アメリカ問題



2019.10.9-Yahoo!!Japan ニュース-産経新聞-
NBA、中国の「言論封殺」に対抗 バスケ人気の中国を揺さぶるか

【ワシントン=黒瀬悦成】米プロバスケットボールNBA「ヒューストン・ロケッツ」の幹部が香港のデモを応援する投稿をし、中国政府が反発して事実上の謝罪に追い込まれた問題で、NBAは中国の「言論封殺」に対抗する姿勢を打ち出した。人口14億人の巨大市場への参入をエサに、台湾や香港の問題で米企業などに賛同や沈黙を迫る中国の圧力に、米有力団体として実質的に初めて「ノー」を突きつけるもので、バスケ人気が過熱する中国に揺さぶりをかけることができるかが注目される。
 この問題は、ロケッツの幹部が「自由のために戦い、香港を支持しよう」とのメッセージをツイッターに投稿したのが発端。中国政府が不満を表明したのを受け、同幹部は投稿を削除し、「中国のファンを怒らせるつもりはなかった」と釈明した。
 しかし、NBAコミッショナーのアダム・シルバー氏は8日、「NBAは選手や職員、オーナーに対し、一連の問題に関する発言を制限する立場にない」との声明を発表し、ロケッツ幹部の発言を擁護した。
 すると、中国国営中央テレビは、シルバー氏がロケッツ幹部を支持したとして「強い不満と反発」を表明。既に中継の中止を決めていたNBAの試合に加え、別の試合の中継も中止すると発表した。
 NBAが当初、中国の圧力に屈する姿勢を示したことに対し、共和党のサス上院議員は「NBAは(人権よりも)カネが最も大切なのだ」と批判。民主党のシューマー上院院内総務は中国の対応に「米国人が自由について発言することを封じるようなルールが課せられてはならない」と訴えるなど、事態を重大視する意見が急拡大している。

中国ではバスケットボールの人気は非常に高く、競技人口は約3億人。また、人気を牽引(けんいん)するのはNBAであるとされ、AP通信によれば、昨シーズンは約5億人が少なくとも1回はNBAの試合を観戦したという。NBAも北京と上海に事務所を置き、中国戦略を積極的に展開している。
 一方、中国政府は経済政策の一環としてスポーツ市場の拡大を推進。NBAは既に中国の大衆文化に深く浸透しているといえ、米国内ではNBAが中国を必要とする以上に中国がNBAを必要としているとの意見も強い。
 米紙ウォールストリート・ジャーナルは「NBAなき中国は想像しにくくなっている」と指摘し、「NBAは他の米企業に比べ、(中国の圧力を)押し返しやすい強い立場にいる」と指摘した。


2019.10.8-産経新聞-THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/191008/wor1910080022-n1.html
米、人権でも対中圧力 禁輸対象、ハイテクから弾圧に拡大

【ワシントン=塩原永久】トランプ米政権は、中国の新疆ウイグル自治区での弾圧を根拠に中国監視カメラ大手を禁輸対象に指定し、人権問題に絡めて企業を締め付ける対中圧力を強める姿勢を示した。これまで安全保障上の懸念から主にハイテク企業を狙い撃ちにしてきたが、禁輸の根拠を人権抑圧にも拡大。10日から米中の閣僚級貿易協議が予定されるが、中国の反発は必至とみられる。
 米政府は7日、対中閣僚協議を10日から開くと正式発表した。これに先立ち7日から次官級が協議入り。そのさなかに米商務省は、監視カメラ世界最大手、杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)など中国の28社・機関を禁輸指定した。
 商務省の許可なく米企業と取引できない「エンティティー・リスト」に昨年指定された中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)は間もなく経営危機に陥った。
 トランプ政権下で、第5世代(5G)の通信技術を握る華為技術(ファーウェイ)や、スーパーコンピューター関連企業が指定されてきたのは、ハイテクが安保と密接に関わるためだ。
 一方、7日発表の禁輸措置はイスラム教少数民族ウイグル族への中国当局の抑圧が理由で、安保上の懸念から一歩踏み込んだ。ペンス副大統領らは先月の国連総会で、「信教の自由」の観点から中国批判を展開。ポンペオ国務長官は今月2日も「宗教抑圧の根源を認識せよ」と演説し、中国やイランなどを念頭に「独裁政権」を非難した。
 中国は従来、主権にかかわるとして同自治区の問題に対する外国の干渉を拒んできた。米国との貿易協議を続ける一方、「核心的利益」と呼ぶ主権問題には激しく反発してきただけに、今回の禁輸指定は、今後の米中協議の進展を危うくする恐れもある。


2019.10.8-産経新聞-THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/191008/wor1910080031-n1.html
トランプ氏、トルコに「一線」警告 攻撃黙認から一転

【ワシントン=住井亨介】トランプ米政権がトルコによるシリア北部の少数民族クルド人地域への攻撃を事実上黙認する姿勢を打ち出した。トランプ大統領は7日、トルコの軍事行動が「一線」を越えた場合には、「トルコ経済を完全に崩壊させる」と同国を牽制(けんせい)したものの、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)掃討作戦で米軍に協力してきたクルド人勢力はトルコの攻撃で窮地に追い込まれる可能性が高まっている。
 発端は6日に行われたトランプ氏とエルドアン・トルコ大統領の電話会談だ。ホワイトハウスはその後の声明でトルコの攻撃計画について明らかにし、干渉しない姿勢を示した。トランプ氏は7日、シリア北部のトルコ国境地帯に展開していた米軍の約50人が撤収したことを明らかにした。
 米国では野党・民主党だけでなく、与党・共和党からも強い批判が上がった。マコネル上院院内総務は「ロシア、イラン、(両国が支えるシリアの)アサド政権を利するだけだ」と表明した。また、米軍撤収をクルド人勢力への「裏切りだ」(ロムニー上院議員)との批判も出ている。
 フランスのパルリ国防相も、米軍の撤収がISなどテロ組織の再興につながることへの危惧を示した。
 トランプ氏はこうした中で、軍事作戦によって米兵が負傷すれば「大問題になる」とエルドアン氏に伝えたことを明らかにした。トランプ氏はまた、非人道的な行為をすれば「トルコは経済に大打撃」を受けると警告したという。
 国防総省も7日、「トルコの作戦を支持せず、関与もしない」とする声明を発表。それによると、エスパー国防長官はトルコ側に、一方的な行動はトルコのリスクとなると伝えた。
 米メディアによると、シリアには約千人の米軍が残っている。米政権高官は約50人が撤収したことについて、「シリアからの公式撤収の始まりではない」とも強調した。
 トランプ氏は大統領就任前から、「米国第一」のもとで国益と直接関係しない紛争に介入しない姿勢を示してきた。今回のシリア北部をめぐる問題にも、来年の大統領選に向けて米軍帰還の「実績」をつくりたい意図が透けてみえる。同時に、シリアやアフガニスタンからの不用意な米軍撤収には国内で警戒感も強く、トランプ氏は国内外の批判をかわすため、トルコを牽制しているとみられる。


2019.9.27-Yahoo!!Japan ニュース-https://news.yahoo.co.jp/byline/iizukamakiko/20190927-00144346/
「ウクライナ疑惑」の衝撃 トランプ氏の権力濫用にホワイトハウスの隠蔽「トランプは弾劾に値する」米識者

トランプ氏とウクライナ大統領のウォロディミル・ゼレンスキー氏が7月25日に行った「ウクライナ疑惑」に関する電話会談のメモや「ウクライナ疑惑」の告発文書が公開され、アメリカでは連日トップ・ニュースになっている。
 25日に発表された電話会談のメモでは、トランプ氏がゼレンスキー氏に、2020年の大統領選の政敵ジョー・バイデン氏の調査を要請したことが判明、26日に発表された告発文書では、ホワイトハウスが電話会談の記録を隠蔽した疑惑も指摘されている。
 「ウクライナ疑惑」については、当時副大統領だったバイデン氏が息子ハンター・バイデン氏が理事を務めていた天然ガス企業ブリスマの汚職疑惑を捜査していたウクライナの検察総長を解任するようウクライナ政府に働きかけた疑惑があると、トランプ氏は主張していた。しかし、ウクライナの検察は、バイデン親子は汚職疑惑とは無関係であると発表。
 ところが、8月、内部告発者が現れた。26日のニューヨーク・タイムズの報道によると、内部告発者はCIA士官だというが、その告発者によれば、トランプ氏は7月にゼレンスキー氏と電話会談を行い、ゼレンスキー氏に、同国に軍事支援する代わりに、バイデン氏の息子が同社に務めていた時に起きた汚職疑惑を調査してほしいと圧力をかけたという。
 米連邦議会下院のナンシー・ペロシ議長は24日、トランプ氏の圧力は、国の安全保障を脅かすとして、正式に弾劾調査を開始すると発表した。
トランプ氏の個人的なお願い
 そして、25日、トランプ氏とゼレンスキー氏の間で行われた30分の電話会談のメモが公開された。それによると、トランプ氏は明らかにゼレンスキー氏に個人的なお願いをしていた。
「お願いがあるんだ。ウクライナの状況について何が起きたのか調べてほしい。バイデンの息子についてはたくさんの噂が出ており、バイデンが検察の動きを止めたが、多くの人がそれについて知りたがっている。どんなことでもいいから司法長官と一緒に動いてくれるといい。バイデンは検察の動きを止めたことを自慢して回っていた。だから、それを調べてくれたら…、僕には(バイデンのしたことは)ひどいことのように思える」
 これに対して、ゼレンスキー氏は「汚職疑惑を担当する次の検察総長を任命するので、その人物が状況を調べるだろう、特に、言及したその企業のことを」と答えている。
 公開されたメモでは、トランプ氏は「バイデン氏の調査と引き換えに軍事支援する」とは明言していない。 しかし、軍事支援を保留にしていたという状況や2人の会話の流れから、「曖昧ではあるものの、トランプがゼレンスキーが政敵(バイデン氏)の調査をしなかったら、ウクライナへの軍事支援を保留すると脅したという告発の説明を裏付けている」と政治サイト「ポリティコ」は解釈している。
恩を売るトランプ
 電話会談の1週間前、アメリカはウクライナへの軍事支援を保留にしていた。
 その状況の中、トランプ氏とゼレンスキー氏は電話会談をしたが、会話の出だしからして、トランプ氏の意図が透けて見える。トランプ氏は最初に、メルケル氏やヨーロッパの国々がウクライナに対して何もしてこなかったことを引き合いに出しながら、アメリカの方はウクライナを支援してきたことを釘を刺すように何度も何度も主張しているからだ。
「私は多くのことをウクライナにしている。多くの努力と時間をかけている。ヨーロッパの諸国がかけているよりずっと多くの努力と時間をね。彼らは今以上にウクライナを助けるべきだ。ドイツはほとんど何もしていない。メルケル氏は口ではウクライナのことを話していたが、何もしていない。多くのヨーロッパの国々は同じ態度だ。しかし、アメリカはウクライナにとてもとても良く対処してきた」 まるで、しつこいくらい恩を売っているのだ。
 そして、こう続けた。・・・「良くないことが起きているから、必ずしもギブ&テイクとは言わない。しかし、アメリカはウクライナにとてもとても良きに対処してきたよね」 ビジネスの取引のように、外交もギブ&テイクを重視するトランプ氏らしい。アメリカはウクライナにたくさんのギブをしてきたから、今度は、ウクライナがアメリカにギブする番だと言っているのだ。
 ゼレンスキー氏としては、そんなトランプ氏に従うより他になかったのであろう。武器購入というギブをするとこう答えている。
「米国製のミサイルの購入を拡大する準備ができております」
他に証拠がなくても弾劾に値する
 しかし、トランプ氏がゼレンスキー氏から欲しかったギブは別のところにあったようだ。ゼレンスキー氏に、前述の、調査という個人的なお願い事をした。この場合、個人的なお願いだったことが重要だとハーバード・ロー・スクールのジェニファー・タウブ客員教授は、政治サイト「ポリティコ」で指摘している。
 個人的なお願いとは、1つが2016年夏にハッキングされた米国民主党全国委員会のサーバーに関する情報が欲しいということ。そしてもう1つが、政敵バイデン氏と彼の息子のスキャンダルを探し出して欲しいというものだ。しかも、探し出すにあたり、トランプ氏の個人弁護士ジュリアーニ氏や司法長官のバー氏と協力するよう頼んでいる。
「トランプは、アメリカ政府の人材と権力を個人的アジェンダのために使ったことがわかります。自分の選挙のために、政敵のスキャンダルを探すよう、外国政府に圧力をかけたことは権力の濫用です」とタウブ教授は話している。
 また、法律のエキスパートたちもトランプ氏の行為は弾劾に値すると糾弾している。「電話の内容は、さらなる証拠がないとしても、“大統領弾劾に値する非行”を立証している。バイデン調査と軍事支援を引き換えにするという話も必要ない。大統領が、選挙の政敵を攻撃するために、外交政策と軍事力を使って、不法に外国に援助を要請したこと自体が重罪だ」(ハーバード・ロー・スクール、ローレンス・トライブ教授)
「政敵の犯罪を調査するために、外国の指導者に圧力をかけることが大統領権力のひどい濫用でないとするなら、他に何が弾劾されて当然の犯罪になるのか」(スタンフォード・ロー・スクール、デビッド・スクランスキー教授)
ホワイトハウスの隠蔽疑惑
 26日には、内部告発者の告発文書も公開され、さらなる衝撃を与えている。 それには、トランプ氏が、個人的利益のために権力を濫用し、ウクライナに選挙介入を要請したとしたことやホワイトハウスが問題の電話会談の記録を隠蔽しようとした疑惑が記されてるからだ。
 もっとも、この内部告発者はトランプ氏とゼレンスキー氏の電話会談を直接きいたわけではなく、トランプ氏の行為を懸念したホワイトハウスの高官から話をきいたという。
 主要メディアを見ると、以下が告発文書が示す疑惑のキーポイントといえそうだ。
1. ホワイトハウスが電話会談の記録を隠蔽
   問題のトランプ氏とゼレンスキー氏との電話会談は約12人のホワイトハウスの高官がきいていたという。つまり、約12人の高官は大統領が大統領選という個人的利益のために権力を濫用するところを目撃していたことになる。しかし、彼らはトランプ氏の権力濫用を問題視せず、黙認していたことになる。ホワイトハウスの弁護士たちは電話会談にどう対処したらいいか話し合い、会談内容が外部に漏れることを警戒し、電話の全記録へのアクセスを制限したという。また、電話記録が封印されたのはこれが初めてではないという。
2. ジュリアーニ氏がバイデン調査をフォロー・アップ
   ジュリアーニ氏は8月2日、ゼレンスキー氏のアドバイザーに会うためにマドリッドを訪ねたが、それは電話会談をフォロー・アップし、バイデン調査をリクエストするためだったという。ジュリアーニ氏が、以前から、ゼレンスキー氏とトランプ氏の間でメッセンジャーの役割を果たしていたと推測される。
3. トランプ氏自身がウクライナへの軍事援助を保留
ウクライナへの軍事援助を保留にするというトランプ氏からの直接命令が7月23日と7月26日に行われた会議で再び明確に出されたが、ホワイトハウスの役人は、なぜ保留にするのかその根拠がわからなかったという。
4. ウクライナ政府は汚職疑惑調査の必要性を認識していた
告発文書によると、7月の電話会談については、ウクライナ政府が最初にウクライナ大統領のウェブサイトに公式に発表していたという。それには、「トランプは、新ウクライナが迅速にウクライナのイメージを改善し、ウクライナとアメリカの協力が隠されている汚職事件の調査を終えることができると確信していると言った」とある。
5. トランプ氏はペンス氏のウクライナ大統領就任式の出席をキャンセルさせた
   トランプ氏は、5月に行われた新ウクライナ大統領の就任式に出席予定だったペンス氏の出席をキャンセルさせた。トランプ氏はゼレンスキー氏が(トランプ氏が求める)行動を選択するまで彼に会いたがらなかったという。トランプ氏は、ウクライナとの関係作りやウクライナへの軍事支援を行う前に、ウクライナ側が自分の希望通りに行動してほしいと、ペンス氏の出席をキャンセルさせることで暗に伝えていた可能性があるという。
 次々と明るみに出る「ウクライナ疑惑」。
  トランプ氏はいつものように「魔女狩りだ」と主張し、 内部告発者に情報を与えた高官のことをスパイと呼んでいる。保守系のフォックス・ニュースは、バイデン親子の汚職疑惑を調査する方が先だとして、バイデン氏の息子ハンター・バイデン氏がメディアに出てこないことを問題視し、弾劾の動きに出た民主党を非難している。 選挙を前に、窮地に追い込まれたトランプ氏。
 これからも新疑惑が噴出してくるであろう「ウクライナ疑惑」に、アメリカはしばらく振り回されることになりそうだ。


2019.9.26-産経新聞-THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/190926/wor1909260038-n1.html
米、香港人権法案を可決 上下両院の外交委 優遇措置を毎年見直し

【ニューヨーク=黒瀬悦成】米上下両院の外交委員会は25日、香港の民主化勢力の支援に向け中国の習近平体制に圧力をかけることを目的とした超党派の「香港人権民主法案」をそれぞれ全会一致で可決した。10月にも上下両院本会議で採決される。トランプ大統領が抗議デモを明確に支持することを慎重に控える中、議会として習体制と対決する姿勢を打ち出した。
 法案は、一国二制度を前提に香港を中国と区別し、関税や査証(ビザ)などで優遇措置を適用してきた「米・香港政策法」(1992年制定)を含めた、香港への優遇措置を毎年見直すことを明記した。
 香港の自治権や人権が守られていないと判断すれば優遇措置を撤廃するとしており、香港経済に依存する習体制には痛手となる。
 法案は、両院の本会議での可決とトランプ氏の署名を経て成立する公算が大きく、中国に対する強いメッセージとなるのは確実だ。
 ただ、米政権としては民主化勢力に肩入れすることで、「抗議デモの黒幕は米国だ」と主張する中国に抗議デモを弾圧する口実を与えかねない事情もあり、実際の法律の運用には慎重を期するとみられる。


2019.9.12-産経新聞-THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/190912/wor1909120011-n1.html
トランプ氏、ボルトン氏は「重大なミスしでかした」 北朝鮮核問題での「リビア方式」発言など批判

【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領は11日、ホワイトハウスで記者団に対し、先に「解任」したボルトン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)について「(在任中に)幾つかの重大なミスをしでかした」と批判した。外交・安保分野の重要懸案で意見が食い違うことの多かったボルトン氏および同氏の政策路線と完全に決別する態度を明確にしたものだ。
 トランプ氏は、北朝鮮の非核化問題でボルトン氏が提唱した、北朝鮮を全面的に核放棄させた上で経済支援などの見返りを提供する「リビア方式について、「ボルトン氏が話を持ち出したせいで(交渉機運が)著しく後退した。大惨事だ」と主張した。
 リビアのカダフィ旧政権は核計画を放棄した見返りに経済制裁緩和などの措置を得たものの、後に民衆の蜂起で崩壊した。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、ボルトン氏の言う「リビア方式」は金正恩体制の転換を狙ったものだとして猛反発した経緯がある。
 トランプ氏はまた、ボルトン氏が息子ブッシュ政権下で2003年の対イラク開戦に積極関与したことも批判。ボルトン氏がベネズエラのマドゥロ政権に対して強硬路線を推進したことについても「私は異議を唱えていた」とした。
 しかし、ボルトン氏は今年2月にハノイで行われた2度目の米朝首脳会談で、トランプ氏が北朝鮮との安易な合意に傾くのを食い止めた経緯がある。アフガニスタン情勢でも、イスラム原理主義勢力タリバンとの欠陥だらけの和平合意にボルトン氏が反対して白紙に戻させるなど、トランプ氏が外交政策で致命的失敗を犯すことから救ってきた。
 11日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルは社説で「米国の敵対勢力にとっては、トランプ氏の気まぐれで取引先行型の性向に対する政権内部の数少ない抑止力が除去されたことになる。世界は今や、一層危険な場所になった」と危機感を表明した。
 ボルトン氏は同紙に、自身の退場劇について「いずれ見解を明かす」と語っており、トランプ氏にどのような反論をするかが注目されている。

2019.9.11-産経新聞-THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/190911/wor1909110032-n1.html
ボルトン氏「解任」 米政権内で孤立 北朝鮮への圧力路線軟化に懸念 惜しまれる退場

トランプ米政権の外交・安全保障政策を支える立場にあったボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)がホワイトハウスを去ったのは、トランプ大統領の意を体したポンペオ国務長官らとの外交方針をめぐる主導権争いに敗れた結果といえる。
 ポンペオ氏は10日、ホワイトハウスで記者会見し、米外交政策の進め方について「ボルトン氏とは考え方の違いがいくつもあったのは確かだ」と明かした。また、ボルトン氏の退場は「驚きではないね」と笑いながら語るなど、同氏がトランプ氏や政権高官から遠ざけられていたことを強く示唆した。
 また、ポンペオ氏は「世界各国の指導者たちは、一部の高官が去ったからといって、トランプ氏の外交政策が実質的に変化するなどと思い込まない方がいい」と述べ、米国と対立する国々への外交圧力を緩めない立場を強調した。
 しかし、ボルトン氏が唱えてきた北朝鮮やイランへの圧力路線が軟化に転じる恐れは否定できない。
 例えば、米政権が安全保障分野での懸案の筆頭に位置づける北朝鮮の非核化問題ではこれまでも、対北強硬派のボルトン氏を「人間のくず」と呼んで非難する北朝鮮へのトランプ政権の配慮が目についた。
 トランプ氏は金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との対話機運を促進するため、昨年6月のシンガポールでの米朝首脳初会談の実現に合わせてボルトン氏を北朝鮮問題の最前線から退けた。今年6月の板門店での3度目の米朝首脳会談の際、ボルトン氏はモンゴルに派遣され、会談に立ち会えなかった。
 米政策研究機関「新米国安全保障センター」(CNAS)のクリスティン・リー研究員は、ボルトン氏を「敵対勢力」と見なす北朝鮮が今回の事態を受け、米政権との対話に傾斜する可能性があると指摘する。


2019.8.20-産経新聞-THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/190820/wor1908200002-n1.html
米、地上発射型巡航ミサイルの発射実験に成功 INF条約失効後初

【ワシントン=黒瀬悦成】米国防総省は19日、米露の中距離核戦力(INF)全廃条約(今月2日に失効)で禁止されていた地上発射型巡航ミサイルの発射実験を18日に実施し成功したと発表した。射程500~5500キロの短・中距離ミサイルの廃棄を定めたINF条約が1988年に発効して以降、米国が同形式のミサイルの発射実験を行うのは初めて。]
 ロイター通信によると、同省は11月に条約の禁止対象だった中距離弾道ミサイルの実験を計画中で、トランプ政権がロシアや中国に対抗して短・中距離ミサイル戦力の拡充を目指す立場が鮮明となった。
 同省によると、ミサイルは通常弾頭搭載型で、西部カリフォルニア州サンニコラス島に設置された移動式発射車両から発射され、射程500キロ以上の地点の標的に命中させた。
 ミサイルの詳細は明らかにされていないが、米メディアによると、巡航ミサイル「トマホーク」を地上発射型に改修。発射車両はMK41垂直発射システムを改修した。
 ロシアはこれまで、ルーマニアに配備されているミサイル防衛システム「イージス・アショア」について「トマホークを発射可能でINF条約違反だ」と主張。同省報道官はロイターに対し、今回の発射装置はルーマニアに配備されている機種とは同一でないと説明した。
 エスパー国防長官は、将来はアジア地域に中距離ミサイルを配備する可能性があると述べており、日本が配備先に選定される可能性が取り沙汰されている。


2019.8.8-朝日新聞-https://www.asahi.com/articles/ASM872H1GM87UHBI005.html
米、ベネズエラ現政権への圧力強化 ボルトン補佐官示唆
(サンパウロ=岡田玄)

政情不安が続く南米ベネズエラ問題を話し合う国際会議が6日、ペルーのリマで開かれた。AP通信によると、会議に出席した米国のボルトン大統領補佐官は記者団に「対話の時は終わった」と語り、マドゥロ政権の退陣に向け、キューバやイラン、北朝鮮に対するのと同等の圧力をかける姿勢を示した。
 会議前日の5日、トランプ米大統領は米国内のすべてのマドゥロ政権の関連資産を凍結するなどとする大統領令を出した。食料、医薬品や衣料品は除外されるものの、石油を含む多くの分野で経済活動が制限されるとみられ、これまでの制裁よりも厳しい内容だ。
 会議には、米国や欧州諸国など60カ国が参加した一方、マドゥロ政権を支持する中国、ロシアなどは招待を受けたが参加を見送った。会議では改めて、公正な大統領選の実施を求めることなどを確認した。
 一方、ベネズエラのモンカダ国連大使は6日、ニューヨークの国連本部で会見し、「人道に対する犯罪だ」と米国の大統領令を批判した。


2019.8.6-産経新聞-THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/190806/wor1908060013-n1.html
トランプ氏、銃乱射で「白人至上主義の打破」訴える

【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領は5日、南部テキサス州と中西部オハイオ州での銃乱射事件を受けてホワイトハウスで演説し、「人種差別や偏見、白人至上主義を一致して非難しなければならない」と述べた上で、精神疾患を持つ者の銃保有を制限すべきだと訴えた。
 トランプ氏が白人至上主義をこれほど強い調子で非難したのは初めて。「こうした邪悪な思想は打破されるべきだ」とも強調した。
 テキサス州エルパソでの乱射事件は、容疑者が中南米系移民の流入を「テキサスへの侵略だ」などとする声明を出しており、警察当局が憎悪犯罪の可能性があるとみて調べている。トランプ氏は連邦捜査局(FBI)に「憎悪犯罪の捜査と阻止」に向けた追加的措置の検討を要請するとともに、司法省に対して憎悪犯罪と大量殺人を犯した者に死刑を適用するための法案を提案するよう指示した。
 トランプ氏はまた、「銃そのものが引き金を引くのではない。精神疾患と憎悪が引き金を引くのだ」と指摘。精神衛生に関連する法律を改正し、精神疾患を抱える者の特定を強化し、必要な場合は強制入院を容易にさせると表明した。
 トランプ氏は一方で、銃器自体の販売制限や、銃購入者に対する身元調査の強化には言及しなかった。


2019.8.4-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/190804/wor1908040004-n1.html
テキサス国境の町で銃撃 20人死亡 反移民が背景か

【ニューヨーク=上塚真由】米南部テキサス州エルパソの大規模小売店「ウォルマート」で3日午前、銃乱射事件が発生し、少なくとも20人が死亡、26人が負傷した。警察当局は容疑者として21歳の白人の男を拘束し、ヒスパニック(中南米系)の移民への敵意を背景としたヘイトクライム(憎悪犯罪)の可能性も視野に捜査を進めている。 複数の米メディアによると、拘束されたのは同州ダラス郊外に住むパトリック・クルシウス容疑者(21)。警察は記者会見で、事件直前、ネット上に憎悪犯罪が指摘される犯行声明が出されていたと明らかにし、「容疑者が書いたものかどうかについて確認を続けている」と述べた。

米メディアによると、声明では「この攻撃はテキサス州へのヒスパニックの侵略に対する答えだ」と主張し、今年3月にニュージーランドのモスク(イスラム教礼拝所)で起きた銃乱射事件の被告を「支持する」と書き込んでいたという。
 エルパソは同州の最西端にあり、メキシコとの国境に接する都市。米メディアによると、ヒスパニックが住民の8割を超える。容疑者の自宅はエルパソから約800キロ離れており、移民が多い地域を狙い、犯行に及んだ可能性がある。メキシコのロペスオブラドール大統領はツイッターで犠牲者に3人のメキシコ人が含まれていたと発表。同国人6人が負傷したという。
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容疑者はライフル銃のようなものを使用し、駐車場で発砲した後、ウォルマートの店内で乱射した。店内は大勢の家族連れでにぎわっており、米メディアは逃げ惑う人の様子を伝えた。
 事件を受け、トランプ米大統領はツイッターに銃撃事件について「悲惨的というだけでなく卑怯(ひきょう)な行為だ。私はこの国の全ての人とともに今日の憎むべき事件を非難する」と書いた。


2019.7.19-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/190719/wor1907190006-n1.html
イラン無人機を破壊 トランプ氏発表

【ワシントン=住井亨介】トランプ米大統領は18日、ホワイトハウスでの会合で、ホルムズ海峡を航行していた米海軍の強襲揚陸艦「ボクサー」がイランの無人機を破壊したと明らかにした。トランプ氏は、無人機が約900メートルの距離まで近づいたため「同艦が自衛措置を取った」とした。イラン側の反発は必至とみられ、米国との緊張がさらに高まる恐れがある。
 米CNNテレビ(電子版)は国防総省当局者の話として、無人機は電波妨害によって破壊されたとしている。
 トランプ氏は「(無人機は)離れるようにとの再三の警告を無視した」とし、「即座に破壊した。国際海域を航行する艦船に対するイランによる挑発的で敵意ある行為の最新事例だ」と非難。「米国は要員などを守る権利がある」と述べて破壊措置を正当性を主張した。
 また、トランプ氏は「航行の自由と国際的な経済取引を損なうイランの企てに声を上げるようすべての国に求める」としたうえで、「各国にはホルムズ海峡を通過する自国の船を守り、米国と協力するよう望む」と述べ、イランの脅威に共同で対応する必要性を訴えた。


2019.7.4-産経新聞-THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/190704/wor1907040006-n1.html
米、イラン濃縮に報復示唆「脅迫するなら気をつけろ」 緊張強まる

【ワシントン=住井亨住】
トランプ米大統領は3日、イランのロウハニ大統領が核合意に反してウランの濃縮度を高めると表明したことについて、「イランよ、脅しには気をつけろ。かつてないほど自らに跳ね返ってくるぞ!」とツイッターに投稿し、対抗措置をとることを示唆した。
 核合意で定められたウランの濃縮度は3・67%だが、ロウハニ師は3日、7日以降は必要なだけ濃縮度を高める考えを明らかにした。イランは濃縮度を20%に上げる技術を保有しており、核兵器級の濃縮度90%のウラン製造が容易になるレベルとされている。
 米国は、イランが核爆弾1個を製造するのに必要な時間「ブレークアウト・タイム」を短縮しようとしているとの疑念を抱いており、トランプ氏は、イランが段階的に進める核開発を改めて牽制(けんせい)した形だ。
 「イランには決して核兵器を保有させない」とするトランプ氏は、イランによる米軍の無人偵察機撃墜に対する報復攻撃を見送った後も、「将来的にも自制するとはかぎらない」などと武力行使の可能性を排除しない考えを繰り返している。


2019/5/31 -日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45499700R30C19A5000000/
米、メキシコ全輸入品に追加関税5% 不法移民流入で 
トランプ政権  北米


【ワシントン=鳳山太成】トランプ米政権は30日、国境の不法移民流入をめぐりメキシコの対策が不十分だとして、6月10日に同国からの輸入品すべてに5%の追加関税を課すと発表した。今後の対応次第では最大25%まで引き上げる。大統領選をにらみ、公約である不法移民対策で強硬姿勢を鮮明にした。メキシコに工場を持つ日本の自動車メーカーなどにも大きな影響を及ぼしそうだ。

メキシコ経由での中米からの不法移民の流入抑制は米国で関心が高い政策テーマだ。2016年の大統領選で当選したトランプ氏が選挙戦で、公約の一つにあげていた。

米国を脅かす非常事態に対応するため商業活動を規制する権限を大統領に与える「国際緊急経済権限法(IEEPA)」に基づき関税をかける。メキシコが対策を取らなければ7月1日に10%、8月1日に15%、9月1日に20%、10月1日に25%へと5%ずつ段階的に引き上げる。 不法移民の流入が減るまで最大25%の関税を維持する。メキシコが効果的な対策を取ったと判断した場合には関税を解除するという。

トランプ大統領は声明で現状を「緊急事態」だと主張。犯罪者や違法薬物が流れ込み米国人の生活に深刻な影響を及ぼしていると指摘し、メキシコに移民の北上を止めるなど対策を要請した。

米国のメキシコからの輸入は18年で3465億ドル(約38兆円)。自動車関連や電気製品、食料品が中心で、中国(5395億ドル)に次いで2番目に大きい。今回の関税の対象は、計2500億ドル分の中国製品に課している制裁関税の規模を上回ることになる。貿易摩擦が強まり、世界経済への悪影響が一段と広がる恐れがある。

トランプ氏はメキシコ国境を通って増え続ける不法移民の対策を看板政策に掲げてきた。2月には国家非常事態を宣言し、議会の承認を得ずに「国境の壁」の建設費を捻出した。だが足元では目立った効果がみえない。グアテマラやホンジュラス、エルサルバドルなど貧困や治安悪化に直面する中米諸国から米国を目指す集団が増えている。

米税関・国境取締局(CBP)によると、国境における4月の拘束者数は約10万人と前年同月に比べて2.6倍に膨らんだ。トランプ氏は十分な対策を取っていないとして、メキシコや米議会への不満を強めていた。

メキシコからの輸入のうち自動車関連が1281億ドルと4割弱を占める。米自動車大手のほか、トヨタ自動車日産自動車ホンダなど日本勢が米国市場に完成車を輸出している。メキシコ製の部品を米国に持ち込んで米国工場で組み立てることも多い。北米自由貿易協定(NAFTA)により条件を満たす製品は無関税だが、最大25%の関税がかけられればコストがかさみ企業業績にも影響が出る可能性がある。


アメリカ合衆国
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アメリカ合衆国( United States of America)、50のおよび連邦区から成る連邦共和国である。
  アメリカ本土の48州および同国首都ワシントンD.C.(コロンビア特別区)は、カナダメキシコの間の北アメリカ中央に位置する。
     アラスカ州は北アメリカ北西部の角に位置し、東ではカナダと、西ではベーリング海峡をはさんでロシアと国境を接している。ハワイ州は中部太平洋
     における島嶼群である。
  同国は、太平洋およびカリブに5つの有人の海外領土および9つの無人の海外領土を有する。985万平方キロメートル (km2) の総面積は
     世界第3位または第4位、3億1千7百万人の人口は世界第3位である。
  同国は世界で最も民族的に多様かつ多文化な国の1つであり、これは多数の国からの大規模な移住の産物とされている。また同国の広大な国土
     における地理および気候も極めて多様であり、多種多様な野生生物が存在する。
  米国は先進国かつ世界最大級の国民経済を有する同国経済は、豊富な天然資源と高度な労働者の生産性により支えられている。同国経済
     は脱工業化社会だとされている一方、世界最大の製造国のうちの1つであり続けている。同国は世界の軍事支出の37%を占め、世界最高位
     の経済・軍事大国であり、多大な影響を及ぼす政治・文化的勢力であり、科学研究・技術革新におけるリーダー的存在とされている

概要
約1万5千年前、パレオ・インディアンユーラシア大陸から現在の北アメリカ大陸本土に移住し、ヨーロッパ諸国による植民地化16世紀に始まった。
  現在の米国は、大西洋沿岸に沿って位置する13植民地が発祥である。英国及び同植民地間の紛争により、米国は独立した。
  1776年7月4日、アメリカ独立戦争における英国との交戦時、同植民地の代表はアメリカ独立宣言を全会一致で発布した。1783年、同戦争は英国からの
     米国独立の承認により終結し、ヨーロッパの植民地帝国を相手に成功した世界初の独立戦争となった。
  1787年9月17日、現在のアメリカ合衆国憲法が起草された。集合的に権利章典と名付けられた最初の10の修正案は1791年に批准され、多数の
     基本的な市民の権利及び自由を保証することを目的として策定された。
  マニフェスト・デスティニーの教義に駆られることにより、19世紀を通して米国は北米を横断する頑強な拡大に着手した。これは、先住民の強制退去
     新たな領土取得、次第に承認した新たな州を含む。
  同国史上唯一の内戦である南北戦争は、同国における合法的な奴隷制を終焉に至らせた
  19世紀末までに、同国は太平洋まで拡大し、同国経済は成長し始めた
  米西戦争及び第一次世界大戦は、世界的な軍事大国としての同国の地位を裏付けた。
  第二次世界大戦から同国は世界的な超大国として浮上し、世界初の核兵器を開発した国で、日本への原子爆弾投下により戦争において核兵器
     使用した唯一の国であり、国際連合安全保障理事会常任理事国でもある。
  冷戦及びソビエト連邦崩壊は、米国を唯一の超大国とした

アメリカ合衆国の独立
北米大陸がヨーロッパ諸国の植民地支配を受ける中、イギリスと13植民地との間で経済・租税措置をめぐり、対立が生じた。1775年アメリカ独立戦争
     勃発すると、1776年7月4日独立宣言を発表し、イギリス優位を崩すためにフランスと同盟を締結した。
  なお、この7月4日は現在も「独立記念日」(Independence Day)として、クリスマス感謝祭と並び、米国の代表的な祝日となっている。
  13植民地が勝利すると1783年パリ条約が結ばれ、「アメリカ合衆国」として正式に独立し、独立した13州に加えてミシシッピ川以東と五大湖以南をイギリス
     から割譲された。
  1787年9月17日には、連合規約に代えてさらに中央集権的な合衆国憲法が激論の末に制定される。1789年3月4日に発効され、同年に初代大統領として
     大陸軍司令官であったジョージ・ワシントンが就任した。
  アメリカは、「自由」と「民主主義」を掲げたことから、近代の世界史上初の共和制国家としても、当時としては珍しい民主主義国家であった。しかし、
     女性アフリカ大陸から強制的に連行させられた黒人奴隷アメリカ先住民の権利はほとんど保障されることはなかった。結果、奴隷制度と人種差別
     が独立後のアメリカに長く残ることとなる。

海外進出と世界恐慌
南北戦争後も諸外国との戦争などを通して、海外領土の拡大が続けられた。
  1867年には、アラスカロシアから購入し、1898年にはハワイ王国が併合され、スペインとの米西戦争に勝利してグアムフィリピンプエルトリコ植民地
     にし、キューバ保護国に指定した。これにより、現在の北米・太平洋圏でのアメリカ領土が確立した。
  1899年-1913年にかけてフィリピンを侵略。米比戦争を行い数十万人のフィリピン人を虐殺し独立を鎮圧する。
  1900年には義和団の乱平定に連合軍としてに派兵する。
  1910年代から外国人土地法を徐々に施行し、有色人種に対する締め付けを強化した。
  1914年7月28日にヨーロッパで勃発した第一次世界大戦では当初中立を守る一方、1915年にハイチ、1916年にドミニカ共和国に出兵して占領し、
     軍政を敷くなどの西半球における権益確保政策を採った。ルシタニア号事件などの影響もあり、次第に連合国イギリスフランスイタリア日本など)
     に傾き、1917年には連合国側として参戦した。
  1918年には共産主義の拡大を警戒してシベリア出兵を行った。
  1918年11月11日に終結した第一次世界大戦後は、1919年のパリ講和会議ウッドロウ・ウィルソン大統領の主導によって国際連盟設立と
     人種差別撤廃案阻止[36]に大きな役目を担ったが、モンロー主義を唱えてヨーロッパへの不干渉およびラテンアメリカに対する権益の維持をしようとする
     アメリカ合衆国上院の反対により連盟への加盟はしなかった。しかし、他の戦勝国とともに5大国の一員として注目されることになる。国内では
     首都ワシントンを始めとする多くの都市で「赤い夏」などの人種暴動により数万人が死傷した。
  1924年には排日移民法を施行するなど人種差別政策を強めていった。
  1927年に出兵していたニカラグアサンディーノ将軍に率いられたゲリラが海兵隊を攻撃したため、1933年にアメリカ軍はニカラグアから撤退し、従来の政策
     から善隣外交(Good Neighbor policy)に外交政策をシフトした。
  1920年代のバブル経済に基づく空前の繁栄「轟く20年代」(Roaring Twenties)が起こるが、1929年10月29日ウォール街ニューヨーク証券取引所で起った
     株の大暴落「暗黒の木曜日」がきっかけとなり、1939年まで続く世界恐慌が始まった。この世界恐慌によって、労働者や失業者による暴動が頻発するなど
     大きな社会的不安を招いた。フランクリン・ルーズベルト大統領が行ったニューディール政策により経済と雇用の回復をめざしたが、1930年代末期まで
     経済も雇用も世界恐慌以前の水準には回復せず、第二次世界大戦の戦時経済によって世界恐慌以前の水準を上回る、著しい経済の拡大と雇用の
     回復が実現された。一方でドイツイタリア日本などでナチズムファシズム軍国主義が台頭し始め、後に起こる第二次世界大戦
     の引き金になっていった。

第二次世界大戦
  1939年9月1日にナチス・ドイツがポーランドに侵攻し、ヨーロッパで第二次世界大戦が始まると、中立政策は維持していたものの、1941年にはレンドリース法
     の施行により、イギリスソビエト連邦自由フランス中華民国に大規模な軍需物資の支援を行い、日本のアジア進出に対してABCD包囲網を形成した。
  1941年12月7日(日本時間:12月8日)には、日本による真珠湾攻撃が行われ、イギリスやソ連などが中心となって構成された連合国の一員として参戦した。
     開戦後まもなく、日系アメリカ人南米諸国の日系人のみを強制収容所に連行した(日系人の強制収容)。日系人男性はアメリカ兵として忠誠を示す
     ために戦った。日本海軍機によるアメリカ本土空襲などの、数回に亘る西海岸への攻撃はあったものの、本土への被害はほとんどなく、事実上の
     連合諸国への軍事物資の供給工場として機能し、併せて日本やナチス・ドイツイタリア王国などの枢軸国との戦闘でも大きな役割を果たした。
  1943年頃からは、ヨーロッパ戦線南太平洋戦線において本格的な反攻作戦を開始し、ドイツや日本に対する戦略爆撃無差別爆撃を実施した。
     日本本土空襲の中でも1945年3月10日の東京大空襲では推定約14万人が死傷した。
  1945年5月8日にはドイツが連合国に対し無条件降伏した。
  1945年8月には、イタリアやドイツなど枢軸国からの亡命科学者の協力を得て原子爆弾を完成。同年、世界で初めて一般市民を標的に日本の広島(8月6日)
     と長崎(8月9日)に投下し、人類史上初めての核兵器による攻撃で推定約29万人が死傷した。続いて同年8月15日には日本もポツダム宣言受諾により
     降伏し、同年9月2日の日本全権による降伏文書調印をもって第二次世界大戦は終戦となった。GHQ参謀第2部(G2)部長であった
     チャールズ・ウィロビーアメリカ陸軍少将は「日本を"征服"した」と述べている。

第二次世界大戦以前は非戦争時にはGDPに対する軍事費の比率は1%未満〜1%台で、GDPに対する軍事費の比率が低い国だったが、第二次世界大戦で
     史上最大の軍拡(後述)を行い、著しい軍事偏重状態になり、軍産複合体が政治に影響力を行使するおそれがあると批判されるようになった。
  合国の戦勝国の1国となった上に、主な戦場から本土が地理的には離れていたことから国土にほとんど戦災被害を受けなかった。戦勝国として日本の
     委任統治領であったマーシャル諸島マリアナ諸島カロリン諸島などの太平洋の島々を新たな信託統治領として手に入れるとともに、
     敗戦後の日本ドイツをはじめ占領国や進駐国に大規模なアメリカ軍基地を造設し、共産圏を除く世界を影響下に置くこととなった。
  1946年からマーシャル諸島でクロスロード作戦などの大規模な原水爆実験を繰り返して核大国としての地位を固める。核拡散防止条約(NPT)はアメリカを
     核兵器国と定義し、原子力平和利用の権利(第4条)と核不拡散(第1条)・核軍縮交渉(第6条)義務を定めている。

  以後、世界最強の経済力と軍事力を保持する超大国として、「自由と民主主義」の理念を目的もしくは大義名分として冷戦期及びそれ以後の外交をリード
     する事になる。

ソ連との冷戦
第二次大戦後は、連合国として共に戦ったソ連との冷たい戦争が始まった。一時、ジョセフ・マッカーシー上院議員らに主導された赤狩り旋風(マッカーシズム
     が起きるなど、世論を巻き込んで共産主義の打倒を掲げた。
  冷戦においては、ソ連を盟主とした東側諸国共産主義社会主義陣営に対抗する西側諸国資本主義自由主義陣営の盟主として、西ヨーロッパ諸国
     や日本、韓国台湾中華民国)などに経済支援軍事同盟締結などで支援した。朝鮮戦争ベトナム戦争グレナダ侵攻など世界各地の紛争に
     介入している。
  グレナダ侵攻の際は宣戦布告を行わなかった。
  ベトナム戦争ではトンキン湾事件で事実を一部捏造し本格的介入に踏み込んで行った。核兵器の製造競争などもあり、ジョン・F・ケネディ大統領の時に
     ソ連との間でキューバ危機が起こるなど、核戦争の危機も度々発生した。
  冷戦中に「自由と民主主義の保護」の理念を掲げたが、国益追求も一つの目的でもあった。実力行使で理念と矛盾する事態すら引き起こし、ベトナムへの
     介入は西側、東側諸国を問わずに大きな非難を呼び、国内世論の分裂を招いた。「反共産主義」であるという理由だけでアジアラテンアメリカ諸国
     をはじめとする世界の右派軍事独裁政府への支援や軍人に対してもパナマ米州学校で「死の部隊」の訓練を行った。こうして育てられた各国の軍人
     は母国でクーデターを起こし、母国民に対して政治的不安定と貧困をもたらす結果となっていった。
  同時に、大戦の後遺症に苦しむ西欧諸国や日本、韓国、台湾(中華民国政府)など同盟国への支援と安全保障の提供は、経済成長をもたらす一因
     ともなって東側との大きな生活水準格差を生み出し、後に東欧革命の原動力の一つになった

一極支配の弱まりと現在
  2009年に「変革」と「国際協調」を訴えたバラク・オバマ大統領が就任した。オバマは人種差別のさらなる解決や国民皆保険の整備、グリーン・ニューディール
     の政策を通じた金融危機、環境問題、国際情勢の改善に積極的に取り組むことを表明した。オバマが「アメリカは世界の警察をやめる」と宣言してからは
     中華人民共和国ロシアとの新冷戦などといった問題が起きている。
  2017年、ラストベルト地帯における、従来は民主党の支持層であった白人労働者の支持を受けるなどして、「AMERICA FIRST(アメリカ第一)」、
     「Make America Great Again(アメリカを再び大国に)」といったスローガンを掲げて、その並外れた言動から「暴言王」とも称された、実業家出身で
     政治経歴のないドナルド・トランプ大統領が就任した。

  トランプ政権は、環太平洋パートナーシップ協定(通称:TPP)からの撤退表明、駐イスラエル米国大使館のエルサレムへの移転および同国首都としての
     エルサレムの承認、シリアへの空爆、メキシコからの不法移民規制、気候変動抑制に関する多国間協定(通称:パリ協定)からの米国離脱宣言、
     イラン核合意からの離脱、国連人権理事会からの離脱、ホワイトハウス報道官やCIA(中央情報局)長官、国務長官などの相次ぐ政府高官人事の交代、
     朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の第3代最高指導者である金正恩朝鮮労働党委員長との史上初の米朝首脳会談の開催など、内政・外交面ともに
     さまざまな課題に直面している。


米中間における軍事的衝突の潜在的可能性-wikipedia
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米中間における軍事的衝突の潜在的可能性とは、アメリカ合衆国中華人民共和国が、軍事的衝突を発生する潜在的な可能性に対する政治学的議論である。

概要

過去60年にわたり、アメリカの多くの人びとがアメリカと中国が衝突する可能性が大いにあると指摘し、米中間の軍事的衝突の可能性(いわゆる米中戦争)に対する
   議論である。米中間の軍事的衝突の舞台として、過去には朝鮮半島ないしベトナム、現在では台湾海峡が想定される。それぞれ詳細な考察が行われており、
   1960年代ベトナム戦争、冷戦の終結に続き、中国は軍事的優位性及び経済的存在感を増し続けている事を背景にして中国脅威論のひとつとして、米中冷戦が、
   なんらかのきっかけで軍事的衝突に繋がるかに対する危惧があるという潜在的可能性である。現在では主にネオコンといった政治的傾向を持つ識者が
   主張する場合が多い。

過去の議論概要

1950年から1953年朝鮮戦争では、中国はアメリカ軍主体の国連軍による自国の領土への侵略を恐れ、中国と米国の開戦の可能性が最も高まったが、
     実際には中朝国境を越えることは無かった。ただし中国は朝鮮戦争へ「義勇兵」の名目で参戦しており、北朝鮮に対して人的物的援助を与えていた。

   ベトナム戦争の間、毛沢東をはじめとする中国の指導者は、米国のベトナムにおける戦略を大規模な核戦争の序章であると考えていた。1960年代を通して、
     中国人民解放軍海軍空軍は中国の領空を侵犯した米軍機と衝突した。[1]米軍の爆撃機北ベトナムの6つの海軍基地を攻撃した後、1964年8月5日
     周恩来羅瑞卿は北ベトナムのホー・チ・ミン大統領、ファム・ヴァン・ドン首相、軍の幹部であるヴァン・ティエン・ズンと会談し、両国は米国の脅威に
     対抗するため軍事的な協力を行うことを約束した。

   その晩、人民解放軍海軍、空軍及び北京軍区の首脳が集まり、緊急ミーティングを開いた。彼らは北ベトナムでの爆撃が直ちに(米国との)戦争を
     意味するわけではないが、(米軍の軍事的)脅威が増加し広州昆明の軍隊が警戒状態に入る必要があるという結論に達した。

   [2]1965年に調査が行われ、その年の8月24日に発売された朝日新聞は、日本人の半分以上である57%がベトナム戦争が米中戦争へエスカレートすることを
     恐れているという記事を掲載した。しかし、実際には中国とアメリカのリチャード・ニクソンソビエト連邦に対する利害で一致したため、
     1972年ニクソン大統領の中国訪問が行われ、米中国交樹立が図られた。

最近の予測

最近では、多くの人は米中間が台湾独立をしたときに衝突し、日本はその戦争に巻き込まれるだろうと予想している。この戦争で核兵器が使われる
     可能性があるため、米国はEUが中国に対して武器を輸出することに反対している。

   [8] スタンフォード大学のキム・チャンヨン教授は、そのようなシナリオにおいて中国が勝利を収める可能性は15%であり、米国が勝利を収める可能性は23%、
     相互確証破壊の可能性は62%であると推測している。

   [9]近年では、将来危惧される第三次世界大戦の可能性のひとつとして「米中戦争」が論じられることがある。これはジョージ・W・ブッシュ政権で要職にあった
     ネオコンコンドリーザ・ライスリチャード・アーミテージが論文で中華人民共和国が将来的には脅威になるとした中国脅威論を記したほか、それに
     影響された日本の保守論壇の一部が同様の可能性を主張している。これらによれば台湾に対し中国が軍事的制圧を実行する台湾侵攻作戦が米中間
     の軍事的衝突の引金になるというものである。







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