経済問題-1



2023.06.20-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXZQODL199NQ0Z10C23A6000000/
ヤマトが日本郵便にメール便を委託、狙いは?

  2023年6月20日の日本経済新聞朝刊に「ヤマト、日本郵便に委託」という記事がありました。日本郵便とヤマト運輸は19日、ヤマトがメール便などの配達を日本郵便に全量委託すると発表しました。両社の狙いは何でしょうか。

ここが気になる
  ヤマトはメール便サービス「クロネコDM便」を24年1月末に、小型薄型荷物サービス「ネコポス」を24年度末までに終了し、代わりに日本郵便の「ゆうメール」を活用した「クロネコゆうメール」などを始めます。今後ヤマトは集荷業務のみを手掛け、仕分けや配達は日本郵便が行います。トラック運転手の不足が懸念される「2024年問題」を見据え、両社は競争関係を超えた提携に乗り出します。
  ヤマトにとってメール便などの配送は、仕分けや配送委託先が宅配便と統一できていなかったため採算が悪く、単価も低い非中核事業でした。一方、宅配便の取扱個数は今後もネット通販市場の拡大で増加が見込まれます。ヤマトはメール便などの配達業務を切り離し、宅配便事業で営業拠点の集約を進めるなど経営効率化を急ぎます。
  日本郵便は郵便物の減少が課題でした。22年度の郵便物(ゆうパックなど含む)の引受物数は185億通でピーク時の01年度から3割減っています。ヤマトのメール便などを取り込み積載率を上げることで収益を改善する狙いです。手紙やはがきの配達を郵便局以外に認めない「信書」問題を巡り対立してきたヤマトと日本郵便。両社の提携は2024年問題の深刻さを表しています。


2023.06.15-dmenu ニュース-https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/maonline/business/maonline-kabunushisokai_kensayaku_202306
株主総会、「検査役」選任が急増中のワケとは?

  物言う株主との対立など株主総会をめぐる紛争の増加、「総会検査役」を選任するケースがここ数年急増している。今年もコスモエネルギーホールディングス(HD)、フジテックなど8社10件(選任申し立て中を含む。6月14日時点)を数え、年間13社16件に上った前年に続き2ケタ台に乗せた。
  総会検査役は株主総会の招集手続きや決議の方法が適法であるかどうかを調査し、裁判所に報告書を提出する役割を担う。違法な決議を防ぎ、事後的な訴訟を抑止したりする効果が期待されている。通常、総会検査役は専門的知識を持つ弁護士が選任され、その選任の申し立ては対立株主側、会社側のいずれもが認められている。
コスモ、旧村上系を除いて決議へ
  6月下旬に集中する3月期決算会社の定時株主総会を控え、総会検査役の選任決定を発表したのはコスモエネルギーHD、ナガホリ、フジテック、東洋建設、東洋証券。また、日本証券金融では対立する国内投資ファンドのストラテジックキャピタルが裁判所に選任を申し立て中。
  なかでも動静が注目されているのがコスモエネルギーHDだ。同社は約20%の株式を持つ筆頭株主の旧村上ファンド系投資会社シティインデックスイレブンスと攻防を繰り広げている。総会では買収防衛策の発動について、その賛否をシティ側の議決権を除く形で諮る。
  こうしたやり方はMOM(マジョリティー・オブ・マイノリティー)決議と呼ばれる。少数株主の過半数の賛成で可決を図るもので、採決の方法としては異例。MOM決議は2021年にアジア開発キャピタルによる東京機械製作所の株買い占め事件で初めて行われ、最高裁まで争われた(アジア開発の抗告を棄却)。
  事の次第では司法の場で再び争われる可能性もあるだけに、コスモエネルギーHDの総会では検査役の重要性が一層高まる。今回の総会ではシティ、会社側の双方が選任を申し立てた。
  仕手グループの標的となっている宝飾品大手のナガホリでも対立株主と会社側がそれぞれ検査役の選任を申し立てた。
フジテック、前会長と攻防戦
  任天堂創業家の資産管理会社ヤマウチ・ナンバーテン・ファミリー・オフィス(YFO)と対立状態にあるのが東洋建設。同社は5月末、YFOによるTOB(株式公開買い付け)提案に反対することを決定。YFOは総会で経営陣の刷新を株主提案する予定だ。
  日本証券金融、フジテックの両社については2月に開いた臨時株主総会でも検査役が選任された。
  香港投資ファンドのオアシス・マネジメントと対立するフジテックでは臨時株主総会で取締役の半数近くが入れ替わり、取締役会でオアシスの影響力が高まった。今回の定時株主総会は経営の主導権をめぐって創業家出身でフジテック前会長の内山高一氏との対決の構図となっており、内山氏側が株主の立場から検査役選任を申し立てた。
  今年はこのほか、東京ソワールの3月の定時株主総会、三京化成の4月の臨時株主総会で検査役が選任された(三京化成では対立株主が選任申し立て)。
2020年を境に跳ね上がる
  M&A Onlineが適時開示情報をもとに、過去10年の総会検査役選任の状況を調べたところ、2020年6社8件(ただし、乾汽船だけで年間3件)を境に件数が跳ね上がっていることが分かった。
  それ以前は年間1〜2件ペースで、2017年、18年がいずれもゼロ、19年2件だった。これに対し、2021年は7社8件(東芝が2件)、2022年は13社16件(東芝、三ッ星、富士ソフトが各2件)と明らかな増加傾向を示している。
  物言う株主による株主提案の活発化に加え、敵対的買収や非友好的買収の広がりで、株主総会が紛争するおそれが高まっているのに伴い、検査役の重要性が一層増してことが背景にある。
  2021年は関西スーパーマーケット(現関西フードマーケット)の買収をめぐるエイチ・ツー・オーリテイリングとディスカウントスーパーのオーケー(横浜市)の攻防戦が最高裁にもつれ込む異例の展開をみせた。このケースでは株主総会での白票の扱いが争点となった。
  海外投資ファンドの経営介入を招いた東芝の株主総会では過去2年、開催のたびに検査役が選任された。


2023.05.26-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230526-GRXSI2HVPZLMDPWXLESVCM6MBU/
強敵が続々進出 リーガ大阪、激戦生き残れるか-(敬称略)

  大阪市には近年、外資系の巨大ホテルチェーンの最上級ブランドが相次ぎ進出している。米ヒルトンが平成29年に開業した「コンラッド大阪」(北区)。狙ったのは、急増していたインバウンド(訪日外国人客)だ。地上約200メートルの40階からは市街、さらには遠くに連なる山々も一望できる。
  米マリオット・インターナショナルが令和3年にオープンした「W Osaka」(中央区)は、新型コロナウイルス禍で、まず国内の富裕層やビジネス客をターゲットとした。デザインを監修したのは建築家の安藤忠雄だ。

  強敵がひしめく中、リーガロイヤルホテル(リーガ大阪、北区)の強みは、最大約2千人まで収容できる大宴会場や各種レストランをそろえる点だ。しかし客室などの老朽化が足かせとなり、客を奪われてきた。
  7年の大阪・関西万博開催に向けてもオープンが相次ぐ。同年の開業を予定する「ウォルドーフ・アストリア大阪」(北区)や「パティーナ大阪」(中央区)は、宴会場を設ける高級ホテルとなる計画。リーガ大阪の強みに踏み込み、正面からぶつかることになる。だが、リーガ大阪の買収に踏み切った米投資ファンド、ベントール・グリーンオーク(BGO)には〝勝算〟がある。
  BGO関係者は「東京の高級ホテルにはないクラシカルな雰囲気を持ち、サービスや快適性も十分。大規模な設備投資をすれば海外の富裕層を集められる」とみる。買収には、新設では得られない〝格〟や、大阪の富裕層がホテルに持つ親近感、ノスタルジーを一挙に手にできる利点がある
  交渉に先立ち、BGO関係者はひそかに宿泊して価値や課題を見極めていた。後で知った運営会社ロイヤルホテルの社長、蔭山秀一は「かなり研究している」とうなることになる。
  BGOは全1039室をリニューアルして老朽化したイメージを一新したい考えだ。ロイヤルホテル幹部は「アプローチできていなかった欧米などの富裕層を増やせる」と期待する。重要なのは、BGOのホテル運営との絶妙な距離感だ。BGOはロイヤルホテルの筆頭株主となったが保有比率は約33・0%。株主総会で重要事項の決議を単独で否決できる「3分の1超」を下回り、経営の裁量はロイヤルホテルに残る。
  従業員の雇用も維持する。業界に詳しいライターは「経営に外資が入れば人事評価が変わり、英語が話せるというだけで評価されることもある」とし、不安に感じる従業員が出てくると指摘。動揺を抑えるため、蔭山は従業員と直接対話する場を設けてきた。また、BGO幹部は「リーガ大阪は短期で売り買いする物件ではなく、中長期で投資するスタンスだ」とも語る。収益性ばかり追うのでなく、「大阪の人が納得するような」(蔭山)ホテルの価値を守ることが売却交渉で〝約束〟された。
  だが、外資系ファンドを「日本を土足で踏み荒らすやつら」(不動産大手の元幹部)と忌避する向きも少なくない。セブン&アイ・ホールディングスが開いた25日の株主総会では「物言う株主」の米ファンドが井阪隆一社長の退任を求め委任状争奪戦を展開した。

  投資物件の価値が上がれば即座に売却して稼ぐのがファンドの本質。BGOの日本法人をかつて担当した金融関係者は「彼らは初め年利3、4%を目標にしていても、最後は30~40%を求めるぐらいアグレッシブ(攻めの姿勢が強い)なファンドであることを忘れない方がいい」と忠告する。
  ロイヤルホテルの社長は今年6月、三井住友銀行出身の蔭山から、生え抜きの現・代表取締役常務執行役員、植田文一へ交代する。ライバルとの激戦を勝ち抜き、生き残れるのか。不透明な要素を抱えたまま、新生・リーガロイヤルホテルは船出した。(敬称略)


2023.05.22-JIJI COM.-https://www.jiji.com/jc/article?k=2023052200877&g=eco
関電、データセンター参入 米社と共同、10年で1兆円投資

  関西電力は22日、大容量のデータ処理を行う大規模データセンターの開発・運用事業に参入すると発表した。米国のデータセンター運営大手のサイラスワンと共同出資会社を今月中に設立。新会社は今後10年程度で1兆円以上を投資し、総受電容量900メガワット以上の事業規模を目指す。

  関電によると、データ通信量が増加する中、国内の大規模データセンターの市場規模は2030年度に1万1000メガワットと、20年度比で9000メガワット拡大する見通し。関電は中核的な事業の一つと位置付け、拡大する市場の1割を獲得したい考えだ。


2023.04.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230428-JC6XD3A2GVKZ5LH6GNVDOL7A74/
パナ、空調部門のAI・クラウド人材増員 省エネサービス拡大
(桑島浩任)

  パナソニックホールディングスで空調事業を担うパナソニック空質空調社は28日、大阪・梅田に新拠点を開設し、令和7年までに人工知能(AI)やクラウド開発の人材を100人増員すると発表した。収益性を高めるため、業務用空調機の遠隔監視やAI省エネ制御を有償サービスとして提供していく計画で、開発部門を都市部に集約し、必要な人材の確保を図る。

  モノのインターネット(IoT)機能によってクラウドに接続された空調機は急激に増加しており、パナソニック製品では平成29年は4千台だったのに対し、令和5年には100万台となっている。これまでクラウドを介した電気代や室内の空気の状態の見える化などのサービスは無償で提供されており、直接収益につながっていないことが課題だった。
  同社では昨年12月にドーム球場などの大型施設の空調で使われる吸収式冷凍機でIoTを活用した有償の省エネサービスを開始。6年4月からオフィス・店舗用エアコンでも提供を始め、12年に国内で累計3万5千件の契約を目指す。
  空調機の電気代や維持管理費などのランニングコストは国内全体で年間数兆円規模とみられ、右近貞治常務は「省エネサービスは有償であっても大きなニーズがある」と説明する。AIで空調を管理することで電気代を2割ほど削減できる見込みといい、右近氏は「商品を売って終わりではなく、お客さまと長期的な関係を構築していきたい」と話した。

  開発拠点は東京と新たに開設した大阪の2カ所で、社員はフルリモートで全国どこからでも勤務できる体制を整える。大阪の新拠点では同社の空調機を設置し、AI・クラウド開発の検証ができる環境になっている。(桑島浩任)


2023.04.21-Yahoo!Japanニュース-https://news.yahoo.co.jp/byline/tadafumiaki/20230421-00346489
人民元「¥」の表記で20倍の請求を受けないために 知っておきたい悪質通販サイトの手口と対策
(多田文明詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト)

  カリグラフィーのガイドブックを販売する、日本の通販サイトで商品を買ったはずが…。
  すべてが日本語で表示されている販売サイトで、商品に「¥1,680」の値段がつけられていれば、日本円の表記だと思うのが当然です。
  しかし国民生活センターに寄せられた相談には、通販サイトから「1,680円」で、ガイドブックを購入したはずの女性が、クレジット決済の明細を見ると、商品の金額が20倍もの「32,916円」の請求になっていたといいます。

日本円(JPY)中国人民元(CNY)とも「¥」で表記のカラクリ
  なぜ、こんなことになったのでしょうか。日本円(JPY)も中国人民元(CNY)も「¥」で表記されます。
  悪質な通販サイト業者は、購入者に「円」で購入したと思わせて、実は「人民元」での決済をさせていたというわけです。その結果、20倍もの金額になったわけですが、同センターにはこうした相談が複数あるといいます。
悪質業者の使うダマしの手口とは
  そこで、悪質業者の使うダマしの手口と、騙されないための対策を考えます。まず知っておいてほしいのは「誤認させる」のが、ネットでよく使われるダマしの手口であるということです。
  おそらく皆さんのところにも、携帯電話会社や銀行、クレジット会社を騙っての偽メールが届いていると思いますが、これも私たちを本当の会社から来たと誤認させて、偽サイトにアクセスさせ個人情報を抜きとろうとするものです。
  被害相談のあった販売サイトを国民生活センターの注意喚起からみてみます。
  カリグラフィーの商品を購入するために「カートヘ入れる」をタップさせて、次に進むと、まず「注文概要・クーポン入力 ∨ ¥1680.00」という表示が出てきて、その下には「Eメール」や「配送先住所」として氏名などを記入させるようになっています。
  そして「配送方法の選択へ進む」をタップすると、クレジットカード情報を記入させる決済画面となります。そしてクレジットカード情報を入れると、注文完了
となります。
「∨」をタップしないと、人民元がわからないようになっている
  ここには、カラクリがあります。先の「注文概要・クーポン入力」の横にある「∨」の部分をタップすると、詳細な表示が出てきて、合計「¥1,680.00」の前に小さく「CNY」と書かれています。つまり人民元であることを表記しているのです。
  つまり注文概要「∨」をタップしなければわからないわけで、おそらくほとんどの購入者がその部分をタップすることはないので、円だと思っての購入をさせられることになります。
  ここには購入者の目線から本当の金額表示を隠して、ダマそうとする意図が読み取れますので、非常に悪質なサイトといえます。
他の被害が多発している恐れも。身に覚えのある方は、ぜひ確認を
  筆者が心配しているのは、すでにこの手口が、カリグラフィーの商品だけではなく、他の商品でも行われているかもしれないということです。というのも、この通販サイトは、これまでのクレジットカードを抜き取ることを目的にした偽通販サイトの特徴を備えているからです。
  今回のサイトでも、正規の金額(¥2,100)に横線をつけて、安い値段(¥1,680)を表示しています。
  これはまさに、偽サイトへ購入者を呼び寄せるために使われる手口です。偽通販サイトでは、様々な商品の写真を貼り付けて、たくさんのサイトを表示させて、購入者を募りますので、すでにカリグラフィー以外の商品がすでに存在していてもおかしくないわけです。
  さらなる心配は、20倍もの高額請求をされた上に、クレジットカード情報も抜きとられている可能性です。このサイトはこれまでクレジットカード詐取をしてきた、偽通販サイトの新たな形であるともいえます。
巧妙さ、続々
  よほどの知能犯が考えた手口と思われますが、他にも、長年、詐欺事情を見てきた筆者をも唸らせる手口が存在しています。注文後には「ご注文内容の確認」メールも届ける用意周到さで、不正の発覚を遅らせる意図を感じます
  また20倍の金額とはいえ、購入者の値段が「3万2,916円」になっている点も巧妙です。もしこれが数十万円もの高額であれば、クレジット会社から「本当にあなたが買ったのですか?」と連絡がくることでしょう
  しかしこの程度ですと、誰もが購入する金額なので、クレジットカード会社の側でも不正を検知するのは難しいと思われます。購入者、クレジット会社に不正と気づかせない巧みな手口を使っているといえます。
  しかも今回は、購入者にPDFでガイドブックを送っているとも聞いていますので、商品を送るという3重の手法で不正の発覚を遅らせている点もみられて、巧みです。
悪質な通販サイトで騙されないために
  今後も様々な商品の写真を貼り付けての騙しが通販サイトで行われる可能性はあると思います。「安い」から、すぐにタップしての購入ではなく、その前にちょっと立ち止まって、サイトを良く見るようにしてください。そして必ず、支払いの詳細の部分は見て、特に小さな文字にこそ、注意を払ってください
  またメールアドレスだけしか書いていない通販サイトからは購入しないことも勧めます。今回の通販サイトも、同センターによると、連絡先としてメールアドレスはあるものの、販売業者の名称、住所、電話番号は表示されていなかったということです。
  本来、特定商取引法において、通販業者はサイト上に名称、住所、電話番号などを表示しなければなりませんので、この点の確認は購入前にお願いします
  ただし、これまで偽サイトを調べてきて、住所が書いてある場合もありますが、架空の住所であることもあります。また、電話番号があっても通じないことも多くあります。その辺りにも気を留めて確認するのも良いと思います。
  タップするだけで商品を購入できるのが、ネット通販の便利さですが、それを悪用しての手口も出てきています。初見の業者からの購入の場合には、自分の目で確かめるというワンステップも必要です。特に、すでにPDFの形で、数千円で商品を購入した覚えのある方は、もしかすると人民元の決済で被害に遭っていることもありえますので、利用明細を早急にチェックすることをお勧めします。

記事に関する報告
多田文明詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト
  2001年~02年まで、誘われたらついていく雑誌連載を担当。潜入は100ヶ所以上。20年の取材経験から、あらゆる詐欺・悪質商法の実態に精通。「ついていったらこうなった」(彩図社)は番組化し、特番で第8弾まで放送。多数のテレビ番組に出演している。 旧統一教会の元信者だった経験をもとに、教団の問題だけでなく世の中で行われる騙しの手口をいち早く見抜き、被害防止のための講演、講座も行う。2017年~2018年に消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」の委員を務める。近著に『信じる者は、ダマされる。~元統一教会信者だから書けた「マインドコントロール」の手口』(清談社Publico)


2023.04.12-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230412-2XKAFSN2WZPTXJVTSJ4ESNHK6U/
神戸の資産家一族52億円申告漏れ タックスヘイブンでの運用益巡り

  神戸市内の高級住宅地に居住する50代男性ら資産家一族大阪国税局の税務調査を受け、令和2年までの5年間で計約52億円の申告漏れを指摘されたことが12日、関係者への取材で分かった。法人税率の低いタックスヘイブン(租税回避地)に設立された会社で多額の資産を管理し、運用益を過少に申告するなどしていた。過少申告加算税を含めた追徴税額は計約18億円に上り、既に全額が納付されたという。

  関係者によると、男性らは別の親族が死亡した際、台湾にある上場企業の株式を相続。株式を含む資産は、親族がタックスヘイブンに設立した資金管理会社に移され、男性らは配当金などを受け取っていたが、適切に税務申告していなかったという。また、男性が海外居住の親族に資産を贈与したにもかかわらず、親族が税務申告をしていなかったことも判明した。
  株式など有価証券1億円以上を保有する国内居住者が海外の親族に資産を贈与する場合、タックスヘイブンなどでの資産売却による課税逃れを防ぐため、その含み益に所得税を課す「国外転出時課税制度」が適用される。国税局は、男性については同制度に基づく所得税を、資産を受け取った親族については贈与税を、それぞれ申告していなかったと判断した。
  国税当局は、海外への資産隠しや国際的な租税回避行為を背景に、高額な資産があると認められる個人を「富裕層」と位置づけ、税務調査の体制を強化している。


2023.04.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230403-UK55GR6YHZIEPIDOZSD2JLGSCM/
5人死亡の集団食中毒 「焼肉酒家えびす」運営会社が破産開始

  平成23年に5人が死亡した「焼肉酒家えびす」生肉集団食中毒事件で、運営会社「フーズ・フォーラス」金沢地裁から破産開始決定を受けたことが3日、分かった。3月28日付。

  東京商工リサーチなどによると、24年の特別清算申し立て時の負債総額は約17億7800万円だった。事件では神奈川、富山、石川、福井の4県6店舗でユッケや焼き肉を食べた客約180人が食中毒を発症し、うち6歳児を含む5人が死亡した。元社長は業務上過失致死傷の疑いで書類送付されたが、嫌疑不十分で不起訴となった。


2023.03.09-NHK NEWS WEB-(首都圏NEWS WEB)-https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20230309/1000090492.html
セブン&アイHD 傘下のイトーヨーカ堂で新たな合理策

  流通大手の「セブン&アイ・ホールディングス」は、グループ再編の一環として傘下の「イトーヨーカ堂」について、店舗数の大幅な削減を盛り込んだ新たな合理化策の案をまとめ、9日開く取締役会で協議を進める方針です。

  関係者によりますと、セブン&アイ・ホールディングスは、傘下の大手スーパー、イトーヨーカ堂について、新たな合理化策の案をまとめたことが分かりました。合理化策の案では、現在、全国に126ある店舗のうち地方都市の採算性が低い店を中心に、閉鎖や売却を行い、店舗数の大幅な削減が盛り込まれています。
一方、衣料品のフロアについては、テナント化を進めるなどして店舗としての収益の改善を進めるとしています。
  こうした合理化策の案について9日開く取締役会で協議を進める方針です。イトーヨーカ堂は、専門店やネット通販との競合で衣料品部門を中心に業績の不振が続いていて、スーパー事業を縮小し主力のコンビニエンスストア事業にさらに経営資源を集中させる形です。
  一方、セブン&アイをめぐっては、海外の株主からグループ全体の再編を求められていることから、イトーヨーカ堂の合理化策に加えてコンビニ事業の「セブン‐イレブン」を含めた一段の事業再編も大きな焦点となります。


2023.03.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230304-EIKVAHSKYVIIDEZIOAR4ROKM34/
〈独自〉H2O、超富裕層に百貨店超えた商品提案 今春から
(牛島要平)

  阪急阪神百貨店を傘下に置くエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングが今春から、富裕層でも特に所得の高い「超富裕層」向けに、顧客ごとの要望に合った商品やサービスの提案業務を本格化することが分かった。百貨店が扱う商品を超え、娯楽やグルメなども紹介する方針で、異業種との連携を進める。同社によると、自社で保有する資産や商品にとどまらず、幅広い提案を行う点で独自の取り組みという。高額品の好調ぶりを踏まえ、富裕層の取り込みを強化する。

  同社の荒木直也社長が産経新聞のインタビューに明らかにした。顧客から個別に店頭やオンラインで要望を聞き、商品のほか、人気のレストラン、国内外の旅行やエンタメ、美容・健康といった体験型のサービスについても具体的なメニューを提案する。そのために、ほかの業種の企業とも協力し、顧客開拓を進める。
  昨年末から海外のファッションショーを観覧してもらうなどの取り組みを試験的に導入し、「想定以上にお客さまが活動的で、興味が幅広い。体制の強化やスピードアップが必要」と判断。富裕層と接点の多い営業や企画部門を中心に社内横断的にスタッフを選出しており、チームを拡充して取り組む。
  各百貨店では伝統的に、得意客や法人を対象に個別に営業を行う「外商」を展開してきたが、最近は新たに百貨店を利用する比較的若い富裕層が増加し、価値観も多様化している。
  また昨年以降、高級ブランドの婦人服や宝飾品などの高額品が百貨店の業績回復を牽引(けんいん)。昨年10月に新型コロナウイルスの水際対策が全面緩和されて以降はインバウンド(訪日外国人客)が回復し、円安効果もあって、外国人客が百貨店で購入する商品は高額品が中心となっている。

  H2Oはこうした百貨店を巡る市場動向の変化を踏まえ、富裕層に特化したコミュニケーション型の事業展開を具体化することにした。同社は経営方針に「コミュニケーションリテイラー」を掲げ、デジタル技術を活用して顧客とつながり、顧客の声をより生かした販売方式への転換を目指している。すでに、百貨店の商品をスマートフォンから注文して購入できるシステム「リモオーダー」を開発、導入している。
  新型コロナの影響でテレワークなどが普及し、外出機会が減少。昨年春に行動制限が解除されて以降、百貨店の来店客数は回復しているものの、荒木氏は「オンラインで買い物する消費スタイルが定着し、コロナ前の100%に戻るのは難しいのでは」と指摘。
  そのうえで、「購買力の高い富裕層に的を絞った取り組みを強化したい。消費者とどうコンタクトを取り、信頼関係を築けるかを研究したい」と語った。(牛島要平)


2023.02.20-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230220-FPZPDDIZPJICJF7PP2FC4TRKV4/
北ミサイル 日本の漁船など被害出たら補償は?

  北朝鮮が、18日の大陸間弾道ミサイル(ICBM)1発に続き、20日も弾道ミサイル2発を発射するなど、高い頻度で発射を続けている。今のところ、日本の領土・領海で被害は発生していないが、ロシアのウクライナ侵攻を巡っては隣国ポーランドにミサイルが着弾し、2人が死亡した。日本でもミサイルの落下により日本海で操業中の漁船などに被害が出る可能性はゼロではない。その場合、補償などはどうなるのか

  20日の2発は北朝鮮から日本海側に相次いで発射され、いずれも日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下した。18日の弾道ミサイルは北海道渡島大島の西方約200キロのEEZ内に着弾したと推定される。
  昨年3月24日と11月18日にも日本のEEZ内に落下した。10月4日には日本上空を通過した。
  内閣官房によると、国内でミサイル被害が生じた際の救済措置は定められていない。意図的に撃ち込まれた場合は有事となり、被害者の救済は戦争終結後の立法で行うことになる。
  偶発的にミサイルが国内に落ちて被害が生じた場合は、北朝鮮への賠償請求などが想定される。ただ、内閣官房幹部は「日本と北朝鮮は国交がないので仮に請求しても交渉は難航するだろう」との見方を示す。
  民間の保険も、原則としてミサイル被害には対応していない多くの保険は免責事項として「戦争」や「武力行使」などを指定し、家屋や自動車などにミサイルが当たっても補償は受けられない。補償対象に含めれば「有事の際に保険会社に莫大な負担がかかる」(保険大手幹部)ためだ。
  一方で、例外もある。漁船保険の一種の「戦乱等特約」は、戦争などで船や乗員が被害を受けた場合に補償するもので、ミサイル被害にも対応している。
  日本漁船保険組合によると、平成28年度にこの特約に加入していたのは約200隻だったが、北朝鮮のミサイル発射が相次いだ29年度には契約件数が8倍近くに急増した。当時、ミサイルが上空を通過した北海道で特に加入が目立った。
  ただ、最近は加入件数が伸び悩んでいる。同組合道南支所(函館市)の担当者は、ミサイル発射が常態化して漁業関係者の警戒心が薄れていると指摘し、「『ミサイルが当たることなんてないだろう』と契約をやめる人もいるが、万が一に備えて加入するメリットはある」と語る。(竹之内秀介)


2023.02.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230210-N66BVOVX3ZJLXLFGI3OKGHETD4/
日銀新体制、黒田路線修正と共同声明見直しに注目
(米沢文)

  日本銀行の新総裁に内定した経済学者の植田和男氏(71)は、審議委員時代に当時のゼロ金利政策や量的金融緩和政策の導入に立ち会うなど金融政策に精通し、今の日銀とも比較的近い考えを持っているとされる。ただ「異次元の金融緩和」10年続き、副作用も目立つ。将来は〝出口〟に向かう必要があり、「黒田日銀」の路線をいつ、どのように修正していくかが注目される。

  「日銀総裁に植田氏」の一報が流れると、外国為替市場では急速に円が買い戻された。新体制の顔ぶれが固まり、金融政策の修正が意識されたためだ。
  日銀がいま直面するのは、「実体経済と金融市場からの異なる要請」(大和総研の久後翔太郎シニアエコノミスト)だ。コスト高に苦しむ企業や家計は引き続き低金利環境を必要としている。これに対して、債券市場では10年債の利回りが他の償還年限に比べ極端に低くなるなど、日銀の政策によってゆがみが生じ、社債の発行が一部滞るなどの悪影響が出ている。
  財政規律のゆるみへの配慮も求められる。発行済み国債に占める日銀の保有割合は5割超。防衛費拡大の財源確保などの懸案を抱える中、政府の財政を日銀が支える「財政ファイナンス」も懸念される。
  これらを踏まえると、新体制は当面、大規模緩和を続けながらも、出口を探ることが目下の課題となりそうだ。そこで注目されるのは、平成25年1月に政府と日銀が合意した2%の物価上昇目標を盛り込んだ共同声明の取り扱いだ。有識者らで構成する「令和国民会議(令和臨調)」は今年1月、共同声明の見直しを提言。目標を長期目標に切り替えることなどを求めており、見直しを行うかが当面の焦点となりそうだ。
  植田氏の起用について、大和証券の末広徹チーフエコノミストは「日銀プロパーではない総裁でサプライズ」と話す。ただ、最近も日銀主催会議で挨拶を行うなど、日銀と接点が多かったといい、副総裁候補も合わせた新体制について「バランス重視で納得の組み合わせだ」と期待を寄せた。(米沢文)


2023.02.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230207-WYJFNOKDCVJH7LJVGS54PLJ5WE/
露、1月の財政赤字3兆円超 昨年の14倍 通年想定の6割に到達

  ロシアのインタファクス通信は6日、露財務省の統計を基に、今年1月のロシアの財政赤字が前年同月比の14倍となる1兆7760億ルーブル(約3兆3千億円)となり、今年の国家予算で約3兆ルーブルと想定された赤字分の既に約60%に達したと報じた。主な要因は、ロシアが国家歳入の柱とする原油や天然ガス輸出の収益の減少だとしている。対露制裁の効果が着実に表れているものとみられる。

  同通信によると、ロシアの今年1月の原油・天然ガス企業からの税収は、前年同月比で46%減となる4260億ルーブルにとどまった。エネルギー価格の下落に加え、ウクライナ侵略で主な輸出先だった欧州連合(EU)などが対露エネルギー依存からの脱却を進めたことが背景にあるもようだ。
  全体の歳入も前年同月比35%減の1兆3560億ルーブルとなった一方、支出は同59%増の3兆1170億ルーブルに上った。露財務省は、赤字が拡大したのは予定した支出を前倒しで実施したためだとし、「通年では赤字は平均化される」とした。
  ただ、シルアノフ露財務相は昨年末、米欧側が導入した露産原油の上限価格設定などによりエネルギー輸出が減少し、今年の財政赤字が想定以上に拡大する可能性があると認めていたウクライナ侵略の長期化を受け、ロシアは今年の国家予算の30%超を軍事費など国防関連費に計上。財政赤字が拡大すれば、戦費がロシアの財政を圧迫する事態が加速するとみられる
  インタファクス通信によると、露財務省は赤字を補うため、エネルギー輸出の余剰収益を積み上げてきた「露国民福祉基金」が保有する金約3・6トンや中国の人民元を売却した。同基金からの金の売却は初だという。タス通信によると、今年2月1日時点の同基金の資産残高は約11兆ルーブル。


2023.02.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230207-NML55RXJ3NNRNJ2IFXEEOAXOYY/
「うめきた2期」の名称「グラングリーン大阪」に

  JR大阪駅北側の再開発地区「うめきた2期」の開発に携わる三菱地所などの企業群は7日、開発事業全体の名称を「グラングリーン大阪」に決定したと発表した。

  うめきた2期は4・5ヘクタールの都市公園を中心に、最高級ホテル、商業施設、ビジネス創出を支援する産官学の交流場「中核施設」などで構成される。3月18日にはエリア内でJR西日本が新たな地下駅を開業し、令和6年夏ごろに先行まちびらきが予定されている。
  大阪市内で会見した三菱地所の木村透執行役常務は「計画のコンセプトは緑のあふれる場と、イノベーションの融合。単なる緑化ではなく、新たな魅力を創出していく」と強調した。


2023.02.06-NHK NEWS WEB(東海NEWS WEB)-
三菱重工 国産ジェット撤退へ

  三菱重工業が“日の丸ジェット”とも呼ばれた国産初のジェット旅客機の事業から撤退する方針を固めたことが分かりました。多額の開発費を投じたものの、事業化のめどが立たないままでの撤退となります。

  関係者によりますと、三菱重工業は「スペースジェット」の事業から撤退する方針を固め、こうした方針を近く発表するということです。
  スペースジェットは、国産初のジェット旅客機として、2008年に事業化が決まり、新たな産業を育成するプロジェクトとして期待され、国からの支援も受けて開発が進められました。
  しかし、部品の不具合など開発の遅れから納入の時期はこれまで6回にわたって延期されました。
  さらに新型コロナの影響で航空需要の回復が見通せないとして、2020年の10月には会社が「いったん立ち止まる」という方針を表明し、アメリカの飛行試験の拠点を閉鎖するなど、事実上、開発を凍結していました。
  今回、会社は航空需要が回復する中でも事業化のめどが立たないと判断したとみられ、撤退にあわせて、開発を担っていた子会社で、愛知県豊山町の三菱航空機も清算する方針です。
  “日の丸ジェット”とも呼ばれ、官民が連携して多額の開発費が投じられたものの、撤退に追い込まれる形となりました。


2023.02.03-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/special/sakusakukeizai/20230203/569/
「N分N乗方式」って何?

  長年の課題となっている日本の少子化問題。これに関連し、いま国会で議論されているのが、所得税の「N分N乗方式」導入の是非です。聞き慣れない制度ですが、これって一体どんな制度?財務省で税の取材を担当する横山太一記者、教えて!

  「N分N乗方式って初めて聞いたけど、そもそも何ですか?・・・所得税の課税方式の1つで、フランスで採用されています。(日本の所得税は個人に対して課税する制度ですが、N分N乗方式は“世帯単位で課税”するのが特徴です。)
  「N」って何を表しているんですか?・・・「N」というのは世帯の人数を表します。(世帯の所得を家族の人数で割って(=N分)税額を計算し、それに再び世帯の人数をかけることで(=N乗)納税額を算出する方法です。)
  これがN分N乗方式だと、どうなるんですか?・・・この制度を導入しているフランスでは、子どもは2人目まで0.5人、3人目以降は1人と数えます。
  (これにもとづいて計算してみます。まず課税単位は世帯となるので、対象の所得は600万円。これを大人2人+子ども(0.5人)×2人=3人で割ると、1人あたり200万円。“税率が今と同じ”と仮定すると200万円の納税額は10万2500円。これに3をかけた30万7500円が世帯の納税額となります。)
  N分N乗方式のほうが、納税額が大幅に減っていますね。・・・(N分N乗方式が導入された場合、控除の制度も変わるとみられ、1と2を単純に比較はできませんが、2の方が、納税額は16万7500円も少なくなります。子どもが3人だとすると納税額は30万円となり、さらに負担は減ります。)
  夫婦のどちらかだけが働いている場合は、どうなるんですか。・・・(納税額は変わってきます。鈴木財務大臣は今月3日の記者会見で「『N分N乗方式』を導入した場合、世帯の所得に応じて課税される税率が平均化されるため、共働き世帯に比べて片働き世帯が有利になる」と指摘しています。)
  どうしてN分N乗方式だと、そんなに負担が減るの?・・・「累進課税」という制度が採られているからです。(夫婦のどちらかの所得が400万円だと、20%の税率が課されます。それが、子どもが2人いると、1人あたりの所得は200万円になりますから、課される税率は10%に下がります。その分、税額が大きく減少することになるわけです。)

  これだけ税金が安くなるなら、子育て家庭には大きな支援になりそうです。・・・(この制度はフランスでは少子化対策を目的に1940年代に導入され、半世紀以上たった今も制度が続いています。フランスは出生率が先進国の中でも特に高いことで知られています。
  厚生労働省がまとめた2019年の諸外国の合計特殊出生率をみても、フランスは特に高く、日本と比べると0.5ポイントも離れています。これだけ税金が安くなるなら、子育て家庭には大きな支援になりそうです。)
  一方でN分N乗方式は、高所得者ほど負担が軽減されて格差の拡大につながるのではないか、という見方もありますね。・・・そうですね。そうした側面もあります。
  また、日本では納税者全体の6割に最低税率5%が適用されています。こうした層はN分N乗が導入されても、税率は下がらないので恩恵は限定的だという指摘もあるんです。また導入を検討するにあたっては、所得税の全体のあり方を議論することも欠かせないといいます。一方でN分N乗方式は、高所得者ほど負担が軽減されて格差の拡大につながるのではないか、という見方もありますね。

一橋大学 佐藤主光教授
  「『N分N乗方式』は、すぐに採用できる制度ではない。仮に所得税の税収を変えないということであれば、税率の見直しまで踏み込むことになる。さらに、家族のあり方が多様化するなかで課税単位となる『世帯』の定義も考えなければいけない。かなり時間をかけて議論する必要がある」
  日本では少子化は20年以上、課題として指摘されながら、なかなか対策が進んできませんでした。N分N乗方式が今、国会で議論となっているのも、与野党ともに少子化問題が待ったなしの課題だという認識が共有されているということかもしれません。
  N分N乗方式の是非はともかくとして、日本の未来を左右する少子化問題について国会での論議が深まり、少しでも早く有効な対策が打ち出されることを期待したいと思います。


2023.01.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230122-VJ5QOSMGZ5MSBERHDSODLM6VDA/
日本のGDP、今年にもドイツに抜かれ4位転落の恐れ

  米中に次ぎ世界第3位の日本の名目国内総生産(GDP)が、経済の長期停滞などを受けて早ければ2023年にもドイツに抜かれ、4位に転落する可能性が出てきた。近年の円安に伴うドルベースの経済規模の縮小に加え、「日本病」とも揶揄(やゆ)される低成長が経済をむしばんだ結果だ。専門家は企業の労働生産性や国際競争力を高める政策をテコ入れしなければ、遅くとも5年以内には抜かれる可能性が高いと警鐘を鳴らす。

  経済規模の国際比較に用いられる名目GDPは、国内で生産された財・サービスの付加価値の総額だ。物価変動の影響を取り除いた実質GDPに比べて、より景気実感に近いとされる。
  国際通貨基金(IMF)の経済見通しでは、22年の名目GDP(予測値)は3位の日本が4兆3006億ドル(約555兆円)なのに対し、4位のドイツは4兆311億ドルで、ドイツが約6・7%増えれば逆転することになる。
  IMF予測では23~27年も辛うじて逆転を免れるものの、23年時点(予測値)でその差は約6・0%に縮小する。第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストの試算では、仮に今年のドル円相場が年間平均で1ドル=137円06銭より円安に振れれば順位が入れ替わる計算という。
  日本の名目GDPは高度経済成長期の1968年に西ドイツを抜き、米国に次ぐ2位となった。だが、2010年には台頭する中国に抜かれて3位に転落し、40年近く維持したアジア首位の座を奪われた。
  とはいえ国力の源泉である人口は、日本のおよそ1億2千万人に対しドイツは8千万人にとどまる。14億人を超える中国に抜かれたのは仕方ないとしても、なぜドイツに追い付かれたのだろうか。熊野氏の分析では、大きく影響したのは円安の進行と、名目GDPを引き上げる物価上昇率の格差だ。


2023.01.20-日本経済新聞https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF206XN0Q3A120C2000000/
リーガロイヤル大阪売却、カナダ系投資会社へ 運営継続

  ロイヤルホテルは20日、主力のリーガロイヤルホテル(大阪市)の土地と建物カナダ系の不動産投資会社に売却すると発表した。土地・建物の売却額は非公表だが、500億円台半ばとみられる。売却後も運営を受託して営業を続ける。不動産投資会社はロイヤルホテルに約3割出資して筆頭株主になる。新型コロナウイルス禍で悪化していた財務体質を改善し、リニューアルして海外富裕層らの取り込みを狙う。

  リーガロイヤルホテルは1000室以上の客室を持ち、大阪を代表する高級ホテルのひとつ。カナダの大手生命保険会社傘下の不動産投資会社であるベントール・グリーンオーク・グループ(BGO)に土地と建物の信託受益権などを3月末に譲渡する。BGOは取得後に135億円を投じて2025年3月までに客室や宴会場など大規模な改修を実施する。
 世界最大級のホテル運営会社であるインターコンチネンタル・ホテルズ・グループ(IHG)とも提携し、「リーガロイヤルホテル(大阪)―ヴィニェット・コレクション」として25年にリニューアルする。IHGの販売網を活用して海外から幅広く集客する。


2023.01.11-熊本日日新聞-https://kumanichi.com/articles/912335
人材確保へ賃上げ拡大 ファストリ最大4割

  「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングが11日、国内従業員の年収を最大で約4割上げると発表した。物価高に直面する従業員の生活に配慮しつつ、優秀な人材を確保する狙いだ。キヤノンが今月に事実上のベースアップ(ベア)を実施するなど賃上げの動きが拡大する一方、新型コロナウイルス感染拡大の影響が残る企業は慎重な姿勢を崩しておらず、業種間の差も目立つ。

  岸田文雄首相が経済界に物価上昇率を超える賃上げを求める中、円安で業績が押し上げられた大企業などでは賃上げを実施したり、検討を表明したりするケースが相次いでいる。


2022.01.10Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/2ba63a5d5e09d942562e94ec59839886bfbab99f
鳥インフル猛威、殺処分1000万羽超 卵も肉も価格上昇…市民生活に影
(白岩賢太、大竹直樹)


  各地で猛威を振るう高病原性鳥インフルエンザ。昨年10月に北海道と岡山県の養鶏場で確認されて以降、23道県に広がり、殺処分の対象は過去最多の1千万羽を超えた。国は全国で緊急消毒に乗り出しているが、収束の見通しは立たず、価格の安定感から「物価の優等生」と呼ばれる鶏卵も約30年ぶりの高値に。国際的な飼料価格の高騰による鶏肉の値上がりと相まって年明けの家計を圧迫している。

■感染爆発「前例のない異事態」
  「非常事態宣言ともいうべきことを発したい」。野村哲郎農林水産相は9日、省内で開かれた対策本部の会合でこう語り、農家や自治体に「最大限の緊急警戒」を呼びかけた。
  鳥インフルはウイルスを保有した渡り鳥がシベリアから南下することで広まる。国内では主に10月から翌春にかけて発生するが、今季は過去最も早い9月下旬に1例目が野鳥から確認された。10月下旬には、北海道と岡山県で養鶏場での陽性が判明した。
  今月10日時点で野鳥の感染例は過去最多の143件。野鳥を介して養鶏場に感染が広がり、これまで感染例がなかった山形や福島など6県でも報告されるなど「前例のない異常事態」(環境省)となっている。
   農水省も昨年12月から全国の養鶏場の緊急消毒などを進めているが、収束の目途は立っていない。 「これまで感染は一部のカモ類にとどまっていたが、近年はより幅広い個体群に感染が拡大しているようだ」
  猛威を振るう理由について、鳥インフルに詳しい鹿児島大の小沢真准教授(ウイルス学)はこう解説する。鹿児島県出水市では今季、ツルの大量死が確認されており、多数の死骸からウイルスが検出された。
  小沢氏はウイルスの遺伝子変異が起きているとの見方を示した上で、「従来はカモからツルに感染するのが主流だったが、今年はツルからツルへの感染も目立ち、感染爆発が起きているのが特徴だ」と話す。
■家計にダブルパンチ 感染の拡大は家計を直撃する
  殺処分の大半は採卵鶏で、全国で飼育される約1億3700万羽の7%を超えた。殺処分に伴い、鶏卵価格が上昇。JA全農たまごによると、卸売価格は昨年12月平均で1キロあたり284円(東京、Mサイズ)と、価格を公表した平成5年以降の最高値を更新した。
  ロシアのウクライナ侵攻により世界的に飼料価格が高騰。そこに鳥インフル禍が加わり、家計にとって〝ダブルパンチ〟の状況となっている。 不測の事態に、鶏卵業界は通例は1年半ほどで引退させる採卵鶏の産卵を継続し、在庫調整などで余った卵も市場に回すなどの対策を実施。卸価格の上昇が平年比140%となっているのに対し、小売価格の平年比は108%と緩やかな上昇に抑えているという。
  一方、鶏肉の値上がりも目立つ。農水省によると、国産のもも肉の卸売価格(東京)は今月7日時点で1キロあたり816円。前年同期から153円も上がった。むね肉も同433円で、前年同期比88円増。ともにこの10年ほどで最高価格になっているという。
  「近年は健康志向の高まりで世界的に鶏肉需要が高まっている。輸入肉の価格が上がり、国産の需要を押し上げている。国内のブロイラーの飼育は多くを輸入飼料に頼っているため、飼料価格の高騰による影響も大きい」と農水省の担当者。
  現在のところ、鳥インフルの影響は鶏卵が中心で鶏肉への影響は限定的だが、「食用の鶏にも感染が広がれば、さらなる値上がりもあり得る」(同省)。 すでにマヨネーズなどに使われる加工用の卵の不足が報告されており、農水省では「このまま感染が広がれば、卵の緊急輸入も考えなければならない」との声も出ている。(白岩賢太、大竹直樹)


2023.01.06-msn-https://www.msn.com/ja-jp/money/other/
「永守イズム」徹底し経営強化 日本電産・小部社長-(桑島浩任)

  日本電産の小部(こべ)博志(ひろし)社長(73)が、令和4年9月の就任後初めて産経新聞のインタビューに応じ、経営力を強化するため、「創業者である永守重信会長(78)が作り上げた企業理念を改めて徹底することが重要だ」と強調した。小部氏は永守氏の職業訓練大学校(現・職業能力開発総合大学校)の後輩で、昭和48年の日本電産創業に参加した永守氏の最側近。主に営業畑を歩み、平成27年から副会長を務めていた。

  同社は「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」などハードワークを求める厳しい企業理念で知られる。創業から50年にわたり永守氏を支えてきた小部氏は「創業者の理念を素直に学ぶことが外部の人にはできなかった」と話し、内部人材を将来の経営トップに育てる考えを改めて示した。
  現在は社内で3代先までの後継者候補として男女33人をリストアップし、「会長が直接指導している」と説明。令和4年11月に設置した、取締役の選任を担う指名委員会では委員の過半数を社外取締役で構成し、「後継者選びの公平性・透明性を担保する」とも述べた。
  同社は過去10年、永守氏の後継者として外部から招いた人材が相次いで会社を去り、4年9月に日産自動車出身の関潤前社長が辞任したのにあわせて、後継者を社内で育てる方針へ転換した。5年4月に後継者候補となる副社長5人を選任し、6年4月、この中から新社長を決定する。
  後継者選びをめぐる永守氏の厳しい姿勢などは同社のガバナンス(企業統治)に対する批判を招いた
  一問一答は以下の通り。
就任して約4カ月たったが、社長の仕事にどう取り組んでいるか
  「社長は全責任を負う重要な立場だが、日本電産はあくまで創業者である永守会長の会社だ。社長の部屋は本来最上階にあるが私は今も下の階にいる。そうでないと現場が見えない。私は創業から50年間、会長が経営陣や顧客と衝突したとき間を取り持つなどして会社を支えてきた。私と会長が同じ性格なら今の日本電産はない。私は自分のことを『番頭』と言ってきた」
過去10年間、外部から後継者候補を招いてきたが、永守会長は「失敗だった」と述べている
  「同じことを繰り返さないため会長は自分の過ちを認めている。純粋な人だなと思う。会長は厳しい人で、学生時代の後輩だった私も何度も辞めたいと思った。しかし、会長の厳しさは純粋な思いがあるからこそ。日本電産は『宗教みたいだ』ともいわれるが、その通りだ。強引に社員になれと求めてはいないし、重要なのは会社の信念に賛成するかどうかだけだ」
後継者選びを話し合うため取締役会の諮問機関として指名委員会を置いた
  「私が発案した。委員5人のうち3人を社外取締役とすることで公平性・透明性を確保する。周囲からの評価や委員の面談を通じて後継者を決定する。会長の一存では決められない」
後継者に求める能力や資質は
  「社長になるための10カ条がある。一番は『責任感』。途中で逃げ出すようではまずい。経営者は自分を犠牲にして働かなければならないこともある」
過去10年のようにすぐ後継者が変わってしまうリスクはないか
  「何年もうちでやってきた人材から選ぶから心配ない。グループ全体からいい人材を集める。3代先までの後継者を現時点で33人選抜し会長が指導している。30代の若い人もいる。この中の5人がまずは次期社長の候補になる」
令和4年はパワーハラスメントなど、ガバナンスにからむ多くの疑惑が報じられた
  「うちは厳しい指導と目標を課すことでやってきた会社。不正の告発があれば、すぐに私が調査を指示し、必要があれば現場に行って対処する」
2030(令和12)年度に売上高10兆円を達成することを目標としている
  「会長が掲げる数字がすべて。永守会長は常に夢を見る人だが、創業以来それを実現してきた。その人の言葉を信じて実行していくことが重要だ」

脱・永守依存 果たして可能か
  外部での後継者探しをあきらめ、社内から次期社長候補を選ぶことを決めた日本電産。これまでシャープ元社長の片山幹雄氏や日産自動車出身の吉本浩之氏、関潤氏など、多くの人材を呼び寄せたが、ついに永守重信会長のお眼鏡にかなうことはなかった。
  日本電産の後継者不在は長年、投資家からリスク要因とみられてきた。昨年9月に関氏が辞任したときに9千円台だった同社の株価は、その後約1カ月で7千円台にまで下落。同社の令和3年度の有価証券報告書にも、「永守氏への依存」が事業のリスクの一つとして記載されている。
  昨年には、永守氏と関氏の不和を中心としたガバナンス(企業統治)の問題が報じられた。こうしたことを受け、同社は11月、取締役の選任を担う指名委員会を設置した。
  委員は5人中3人が社外取締役で構成されている。このため、小部博志社長は永守会長の一存では後継者を決められない体制をとっていると強調する。
  しかし、社外取締役は元官僚、大学教授らしかおらず、企業経営の視点から永守氏の決定に意見できる人材がいるかは未知数だ。このような体制で本当に脱・永守依存が可能なのか。今後の展開が注目される。(桑島浩任)


2023.01.03-Yahoo!Japanニュース(朝日新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/71d92f7045805b4fcdb4a4b9321e3ea81cba79eb
テスラ、22年EV販売目標に届かず 株価は大幅下落

  電気自動車(EV)で世界最大手の米テスラは2日、2022年の世界販売台数が131万台だったと発表した。前年の93・6万台より40%増えて過去最多を更新したが、50%増としていた目標は下回った。成長鈍化への懸念や、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が米ツイッターの経営に注力していることから、テスラの株価は大きく下落している。

  マスク氏は22年の世界販売台数について、「楽に50%を超える成長を見込める」(22年1月の決算会見)としていた。だが、中国・上海のロックダウンで工場が一時、操業を停止したことや、新車の発売がなかったこと、大手の米ゼネラル・モーターズ(GM)や米フォード・モーターなどが新型EVを投入して競争が激化したことから、目標を達成できなかった。
朝日新聞社


2022.12.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20221213-DO4MRYTSZNOSNDVF44YH4RAEIE/
東京都「太陽光パネル義務化」条例案、都議会委員会で可決 15日成立へ

  全国初となる東京都の新築戸建て住宅などへの太陽光パネル設置を義務付ける環境確保条例の改正案が13日、都議会環境・建設委員会で自民党を除く賛成多数で可決された。15日の本会議でも可決され、成立する見通し。都は令和7年4月からの義務化を目指している。

  都は、政府が2050年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指すとする「カーボンニュートラル」を踏まえ、30年までの「カーボンハーフ」(温室効果ガス排出量半減)を目標に掲げる。
  都の方針では、一戸建て住宅を含む延べ床面積2千平方メートル未満の中小規模の新築建物については、供給延べ床面積が都内で年間2万平方メートル以上の住宅メーカーが設置義務を負い、約50社などが該当設置が難しい屋根面積20平方メートル未満の建物は対象外とする。ビルやマンションなど2千平方メートル以上の大規模新築建物は建築主が義務の対象となる。


2022.11.25-金融庁-https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa2024/index.html
NISA非課税 無期限に(直接HPへクリックしてください)

  通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかります
NISAは、「NISA口座(非課税口座)」内で、毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる、つまり、税金がかからなくなる制度です。

  イギリスのISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)をモデルにした日本版ISAとして、NISA(ニーサ・Nippon Individual Savings Account)という愛称がついています。
  NISAは、成年が利用できる一般NISA・つみたてNISA、未成年が利用できるジュニアNISAの3種類があります。
    一般NISAは、株式・投資信託等を年間120万円まで購入でき、最大5年間非課税で保有できます。
    つみたてNISAは、一定の投資信託を年間40万円まで購入でき、最大20年間非課税で保有できます。
    ジュニアNISAは、株式・投資信託等を年間80万円まで購入でき、最大5年間非課税で保有できます。
    それぞれの制度詳細については、以下のリンクからご覧いただけます。
  なお、2020年度制度改正において、一般NISAとジュニアNISAが次の通り見直されました。
  一般NISAについては、2024年以降、より多くの国民に積立・分散投資による安定的な資産形成を促す観点から、積立てを行っている場合には別枠の非課税投資を可能とする2階建ての制度に見直され、投資対象商品については、1階部分はつみたてNISAと同様とし、2階部分は、一般NISAから高レバレッジ投資信託など安定的な資産形成に不向きな一部の商品を除くこととされました。

  ジュニアNISAについては、新規の口座開設が2023年までとされ、2024年以降は新規購入ができないこととされました。


2022.11.15-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20221115-4KEINWFMEZIIXBJWJYGM27HSKA/?dicbo=v2-3acbd564655c33f9941b74fc1f4f69b1
アマゾン創業者のベゾス氏 財産17兆円の大半を寄付

  米インターネット通販大手アマゾン・コムの創業者で大富豪として知られるジェフ・ベゾス氏は14日、1240億ドル(約17兆円)に上る財産の大半を慈善活動に寄付する考えを表明した。米CNNテレビのインタビューで述べた。

   ベゾス氏は、気候変動対策や分断している社会の統合に尽力する人物に寄付する考えを示した。これまでも慈善活動への寄付を行ってきたが、資産の過半を寄付すると誓う取り組みに参加していないとして批判の対象になっていた。
  資産の過半を寄付すると誓う取り組みは、米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏と投資の神様として知られるウォーレン・バフェット氏が始め、多くの富豪が参加している。

  2019年にベゾス氏と離婚したマッケンジー・スコットさんも参加しており、スコットさんが財産分与で受け取ったアマゾン株をもとに熱心に慈善活動を行っていることも、ベゾス氏への批判材料となっていた。(共同)


2022.11.08-Yahoo!Japanニュース(日テレ NEWS)-https://news.yahoo.co.jp/articles/f84679578726e9dad6f66735b08b6f10c9f8360e
NTT、来年から新卒採用の給料14%アップ

  NTTグループは来年4月から新卒で入社する社員の給料をこれまでよりも14%引き上げると発表しました。デジタル分野に強い人材が不足し企業による人材獲得競争が激しくなるなか、優秀な人材を獲得しやすくするねらいです。

  また同時に2年目、3年目の社員も引き上げ、新入社員と給料の大小が逆転することはないとしています。
   一方、NTTは今年4月から9月の半年間の業績を発表しました。売り上げは前の年の同じ時期と比べて6、8%増えて6兆2862億円となりました。また本業のもうけを示す営業利益は電気料金高騰などの影響を受け1.3%減らして9965億円となりました。
  さらに、NTTの会見に続き決算を発表した子会社のNTTドコモはWeb3と呼ばれるブロックチェーン技術を活用した次世代のインターネット事業を開始すると発表しました。来年度を目安に新会社を設立し、今後5~6年の間に5000億から6000億円規模の投資を行うとしています。


2022.11.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20221107-B3IYPV5LYJILRFRA2O2CRVLUBQ/
世界初リサイクル紙おむつ 焼却炉がない町から商品化へ、鹿児島

  使用済みの紙おむつを新しい紙おむつに再生する世界初の試みが、鹿児島県東部の町を舞台に進んでいる介護が必要な高齢者の増加に伴って大人用紙おむつの需要は増えており、廃棄物排出量に占める紙おむつの割合は2030(令和12)年には7%台に達する見通し。自治体と協定を締結、実証実験を進めるユニ・チャーム(東京)は、世界初のリサイクル紙おむつの商品化を目指している。

  取り組みが進められているのは、鹿児島県志布志市と同県大崎町。2市町には焼却炉がないため、平成2年に共同の処分場を建設、すべてのごみを埋め立ててきた。だが、ごみの増加により15年間は使える見通しだった処分場が想定より早く満杯になると判明したため、10年にリサイクル推進で処分場の延命を図る方向にかじを切った。
  現在、2市町ではごみを27品目に分別回収。うち25品目は全てリサイクルされている。大崎町のリサイクル率は30年度に83・1%を達成、14回「日本一」に輝いている。全国平均は20%(令和2年度)だから、その差は圧倒的だ。
  そんな徹底したリサイクルを進めても埋め立てるしかないごみのうち、単一品目で最も多いのが紙おむつ。埋め立てごみの約2割を占めるといい、高齢化が進む中でさらなる増加も見込まれる。リサイクルの可能性を模索する中、技術開発を進めていたユニ・チャームと志布志市が平成28年に協定を締結。30年には大崎町も参加し、使用済み紙おむつの分別回収とリサイクルの実証実験が始まった。
  回収された使用済み紙おむつは、大崎町内の「そおリサイクルセンター」内にある実証実験施設で粉砕、洗浄して素材を分離。オゾンで減菌・漂白・脱臭処理などを行い、同社の施設で再び製品化する。特許も取得した同社の処理技術により、リサイクル素材からの細菌類は「検出限界以下」で衛生面は完璧。高分子吸水材(SAP)の再資源化にも成功した。すでに2市町内の介護施設などで試用を重ね、商品化のめどもたっているという。
  紙おむつのリサイクルには世界各国のメーカーなども取り組んでいるが、建築資材や固形燃料など別素材への再生にとどまり、リサイクル前と同じ商品に再生する「水平リサイクル」は世界初。2市町では現在、紙おむつの分別回収は任意だが、本格実施に踏み切れば、大崎町のリサイクル率は95%を達成する見通しだ。
  大崎町住民課の松元昭二課長は「リサイクルの町として世界にも貢献する取り組みを進めていきたい」と話している。
高齢化で「大人用おむつ」ごみ増
  高齢化に伴い大人用紙おむつの利用が増えることを踏まえ、環境省は令和2年、紙おむつ再生利用などに関するガイドラインを作成。同省の調査では、自治体の24%はリサイクルを「実施したい」と回答しており、ごみ削減に向けてリサイクルの意向は強まっている。
  ユニ・チャームによると、少子高齢化で国内のおむつ市場は子供用が縮小する一方、大人用は平成27年に年間69億枚だったのが、15年後の令和12年には96億枚と、約1・4倍に増大する見通し。環境省の推計では、同年度に紙おむつ全体の処理量は245万~261万トンとなり、平成27年度比で2~3割増と大きく増える見込みだ。

  同社は東京都町田市でも、使用済み紙おむつの効率的な分別回収に向けた実証実験を実施済み。さまざまな地域の実情にあわせたリサイクル推進を目指している。


2022.11.03-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221103/k10013879151000.html
米FRB 4回連続0.75%大幅利上げ決定 インフレ抑制へ異例の対応

  アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は2日まで開いた会合で、0.75%の大幅な利上げを決めました。4回連続で0.75%という異例の利上げに踏み切り、記録的なインフレを抑え込む姿勢を鮮明にしました。
  FRBは2日までの二日間、金融政策を決める会合を開き、記録的なインフレが続いていることから政策金利を0.75%引き上げることを決めました。1回の利上げとしては通常の3倍の上げ幅です。

  これまでに3回連続で0.75%の大幅な利上げを決めており、4回連続で0.75%の利上げという異例の対応を継続しました。これによって政策金利は3.75%から4%の幅となります
  一方、声明文では今後の利上げのペースについて「金融政策が経済活動やインフレに影響を及ぼすのに時間差があることを考慮する」との文言が加わりました。記録的なインフレを抑え込むとともに金融の引き締めが行き過ぎることへのリスクに配慮したものとみられます。
  会合後のパウエル議長の記者会見では今後の利上げペースについて質問が相次ぎましたが議長は「利上げのペースを緩める時期はいつかはやってくるがそれが次回12月の会合になるかその後の会合になるかは決まっていない。12月の会合で議論することになる」と述べて利上げ幅をいつ縮小するのか明言しませんでした。
パウエル議長「任務が完了するまで現在の方針を続ける」
  今回の会合の声明文では今後の利上げペースについて「金融政策が経済活動やインフレに影響を及ぼすのに時間差があることを考慮する」との文言が新たに加わり、会合後の記者会見でもこの文言への質問が相次ぎました。
  これについてパウエル議長は「金利の影響を受けやすい住宅市場などでは需要が落ち込んでいるが大幅な利上げによってインフレが収まったことがはっきりするまでには時間が掛かる。リスクを管理する観点からは金融を引き締めすぎる、また緩めすぎるというミスを犯さないようにしなくてはならない」と述べました。
  大幅な利上げを続けることで経済全体に悪影響が広がってしまうリスクは認識していることを示した形です。
  一方で、利上げのペースについては「緩める時期はいつかはやってくるがまだ道半ばであり次回12月の会合になるかその後の会合になるかは決まっていない。12月の会合で議論することになる」と述べて利上げ幅をいつ縮小するか明言しませんでした。
  そのうえでパウエル議長は最終的な金利の到達点は9月の会合で議論したときよりも高くなるとの見通しを示したうえで、「利上げの停止を考えるのはあまりに時期尚早だ。歴史は早まった金融緩和を強く戒めている。任務が完了するまで現在の方針を続ける」などと述べて記録的なインフレを抑えこむため万全の対応をとる姿勢を改めて強調しました。
米専門家「金融引き締めに積極的」
  ニューヨークの「MUFGセキュリティーズアメリカ」で経済全般の戦略部門の責任者を務めるジョージ・ゴンカルベス氏はFRB=連邦準備制度理事会のパウエル議長の会見について「金融引き締めに積極的な発言だったと感じた。最も驚いたのは大幅な金利を続けたあとの政策金利の水準が想定よりも高くなると市場に知らせたことだった。さらに利上げを一時停止することを考えるのは時期尚早だとも発言した。こうしたことを考えるとアメリカの経済や金融市場に何か悪いことが起きるまで大幅な利上げは続くのではないかと見ている」と話しています。
日本の専門家「期待感がはがれた」
  岡三証券ニューヨーク駐在員事務所の吉田拡司所長はFRBのパウエル議長の記者会見について「利上げの一時停止を考えるのは時期尚早だとくぎを刺したほか、最終的な利上げの到達点が以前よりも高い水準になるとの見通しを示し、総合的に見ると金融引き締め的なメッセージが多かった。事前にはFRBが利上げペースを緩めるのではないかとの観測が出ていたのでその期待感がはがれる形になった」と述べ、株価下落の要因になったと説明しました。
  そのうえで、吉田所長は「重要なのは利上げがどの水準まで行われるかだ。今のインフレは非常にひっ迫した労働市場が背景にあるので雇用情勢を中心に経済指標を見ていく必要がある」と話していました。
異例の利上げ これまでの経緯は
  新型コロナウイルスの感染が拡大したおととし、2020年3月、金融市場の動揺を抑えるため、FRBは政策金利を0.5%、1%と相次いで緊急利下げを実施。ゼロ金利政策を導入しました。
  去年12月以降消費者物価が7%以上となりインフレが加速したことからFRBは3月の会合で0.25%の利上げを決めてゼロ金利政策を解除。金融引き締めへと転換します。利上げは3年3か月ぶりでした。
  さらに5月の会合で22年ぶりとなる0.5%の利上げと、「量的引き締め」と呼ばれる金融資産の圧縮に乗り出すことも決めました。しかし、その後もインフレに収束の兆しは見えず6月と7月の会合で2回連続で0.75%という大幅な利上げを決めました。

  こうした中、パウエル議長は先月下旬、アメリカ西部ワイオミング州で開かれたシンポジウム「ジャクソンホール会議」で講演を行い記録的なインフレを抑え込むための金融引き締めについて「やり遂げるまでやり続けなければならない」と述べて、利上げを継続する姿勢を鮮明にしました。
  そして「インフレを抑え込むには家計や企業に何らかの痛みをもたらすことになるがそれは避けられないコストだ。ただ、物価の安定を取り戻すことに失敗すればもっと大きな痛みを伴うことになる」と述べて強い決意を示しました。
  ただ、その後発表された8月の消費者物価指数が市場の予想を上回り前の年の同じ月と比べて8.3%の上昇となりました。このためFRBは9月の会合で3回連続で0.75%という異例の利上げに踏み切ります。
  しかし、10月中旬に発表された9月の消費者物価指数は前の年の同じ月と比べて8.2%の上昇となり、市場の予想を上回りました。
  さらに変動の大きい食品やエネルギーを除いた物価指数でも6.6%の上昇と、上げ幅は1982年8月以来、およそ40年ぶりの水準となり、記録的なインフレが続いていることが改めて浮き彫りになりました。


2022.11.02-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/life/20221101-OYT1T50325/
112万人分の年金資産を放置、転職・退職時に必要な手続きせず…企業型DC

  企業が掛け金を払い、従業員が運用する企業型確定拠出年金(企業型DC)で、約112万人分の年金資産が放置された状態になっていることが1日、国民年金基金連合会のまとめでわかった。2017年度末から1・5倍になった。総額は昨年度末で約2600億円に上っている。転職時などに必要な手続きをとらなかったためで、運用機会を逃し、老後の資産形成に影響を及ぼす可能性がある。

  企業型DCの加入者は年々増加しており、全国で約780万人にのぼる。転職などで会社を辞めると加入資格を失う。積み立てた年金資産は、6か月以内に個人型確定拠出年金(iDeCo)などに移す手続きをしなければ、同連合会に自動的に移管され、その後は運用されない。
  同連合会によると、年金資産が自動的に移管された人は2021年度末で108万3116人おり、公表している17年度末の73万4243人から47%増えた。総額は2587億5200万円で37%増加した。1日に発表された9月末の自動移管者数は112万6145人だった。
  自動移管された資産は塩漬けにされるだけでなく、移管時に4348円、以後の管理に毎月52円の手数料がかかるため、目減りしていく。
  受給開始年齢に達しても、そのままでは年金として受け取ることはできない。手数料をかけてiDeCoなどに移す必要がある。移管中は通算加入期間にカウントされず、受給開始が遅れる場合もある。

  増加している背景には、退職時の忙しさや、制度の理解不足がある。東京都内の女性会社員(41)は昨年8月に転職。半年後に自動移管の通知を受けた。「以前勤めていた会社から説明を受けた記憶はない。知らない間にお金が移され、手数料が引かれるのは釈然としない」と話す。
  同連合会は毎年1回、対象者に通知を出し、手続きをするよう促している。厚生労働省は「企業が掛け金を負担するため、自分の資産という認識に乏しく、自覚なく放置する人が多い。退職者への説明義務を企業に徹底させるなど、周知を図りたい」としている。
  ファイナンシャルジャーナリストの竹川美奈子さんは「老後に向けた資産形成が求められる時代に、貴重な年金資産が放置され目減りしてしまうのは問題だ。退職時の移管手続きの簡素化などの対策が求められる」と話す。

 ◆企業型確定拠出年金(企業型DC) 2001年10月に導入された年金制度の一つ。企業が従業員のために掛け金を支払い、従業員が自らの積立金の運用方法を決める。将来の年金額は運用の結果次第で変わり、原則60歳まで受け取れない。


2022.11.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20221101-YJ6FT2AIPBIFHOZ5IY3XQDU364/
阪急オアシスとイズミヤを来年4月に合併 店舗名変えず

  関西フードマーケットは1日、傘下のスーパー3社のうち阪急オアシスとイズミヤを来年4月1日に合併し、社名を「イズミヤ・阪急オアシス」とすると発表した。仕入れや品ぞろえなどのオペレーションや管理業務を一元化し、統合効果の早期実現を目指す。

  関西フードの林克弘社長は決算記者会見で「食品スーパーの統合は規模を生かす必要がある。双方の会社をリセットして、もう一度新しい仕事のやり方に変える」と語った。「阪急オアシス」「イズミヤ」の店舗名は「顧客に認知されている」として変えない。
  林社長は、もう一つ傘下に置く関西スーパーマーケットを加え、1社にまとめる可能性について「この2年でしっかり設計図をつくっていく」と述べ、まず阪急オアシス、イズミヤの統合を急ぐ考えを示した。
  関西フードは、エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングが昨年12月に関西スーパーを買収後、今年2月にH2O傘下の中間持ち株会社として発足した。


2022.10.27-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221012/k10013855871000.html
IMF 来年の世界全体の経済成長率を下方修正「来年は不況に」

  IMF=国際通貨基金は、世界経済の最新の見通しを公表し、来年の経済成長率をこれまでより0.2ポイント低い2.7%へと下方修正しました。インフレの長期化などが要因で「来年は多くの人にとって不況のように感じるだろう」と指摘しています。

  IMFは11日、世界経済の最新の見通しを公表し、来年の世界全体の成長率を0.2ポイント引き下げ2.7%としました。
  ロシアによるウクライナへの軍事侵攻やインフレの長期化による生活費の上昇、それに中国の景気減速が主な要因です。
  国と地域別では、アメリカの成長率はこれまでと同じ1%に据え置きましたが、急速な利上げによって景気が冷え込み、ことしの見通しの1.6%からさらに縮小するとしています。
  一方、ユーロ圏はこれまでより0.7ポイント低い0.5%に下方修正しました。ロシアによるウクライナ侵攻によってエネルギー価格が高騰し、市民生活や経済活動に打撃を与えることが要因です。また中国も0.2ポイント引き下げて4.4%となっています。
  中国では経済活動のおよそ5分の1を占める不動産市場が急速に減速していて今後、世界経済にも影響を及ぼすおそれがあるとしています。
  日本は物価上昇によって消費が抑えられる影響などで0.1ポイント低い1.6%となっています
  IMFは「最悪な状況はこれからやってくる。来年は多くの人にとって不況のように感じるだろう」と指摘しています。


2022.10.26-Yahoo!Japanニュース(KYODO)-https://news.yahoo.co.jp/articles/0c4d3679bec9b822c3329408411634986466d7b7
東芝経営再建、融資得られず 優先権ファンドの計画に暗雲

  東芝の経営再建案に関し、優先交渉権を得た国内ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)を中核とする企業連合が、期限までに銀行からの融資の確約を得られない見通しとなったことが26日、分かった。銀行団の協議がまとまらず、計画に暗雲が漂う。

  関係者によると、東芝の主力銀行である三井住友銀行などの銀行団が25日、JIPの再建案で計画されていた1兆円超の融資などについて協議したが、巨額融資のリスクなどから議論がまとまらなかった。2兆円台後半を想定する買収額に対し、JIPが見込む企業からの出資規模も不十分と判断した。


2022.10.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20221022-47GQMOHWQZKB5PWDHRWXKANEWY/
政府・日銀が為替再介入 関係者認める 6円急騰も効果は限定的か

  政府・日本銀行21日の外国為替市場で円安ドル高が加速したため、円買いドル売りの為替介入を再び実施した。22日に複数の関係者が認めた。円相場は一時1ドル=151円94銭と約32年ぶりの水準に下落したが、投機的な円売りを牽制(けんせい)する介入を受け、21日深夜から22日未明にかけて146円20銭まで6円近く急騰した。

  為替介入は、円相場が一時1ドル=145円台後半まで急落した9月22日以来とみられる。政府は介入で円安進行を食い止め、輸入に頼るエネルギーや食料品などの価格上昇に伴う日本経済への悪影響を和らげたい考えだ。
  しかし、円売りドル買いを誘発する日米の金利差がさらに拡大するとの見方から、効果は長続きしない可能性が高い。実際、再介入後も円安基調は変わらず、21日のニューヨーク市場は147円台後半で取引を終えた。


2022.10.09-Yahoo!Japanニュース(REUTERS)-https://news.yahoo.co.jp/articles/bdcf99c2f7161274bb86ce7946163dd3022ac2c7
サハリン1、原油輸入多角化の観点で大事なプロジェクト=西村経産相

  [東京 9日 ロイター] - 西村康稔経産相は9日、ロシア政府が権益などを新会社に移すことを決めた極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン1」について、「原油輸入多角化の観点で大事なプロジェクト」と指摘した。

  日本は官民で作るサハリン石油ガス開発(SODECO)が30%の権益を持つ。 西村経産相はNHKの討論番組で「サハリン1からの原油輸入(量)は今ゼロになっており、日本の原油の安定供給に支障が生じることはない」と説明。
  同時に「日本は原油輸入の9割を中東に依存しており、サハリン1は輸入多角化の観点、安定供給の観点から非常に重要」と述べた。
  日本側の対応について「ロシア側の意図をしっかり確認し、関係者と協議して具体的対応を検討したい」と語った。日本の権益は維持の方向か、との質問に対し、「中身を見ないと判断できない。基本的に原油輸入多角化の観点から大事なプロジェクト」と繰り返した。


2022.10.06-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221006/k10013851191000.html
首都圏のスーパー「オーケー」が “自前”での関西進出へ

  首都圏のスーパー「オーケー」が関西に出店する方針を正式に発表しました。いったんは「関西スーパーマーケット」の買収を通じて関西圏への進出を図ろうとしたものの、去年断念した経緯があり、今度は自前での進出となります。

  発表によりますと、オーケーは子会社を通じ、大阪 東大阪市内にある市の土地を入札で取得し、11月中旬に引き渡しを受ける予定です。
  広さは3600平方メートル余りで、会社では再来年前半にこの場所に旗艦店として出店することを目指し、準備を進めるとしています。
  そのうえで今後も関西での積極的な出店を計画し、準備が整えば、この旗艦店よりも前に関西エリアの1号店をオープンする可能性もあるとしています。

  オーケーは去年、関西スーパーの買収をめぐって、阪急阪神百貨店の運営会社との間で司法の場にもつれこむ争奪戦の末に敗れ、関西スーパーは阪急阪神百貨店の運営会社の子会社となったあと、ことし2月にほかのスーパー2社とともに関西有数のスーパー連合、「関西フードマーケット」の傘下に入り、事業を展開しています


2022.10.06-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB051K70V01C22A0000000/
金融庁、SMBC日興に一部業務停止命令 相場操縦事件で
3カ月間、三井住友FGには改善措置命令

  金融庁は7日、相場操縦事件を起こしたSMBC日興証券に対して金融商品取引法に基づく業務停止命令を出した。事件で問題となった一部業務について、10月7日から2023年1月6日までの3カ月間停止するよう求めた。相場操縦での業務停止命令は大手証券会社で初めて。親会社の三井住友フィナンシャルグループ(FG)にも子会社の管理徹底のため改善措置命令を出した。

  SMBC日興証券が行政処分を受けたのは今回で4度目。金融庁は違法行為を防ぐ売買審査が機能せず経営管理体制に不備があったとして業務改善命令も出した。「経営責任の明確化」とともに、11月7日までの業務改善計画の策定を求めた。
  三井住友FGとSMBC日興証券は7日、行政処分を受けて「事態を厳粛に受け止め、引き続き全社をあげて改善・再発防止に取り組み、お客様をはじめ関係者からの信頼回復に努める」とのコメントを発表した。今後は経営の立て直しに向けた社内処分の行方などが焦点となる。
  証券取引等監視委員会は大株主から株を買い取って投資家に転売する「ブロックオファー取引」を巡り、SMBC日興証券がモスフードサービスなどの株価を操作していた疑いで刑事告発していた。東京地検特捜部が関係者を逮捕・起訴し、法人としてのSMBC日興証券を起訴している

  監視委は9月28日、SMBC日興証券に対して行政処分を出すよう金融庁に勧告していた。今回の業務停止命令では、ブロックオファー取引の新規勧誘、受託、取引に関する業務が対象となった。
  監視委による検査では、SMBC日興証券が同じ三井住友FG傘下の三井住友銀行との間で顧客の非公開情報を無断で共有し営業活動に使っていたことも明らかになった。金融庁はSMBC日興証券に対して相場操縦とは別に業務改善命令を出し、法令順守の意識の徹底を求めた。原因を明らかにするために、三井住友銀行と三井住友FGにも銀行法などに基づく報告徴求命令を出した。
  大手証券会社に対する業務停止命令は06年12月に、大和証券姫路支店に出して以来となる。部門にかかわる業務停止では03年6月、三井住友銀行と大和証券が共同出資していた大和証券SMBC以来、19年ぶりとなる。


2022.10.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20221005-WPEEU3CKM5N2LPRCWWM5IFLUHQ/
関西経済浮上、公共投資カギ APIR白書-(井上浩平)

  アジア太平洋研究所(APIR)が5日発行した令和4年版の「関西経済白書」では、足元について中間所得層の減少を課題としつつ、半世紀にわたる関西の地盤沈下の原因に関しては、公共工事を中心とした投資不足にあると指摘した。7年の大阪・関西万博や、それに続くカジノを含む統合型リゾート施設(IR)に向けた関連投資が反転の起爆剤になると予測。一方で関西と結びつきの強い中国経済の動向をリスク要因として挙げた。

  「新型コロナウイルス禍により大幅な調整を迫られたが、関西経済反転の可能性は万博の開幕を間近に控え現実味を帯びてきた」。APIRの稲田義久研究統括はこう指摘する。
  白書によると、関西経済の全国シェアは昭和45年の大阪万博後に急速に低下した。関西経済の名目域内総生産(GRP)と名目国内総生産(GDP)の比較で、関西経済のシェアは同年度にピークの19・3%を記録したが、平成元年度には16・2%まで低下。現在は15%台で推移している。
  また、経済成長率は投資率(GDPかGRPに占める、民間企業や日本郵政など公的企業の設備投資、政府の投資を合計したものの割合)と比例関係にあると指摘した。

  関西の投資率は、昭和40年度から平成8年度まで全国の投資率を一貫して下回っており、この格差の主要因は公共工事を中心とした公的部門だった。白書は、関西で投資額が1兆円増えれば経済成長率を0・54%引き上げると推計令和7年の万博やその先のIRに向けて、国内外から投資を呼び込めれば関西経済の反転は可能とする。

  稲田氏は「関西の高速道路は、首都圏と比べて空港や港湾にアクセスする道路でミッシングリンク(未整備区間)が多く存在し、都心部での渋滞緩和に必要な環状ネットワーク化も遅れている」と指摘する。
  前回の万博以降、公共工事の投資不足が関西の経済成長を阻害してきたとした上で、「阪神高速『淀川左岸線』2期区間など、関西全体のポテンシャルや生産力を上げるため交通インフラ整備を進めることは重要だ」と語った。
  一方、白書は欧州連合(EU)がエネルギー関連中心にロシアへの依存度が非常に高く、さらにEUと中国が貿易依存関係にあることに懸念を示した。
  ロシアからの輸入が途絶えればEU経済は失速し中国経済の減速を招く恐れがあり、関西の対中貿易のシェアは輸出入とも日本全体の数値を上回る

  白書は「関西経済は高度に中国経済に依存しているのが特徴EU経済の減速は中国経済に波及し、対中貿易依存度が高い日本および関西にとっては、大きな逆風となる」と警鐘を鳴らした。(井上浩平)


2022.10.03-Yahoo!Japanニュース(日テレNEWS)-https://news.yahoo.co.jp/articles/558667c10910099e678c735a6f67071067ad45d1
Tポイント×Vポイント 再来年春メドに統合…国内最大級“ポイント決済”誕生へ

  TSUTAYA」などの運営会社が展開する「Tポイント」と三井住友カードの「Vポイント」が統合します。これにより、国内最大級のポイント決済経済圏が誕生します。

  TSUTAYAなどを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブと三井住友カードは2024年春をメドにポイント事業を統合し、新たなブランドを立ち上げると発表しました。 会員数は現在、Tポイントが7000万人、Vポイントが5200万人で、合わせると約1億2200万人となり、国内最大級のポイント決済経済圏が誕生します。
  新たなポイントはTポイントと提携する店舗での利用や、VISA加盟店でのクレジットカード払いなどで互いにためたり、使ったりできるものになるということです。 ポイント決済をめぐっては楽天グループの「楽天ポイント」や、ロイヤリティマーケティングの「Ponta」も1億人以上の会員数を持つなど競争が激しくなっています。


2022.10.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20221003-CDM3KTANC5PPDFNTGMIQREKVLA/
パナソニック、暖房機生産6倍超へ 空調の欧州見本市開幕

  【パリ=桑島浩任】欧州最大規模の空調機器や冷暖房技術の見本市「インタークリマ」が3日、パリで開幕した。高い世界シェアを誇る日本のダイキン工業やパナソニックも出展。地球温暖化対策の取り組みを意識した製品や、新型コロナウイルス禍で関心が高まった換気機能などをアピールした。

  会場には世界中から300を超える企業が集まった。パナソニックは開幕に合わせ、大気中の熱を集めて温水を作り出し、住宅に循環させて暖める「ヒートポンプ式暖房機」の生産能力を2020年代後半に現行の6・7倍の100万台に増強すると発表した。
  ヒートポンプ式はガスや石油を使った暖房機に比べ、二酸化炭素(CO2)排出量が少ない。欧州ではヒートポンプ式への切り替え需要が高っており、日本の各メーカーは生産拡大を進めている。一方、〝脱炭素特需〟の争奪戦は激化しており、インタークリマの会場では中国など各国のメーカーも温暖化対策を訴えた製品を積極的にPRしていた。
  ダイキンはコロナ禍で室内の空気環境への意識が高まっていることから、換気機能が付いたエアコンなどを展示した。


2022.09.22-Yahoo!Japanニュース(TBS NEWS DIG.)-https://news.yahoo.co.jp/articles/24d6ea3de56b54fba5f6abfda3b8844765e9fe41
政府・日銀が“伝家の宝刀”24年ぶり為替介入 「焼け石に水かもしれないがやらなくては」と財務省幹部

  止まらない円安に政府・日銀が、24年ぶりとなる円買いの為替介入に踏み切りました。財務省から中継です。政府日銀はついに伝家の宝刀を抜きました

  24年ぶりとなる円買い・ドル売りの介入となります。 さきほどから鈴木財務大臣と神田財務官が会見しています。
  鈴木俊一財務大臣 「投機による過度な変動が繰り返されることは、決して見過ごすことができません。このような考え方から本日、為替介入を実施いたしました」 介入を実施したのは午後5時過ぎです。
  日銀の黒田総裁が会見で改めて金融緩和をやめない姿勢を示したことで、円相場は1ドル=145円80銭前後で推移していましたが、一気に円高方向に触れ、一時140円台までおよそ5円上昇しました。
  円安への不満が日に日に高まる中、日銀は利上げには動けず、政府が伝家の宝刀をぬいた形です。 ただ、どの程度効果が持続するのかは不透明です。
  介入直後にも財務省幹部は「焼け石に水になるかもしれないが、やらなくてはならなかった」「これで終わったわけでは無い、まだ先は長い」と胸の内を明かしています。 日米の金利差はまだまだ広がるのは確実で予断を許しません。
TBSテレビ


2022.09.08-Yahoo!Japanニュース(FNNプライムオンライン)-https://news.yahoo.co.jp/articles/9ade1193849d811f8cb03b2a2bc4bc1b3e1c4a2d
くら寿司値上げ 1皿115円に 創業以来初 価格調整で今後の戦略は

  くら寿司の看板だった税抜き100円の皿がなくなる。 創業以来、初の値上げ
  くら寿司・田中邦彦代表取締役社長「コロナによる需給バランスの変化に加え、急激な円安もあり、魚介類が価格高騰している。

  こうした状況、さらに拍車がかかると予想されている。価格の全面改定が不可欠と判断した」 くら寿司は、10月1日から全国の店舗で、これまでの最低価格となっていた税込み110円の商品の大半を115円に引き上げると発表した。
  また、真たこなど6種類は165円となる。 くら寿司の値上げは創業以来、初めて。 一方、220円の商品は165円に引き下げられる。
  値上げの波は、回転ずしの業界でも広がっていて、スシローも10月からの値上げを発表している。


2022.09.07-REUTERS-https://jp.reuters.com/article/japan-economy-yen-idJPKBN2Q801Z
円安急進、ドルは一時143円台:識者はこうみる

  [東京 7日 ロイター] - 急速な円安・ドル高が進んでいる。ドルは6日、140円台から143円台と3円近く急伸した。
  市場関係者によると「主要中銀が利上げに前向きな姿勢を示す中、日銀は金融緩和姿勢を維持しており、海外勢は円売りのタイミングを見計らっていた」(国内金融機関)とみられ、米系短期筋による仕掛け的なドル買い/円売りが出た模様だ。
  1998年8月11日に付けた147.60円まで、ドルの重要な上値抵抗線はないとみられ、ドル買いの勢いがどこまで続くか注目が集まっている。

  市場関係者に見方を聞いた。訂正-●ドル目先は上値追い、145円を試すか
<あおぞら銀行 チーフ・マーケット・ストラテジスト 諸我晃氏>
  8月の米ISM非製造業指数が予想を上回るなど、米経済は相対的に強く、利上げをしやすい環境になっているとの見方が広がった。米利上げ期待の高まりから米金利が上昇し、ドル買いが強まった。
  オプションのノックアウトに伴うショートカバーニーズや、CTA(商品投資顧問)による追随買い、ヘッジファンドがドルのロングポジションを構築しているようだ。ボラティリティも高まり、ドルコールオーバーが強まっており、投機筋もドル/円のロングポジションを再構築しているとみられる。
  年末にかけては世界的な景気後退懸念が強まりやすい。また、資源需要も減少し、資源価格も落ちてくるとみられ、ドル/円も徐々に落ちてくるだろう。ただ、目先は上値を試す局面になっている。98年8月の147.64円(訂正)がターゲットになってくるが、その前に145円の大台を試せるかが注目だ。
  ドル/円の上昇スピードが加速すれば、日本当局による為替介入の動きも可能性として考えなければならない。単独介入では効果は乏しいとみられるものの、意思表示のような動きがあるかもしれない。
●日本政府の切迫感感じられないことが要因
<岡三証券 投資情報部 シニアストラテジスト 武部 力也氏>
  オーストラリア準備銀行(中央銀行)の利上げが、足元の円安進行のきっかけとの見方もあるが事前に予想されていたことであり、利上げ幅も市場のコンセンサス通りだ。材料としてはそれほど強くない。
  それでも、これほど円安が大きく動いたのには、背景に日本政府から円安に対する切迫感が感じられないとマーケットがみていたことがある。
  岸田文雄政権は、安倍晋三元首相の国葬や、旧統一教会の問題など国内問題への対応で手いっぱいにみえる。鈴木俊一財務相の為替に関する発言内容は6日も従来と変わらなかった。
  一方、海外もいまはインフレ対応が最優先で、為替変動に気をまわしている余裕はないようだ。鈴木財務相は、先日の主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議で為替に関して「私も含め(発言は)なかった」ことを明らかにしている。
  1ドル145円には、国内金融機関の仕組債のノックアウトトリガーなどが相当量ある可能性があり、このレベルでの攻防となりそうだ。しかし、為替介入や日銀の政策修正は難しいとみられ、円安を止めるのは容易ではないだろう。
●逆イールド解消でドルは一段高に
<三井住友銀行 チーフストラテジスト 宇野大介氏>
  主要中央銀行がインフレ抑制に向けて大幅利上げをしていくという見方がある一方で、日銀は金融緩和姿勢を維持しており、金融政策の方向性の違いが鮮明となったことや米金利先高観が、ドル円の上昇ドライバーとなった。7月中旬から8月上旬にスピード調整が入り、ドルのロングポジションが解消されていたこともあり、巻き戻しの勢いがついた。
  米長期金利の上昇は6月がピークとなっており、足元の水準はそこまで戻していない。年末のフェデラル・ファンド(FF)金利4%に向けて、米長期金利は上昇余地があり、4%を超える可能性がある。米2年債利回りと米長期金利がパラレルとなり、逆イールドは解消される。さらなる利上げを織り込み、来年には順イールドとなり、ドル/円は上昇が続いていく。
  物価高対策で財政政策が出動すれば、インフレが高止まる理由にしかならない。来年も各国中銀はインフレ抑制に向けた金融引き締めを続けていく。
  日本は賃金を全体的に上げるという話もでてきていることから、年末から年度末にかけては日銀も出口に向かうとみられる。ただ、他国同様に日銀が金融引き締め方向に向かったとしても、円売りはおさまらない。金融引き締めによる世界的な株価の下落に加えて、日銀が金融引き締め方向に向かえば、日本株は下落し、円金利が上昇する。円資産売りとなり、通貨も売られていく。

※あおぞら銀諸我晃氏のコメント中、3段落目の「147.60円」を「147.64円」に訂正します。



サハリン1
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


サハリン1とは、ロシアサハリン州サハリン島北部東岸のチャイウオ周辺の油田、天然ガス田。サハリンで進められている開発計画(サハリンプロジェクト)の一つ。

概要
  埋蔵量は、原油23億バーレル、天然ガス17兆立方フィート。
  ・開発の主体となるエクソン・ネフテガス社(エクソンモービル社の子会社)のほか、日本のサハリン石油ガス開発社、ロシアのサハリン・モルネフテガスシェルフ社などがコンソーシアム形式で参加している。
  ・輸出用の天然ガスパイプライン輸送ルートは、中国に全量を売る意向のエクソンモービルと日本の間の綱引きなどにより計画が錯綜しており、着工の目途は立っていない。
  ・Odoptu OP-11油井は、坑道延長が12345mあり、人工的に掘削した世界最長の坑道となっている。ただし、水平方向に11475mあるため、深度ではコラ半島超深度掘削坑の12261mが最高である。
歴史
  ・1972年 - 日ソ経済合同委員会にて、当時のソ連側より開発プランが提案される。
  ・1974年 - サハリン石油開発協力株式会社(SODECO)設立。
  ・1975年 - SODECOとソ連外国貿易省は共同事業契約に調印
  ・1995年 - ロシア政府と生産される原油、天然ガスの分与契約を締結。
  ・2005年に一部操業開始を目指していたが、建設スケジュールの遅延により後年にずれ込む見込み。
  ・2006年 - サハリン東沖10kmのOrlan Platformから、サハリンを横断し、ロシア本土の不凍港デカストリまでのパイプラインが完了。
  ・2022年 - ロシアのウクライナ侵攻に伴い、米エクソンモービルがサハリン1からの撤退を表明(後述)。
権利問題
  ・契約時に生産物分与協定が結ばれている。これは、プロジェクトに関するロシア側の参加条件(施設、労働力の提供等)、生産される原油、天然ガスの分与条件などを定めたものである。協定自体は未公開とされており、プロジェクトのリスクなどを不透明にさせている。
  ・2005年より顕著になった原油価格の高騰により、ロシア政府は分与契約の見直し、政府系エネルギー会社であるガスプロム社の参画などを目指しており、政治的な駆け引きが行われている。
ウクライナ侵攻とサハリン1
  2022年2月26日、ロシアがウクライナに侵攻、欧米や日本などはロシアに対して経済制裁を発動した。民間企業もロシアから事業を撤退させる動きを見せ始める中、同年3月1日にはサハリン1の30%の権益を有していたエクソンモービル(の子会社)がサハリン1からの撤退を表明。サハリン1はエクソンモービルがロシア国内で行う唯一の事業であり、同国からの完全撤退を意味する行動となった。
  日本では同年3月2日、松野博一官房長官は記者会見の中でサハリン1について「国際的なロシアへの制裁強化の動きの中で、日本のエネルギーの安定供給に支障をきたさないことを大前提に、G7とも歩調を合わせ関与のあり方を検討したい」と表明、撤退への言及を避けた。 さらに同年3月22日、萩生田経産相は「エネルギー分野は各国の事情、エネルギー安全保障の考え方に基づいて対応することがG7でも共有されている考え方」と断った上で、サハリン1、サハリン2に対して「自国で権益を有し、長期的な資源の引き取り権が確保されているもの。エネルギー安全保障上極めて重要なプロジェクト」であるとの位置付けを改めて示した


サハリン2
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


  サハリン2プロジェクトとは、サハリン州北東部沿岸に存在する石油および天然ガス鉱区と関連する陸上施設の開発プロジェクトの名称。サハリン・エナジーがプロジェクトのオペレーターを務める。
  このプロジェクトにおいて、ロシアで初めて天然ガス液化プラントが建設された。このことはロシアのエネルギー政策上重要な意味をもち、後、ガスプロム社が強引にサハリン・エナジー社の株式を取得した理由のひとつとされている。事業本体は100%外資である。なおプラント建設工事は2003年日本の千代田化工建設東洋エンジニアリングがロシア企業と共同で受注した。
  サハリン-2は、それまでほとんど人の手がはいったことのない地域で行われているため、この開発が環境へ与える悪影響を非難する団体などもある

概要
  鉱区はサハリン島(樺太)東北部沖のオホーツク海海底に存在する。原油は約11億バーレル、天然ガスは約18兆立方フィートの推定可採埋蔵量が推定されている。鉱区は主にピルトン(弁連戸 べれんと)・アストフスコエ (Piltun-Astokhskoye)鉱区とルンスコエ(呂郷 ろごう) (Lunskoye) 鉱区に分かれる。前者は主に石油が、後者は天然ガスが埋蔵されていると見られる。

  サハリン-2プロジェクトの鉱区は下記: ・ピルトン-アストフスコエ-A プラットフォーム(モリクパック、PA-A)  ・ルンスコエ-A(Lun-A)  ・ピルトン-アストフスコエ-B プラットフォーム(PA-B)  ・陸上処理施設  ・トランス・サハリン・パイプライン  ・石油輸出ターミナル  ・LNG プラント
ピルトン-アストフスコエ-A
  ピルトン-アストフスコエ-A鉱区では、モリクパック(Molikpaq)という、洋上で石油やガスを掘削・生産するプラットフォーム(可動式掘削装置)が稼働している。モリクパックは元々カナダ北極圏ボーフォート海での氷海石油探査用に石川島播磨重工業が建造したものであり、カナダから移送され1998年9月サハリン島アストフ鉱区海岸から16kmの位置に設置された。モリクパックの生産能力は原油日量90000バレル、ガス170万立方メートルである
ルンスコエ-A

  2006年6月ルンスコエ鉱区の沖合15kmにあるガス田にプラットフォームが設置された。天然ガス5000万立方メートル、日量5万バレルの液体(水とコンデンセート)と1万6000バレルの石油を生産する能力がある
ピルトン-アストフスコエ-B
  2007年7月、ピルトン-アストフスコエ油田の沖合12kmにあるピルトン地区にPA-Bプラットフォームが設置された。PA-Bの生産量は、原油日量7万バレル、ガス280万立方メートルである。
陸上処理施設
  陸上処理施設は、サハリン島北東部内陸7kmのノグリキ地区にあり、ルンスコエとピルトン-アストフスコエからの天然ガス、コンデンセートを処理し、サハリン南部アニワ湾(亜庭湾)にある天然ガス液化プラントにパイプライン輸送するための施設である。
LNG プラント
  サハリン南部、コルサコフの東13kmのプリゴロドノエに建設されたサハリン-2のLNGプラントは、ロシア初の天然ガス液化プラントである。プラント建設工事は日本の千代田化工建設東洋エンジニアリングとロシアのOAO Nipigaspererabothka (Nipigas)、KhimEnergoとのコンソーシアムが受注した
主な設備:  LNG 貯蔵タンク -10万m3、2基  ・LNG 出荷桟橋  ・LNG トレイン(LNG液化処理施設、年間480万トン) - 2基など
経緯
  サハリン島(樺太)周辺に豊富な化石燃料資源が存在することは早くから予想されていた。その中で、1991年ソビエト連邦政府はサハリン北東部沖のピルトン・アストフスコエ(弁連戸 べれんと)鉱区及びルンスコエ(呂郷 ろごう)鉱区の2鉱床の開発を国際入札を用いることを発表した。この入札には複数の会社が手を挙げた。
  1994年ロイヤル・ダッチ・シェル三井物産三菱商事の三者が合同でサハリン・エナジー社を設立し、ロシア政府と生産物分与協定(PSA)を締結した。
  当初のサハリン・エナジーへの出資比率は英蘭シェルが55%、三井物産25%、三菱商事20%であり、総事業費は100億ドルと見積もられていた。
  1999年には第1フェーズ原油生産が行われ、さらに2001年に全体開発計画がロシア政府によって承認された。
  2008年中の本格稼働を目指し、最終的には日量18万バレル原油生産、天然ガス産出量はLNG換算で年間960万トンを見込んでいた。これは日本の総輸入量のそれぞれ4%、18%に相当する。開発計画は順調に進行し、1997年にはピルトン・アストフスコエ鉱区の第1段階開発計画が承認された。しかし環境対策を求められたことで開発費用が増大し、2005年7月14日にサハリン・エナジーは総事業費が当初の100億ドルから200億ドルに倍増すると発表した。
  2006年9月、ロシア政府は環境アセスメントの不備を指摘し、サハリン2の開発中止命令を出した。その後の交渉で、2006年12月にロシアのガスプロム参画が決まり、2007年4月にはサハリン・エナジーの株式の50%+1株を取得した。これによってサハリン・エナジーの出資比率は、英蘭シェルが55%から27.5%-1株、三井物産が25%から12.5%、三菱商事が20%から10%に減少した。2007年4月にロシア天然資源省はサハリン・エナジーの環境是正計画を承認。2007年10月には1年以内に工事を完了させることで合意し、開発中止の危機は免れた。
  2009年2月18日、日露両首脳が出席する中でサハリン2の稼動式典が行われ、3月29日には液化天然ガスの出荷が始まった。
  2022年2月28日、英蘭シェルロシアによるウクライナ侵攻に抗議する形でサハリン2を含むロシアでの全事業から撤退することを表明した。その後、プーチン大統領が従前の運営会社の再編を決定。2022年8月19日、新たな運営会社であるサハリンスカヤ・エネルギヤが発足した。この時点の外資の受け入れや出資比率は白紙である。
自然環境破壊への危惧
  ・鉱区の周辺は流氷の接岸、10m近くに達する高波など過酷な気象条件下にあることから、原油流出事故などが発生した場合には破局的な環境汚染を招くとして、一部の自然保護団体から反対運動が行われている。
  ・IUCNでは、付近の海域に生息するクジラ(特にコククジラが懸念されている)の生息状況を評価している。







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