欧州連合(E U)-1



2020.9.25-YahooJapanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/d94522e0b57925f3f7e0da65e1524e34ef9245ee
英の離脱修正法案にEU猛反発 FTA交渉決裂の恐れ

【ロンドン=板東和正】欧州連合(EU)を離脱した英国とEUとの自由貿易協定FTA)の交渉期限が来月に迫る中、ジョンソン英政権が発効済みのEU離脱協定の内容変更を可能とする法案を議会に提出し、EU側の猛反発を招いている。英EU間の対立激化で交渉決裂の可能性が高まり、欧州経済が新型コロナウイルスを超える打撃を受けるとの懸念が浮上している。


  ジョンソン首相は14日、英議会下院で法案への支持を呼びかけた。下院は同日、賛成多数で法案の基本方針を可決。月内の本採決で下院を通過すれば、上院での承認後、女王の裁可を経て成立する見通しだ。
  英EUが昨年合意した離脱協定では、英領北アイルランドとEU加盟国のアイルランドとの国境管理を復活させないため、英領北アイルランドの関税手続きは当面、英本土との境界でEU規則に従うことが明記された。だが、ジョンソン政権は9日に提出した法案で、英EUのFTA交渉が決裂した場合、北アイルランド・英本土間の関税手続きはEU規則ではなく、英国自身が決めるとした。
  FTA交渉が決裂した場合、同じ英国内で異なる関税が生じることを避けるためで、ジョンソン氏は、法案を交渉決裂に備えた「保険だ」と主張。「英国を分裂させてはならない」と訴える。
  だが、EU欧州委員会は、離脱時の協定を破ろうとするジョンソン氏に「重大な国際法違反」と反発し、法案を9月中に撤回するよう要求。EUのフォンデアライエン欧州委員長は16日の演説で、故サッチャー元英首相の「英国は条約を破らない」との発言を引用してジョンソン氏に再考を迫った。EUは欧州経済に悪影響を及ぼすFTA交渉の決裂は極力、避けたい考えだが、法案が撤回されない限り交渉は長期化するとの見方を示している。
  英EU双方はFTAの合意期限を10月15日のEU首脳会議に設定、9月下旬の協議が最後の交渉機会になる可能性が高い。だが、企業の公正な競争条件の確保や英周辺海域の漁業権をめぐりもともとあった両者の溝は、法案提出を受けてEU側が態度を硬化させたことで、さらに広まったとみられている。
   FTA交渉が決裂すれば、英EU間の貿易には世界貿易機関(WTO)の規則に従い関税が発生する。自動車の輸出に頼るドイツなどの経済が打撃を被る可能性が高く、欧州自動車工業会(ACEA)などは、FTAなしでは2025年までに約1100億ユーロ(約13兆円)の損失が生じると予測。米金融大手ゴールドマン・サックスの分析家は交渉決裂が欧州経済に与える影響は「新型コロナより大きくなる可能性が高い」と分析している。


2020.6.23-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200623/k10012480251000.html
EU 中国と新型コロナで協力確認 一方で市場開放などで不満も

  EU=ヨーロッパ連合は中国とオンライン上で首脳会議を開き、新型コロナウイルスへの対応などでさらなる協力が必要だとの認識で一致しました。ただEUは、中国政府による企業への補助金や市場の開放などをめぐって不満を強めていて、中国に改善を求めました。
  EUのミシェル大統領とフォンデアライエン委員長は22日、中国の習近平国家主席、李克強首相とそれぞれオンライン上で首脳会議を開きました。
  その結果、双方は新型コロナウイルスへの対応や世界経済の回復に向けてさらなる連携が必要だとの認識で一致しました。
  その一方、EUのフォンデアライエン委員長は会議後の記者会見で「関係を発展させるには中国がよりルールに基づき、相互主義にのっとらなければならない」と述べました。
  EU側は、政府から補助金を受けた中国の企業がEU域内に進出し市場をゆがめているほか、中国は十分に市場を開放していないなどとして不満を強めていて、改めて中国側に改善を求めた形です
  これに対して、国営の中国中央テレビによりますと李克強首相は会議の中で「双方の間には競争よりも協力が多く、意見の相違よりも共通認識のほうが多い」と述べて、EUに協力する姿勢をアピールしたということで、状況の改善を迫るEUと良好な関係を強調する中国との温度差が改めて浮き彫りとなりました。
中国の影響力拡大に警戒強めるEU
  EUは中国を「戦略的なパートナー」だとする一方、ヨーロッパでの影響力が強まっていることなどから一層、警戒を強めています。
  EUの執行機関、ヨーロッパ委員会は、以前より多くの中国企業がヨーロッパに進出し、域内企業の買収への懸念が高まっていることなどを受けて、先週、政府から一定規模以上の補助金を受けた外国企業による域内企業の買収を規制することを各国に提案しました。
  また今月には、中国が新型コロナウイルスの感染源や治療方法に関して偽の情報を大量に流しているなどとする報告書をまとめ、名指しで非難しました。
  さらに、香港での反政府的な動きを取り締まる香港国家安全維持法案についても深刻な懸念を繰り返し表明しているほか、チベットウイグルなどの人権状況を改善するよう継続的に求めています
  一方で、EUにとって中国は世界2位の貿易相手で、とりわけ新型コロナウイルスの影響で傷んだ経済の立て直しのほか、気候変動などでも協力は不可欠だとの立場で、中国との対立を深めるアメリカとは一線を画しています。




2019.3.23-産経新聞-
【国際情勢分析】EU、強まる警戒感
【国際情勢分析】EU独自の防衛協力に米国の「壁」 ロシアの脅威、ハイブリッド戦、テロ…課題は山積

経済分野の統合の側面が強調されてきた欧州連合(EU)が、防衛面でも紐帯(ちゅうたい)を強めている。今年3月、EU理事会は有志の加盟国
   で防衛協力を進める「常設軍事協力枠組み(PESCO)」の行程表を採択。昨夏には、EU域内で効率的な軍事投資を支援する
   「欧州防衛基金(EDF)」も創設された。ただ、EUの防衛力強化は、軍事同盟「北大西洋条約機構(NATO)」を主導する米国の利益に反する
   恐れがあるほか、加盟国間でも意見が一致しているとは言い難い。EU独自の安全保障の先行きはいまだ流動的だ。(ブリュッセル 小野田雄一)

 「EUとNATOはこれまでほとんど関係がなかった。しかしNATOを補完する存在として、EUの重要性が認識されはじめた」。
   ユルキ・カタイネン欧州委員会副委員長(雇用・成長・投資・競争力担当)が指摘する。 こうした状況を導いたのは、欧州を取り巻く情勢の変化だ。
   複数のEU防衛関係者によると、背景に(1)強力な軍事力を持つ英国のEU離脱(2)「応分の負担」を求めるトランプ米政権の誕生で迫られる
   対米依存からの自立(3)テロの増加(4)ロシアへの危機感(5)「ハイブリッド攻撃」への警戒感の強まり-があるという。

 PESCOでは、EU域内での軍隊移動の迅速化や軍事訓練の共同化など、推進する17事業が定められた。各参加国は得意分野でセンターの役割
   を担い、研究成果の共有を目指す。 EDFは資金面でEUの防衛力向上を支援する。EU加盟各国が独自に戦闘機や主力戦車、駆逐艦などを
   開発・保有している現状は非効率だとして、研究開発などに資金を拠出する計画だ。共同開発や仕様の統一で、加盟国全体で毎年2千億ユーロ
   (約25兆4千億円)超支出している防衛費を250億~1千億ユーロ削減する。

 EDF関係者は「現在、EU加盟国全体で29種類の戦闘艦、20種類の戦闘機、17種類の主力戦車を保有している。仮に航空機を1機のみに共通化
   すれば、最大83%の費用削減が可能と試算される」と話した。 ただ、EU独自での軍事力向上を実現するまでに越えるべき壁は少なくない。

 一つはNATOを主導する米国との関係だ。イタリアやオランダなどEU・NATO共同加盟国は、米国にとっては兵器の重要な取引先。EUが兵器を
   共有化し、米国からの輸入が減ればEUと米国の関係に悪影響が生じる恐れがある。

 加盟国内の意思疎通の問題もある。あるEU防衛関係者は「向上させたEUの軍事力を他地域への影響力や政治的利益実現の手段にすることを望むフランスに対し、ドイツは純粋な域内防衛力にとどめるべきだと考えている」と指摘する。

 各国には、兵器の共通化により自国の軍事技術やサプライチェーンに打撃が加えられることへの危惧や、要求が異なる軍事能力の共有化が
   どこまで可能かを疑問視する声もある。


ハイブリッド攻撃に対応、“仮想敵”はロシア

防衛面での連携深化を図るEUが現在、注力している分野の一つが「ハイブリッド攻撃」への対応力強化だ。EUはフィンランドの首都ヘルシンキに
   「欧州ハイブリッド脅威対策センター」を昨年設置。PESCOで推進する17事業の一つにも、サイバー攻撃への対処力向上を盛り込んだ。
   EU側の“仮想敵”として念頭にあるのは、大国としての復権を目指すロシアだ。 

 2015年2月23日、リトアニアのテレビ局が視聴者を対象に、ロシアのプロパガンダ(政治的宣伝)が強まっていると思うか否かの調査を
   インターネット上で実施。質問開始から約2分間で、1つのIPアドレスから7千を超える回答が「プロパガンダではない。ロシアの主張は事実だ」
   とする項目に寄せられた。この結果、同項目の回答率は82%に。「思う」は12%、「思わない」は6%にとどまり、女性キャスターは
   呆然とした表情を浮かべた。

 リトアニアのリナス・イドゼリス・リトアニア軍戦略通信・指揮中佐も「状況的に、ロシア側が関与した疑いが強い」と指摘する。同中佐によると、
   このほかにも一部メディアが「リトアニア人女性が(NATOから派遣され、同国を防衛中の)ドイツ軍人に暴行された」などと報道。

 こうした事実はなく、何者かがフェイクニュースを通じてリトアニア国内でNATOへの不信感をあおり、連携を揺るがそうとした疑いがある。 
   こうした現状の中、ハイブリッド脅威対策センターは各国の専門家をネットワーク化して情報共有をサポート。攻撃かどうかを即座に判断する
   能力の向上や防衛策の研究、対処訓練などを行っている。

 PESCOに基づいてサイバー攻撃への対処力向上を主導するリトアニアの政府関係者は「軍隊の攻撃には軍隊で対抗できるが、ハイブリッド攻撃
   は攻撃者を特定しづらく、反撃が難しい」とした上で、国民のリテラシー(情報の真偽を判断する能力)向上やフェイクメディアへの制裁、
   社会インフラの危機管理能力の強化などを通し、「社会全体で攻撃へのレジリエンス(抵抗力)を高めることが重要だ」と話している。

【用語解説】ハイブリッド攻撃

近年欧米で生まれた概念で、プロパガンダやフェイクニュースによる世論操作・選挙介入▽発電所など生活インフラへのサイバー攻撃▽対象国内
   の反体制派支援▽“自警団”など国家の関与を隠した武力-などを使って相手国の安定性を揺るがせ、その後の軍事力展開を容易にしようと
   する手法。ロシアによるウクライナ南部クリミア半島の併合の過程でもこうした手法が使われたとされる(ロシア側は否定)。少ないコストで実行
   できるほか、攻撃者の特定が難しく対処が困難などの特徴がある。




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