巨大IT問題


2019.11.13-中日新聞 CHUNICHI WEB-https://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2019111302000061.html
巨大IT、情報開示義務 サイト表示順基準で政府方針

政府は十二日の未来投資会議で、「GAFA」と呼ばれる米グーグルやアマゾン・コムなど巨大IT企業への規制強化で中核となる新法案の骨格を固めた。大規模な通販サイトやアプリ配信サービスを手掛ける企業に対し、サイト内の商品表示順を決める基準などの情報開示を義務付けて契約の透明性を高め、出店事業者を守る。個人情報保護法の改正案では、利用者がIT企業に個人データの消去や利用停止を請求できる権利を認める。
 政府は十二日、デジタル市場競争会議でアップル、フェイスブックを含むGAFA四社から新法案への見解や主張を聴取。年内に一定の結論を得ることを目標に協力を要請したのに対し、GAFA側からは規制に伴う負担増などへの懸念の声や異論も出た。政府は意見聴取も踏まえ、二法案を来年の通常国会に提出する。
 サイト内での商品やアプリの表示順は、出店者にとって売り上げを左右する事業上の重要な要素だが、基準の決め方が不透明だとの批判もある。新法「デジタル・プラットフォーマー取引透明化法」では、こうした懸念に応えるため情報開示を義務化し、サイトの運営状況を政府に定期的に報告するよう求める。
 個人情報保護法の改正では、本人が望まない形で個人データが流通することを防げるようにする。


2019.9.7-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/column/news/190907/clm1909070003-n1.html
【主張】北海道全停電1年 脱原発リスクを思い出せ

最大震度7を記録した北海道胆振(いぶり)東部地震から6日で1年を迎えた。 40人を超える人命を奪うとともに北海道ほぼ全域を停電に陥れた地震だった。長時間にわたる電力喪失で、道民約550万人の暮らしと生産活動が脅かされた記憶は、生々しく残る。 厳冬期であれば、被害はどれほどの規模に達していたかと背筋が寒くなる思いである。
 北海道電力管内の各発電所がドミノ倒しで機能を停止し、全停電に至った「ブラックアウト」の背景には、福島事故を機に北電の泊原子力発電所の3基が停止させられていたことがある。 北電は火力発電所のフル稼働で原発不在の穴埋めに努めていたが、道内最大の苫東厚真(とまとうあつま)火力発電所が大地震で故障した。その結果、道内の電力網を流れる電気が一気に消費量を下回ったのだ。電気は時々刻々、消費量と発電量が一致していなければ、周波数が狂ってブラックアウトに進む。
 自然まかせで出力調整能力を欠く太陽光や風力発電だけでは、安定した電力供給が不可能であることを多くの人が、この大地震で初めて知った。 安全審査中だった原発の泊3号機だけでも稼働していれば、昨年の北海道ブラックアウトは回避されていた可能性が極めて高い。

 地震多発国の日本での電力安定供給には、原発が必要であることを再認識したい。強固な岩盤上に建つ原発は、火力発電所を上回る耐震力を備えている。
 来年から始まるパリ協定での二酸化炭素排出削減の公約達成には原子力発電が欠かせない。しかし、国内の原発は減り続ける一方だ。この1年間にも福島第2原発4基などの廃炉決定も加わって、3・11前の54基から実質33基にまで激減している。
 稼働中の原発は9基しかないが、その多くがテロ対策施設の難工事の遅れで来年以降、運転停止に追い込まれそうな状況だ。 8月末には原子力規制委員会が、原発の基準地震動の計算方法を改定することを決めた。安全審査中だけでなく稼働中の原発の中にも新たな追加対策工事を迫られるところが出る見通しだ。
 脱原発のリスクを顕在化させた北海道の地震だったが、その教訓は早くも風化しようとしている。来る南海トラフ地震での列島ブラックアウトが懸念される。


2019.8.29-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/politics/news/190829/plt1908290023-n1.html
巨大IT規制へ指針案 利用者保護に独禁法初適用 公取委

公正取引委員会は29日、「プラットフォーマー」と呼ばれる巨大IT企業の規制指針案を公表した。インターネットの検索や通販などのサービスを利用する個人を保護するため、強い立場の米グーグルなどを念頭に独禁法上の「優越的地位の乱用」を適用すると初めて明示。購買履歴や位置情報といった個人情報を十分な同意を得ず不当に収集することを防ぐ。公取委は同日、指針案の意見公募を始めた。集まった意見を反映し、早ければ10月にも取りまとめ、指針を踏まえた運用が始まる見通しだ。
 巨大IT企業を規制する指針は初めて。取引先を保護する新法制定や個人情報保護法の改正を含めた巨大ITへの包囲網の第1弾となる。
 優越的地位の乱用規制は、これまで企業間での取引に用い、取引先企業への不利益強要を禁じていた。今回、利用者が巨大ITに個人情報を提供することを無料サービスの対価と位置付けることで規制対象を広げた。


2019.7.24-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/west/news/190724/wst1907240010-n1.html
米司法省、GAFAの調査開始 独禁法違反

【ワシントン=塩原永久】米司法省は23日、米IT大手に対して独占禁止法(反トラスト法)違反に関する調査を開始したと発表した。「GAFA(ガーファ)」と呼ばれる4社(グーグル、アマゾン・コム、フェイスブック、アップル)が対象とみられる。ネット検索や通販、交流サイトで圧倒的な市場支配力を持つ4社が公正な競争をゆがめてないかを調べる。
同省は声明で、「市場競争の規律が十分なければ、デジタル基盤企業が消費者の求めに応じない行動をとりかねない」と指摘。GAFAが優越的な地位により「市場競争を弱めたり、技術革新を押さえ込んだり、そのほか消費者を害する慣行」をとってないか調査するとした。
 GAFAをめぐっては、フェイスブックによる個人情報流出問題のほか、サービスを通じて収集したデータの取り扱い方が不透明だといった批判が出ている。
 米議会では、ウォーレン上院議員(民主党)が巨大IT企業の分割論を主張。下院の司法委員会もGAFAに関して反トラスト法違反がないかの調査開始を決めるなど、4社の支配力の強まりを問題視する声が大きくなっていた。


2019.6.28-日経BP-https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/special/00145/?i_cid=nbpnb_arc
データで見るBAT(2)巨大な市場追い風にGAFA追う

世界の株式時価総額ランキングではアリババ集団とテンセントがトップ10位に入り、米国のインターネット企業を追う。14億人の巨大な内需をテコに、BATは急激な成長を遂げた。今やネット通販の市場規模やライドシェアでは米国を上回る。
 ただ、政府が成長を後押ししてきた側面は否めない。海外企業が中国でインターネットサービスを始めるにはICPライセンスと呼ばれる営業許可証が必要となるが、「当局からなかなか認可が下りない」と中国のビジネス事情に詳しいクララオンラインの秀山斌氏は話す。米グーグルは中国から撤退、米ウーバー・テクノロジーズは中国事業を滴滴出行に売却した。
 「収益力」で見ると米国勢がまだ上回る。米国のプラットフォームはアジアや欧州など幅広い国・地域で利用されており、独占的なポジションを築いている地域も多いためだ。
 中国勢も東南アジアなどの新興国を中心に、海外進出を活発化させることは間違いない。これまでGAFAに近いビジネスモデルで発展してきたが、決済など幅広いサービスに広げて効率よく利益を稼ぐ力を身に付けてきた中国企業の実力はあなどれない。


2019.6.28-日経BP-https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00054/
敵か味方か BAT 中国デジタル革命の旗手 

百度(バイドゥ)、アリババ集団、テンセント(騰訊控股)。「BAT」と呼ばれるこの中国IT大手3強の経済圏が広がっている。母国市場で急成長した勢いそのままに、日本にも相次ぎ進出する。巨大なハイテク実験場と化した中国では次々に「ネクストBAT」も誕生。国家戦略と一体となって世界各地で足場を築いている。 IT分野で圧倒的地位を築いた「GAFA」を擁する米国では、中国にその座を脅かされるのではないかと脅威論も高まる。イノベーションの旗手か、秩序の破壊者か。実態に迫った。

中国資本、5Gに加え海底ケーブルにも食指
(聞き手は吉野次郎)
中国IT業界の勢いを象徴するように、大手3社を指す「BAT(バイドゥ、アリババ集団、テンセント)」以外にも、様々な略称が生まれている。その1つが「BATH」だ。BATに華為技術(ファーウェイ)を加えた中国IT大手4社をまとめた呼び方である。トランプ米大統領は6月29日の米中首脳会談後に、BATHの一角であるファーウェイへの制裁措置を緩和すると表明した。これに対して与野党の双方から反対の声が上がる。米国はなぜ中国IT企業に警戒するのか。米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)のジョナサン・ヒルマン・ディレクターに聞いた。

米国にとってなぜ中国IT企業は脅威になるのでしょうか。
ジョナサン・ヒルマン氏(以下、ヒルマン):ファーウェイの次世代通信「5G」の機器が中国当局の諜報活動に利用される可能性があるなど、安全保障上の懸念を抱いています。5Gほど注目されていませんが、海底ケーブルを巡る動きにも注意が必要です。
アジアの海底ケーブル、過半数に中国関与-中国はどれぐらいの割合で世界の海底ケーブルに関与しているのでしょうか。
ヒルマン:中国資本が敷設や所有、または中国領土内に陸揚げする海底ケーブルの世界シェアは合わせて11%です。今後、敷設される計画の海底ケーブルでは24%に上ります。アジアに限ればその比率はさらに高まり、既設の海底ケーブルの30%に、今後敷設する計画の54%に中国は関与しています。
 関与する海底ケーブルが中国・香港・台湾の間に限られていたわずか10年前の状況から、様変わりしました。(編集部注:取材後の6月3日、中国通信大手の江蘇亨通光電がファーウェイの海底ケーブル事業を買収すると発表した。ヒルマン氏は「人民解放軍とつながりのある江蘇亨通光電に、米当局は警戒を強めるだろう」と分析する)

ヒルマン:海底ケーブルの敷設や保守、運用の過程、あるいは陸揚げした中国国内で通信傍受の仕組みを組み込むことが可能です。19世紀半ば以降の大英帝国と同じ道を歩んでいるように見えます。
どういうことでしょう。
ヒルマン:当時の英国は海底ケーブルに関連する先端技術や敷設する船を独占的に握っていました。そのため英国は世界の海底ケーブルの大半を敷設、所有できました。電信の時代から国際通信に強い影響力を持っていたわけです。
 1914年に勃発した第1次世界大戦では、宣戦布告の翌日に英国はドイツにつながる海底ケーブルを5つ切りました。生き残った海底ケーブルは英国による通信傍受の対象となりました。
 民間の競争から始まった海底ケーブルの整備と運用は、ある時点から国家戦略の一部に組み込まれるようになります。
海底ケーブル以外で注目している通信設備はありますか。
ヒルマン:データセンターです。中国企業がかかわっているデータセンターからデータが中国当局に抜かれるリスクは否定できません。膨大なデータが集まるデータセンターを標的にすれば効率的に情報収集できます。同じ理由で海底ケーブルも通信傍受の対象になりやすいのです。
中国IT企業は各社とも当局の諜報活動に協力しないと主張しています。
ヒルマン:そのままうのみにするわけにはいきません。今は協力しないと言っているかもしれませんが、将来的な保証はどこにもありません。

習主席肝いり 中国ハイテク都市「雄安新区」の実力は
千年の大計」「国家の大事」。中国政府がこう位置付ける壮大なプロジェクトが進行している。河北省の「雄安新区」と呼ばれる場所に、新たに副都心をつくり上げようとしているのだ。
 習近平国家主席が雄安新区の設立を宣言したのは2017年のことだ。それまで中国での同地へのイメージは、日中戦争での激戦地となった「白洋淀」と呼ばれる湿地帯があるという程度のものだった。それまでは畑が広がるばかりの田舎だったが、あれよあれよという間に自動運転車など最新鋭のIT機器が導入されたハイテク都市になっているのだという。

中国が国家の威信をかけてゼロベースから作り上げる最先端都市とは、一体どのようなものか。実際に足を運んでみた。
 雄安新区は北京市と天津市から約110kmの位置にある。北京から高速鉄道を利用する人が多いが、まだアクセスはイマイチだ。直通の列車に乗れば「北京南」駅から「白洋淀」駅まで1時間半程度で着く。ただし、その列車は1日2本しかなく、それに乗れない場合は途中駅で乗り換えに数時間待たされる羽目になるケースもある。
白洋淀駅からはタクシーなどに乗り、町から約3km離れた駐車場に行く。そこからは電動シャトルバスで中心地まで移動することになる。雄安新区は公共交通と自動運転車しか想定していない。そのため、一般車両は入れないのだ。
 シャトルバスに揺られてしばらくすると現れてくるのが、総建築面積約10万㎡の「市民服務中心(市民サービスセンター)」だ。行政サービス、会議、商業施設などの低層ビルが並んでいる。

 着いたのは夜遅くだったので、そのままホテルに直行した。中国人であれば身分証を使ってチェックインすれば顔認証による部屋の開錠が可能になる。ただし、残念ながら日本人は対象外だ。鍵を持ち歩かずに外出している中国人を見ると、少し羨ましい気持ちになった。
 ホテルに泊まっている人の多くは、先端技術を見てみようという観光客のようだ。室内には午後8時までに申し込めば、翌朝9時から雄安新区をガイドするツアーに参加できるとの案内が掲示されていた。 翌朝になって外出して最初に目撃したのは自動小型清掃車だ。ゆっくりと動きながら地面を掃除している。危険性は感じないが、担当者が後ろにずっとついて歩いていた。
ここからは現地ガイドと合流して市内を見て回ることにした。ガイドに言われて建物をよく見ると、壁や柱などの建材が同じだ。建材は全て規格が統一されており、工場で作って現地に運び一気に組み立てたのだという。建築に要した日数はわずか100日あまり。「当初は83日でつくる予定だったんだけど、ちょっと遅れてしまった」とガイドは少し残念そうに語った。
 そのような突貫工事で大丈夫なのか不安になるが、10年程度で建て直すことを前提にしているという。そうした割り切った考え方を採用してしまえば、確かにITも環境も最先端の技術がいつも取り入れられる。リサイクルが可能な素材を使い、雨水の循環システムを採用するなど環境には徹底的にこだわっているのだという。

 行政サービスは縦割りを廃して、できる限りオンラインで完結するようにしている。通常は登記や納税関連など、手続きごとに別々の役所に行かねばならない点は中国も日本と同様だ。こうした取り組みが他の地方政府にも転用されれば、効果は大きそうだ。
市内では百度(バイドゥ)が主導し世界の自動車大手が参画する「アポロ計画」による自動運転バスが巡回していた。アプリで事前に申し込めば乗車することもできる。時速20km程度でゆっくり動いており、すれ違う際には互いに一旦停止するシーンも見られた。
 商業施設はレストランやマクドナルド、スターバックス、書店、映画館などが一通りそろっているが、まだ住人が少ない上に平日の昼間ということもあって人影はまばらだった。その中で観光客が集まっていたのはネット通販大手、京東集団の無人スーパーだ。店頭にある大きなQRコードを中国人ならまず持っている「微信(ウィーチャット)」のスマホアプリで読み込み、顔写真を登録する。それが終わると顔認証によりゲートが開き、店内に入れるようになる。品物を手に取って、出口に行くと商品に貼られたRFIDタグを読み取り、顔認証と組み合わせてウィーチャットで支払う。
 ただし、無人スーパーという名前とは裏腹に、現状では担当者が常駐しているのが実態だ。記者が購入しようとしたペットボトル飲料はタグが外れていたようでうまく認識されず、担当者が慌てて代わりの品を取りに行く一幕もあった。顔認証には毎回数秒かかるため、その間は少し不安な気持ちにもさせられる。万人に受け入れられる完全無人店舗の実現は、もう少し先の話になりそうだ。

 現時点ではハコモノが優先していると言わざるを得ない。現在入居している企業のほとんどは国有企業で、社員も渋々移ってきた人が多かったという。民間企業では百度やアリババ集団、騰訊控股(テンセント)などが入居しており、日本勢ではパナソニックや日立製作所も事務所を開設している。先端的なプロジェクトへの参加機会を得られるのは大きいが、中国政府とのパイプづくりに価値を見いだしているというのが本音だろう。
 ニーズが乏しい場所に無理やり大都市をつくり上げようとしているように見えるが、中国政府が本気なのは間違いない。19年9月末には雄安新区と北京の間に新空港を開業する予定で、新たに高速鉄道も開通させる計画だ。数カ月単位で表情を変えていくのが確実なこの地の動向から目が離せない。

ヤフーやLINE、スマホ決済「ばらまき」の原点はBAT
 ゲームや決済、配車アプリなど国内でも中国発のITサービスが浸透し始めた。百度(バイドゥ)、アリババ集団、テンセント(騰訊控股)の「BAT」を代表とする中国IT勢は、人口14億人の母国市場で磨かれたアイデアや技術力を世界に広げようとしている。
 日経ビジネス2019年7月1日号「敵か味方か BAT」では、「デジタル先進国」へと突き進む中国政府の動きやそれに対する脅威論、さらに日本企業の進むべき道などを検証した。

 中国のIT大手に共通するのは、サービスを無料化して数多くの利用者を集め、一気にプラットフォーマーの座を奪う破壊的イノベーションの手法だ。「BAT」が中国で実践したこのやり方が日本にも波及している。
 「ヤフーショッピングヘの出店料を無料とし、日本で最大のインターネット通販の場を作る」。2013年10月、ヤフーの親会社であるソフトバンクの孫正義会長兼社長はこう宣言した。
 当時、ネット通販では楽天やアマゾンジャパン(東京・目黒)との差が大きかったヤフー。そこで始めたのが、同社のネット通販「ヤフーショッピング」の手数料を無料とする「eコマース革命」だ。この手本となったのがアリババだ。同社のネット通販「淘宝網(タオバオ)」では、中小規模の商店や個人が出店しやすいよう手数料を無料としていた。
 楽天ならばシステム手数料や月額料金などで数%程度の出店手数料がかかる。ヤフーも同様に有料としていたが、こうした料金をタダにすることで出店者を増やし、ヤフーショッピングでの商品数を拡大する戦略に打って出た。「まさか無料化するとは思っていなかったので、ヤフーの勢いには驚いた」(楽天OB)という。結果、無料化によりヤフーショッピングの出店者数は拡大し、約8000万品目しかなかった商品は約3億品目まで増えた。
 手数料はインターネット事業者にとり利益の源泉だ。目先の利益を捨ててでもプラットフォーマーの座を何が何でも取りにいく。こうした手法はアリババやテンセントなどが先行するスマホ決済でも同様だ。
 中国で発端となったのは、テンセントが14年、SNS「ウィーチャット」で始めたキャンペーンだ。「微信紅包」と呼ばれる、ウィーチャット上でお年玉を知人に送金できる機能だ。例えばグループチャット上でユーザーが200元分のお年玉を送信すると、もらえる金額が一人目は20元、二人目は10元など金額が異なる。
 遊びの要素を持たせたことで、スマホ決済の「ウィーチャットペイ」に自然とお金がたまる。たまったお金を使うために、ウィーチャットを使う。それまでスマホ決済でのシェアが約8割と圧倒的だったアリババの「アリペイ」の牙城を崩し、いまやスマホ決済ではアリババとテンセントの2強がシェアを分け合う。

 以降、アリババやバイドゥも旧正月の「紅包(ホンパオ)=お年玉」向けに還元キャンペーンを導入し、ユーザー獲得のための「ばらまき」競争が激しくなった。最近では日本では「Tik Tok」として知られる北京字節跳動科技(バイトダンス)など動画サービスでもこうした還元キャンペーンが広がっている。
 今、日本で激しい先陣争いが起こっているスマホ決済市場も中国での動きを踏襲しつつある。ヤフーとソフトバンクが出資するPayPay(ペイペイ)が18年12月、利用者に総額100億円分のポイントなどを還元するキャンペーンで火蓋を切ると、家電量販店などに利用者が殺到する“ペイペイ祭り”と呼ばれる現象が起きた。システム障害や不正利用なども発生したものの、ペイペイは知名度を高めることに成功し、スマホ決済の主役争いに名乗り出た。
 スマホ決済で先行していたLINEも対抗策を繰り出した。5月末、300億円相当分を上限としてLINE上の友だちに1000円相当の「LINE Payボーナス」を送信できるキャンペーンを始めた。タダで1000円分のボーナスがもらえる手軽さから、送付人数は約2000万人を超えた。
 ペイペイをはじめとしたスマホ決済各社は、一部の決済手段について加盟店からの手数料を期間限定で無料としている。クレジットカードをはじめとした既存の金融サービスからの転換を促すのが狙いだ。
 インターネット大手が仕掛ける無料化やばらまきキャンペーンで、資金力で劣るスタートアップは退散を余儀なくされ、中国と同様にあらゆるサービスが巨大企業に集約される可能性は高い。利用者にとっては同じようなサービスが乱立するよりも有力サービスに集約されるほうが利便性は高いかもしれないが、データ収集を手がける企業が偏るなどの新たな問題もはらんでいる。


GAFA
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

GAFA(ガーファ)は、アメリカ合衆国に本拠を置く、GoogleAmazon.comFacebookApple Inc.の4つの主要IT企業の頭文字を取って総称する呼称である

GAFAと一括りにする当該概念は、エリック・シュミット、フィル・サイモン、スコット・ギャロウェイによって、成長著しいIT企業4社を呼び慣らわす名称として提唱された。英語圏では「The Big Four」(四大企業)、「Gang of Four」(四天王)、「Four Horsemen」(四騎士)とも呼称される
この用語は、単に大規模なIT企業ではなく、大きな社会的変革を推進している企業を指す。シュミット、サイモン、ギャロウェイは、IBMやマイクロソフトなどの一部の大企業では、GAFAよりも変化が少ないと考えている]
2010年代前半にはMicrosoftを含めた「GAFMA」という括りの名称が使われていたが、その後成長が鈍化し相対的に影響力が減少したことや、プラットフォームサービスにより個人情報を集積・活用する他の4社との性質の違いから、マイクロソフトは次第に外されるようになった
日本においてこの語句は、2016年頃より経済産業省の報告書で頻繁に使用されるようになり、2018年のユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされた


Facebook、Apple、Amazon、Netflix、およびGoogle
ウィキペディアから、無料の百科事典


Facebookの、アマゾン、アップル、ネットフリックスやグーグルFAANG)、(もともとアップルが含まれていませんでした)FANGの更なる拡張は、頭字語の両方で流行語によって広めとして、投資家を誘惑するジム・クレイマーからCNBCのマッドマネーと他のトーキングヘッドは、現在NASDAQに上場されている現在の高性能技術企業をグループ化することを目指しています。

通常、これらのテクノロジー企業のうち5つ(または4つ)を指しますが、最近では、アメリカのテクノロジーの成長著しい成長株と近年のハイテク対応企業で構成されるテクノロジーおよび消費者の裁量部門を指すのに一般的に使用されます。。[2]このような市場の見方は、相応の純損益を伴う大きな影響を示しています。この現象がハイテクバブルを示しているのか、これらのテクノロジー企業の長期的な持続的成長を示しているのかについて意見が分かれています。
2017年に、インターコンチネンタル取引所はを通してこの中心としたインデックスを開始したNYSEとしてFANGを拡張ツイッターNvidiaのテスラとBATの株式、と中国の対応:百度アリババテンセント投資アナリストは、中国の株式市場における同程度の成長率のため、しばしばFAANGとBAT株を比較しています。
これらのインデックスベースのファンドの積極的に管理されたETFがあります。ETFは現在、黙示のハイテク企業株のすべてを保有しているわけではありません。ティッカーFNGで知られているETFは、Cambridge Analyticaのスキャンダルの間にFacebookから売り切れていましたが、Appleの収益を押し上げる前に持ち越していました。


2019.6.4-産経新聞-https://special.sankei.com/f/economy/article/20190604/0001.html
第5部 銀行が消える(2)「次世代銀行」へ手探り
■ 店舗も行員も減った。ITサービスに活路開く

銀行の姿が大きく変わり始めた。一等地に軒を連ねた店舗は統廃合が続き、共同利用化が進むATM(現金自動預払機)もいまやお荷物扱いだ。金融とITの融合や人工知能(AI)の進展で、銀行の不要論すらささやかれている。
 東京・渋谷。人通りの絶えない繁華街に建つビルの6階でエレベーターを降りると突如、古びた本棚が目の前に現れた。禁酒法下の米国東海岸をイメージした空間で、本棚に模した隠し扉を開くと、外国人や若者らが、あちこちで打ち合わせをするフロアが広がる。
 金融機関の常識にとらわれない新規事業やサービスの創出を目的に、三井住友フィナンシャルグループ(FG)が2年前に開設したイノベーション(技術革新)拠点だ。起業家をはじめ企業、行政、研究機関など、さまざまな人間がここに集まり、新たなビジネスを模索する。
 「銀行に閉じ籠もっていては決して出会えない人や流行のビジネスに触れることができる」。Tシャツ姿で現れた施設の責任者、三井住友FGITイノベーション推進部の古川剛也(ごうや)氏は話す。3月には第1号案件として、AIを使って株式投資情報を個人向けに提案する新サービスを始めた。
                   ◇
 渋谷から目黒へ-。1月下旬、学芸大学駅前(東京都目黒区)に三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)傘下の三菱UFJ銀行の新ブランド店舗がオープンした。次世代型店舗「MUFGネクスト」の第1号店だ。
 店内に入ると、接客カウンターや行員が慌ただしく働くスペースはない。代わりに並ぶのはタブレット端末や高機能ATM。面倒な書類の記入はなくなり、口座の出し入れなどの手続きは画面上でほぼ完結する。住宅ローンや相続などの相談も専用ブースで、テレビ電話を通じてオペレーターと会話しながら手続きができる。 「もうなるべく銀行には行きたくない。行ったとしても待たされたくない」
 三菱UFJFGの三毛兼承(かねつぐ)社長は、最近の消費者の心境をこう代弁する。
 コンビニエンスストアのATMやインターネット取引の普及で、人々は銀行の店舗と疎遠になった。三菱UFJ銀の来店客数は過去10年で4割減り、一方でネット取引の利用者は5年で4割増加した。銀行を取り巻く環境が激変する中で生まれたひとつがMUFGネクストである。
 三菱UFJ銀ではデジタル化によって人件費の徹底した削減を目指しており、このMUFGネクストと資産運用などコンサルティングを扱う富裕層向けの店舗を合わせて令和5(2023)年度末までに数十店まで増やし、現在約500ある店舗を35%削減する。
                   ◇
長引く金利低下と人口減少で銀行の本業である貸出利益は低下した。支店に大量の行員を置いて預金を集め、住宅ローンなどの利息で稼ぐビジネスモデルは限界で、銀行業界は「破壊と再生」を迫られている。
 もうけが少ない一般利用者の対応は、ネット取引やAIを使ったロボットアドバイザーなど機械が代行。手数料が稼げる重要顧客の資産運用は知識を持つ社員が別途対応する。メガバンク各行にはそんな割り切りが垣間見える。
 かつて花形だった法人営業も世界的なカネ余りの影響で資金需要が低迷。海外展開の後押しやM&A(企業の合併・買収)の情報など、お金以外の付加価値を提供しようと、各行はしのぎを削る。
 一方でITと金融が融合したフィンテックは、帳簿の入力から融資可否の判断まで銀行が抱える「事務の塊」を自動化した。銀行員の仕事はなくなるのでは…。そんな不安は根強い。
 《かつては、銀行と呼ばれていた。》
 三井住友FGは、採用情報サイトでこんな言葉を打ち出している。江戸時代の両替商が銀行に生まれ変わったように、銀行は新たな業態に飛び込んでいけるのか。


2019.6.3-産経新聞-https://special.sankei.com/f/economy/article/20190603/0001.html
第5部 銀行が消える(1)邦銀を揺さぶる「スマホ金融」
(口座持たず決済。IT企業のサービス革命)

ITと金融が融合した「フィンテック」が劇的な進化を遂げるなか、銀行の存在基盤が揺らいでいる。10年後にも「銀行」というものは存在しているだろう。だが、プレーヤーたちは大きく姿を変えているかもしれない。
 自動運転の地下鉄が大阪湾の人工島「夢洲(ゆめしま)」(大阪市此花区)へと次々に乗り入れてくる。「ようこそ、大阪・関西万博へ」。真新しい駅舎のホームに降りた乗客たちは人波となり、改札へと押し寄せていく。それでも流れが滞ることはない。
 多くの人が改札を素通りしている。認証用カメラが、あらかじめ登録された顔写真から乗客を識別し、通り抜けるだけで運賃が口座から引き落とされる。

大阪メトロはこんな未来予想図を描いている。令和7(2025)年5月の大阪・関西万博までに、全ての駅でこの光景を目にすることになる。次世代の決済シーンでは、現金はもちろん、ICカードやスマートフォンなどの端末すら必要としない。「顔」こそがマネーなのだ。
 指紋、静脈、虹彩(瞳の周りにある円盤状の膜)、そして顔。生体データを使った決済は、ITを駆使して金融サービスに革新を起こす「フィンテック」の成果の一つだ。スマホが普及し、誰もがサイバー空間とつながるようになった。これまでの銀行に代わって、新時代の金融はテクノロジー企業が牽引(けんいん)していく。
 その代表プレーヤーは、ボタンを一押しするだけの「ワンクリック」で流通革命を起こした米インターネット通販大手、アマゾン・コムだ。
 メガバンク出身で戦略コンサルティングも手掛ける立教大ビジネススクールの田中道昭教授が語る。
 「利用者が感じる不便さを、徹底的に取り除こうと考え抜くのがアマゾン流。本当の意味での顧客主義だ」
 不便さとは、大阪メトロにとっては乗客の往来を妨げる「改札」である。アマゾンならば、通販客をうんざりさせてきた煩雑な決済方法だったといえる。
 既にアマゾンは金融に似た機能を備えている。例えば「アマゾンレンディング」である。同社サイトに出店する業者向けの融資サービスで、融資額は最大で5千万円、審査期間は最短3日という速さをうたい、約5年前にスタートした。
 「アマゾンギフト券」は購入額に応じて最大2・5%のポイント還元を受けられる。アマゾンで多くの買い物をする人の中には高利率の「預金」として利用する人もいる。 まるで既存の銀行を挑発するかのようだ。
 田中教授は「決済、融資、預金という主要な金融業務を網羅している」とみており、「アマゾン銀行」の誕生は現実味を帯びていると強調する。
 誰が、いつ、何を買い、何を欲しているのか。緻密に収集された顧客情報は、金融と結びつく。
 昨年3月、多くの金融関係者が米紙ウォールストリート・ジャーナルが伝えるアマゾンの動向に目を見張った。米銀大手JPモルガン・チェースなどと組み、インターネット決済専用の預金口座に似たサービスの検討を始めた。そのターゲットは若い世代だ。これが実現すれば、銀行口座がなくても買い物の決済ができるようになる。
 既存銀行の存在感はますます薄れていく。中堅銀行の幹部は「邦銀は駆逐されてしまうかもな」と漏らした。
 壇上で2人の男性が手を握り合うと一斉にフラッシュがたかれた。一人はデニムにジャケット。一方の男性はスーツ姿。IT企業トップのラフなスタイルは、銀行幹部と並ぶと存在感が際立った。
 無料通信アプリ「LINE(ライン)」の出沢剛(いでざわ・たけし)社長は、みずほフィナンシャルグループと提携し、新銀行「LINE Bank(バンク)」の構想を表明した。昨年11月のことだ。
 「既存の銀行は規制に縛られ、顧客本位のサービスができていない。5年後を見据えた当たり前の金融サービスをつくる」
 店舗を持たず、「融資や預金、振り込みなど、全てをスマホ上で完結させる」という。LINEは「電子メール」から多くの需要を奪った実績がある。その利用者は約8千万人。若者の支持も厚く潜在的な顧客基盤は三菱UFJ銀行の約3600万の預金口座を上回る。
 この20年で異業種からの参入は10社を超え、着実に既存銀行の地盤を侵食しつつある。セブン、ローソン、楽天、ソニー…。
 セブン銀行がコンビニエンスストア店舗を中心に設置したATM(現金自動預払機)の数は約2万5千台。メガバンク3行の合計2万台を圧倒する。一方、メガ側は管理にコストがかかるATMの縮小にかじを切っている。
 既存の銀行は台頭する新興勢力との差別化に苦心しているのが現状だ。もはや、消費者の心をつかみかねているのではないか。 この春、電機メーカーに就職した男性(25)はメガバンクに口座を開設したという。 「給料の振り込みに使うだけ。どこでもいい」
 こんな消極的理由で選んでくれる顧客に頼ってきた時代は終焉(しゅうえん)を迎えそうだ。

「銀行員やめた」 将来見えない/コンサルに転職

「今の銀行は泥舟ですから。正直、降りられてホッとしてますよ」 富山市内のある中小医薬品製造業の社長(39)は昨年末、地方銀行を退職するとあいさつにきた30代の融資担当者の言葉が心に残っている。
 当初こそ、自身の退職で担当が代わることを申し訳なさそうに話し、頭を下げていた。だが、応接室のソファに座るよう促すと緊張していた表情は緩み、お茶菓子を食べながらの雑談で、つい本音を漏らしたのだという。退職後は、北陸圏内の企業を対象にしたコンサルタント会社に転職することが決まっていた。
 偶然なのか、この担当者を皮切りに、年明けすぐに別の地銀の担当者2人が立て続けに退職のあいさつに訪れた。同様に転職先は決まっており、1人はコンサル会社、もう1人は都内のメーカーで経理として4月から働くことになっていた。「栄転になればよいですけど…」。うち1人は、どこか安心したような表情でつぶやいた。
 昨年、首都圏の外資系コンサル会社に転職した20代の元行員は、「地銀での担当業務は機械的に受付案件を処理するだけ。将来は人工知能(AI)などに取って代わられると考えた」とその理由を明かす。
 とはいえ、銀行員が身につけた数字を読む力や、融資先の経営者ら外部との折衝能力は他業界でも歓迎される。待遇が良いコンサル会社への転職はトレンドとなっており、「特に若手でも大きな案件を担当でき、給料も高い外資系への転職は人気が高い」(転職支援ベンチャーの担当者)という。
 就職すれば「人生安泰」とみられていた銀行員という仕事が変わり始めている。就職情報会社リクルートキャリアの調査では、銀行員の転職は平成21~30年度の10年間で7・14倍に増え、全職種の3・23倍に比べ格段に多い。
 人口減少による貸し出し需要の減退や、超低金利の長期化による利ざやの縮小を背景に、銀行の収益力は悪化した。日本銀行の試算では、国内で営業する地銀の実に約6割が10年後には最終赤字に陥る見込みだ。
 銀行界は激動の新時代に突入した。主役はスマートフォンと通販で蓄積した膨大な顧客情報を持つ異業種だ。預金残高の合計で約427兆円を誇る三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)、三井住友FG、みずほFGの3メガバンクは脇役となりつつある。
 ITと金融が結びつくフィンテックを足がかりに、ソフトバンクとヤフーが出資する「ペイペイ」や無料通信アプリLINE(ライン)の「LINEペイ」などスマホを使った決済サービスが林立。異業種に決済や融資といった基幹業務が浸食されている。
 既存銀行は生き残りをかけデジタル化による業務効率化を加速し、今後は店舗の統廃合や3メガで3万人規模のリストラが進む。バブル期に大量採用した50歳前後の行員をグループ会社へ転出させ、新卒採用は3メガの令和2(2020)年度の採用予定者数がピーク時の3分の1まで落ち込むなど、絞り込んでいる。
 銀行員はもはやエリートではない。そんな風向きの変化を、就職活動中の学生は敏感に感じ取っている。
 「メガバンクの総合職は滑り止め。銀行は就活のセーフティーネットです」

 来春卒業する東京都内の国立文系大学の男子学生(24)はこう指摘する。第一志望は機械メーカー。銀行は「将来性が感じられないからなるべく行きたくない」と漏らす。かつて就活で絶大な人気を誇った3メガも、ランキングの上位10社に残るのは今や三菱UFJ銀行だけだ。技術の進化によって幕開けした新時代。これまでのメインプレーヤーが主役の座を明け渡し、業界地図が大きく塗り変わるシナリオも現実味を増している。




2018年12月
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