イラン(ペルシャ)


2019.11.6-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191106/k10012165891000.html
「誤った方向への大きな一歩」 米 イランのウラン濃縮再開非難

イランが核合意の制限を破る形で、中部にある核施設でウランの濃縮活動を再開すると発表したことを受けて、アメリカのトランプ政権は「誤った方向への大きな一歩だ」と強く非難し、イランがこうした行動を改めないかぎり最大限圧力をかけ続ける考えを示しました。
イランのロウハニ大統領は5日、イラン核合意の制限を破る形で、中部フォルドゥにある核施設で6日から遠心分離機を稼働させ、ウランの濃縮活動を再開すると発表しました。
  これについてアメリカ国務省のオータガス報道官は5日、声明を出し、「ウラン濃縮活動を拡大することは誤った方向への大きな一歩だと、われわれは明確に言ってきた」と述べ、強く非難しました。
  そのうえで「イランが不安定化させる行動を改めないかぎりイランの体制に対して最大限圧力をかけ続ける」として、経済制裁などを科し続ける考えを示しました。
  トランプ政権は、アメリカとイランの国交断絶のきっかけとなったアメリカ大使館の占拠事件から40年にあたる4日に、イランの最高指導者ハメネイ師の側近ら9人を経済制裁の対象に加えると発表したばかりです。
  トランプ政権としては圧力をかけ続けることでイランを交渉のテーブルに引きずり出し、核合意に代わる新たな合意を結びたい考えですが、イランはアメリカとの交渉を強く拒否していて、先行きは不透明感を増しています。官房長官「できるかぎりの外交努力 続ける」イランが核合意の制限を破る形で、ウランの濃縮活動を再開すると発表したことに関連し、菅官房長官は午前の記者会見で、アメリカとイラン、双方との関係を維持してきた立場を踏まえ、中東地域の緊張緩和に向け、できるかぎりの外交努力を続ける考えを示しました。
  イラン政府は5日、アメリカによる経済制裁に対抗するため、核合意の制限を破る形で、中部にある核施設でウランの濃縮活動を再開すると発表しました。
  これに関連し、菅官房長官は午前の記者会見で「厳しい情勢であればこそ、米国と同盟関係にあり、イランとは長年にわたって良好な関係を維持してきたわが国の役割を果たしていきたい」と述べました。
  そのうえで「これからも粘り強く対話を続け中東地域の緊張緩和、そして平和と安定の実現に向けて、できるかぎりの外交努力を続けていきたい」と述べ、アメリカとイラン、双方との関係を維持してきた立場を踏まえ、中東地域の緊張緩和に向け、できるかぎりの外交努力を続ける考えを示しました。


2019.10.11-朝日新聞」 DEGITAL-https://www.asahi.com/articles/ASM6G3591M6GUHBI01K.html
タンカー攻撃、イラン関与の「映像と写真」 CNN報道

 中東・ホルムズ海峡付近で日本の海運会社・国華(こくか)産業(本社・東京)が運航するタンカーが攻撃を受けた事件で、米CNNは13日、イラン海軍のボートが攻撃を受けたタンカーから、不発に終わった水雷を除去する様子をとらえた映像と写真を米国が入手していると報じた。
 ポンペオ米国務長官はこの日、諜報(ちょうほう)機関の集めた情報により、事件はイランによる犯行だと断定。ただ、詳しい証拠の内容については語らなかった。
 CNNは当局者の話として、イランのボートが攻撃を受けた船に横付けし、「リムペットマイン」と呼ばれる遠隔操作可能な水雷を取り除く様子を米国の軍用機が記録していたと報道した。CNNは記録を確認していないというが、これが、米国側がイランによる犯行だと断定した「証拠」の可能性がある。(ニューヨーク=藤原学思)


2019.9.6-RETURES-https://jp.reuters.com/article/iran-eu-idJPKCN1VQ2WH
イラン、核研究開発の制限撤廃をEUに通告 核合意履行停止第3弾

[ドバイ 6日 ロイター] - イランは6日、2015年核合意で定められた義務の履行を停止する「第3弾」の措置として研究開発の制限を撤廃したことを明らかにした。イラン学生通信(ISNA)が伝えた。
  ISNAによると、イラン外務省のムサビ報道官は「ザリフ外相は欧州連合(EU)の(モゲリーニ)外交安全保障上級代表への書簡で、イランが研究開発活動の制限を全面的に解除したと通告した」と述べた。
  核合意では濃縮ウランの貯蔵量が制限されており、ウラン濃縮活動に使う遠心分離機などの研究開発も制約を受けていた。また、国営テレビによると、イランの原子力エネルギー機構(AEO)は7日、核プログラムを加速させる新たなステップの詳細を明らかにする。


2019.8.5-BBC NEWS JAPAN-https://www.bbc.com/japanese/49231230
イラン、また「外国の石油タンカーを拿捕」 か 国営メディア報じる

イラン国営メディアは5日、イラン政府がペルシャ湾でイラク船籍の石油タンカーを拿捕(だほ)したと報じた。「アラブ諸国に石油を密輸」していたためで、7人の乗組員を拘束したとしている。

これに対しイラク石油省は、拿捕された船とイラクに関係はないと発表した一方、情報を集めていると述べた。
トランプ政権は昨年、2015年のイラン核合意から離脱しイランへの経済制裁を再開。これを受けた米・イランの緊張はペルシャ湾にも飛び火しており、タンカーの拿捕やドローン(小型無人機)の撃墜などが相次いでいる。

今回の報道が確認されれば、イランが最近拿捕した外国船籍は3隻目となる。
イランの沿岸警備隊は7月13日、パナマ船籍の「MTリア」を拿捕。革命防衛隊(IRGC)が運営するメディアによると、警備隊が「組織化された密輸の捜索・対処」のためのパトロールをしている最中に捕まえられたという。
また19日には、ホルムズ海峡でイギリス船籍の石油タンカー「ステナ・インペロ」が漁船と衝突したとして拿捕している。
 イラン国営メディアは5日、イラン政府がペルシャ湾でイラク船籍の石油タンカーを拿捕(だほ)したと報じた。「アラブ諸国に石油を密輸」していたためで、7人の乗組員を拘束したとしている。

これに対しイラク石油省は、拿捕された船とイラクに関係はないと発表した一方、情報を集めていると述べた。
 トランプ政権は昨年、2015年のイラン核合意から離脱しイランへの経済制裁を再開。これを受けた米・イランの緊張はペルシャ湾にも飛び火しており、タンカーの拿捕やドローン(小型無人機)の撃墜などが相次いでいる。今回の報道が確認されれば、イランが最近拿捕した外国船籍は3隻目となる。
イランの沿岸警備隊は7月13日、パナマ船籍の「MTリア」を拿捕。革命防衛隊(IRGC)が運営するメディアによると、警備隊が「組織化された密輸の捜索・対処」のためのパトロールをしている最中に捕まえられたという。

イラン国営ファルス通信によると、今回の拿捕は7月31日にペルシャ湾のファルシ島近くで行われた。IRGCの司令官は、この船は約70万リットルの石油を運んでいたと説明。イラン南西部のブーシェフル港へ寄稿し、当局に引き渡された。報道はこの船がイラク船籍だと伝えているが、7人の乗組員の国籍は明らかになっていない。イラク石油省は国営イラク通信を通じ、拿捕された船とのつながりはないと説明した。
 イラクは声明で、「石油省は国際市場にディーゼル油を輸出していない」と述べた上で、この船がどこに属しているのか、情報収集を行っているとした。
一方でロイター通信によると、イラクの港湾関係者からは、この「小さな船」はイラクの貿易企業傘下の海運会社のものではないかとの情報が出ているという。
BBCのセバスチャン・アッシャー・アラブ問題編集長は、拿捕された船は比較的小型だが、中東地域の緊張を高めることに変わりはないと分析した。
これに対しイラク石油省は、拿捕された船とイラクに関係はないと発表した一方、情報を集めていると述べた。
トランプ政権は昨年、2015年のイラン核合意から離脱しイランへの経済制裁を再開。これを受けた米・イランの緊張はペルシャ湾にも飛び火しており、タンカーの拿捕やドローン(小型無人機)の撃墜などが相次いでいる。


2019.7.20-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/190720/wor1907200002-n1.html
イランが英石油タンカーをペルシャ湾で拿捕

【ロンドン=板東和正、カイロ=佐藤貴生】イランの革命防衛隊は19日、イラン沖のホルムズ海峡で同日午後に英国の石油タンカーを拿捕(だほ)したと発表した。英領ジブラルタル沖で今月上旬、英海兵隊などがイランの大型タンカーを拿捕したことへの報復とも考えられる。トランプ米政権はホルムズ海峡周辺でのタンカー護衛を目的とした有志連合を各国に呼びかけており、同海峡をめぐる緊張が高まっている。
 ロイター通信によると、拿捕されたのは英国のタンカー「ステナ・インペロ」(約3万トン)で、インド人やロシア人ら23人が乗っていた。サウジアラビアに向けて国際水域を航行中、小型船とヘリコプターが近づき、進路変更を迫られたという。運営会社はタンカーと連絡が取れていないことを明らかにした。
 革命防衛隊は、タンカーが国際的な海洋ルールに従わなかったため、航行を止めたと説明している。
 英政府は19日夜、イランによる拿捕を受けて緊急会議を招集し、情報収集を急いでいる。ハント英外相は拿捕について「全く容認できない」と発言。「(イランへの)軍事的選択肢は考慮していない」としながらも、早期に解決しなければ「重大な結果を招く」と警告した。
 トランプ米大統領は19日、記者団に対し、英国と今後の対応を協議する考えを示した。また、「私がイランについて話していることがこれで分かるだろう。イランは厄介者でしかない」と語った。

 英政府はリベリア船籍の別のタンカーもイランに拿捕されたと明らかにした。ただ、国営イラン放送は、このタンカーはイラン沖に北上した後、西に進路を変更したため拿捕はしていないと否定している。 英海兵隊などは4日、イランのタンカーが欧州連合(EU)の制裁に反してシリアに原油を輸送しようとしたとして、ジブラルタル沖で拿捕。英国は11日、イランの小型艇がホルムズ海峡で英タンカーの拿捕を試みたと発表した。19日の拿捕で両国の緊張が度を増すのは必至だ。


2019.7.19-産経新聞-THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/190719/wor1907190030-n1.html
イラン、無人機破壊を否定「米は自分のものを撃ったのでは」

【カイロ=佐藤貴生】イランのアラグチ外務次官は19日、米国がイランの無人機を破壊したと発表したことについて、「私たちはホルムズ海峡でも他の場所でも無人機を失っていない。米艦は誤って自分たちのものを撃ってしまったのではないか、と懸念している」とツイッターに投稿し、米側の主張を否定した。
 イラン陸軍報道官も同日、「すべての無人機は無事に基地に帰還した」と述べた。


2019.7.9-河北新報ONLINE NEWS- https://www.kahoku.co.jp/naigainews/201907/2019070801001825.html
イラン、ウラン濃縮20%以上も 合意停止で超過、米圧力に屈さず

【テヘラン共同】イラン原子力庁報道官は8日、ウラン濃縮度について核合意に定められた上限を超えて4・5%以上になったと明らかにし、合意履行停止の第3段階として、20%以上に高めることも選択肢だと述べた。国営イラン放送などが伝えた。20%濃縮を実行すれば、核兵器級の90%の高濃縮ウラン製造に近づくため、国際社会の強い反発を招くことは必至だ。
 トランプ米政権は7日、対イラン制裁強化の方針を表明したが、イランは圧力に屈しない姿勢を示した。イランは、核合意の段階的な履行停止は合意の規定に基づいた正当な措置であり、合意違反には当たらないとの立場を堅持している。


2019.7.9-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47117650Z00C19A7000000/
ペンス氏「米軍は準備整う」 イランをけん制
【ワシントン=中村亮】

ペンス米副大統領は8日、イランによるウラン濃縮度の引き上げや米国の無人機撃墜に触れて「イランは米国の自制を決断力の欠如と誤解すべきではない」と語り、対抗措置を講じる構えを見せた。「中東地域での国益や米国人を保護するため米軍は準備を整えている」とも強調し、軍事攻撃も排除しない考えを示唆した。ワシントン市内で開いたキリスト教右派のイベントで語った。

米ホワイトハウスによると、トランプ大統領は8日にフランスのマクロン大統領と電話し、イランの核開発阻止に向けた方策を議論した。マクロン氏はイラン核問題について15日までに関係各国による対話再開の条件を探る協議を開くことでイラン側と合意している。協議に向けて米国と意見を擦り合わせた可能性がある。
米欧など6カ国とイランが2015年に結んだ核合意はイランによるウランの濃縮度を3.67%に制限したが、8日には濃縮度が4.5%程度に達したことが明らかになった。ただちに核爆弾の製造にはつながらないとみられるが、米欧は将来的な核開発に向けた動きとみてイランに対する警戒を強めている。

米国のボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)は8日の演説で「イランが核開発計画を断念するまで圧力を強化する」と警告した。英領ジブラルタルの自治政府がイランの大型石油タンカーを拿捕(だほ)したことを評価し「制裁逃れを摘発することはイランの財政力をそぐために重要だ」と強調。「制裁履行に関して同盟国との協力をさらに深める」と説明した。


2019.7.8-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXNASGM0701B_X00C13A4FF2000/
イラン、制裁でインフレ30%超 輸出滞り外貨得られず

核開発問題で国際社会から経済制裁を受けるイランでは、物価上昇率が30%を超すなど制裁の影響が国民生活に広がっている。外貨の獲得手段である日本などへの原油輸出が制裁で細ったため、イラン政府は中国への輸出を増やすなど影響の最小化に躍起だ。
イラン中央銀行が1日発表した物価上昇率は3月までの1年間で31.5%に達した。輸出の停滞で外貨収入が細り、通貨イランリアルは暴落。便乗値上げも見られ、食料品などの価格が高騰した。実勢の物価上昇率はさらに高いとみられる。
米カーネギー国際平和財団などは、核開発に伴うイランの損失は1千億ドル(約9兆7千億円)超に上るとの報告書を公表した。
日本の2月のイラン産原油輸入量は前年同月比32%減った。韓国も落ち込んだが、逆に中国への輸出は81%増えた。隣国トルコは2月、イランへの金の輸出を再開した。イラン産天然ガスの事実上の対価とみられる。
苦しい内情に違いはないが「イラン指導層はまだ制裁に持ちこたえられると判断している」(在中東外交筋)。制裁への抵抗力を高め、米欧の軟化を待つイランの戦術は当面続きそうだ。


2019.7.4-朝日新聞DIGITAL-https://www.asahi.com/articles/ASM742CGZM74UHBI00J.html
トランプ氏「しっぺ返し」を示唆 イランのウラン濃縮に
(ワシントン=渡辺丘)

 トランプ米大統領は3日、イランのロハニ大統領がウランの濃縮度を高めると表明したことについて、「イランよ、脅しには気をつけろ。誰も受けたことのない、手痛いしっぺ返しをくらうだろう」とツイッターに投稿した。何らかの報復措置をとることを示唆したとみられる。
 イランのウランの濃縮度は、2015年の核合意で3・67%以下に制限されている。しかし、ロハニ師は3日、「7日からウランの濃縮度を必要なだけ高めていく」と述べ、米国の対イラン制裁について欧州などが7日までに原油取引の回復など打開策を講じなければ、この制限を破る意向を示した。濃縮度を高めたウランは核兵器の原料になるだけに、米国は強い懸念を示している。
 トランプ氏は「イランに核兵器を持たせない」と繰り返し発言し、イランへqwの経済制裁や軍事的な圧力を強めてきた。イランは1日には、貯蔵する低濃縮ウランが核合意で定められた制限量を超えたと発表した。


2019.7.3-Trt.Net-
https://www.trt.net.tr/japanese/shi-jie/2019/07/04/rouhaniiranda-tong-ling-nong-suo-urannogui-ding-yin-kishang-gewobiao-ming-1229734
ロウハーニー・イラン大統領、濃縮ウランの規定引き上げを表明

ロウハーニー大統領は、テヘランで開催された閣議後に核合意とイランが講じる新たな措置に関して発言した。
核合意の締約国に与えた60日間の猶予が期限を迎える7月7日以降に次の措置を講じると明かしたロウハーニー大統領は、欧州連合(EU)諸国に呼びかけ、
「7月7日から濃縮ウランの規定はもはや3.67パーセントではなくなる。これを3.67パーセント以上に引き上げる。これに関する約束を保留し、望むだけウランを製造する。われわれが望むだけ、必要なだけウランを製造する。もし再び遺憾に思うならどうぞ思えばよいし、声明を出すならどうぞ出せばよい」と述べた。
EU諸国が7月7日以降に核合意上の約束を履行しない場合、アラークにある原子炉も合意前の状態にすると語ったロウハーニー大統領は、欧米諸国に語りかけ、「もしEU諸国が期限内に約束を履行しないなら、アラークにある原子炉も昔の状態にする。もし欧米がアラーク原子炉に関する約束を履行しないならば、これらの諸国が危険だと言ったプルトニウムも製造できる状態に戻る。もし欧米諸国がアラークに関する約束をすべて履行すれば、これらの措置は講じない」と述べた。

アメリカとEUに呼びかけたロウハーニー大統領は、「アメリカとEUへの提案はこうである。論理、交渉の席、法律、国連安全保障理事会決議に戻りなさい。この条件下で皆一緒に核合意を適用しよう。相手が核合意に忠実である限り、われわれも忠実である。相手が100パーセント適用すれば、われわれも核合意を100パーセント適用する」と述べた。
ロウハーニー大統領はまた、ドイツ、フランス、イギリスが導入した決済メカニズムINSTEXも批判し、「これは中身のない窓口機関である」と述べた。 


2019.6.25-THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/190625/wor1906250022-n1.html
収奪した富でミサイル開発・武装勢力支援 ハメネイ師制裁対象に

【カイロ=佐藤貴生】トランプ米政権が金融制裁を科すと発表したイランの最高指導者ハメネイ師は、国内に広範な蓄財システムを持ち、巨額の資金を隠してきたといわれる。対外工作などを担う精鋭の革命防衛隊とともに国内のカネを吸い上げ、核・ミサイル開発や周辺国・地域の武装勢力に対する支援に使ってきた可能性がある。
 ロイター通信が2013年に発表したリポートによると、初代最高指導者ホメイニ師の名を冠した「EIKO」と称するイラン国内の団体は、組織的な土地収奪により、当時で950億ドル(約10兆2千億円)相当の資産を保有。この「経済帝国」はハメネイ師が一元管理しているという。米財務省は同年、この団体を制裁対象に指定した。
 一方、ハメネイ師が直轄する革命防衛隊の傘下企業は、イラン国内の通信関連の市場をほぼ独占し、石油化学で3分の1、金融で15~20%のシェアを有する。傘下の銀行から複数のフロント企業などを経由して資金の流れを複雑化した上で、レバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラや、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスなどに資金を供給してきた可能性が強い。
 革命防衛隊はハメネイ師が最高指導者に就任した1989年以降、イラン・イラク戦争で疲弊した国の再建のため、経済分野への進出が顕著になったとされる。ハメネイ師の下で肥大化し続け、革命体制の存続に邁進してきた格好だ。
 今回の制裁で、最高指導者の資産への監視が強化されることになる。しかし、ハメネイ師の資産が国外にも分散されているのか、どのような形で保有しているのかなど、実態は謎に包まれており、どの程度の打撃となるかは明らかではない。
 イラン指導部にすれば、米国が本格的な軍事攻撃に踏み切れば革命体制そのものが揺らぐ可能性も否定できない。資金が細ったとしても、核・ミサイル開発と周辺国への影響力保持という戦略はあらゆる手を尽くして継続するとみられる。


2019.6.24-BBC NEWS JAPAN-https://www.bbc.com/japanese/48740910
米がイラン軍にサイバー攻撃か、偵察機撃墜の報復で 米メディア

イランによる米軍偵察機の撃墜をめぐり、アメリカが20日、イラン軍のミサイルシステムなどに対しサイバー攻撃を行なっていたと、
     複数の米メディアが報じた。米紙ワシントン・ポストによると、このサイバー攻撃により、ロケット弾やミサイルの発射装置を制御するイラン軍
     のコンピュータ・システムが無効になったという。
  米軍の偵察ドローン(小型無人機)撃墜に加え、アメリカは中東のオマーン湾で13日に起きたタンカー2隻が爆発した事件はイランによるもの
     としており、その報復だと、米紙ニューヨーク・タイムズは報じている。イラン軍のシステムが受けた影響については確認は取れていない。
  アメリカはイランに対し、24日に追加制裁を科すと表明しており、ドナルド・トランプ米大統領は「大規模」なものになるとしている。
     トランプ大統領は制裁について、イランが核兵器を保有することを阻止するために必要だと主張。イランが方向転換しない限り、経済的圧力は
     継続していくとしている。
  イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相との会談のためエルサレムを訪問中のジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、追加制裁
     の詳細は24日に公表される見通しだと述べた。誰もイランに対し「中東を好き勝手にしていいという狩猟免許」は与えていないと、
     ボルトン氏は付け加えた。

高まる米・イランの緊張
昨年5月にアメリカがイラン核合意から離脱して以降、米・イランの緊張は高まっている。トランプ大統領は同年11月、イランへの制裁を再開し、同国の経済破綻を引き起こした。
イランは17日、同国の低濃縮ウランの貯蔵量が、核合意で定められた上限を6月27日に超過すると発表した。
トランプ大統領はイランとの戦争は望んでいないとしているものの、仮に衝突が起きた場合、イランは「消滅」の危機に直面するだろうと警告した。

サイバー攻撃の目的

複数の情報筋が米メディアに述べたところによると、今回のサイバー攻撃は数週間前から予定されていたもので、オマーン湾でのタンカー爆発事件への報復手段として提案されたという。
攻撃の標的はイランの精鋭部隊、革命防衛隊(IRGC)が使う兵器システムだった。IRGCは米軍偵察機を撃墜したほか、タンカー爆破に関与したと米政府は主張している。
ワシントン・ポストとAP通信は、サイバー攻撃はIRGCのシステムを無効化したと報じている。ニューヨーク・タイムズによると、システムを一定期間オフライン化する狙いがあったという。
米国土安全保障省は22日、イランはアメリカに対するサイバー攻撃を強化していると警告した。
同省のサイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)のクリストファー・クレブス長官は、米企業や米政府機関に対する「悪意あるサイバー行為」がイラン政府のプロキシを経由して行われていると述べた。

クレブス長官によると、イランは「破壊的な『ワイパー型』攻撃」を使い、「特定の組織や人物を狙うスピアフィッシング攻撃や、不正ログインを狙ったパスワードスプレー攻撃、ユーザーアカウント情報の流用を悪用して自動で様々な不正アクセスを試みるクレデンシャルスタッフィング攻撃(パスワードリスト型攻撃)」といった方法でネットワーク全体を支配しようとしているという。イランは米海軍艦艇のコンピューターシステムもハッキングしようとしていると、ワシントン・ポストは報じている。

トランプ大統領の主張
今回のサイバー攻撃について、トランプ大統領はコメントしていない。大統領は21日、ツイッターで、イランによる米軍偵察機撃墜への報復爆撃を取りやめていたと明かした。理由については、報復爆撃を行なった場合、150人のイラン人が死亡する可能性があると説明を受けたからだとしている。


2019.6.22-REUTERS-https://jp.reuters.com/article/trump-cancels-iran-attack-out-of-humania-idJPKCN1TM2AV
イラン攻撃承認、10分前に撤回 米大統領「人的被害を考慮」

[ワシントン 21日 ロイター] - トランプ米大統領は21日、イランによる米軍の無人偵察機撃墜に対する報復措置として軍事攻撃を承認したものの、その後撤回したことについて、軍事攻撃は無人偵察機の撃墜に対する報復措置としては釣り合いが取れないと判断したためだと説明した。

トランプ大統領は「昨晩、3カ所に対する報復攻撃を実施する準備を整えていたが、(イラン側で)何人が死亡する可能性があるのかと質問したところ、150人との答えが返ってきた」とし、「攻撃開始の10分前に中止を決めた。無人偵察機の撃墜に対する報復措置として(軍事攻撃は)不釣合いだ。急ぐことはない」とツイッターに投稿した。
その上で、イランに対する制裁措置は効果を発揮しており、20日夜に追加制裁を導入したと表明。ただ詳細については明らかにしなかった。
トランプ政権高官によると、ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)やポンペオ国務長官、ハスペル米中央情報局(CIA)長官らが報復攻撃に賛成したという。高官は「大統領補佐官らや国防総省首脳部の間で、イランの活動に対する適切な対応を巡り完全に意見が一致していた。大統領が最終決断を下した」と話した。
イラン当局者はロイターに対し、オマーンを通じてトランプ大統領から米軍による攻撃が近く実施されるとの警告を受けたことを明らかにしていた。ただトランプ氏は同時に、戦争には反対しており、協議を行う意向も示したという。
あるイラン政府当局者は匿名を条件に「トランプ(大統領)は、このメッセージでイランとの戦争に反対しており、様々な問題についてイランと協議したいと述べている。短期間で返答するよう求めているが、この問題について決めるのは最高指導者ハメネイ師だというのが、イランの現時点での返答だ」と発言した。

別の当局者は「われわれは(ハメネイ師が)いかなる協議にも反対していることを明確にしているが、メッセージは伝える。ただし、オマーン当局には、イランを攻撃すれば地域や国際社会に重大な結果を招くと伝えた」と述べた。

米NBCのチャック・トッド記者は、報道番組「ミート・ザ・プレス」でのトランプ大統領とのインタビュー後、トランプ氏がイランとの交渉に前提条件を一切設けず、ロウハニ大統領か最高指導者のハメネイ師と話し合う意向を示したと伝えた。
トランプ大統領の突然の決断は、ワシントンでさまざまな反応を呼んだ。尻込み批判の一方、抑制を評価する声も上がった。
ペロシ下院議長(民主党)は記者団に「あの規模の巻き添え被害を伴う攻撃を行えば、かなり挑発的とみなされるだろう。大統領がそうした選択をしなかったことをうれしく思う」と述べた。
米国が当面、外交的手段の模索に意欲を示す兆候も出ている。外交筋らによると、米国は国連安全保障理事会に24日の非公開会合招集を求めたという。
トランプ大統領は20日、イランが米軍の無人偵察機を撃墜したことについて「誤射」によるものとの見方を示していた。


2019.6.21-BBC NEWS JAPAN-https://www.bbc.com/japanese/48715271
トランプ氏、米ドローン撃墜は「大きな間違い」 イランは領空侵犯を主張

中東ホルムズ海峡付近の上空でイラン革命防衛隊が米軍の偵察ドローン(小型無人機)を撃墜した問題で、ドナルド・トランプ米大統領は20日、イランが「とても大きな間違いを犯した」と述べた。イランは米軍がイランの領空を侵犯したと主張している。
トランプ氏はその一方で、「意図的だとは信じがたい」と述べ、人為ミスの可能性もあると表明。
「たぶんイランは間違いを犯したのだと思う。将軍か誰かがが間違ってドローンを撃墜したのだろう」、「気ままで間抜けな人だったのかもしれない」と述べた。
米軍のドローンをめぐっては、イラン革命防衛隊が20日、イラン南部ホルモズガン州のクモバラク付近の上空で撃墜したと発表。同国のジャヴァド・ザリフ外相は、「撃墜があったイラン領海で」ドローンの一部を回収したとし、ドローンはアラブ首長国連邦(UAE)から「ステルスモード」で飛びたっていたと述べた。

中東地域を管轄する米中央軍も同日、米海軍の偵察機がイランの地対空ミサイルによって撃ち落されたと発表。撃墜時は、ホルムズ海峡付近の国際水域の上空を飛行していたとし、「イラン上空を飛んでいたというイランの説明はうそだ」(米海軍報道官)と主張している。

トランプ氏はホワイトハウスで記者団に、ドローンの撃墜を「厄介なことがまた新しく加わった」と表現。ドローンはイラン領空ではなく、国際水域の上空を飛んでいたと述べた。

「露骨な国際法違反」
一方、イランはドローンがイランの領空を侵犯したと主張している。
ジャヴァド・ザリフ外相は、アメリカが「我々の領空を侵犯している」とする訴えを国連に持ち込む考えを表明。
マジド・タフテ・ラヴァンチ国連大使は、イランは戦争を望んではいないが、敵対的な行為に対しては領空を防衛する権利があるとする書簡を国連事務総長に送った。ラヴァンチ氏は、ドローンは露骨に国際法に違反し、明らかにスパイ活動をしていたと主張した。

他国の反応は
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、アメリカとイランが戦争になれば「予想不可能な結果による大惨事」となるだろうと警告している。
国連のアントニオ・グテレス事務総長は、すべての関係者に最大限の抑制を求めた。
サウジアラビアのアデル・アル・ジュベイル外相はBBCに、イランの行為は「受け入れられない」ことを、同国に伝えようとしてきたと説明。「誰も戦争になってほしくない。だが、イランのこのような暴挙を認めるわけにはいかない。イランの関与を示す証拠はとても説得力がある。彼らはやると言っていたが、まさに今やっている」と述べた。
ドローン撃墜を受け、原油価格は前日比で5%近く跳ね上がった。
米ユナイテッド航空は、イラン上空を飛行する米ニューアーク発インド・ムンバイ行きの便を、「安全と治安面を慎重に検討」した結果、運航中止にした。

アメリカ国内では
米野党・民主党の幹部、ナンシー・ペロシ下院議長は、アメリカはイランと戦争をする気はないと表明した。次期大統領選の民主党候補指名争いで最有力のジョー・バイデン前副大統領は、トランプ氏の対イラン戦略を「自ら災難を引き起こすもの」と批判した。
チャック・シューマー上院院内総務(民主党)は、「大統領は戦争を意図していないのかもしれないが、大統領とその政権がへまをして戦争に突入することを心配している」とコメント。与党・共和党のケヴィン・マカーシー下院院内総務は、「慎重な対応」を求めた。


2016.6.14-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190613/k10011951651000.html?utm_int=detail_contents_news-related_001
安倍首相 イラン訪問終え帰国2019年6月14日 19時27分

アメリカとイランの対立で中東情勢が緊迫する中、イランを訪れていた安倍総理大臣はロウハニ大統領や最高指導者のハメネイ師との会談など一連の日程を終え、14日朝、政府専用機で帰国しました。

このうち、ロウハニ大統領との首脳会談で安倍総理大臣は、緊張緩和に向けた建設的な対応を働きかけたのに対し、ロウハニ大統領は「イランとしても戦争は望んでいない」と述べ、日本の取り組みを歓迎する意向を示しました。

また国政の実権を事実上、掌握しているハメネイ師との初めての会談で安倍総理大臣は、イランをめぐる核合意を支持する考えを伝え、核合意の着実な履行に期待を示したのに対し、ハメネイ師は核兵器の製造や保有を目指す意図はないという考えを示しました。

一連の日程を終えた安倍総理大臣は14日午前7時20分すぎ、政府専用機で羽田空港に到着しました。

安倍総理大臣は今後、トランプ大統領に今回の結果を説明するための電話会談の調整をするほか、今月末のG20大阪サミット、それにことしの経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる「骨太の方針」の閣議決定に向け準備を加速するものと見られます。

中東メディアの反応は?

今回の安倍総理大臣のイラン訪問について、中東のメディアは会談の中で、イラン側が核兵器を製造する意志がないと表明したことやアメリカとの対話を拒否する姿勢を示したことなどを挙げて大きく伝えています。

カタールの衛星テレビ局、アルジャジーラは「ハメネイ師は核兵器の製造や保有、使用の意図がないと安倍総理大臣に約束した」としてこの発言を評価しました。

その一方で、「ハメネイ師はアメリカとは交渉せず、トランプ大統領はメッセージを送る価値もないと発言した。緊張緩和のために訪れたという安倍総理にとっては、一撃をくらわされたようなのものだろう」として、アメリカとの仲介役を目指した日本にとっては厳しい結果になったと伝えています。

また、イランと敵対するイスラエルの英字紙エルサレム・ポストは、アメリカが制裁を科す中でも、一連の会談では中東地域の安定のほか、洪水被害に対する支援など、広範な話し合いが行われたことを紹介したうえで、「今回の訪問はイランを責任ある普通の国のように見せるという外交実績になったという点で、イランの勝利だ」と伝え、今回の訪問はイランにとって利益になったという見方を伝えています。

安倍首相「粘り強く役割果たす」
安倍総理大臣は14日夕方、自民党の会合に出席し、「けさイランから帰国したが、アメリカとの緊張が高まる中、なんとか緊張緩和に向けて、できるかぎりのことをしたいという思いで訪問したところだ。もとより、そう簡単なことではなく、さまざまな困難が伴うが、何としても粘り強く『絶対に武力衝突があってはならない』との思いで、日本の役割をこれからも重ねていきたいと決意している」と述べました。


2019.6.13-朝日新聞-https://www.asahi.com/articles/ASM6F1TLZM6FUTFK001.html
イラン、緊張緩和へ意欲 安倍首相は米への歩み寄り促す
(テヘラン=伊沢友之、小野甲太郎、杉崎慎弥)

安倍晋三首相は12日夜(日本時間12日深夜)、テヘランでイランのロハニ大統領と会談した。会談後の共同記者発表でロハニ師は、米国による
     経済制裁の緩和を条件に、外交努力による事態打開に意欲を示した。首相は米・イラン両国を念頭に「お互いが努力しなければならない」と述べ、
      歩み寄りを促した。

  米国が昨年5月、核合意から離脱して経済制裁を復活させたことに対し、イランは核合意の履行の一部停止を打ち出すなど反発。米国は原子力空母
     を派遣するなど、周辺国を巻き込み中東情勢は緊迫している。

  記者会見でロハニ師は、「我々は米国との戦争を望んでいない。だが、攻撃を受ければ断固たる措置をとる」と強調。一方で、「地域の緊張は米国による
     経済戦争が理由だが、それが終わればいつでも地域と世界にとって肯定的な進展が待ち受けている」と会談で主張したと明らかにした。 また、
     ロハニ師は「首相が今後の見通しについて楽観的な考えを示し、前向きな展開が進行中だと述べた」と述べ、緊張緩和を促す首相の姿勢を歓迎した。
     会談は河野太郎外相、谷内正太郎国家安全保障局長らが出席した少人数会合と、参加者を拡大した会合の2部構成。予定の倍近くの
     約2時間10分に及んだ。
  日本政府によると、少人数会談の冒頭、首相は「軍事衝突は誰も望んでいない。緊張緩和を働きかけるためにこのタイミングで訪問した」と伝えた。
     イランの核合意維持の方針についても評価した。

  記者発表で首相は「何としても武力衝突は避ける必要がある」と自制を求めた。米国の名前は挙げなかったものの、米・イラン両国を念頭に
     「かなり忍耐のいる努力だと思うが、それでも中東地域、世界の平和のために、やり遂げなければならない」と歩み寄る必要性を強調。
     「緊張緩和に向け、日本としてできる限りの役割を果たしていきたい」と述べた。
  首相は13日午前(同13日午後)、イランの最高指導者ハメネイ師と日本の首相として初めて会談する。国政の最終決定権を握り、大統領を上回る
     権限を持つハメネイ師に、事態打開を働きかけるとみられる。首相は記者発表で「ハメネイ師が核兵器などの大量破壊兵器はイスラムに反する
     とのファトワ(宗教見解)を表明していることに、深い敬意を表する」と言及した。(テヘラン=伊沢友之、小野甲太郎、杉崎慎弥)


2019/5/25 1:39 (2019/5/25 8:10更新)-日本経済新聞(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45265520V20C19A5000000/
米軍、中東に1500人増派へ-イランの脅威に対応

【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領は24日、イランの脅威に対応するため約1500人の米兵を中東に追加派遣すると発表した。トランプ氏は
     「おおむね防御的な措置だ」と説明したが、イランが反発するのは確実で偶発的な軍事衝突のリスクが高まる可能性がある。
  国防総省によると、追加派遣する米兵は地対空ミサイル「パトリオット」や情報収集に向けた無人偵察機の運用などにあたる。シャナハン国防長官代行
     は声明で「(イランによる)将来の敵対行為の可能性を減らす」と狙いを語った。
  1500人の中には、中東地域に派遣済みで任期を延長する600人が含まれる。米メディアは国防総省が5000~1万人の派遣を検討していると報じていた。
  国防総省高官はアラブ首長国連邦(UAE)沖の商船への破壊行為や、サウジアラビアの石油パイプラインへの攻撃について「極めて高い確証を持って
     イランが関与したと言える」と語った。イランの関与を判断する証拠は示さなかった。

  トランプ氏は24日、「イランが我々との戦いを望んでいるとは思わない」と語った。増派しつつも軍事衝突を避けたい意向がにじむ。ポンペオ国務長官
     は米・イランの外交折衝の調整役を担うスイスを近く訪問する予定で、対話のきっかけを探る可能性がある。
  トランプ政権は5月上旬、イランの脅威が高まっているとして、原子力空母や戦略爆撃機をペルシャ湾付近に派遣することを決めた。イランは核合意履行
     の一部停止を表明するなど、米国の圧力に屈しない姿勢を示して緊張関係が続いている。


2019.5.25-ReutersNews(https://jp.reuters.com/article/usa-iran-military-idJPKCN1SU21M)
米、中東へ1500人増派 「イランにタンカー攻撃の責任」

 トランプ米大統領は24日、中東地域に米兵約1500人を追加派遣すると表明した。軍幹部のマイケル・ギルデー氏はアラブ首長国連邦(UAE)沖で
     今月起きた石油タンカー攻撃について、イランの「イスラム革命防衛隊(IRGC)」に直接責任があると非難した。

  ギルデー氏は、攻撃に使われたとされる吸着型機雷がIRGCに直接関連しているとの見方を示した。また、地域内で脅威を及ぼすイランの新たな
     「作戦」の存在が、情報収集で浮かび上がったとした。
  大統領は訪日のためホワイトハウスをたつ際に、「中東で(部隊を)保護することが望ましいと判断し、比較的少数の部隊を派遣することにした。
     大半が防御的な人員だ」と語った。

  イランとの緊張激化回避を意識して、国防総省の当局者らは増派の防御的側面を強調し、イラクやシリアなどの紛争地域に向かわせないと説明した。
     派遣規模は、エジプトからアフガニスタンにわたる地域内に現在駐留する米兵(約7万人)と比べ比較的小さい。さらに、「追加」派遣要員
     1500人中約600人はすでに中東に展開中で、駐留期間を延長する。地対空ミサイルシステム「パトリオット」などを扱う。
  大統領は 「現在、イランが戦争を望んでいるとは思えないし、われわれを相手に戦う意欲があるとは間違いなく考えられない」と指摘。
     イラン側は核兵器を持てないということを理解しているとした。

大統領は20日、イランが中東における米国の国益に対して攻撃を仕掛ければ、イランは「大きな報い」を受けることになると警告した。


2019.5.14(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190514-00000017-reut-asia)
UAE沖の石油タンカー攻撃、イランが実行の可能性=米当局者

 [ワシントン 13日 ロイター] - サウジアラビアの石油タンカーがアラブ首長国連邦(UAE)沖で攻撃を受けた事件で、米当局者は13日、イランが実行した
    疑いが強いが、決定的な証拠がないと明らかにした。
 サウジアラビアのファリハ・エネルギー相は、同国の石油タンカー2隻が12日、アラブ首長国連邦(UAE)フジャイラの沖合いで「意図的な妨害行為」の標的
    になったと明らかにした。国営サウジ通信社(SPA)が同エネルギー相の声明を伝えた。またUAEの外務省は、商業船4隻がUAEの領海近くで
    妨害行為の標的になったと発表した。 
 情報活動に詳しい米当局者は、イランの手口に合致するとして同国が関与した可能性を指摘した。


2019.5.17-JIJI COM-(https://www.jiji.com/jc/article?k=2019051700235&g=int&utm_source=jijicom&utm_medium=referral&utm_campaign=jijicom_auto_aja)
トランプ氏、対イラン戦争望まず=国防長官代行に伝える-米紙

 【ワシントン時事】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は16日、トランプ大統領が15日にホワイトハウスで行われた会合でシャナハン国防長官代行に、
   イランとの戦争を望まない考えを伝えたと報じた。中東への米空母派遣などで米イラン間の緊張が高まる中、圧力強化を軍事衝突に発展させないよう
   側近にくぎを刺す狙いとみられる。
 米国は、ミサイルを搭載した小型船がペルシャ湾上を航行しているとして、イランや親イラン勢力による米軍などへの攻撃に警戒態勢を強化。空母や
   戦略爆撃機を中東に派遣し、イランの隣国イラクの米大使館の人員を一部退去させた。]


2019.5.15-JIJI COM-(https://www.jiji.com/jc/article?k=2019051600742&g=int)
トランプ米大統領は強硬路線に不満=対イラン、ボルトン氏推進-米紙

 【ワシントン時事】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は15日、中東への空母派遣など対イラン強硬策を進めるボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)
   らに対し、「トランプ大統領が不満を抱いている」と報じた。米・イラン間の緊張の高まりが軍事衝突につながると危惧する声も出ており、トランプ氏は
   外交解決を望み、イラン指導部と直接交渉したいと考えているという

 トランプ氏は、泥沼化したイラク戦争(2003年開戦)を「避けられた大失策」と批判し、中東の米軍撤収を目指してきた経緯がある。ポスト紙は「トランプ氏
   は新たな戦争に巻き込まれるのを懸念しており、より好戦的な補佐官らの姿勢に対する強力な重しになっている」と指摘した。



イスラム革命防衛隊
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イスラム革命防衛隊は、イランの軍隊組織の一つ。

イラン・イスラム革命後、旧帝政への忠誠心が未だ残っていると革命政権側から疑念を抱かれた正規軍であるイラン・イスラム共和国軍への平衡力として、アーヤトッラー・ホメイニーの命令により、1979年5月5日に創設された。正規軍とは別に独自の陸海空軍、情報部、特殊部隊ゴドス軍、後述)、弾道ミサイル部隊等を有し、戦時には最大百万人単位で大量動員できる民兵部隊「バスィージ」も管轄している。さらに多数の系列企業を持っている(建設・不動産や石油事業を営む複合企業ハタム・アルアンビアなど
革命防衛隊は国防省ではなく革命防衛隊省の統制下にある。当初、隊の任務は名前通り革命を防衛し、イスラムのシャリーアと道徳の執行において法学者を援助することとされ、法学者に直属する組織として計画された。12人の議員から成る革命会議は、3万人の隊員を指揮し、革命防衛隊総司令官には、アーヤトッラー・ラフティ、その参謀長には、ハーシェミー・ラフサンジャーニーとゴラームアリー・アフロウズが任命された。
この控えめな始まりから、革命防衛隊は次第に勢力を拡大し、イラン・イラク戦争中の1986年には隊員数は35万人にまで膨れ上がり、海・空軍組織をも獲得し、正規軍と並立した軍事組織として整えられた。総司令官は、2007年9月1日に前任のヤフヤー・ラヒーム・サファヴィーen:Yahya Rahim Safavi)からモハンマドアリー・ジャアファリーに引き継がれた[4]。2019年4月21日は、ジャアファリーの後任としてホセイン・サラミが最高指導者アリー・ハーメネイーにより任命された
英語圏での多くのメディアでは「Islamic Revolutionary Guards」または単に「Revolutionary Guards」と呼ばれている。アメリカ合衆国のメディアでは Revolutionary Guard Corps(IRGC)」、イギリスでは「Iranian Revolutionary Guard(IRG)」と呼ばれる。日本では「革命防衛隊」または「パスダラン」と呼ばれており、イラン・イラク戦争に関する資料やイラン近辺の事態を扱ったフィクションに使われている。

規模
  革命防衛隊:約12万5,000人陸軍:約10万人
     空軍:4,000〜5,000人
     海軍:約2万人(うち海兵隊:5,000人)
     艦艇:フリゲート3隻、コルベット2隻、小型艇1,500艇ほど特殊作戦部隊(クアトアル・ゴドス):約1万5,000人
     民兵・義勇兵部隊「バスィージ」正規将兵:約9万人
     予備役将兵:約30万人
     戦時には1,100万人程度まで拡大できる余地がある。
  (イランの正規軍の規模)
     総兵力:約42万人
     陸軍:約35万人
     海軍:約1万8,000人(含む海兵隊2,600人)
     空軍:約5万2,000
装備については不明な部分が多いが、保有を伝えられる兵器は、イスラム革命前に親密な関係だった米国や欧州諸国製、反米に転じた革命後に関係を深めた旧ソ連・ロシア製、中国製、北朝鮮製、国産が混在している。

航空機部隊を率いるハジザデ司令官は2016年10月1日、爆撃能力も持つ無人航空機サーエゲの量産に成功したと発表した。2011年に領空侵犯したアメリカ製無人偵察機RQ-170 センチネルハッキングして鹵獲し、技術を転用したとしている[6]。無人航空機部隊は、イランが軍事介入しているシリア内戦やシリアからの対イスラエル攻撃に実戦投入されている

弾道ミサイル部隊
SRBM(短距離弾道ミサイル)1〜2個旅団、MRBM(中距離弾道ミサイル)2個旅団程度などを保有しているとみられる。
   ・シャハーブ1英語版(射程:300km、スカッドB 北朝鮮から購入)50~300発保有
   ・シャハーブ2英語版(射程:500km、スカッドC 北朝鮮との共同制作)50~150発保有
   ・シャハーブ3(射程:1,300〜2,500km、北朝鮮のノドンからコピーで3,3A,3Bと複数のタイプがある)最大で48発保有
シャハーブ1と2で12~18基の発射機、シャハーブ3用の発射機6基を保有していると思われる。これらの弾道ミサイルを先制攻撃や反撃から守る地下基地を各地に建設している

2017年6月7日に首都テヘランで発生したテロ事件への報復として、革命防衛隊は6月18日、シリア北東部デリゾール県にある「テロリストの拠点」に弾道ミサイル6発を撃ち込んだ。攻撃はイラン西部のケルマンシャー州クルディスタン州から、移動式発射台で行われた。新型ミサイル「ゾルファガール」(射程750km)と「ギヤーム」(射程800km)が投入された。「ゾルファガール」などによるシリア領内のイスラム教スンニ派武装組織への弾道ミサイル攻撃は2018年10月1日にも行われた


イラン
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イラン・イスラム共和国、通称イランは、西アジア中東イスラム共和制国家ペルシアペルシャともいう。人口は8千1百万人を超え、
     その多さは世界で18位である。1,648,195 平方キロメートル(km2 )の総面積は、中東で2番目に大きく、世界では17位である。
     北西にアルメニアアゼルバイジャン、北にカスピ海、北東にトルクメニスタン、東にアフガニスタンパキスタン、南にペルシア湾オマーン湾
     西にトルコイラク (クルディスタン) と境を接する。
  また、ペルシア湾を挟んでクウェートサウジアラビアバーレーンカタールアラブ首長国連邦に面する。同国はユーラシアと西アジアの中心に位置し、
     ホルムズ海峡に面するため、地政学的に重要な場所にある。首都であるテヘランは同国の最も大きな都市であり,経済と文化の中心地でもある。
  1979年ルーホッラー・ホメイニー師によるイラン・イスラーム革命により、宗教上の最高指導者が国の最高権力を持つイスラム共和制を樹立しており、
     シーア派イスラーム国教である。世界有数の石油の産出地でもある。
  イランには文化的な遺産が多く存在し、ユネスコの世界遺産には22個登録されている。これはアジアでは3番目、世界では11番目に多い。
     多くの民族言語が存在する多文化国家であり、主要な民族の構成は
     ペルシア人(61%)、アゼルバイジャン人(35%)、クルド人(10%)、ロル族(6%)である。

シャーの独裁的統治は1979年イラン・イスラーム革命に繋がり、パフラヴィー朝の帝政は倒れ、新たにアーヤトッラー・ホメイニーの下でイスラム共和制
     を採用するイラン・イスラーム共和国が樹立された。新たなイスラーム政治制度は、先例のないウラマー(イスラーム法学者)による直接統治の
     システムを導入するとともに、伝統的イスラームに基づく社会改革が行われた。
  これはペレティエ『クルド民族』に拠れば同性愛者を含む性的少数者や非イスラーム教徒への迫害を含むものだった。また打倒したシャーへの支持
     に対する反感により対外的には反欧米的姿勢を持ち、特に対アメリカ関係では、1979年アメリカ大使館人質事件革命の輸出政策、
     レバノンヒズボッラー(ヒズボラ)、パレスチナハマースなどのイスラエルの打倒を目ざすイスラーム主義武装組織への支援によって、非常に
     緊張したものとなった。
  革命による混乱が続く1980年には隣国イラクサッダーム・フセイン大統領がアルジェ合意を破棄してイラン南部のフーゼスターン州に侵攻し、
     イラン・イラク戦争が勃発した。この破壊的な戦争イラン・コントラ事件などの国際社会の意向を巻き込みつつ、1988年まで続いた。
  国政上の改革派と保守派の争いは、選挙を通じて今日まで続くものである。保守派候補マフムード・アフマディーネジャードが勝利した
     2005年の大統領選挙でもこの点が欧米メディアに注目された。
  2013年6月に実施されたイラン大統領選挙では、保守穏健派のハサン・ロウハーニーが勝利し、2013年8月3日に第7代イラン・イスラーム共和国大統領
     に就任した。

法学者の統治
 イランの政治制度の特徴は、何といっても「法学者の統治」である[32]。これは、イスラーム法学者の解釈するイスラームが絶対的なものであることを
     前提とし、現実にイスラーム法が実施されているかを監督・指揮する権限を、イスラーム法学者が持つことを保障する制度である。この制度は、
     シーア派イスラームならではの制度といってよい。イランはシーア派のなかでも「十二イマーム派」に属するが、一般にシーア派の教義では「イマーム」
     こそが預言者の後継者として、「イスラームの外面的・内面的要素を教徒に教え広める宗教的統率者」としての役割を担うとされている[33]
     シーア派はイジュティハードの権限を持つイスラーム法学者を一般大衆とは区別し、この解釈権を持つイスラーム法学者(モジュタヒド)に確固とした
     政治的・宗教的地位を与えている。モジュタヒドの最高位にあるのが、「マルジャエ・タグリード」であり、1978年から1979年のイラン・イスラーム革成就
     によって、ホメイニー師自ら「マルジャエ・タグリード」となって、イランの最高指導者となった。
最高指導者
 ヴェラーヤテ・ファギーフペルシア語版英語版法学者の統治)の概念はイランの政治体制を構成する上で重要な概念となっている。憲法の規定によると、
    最高指導者は「イラン・イスラーム共和国の全般的政策・方針の決定と監督について責任を負う」とされる。単独の最高指導者が不在の場合は複数
    の宗教指導者によって構成される合議体が最高指導者の職責を担う。最高指導者は行政司法立法三権の上に立ち、
    最高指導者は軍の最高司令官であり、イスラーム共和国の諜報機関および治安機関を統轄する。宣戦布告の権限は最高指導者のみに与えられる。
    ほかに最高司法権長、国営ラジオ・テレビ局総裁、イスラーム革命防衛隊総司令官の任免権をもち、監督者評議会を構成する12人の議員
    のうち6人を指名する権限がある。最高指導者(または最高指導会議)は、その法学上の資格と社会から受ける尊敬の念の度合いによって、
    専門家会議が選出する。終身制で任期はない。現在の最高指導者はアリー・ハーメネイー
大統領
 大統領は最高指導者の専権事項以外で、執行機関たる行政府の長として憲法に従って政策を執行する。法令により大統領選立候補者は選挙運動以前
    に監督者評議会による審査と承認が必要で、国民による直接普通選挙の結果、絶対多数票を集めた者が大統領に選出される。任期は4年。再選
    は可能だが連続3選は禁止されている。
 大統領は就任後閣僚を指名し、閣議を主宰し行政を監督、政策を調整して議会に法案を提出する。
 大統領および8人の副大統領と21人の閣僚で閣僚評議会(閣議)が形成される。副大統領、大臣は就任に当たって議会の承認が必要である。
    首相職は1989年憲法改正により廃止された。またイランの場合、行政府は軍を統括しない。

議会(マジュレス)
 議会は「マジュレセ・シューラーイェ・エスラーミー」(イスラーム諮問評議会)といい、一院制である。立法府としての権能を持ち、立法のほか、条約の批准、
    国家予算の認可を行う。議員は任期4年で290人からなり、国民の直接選挙によって選出される。議会への立候補にあたっては監督者評議会
    による審査が行われ、承認がなければ立候補リストに掲載されない。この審査は“改革派”に特に厳しく、例えば2008年3月の選挙においては7600人
    が立候補を届け出たが、事前審査で約2200人が失格となった。その多くがハータミー元大統領に近い改革派であったことから、議会が本当に民意
    を反映しているのか疑問視する声もある[36]。また、議会による立法のいずれについても監督者評議会の承認を必要とする。日本語報道では
    国会とも表記される。

軍事(詳細は「イラン・イスラム共和国軍」を参照)
 国軍として、陸軍海軍空軍などから構成されるイラン・イスラム共和国軍を保有している。イランは核拡散防止条約(NPT)に加盟しているが、
    国際社会からイランの核開発問題が問題視されている。

人権問題(詳細は「イラン・イスラーム共和国における人権」、「イランにおける信教の自由」、および「イランにおける同性愛者迫害」を参照)
 1979年のイラン・イスラーム革命後、シャリーアに基づく政治体制が導入されたこともあり、同性愛者・非ムスリムの人権状況は大きく低下した。
 憲法では公式にシーア派イスラーム十二イマーム派国教としており、他のイスラームの宗派に対しては“完全なる尊重”(12条)が謳われている。
    一方非ムスリムに関しては、ゾロアスター教徒キリスト教徒ユダヤ教徒のみが公認された異教徒として一定の権利保障を受けているが、
    シャリーアにおけるイスラームの絶対的優越の原則に基づき、憲法では宗教による差別は容認されている。
 バハーイー教徒や無神論者・不可知論者はその存在を認められておらず、信仰が露呈した場合は死刑もありうる。また非ムスリム男性ムスリム女性
    と婚外交渉を行った場合は死刑なのに対し、ムスリム男性が同様の行為を行った場合は「鞭打ち百回」であるなど、刑法にも差別規定が存在する。
    イスラームからの離脱も禁止であり、死刑に処される。2004年にはレイプ被害を受けた16歳の少女が死刑(絞首刑)に処された。なお加害者
    鞭打ちの刑で済んだ。
 女性に対してはヒジャーブが強制されており、行動、性行為恋愛などの自由も著しく制限されている[注 1]。イラン革命前では欧米風の装束が男女ともに
    着用されていたが、現在では見られない。同性愛者に対しては、共和国憲法で正式に「ソドミー罪」を設けており、発覚した場合は死刑である。
    刑罰においても、シャリーアに基づくハッド刑の中には人体切断石打ちなど残虐な刑罰が含まれており、また未成年者への死刑も行われている。
 イランにおけるこれらの状況は、世界の多数の国の議会政府国際機関NGOや、隣国イラク国民からも人権侵害を指摘され、人権侵害の解消を
    求められている。

シリアとの関係
 シリアは他のアラブ諸国と異なり非スンナ派政権である事に加え、イラン・イラク戦争ではシリア・バース党イラク・バース党との対立も絡み、シーア派
    が国民の大多数を占めるイランを支持した。イランとは現在でも事実上の盟邦関係を継続中で  

サウジアラビアとの関係
 近年ではイラク戦争アラブの春の混乱で、イラク、シリア、エジプトなどの中東の有力国が国力を落とす中、相対的に中東におけるイランと
    サウジアラビアの影響力が拡大した。それぞれシーア派とスンナ派の盟主として、シリアやイエメンの内戦では異なる勢力を支援し事実上の代理戦争
    の様相を呈している他、両国の外交官の追放など対立が表面化している。

イランに対するアメリカ合衆国の政策(「アメリカ合衆国とイランの関係」も参照)
 1953年 - 1978年のパフラヴィー政権時代は政権が事実上アメリカの傀儡であったため、アメリカとの関係は質量ともに重大だった。1979年4月の
    イスラム革命時に、革命政権がアメリカ政府に対して、パフラヴィー政権時代の不平等な関係を平等互恵の関係に変更し、パフラヴィーが私物化した
    財産をイランに返還し、パフラヴィー元皇帝の身柄をイランに引き渡すことを要求したが、カーター大統領はその要求を拒否して、イランの在米資産を
    接収した。革命運動勢力はアメリカ政府の姿勢に対する反発で、1979年11月にアメリカ大使館を占拠し大使館員を人質にアメリカ政府に対する要求を
    継続した。
  カーター大統領は1980年4月にイランに対する国交断絶と経済制裁を実施した[38]。イスラム革命時以後の歴代のアメリカ議会・政府は、イランを
    反米国家と認識し、イランに対する国交断絶・経済制裁・敵視政策を継続している。アメリカ政府は1984年にレーガン大統領がイランをテロ支援国家
    と指定し、2008年現在まで指定を継続している[39]
  アメリカ政府は1995年にクリントン大統領が、アメリカ企業に対してイランとの貿易・投資・金融の禁止措置を実施した。アメリカ議会は1996年にイランと
    リビアの石油・ガス資源を開発する企業を制裁するイラン・リビア制裁法[40] を可決してクリントン大統領が署名して成立し、アメリカ議会は2001年と
    2006年にも制裁期間を延長する法案を可決し、ブッシュ大統領が署名して成立し、イランに対する制裁を継続中
    (リビアとは関係を修復し制裁は解除した)である。ブッシュ大統領は2002年の年頭教書でイランを悪の枢軸と表現して批判した。アメリカやイスラエル
    や国民の大部分がキリスト教徒である国は、イスラエルの打倒を主張するヒズボッラーハマースイスラム過激派と認識し、イランがヒズボッラー
    やハマースを支援していると指摘している。
  2008年1月、ブッシュ大統領は、クウェート、バーレーン、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、エジプトを訪問して、訪問諸国の政府に対して、イランを
    テロ支援国家と認識して、国際的なイラン包囲網への参加・協力を要請したが、いずれの訪問国の政府もイランとの友好関係の形成を推進中であり、
    ブッシュ大統領の要請に対して、いずれの訪問国の政府からも賛同・協力は得られなかった。
  2009年のイランの反アフマディーネジャード派の大規模なデモにイギリス大使館の関係者が関与していたことが知られているが、イラン情報省海外担当次官
    は、大統領選挙後のデモの発生にアメリカとヨーロッパの財団・機関が関与していた事実があったとして「ソフトな戦争」(実際的な戦争などでない、
    内政干渉など)を仕掛ける60の欧米団体の実名をイランのメディアに対して公表し[41]、アメリカ政府もイランの体制を壊す目的で工作していたと発表
    した(詳しくは「アメリカ合衆国とイランの関係」を参照)。

  日本の新聞でもアメリカ政府がイランの体制の根幹にゆさぶりをかける、という内容の記事が掲載されたことがあり、米『Newsweek』誌2010年2月3日号
    でもアメリカ政府関係者がこの頃のデモに関して、イランへの内政干渉を完全に肯定し、西欧化を押し付けようとする覇権主義的な発言をしている。
  2010年2月の革命31周年の際には、数千万人の体制派の国民が行進に参加したとされ[42](イランの国営プレステレビでもこのことが伝えられた)、
    長年に渡る外国の干渉(内政干渉と国際的な干渉)に今年も我々は勝利し、革命を守りぬいたと最高指導者ハーメネイ師が述べている[43]

アメリカ合衆国に対するイランの主張
 イラン政府はイスラム革命時から1989年にホメイニー師が死去するまではアメリカに対して強硬な姿勢だったが、その後は、アリー・ハーメネイー師、
    ハーシェミー・ラフサンジャーニー大統領、モハンマド・ハータミー大統領、マフムード・アフマディーネジャード大統領などが、アメリカがイランに対する
    敵視政策を止め、アメリカもイランも互いに相手国を理解し、相手国の立場を尊重し、平等互恵の関係を追求する政策に転換するなら、イランは
    いつでもアメリカとの関係を修復すると表明している[44][45][46][47]
  ラフサンジャーニー大統領は1996年のアトランタオリンピックに選手を派遣した。ハータミー大統領は文明の対話を提唱し、2001年9月11日のアメリカ
    に対する武力行使を非難し、被害を受けた人々に哀悼を表明した。
  アフマディーネジャード大統領はイラク国民が選挙で選出した議会と政府の樹立後の、イラクの治安の回復に協力すると表明している[48][49]

経済
 IMFの統計によると、2013年GDPは3,663億ドルであり[1]大阪府とほぼ同じ経済規模である[57]。同年の一人当たりのGDPは4,750ドルである[1]
 イランの経済は中央統制の国営イラン石油会社国有大企業と、農村部の農業および小規模な商業、ベンチャーによるサービス業などの私有企業
    からなる混合経済である。政府は以前から引き続いて市場化改革を行い、石油に依存するイラン経済の多角化を図っており、
    収益を自動車産業航空宇宙産業、家電製造業、石油化学工業核技術など他の部門に振り分け投資している。チャーバハール自由貿易地域、
    キーシュ島自由貿易地域の設定などを通して投資環境の整備に努め、数億ドル単位での外国からの投資を呼び込むことを目指している。現代イラン
    の中産階級の層は厚く堅実で経済は成長を続けているが、一方で高インフレ、高失業率が問題である。インフレ率は2007年度の平均で18.4%、
    2008年4月(イラン暦)には24.2%にまで達している。
 イラン・イスラム革命は富の再分配も理念の一つとしていたが、実際には貧富の格差は大きい。縁故主義により経済的に成功したり、海外への留学を
    楽しんだりする高位聖職者や政府・軍高官の一族は「アガザデ」(高貴な生まれ)と呼ばれている[58]
    財政赤字は慢性的問題で、これは食品、ガソリンなどを中心とする年総計約72億5000万ドルにものぼる莫大な政府補助金が原因の一つとなっている。
    これに対してアフマディーネジャード政権は、2010年からガソリンや食料品などに対する補助金の段階的削減に踏み切り、低所得層に対しては
    現金給付に切り替えている[59]
 イランはOPEC第2位の石油生産国で、2016年時点の生産量は200万バレル/日である。確認されている世界石油埋蔵量の10%を占める。
    また天然ガス埋蔵量でもロシアに続き世界第2位である。原油の輸出は貴重な外貨獲得手段であるとともに1996年の非常に堅調な原油価格は、
    イランの財政赤字を補完し、債務元利未払金の償還に充てられた。
 農業については国家投資、生産自由化による活発化が目指され、外国に対する売り込み、マーケティングなどで輸出市場を開発し、全般的に改善された。
    ナツメヤシピスタチオ花卉など輸出用農業生産物の拡大、大規模灌漑計画により1990年代のイラン農業は、経済諸部門の中でも最も早い
    成長のあった分野である。一連の旱魃による踏み足局面もあるが、農業はいまだにイランで最大の雇用を持つ部門である。
 イランはバイオテクノロジー医薬品製造などにも力を入れている。主要貿易国はフランスドイツ日本イタリアスペインロシア韓国中国
    などである。1990年代後半からはシリアインドキューバベネズエラ南アフリカなど発展途上国との経済協力も進めている。また域内でも
    トルコパキスタンとの通商を拡大させており、西アジア中央アジア市場統合のビジョンを共有している。

宗教
 大部分のイラン人はムスリムであり、その90%がシーア派十二イマーム派国教)、9%がスンナ派(多くがトルクメン人クルド人アラブ人)である(詳細は
    イランのイスラームを参照)。ほかに非ムスリムの宗教的マイノリティがおり、主なものにバハーイー教ゾロアスター教サーサーン朝時代の国教)、
    ユダヤ教キリスト教諸派などがある。
 このうちバハーイーを除く3宗教は建前としては公認されており、憲法第64条に従い議会に宗教少数派議席を確保され[62]、公式に「保護 」されているなど
    かつての「ズィンミー」に相当する。これら三宗教の信者は極端な迫害[要出典]を受けることはないが、ヘイトスピーチや様々な社会的差別などを
    受けることもある。また、これら公認された宗教であれ、イスラム教徒として生まれた者がそれらの宗教に改宗することは出来ず、発覚した場合
    死刑となる。
 一方、バハーイー教(イラン最大の宗教的マイノリティー)は、非公認で迫害の歴史がある。バハーイー教は19世紀半ば十二イマーム派シャイヒー派を背景
    に出現したバーブ教の系譜を継ぐもので、1979年の革命後には処刑や高等教育を受ける権利を否定されるなど厳しく迫害[要出典]されている
    (これについてはバハーイー教の迫害およびイランの宗教的マイノリティーイランにおける宗教的迫害を参照)。ホメイニー自身もたびたび、
    バハーイー教を「邪教」と断じて禁教令を擁護していた。歴史的にはマニによるマニ教もイラン起源とも言える。またマズダク教は弾圧されて姿を消した。


2019年3月
  イランロウハニ大統領は隣国イラクへの3日間の訪問を終えましたが、イラクアブドルマハディ首相との貿易拡大や両国間の鉄道敷設
      に関する覚書に署名・・・と良好な関係をアピールした。トランプ大統領は、イラク側にイランとの関係を絶つように求めていたが、イラクに
      とっては、天然ガスや電力の供給元であるイランはトルコに次ぐ貿易相手である。双方は商業関連ビザ(査証)を無料で発給する方針でも
      合意している。(2019.3.14)
2019年2月
  1979年のイラン革命後、初代大統領となったアポルハサン・バニサドル(85)が話した。革命最高指導者「ホメイニ氏」は革命前は
     宗教は政治に関与しない原則に同意したのに、態度を変えた(2019.2.23)
     ホルムズ海峡に面するイラン南部バンダルアバスなどはイラン軍が、ペルシャ湾と言う世界の海上輸送原油の3割が通行する大動脈の海峡に、
     にらみを効かしている。米国は対岸の親米諸国には米軍が広範囲に駐留しており、米国の対イラン封じ込め戦略など緊張の最前線
     である。バンダルアバスは漁業はもとより原油の輸出拠点、精製施設があり、横には海軍施設もあり、昨年末にはステルス性能がある
     「駆逐艦・サハンド」も配備された。(2019.2.17)





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