裁判-法律問題-1



2023.02.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230227-H6QZOPLH5BL7RIOTKDMOZPAGV4/
難聴11歳女児の「逸失利益」は85%、交通事故で死亡 大阪地裁

  大阪市生野区で平成30年、聴覚支援学校の児童ら5人が重機にはねられて死傷した事故で、死亡した井出安優香(あゆか)さん=当時(11)=の遺族が、運転手の男(40)と当時の勤務先に計約6100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、大阪地裁であり、武田瑞佳(みか)裁判長は計約3770万円の支払いを命じた。

  争点は、将来得られるはずだった収入「逸失利益」をいかに算定するか。武田裁判長は、逸失利益を算定する上で前提とする年収について、全労働者の平均年収(約500万円)の85%(約420万円)とした。
  運転手側は聴覚障害者の平均年収(約300万円)を基にするべきと主張。遺族側は「減額は障害者差別」と反論していた。
  判決理由で武田裁判長は「障害が労働能力を制限し得る事実であること自体は否定できない」と指摘。一方で、安優香さんは学年相応の学力や学習への意欲があり、慣れた環境下では手話だけでなく口話も可能だったことも考慮するべきとした。
  さらに、障害者雇用を促進する法整備や音声認識アプリなどの技術の進展も見込まれるとして、「将来において聴覚障害によるコミュニケーションへの影響が小さくなる」と結論付けた。
  判決を受け、大阪市内で会見した安優香さんの父親の努さん(50)は「娘のこれまでの努力を否定された。悔しくてならない」と涙ながらに語り、「弁護団と相談して控訴するか検討したい」とした。
  判決によると、事故は30年2月1日、大阪府立生野聴覚支援学校前で発生。信号待ちの児童らに重機が突っ込み、安優香さんが死亡、4人がけがをした。刑事裁判で事故原因はてんかん発作による意識喪失と認定され、運転手は自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)罪などで懲役7年が確定している。


2023.02.27-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF300X90Q2A330C2000000/
「死後再審」高裁も認める 39年前の滋賀・日野町事件

  滋賀県日野町で1984年、酒店経営の女性(当時69)が殺害され金庫が奪われた「日野町事件」で、無期懲役が確定し服役中に死亡した阪原弘元受刑者について、大阪高裁は27日、再審の開始を認めた大津地裁の決定を支持し、検察側の即時抗告を棄却する決定をした。

  石川恭司裁判長は「確定判決の事実認定に合理的な疑いが生じており、(開示された)新証拠は無罪を言い渡すべき明らかな証拠に当たる」と判断した。
  元受刑者の再審開始が確定すれば、死刑や無期懲役の重大事件で戦後初の「死後再審」となる。大阪高検は同日、「検察官の主張が認められず遺憾。今後、決定内容を精査し、対応を決したい」とコメントした。
  元受刑者は2000年、無期懲役の判決が確定。01年に再審請求したが、その後75歳で病死し、遺族が12年に第2次再審請求を申し立てていた。2次再審請求では、元受刑者が遺体の発見現場まで案内し、人形を使って遺棄の状況を説明した「引き当て捜査」の記録が新たな証拠として開示された。
  記録は写真のネガフィルムで、石川裁判長はネガに元受刑者が人形を携帯していない様子が写っているのに対し、警察の捜査資料として提出された写真は人形を持った姿ばかりだった点を重視。「捜査員による誘導の可能性を含め、任意に行われたといえるか疑問を差し挟む余地が生じた。自白の根幹部分の信用性が揺らいでいる」と指摘した。
  事件当日のアリバイも第2次再審請求審での新たな証言を踏まえて検討した。確定判決は、知人宅で酒を飲んで寝ていた、とする元受刑者の主張を虚偽と認定したが、「虚偽と認めるには合理的な疑いが生じた」と強調した
  88年の逮捕時の元受刑者による自白について、18年の大津地裁決定は「警察官から暴行を受け、脅迫的な文言を言われるなどして強いられた疑いが生じた」と任意性を否定していた。これに対し石川裁判長は、再審で考慮すべき新証拠に基づかず「旧証拠を独自に検討して確定判決を再評価しており、是認できない」と結論づけた。

  日野町事件 滋賀県日野町で1984年、酒店経営の女性(当時69)が殺害され、翌85年に被害品の手提げ金庫が見つかった。88年、店の常連客だった阪原弘元受刑者が強盗殺人容疑で逮捕。一審・大津地裁、二審・大阪高裁ともに無期懲役の判決を言い渡し、2000年に最高裁で確定した。元受刑者は01年に再審請求したが、06年に大津地裁が棄却。即時抗告中の11年、75歳で病死し終結した。遺族が12年に第2次再審請求を申し立てた。


2023.02.26-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230226-B2DYPHDTOFLKFGUDY4PD2CTFWI/
わずか「2万6千円」欲しさの凶悪犯行 親日ベトナム人女性を殺めた面識なき60歳男の不条理
(地主明世)

   ベトナム人に日本文化を教える学校を作りたい-。その夢は突然断たれた。昨年4月、大阪市淀川区の建物一室で、ベトナム人の弁当店員の女性=当時(31)=が殺害された。「礼儀正しく、真面目な日本人が好き」。母国にその魅力を伝えるため、仕事を掛け持ちして資金を積み立てている最中だった。両国の架け橋になろうとした女性の命を奪ったのは、面識のない60歳の男による「2万6千円のための犯行」だった。
日本は憧れの国
  殺害されたヴォ・ティ・レ・クインさんは7年前、先に来日していた夫のファン・タン・ユィさん(36)と一緒に暮らすため、母国を離れた。
  初めて日本に降り立った際、夫は妻の表情をうかがった。そこには異国で生活する不安ではなく、幸せそうな笑顔があった。「日本人と一緒に勉強し、一緒に働く」。子供のころからの夢が実現した瞬間だったからだ。「ドラえもん」や「美少女戦士セーラームーン」を見て育った。来日するまで日本への留学や就職を希望するベトナム人に日本語を教える仕事に就いていた。
  移住後も日本人への好意は変わらなかった。初対面でも相手に敬意を持って頭を下げてあいさつし、交通ルールもしっかり守る…。「安心して生活できる日本にずっと住みたい」。夫にそう告げていた。 2人の〝夢〟も固まった。夫婦で働いて金をため、「ベトナム人に日本の言葉と文化を教えるための小さな学校を開く」。日本語の理解を深めるために修士号の取得も目指した。
噓で誘い出され
  昨年4月3日朝。弁当店で働くクインさんに、上階に住むA被告(60)が声を掛けた。「マスター(店長)から言われている。貴重品とかとられたらあかんもん、持ってきて」。噓をついて、自宅に誘い込んだ。クインさんが部屋に入ると、所持金を差し出すよう要求。抵抗されると、首を絞めた。財布から2万6千円を引き抜いた。その金で焼き鳥や酒を購入した。
  大阪府警は同月6日、強盗殺人容疑などでA被告を逮捕。同罪などで起訴され、今年1月から大阪地裁で裁判員裁判が開かれた。 公判で弁護側は、「金を借りるつもりだった」と殺意と強盗目的を否定。強盗殺人罪ではなく、傷害致死と窃盗罪にとどまると主張した。
  一方、大阪地裁は2月3日の判決で、強盗殺人罪の成立を認め、求刑通り無期懲役を言い渡した。
  判決によると、A被告の所持金は100円を切っていた。中川綾子裁判長は、「面識のない女性に嘘をついて自室に誘い込んでも金を貸してもらえるはずがない」と指摘。2~3分にわたって首を絞め続けたことも踏まえ、殺意と強盗目的を認定した
  量刑理由では、「金欲しさの身勝手な犯行」とした上で「全く落ち度がない未来ある一人の女性が理不尽に命を奪われ、夢を打ち砕かれたという結果は極めて重大」と断じた。
妻の無念を晴らすためにも
  クインさんの夫は、妻の結婚指輪をネックレスにして、裁判所に足を運んだ。法廷での意見陳述では、「私たちの計画と夢は一生かないません。被告がわずか2万6千円のために妻を惨殺したからです」と訴えた。
  判決後、求刑通りの判決に「妻に『天国で安らかに休んで』と報告できる」と安堵(あんど)の表情を浮かべたが、A被告は控訴したため裁判は続く
  事件当日は日曜日。仕事が休みだった夫に、「昼食は一緒に食べよう」と言い残して弁当店へ向かった。しかし、いくら待っても帰ってこなかった。クインさんの所持品は何一つ捨てていない。帰宅すると仏壇の前でその日の出来事を話す。妻の写真を見ると「心が刻まれるような痛みを感じる」。それが今の日課となっている。
  事件後、何度も聞かれることがある。「ベトナムに帰らないのか?さみしいだろう」と。考えた末に結論は出た。 「日本で妻はいっぱい夢を持っていた。だから僕はここに残って日本語を勉強し、妻の夢を代わりに実現させたい」(地主明世)


2023.02.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230225-L3GL7FSVSFOO7OFSXXKZCU34YM/
「死後再審」支持か見直しか 27日に大阪高裁が判断 滋賀・日野町事件

  滋賀県日野町で昭和59年に酒店経営の女性=当時(69)=を殺害し金庫を奪ったとする強盗殺人罪無期懲役が確定し、平成23年に病死したA元受刑者=同(75)=について、大阪高裁(石川恭司裁判長)は27日、再審を認めるか否かの決定を出す。戦後に発生し、死刑や無期懲役が確定した事件で初めて「死後再審」を認めた30年の大津地裁決定の即時抗告審。再審開始を維持するか注目される。

写真ネガの「真相」
  事件では昭和59年12月に女性が行方不明となり、翌年1月に遺体が、同年4月に女性宅の金庫が山林で見つかった滋賀県警は63年3月、元受刑者を逮捕。捜査段階で自白したが、公判や再審請求審では「自白を強要された」と主張しており、自白を信用できるかが焦点となっている。
  確定した平成7年の大津地裁判決は「自白の根幹に矛盾がある」と信用性を否定。間接事実から有罪を認定して無期懲役を言い渡した。その間接事実の中核となったのが、金庫の投棄場所などを元受刑者が正確に案内できるか現地に向かいながら確かめた「引き当て捜査」の結果だった。
  確定判決は「現場まで自ら正しく案内できた」とする写真付きの捜査報告書の内容を支持。「警察官の誘導があった」とする元受刑者側の主張を退け、関与を裏付ける証拠とした。
  一方、24年に元受刑者の遺族が大津地裁に申し立てた再審請求の審理で、この報告書の写真のネガフィルムが開示された。弁護団が分析すると、添付された19枚のうち8枚は、金庫の投棄場所まで「案内する」写真ではなく、帰り道で撮影されたものだった
  30年の大津地裁決定は、報告書を「正確に経過を記録したものとは到底言えない」と批判。警察官の断片的な誘導と元受刑者の協調的反応による「無意識の相互作用」が働いて現場に到着できた可能性を指摘し、「確定判決の認定は大きく動揺した」と断じた。
  検察側は大阪高裁の即時抗告審で「行きと帰りで写りの良い方を使っただけ」と釈明した上で「『相互作用』は合理性のない誤った見解」と批判。対する弁護団は、言語学者の鑑定書を提出して「相互作用」の正当性を訴えた。
自白の信用性も争点
  司法判断が揺れ動く自白の信用性も争点だ。7年の地裁判決は信用性を否定したものの、9年の大阪高裁判決は一転し「基本的な根幹部分は十分信用できる」としていた。
  大津地裁決定は、元受刑者が説明する首の絞め方について「遺体の損傷状況と一致しない」と再び信用性を否定し、取り調べで警察官の暴行や脅迫があった可能性にも言及した。
  弁護団は即時抗告審で、解剖記録を調べた法医学者の見解を新証拠として提出し、「背中の死斑(皮膚の色の変化)なども自白と矛盾する」と改めて信用性に疑問を投げかけている。
  大阪高裁は昨年3月、日野町に出向いて異例の現場検証を実施した。元受刑者の長男、弘次さん(61)は「父の無念を晴らす決定が出ると信じている」と話している。


2023.02.10-サンスポ-https://www.sanspo.com/article/20230210-ZPK7YXVTTJNVXLUKDFSHGDVCL4/
有名デザイナー猶予判決 フェラーリ88キロ速度超過
  自身がデザインしたフェラーリ「エンツォ」、制限速度を88キロ超える時速128キロで山形市の県道を走行したとして、道交法違反(速度超過)の罪に問われた工業デザイナー奥山清行被告(63)に、山形地裁は10日、懲役4月、執行猶予2年(求刑懲役4月)の判決を言い渡した。

  判決理由で今井理裁判官は「速度超過の程度が大きく、非常に危険」と指摘。一方、犯行を認めている点などを考慮し、執行猶予を付けた。奥山被告は閉廷後の取材に「二度とこのようなことがないよう、社会貢献に励んでいく。誠に申し訳ございません」と述べ、頭を下げた。 判決によると、昨年10月1日午前10時50分ごろ、山形市土坂の制限速度40キロの西蔵王高原ラインを時速128キロで走行した。
  山形市在住の奥山被告は、工業デザイナーとして幅広く活動。北陸新幹線で使われるE7系やJR東日本の豪華寝台列車「トランスイート四季島」なども手がけている。


2023.02.03-中日新聞-https://www.chunichi.co.jp/article/629303
「娘にわいせつ」父親の無罪確定 三重、上告せず

  三重県内の自宅で当時十四歳の娘にわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつ罪に問われた父親を無罪とした名古屋高裁の差し戻し控訴審判決が確定した。期限の一日までに被告側、検察側がいずれも上告しなかった。

  父親は二〇一九年八月、就寝中の娘の陰部を触ったとして逮捕、起訴された。一月十八日の差し戻し控訴審判決は「(娘の)供述の信用性に疑問がある」と津地裁の無罪判決を支持し、検察側の控訴を棄却していた。
  父親は弁護士を通じて「検察官が私の言い分に耳を傾けず、憤りを感じている。真実を勝ち取れてうれしい」と述べた。名古屋高検の山田利行次席検事は「適法な上告理由を見いだせなかった」とのコメントを出した。
  この事件を巡っては、津地裁四日市支部が二〇年十一月、供述の信用性を認めて懲役三年六月の実刑判決を出したが、名古屋高裁が二一年三月、「審理を尽くさなかった」として破棄し、審理を津地裁に差し戻した。


2023.01.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230128-L5LQGOWIDFLBZKGJ3G4QTRE62Q/
小学生6人死亡で懲役7年 病気隠し運転、法律の想定外
(野々山暢)

  息子の死と同時に、自分の人生も終わった。事故から10年以上が過ぎても、そのむなしさは変わらない。
  平成23年4月18日午前7時45分ごろ、栃木県鹿沼市の国道で、12トンのクレーン車が小学生の集団登校の列に突っ込んだ。9~11歳の小学生6人が死亡した。翌月、当時26歳だった運転手の男が起訴された。罪名は法定刑の上限が懲役7年の自動車運転過失致死罪。「人の命がそんなに軽く扱われてしまうのか」。小学4年だった長男の大芽(たいが)君=当時(9)=を亡くした伊原高弘さん(51)は、起訴罪名を聞いて愕然(がくぜん)とした。「過失からほど遠い、明らかにモラルに反した運転」と思っていたからだ。

  男にはてんかんの持病があった。病気があっても一定の条件を満たせば運転免許が取得できるが、男は医師から制止されていたにもかかわらず、持病を隠して免許を取った
  事故以前の10年間で少なくとも12回の交通事故を起こし、うち5回は発作が原因クレーン車事故の3年前にも小学生をはねて重傷を負わせていた。
  この事故で刑事裁判にかけられたが「(原因は)居眠り」虚偽供述。執行猶予付き判決を得ると、猶予期間中にクレーン車の免許を取得した。6人の命を奪った事故の前日は薬を適切に服用しておらず、当日朝には発作の予兆を感じながら職場に向かった
  運転を思いとどまるべき事実を認識しながら、あえてハンドルを握った-。常識的に「危険な運転」であるのは明白だった。ところが当時の危険運転致死罪には、こうした事案を処罰する条文規定がなかった

  23年12月、宇都宮地裁は男に上限の懲役7年を言い渡した。人数で割るものではないと頭で分かってはいるが「犠牲者1人あたり1年2カ月の刑期」であることを考えると、無力感にいたたまれなくなった。「亡くなった6人に本当に申し訳なかった
  伊原さんら6遺族は判決からわずか4日後、危険運転致死罪の適用拡大や運転免許制度の改正を求める署名活動を始めた。法律を変えても当然、過去の事例には遡及(そきゅう)されず、懲役7年という結果は変わらない。それでも「法律の『想定外』で苦しむ人が二度と出てはならない」という決意が活動を支えた。
  最終的に約20万人分の署名を国に提出。悪質な運転を厳罰化する新法や、道路交通法の改正につながった。新法が施行した際、伊原さんはブログにこうつづった。
  《この法律で裁かれる人が出てしまったときには、すでに誰かの大切な大切な命が奪われてしまっている。この法律が使われないことを心から願っています

  事故から4月で12年となる。ときに笑顔を見せるが心から笑ったことはない。「息子の人生が終わったのと同じように、自分の人生も事故発生日に終わっている」。幸せは諦めている。
  サッカー好きの伊原さんの影響で、大芽君は幼少期からサッカーボールに触れて育った。事故前日には4年生ながら、上級生に交じって少年サッカーチームの試合に出場。試合後、伊原さんはあえて大芽君に厳しく指導した。「なぜもっと、ほめてあげなかったのだろう」。後悔に次々とさいなまれた。大芽君が生きていれば21歳。部活、受験、恋愛…。誰もが経験することもかなわなかった。
  「当たり前」の尊さ。すべての運転手に想像を巡らしてほしいと、伊原さんは言う。愛する家族の未来が理不尽な事故に奪われたとき、あなたは何を思う?「誰かを思う優しさがあれば、事故はなくすことができる」
事故相次ぎ新法の契機に
  平成23年に栃木クレーン車事故が発生した際、危険運転致死罪には飲酒や薬物摂取の影響で事故を起こした運転手を処罰する規定はあったが、病気の管理を怠り、その影響で事故を起こした運転手を想定したものはなかった。
  遺族は、病気を隠して運転免許を取得したことが、同罪の適用要件の一つである「進行を制御する技術を有しないで運転した」というケースに当てはまらないのか検察に質問したが、「該当しない」との返答だったという。
  いかなる行為が犯罪とされ、いかなる処罰が科せられるかは、あらかじめ明確に法律で定めておかなければならない。それが「罪刑法定主義」という刑事裁判の大原則だ。栃木の事故は、新たな立法の必要性を浮き彫りにした。
  遺族が国に署名を提出した直後の24年4月には、京都・祇園で、てんかん発作を起こしたとみられる男=当時(30)=が運転する軽ワゴン車が暴走し、通行人7人が死亡、12人が負傷する事故が起きた
  法律を見直す動きが加速し、25年に「自動車運転処罰法」が成立。同法では、てんかんや統合失調症といった一定の病気により「正常な運転に支障が生じるおそれがある状態」で自動車を運転し人を死傷させたケースを危険運転致死傷罪の一種として規定、死亡事故の場合は15年以下の懲役を科せることになった。
(野々山暢)

病気運転自動車運転処罰法3条2項一定の病気の影響により、正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、その病気の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を死傷させた

危険運転 問われる意義
  過失では済まされないような危険な運転を厳しく罰するために制定された危険運転致死傷罪。しかし厳罰ゆえに検察や司法が適用に慎重になるケースが相次ぎ、遺族の無念は宙をさまよう。同罪を取り巻く課題を検証する。


2023.01.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230118-ZACOOL4FJJPZBCGYJ5ZALCCZ2E/
東電旧経営陣強制起訴、2審も無罪 巨大津波の可能性「現実的な認識なし」

  東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電元会長のA被告(82)ら旧経営陣3人の控訴審判決公判が18日、東京高裁で開かれた。細田啓介裁判長は「被告らに、巨大津波が襲来する現実的な可能性の認識はなかった」と認定3人全員を無罪とした1審東京地裁判決を支持し、検察官役の指定弁護士の控訴を棄却した。

  事故から3月で12年。司法は再び、旧経営陣の刑事責任を否定した。
  他の2人は、原子力部門のトップを務めていた元副社長、B(76)とナンバー2だった元副社長、C(72)の両被告。昨年7月の株主代表訴訟の判決は、3人を含む旧経営陣4人に対し、巨大津波の予見可能性を認めて計13兆円超の賠償を命令。原発事故の個人責任が争われた裁判で民事と刑事の結論が割れる形となった。
  1審に続き、事故前の平成14年に国が公表した地震予測「長期評価」の信頼性が焦点となった。
  判決理由で細田裁判長は、太平洋側の長さ800キロに及ぶ領域のどこでも津波地震が発生する可能性があるとした長期評価は納得可能な明確性をもって理由を示しておらず、信頼度はかなり低い」と指摘。
  主な争点は「事故を防ぐため原発を停止しなければならないという予見可能性が旧経営陣にあったかだ」とした上で、運転停止を義務づけられるほどの予見可能性はなかったとした。
  指定弁護士側は、防潮堤設置などの措置を講じれば事故を回避できたとも主張していたが、「事後的に得られた情報や知見を前提にしており、被告らの責任を論じる上で採用できない」と結論づけた。
  検察は3人を嫌疑不十分で不起訴としたが、平成28年2月、検察審査会の判断に基づき、原発事故後の長期避難で双葉病院(福島県大熊町)の患者ら44人を死亡させたなどとして指定弁護士が強制起訴した。


2023.01.15-Yahoo!Japanニュース(日本海テレビ)-https://news.yahoo.co.jp/articles/972c103a1b78e5af9406dea79d921bd5e4d05533
鳥取不審死事件 A死刑囚が死亡 死因は窒息 食べ物を喉に詰まらせたか 被害者の親族「謝罪もなかったのが悔しい」

  法務省は2009年、鳥取県で男性2人が殺害された連続不審死事件で死刑が確定していたA死刑囚が、14日死亡したと発表した。

  死亡したのは鳥取連続不審死事件で死刑が確定していたA死刑囚だ。
  務省によるとA死刑囚は、14日午後4時半前、収容先の広島拘置所で食事中にむせた後に倒れ、搬送先の病院で死亡が確認されたという。 死因は窒息で遺書などは見つかっておらず、法務省は食べ物をのどに詰まらせたことが原因とみている。
  A死刑囚は、2009年、借金の返済などを免れようと、鳥取県内の男性2人に睡眠薬などを飲ませた上で相次いで溺死させた強盗殺人などの罪に問われ、最高裁で死刑が確定していた。
  回の件を受け、被害にあった円山秀樹さんの長男は日本海テレビの取材に対し「あっけない死に方。反省しているようでもなく、謝罪もなかったのが悔しい」とコメントしている。 また、円山さんの次男は「同じような報いを受けたのではないか。
  刑執行までに時間がかかり過ぎると感じていた。毎日仏壇に手を合わせているので、父親に伝えたい。」と話していた。


2023.01.12-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230112-4LGWBYQEPNM7FDUV7C7XD33EPE/
「安楽死」に関心か ALS事件の元医師 父親殺害の初公判で無罪主張

  平成23年に母親らと共謀して父親を殺害したとして、殺人罪での審理が京都地裁で始まった元医師のA被告(45)の裁判員裁判。A被告は、共謀したとされる知人で医師のB被告(44)とともに難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)の女性患者に対する嘱託殺人罪などでも起訴されている。2人は「安楽死」に関心を持っていたとされ、12日の初公判では、A被告が高齢者らの延命治療に否定的な考えを持つB被告を「一目置く存在」としていたことが明らかになった。

  この日、グレーのトレーナーにベージュのズボン姿、髪を短く刈りそろえて入廷したA被告。弁護側の冒頭陳述では涙を浮かべ鼻をすする瞬間もあった。
  A被告は銀行員の靖さんと教育熱心な淳子被告の次男として奈良市で育ち、灘中高を経て東京医科歯科大に進学。在学中にB被告と知り合い、その後、年下にもかかわらず医師免許を取得したB被告に対し、一目置くようになったという。
  一方、B被告は安楽死を肯定する考えに執着を見せていた。24年11月には「『安楽死させてくれ』といわれて従ってしまった医者の気持ちがよくわかる」とツイッターで初めて「安楽死」の言葉を使用。手塚治虫の漫画「ブラック・ジャック」に登場する医師で安楽死を請け負う「ドクター・キリコ」への憧れを表す投稿も重ねていた。
  A被告は安楽死を肯定するような主張は明らかにしていないが、27年、B被告はブログで、A被告と共著で電子書籍「扱いに困った高齢者を『枯らす』技術」を出版すると紹介していた。
  A被告は18年3月には学費滞納で大学を中退したが、厚労省で医師免許の国家試験に携わっていたB被告の助言で22年に不正に医師免許を取得。厚労省は令和3年12月にB被告の医師免許を取り消した


2022.12.30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20221230-KGNV6ZAMARPFZPPJ25EFSOBEPA/
中国、香港最高裁判断覆す 国安法、外国の弁護士巡り

  【北京=三塚聖平】中国の立法機関、全国人民代表大会(全人代)の常務委員会は30日、香港国家安全維持法(国安法)に関する法解釈を示した。中国国営中央テレビ(電子版)によると、国安法違反の罪で起訴された被告の弁護人を外国の弁護士が務めることができるかについて、香港政府トップの行政長官の許可が必要だとし、香港最高裁の判断を事実上覆した。

  中国に批判的な香港紙として知られた蘋果(ひんか)日報(アップルデイリー)の創業者で、国安法違反の罪で起訴された黎智英(れい・ちえい、ジミー・ライ)氏の弁護人を、ロンドンで活動する英国人弁護士が務めることができるかどうかが焦点となっていた。

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(上記の参考ニュース)
  2022.12.01-The News Lens-https://japan.thenewslens.com/article/2909
  香港国家安全維持法違反の新聞社主裁判 担当の英国人弁護士排除か、中国の判断迫る
(1)
 注目ポイント
  香港メディア界の実力者で中国政府に批判的な黎智英(れい・ちえい=ジミー・ライ)被告(74)が、香港国家安全維持法(国安法)違反で起訴された裁判が、1日に初公判を迎える。米紙ワシントン・ポストは、「ジミー・ライ氏だけではなく、香港の言論の自由が裁かれる」と危機感を示した。また、同裁判では外国人弁護士の参加を認めた香港終審法院(最高裁)の判断を中国政府が見直す可能性が大きく、香港の司法制度の独立性も一段と後退する。

  香港特別行政区トップの李家超(ジョン・リー)行政長官は11月29日、国家安全保障に関する事件に、外国人の弁護士が香港の法廷に立つことができるのかについて、北京の中央政府が「非常に懸念している」と述べ、今後の指標となる法的解釈が間もなく発表されると述べた。
  香港終審法院は11月28日、国安法違反容疑で拘束中のライ被告の代理人を「英国人の弁護士でも務めることができる」との判決を下した。それを受け李長官は同日、北京の立法機関に対し、外国人弁護士が安全保障問題に関与することを禁止する香港行政府の要求に対し、判断を求めた。

  香港では昨年6月、反政府的な活動を取り締まる中国の「香港国家安全維持法」が施行された。中国からの分離独立や中央政府の転覆、テロ行為、外国勢力との結託とみなされる行為を禁止するもので、違反すると最高で無期懲役が科される。
  ライ氏は香港で日刊紙・蘋果日報(リンゴ日報)やインターネットメディア「壹傳媒(Next Digital)」を創業。民主活動家として香港で最もよく知られる人物。中国が導入した国安法に違反したとして、ライ氏は2021年2月に起訴され、拘留が続いている。中国・広州出身の同氏は香港に永住権を持ち、英国市民パスポートを所有する。
  ワシントン・ポスト紙によると、ライ氏は手書きの手紙に、「正義を守るのはジャーナリストの責任」であり、「まさにこれを愛し、大切にする必要がある。ひとつの時代が崩壊しつつあり、私たちが立ち上がる時が来た」と記した。
  同紙は、ライ氏が貧困から裕福になった数十年を含め、その〝時代〟とは、香港が言論の自由、自由な企業活動、法の支配が標識として立った時代だったとした上で、中国は、1997年に英国からの香港返還の際、そのようなシステムを維持することを約束したと指摘。

  だが近年、それは約束が反故にされ、領土を中国本土の権威主義体制に吸収し、市民の抗議行動を取り締まり、反体制派やジャーナリストを逮捕。2021年2月24日、同局はリンゴ日報の資産を押収し、発行部数10万部(デジタル版61万部)だった同紙は、同安全維持法違反で同年6月、廃刊に追いやった。
  その間、ライ氏は19年10月に無許可集会に参加したとして、21年4月に禁錮1年2か月の実刑判決を受け、さらに同年5月には19年の他の集会にも違法に参加したとして新たに禁錮1年2か月の実刑判決を受けている。
  一方、29日の記者会見で李行政長官は、中国の全国人民代表大会常務委員会が外国人弁護人の問題について「できるだけ早く判決を下すことを期待している」と語った。ライ氏の裁判は1日に予定されているが、李氏は香港当局が裁判開始の延期を求めていると述べた。
(2)
  香港司法省は、中国共産党指導部に批判的なライ氏が関与したとする歴史的な国家安全保障事件で、英弁護士ティモシー・オーウェン氏が担当することを阻止しようと繰り返し試みたが失敗した
  オーウェン氏はロイター通信に対し、状況についてコメントすることはできないと述べた。
  香港の最高裁である最終控訴裁判所は11月28日、オーウェン氏の裁判関与を阻止し、外国人弁護士が国家安全保障事件に携わる裁判から「全面排除」するという香港行政府の決定を却下した
  だが李氏は、中国の最高立法機関が香港での法的問題に介入するのは6例目であり、北京の介入が必要だとする理由の1つは、外国の弁護士が国家機密を漏洩したり、外国からの脅威にさらされたりする可能性があるためだと主張した。
  これに対して一部の専門家は、香港返還以来の「一国二制度」の下で保証されてきた香港の司法の独立に対する市民の信頼が損なわれるだろうと述べた。
  カナダ・クイーンズ大学法学部のアルビン・チャン助教授は、ロイター通信に対し、中国・全国人民代表大会常務委員会の解釈が香港の法の支配に対する脅威だと指摘。「(同委員会は)政治的な(そして非民主的な)機関であり、その手続きは訴訟当事者の参加なしに密室で行われる。決定は法的評価ではなく、政治的考慮によって行われ、理由はほとんど、または全く示されない」とした。
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2022.12.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20221227-HDMS6OO4OBMP5DKM2UWQ6LT2ZI/
ホテルに乳児遺棄、20代男女に有罪判決

  名古屋市のホテルに乳児の遺体を遺棄したとして、死体遺棄罪に問われたA被告(22)とB被告(21)に、名古屋地裁の宮本聡裁判官は27日、いずれも懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)の判決を言い渡した。

  宮本裁判官は判決理由で、B被告の陣痛が始まった際、救急車を呼べば親に知られ、別れさせられると考え、ホテルの客室で出産したと指摘。出産後に乳児は死亡したが、両被告は自分たちが殺したと疑われると考え犯行に及んだとして「動機は身勝手で無責任だ」と非難した。
  一方で事実を認め反省しているとして、執行猶予を付けた
  判決によると、両被告は共謀し7月3日、名古屋市中区のホテルの客室で、飯田被告が同日出産した乳児の遺体をタオルにくるんでポリ袋に入れ、浴室の天井裏に隠した。


2022.12.24-中日新聞-https://www.chunichi.co.jp/article/607041?rct=national
マンション退去巡り容疑者が和解拒否 茅ケ崎の男性刺殺

  神奈川県茅ケ崎市の会社員四方洋行さん(55)を刺殺した疑いで逮捕された職業不詳A容疑者(50)が、四方さんが所有する大阪市のマンションからの退去を求められた訴訟で、和解案を拒否していたことが、裁判記録から分かった。提訴されたことで不満を強めたとみられ、神奈川県警は事件との関連を捜査。二十四日、高井容疑者を送検した。

  裁判記録によると、A容疑者は二〇一七年から家賃を滞納し、四方さんが今年一月に提訴。四方さん側は退去を九月まで猶予することを含む和解案を提示したが、容疑者は拒否し、家賃を請求すべき対象が違うなどと独自の主張をした。
  大阪簡裁は十月「主張は失当だ」として、退去を命令した。四方さんが所有する大阪市城東区のマンションの近隣住民によると、A容疑者は事件数日前、慌てた様子で部屋から荷物を持ち出す様子が目撃された後、姿が見えなくなった。


2022.12.22-一般社団法人 共同通信社(KYODO)-
旅客船事業者の法令違反に厳罰化 船首ハッチ密閉徹底、法改正へ

  国交省の有識者委員会は22日、知床沖の観光船事故を受けた安全対策をまとめた。2023年度から法令違反した旅客船事業者の罰則を強化し、行政処分に船舶使用停止命令を新設事故原因とされる船首部からの海水流入を防ぐため、出航前に船首部ハッチの密閉確認を徹底させる。政府は次期通常国会に海上運送法などの改正案を提出する。

   事故を機に指摘された国の監査不備を改善するため、抜き打ちやリモート形式を導入、法令違反事業者の通報窓口設置と併せて体制を立て直す。罰則強化は、海上運送法に基づく安全確保命令に従わない場合の罰金を現行の100万円以下から引き上げ、拘禁刑を設ける。


2022.12.22-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/3f35e50e535f38d2c9953ea3df942ec1e3321001
寝屋川強盗致死事件、20代の男女に実刑判決 大阪地裁

  大阪府寝屋川市で3月、専門学校生=当時(20)=を刃物で死亡させて現金を奪ったとして、強盗致死罪に問われた、いずれも無職のA被告(21)とB被告(22)の裁判員裁判の判決公判が22日、大阪地裁で開かれた。坂口裕俊裁判長はA被告に懲役22年(求刑懲役25年)、B被告に懲役20年(同25年)を言い渡した。A被告は麻薬取締法違反罪にも問われていた。

  両被告と共謀したと認定された事件当時18歳と19歳の男2人は、起訴の際、改正少年法に基づいて実名が公表された。
  判決によると、4人は3月1日深夜、寝屋川市の路上で専門学校生に催涙スプレーや警棒で暴行した上、刃物で背中を突き刺して死亡させ、現金約13万円などが入ったバッグを奪った。


2022.12.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20221222-3L2NGWKWDFPUHHELZYQKNREPXM/
反ワクチン「神真都Q会」元メンバーら5人に有罪判決 接種会場に侵入罪で

  新型コロナウイルスのワクチン接種会場に押し入ったとして建造物侵入罪に問われた反ワクチン団体「神真都(やまと)Q会元幹部、A被告(44)ら5人の判決公判が22日、東京地裁で開かれ、A被告に懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)が言い渡された。元メンバーの40~60代の男女4人についてもそれぞれ、懲役1年~10月、執行猶予3年とした。

  5人は初公判で、いずれも起訴内容を認めていた。
  神真都Q会は、米国の陰謀論集団「Qアノン」の日本支部をうたい、ワクチン接種の反対デモなどを展開。ツイッターなどの交流サイト(SNS)を通じて全国規模で支持者を拡大、今年3月に一般社団法人となったが、「凸(とつ)」と称して接種会場にアポなしで押しかけるなど、過激な活動を繰り返すようになっていた。
  会の中心人物の一人だったA被告は、主に人集めなどを担っていたという。公判では「当時は、自分が正義を背負っていると思っていた。寝ずに働く医療従事者や、子供を感染させたくないという親の気持ちが分からなかった」などと反省の弁を口にするとともに、退会届を出したことや、今後は会の解散を請求していく方針を明かした。
  起訴状などによると、5人は3~4月、ワクチン接種の中止を求める目的で、集団接種会場だった東京ドーム(東京都文京区)に侵入して抗議活動を行ったり、ワクチンを接種していた渋谷区のクリニックに押し入ったりしたなどとしている。


2022.12.02-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20221202-NDYCG7L6ZZIHLGBGWSIIWUPVQY/
子が拒否でも引き渡しを 別居夫へ命令確定、最高裁

  夫と別居後、家事審判で子供を育てる「監護者」に指定された和歌山市の女性が、夫に長男の引き渡しを求めた申し立てについて、最高裁第3小法廷(長嶺安政裁判長)は「長男が女性との同居を拒絶している」として申し立てを却下した大阪高裁決定を破棄し、夫に引き渡しなどを命じた和歌山家裁決定が確定した。決定は11月30日付。

  最高裁は平成31年4月、同種事案の決定で同居を拒む子供について例外的に引き渡しを認めない判断をしたが、今回は拒絶の意思表示が「約2カ月で2回にとどまっている」と指摘した。
  最高裁決定によると、和歌山家裁は令和2年の家事審判で女性を監護者に指定し、夫に長男と次男の引き渡しを命じた。審判は3年3月に確定。翌4月に女性は夫宅を訪れて当時5歳の次男の引き渡しを受けたが、8歳だった長男は両親の説得に応じず、翌5月の面会の場でも泣きながら夫の家に帰りたいと訴えた。同年6月、女性は引き渡しなどを夫に求める「間接強制」を申し立てた。和歌山家裁はこれを認め、夫が即時抗告。大阪高裁決定は引き渡しの強制は「過酷な執行で許されない」とした。


2022.12.02-Yahoo!Japanニュース(MBS NEWS)-https://news.yahoo.co.jp/articles/c55cda0c1056ab87c0753fa57f3d7feb28073070
【速報】「父親に無罪判決」生後7か月の長女をマンションの風呂場で窒息死させた罪に問われた裁判「不整脈などでの死亡を否定できず、窒息死を示す積極的な所見ない」大阪地裁

  生後7か月の長女を窒息死させた罪に問われている父親の裁判で、大阪地裁は父親に無罪を言い渡しました。
  起訴状などによりますと、Aさん(27)は3年前、当時住んでいた堺市のマンションの浴室で、生後7か月だった長女の咲舞ちゃんの首を手で圧迫するなどして窒息死させた傷害致死の罪に問われていました。

  これまでの裁判でAさんは「娘を傷つけるようなことはしていない」と起訴内容を否認していて、弁護側は「慢性心不全や不整脈によって突然死となった可能性は否定できない」として無罪を主張していました。
  一方、検察側は「2人きりの時に容体が急変していて病死というのはあまりに偶然すぎる」として、懲役5年を求刑していました。
  12月2日に開かれた裁判で大阪地裁は「長女に2つの遺伝子の変異があり、それにより不整脈などが生じて死亡した可能性は否定できない。窒息死であることを積極的に示す所見がなく有罪と認定するに足りる立証がされていない」としてAさんに無罪を言い渡しました。
  判決を受けて大阪地検は「判決内容を精査し適切に対応したい」としています。


2022.11.30-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221130/k10013908001000.html
同性婚 法制度ないのは違憲状態も憲法には違反せず 東京地裁

  同性どうしの結婚が認められていないのは憲法に違反するとして、東京に住む同性のカップルなどが国に賠償を求めた裁判で、東京地方裁判所は「同性パートナーと家族になるための法制度が存在しないことは、個人の尊厳と両性の本質的平等を定めた憲法に違反する状態だ」と指摘しました。

  一方で、「法制度の構築は立法の裁量に委ねられている」として、憲法には違反しないと結論づけ、訴えを退けました。東京に住む同性のカップルなど8人は、同性どうしの結婚を認めていない民法などの規定は憲法に違反するとして、国に賠償を求めました
  30日の判決で、東京地方裁判所の池原桃子裁判長は、「婚姻によってパートナーと家族になり、法的な保護を受ける利益は個人の尊厳に関わる重要な利益で、男女の夫婦と変わらない生活を送る同性カップルにとっても同様だ」と述べました。
  そのうえで、「同性パートナーと家族になるための法制度が存在しないことは、同性愛の人に対する重大な障害であり、個人の尊厳と両性の本質的平等を定めた憲法に違反する状態だ」と指摘しました。
  一方で、「どのような法制度にするかは、国の伝統や国民感情を含めた社会状況を踏まえつつ、十分に議論されるべきで、国会の裁量に委ねられている」として、今の法律の規定が憲法に違反するとまでは言い切れないと判断しました。婚姻の自由や法の下の平等を定めた憲法にも違反しないとして、訴えを退けました。
  同様の集団訴訟は全国5か所で起こされていて、先行して出された判決は札幌地裁は「憲法違反」、大阪地裁は「合憲」と判断が分かれていました。3件目となった東京地裁は憲法に違反しない「合憲」の結論でしたが、大阪に比べ踏み込んだ判断となりました。
原告側 “大きな前進 新しい法整備が必要”
  判決のあと、東京地方裁判所の前では、原告側が「違憲状態」「婚姻の平等に前進」と書かれた紙を掲げました。原告の大江千束さんは、「もっと、つっこんだ判決を出してほしかったが、違憲状態とされたことは大きな前進だと思う。今後は立法府で審議してほしいが、まずはほっとしている」と話していました。また小川葉子さんは、「現在の婚姻制度は、同性カップルにとっては不都合なものだと認められた。新しい法整備が必要だ」と話していました。
  このあと、原告側は記者会見を開き、大江さんは「『違憲状態』とされたのは喜ばしいことですが、立法の整備についてはまだまだこれからだと思います。今後どうなっていくかが重要で、実効性のある活動をしていかなければと感じています」と話しました。
  小川さんは「伝統的な家族や夫婦というものから私たちははじかれているんだと思っていましたが、現在の制度が同性カップルに不都合なものだと認められたのはうれしかった。『違憲状態』と明言されたことは大きな一歩で、これを第一歩と考え歩んでいきたい」と話しました。原告側は違憲判決を求めて、今後、控訴する方針だということです。
専門家「かなり大きな意義 国は検討や議論の必要」
  30日の判決について、性的マイノリティーの問題に詳しい早稲田大学の棚村政行教授は、「同性のパートナーが家族になるための制度や、婚姻に類するような制度が用意されていないことは人間らしく暮らすうえで重大な支障となっていて、個人の尊厳の点からも合理性を欠き、憲法に違反する状態だということを明確に宣言した点で、かなり大きな意義がある」と評価しています。
  そのうえで、「先行して出された札幌と大阪の判決を踏まえても、社会が大きく変化し、若い世代を中心に性的マイノリティーへの理解が進んでいるなかで、裁判所が、その法的地位や権利の擁護に対してある程度、踏み出した判断をしつつあることの表れではないか。国や行政は、検討や議論を始める必要がある」と指摘しています。
判決のポイント
  原告は、同性婚ができないことは、憲法が定める婚姻の自由や個人の尊厳、法の下の平等などに反すると訴えていました。東京地裁はどのように判断したのか、判決のポイントです。
 【憲法24条1項・婚姻の自由】
  判決はまず、婚姻の自由について定めた憲法24条1項について「『両性』や『夫婦』など、男女を示すことばを使っていることや、憲法が制定された当時は男女間の婚姻が当然の前提だったことから、憲法24条がいう婚姻とは異性間のものだと解釈できる」と指摘しました。そのうえで、「同性愛の人を取り巻く社会状況には大きな変化があるが、婚姻が伝統的に男女が子を産み育て、次の世代につなぐという役割を果たしてきたことは否定できない。憲法制定当時からの社会の変化を踏まえても現段階で解釈を変える状態になっているとは言えない」として、憲法24条1項には違反しないと判断しました。
 【憲法24条2項・個人の尊厳】
  東京地裁が踏み込んだ判断を示したのは、個人の尊厳や両性の平等を定めた憲法24条2項についてです。ことし6月の大阪地裁の判決は「同性間の婚姻制度の導入について何も法的措置がないことが将来的に憲法違反になる可能性はあるが、議論が尽くされていない今の段階では直ちに憲法違反とはいえない」と判断していました。一方、30日の判決は、婚姻は法的な保護や社会的な承認を与える極めて重要なものだとして、「パートナーと家族になるための法制度が存在しないことは、同性愛の人たちが人間らしく暮らしていくうえで重大な脅威、障害だ」と厳しく指摘しました。そして、「個人の尊厳に照らして合理的な理由があるとはいえず憲法に違反する状態だ」と述べました。また、自治体レベルで広がりを見せている「同性パートナーシップ制度」にも言及し、「パートナーシップ制度が広がりを見せている中、同性間の婚姻に類する制度を国が構築することに大きな障害があるとはいえない。むしろ、こうした制度の構築は社会的基盤を強化させ、異性愛者も含めた社会全体の安定につながるともいえる」と述べました。しかし、「どのような法制度にするかは、国の伝統や国民感情を含めた社会状況を踏まえつつ、十分に議論、検討されるべきで、国会の裁量に委ねられている」として、結論としては、同性婚を認めない今の法律の規定は憲法24条2項に違反しないと判断しました。
 【憲法14条・法の下の平等】
  去年3月の札幌地裁判決は法の下の平等を定めた憲法14条について、「同性カップルが婚姻による法的利益の一部すらも受けられないことは合理的な根拠を欠いた差別的な扱いで憲法に違反する」という初めての判断を示しました。一方、30日の判決は、「同性愛の人は婚姻によるさまざまな法的な効果を得られない不利益を受けている。しかし、憲法24条でいう婚姻とは男女間のものと考えられ区別することには合理的な根拠がある」などと指摘して、憲法14条にも違反しないと判断し、結果として訴えを退けました。
同性婚をめぐる動き
  同性婚をめぐっては、2001年に世界で初めてオランダで合法化されて以降、ヨーロッパを中心に認める動きが進んでいます。
  アメリカでは、2015年に連邦最高裁判所が、すべての州で同性婚を認める判断を示し、アジアでは唯一、台湾で3年前から認められています。
  こうした中、日本でも同性カップルの権利を認めてほしいという声が高まり、取り巻く環境は徐々に変化しています。
  2015年には、性的マイノリティーの人が暮らしやすい社会づくりを進めようと、同性カップルを、“結婚に相当する関係”とみなして、自治体が証明書などを交付するパートナーシップ制度が、全国で初めて東京 渋谷区と世田谷区で導入されました。
  11月1日には、東京都も同様の制度を開始し、証明書があれば、都営住宅にカップルで申し込めるなどの行政サービスが受けられるほか、一部の企業では、住宅購入の際に共同でローンを組んだり、携帯電話の家族割引が適用されたりするなど、配偶者を対象にしたサービスが受けられるということです。
  パートナーシップ制度は全国的に広がりを見せていて、同性婚の実現に取り組む団体「マリッジ フォーオールジャパン」によりますと、11月1日現在で、全国の240を超える自治体で導入されています。しかし、法的な効力はないため、結婚している夫婦とは違って税金の配偶者控除が受けられなかったり、健康保険で被扶養者として認められなかったりするほか、パートナーに子どもがいる場合、その親権者になることもできません
  裁判で原告側は、「パートナーシップ制度と法律で認められた結婚は、異なるものだ」と訴えていました。
松野官房長官「ほかの訴訟判断も注視」
  松野官房長官は午後の記者会見で、「国が勝訴したため控訴することはできないが、現段階では確定前の判決であり、ほかの裁判所でも同種の訴訟が継続していることから、その判断も注視していきたい」と述べました。
公明 高木政調会長「党内で議論深めていきたい」
  公明党の高木政務調査会長は記者会見で、「ジェンダー平等や同性婚など、さまざま議論されている中、党として作業チームで議論を進めている。同性婚について法制度が確立できるかどうかも含めて、議論を深めていきたい」と述べました。


2022.11.25-REUTERS-https://jp.reuters.com/article/idJP2022112501000433
裁判記録廃棄、最高裁が謝罪

  重大少年事件の記録を各地の家裁が廃棄していた問題で、記録保存の運用が適切だったかどうかを検証する有識者委員会の初会合が25日、最高裁で開かれた。最高裁の堀田真哉事務総長は、記録を適切に保存する仕組みが十分ではなかったと認め「裁判所全体の問題であり、重く受け止めている。国民の皆さまに申し訳なく、率直に反省しなければならない」と謝罪した。

  最高裁は、史料的価値の高いものは保存期間満了後も廃棄せず、「特別保存」とするよう内規で義務付けている。しかし今年10月、1997年の神戸連続児童殺傷事件の記録が廃棄されていたことが発覚し、他の重大事件でも相次いで判明した。・・・【共同通信】


2022.11,17-毎日新聞-https://mainichi.jp/articles/20221117/k00/00m/040/129000c
「ファスト映画」無断投稿 男女に計5億円の賠償命令 東京地裁判決

  映画を短く編集した「ファスト映画」を動画投稿サイトに無断投稿したとして、東宝や松竹、東映などの大手映画会社や配給会社など13社が、20代の男女2人に計5億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(杉浦正樹裁判長)は17日、2人の著作権侵害を認めて請求通り計5億円の賠償を命じた。ファスト映画を巡り、投稿者に賠償を命じる判決は初めて。

  ファスト映画は、映画の結末までのストーリーを10~15分程度にまとめた動画。男女2人は2021年6月、5本のファスト映画を無断で動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿したとして著作権法違反容疑で宮城県警に逮捕され、仙台地裁が同11月にいずれも執行猶予付きの有罪判決を言い渡し、確定している。2人は今回の訴訟で著作権侵害を争わず、賠償額がどう認定されるかが争点だった。
  判決は、2人が20年初めごろから10月下旬までに「おくりびと」や「シン・ゴジラ」など54本のファスト映画を無断投稿し、約700万円の広告収入を得たと認定。利用者がユーチューブ上から公式映画をレンタルする場合に本来は400円程度かかることや、投稿されたファスト映画が作品全体を把握できる内容だったことなどから、閲覧者による再生1回当たりの損害額は原告側の主張通り200円が相当と判断した。
  投稿されたファスト映画の再生回数は計1000万回を超え、本来の被害額は計約20億円となるが、原告側は請求額を計5億円に絞って提訴していた。1社当たりの賠償額は最高額の日活が1億8576万円、最も低かった東映が213万円など。
  原告側は、今回の判決が確定しても2人からどれだけ賠償金を回収できるかは不透明としている。訴訟では、この2人と共謀したとしてともに有罪が確定した40代男性にも賠償請求したが、出国して訴状送達が確認できず、今回の賠償命令の対象にはならなかった
原告側「大きな抑止力に」
  「著作権侵害の大きな抑止力になると考えている」。判決後に東京都内で記者会見した原告側は、今回の判決の意義を強調した。

  知的財産権侵害に関する調査をしている一般社団法人「コンテンツ海外流通促進機構」(東京都中央区)によると、新型コロナウイルス下の巣ごもり需要を背景にファスト映画の投稿は2020年初頭から目立つようになった。同機構は21年6月までに2000本以上のファスト映画を確認し、著作権侵害の被害額は約950億円と算定する。
  今回、賠償を命じられた男女2人が21年6月に逮捕されたことで、ファスト映画の投稿は激減したが、大手を含む13社が個人に巨額賠償を求めたのは、ファスト映画や海賊版がまん延し本編を見る人が減ることへの危機感があったからだ。弁護団の中島博之弁護士は「今回の裁判は賠償金の回収ではなく、今後の抑止事例にする意味を込めた」と語った。
  同機構の後藤健郎(たけろう)代表理事は、海賊版やファスト映画は閲覧者が増えることで広告収入も増えるビジネスモデルだとし、「権利者にリターンがなければ次の作品は生まれない。一人一人が違法映画を見ないという認識を醸成していくことが大切だ」と呼び掛けた。【遠藤浩二】


2022.11.10-朝日新聞-https://www.asahi.com/articles/ASQCB4SK0QC9UTIL018.html
「RTも名誉毀損」判断維持 伊藤詩織氏が訴えた訴訟で東京高裁
(田中恭太)


  性被害を訴えたジャーナリストの伊藤詩織氏が、事実と異なるイラストをツイッターに投稿されて名誉を傷つけられたなどとして、投稿した漫画家のはすみとしこ氏と、投稿をリツイート(転載)した男性に賠償を求めた訴訟の控訴審判決が10日、東京高裁(岩井伸晃裁判長)であった。判決は、はすみ氏に一審より増額して110万円、リツイートした男性には、一審で命じた11万円に加えて新たに11万円の支払いを命じた。

  高裁は昨年11月の一審・東京地裁判決に続き、「枕営業大失敗!!」などと書き添えたイラストを含むはすみ氏の投稿は「伊藤氏が虚偽の性被害を訴えていると示す内容で、多大な精神的苦痛を与える」と指摘。
  内容や多くの人に拡散された点などを考慮し、賠償額は一審の88万円から増やすのが相当とした。男性が投稿をリツイートした行為も「男性自身の表現行為と解するのが相当で、伊藤氏の社会的評価を低下させた」と述べ、一審の判断を維持した。
  男性は一審判決後に再びイラストをリツイートしており、この分の賠償として11万円を加え、計22万円の支払いを命じた。
  伊藤さんは判決後に取材に応じ、「(中傷投稿のリツイートは)誹謗(ひぼう)中傷するポスターをコピーして街に貼る行為だと思う。自分の制作物でなくても、わざわざ他の人の目にさらす行為について、こうした判決が出たのは好ましいことだ」と話した。
  一審では別の男性もリツイートをしたとして11万円の賠償を命じられていたが、控訴しなかった。
  リツイートをめぐっては、2014年と15年の東京地裁判決が「自身の発言と同様に扱われる」などとして、リツイートも投稿と同じ法的責任を負うと判断した。大阪高裁も20年、リツイートは意図や経緯を問わず法的責任が生じるとした判決を言い渡した。(田中恭太)


2022.11.09-Sponichi Annex-https://www.sponichi.co.jp/society/news/2022/11/09/kiji/20221109s00042000108000c.html
福岡・保育園バス園児放置死 元園長ら有罪 母親「判決は軽い 冬生を返して」

  福岡県中間市の双葉保育園で昨年7月、倉掛冬生ちゃん=当時(5)=送迎バスに置き去りにし熱中症で死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた当時の園長浦上陽子被告(45)に福岡地裁は8日、禁錮2年、執行猶予3年(求刑禁錮2年)の判決を言い渡した。降車補助を担当した保育士鳥羽詞子被告(59)は禁錮1年6月、執行猶予3年(求刑禁錮1年6月)だった。

  冨田敦史裁判長は「しゃく熱の車内で取り残され、感じた心細さや絶望感を思うとあまりに痛ましい」と指摘した。浦上被告は判決後、「申し訳ございませんでした」と遺族への謝罪の言葉を述べた。冬生ちゃんの母親(39)は記者会見「判決は軽いと思った。冬生を返してほしいと言いたい」と話した。


2022.11.02-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221102/k10013878141000.html
“裁判記録の廃棄 当分 停止を” 最高裁が全国の裁判所に通知

  神戸の児童連続殺傷事件などで逮捕された少年に関するすべての事件記録が廃棄されていた問題を受け、最高裁判所は保存期間が終了した裁判記録を当分の間、廃棄しないよう全国の裁判所に通知しました。この問題で最高裁は記録の保存の在り方や運用が適切だったかどうか検証することにしていて、今後の方針が定まるまでの暫定的な措置だということです。

  一般的な少年事件では、捜査や審判に関する記録の保存期間は少年が26歳になるまでですが、社会の耳目を集めた事件などで必要と判断した場合は、「特別保存」として永久的に保存することになっています。
  しかし、1997年に起きた神戸市の児童連続殺傷事件などで記録が廃棄されていたことが相次いで明らかになったことから、最高裁判所は先月25日付けで全国の高等裁判所と地方裁判所、家庭裁判所に通知を出し、保存期間が終了したすべての事件記録や書類について当分の間、廃棄しないよう指示しました。
  理由については「特別保存」の運用などを調査・検証する必要があるためとしていて、少年事件以外の民事裁判などの記録も廃棄を当面、停止するということです。
  今回の問題を受けて最高裁は「特別保存」に関する対応や運用が適切だったか外部の有識者から意見を聞いて検証することにしていて、廃棄の一時停止は、今後の方針が定まるまでの暫定的な措置だということです。

日弁連 少年事件記録の適正な保存求める声明
  少年事件の記録が廃棄されていたことが相次いで明らかになった問題を受け、日弁連=日本弁護士連合会の小林元治会長は、少年事件記録の適正な保存を求める声明を出しました。
  声明では「重要事件の記録廃棄などの事実は、少年事件記録の保存について家庭裁判所の関心が低いことを示していると理解せざるをえない。一度廃棄されてしまった記録は、将来いかなる事情が発生しても二度と検証・研究の対象とすることはできない」と裁判所の対応を批判しています。
  そのうえで、最高裁判所に対し、
    少年事件の記録の廃棄について、ガイドラインを策定するなどして「特別保存」が適正に行われるよう周知徹底することや、
    保存の状況を公表させること、  それに、
    重大な少年事件の記録を廃棄した家庭裁判所について、経緯を調査し、再発防止策を早急に講じることなどを求めています。


2022.10.26-Yahoo!Japanニュース(KYODOU)-https://news.yahoo.co.jp/articles/ded786ef61fb50ea6490121d0e3aab3c9e021c97
父親から性虐待、賠償請求棄却 広島地裁、除斥期間を理由に

  幼少期から父親に性的虐待を受け心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したとして、広島市の40代女性が70代の父親に損害賠償約3700万円を求めた訴訟の判決で、広島地裁(大浜寿美裁判長)は26日、不法行為から20年で賠償請求権が消滅する民法の「除斥期間」を理由に、請求を棄却した。

   女性は記者会見で「理解できない。除斥期間があっても被害者は一生被害者だ」と述べた。控訴する方針という。  女性側は、PTSDの症状が顕著に現れたのは2018年1月ごろと主張し、医師の診断書も提出。大浜裁判長は判決理由で、そのころに症状が現れた「客観的な裏付け証拠はない」とした。


2022.10.22-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20221022-OYTNT50017/
一家6人殺傷事件の記録廃棄…2000年に発生、当時15歳 大分家裁「適切ではなかった」

  各地の家裁で重大な少年事件の記録が廃棄されていた問題で、大分家裁は21日、大分県野津町(現・臼杵市)で2000年、当時15歳の元少年に一家6人が殺傷された事件の記録をすべて廃棄していたと明らかにした。同家裁は記録を事実上の永久保存となる「特別保存」の対象としておらず、「運用は適切ではなかったと思われる」としている。

  廃棄されたのは、少年審判の処分決定書や捜査資料などとみられ、同家裁は「廃棄時期や経緯、具体的にどのような記録が含まれていたのかは現時点では不明。調査予定はない」とした。
  事件は00年8月14日に発生。高校1年だった元少年が農家に侵入し、サバイバルナイフで一家6人を襲い、3人を殺害、3人に重傷を負わせた。同家裁は同年12月、元少年の責任能力を認めたうえで、「重症の行為障害の状態にあり、長期間にわたり専門的・個別的な治療と教育を行う必要がある」として京都医療少年院に送致した
  最高裁の規定では、少年事件の記録の保存期限について少年が26歳に達するまでと定めている。一方、史料や法令解釈の参考資料となるべきものは、その後も保存しなければならないと定められ、この「特別保存」の対象は各裁判所が決める。


2022.10.21-神戸新聞 NEXT-https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202210/0015740332.shtml#
少年事件の記録、永久保存はゼロ 神戸連続児童殺傷事件をはじめ1件もなし 神戸家裁

  1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件の全記録が廃棄された問題で、神戸家裁は20日、特別保存(永久保存)をしている少年事件記録は1件もなく、「ゼロ」だと明らかにした。

  未成年が犯した少年事件の記録は、内規で原則「少年が26歳に達するまで」と保存期間が定められ、家裁はこれを過ぎると廃棄する。ただ、最高裁は運用に関する通達で「世相を反映した事件」「全国的に社会の耳目を集めた事件」などの記録は廃棄せず、永久保存するよう定めている
  取材に応じた神戸家裁の職員は同日、廃棄が分かった連続児童殺傷事件をはじめ、少年事件では永久保存の記録はないと説明。一方、家庭内の紛争などを扱う「家事事件」は3件の記録が永久保存されているとした。(霍見真一郎)


2022.10.20-Yahoo!Japanニュース(MBS NEWS)-https://news.yahoo.co.jp/articles/a033d1949f7eddb32f08f72917ef2bcc4eb39f53
【速報】常連客の男に懲役20年の判決 カラオケパブ女性オーナー殺害事件「無慈悲な犯行で反省を見出せない」裁判長「遺族について考えて」と諭す 大阪地裁

  大阪市北区のカラオケパブ店で経営者の女性を殺害した罪に問われている男の裁判員裁判で、大阪地裁は男に対して懲役20年の判決を言い渡しました。

  判決によりますと、宮本浩志被告(57)は去年6月に大阪市北区のカラオケパブ店で経営者の稲田真優子さん(当時25)の首や胸などを刃物で何度も刺すなどして殺害しました。
   これまでの裁判で宮本被告は起訴内容について一貫して黙秘を続け、「私としては死刑を望んでいます」「私についてはいかなる質問についても答える気はありません」などと述べていました。
   また、弁護側は「検察は犯人であることが間違いないと立証できていない」と無罪を求めていました。
   一方、検察側は「被害者への好意が受け入れられず思いをうっ積させた末の犯行で、被害者の重要な部位ばかりを狙った強固な殺意に基づく」として、無期懲役を求刑していました。
   10月20日に開かれた裁判員裁判で大阪地裁は犯行動機について、「好意や強い執着心がみてとれ、それが受け入れられなかったこと」と指摘、「被告の靴やジャケットから血痕が発見され、DNA鑑定によって被害者のものと特定された。犯行以外の機会に付着したとは考えられない」として宮本被告の犯行と断定しました。
  そのうえで、「身勝手で無慈悲。犯行後の証拠隠滅行為も含めると相当計画的な犯行で強い非難に値する。被告人の供述からは反省を見出すことはできない」として、懲役20年を言い渡しました。
   最後に、裁判官は「あなたにとっては難しいと思いますが、遺族について考えてみてください。あなたにも家族がいるでしょう」と宮本被告に諭しました。  初公判から「死刑」を望む一方、検察批判も繰り返すなど特異な言動を続けた宮本被告。判決言い渡しの際は微動だにせず裁判官を見つめていました。遺族は宮本被告に対し謝罪や反省の言葉を求めていましたが、宮本被告がそうした言葉を口にすることは最後までありませんでした。
遺族「なぜ20年なのか納得できない」
   判決後に大阪市内で会見を開いた真優子さんの兄は次のように話しました。
   (真優子さんの兄・雄介さん
   「無期懲役を求めたのにどういう理由で情状酌量だったのかわからない。納得はいかんですね。でも飲み込んで理解してあとは自分との戦いですね。真優子はいろんな努力があって、これからさき幸せになる未来があったんですね。邁進していって父親・母親に幸せな姿を見せていくはずだった20年一杯、苦しんでほしい


2022.10.20-Yahoo!Japanニュース(神戸新聞 NEXT)-https://news.yahoo.co.jp/articles/ab6b50a35b7a2901e3371892766e895921560576
少年Aへの歴史的判断を裏付ける文書「廃棄の理由不明」 尋常じゃない分量のはずが 神戸家裁
(霍見真一郎)

  「少年A」の逮捕から今年で25年少年法を改正する契機になった神戸連続児童殺傷事件の記録が、全て「廃棄」されていた。神戸家裁によると、事件に関する文書は「一切残されていない」という。あの重大事件の記録が、永久保存となる「特別保存」にされなかった理由は分からない最高裁は廃棄を認めつつ、経緯が不明として見解を明らかにしない。なぜ、保存する内規が存在したのに膨大な記録を捨てたのか。最高裁も神戸家裁も、調査する意向を示していない。

  失われた事件記録は、ほかの文書に紛れてしまうような量ではなかった。取材に応じた神戸家裁の職員は「記録庫に行けばすぐ目についたんじゃないかと容易に想像できる」と語った。
  神戸家裁で少年Aの審判を担当した井垣康弘元判事(今年2月に死去)が、退官後に著した少年裁判官ノオト」によると、検察庁から送られてきた記録に限っても「書類だけで段ボール4箱、積み上げると高さ2メートル以上」あったという。少年Aの付添人(弁護人)の一人だった兵庫県弁護士会の工藤涼二弁護士(72)も「分量が尋常じゃない。5段程度の書庫がいっぱいだった」と話す。

  そこには、一体どんな記録があったのか。
  関係者によると、捜査関連書類だけでも、捜査復命書(報告書)供述調書実況見分調書押収物目録勾留状や逮捕状-などがあった。成人事件の場合は、検察官が選別して法廷で証拠申請するが、少年事件では取捨選択せず、全ての捜査記録を家裁に送るのが原則だ。
  家裁で作成された資料も含め、保存されていれば文字通り、一連の捜査と少年Aに関する調査を詳細に検証できる記録だった。

  神戸家裁は「所在不明」ではなく「廃棄された」とする。そう断言できるのは、事件記録を管理する「事件簿」の存在がある。家裁によると、神戸連続児童殺傷事件が起きた1997年の事件簿は、保存期間の20年が満了し、2019年2月25日に廃棄された。事件簿に記された事件記録の全てが廃棄済みでなければ、事件簿そのものを廃棄できない。97年の事件簿が廃棄されたのなら、連続児童殺傷事件の全記録が廃棄されたと判断できるという。
   ただ、その事件簿が存在しないため、事件記録自体の廃棄時期は不明だ。少年Aが26歳に達する2008年までは保存されていたはずと、家裁職員は言う。「そうでなければ規定(内規)違反になりますから」
  事件当時は既に、最高裁通達によって、重要な記録を永久保存する「特別保存」が運用されていた。通達には、その例として「全国的に社会の耳目を集めた事件」や「世相を反映した事件で史料的価値の高いもの」などが挙がる。連続児童殺傷事件がこれに当たらないのか。神戸家裁の職員に尋ねると「厳しい質問だ」と言葉を濁した。
   神戸地検で、同事件の主任検事を務めた男性(69)=現在は弁護士=は記録の廃棄について「内規が掲げる永久保存の対象を見る限り、該当すると思われ、内規に抵触している恐れがある」と述べた。
◆改正少年法を考える連載
   「成人未満」の第3部は、少年事件の司法文書と保存のあり方を考えたい。
   神戸連続児童殺傷事件の記録の廃棄が分かったのは、家裁に開示請求時の対応を尋ねたのがきっかけだった公開が原則の裁判だが、少年審判は例外的に非公開だ。「ブラックボックス」の開示請求はどのように拒まれるかを確かめる趣旨だったが、「全記録廃棄」の事実は衝撃だった。  少年Aに対する歴史的判断を裏付ける文書の数々は、なぜ失われたのか。(霍見真一郎)


2022.10.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20221015-6QUYVM65LBLG7DG4YMYYP6455U/
連続青酸殺人で死刑囚側が再審請求 1人は病死と鑑定書

  近畿3府県で夫や内縁関係にあった男性計4人に青酸化合物を飲ませ、うち3人を殺害したとして、殺人と強盗殺人未遂の罪で死刑が確定したA死刑囚(75)側が、京都地裁に再審請求したことが15日、関係者への取材で分かった。兵庫県伊丹市の日置稔さん=当時(75)=の死因を病死だとする医師の鑑定書を「新証拠」として提出した。

  再審請求は9月30日付で、地裁は即日受理した。今後、再審開始の可否を判断する。
  確定判決によると、平成24年3月~25年12月、遺産取得の目的で、日置さんら3人に青酸入りのカプセルを飲ませて殺害。19年12月にも、神戸市の知人男性にカプセルを飲ませたが未遂に終わった。


2022.10.12-LiveDoorNews(産経新聞)-https://news.livedoor.com/article/detail/23009828/
「検察側立証頼りない」「死刑宣告を」 大阪・パブ経営女性殺害で被告が持論、弁護側は無罪主張

  大阪市北区のカラオケパブ「ごまちゃん」で昨年6月、オーナーの稲田真優子(まゆこ)さん=当時(25)=を殺害したとして、殺人罪に問われた元常連客のA被告(57)は12日、大阪地裁で開かれた公判で最終意見陳述に臨み、「検察側の立証は頼りない」「判決は死刑を宣告していただきたい」などと約50分にわたって持論を述べた。

  裁判員裁判で審理されているA被告のこの日の公判では、検察側が無期懲役を求刑。弁護側は犯人性の立証が不十分として、改めて無罪を主張した。「言いたいことはあります」。最終意見陳述で証言台の前に立ったA被告はこう切り出し、検察側の論告への反論を始めた。
  まず、被告の上着のポケットに稲田さんの血液が付着していたことを証拠の一つと位置付ける検察側立証に対し、A被告は「なぜ上着のそこだけにしか血がついていないのか。どうやってそこにつくのか。私には想定できません。証拠として意味があるのか」と疑問を呈した。
  被告が事件当日に持ち歩いていたリュックが廃棄されるなど、証拠隠滅行為があったとする検察側の主張にも、被告は「第三者的な見解」と前置きした上で「捜査して証拠を見つけられなかったから『証拠隠滅』なんだなと。裏を返せば捜査の不手際ともとれるのではないか。検察側には推測しかない。ある意味残念だな、頼りないなと第三者的には感じていました」と述べた。
  宮本被告は9月16日に開かれた初公判で起訴内容の認否は黙秘しつつ「判決は死刑をお願いします。検察官には被害者家族の意思をくみ、死刑を求刑していただきたい」と語っていた。この日も同じ趣旨の発言を繰り返した。
  「私は死刑を望んでいます。国が人を殺すのは罪にならない。誰も罪にならなくて死ねる。なにとぞ、判決で死刑を宣告していただきたい」-起訴状によると、昨年6月11日夜、カラオケパブの店内で、稲田さんの首や胸などを刃物で多数回突き刺すなどして失血死させたとしている.


2022.10.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20221003-FZJMPMUD3NK7JKUBLHXEETHIJQ/
弟殺害事件でも主張対立 堺の父弟殺害公判

  堺市で平成30年、インスリン製剤の過剰投与で父親を、練炭自殺を装って弟をそれぞれ殺害したとして、殺人罪などに問われた無職、A被告(48)の裁判員裁判の第11回公判が3日、大阪地裁(坂口裕俊裁判長)で開かれた。弟の殺害について審理が始まり、検察側が「強い殺意があった」と指摘する一方、弁護側は「全て争う」と無罪を主張した。

  起訴状などによると、30年3月、弟の聖光(まさみつ)さん=当時(40)=に睡眠薬などを服用させて眠らせた上、実家のトイレ内で練炭を燃やして一酸化炭素中毒で殺害したとしている。
  検察側は、被告がインターネットで「一酸化炭素中毒」などと検索していたほか、練炭を事前に購入していたことを明らかにした。さらに聖光さんから検出された睡眠薬の成分は被告が処方されていたものと同一だったとして、「用意周到な犯行」と指弾した。
  これに対し、弁護側は「被告と聖光さんとの間には体格差があり、一人で犯行が可能なのか」などと複数の疑問点を指摘した上で、「間違いなく事実といえるかどうか慎重に考えてほしい」と訴えた。


2022.10.03-Yahoo!Japanニュース(朝日新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/c6e8a62916fc388cdd03cff81b163e3670ff170f
松本元死刑囚の遺骨、いまも国が保管 引き渡しを求めて次女が提訴

  オウム真理教元代表の松本智津夫(麻原彰晃)元死刑囚の遺骨と遺髪をめぐり、元死刑囚の次女が、国に引き渡しを求めて東京地裁に提訴した。最高裁で所有権が次女に確定したことに基づく請求で、提訴は2日付。次女の代理人が3日、明らかにした。

  松本元死刑囚は2018年7月の死刑執行直前に、遺骨などの引き取り先として「四女」を指定したとされる。
  一方、次女側は「(元死刑囚の)精神状態からすれば、特定の人を引き取り人に指定することはあり得ない」と反発した。  
  四女側の審判申し立てに対し、東京家裁は「確定的な意思表示だったとみるのは困難」で、面会の申し込みを繰り返していた次女側との関係が「最も親和的」と判断。所有権は次女にあるとし、昨年7月に最高裁で確定した。
■公安当局が注視 
  次女側は「一切関係ない」  公安当局は、遺骨などが後継団体の信者の信仰対象になる可能性があるとみて、状況を注視。「遺骨を粉にして海に散骨する」という意向を示してきた四女側ではなく次女側が受け取ることについて、公安関係者には不透明さが増すと懸念する見方もある。  

  今回の提訴について、次女の代理人は、次女は00年に教団から離れて以降は一切の関わりを断って暮らしてきたと主張する。  
  次女は代理人を通じ、「父の遺骨を政治的にも宗教的にも利用されたくない。娘としてただ静かに悼み弔いたいと願っている」とコメントした。  
  法務省は「現時点では訴状の送達を受けておらず、コメントは差し控える」としている。朝日新聞社


2022.09.30-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/4d8ec6a6b91a9b8d757b051dcaadf4f09a1ef28a
検事2人に「不起訴相当」 大阪検審、プレサンス前社長の告発巡り

  学校法人明浄学院(現学校法人大阪観光大学、大阪府熊取町)の業務上横領事件を巡り、証人威迫などの罪で告発され、大阪地検が嫌疑不十分で不起訴とした男性検事2人について、大阪第4検察審査会は30日、「不起訴相当」とする議決を公表した。

  29日付。 議決書は、不起訴を判断した検察側の記録や取り調べの録画映像を確認した上で、「不起訴処分の裁定を覆すに足る証拠がない」と記している。
  告発したのは、東証スタンダード上場の不動産会社「プレサンスコーポレーション」(大阪市)前社長の山岸忍氏(59)平成29年の土地取引で当時の学校法人理事長らと共謀し、法人資金21億円を横領したとして令和元年12月、大阪地検特捜部に逮捕、起訴されたが、昨年10月に大阪地裁で無罪判決を言い渡され確定した。 山岸氏は、検事2人が取り調べで山岸氏の元部下らに「会社の損害を賠償できるのか。10億、20億では済まない」などと迫り、山岸氏との共謀を認める虚偽の供述をさせたとして、今年3月に刑事告発。捜査した大阪地検が6月、2人を嫌疑不十分で不起訴処分にしたことを受け、検察審査会へ審査を申し立てていた。 山岸氏は今回の議決について、代理人弁護士を通じ「民間の人が同じことをしたら犯罪になるはず。一人の人間の人生を壊した責任を取らなくていいのか。大変悔しく理不尽な思いをしている」とコメントした。


2022.09.21-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/national/20220921-OYT1T50239/
5歳児餓死、「ママ友」に求刑通り懲役15年判決…裁判長「虚言重ねた巧妙な犯行」

  福岡県 篠栗 町で2020年4月、5歳の男児を餓死させたとして、男児の母親の「ママ友」で保護責任者遺棄致死罪などに問われたA被告(49)の裁判員裁判の判決で、福岡地裁は21日、求刑通り懲役15年を言い渡した。冨田敦史裁判長は、被告が母親らを支配して虐待を主導したと認定し、「虚言を重ねた巧妙な犯行で、長期間の飢えの苦しみを与え、あまりに残酷だ」と述べた。

  虐待死事件で母親の知人が同罪に問われたのは異例同罪で懲役5年(控訴中)となった母親・ B被告(40)を大幅に上回った
  判決によると、A被告はB被告に様々なうそをつき、架空の暴力団関係者の「ボス」がトラブルを解決する費用として、計約200万円をだまし取るなどして生活全般を支配。B被告と共謀して19年8月頃から、B被告の三男・ 翔士郎 ちゃんの食事を減らして重度の低栄養状態になったのに放置し、20年4月18日に餓死させた。

  A被告は無罪を主張し、相反する両被告の説明の信用性が主な争点だった。
  判決は、A被告が虚言でB被告を周囲から遮断して心理的に支配し、翔士郎ちゃんの食事を抜くよう指示するなど虐待を主導したと認定した。A被告の供述は不自然で信用できないとした一方、B被告の証言は両被告のSNSの履歴など客観的な証拠に裏付けられており、「信用性は高い」と判断した。
  冨田裁判長は「強い金銭欲があったのは明らか」と動機を指摘。「欲望のままの犯行に酌量の余地はない。不合理な弁解で責任に全く向き合っておらず、命を軽視し、非常に強い非難に値する」と結論付けた。

  「母の責任」主張 退ける
  「被告人を懲役15年に処する」。冨田裁判長が読み上げた判決に、A告は身動きせずに聞き入った。 この日の福岡地裁判決は、母親に頼まれて男児の食事制限に協力したなどとするA被告の主張について、「客観証拠と何とかつじつまを合わせようと、取り繕っているとしか考えられない」と非難した。
  A被告は公判で、「具合が悪いのは親が一番わかる。私だったら、すぐに病院に連れて行った」とし、男児が死亡したのは、母親のB被告の責任だと繰り返し訴えてきた。しかし、判決はこうした主張を退け、幸せな生活を送っていたB被告に、三男・翔士郎ちゃんを餓死させる理由は全く見当たらないと判断した。
  B被告の母で、翔士郎ちゃんの祖母は公判を傍聴した後、「翔士郎へのせめてもの償いになる」などとするコメントを出した。祖母は「どんな判決が出ても翔士郎は帰ってこない。もっともっと抱っこしたかった」と悲痛な思いも記し、A被告に対しては「翔士郎を亡くしたことを受け止め、せめて本当のことを言ってほしかった」とした。


2022.09.20-東京新聞-https://www.tokyo-np.co.jp/article/203580
法相、収容者死亡「判決を精査」 水戸地裁の賠償命令で

  葉梨康弘法相は20日の閣議後記者会見で、東日本入国管理センター(茨城県牛久市)に収容中のカメルーン国籍の男性が死亡した問題を巡り、国に賠償を命じた16日の水戸地裁判決を受け「亡くなった方やご遺族に心からお悔やみを申し上げたい」と述べた。判決への対応については「内容をこれからよく精査したい」とした。
  葉梨氏は、名古屋出入国在留管理局でスリランカ人女性が亡くなった事案にも触れ入管施設での死亡事案は絶対に起こしてはならない。処遇全般を、しっかりやっていくことが責務だ」と強調。その上で「名古屋事案の改善策を継続的に実行していきたい」と話した。


2022.09.17-Yahoo!Japanニュース(毎日新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/f97be7d42f6fbfc05aa7dd879d230707bf1736e3
山口・阿武町誤給付 被告が公判で無罪主張へ「構成要件満たさず」-【福原英信】

  山口県阿武町が誤って新型コロナウイルス対策の臨時特別給付金4630万円(463世帯分)を1世帯に振り込んだ問題を巡り、誤給付分全額を別の口座に振り替えたとして電子計算機使用詐欺罪で起訴された、

  振込先の世帯で無職、A被告(24)=同町=が10月5日に山口地裁で始まる公判で無罪を主張する方針であることが、関係者への取材で判明した。A被告は捜査段階で当初、容疑を認めていたが、弁護側は同罪の構成要件を満たさないと訴える見通しだ。
  起訴状などによると、A被告は誤給付と知りながら、4630万円をオンラインカジノの決済代行業者の口座に振り替えるなどして、不法に利益を得たとしている

  同罪の成立にはコンピューターなどに虚偽の情報を入力して不正な情報を記録した不法な利益を得た――の2要件を満たす必要がある。弁護側は、給付金を別の口座に振り替えた事実関係は認めた上で「虚偽の情報を(コンピューターに)与えてはおらず、同罪は成立しない」と主張するとみられる。
  一方、町がA被告に誤給付分の全額返還などを求めた民事訴訟は、誤給付分が全額回収されたこともあり、解決金約340万円の支払いやA被告が町と町民に謝罪することなどを条件として、9月22日に和解が正式に成立する見通し
【福原英信】


2022.09.13-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/15ed31284c8ddebf5e215ef6b908e043e7ca7be3
患者の障害は「手術の過失」 病院側に4400万円賠償命令、大阪地裁

  大阪市立大(現大阪公立大)医学部付属病院で平成27年12月、首を骨折し手術を受けた大阪市内の男性が、術後に両手両足がまひしたのは医師の過失が原因として、男性の遺族が同大に計約6200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が13日、大阪地裁であった。冨上智子裁判長は医師の過失を認定し、大学法人側に計約4400万円の支払いを命じた。

   判決によると、男性は当時80歳で、自宅で飲酒後に階段から転落し首を骨折。同病院で手術を受けたが、術後に折れた骨を固定できていないことが判明。再手術を受けたところ両手両足がまひする障害が残った29年1月、転院先の病院で心不全により死亡した。 冨上裁判長は、医師が1度目の手術で骨を固定するためのネジを挿入する際、位置や角度を誤ったと認定し、「基本手技に従っていない」と指摘。過失がなければまひは起きなかったとして、障害との因果関係を認定した一方、一部のまひについては手術前からだったとして、減額を認めた。


2022.08.30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220830-ELZFWJKGI5JAXO7KHPKCWIOHGA/
ウトロ地区放火 懲役4年の実刑 京都地裁

  先の大戦中に飛行場建設に従事した朝鮮人労働者の子孫らが暮らす京都府宇治市の「ウトロ地区」の家屋に火をつけたとして、非現住建造物等放火などの罪に問われた奈良県桜井市の無職、A被告(23)の判決公判が30日、京都地裁で開かれた。増田啓祐裁判長は「特定の民族への偏見と嫌悪感に基づく独善的で身勝手な動機だ」として、求刑通り懲役4年を言い渡した。

  判決理由で増田裁判長は「社会の不安をあおり、自分の意にそわないものへの犯行は民主主義社会で到底許容できない。反省が深まっているようにはうかがえない」と断じた。
  判決によると、昨年8月、ウトロ地区の木造家屋に放火し、計7棟を焼損。昨年7月には、在日本大韓民国民団の愛知県本部と、名古屋韓国学校にも火を付け、壁面などを焼損させたとしている。
  事件をめぐって、A被告は起訴内容を認め、被告人質問で「韓国人に敵対感情があった。ウトロ平和祈念館の開館を阻止するためだった」と説明した。
  ウトロ地区では今春にウトロ平和祈念館が開館。放火では展示予定品の一部も焼けており、住民らは犯行が特定の民族に対する憎悪犯罪(ヘイトクライム)にあたると非難している。


2022.08.29-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220829-6ABDK2HUIVM55D4ISJWEA5VIBY/
5歳児餓死「ママ友」否認 食事制限「指示してない」

  福岡県篠栗(ささぐり)町で令和2年、知人女性の三男=当時(5)=に十分な食事を与えず餓死させたとして、保護責任者遺棄致死などの罪に問われたA被告(49)は29日、福岡地裁での裁判員裁判初公判で、食事制限に関し「指示はしていません」と述べ、起訴内容を否認した。A被告は知人女性と「ママ友」の関係だった。

  知人だったB被告(40)=控訴=の1審判決は、A被告が「生活全般を実質的に支配していた」と認定した。
  起訴状によると、B被告と共謀し、元年8月ごろからB被告の三男、翔士郎(しょうじろう)ちゃんの食事を減らし、2年4月18日、餓死させたとしている。B被告から生活保護費や児童手当など計約200万円をだまし取るなどしたとして、詐欺と窃盗の罪にも問われている。

  B被告は今年6月に福岡地裁の裁判員裁判で懲役5年の判決を受け、不服として控訴した。A 被告は証人出廷したが、大半の証言を拒んだ。


2022.07.26-JIJI COM-https://www.jiji.com/jc/article?k=2022072600288&g=soc
加藤死刑囚の刑執行 秋葉原無差別殺傷―事件から14年・法務省

  法務省は26日、東京・秋葉原で2008年、無差別に7人を殺害し10人を負傷させた殺人などの罪で死刑が確定した元派遣社員、A死刑囚(39)の刑を執行したと発表した。事件発生から14年、死刑確定から7年余りでの執行となった。

  記者会見した古川禎久法相は「極めて重大な結果を発生させ、社会に大きな衝撃を与えた。突然の凶行により命を奪われた被害者はもちろん、遺族にとっても無念この上ない事件だ」と述べた。再審請求が出されていたかについては「答えを差し控える」とした。
  死刑執行は昨年12月以来で、岸田内閣では2回目。法務省によると、拘置所に収容中の確定死刑囚は106人となった。
  確定判決によると、A死刑囚は08年6月8日、千代田区のJR秋葉原駅近くの歩行者天国の交差点にトラックで突入。通行人をはねた後、ダガーナイフで刺すなどして7人を殺害、10人に重軽傷を負わせた。


2022.07.11-Yahoo!Japanニュース(JIJI com)-https://news.yahoo.co.jp/articles/d8c1b7e9643e3f8212651e0da2234ffbd876211b
小3女児殺害、改めて無罪主張 一審無期、9月に二審判決 広島高裁支部

  岡山県津山市で2004年9月、小学3年の女児=当時(9)=が殺害された事件で、殺人などの罪に問われ一審で無期懲役となったA被告(43)の控訴審第1回公判が11日、広島高裁岡山支部(片山隆夫裁判長)であった。

  控訴した弁護側は改めて無罪を主張し、検察側は控訴棄却を求め、即日結審した。判決は9月28日
  弁護側は控訴趣意書などで、争点となったA田被告の自白について、一審に続き信用性がないと主張。被告は当時、殺害現場にも津山市内にも行っていないと訴えた。 


2022.07.06-Yahoo!Japanニュース(朝日新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/18d34508ad1da1b937cc7bdf160da3b51ecf426d
17歳少年、初公判で女性刺殺認める

  福岡市の商業施設で2020年8月、当時21歳の女性を刺殺したなどとして、殺人などの罪に問われた少年(17)の裁判員裁判が6日、福岡地裁(武林仁美裁判長)で始まった。少年は事件当時15歳の中学生で、起訴内容について「間違いありません」と認めた

  法廷には、少年が傍聴席から見えないよう、囲むように仕切りが立てられた。
  起訴状などによると、少年は20年8月28日夜、福岡市中央区の商業施設「MARK(マーク) IS(イズ) 福岡ももち」内の店舗で包丁2本を盗み、その後1階女子トイレで、同市の女性の首などを包丁で刺して殺害。さらに逃げる際の盾にしようと、施設内にいた女児(当時6)を包丁で脅したなどとされる
   検察側は冒頭陳述で、少年が更生保護施設から抜け出して事件を起こしたことなどから、「保護処分での更生可能性が乏しい」として、成人と同等の刑事処分が相当だと主張。一方、弁護側は「少年院での教育や更生が望ましい」として保護処分を求めた。(朝日新聞社)


秋葉原通り魔事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


秋葉原通り魔事件は、2008年平成20年)6月8日東京都千代田区外神田秋葉原)で発生した通り魔殺傷事件。7人が死亡、10人が重軽傷を負った。警察や裁判所、報道、更に犯人自身からは主に、秋葉原無差別殺傷事件と呼ばれている。犯人の加藤智大2022年令和4年)7月26日に収監先の東京拘置所死刑が執行された
概要
事件概要
  2008年6月8日12時30分過ぎ、東京都千代田区外神田四丁目の神田明神通りと中央通りが交わる交差点で、元自動車工場派遣社員の加藤 智大( ともひろ、1982年9月28日- 2022年7月26日、犯行当時25歳)の運転する2トントラックいすゞ・エルフ)が西側の神田明神下交差点方面から東に向かい、中央通りとの交差点に設置されていた赤信号を無視して突入、青信号を横断中の歩行者5人をはねた。
  このトラックは、交差点を過ぎて対向車線で信号待ちをしていたタクシーと接触して停車。周囲にいた人々は最初は交通事故だと思ったが、トラックを運転していた加藤はそのまま車を降り、道路に倒れこむ被害者の救護に集まった通行人、警察官ら17人を所持していたダガー(ナイフ)で立て続けに殺傷した。
  さらに加藤は奇声を上げながら周囲の通行人を次々に刺して逃走。事件発生後まもなくして近くの警視庁万世橋警察署秋葉原交番から駆けつけた警察官が加藤を追跡し距離を詰めたところ、防護服を斬り付けられるなど命の危険に晒されたものの、警棒で加藤の側頭部を殴りつけるなどして応戦。最後は拳銃の銃口を加藤に対して向けて、武器を捨てるよう警告し、応じなければ拳銃を発砲すると通告し、それに応じてダガーを捨てた加藤を非番であったがその場に居合わせた蔵前警察署の警察官とともに取り押さえて、旧サトームセン本店(事件当時は空き店舗。現クラブセガ秋葉原新館)脇の路地で現行犯逮捕した。

  事件当日は日曜日で、中央通りは歩行者天国の区域となっており、買い物客や観光客でごった返している中での犯行だったため、事件直後に多くの人々が逃げ惑い、また負傷者が横たわる周囲が血の海になるなど事件現場はさながら戦場の様相を呈しており、まさに白昼の惨劇であった。後に加藤はナイフを5本所持していたことがわかった。
  警視庁捜査一課・万世橋署は6月10日、加藤を東京地方検察庁に送検、同地検は7月7日、加藤の精神鑑定のため、東京地方裁判所鑑定留置を請求し認められた。留置期限の10月6日までに、「刑事責任能力がある」という結論が出されている。
救急活動
  これらの犯行に対する救命活動はおおむね迅速に遂行された。犯行現場にいた一般の通行人は、加藤がまだ拘束されていない段階から積極的に被害者たちに対する一次救命処置を開始し、また、携帯電話などを活用しての迅速な通報がなされた。

  東京消防庁は12時36分に最初の119番通報を受信、通常の交通事故による救急事案として、救急隊1隊と救急隊支援のための消防隊1隊を出場させたが、さらに通報が相次いだことから、管轄の神田消防署から指揮隊1隊と救急隊4隊を応援隊として出場させた。12時43分には最初の救急隊(浅草消防署浅草橋出張所浅草橋救急小隊)が現場に到着した。現場到着部隊は、通常の態勢で対処できる状況ではないと判断し、現場到着とほぼ同時に、災害派遣医療チーム (DMAT) の出場を要請、東京消防庁は東京DMATに対して出動要請を行った。

  12時47分には消防の現場指揮本部から応援要請を受け、多数の傷病者に対応するための「救急特別第1出場」を発令、救急隊10隊や、東京DMATの支援のための消防隊(東京DMAT連携隊)などを追加出場させた。12時49分には、先に出場を指令された救急隊5隊が現場での活動を開始している。
  東京消防庁がDMATチームに出動を要請してから12分後の12時55分、現場からもっとも近かった日本医科大学付属病院高度救命救急センターのDMATチームが現場に到着した。日本医大DMATチーム指揮官は、犯行規模の大きさからDMATチームをさらに2チーム追加投入するよう要請し、13時8分に東京医科大学病院のDMATチームが到着、これにより、殺人事件としては初のDMATチーム複数投入が実施されることとなった。最終的には、日本医大、東京医大に加え、白鬚橋病院都立広尾病院の4チームが現場に展開している。13時過ぎにはDMATチームの現地指揮所が設置され、最初に現場に展開した日本医大チームが全体の指揮をとることで指揮系統が確立された。
  これらのDMATチームが主導することで、救急活動は概ね円滑に遂行されたと評価されている。一方で、DMATチームの出動に頼ったために、初動のトリアージに遅れが出た可能性も指摘されている。
被害者
  17名がトラックではねられる、ナイフで刺されるなどの被害を受け、うち7名が死亡した。通り魔事件としては過去30年で最悪の事件とみられている。被害者数は平成時代に起きた無差別殺傷事件としては、7年前の同じ日に発生した附属池田小事件に次ぐ惨劇になった。
犯人
  加藤によると、殺人を目的として事件を起こしたのではなく、ネットの掲示板荒らしに対する抗議の表明手段だったという。事件直前には中止を考えたものの既に掲示板で犯行予告を行っていたため、懲役刑よりは死刑になった方がましだと考えて決行したという。
  トラックで人をはね飛ばすのは2005年(平成17年)4月に発生した仙台アーケード街トラック暴走事件を、ナイフで人を襲うのは2008年(平成20年)3月に発生した土浦連続殺傷事件を参考にし、犯行2日前に福井県福井市のミリタリー輸入雑貨店でナイフ類6本を購入し、犯行前日に静岡県沼津市レンタカー店で2トントラックを予約して犯行に及んだ。
  加藤は事件現場で現行犯逮捕されて以降、拘置所において弁護士以外との面会を拒否し、手紙の受け取りも拒否し、マスコミの取材も拒否している。その一方で2012年から事件に関連した著書を発表している。
  加藤は携帯電話向けの電子掲示板を複数利用していた。2008年2月に「不細工なせいで孤独な男」という人物を演じたところ他利用者からの反応が良かったので、以後「不細工スレの主」として自虐的な書き込みを続けて行く。一方で加藤に成りすました荒らしも掲示板に現れるようになる。
  やがて実生活で仕事や友人を失ったことから社会との接点が掲示板のみになり、孤立を恐れて掲示板にしがみつくようになった加藤は、荒らしへの「心理的に攻撃する手段」として、報道されて相手に伝わるような大事件を起こすことを決意する。
  加藤は事件当日の5時21分に「究極交流掲示板(改)」に新しいスレッドを立て、沼津から秋葉原まで移動して事件を起こすまでに約30回のメッセージを書き込んでいた。11時45分頃、秋葉原に到着した加藤はスレッドのタイトルを「秋葉原で人を殺します」へ、内容を「車でつっこんで、車が使えなくなったらナイフを使います みんなさようなら」と書き換えて犯行予告を行い、12時10分に「時間です」の書き込みを残して12時30分に事件を起こした。
加藤が否定した犯罪要因
労働環境
  加藤が派遣労働社員であったことから、若者雇用環境が厳しくなっていることで将来に希望を失い、事件の動機になったとする見方も出た。また、この事件をもって若者の雇用環境悪化を問題視する意見が報道機関から多数出て、読者からの投稿でもそれに追随する意見が出された。
  だが、刑事裁判において、加藤は本件犯行の動機も原因も雇用形態が派遣であることとは無関係であると供述し、弁護人検察官裁判官も、その供述が事実であると認定した。加藤は最初の就職から事件を起こす直前に勤めていた就職先まで、全ての就職の雇用形態が登録型派遣労働社員だったわけではなく、青森県の運送会社では正社員として、宮城県警備会社で準社員として、直接雇用されている(後に自己都合退職)。
  加藤は、短期間で転職を繰り返した理由は、上記のように職場や人間関係に対して不満があると、雇用主や同僚と話し合いをせずに、不満への抗議の表明手段として、無断欠勤してそのまま職場放棄して退職するという、極端な考え方とその現象としての言動が原因であると、裁判で供述している。
  また加藤による自著『解+』においても否定している。
作業服の紛失
  加藤は一貫して否定しており、加えて取り調べ段階において、供述の文言を書き換えて勝手に動機とした捜査機関による捏造ねつぞう行為があったことを述べている。
負け組
  加藤が掲示板に「負け組は生まれながらにして負け組なのです まずそれに気付きましょう そして受け入れましょう」などと書き込んでいたこともあり、事件後加藤を負け組の英雄とし、「神」「教祖」「救世主」とまでみなす共感現象が起きた。これに対し、加藤は「本気で自分を「負け組」だと考える人のことは全く理解できません。また、自分の努力不足を棚に上げて「勝ち組」を逆恨みするその腐った根性は不快です」と切って捨てている。
社会的孤立
  社会学者の宮台真司は社会の側の包摂が足りないのが原因として「絆のある人間関係の中で生きられること」が必要などと主張したが、加藤は地元の青森や仙台を中心に趣味の合う仲の良い友人が幾人もおり、どの職場でも友人付き合いをし、心を開いて話をする店主がいる行きつけの酒場などもあった。また掲示板を介しても自らオフ会を提案し、全国を旅行して相手先に宿泊し心を通わせるなど、積極的人間関係の構築により友人が多数いた。事件当日も作業着事件で辞めた元職場の友人へ遊ぼうと呼びかけている。
  また「若者が希望を持てる社会、などと言われたりしているようですが、意味不明です。何故そうやって社会のせいにするのか、全く理解できません。あくまでも、私の状況です。社会の環境ではありません。勝手に置き換えないでください」と述べている。
  北海道大学准教授の中島岳志は「コミュニケーションが下手で、友達がいない若者はたくさんいる。加藤はうまくやっている方で、もしかしたら、私が教えている学生の方が友達がいないかもしれない。なのに、加藤は孤独だった。問題は友達がいないことではなくて、友達がいるにもかかわらず孤独だったこと」と主張している。
学歴
  加藤は親への恨みから大学に進まなかったことを、不利益であったため後で考えれば損だったとは述べているものの「事件とは無関係です」ときっぱり否定し、むしろそのような動機を盛る者達の学歴に対する劣等感を指摘している。
「盛られた動機」に対して
  加藤は繰り返し捜査機関側が都合のいい供述調書を作ろうとさまざまな動機をでっち上げ、それを前提とした供述をさせようとしたことを挙げ、そのような「盛られた動機」を調べもせずに垂れ流す 「広報」と化した大手報道媒体を捜査機関とともに批判している。また「専門家の話もほとんど嘘」と指弾し、そこから出てくる対策に効果などないと結論づけている。
過去の自暴自棄
  加藤は精神的に不安定になり、仙台の警備会社では事務所に火をつけるかトラックで突っ込むかして襲撃する計画、地元の青森で車で対向車線側のトラックに突っ込んで自殺するという計画を立てたりしていたと語っている。2006年8月末と2007年には自殺計画を練り、友人や家族に自殺予告のメールをした後で実行に着手しようとしたが、最終的には実行しなかった。
事件後の対応
歩行者天国の中止
  通り魔事件は、事件当時秋葉原で実施されていた歩行者天国にも影響を与えた。事件発生を受けて、千代田区と万世橋警察署、地元町会で歩行者天国のあり方を検討することとなり、毎週日曜日および祝日の12時から17時まで中央通りで実施していた歩行者天国の当面の中止を、東京都公安委員会が決定した。
  その後、自治体や地元町会・商店街の検討会により、住民によるパトロールの実施・監視カメラの設置、安全に関する協定の制定など防犯体制の案がまとまり、2010年平成22年)の夏休みをめどに再開することを予定していた。しかし警察庁から、地元からも警備要員を出すように要望があり、その体制がまとまらなかったことから、歩行者天国の再開時期が報じられては延期という状態がしばらく続いていた。最終的には、路上パフォーマンスを警戒する警備要員を一定数、常時巡回させる計画でまとまり、地元住民の同意もほぼ得られたとして、2011年(平成23年)1月からの歩行者天国再開を、2010年(平成22年)12月中に東京都公安委員会に諮ることとなった。
歩行者天国の再開
  その結果、毎週日曜日のみ、実施時間を13時から17時(4月以降は18時)までとし、実施区間も従来より200メートル短縮したうえで、2011年(平成23年)1月23日より歩行者天国が再開されている。また、歩行者天国実施中は事件再発防止の観点から、事件が発生した交差点は、緊急車両を除く全ての車両の進入が禁止となった。再開は試験的なもので、期間は2011年(平成23年)6月26日までを予定していたが、2011年(平成23年)3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震東日本大震災)による余震計画停電が懸念されたため一時中止された。その後、計画停電の影響が薄れたことや地元商店から再開の要望が多かったため4月17日より歩行者天国が再開された。
公的機関
警察のパトロール強化
  福田康夫内閣総理大臣(当時)は、泉信也国家公安委員会委員長に対し、事件の再発防止策の検討を指示した。
  事件後、秋葉原周辺には模倣犯防止のため、警視庁・万世橋警察署の制服警察官や私服警察官、刑事警視庁公安部の職員が多数配置されており、パトカーによる巡回、不審者に対しては職務質問を随時実施している。
犯罪予告への対応強化
  事件後、複数の電子掲示板では殺人などの犯罪予告が相次ぎ、7月7日までに33人を検挙した。事件前は月に2 - 3件だったが、事件後1か月で100件以上になっている。このほとんどが10代と20代だが、小学生や中学生が行ったものもある。供述内容などからそのほとんどがいたずらとされているが、実行の意思とは関係なく、このような行為は脅迫罪威力業務妨害に該当する。また、通り魔事件や犯人に対して言及したものも一定数みうけられる。警察庁は6月24日に、全国の警察本部に電子掲示板への犯罪予告の書き込みを厳正に取り締まり、検挙例を積極的に広報することなどの通達を出した。
  事件発生から4日後の6月12日、矢野さとるにより犯罪予告情報共有ウェブサイト予告.in』が作成された。
銃刀法の改正
  この事件の影響を受け、町村信孝内閣官房長官は刃物の所持規制強化を検討すると述べた。その後、2009年(平成21年)1月5日銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)が改正された。内容は「刃渡り5.5cmの剣が原則所持禁止」が主となっている。これによりカキの殻むきナイフの一部なども違法にあたると発表され、各業界で混乱を招いている。
カウンセラーの派遣
  千代田区は、要望があれば区内の全小中学校に子供達の精神ケアを行うカウンセラーを派遣することを決めた。
民間
  ・Yahoo!ショッピングAmazon.co.jp楽天市場においてダガーの販売を全面中止。インターネットオークションへの出品も全面禁止となった。
  ・ドン・キホーテ秋葉原店も事件を受けて営業を中止した。しかし同店舗ビルの8階において、AKB48の公演は予定通り行われた。
  ・著作物への影響
  ・TBS6月9日月曜ゴールデンで放送予定であったテレビドラマ『森村誠一サスペンスシリーズ(7) 〜時〜』にひき逃げや人が刺されるシーンがあり、事件を連想させるとして放送を自粛すると発表し、急遽、映画『NANA』を代替放送した。なお、『〜時〜』は2008年9月15日に放送された。
  ・東映制作の特撮テレビドラマ『炎神戦隊ゴーオンジャー』では番組中に登場するゴーオンウィングス専用武器「ロケットダガー」の呼称を当分自粛、メインスポンサーであるバンダイは、同武器の玩具の発売直前に商品名を「スイッチ噴射剣ロケットダガー」から「スイッチ噴射剣ロケットブースター」に急遽きゅうきょ変更し、パッケージと説明書の作り直しのため発売が延期された。「ダガー」の名称が本事件に用いられた凶器を連想させるための配慮である。呼称の自粛は同年度の冬ごろには解除されている(劇中の武器名は変更なし。ただし、3年後の『海賊戦隊ゴーカイジャー』で登場した際には変更されている)。
監視カメラの設置
  2010年(平成22年)1月、千代田区外神田三丁目の一部地域で、防犯目的での監視カメラが公園や電柱上に16台設置、運用開始された。運用管理は末廣町会が行っている。同年4月には外神田一丁目などに監視カメラ34台が電柱などに設置された。これにより一部地区を除き秋葉原全域にて監視カメラが設置・運用されている。
レンタカー事業者の対応
  窃盗事件や殺人、拉致監禁事件、通り魔事件やそれらの下見など、犯罪の手段として使用されやすいレンタカーの貸出要件の厳格化(大型の四輪自動車を借りる際には、クレジットカードによる決済を必須事項に加える)を行う動きが見られた。
  車両が事件に使われたレンタカー会社は後日、追悼の意を表明する旨を公式サイトのトップページに掲載した。なお、トラックにはねられて死傷した5名については自動車損害賠償責任保険が適用され、自賠責による賠償範囲を超過した部分については「運転者が故意に発生させた事故」であるものの、運行供用者責任を負う立場であるレンタカー会社の故意ではないため、任意保険部分についても補償の対象とされた。
事件の反響
報道
  日曜日の昼食時間帯に一般市民を巻き込んで発生した重大事件であったため、主要マスメディアが大きく報道した。また、国外のメディアも速報で伝えた。事件の最初の速報では死者は2人だったが、速報が入るにつれて死者の数が増えて行った。
インターネット上における反応
  加藤が非正規労働者であった事、また掲示板での孤独な人物像から、インターネット上の一部で、加藤を英雄視する見方が発生した。この見方においては、加藤に対して「犯人は神」「格差社会の英雄」「勝ち組に対して事件を起こすことで一矢報いた」「犯人は我々のスケープゴートとなった聖人」などと語られた。しかし、公判で加藤本人の供述が進み、考えられていたものとは異なる動機や人物像が明らかになるにつれ、そうした好意的・同情的な見方も薄れていった。
献花台の設置
  事件を受け、事件現場の交差点そばの旧ソフマップ秋葉原本館(現・ビックカメラAKIBA)側の歩道に、仮設テントつきの献花台が設営された。
犯人の世代
  この事件の犯人は、1997年(平成9年)の神戸連続児童殺傷事件の犯人(酒鬼薔薇聖斗・逮捕時14歳)や2000年(平成12年)の西鉄バスジャック事件(ネオむぎ茶・逮捕時17歳)を始めとする一連の少年犯罪キレる17歳と呼ばれた世代(同学年・1982年4月2日 - 1983年4月1日生まれ)と同じ年齢だったことから「理由なき犯罪世代」として世代論について語られた。また、西鉄バスジャック事件とはインターネットでの犯行予告という共通点もある。ただし、この世代の犯罪率が特段高いというデータはいまだ存在せず、世代と事件の関連性は不明である。
影響を与えた事件
  ・マツダ本社工場連続殺傷事件 - 2010年(平成22年)6月22日、広島市南区のマツダ本社宇品工場にて犯人が12人の従業員を次々とはね、1人が死亡、11人に重軽傷を負わせる事件が発生。犯人は「マツダに恨みがあった。秋葉原のような事件をおこしてやろうと思い、工場内で車を止めて振り回すつもりで包丁も持っていった」と供述したと判明。
  ・宇都宮市連続爆発事件 - 2016年10月、72歳の犯人が家庭内不和を悲観して起こした、一般市民を巻き込む連続爆破事件。犯人はネット上に「秋葉原無差別殺傷事件のような事件を起こしたい」という趣旨の書き込みを行っていた。
この事件を題材とした作品
  2012年(平成24年)3月に廣木隆一監督・脚本、蓮佛美沙子主演の映画『RIVER』が公開された(2011年〈平成23年〉11月の東京フィルメックスで特別招待作品として上映)。この事件で電機オタクだった恋人を失った女性が人との関わりを通じて立ち直っていく姿を描いた作品で、廣木は「衝撃的な事件だったのに、時間の経過とともに話す人が少なくなってきた。映画にすることで永遠に残したかった」と企画意図を述べている。
  2013年3月15日に大森立嗣監督・脚本、水澤紳吾主演の映画『ぼっちゃん』が公開された。事件の犯人をモデルに派遣労働者が社会の中で追い詰められていくさまが描かれる。
  2019年3月に松本優作監督・脚本、篠崎こころ主演の映画『Noise』が公開(2017年に完成し、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭などの映画祭でも上映)。事件から8年後が舞台となっている。
テレビ番組
  ・平成ニッポンの瞬間映像30(日本テレビ)にて再現ドラマ - 2018年12月28日放送
  ・事件の涙(NHK) - 2019年7月8日放送
  ・ザ!世界仰天ニュース(日本テレビ) - 2021年10月5日放送
起訴および裁判
  3か月にわたる精神鑑定の結果、「完全な責任能力あり」との鑑定結果が出されたことから、東京地方検察庁10月6日から被害者や遺族への通知を開始し、10月10日に加藤を殺人、殺人未遂、公務執行妨害銃刀法違反での起訴に踏み切った。
  10月31日には公判前整理手続に入ることが決定され、翌2009年平成21年)6月22日には第1回公判前整理手続が行われ、弁護側は起訴事実を大筋で認めた。
第一審・東京地裁
  2010年(平成22年)1月28日東京地方裁判所にて、刑事裁判による第一審の初公判村山浩昭裁判長)が開かれた。同日、加藤は事件発生後、初めて公の場に姿を現し、罪状認否において起訴事実を認めた。弁護人からは責任能力に疑問がある旨の冒頭陳述があった。なお、この裁判は裁判員裁判制度施行前に起訴された事件で、裁判員裁判の対象外である。東京地方裁判所の裁判官のみで審理し判決が出た。
  2011年(平成23年)1月25日、第28回公判の論告求刑で、検察は加藤に対して「犯罪史上まれに見る凶悪事件で人間性のかけらもない悪魔の所業。多数の模倣犯を生み悪影響は計り知れない。命を以て罪を償わせることが正義だ」と述べ、死刑求刑した。
  同年2月9日、第29回公判(最終弁論)が開かれ、弁護側は最終弁論で「死刑を科すべきではない。人を殺すこと自体が目的ではなかった」として、死刑回避を求めた。最終意見陳述で、加藤被告人は「今は事件を起こすべきではなかったと後悔し、反省しています。遺族と被害者の方には申し訳なく思っています」と意見陳述し、結審した。
  同年3月24日、判決公判が開かれ、村山裁判長は、加藤被告人に求刑通り死刑判決を言い渡した判決理由では完全責任能力、比較的軽傷だった被害者への殺意、制服警察官に対する公務執行妨害罪について検察の主張通りに認定した。
  直接的な動機としては掲示板荒らしに対する抗議の表明、根本的な原因としては不満に対して多様な観点から熟慮せず、話し合いで解決しようとせず、自分の意思を相手に分からせるために、直接的行動で相手の望まないことをしたり、相手との関係を遮断したり、暴力を行使する考え方、間接的な原因として母の養育方法が前記のような加藤の人格形成に影響を与えたと認定された。
控訴審・東京高裁
  2012年(平成24年)6月、被告人加藤の控訴により東京高等裁判所で控訴審第1回公判が開かれ、死刑回避を主張した。
  2012年9月12日に判決公判が開かれ、東京高裁(飯田喜信裁判長)は「被告人加藤は犯行当時、完全責任能力を有していた」として、第一審の死刑判決を支持し被告人加藤の控訴を棄却する判決を言い渡した。加藤は控訴審に一度も出廷しないまま結審することとなった。
  弁護人は同年9月25日付で「加藤被告人には精神障害の疑いがあり、死刑判決は不当である」と主張して最高裁判所上告した。
上告審・最高裁第一小法廷
  2014年(平成26年)12月18日、最高裁判所第一小法廷桜井龍子裁判長)で上告審口頭弁論公判が開かれた。弁護側は「被告は事件当時、心神喪失もしくは心神耗弱だった疑いがある。死刑判決は破棄されるべきだ」と主張、検察側は上告棄却を求めて結審。
  2015年(平成27年)2月2日に上告審判決公判が開かれ、最高裁第一小法廷(桜井龍子裁判長)は「動機に酌量の余地は見いだせず、死刑を認めざるを得ない」として、一、二審の死刑判決を支持して加藤被告人、弁護人側の上告を棄却する判決を言い渡した。
  加藤は判決を不服として最高裁第一小法廷判決の訂正を申し立てたが、同月17日付で同小法廷の決定により棄却されたため、同日付で死刑が確定判決となった。
その後 
  ・2012年7月、加藤が事件について述べた『解』が批評社から出版された。その後2014年までに合計4冊の著書が出版されている。
  ・2014年-2月、加藤の弟が自殺。享年28。その1週間前に週刊現代の記者へ手記を送り、加害者家族としての苦しみを伝えていた。
       -7月、黒子のバスケ脅迫事件で逮捕された被告が公判で行った意見供述にて、過去に加藤の著書を読んでおり、事件後に動機が理解できるようになったと語った。8月、この供述を読んだ加藤は、ブログに全文を掲載していた篠田博之に見解を送り、その内容が公開された。
  ・加藤は死刑確定翌年の2016年5月10日付で東京地裁に再審請求を申し立てている。

死刑執行
  2022年令和4年)7月26日午前、加藤は法務省法務大臣古川禎久)の死刑執行命令により、収監先の東京拘置所死刑を執行された(39歳没)







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