世界の問題-1



2021.04.07-産経新聞 THE SABKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/210407/wor2104070020-n1.html
南シナ海に中国漁船が1カ月居座り 中比非難合戦「出ていけ」

  【シンガポール=森浩】中国やフィリピンなどが領有権を主張する南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島の海域で、中国漁船が1カ月にわたって停泊を続けている。フィリピンは即時退去を求めたが、その兆しはなく、双方が非難を応酬する展開となっている。停泊が長期化すれば、同盟国との連携強化を打ち出すバイデン米政権の対応が注目されそうだ。

  フィリピン政府によると、スプラトリー諸島のウィットサン(中国名・牛軛)礁周辺で3月7日、約220隻の中国漁船が停泊しているのが確認された。船には中国の海上民兵が乗っているもようだ。3月末時点で44隻が現場に残っており、停泊は続いている
  フィリピンは自国の排他的経済水域(EEZ)内と主張し、ロレンザーナ国防相は3月21日の声明で「挑発的な行動だ」として即時退去を迫った。これに対して在フィリピン中国大使館は、現場海域は中国の一部だと強調した上で、「荒天を避けるために停泊しているだけだ」と反論した。
  ロレンザーナ氏は今月3日、「私は(中国の説明を信じる)愚か者ではない」と述べ、「出ていけ」と警告。これに中国大使館は「素人のような発言を避けるよう求める」と応じた。
  フィリピンのドゥテルテ政権は経済面の影響に配慮して中国に融和的な姿勢を示しており、激しいやり取りに発展するのは異例。実効支配を進める中国への不信感が浮き彫りとなった。
  フィリピンが避けたいのは、南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)の二の舞になることだ。フィリピンと中国は2012年、スカボロー礁の領有権をめぐり対立。最終的に中国が実効支配する形となった。フィリピンは中国に対して有効な圧力を打ち出せなかったオバマ米政権(当時)に失望した経緯がある。

  既に米国はサリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が3月末、フィリピン側に同国の立場を支持する意向を伝え、中国を牽制(けんせい)した。米ブルームバーグ通信は今回の停泊について、「バイデン政権が(南シナ海問題などで)何をしたいか見極めるテスト」であると指摘した。


2021.04.06-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210406/mcb2104061927020-n1.htm
レアアース採掘争点 グリーンランド総選挙 中国企業関与に欧米警戒 

  【ロンドン=板東和正】北極圏に位置する世界最大の島、デンマーク自治領グリーンランドで6日、総選挙が行われた。未開発鉱床としては世界最大とも指摘される同島のレアアース(希土類)採掘計画の是非が最大の争点計画には世界のレアアースの約6割を生産する中国の企業も関わっており、米欧で警戒が強まっている。

  採掘計画では、中国のレアース加工会社「盛和資源控股」が株主であるオーストラリアの鉱物探査企業が事業主体となっている。自治議会(定数31)の選挙は、与党「進歩党」が採掘計画を支持する一方、最大野党「イヌイット友愛党」が計画に反対する構図。7日朝(日本時間7日午後)にも大勢が判明する見通し。
  グリーンランドはデンマークから広範な自治権を付与されている一方、主な産業は漁業や観光などで、自治政府予算の約半分をデンマーク政府の補助金に頼っているのが実情だ。
  進歩党はデンマークからの独立を目指しており、採掘計画の実現で経済的に自立したい考え。計画が軌道に乗れば、自治政府の予算を2億ドル(約220億円)以上増やせる可能性があるとし、ヤンセン党首は「採掘計画は(同島の)独立や経済にとって非常に重要」と訴える。
  一方、イヌイット友愛党は採掘地周辺の環境の悪化を懸念する。レアアースの採掘の副産物として出てくるウランやトリウムなどの放射性物質により、周辺の水質や農作物に悪影響が出る恐れがあるためだ。

  選挙の行方は欧米も注視している。グリーンランドは「世界最大のレアアースの未開発鉱床」(米地質調査所)ともいわれており、英紙テレグラフは「欧米の外交官が中国政府が島のレアアース鉱床を独占するのではないかと懸念している」と伝えた。

  レアアースはハイテク製品の生産に欠かせず、バイデン米政権が2月、中国との対抗のため、レアアースなどのサプライチェーン(供給網)強化に乗り出す方針を決めるなど、その確保は欧米の課題だ。トランプ前米大統領もグリーンランドを購入する意向を示すなど地下資源の重要性に関心を示したこともある。
  グリーンランドは気候変動で北極圏の氷が解けて北極海が新たな航路として注目される中、その地政学的な重要性も増している。近年は中国がインフラ整備などを通じてグリーンランドに浸透してきていた。

  エネルギー問題を研究する英シンクタンク「極地研究政策イニシアチブ(PRPI)」は3月、英米豪など英語圏5カ国の機密情報共有の枠組み「ファイブアイズ」が、レアアース確保のため、グリーンランドと関係を構築して共同対処する必要性を唱えている。
  グリーンランド ロシアと北米の間に位置する世界最大の島。面積は216万6086平方キロメートルと日本の約6倍。人口は約5万7千人。その約9割は先住民系で独立志向が強く住民投票を経て2009年に外交や安全保障を除く広範な自治権を獲得した。冷戦時代から軍事的な要衝で、いまも米空軍が最北の基地を置き、弾道ミサイルの早期警戒や人工衛星の追跡に活用している。


2021.04.05-Rakuten Infoseek News(KYODO)-https://news.infoseek.co.jp/article/kyodo_kd-newspack-2021040501001376/?tpgnr=world
ヨルダン王子の妻、出国準備 逮捕の王宮府元長官も

  【カイロ共同】中東ヨルダンの前皇太子ハムザ王子と側近らが国家の不安定化を画策したとして側近らが逮捕された事件で、サファディ副首相兼外務・移民相は4日、王子の妻と、逮捕された王宮府のアワダラ元長官が出国する準備をしていたと明らかにした。

  サファディ氏によると、王子の妻を出国させるため、王子側の関係者が外国勢力に航空機の手配を依頼したのを確認。「ヨルダンの安定を損なう悪意ある計画」を実行する時期について外国勢力とやりとりしたことも把握し、軍高官が3日、計画を中止するよう王子に通告したが従わなかった。
  王子はその後、軍による軟禁下に置かれたとみられている。


2021.04.05-Yahoo!Japanニュース(REUTERS ロイター)-https://news.yahoo.co.jp/articles/6efcfd97259c5f450fff5c92fd0ca65489636cc4
ヨルダン前皇太子を自宅軟禁、「中東安定の柱」でいったい何が

  ヨルダン政府は、同国のハムザ前皇太子が国家の安全を脅かす陰謀に関与していたと発表した。前皇太子は自宅軟禁に置かれたという。また事件には諜報機関が関与したとされ、複数の高官が身柄を拘束された。諜報機関の名前は特定されていない。

   アブドラ国王の異母弟で前皇太子のハムザ王子は、英BBCに寄せたビデオメッセージの中で関与を強く否定した。また王子の母であるヌール元王妃は今回の疑惑について息子に対する邪悪な中傷」だと反発。そのうえで無実の被害者のために、正義が貫かれることを祈るとツイートした。
   ヨルダン王室内での危機は、中東における安定の柱としての同国のイメージを損なう可能性が高い。だが米英やサウジ、UAEといった同盟国はアブドラ国王を支持する声明を発表した。

   さらにヨルダンの副首相は4日、ハムザ王子が以前から捜査対象になっていたことを明かした。また外国の諜報機関が王子の妻に対し、王子一家が出国するための航空機を手配したと伝えていたと述べた。
   アブドラ国王は2004年、ハムザ王子を王位継承者から外し、自らの権力を強化した。ハムザ王子は長年、権力から遠ざかっていたが、有力部族内の不満分子と関係を築き、当局の不興を買った。失業率が過去最悪に達する中、こうしたグループは汚職への抗議活動を呼び掛けるなど反政府的な動きを強めていた。


2021.03.16-毎日新聞-https://mainichi.jp/articles/20210316/k00/00m/010/169000c
日米2プラス2、中国を名指し批判 「国際社会に課題を提起」

  日米両政府は16日、外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)を東京都内で開いた。両政府は会談後に発表した共同文書で、中国を名指しして「既存の国際秩序と合致しない行動は日米同盟、国際社会に課題を提起している」と批判。中国海警法に対しては「深刻な懸念」を表明した。
  会談は約1時間半行われた。バイデン米政権の閣僚による外国訪問は今回が初めてで、共同文書で中国を名指し批判するのも異例。強固な日米同盟をアピールするとともに、威圧や安定を損なう行為に反対する姿勢を強く打ち出すことで、中国の挑発的な行動をけん制する狙いがある。

  共同文書は、対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の下、米国が沖縄県・尖閣諸島を含む日本の防衛に当たるとしたうえで、「尖閣に対する日本の施政を損なおうとする、いかなる行動にも引き続き反対する」と明記。インド太平洋地域における日米同盟の重要性を指摘したうえで、「日本は同盟をさらに強化するため能力向上を決意した」との文言も盛り込んだ。

  香港情勢や新疆ウイグル自治区の人権状況に対しても深刻な懸念を表明。また、北朝鮮の完全な非核化に取り組むことや、拉致問題の即時解決の「必要性」も確認した。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に関しては、「可能な限り早期に建設を完了する」とした

  会合には日本側から茂木敏充外相と岸信夫防衛相、米側からブリンケン国務長官、オースティン国防長官が参加した。ブリンケン氏、オースティン氏は同日夕、菅義偉首相への表敬を行う予定。【加藤明子】


2021.03.14-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210314/k10012914741000.html
米 アジア系住民狙う暴力事件 深刻化 大規模な抗議集会

  アメリカでは、アジア系の住民を狙ったとみられる暴力事件が深刻化していて、メディアは、人種の偏見に基づくヘイトクライムが増加していると伝えています。こうした中、ロサンゼルスでは大規模な抗議集会が開かれ、市民が早急な対策を訴えました

  アメリカ ロサンゼルスの中心部にある日本人街、リトル・トーキョーで13日に行われた抗議集会には、アジア系の住民を中心に1000人以上が参加しました。
  集会では、去年2月に地下鉄で知らない男から差別的なことばで侮辱されたというタイ系アメリカ人の女性が登壇し「悪夢のような夜だった。車内にいたアジア系は私だけで、周りに助けを求めたが、誰も目を合わせてくれなかった」と振り返り、問題の深刻さを訴えました。
  参加者たちは「人種差別による暴力はやめよう」などと書かれたプラカードを掲げて、連帯の意思を示し、早急な対策を訴えました。
  カリフォルニア州立大学サンバーナーディーノ校の「憎悪・過激主義研究センター」によりますと、ニューヨークやロサンゼルスなど全米の16都市を対象に行った調査では、ヘイトクライムとみられる事件の件数が、おととしは1845件だったのに対し、去年は1717件で7%減少しています。

  ただ、このうちアジア系が被害者となった事件に限ってみると、おととしが49件だったのに対し、去年は122件と、およそ2.5倍に増えていて、ことしに入ってからもその傾向は変わっていないということです。
  バイデン大統領は事態を深刻に受け止め、人種差別の解消を重要課題として掲げていて、ヘイトクライムの防止を司法省に命じるなどの取り組みを始めています。
抗議集会に参加した中国系の女性「私たちの社会を守りたい」
  抗議集会に参加した中国系の女性は「アジア系の人々に対する暴力は以前からありましたが、今、まさに社会問題として注目されるようになりました。被害者に寄り添い、悲しみを共有し、そして私たちの社会を守りたいと思い参加しました」と話していました。
  フィリピン系の女性は「アジア系に対する暴力事件の増加を受けて、私たちはいまこそ団結する必要があると考えています」と話していました。

現地に長く住む日本人の男性は「アメリカは世界中から移民が来ている国です。今、アメリカで大切なことは国が一つになることです」と話していました。
  黒人の男性は「異なる人種の人を攻撃しようと思うのは無知と恐怖心が原因です。異なる人種の間で互いを助け合うような関係をつくることが大切だと思います」と話していました。
暴力事件 ことしに入ってからも相次ぐ
  アジア系の住民を狙ったとみられる暴力事件は、ことしに入ってからも相次いでいて、警察は差別や偏見に基づくヘイトクライムとして立件できるか調べを進めています。ことし1月末には、カリフォルニア州オークランドのチャイナタウンの路上で91歳のアジア系アメリカ人の男性が背後から歩いてきた男に突然、突き飛ばされ、けがをしました。
  チャイナタウンでは、同じ日にアジア系アメリカ人2人が同じように襲われていて、警察は28歳の男を逮捕してヘイトクライムの疑いもあるとみて捜査しています。
  またCNNテレビによりますと、先月16日、ロサンゼルスの路上で、27歳の韓国系アメリカ人男性が男2人に「中国ウイルスを持っている。中国へ帰れ」などと差別的なことばをかけられ、顔を殴られたということです。男たちはその場から逃走し、警察はヘイトクライムの疑いもあるとみて、捜査しているということです。さらにABCテレビによりますと、今月9日にはニューヨーク市内で赤ちゃんをだっこしていた25歳のアジア系アメリカ人の母親が知らない男から突然、つばを吐きかけられたということです。

  母親は男から「中国ウイルス」ということばをかけられたと話していて、ニューヨーク市警に去年8月に設置されたアジア系差別を取り締まる対策チームが捜査に乗り出しています。
東本願寺ロサンゼルス別院でも被害
  アジア系アメリカ人を標的にしたとみられる事件をめぐってはアメリカ、ロサンゼルスの中心部にある東本願寺ロサンゼルス別院でも何者かに放火される被害が発生しています。
  この寺によりますと、先月25日の夜、何者かが柵を越えて侵入し、ちょうちんを下げる木製の2つの台に火をつけたあと、金属製の灯籠2台を倒したほか、石を投げて建物のガラスを割り、そのまま逃げたということです。建物の中にいた僧侶が犯行に気がつき、消火にあたったということです。
  寺に設置された防犯カメラには、男とみられる人物による犯行の一部始終が捉えられていました。
  アメリカでは、アジア系アメリカ人を標的にしたとみられる事件が相次いでいて、警察はこの事件についてもヘイトクライムの疑いがあるとみて捜査しています。
  僧侶の藤井真之さんは「警察からは、犯行が短時間で行われていることから計画的な犯行ではないかと言われた。何かが盗まれたのではなく、日本の文化や仏教の象徴である灯籠を倒し、火をつけたことから、憎しみの感情がある人による犯行ではないかと思う」と話していました。
  また、寺の責任者の伊藤憲昭さんは「過去45年でこんなことは初めてだ。残念なことに社会の分断は10年前と比べてひどくなっている」と話していました。
専門家“コロナ感染拡大 アジア系の人たちを怒りのはけ口に”
  特定の人種が攻撃の対象となる事件について、カリフォルニア州立大学サンバーナーディーノ校の「憎悪・過激主義研究センター」のブライアン・レビン教授は「この10年をみると、そのときに報道されている出来事によって攻撃の対象となる人種が変遷していて、なかでも国のリーダーによる発言の影響力は大きい」と指摘しています。
  レビン教授はトランプ前大統領が新型コロナウイルスを「中国ウイルス」と呼んだことを例に挙げたうえで「アジア系をねらった事件はトランプ前大統領が特定の人種に対して軽蔑するような、そして固定観念にとらわれたような発言をして以降、増加している。さらに、いったん偏見が広まってしまうと政治家の発言などのきっかけがなくても、新型コロナウイルスのニュースを見て、それとアジア系の人々を結び付けてしまう人が出てくる」として懸念を示しました。
  さらにアジア系が標的となっている理由について「『アジア系の人は攻撃をしてもやり返さない』と考える加害者がいるとみられている。例えば、被害者が英語を十分に話せない場合、警察に通報しないケースもあるとみられる」とも述べています。
  またレビン教授は「大都市で発生しているヘイトクライムでは加害者と被害者が近くに住んでいるという特徴がある。こうした地理的な要因に加え、アジア系の人を『成功を収めている人』と思い込んだ潜在的なやっかみなど、さまざまな偏見が加わり、ヘイトクライムにつながっていると考えられる」と述べ、新型コロナウイルスの感染拡大で閉塞感が漂う中、偏見や不満などを抱えた一部の人たちが身近なアジア系の人たちを怒りのはけ口にしていると指摘しています。


2021.03.13-Yahoo!Japanニュース(毎日新聞)-
日米豪印首脳、ワクチン供給連携で一致 中国念頭に協力強化

  日本、米国、オーストラリア、インドの4カ国(通称クアッド)は12日夜、初の首脳会合をオンライン形式で開いた。東・南シナ海での海洋秩序への挑戦に対して海洋安全保障を含む協力を促進し、インド太平洋地域での新型コロナウイルスワクチンの生産と供給で連携する共同声明をまとめた。インドで製造するワクチンを増産し、調達と輸送網の整備に向けて協力する。

  共同声明は「日米豪印の精神」で、年内に対面形式の首脳会合を開催すると明記した。会合では、軍事的、経済的に台頭する中国を念頭に、4カ国の連携強化も確認。「ワクチン」、安全保障に直結する「重要・新興技術」、「気候変動」の3分野について、作業部会を設置し協議を進めることを確認した。
  ワクチンについては、米国が印製薬会社「バイオロジカルE」が2022年末までに10億回分のワクチンを製造できるよう資金援助し、日本も国際協力機構(JICA)を通じてインドに対する円借款を行う。4カ国が協力してインド太平洋地域での「安全で手頃な価格で有効なワクチン」の供給拡大を図る方針で、中国製ワクチン供給で発展途上国への影響力を強める中国の「ワクチン外交」に対抗する。

   4カ国による首脳会合はバイデン米大統領が呼びかけ、菅義偉首相のほか、オーストラリアのモリソン、インドのモディ両首相も参加した。バイデン氏は会合で「(法の支配を重視する)『自由で開かれたインド太平洋』の実現がそれぞれの国の将来に不可欠だ」と連携への期待感を示した。
   菅首相は中国が海警法を施行し東シナ海や南シナ海での海洋進出を強めることを念頭に「中国による一方的な現状変更の試みに強く反対する」と名指しでけん制した。またミャンマー情勢への重大な懸念を表明し、北朝鮮による日本人拉致問題の即時解決への意欲も示し、各国の支持を得た。会合後の13日未明、首相官邸で記者団に「4カ国を新たなステージに引き上げることができた。野心的で具体的な成果を出せるようしっかり協力していく」と述べた。 【佐野格、青木純】

◇日米豪印首脳会合のポイント
  ・「自由で開かれたインド太平洋」に向けた協力強化
  ・「新型コロナウイルスワクチン」「重要・新興技術」と「気候変動」の3分野で作業部会を設置。ワクチンはインド国内での生産を拡大
  ・2021年中に対面式の首脳会合を開催
  ・中国を念頭に、東シナ海・南シナ海での海上秩序への挑戦に対応するための協力を強化
  ・北朝鮮の非核化と、日本人拉致問題の即時解決の必要性を確認
  ・ミャンマーの民主化回復の必要性を確認


202103.12-REUTERS-https://jp.reuters.com/article/quad-japan-idJPKBN2B41PR
日米豪印、ワクチン支援で一致 「中国の現状変更に反対」と菅首相

  [東京/ワシントン 13日 ロイター] - 菅義偉首相は12日夜に開いた米国・オーストラリア・インドとの4カ国首脳会談(クアッド・サミット)で、インド太平洋地域の途上国に対し、新型コロナウイルスのワクチン接種を支援していくことで一致したと明らかにした。会談後、首相官邸で記者団に語った。海洋進出などを強める中国の動きに強く反対することを訴え、支持を得たとも述べた。

  日米豪印の首脳会談は初めて中国が地域で存在感を高める中、4カ国は連携を強めている。コロナ禍中のため今回はテレビ会議方式で実施したが、年内に対面方式で開くことを申し合わせた。
  菅首相は記者団に対し、「中国による一方的な現状変更の試みに強く反対することを訴えた」と説明。クーデターで政権を起した軍が抗議活動を弾圧するミャンマー情勢に重大な懸念を持っていることや、北朝鮮による日本人拉致問題の早期解決も訴えたと語った。
  4カ国は共同声明で、ワクチン配布や気候問題、安全保障について緊密に協力することを約束。名指しは避けたものの、中国を念頭に「民主主義的な価値観に支えられ、抑圧によって制約されない、自由かつ開放・包括的で健全な地域を目指す」と表明した。
  ワクチンについては、途上国支援の具体化などに向け、作業部会を設置することを決定。菅首相は「新型コロナ対策などの重要課題について議論を重ねていくことで一致した」と述べた。

  会談には菅首相、バイデン米大統領、モリソン豪首相、モディ印首相が参加した。ブリンケン米国務長官が司会を務めた。
  バイデン大統領は冒頭、「自由で開かれたインド太平洋の実現がそれぞれの国に不可欠。緊密に連携したい」と発言。菅首相は「米国のイニシアチブに感謝したい」と語り、「自由で開かれたインド太平洋実現を強力に進め、コロナ対応も含め、地域の安定繁栄に貢献したい」と抱負を述べた。
  4カ国は2月18日の外相電話会談で、東シナ海や南シナ海への進出を強める中国を念頭に、「一方的な現状変更の試みを始めとする国際秩序に対する挑戦が続く中、日米豪印4カ国が果たすべき役割は大きくなっている」との認識を共有。自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、各国が連携することで一致していた。
  バイデン政権は対中政策を外交・安全保障分野の重点課題に位置付け、就任後初の対面での会談相手にインド太平洋地域の同盟国である日本を選んだ。菅首相は4月前半にもワシントンを訪問する。

  日米は今月16日に外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)も東京で開き、連携強化に弾みをつけたい考え。
  米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は、4カ国会議で南・東シナ海における「航行の自由と抑圧からの自由」や北朝鮮の核開発、ミャンマーの圧政などの問題が話し合われたと指摘。
  「4首脳は中国がもたらす課題について議論し、誰も中国に対して幻想を抱いていないということを明確にした」とし、民主主義が「独裁主義」に打ち勝つことができると信じていると指摘。米国は来週行われる米中高官会談に向け、同盟関係を再構築して強い立場で臨もうとしている。
  またワクチンについて、首脳らは2022年末までに南東アジア地域へ最大10億回分のワクチンを供給する方針を表明。会談後に発表された資料によると、米国が国際開発金融公社を通じて、インド製薬会社バイオロジカルEによるワクチン製造に向け資金調達に取り組むとしている。

山口貴也 編集:久保信博


2021.02.25-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/210225/wor2102250025-n1.html
アルメニア軍、内閣総辞職を要求 首相「クーデター」と非難

  イタル・タス通信によると、南カフカス地方の旧ソ連構成国、アルメニアの軍参謀本部は25日、パシニャン首相ら内閣の総辞職を求める声明を発表した。パシニャン氏は同日、「軍事クーデターの試みだ」と非難し、支持者らに首都エレバン中心部での集会開催を呼び掛けた。一方、軍への支持を表明した野党勢力も集会を呼び掛け、双方間で緊張が高まっている。

  声明はガスパリャン参謀総長ら軍高官の連名で出され、「国民にとって危機的な現状の中、首相と内閣は今後、適切な決定ができない」と主張。軍の動きの背景には、隣国アゼルバイジャンとの間で昨秋に起きた係争地ナゴルノカラバフ自治州をめぐる紛争に関し、政権を批判した軍高官が24日に解任されたことへの反発があるとみられている。
  パシニャン氏は声明を非難し、ガスパリャン氏らを解任すると表明。25日夕までに軍は実力行使に出ていない。ロシアは内政問題だとして介入を否定し、平和的解決を呼び掛けた。
  紛争に事実上敗北し、実効支配地域の多くをアゼルバイジャンに引き渡すことになったアルメニアの国内では、野党勢力などによる政権批判が強まっていた。(小野田雄一)


2020.01.12-Yahoo!Japanニュース(Bloomberg)-https://news.yahoo.co.jp/articles/b794e9f62bd92ec4e9b9bbff39f480aefc057bd8
独仏、トランプ氏のアカウント停止に反対-民間企業が言論の自由制限

(ブルームバーグ)ドイツとフランス政府は、トランプ米大統領のアカウントを米ソーシャルメディアのツイッターが永久停止し、フェイスブックも凍結する対応を取ったことを批判した。

  ドイツのメルケル首相は、両社の決定に異を唱え、言論の自由を規定するルールは、民間テクノロジー企業ではなく、立法府の議員が決めるべきだと主張した。
  ドイツ政府のザイベルト首相報道官は11日の定例記者会見で、「選挙で選出された大統領のアカウントを完全に停止することに問題があると首相は考えている」と説明。 言論自由のような権利が「制限されることはあり得る」が、「それは法律によってか、立法府が決める枠組みの範囲内で行われ、一企業の決定によるものではない」と述べた。
  一方、フランスのボーヌ欧州問題担当相は11日、ブルームバーグテレビジョンに対し、民間企業がこのような重要な決定を下すことに「衝撃を受けた」と発言。「これは最高経営責任者(CEO)ではなく市民が決めるべきだ。大手オンラインプラットフォームの公的規制が必要だ」と語った。
  ルメール経済・財務相はこれに先立ち、「デジタル寡頭制」ではなく、政府が規制に責任を負うべきだとした上で、大手テクノロジー企業を民主主義への「脅威の一つ」と呼んだ。


2020.01.06-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210106/k10012798761000.html
サウジアラビアとカタール 国交回復で合意 米仲介に応え

  中東のサウジアラビアは、ほかの湾岸諸国などとともに3年半にわたって国交を断絶している隣国カタールと国交を回復させることで合意したと発表しました。湾岸諸国を結束させてイラン包囲網を強めたいアメリカの仲介に応えた形ですが、今後、和解が一気に進むのかは不透明な情勢です。
  サウジアラビアは2017年6月、対立するイランへの接近などを理由にUAE=アラブ首長国連邦、バーレーン、それにエジプトとともに、カタールとの国交を断絶し、人の往来や物流を停止させ、圧力を強めました。
  これに対し、湾岸諸国を結束させてイラン包囲網を強めたいアメリカが仲介を行ってきました。
  こうした中、サウジアラビアの北西部ウラーで5日開かれた、GCC=湾岸協力会議の首脳会議に断交しているカタールのタミム首長が招かれ、サウジアラビアのムハンマド皇太子が空港で出迎えました。
  会議の後、サウジアラビアのファイサル外相は、断交している3か国とともにカタールと国交を回復させることで合意したことを明らかにしました。
  サウジアラビアはこれまで独自の外交を進めるカタールに、イランとの外交関係の縮小などを求めてきましたが、カタールはこれに応じず、かえってイランとの関係を深める結果となっていました。
  このため、今後、カタールが、アメリカやサウジアラビアの思惑どおり、イランとの関係を見直し、湾岸諸国との和解が一気に進むのかは不透明な情勢です。
米ポンペイオ国務長官「前向きな一歩」
  アメリカのポンペイオ国務長官は5日「湾岸諸国の団結の修復に向けた前向きな一歩だ」と歓迎する声明を発表しました。
  そのうえで「アメリカは湾岸諸国が和解に継続して取り組むことを期待したい。外交関係が完全に回復することはこの地域の共通の脅威に立ち向かう上で不可欠だ。われわれがともに立ち上がるとき、さらに強くなる」として、今後も湾岸諸国の結束を後押しし、イラン包囲網の強化を目指す考えを強調しました。
専門家「駆け込み外交が加速」
  今回、サウジアラビアがカタールと国交回復で合意したことについて、元外交官でアメリカの中東政策に詳しい三菱総合研究所の中川浩一 主席研究員は「バイデン次期政権の発足まであと2週間となった段階でトランプ大統領とアラブ諸国の首脳の駆け込み外交が加速化している」との見方を示しました。
  一方、中川主席研究員は、バイデン次期政権とアラブ諸国の今後の関係構築について「アラブ諸国の首脳にもイランの首脳にも共通するのはバイデン次期政権において中東政策を具体的につかさどるメンバーが決まらないなど、今後の中東情勢に不透明感が漂う中で、一歩でも強い立場でバイデン次期政権と相対し、自国に有利に事を運びたいという思いだろう」とすでに外交の駆け引きが始まっていると分析しています。

カタール断交の経緯
  中東カタールはアラビア半島にあるペルシャ湾岸の国で中東の地域大国、サウジアラビアとイランに挟まれた人口280万人の小さな国ですが、世界有数の天然ガスの輸出国で、豊富な資金力で国内の開発を進めてきました。
  首都ドーハにある国際空港は、世界各地を結ぶカタール航空が拠点とし、地域のハブ空港として成長し、来年には中東で初めてとなるサッカーワールドカップが開催される予定です。
  外交面では、湾岸諸国がサウジアラビアと足並みをそろえる中、覇権を争うトルコの部隊を受け入れ、対立するイランとも良好な関係を築くなど独自の外交を展開してきました。
  また、政府が出資して開設した衛星テレビ局、アルジャジーラはほかのアラブ諸国での独裁的な政治体制を問題視する報道などを続け、情報戦略の面でも独自色を打ち出しています。
  こうした中、3年半前、サウジアラビアとUAE=アラブ首長国連邦、バーレーン、それにエジプトはカタールとの国交断絶を一方的に表明し、カタールとの往来を停止し、物流を制限するなど経済封鎖を強め、圧力をかけました。
  そのうえで、解除の条件として、トルコやイランとの外交関係の縮小や、アルジャジーラの閉鎖などの要求を突きつけましたがカタールはこれに反発し、支援するトルコやイランとの関係がさらに深まる形となり、2年前にはサウジアラビアが主導する、OPEC=石油輸出国機構から脱退しました。


2020.01.05-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210105/k10012797071000.html
英の裁判所 アサンジ被告 米への身柄引き渡し認めず

  イギリスで収監されている告発サイト「ウィキリークス」の創設者、アサンジ被告について、イギリスの裁判所は、機密情報への不正アクセスに関わったとして起訴されているアメリカに身柄を引き渡すことを認めない判断を示しました。
  ジュリアン・アサンジ被告は、亡命を求めて駆け込んだロンドンのエクアドル大使館で、およそ7年にわたり保護されていましたが、おととし、別の事件での保釈中に裁判所に出頭しなかったとして、逮捕されて有罪判決を受け、現在、イギリスで収監されています。
  告発サイト「ウィキリークス」を創設して、アメリカ政府などの機密情報をインターネット上に公表したアサンジ被告は、アメリカの司法当局から不正アクセスに関わった罪などで起訴されていて、アメリカ側の求めに応じて、身柄を引き渡すかどうかイギリスの裁判所で審理が進められてきました。
  これについてイギリスの裁判所は4日、仮にアメリカに移送されれば、被告が自殺を図るおそれがあるなどとして、引き渡しを認めない判断を示しました。
  裁判所の前には、引き渡しに反対してきた被告の支持者が集まり、歓迎の声を上げていました。
  ただ、アメリカ側は上訴できるため、判断が示されるまでに法廷での争いが長引く可能性も出ています。


北朝鮮核問題
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  北朝鮮核問題は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による核兵器の開発および核拡散に関する問題。北朝鮮は核保有国であることを、金正恩は2016年時点において認めている。北朝鮮は1993年と2003年にNPT脱退を表明し、2006年、2009年、2013年、2016年1月、2016年9月2017年に核実験を実施した。また1998年のパキスタン核実験への関与疑惑、1993年以降の核弾頭運搬手段ともなりうるミサイル発射実験、第三国やテロリストへの核兵器技術移転の疑惑あるいは懸念も持たれている。北朝鮮は機関誌の労働新聞にて2018年2月23日に「私たちの共和国が核を放棄することを望むのは海の水が乾くのを待っているよりも愚かなこと」として核放棄を条件にするいかなる交渉の拒否を表明している。北朝鮮は世界の求める「北朝鮮の非核化」を相手にせず、アメリカによる韓国への核の傘撤回、最終的に在韓米軍の撤退を朝鮮半島の非核化と呼んで狙っている

背景
  北朝鮮は建国以来、核兵器に関して関心をもっていたとされる。当時の東側諸国の中で核開発能力を持っていたのはソ連、のちに中国が加わることになるが、共に原子力の平和利用を行う分には協力的だが、核武装の協力に関しては消極的であった。北朝鮮が本格的に核開発に取り組んだのは朝鮮戦争休戦後とされる。具体的には1956年3月と9月、旧ソ連との間に原子力開発に関する基本合意を行い、数人の科学者を旧ソ連のドゥブナ核研究所に派遣した。また、小規模の実験用原子炉であるIRT-2000研究用原子炉の供与を受け、寧辺に建設された。旧ソ連は、原子力の協力は平和利用に限定されるべきとの立場を崩さなかった。しかし北朝鮮はあくまで核兵器を持つことに執着し、1964年に原子爆弾を保有した中国に支援を要請したが、拒否されたとされる。

  この後も核開発計画は放棄されることはなく、東側諸国の政府関係者の証言および、1982年以降、アメリカの偵察衛星が撮影し続けた写真の分析から、寧辺に新たな原子炉が建設されていることが判明した。アメリカは当時のソビエト連邦に対して北朝鮮が核拡散防止条約に加盟するように働きかけた。結果として北朝鮮はNPTに加盟することになり国際原子力機関 (IAEA) の監視下に置かれたが、その後も核開発計画を進行させている疑惑がくすぶり続けた。そして1986年3月、寧辺を撮影した衛星写真が、幾つかの円筒状のクレーターを撮影するに至り、これは高性能爆発実験の痕跡と判明し、原爆開発の計画を進めているとされる証拠となった。その後、寧辺や泰川に大型黒鉛減速炉が建設されていく様子が偵察衛星から判明し、徐々に国際問題化していくことになった。

  北朝鮮は2003年1月にNPTから脱退を通告した。このため2014年時点では、核拡散防止条約 (NPT) から脱退したままとなっている。核拡散防止条約第十条に脱退条項が存在し、国際法上は通告から3ヶ月後に有効になると解されているため、国際法上は当条約上の拘束を受けない形となっているが、アメリカ合衆国は北朝鮮のNPT上の義務について判断しない立場をとっており、NPTの運用機関においても、議長が北朝鮮のネームプレートを「預かる」ことで北朝鮮の立場を曖昧にしておく異例の政治判断が採られている。
  このような国際社会の苦悩にもかかわらず、北朝鮮が核開発を継続する理由には、冷戦崩壊後も朝鮮戦争が「休戦」状態で継続している一方で中華人民共和国との軍事同盟は残るものの、旧ソ連の庇護は受けられなくなることを背景に、アメリカ合衆国から核抑止力を以って「体制保証」を得ること、いわゆる瀬戸際外交による外交上の交渉カード、海外への技術移転による外貨獲得、国際的および国内的な国威発揚、先軍政治による軍の威光や成果の優先、などが指摘されている。
概略
  北朝鮮は2003年1月10日、アメリカ合衆国の軍事的脅威を理由に挙げ、核拡散防止条約第十条を根拠にNPTからの脱退を通告した。そして2005年2月10日、公式に核兵器の保有宣言を行い、2006年10月9日に地下核実験を行ったことから当条約上で定義された「核兵器国」以外の事実上の核保有国となった。
  リトルボーイ広島に投下)やファットマン長崎に投下)など開発初期の原子爆弾は、北朝鮮のような発展途上国では設備を備えることすら不可能なほど巨大であった。しかし、米シンクタンク、憂慮する科学者同盟(UCS)のミサイル問題の専門家は第二次世界大戦当時の原子爆弾は技術的不安が多く、計算よりもかなり大量の爆薬を使って構造も頑丈にしているため重量があるのにすぎず、現在では核兵器に関して既知となっている研究も多く、当時とは技術的背景も異なるため、現在の北朝鮮の原子爆弾と単純に比較することは不適切としている。
  また米シンクタンク、科学国際安全保障研究所(ISIS)の研究者らは原子爆弾のサイズを小さくすること自体は原子爆弾の設計が初歩的であったとしても可能としている。
  事実として、2013年までに3回の核実験を行い、また中国が1960年代に開発した弾道ミサイルに搭載可能なウラン爆縮型原子爆弾の設計図が核の闇市場かパキスタンから直接北朝鮮に入っている可能性が高く、700kg~1000kgまでの小型化に成功しているのではないかといわれている
  北朝鮮で配備中の核兵器は2013年においては原子爆弾だと考えられている。しかし水爆開発の基礎実験を行った疑惑もあり、水素爆弾や強化原爆も開発中だと考えられている。特に強化原爆については2013年2月12日に行った3回目の核実験にて、最大40ktという解析も出ており、保有に至った可能性も否定できない状況となっている。
  保有数についてはファットマンのような初期型原爆の技術水準で20ktの出力を狙った場合、最大6個と考えられていたが、核の闇市場からの技術流入や核実験の成果を想定した場合、インド・パキスタンのような中級技術と同程度と考えられ、その場合、20ktの出力を狙うと最大17個保有していると考えられている。これはプルトニウムだけの想定であり、濃縮ウランを加えると、最大23個保有していると考えられている

核開発の現状
ミサイル能力
  2013年の時点では、寧辺の5万kW、泰川の20万kWの大型黒鉛減速炉の建設は中断しており、新規のプルトニウムによる核開発は中断し、代わって高濃縮ウランによる核開発に軸足を移していると推測されたこれはプルトニウムによる核兵器は品質劣化に伴う維持管理が煩雑な一方、高濃縮ウランによる核兵器は劣化がほとんどなく、維持管理がやりやすく、隠蔽もしやすい。また北朝鮮のウラン埋蔵量は莫大であり、核兵器を作る上で制限がないからだと推測されている。しかし、北朝鮮は寧辺に30MWの実験用軽水炉を建設中であり、この軽水炉からプルトニウムを生産する可能性もあるとされている。通常、軽水炉では原爆用のプルトニウムを生産するのに適してはいないとされるが、運転期間を短いものにして、プルトニウム239プルトニウム240に大きく変化する前に使用済み核燃料を取り出して再処理すれば、原爆製造可能なレベルのプルトニウムが得ることが可能であり、懸念材料となっている

  また、科学国際安全保障研究所の専門家らは北朝鮮の核開発がこのまま続くと、2016年までに最大48個の核兵器を製造可能だとする報告書を出している。それによると、2013年時点で確認されているウラン濃縮施設での製造で年間2個、寧辺の軽水炉を稼動したとすると年間1~4個、ウラン濃縮施設の存在が疑われている施設での生産で年間2~3個となり、3つの施設を稼動させた場合、年間5個~9個の原子爆弾を製造することが可能で、これまで製造してきた原爆を合算すると48個程度になると推定している
  2015年1月6日に発表された韓国の国防白書では、北朝鮮核兵器製造能力が相当水準に至っており、核兵器の小型化が可視化段階に入ったと評価、アメリカ本土も脅かすことができるミサイル能力を得ていると推定している
プルトニウム
  現在まで北朝鮮が保有しているプルトニウム原子爆弾の原料を生成した寧辺の5MWの実験用黒鉛減速炉は無力化対象となり、冷却塔の解体により使用できる状態ではない。寧辺の50MW黒鉛減速炉と泰川の200MW黒鉛減速炉は年間55個、4-5年で220個のペースで核兵器を量産できるとされるが、建設途中で工事が中断した状態と考えられている。
  寧辺に30MWの実験用軽水炉を建設中であり、これが稼動すると年間で最大4個の原子爆弾を製造可能である。
  2015年9月、黒鉛減速炉の再稼働を表明した。2016年、米国のジェームズ・クラッパー長官は「我々は北朝鮮が寧辺のウラン濃縮施設を拡張し、プルトニウム生産炉を再稼働することで、宣言を実行したとみている」と指摘し、米政府としても黒鉛減速炉の稼働を正式に確認したことを明らかにした。
高濃縮ウラン
  韓国国防研究院は2013年の時点で最大で原子爆弾6個分の高濃縮ウランを保有しているとしている。
  北朝鮮は2010年11月に元ロスアラモス国立研究所長にウラン濃縮施設を公開した。所長は2000台の遠心分離機があると報告しているが、寧辺のウラン濃縮施設以外にも複数のウラン濃縮施設があるとされている
強化原子爆弾
  ドイツの政府系研究所である連邦地質資源研究所は包括的核実験禁止条約を元に設置されているドイツ国内の核実験監視施設のデータを元に、北朝鮮で試験された核爆弾の出力は40ktに達すると発表した。このデータは日本の気象庁が感知したデータと同じで、この地震規模から解析すると、今回の核実験で用いられた核爆弾の威力はリトルボーイの3倍程度となり、核実験直前に懸念されていた強化原爆の可能性がある。強化原爆の製造技術は、核爆弾の小型化はおろか、軽水炉の通常運用を行って得たプルトニウム240を相当含む粗悪なプルトニウムをも有効な原爆に仕立てることが可能になってしまう(軽水炉を小刻み運用して、核燃料棒のプルトニウム240が大きく増加する前に取り出して再処理する、という煩雑な工程も不要になる)ため、大きな懸念材料となる。

北朝鮮の核兵器運搬手段
  北朝鮮の核兵器重量は核の闇市場からの技術流入と3度の核実験により小型化が進んでいると考えられているが、米国務省で核問題を担当していたイギリスの国際戦略研究所 (ISS) のメンバーによると、原子爆弾そのものの重量は450kg程度としている。また、弾道ミサイルとして使うなら付属品を入れると弾頭重量は700kgになると推定している北朝鮮は弾道ミサイルの他、爆撃機としてIl-28かその中国製のH-5(轟五)を保有しており、この重量なら高性能のSu-25などの攻撃機やMiG-29などの戦闘攻撃機にも搭載可能と考えられている。あるいはムスダンなどの比較的長距離かつ小型の弾道ミサイルを偽装コンテナ船にて運用するのではないか、といった指摘もある。なお、北朝鮮で配備中または開発中の弾道ミサイルと、搭載可能と考えられる運用中の軍用航空機は以下の通りである。
  (軍用航空機軍用航空機-短距離弾道ミサイル-準中距離弾道ミサイル-中距離弾道ミサイル-大陸間弾道ミサイル-潜水艦発射弾道ミサイル-短距離弾道ミサイル-準中距離弾道ミサイル-中距離弾道ミサイル-大陸間弾道ミサイル-潜水艦発射弾道ミサイル)

周辺国への核の脅威
  北朝鮮は外貨獲得のため、ミサイル関連技術を他国へ輸出しており、特にテロリストに原爆が流出すると深刻な事態となるため、大量破壊兵器の拡散に繋がらないかと各国から懸念されている。北朝鮮の軍備については、射程距離100km~13000kmほどある数種類の弾道ミサイルを保有しており、日本全土だけでなく、アメリカ合衆国の大半も射程内に入るとされる。さらに移動式の大陸間弾道ミサイルKN-08も開発中とされる。もしこれらのミサイルに核弾頭を搭載すれば周辺諸国はもとより北アメリカ大陸のアメリカの州までミサイルでの核攻撃が可能となる。また、核を小型化する技術は時間が経てば経つほど進歩していると考えられ、2013年までに公式的にも3度の核実験を行い、信頼性のある原子爆弾を弾道ミサイルに搭載することが可能になったのではないかと考えられている。以下に2006年の初の公式核実験から2013年までに出された専門家の論調を記す。
楽観論
  核ミサイルをブラフと見なし、北朝鮮にはミサイルに実装できる小型核弾頭はないとする意見。日本右派は脅しに乗ることが援助を毟られる原因になると主張しており、韓国左派は同胞に核ミサイルを向けるはずはなく援助が欲しいからやっているので援助を与えれば止めさせることができると主張しており、米国左派や日本左派はブッシュ政権の強硬路線の結果態度を硬化させ不完全な核爆弾を持っただけであると主張している。
慎重論
  楽観論は北朝鮮が工業的な後進国であるというイメージが一人歩きした上での主張に過ぎず、技術的な根拠はなく、危険性を軽視すべきではないとする意見。いかなる工業レベルであろうと資金を投入している以上、時が経つほど危険性が増すことは自明であるので、冷静に技術的レベルを分析して対策を練ろうとする考えである。
  楽観論の根拠に対する反論
1)中国がかつて発展途上国で原始的な原爆の開発すら不可能といわれていたのに、実際にはミサイル搭載可能な小型核弾頭開発まで成功し、発展途上国に高度な兵器の開発は不可能という予測は一度外れていること。
2)北朝鮮のGDPは1.2-2兆円に過ぎないが、朝銀事件・日本のパチンコ業者からの送金・朝韓合弁事業収益・ミサイル輸出収益・麻薬偽札収益で国家税収を上回る収益を主として日韓から合法・不法に吸い上げており、その大部分を核ミサイル開発につぎ込んでいると推定されること。
3)1994年CIA報告時点で原始的な原爆を持っており、1998年5月30日に事実上の核実験を行ったと考えられているが、それから15年以上も経過しており、小型化が進んでいるのを疑う合理的な根拠が見当たらない
4)北朝鮮は1994年に原始的核兵器を持っていた可能性が高く、1998年5月30日にパキスタンに委託して作動保証実験を行った可能性がある。この時の出力は15kt程度とされている。2006年10月9日のNHKにて軍事評論家の江畑謙介が「(北朝鮮は)核弾頭を持ったと看なさざるをえない」との発言をした。
  海外でも、科学国際安全保障研究所の研究員らは2007年に北朝鮮は3個の小型核弾頭を持っている可能性があると報告しておりGlobalSecurityの専門家などは、北朝鮮が実用的な核弾頭を持ったとする分析をしている。
  2008年に「核の闇市場」関係者のスイス人が逮捕されたが、そのPCから1960年代に中国で設計された弾道ミサイルに搭載可能な核弾頭設計図が発見され、小型核弾頭の設計図が闇市場で流通していたことが明らかになり、IAEAにおいては北朝鮮にその設計図が流れていると報告された。
5)示威目的で20ktの出力を目指すという指摘には根拠がない。実際、2006年の豊渓里核実験場での北朝鮮初の公式核実験において、中国に対し、計画出力は4ktであるといった事前通告が行われている。(長崎型ファットマンは22kt)
  難度の高い小型でかつ低出力の核実験に挑んだ可能性があることは科学者等に指摘されていたが、実際北朝鮮が申告した核実験のプルトニウム使用量は核分裂下限といわれる2kgで懸念が裏書された。
  1990年にIAEAは北朝鮮の黒鉛減速炉で生成されたプルトニウムを解析しているが、通常のプルトニウム臨界量を確保さえすれば過早爆発を起こす可能性は極めて低い高品質のものだと判断しており、過早爆発という根拠は疑わしいものとなっている。
  この時の核実験は0.8~2ktの出力だったとされるが、これはプルトニウムを限界以上に節約したため、設計された爆縮レンズの性能限界を超えるものとなり、計画出力に及ばなかったのだといわれている。
  しかし、4ktの低出力を出すには高度な技術が必要とされ、全くの不発ではなく0.8~2ktなら、及第点だとされ、これに関しては1998年5月30日にプルトニウム原爆の試験を行っていたため行えたことであろう、とされる。
  2009年に豊渓里核実験場にて4ktの核実験に成功している。2006年の核実験の再テストだといわれている。
  2013年に豊渓里核実験場にて7~40ktの核実験に成功している。強化原爆のテストではないかとされている。
  以上のことから、慎重論の専門家らは1998年のパキスタンにおける代理核実験で基本的なプルトニウム原爆の爆縮レンズの作動確認を行い、2000年代までの核の闇市場からの技術移転で小型化への大いなる助けとなり、2006年の公式核実験では一定の成果は上げたが、少ない核物質でより強力な原爆を作ろうと模索し、2009年からは威力を増すための実験を繰り返した、と認識されている。

  しかし、これらの専門家の認識は必ずしも政府の公式見解と一致するとは限らず、注意が必要である。アメリカや韓国、日本は特に強い利害関係があり、北朝鮮の核による圧力の効果を減少するため、矮小化する傾向があることはEU系の公的機関から指摘されている。
  それを実証するかのような出来事も起きている。2013年4月11日、米国防総省傘下の国防情報局 (DIA) は、「北朝鮮の核開発は進展しており、一定の信頼性ではあるものの、弾道ミサイルに核弾頭を搭載することが可能とみられる」と報告書を出していたことが判明した。
  しかし、これはアメリカの政府幹部にまでは情報が届いていない時点で明らかになったため、政府関係者がコメントを控える等の火消しに奔走する事態に発展しており、オバマ大統領自らが否定する結果を招いた。
  事実、これらの国々は北朝鮮を核保有国として認めることはあり得ないとしており、核実験が行われたという技術的な事実があっても核保有国としては扱っておらず、今後も技術的な事実の判断はともかく、外部へのプロパガンダの側面が強い公式見解においては矮小化を続ける政治判断が採られるだろう、と考えられている。
放射線強化核
  北朝鮮は北朝鮮当局が運営に関わる組織である「わが民族同士」が「われわれには、世界が見たことも聞いたこともない現代的武器があり、それは単なる見せかけではない」などと主張する動画をインターネット上に公開したことがあるが、これは放射線強化型の原爆ではないか、といった指摘がある。
  北朝鮮の核ドクトリンは明らかになっていないが、戦略核兵器を用いる時点で自国の滅亡を意味するため、相互確証破壊を高めるために核兵器の質を高める努力を続けているとされる。水爆を開発することが核五大国が採った道であるが、現在の北朝鮮では強化原爆を手に入れた可能性はあるものの、水爆には至っていないと考えられている。そこで戦略核としての用途に限り、コバルト爆弾や窒素爆弾の保有の選択肢を選ぶのではないか、と考えられている。コバルト爆弾や窒素爆弾は攻撃後に占領することもできないほど強烈な残留放射能を残すといわれているため、従来の核保有国ではアイデアだけのものになっているが、北朝鮮においては米国や日本を占領するプランがあるとは考えにくいため開発を断念する理由にはならないとされる。技術的にも原爆や水爆のダンパーにコバルトや窒素化合物を用いるのみであるため、原爆を保有する北朝鮮にも可能ではないかとされている。

北朝鮮核問題への各国の反応
  かつて北朝鮮核問題についての日米韓の利害は微妙にズレがあり、三国の足並みの乱れの主因となっていた。アメリカにとって日本、韓国を狙う弾道ミサイルは射程上、遠いアジアのことであり、北朝鮮製の核兵器がテロリストの手に渡るのが脅威であったが、加えてムスダンや2012年12月に発射実験に成功し、実用に目処が出てきた大陸間弾道ミサイルテポドン2によって自国が直接攻撃される恐れがでてきたので、利害関係が変化してくる可能性がある。日本にとっては朝鮮半島での戦争は自国にとって関係のない「対岸の火事」で、あくまで弾道ミサイルが脅威としている。韓国は首都ソウルが長距離砲の射程内であり、弾道ミサイルよりも通常戦力の脅威が主である。
  アメリカと韓国は、1970年代から北朝鮮の核実験を警戒していたが日本は警戒が遅れた。
  アメリカ - 6か国協議参加国。主たる懸念は大陸間弾道ミサイルやテロリストによるアメリカ本土大都市攻撃。
  「9.11」を経験したアメリカ人は核がテロリストの手に渡るのを恐れている。
  核施設限定空爆については、核攻撃を含む全面戦争など不慮の事態を招く懸念から、日本・韓国から頼まれなければやる方向にない。地上軍の派遣はさらに論外との論調が多い。限定空爆については1994年に検討されているが当時と異なり、北朝鮮がある程度の核武装を完了していることが疑われ、核開発の主たる主体をプルトニウムから高濃縮ウランに変更したと考えられる2013年時点では効果は極めて薄く、核戦争に発展する可能性が高いだけの状況になっている。
  日本 - 6か国協議参加国。主たる懸念はスカッドER、ノドン、ムスダンによる核、生物、化学攻撃
  日本を狙う準中距離弾道ミサイル中距離弾道ミサイルの解体と、それらを数年で核搭載可能にできる能力のある建設中の黒鉛減速炉(50MW/200MW)の解体およびウラン濃縮施設の解体が国民保護上の優先課題であるが、アメリカによる核施設限定空爆が引き金で戦争が始まりかねない韓国と異なり、このような懸念はやや「対岸の火事」視しているところがある。自国の安全保障のことなのにアメリカが何とかしてくれるという他力本願的な意見が依然として多い。
  韓国 - 6か国協議参加国。主たる懸念は戦争(核戦争の可能性を含む)
  北朝鮮にあまりにも近いため、核兵器の技術水準よりもその激増の阻止、保有済みの原爆の解体に関心がある。ただし、北朝鮮の核施設への攻撃は戦争やソウルへの報復砲撃を招きかねないために日本より慎重姿勢。目先の通常戦争やソウル砲撃を恐れるあまり、北朝鮮の核武装を許してしまっている傾向がある。また、一部の韓国の左派は「北朝鮮が核を持っていれば、統一後に南の経済力と北の核を結び付けて周辺国を牽制できる」と考えている

  中国・ロシア - 6か国協議参加国。北朝鮮の核武装を歓迎してはいないが、取り組む優先順位度は低い。
  北朝鮮へ対する核武装阻止の意欲は高いとはいえない。防衛省防衛研究所統括研究官の武貞秀士らによれば、中国・ロシアにとってもNPTが崩壊し日本・韓国・台湾ベトナムバングラデシュ中東欧州諸国がインド・パキスタン・北朝鮮に続いて核武装するような事態になれば、不安定な小国が保有する核に取り囲まれることになるため、中国・ロシアも北朝鮮の核武装を歓迎してはいない
  しかし中国にとっての第一優先はアメリカ・韓国の軍が北上してくる不安と、それにより北朝鮮を占拠し金正日から続く世襲政権がイラクのフセイン政権やリビアのカダフィ政権同様に転覆され、同盟国である北朝鮮がアメリカの支配下に入ることを阻止することであり、第二優先は北朝鮮が中国から離反してアメリカ陣営にとりこまれるのを阻止すること、第三優先は国連安全保障理事会で北朝鮮の武力制裁決議に反対して、アメリカの北朝鮮の武力制裁を阻止しつつアメリカと中国との関係は良好に保ち、アメリカから円滑に東アジアの警察国家の地位を継承すること、第四優先はアメリカが北朝鮮へ制裁しようとする態度に協力することで、日本がNPTを脱退して核武装に向かった場合、中国主導の対日本制裁にアメリカも協力させる布石とすること、であって「北朝鮮の核武装阻止・非核化」自体は中国にとっては上記4つの目的より遥かに優先度が低いといわれる。つまり、アメリカ軍の北朝鮮への侵攻を阻止し、アメリカへ中国の好感を維持するため見かけ上協力はするが、実際に協力してしまうと北朝鮮の現政権が中国から離反しても困るし北朝鮮をまとめきれる勢力が現政権以外にはないため、中国は同盟国である北朝鮮を本気で締め上げるつもりはないとの観測が日本では多い
  またロシアにおいても、北朝鮮の核武装(2010年12月時点では核濃縮施設の存在)に対しては深刻な懸念を表明」している。
核実験の影響
  北朝鮮の地下核実験場となっている豊渓里の万塔山一帯には地下空洞が存在し、2017年9月の地下核実験の直後には一部が山崩れを起こし小規模な地震も複数発生している。
  2017年10月31日、テレビ朝日は豊渓里の地下坑道で9月10日頃に崩落事故が起き約200人が死亡したと報じたが、朝鮮中央通信はこの報道を否定した。
  韓国の気象庁は豊渓里の万塔山での追加核実験や地震による陥没での放射能物質の外部漏出のおそれを指摘しており、ソウル大学教授の徐鈞烈も万塔山での追加核実験は困難であり山が崩壊した場合には偏西風北海道からアラスカに放射性物質が飛散するおそれがあると指摘している
非核化合意と不履行の連続
  北朝鮮は対話を時間稼ぎと対外支援獲得に利用してきた。北朝鮮は2005年の合意もテポドンミサイル発射と2006年の初の核実験で不履行している。金正恩がトップになった直後である2012年2月29日に北朝鮮が核長距離ミサイル発射を中止する代わりに、アメリカはは24万トン規模の食糧を支援することを骨子とした米朝合意が行われたが、北朝鮮は直後に弾道ミサイル技術を利用した長距離ロケットである銀河3号を発射して、米朝合意を守らなかった
  そのため、2018年3月の繰り返されてきた北朝鮮による非核化宣言」にもコーリー・ガードナー上院議員は、「北朝鮮の言葉にだまされてはならない、一時的に北朝鮮が核やミサイル実験をしていなくても技術開発は継続している」と述べている。朝鮮半島問題の専門のビクター・チャ教授も「北朝鮮の姿勢は、経済的利益を得るための戦術変更であるだけだ」と述べている。国連安全保障理事会・北朝鮮制裁委員会(1718委員会)専門家パネル元委員の古川勝久は北朝鮮が体制への「脅威」のために核開発していると主張しているために、話すべき、制裁を緩めるべき、核を容認すべきだという人たちについて「対話と合意の裏で各国で違法な資金集めや部品の隠蔽輸入して核・ミサイル開発してきた北朝鮮である。日本で護憲や平和を主張している人ほど対話を絶対視しているが、北朝鮮の核を容認することは核兵器の売買による拡散・北朝鮮を見て核保有国になる国の激増を望むのと同義なのを理解していない、大局的視点の欠けた井の中の蛙。」と批判している。
  過去に北朝鮮が対話に応じてきた時は苦難の行軍末期、核・ミサイル開発への国際社会の制裁に耐えられない時など上位層や軍部からも不満がでて武力でも抑えきれなくなった時のみ会談や対話をテコにして制裁を突破してきたと北朝鮮への制裁やその強化の必要性を説明している。北朝鮮が「体制の安全」を条件に「非核化」を諸外国に示している本当の目的は、まず最初に在韓米軍が撤収するよう誘導し、それに成功した後に日本や東南アジア・グアムなど太平洋にある米軍基地を言い訳にして、「まだ体制への安全が確保出来ていない」としてどんどん要求して時間稼ぎしている内に開発を更に進めていくことだと述べている。「北朝鮮との対話」とは、北朝鮮にとって要求が拒否されて在韓米軍撤収されなくても、それを口実にして金一族専制体制の持続と核開発の既成事実化という一石二鳥の行為だと説明している。
  SLBMなどはまだ完成していない北朝鮮にとって、北朝鮮への爆撃など先制攻撃が行われると核ミサイル一辺倒にしてきたためにその他が時代遅れである軍備、比較的上位の兵士にさえ体内に寄生虫がいる状態のため降伏を推奨したならば戦いにもならず、独裁下で不満が溜まっている北朝鮮の人々が蜂起して支持に回る恐れが高い軍事行動を阻止するために「非核化」の嘘を繰り返していると解説している。
  ロイター通信は2018年に北朝鮮が文在寅大統領との首脳会談に合意したことやトランプ大統領との対話を希望してきた背景を制裁による外貨準備高の急減・貿易収支の大幅な赤字・「譲歩ちらつかせて支援を確保後、合意反故」のパターンを狙っているためと解説している


ベラルーシー共和国
ベラルーシ
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ベラルーシ共和国、通称ベラルーシは、東ヨーロッパに位置する共和制国家。日本語では白ロシア(はくロシア)とも呼ばれる。東にロシア連邦、南にウクライナ、西にポーランド、北西にリトアニアラトビアと国境を接する、世界最北の内陸国である。首都はミンスク。ソビエト連邦から独立した。ソ連崩壊で独立前のソ連時代、国際連合にはウクライナと共に、ソ連とは別枠で加盟していた。
地理
  ベラルーシは内陸国で、国土の大部分が低地であり、最高点のジャルジンスカヤ丘陵でも海抜345mである。最低点はネマン川の海抜90mである。国土の20%を占めるなど湿原が豊富で、南部に最大の湿原であるポレーシエ湿地がある。約1万1000もの湖があり、それを突き通すように、北部を通るダウガバ川、西部を通るネマン川、東部を通るドニエプル川とその支流であるプリピャチ川ベレジナ川ソジ川などの主要河川がある。気候はおおむね温暖で湿度が高いが、東部は冷涼で、大陸性気候の特徴が見られる。
  ベラルーシの主な天然資源は森林で、国土の45.3%もの面積を占めている。その他に泥炭花崗岩泥灰岩チョークが採れる。少量の石油天然ガスも産出されるが、国内需要を満たす規模ではなく、エネルギー資源の大半をロシアからの輸入に依存している。
民族
  住民はベラルーシ人が83.7%、ロシア人が8.3%、ポーランド人が3.1%、ウクライナ人が1.7%、ユダヤ人が0.1%である(2009年)。かつては首都ミンスクの人口のうち、ユダヤ人やポーランド人が多数を占めていた時期もあるなど、多民族が共存してきた歴史がある。
  隣国ウクライナではウクライナ人民族主義が非常に強く、国内に民族対立を抱え、結果的に2014年には深刻な内戦に陥った。これと比較して、ベラルーシでは民族主義的な意識は低く、ベラルーシ人とロシア人などとの民族間対立等は起きていない。いまなおミンスクには巨大なレーニン像が残るなどソビエト時代を肯定的にとらえる国民性もある。
宗教
  宗教は東方正教会ロシア正教会総主教代理が代表するベラルーシ正教会)が80%である。その他ローマ・カトリックプロテスタントなどが信仰されている(1997年推計)。ロシア正教古儀式派ポモールツィベロクリニツキー派ベグロポポーフツィなどの信徒も存在する。
歴史
ルーシの公国とモンゴル侵攻
  6-8世紀にスラヴ民族が移住開始したと一般に言われていたが、近年では古代から既にスラヴ民族はこの地に定住し続けていたという説が有力である。
  9世紀のキエフ・ルーシの一部だったポロツク公国がベラルーシの始まりとされる。バルト海黒海を結ぶ通商路として繁栄した。
  10-11世紀にポロツク公国は版図を拡大し、 キエフ・ルーシやノヴゴロド公国と争った。南部には10世紀末にトゥーロフ公国が成立。一時、モンゴルに征服される
  12世紀から13世紀前半には10前後の公国が存在し、ベラルーシ人の民族意識が高まり、団結してドイツ騎士団モンゴル帝国と戦った。13世紀までにベラルーシの地域(ルーシと呼ばれる地域の北半)の公国はすべてリトアニア大公国に併合される。リトアニア大公国における貴族の大多数は実はリトアニア人リトアニア語母語とする人々)ではなくベラルーシ人(当時はルーシ人、のちリトヴィン人と呼ばれた)で、リトアニア大公国の公用言語リトアニア語ではなくベラルーシ語(当時は通常はルーシ語と呼ばれ、さらに、リトアニア大公国の官庁で使用された公式言語であることから官庁スラヴ語とも呼ばれた)が使われる。
ポーランド・リトアニア共和国
  1385年、クレヴォの合同によりポーランド・リトアニア合同が成立すると、ベラルーシを含むリトアニア大公国全域の貴族の間で文化や母語の自発的な「ポーランド化」が始まる。クレヴォの合同後最初のリトアニア大公であるヴィータウタスが1430年に没すると、リトアニア大公国貴族によるポーランドの文化と言語の受容が加速した。1569年にルブリンの合同により物的同君連合としての単一国家である「ポーランド・リトアニア共和国」が成立するとこの地域の文化のポーランド化がさらに進み、リトアニア人とベラルーシ人を含むリトアニア大公国のほぼすべての貴族がポーランド化した。この「ポーランドへの同化」現象は1795年までの三度にわたるポーランド分割によりベラルーシ地域がロシア帝国に併合されるまで続いた。この間、貴族層の家系の大半とその他ルーシ人の多くはこの時代までにローマ・カトリックに改宗を済ませ、母語もポーランド語を使用するようになっていたが、相変わらずルーシ語を母語とし東方正教会を信仰していた者も農民層を中心に多数いた。
ロシア帝国支配下
  その後、ロシア帝国に支配されていた時代は、地方自治レベルでは旧ポーランド・リトアニア共和国の貴族(ほとんどがローマ・カトリック教徒)たちに一定の権限が許されていた。その間貴族たちはポーランド・リトアニア共和国の独立を目指す蜂起を2度起こした。1830年11月に行われた大蜂起(十一月蜂起)が失敗に終わると、貴族たちを中心にポーランド系の多くの人々がロシア帝国を脱出し、西ヨーロッパやアメリカ大陸の各国へ亡命した(これは「大亡命」と呼ばれる)。それでも民主ポーランドを復活させようとする人々は1863年に2度目の大蜂起(一月蜂起)を起こす。これがロシア帝国によって再び鎮圧されると、ポーランド貴族や商工民やインテリはキリスト教徒であるかユダヤ教徒であるかを問わず徹底的な迫害に遭った。その結果、この地域の中産階級以上の人々(ほぼすべてがポーランド人 - ポーランド化した家系の人々 - であった)は亡命するか、あるいは財産を没収されてほとんど無産者となり、中産階級そのものが滅亡した。その結果、ベラルーシに残った人々の大半は農民となり、ロシア帝国による直接支配が進んだ。ベラルーシの農民の大半はポーランド語を話すローマ・カトリック教会信者か、ルーシ語を話す東方正教会信者かのどちらかであった。前者(すなわちルーシ人からポーランド人となった者)はポーランドに近い西部に多く、後者(ルーシ人でい続けた者)はロシアに近い東部に多かった。

  一月蜂起以後はロシア帝国によるポーランド人(キリスト教徒とユダヤ教徒の間)分断政策が開始され、ロシア帝国から俗に「リトアニアのユダヤ人(リトヴァク)」と呼ばれるロシア系(東欧系)ユダヤ人たちが大量に送り込まれた。リトヴァクたちは14世紀の昔からずっとポーランドにいた西欧系ユダヤ人(ユダヤ教徒のポーランド人)とは文化も習慣も言語もかなり異なる人々で、ポーランドのキリスト教徒とユダヤ教徒の両方から嫌われる存在だったが、あまりに大量に移住してきたのでこの地域の人口動態を大きく変えてしまう事態になった。(この段落部分は、通常の理解とは異なる。通説的には次の通り。ベラルーシのユダヤ人は、ポーランドが呼び寄せた西欧ユダヤが、リトアニアとの合同により(リトアニア領内だった)ベラルーシに拡散したものが中心である(Lithuanian Jews)。その頃ロシアはユダヤ人の移住を認めていなかったので、領内にはほとんどいなかった。その後、ロシアがポーランド分割によりベラルーシを含む旧ポーランド・リトアニアの一部を領有した結果、ロシアは国内にユダヤ人を抱え込むことになったが、その後も分割領有前のロシア領内にはユダヤ人の立ち入りを認めなかった。)このルーシ農民階層、リトヴァク、そして後にロシアから大量に移住してくるロシア人の3者が、後のソヴィエト連邦(ソ連)ベラルーシ共和国の主要民族となり、特に最初の2者はソ連の無宗教政策によって完全に融合してしまうのである。
ソビエト連邦
  1917年ロシア革命が起こり、そして第一次世界大戦の間占領していたドイツ軍の占領が終わった後、1918年には史上初の独立国となるベラルーシ人民共和国が樹立される。しかしこの政権は短命に終わり、1919年には白ロシア・ソビエト社会主義共和国が成立し、1922年にはソビエト社会主義共和国連邦に加盟する。この頃に起こったポーランド・ソビエト戦争の結果成立したリガ条約により西半分がポーランドに割譲された。
  1939年9月の第二次世界大戦の勃発により、ソ連軍ナチス・ドイツに続いてポーランドに侵攻。ポーランド東半分の占領と共に、リガ条約により割譲されていた領土を白ロシアに編入した。1941年からの独ソ戦(大祖国戦争)では激戦地となり、ブレスト要塞ミンスクの戦いを経てドイツ国防軍に占領された後、1944年バグラチオン作戦により奪回された。ハティニ虐殺など、ドイツは苛酷な統治を行った。対独反攻作戦において、ソ連軍は白ロシア戦線と呼ばれる方面軍を組織した。
  1945年に第二次世界大戦が終わると、ポツダム会談での取り決めによってソ連とポーランドの国境が西へ移動され、ベラルーシ全域がソ連領ベラルーシ共和国となり、この地域に住むポーランド系住民は西方へ追放された。この追放をソ連や現在のロシア共和国では「移住」と呼ぶ。これにより、ベラルーシ共和国は家系がポーランド化せずにルーシ人(ベラルーシ人)だった者か、あるいは19世紀にロシアから大量に移住してきた東欧ユダヤ系の家系の者、あるいはその混血ばかりの国家となったが、さらにロシア共和国などから多数のロシア人が移住してきた。
  1986年4月26日、ベラルーシ共和国の南のウクライナ最北部にあるチェルノブイリ原子力発電所事故が発生し、おりからの南風に乗って放射性物質が国境を越え、南東部のホミェリ(ゴメリ)州を中心とする地域に大きな被害が及び、同州に限定すると、1991年以降は世界的平均の100倍以上にも達している。一方、非常に軽度の汚染州であるビテプスク州では1993年以降0件のままであることから、原発事故による汚染と甲状腺がんの相関性が認められる[8]。(チェルノブイリ原子力発電所を参照)。
ソビエト連邦崩壊に伴う独立
  1990年7月27日に独立宣言(主権宣言)を行い、1991年8月25日に独立が承認された。同年の12月8日にはベラルーシ最西部のベロヴェーシの森で、ロシアのボリス・エリツィン、ウクライナのレオニード・クラフチュク、ベラルーシのスタニスラフ・シュシケビッチの三者の間でソビエト連邦の解体を宣言、独立国家共同体 (CIS) 創設に関する協定が締結された。9月15日には国名が白ロシアから正式にベラルーシ共和国となった。
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政治
  ベラルーシは三権分立共和制の国であるが、1996年ベラルーシ共和国憲法が改正され、行政の中心である大統領(任期5年)に非常に強い権限が与えられている。2004年に行われた国民投票により、憲法の大統領職の三選禁止規定が削除された。
  ベラルーシの議会二院制で、上院に相当する共和国院(定員64名)と、下院に相当する代表者院(定員110名)からなる。議員は、共和国院は国内の6つの州とミンスク市の議会から8名ずつ選出、残り8名を大統領が指名する。代表者院は小選挙区制により選出され、任期は4年である。
  1994年以降、ルカシェンコが大統領の座に就いており、ヨーロッパ最後の独裁国家との批判を欧米諸国から受けている。アメリカなどの自由主義諸国との関係は良好ではなく(アメリカがベラルーシに経済制裁を科したため、2008年5月に国交を事実上断絶した、ジョージ・W・ブッシュ米大統領が定義した「悪の枢軸」の中の一国である(当初はイラクイラン北朝鮮だったが、その後拡大している)。また、コンドリーザ・ライス国務長官が定義した「専制の前線基地」の中の一国でもある)。
  2012年9月には、代表者院選挙が行われたが野党ボイコット。全議席が親ルカシェンコ政党に配分され、自身の強固な独裁体制の維持に成功した。
  ベラルーシは現在、ヨーロッパで唯一死刑制度が存在する国家である。
人権
  非常に抑圧された国家の一つである。高齢者、未成年、障害者以外が職に就かず半年以上未納税の場合、平均月収程の罰金が課せられる、また失業者は社会奉仕が義務付けられている。公の場でのデモ、集会は厳しく規制されており、政治的な意見の表明や政権批判、大統領批判をすれば、逮捕・拘束される。
  厳しい規制を逃れるために、ただ拍手をするだけのデモ活動を「拍手によって政治的な意見を表明した」と弾圧し、片手の参加者も拍手をしたと逮捕された。過去には聾唖者が「政治スローガンを叫んだ」として逮捕される事態が起きている。この片手による拍手逮捕は、2013年にルカシェンコ大統領とベラルーシ警察に対し、イグノーベル賞平和賞を受賞する事になった。

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日米豪印戦略対話
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  日米豪印戦略対話、または四カ国戦略対話英語Quadrilateral Security Dialogue)は、非公式な戦略的同盟を組んでいる日本アメリカ合衆国オーストラリアおよびインドの四カ国間における会談で、二カ国間同盟によって維持されている。通称はQuad(クアッド)。対話は当時、日本の首相であった安倍晋三によって提唱され、その後ディック・チェイニー米副大統領の支援を得て、ジョン・ハワード豪首相マンモハン・シン印首相が参加し開催される。対話はマラバール演習の実施に繋がった。
  四カ国関係は一時期オーストラリアのケビン・ラッド政権の成立によって暗礁に乗り上げたが、アジア太平洋地域における米中関係の緊張が増す中でオーストラリアの政策はアンビバレンスを反映していた。ラッド豪労働党政権の退陣と後継のジュリア・ギラード豪労働党政権の成立によりオーストラリアは対話に復帰し、その結果ティモール海ロンボク海峡を臨むダーウィン近郊へのアメリカ海兵隊駐留に至った。対話は成長を続ける中華人民共和国の経済力と政治力に対応した外交的取り決めであると新聞やシンクタンクによって広くみられる。

背景
アジア太平洋における米中紛争の戦略的枠組み
  21世紀初頭、アメリカ合衆国の戦略はイラクアフガニスタンに没頭しており、この情勢はアジア太平洋地域の主要国の変化から注意を逸らすものとして見られた。これは成長した中国の経済大国化によってもたらされ、この地域におけるアメリカ合衆国の伝統的役割に疑問を呈するようになった。
  長期的にみて、アメリカ合衆国とその周辺の民主主義国との戦略的パートナーシップを維持することによって対中「柔軟封じ込め」方針を追求してきた。日本、オーストラリア、インドとアメリカ合衆国間との同盟がこの方針の支えを作成する間、緊密な軍事関係の発展はソビエト連邦の崩壊から複雑な経緯を経ており、そしてオーストラリアの論評は中国を包囲する四カ国安保に対して複雑な態度を示した。
1991年以降の米印軍事協力
  米印軍事協力の活発化は1991年のインド経済自由化に伴い、当時米軍太平洋陸軍司令官であったクロード・C・キックライター中将(Claude C. Kicklighter)によって軍事協力が提案された。更に、この協力は初期のインド中道右派連立政権の下で1990年代中頃から拡大し、そして2001年にインドは、アフガニスタン攻撃作戦を行うアメリカ合衆国のために、領域内の軍事施設を提供した。
  印統一進歩同盟政権下の2005年ドナルド・ラムズフェルド米国防長官プラナブ・ムカジー国防大臣は「米印防衛新フレームワーク」に署名したことで軍事関係での協力が増大し、防衛産業技術の分担および「海洋安全保障協力フレームワーク」が設立された。米印は四カ国談話以前から数十回に渡る合同軍事演習を実施しており、中国への「抑止」を含む行動であると解釈された。インドの政治評論家ブラフマ・チェラニー(en:Brahma Chellaney)は、新戦略対話を日米豪印に委ねられるアジアにおける新たな「グレートゲーム」の一部であるとし、そしてインドの外交官マハラジャ・クリシュナ・ラスゴトラは、アジアの安全保障協定の形成のためにはアメリカ合衆国の努力が不足していると主張し、「アジアの世紀」ではなくむしろ「アジアのアメリカ世紀」であるとした。
対中紛争についてインド国内での論争
  ジェフリー・B・コーラー中将(Jeffrey B. Kohler)らは米印防衛協定をアメリカ防衛産業の潜在的有利を維持するため、アメリカ製軍事システムの販売を監督した。それにもかかわらず一部のインド人評論家はアメリカ合衆国の軍事協力はイランとの関係悪化につながり、アジアの不安定化を招くとして反対した。そして南インド洋に展開する核兵器運用能力を保有するアメリカ軍艦のゴアコーチへの寄港に反対する。
  2006年(平成18年)の日米豪三カ国の安全保障対話で、オーストラリアの懸念にかかわらず、チェイニー副大統領により合同海軍演習にインドを参加させると表明する。
四カ国関係の成立
「民主的平和論」の概念
  民主的平和論の概念をモデルにした日米豪印の防衛取り決めは安倍晋三首相の功績であった[1]。四カ国は「アジアの民主主義の孤」を確立すべく進められ、最終的に孤は実質的に中国を包囲する態勢となった。このプロジェクトは中国の世紀に対して「対中動向」や「民主主義の挑戦」とも呼ばれ、アメリカ合衆国と強調するアジアの大国にとって始められる。中国が上海協力機構を支持するのに対して、新アメリカ安全保障センターのダニエル・トワイニングは四カ国を「アジアのNATO」とし、「軍事衝突の可能性」を排除し「平和のための永続的基礎を置く」ことができるのであれば中国はアジアの民主的リーダーになり得ると書いた。
公式な始動と中国の孤立
  中国は正式開催前の四カ国に対して外交的抗議する。2007年5月のマニラにてジョン・ハワード豪首相はチェイニー副大統領の主張に応じて、1月後に開催される東京近海での日米海上演習にインドと共に参加することを表明する。さらに同年9月にはベンガル湾にて海軍演習が開催されこれにオーストラリアも参加する。これらは更に2008年(平成20年)10月東京での日印安全保障宣言の署名により相互の航路安全と防衛協力を促進させる。それ以前に日豪間では2007年(平成19年)3月に日豪安保共同宣言が署名されている。四カ国イニシアチブはブッシュ政権とデリーとの関係改善しこれにより中国を「包囲」するという印象を与えた。日印間の安全保障宣言はアジアにおける日本の戦略的パートナーのリスト外の存在を顕在にし、中国の存在を引き立たせた。こうした動向は中国を「制度的に阻害」させるように見え、東南アジア諸国連合は「ワシントン中心の」アジア同盟を促進させる。
中国が標的ではないという議論
  安倍政権を引き継いだ麻生太郎首相は、四カ国対話後に調印された日印協定において中国の重要性を軽視しており、「中国への言及があったのか?我々には中国含めいかなる第三国も目標に定めていない。」とし、インド外務大臣シャンカル・メノンは防衛協定が日印間の貨物運輸貿易にかかわる長年の懸案事項であったと主張し、特に中国を目標とはしていなかった。

  2008年1月にマンモハン・シン印首相は中国訪問の際、胡錦濤国家主席温家宝首相との会談にて四カ国対話について質問され「インドは、中国の努力に関わる任意のいずれか一部を含んでいる」と答えた。
ラッド政権
四カ国関係における豪州のアンビバレンス
  中国の軍事支出と弾道ミサイル能力への懸念は、2007年キャンベラ防衛ブループリントにて概説されるように、アメリカ合衆国との防衛協定締結に向けてオーストラリアが主体的に動き出すのを助けた。オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)のサンディ・ゴードンは類似し考慮すべき問題に基づいてインドへウラン販売を推奨し、それをアメリカ合衆国が後援したことが「中国の台頭に対抗」するように見えた。中国の怒りは四カ国対話が始まる前からオーストラリア国内に不安を巻き起こしていた。
ラッド労働党政権
  オーストラリア首相に就任したケビン・ラッドは日本訪問前に中国の楊潔篪外務大臣を訪ね、豪中外相会談でステファン・スミス豪外務大臣は四カ国対話からの一方的離脱を発表した。オーストラリア国内では米中関係の不確実さによりオーストラリアの経済原則を揺るがし、中国はその原則に沿った戦略的パートナーではなかったという事実により、これを強化すべくこの決定をする動機となった。ラッドは更に対立している地域のエスカレーションを恐れ「アジア太平洋連合」を介してこれらを拡散させようとした可能性がある。なにより、既に豪中間の経済的つながりは以前より緊密なものになっており、日米との温度差があった。
  幾人かのアメリカの戦略家的思想家は四カ国対話からの離脱を批判し、アメリカ国家安全保障会議も元アジア担当者であったマイケル・グリーンによれば、ラッドはその目的を達成するため相当な外交的努力に傾倒し、四カ国対話からの離脱は中国を喜ばせる結果になったとした。ウィキリークスで明らかにされた内容には米国大使ロバート・マッカラム・ジュニアにより書かれ2008年12月に発表された大綱で、ラッドは四カ国対話からの離脱についてアメリカ合衆国との協議を実施しなかった。
豪州の戦略的計算
  2009年11月、米印関係改善を目的としたバラク・オバマ米大統領の外交努力は、大国間での軍事同盟の深化が地域内でのエスカレーションに役立つとしインドとオーストラリアの両国に対し警鐘を促した。アナリストのジョン・リーによると「現実主義者は・・・、ニューデリーは均衡を保つことに慎重であり、1947年インド独立以来北京と競合していた」、中印間の重要な緊張は係争中のアルナーチャル・プラデーシュ州チベット高原に配備された核兵器であった。ラッドの計算は地域の経済大国としての中国が日米同盟が制約を超えて地域国に関与することを望まず、2007年の四カ国対話に終始嫌悪感を抱いていると見ていた。
オバマ政権とギラードの復帰
豪労働党内での対話支援
  2010年6月ジュリア・ギラード首相への交代はオーストラリアの外交関係の変化をもたらし、アメリカ合衆国との関係強化と中国との距離を置く政策に転換した。
  オーストラリアン紙は四カ国対話についてオーストラリアの防衛問題にからめて広範に記事を書き、ラッド政権との交代後「オーストラリアの国益は長年の盟友であるアメリカ合衆国を支えることによって地域における優越性を維持できる」とされた。アメリカ合衆国によるギラード政権の和解と四カ国対話への復帰にもかかわらず、対話についてトニー・アボット豪自由党は四カ国関係を残したラッドの最初の決定を批判の対象とした。
北豪州への米海兵隊の駐留
  インドへのウラン売却を実施しないオーストラリアの決定は四カ国同盟の弱体化を招き、豪自由党は批判の動きを示した。しかし、野党はチモール海ロンボク海峡を臨むダーウィン近郊へのアメリカ合衆国の軍事プレゼンスに対するギラードの政策を支持した。インドは依然として核不拡散条約の調印を拒否しており、アメリカ合衆国の支持の元でギラード豪労働党政権はその後方針を翻してインドにウランを売却するとした。
日本の民主党政権と自民党の政権復帰
民主党政権
  2009年(平成19年)8月30日の第45回衆議院議員総選挙の圧勝で政権を獲得した民主党鳩山由紀夫内閣を成立。外交安全保障政策では防衛計画の大綱を改定しそれまでの方針であった「基盤的防衛力」に替わり「動的防衛力」を打ち出し、自衛隊インド洋派遣の撤退を決めた。しかし、普天間基地移設問題では日本国内を混乱させただけでなく、日米関係にも大きな影を投げかけた。
  2010年(平成22年)9月7日に発生した尖閣諸島中国漁船衝突事件では、後に事件関係者で身柄を拘束されていた中国人漁船船長が異例の速さで釈放され、日中台で抗議デモが発生、事態の沈静化を図る日本政府は、事件発生時の海上保安庁が撮影したビデオの限定公開に踏み切るが、日本の世論を納得させる事ができず尖閣諸島中国漁船衝突映像流出事件を誘発させる。一連の経緯によって日中関係は悪化の方向を辿る。

  2012年(平成24年)、私有地であった尖閣諸島をめぐり東京都知事石原慎太郎東京都による購入計画を明かす。これに対し中国政府は反発し[20]、日本政府は事態の沈静化を図るべく国有化を検討する。同年9月11日、私有地を国有化したものの、中国各地では反日デモが発生、やがてデモは暴動へと発展し在地日系企業が襲撃される事態に至った。次第に暴動は沈静化したものの日中関係は悪化したままであった。
  菅内閣下の2011年(平成23年)3月11日、東日本大震災が発生し在日米軍は地震被災者救助のためトモダチ作戦を発動、この震災でオーストラリアは空軍のC-17大型輸送機を派遣している。震災直後に発生した福島第一原子力発電所事故の影響で日本国内では電力不足が現実化し、東京電力管内では輪番停電が実施されるに至った。東京電力は代替発電手段の獲得に走っていたが、そのような中でタイ発電公社ガスタービン発電設備を無償貸与している。
  2012年(平成24年)9月2日に成立した野田内閣では一川保夫田中直紀と続いて防衛大臣が任命されていたがいずれも大臣としての資質を問われる問責決議が原因で辞任し、初の民間人起用となる森本敏が任命され、北朝鮮によるミサイル発射実験では迅速に対応した。また、同年12月27日には武器輸出三原則の緩和を発表し、日本と安全保障面で協力関係のある国との間で共同開発や取引などが実行できる可能性が広がる。
第2次安倍内閣
  民主党政権に替わって成立した第2次安倍内閣自公連立政権)は東南アジア・環太平洋圏重視の外交方針を示し第1次安倍内閣下で推進していた「自由と繁栄の弧」の方針を踏襲する形であり、セキュリティダイヤモンド構想として明文化された。これについて多くの東南アジア各国はアメリカ合衆国の太平洋戦略を補完して、中華人民共和国に対するバランサーとして演じることに評価・期待するとした。特に、フィリピンは日本に対し円借款で巡視船10隻の供与を求め、日本国憲法の制約も承知のうえで海上自衛隊との踏み込んだ強力と連携を求める。安倍晋三首相は2013年1月16日から4日間の予定で内閣発足後の初外遊を開始。訪問先国はベトナムタイ王国インドネシア東南アジア諸国連合との関係強化を図る。ほぼ同時期に、岸田文雄外務大臣は1月9日から14日の日程でフィリピンシンガポールブルネイおよびオーストラリアを訪問する予定であった。しかし、外遊中の1月16日に発生したアルジェリア人質事件に対処するため予定を切り上げ、18日に予定されていたインドネシアでの日程を中止し日本に帰国する。また2013年1月15日、改定されて間もない防衛計画の大綱は凍結され中期防衛力整備計画については廃止が決定される。
武器輸出三原則の緩和と豪潜水艦開発計画
  2012年(平成24年)1月、オーストラリアの専門家は「日本の潜水艦は未知数」であるとして、コリンズ級潜水艦を代替する次世代潜水艦の建造計画の候補としてそうりゅう型潜水艦を調査の対象としていると伝える。オーストラリア国産のコリンズ級潜水艦は問題を抱かえており、一部筋からは豪ドル高を利用して外国から購入すべきという意見が出ている。翌2013年1月、日本防衛省はオーストラリアの潜水艦開発に技術提供を検討していることが伝えられる。既に同年5月にはオーストラリア海軍本部長が呉基地を訪問しそうりゅう型潜水艦を視察している。
日米豪印の枠組みによる協力体制の強化
  2015年(平成27年)7月、米豪両軍による合同軍事演習「タリスマン・セーバー」に自衛隊が初参加、日米豪で上陸訓練を行った。
  また、日本は各国との間で協力体制の強化を進めている。

分析
  アメリカ合衆国のシンクタンクである新アメリカ安全保障センターによると、アメリカ合衆国はアジア太平洋で増大する経済力を背景に影響力を増す中国に対応するために四カ国対話を推進し、列強の競争、軍事力の増強、社会的不平等、そして現代の勢力争いのすべてはアジアで引き起こされているとした。新アメリカ安全保障センターは民主的であると認められた国家とのあいだで一連の同盟を樹立することはアメリカ合衆国の国益を促進するとした。

  共和党民主党の双方の著名な政治家は、2008年アメリカ合衆国大統領選挙においてアジアでのより積極的な外交政策の支持を表明した。バラク・オバマ大統領は国際連合安全保障理事会で中国とロシアの影響に対処するため、民主主義国間の新たな世界的協調を呼びかけた。オバマ政権の主要関係者が関与したプリンストン・プロジェクトの最終報告では民主主義国家の新たな協調を建設する必要性が求められた。
  ヒラリー・クリントン国務長官の下にあるアン・マリー・スローター政策企画本部長はプリンストン・プロジェクトの最終報告を作成し、そこで「アメリカ合衆国、日本、オーストラリアおよびインド四カ国の軍事協力を再構築することを要求」した。共和党のジョン・マケインは「民主主義国の同盟」を、そしてルドルフ・ジュリアーニは民主主義国で軍事的に可能なアジア諸国を北大西洋条約機構に取り込むべきとした。四カ国戦略対話の発展は中国軍の近代化と連動し、また台湾海峡での偶発的事態に対しては「戦力投射能力」を備えるとし、一部のアメリカ政府関係者は南シナ海での中国の勢力拡大の懸念として海南島沖合でのアメリカ軍艦「T-AGOS-23 インペッカブル」と中国軍艦艇との衝突事件を引き合いに出している








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