロシア製の模倣とみられる新型ミサイルは通常の弾道弾よりも低高度を飛び、迎撃が難しいとの見方から韓国軍は新たな脅威と受け止めている。
  北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射に踏み切るとの観測もある。4月には北朝鮮東部の新浦(シンポ)で新型潜水艦を建造しているとする
     韓国軍当局の見方が取り沙汰された。
  新たな拠点も次々と明るみに出ている。米戦略国際問題研究所(CSIS)は平壌近郊の新たなミサイル基地の存在を公表した。
     基地は「ユサンニ」と呼ばれ、大陸間弾道ミサイル(ICBM)級の「火星15」などを格納していたもよう。北朝鮮研究サイト「38ノース」は先週、
     東倉里(トンチャンリ)のミサイル発射実験場で新たな組み立て施設の屋根が完成したと分析した。
  こうした秘密施設の存在は米朝対話の行方に影を落とす。トランプ米大統領は19日、FOXニュースのインタビューで2月末の米朝首脳会談の
     内幕に触れ「金正恩(キム・ジョンウン)委員長は1~2カ所の核施設を廃棄しようとした。しかし施設は5カ所ある」と不満を呈した。
     5カ所が何を指すかは不明だが、ウラン濃縮施設「カンソン」などを含むとみられる。トランプ氏は寧辺(ニョンビョン)の廃棄にのみ言及した金正恩氏
     に「あなたは合意の準備ができていない」と伝え、さらに「他の3カ所はどうするのか」と問いただしたという。
  金正恩氏は3回目の米朝首脳会談の条件として「米が2019年末までに譲歩する」という一方的な期限を示している。米による経済制裁に反発を
     強めており、北朝鮮の金星(キム・ソン)国連大使は21日、国連安保理の制裁措置に違反したとして米国が押収した貨物船の返還を要求したうえ
     で「凶悪な行為が及ぼす結果を考えた方がいい」と警告した。
  金正恩氏は制裁が長引く現状を正当化するため、一段の引き締めを図っている。20日付の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は独裁体制が崩壊した
     イラクやリビアに言及し「大国におもねっても、結局は流血の動乱と民族的な惨禍を免れない」と妥協を否定した。
  北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射に踏み切るとの観測もある。4月には北朝鮮東部の新浦(シンポ)で新型潜水艦を建造しているとする
     韓国軍当局の見方が取り沙汰された。新たな拠点も次々と明るみに出ている。米戦略国際問題研究所(CSIS)は平壌近郊の新たなミサイル基地
     の存在を公表した。基地は「ユサンニ」と呼ばれ、大陸間弾道ミサイル(ICBM)級の「火星15」などを格納していたもよう。
  北朝鮮研究サイト「38ノース」は先週、東倉里(トンチャンリ)のミサイル発射実験場で新たな組み立て施設の屋根が完成したと分析した。
     こうした秘密施設の存在は米朝対話の行方に影を落とす。トランプ米大統領は19日、FOXニュースのインタビューで2月末の米朝首脳会談の
     内幕に触れ「金正恩(キム・ジョンウン)委員長は1~2カ所の核施設を廃棄しようとした。しかし施設は5カ所ある」と不満を呈した。
  5カ所が何を指すかは不明だが、ウラン濃縮施設「カンソン」などを含むとみられる。トランプ氏は寧辺(ニョンビョン)の廃棄にのみ言及した金正恩氏に
     「あなたは合意の準備ができていない」と伝え、さらに「他の3カ所はどうするのか」と問いただしたという。
  金正恩氏は3回目の米朝首脳会談の条件として「米が2019年末までに譲歩する」という一方的な期限を示している。米による経済制裁に反発を
     強めており、北朝鮮の金星(キム・ソン)国連大使は21日、国連安保理の制裁措置に違反したとして米国が押収した貨物船の返還を要求したうえ
     で「凶悪な行為が及ぼす結果を考えた方がいい」と警告した。金正恩氏は制裁が長引く現状を正当化するため、一段の引き締めを図っている。
     20日付の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は独裁体制が崩壊したイラクやリビアに言及し「大国におもねっても、結局は流血の動乱と民族的な
     惨禍を免れない」と妥協を否定した。


2019.5.10-BBC ニュース(https://www.bbc.com/japanese/48213545)
北朝鮮、再び飛翔体2発を発射 「我慢の限界」のサインか
  • 2019年05月10日

韓国軍合同参謀本部は9日、北朝鮮が同日午後4時30分ごろ、正体不明の飛翔体を2発、発射したと発表した。北朝鮮が複数の短距離ミサイルを打ち上げ
     てから1週間もたたないうちの再発射となる。
  韓国軍によると、飛翔体は北朝鮮北西部の亀城(クソン)から東に向かってを発射されたという。高度約50キロまで上昇し、飛行距離は1発が
     約420キロメートル、もう1発は約270キロメートルとされる。
  北朝鮮は4日、東部の江原道元山(カンウォンドウォンサン)付近から北東の日本海方向に複数の短距離ミサイルを発射。日本海に落下したとされる。
  BBCのローラ・ビッカー・ソウル特派員によると、北朝鮮は最近、米韓合同軍事演習に対する不満を繰り返し表明していたことから、発射試験は驚くべき
     事態ではないという。また、北朝鮮はアメリカに対し、経済制裁の緩和に至るまでの我慢は長くは続かず、このままでは同国は「新たな道」
     を進むことになると警告しているという。

核開発は継続か
  発射の数時間前には、米政府のスティーヴン・ビーガン北朝鮮担当特別代表がソウル入りしたところだった。北朝鮮の核開発問題の行き詰まり
     打開のため、韓国の担当者との対策協議が訪韓の目的。
  北朝鮮は昨年、核実験と大陸間弾道ミサイルの発射試験をやめると発表した。しかし先月、同国の核施設をとらえた衛星写真で、放射性物質の再処理と
     みられる動きが確認されるなど、核開発は継続しているとみられている。北朝鮮は、長距離ミサイルの弾頭に収まる小型の核爆弾と、アメリカ本土にも
     到達可能な弾道ミサイルの開発に成功したと表明している。

<分析>計算された挑発――ジョナサン・マーカス、防衛問題担当編集委員
  北朝鮮は最近のミサイル発射試験で一つのパターンをつくりつつある。
  いくつかの発射試験の計画が進行しているのは明らかだ。目的は、アメリカ(そして、短距離ミサイルの標的となり得る韓国)に明確な外交上のサインを
     送ること。そのサインとは――北朝鮮は我慢の限界に近づいているということだ。朝鮮は先週末、新たな短距離弾道ミサイルの発射試験を実施した。
     飛行距離は約200キロメートルだったが、専門家らは実際にはもっと長い距離を飛行できるとみている。
  今回、発射試験のあった武器の種類は、まだ明らかになっていない。北朝鮮は今のところ、大陸間弾道ミサイルの発射試験はしない配慮をみせている。
     アメリカとの相互理解に違反するからだ。ただし、この「非公式な決め事」の期限は今年末までだ。外交における前進がなければ、北朝鮮はおそらく、
     より長距離のミサイル発射試験を実施するだろう。


2019.4.25-Excite ニュース-http://www.1242.com/lf/articles/172301/?cat=politics_economy&pg=cozy
露朝首脳会談~それぞれの狙いは何か

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月19日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。金正恩委員長と
     プーチン大統領による露朝首脳会談について解説した。

北朝鮮の金正恩氏が今月後半ロシアでプーチン大統領と初の首脳会談か

ロシア大統領府は18日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が4月下旬にロシアを訪問し、プーチン大統領と初の首脳会談を行うと発表した。具体的な日時や
     場所は明らかにしていないが、プーチン氏の外遊日程から4月24日にロシアの極東ウラジオストクで会談が行われるのではないかという観測も出ている。

(飯田浩司)24日か、或いは25日が軸か、という話も出ています。
(宮家邦彦)ウラジオストクの南の方に川が流れているのですけれど、その川の反対側は北朝鮮なのです。そしてその川の上流の方に中国領があるのですよ。
     あの地域は中国領と北朝鮮領とロシア領が一緒になっているすごいところなのですね。逆に言うと、北朝鮮領内からバスに乗って1時間位走ると
     ウラジオストクに着いてしまうわけです。北朝鮮のリーダーにとっては行きやすい。モスクワまで列車で行くのは大変でしょう。なぜこんなことが起きる
     かと言うと、トランプさんが2018年6月12日にシンガポールで金正恩さんと会談して国際的な認知を与えて、物事が動き始めたからです。
  プーチンさんからすれば「俺たちだって極東に領土がある当事者なのだ」ということでしょう。実はあまり関係無いのだけれど。プーチンさんの関心
     はクリミアの変な経済制裁をやめてほしい、ということ。しかし米国はやめるわけがないのですよ。
  だからロシアはシリアにちょっかいを出して、アメリカが勝手なことをするならアメリカが嫌がることはいくらでもできるのだということを行動で示すわけです。
     それと同じようなことを北朝鮮でもやる機会を狙っていたのだと思います。北朝鮮が好きだから会談するわけではないし、あの国を守ろうという気もない
     けれど、とにかくアメリカが何かを動かし始めて、上手く行きそうなところは、全部それを潰せるような形でロシアが介入する。その意味では、この間の
     ハノイでの米朝首脳会談が上手く行かなかったですから、これはロシアにとっては絶好のチャンスですよね。金正恩さんからすれば中国だけでは
     足りないし、南の文在寅さんも頼りにならないから、こうなったらもう仕方がない、ロシアだと。日本というわけにはいかないから。というわけで、
     金正恩さんご本人は上手くやっているつもりなのだと思いますけれども、ロシアの国力を考えたら北朝鮮を抱え込むような力は全然無いです。
     状況を見てロシアの国益を最大化するためにプーチンさんが上手く立ち回って行って、それを金正恩さんも受け入れたということでしょう。
     もしくは逆なのかもしれませんけれど。

ロシアは受け身の動き

(飯田)メールもいろいろいただいております。文京区の“内憂外患”さん。「ウラジオストクで行われると予定されている金正恩氏、プーチン氏の会談。
     北の軍部強硬派に促された金氏を、プーチン氏が制裁緩和をエサに対米強硬路線に引き戻すことをもくろんでいるのでしょうか。
     北の内部はどうなっているのでしょうか」といただきました。
  (宮家)どうでしょう。そこは私も専門家では無いから分からないですけれど、ロシアが北の軍部とつながっているという感じでもないのですよね。
     労働党の軍隊ですから、軍に関しては中国の方が関係が深いと思います。
  プーチンさんとしては北のなかで、もしくは朝鮮半島のなかで何かを引き起こそうというよりも、とにかく自分たちも極東の国なのだから、
     この地域でのロシアの権益が侵されるようなことだけは困るので北朝鮮とはきちんと連絡は取っておきたい。あとはアメリカに恥をかかせる
     ことができるような球として持っておきたいということだと思います。そういう意味では、どちらかと言うと受け身の動きではないかと
     私は推測していますけれども、どうでしょうか。


外務省 (Ministry Foreign Affairs of Japan)
北朝鮮(North Korea)  基礎データ


基本政策
(1)北朝鮮の政治は,主体思想(チュチェ思想:北朝鮮憲法では「人間中心の世界観であり人民大衆の自主性を実現するための革命思想」
   (第3条)と規定)及び軍思想を基礎とし,朝鮮労働党の指導の下にすべての活動を行う(第11条)とされている。
(2)北朝鮮は,第二次世界大戦・朝鮮戦争後,ソ連の例にならって計画経済体制を導入。配給制度に基づき,指導者が生産手段を含め経済全体を管理。
   中ソ両国の援助を得つつ,経済発展.
近年の動向
(1)1994年7月,金日成(キム・イルソン)国家主席が死去。金正日氏は金主席の存命中から国防委員長等を兼任していたが,金主席の死後,1997年10月に
   労働党総書記に就任した。また,1998年9月には憲法を改訂し,主席制を廃止,政務院を内閣に改称する等,国家機構の改編等に着手した。
(2)2009年4月,再び憲法を改訂し,国防委員長を国家の「最高領導者」とするなどその権限を強化した(2010年4月にも憲法を一部修正)。2010年9月には,
   朝鮮労働党代表者会を開催。金正日国防委員長を党総書記に改めて推戴するとともに,空席が続いていた党要職の選出・補充人事を実施し,金正恩氏が
   党中央軍事委員会副委員長に就任した。
(3)2011年12月,金正日国防委員長が死去。同月,金正恩氏が朝鮮人民軍最高司令官に就任し,2012年4月には,同氏が朝鮮労働党第一書記及び
   国防委員会第一委員長に就任。金正恩国防委員会第一委員長を中心とした体制の下,故・金正日国防委員長が行ってきた先軍政治という
   軍事優先政策の継承が表明されている。
(4)経済に関しては,2002年7月以降,経済改革に着手したが,2009年11月にはデノミネーションを実施した。最近では,海外からの投資誘致に
   力を入れているが,依然として食糧・経済状況は深刻な模様。
(5)2006年,2009年及び2012年の弾道ミサイル発射並びに,2006年,2009年及び2013年の核実験を受けて,国連安全保障理事会決議第1695号,第1718号,
   第1874号,第2087号及び第2094号が採択され,北朝鮮に対して制裁が課せられている。北朝鮮は2014年3月,6月及び7月にも弾道ミサイルを発射し,
   3月及び7月に安保理議長が北朝鮮の弾道ミサイル発射を非難するプレス向け発言を発表。さらに,北朝鮮は2015年3月にも弾道ミサイルを発射した。
(6)2013年3月に行われた労働党中央委員会全体会議(総会)で,経済建設と核武力建設を並進させるという新たな戦略的路線を提示。また,
   同総会では世界の非核化が実現するまで核武力を質・量的に拡大・強化するとした。
(7)2013年12月8日の労働党政治局拡大会議において,金正恩の義理の叔父で側近と言われていた張成澤(チャン・ソンテク)国防委員会副委員長
   (党政治局員,党行政部長)が全ての職務から解任され,12日の国家安全保衛部特別軍事裁判で死刑判決が下され,即時執行された。
(8)2014年4月,最高人民会議第13期第1回会議が開かれ,主要人事が発表された。金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長,
   朴奉珠(パク・ポンジュ)内閣総理が再任される等,大きな変動はなかった。外相に李洙墉(リ・スヨン)元駐スイス大使が就任。同年9月に開催された
   最高人民会議第2回会議では,黄炳瑞(ファン・ビョンソ)総政治局長が国防委員会副委員長に,玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)人民武力部長が同委員
   に就任した。2015年4月の最高人民会議第3回会議では朴道春(パク・ドチュン)が「職務変動」により国防委員会の委員長を解任され,代わりに
   金春渉(キム・チュンソプ)慈江道(チャガンド)前責任書記が就任した。

対外政策・軍事1
(1)北朝鮮が現在外交関係を有している国家は162か国。北朝鮮は従来,善隣友好外交を掲げ,主に旧東側諸国及び非同盟諸国との外交活動を
   展開してきたが,2000年に入り,英独をはじめとして多くの西側諸国との外交関係を樹立した。2007年には外交活動を活発化させ,
   アラブ首長国連邦等5か国と新たに外交関係を樹立した他,1983年のラングーン事件を機に断交していたミャンマーとの外交関係も回復させた。
(2)北朝鮮の核問題をめぐり,北朝鮮は2005年9月に行われた六者会合における共同声明において,すべての核兵器及び既存の核計画を放棄する
   ことを約束。しかし,北朝鮮は2006年7月に弾道ミサイル発射を強行し,10月には核実験実施を発表。これに対して国連安保理は,それぞれ
   決議第1695号及び第1718号を採択した。2007年2月の六者会合において,「共同声明の実施のための初期段階の措置」が採択されて以降,
   北朝鮮は寧辺の核施設の活動停止及び封印に着手し,同年9月の六者会合で採択された「共同声明の実施のための第二段階の措置」に基づき,
   すべての核施設の無能力化及びすべての核計画の完全かつ正確な申告を約束した。しかし,北朝鮮は無能力化作業に着手し,申告を行ったものの,
   検証の具体的枠組みの構築に関して前向きな姿勢を示さず,第二段階の措置は完了に至らなかった。その後,2008年12月に六者会合に関する
   首席代表者会合が開催されたが,以来,六者会合は開催されていない。
(3)2009年4月,北朝鮮は弾道ミサイルを発射し,これを非難した国連安保理議長声明に反発し,軽水炉の自力建設への着手,使用済み核燃料棒の再処理,
   核実験及び長距離弾道ミサイル発射実験を行う旨表明。5月には核実験を実施し,それに対して採択された安保理決議第1874号に反発し,
   プルトニウムの兵器化,ウラン濃縮への着手を発表した。また,7月には複数発の弾道ミサイルを発射し,11月には,8,000本の使用済み核燃料棒
   の再処理を8月末までに成功裏に終えた旨発表した。
(4)2010年に入り,北朝鮮は,六者会合への復帰のためには国連安保理決議に基づく対北朝鮮制裁の解除が必要とし,非核化措置の前に
   朝鮮戦争終結のための平和協定締結の協議を求めるとの立場を表明。その後,北朝鮮は韓国哨戒艦沈没事件(3月)や延坪島砲撃事件(11月)
   といった挑発行為を繰り返すとともに,同年11月には,訪朝した米国人科学者にウラン濃縮施設や「軽水炉」の建設現場を案内するなどして
   ウラン濃縮計画等を公表した。
(5)2010年12月にワシントンで開催された日米韓外相会合において,日米韓は,六者会合の再開のためには,南北対話の進展と非核化を始めとする
   自らの約束を真剣に実施する意思を示す北朝鮮側の具体的行動が必要との立場で一致。その後,2011年7月から10月にかけて,非核化に関する
   南北対話及び米朝対話がそれぞれ2回にわたり実施された。
(6)2012年2月に北京において三回目の米朝対話が実施され,米朝双方がそれぞれ長距離ミサイル発射,核実験,ウラン濃縮活動を含む寧辺での
   核関連活動のモラトリアムの実施を含む合意内容を発表した。しかし,4月,北朝鮮は「人工衛星」と称する弾道ミサイルを発射し,これを受け,
   国連安保理は発射を非難する議長声明を発出した。さらに,2012年12月,北朝鮮は「人工衛星」と称する弾道ミサイルを発射し,これを受け,
   発射を非難し制裁を強化する国連安保理決議第2087号が採択された。その後の2013年2月に,北朝鮮は3回目の核実験を強行した。これを受け,
   3月に国連安保理は決議第2094号を採択し,核実験を安保理決議違反として非難し,制裁を追加・強化する措置を決定した。
(7)北朝鮮は2014年3月,6月及び7月にも弾道ミサイルを発射し,3月及び7月に安保理議長がこれらを非難するプレス向け発言を発表した。また,
   2015年3月にも弾道ミサイルを発射した。
(8)2014年8月,ミャンマーのネーピードーにて開催された日米韓外相会合では,北朝鮮情勢について意見交換を行い,弾道ミサイル発射を含む北朝鮮の
   度重なる挑発行動及び核・ミサイル開発の継続に対する憂慮を共有し,北朝鮮が安保理決議等を遵守し,非核化の実現に向けて具体的行動
   をとるよう三か国が一層緊密に連携していくことを確認した。
(9)2014年11月,金正恩国防委第一委員長の暗殺を題材とした米映画「ザ・インタビュー」を制作したソニー・ピクチャーズ・エンターテイメント(SPE)が
   サイバー攻撃を受け,各種の内部情報が流出。同年12月,米国政府は,北朝鮮当局にSPEに対するハッキング行為の責任があると結論を下す
   十分な情報をしている旨発表し,北朝鮮を非難。2015年1月2日、米国は北朝鮮当局による挑発的な行動等への対応として、新たな大統領令を発出
   するとともに偵察総局等の3団体及び10個人を制裁対象に指定。北朝鮮側はこれに強く反発した。

統一・南北関係に関する近年の動向
(1)2000年6月,金大中(キム・デジュン)大統領(当時)が訪朝し,平壌にて金正日国防委員長との間で初の南北首脳会談が行われた。
   両首脳は「南北共同宣言」に署名し,これを契機に,南北の交流,協力が拡大した。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領(当時)も,基本的に金大中政権の
   政策を継承し,2007年10月に訪朝,金正日国防委員長との間で第2回南北首脳会談が行われた。この一連の過程を通じて,開城工業団地開発事業,
   金剛山観光事業,鉄道・道路連結事業を始めとする各種経済協力事業が活発に行われた。
(2)李明博(イ・ミョンバク)大統領(当時)は,2008年2月に大統領に就任し,「非核・開放・3000構想」(注)を掲げ,政権の対北朝鮮政策として,
   北朝鮮による核の放棄と対北朝鮮支援を比較的明確に関連付ける政策をとった。同年7月に北朝鮮兵士による金剛山韓国人観光客射殺事件が
   発生し,南北関係は困難な状況を迎えた。
 2010年3月,韓国海軍の哨戒艦「天安」号が黄海・白翎(ペンニョン)島近海で沈没。同年5月,各国専門家を含む軍民合同調査団は,「天安」号は北朝鮮の
   小型潜水艇から発射された魚雷攻撃により沈没したとの調査結果を発表し,韓国政府は北朝鮮に対し,謝罪及び事件関係者の即時処罰等を要求した。
   また同年11月に北朝鮮が延坪島(ヨン・ピョンド)を砲撃すると,南北関係は再び緊張した。このような中で,2011年7月と9月の2度にわたり非核化に関する
   南北対話が行われたが,実質的な進展はなかった。
   (注)「北朝鮮が核を放棄し,改革・開放に乗り出すならば,北朝鮮の1人当たり所得が10年以内に3,000ドルに達するよう積極的に支援する」という構想。
(3)2013年2月に就任した朴槿恵(パク・クネ)大統領は,確実な抑止力を土台に,南北の間に信頼を積み上げていく「朝鮮半島信頼プロセス」を
   進めていく考えを表明。4月に入り,北朝鮮は開城工団への通行を一方的に遮断し,同工団の稼働を不可能にしたが,7月以降,開城工団再開
   に向けた南北当局者間実務協議が繰り返し開催され,8月に正常化に向けて合意。9月の試運転を経て,多くの企業が操業を再開した。
(4)2014年に入り,2月20日から25日まで,2010年10月末以来中断している離散家族再会事業が金剛山(クムガンサン)にて行われた。
(5)しかし,2014年3月,北朝鮮は黄海の北方限界線(NLL)にて,海上射撃訓練を実施し,一部が,NLL以南の韓国側海上に落下したことから,
   韓国側は対応射撃を行った。さらに韓国政府は,2014年に入り,北朝鮮から飛来した無人機が数回韓国国内で墜落したと発表。北朝鮮側は,
   韓国側が事件を捏造していると批判し,南北の共同調査を通じて事実を解明すべきと主張した。
(6)朴槿恵大統領は2014年3月28日のドイツのドレスデン訪問時に南北関係について演説を行い,人道支援,インフラ支援,交流拡大を柱とする構想を
   発表するとともに,北朝鮮の核放棄を求めた。一方の北朝鮮側は,2014年6月,国防委員会の「南朝鮮当局に送る特別提案」を通じ,韓国に対し,
   南北関係改善のため,お互いに誹謗・中傷や軍事的敵対行為(含む米韓合同軍事演習)を中止すること等を提案。韓国統一部は同提案を拒否すると
   発表した。
(7)また北朝鮮は,2014年9月19日から10月4日まで韓国・仁川(インチョン)で開催されたアジア大会に選手団を派遣。同大会の閉幕式参加を理由に10月4日,
   黄炳瑞(ファン・ビョンソ)軍総政治局長,崔龍海(チェ・リョンヘ)党書記,金養健(キム・ヤンゴン)党統一戦線部長が電撃訪韓した。
(8)金正恩国防委第一委員長は,2015年1月1日の「新年の辞」において,最高位級会談の可能性も含め南北関係に多く言及し,関係改善の考えを
   アピールした。
(9)2015年8月,南北非武装地帯の韓国側において地雷が爆発し,韓国軍兵士2名が負傷した。これに対し,11年ぶりに韓国は北朝鮮に対する宣伝放送を
   再開した。北朝鮮は,宣伝放送の即時中止を要求するとともに,8月20日には韓国側を砲撃し,これを受けて韓国側は対応射撃を実施した。
   同日北朝鮮は,48時間以内の放送中止と拡声器撤去を要求し,さもなければ強力な軍事行動をとる旨通告した。22日から25日まで板門店において
   南北の高官が断続的に協議を行い,
 (ア)南北関係を改善するための当局者会談をソウル又は平壌で早い時期の内に開催すること,
 (イ)北側は,地雷爆発により南側軍人が負傷を負ったことに対し遺憾を表明すること,
 (ウ)南側は,非正常な事態が発生しない限り軍事境界線一帯のすべての拡声器放送を8月25日12時付けで中断すること,
 (エ)北側は,準戦時状態を解除すること,
 (オ)南北は,秋夕(旧盆:9月27日)を機に離散家族再会を進め,今後継続すること,また,赤十字実務者接触を9月初めに開催すること,
 (カ)南北は,多様な分野での民間交流活発化させることを内容とする共同報道文に合意した。

経済
(1)2002年7月,経済管理改善措置が実施され,闇価格もふまえつつ,公定価格や給料を引き上げ(数十倍),為替レートの現実化等を実施。
   生産活動においては,利潤の追求,インセンティブの付与等も実施。しかし,慢性的なモノ不足により,物資を十分に供給できなかったため,2003年,
   公の管理下に総合市場を開設。個人や企業が農産品や消費財を販売するようになった。
(2)2009年11月,北朝鮮当局は,新旧通貨の比率が1:100(新1ウォンが旧100ウォンと等価)となるデノミネーション(北朝鮮では「貨幣改革」と呼称)
   を実施。しかし,北朝鮮内部でモノ不足や物価の急激な上昇等により混乱が発生。
(3)2010年1月,北朝鮮は第三国からの投資呼び込み等を目的として,「国家開発銀行」を設立,その窓口として,既存の「大豊国際投資グループ」の活動を
   強化する旨発表。同年7月には,合営投資指導局を合営投資委員会に改編するなど,投資誘致を強化。
(4)2010年5月及び8月には金正日国防委員長が訪中,また,2011年8月には同委員長が訪露するなど,中露との経済協力強化を模索。特に,2010年以降は
   対中貿易額が大幅に増加。また,中朝国境の北朝鮮地域を「経済地帯」に指定し,中朝で共同開発を行っている。
(5)北朝鮮は「田畑担当責任制」を導入し,また2013年に入り,「経済建設と核武力の並進路線」を掲げる等経済の立て直しに力を入れており,平壌等でも
   大規模な開発が行われ,2013年11月及び2014年7月には最高人民会議常任委員会政令を通じて20の経済開発区を設けること等を決定し,
   海外の専門家の意見を聞く国際討論会等も開催。同年6月には貿易省,合同投資委員会及び国家経済開発委員会を統合した「対外経済省」を」
   発足させたが,経済全般を見れば,依然として厳しい状況が続いている模様。


朝鮮民主主義人民共和国の国際関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

朝鮮民主主義人民共和国の国際関係では、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の国際関係について記述する。160カ国超と国交を有するも、
   2017年10月時点で北朝鮮に大使館を置いている国は24ヵ国のみである[1]

諸外国との関係
北朝鮮は、歴史的に西側諸国、および西側諸国との関係が良好な国々とは距離を置いて来た。1970年代から1980年代にかけて、北朝鮮は日本人
     韓国人の拉致事件を起こした。その問題は北朝鮮が拉致を認めることによって部分的には解決したが、2つの国との争いはまだ続いている。
     1970年代後半までに緊張した南北関係、北朝鮮の外債に対する債務不履行、外交官による薬物密輸報告が起きている。1976から77年にかけて
     北朝鮮の駐在外交官らは薬物を密輸していたことが発覚して、ノルウェーベネズエラインドなどに非難された。
  1983年にビルマ(ミャンマー)でラングーン事件というテロ行為、1987年の大韓航空機爆破事件の二つで1988年ソウルオリンピック開催の妨害を
     画策するも強く国際的に批判された。ビルマは非同盟中立国で韓国とも国交を持っていたが、「認識を改めた」として北朝鮮と断交し、
     結果的にソウルオリンピックにはアフリカなどの非同盟諸国も多く参加することになった。ソウルオリンピックを機にソ連と中国が韓国と国交を
     樹立するとソ連など東側諸国から貰っていた支援がなくなって資金難に陥り、1993年から2001年にかけて相次いで在外大使館[注 1]
     閉鎖させた[2]。また、米国は北朝鮮が大量の高品質な偽札作りをしていることを非難している。しかし、韓国は朝鮮統一を目指して1990年代
     から続けている太陽政策を維持し、北朝鮮の指導層に敵意を持つことを避けてきた。
  1980年代以降、北朝鮮核問題は北朝鮮の国際関係を圧迫してきた。北朝鮮が1994年米朝枠組み合意を無視し、核の軍事利用計画を継続している
     証拠があると米国が主張すると、北朝鮮は米軍首脳との私的な懇談においてウラン濃縮計画の存在を認めた。2003年1月10日、北朝鮮は
     核拡散防止条約から脱退し、米国との二国間対話を主張したが、2003年8月、韓国、中国、ロシア、日本を加えた六者会合を開催することに
     合意した。会合は2005年9月19日に合意に至るまで2年間続けられたが、2006年10月、北朝鮮が核実験を行うと危機にさらされた。
     その後2007年2月13日、米朝および日朝関係の正常化を条件に加えた合意が交わされ、北朝鮮は寧辺核施設での核開発を凍結した[3][4]
  1945年以降、ソ連は北朝鮮に対する経済的、軍事的支援を行い、そのことが1950年の南への進行を可能にした。ソ連は朝鮮戦争の間も支援を続け、
     停戦後も北朝鮮経済の復興に大きく貢献した。また1958年まで続けられた中国人民志願軍の支援とその存在は中朝関係に大きな影響を与えた。
     1961年、北朝鮮はソ連、中国と公式にソ朝友好協力相互援助条約(軍事同盟を削除してロシアに引き継がれた)、中朝友好協力相互援助条約
     それぞれ締結し、それらの条約は公式にはまだ失効していない。冷戦期のほとんどにおいて、北朝鮮はソ連、中国と等しい間隔をとり続け、いずれか
     一方に明確に擦り寄ることは避けてきた。
  1970年代から1980年代前半にかけて起きた米中国交樹立、ソ連の支援を受けたベトナムによるカンボジア占領ソ連のアフガニスタン侵攻は中国と
     ソ連の緊張を生み出した一方で、北朝鮮はこれら主要な共産主義の同盟国との関係を維持した。北朝鮮は中ソ対立に巻き込まれることを避
     けようとしてきたが、両国からの支援は受け続け、双方いずれか一方に依存することは避けようとした。1984年、金日成がモスクワを訪問し、
     ソ朝関係は劇的に改善した。北朝鮮はソ連の最新の兵器と多くの経済の支援を得ることができた。
  韓国は1990年にソ連と、1992年には中国とそれぞれ国交を樹立し、北朝鮮とその伝統的な同盟国との関係は危機に瀕した。それだけでなく、
     1989年の東欧諸国1991年のソ連における共産主義の崩壊により北朝鮮の同盟国、特にソ連からの支援は劇的に減少した。これらの変化
     とこれらの同盟国から軍事的、経済的支援を受けられなくなった事実があるにもかかわらず、北朝鮮は主体思想に基づき、どの国にも依存しない
     好戦的な態度をとることを宣言した。
  1992年4月20日に金日成主席の80歳の誕生日に「平壌宣言」(正式名:社会主義偉業を擁護し前進させよう)が採択された。この宣言には
     金日成国家主席の誕生日に出席と祝いに来て集まった世界70の政党代表(うち48人は党首)が署名した。その中にはソビエト連邦や東欧
     新たな社会主義運動を展開している諸政党が含まれていた。
  また、北朝鮮は多くの多国籍機構に参加している。1991年9月、北朝鮮は国際連合に加盟した。他にも北朝鮮は国際連合食糧農業機関
     国際民間航空機関万国郵便連合国際連合貿易開発会議国際電気通信連合国際連合開発計画国際連合教育科学文化機関
     世界保健機関世界知的所有権機関世界気象機関国際海事機関赤十字国際委員会非同盟運動に属している。
  2000年7月、北朝鮮はASEAN地域フォーラム(ARF)に参加し、7月26日から27日にかけてバンコクで開催されたARF閣僚会議に白南淳外相が出席した。
     北朝鮮はその年から二国間関係を構築し始め、イタリアオーストラリアフィリピンと国交を樹立した。英国は2000年12月13日[5]カナダ
     2001年2月、[6]ドイツニュージーランドはそれぞれ2001年3月1日に北朝鮮と国交を樹立した[7] [8]フランス米国は北朝鮮と国交がなく、
     樹立しようとする意思も示していない。北朝鮮はパリ近郊に大使ではないが代表団を派遣している他に国連代表部があるニューヨーク外交官
     が駐在している。しかし、近年では国連から制裁を受ける北朝鮮との貿易停止や外交官を追放するなど関係を見直す動きが友好国[9]も含め
     各国で起きている[10][11][12]

韓国との「統一」
詳細は「北南朝鮮関係」および「朝鮮統一問題」を参照「南北共同声明」、「高麗民主連邦共和国」、「南北基本合意書」、「南北首脳会談」、「太陽政策」、
     「6.15南北共同宣言」、および「中国朝鮮関係史」も参照
  1950年6月25日朝鮮戦争開戦から1953年7月27日朝鮮戦争休戦協定署名以後、数十年間に渡り、南北朝鮮の関係は浮き沈みを繰り返した。
  1960年四月革命が勃発し、初代大韓民国大統領であった李承晩政権が韓国の学生、市民によって打倒された後、同1960年8月14日首相
     金日成は「連邦制統一案」を提案し、北南両政府代表による「最高民族委員会」の設立を訴えたが、翌1961年朴正煕少将による
     5・16軍事クーデター以後、この提案は顧みられずに流れてしまった。
  1971年8月、南北朝鮮は朝鮮分断統治および朝鮮戦争期に生じた多くの離散家族の再会を目指し、赤十字社を通じて対話を持つことで合意した。数度の
     非公式な会合の後、1972年7月4日、両国は平和的統一と半島を覆っていた敵対的な雰囲気を終結させることで合意し、「南北共同声明」を発表した。
     赤十字社の調整により両政府間の相互訪問と定期的な対話の機会が設けられた。しかし、1973年、これらの交流は単独での国際連合加盟を望む
     韓国の思惑と、朴正煕大統領の維新クーデター直前の韓国の野党新民党の大統領候補金大中日本東京滞在中に大韓民国中央情報部
     (KCIA)によって拉致された金大中拉致事件により、朴正煕大統領から中止が発表された。
  その後、朝鮮民主主義人民共和国の金日成主席1980年10月10日に「高麗民主連邦共和国」創設を全斗煥大統領諸外国との関係に提唱したが、
     南北朝鮮は1984年まで大きな接触はなかった。
  1984年9月、韓国は深刻な洪水を契機に北朝鮮の救援物資を受け入れ、対話は再開された。赤十字は離散家族の再会事業を再開し、政府レベル
     での経済や貿易の交流が行われた。しかし、1986年1月、北朝鮮は米韓合同軍事演習「チーム・スピリット」が対話の精神に矛盾していると主張
     してすべての対話を中止した。その後1988年開催予定のソウルオリンピックの共催について短い間に多くの話し合いが行われたが失敗に終わり、
     その後大韓航空機爆破事件が起きた。
  1988年7月、韓国の盧泰愚大統領のイニシアティブにより、南北の交流、離散家族の再会、南北朝鮮間の貿易と国際フォーラムでの接触など新しい
     南北交流を呼びかけた。その後盧大統領は国連総会の演説でもこのイニシアティブについて語り、北朝鮮と初めて安全保障問題について話し合う
     ことを提案した。
  盧泰愚大統領が提案した協議は1989年9月に開始された。1990年9月、8回行われた南北高位級会談の第1回目がソウルで行われ、実りある対話が
     開始された。高位級会談では2つの合意文書が交わされた。南北の和解と不可侵および交流、協力に関する合意書(南北基本合意書)と
     朝鮮半島の非核化に関する共同宣言(南北非核化共同宣言)である。
  南北基本合意書は1991年12月13日に締結され、南北の和解と不可侵および4つの共同委員会の設立が公約として掲げられた。これら4つの委員会
     (南北和解共同委員会、南北軍事共同委員会、南北経済協力・交流共同委員会、南北社会文化協力・交流共同委員会)は基本合意の一般条項
     を履行するためのものである。問題の詳細を審査する分科委員会は板門店に連絡事務所を設けた。しかし、1992年秋、核問題の緊張の高まり
     によってプロセスは中止された。
  非核化に関する共同宣言は1991年12月31日に交わされた。核の実験、製造、授受、保有、配備、使用と核の再処理施設、ウラン濃縮施設の保有が禁止
     された。南北朝鮮による査察団が組織され、南北核統制共同委員会(JNCC)に半島の非核化を確認する権限が与えられた。
  北朝鮮は1985年に核拡散防止条約に署名する際、国際原子力機関(IAEA)と核の不拡散で合意していたが、1992年1月30日、北朝鮮は再びIAEAと
     合意した。この合意により、1992年6月、IAEAは査察を開始した。1992年3月、南北非核化共同宣言で南北核統制共同委員会を設立することで
     一致したが、その後の会合で両国による査察体制の確立について合意には至らなかった。
  1990年代が進むにつれて、北朝鮮核問題は南北関係と米朝関係の主要な議題になった。南北朝鮮核査察体制による非核化共同宣言の履行は
     遅々として進まなかったため、1993年、米韓合同軍事演習が再開された。北朝鮮が1993年にIAEAの査察官に対し疑惑の
     放射性廃棄物最終処分場への立ち入りを禁止すると状況は急速に悪化し、1993年、核拡散防止条約からの脱退を表明した。
     その後2年間、米国は北朝鮮との直接対話に応じ、一連の核問題に関する合意に至った。1994年、ジミー・カーター大統領は北朝鮮を訪問して
     金日成主席と会談し、史上初の南北首脳会談を行うことで合意した。
  両国は7月に再び協議を行う予定であったが、金日成の死去により延期された。なお、米朝関係に於いては金日成主席死後、アメリカ合衆国との間で
     1994年10月21日米朝枠組み合意が結ばれている。
  1960年代から1970年代にかけて「漢江の奇跡」と呼ばれる高度経済成長を経た韓国は、アジアの虎としての地位を占める一方で、1998年に大統領
     に就任した金大中政権の「太陽政策」により北朝鮮に対して援助の手を差し伸べた。2000年には南北首脳会談が実施され、
     金大中大統領と金正日国防委員長の間で6.15南北共同宣言が締結された。
  1998年2月25日から2008年2月24日までの間、金大中、盧武鉉の両政権によって実施された「太陽政策」により、韓国は食料や他の援助物資を北朝鮮
     に送ったが、北朝鮮の核兵器開発計画には融和的態度をとった[13] 
  2008年2月25日に大韓民国大統領に就任した親米保守派の李明博は対北朝鮮宥和政策であった太陽政策を転換した。北朝鮮側も韓国からの
     宥和政策転換に応じ、2008年3月27日、北朝鮮は軍事境界線付近にある開城工業地区に駐在していた韓国の11人の統一部職員の退去を要求し、
     韓国は彼らを召還した。2008年3月17日、韓国の金夏中統一部長官は北朝鮮核問題の進展がない限り工業地区の拡張は難しいと語った[14]
  2008年3月28日、韓国の国防筋は北朝鮮が西海岸に向け短距離ミサイルの発射したと伝えたが、韓国大統領府は北朝鮮の「通常の軍事訓練」だとして
     とりあわなかった。2008年3月27日、韓国政府は北朝鮮から統一部職員11名を召還し、金夏中統一部長官は会見を行った。彼は北朝鮮核問題の
     進展がない限り経済協力は難しいと語った[15]
  2008年10月、北朝鮮は韓国が「中傷キャンペーン」を行っているとして戦争の対話を徐々にやめていった。北朝鮮の軍部は韓国が敵視政策をやめなければ
     韓国を「瓦礫の山」にすると脅迫した。北朝鮮の軍部のスポークスマンは「傀儡政権は我々独自の進んだ先制攻撃がわが国に反対するものをすべて
     破壊し、統一も水泡に帰すことを覚えておいたほうがいい」と語った。これは両国の軍の幹部が司令官のコミュニケーションを改善する方法を面と
     向かって話し合ったという稀な出来事の翌日に起こった。しかし、この問題はその後何の進展もない[16]


金正恩氏が「新型戦術誘導兵器」試射視察を発表 ポンペオ氏交代も要求
2019.4.18 19:56 産経新聞
北「新型誘導兵器」発射実験

【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の朝鮮中央通信は18日、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が17日に国防科学院が実施した「新型戦術誘導兵器」の
     発射実験を視察したと報じた。兵器の詳しい種類には触れていない。金氏が発射中止を宣言した大陸間弾道ミサイル(ICBM)などの長距離弾道
     ミサイルではなく、米国や日本には届かないもよう。短距離精密誘導ミサイルなどの可能性が指摘されている。
  金氏による兵器実験の視察は、昨年11月に「先端戦術兵器」実験の視察が報道されて以来、5カ月ぶり。前日には、朝鮮人民軍の航空部隊訓練の
     抜き打ち視察が報じられていた。また、朝鮮中央通信によると、北朝鮮外務省のクォン・ジョングン北米局長は18日、ポンペオ米国務長官が
     金氏に関する「妄言を吐いた」などと非難。米朝の非核化交渉に関われば、こじれるだけだとして別の人物への交代を求めた。
  国内外に国防力強化の意思を誇示すると同時に、2月の米朝首脳再会談の物別れに絡み、米側の責任を追及し、トランプ政権に揺さぶりを掛けた形だ。
  実験に立ち会った金氏は「この兵器体系の開発・完成は、軍の戦闘力強化で極めて大きな意義を持つ出来事だ」と述べ、「大きな満足の意」を示した。
     軍需生産を維持して国防科学技術を最先端レベルに引き上げるよう戦略的目標を提示。「意を決しさえすれば、つくれない兵器などない」とも強調し、
     「きょうの成果は、党の国防科学技術重視政策の正当性と自立的国防工業の威力に関する明白な誇示だ」と主張した。
  兵器は「特殊な飛行誘導方式と威力ある弾頭を装着」し、実験は異なる目標に応じたさまざまな発射方式で行われた。朝鮮中央通信は「設計上の指標が
     完璧に検証された」と伝えた。
  李永吉(リ・ヨンギル)軍総参謀長や努光鉄(ノ・グァンチョル)人民武力相ら多数の軍高官も立ち合った。

日本-北新型兵器 菅長官「情報収集に全力」
菅義偉官房長官は18日の記者会見で、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が「新型戦術誘導兵器」の発射実験を視察したとの
     朝鮮中央通信報道を受け「米国と緊密に連携を取りながら必要な情報収集、分析、警戒監視に全力を挙げる」と述べた。「北朝鮮が核・ミサイルの放棄
     に向けて具体的にどのような行動を取るのかをしっかり見極めていきたい」とも強調した。
  自衛隊トップの山崎幸二統合幕僚長は記者会見で「高い関心を持って情報収集活動を実施している」とした上で「わが国の領域や排他的経済水域(EEZ)
     への弾道ミサイルへの飛来は確認されていない」と明かした。
  防衛省は北朝鮮のミサイル発射を警戒し、平成28年8月から自衛隊法に基づく破壊措置命令を常時発令している。官邸筋は今回の発射実験について
     「通常兵器だ」と指摘し、長射程の弾道ミサイル発射の可能性を否定。米国との非核化交渉有利に進めるための常套(じょうとう)戦術だとの見方
     を示した。
  一方、防衛省幹部は「通常兵器の実験では米国への牽制(けんせい)にならない。金氏の視察は北朝鮮軍を引き締める意味合いが強かったのではないか」
     と分析した。
  安倍晋三首相が目指す日朝首脳会談への影響については「(北朝鮮の軍事動向には)平素から重大な関心を持って情報収集と分析に努めている」
     と述べるにとどめた。

北の新型実験 米談話「特にコメントすることはない」
【ワシントン=黒瀬悦成、北京=西見由章】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が「新型戦術誘導兵器」の発射実験を視察したと報じられた
     ことに関し、米ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)と国防総省は17日、「報道は承知しているが、特にコメントすることはない」との談話
     をそれぞれ発表した。また、中国外務省の陸慷(りく・こう)報道官は18日の記者会見で「朝鮮半島問題の政治解決プロセスは重要な段階にある」
     とした上で「北朝鮮と米国が互いに歩み寄り、ともに緊張緩和の勢いが継続するよう尽力し、半島の非核化を絶え間なく推進することを支持する」
     と述べた。
  北朝鮮側から中国側に実験に関する連絡があったかについては回答を避けた。


2019.03.01-BBC NEWS-
【解説】2回目の米朝首脳会談はなぜ決裂したのか

  トランプ大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長による2回目の首脳会談は、合意も取り決めもないまま幕を閉じた。アメリカは、北朝鮮との協議は今後も継続する方針で、ハノイ会談の破綻は大きな落胆ではないと強調している。
  突然の終わりを迎えた今回の米朝首脳会談。その原因について北朝鮮の専門家の分析を以下にまとめた。
予想通りの「合意なし」
アンキット・パンダ、外交専門誌「ディプロマット」副編集長
  「合意なし」という結果になることは、前々から目に見えていた。実際、昨年のシンガポール会談以降に出された北朝鮮の色々な声明をしっかり読んでいれば、なぜ合意できなかったのか、核心的な問題はなんだったのか、明らかだった。
  シンガポール会談の翌日、北朝鮮の国営メディアは金委員長の言葉を引用し、アメリカが「本物の措置」を実施すれば、北朝鮮は「善意の措置を追加」するだろうと伝えた。この時の会談に先立ち、北朝鮮は同国北東部の豊渓里(プンゲリ)にある核実験場を廃棄し、核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験の一時停止を発表していた。
  数週間後には、ミサイル・エンジンの実験施設と発射設備を部分的に、そして可逆的に廃棄した。
  昨年9月に平壌で開かれた3度目の南北首脳会談では、両首脳は、アメリカからの「相応の措置」と引き換えに北朝鮮が交渉のテーブルに置くものの一例として、寧辺(ヨンビョン)核施設を引き合いに出した。
  最終的に金委員長は今年元日、新年のあいさつの中で同じことを主張した。相応の措置は、アメリカと北朝鮮の外交関係の進展につながると。この表現は実際には経済制裁のことだったが、朝鮮戦争の終結宣言を含む、あらゆるアメリカの譲歩を意味していると誤解された。

  この一連の動きは北朝鮮にとって重要だ。非核化に関する譲歩を今後さらに取り付けるためには、アメリカはまず先に制裁解除に合意しなければならないだろう。北朝鮮は、アメリカが制裁解除の措置を講じるまで交渉のテーブルにはつかないだろう。
  トランプ大統領はハノイ会談2日目の記者会見で、まさしくこのことが会談が決裂した原因だと認めた。
  アメリカが制裁解除の最初の1歩を踏み出そうとしない限り、非核化へのプロセスは行き詰ったままだろう。その状況が長引くほど、協議が破綻する可能性は高まる。
アメリカの勢いが衰退する?
ジェニー・タウン、北朝鮮分析サイト「38ノース」編集長
  予備的な合意もまとめられなかったのは、意外だ。サミット前の協議の最終段階には明らかに、暫定合意の下書きは出来ていたのだから。
  記者会見での口調は比較的前向きだった。今でもトランプ政権には前に進む方法が見えているし、交渉を継続する方針でいる。
  それは今のところは、好感材料だ。加えて、アメリカが「悪い合意」を受けれるのではないかと考えていた人たちは、ホッとしただろう。
  しかし一方で、具体的な義務は米朝どちらにも課されていない。
  核実験場の廃棄など、これまで北朝鮮が提供してきた信頼醸成案は、今後は続きそうにもないと私は思う。
  米朝問題の停滞は、利害関係者のなかでも特に韓国を非常に苦しい立場に追い込む。韓国は、南北経済協力の再開を可能にする制裁免除が、米朝合意に盛り込まれるよう期待していたが、それは実現しなかった。
  さらに、北朝鮮との交渉を継続するというトランプ氏の意思表示をよそに、現在の米国内の政治環境においては、対立する様々な利害関係に飲み込まれ、米朝交渉が失速するおそれがある。

北朝鮮側のリスク
アンドレイ・アブラハミアン、米スタンフォード大学フェロー
  本来この会談は、これまで永遠に続いてきた「僕の勝ち、お前の負けだ」というゼロサム的枠組みではなく、両国が互恵的な「ウィン・ウィン」関係に移行するためのプロセスの幕開けとなるはずだった。
  したがって、今回は全員が敗者だと言わざるを得ない。
  トランプ氏目線で言えば、切り抜けられる程度の損失だろう。多くを北朝鮮側に譲歩する「悪い合意」をしていれば、長期的な論争や、アメリカの外交政策の専門家からの抵抗を引き起こしただろう。今回の結果についてトランプ氏は、実務者協議で取り戻すことのできる事態だということにした。大統領は帰国し、ニュースサイクルは次の話題に移る。
  それこそが、北朝鮮にとってはリスクだ。
  両国関係に勢いを生み出すのは難しい。トランプ大統領が国内の政治に気を取られて、好機の窓が閉じる可能性は十分にある。
  誰が次期大統領になるのか、そしてその人物が北朝鮮に何を望むのかなど、誰にも分からない。
もはや「最大限の圧力」はない
オリヴァー・ホサム、NKニュース編集長
  トランプ氏が言ったように、今回の交渉で北朝鮮が「全ての制裁」の解除を要求したというのは、いかに北朝鮮の一部が事態打開に向けて必死かという表れだ。それ以外の合意など、無意味だという意見が北朝鮮の中にあるということだ。北朝鮮がこれから数日の間にどう反応するか、様子を見る必要がある。

  韓国も大恥をかかされた形だ。「朝鮮半島の平和と繁栄の未来」についての大きな発表を計画し、会談を受けて北朝鮮との協力関係が拡大することを期待していたのだから。
  中国、ロシアもまた、この結果に失望するだろう。
  しかし北朝鮮国内の雰囲気は和らいだかもしれない。トランプ氏が北朝鮮に対する制裁を強化せず、近い将来、「ぜひとも」解除されるのを見たい、楽しみだと述べたからだ。
  正式な制裁解除はすぐには実現しないだろうが、「最大限の圧力」の時代はもう過ぎ去ったということだ。
相互関係にある人権と非核化
オリヴィア・イーノス、ヘリテージ財団・アジア研究センター アナリスト
  トランプ大統領が交渉の場から退席したのは、正しい判断だった。
  全制裁解除という北朝鮮側の要求は実現不可能だし、そもそも違法だ。アメリカと国連の制裁によると、北朝鮮の核計画の「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化」(CVID)を実現し、人権問題を改善するまで制裁解除はできないことになっている。
  強制収容所にいる8万から12万の北朝鮮国民は、金正恩委員長が進める核・ミサイル計画の資金調達と建設のための自由労働者として搾取されている。
  報告書によると、化学兵器や生物兵器の人体実験に使われている人さえいるかもしれない。


2019年3月
北朝鮮・開城に南北が昨年9月に開設した共同連絡事務所から来た朝鮮側の人員が同日に撤収した。北朝鮮対外宣伝サイトで「米国の顔色を伺うばかりで
     、実践的な措置を取られずにいる」と韓国を非難している。これは、先月末に米朝首脳会談が物別れに終わった中で、南北の経済協力も進まない中で、
      トランプ政権に制裁緩和などを強く働きかけるよう文在寅政権に警告する狙いがある。(2019.3.23)
米国問題  北朝鮮問題
  米財務省国連安全保障理事会決議対北朝鮮制裁決議と米国の独自制裁に違反して北朝鮮の制裁逃れに加担したとして、
     中国の海運業者2社を制裁対象にした。先月末にハノイでの米朝会談が不調に終わって以降、米国が新たに制裁対象を指定するのは初めてで、
     金正恩朝鮮労働党委員長が表明した「完全非核化」の約束を実行させるため、国際的な圧力を堅持していく立場を示す狙いがある。(2019.3.22)
世界の問題 北朝鮮問題
   国連安保補償理事会は北朝鮮が2017年1月~18年9月の間に少なくとも5回のサイバー攻撃を用いて、仮想通貨交換業者から約5億7100万ドル
      (約634億円)相当の外貨を獲得していると指摘した。サイバー攻撃には北朝鮮の情報機関「偵察総局」が主導している。彼らの任務は
      「システム破壊や機密情報収集だけでなく外貨稼ぎも目的」とし「サイバーに特化した軍部隊が、政権のために外貨獲得の任務を与えられている」
      と指摘。また国連安保補償理事会の報告書は、近年の北朝鮮による外国の金融機関などへのサイバー攻撃の事例を列挙。まず16年に
      偵察総局が韓国のネット通販大手「インターパーク」のサーバーをハッキングした事件や、北朝鮮のハッカー集団「ラザルス・グループ」のメンバーが、
      バングディッシュ中央銀行へのサイバー攻撃で8100万ドルを盗んだ事件。18年には、北朝鮮チリインドの銀行から計2350万ドル
      を奪ったと指摘した。(2019.3.14)
北朝鮮金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏が2017年2月にマレーシアの空港で殺害された事件で、実行犯として女2人被告で検察は2被告の
    内インドネシア籍の「シティ・アイシャ被告(22)は釈放後、インドネシア大使館で会見。「びっくりしている。とてもうれしい」と述べ帰国した。ベトナム籍の
    「ドアン・ティ・フオン被告(30)の裁判は続行されるが、次回は14日に開かれるが、弁護側は起訴の取り下げを求めている。(2019.3.12)
 これは、首謀者と見られる北朝鮮国籍の男4人が逃走した中で真相解明は難しく、マハティール政権の外交姿勢にも配慮したようである。(2019.3.12)
北朝鮮金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏が2017年2月にマレーシアの空港で殺害された事件で、実行犯として女2人被告で検察は2被告の
   内インドネシア籍の「シティ・アイシャ被告(22)の起訴を取り下げ、釈放された。(2019.3.11)
北朝鮮金正恩朝鮮労働党委員長は平壌郊外の山陰洞にある「ミサイル総合研究団地」で物資運送用の車両の活動を補足。この場所は米本土を狙う
     ICBM(大陸間弾道ミサイルを製造した拠点である。これは2月末に米朝首脳会談が物別れに終わったことによる、北朝鮮の施設維持にむけた
     動きであると韓国国防省は見ている。トランプ氏は「非常に初期段階での報告だ。」とした上で「もう少し様子を視よう。最終的には解決される」
     と述べた。(2019.3.8)

北朝鮮金正恩朝鮮労働党委員長が廃棄を約束した、北朝鮮北西部、東倉里のミサイル発射場「西海衛星発射場」で構造物を立て直す動き
     があり、これは、米情報機関や韓国の情報機関の情報によるものである。この動きは、米朝首脳会談が成功裏に完了した時を想定して
     (このような状態になることを爆破などを効果的に見せるために工事をしていたとの分析である。(2019.3.7)
  金正恩氏は、10日間の外遊で長期間の不在中にクーデターが起きる可能性を徹底的に取り除く措置をとっていた。たとえば、飛行場の使用禁止
    、軍事訓練の全面中止、重機の使用禁止など・・・である。(2019.3.7)
2019年2月
米朝首脳会談ベトナム・ハノイで行われる。金正恩朝鮮労働党委員長が日本時間23日17時ごろ専用列車で平譲を出発した。ベトナム政府高官
    は視察に関して、途中26日にベトナム南部にある「サムスン工場や自動車メーカーの工場、北部の観光地などを視る予定であると報道。ただ、
    空路なら約3時間半のところを、列車でなら2日半掛かり、その意図が推測されるところである。これは国民に対するメッセージとトランプ大統領
    に対する牽制の意味が込められて?いるとされる。金正恩氏は昨年4月に核開発の「併進路線」から経済建設に総力を集中させる路線を
    選んだと思われる。昨年には韓国の高速鉄道、中国南部の経済発展の様子をみて考えが変わるようにとも思える。また、北朝鮮一行
    は既にハノイに向けて出発しており、後戻りは出来ない旨をトランプ大統領に伝えるためでもありそうである。(2019.2.24)
米朝首脳会談ベトナム・ハノイで行われる。金正恩朝鮮労働党委員長との第2回目の会談が日本時間23日17時ごろ専用列車で平譲を出発した。
    日本では、北朝鮮との間に「拉致問題」を抱えているが、トランプ政権がわは、前回同様に今回の主議題は「核開発問題」が世界の主眼と認識
    している模様です。したがって、日本国民の切なる願いが「拉致問題」解決であるとの認識があるとは思われませんが、それでも、固唾を呑んで
    見守るしかない。(龍谷大学教授:李相哲氏の公開書簡による)(2019.2.24)
昨年11月から行方不明となっている北朝鮮の「チョ・ソンギル前駐イタリア大使代理の10代の娘が北朝鮮に帰国させられていた。高校生とされる娘
     はチョ夫婦の失跡直後、北朝鮮に強制的に連れ戻された。イタリア外務省高官は「娘が世界最悪の政権のひとつに拷問されている
     恐れがある」(2019.2.22)
風化する「正男氏殺害事件」・・・北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄金正男氏が2017年2月にマレーシアの国際空港で殺害されてから、
     13日で2年になる。 マレーシアで実行犯として殺人罪に問われているベトナム国籍とインドネシア国籍の女2被告の公判は長期化している。
     歴史的に「北朝鮮」と友好関係にあった東南アジアの国々では、対北強硬姿勢を緩和させるムードが広がっている。(2019.2.14)
北朝鮮は制裁違反、繰り返し約束を破っている。また韓国政府は制裁に消極的で「瀬取り」など、」北朝鮮に加担している。(2019.2.1)
2019年1月
ロシア北朝鮮と密約か?露は昨年10月、米国、北朝鮮による非核化交渉の停滞を打開するため、北朝鮮に核放棄と引き換えに民生用
     原子力発電所を提供するとの密約をしたとする。「北朝鮮に提供した原子炉はロシアが管理し、原子炉からでた核廃棄物、副産物は
     全て、露に送り北朝鮮が軍事利用できないようにする」内容である。(2019.1.31)
国連安全保障理事会は北朝鮮に」対する制裁決議で義務つけられた輸出の違反があったことを報告する。韓国が北朝鮮に対して石油製品の輸出の
     届出をしていない。(2019.1.31)
米政策研究機関「戦略国際問題研究所」(CSIS)は北朝鮮北西部・東倉里のミサイル基地「西海衛星発射場」のエンジン燃焼試験台などの施設の
     解体作業が昨年8月以来、中断していると発表(2019.1.31)
東京地裁が北朝鮮生まれ「脱北」した30代の女性を日本人の娘と判断、日本国籍があると認め、日本の国籍登録を許可。日本国籍を照明するもの
     はなかったが家裁は女性の供述を元に審査。「具体的で、たの親族の供述とも整合する」と親子関係をを認定した。(2019.1.28)
「米朝会談-2回目」/18日にも具体的に発表か?金正恩最側近=金英哲朝鮮労働党委員長が訪米、会談。 (会談時期は3月場所はベトナムの
     ダナン?)(2019.1.18)
青森沖、北漁船漂流。男性2人保護-2人は本国に帰る意思あり(2019.1.14)
島根県警、4人の男性保護:北漁船隠岐の島に漂着(2019.1.9)島根県警に保護されたばかり 
日本のEEZ内で、8日午前「イカ取り魚船」が漂流、救助要請をした。ただし同漁船の乗り組み員は「日本の救助は希望しない」日本側は
     北朝鮮当局に連絡し、保護確認のうえ引き上げた日本側は海上保安庁の巡視船も駆けつけている。(2019.1.13)
金正恩朝鮮労働党委員長が4度目の中国訪問?(2019.1.8)
北、ハッカー集団「ラザルス」:ATM攻撃-アジア、アフリカの銀行(2019.1.6)2016年より数十億円が引き出された:理由は厳しい経済制裁-日米は
     侵入原因がわからないが警戒を強めている
金正恩氏、「核つくらず、使わず」を年頭の辞:「これ以上、核兵器をつくりも実験もせず、使いも拡散もしない」
米国」が約束を守らず、制裁、圧力を続けるなら、仕方なく平和と安全のための新たな道を模索せざるを得なくなるかもしれない」
金正恩氏の「新年の辞」の本心はどこにあるのか。韓国に亡命した人は「正常な国の、正常な指導者のイメージを見せる」為という
北朝鮮の金正恩氏は「新年の辞」を述べたが、対日本に関する言及はなかった。







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