新型コロナウイルス第8波-1



2023.04.19-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230419/k10014042721000.html
“第8波超の「第9波」の可能性も” 新型コロナ 専門家会合有志

  新型コロナウイルス対策について助言する厚生労働省の専門家会合が開かれ、新規感染者数は全国的に緩やかに増加していて5月の大型連休明けに感染が拡大することがあり得ると分析しました。

  また、専門家会合の有志は、「第8波」を超える規模の「第9波」が起きる可能性もあるとする文書をまとめました。専門家会合はこれまで定期的に開かれてきましたが、新型コロナの感染症法上の位置づけが「5類」に移行されるのに伴い、今後は状況に応じて不定期で開かれることになりました。
現在の感染状況 “全国的に緩やかな増加傾向に”
  専門家会合は現在の感染状況について下げ止まったあと全国的に緩やかな増加傾向となっていて特に大都市部で20代や10代以下の増加が見られるとしています。
  重症者数や亡くなる人の数はこの冬の「第8波」の時期から大きく減った後、横ばいとなっています。今後の感染状況については横ばいから緩やかな増加傾向が続く可能性があり、これまでの傾向を踏まえると接触機会が多くなる大型連休が明けた後で感染が拡大し、いったん減少するものの、再び夏に向けて感染拡大が起きる可能性があるとしています。
  そのうえで専門家会合は・・・ワクチンや感染でできた免疫が時間とともに下がっていくこと、それに・・・免疫を回避する新たな変異ウイルスの割合が増えることなどによる影響に注意が必要だと指摘しました。
  また、専門家会合は、来月、新型コロナの感染症法上の位置づけが「5類」に移行される中でも地域での流行状況に関心を持ち、自主的に感染を防ぐための行動をとって特に重症化リスクの高い高齢者に感染が及ばないようにする配慮が重要だとしています。
  そして、・・・体調の不安や症状がある場合は無理せず自宅で療養するか医療機関を受診すること、・・・手洗いや消毒を習慣として行うこと、・・・その場に応じたマスクの着用やせきエチケットを行うこと、・・・換気を行い、「3密」を回避することなどといった対策を改めて呼びかけました。
専門家会合の有志 “「第8波」超える「第9波」の可能性も”
  国内ではこれまでの新型コロナウイルスに感染した人の割合が低いことなどから、この冬の「第8波」を超える規模の「第9波」が起きる可能性があり亡くなる人の数は高齢者を中心に多い状況で推移する可能性があるとする文書を、厚生労働省の専門家会合の有志がまとめました。高齢者などへのワクチンの追加接種や介護現場での感染対策などは引き続き、必要だとしています。
  文書は、専門家会合の脇田隆字座長や東北大学の押谷仁教授ら4人の専門家がまとめました。この中では対策の緩和が進む中で、現在、感染者数が増加に転じる地域が増えてきていて、今後、第9波が起きる可能性が高いとしています。
  そのうえで、日本国内では新型コロナへの感染によって獲得した免疫を持つ人は住民を対象にした抗体調査でもことし2月から先月の段階で32.1%と割合が低いことなどから、第9波第8波より大きな規模になる可能性が残されているとしています。また、日本は高齢化率が高く、仮にワクチンの接種率が上がらないまま、感染の規模が大きくなるとすると、亡くなる人の数は高齢者を中心に海外と比べて多い状況で推移する可能性があるとしています。
  そして、新型コロナの感染症法上の位置づけが「5類」に移行されても高齢者などへのワクチンの追加接種、介護や医療現場での感染対策、それにウイルスの遺伝情報の分析などは必要だとしています。
  脇田座長は「5類への移行を前に今後、起きる可能性があることを取りまとめた。感染が拡大すると高齢者などは重症化するリスクがあり、感染対策を継続していただく必要がある」と話しています。
専門家会合 「定期的開催」→「不定期開催」に
  専門家会合は、新型コロナの感染が国内で広がった初期の2020年2月に設置され、おおむね1週間から2週間おきに定期的に開かれてきましたが、「5類」への移行に伴って次回以降は感染状況に応じて不定期に開かれることになります。専門家会合のメンバーは会合が開かれない間も必要に応じて感染状況や医療の状況などを確認して分析するとしています。
脇田座長 “今後 増加傾向が続いてもおかしくない”
  厚生労働省の専門家会合のあと開かれた記者会見で、脇田隆字座長は、現在の感染状況について「全国的に減少傾向がしばらく続いていたが、増加に転じて、緩やかな増加が続いている。ただ、感染拡大のレベルとしては、去年の年明けの『第6波』と去年の夏の『第7波』の間の時期よりも低く、高いレベルではない」と評価しました。
  そのうえで、今後の見通しについて「去年の『第6波』『第7波』、ことし初めにかけての『第8波』で感染がある程度広がったり、ワクチン接種が進んだりしたことで得られた免疫が、ピークを越えて低下してきている。さらに、人々の活動のレベルが戻り、接触の機会が増え、オミクロン株のうち感染力が高く免疫から逃れやすいとされる『XBB』系統への置き換わりも進んでいる。疫学の専門家からは、非常に予測が難しいという議論があったが、今後、増加傾向が続いてもおかしくない」と指摘しました。
  また、感染者数の把握について、新型コロナの5類移行後に都道府県からの報告を国が毎日とりまとめて公表する「全数把握」から、指定した医療機関に週1回報告してもらう「定点把握」に切り替わることを踏まえ「これまで大型連休や夏休み、お盆など年中行事にあわせて感染者が増える傾向があり、定点把握に切り替わった後も流行状況の監視を続けていく必要がある」と指摘しました。
  そして「高齢者や基礎疾患がある人など重症化リスクが高い人は引き続き感染対策に気を配ってもらうとともに、来月からは、重症化リスクが高い人を対象にワクチンを接種する機会が始まるので、積極的な接種をぜひ、お願いしたい」と話していました。
新型コロナ対策を発信してきた専門家会合とは
  厚生労働省の専門家会合「アドバイザリーボード」は、新型コロナウイルス対策について感染症や疫学の専門家が助言を行うことを目的に日本国内で感染が広がり始めた初期の2020年2月に設けられました。
  国内では、2020年からこれまでの3年余りの間に、合わせて8回の感染拡大の波を経験しましたが、この間、専門家会合は、おおむね1週間から2週間おきに合わせて121回開かれ、新型コロナの感染状況や患者に対応する医療提供体制の状況を分析したうえで、その時点で求められる対策を国や自治体、そして一般の人々に対して発信してきました。特に、感染状況が悪化して医療提供体制がひっ迫した時期には、強い危機感を示しながら感染対策を訴えてきました。
  たとえば、変異ウイルスのデルタ株が広がった、おととし夏の「第5波」の時期には、重症者数が急増して入院できないケースが相次ぐなど医療体制がひっ迫したのを受け、専門家会合は「これまでにない災害レベルの状況にある」という認識を示したうえで、ふだん会わない人との接触を極力減らすことやワクチン接種など「命を守るために必要な行動」をとるよう呼びかけ、政府や自治体に対しては医療体制の整備をさらに急ぐよう要請しました。
  また、去年冬からの「第8波」の際には、感染力が強いオミクロン株が広がり、感染者数が桁違いに増えたことで高齢者を中心に亡くなる人が過去最多となる状況が続きましたが、行動制限が行われない中、重症化リスクの高い人への適切な医療を提供する体制の強化を求めるとともに、基本的な感染対策の徹底を呼びかけました。
  さらに、ことし1月以降は、新型コロナの感染症法上の扱いを季節性インフルエンザなどと同じ「5類」変更した場合の医療機関や感染状況への影響や、マスク着用の効果や今後の考え方などについて専門家会合のメンバーらが提言にまとめたうえで議論を進め、その結果は政府の対策に反映されてきました。
今後の感染状況の分析はどうなる?
  厚生労働省の専門家会合は、新型コロナウイルスの感染状況や医療体制の状況を分析したうえで対策を呼びかけてきましたが、今後は、感染者数が急増するなどした場合に不定期に開かれるということです。専門家会合のメンバーは会合が開かれない間も必要に応じて感染状況や医療の状況、それに新たな変異ウイルスの動向などを確認して分析するとしています。
【1:感染状況は定点で分析】
  新型コロナの感染者数は、これまでは毎日、全数報告されてきましたが、今後は、あらかじめ定められた一定の数の医療機関から患者数の報告を受けて感染状況を把握する「定点把握」という方法に移行することになります。季節性インフルエンザの流行状況を把握する場合と同様の方法で、新型コロナの感染状況は地域ごとに週に1回、公表される情報をもとに分析が行われることになります。
【2:医療体制も把握】
  今後も重症化リスクの高い高齢者で感染者数が増えれば、入院が必要な患者数が増え、医療体制がひっ迫するおそれがあります。
  医療体制について、専門家は今後、保健所に報告される病床使用率のほか、当面、現在の方法での報告が続けられる入院患者数や重症者数などをもとに分析し、通常の医療が提供できない事態に陥ることがないかモニターするということです。
【3:新たな変異ウイルス警戒】
  新型コロナウイルスは、速いペースでの変異を繰り返していて、専門家は感染力が高まったり、感染した場合の重症化リスクが上がるなど病原性が変化したりした新たな変異ウイルスが出現して広がることを警戒しています。このため、海外で確認される変異ウイルスの状況や感染した場合の症状などの情報収集を続けるほか、規模は縮小されるものの国立感染症研究所などで続けられるウイルスの遺伝子解析の結果を見ながら新たな変異ウイルスの動向を監視するとしています。
  専門家会合の脇田隆字座長は「感染状況は定点把握による情報をもとに、データが十分に集まったところで評価する必要があると思う。今後も必要に応じて分析や専門家の間の意見交換は行っていくことになる」としています。
新規感染者数 多くの地域で増加が続く
  厚生労働省の専門家会合で示された資料によりますと、18日までの1週間の新規感染者数は全国では前の週と比べて1.06倍と多くの地域で増加が続いています。
  首都圏の1都3県では・・・東京都が1.05倍・・・神奈川県が1.02倍・・・埼玉県が1.11倍・・・千葉県が1.03倍と増加しています。
  関西では・・・大阪府が1.14倍・・・京都府が1.24倍・・・兵庫県が0.97倍
  東海でも・・・愛知県が0.98倍・・・岐阜県が1.01倍・・・三重県が1.05倍などとなっています。
  また、・・・沖縄県で1.64倍・・・石川県で1.34倍・・・愛媛県で1.31倍などと合わせて33の都道府県で前の週より増加しています。
  人口10万あたりの直近1週間の感染者数は・・・石川県が74.17人と全国で最も多く、
  次いで・・・福井県が72.63人・・・山形県が71.16人・・・鳥取県が68.67人・・・沖縄県が68.21人などとなっていて、・・・東京都は56.89人・・・大阪府は46.58人、
  そして・・・全国では46.33人となっています。


2023.02.05-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/bb97175c389878f19e1b468193df2215c067a281
コロナ「収束ムード」懸念 早期受診と受け入れ態勢強化を
(長橋和之)

  新型コロナ感染拡大「第8波」の感染者は減少傾向になっているものの、死者数は依然として高い水準にある。現場で治療にあたる医師は「基礎疾患のある人や高齢者などには早期の受診と治療が極めて重要」と指摘。5月には感染症法上の位置づけが5類に移行、行動制限の緩和が進みつつあるなか、医療関係者は「収束ムード」を懸念。ピークアウト後にも医療機関の受け入れ態勢強化や、早期受診を呼びかける。

■早期治療の重要性
  「すごくよくなった。最初に診たときは危なかったから」 1月下旬、新型コロナ患者の往診を終え、車の後部座席に乗り込んだひなた在宅クリニック山王(東京都品川区)の田代和馬院長(33)はそう言って笑顔を見せた。
  この日午前の往診の2軒目で訪れたのは、認知症や心不全などの持病があるコロナ患者の女性(86)の自宅だった。 女性は4日ほど前から軽いせきをするようになったというが、同居する娘(60)は「最初はコロナだとは思わず、誤嚥(ごえん)性肺炎かもしれないと思った」と話す。
  田代院長は「ウイルスの変異に伴い、症状が典型的でない患者さんも出てきている」と語る。また、認知症などの影響で積極的に症状を訴えられない患者は、コロナ感染初期の症状を見落としてしまうケースもあるという。
  女性の症状は翌日になるとさらに悪化。ぐったりとだるそうで足元もおぼつかなかったことから、かかりつけ医だった同クリニックへ連絡。その日の午後、往診に訪れた田代院長が抗原検査をしたところ、陽性が確認された。 症状はさらに悪化。39度を超える発熱があり、血中酸素飽和度も、酸素投与が必要とされる93%まで落ち込んだ。「中等症Ⅱの状態だった」(田代院長)
  入院先を探したが、見つからず、自宅療養を続けることに。娘は「1人でどこまでみられるか不安があった。往診で対応してもらえてよかった」と話す。 女性は田代院長が訪問した日、微熱があったものの、血中酸素飽和度も正常値の98%まで上昇。問いかけに笑顔で答えるほど回復した。田代院長は「症状が悪化するのは検査や診断、治療が遅れた人」とし、早期治療の重要性を訴える。
■救えなかった命
  早期に適切な治療が受けられず助からなかった命もある。 先月31日夜、80代の男性が息を引き取った。男性はその前週に発熱したため、かかりつけの医療機関へ行ったところ「他の病院でコロナでないことを確認してから来てください」といわれ、受診することができなかった。
  男性はその後、自宅で療養していたが、家族との連絡もままならない状態になった。連絡が取れず不安に感じた男性の家族が31日にひなた在宅クリニック山王へ往診を依頼。田代院長が駆け付けた際には「呼吸も浅くかなり衰弱していた」という。検査の結果、コロナの陽性が確認された。食事もまともにとることができておらず、かなり衰弱していた男性は、往診から数時間後に息を引き取った。
  田代院長は早期受診の重要性とともに、「5類に移行しても発熱症状の患者を受け入れない医療機関が一定数いることが予想される。医療機関が患者の受け入れ態勢を構築する必要がある」と訴えた。(長橋和之)


2023.01.15-Yahoo!Japan(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/c0ebfbeed2cbb49a63906b03de0bf1eb26c87595
コロナ収束見えず最大の「第8波」 国内初確認3年
(中村翔樹)


  国内初確認から15日で3年となった新型コロナウイルスは、なお収束が見通せない。ワクチン接種の進展などで致死率や重症化率は低下しているが、第8波の今冬は死者数が過去最多の更新を続けている。把握しきれない多くの「隠れ感染者」が存在し、感染規模も最大の波となっている恐れがある。専門家の間では、今後もワクチンの定期的な接種が欠かせないとの見方が強い。

  ■最多死者・「隠れ感染者」 厚生労働省のまとめでは、昨年1月15日時点で国内の累計死者数は1万8422人。2月11日に2万人を超えた後は約3カ月に1万人のペースで増え、12月2日に5万人を突破した。 同20日以降は1日200人以上報告される日が続き、1カ月余りでさらに1万人増加、今月9日に6万158人に達した。
  当初のように肺炎が原因ではなく、持病の悪化などで衰弱死する高齢者が目立つ。 新規感染者数は昨夏の第7波のピークを下回っているのに、記録的な死者数となっているのはなぜか。
  順天堂大大学院の堀賢(さとし)教授(感染制御科学)は、重症化リスクの低いとされる若者を中心に医療機関の受診率が下がったことが要因の一つと指摘する。「発熱やせきなどの軽い症状があっても受診しない人が増えている。
  報告されている数より、実際の感染者数はもっと多い」との見方だ。
  東京都内の直近7日間平均の新規感染者は1万5000人前後だが、堀氏が死者数を基に試算したところ、約1・7倍の2万5000人程度になった。全国的にも、すでに第7波のピークを超えて過去最大の感染者数になっているとみられ、「これが死者数増加のからくりだろう」と説明する。
  政府は医療機関の負担軽減のため、低リスクの人は検査キットで自主検査し、陽性の場合は自分で登録するよう運用を変えており、これも実態把握の妨げになっている可能性がある。
■致死率、インフル並みに
  一方、ワクチン接種の進展などに伴い、致死率や重症化率は低下している。 厚労省が令和3年夏の第5波から第7波までの間、茨城、石川、広島の各県で継続調査した結果、80歳以上で7・92%だった致死率は1・69%に、重症化率は10・21%から1・86%に改善。79~60歳と60歳未満も含め、いずれもインフルエンザに近い水準となった。
   第8波の感染拡大要因について、厚労省や専門家は免疫をすり抜けて感染する「免疫逃避能」の性質を挙げる。現在主流であるオミクロン株「BA・5」は、この特徴を有し、置き換わりが進んでいる派生型の「XBB」「BQ・1」などは、より強いとされる。
  ワクチン接種で得た免疫が時間経過で低減することも影響しているとみられる。東京医科大の濱田篤郎特任教授(渡航医学)は「ワクチン接種の重要性が高まっている。重症化を防ぐ効果は保たれており、接種に意味がないと考えるのは誤った認識だ」と訴える。
■ワクチン、定期接種化も 昨秋以降、追加接種が始まった
  オミクロン株対応ワクチンの接種率は4割に満たず、65歳以上の高齢者に限っても6割程度にとどまる。
  今後の接種の在り方について、堀氏は「新たなワクチンの開発などがない限り、『半年に1回の定期的な接種』という形が定着するのではないか」とみる。
  懸念されるのは、新たな脅威の到来だ。米国で急拡大し、BA・5より感染力が高い可能性が指摘される新たな派生型「XBB・1・5」は、都内でも確認済み。
  ゼロコロナ政策を撤廃した中国からの入国者増も今後見込まれ、「完全に未知の変異株が流入してくる可能性もある」(堀氏)。 行動制限がなく、水際対策も緩和された状況で、コロナとの闘いは4年目に入る。濱田氏は「高齢者で持病などがあると、重症化や死亡のリスクはまだ高い。必要な人に必要な治療を施すためにも、国民には基本的な感染対策の徹底を改めて求めたい」としている。
■5類引き下げは段階的移行想定
  新型コロナウイルスの重症化率や致死率の低下などを踏まえ、政府は今春にも、感染症法上の類型を危険度が2番目に高い現状の「2類」相当から、季節性インフルエンザと同等の「5類」に引き下げる方向で検討を進めている。
  専門家からは類型を変えたとしても医療提供体制などは維持すべきだとの見解が示されており、政府も「段階的な移行」を想定している。
  新型コロナは現在、感染症法上の「新型インフルエンザ等感染症」に位置付けられ、結核などの2類よりも厳格な措置が講じられている。感染者は入院勧告や就業制限の対象となり、診療・入院先も発熱外来や指定医療機関に限られる。
  5類になれば、こうした行動制限がかからなくなるほか、一般病院や診療所でも受け入れ可能となる。一方、全額公費の医療費などは一部自己負担になる。関係者によると、政府は経過措置として当面は公費負担を継続し、段階的に通常の保険診療に移す方針だ。
  コロナ対策を助言する厚生労働省の専門家組織は今月11日、類型を変更した場合の懸念などをまとめた見解を公表した。現在主流のオミクロン株に極めて強い感染力があるリスクに言及し、「インフルと同様の対応が可能となるにはしばらく時間がかかる」と主張。入院調整機能などは当面維持すべきだとした。
(中村翔樹)


2023.01.09-毎日新聞-https://mainichi.jp/articles/20230109/k00/00m/040/099000c
国内の新型コロナ死者、1カ月で1万人増 累計6万人超える
【飯田憲】

  厚生労働省は9日、新型コロナウイルス感染症で新たに336人が亡くなったと明らかにした。死者の累計は6万158人で、1カ月あまりで1万人増えた。

  国内の累計死者は3万人から4万人までは4カ月弱、4万人から5万人までは約3カ月かかっていた。「第8波」の流行が続くなか、感染者とともに死者数の増加傾向が顕著になっている。
  9日に新たに公表された新規感染者数は9万5308人だった。主な都道府県の新規感染者数は、北海道1584人▽東京都8199人▽愛知県4043人▽大阪府5661人▽福岡県3774人――など。【飯田憲】



2022.12.23-日本経済新聞(KYODO)-https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE23BVJ0T21C22A2000000/
コロナ死者、最多371人 インフルとの同時流行懸念

  国内で23日、新たに371人の新型コロナウイルス感染症の死者が報告され、1日当たりで過去最多となった。流行「第8波」で感染者数が膨らむのに伴い、死者数も増えている。これまでは第7波の9月2日の347人が最多だった。

  政府は同日、新型コロナとインフルエンザの同時流行対策を検討する会議を開き、年末年始に向け、新型コロナが軽症の場合には自宅療養をするよう国民に呼びかけることを決めた。病床使用率が上昇傾向で、医療提供体制の逼迫が懸念されていることを踏まえた。
  インフルの患者数も増加傾向だ。厚生労働省によると、全国約5千の定点医療機関から12~18日の1週間に報告されたインフル患者数は1機関当たり0.53人。青森や岩手、東京、神奈川、富山、熊本の6都県で流行入りの目安となる1を超えた。
〔共同〕


2022.11.18-NHK NEWS WEB(首都圏NEWS)-https://www.nhk.or.jp/shutoken/newsup/20221118a.html
コロナ第8波 医療の備えは?入院患者増 発熱外来ひっ迫 解熱鎮痛剤

  型コロナウイルスの新たな感染者数が、東京都内でおよそ2か月前の9月14日以来、1万人を超えるなど感染の拡大を受け、都のモニタリング会議は感染状況の警戒レベルを引き上げました。医療の現場などでは入院患者の増加や解熱鎮痛剤の需要が高まるなど感染拡大の影響が出てきています。医療現場の状況や、発熱外来のひっ迫対策など自治体の対応についてまとめました。

第8波 東京都内の感染状況の警戒レベル引き上げ
  東京都内の新型コロナの新たな感染者は11月15日、2022年9月14日以来、1万人を超えて1万1196人となりました。
  また、厚生労働省の11月15日の発表によりますと、国内の新型コロナの新たな感染者は、空港の検疫などを含め10万2829人で、10万人を上回るのは、2022年9月14日以来で、北海道では過去最多となりました。
 日本医師会 釜萢常任理事(11月16日)
  「新たな波が始まったととらえざるをえないのではないか。医療提供体制をできるだけ急いで整えなければならないという危機感を持っている」
  感染が拡大する中、17日に開かれた東京都のモニタリング会議で専門家は「第8波の入り口にさしかかっている」として、4段階ある感染状況の警戒レベルを1段引き上げ、上から2番目の「感染が拡大している」としました。
 コロナ入院患者増加 循環器疾患対応への影響を懸念
  医療現場の状況です。東京・品川区の昭和大学病院では、新型コロナの軽症や中等症の患者が11月に入り再び増え始め、17日の時点で28人が入院しています。
病院ではもともと確保していた17床の新型コロナの病床では足りず、2倍近い32床まで増やし対応にあたっています。
  病院では、新型コロナの患者がさらに増えた場合に備え、一般病床を振り分けて最大で50床ほどまで病床を確保する体制を整えていますが、一般病床を減らすと冬の時期に増える循環器に疾患のある患者などの対応に影響が出るおそれがあるとして、今後の感染拡大に警戒を強めています。
 “一部で予約枠埋まる” “解熱鎮痛剤の需要高まる”
  東京・練馬区では、16日夜、地域の保健所や医師会、それに薬剤師会など関係機関が緊急の対策会議を開きました。会議では感染が拡大している影響について報告されました。
   〇医師会
  医師会からは、新型コロナの検査の申し込みが増え、予約枠が埋まる状況が一部でみられることが報告されたほか、今後、検査キットが不足することを懸念する意見も出されました。
   〇薬剤師会
  薬剤師会からは医療機関で処方される解熱鎮痛薬などの需要が高まり、地域によっては入荷が難しくなりつつあると報告されました。
   練馬区保健所 石原浩所長
  「自宅療養者への適切な支援が重要で、特に高齢者や基礎疾患がある人は重症化しやすいのでより丁寧に対応したい。若者も不安がないよう相談窓口を紹介するなど必要な対応をしたい」
第8波に備え自治体も対策
  感染が拡大しつつある中、「第8波」に備えた自治体の対策や対応です。
   〇東京都(発熱外来ひっ迫防止)
東京都は、新型コロナとインフルエンザの同時流行で患者数は最多で9万3000人になることを想定し、発熱外来のひっ迫を防ぐため、陽性者登録センターの1日の受け付けを8千人からおよそ4万人に増やすことや、年末年始の診療や小児科の発熱診療を対象に協力金を支給すること、また、臨時のオンライン発熱診療センターを設置する方針を明らかにしました。
   〇神奈川県(確保病床を増加)
  感染者数が24日連続で前の週の同じ曜日以上になっている神奈川県は、15日、対策本部会議を開きました。この中で、中等症や軽症の入院患者が増加傾向にあることから、確保する病床の数を1000床から1640床に増やすことを決めました。
   〇千葉県(経済と高齢者対策の両立)
  感染者数や病床使用率が増加傾向にある千葉県の熊谷知事は17日、オミクロン株と同じ程度の感染力と病原性のウイルスによる感染拡大であれば、高齢者などを守ることに重点を置いた対策をとりつつ、社会経済活動を維持することが必要だという考えを示しました。
厚労省 “都道府県は最大限の感染者数想定の計画を”
  厚生労働省は、都道府県に対し、最大限の感染者数を想定した具体的な計画を策定するよう求めていて、発熱外来の確保など医療提供体制の強化を図る方針です。
  また、政府は、医療のひっ迫を避けるため、外来診療に患者が殺到し、重症化リスクの高い人がすぐに受診できない場合には、都道府県が「対策強化宣言」を出して症状がある人に外出の自粛など慎重な行動を要請できるようにしています。


2022.11.12-60thメーテレ-https://www.nagoyatv.com/news/syakai.html?id=000275534
新型コロナ“2類相当”見直しどうなった?厚労省「議論は止まっている」なぜ
サタデーステーション 11月12日

  政府は第8波に備え、新たに各都道府県が「対策強化宣言」を発出できるようにすると発表。これにより知事は市民に対し、大人数での会食やイベントへの外出自粛要請、さらに、医療ひっ迫が想定される場合、帰省の自粛やイベントの延期等も要請できるようになります。 20代女性)「嫌だな。3年間コロナが流行ってるのに、同じ対策しかできないのかなって」

  入院患者の多くは“コロナ軽症” しかし、すでに医療危機は始まりつつあります。札幌市のこちらの病院では、一般コロナ病床は20床が用意されていますが、既に16床が埋まっています。北海道では今週、過去最多の新規感染者が確認され、高止まりの状態が続いています。 KKR札幌医療センター 齋藤拓志 診療部次長)「保健所から札幌市内で受け入れができる病院がかなり減ってきて、病床数がかなりまずいという連絡がきています」 救急患者の受け入れにも影響が出ています。
  コロナ軽症のこの患者さんは療養中に骨折。他の病院で受け入れができず、搬送されてきたといいます。入院患者の多くはコロナ軽症ですが、コロナ以外の治療が必要なため病床が埋まっているのです。 齋藤拓志 診療部次長)「一番の問題は、救急治療が終わった後の受け入れ先の(リハビリなどを行う)慢性期の病院が、次々とクラスターを起こしていること。そうなるとそこに患者さんが送れなくなってしまう。すると、うちの病院のベッドが、送れない患者さんで埋まってしまい、新たな救急の患者を受けられなくなってしまう」
  厚労省「“2類相当”見直し議論は止まっている」 こうした中、再燃しているのが、新型コロナの扱いを見直すかどうかの議論です。兵庫県の尼崎市と市医師会は11月4日、新型コロナの感染症法上の分類を「2類相当」から、インフルエンザと同等の「5類相当」に変更するよう、厚労省へ要望書を提出しました。
  現状の「2類相当」では発熱患者などの診察や入院を一部の指定医療機関に限定しています。そのため、診療する“受け皿”が少ないことに加え、例えば心筋梗塞や骨折などの救急患者がコロナ陽性だった場合に、搬送先の確保に時間を要し、治療が遅れるケースがあることも問題になっています。
  「5類相当」への引き下げの検討は、実は2020年から行われていますが、感染拡大の“波”が来る度に、立ち消えになってきた経緯があります。 岸田総理)「専門家の意見も伺いながら議論は続けていきたいと思っています」 10月には水際対策緩和なども始まり、感染者数は落ち着きをみせていましたが… 岸田総理)「議論を続けています」 私たちの取材で、厚労省での議論も、現状、ストップしていることが新たにわかりました。 記者)
  「Q.5類への引き下げ議論は今どうなっている?」 厚生労働省担当者)「今は止まっています。少し前は多少議論の準備に取り掛かっていましたが同じ部署で今国会の感染症法改正に向けた対応と、第8波への対応を同時にやっているので、分類見直しの議論はほぼゼロといっていいです」
   分科会「感染力と変異が分類見直しの障害」 東京都によると、新型コロナの“波”ごとの死亡率は下がってきていて、第7波ではおよそ0.09%でした。
   新型コロナの扱いを見直し、多くの病院で一般診療ができるようにならないのでしょうか
   分科会メンバーの釜萢委員は、「感染力」と「変異」を理由にあげます。 新型コロナ対策分科会 釜萢敏委員)「発熱された方に対応する受け皿を更に増やしたいという思いはみんな共通して持っていて、今全力で取り組んでいるんですけれども、感染対策はきちっとやって診療に従事しないと医療従事者みんな罹患してしまって医療機関を止めなければならないということにもなる。「そしてウイルスの株が大きく変わることによって、だいぶ性質が変わってきてしまうことですね」
   感染力が強く、病院側の強力な感染対策が求められるため、多くの医療機関で一律に診ることが難しいと指摘します。 都内で発熱外来を開く医師は… グローバルヘルスケアクリニック 水野泰孝院長)「どうしても“2類相当”という言葉の重さが医療を提供する側としては重い響きがある。その響きで『当院は見られない』などある種言い訳みたいなものが出ている。」 “受け皿”を増やすために必要なことが2つあるといいます。 水野泰孝院長)
   「一番の変えなきゃいけないことは『1.特別視をしない』ということ。そして我々医療従事者へ『2.感染対策のスキルが浸透』していって医療従事者側に安心感とかそういったものを与えられることによって医療体制が元に戻っていくと思う。
  新型コロナよりも前に発熱患者さんを診ていた医療機関であれば、少なくとも熱の患者さんを診療できるように協力をいただきたい」
サタデーステーション 11月12日










2022.11.11-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20221111-7Y3GRQDGVZJS5NZQZC62XUMWAI/
第8波・同時流行懸念も接種伸び悩み 対策手詰まり-(竹之内秀介)

  政府が新型コロナウイルスの流行第8波」に対応するため、「対策強化宣言」を新設し、自治体がこれまでより強力な外出自粛要請などを出せるようにした背景には、新型インフルエンザとの同時流行への懸念がある。医療逼迫(ひっぱく)の回避は岸田文雄政権にとって最重要課題だからだ。ただ、オミクロン株対応のワクチン接種も伸び悩んでおり、対策に手詰まり感も見える。

  政府の新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長は11日の記者会見で、「緊急事態宣言や蔓延(まんえん)防止等重点措置を出さずに医療の機能不全を避けるべきだ」と述べ、行動制限を用いずに第8波を乗り切る姿勢を示した。
  すでに、ピーク時には新型コロナとインフルエンザをあわせ、1日75万人の患者が発生するとの予測0もある。直近1週間の新型コロナの全国の新規感染者数は前週比で1・4倍となっており、尾身氏は「新しい波に入りつつある」と指摘する。
  政府が今回示した対策強化宣言は、第7波で用いた「BA・5対策強化宣言」を拡充した内容で、都道府県は重症化リスクの高低にかかわらず外出自粛要請などを出せるようになった。
  年末にかけてクリスマスや忘年会など会合の機会が増えそうなこともあり、感染拡大が本格化する前に新たな対策を示す必要があると判断したためだ。あらゆる年代に呼び掛けることで、同時流行時に懸念される発熱外来の逼迫を避けたい考えだ。
  ただ、緊急事態宣言蔓延防止等重点措置であれば営業時間の短縮要請などを行えたが、対策強化宣言や、さらに強力な「医療非常事態宣言」でも罰則のある行動制限は実施できない。合わせて、政府は新型コロナワクチン接種の体制整備も進めているが、接種率は低い水準にとどまっているのが実情だ。

  与党内からは「過去最多の感染者数が見込まれる状況で、『帯に短したすきに長し』の内容だ」(閣僚経験者)と新たな宣言の実効性を問う声も上がっている。
(竹之内秀介)


2022.11.11-TBS NEWS DIG.-https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/201264?display=1
コロナ“第8波”に備え「対策強化宣言」を創設  外出自粛などの要請も検討

  コロナの“第8波”に備えて政府は、夏の第7波以上の感染状況となった場合に、各都道府県が外出自粛の要請などを行えるよう検討していることが分かりました。

  関係者によりますと“第8波”に備えた新たな方針では、現在5段階となっている感染状況のレベルのうち感染者がいない「レベル0」を無くすとしています。
  そのうえで“第7波”以上の感染状況となった場合をレベル3の感染拡大期」に位置づけ、リスクが高い行動を避けるよう都道府県が要請できるようにするとしています。
  さらに、医療が機能不全に陥った場合を最も深刻なレベル4の「医療ひっ迫期」とし、外出や移動は不可欠なものに限るよう呼びかけるとしています。
  政府は、こうした方針をきょうのコロナ分科会で示す見通しです。


2022.11.09-Yahoo!Japanニュース(朝日新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/8c1238301f124993ae33370bdbdb8a546d92f24a
第8波の兆し、全都道府県で感染1.4倍 BQ.1への置き換わりも
(枝松佑樹、市野塊、辻外記子)

  新型コロナウイルス対策を厚生労働省に助言する専門家組織(アドバイザリーボード)は9日、直近1週間の新規感染者数が全都道府県で増加して前週比1・4倍となり、「第8波」の兆しがあると分析した。流行株はオミクロン株の派生系統「BQ.1」に置き換わる可能性も示した。

  加藤勝信厚労相は会合で、病床使用率の上昇、重症者数の増加などの傾向に触れ、「いわゆる第8波につながる可能性もある」と述べた。  全国の新規感染者数は、直近1週間で1日平均6万3343人。今夏の「第7波」ピーク時の22万人超から10月中旬には約2万5千人に減っていたが、9月下旬並みの水準に戻った。
  ただ、増加ペースは「第7波」ほど急激ではない。感染状況は地域差が大きく、前週比でみると徳島県が1・69倍、宮城県が1・66倍、福井県が1・60倍など。東京都は1・51倍、大阪府は1・24倍だった。北海道の新規感染者数は8~9日に2日連続で過去最多を記録した。
   内閣官房によると、8日時点の病床使用率は長野県48%、群馬県47%、茨城県44%、北海道40%など、6道県で40%に達した。重症病床使用率は低い水準にとどまっている。
   影響も出始めた。総務省によると、救急患者の搬送先がすぐ決まらない「救急搬送困難事案」のうち、コロナ感染が疑われる事案は6日までの1週間に全国で823件あり、前週から48%増えた
   また、国立感染症研究所は不確実性が高いとしつつ、現在は「BA.5」が主流だが、12月第1週にはBQ.1(BQ.1.1も含む)が79%を占めると推定した。BQ.1BA.5から派生し、ワクチンや感染で得た免疫の一部が効きにくいとみられ、欧州や米国を中心に広がっている。
   一方、専門家組織は、同時流行が懸念されている季節性インフルエンザは、まだ大規模な流行はみられないと分析した。
   松野博一官房長官は9日の記者会見で、流行する変異株がオミクロン株と同程度の感染力や病原性であれば、「新たな行動制限は行わない」との政府方針を示した。全国旅行支援については「都道府県が継続の可否を判断するが、政府としても適切に判断していきたい」とした。
(枝松佑樹、市野塊、辻外記子)朝日新聞社


2022.11.08-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20221108/2000068049.html
新型コロナ「大阪モデル」 警告示す「黄色」に引き上げ

  新型コロナの感染者数や病床の使用率が増加傾向にあるとして、大阪府は対策本部会議を開き、感染状況などを伝える独自の基準「大阪モデル」8日から警戒を示す「黄色」に引き上げることを決めました

  大阪府内では、新型コロナの一日の新規感染者数が前の週の同じ曜日を上回る日が続くなど増加傾向にあり、病床の使用率は7日まで2日連続で20%を上回りました。こうした状況を受けて、大阪府は8日、対策本部会議を開き、感染状況などを伝える独自の基準「大阪モデル」を、いまの警戒解除を示す「緑」から警戒を示す「黄色」に引き上げることを決めました。
  大阪モデルが「黄色」になるのは先月(10月)10日以来で、大阪府は、日没後に万博記念公園にある太陽の塔を黄色くライトアップするなどして、府民に感染対策の徹底を呼びかけることにしています。会議では、子どもを含めて新型コロナワクチンを早期に接種することや、高齢者を中心にインフルエンザワクチンの接種も受けることを検討するよう、あわせて府民に呼びかける方針を確認しました。
  会議のなかで吉村知事は「これから冬に向けて感染拡大の波が来る可能性がある。発熱した場合などに備え、自宅に新型コロナの検査キット解熱剤を備蓄してほしい」と述べました。
【同時流行で5万人超感染も】
  大阪府は8日の対策本部会議で、新型コロナとインフルエンザが同時流行した場合の感染者数の試算を公表しました。
  それによりますと、府内での一日の感染者数は最大で、新型コロナは第7波を上回る3万1000人、インフルエンザは2万3000人で、あわせて5万4000人に上る可能性があるとしています。これについて吉村知事は、「非常に多い人数で、とても発熱外来では受け入れられない。高齢者や妊婦、子どもなどが優先して医療を受けられるよう、重症化リスクの低い人たちはできるだけ検査キットで自分で検査をし、オンライン診療などを活用してほしい」としています。
  一方で、大阪府は、同時流行した場合、小児診療が可能な医療機関がひっ迫するおそれがあるとして、12歳以下の子どもについても家庭でキットを使って検査することを推奨しています。
  大阪府は、家庭で行った検査で、新型コロナへの感染が確認されればコロナ患者に対応している医療機関を、感染が確認されなければかかりつけ医を受診するよう呼びかけていて、これにより一部の医療機関に患者が集中することを抑えたいとしています。
【専門家“第8波入り口に”】
  現在の感染状況について、関西福祉大学の勝田吉彰 教授は、「『第8波の入り口』にさしかかっているところで、今後、気温や湿度が低下して換気がしにくい状況になると、感染者数はさらに増加するおそれがある」と懸念を示しました。
  また、医療提供体制については、「この冬はインフルエンザのほか、感染性胃腸炎やRSウイルスなど、ほかの感染症の流行も懸念されていて、いずれも発熱やせきなど似た症状があるため、医療機関に大きな負担がかかるおそれがある。行政と地域の医療機関が協力して発熱外来や病床を確保できるよう早めに準備を進める必要がある」と指摘しました。
  今後の見通しについては、「今のところ新しい変異株に置き換わる兆しは見られておらず、感染者数が第7波を大幅に上回るような規模になるとは考えにくい。ただ、もし新たな変異株による感染が急拡大した場合は、行動制限をかけるなど強い対策を検討する必要がある」として、感染状況に応じた対応が必要だという考えを示しました。
  対策については、「個人個人が手洗いや部屋の換気などこれまでどおりの対策を徹底するとともに、自宅で療養する場合に備え、検査キットや解熱剤などをあらかじめ購入しておくことも必要かもしれない。また、ワクチン接種については、感染者が増えると予約が取りづらくなる可能性があるので、早めに予約し、接種してほしい」と呼びかけました。


2022.10.21-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221020/k10013865661000.html
新型コロナ専門家会合 新規感染者数増加続く可能性 第8波も

  新型コロナウイルス対策について助言する、厚生労働省の専門家会合が開かれ、全国の新規感染者数は増加に転じ、増加傾向が続く可能性があると指摘しました。専門家はヨーロッパやアジアの一部の国々の状況からみても「第8波」が起きる可能性が非常に高いと分析しています。

  専門家会合は、新型コロナの現在の感染状況について連休の影響を考慮する必要があるとしたものの、ほぼすべての地域で増加に転じ、特に北海道や東北で大きく増加していると指摘しました。
  高齢者の新規感染者数も増加に転じていて、減少が続いていた重症者や亡くなる人の数は下げ止まりとなっているとしています。また、ワクチン接種や感染によって獲得した免疫は時間とともに低下すると考えられ、60代以上では感染による免疫の獲得は少ないことから、今後、高齢者での感染拡大が懸念されると指摘しました。
  そして、不確実性はあるものの、大都市などでの短期的な予測では増加傾向が続く可能性があるほか、インフルエンザとの同時流行も懸念されるとしています。会合では、専門家が今後の感染拡大の「第8波」のリスクについての評価を示し、国内の多くの地域で感染者数が増加に転じていることや、ヨーロッパやアジアの一部の国々で感染拡大が起きている状況などから「第8波の流行が起こる可能性は非常に高いと考えられる」と分析しました。
  専門家会合は、高齢者や重症化リスクの高い人に限られた医療資源を適切に提供するための医療体制の強化と重点化や、新型コロナとインフルエンザのワクチン接種を進めることが重要だとしました。そして、感染者数が膨大となり医療のひっ迫が生じた場合や、ウイルスの変異で病原性が強まった場合などは、行動制限を含めた強力な措置が考えられると指摘しました。
  そのうえで改めて、場面に応じた正しい不織布マスクの着用や換気を行うこと、飲食はできるだけ少人数で飲食時以外はマスクを着用すること、症状があるときは外出を控えることといった基本的な感染対策を続けるよう求めました。
前週比1.35倍 およそ2か月ぶりに増加
  厚生労働省の専門家会合で示された資料によりますと、19日までの1週間の新規感染者数は、全国では前の週と比べて1.35倍と8月下旬以来およそ2か月ぶりに増加に転じています。
  首都圏の1都3県では-▼東京都が1.25倍-▼神奈川県が1.16倍-▼埼玉県が1.23倍-▼千葉県が1.20倍と増加に転じています。
関西では-▼大阪府が1.40倍-▼兵庫県が1.49倍-▼京都府が1.22倍
東海でも-▼愛知県が1.28倍-▼岐阜県が1.46倍-▼三重県が1.45倍となっていて-▼和歌山県が1.75倍-▼北海道と香川県が1.60倍など、沖縄県を除く46の都道府県で増加しています。
人口10万当たりの直近1週間の感染者数は-▼山形県が426.49人と全国で最も多く-次いで-▼北海道が396.93人-▼秋田県が336.63人-▼長野県が325.63人などとなっているほか-▼大阪府が204.99人-▼東京都が169.36人-▼全国では196.71人となっています。
加藤厚労相「接触機会増加の影響を注視」
  加藤厚生労働大臣は現在の感染状況について「新規感染者数は増加に転じ、重症者数や死亡者数も下げ止まりとなっている。社会経済活動の活発化によって、人と人との接触機会が増加することの影響を注視していく必要がある」と指摘しました。
  そのうえで「新型コロナとインフルエンザの同時流行に対応するため、地方自治体に地域の実情に応じた外来などの体制整備をお願いしており、緊密に連携して備えていきたい」と述べました。
脇田座長「気候の要因なども踏まえて注意必要」
  厚生労働省の専門家会合のあと開かれた記者会見で脇田隆字座長は、現在の感染状況について「第7波では、中国や四国、九州・沖縄など西日本の感染レベルが高く、東北地方や北陸はそれほどではなかった。しかし、いま、北日本中心に感染者数の増加のスピードが速くなっていて、寒くなっている地域から感染拡大が始まっているかもしれない。こうした気候の要因なども踏まえて今後、感染拡大の状況を注意して見ていく必要がある」と指摘しました。
  そのうえで、感染拡大の「第8波」が始まったのかと問われたのに対し「先週の連休の影響や検査の実施状況なども含めて評価すべきだ。一過性の増加なのか、次の感染拡大の波となるか、しばらく様子を見ていく必要がある」と述べました。
専門家「第8波の流行が起こる可能性は非常に高い」
  20日に開かれた専門家会合では、東北大学の押谷仁教授や京都大学の西浦博教授ら専門家が感染拡大の「第8波」のリスクについてまとめた資料を示し、「第8波の流行が起こる可能性は非常に高いと考えられる」と評価しました。
  この中で専門家は、現在の新型コロナウイルスについて、広がるスピードや感染した場合の重症度、それに感染する可能性のある人の多さなどを考慮したうえで最近の感染状況を踏まえてリスクを評価しています。
  それによりますと、「第8波」のリスクについて、国内では多くの地域で感染者数が増加に転じているほか、海外でもECDC=ヨーロッパ疾病予防管理センターの報告ではヨーロッパの30か国中17か国で感染者数の増加傾向が見られ、アジアでもシンガポールなどで増加傾向が見られるとして、「第8波の流行が起こる可能性は非常に高いと考えられる」としています。
  また、アメリカ・ノースカロライナ大学のグループの研究で、ワクチンの重症化予防効果が8か月程度で下がってきているという報告を紹介したうえで、多くの高齢者は3回目の接種から8か月たっているとしたほか、4回目の接種率が76%程度であることや、60歳未満の多くの人は今後4回目の接種となることが第8波のリスクに影響する可能性があるとしています。
  また、感染状況に影響する可能性があることとして、日本では人口あたりでみた感染者の割合が海外よりも低いことも挙げています。
  これに加えて、呼吸器に感染するウイルスが流行しやすい冬に向かっていくことや、12月以降、忘年会などさまざまなイベントがあることや人の移動が増えていることが感染拡大のリスクを高め、冬場には心筋梗塞や脳卒中などで救急患者が多くなることもあり、「第8波」でも医療ひっ迫が起きるリスクは高いと考えられるとしています。
  押谷教授は会合のあとの会見で「感染の波が少しずつ立ち上がっている可能性があり、『第7波を超える規模になるかはまだ分からないが、大きな流行や医療がひっ迫する状況は避けなければいけない」と述べました。
  また、京都大学の西浦博教授は取材に対して「すでに『第8波』が始まっていると考えている。都心部や北海道など全国的に増加傾向にある。これまで自然に感染する人の割合があまり多くなかったところで、特に増えているようだ」とコメントしました。







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