イギリス(英国)(グレートプリテイン及び北アイルランド連合王国)-1
2024.09.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240924-XG63NREJIRPEZA4X65BKMTD57M/
英労働党大会で財務相が演説 不人気の財政緊縮策を正当化 首相の支持率低下鮮明に
【リバプール(英中部)=黒瀬悦成】7月の英総選挙で14年ぶりに政権の座に返り咲いた労働党の年次党大会が
22日、中部リバプールで4日間の日程で始まり、リーブス財務相が23日に基調演説を行った。
リーブス氏は有権者から反発を浴びている政権の財政緊縮策について「正しい決断をした」と強調。
スターマー首相は緊縮財政に加え、支援者からの多額の利益供与で人気が下落しており、党大会を求心力回復の機会としたい考えだ。
リーブス氏は演説で、保守党のスナク前政権が組んだ予算に220億ポンド(約4兆1千億円)の財源不足が見つかったと指摘し、事態打開に向け今後の財政政策で「厳しい決断を下す必要がある」と警告した。
リーブス氏は7月29日、年金生活者への冬場の暖房費補助の削減や、保守党政権下で決定された病院や道路、鉄道の建設計画の見直しといった事実上の財政緊縮策を打ち出した。
このうち暖房費に関しては約1千万人が補助の対象外になるとみられ、世論は強く反発。党を支える複数の有力労組も今月22日、補助削減の方針を撤回するよう政権に要求した。
リーブス氏は演説で、一連の政策は緊縮財政ではないと反論し、新たな産業政策などを通じた雇用の創出で経済を成長軌道に乗せていくと強調した。
政権が10月30日に公表する予算案では「労働者への増税はしない」と明言した。ただ、専門家の予想では投資収益への課税増や将来的な企業増税、歳出削減が見込まれている。
一方、スターマー首相をめぐっては妻のビクトリアさんが労働党上院議員の富豪から高級な衣服を贈られていたことが党の内外で問題視されている。
英メディアは富豪からスターマー氏らへの利益供与に関する報道を展開。過去5年間の贈答品は、米歌手テイラー・スウィフトさんのコンサートのチケットなどを含め計10万ポンド以上相当に上るとされている。
こうした寄付や贈与は申告すれば違法でないが、清廉潔白を売り物にしてきたスターマー氏のイメージを傷つけたのは明白だ。中道路線を掲げるスターマー氏に不満を抱く党の左派勢力が一連の問題で対決姿勢を強める事態も予想される。
英調査会社オピニウムが今月20日に発表した世論調査ではスターマー氏の支持率は24%で、不支持50%を大きく下回った。7月の政権発足直後の調査では支持38%、不支持は20%で、有権者のスターマー氏離れが鮮明になっている。
2024.09.16-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240916-DWNL55LVNZPMJFO2QKIWUTRJWA/
英BBCの元著名キャスター有罪 児童のわいせつ画像を通信アプリで入手
ロンドンの裁判所は16日、
児童のわいせつ画像を入手したとして起訴された英公共放送BBCの元著名キャスター、A被告(63)に禁錮6月、執行猶予2年の有罪判決を言い渡した。英メディアによると、通信アプリ「ワッツアップ」で送られた画像約40枚の入手を認めた。
BBCには1984年から勤務し、選挙や王室の報道を担当。2022年9月にはエリザベス女王死去の一報を伝えるなど硬派なキャスターとして知られていた。昨年11月に逮捕され、今年4月にBBCを辞職。6月に訴追された。
(共同)
2024.08.13-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240813-GO6IIFG74JOUXHM2FUDJPH6CPU/
バンクシー新作、動物シリーズ8日連続8作目はサイ 車の上に前脚乗せる?
正体不明の芸術家バンクシーは12日、壁面にサイを描いた新作を公表した。
自身のインスタグラムにも写真を投稿した。
壁際に止まっている銀色の乗用車の屋根に前脚を乗せているような構図。
バンクシーは5日からロンドン各地で動物をモチーフにした新作を公開しており、
8日連続で8作目。
乗用車はサイの重みで後ろ側が沈み込んでいるように見える。
ボンネットには工事現場などで使われる三角コーンが載せられ、ファンはサイの角をイメージしたと指摘した。インスタグラムには
「車をサイのパートナーに見立てている」とのコメントが投稿された。
動物シリーズは1作目のヤギから始まり、ゾウ、サル、オオカミ、ペリカン、ネコ、魚の群れと続いた。バンクシーは作品の説明をしていないが、英メディアによると、バンクシーの支援団体は「暗いニュースが多い中、人々を驚かせて明るい気持ちにさせようとしているのではないか」としている。
(共同)
2024.08.09-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240809-FIPRMT3AVBKEXB4GCZUUGP3EHE/
バンクシーの新作盗まれる 4作目、屋外の衛星アンテナに描いたオオカミ 公開すぐ
正体不明の芸術家バンクシーが8日、屋外の衛星アンテナにオオカミを描いた新作を発表したが、
公開後ほどなくして何者かに持ち去られた。バンクシーは5日から3日連続で新作を公表しており、4日連続4作目。バンクシーの報道担当はBBC放送の取材に
「盗まれたと思っている」と語った。
4作目はロンドンで確認され、空に向かって遠ぼえする1匹のオオカミのシルエットが丸いアンテナに描かれている。英メディアによると、公開数時間後、黒い目出し帽をかぶった男らがはしごで建物に上り、アンテナを取り外し持ち去る姿が目撃された。
バンクシーの作品は過去にも盗まれたことがあり、昨年12月にも道路標識の表面に軍用無人機の機影3機が連なった作品が被害に遭った。
(共同)
2024.08.06-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240806-33C7I3PCQNJL5E25TGNP4PKWPM/
英、刺殺被害女児らを追悼 暴動の逮捕者400人
英中部サウスポートで起きた刺殺事件から1週間となった5日、命を奪われた6~9歳の女児3人の追悼集会が町の中心部で開かれ、住民らが花束をささげた。英メディアによると、
事件を発端に各地に飛び火した反移民、反イスラム教を訴える極右主義者らのデモや暴動に関連し、
5日までに約400人が逮捕された。
追悼集会には多くの家族連れが集まり、ぬいぐるみやハート形の風船を並べたり、シャボン玉を飛ばしたりして幼い3人の死を悼んだ。地面にチョークでメッセージを残す人もいた。
7月29日に発生した事件の容疑者は、両親がルワンダ出身の17歳の少年だった。
事件後、極右主義者らが
「犯人はイスラム教徒の不法移民」などとの
偽情報をインターネット上で拡散して憎悪をあおり、移民やイスラム教徒らへの敵視感情が高まった。暴動は英全土に広がり、
南西部プリマスでは5日、極右のデモ隊と人種差別に反対する団体が衝突、警察車両が破損した。
(共同)
2024.08.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240804-SI2XM5ROHRJWLA2LEU3J2DUIME/
英各地で極右の暴動続く 警察「粗暴なチンピラ」と批判、ネオナチらの関与確認
【ロンドン=黒瀬悦成】英中部リバプール近郊での児童刺殺事件をめぐるデマ情報を発端とする極右勢力による暴力的なデモが3日、リバプールや中部マンチェスターなど英国各地で実施された。
リバプールでは暴徒らによる投石で警官2人が顔を負傷して病院に運ばれた。警察はデモ参加者11人を逮捕。
北部ランカシャー州では保養地ブラックプールを中心に20人が逮捕された。
英警察当局は3日の声明で、
極右勢力の行動は
「事件で死傷した少女への思いやりや敬意を欠く。彼らは粗暴なチンピラだ」と厳しく批判した。
その上で
「連中は向こう数日間、同様の行動を繰り返すのは確実だ」と指摘し、
英全土に警官隊を増派して暴力行為を徹底的に取り締まると表明した。
スターマー首相は3日、緊急閣議を開いて対応を協議した。クーパー内相は記者団に
「英国の街頭に犯罪的な暴力と無秩序が存在する余地はない」と述べ、
暴徒らは
「代償を支払うことになる」と警告した。
警察などによると、一部都市でのデモで極右団体「英国防衛連盟」やネオナチ組織の関与が確認された。デモ参加者は右翼思想の同調者や、フーリガンなどの反社会的集団が大半を占めるとみられている。
デモ参加者には右派政党「リフォームUK」を率いる大衆迎合政治家のファラージ下院議員の支持者も含まれているとされ、
ファラージ氏が殺人事件に関し「不法移民の犯行だった」などとする
偽情報を追認したことで
デモ激化に拍車をかけたとの批判も出ている。
2024.08.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240803-NJ5YICD2IFA2XNONKXZ3WMZMMA/
英の極右暴動、発端は3女児殺害事件 移民2世の容疑者に偽情報「ボートの不法移民」拡散
英中部の港湾都市で2日発生した極右主義者らによる反移民の暴動は、デモが警察署の襲撃や関連施設の放火などに拡大した。
発端は、その4日前に別の都市で起きた6~9歳の女児3人の殺害事件。
容疑者はアフリカ出身の両親を持つ「移民2世」の17歳少年だったが、SNSでは少年が「ボートで来た不法移民」などの偽情報が拡散された。
BBC放送などによると、
暴動は英中部の港湾都市サンダーランドの市街地で発生。数百人が警察官と衝突し、
8人が逮捕、警察官3人が負傷した。
一方、
暴動のきっかけとなった事件は7月29日、中部リバプール近郊サウスポートのダンス教室で発生。
少年が刃物で子供を次々と刺し、6歳、7歳、9歳の女児3人が死亡、ほかに複数の子供と大人が負傷、重体となるなどした。
ダンス教室ではイベントが開かれており、夏休み中の子供が集まっていた。
地元警察は殺人などの疑いで17歳の少年を逮捕し、動機などを調べる一方、少年が英国生まれであることなどを公表。BBCは、少年の両親がアフリカ中部ルワンダの出身などと報じた。
極右団体や活動家はSNSでデモを呼びかけ、
「イスラム教徒が西欧文明を破壊している」「政府は国民の恐怖に耳を傾けるべきだ」などと投稿。
容疑者の少年についても「ボートで来た不法移民だ」といった偽情報が拡散されていた。