IT・メデイア問題-1
2024.09.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240913-IVWMW4EI3VL35C6L7TQU5UGODQ/
「炎上」防止で不祥事会見にも同席 企業の危機管理巡り〝コンサル化〟する弁護士
(久原昂也)
企業で不祥事や問題が起きた際の「危機管理」を巡り、法律の専門家である弁護士が果たす役割が高まっている。
対応を誤ればただちに交流サイト(SNS)で拡散されて炎上し、株価の暴落や株主による訴訟提起などのリスクに直面する現代。記者会見への同席など幅広い貢献が求められるようになり、弁護士の「コンサルタント化」が進んでいる。
全局面で関与
「先生、どうしたらいいですか」・・・ある食品メーカーが頼ったのは、企業の危機管理に詳しい松田綜合法律事務所の岩月泰頼弁護士だった。
この企業が販売している加工食品で、食品表示法に抵触する可能性のある表示ミスがあると内部通報で発覚したという。・・・岩月弁護士は、社内で調査委員会を設置するよう指示。判明した事実を当局に共有するかたわらで再発防止策も策定し、取引先に説明した。
不祥事が訴訟に発展することはなかったが、岩月弁護士は、こう語る。・・・「弁護士は以前は法律の助言だけを求められることが多かったが、今は危機対応に対する総合的な助言が求められる時代になっている」
一瞬で評価失墜
企業にとって不祥事後の対応は非常に重要だが、近年では記者会見での情報開示が不十分だったりして火に油を注ぐケースが目立つ。
小林製薬が製造した紅麹(べにこうじ)成分入りサプリメントによる健康被害を巡って情報開示や商品の自主回収が遅れて非難が殺到し、創業家2人が7~8月に辞任した。・・・多方面から注目を浴びた不祥事といえば、創業者の故ジャニー喜多川氏の性加害問題で揺れた旧ジャニーズ事務所だろう。
1回目の会見は、喜多川氏の性加害の事実を認めた一方、事務所として再出発したい意向を強調したことで紛糾した。
ただ、会見では東山紀之社長が言葉に詰まった際や、会社を法的にどう処理するかを問われた際に弁護士が回答するなどし、一定の安定感も印象づけた。
弁護士の会見同席について、危機管理問題に詳しい甲南大学の園田寿名誉教授は「経営陣が保身に走っていると思われるリスクもある」と指摘しつつ「負うべき責任を世間に正確に伝え、過剰になりがちな攻撃を緩和する意味では有効」と話す。
コンプラ意識浸透
企業の社会的責任やコンプライアンス(法令順守)の意識が社会に浸透したことで、危機管理で求められる対策は複雑化している。
企業への法的なアドバイスだけでなく、広報文や会見での想定問答の作成、その企業が関係する経済事件が起きた場合には捜査当局や取引先への説明など、求められる仕事は多岐にわたる。
さらには、経営陣との関係構築も不可欠だ。不祥事では株主訴訟のリスクも大きくなるため、情報開示に消極的になる経営者も少なくない。円滑な情報開示を行うためには、そうしたリスクも加味した助言が重要になる。
岩月弁護士は「企業がより社会的な存在になり、信頼されなければモノやサービスが『売れない時代』になった。法的問題を踏まえて対応を助言できる弁護士の役割は、今後も高まるだろう」としている。
(久原昂也)
2024.09.11-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240910-VUKAVCUSMNIQHFQCNMLJ2GB2ZM/
中国籍スタッフ、読み直しを拒否 NHK「尖閣発言」調査結果 当日何があったのか
(三宅令、大森貴弘)
公共放送の
NHKラジオ国際放送で「釣魚島(尖閣諸島)は中国の領土」「南京大虐殺を忘れるな」などとした放送が流れた問題で、
10日にNHK放送センター(東京都渋谷区)で記者会見した稲葉延雄会長は「今回のことは、放送乗っ取りともいえる。極めて深刻な事態だ」と苦渋の表情で語った。
前代未聞の放送事故は、どのように起きたのか。再発防止は可能なのか。
リスク負えない
NHKは先月26日に井上樹彦副会長をトップとした検討体制を設置。調査結果には当日の経緯が詳しく記されている。
先月19日午前、NHKグローバルメディアサービスの中国籍男性スタッフは、放送センターで「靖国神社の石の柱に落書き」というニュースを翻訳していた際、日本語原稿の中の「(石の柱には)トイレを意味する中国語に似た字のほかアルファベットなどが書かれていた」という部分について疑問を抱いた。
男性は外部ディレクターとニュース画像などを確認したが、アルファベットは見当たらなかった。
男性は「NHKの原稿はあいまいで、そのまま翻訳して中国語で放送したら、個人に危険が及ぶ」「NHKはその責任をどう考えるのか」と激高。デスクの判断で、その一文は削除された。
午後1時1分の生放送開始後、男性が靖国神社のニュースを読み上げる中で、原稿から削除したはずの部分で、「『軍国主義』『死ね』などの抗議の言葉が書かれていた」と原稿にない発言を行った。その後、
22秒間にわたって「南京大虐殺を忘れるな。慰安婦を忘れるな」などと発言したが、その場にいた外部ディレクターとデスクは驚きのあまり、音声を下げるなどの対応ができなかった。
放送後に2人は
「読み直して」と詰め寄った。しかし、
男性は拒否して「僕は辞めますから」と立ち去ろうとした。男性が読み上げた原稿には、手書きで問題の発言内容が記されていたという
集まってきた別の上司らが説明を求めると、
「日本の国家宣伝のために、これ以上個人がリスクを負うことができない」「あとは代理人を通して」と繰り返し、午後2時50分頃に放送センターを立ち去った。
NHKによると、緊急時にマイクをオフにして音楽を流す緊急ボタンなどがあったが、今回のような事態については想定外だったという。問題のニュースを担当していた多言語メディア部長は「出演者のフリートークがないニュースで、放送中に不規則発言が出ることを想定しておらず、リスクとして認識していなかった」と説明した。
稲葉会長は会見で「(国際情勢が)刻々と変化する中で、リスクの変化も敏感に感知する必要があった」と述べた。
兆候見逃す
「この仕事をしていることは、俺にとってはリスクなんだ」。ラジオ国際放送で不適切な発言を放送した中国籍の男性スタッフを知る関係者は、男性が周囲にそう漏らしていたと明かす。
NHKでは、外国人スタッフが匿名などでの業務を希望する場合は個別の事情に応じて認めている。男性も本名ではない名前でアナウンス業務にあたっていた。
NHKは男性と平成14年に契約したが、その際に面接で
「自分の主張と違うことを伝えるときも、業務に対応できるか」などと質問し、適性を確認していた。採用に関わった職員は
「人柄は温厚そうで、勉強熱心」との印象を抱いていた。
職場での男性は口数が少なく、同僚の職員やスタッフはプライベートをほとんど把握していなかった一方、
翻訳の方針や待遇への不満を訴えることがあった。尖閣諸島を例に挙げて「翻訳業務を拒否できるか」などの質問をしていたという。
今回の調査結果では、男性が別の名前を使って、香港系の中国メディアで記事や音声リポートなどを発信していたことが確認された。中には、
東京電力福島第1原子力発電所の処理水について、日本政府が使っていない「核汚染水」という表現を使って報道していたこともあった。
もっと男性の発言や主張に注意を払っていれば、〝放送テロ〟を防げたのではないか。
公安関係者は今回の件について、
中国メディアの大半が初報のみという小さな扱いだったこともあり、「あくまで個人の行為であって、政府の指示を受けた発言ではないだろう」と指摘する。
中国事情に詳しいジャーナリストの奥窪優木氏は
「日本で長く暮らしていたのに反日感情を抱き続けていたことに不気味さを感じる」と述べた上で、
「習近平政権下では反日教育が激化しており、同様の事案が今後も起きないかが心配だ」と話す。
NHKとその関連団体では、
特定の国籍を理由とした不採用は禁じられている。NHKは今回の件を受け、契約を結んでいる外国人スタッフに、不安や不満などを抱いていないか個別の面談を実施。勉強会などを通じて、国際放送で業務を担う上でのルールや方針を守ることについて周知徹底するとしている。
(三宅令、大森貴弘)
2024.09.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240910-IVF63NULLFIQHPTI4XHUCG2BGM/
尖閣発言問題「NHKの存在意義を揺るがす」A会長ら役員報酬自主返納、理事1人辞任
NHKのラジオ国際放送で中国籍の男性スタッフが尖閣諸島(沖縄県石垣市)を「中国の領土」などと主張した問題で、
NHKは10日、「NHKの存在意義を揺るがすきわめて深刻な事態である」として、A会長以下役員4人が役員報酬月額50%(1カ月)を自主返納し、男性と契約していたNHKグローバルメディアサービスの元社長のB理事が同日付で辞任すると発表した。
NHKグローバルメディアサービスでは、C代表とD専務が役員報酬月額30%(1カ月)を自主返納。NHK国際放送局のE局長を減給、同局の職員4人を懲戒処分とした。
NHKの調査によると、
先月19日昼のラジオニュースで男性スタッフは約20秒にわたって「釣魚島(尖閣諸島の中国側呼称)と付属の島は古来、中国の領土だ」と中国語で発言。さらに英語で
「南京大虐殺を忘れるな。慰安婦を忘れるな。彼女らは戦時の性奴隷だった」などと主張した。
NHKグローバルメディアサービスは8月21日に男性スタッフとの契約を解除。NHKは9日、
男性スタッフに対し「法的措置により厳正に対処する」として、東京地裁に損害賠償請求訴訟を提起した。
2024.09.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240904-BPYZ3R7MOJLG3NDJGCS3IGPJWQ/
岐路に立つAMラジオ、FM転換見据え実証実験 災害対応は…地域によって課題も
(藤井沙織)(大阪芸術大教授=メディア論、元NHKアナウンサー)
一部のAMラジオ局で、FM局への転換を見据えた実証実験が2月から行われている。
AM放送を止め、
難聴地域対策で導入した「FM補完放送(ワイドFM)」のみにすることへの影響を調べる。
莫大な施設維持費が負担となっているAM局は、低コストのFM局への転換を急ぎたい事情がある。
平成23年の紀伊半島豪雨や今年1月の能登半島地震の被災地のような山間部では、FMによるカバーには課題も多く、在阪局は実験に加わっていない。
災害時の情報の命綱であるラジオ。地域によっては経営環境とのはざまで岐路に立つ日々が続きそうだ。
実証実験は
▽岩手
▽茨城
▽新潟
▽石川
▽福井
▽岐阜
▽愛知
▽三重
▽山口
▽愛媛
▽福岡
▽佐賀
▽熊本
▽鹿児島―を放送エリアとする13局が行っている。期限を区切ってAM放送を止め、FM補完放送に切り替えた。
補完放送はAM放送の難聴対策で始まった。AM波はビル街などでは聞こえにくい。FM波は建物の影響を受けづらく、災害などを見据えてAM各局は平成26年から順次FM補完放送を始め、AM放送と同じ内容をFMでも流してきた。
一方、
ラジオ局は広告収入の低迷に直面している。電通によると令和5年のラジオ広告費は1139億円で、25年前の約半分。大規模な送信施設が必要なAM放送の維持コストは大きな負担だ。
施設が小規模で、アンテナも鉄塔上部や山頂に設置できるFM補完放送は低コストであり、渡りに船。日本民間放送連盟の要望で、総務省も令和10年にはAM局がFM局に転換できる制度を整える見通しとなっている。
ただ、情報を得るのに省電力で場所を選ばないラジオは災害時に強く、現状のAM放送の広大な聴取エリアを、FMでカバーする必要がある。実験を行っている局のうち山口放送(KRY、山口県周南市)は、県内各地に補完放送の送信施設を整備してきた。FMでAMエリアのほぼ全てをカバーできるといい、「FMへの転換の早期実現を目指す」とする。
一方、在阪AM局は実証実験を行っていない。ある局の関係者は「現在の放送エリアをカバーするにはFMの送信施設が相当数必要。コストが見合わない」と話す。
在阪局がFM補完放送の送信施設を置く、大阪と奈良の府県境の生駒山からの電波は、起伏に富む地形から大阪北部(北摂)の人口が多い地域でも届きにくいエリアがあるとみられ、別途FMの送信施設が必要になる。紀伊半島南部など山間部のカバーも課題だ。
AM放送の代替手段として、総務省の有識者会議はインターネットでラジオが聞ける「radiko(ラジコ)」も俎上に載せるが、放送とタイムラグがあり、
「緊急性を要する避難の呼びかけが遅れて届いては意味がない」と関係者。
「経営上の体力を考えるとAM放送の維持が大変なのは確かだが、なくすになくせない」と打ち明けた。
広大な敷地に施設老朽化…更新も重荷に
AM放送の維持が大きな負担となっているのは電波の発信元となる送信施設に、広大な敷地と巨大なアンテナを必要とする、広範囲に電波を届けられるAM放送ならではの事情がある。
AMの送信施設は100メートルほどの高さのアンテナに加え、それを中心とした地中には「ラジアルアース」と呼ばれる、長さ100~150メートルのケーブルが放射線状に埋められている。設備の保守管理に加え、固定資産税といった広大な敷地を維持する費用も大きな負担になる。
各局にとって避けられないのが送信施設の老朽化だ。電波を止めて現地で建て替えるわけにはいかず、別に土地を確保する必要性がある。
鉄塔の上部や山頂などにアンテナを設置するだけで済み、低コストのFM放送にも課題はある。
今年1月の能登半島地震では停電と道路の寸断で山中の送信所に電力や燃料を供給できず、停波が約3週間にわたったケースもあった。
ただ、
総務省地上放送課によると、送信所の更新にかかる費用は「AMは数十億円、FMは数千万円」と桁違いの差がある。AMの未来は不透明だ。
(藤井沙織)
住田功一・大阪芸大教授「災害時の命綱をどう守る」
ラジオ放送を取り巻く経営環境は大変厳しくなった。放送事業を継続するために、国や事業者が環境を整えることは非常に大切だ。だが、放送の根幹が安易に崩されるようなことがあってはならない。地震などの災害時において、電気や水道、ガスなどの「線」でつながっているライフラインは一時的に切れる可能性があるのに対し、
電波は切れない。特にAM波は海も山も越え、遠く離れた場所まで届く。孤立した地域では情報源として、また精神的な支えとして命綱になる特性を持つ。
「radiko」などインターネット配信が放送の代替手段になるのかどうかは慎重な判断が求められる。事業継続のための制度整備とともに、命綱としての放送をどう守るのかも検討しなければならない。ラジオを聴く人が減少する中、国民の関心は薄い。
国民がもっと注視して、判断すべき問題でもある。事業者は実証実験の結果を地域に対して積極的に公表してほしい。
(大阪芸術大教授=メディア論、元NHKアナウンサー)
2024.08.29-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240829-KJEG7B4QNVH6RCEHLF2NLQUAKI/
NHK尖閣発言の中国籍スタッフ 「バイトテロ」単独犯の見方、在日中国人は非難「最低」
NHKのラジオ国際放送で、尖閣諸島(沖縄県石垣市)を「中国の領土」と主張し「南京大虐殺を忘れるな。慰安婦を忘れるな」などと発言した
中国籍の男性スタッフを巡っては、NHKの待遇面に不満を漏らしていたとされる一方、仕事ぶりは「真面目」と評されている。
アナウンス業務で中国の主張に沿った持論を展開するという極めて異例の事態だが、周囲の関係者は「単独犯」との見方を示している。
「愛国心を募らせていったか」
「仕事現場での評判は悪くなかった。腰は低く、言葉遣いも丁寧。だから仕事の指名も多かった」・・・
男性スタッフを15年近く知る在日中国人の男性はこう語る。
派遣ホームページ(HP)や関係者によると、
男性スタッフは49歳。
中国・天津の大学で英語を専攻し、20代で来日し、東京大大学院を修了した。NHKの中国語ニュースで翻訳やアナウンス業務に関わるほか、企業や官公庁の中国向けビデオで中国語ナレーションも担当した。
香港の衛星放送フェニックステレビの東京支局でリポーターも務めたこともあり、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出が始まった昨年8月は現地でリポートを行っている。
在日中国人の男性は男性スタッフについて「反日教育が強い時代に中国で育った世代で、元々愛国心は強かったのだろう。近年中国政府も(対外的に)横柄になったが、一般の中国人にとっては、日本政府も米国などに中国の脅威を『告げ口』するように映り、愛国心を募らせていったのではないか」と述べ、NHKで給与など待遇が長年変わらないことなどへの不満も蓄積した結果、突発的に行動に出たとみている。
「在日中国人は日本で世話になっているのに…」
男性スタッフは23日に出国し、東京都内の団地の住居の荷物はそのままだという。 この問題を取材する在日外国人事情に詳しいライターの奥窪優木氏も「バイトテロの可能性が高い」と指摘した。
一方、NHKで中国語放送を一緒に担当していた在日中国人女性は、男性スタッフについて、
「『尖閣諸島は日本の領土だ』と日本政府の見解をアナウンスすることに身の危険を感じていた可能性はある。彼はおとなしいので余計に恐怖を感じていたかもしれない」と振り返る。
中国人スタッフの多くはアナウンス業務に就く際、「芸名」を使うという。
本名を明かすと中国で実名が特定され、SNSなどで個人情報が公開される恐れがあるためだ。
実際、男性スタッフも芸名を使って仕事を募集していたケースもあった。
中国のSNS『微博(ウェイボ)』には今回の男性スタッフの行為について、職務違反を問題視する声に加え、
「中国民族の英雄だ」「彼こそが本物の中国人」などと賛美するコメントも寄せられている。
男性スタッフを知る在日中国人の男性は
「ウェイボで英雄視されるのかもしれないが、あの手法は知識人ではない。
人としてどうなのか。ビジネス上は最低だ。経営者だったら雇わない」と述べ、
「われわれ在日中国人にとって迷惑だ。(在外中国人に有事に中国政府の支持に従うよう義務付けた)国防動員法に絡み不安をあおる声もあるが、心外だ。在日中国人の多くは日本で家族と暮らし、中国より日本に世話になっている。人間として(発動されても)やるわけがない」と語った。
2024.08.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240825-5BZKO4SDEZL6ZLXDDZ4FGU5CMM/
「軍国主義」「死ね」と原稿を改変 NHK中国籍外部スタッフの尖閣発言問題
NHKのラジオ国際放送で中国籍の外部スタッフが尖閣諸島(沖縄県石垣市)について「中国の領土」と主張し「南京大虐殺を忘れるな。慰安婦を忘れるな」と発言していた問題で、
NHKは25日、このスタッフが
靖国神社で中国語とみられる落書きが見つかったニュースを伝えた際、原稿にはない「『軍国主義』『死ね』などの抗議の言葉が書かれていた」との
文言を一方的に付け加えていたと明らかにした。
問題の放送はNHK短波ラジオと衛星ラジオの国際放送、ラジオ第2放送で19日午後1時過ぎから放送した中国語ニュースの番組。
靖国神社で落書きが見つかり警視庁が器物損壊事件として捜査しているというニュースを伝えた際、
原稿は「落書きにはトイレを意味する言葉が書かれていた」だったが、
外部スタッフは「落書きにはトイレ、軍国主義、死ねなどの抗議の言葉が書かれていた」と発言していた。
また、NHKは22日に明らかにした外部スタッフの発言内容に漏れがあったことも公表した。発言内容として
「NHKの歴史修正主義とプロフェッショナルでない業務に抗議します」と発表していたが、実際には
「NHKの歴史修正主義宣伝」と述べていた。
視聴者から指摘があり改めて発言内容を精査したところ、原稿を付け加えていたことを含めて判明したという。NHK広報局の担当者は「確認が徹底されていなかった」と説明した。
2024.08.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240822-HOCBMBNMAFNV7OAPYBOTITGU3Q/
NHKラジオ国際放送で「南京大虐殺を忘れるな。慰安婦を忘れるな」中国籍スタッフが発言
NHKのラジオ国際放送で中国籍の外部スタッフが尖閣諸島(沖縄県石垣市)について「中国の領土」と述べるなど不適切な発言をした問題で、
NHKは22日、スタッフが「南京大虐殺を忘れるな。慰安婦を忘れるな」などと英語で発言していたことを明らかにした。
NHKの稲葉延雄会長が同日開かれた自民党情報通信戦略調査会で報告し、陳謝した。
稲葉会長は調査会終了後、報道陣に「国際番組基準に抵触する極めて深刻な事態だと受け止めている」と謝罪。今後については「副会長をトップとする検討体制を設けて原因究明を行い、関係した役職員の責任を問うとともに、再発防止策の確定を急ぎたい」とした。調査会の大岡敏孝事務局長は「NHKの事後対応が不十分なので、改めて調査会を開いて説明の場を作りたい」と述べた。
問題の放送は19日に行われた。NHK短波ラジオと衛星ラジオの国際放送、ラジオ第2放送で午後1時過ぎから放送した中国語ニュース番組で、
40代の男性スタッフが東京都千代田区の靖国神社で中国語とみられる落書きが見つかったニュースを伝えた後、原稿にない発言を約20秒行った。
男性は中国語で「NHKの歴史修正主義とプロフェッショナルではない業務に抗議します」、英語で「彼女(慰安婦)らは戦時の性奴隷だった」などと述べていた。
スタッフはNHK関連団体と業務委託契約を結んでおり、NHKは21日付で契約を解除。今後、損害賠償請求と刑事告訴を検討している。スタッフは「代理人を通じて対応する」などと話し、現時点で発言の動機や意図は不明だという。
NHKが明らかにした中国籍外部スタッフの発言内容は以下の通り。
「釣魚島と付属の島は古来から中国の領土です。NHKの歴史修正主義とプロフェッショナルではない業務に抗議します」(中国語)
「南京大虐殺を忘れるな。慰安婦を忘れるな。彼女らは戦時の性奴隷だった。731部隊を忘れるな」(英語)
2024.08.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240822-RDJFNMYJYVF6FP25THMA253VHQ/
NHK幹部「国際放送全体見直す」「関係者処分」国民・玉木氏に釈明 「尖閣は中国」放送
NHK幹部は
21日、ラジオの国際放送で
尖閣諸島(沖縄県石垣市)を
「中国の領土」と伝えた
問題を受けた対応として、
①関係役職者の処分②録音放送やAI(人工知能)アナウンサーの導入など事前チェックの強化③38億円の国費が投じられる国際放送全体の在り方の見直し─の方針を国民民主党の玉木雄一郎代表に説明した。玉木氏が22日、X(旧ツイッター)で経緯を明らかにした。
NHKは19日、ラジオの国際放送で中国籍の外部スタッフが尖閣諸島について「中国の領土である」などとニュース原稿にない発言を約20秒にわたって行い、NHKは同日夜、「ニュースとは無関係の発言が放送されたことは不適切であり、深くおわび申し上げます」と謝罪していた。
玉木氏はNHK幹部に対し「二度と同じことが起きないよう厳正な対処を要請」した上で、「『尖閣が中国の領土』であるとの放送は、『不適切な放送』ではなく、わが国の主張に反する『間違った放送』だ」と指摘し、NHK幹部は
「今後『不適切な放送』という言い方はしない」と約束したという。
玉木氏は20日の記者会見でNHKの今回の放送について「厳正に対処すべき案件」と問題視し、国会の場でNHK側に経緯説明を求める考えを示していた。
2024.08.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240819-IPZBULX4OFJ4LD3AGUEZB72P4M/
NHK国際放送で「尖閣諸島は中国の領土」 中国人外部スタッフが不適切発言、NHK抗議
NHKは19日、同日午後1時過ぎから短波ラジオなどの国際放送とラジオ第2放送で伝えた中国語のニュースの中で、
外部スタッフが尖閣諸島(沖縄県石垣市)について「中国の領土である」と述べるなど、ニュース原稿にはない不適切な発言を約20秒間にわたって行ったと発表した。
NHKによると、このスタッフはNHKの関連団体が業務委託契約を結んでいる中国籍の40代男性で、平成14年から日本語のニュース原稿を中国語に翻訳してラジオで読み上げる業務を担当していた。NHKは関連団体を通じて男性に厳重に抗議し、関連団体は男性との契約を解除する方針。
ニュースは午後1時1分から15分まで放送され、9項目のうち8つ目で、東京都千代田区の靖国神社に中国語とみられる落書きがあったことを報道。男性はニュースを読んだ後、原稿にない発言を行ったという。
番組制作スタッフが気づき問題が発覚。NHKは尖閣諸島以外の発言内容を明らかにしていない。動機は不明だが、NHKは男性についてこれまで不規則発言は確認されていないとしている。
NHKは同日夜、
「ニュースとは無関係の発言が放送されたことは不適切であり、深くおわび申し上げます」と謝罪。
番組を制作する国際放送局は今後、生放送のニュースを事前収録にすることを検討しているという。
2024.08.14-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240814-FLHKOEHH4FIB3GFZSOMI4CO6WY/
グーグルが新型スマホ発表 最先端AIのピクセル9 日米などで予約受付始まる
米グーグルは13日、自社ブランドのスマートフォン「ピクセル」の新型「9」シリーズと、腕時計型端末「ピクセルウオッチ3」を報道陣に公開し、日米などで予約の受け付けを始めた。 自社開発した
最先端の対話型人工知能(AI)「ジェミニ」の使い勝手の良さを前面に打ち出した。画像編集や文章の作成をはじめ日常生活のさまざまな場面でAI機能を高速で使えるよう「9」シリーズは全て最新の高性能半導体を搭載した。
米国での「9」の価格は799ドル(約11万7千円)から。日本では「9」が12万8900円からで、背面にカメラ用レンズを三つ備えた「9プロ」の標準サイズは15万9900円から。折りたたみ式の「9プロフォールド」は25万7500円。「ウオッチ3」は5万2800円から。8月22日以降、順次発売する。
前機種「8」と比べて販売価格を米国では100ドル、日本は1万6千円、それぞれ引き上げた。
9シリーズはカメラの性能も強化し、暗い場所でも高品質のパノラマ写真が撮影できるほか、集合写真で撮影者自身も写真に納まることができる生成AIの新機能を追加した。
(共同)
2024.07.30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240730-NGR6BOJFFZI45AX3HIIY257VWA/
電波が届かない場所でも救助要請が可能に アップルが衛星通信サービスの提供を開始
(黄金崎元)
米アップルは、
災害や遭難時に電波が届かない場所でもスマートフォンのアイフォーンから衛星通信経由で消防や警察などに緊急通報できるサービスを30日から日本で提供すると発表した。
今年1月の能登半島地震では広い範囲で通信障害が発生した。
アップルの緊急SOS機能は災害時に救助を呼ぶ際の有効な手段となりそうだ。
家族や友人にも
サービス提供に先立つ7月中旬、アップルは東京都世田谷区の砧公園で体験会を開いた。記者も実際にアイフォーンを使って衛星に接続してみた。
緊急SOS機能は、山間部や海上など通信の圏外エリアで遭難したり事故にあったりした際、衛星経由で同社が運営する衛星中継センターに通報者の状態や居場所、バッテリー残量などをメールで発信し、救急に連絡してくれるサービスだ。
事前に緊急連絡先を登録しておけば、家族や友人にも緊急SOSの内容が送られる。アイフォーン14シリーズ以降のモデルで利用できる。端末の使用から2年間は無料になる。
接続は屋外で
体験会の当日は雨雲が公園内を覆い、時折激しい雨も降った。衛星に接続するには空が見渡せる屋外が条件となるため、まずは周囲に何もない広場の中央に移動した。
それから
アイフォーンのモバイル通信をオフにし、衛星通信だけを使えるようにした。端末の設定内にある緊急SOSをタップすると、質問に回答してください、という画面が現れた。
どのような
緊急事態なのか、車両・船舶で起きた問題、病気・負傷、犯罪、遭難、火事といった項目が表示され、その中から病気・負傷を選んだ。緊急連絡先への通知をタップすると、端末が衛星を探し始めた。
アップルは米衛星通信会社グローバルスターと提携しており、同社の衛星は地上から約1300キロ上空を飛行している。どの位置に端末を向けると接続できるのか、画面上の指示に従って操作した。
分厚い雨雲に覆われたこの日は、接続に1~2分を要した。アップルによると、晴れた日の場合、
15秒程度で接続できるという。衛星に接続すると、メール送信が始まった。センターから届いた居場所の問い合わせに対し、砧公園と回答すると、救急に連絡済みとの返信が送られてきた。
国内会社も提供準備
緊急SOS機能は
2022年11月に米国とカナダで提供が開始され、16カ国で利用されている。
昨年8月の米ハワイ・マウイ島の山火事の救助にも貢献した。
1月の能登半島地震では通信ケーブルの切断で通信障害が発生し、
救助活動に大きな影響を与えた。携帯業界に詳しいMM総研の横田英明取締役副所長は
「衛星通信サービスはいざというときに有効だ」と話す。
国内ではKDDIが年内に衛星通信サービスを開始する予定で、楽天モバイルも令和8年の提供を目指している。NTTドコモやソフトバンクも準備を進めている。
(黄金崎元)
2024.07.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240724-ZKIAZFR3GRIFPL2FSG5HA7UEGQ/
SNS型投資詐欺で90人逮捕 大阪府警のアジト一斉摘発で異例規模、被害10億円
交流サイト(SNS)を通じ投資を勧めて現金をだまし取る詐欺グループの
拠点が一斉摘発された事件で、
大阪府警は24日、詐欺容疑などで新たにメンバー82人を逮捕したと明らかにした。
グループの逮捕者は男女90人に上り、一度の摘発件数としては異例の規模となった。
被害総額は10億円近くに上るといい、府警は実態解明を進める。
府警によると、
グループは2つあり、大阪市内の4つのビル内を拠点として利用。
SNSで詐欺のメッセージを送る「打ち子」らが活動していたとみられる。
23日午後に約470人の捜査員が一斉捜索に入り、
出入りしていたメンバーの身柄を確保。主犯格の大阪市西区新町、A容疑者(43)らメンバー8人を詐欺容疑で逮捕したほか、
24日朝までに他のメンバーも詐欺や詐欺未遂容疑で逮捕したという。
グループは、
いずれもSNSで為替相場の変動を予想して投資する「バイナリーオプション」取引に絡み投資を持ちかける手口で、
被害者に噓の情報商材を購入させるなどして現金をだまし取っていた疑いが持たれている。
今年4月に、府警に情報提供があり、捜査を進めていた。府警はスマートフォン計約1830台、
パソコン計約60台、詐欺に関するマニュアルなどを押収しており、分析を進める方針。
2024.07.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240724-52QTG7HY3FJB7NRJM2D6EEMIDY/
テレビ朝日でCM放送できないトラブル、BS朝日では放送を一時中断 原因は調査中
23日夜、テレビ朝日(東京都)でCMが放送できないトラブルが発生した。同社が詳しい状況を調べている。
同社によると、番組の放送は続いたが、CMが放送できず「機器の不具合によりコマーシャルが送出できない状況となっております」とのテロップを表示した。
BS朝日では同日夜、放送が一時中断するトラブルがあり、原因を調べている。
2024.07.19-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240719-CDJ7FL7LYJIBJPXKBGCEAJEJYQ/
世界各地で起きたシステム障害、米クラウドストライクのセキュリティーソフトが原因か
日本を含む世界各国で空港や鉄道、病院、銀行のシステムに障害が起きた問題で、
米マイクロソフトは19日、クラウドサービスで障害が発生したと明らかにした。同社によると、
米IT企業、クラウドストライクのセキュリティーソフトが原因とみられる。
クラウドストライクは基本ソフト(OS)ウィンドウズ向けのアップデートに欠陥があったとし、「問題を特定し、修正した」と明らかにした。
サイバー攻撃ではないと説明した。
ジョージ・カーツ最高経営責任者(CEO)は19日、世界各地で生じたシステム障害に関し「深くおわびする」と陳謝した。米NBCテレビの取材に答えた。カーツ氏は
「システムは再起動するとオンラインに戻り、動作する」と説明。一方で
「自動的に回復しない一部のシステムについては、復旧に時間がかかるかもしれない」とした。
(共同)
2024.07.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240719-4TEVMEY2XFHVFILEEJMEU4D4SQ/
ウィンドウズPCで「ブルースクリーン」障害多発、世界規模か
米マイクロソフトの基本ソフトウェア(OS)「ウィンドウズ」を搭載したパソコンで
19日午後から、スクリーンがシステム停止時の青い画面になって再起動を繰り返す障害が発生している。
「ブルースクリーン」と呼ばれる現象で、
世界中で起きているとみられ、原因は不明。
X(旧ツイッター)上では「突如、会社のPCがブルースクリーンになった。部署の全員が同じ状態。プライベートのPCもブルスク(ブルースクリーン)した」などとする投稿が、同日午後2時半ごろから、相次いでいる。
米国のサイバーセキュリティー会社のシステムに原因があるとの見方が出ている。
2024.07.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240719-RYUEY2WHJ5JGZGZQSZXBOZPWXM/
ウィンドウズの異常停止トラブル 日本マイクロソフトは「確認中」
米マイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」を搭載したパソコンが異常停止するトラブルが
19日午後から発生している問題で、
日本マイクロソフトは産経新聞の取材に
「詳細は不明で、確認中」と回答した。
19日午後以降、一部のウィンドウズ搭載パソコンでの作業中、突然画面が青くなり「デバイスに問題が発生した」といったメッセージが表示され、
再起動を繰り返すなどの不具合が発生している
個人のほか、企業でもこのトラブルが原因の可能性があるシステム障害が複数発生しており、各社は対応に追われている。
2024.07.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240718-NUVC7PQD5RNSTKSTLYP6HGKTWM/
共同通信、編集局長ら4人懲戒処分 沖縄県議選で「移設反対勢力の過半数確実」と誤報
共同通信社は
18日、6月の沖縄県議選で米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する勢力の獲得議席数を誤って報道した問題に関し、
高橋直人編集局長ら4人を懲戒処分にしたと発表した。
水谷亨社長と小渕敏郎専務理事は報酬の一部を返上する。
いずれも管理監督責任を問い、
高橋編集局長と総合選挙センター長をけん責としたほか、投開票日の編集総括責任者だった編集局次長と那覇支局長を戒告とした。
移設反対の勢力の過半数獲得が確実になったと報じたが、選挙結果は反対勢力と容認勢力が同数で、誤った報道となった。
山本裕之総務局長は
「深くおわびします。再発防止に取り組みます」としている。
2024.07.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240714-DAVB5VXTGJLMTLANP52VATEHWQ/
憲法「通信の秘密」は善良な市民よりハッカーを守る?能動的サイバー防御報道の奇怪
小笠原理恵(おがさわら・りえ)
大手出版KADOKAWAへの大規模なサイバー攻撃の発覚から1カ月以上がたった。
グループ会社に関連する個人情報の相次ぐ流出など被害の全貌がいまだ見えないほか、ハッカー集団による身代金要求型ウイルスへの対応の難しさも露呈した。
この要求がいつ終わるかは攻撃者たちの胸三寸だけに厄介だ。
そうした中で注目されるのが、
サイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」の法整備に向けた議論である。政府は秋の臨時国会への法案提出を視野に入れているが、一部メディアの論調は批判的だ。例えば、
朝日新聞は
「能動的サイバー防御に『過剰介入』懸念の声も」(6月13日)と指摘。
北海道新聞は社説で
「能動的サイバー防御は、(中略)攻撃を受ける前に相手システムやサーバーに侵入して無力化したり、破壊したりする権限を政府に与えることを想定している」とした上で、
「だが相手の同意なく通信の情報を得たり監視したりすることは『通信の秘密』を保障する憲法21条に抵触する恐れがある」(同12日)と議論を牽制(けんせい)する。
善良な市民の個人情報の流出を防ぐため、
サイバー攻撃者を無力化しなくてはならない。これは
「通信の秘密」を守ることに直結する。守る対象は
「善良な一般市民の個人情報」であり
「サイバー攻撃者」ではない。
サイバー攻撃の無力化をハッカーが承諾するはずはない。
守るべき対象を取り違えていないかとあきれてしまう。
英国、欧州連合(EU)、米国、オーストラリアなどの先進国はすでにサイバー攻撃への情報収集を支える制度も法令も独立機関も保持している。
マイクロソフトなどの外資系AI研究機関の投資が日本で相次いでいるが、日本独自のデジタルトランスフォーメーション(DX)への支出額は先進国中32位と大きく後れを取っている。それだけ、
官民ともに意識が低く、
セキュリティー対策コストを減らすことばかり考えていた。それが
甚大なサイバー攻撃と被害につながったのだ。
すでに全国で86件の企業や団体への犯行声明が匿名性の高い「ダークウェブ」上に掲載され、
納税通知書や口座情報などが漏洩(ろうえい)したことが報じられた。
自衛隊はサイバー防衛隊を作り、
情報収集や調査分析の機能強化を掲げている。
法整備がなされれば、内閣官房をトップとして、自衛隊や警察の実行部隊が編成されることになる。
この被害を止めるサイバー防御は一刻を争う。通信の秘密などの法令の整備と順守は重要だが、時間をかけていては間に合わない。現実を直視した新聞メディアの建設的な報道が求められる。
小笠原理恵(おがさわら・りえ)
自衛官守る会代表。著書に『自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う』。
2024.07.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240713-JVSCK664WFMX3MCNTFWYUWHOUU/
Xとマスク氏、EU欧州委に反論 DSA違反との見解に「法廷で戦う」と投稿
欧州連合(EU)欧州委員会が米短文投稿サイトX(旧ツイッター)に対して
デジタルサービス法(DSA)違反との暫定的な見解を示したことについて、Xオーナーのイーロン・マスク氏は12日、「欧州の人たちが真実を知ることができるよう法廷での戦いを楽しみにしている」と投稿し、対抗する考えを示した。
Xの渉外部門の公式アカウントも
「DSAを順守するために私たちが行ってきた取り組みへの評価や、DSAの適用範囲に関する欧州委の解釈に同意できない」と反論。
マスク氏は
「欧州委は私たちが静かに言論を検閲すれば、罰金を科さないと持ちかけた。他のプラットフォームは受け入れたが、私たちはそうしなかった」とも述べた。
欧州委は12日、
著名人らのアカウントが本物だと示していたXの青色の認証マークが、制度変更により利用者を惑わせているとして、DSA違反を指摘した。
(共同)
2024.07.11-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240711-TMMIR6OV5VP7XPCL7ZQBXT5WSE/
マスク氏が解雇訴訟で勝訴 旧ツイッター元従業員、退職金請求
米短文投稿サイトのツイッター(現X)を解雇された元従業員らが、
会社とオーナーのイーロン・マスク氏を相手取って退職金支払いを求めた訴訟で、カリフォルニア州の裁判所が
請求を棄却したことが10日、分かった。マスク氏側が勝訴した。
マスク氏が2022年10月にツイッターを買収した後に多くの従業員を解雇したことに関連し、
複数の元従業員が退職金の支払い拒否が連邦法に違反するとして提訴していた。
原告側は少なくとも5億ドル(約800億円)以上を受け取る権利があると主張したが、
裁判所は判決で法律違反ではないと判断した。
マスク氏によるツイッター従業員の解雇を巡っては、
買収時の最高経営責任者(CEO)を務めていたパラグ・アグラワル氏らも退職金支払いを求めて提訴している。
(共同)
2024.07.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240706-JC4QOAWDSZPWJJ4JV533GUIVPU/
「炎上する」「顧客や株主守れ」 KADOKAWA被害の身代金要求ウイルス、支払い是非は
(福田涼太郎)
出版大手KADOKAWAが大規模なサイバー攻撃を受けた問題は、
被害発覚から8日で1カ月を迎える。
システム障害に加え、大量の個人情報が流出したとみられ、データの復元や暴露回避のための金銭を要求する「ランサムウエア(身代金要求型ウイルス)」への対応の難しさが浮き彫りになった。特に身代金の支払いの是非は、専門家の間でも見解が分かれており、企業は被害発覚後の対処方法を明確化しておく必要がある。
KADOKAWAを巡っては、グループ会社のドワンゴや学校法人「角川ドワンゴ学園」などに関連する個人情報が流出したとみられる。KADOKAWAは現在も被害の把握に追われ、「7月中に正確な情報が得られる見通し」と説明する。
「ブラックスーツ」を名乗るロシア系ハッカー集団は6月27日公表の犯行声明で、盗んだデータの公開回避と引き換えに身代金を要求。「彼らが提示した金額はこの会社にとって非常に低い」とし、KADOKAWAが身代金交渉に応じていることをほのめかした。
犯行声明に先立ち、同社が約4億7千万円相当の身代金を支払ったが、追加の身代金を要求されているとの一部報道もあった。同社は「犯罪者を利する」などと抗議したが、支払いの有無は明らかになっていない。
身代金の支払いについて日本では比較的、反社会的勢力に利益供与することになると批判的にみられているとされる。理由には
次の犯行を助長することへの懸念などが挙げられている。
米国では今年3月にランサムウエア攻撃を受けた医療関連企業が2200万ドル(約35億円相当)を支払ったと報じられた直後、医療機関を狙ったランサムウエア被害が急増。患者の人命にかかわるため、医療機関は支払いに応じやすいとして狙われる傾向にあるが、専門家の間では「多額の支払いが次の犯行を誘引した」との指摘が相次ぐ。
被害額の高額化に拍車をかける恐れもある。英サイバーセキュリティー会社のソフォスによる14カ国の組織を対象とした調査では、
昨年のランサムウエアの被害を受けて支払われた身代金の平均額は396万ドル(約6億3600万円)と前年比2・6倍に急増。同社は「100万ドル以上を支払うことは今や当たり前になった」と最近の傾向を説明する。
日本では政府が支払いに応じないよう要請しており、
サイバーセキュリティー会社「ラック」サイバー救急センターの中村祐平担当部長も、社会から批判を浴びる「炎上リスク」などから「身代金を支払うのはおすすめできない」と話す。
サイバー攻撃への対応に詳しい大井哲也弁護士によると、
テロ組織に対する資金提供を禁じる日本の法律は、ハッカー集団を対象に含んでいない。だが、
米国にはハッカー集団を含むテロ組織との取引を禁じる法規制があり、「身代金を支払った場合、日本企業でも制裁対象になり得る」と指摘する。
一方、
日本ハッカー協会の杉浦隆幸代表理事は犯罪者側との積極的な交渉を促す。支払うか否かは経営判断とし、
「重要なのは影響を最小限に抑え、顧客や株主を守ること。軽々に『払うな』とひとごとのように言うべきではない」と訴える。
犯罪者側との交渉に応じること自体は、より正確な判断材料となる情報を収集する上で有益とされる。ラックの中村氏は「外国の経験豊富なプロの交渉人に依頼することも検討した方がよいだろう」と話している。
(福田涼太郎)
2024.05.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240518-4APZBKD3ANN2LMOLNHP6342U7E/
ファーウェイ、米国の「禁輸の壁」突破図る OSなど技術自前化 自動車向けに多角化も
【北京=三塚聖平】中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の
業績が回復している。
米国による半導体供給の禁止で大打撃を受けたことが、逆にIT製品に必要な技術の自力開発を促す要因となった。スマートフォン事業は持ち直し、事業も多角化。欧米など締め出された海外市場への再展開を図っているとみられる。
「試練を経験した」
華為が3月末に発表した2023年12月期決算は最終利益が前期比約2・4倍の869億元(約1兆9千億円)、売上高が9・6%増の7041億元だった。
中国メディアによると3年ぶりの増収増益で、胡厚崑(こ・こうこん)輪番会長(当時)は談話で「華為は幾重の試練を経験する中で絶えず成長してきた」と強調した。
華為は19年、トランプ前米政権により米企業からの輸入を原則禁止された。
措置が段階的に強化されたことで、半導体調達や米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」の利用にも支障が生じ、主力のスマホ事業が打撃を受けた。21年12月期決算は売上高が前年比3割近く減少した。
アンドロイドと決別へ
華為は事業売却で〝出血〟を止め、制裁の影響をそぐためにIT製品に不可欠な技術の自社化、国産化を進めた。
独自開発のOS「鴻蒙(ホンモン、英語名・ハーモニー)」に切り替え、国産半導体を使ったスマホの開発も進めた。
23年には研究開発投資額が、売上高の23%超に相当する1647億元に達した。
昨夏発売のスマホ「Mate60Pro」は、回路線幅が7ナノメートル(ナノは10億分の1)という先端製品に近い半導体を使っていることが判明。
規制対象で開発が不可能とみられていたため米側に衝撃を与えた。
華為傘下の海思半導体(ハイシリコン)が設計し、中国の受託製造最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)が製造したとみられている
北京の日本企業関係者は
「規制対象外の旧型装置を使って何とか製品化したようだ。コストはかなり掛かるが、華為は意地でも『禁輸の壁』を突破しようとしたのだろう」と指摘する。
中国では愛国ムードの高まりもあり、華為のスマホシェアは拡大している。米調査会社IDCによると
24年1~3月期の中国市場のスマホ出荷台数で華為は前年同期比で2・1倍となり、メーカー別シェアでアップルを上回り2位となった。
今年4月にも新たな高級スマホ「Pura70」シリーズを発売。香港メディアによると、中国産半導体の最新版を搭載していることが調査会社の分析で明らかになった。
ハーモニーOSも、アンドロイドとの互換機能を廃止する最新版を年内に投入する予定で、米国由来の技術との決別路線が鮮明となっている。
トランプ氏返り咲きで圧力増も
華為は新たな成長事業として、自動車向け事業を位置付ける。
中国メーカーの間ではハーモニーOSなど華為が開発したシステムの利用が拡大。
5月4日まで開かれた北京国際モーターショーでは新たに北京汽車と共同運営する電気自動車(EV)ブランド「STELATO(ステラト)」などが出展された。
23年12月期決算で自動車関連事業の売り上げは約47億元と規模はまだ小さいが前年比で2・3倍となった。
ただ、
米政府が華為に対する米インテルなどの半導体輸出許可を取り消したことが5月上旬に判明するなど、「禁輸の壁」はさらに高くなっている。
11月の米大統領選でトランプ前大統領が返り咲けばさらに圧力が増す可能性もあり、
華為の胡氏は昨年末の談話で、地政学リスクなどを挙げて「依然厳しい困難がある」と
先行きに警戒もしている。
2024.05.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240510-QF3REAU3ABLALJYJCAUJPWYHBU/
薬物、飲酒、借金…適格性評価制度、民間企業でも 企業が不利益な扱いすれば契約解消も
(長橋和之)
10日に成立した
「重要経済安保情報保護・活用法」で創設される
「セキュリティー・クリアランス(適格性評価)」制度。
日本企業の商機拡大が期待される一方、機密情報へのアクセス権付与に際し、従業員らが受けることになる身辺調査には懸念の声も出ている。対象者に選ばれるとどうなるのか。
調査対象となるのは、
指定された情報にアクセスする必要のある公務員や民間企業の従業員だ。
同様の制度を規定する特定秘密保護法では、対象者のほとんどが公務員だが
、保護する情報の範囲が拡大されたことで、民間企業の従業員も増えると想定される。高市早苗経済安保担当相は、
導入初年度の対象者数について「多く見積もって数千人程度」としている。
調査にあたっては、
情報へのアクセスを希望する企業が、対象となる従業員の同意を得た上で、管轄の省庁へ対象者の名簿を提出する
。調査は内閣府に設置される一元的調査機関が行い、この際にも本人同意が必要だ。対象者はいずれの機会でも調査を拒否できる。
調査内容は、
①家族や同居人の氏名や国籍
②過去の犯罪・懲戒歴
③情報の取り扱いに関わる経歴
④薬物の乱用歴
⑤精神疾患の有無
⑥飲酒の節度
⑦借金を含む経済状況-の7項目。本人との面接や質問票、上司ら関係者への聴取や、公的機関への照会などによって行うことを想定している。
調査結果を踏まえ、
情報を管理する省庁が対象者にアクセス権を付与する。資格は10年間有効だ。
情報漏洩した場合は5年以下の拘禁刑か500万円以下の罰金、またはその両方が科される。
調査で得られた個人情報の目的外使用は禁止されたが、
罰則はない。
調査結果によって企業から人事上、不利益な扱いを受けるのではないかという懸念の声もある。
このため、政府が調査の運用状況を毎年、国会に報告することも盛り込まれた。
岸田文雄首相は9日の審議で、調査結果による企業内での不利益な扱いなどを念頭に
「今後、閣議決定する運用基準で具体的な禁止行為を明示し、悪質な違反が発覚した場合は契約解消がありうると明確にする」と述べ、労働組合の関与も盛り込む考えを示した。
(長橋和之)
2024.05.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240506-EBDQ6UPRHZLBBF3XBV2XAUJFOE/
<独自>FBアカウント詐取攻撃、日本政府関係者も標的 露、米大統領選選挙工作か
(大渡美咲)
昨年夏ごろからフェイスブックのアカウントを乗っ取ろうとする攻撃が活発化しており、
日本の政府関係者のアカウントも狙われていたことが6日、分かった。
2020年米大統領選挙への介入が指摘されたロシアの情報工作団体が再び交流サイト(SNS)を使い、
今年11月の米大統領選に向け、米国の有権者らに影響を及ぼそうとしている可能性がある。
インターネットセキュリティー会社「Sola.com」(ソラコム、仙台市)によると、昨年夏ごろから世界規模でフェイスブックアカウントの詐取を狙う動きが活発化しているという。同社の分析によると、昨年11月までに約1312万回、約850万人のアカウントを詐取しようとした試みが観測された。
被害者の9割以上は米国人だが、日本では、政府関係者などがこうした攻撃を受け、実際に乗っ取られたケースもあったという。
手口は、まずアカウントを詐取するために作られたリンクをユーザーに送り付け、IDとパスワードを詐取後、アカウントを乗っ取る。
もとのアカウントの利用者を装って友人や知人に再度、悪意のあるリンクを送るという。これが繰り返され、不特定多数に拡散されるという。フェイスブックユーザーのアクセスであるかを識別する機能を実装し、巧妙にユーザーを誤認させる特徴を有しているとみられる。
同様の攻撃は2016年、2020年の米大統領選が行われる年に活発に行われた。いずれも露政府系の「インターネット・リサーチ・エージェンシー」(IRA)が関与しており、多数の偽アカウントを開設し、虚偽情報を流し、SNSを通じて米社会を分断しようとしたとされる。ロシア側は否定している。
昨年夏ごろから観測されているアカウントについて、ソラコムが解析した結果、コンピューターに命令を与えるための文字列(データ)であるソースコードが、16年、20年と9割くらいが同じだったという。
ソラコムの担当者は「日本ではセンシティブな人が狙われ、執拗(しつよう)な攻撃も観測されている。11月の米大統領選まで攻撃は続くだろう」と分析している。
SNS乗っ取り、町長や講談社も被害
X(旧ツイッター)やフェイスブック、LINE(ライン)など、SNSのアカウントが何者かに乗っ取られる被害は後を絶たない。
個人情報が抜き取られるだけではなく、金銭を要求されるケースや知人らに不正なメッセージを送り付けるなど被害が拡大するケースもある。
昨年12月、長野県須坂市は三木正夫市長の私用のLINEアカウントが乗っ取られる被害に遭ったと発表。このアカウントから複数の職員に「今忙しい?」「アップルギフトカードを購入してほしい」などの詐欺メッセージが届き発覚した。市は県警に相談している。
今年1月には、講談社が、アニメ「攻殻機動隊」の公式Xアカウントが不正アクセスされ、乗っ取り被害にあったことを公表した。
スマートフォンそのものを乗っ取るイスラエル企業のスパイウエア「ペガサス」を使ったハッキング攻撃も確認されている。
ペガサスは、スマホなどに感染させて通話記録や内蔵カメラの情報を入手できるスパイウエア。2021年には台湾の政治家や当局高官ら100人以上のLINEの個人アカウントがハッキングされていたことが明らかになっている。
(大渡美咲)
2024.05.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240501-5QUK7YJG3BLWFOLXEUK7U5NHCI/
読売新聞大阪本社が記事談話捏造で主任を諭旨退職 小林製薬の紅麹問題で
読売新聞大阪本社社会部の主任(48)が小林製薬の紅麹問題に関する記事で、
取材対象者の談話を捏造(ねつぞう)していたことを受けて、読売新聞大阪本社は1日、主任を諭旨退職とするほか、
取材した岡山支局の記者(53)を記者職から職種転換し、休職1カ月の懲戒処分とすることを決めたと明らかにした。処分の決定は4月30日付。
捏造発覚後に掲載した訂正記事も事実と異なっていたとして、二河伊知郎執行役員編集局長を給与の3カ月30%返上、編集局総務と社会部長をそれぞれ休職2カ月の処分とし、
いずれも近く更迭。柴田岳代表取締役社長も報酬の3カ月10%を返上とする。談話捏造と訂正記事に関わった社会部次長、捏造に関わった岡山支局の別の記者をそれぞれ休職1カ月、岡山支局長をけん責、地方部長を厳重注意とする。
記事は紅麹問題発覚後の取引先企業の対応や損害などをまとめる内容で、読売新聞の4月6日夕刊に掲載。
会社社長の発言として「突然、
『危険性がある』と言
われて驚いた」などと記事に盛り込んだが
実際にこうした趣旨の話はしていなかった。また記事掲載後、会社社長からの抗議を受け、8日夕刊に「確認が不十分でした」とする事実と異なる訂正記事も掲載した。
読売新聞大阪本社の柴田岳社長は
「取材に協力いただいた社長を裏切り、深くおわび申し上げます。取材結果を曲げることは決してあってはならず、取材・執筆した記者が最後まで記事に責任を持つとともに、抗議を受けた場合は真摯(しんし)に受け止め、事実に誠実に対応する姿勢を徹底してまいります」とコメントした。
NTTデータ・グループ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
株式会社NTTデータグループ(エヌティティデータグループ)は、
データ通信やシステム構築事業を行う
システムインテグレーター。
NTTグループ主要5社の一つである。
日本最大の
ITサービス企業で、世界6位のシェアを持つ
。国内外300社を超える傘下企業を持つ世界有数のIT企業である。
日経平均株価および
JPX日経インデックス400の構成銘柄の一つ。国内事業は子会社の
株式会社NTTデータで実施している。
企業概要
日本電信電話(NTT)のデータ通信事業本部を源とする。NTTの
連結子会社で、
NTTグループ主要企業の一つである。株式を
東京証券取引所第1部に上場する
公開会社であり、日本電信電話とは
親子上場である。
日本電信電話株式会社等に関する法律(通称NTT法)は当社には適用されない(
特殊会社ではない)
1966年、
日本電信電話公社(電電公社)はかねてよりの念願だったデータ通信サービス実施の認可を受け、翌
1967年に「電信・電話に次ぐ第三の通信、データ通信」を掲げデータ通信本部を設立した。主に
官公庁・
金融向けシステムの開発を行い、
全国地方銀行協会システム(
ACS、
1968年稼動開始)や、
全国銀行データ通信システム(全銀システム、
1973年稼動開始)、気象庁地域気象観測データ通信システム(
アメダス、
1974年稼動開始)、
郵便貯金システム(
1978年稼動開始)、社会保険システム(
1980年稼動開始)、共同利用型クレジットオンラインシステム(
CAFIS、
1984年稼動開始)、都銀キャッシュサービス(
BANCS、
1984年稼動開始)等といった日本の基盤となるシステムを構築してきた。
1985年日本電信電話株式会社が発足するとデータ通信事業本部へ改組され、
1988年5月23日 にはエヌ・ティ・ティ・データ通信株式会社として分離独立(データ通信事業本部に属する営業を譲り受け、営業を開始したのは同年7月1日)。
1995年東京証券取引所第2部に
株式上場。翌年、第1部に指定。
1998年創業10周年の節目とコーポレートブランドとして
NTT DATAが定着していたことから
株式会社エヌ・ティ・ティ・データへと商号を変更する。
初代ロゴは淡い青地に、左側に2行に分けた「NTT DATA」の文字、右側に10個の
楕円を三角形に配したもので、
細川光夫によりデザインされた。楕円は
コロンブスの卵を意味し、個数は
二進法の1と0に掛けている。一番上のやや大きく、少し離れた楕円は人の知恵と未知なる分野への挑戦を表している。
2012年にコーポレートロゴデザインを変更し、初代ロゴの文字部分を一行にし、地色と文字色を反転させた現在のものに改められた。
公共分野を始めとする国内市場の成長鈍化に対し、海外ITサービス企業への
M&Aを基本とした成長戦略を軸に据えている。これは、ITサービス事業者として見た場合、国内では
富士通、
日立製作所に次ぐ第3位の売上高であるものの世界規模では第15位と大きく出遅れていたためである
。2012年度には海外売上高3,000億円の達成と、海外拠点50カ国への拡充を計画している。
2018年に創立30周年を迎え、新グループビジョン「
Trusted Global Innovator」を掲げた。また、3月期決算において連結売上高2兆円を達成。従業員数は連結で約11万8千人、単独で約1万1千人となる。同年10月、親会社である
日本電信電話株式会社から、グローバル戦略持株会社である
NTT株式会社(通称・NTT,inc)の傘下へ移行。但し、これまでの経営形態と株式の上場による経営面の独立性・ブランドはそのまま維持することにし、他のNTT,incグループ企業との連携を高めることにした
。
2023年7月1日付で株式会社エヌ・ティ・ティ・データから株式会社NTTデータグループに商号変更、持株会社に移行し、国内事業は子会社の株式会社NTTデータ、海外事業は子会社の
NTT DATA, Inc.(旧 NTT株式会社)で実施する体制となった。
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PRSの用語辞典では、ドメイン名やDNS、サーバー証明書に関する用語を紹介、解説
ランダムサブドメイン攻撃(DNS水責め攻撃)
DNSサーバーに対するDDoS攻撃手法の一つです。
DNSの問い合わせ名にランダムなサブドメインを付加することでフルサービスリゾルバー(キャッシュDNSサーバー)のキャッシュ機能を無効化し、
攻撃対象となる権威DNSサーバーに問い合わせを集中させることにより、
権威DNSサーバーやフルサービスリゾルバーをサービス不能の状態に陥らせます。
「Water Torture(水責め)」という呼び名は、
2014年にこの攻撃について報告した米国Secure64 Software社が、かつて中国などで行われていた「Chinese Water Torture(中国式水責め)」
を命名の由来としたことによります。
ランダムサブドメイン攻撃では、問い合わせ元の
IP アドレスを詐称する必要がなく、
攻撃に用いられる問い合わせと通常の問い合わせとの区別がつかないことから、根本的な対策を実施しにくいという問題があります。また、
ISPの顧客が使っているホームルーターに欠陥がある場合、ISPのフルサービスリゾルバーにACL(Access Control List)が導入されていても十分な防御ができません。現時点における代表的な攻撃対策には、
・本来必要なアクセス制限がされておらず、外部から不正使用可能な状態になっているDNSサーバー(オープンリゾルバー)を減らしていく
・欠陥を持つホームルーターなどの機器を悪用されないようにするため、ISP 側でIP53B(Inbound Port 53 Blocking)を実施する
・フルサービスリゾルバーにおいて、フィルタリングや問い合わせレートによる制限などの攻撃の影響を緩和する仕組みを導入する
・監視の強化や、攻撃を検知する仕組みを導入する
といったものがあり、関係者による対応が進められています。