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日本の不祥事-12月~2023年12月


2023.12.30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231230-2NJSJMXNLZJ5NJ4ACG2CP4XGJQ/
A氏も聴取 安倍派事務総長経験者4人全て 東京地検、不記載事件

  自民党の派閥のパーティー収入不記載事件で、東京地検特捜部が安倍派(清和政策研究会)の実務を議員側で仕切る事務総長経験者で、A元文部科学相を任意で事情聴取していたことが30日、関係者への取材で分かった。

  A氏は安倍派からパーティー収入の一部を政治資金収支報告書に記載せずに少額の還流を受けたとされ、特捜部は派閥全体や個人での不記載の経緯を確認したとみられる。
  不記載が疑われている平成30年~令和4年に事務総長を務めたA氏、P前官房長官、O前経済産業相、Q前国会対策委員長はいずれも任意聴取を受けたことになる。
  政治資金規正法では、収支報告書の提出義務が会計責任者にあると規定。不記載は5年以下の禁錮または100万円以下の罰金で、共謀が成立すれば、会計責任者以外でも罪に問われる。


2023.12.30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231230-JDJDJG5ZRFO3TNZBG4WNYRBBGM/
<独自>二階派、パーティー収入操作か 報告書分析 支出に合わせ過少記載

  自民党の派閥のパーティー収入不記載事件で、二階派(志帥会)が毎年の支出額に合わせて政治資金収支報告書に記載するパーティー収入額を操作していた疑いがあることが29日、収支報告書の分析で分かった。記載される総収入額が支出額とほぼ一致するようにパーティー収入額を過少記載するなどし、残額をプール金にするなど裏金としていた可能性がある。

  東京地検特捜部はパーティー収入の不記載額が5年間で1億数千万円に上るとみて、安倍派(清和政策研究会)と並行して捜査を進めているもようだ。
  二階派は所属議員に課したパーティー券の販売ノルマを超えた分をキックバック(還流)。還流分は二階派と議員側の収支報告書に記載していたが、パーティー収入は平成30年~令和4年分で1億数千万円分を不記載にしていたとされる。
  産経新聞は二階派の5年間の収支報告書を分析。所属議員の関連団体への寄付のうち、金額も時期も一定のいわゆる「氷代」「モチ代」を除外し、パーティーの数カ月後に一斉に異なる金額で寄付されたものを還流額として推計した。
  二階派の所属人数はほぼ一定のため、ノルマ額は一定と仮定。推計される還流額とノルマ額をあわせ、推計される実際の収入額を算出した。
  本来、パーティー収入が増えるほど議員への還流は増えるため、パーティー収入額と還流額の増減は連動する。だが、収支報告書のパーティー収入記載額は推計還流額と連動せず、本来は無関係のはずの支出額と密接に連動。支出額は、ほかの寄付もあわせたその年の記載総収入額とほぼ一致していた


2023.12.29-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231229-LHW3AAVRUZNGRGXT6URNGUOHNU/
<独自>安倍派幹部、パーティー収入還流再開で協議か

  自民党の派閥のパーティー収入不記載事件で、安倍派(清和政策研究会)が令和4年にパーティー収入の一部を所属議員にキックバック(還流)していた慣例を変更する前に、複数の安倍派幹部が協議していたことが28日、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は、同年分の政治資金収支報告書にパーティー収入の一部を記載しなかった経緯についても幹部が把握していた可能性があるとみて、慎重に調べている

  安倍派は所属議員に課したパーティー券の販売ノルマ超過分を収支報告書に記載せずに議員に還流する慣例を長年続けていたが、関係者によると4年は慣例を停止するため、パーティー券をノルマ以上売らないよう議員側に通達。その後、議員側から反発を受け、この年はノルマ超過分を従来通り一部の議員側に還流したとされる。
  関係者によると、慣例を停止する方針を安倍派が議員側に通達する前や、方針を撤回して従来通り議員側に還流する前に、複数の安倍派幹部が方針について協議していたという。
  その後、安倍派は4年のノルマ超過分は議員に還流することを決定し、実際に議員側に還流。ノルマ超過分のパーティー収入や議員への還流分は4年分の収支報告書には記載されなかった今年は改めてノルマを超えてパーティー券を売らないよう通達し、還流を停止したという。
  特捜部はP前官房長官ら安倍派幹部を任意で事情聴取。還流分を自身の関連団体の収支報告書に記載しなかった経緯のほか、安倍派全体の不記載の経緯についても確認を進めている。


2023.12.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231228-EU3VJHHZ5FI7BC73BVXR3S7LIA/
父親の因縁超え「共闘」、生粋の〝壊し屋〟 2世の神輿・江東区長選買収(上)

  机に置かれた封筒は、やけに分厚くみえた。  「お届けしたいものがある」。今年2月、東京都江東区の自民党の男性区議に、地元選出の衆院議員であるA(52)の秘書から突然、連絡が来た
  区議は、2カ月後に控えた区長選で自民党都連が支援する元都議の山崎一輝(51)を支援していた。Aが、対立候補として名乗りを上げていた元衆院議員、木村弥生(58)を裏で支援していることは知れ渡っている

封筒に1万円札20枚
  なぜ、敵陣営の自分に声をかけたのか。訝しむ区議に対し、秘書は「区議選の陣中見舞いです」と言い含め、封筒を置いていった。中には1万円札が20枚。区議は一晩、その意味を考えた
  野党を転々とした末に自民党議員となったAは、都連幹部の山崎らの反対で、選挙区支部長には就任できていなかった。だが、山崎が落選すれば…。意味を悟った区議は翌日、秘書に封筒を返した
  4月、木村は当選し、山崎は落選。区内の勢力図は激変した。翌月、A本人と、この区議の姿が都内の飲食店にあった。Aは改めて現金の入った封筒を手渡した。区議に断る理由はもうなかった。  そして7月。A柿沢は支部長に就任した。
「異常な選挙なんだ、江東区は」
  「オイサー、コリャサー」  今から10年ほど前の夏。400年近い歴史を誇る江東区の富岡八幡宮の例大祭で神輿(みこし)を担ぐ2人の衆院議員の姿があった。
  一人は野党だったA。もう一人は、後に汚職事件で東京地検特捜部に逮捕、起訴され、実刑判決を受けることになる自民党のB=控訴中=
だ。
  与党の選挙区支部長であるAがまとう半纏(はんてん)は、50基以上ある神輿を全て担げる権利を示した特別なもの。一方、Aのは1基しか担げない半纏だった。  だが、後ろには別の町内会の50枚以上の半纏をリヤカーに載せた秘書が控えていた。神輿を担いでは着替えるA。2人は互いに目を合わすこともなく、神輿を担ぎ続けた。
  東京ビッグサイト、有明アリーナなど大型イベント施設を多く抱える近未来的な臨海部と、古き良き「江戸の下町」の薫りが共存する街。「異常な選挙なんだ、江東区は」。A事務所の元関係者はこう評する。
  NHK記者を経て平成13年に都議となったAは、酒気帯び運転が発覚し都議を辞職した後、みんなの党の衆院議員として21年に初当選。野党を渡り歩きながら、厳しい選挙を戦い抜いてきた。
  国会のため週末しか地元に帰らない地方選出の議員と異なり、東京選出の国会議員は平日も地元にいる。江東区は選挙区が分割されておらず、熱気は地方以上だ。選挙の1カ月以上前から陣営の街宣車が走り、ビラの窃盗事件が発生しても驚く者はいない。「これがここじゃ普通なんだ」。自民党関係者はにべもない。
AとBに共通の敵
  まだBが立候補を表明する前の今年初め、Aを慕って訪れた区議は、事務所に見慣れないジャンパーが大量に積まれているのに気付いた。Aのシンボルカラーは名字にちなんだ「柿色」。大量に積まれたそれは、水色だった。疑問はその後まもなく解かれる。「クリーンな政治を」。そう訴え、区長選への立候補を表明したBのカラーが水色だったからだ。
  AとBには、親子2代にわたる因縁がある。Aの父は元衆院議員の弘治。Bの父は元都議で元衆院議員の勉。弘治と勉は当初、コンビを組んでいたが、後に仲違いして衆院選で2度戦った。
  本来はつながるはずのない「AとB」には、共通の敵がいた。山崎親子だ。山崎の父親は区長を4期務め、区長選直前に亡くなった孝明。都議時代に木村勉と争い、勉の引退後も対立した。

  政党を渡り歩いてきた性(さが)なのか。共通の敵を倒すため、Aは不倶戴天のはずのBに声をかけ、逮捕された。ある区議は言う。「Aはどこにいってもクラッシャー(壊し屋)。組んではだめなんだ」
  江東区長を辞職したB、区長選を巡る買収容疑で逮捕された衆院議員のA。区長選で落選した山崎。2世議員を「神輿」に担ぎ、担がれた選挙でなぜ買収事件が起きたのか。歴史をひもときながら検証する。(敬称略)


2023.12.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231227-N76QYSUU7ZO5BGVLYPZGD47HSE/
<独自>安倍派幹部、虚偽説明認識か 政策活動費、支給痕跡なし
(久原昂也、星直人、川島優治、山本玲)

  自民党の派閥のパーティー収入不記載事件で、安倍派(清和政策研究会)が所属議員にキックバック(還流)した分の原資として説明していた党からの「政策活動費」派閥に支給された痕跡がないことが26日、政治資金収支報告書の分析で分かった。安倍派の説明が虚偽の可能性が高まった。東京地検特捜部は、同派幹部も虚偽説明だと認識していた疑いがあるとみているもようだ。

  政策活動費政党から政治家個人に支出される政治資金で、収支報告書に記載する必要がないパーティー収入を巡っては安倍派以外の4派閥も収入の一部を議員に還流していたが、収支報告書に「寄付」として記載していた。仮に安倍派の還流分が政策活動費だったとすれば、同派のみが還流分に相当する額の政策活動費を毎年、党から同派幹部が受け取り、個々の議員に配分していたことになる。
  産経新聞は平成30年~令和4年の自民党の収支報告書を分析。政策活動費が支給された議員の所属派閥別、党の役職別の支給額を集計し、年ごとの変動を検証した。派閥ごとの変動は一貫性がなく、所属議員が幹事長など党の要職に起用されると、支給額が跳ね上がる傾向がみられた。党の役職ごとの支給額は、衆院選の年は増えるなどの変動はあったものの、役職に応じて一定の幅の金額で支給されている傾向が確認できた。
  安倍派は幹部に対する政策活動費の支出はあったものの、いずれも党の役職就任時。安倍派として支給された痕跡は確認できず、政策活動費は派閥別ではなく、党の役職別に支給されていたとみられる。
還流名目に使用「詭弁」 専門家指摘
  そもそも政策活動費とは何なのか。専門家は「還流分が政策活動費というのは詭弁(きべん)だ」と指摘する。
  「政策活動費は使途の報告義務がない、いわば政党の裏金だ」  政治資金規正法に詳しい日本大の岩井奉信名誉教授は政策活動費について、こう説明する。
  政策活動費は各政党から政治家個人に支給される政治資金で、組織活動費とも呼ばれる。政治資金規正法が政治家個人への寄付を禁じるなかで、例外的に政党から政治家個人への寄付は認めているのが根拠だ。 政策活動費について政党は支出した議員名や金額、日付などを党の収支報告書に記載する義務がある。一方、受け取った政治家は、通常の寄付と違い、受け取ったことやその使い道を報告する義務はない
  自民党の派閥のパーティー収入不記載事件で、安倍派がパーティー券の販売ノルマを超えた分を還流する際に「政策活動費なので記載する必要がない」と議員や秘書に説明していたのも、そうした性質を踏まえたものだ。ただ、岩井氏はこの説明について「言い逃れの詭弁だ」と指摘する。
  そもそも政策活動費は、政党から派閥に直接支給できない平成30年~令和4年分の自民党の収支報告書に記載された政策活動費の変動を分析する限り、政策活動費は党の役職に準じて支給されているとみられる。
  5年間の政策活動費の支給総額は66億円。うち45億円は幹事長だ。他には国対委員長、選対委員長など党の役職者に数億円程度が支給されている。衆院選の年に選対委員長への支給が増えるなどしており、選挙関連にも支出されているとみられるが、政治家が派閥の会長や事務総長として支給を受けた形跡はない。
  岩井氏は、仮に党から安倍派を経由して議員に政策活動費が支給されていたとしても「安倍派から政治家の関連団体への寄付となり、収支報告書に記載しなければ虚偽記載になりうる」と分析。「還流分を政策活動費という名目で渡すという理屈は検察には通らない」とみている。(久原昂也、星直人、川島優治、山本玲)


2023.12.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231227-HKTJPRTAEZM4TBNPFDHQOVA65A/
B氏は不記載関与否定 東京地検、N氏も任意聴取

  自民党の派閥のパーティー収入不記載事件で、安倍派(清和政策研究会)座長のB元文部科学相が東京地検特捜部の任意の事情聴取に対し、安倍派がパーティー収入の一部を政治資金収支報告書に記載しなかったことへの関与を否定していることが26日、関係者への取材で分かった。安倍派幹部のN前政調会長を任意で事情聴取していたことも判明。特捜部は議員個人や安倍派全体の不記載の経緯について調べている

  特捜部はP前官房長官、Q前国対委員長、R前参院幹事長ら同派幹部を聴取いずれも周囲に不記載への関与を否定しており、特捜部にも同様の説明を維持したとみられる。
  N氏は安倍派から5年間で還流された計数百万円を収支報告書に記載しなかったとされる。


2023.12.26-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231226-JFANU2QKTBLSTKP2GWMRHR5RG4/
広島・安芸高田の「恫喝」問題 市に33万円の賠償命令 市長個人への訴えは棄却

  広島県安芸高田市の石丸伸二市長(41)から「恫喝を受けた」うその主張をされ名誉を傷つけられたとして、山根温子市議(67)が市と市長に損害賠償を求めた訴訟の判決で、広島地裁は26日、市に33万円を賠償するよう命じた。市長の言動は真実と認められず、名誉を損なったと認定公務員の職務中の行為だったとして、市長個人への訴えは棄却した

  訴状によると、石丸市長は令和2年9月、本会議中に男性市議が居眠りしていたと交流サイト(SNS)に投稿。さらに10月、この投稿を巡り山根氏ら複数の市議から「敵に回すなら政策に反対する」などと「恫喝を受けた」と投稿した。
  山根氏は市長の言動により支援者を失うなど社会的評価を損なったと主張し、市長個人に500万円、市長の公務中の行為だったとして市に330万円の賠償を求めていた。


2023.12.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231224-32DDRS425FIYPGY5MHVJ3KQ4LQ/
安倍派・B座長を任意聴取 不記載の経緯確認か パーティー収入

  自民党の派閥のパーティー収入不記載事件で、東京地検特捜部が安倍派(清和政策研究会)座長のB元文部科学相を任意で事情聴取したことが24日、関係者への取材で分かった。安倍派はパーティー収入の一部を政治資金収支報告書に記載せずに所属議員にキックバック(還流)B氏側も5年間で数百万円を還流されていたとされ、還流や不記載の経緯を確認したとみられる

  B氏は議員としてパーティー収入を還流されていたほか、安倍派の会長代理や座長として安倍派の運営にも関与。特捜部は安倍派全体の不記載の経緯についても捜査を進めている。
  安倍派では所属議員にパーティー券の販売ノルマを課し、ノルマ超過分を収支報告書に記載せずに還流することが慣例化。平成30年~令和4年分で総額5億円が裏金となった恐れがある。
  B氏は今年11月、記者団の取材に対し、安倍派から所属議員への還流について「そういう話はあったと思う」とした数時間後に「事実を確認しているわけではない」などとして撤回していた。


2023.12.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231222-7BYTESGE2BPW3CDHWA6VHOKHMA/
特捜検事の調べは「不適正」 参院選広島選挙区買収の河井事件で最高検判断

  令和元年年参院選広島選挙区の買収事件を巡り元広島市議が東京地検特捜部検事に供述を誘導されたと主張した問題で、最高検が調査した結果、取り調べは不適正だったと判断したとみられることが22日、関係者への取材で分かった。最高検は上司の指示など組織的な関与はなかったとみているという。近く調査結果を公表する方向で検討している。

  供述を誘導されたと訴えていたのはA元法相(60)から現金30万円を受け取ったとして、公選法違反(被買収)の罪に問われた元広島市議、B被告(68)=1審有罪判決、控訴中
  B被告は2、3年に行われた特捜部検事による任意聴取や、元法相の裁判に向けて別の検事と事実関係を確認した「証人テスト」のやりとりを録音。取り調べ担当の検事は「全面的に認めて、不起訴であったり、なるべく軽い処分にというふうにしたい」などと発言していた。


2023.12.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231222-CFMP7JHC3VPTPO6MSHFLQX3EBA/
<独自>C-1地方創生担当相も二階派離脱へ

  自民党二階派(志帥会)に所属するC-1地方創生担当相が、党派閥の政治資金パーティー問題を受け、派閥に退会届を提出したことが22日、分かった。二階派も受理する方向。複数の与党関係者が明らかにした。

  二階派は、派閥パーティー収入の一部が政治資金収支報告書に記載されていないとされる政治資金規正法違反の疑いで19日、東京地検特捜部の家宅捜索を受けており、二階派に所属していたA-1法相も20日に派閥を離脱している。


2023.12.21-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231221-6OOS5RXXDZI5HH5YSC6R23MTWM/
岸田政権で強まる麻生氏への依存 人事で存在感も不安の声
(末崎慎太郎)

  自民党の派閥パーティー収入不記載事件で窮地にある岸田文雄首相(党総裁)が、麻生太郎党副総裁への依存を強めている。首相を支持してきた最大派閥の安倍派(清和政策研究会)が政権中枢から離れるなどして首相の求心力が落ち、人事などで麻生氏への配慮が目立っているのだ。党内には傾注ぶりを心配する声もある。

  「もう誰も頼れる人がいない。副総裁としか話ができない」。党重鎮は首相の心境をこう推察した。
  麻生氏は安倍派のP前官房長官らが更迭不可避の情勢となっていた9日、首相公邸を訪れ、首相と約2時間に渡り意見交換した。安倍派の4閣僚らが14日に辞任した後も、18日に約40分間、20日に約30分間、それぞれ首相官邸で首相と会談している
  麻生氏は官房長官人事について、浜田靖一前防衛相を念頭に無派閥議員の登用を進言した。首相も側近を通じて浜田氏に打診したが固辞され、浜田氏は国対委員長に落ち着いた。
  党人事では、早くから安倍派の西村明宏国対委員長代理を、国会対策に精通する御法川信英元財務副大臣に交代させる案が持ち上がり、浜田氏も御法川氏起用を希望した。政権にとって、来年の通常国会での予算や減税に向けた税制改正関連法の早期成立は反転攻勢に不可欠であり、御法川氏の経験が必要だと考えたためだ。
  しかし、御法川氏は昨年2月、麻生派(志公会)を退会し、麻生氏との間にしこりがあるため、調整が難航。西村氏と御法川氏が国対幹部として共存する「折衷案」(国対幹部)が採用されることになった
  9月の内閣改造では、首相は安倍派のN政調会長に信頼を置き、最初の相談相手に選んだ。しかし、N氏は裏金疑惑が直撃し、政調会長辞任を表明した。首相や麻生氏と政権中枢を担っている茂木敏充幹事長は「ポスト岸田」に意欲を示しており、首相と距離が生まれている
  安倍派が抜けたことでバランスが崩れ、首相は「親戚の叔父さんのような存在」(首相周辺)ともいわれる麻生氏に一層、頼らざるを得なくなっている。麻生氏も「政権を真ん中で支えると繰り返している。
  ただ、ベテラン議員は「党が危ないときに、好き嫌いで人事を決めるのは国民にもよく映らない」と麻生氏の影響力が強まりすぎることを懸念する。党重鎮はこうこぼした。「人間は孤独になれば、誰かを頼りたくなる。悲しいさがだよな」
(末崎慎太郎)


2023.12.21-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231221-QL5EB4I5HNLFHNBCLNHEJBFPWU/
<独自>安倍派会長権限も捜査 不記載事件で東京地検 パーティー、最大の収入源

  自民党の派閥のパーティー収入不記載事件で、最大派閥・安倍派(清和政策研究会)のパーティー収入が記載分だけで年間収入の5~7割に上っていたことが20日、政治資金収支報告書の分析で分かった。安倍派が令和4年、パーティー券をノルマ以上売らないよう通達していたことも判明。だが、その後、引き続きノルマ超過分は一部議員にキックバック(還流)されていた。

  重要な方針変更のため、会計責任者が派閥トップの会長や派閥の実務を仕切る事務総長などに相談した可能性がある。東京地検特捜部は最大の収入源が不記載となった経緯について、会長の関与の有無や権限の解明が不可欠とみて、慎重に捜査を進めているもようだ。
  清和政策研究会は平成26年12月から故細田博之前衆院議長が会長を務め、令和3年11月に故安倍晋三元首相に交代。安倍氏が亡くなった4年7月以降、会長は空席となっている。両氏とも死去しており、関与の有無に関わらず、刑事責任を問われることはない
  平成30年~令和4年分の収支報告書によると、安倍派では繰越金を除いた年間収入の総額は10億8804万円記載されたパーティー収入は総額6億5884万円で年間収入の5~7割を占めており、いずれの年も最大の収入源だった
  記載されなかったノルマ超過分は5億円に上るとされ、超過分を加えると、年間収入に占める割合は平均7割に高まる
  議員への資金援助は派閥の重要な役割とされる。特捜部はパーティー収入やその収支報告書への記載の管理に関する派閥内の役割分担の解明を進めているとみられる。


2023.12.20-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231220-WJWLBJ5YJFI77JYUU4S7RB77XM/
B-1法務政務官も二階派離脱意向

  自民党二階派(志帥会)に所属するB-1法務政務官が、党派閥の政治資金パーティー問題を受け、派閥を離脱する意向を示していることが19日、分かった。複数の自民関係者が明らかにした。二階派は派閥パーティーへの収入の一部が政治資金収支報告書に記載されていないとされる政治資金規正法違反の疑いで同日、東京地検特捜部の家宅捜索を受けた。

  A-1法相も所属する二階派を離脱する意向を示している。


2023.12.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231219-DSLD3BG5KJLHJMCL5O52B2IL3E/
A-1法相が自民・二階派を離脱する意向 東京地検家宅捜索

  自民党二階派(志帥会)に所属するA-1法相が、党派閥の政治資金パーティー問題を受け、派閥を離脱する意向を示していることが19日、分かった。複数の自民関係者が明らかにした。二階派は派閥パーティーへの収入の一部が政治資金収支報告書に記載されていないとされる政治資金規正法違反の疑いで同日、東京地検特捜部の家宅捜索を受けた

  関係者によると、Aー1氏は「国民の誤解を招くことがないよう派閥を離脱したい」との意向を派閥会長の二階俊博元党幹事長に伝え、二階氏も了承した。A-1氏の派閥離脱は20日付の見込み。


2023.12.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231219-4TVOYREGGFOXDBL4OEKZAHR4UM/
<独自>安倍派一部に全額還流 裏金疑惑 参院選前、選挙流用か

  自民党の最大派閥・安倍派(清和政策研究会)が所属議員に課したパーティー券の販売ノルマを超過した分を政治資金収支報告書に記載せず議員にキックバック(還流)していた問題で、参院選を控えた一部議員にはノルマ分も含めて全額を還流していたことが18日、関係者への取材で分かった。選挙などに流用された可能性がある。令和2年以降は少なくとも一部の議員側のノルマを半額にしていたことも判明。東京地検特捜部は、安倍派が政治情勢に応じてノルマや還流分の金額を調整していたとみて、近く安倍派の関係先を捜索し、実態解明を進めるもようだ。

  安倍派はパーティー券の販売ノルマ超過分を議員に還流。一部の議員側は超過分を安倍派に報告せず中抜きしていた。収支報告書には記載されておらず、平成30年~令和4年分の不記載額は10億円を超える恐れがある。
  関係者によると、安倍派は参院選の年は複数の参院議員について、ノルマ超過分も含めて集めたパーティー券代の全額を報告書に記載せずに還流していたという。
  自民党が政権復帰した直後の平成25年分以降の安倍派の収支報告書によると、記載されたパーティー収入は参院選のあった28年と令和元年は前年に比べて落ち込んだ。2年以降は1億円前後で推移、2億円超だった平成29、30年の半額だった。
  安倍派はノルマ超過分を除いてパーティー収入として記載していたとされ、参院選時の落ち込みや令和2年以降の収入半減は、一部への全額還流やノルマの半減が影響した可能性がある。平成24年分以前は同様の傾向は確認できなかった。


2023.12.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231218-IPSN3MG3VFLQNN2R6ITVA6TLAA/
安倍派18日にも家宅捜索 パーティー収入、事務総長も還流「把握」

  自民党の最大派閥・安倍派(清和政策研究会)がパーティー収入の一部を政治資金収支報告書に記載せずに議員にキックバック(還流)していた問題で、安倍派の会計責任者が周囲に対し、議員側で派閥の実務を仕切る事務総長が「還流を把握していた」と説明していることが17日、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は不記載の経緯確認に事務総長らの権限解明が不可欠とみて、政治資金規正法違反(不記載・虚偽記載)の疑いで18日にも安倍派の関係先を捜索するもようだ。

  安倍派を巡っては平成30年~令和4年分のパーティー収入のうち、所属議員に課したパーティー券の販売ノルマを超過した分を収支報告書に記載せずに議員に還流一部の議員はノルマ超過分を安倍派に報告せずに中抜きしていた疑いがあり、不記載は総額10億円を超える恐れがある
  関係者によると、特捜部は今年に入り、安倍派から会計書類などの提出を受けた上で、会計責任者に複数回、任意で事情聴取。今月からは聴取対象を議員の関連団体の会計責任者や議員にも広げ、パーティー収入の資金の流れや収支報告書に記載する手順などについて確認を進めてきた。
  会計責任者は還流が長年の慣行だったことを認め、こうした慣行について事務総長も把握している旨を周囲に説明しており、特捜部に対しても同様の説明をしているとみられる。
  政治資金管理団体としての安倍派は会計責任者が代表を兼務。政治資金規正法上、収支報告書の提出義務は会計責任者にある。一方、自民党の国会議員が所属する議員集団としての安倍派は会長をトップとし、事務総長が実務を仕切る。
  特捜部はパーティー収入の一部が収支報告書に記載されなかった経緯を把握するため、事務総長をはじめとする議員集団としての安倍派の権限や役割の解明も並行して進めるとみられる。


2023.12.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231216-LSWUIE5XMNJR7O6MAEN67LAALE/
安倍派議員任意聴取「ついに始まったか」 自民党内は戦々恐々

  自民党安倍派の政治資金パーティーを巡る裏金疑惑で、東京地検特捜部が同派議員への任意聴取を始めたことを受け、党内からは16日、「どこまで対象が広がるのか」と先行きに戦々恐々とする声が相次いだ。安倍派幹部まで聴取されれば、立件の有無にかかわらず「党全体に大打撃」(ベテラン)と危機感が広がる。

  安倍派幹部のO前経済産業相は同日、X(旧ツイッター)に「捜査に協力し、しかるべき時が来れば説明責任を果たしたい」と投稿した。同派若手は「ついに始まったか。聴取の規模が問題だ」と語った。
  岸田派中堅は「捜査が進んで疑惑の全体像が解明されるのを待つしかない」と言葉少ない。茂木派の1期生議員は「党全体が危機的状況だ。若手から声を上げて抜本的な改革をしないといけない」と気を引き締めた。


2026.12.16-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/national/20231216-OYT1T50174/
W-2・前副大臣を特捜部が任意聴取…区議への現金提供は認め、買収の趣旨否定か

  4月の東京都江東区長選を巡る公職選挙法違反事件で、東京地検特捜部が16日、衆院議員のW-2・前法務副大臣(52)(14日付で自民党を離党)から任意で事情聴取したことが関係者の話でわかった。W-2氏は、支援していた木村弥生・前区長(58)(辞職)が当選した同区長選前に区議らに現金を提供したことを認めた上で、買収の趣旨は否定したとみられる。

  W-2氏を巡っては、木村氏の当選目的で自民党区議ら5人に各20万円を渡すなど計100万円以上を提供した買収疑惑木村氏陣営による違法なインターネット有料広告掲載への関与、陣営スタッフ13人の活動費用約90万円を負担した運動員買収疑惑が浮上していた。
  さらに、木村氏の選挙運動に関わった元区議に対し、区長選後に「顧問料」名目で月額20万円を支払っていたことが新たに判明。特捜部は、選挙運動の謝礼の趣旨を含む買収資金の可能性があるとみて調べている。
  W-2氏は11月に支援者向けに出した文書で区議らへの現金提供を認めた上で、「区議選の立候補予定者への陣中見舞いで買収の意図はなかった」と説明していた。関係者によると、W-2氏は16日の聴取で、買収疑惑について特捜部に同様の説明をしたとみられる。
  特捜部は14日、衆院議員会館にあるW-2氏の事務所や同区内の自宅を同法違反容疑で捜索していた。


2023.12.15-毎日新聞-https://mainichi.jp/articles/20231215/k00/00m/040/303000c
福岡・宮若市長の辞職勧告決議案を可決 パワハラ問題で市議会
【武内靖広】

  福岡県宮若市の塩川秀敏市長がパワーハラスメントを繰り返していたとされる問題で、宮若市議会は15日、市長の辞職勧告決議案を賛成多数で可決した。決議に法的拘束力はなく、塩川市長は「決議は重く受け止めるが、現時点で辞職は考えていない」と述べた。

  この問題では、塩川市長が職員に「辞めろ」と暴言を吐くなど9件のパワハラ行為があったとして、複数の職員が市公平委員会に職場環境の改善を申し立てている。市議会は百条委員会を設置して調査している。
  辞職勧告決議案は定例会最終日のこの日提案され、賛成9、反対6で可決された。決議は「議会として看過できない。塩川市長はハラスメント行為への認識も希薄で、責任感のなさが散見された。リーダーとしての資質に欠け、市の未来を人権意識のない塩川市長に託すことはできない」などとしている。
  市議会は3月にも「市政運営が独善的」として問責決議案を可決していた。
【武内靖広】


2023.12.14-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/politics/20231214-OYT1T50137/
資金還流「ほんのわずかにあるようだ」…目を潤ませたU総務相、否定から一転

(1)
  自民党安倍派による政治資金パーティー収入の裏金化疑惑を受け、同派の4閣僚が14日午前、続々と首相官邸を訪れ、辞表を提出した。岸田政権の「辞任ドミノ」が相次ぐ中、U総務相(65)とT農相(65)は今年9月に初入閣した後、わずか3か月での交代となった。

「ほんのわずかに」
  これまで疑惑への関与を否定していたU総務相は午前9時半頃、官邸を訪れた。終始目を潤ませながら、記者団に対し、「国政の遅滞を招いてはいけないので、とどまるべきではない。総理からも『こういう状況だから、頑張って改革を進めていこう』という話があった」と語った。
  だが、その後に総務省で開かれた記者会見では、「しっかり調べないと分からないが、秘書と話をしたところ、(資金の還流は)ほんのわずかにあるようだ」と一転。「私としては裏金という意識はなかった」と述べ、確認を進める方針を示した。「(安倍派)全体として、自分たちの始末をしっかりしないといけない」と語った
「とばっちり」
  「志半ばという思いがある」。午前9時すぎ、官邸で辞表を提出したT農相は記者団に対し、そう心境を明かした。 その後の記者会見では、冒頭、数秒間沈黙。「パーティー問題に関連し、政治不信を抱かせる状況になっている」と述べ、「私の政治資金は、適切に処理されていると認識しているが、国政に遅滞を生じさせてはならないという思いから、総合的に判断した」と辞任の理由を説明した。
  その後の記者会見では、冒頭、数秒間沈黙。「パーティー問題に関連し、政治不信を抱かせる状況になっている」と述べ、「私の政治資金は、適切に処理されていると認識しているが、国政に遅滞を生じさせてはならないという思いから、総合的に判断した」と辞任の理由を説明した。
  就任からわずか3か月での辞任に、「農政の大きな転換点を迎えている中で今日をもって職を辞するというのは残念な思い」と悔しさをにじませた。
  ある農林水産省幹部は「とばっちりのような人事はかわいそうだが、安倍派の閣僚として身を引くのは仕方ない」と同情しつつ、「来年の通常国会に向け、新大臣と粛々と仕事を進めていく」と話した
相も変わらず…
  P官房長官(61)は午前11時過ぎ、官房長官として最後の記者会見に臨んだ。 この日も記者団から再三、裏金疑惑について質問が飛んだが、「この場は政府の立場でお答えしているものと認識しており、お答えは差し控えさせていただきたい」「いま派閥が事実関係の確認を進めているところであり、派閥に関して刑事告発がなされ、捜査がされていると報道もされている。適切に対応してまいりたい」と、従来の説明を繰り返すばかりだった。
  このほか、O経済産業相(61)は官邸で記者団に対し、「捜査が行われている中、けじめをつけなければいけない。早いタイミングで説明責任を果たしたい」と語った。
(2)
政務三役 辞任相次ぐ-岸田政権 2年余り
  岸田政権が発足して2年余り。今回、パーティー収入の裏金化疑惑を受けて4閣僚と5副大臣が交代することになっただけでなく、政務三役の辞任が相次ぐ。
  昨年秋に、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係を巡って曖昧な答弁を繰り返したV・元経済再生相(55)が辞任。それから1か月もたたないうちに、W・元法相(64)が「朝、死刑のハンコを押し、昼のニュースのトップになるのはそういう時だけ、という地味な役職だ」と死刑執行に関する職務を軽視する発言で辞任に追い込まれた。さらに、X・元総務相(65)が政治とカネの問題で、Y・元復興相(61)が公職選挙法違反の疑惑で、W-1・元総務政務官(56)が性的少数者(LGBT)への不適切発言で、次々に更迭された。
  今年も8月にX-1・元外務政務官(48)が洋上風力発電事業を巡る汚職事件で辞任すると、9月の内閣改造後、Y-1・前文部科学政務官(56)が不倫問題で、W-2・前法務副大臣(52)が公選法違反事件に関与した疑いで辞任。X-2・前財務副大臣(60)も税金を滞納していたことが明るみに出て、職を辞した

  「辞任ドミノ」が起きる度に、岸田首相の対応の遅さを指摘する声があがっている。


2023.12.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231214-R3SMYPJDOFI5FMQVHR7X67F3GQ/
柿沢未途元法務副大臣の自宅や会館事務所捜索 江東区長選買収巡り 東京地検特捜部

  東京都の江東区長選を巡る公職選挙法違反事件で、区長選で区議らに現金を配って買収した疑いがあるとして、東京地検特捜部は14日午前、公選法違反容疑で、都内にある元法務副大臣のA衆院議員=自民党=の自宅や東京・永田町の衆院議員会館の事務所などの捜索を始めた。木村弥生前区長=辞職=を支援していたA氏が区長選の買収の趣旨で区議らに現金を配った疑いがあるとみて捜査を進める。

  4月にあった江東区長選では、木村氏のほかに、元自民党都議で山崎孝明元区長の長男の一輝氏が立候補。自民党都連は山崎氏を支援していたが、A氏は江東区を地盤とする自民党国会議員でありながら木村氏を支援する保守分裂選挙となっていた。
  特捜部は10月、木村氏が区長選の選挙期間中に投票を呼び掛ける有料の動画広告を配信した公選法違反容疑で区長室などを捜索。捜査の過程でA氏側が複数の区議らに1万~20万円の現金を配っていたことが判明し、特捜部は区長選のための買収の疑いがあるとみて区議などを事情聴取。A氏の地元事務所を11月に捜索するなどして、全容の解明を進めていた。
  A氏は11月末、支援者らに経緯を説明する文書を配布。現金を配ったことを認めた上で、区議に対する陣中見舞いで、違法な点はなかったなどと釈明していた。


2023.12.13-毎日新聞-https://mainichi.jp/articles/20231213/k00/00m/010/368000c
“安倍派一掃”首相に向く憎悪 「一度は決意」でかじ取りが困難に

  自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金疑惑が渦巻く中、臨時国会が13日閉会した。岸田文雄首相は14日、安倍派の4閣僚らを交代させる人事に踏み切るが、副大臣・政務官を含む「安倍派一掃」は同派の反発で断念。首相は閉会後の記者会見で「政治とカネ」をめぐる改革に意欲を示したが、具体案については示さず、改革の実現は見通せない状況だ。

岸田派にも「汚点」
  「明日、人事を行うが、内容については今、調整を続けている」。首相は13日の記者会見で、翌日に控えた政務三役(大臣、副大臣、政務官)人事について慎重に言葉を選んだ。
  それもそのはず。首相が交代させるのは現在、政務三役に15人いる安倍派議員の一部にとどまる。安倍派は東京地検特捜部から集中的に捜査を受けており、事件化に備えてとりあえず外しておくという「対症療法」を行うに過ぎない。
  首相は一時、安倍派の15人全員を交代させることも模索した。安倍派にはT農相やU総務相ら裏金への関与を否定している政務三役も多いが、安倍派を巡っては組織的に裏金をつくっていた疑惑が取り沙汰され、秘書ら関係者が続々と特捜部の任意聴取に呼び出されている。「後から数万円でももらっていたとの疑惑が出て、そのたびに交代していたら政権のダメージが大きい」(首相周辺)。自身も疑惑の渦中にあり退く意向のP官房長官が、安倍派の後輩に当たる政務三役らに電話で進退を尋ねるなどしていたという。


2023.12.13-毎日新聞-https://mainichi.jp/articles/20231213/k00/00m/010/315000c
「報告書不記載、派閥から指示」 副防衛相暴露、発覚後かん口令
【川口峻】

  自民党の清和政策研究会(安倍派)が政治資金パーティー収入の一部を裏金化していた疑惑を巡り、同派所属のS副防衛相(当選4回、比例東海)は13日、国会内で記者団に対し、キックバック(還流)を受けたノルマ超過分の収入について「派閥の方から、かつて、政治資金収支報告書に記載しなくてよいという指示があった」と述べ、組織的に裏金化していた実態を暴露した。疑惑が浮上した後、派閥からかん口令が敷かれたことも明らかにした。

  S氏は、ノルマ超過分として2020年から3年間で140万円の還流を受けた分を報告書に記載していなかったと説明。「大変申し訳ない」と謝罪した。「大丈夫かな、とは思ったが、これで長年やっているなら適法なのかと推測せざるを得なかったので指示に従った」と釈明した。
  誰が不記載の指示をしたのかについては「覚えていない。分からない」と述べるにとどめた。還流分の使途については「厳正に管理し、政治的活動として使った。領収書もしっかりと整えている」と説明。その上で、「各議員の判断で動く段階に来ているかもしれない。派閥がリーダーシップを早くとっていれば、私がこうやって仲間を裏切って早く説明することはなかった」と派閥への恨み節を漏らした。【川口峻】


2023.12.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231213-ETD4RCYPOZKJTGQXKJQ2BBKVPU/
萩生田光一政調会長、辞任の意向固める

  自民党の萩生田光一政調会長は、近く岸田文雄首相(自民党総裁)に辞表を提出する意向を固めた。関係者が13日、明らかにした。所属する安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティー収入のキックバックを受けたと指摘されていた。

  萩生田氏は衆院東京24区選出で当選6回。官房副長官や文部科学相、経済産業相などを歴任した。


2023.12.23-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231213-VABXR3QI7VPBLLEUCIE6ZWNBNU/
<独自>パーティー収入巡り安倍派など3ルート重点捜査 東京地検、議員ら聴取本格化へ

  自民党の派閥のパーティーを巡る問題で、東京地検特捜部が最大派閥・安倍派(清和政策研究会)の政治資金収支報告書への不記載など3つのルートを政治資金規正法違反(不記載・虚偽記載など)の疑いで重点的に捜査していることが12日、関係者への取材で分かった。特捜部は臨時国会が閉会する13日以降、安倍派議員らの聴取などを本格化させるもようだ。

  また、岸田文雄首相が7日に離脱するまで会長だった岸田派(宏池会)でもパーティー収入の一部が不記載だった疑いが浮上。数千万円に上るとの情報もあり、特捜部は慎重に確認を進める。
  安倍派では所属議員に課したパーティー券販売ノルマの超過分を派閥や議員側の収支報告書に記載せずに議員側にキックバック(還流)していたとされ、不記載額は平成30年~令和4年分で数億円に上る恐れがある。
  関係者によると、特捜部が捜査の重点を置いている主なルートは3つ。-安倍派のノルマ超過分のパーティー収入と所属議員に還流した分の支出が記載されていない派閥としての不記載疑惑-安倍派から還流された分を所属議員の関連団体が記載していない議員側の不記載疑惑-二階派(志帥会)のパーティー収入の一部が記載されていない派閥としての不記載疑惑-だ。
  安倍派では還流分を一切記載しないなどの不記載の慣行が長年行われ、不記載額も5年間で数億円を超えるなど、他派閥に比べて突出していた疑いがある
  特捜部は安倍派の会計責任者だけでなく、派閥の事務を議員側で仕切る事務総長経験者が不記載の経緯を知っていた可能性もあるとみて、安倍派幹部らの任意での事情聴取を進めるとみられる。
  還流された安倍派の議員側についても、不記載額が総額数千万円以上に上るなど、悪質性が高い事例を中心に捜査。会計責任者だけでなく議員が不記載に関与しなかったか確認する見通しだ。
  二階派はパーティー収入の不記載額が5年間で総額1億円を超える恐れがある一方、還流分は記載。特捜部は会計責任者などの事情聴取を進め、収入だけ記載しなかった経緯などを調べている。

2023.12.12-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231212-ZAQPXTNG65N37BRYWZ7YMF75HM/
<独自>安倍派、数十人が不記載か パーティー収入、他派閥は2~7割還流記載

  自民党の派閥のパーティーを巡り、最大派閥・安倍派(清和政策研究会)を除く主要4派閥パーティー券の販売ノルマを超過した分に応じて5年間で10億円弱を所属議員の2~7割にキックバック(還流)していたと推計されることが11日、政治資金収支報告書の分析で分かった。
  安倍派の収支報告書には記載がないが、同様に数割程度の議員が還流を受けた可能性が高く、数十人が総額数億円分を不記載としていた疑いがある。東京地検特捜部は、資金の流れや不記載の経緯などを調べている。

  産経新聞は、平成30年~令和4年分の安倍派▽志公会(麻生派)▽平成研究会(茂木派)▽宏池政策研究会(岸田派)▽志帥会(二階派)-の収支報告書を、関係者への取材に基づき分析
  各派から所属議員の関連団体に支出された寄付金のうち、金額も時期も毎年一定のいわゆる夏の「氷代」、冬の「モチ代」は除外した上で、パーティー開催後、数カ月以内に関連団体ごとに異なる金額で一斉に支出されたものを議員側への還流分と推計、算出した。
  これによると、麻生派は所属議員の4~7割、茂木派は2~3割、岸田派は3~5割、二階派は5~7割の関連団体に、それぞれ還流分とみられる支出を記載総額は5年間で約9億9千万円に上った。
  同時期の安倍派を除く主要4派閥のパーティー収入は総額40億2953万円で、パーティー収入の約4分の1が還流されたとみられる計算になる。一方、安倍派の収支報告書には氷代、モチ代の記載はあったが、還流分とみられる記載はなかった


2023.12.11-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231211-AN2YUAVASVORVCCHUCKK5B5FXY/
N政調会長「出処進退自分で決める」 パーティー収入環流疑惑

  自民党のN政調会長は11日、所属する安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティー券の販売ノルマを超えた分について還流を受けていたとする疑惑を巡り「人事は首相の専権事項だが、出処進退は自分で決めたい」と述べた。「今回のことが原因で、閣僚や副大臣が辞めなければいけない事態になるとすれば、政調会長の責任も同等に、またそれ以上に大きなものがあると思っている」とも語った。
党本部で記者団の取材に応じた。


2023.12.11-毎日新聞(Suponichi Annex)-https://mainichi.jp/articles/20231211/spp/000/006/013000c
若狭勝弁護士 自民・巨額裏金疑惑に「隠されたもっと悪質な事件をすでに特捜部が把握しているかも」

  元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士が11日、TBSの朝の情報番組「THE TIME,」(月~金曜前5・20)にVTR出演し、自民党派閥の政治資金パーティー券問題に言及した。

  政治資金パーティー券をめぐっては、安倍派(清和政策研究会)の所属議員の中には、最近5年間で9000万円超のキックバック(還流)を受け、裏金にしたとされる議員がいることが判明B座長のほか、N政調会長やO経済産業相の3氏側も、派閥から還流を受けていたとみられることが分かった。政治資金収支報告書に収入として記載していなかったという。P官房長官、Q国対委員長、R参院幹事長が各1000万円超を受領したとされ、岸田文雄政権を支える党の幹部や重要閣僚を務める安倍派幹部6人に裏金疑惑が拡大した。
  東京地検特捜部は13日の国会閉会後、政治資金規正法違反(不記載・虚偽記入)容疑での捜査を本格化させる。歴代事務総長への任意の事情聴取を検討しており、清和会の会計責任者ら事務方からの報告内容などについて調べるとみられる。
  若狭氏は、今後の立件の可能性について「政治資金規正法違反というのは、1000万円くらい記載していなかったということだと、罰金にもできないと。罰金にするというのが大体4000、5000万円くらい。大きく取り上げられているので、政治家は少なくとも1人はきちんと起訴する、処罰するということはしないといけないという思いは(特捜部は)あるんです」と指摘。そして、今回の特捜部の捜査は、全国から検事を集めるなど本気度がうかがえるとし、「隠されたもっと悪質な事件をすでに特捜部が把握しているかも知れないし、内定しているのではないかなというくらいに私は思っている」と自身の見解を述べた。


2023.12.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231208-SYTGYJUJ4FJYRPPZH5KSTOEGWE/
<独自>安倍派パーティー券収入 裏金流用 議員側支出も不記載か

  自民党の派閥のパーティーを巡る問題で、最大派閥の清和政策研究会(安倍派)がパーティー券の販売ノルマ超過分に応じて所属議員側にキックバック(還流)した現金が一部の議員の関連団体の支払いなどに流用されていたことが7日、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は、還流分の使途についても調べているもようだ。

  還流分を政治資金収支報告書に記載しなかっただけでなく、実際に裏金として使っていたことになる支払いを議員関連団体の収支報告書に記載しなければ、支出についても政治資金規正法違反(不記載など)に問われる可能性がある。
  特捜部は議員側の支出の不記載について裏付けを進めるとともに、議員本人の不記載への関与の有無や悪質性を見極めるためにも還流分の使い道の解明が不可欠とみて捜査しているとみられる。
  安倍派は年1回単位でパーティーを開催し、所属議員に課した販売ノルマの超過分に応じて議員に還流一部議員はノルマ分だけを派閥に収め、超過分は派閥に報告せずに議員のパーティー券用口座に残す場合もあったとされる。
  関係者によると、一部議員への還流分はパーティー券の販売実績に応じた秘書への実質的な奨励金や、秘書の給与などにも使われていた
  議員のパーティー券用口座に残った現金は翌年以降、パーティーで販売ノルマを達成できなかった場合にノルマ未達分の穴埋めなどに使われることもあったという。
  安倍派の平成30年~令和4年分の収支報告書によると、記載されたパーティー収入は5年間で総額約6億6千万円。還流分の記載はなく、不記載は総額数億円に上る恐れがある。
  政治資金規正法は収支報告書の提出義務を会計責任者に課し、不記載は5年以下の禁錮または100万円以下の罰金。共謀が成立すれば会計責任者以外も罪に問われる。


2023.12.07-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/politics/20231207-OYT1T50190/
L官房長官、コメント「控える」30回…パーティー券裏金疑惑で説明拒み続ける

  L官房長官が、事務総長を務めた自民党安倍派による政治資金パーティー収入過少記載疑惑について、1日2回の定例記者会見で説明を拒み続けている

  収入の一部を議員側に還流し、裏金にしていた疑いが報道で明らかになった1日以降、コメントを「控える」としたのは約30回。7日の記者会見でも疑惑について、「政府として答えることは差し控える」と語った。
  官房長官としての会見以外の場で説明するよう求められた際も、「政治団体で事実確認の上、対応がなされる」と述べるにとどめた。この表現は1日以降、約10回繰り返している安倍派の事務総長当時に会計担当職員から報告を受けていたかや、自らが還流を受けたかについても答えていない
  記者会見では疑惑に関する質問が集中しており、自民中堅は「内閣のスポークスマンとしての職務を果たせていない」と指摘した。立憲民主党の野田佳彦・元首相は6日、TBSのCS番組で「兆単位のお金を動かす人たちが、自分の足元の金の説明もできないのでは、その任にあらずだ」と述べ、辞任すべきだとの考えを示した。


2023.12.06-毎日新聞-https://mainichi.jp/articles/20231206/k00/00m/010/121000c
岸田首相、派閥のパーティー自粛を指示 忘年会や新年会も
【池田直】

  岸田文雄首相(自民党総裁)は6日、自民党派閥の政治資金パーティーを巡る問題に関連し「政策集団(派閥)のパーティーについて、党として信頼回復に向けての取り組みを明らかにするまでは自粛することを申し合わせる」と述べた。党本部で幹部らと会談後、首相官邸で記者団に語った。

  派閥の忘年会・新年会などの年末年始の行事についても自粛する。首相は記者団に「政治とカネの問題や政策集団のパーティーを巡りさまざまな指摘があり、国民の政治に対する信頼が揺らいでいる。強い危機感を持って取り組むことを(党幹部に)指示した」と語った。
  自民党の茂木敏充幹事長は会談後の記者会見で政治資金パーティーを巡る問題について「これは一部の問題ではなく、党全体の問題であるという強い危機感が(首相から)表明され、その危機感を執行部で共有した」と語った。
【池田直】


2023.12.06-毎日新聞-https://mainichi.jp/articles/20231206/k00/00m/010/024000c
そもそも自民5派閥のパーティー券問題って? 今後どうなる?
回答・樋口淳也(政治部)

  自民党5派閥のパーティー券問題に注目が集まっています。そもそも何が問題で、今後どうなっていくのか。Q&Aで解説します。

Q 自民党の5派閥が、政治資金パーティーの収入を政治資金収支報告書に実際より少なく記したとして政治資金規正法違反(不記載・虚偽記入)容疑で刑事告発されたね。
A 告発されたのは自民6派閥のうち森山派を除く安倍、麻生、茂木、岸田、二階の各派で、告発状によると2021年までの4年間で計4162万円分の不記載がありました。規正法は1回につき20万円を超えるパーティー券を買った団体・個人の名前や金額の開示を義務づけていますが、その記載が多数漏れていたそうです。
Q どうしてそんなことが起こったの?
A 所属議員は当選回数などに応じた販売ノルマ達成に向け、それぞれが親しい団体などに売り歩きます。公表義務が生じない20万円以内でお願いすることが多いです。でも、その団体と付き合いのある議員は1人とは限りません。他の議員からも同様のお願いをされ、結果的に計20万円を超えて購入する団体も出てきます。そうした購入例を見落としたそうです。
Q 集計作業を怠ったわけだね。
A それだけなら「ずさんだった」で済む話かもしれません。でも、事件になる可能性が出てきました。販売を通じて「裏金」をつくっていたのではとの疑惑も浮上したためです。具体的にはノルマを超えて売った分を、報告書に記載しないまま議員側にキックバック(還流)させていたのではないかとの疑いです。
Q 裏金疑惑とは、大問題だね。
A 特に最大派閥・安倍派の不記載額が多く、東京地検特捜部が注目しているようです。パーティーは5万円超から記載義務がある寄付より資金集めが容易で、派閥の主な収入源となっていますが、「政治とカネ」を巡る問題は政治不信に直結しかねません。選挙への影響も予想され、党内がざわついています。
回答・樋口淳也(政治部)


2023.12.05-朝日新聞-https://www.asahi.com/articles/ASRD566MTRD5UTFK00T.html
桜田元五輪相「パーティー券のノルマが…」 二階派に退会届
(小木雄太)

  自民党の桜田義孝・元五輪相は5日、所属する二階派(志帥会)に退会届を11月22日に提出していたことを明らかにした。国会内で記者団の取材に応じ、「パーティー券を売ることが大変で。ノルマが……」と語り、桜田氏に課された300枚の販売ノルマを達成するのが難しいことを理由に挙げた。

  自民の各派閥の政治資金パーティーの券は1枚2万円が相場で、当選回数などに応じて販売ノルマを課すケースが多いとされる。桜田氏は政治資金パーティー自体については「政策を訴え、応援していただくことは極めてクリーンでいい制度だ」と述べた。
  パーティー券をめぐり、安倍派ではノルマを超えた分の収入を裏金として議員側にキックバックする運用をしてきた疑いが発覚二階派ではノルマ超過分を派閥の政治資金収支報告書の収入に記載しない疑いが浮上している。
(小木雄太)


2023.12.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231203-MOYLW7IXPRLQ3DYR3MZYHLXEKE/
アパートに高齢夫婦の遺体 埼玉・志木

  自民党安倍派に所属する世耕弘成参院幹事長は3日、和歌山県新宮市で記者会見し、安倍派がパーティー券のノルマを超えた販売利益を議員側に還流し裏金になったとされる問題に関し、派内で調査を急ぐ考えを示した。「刑事告発され報道されている以上、事実関係を詳細に確認し、適切に対応するということに尽きる」と述べた。世耕氏は安倍派常任幹事会メンバーで、実力者「5人衆」の一人。

  調査結果をいつ公表するのか問われると「私は派閥の会計に携わっておらず、答えるのは不可能だ」と述べ、見通しを明らかにしなかった。
  一方、国民民主党の玉木雄一郎代表はフジテレビ番組に出演し「組織的に裏金を捻出していたならば非常に問題だ。具体的に何に使ったのかを含めて解明する必要がある」と指摘した。


2023.12.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231203-WOFR5WS7SVJUTPRANRQ7RVUDTU/
自民党・二階派も不記載か、パーティー券収入 ノルマ超過分の一部

  自民党の派閥のパーティーを巡る問題で、志帥会(二階派)の所属議員がノルマを超えて販売したパーティー券の金額に応じ、5年間で数億円のキックバック(還流)を受けていたことが3日、関係者への取材で分かった。還流分は派閥や議員の政治資金収支報告書に明記されていたが、報告書に記載されたパーティー収入総額にはノルマ超過分が一部反映されていない可能性がある。

  記載されたパーティー収入の総額にノルマ超過分が反映されていなければ、政治資金規正法違反(不記載など)に抵触する恐れがある。
  東京地検特捜部二階派を含む主要派閥の会計担当者らから任意での事情聴取を重ねており、派閥のパーティーを巡る資金の流れの解明を慎重に進めているもようだ。
  派閥のパーティーを巡っては清和政策研究会(安倍派)がパーティー収入総額と議員への還流分の双方を派閥や議員の関連団体の収支報告書に記載していなかった疑いが浮上している二階派は還流分については派閥と議員側のいずれの収支報告書に記載しており、特捜部は悪質性についても吟味するとみられる。
  関係者によると、二階派では自民党の他の主要派閥と同様に、所属議員に当選回数などに応じて派閥のパーティー券の販売ノルマを課し、ノルマ超過分の全額や一部を議員に還流していた。
  二階派の平成30年~令和4年分の政治資金収支報告書によると、二階派は毎年1回、政治資金パーティーを開催。1億8千万~2億7千万円の収入を得たとして、報告書に記載していた。5年間の総額は11億6千万円だった。
  報告書では二階派はパーティー後数カ月以内に少ない議員には数万円、多い議員には数百万円を超える金額を寄付。関係者によると、寄付はパーティー券の販売ノルマ超過分に応じた還流だといい、総額は5年間で数億円に上っていた


2023.12.02-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231202-FLOFZY2YYNMHZNRMBFMYYU5YOY/
韓国を「乞食しかできることのない集団」市議のX投稿、ヘイトスピーチと厳重注意

  香川県観音寺市の岸上政憲市議(44)が、X(旧ツイッター)への投稿で韓国を「乞食」、慰安婦を「売春婦」と表現し、篠原和代議長(当時)から「ヘイトスピーチに当たる」と厳重注意を受けていたことが2日、分かった。

  岸上氏は、日韓の歴史問題を巡る投稿の中で「売春婦という職業でものすごい稼いでいた」などと投稿。韓国に対し「乞食しかできることのない集団」と侮辱した。議会で問題となり、篠原氏=11月30日付で議長辞職=が同29日、「議会として見過ごせない」として口頭で厳重注意した。
  篠原氏は取材に「差別発言は許されない。市議としての自覚が欠けている」と批判した。岸上氏は取材に「ヘイト発言だと知った上で使った。猛省するしかない」と述べた一方で、「歴史認識を変えるつもりはない」とした。
  観音寺市は平成29年に公園条例を改正し、全国で初めてヘイトスピーチの禁止と罰則5万円以下の過料を盛り込んだ。ただ対象は公園内に限定されている。


2023.11.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231124-23EIU4M4TZMXLD5IMFMFHTDPEI/
<独自>運動員報酬リスト 柿沢氏側が作成か 買収の可能性 東京地検も把握

  東京都江東区長選を巡る公職選挙法違反事件で、衆院議員のA元法務副大臣(52)=写真=側が木村弥生前区長(58)陣営のスタッフらに計数十万円の報酬を支払ったリストを作成していた疑いがあることが24日、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部も把握しているとみられる。報酬は区長選の告示前の活動に支払われたとみられ、特捜部は区長選の運動員買収にあたる可能性もあるとみて慎重に調べているもようだ。

  関係者によると、A氏側は木村氏が区長選に立候補を表明した1月以降、区長選が投開票された4月までの間、10人前後のスタッフに計数十万円ほどの報酬を支払ったとするリストを作成した。
  リストには街宣車に乗る車上運動員などが記載されていたが、木村氏の選挙運動費用収支報告書には記載されていないスタッフが含まれていたという。特捜部の調べに対し、木村氏はリストについて「知らない」などと説明している。
  公選法では、選挙運動に従事したスタッフへの報酬は、一定額の報酬が定められた特定業務以外は運動員への買収として禁じられている一方、政治団体による一般的な政治活動に従事したスタッフへの報酬は禁じられていない。
  木村氏陣営による告示日前の街宣活動などが一般的な政治活動ではなく、区長選のための活動とされれば、公選法が禁じる事前運動となり、報酬も違法な運動員買収にあたる可能性がある。
  特捜部はA氏側が複数の区議に現金を配布した買収の疑いでも調べている。


2023.11.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231115-SCASOHLUERPQRHTQ2ZTCMIUOLQ/
東京・江東区長が辞職 有料ネット広告捜査で引責

  東京都江東区の木村弥生区長(58)は、4月の区長選期間中に陣営が有料インターネット広告をユーチューブに掲載した公選法違反事件の責任を取り、15日付で辞職した。東京地検特捜部から区長室と自宅の家宅捜索や任意聴取を受け、10月26日に辞職届を出していた

  区選挙管理委員会によると、区長選は12月3日告示、10日投開票の日程で行われる。新区長就任までの間、大塚善彦副区長が職務代理を務める。
  関係者によると、広告掲載は自民党の柿沢未途衆院議員(52)=法務副大臣辞任=が提案したとされる。柿沢氏を巡っては、区長選前に複数の区議に現金を配ったと周囲に明かしていたことが判明。特捜部は、配布した現金に木村氏支援を求める趣旨が含まれていなかったか捜査している。


2023.11.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231107-AK2S46ZE7RPYPCZTAV5ZY3ROEE/
<独自>クルド人問題の川口、埼玉県警が治安対策強化へ

  埼玉県川口市で一部のクルド人と住民のトラブルが相次いでいる問題を巡り、埼玉県警が治安対策の強化に向け、対応パッケージをまとめたことが分かった。県警自動車警ら隊による専従パトロールや、外国人コミュニティーの実態把握などを通じ、地元住民とのトラブルを防ぎたい考えだ。7日、複数の関係者への取材で分かった。パッケージでは、県内の情勢を踏まえ、多くの外国人が住んでいる川口、蕨の両市で集中的な対策を講じるとした。

  主な対策として、県警本部と警察署の連携構築違法行為の厳正な取り締まり外国人コミュニティーの実態把握の推進外国人コミュニティーでの警察活動推進行政機関との連携強化―の5本柱を挙げた。
  具体的には、外国人の就労に関わる悪質な仲介業者の検挙や、外国人少年の非行防止対策に力を入れる。住民に犯罪への警戒を呼びかけるアナウンスを流しながら、パトカーで走行する「見せる・知らせる」パトロールの取り組みなども強化する。
  県警は住民の要望などを受け、10月から川口市などで、一斉パトロールを第1金曜日、第3金曜日、土曜日に行っている。11月4日には、市や在日クルド人らで構成される「日本クルド文化協会」との合同パトロールも実施した。
  川口市では7月、殺人未遂事件を巡るクルド人グループ同士の争いで約100人が市立病院周辺に殺到し、救急の受け入れがストップした。対策は同月に県警本部から川口署などに通知されており、一連のトラブルが影響した可能性もある。
  また、県警や川口市などが8、9月、外国人住民との共生に向けて、連絡会議を開いていたことも分かった。関係者によると、多文化共生に向けた課題の洗い出しや情報交換などを行ったという。今後も継続的に開催していく方針だ。
  川口市は全国で2番目に外国人住民の多い自治体で、今年に入り、一部外国人と地域住民らとの軋轢(あつれき)が表面化している。同市の奥ノ木信夫市長は9月、不法行為を行う外国人について厳格に強制送還することなどを求める要望書を斎藤健法相(当時)に手渡した。


2023.11.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231104-CA56BFZEMFLHXF643VJPJ3E6MI/
「クルド人ならもっと安値で」外国人解体業者 脱税の懸念も 複雑な下請けの構図

  東京都品川区で9月初め、ビジネスホテルの解体工事をめぐり住民から苦情が相次ぎ、区は請負業者に工事停止を指示した。この騒ぎは「ずさん工事」の事例として一部メディアで報道されたが、背景にある外国人業者の複雑な請負関係や脱税につながりかねない雇用形態などについてはほとんど触れられなかった。工事は日本企業が中国系業者に発注、さらにトルコ系業者に下請けされ、最終的に現場作業したのはトルコの少数民族クルド人たちだった。

責任の押し付け合い
  請負業者を所管する埼玉県の調査によると、工事は土地を所有する東京都新宿区の不動産会社が埼玉県川口市の中国系建設会社へ税込み1340万円で発注。この会社が東京都台東区のトルコ人業者へ450万円で下請けに出したという。
  同社を経営するトルコ国籍の男性(28)によると、さらに川口市内で解体業を営むクルド人5人に仕事を発注しており、男性は「中国人の会社から工期を急かされ、重機を入れられて危険な工事になった」。
  一方、中国系業者は埼玉県の調査に「最近は競争が激しく、この価格でないと請け負えなかった。トルコ人業者があんな危険な工事をするとは思わず、甚大な損害を受けた」と話したという。
  発注元の不動産会社は「取材はお断りする」。中国系業者は本社所在地を訪ねたが無人で、名刺の電話番号も通じなかった。区によると、工事は中断後に日本人業者が請け負い、現在も作業中という。
「シャシン、トルナ」
  品川区などによると、解体されたビルは幅約5メートルの細長い敷地に建つ高さ約18メートルの6階建て。工期は6月1日~9月末の予定だったが、9月上旬、住民から「現場が危険なことになっている」との通報が相次ぎ、区は即日、工事の停止を指示した。
  区が調べたところ、コンクリ片などの廃材が現場付近の歩道をふさぎ、隣接マンションとの境のフェンスは廃材の重みでゆがんでいた。さらに、山積みになった廃材の上で重機が傾きながら動いており、今にも道路側へ倒れそうになっていた
  現場近くの飲食店主(59)によると、作業していたのはTシャツに短パン姿の外国人で、ヘルメットもかぶらず高所で命綱も付けていなかったという。男性は「道路の廃材を注意しようとしても、『ニホンゴワカラナイ』『シャシン、トルナ』と威嚇された。周りの住民も怖がっていた」と話した。
  国土交通省によると、全国の解体業者は約1万8000社あり過去5年で1・5倍に増えた。高度成長期の建築物が建て替え期を迎えた影響とされるが、肉体労働に加えて粉塵被害などもあり、日本人が敬遠する仕事として在留外国人に急速に広まったとされる。
  ただ、人手不足は深刻で令和4年度平均の有効求人倍率は全職種の1・31倍に対し解体業は13倍を超える。中でも川口市に約2千人が集住するクルド人の主な生業になっており、市内には解体資材置き場が集中。トラックの過積載など危険な運転も問題化している。埼玉県の解体業の有効求人倍率は全国平均よりも低い約9倍という。ある外国人解体業者によると、工事を適正価格で取ろうとすると「クルド人ならもっと安値でやってくれる」と断られることが多いという。
「一人親方」に現金で
  今回の規模の工事の場合、元請けの1340万円でも格安とされる。解体業は請負額が500万円未満の場合、都道府県への登録だけで開業できるため、今回の請負額450万円はその基準に合わせた可能性もある。また、個別の労働者に対しては、雇用関係を結んで賃金を支払うのではなく、「外注」として事実上の下請け扱いにすることが多く、今回もクルド人に対してはそれぞれ外注にしていた。
  川口市内でクルド人業者の税務を担当していた税理士関係者によると、給与でなく外注費とすることで、所得税を源泉徴収したり、社会保険や労災に入ったりする必要がなくなるため、相場より安い価格で工事を請け負うことができる。外注された側は「一人親方」などと呼ばれ、便利に使われることが多いという。
  本来は、外注された側が確定申告し、国民健康保険などにも加入しなければならないが、この関係者は「ほとんどが現金手渡しのため、何もしていないと思う。難民認定申請中で仮放免者のような不法就労の場合はなおさらではないか」という。
  今年6月には川口市議会で、外国人の事業主や個人の税金問題が取り上げられ、「脱税ではないか」との指摘も出た。市側は「事業主から税務資料の提出がないことが多く、課税できていない状況だ」と認めざるを得なかった。


2023.10.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231001-WQMKBEUR7FMA5OOYDS4LP2JM4Y/
朝日の「洋上風力」報道に異議あり 経済ジャーナリスト・石井孝明

  洋上風力発電事業を巡り、電力関連会社「日本風力開発」(日風開)に有利な国会質問をする見返りに賄賂を受け取ったとして、東京地検特捜部は9月7日、受託収賄容疑で衆院議員のA氏を逮捕し、このほど同罪で起訴した。
  新聞各紙は同氏の逮捕時、「A議員逮捕 再エネ汚職 真相究明を」(朝日)といった社説を掲載し、「政治とカネ」を巡る汚職事件の徹底解明を求めた。朝日社説は「再エネ拡大の『切り札』として、洋上風力に力を入れる岸田(文雄)首相にとっても、ひとごとではない」とし、「政策がゆがめられてはいないか、検証して明らかにする」必要性も指摘した。むろん、政治家による再エネ事業の利権化は論外だ。

  ただ、これまでの朝日の洋上風力発電に関する記事では、違和感を持たざるを得ない内容もあった。例えば、元編集委員が書いた令和4年2月3日付夕刊の「洋上風力、価格崩壊の衝撃」という見出しの記事だ。3年12月に国が行った洋上風力発電の3カ所の入札で三菱商事連合が想定外の安い売電価格を提示して総取りした結果を受け、「(この安さで)日本での発電所建設、経営は相当厳しいものになる」と指摘。その上で「国の導入計画の練り直しが必要」「地元からは売電価格が低くなれば、発電会社による地域貢献が手薄になるのではとの不安も出ている」などと書いている。売電価格が安ければ、国民の利益になるのに不思議な記事だ
  A氏は日風開側がこの事業の受注に失敗した後の昨年2月17日の衆院予算委で、次の入札までに「安さ」だけでなく、工期の短さ、事業者の信頼性を評価するよう経済産業省に基準の見直しを要求。この質問の後、評価基準の見直しが決まった。この見直しの経緯についても解明が必要だろう

  論点はまだある。普及のために電気料金に一律で上乗せして徴収されている「再エネ賦課金」の算定根拠の一部となる買い取り費用は、5年度の予想で4兆7477億円に及ぶ。それに伴う負担に価値はあるのか。風力発電設備(風車部分)の昨年の世界シェアは、上位15社のうち10社が中国企業だが、他国の製品を使うことで日本の情報管理は大丈夫なのか
  国のエネルギー政策の行く末を国民に考えてもらうために、関連情報を正確に提供するのが新聞の役割のはずだ。「反原発」にとらわれ「再エネ賛美」に傾くと、多様な視点を見失いかねない。

石井孝明(いしい・たかあき)
  昭和46年、東京都生まれ。慶応義塾大学経済学部卒、時事通信記者などを経てフリーに。経済・環境情報サイト「with ENERGY」を主宰。著書に『京都議定書は実現できるのか』など。


2023.09.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230928-22DJIKJ63NL2FD5J3I2SWQ5USU/
洋上風力汚職、秋本議員の保釈請求却下

  洋上風力発電事業を巡る汚職事件で、東京地裁は28日、東京地検特捜部に受託収賄と詐欺の罪で起訴された衆院議員、A被告(48)=自民党を離党=について、保釈請求を却下する決定をした。起訴された27日に弁護人が請求していた。A被告はいずれの起訴内容も否認している。

  A被告は、事業参入を検討していた日本風力開発前社長のB被告(64)から国会質問などを請託(依頼)され、計約7200万円の賄賂を受け取ったとされる。また新型コロナウイルス対策の持続化給付金200万円をだまし取ったとされる。
  B被告は贈賄罪で在宅起訴された。


2023.09.07-TBS NEWS DIG.-https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/706756?display=1
A衆院議員に「便宜を期待」洋上風力発電めぐる汚職事件で資金提供側が供述 東京地検特捜部の聴取に

  政府の洋上風力発電事業をめぐる汚職事件で、A衆院議員に資金を提供したとされる風力発電会社の前社長「自社の事業に対する便宜をA議員に期待していた」という趣旨の供述をしていることがわかりました。

  A議員をめぐっては、政府の洋上風力発電事業に参入を目指した「日本風力開発」のB前社長からおよそ3000万円を受け取った疑いがあり、特捜部は先月、贈収賄容疑で関係先を家宅捜索しています。
  その後の関係者への取材で、B前社長が特捜部の任意の事情聴取に対し、「自社の洋上風力発電事業への参入について、A議員に便宜を期待した」という趣旨の供述をしていることがわかりました。
  A議員もすでに特捜部の事情聴取を受けているということで、特捜部は詰めの捜査をしているものとみられます。


2023.09.02-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230902-PFG2ZXMMUJKCFEQQ5RI2IKCITM/
馬主組合以前に資金受領 A議員立件へ捜査 東京地検特捜部、収賄疑い

  A衆院議員(48)=自民党離党=が洋上風力発電事業を手掛ける「日本風力開発」側から計約3千万円を受領したとされる事件で、送付先となった馬主組合の設立前にも、A氏が同社側から競走馬に絡む資金提供を受けていたことが1日、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は、収賄容疑での立件に向けて一連の資金の趣旨を捜査している。

  A氏は令和3年秋、同社の塚脇正幸社長(64)の知人らと競走馬を保有する組合を設立。同年10月~今年6月、馬の購入代などとして塚脇氏から計約3千万円を受領、うち約1千万円は衆院議員会館で手渡しで受け取ったという。
  関係者によると、A]氏は組合設立前の令和元年7月、日本中央競馬会(JRA)に個人で馬主登録をしたが、その後に馬主組合を設立するまでの間、B氏から複数回資金提供を受けていた。受領した資金はB氏と共有する競走馬の購入などに充てられたという。
  A氏を巡っては、個人での馬主登録を申請した際に登録条件の「保有資産7500万円以上」を満たすため、B氏から3千万円を借りていたことも判明している。
  A氏は馬主登録の約半年前の平成31年2月、日本風力開発が参入を目指していた青森県の洋上風力発電事業に関する国会質問をしたほか、令和4年2月には洋上風力発電事業の入札における審査基準見直しを求めるなど、同社が有利になるような質問をしていた。
  特捜部は一連の資金が国会質問などで同社に便宜を図ってもらう趣旨で提供された疑いがあるとみてA氏やB氏に任意で事情を聴いている。


2023.08.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230827-ZGQ5AXNFVZNPNDPZCZ2L2F6AHU/
A議員「馬主組合のための資金」、特捜部の任意聴取に説明 業者側は賄賂と認める方向

  元外務政務官のA衆院議員(48)=比例南関東、自民党離党=洋上風力発電開発を手掛ける電力関連会社「日本風力開発」側から多額の資金を受領していたとされる事件で、A氏が東京地検特捜部の任意の事情聴取に対し、受領した資金は「馬主組合のための資金だった」と説明していることが、関係者への取材で分かった。特捜部は資金提供の経緯や趣旨を調べている。

  関係者によると、A氏は令和3年秋、同社の塚脇正幸社長(64)の知人らとともに競走馬を共同で保有する組合を設立し、馬の購入代などとして今年6月までに計約3千万円をB氏から受領。このうち4年10月には衆院議員会館の事務所で1千万円を現金で受け取っており、大半を複数の競走馬購入に充てるなどしていた。
  資金を提供したB氏は当初、資金提供について「馬主組合の経費として支出しただけで賄賂ではない」などと否認していたが、贈賄を認める方向に転じている
  特捜部はA氏が馬主組合を実質的に管理・運営していたとみており、馬主組合の実態について詳しく調べているもようだ。A氏を巡っては元年7月に日本中央競馬会(JRA)に個人で馬主登録した際、登録条件である保有資産7500万円以上を満たすため、B氏から約3千万円の貸し付けを受けていた疑いも浮上している。
  A氏は洋上風力発電を巡り、青森県の陸奥湾などで事業参入を目指す同社が有利になるような国会質問を繰り返していたが、周囲に「頼まれて質問したわけではない」と説明している。
  特捜部は、国会質問が国会議員の職務権限に当たるとして、秋本氏が資金提供の見返りに、国会質問などで同社に便宜を図っていたとの見方を強めている。


2023.08.11-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230811-NE2IEPGBNJIXBFQCWQVNBO7MW4/
A氏、別途3千万円受領 日本風力開発社長、贈賄認める方針

  元外務政務官のA衆院議員(48)=比例南関東、自民党離党=洋上風力発電開発を手掛ける電力関連会社「日本風力開発」側から計約3千万円を受領したとされる事件で、A氏が約4年前にも同社のB社長(64)から3千万円を別途受領していたことが11日、関係者への取材で分かった。

  東京地検特捜部も一連の経緯を把握しており、同社が洋上風力発電事業でA氏から有利な取り計らいを受ける見返りの賄賂だった疑いがあるとみて調べている。また、特捜部の任意の事情聴取に対し、これまで否認していたB氏が一転して贈賄を認める方針に転換したことも弁護人への取材で判明。B氏の弁護人は同日、辞任した。
  関係者によると、B氏は令和3年秋以降、A氏らが立ち上げた馬主組合に計約3千万円を提供。うち約1千万円は現金でA氏の衆院議員会館事務所で渡していた。
  B氏の弁護人によると、元年7月にA氏が個人で馬主登録した際、B氏が登録用の資金として約3千万円をA氏に貸し付けた。A氏はその後、利子として現金100万円とワインをつけて返済したという。
  A氏は馬主登録する約半年前の平成31年2月、同社が参入を目指す青森県の洋上風力発電事業に関し国会質問をするなど、同社に有利になる質問を繰り返しており、見返りに資金提供を受けた疑いがある。


2023.08.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230806-DNVTE3YEYVILXMVLB5ASUGWPDU/
「馬買う」A議員が資金要求 議員会館で1000万円受領

  元外務政務官のA衆院議員(47)=比例南関東=が、洋上風力発電開発を手掛ける電力関連会社「日本風力開発」側から計約3千万円を受領したとされる事件で、同社のB社長(64)が、A氏からの要求に応じる形でこのうち約1千万円を東京・永田町の衆院議員会館のA氏の事務所で渡していたことが6日、関係者への取材で分かった。

  東京地検特捜部は、資金提供は、A氏が、洋上風力発電事業の参画を目指す同社に有利となる国会質問をした見返りだった可能性があるとみて、支払いの経緯などを調べている。
  B氏の弁護士によると、B氏とA氏は令和3年秋、競走馬を保有する馬主組合「パープルパッチレーシング」を設立。B氏は知人名義でA氏と同程度の約45%を出資し、組合の収支や運営はA氏が管理する一方、馬の飼育費などは2人で出し合っていた。
  翌4年、A氏はB氏に「馬を買うので、お金を出してほしい」と携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)などで依頼したという。
  関係者によると、B氏はその後、A氏の議員会館事務所で約1千万円を渡した。大半は競走馬の購入に充てられ、ほとんどが費消された。B氏はほかにも資金提供を繰り返しており、総額は約3千万円に上る。
  一方、B氏の弁護士は「B氏は組合の一員で、競走馬の経費を負担しただけだ」とし、資金は賄賂に当たらないと主張している。特捜部は4日にA氏の議員会館事務所などを、5日に日本風力開発の本社などを捜索。A氏は5日、自民党を離党した。


2023.08.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230805-5BNM3WL5GNIOLABWO6GNB2AGRU/
A衆院議員が自民離党 茂木氏「説明責任果たせ」

  自民党のA衆院議員が5日、洋上風力発電事業を手がける日本風力開発側からの不透明な資金受領疑惑を受け、離党届を提出し、受理された。自民党が発表した。茂木敏充幹事長は「極めて遺憾だ。説明責任をしっかりと果たし、事案の解明に努めてもらいたい」とのコメントを発表した。

  A氏は平成24年に衆院初当選し、現在4期目。29年8月から国土交通政務官を1年余り務めた。令和3年の前回衆院選は千葉9区で敗北し、比例南関東で復活当選していた。昨年8月の内閣改造人事で外務政務官に就任したが、疑惑発覚を受けて今月4日に辞任していた。


2023.08.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230804-QX7CB22TWJPK7BLOFD6Q32JWLI/
「資金は競走馬に」日本風力開発社長側が賄賂性否定 A氏に資金提供

  日本風力開発の社長からA衆院議員が3千万円の資金提供を受けたとされる事件では、社長が賄賂性を否定し、A氏も周囲に対して疑惑を否定している。資金が賄賂と認定できるかが東京地検特捜部の捜査の焦点となりそうだ。

  「A氏に渡したわけではなく、利益供与というのは全く違う」。4日、報道陣の取材に応じた社長の弁護士は、徹底抗戦する姿勢を示した。
  弁護士によると、A氏と社長は競馬仲間で、令和3年秋に競走馬を扱う組合を設立。組合では数十頭の競走馬を保有しており、購入代や飼料代などを双方で負担していたという。
  特捜部が賄賂の可能性があるとみているのは、このうち令和3年10月~今年6月に社長が負担した計約3千万円だ。
  弁護士によると、組合の口座への送金や組合の支払先に直接支払ったものを含め、資金のほぼ全てが競馬関連で費消されており「団体に出した資金を利益供与というのは法律論として全くおかしい」と強調する。ただ、刑法が禁じる賄賂は「人の需要または欲望を満たす」利益であれば足りるとされ、現金である必要はない。支払いを肩代わりするような形でも罪を問われる
  検察幹部は「A氏が馬主になるための資金提供なら、賄賂に十分になり得る」と強調する。関係者によると、洋上風力開発を巡り、社長はA氏に精力的に働きかけをしていたという。
  A氏は国会で日本風力発電を利するような質問をしており、特捜部は押収資料を精査し、質問などのA氏の動きが資金提供と連動したものか、対価性の有無を検討するとみられる。


2023.08.04-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230804/k10014152611000.html
自民 A衆院議員側に多額の資金提供疑い 洋上風力めぐり

  脱炭素の実現に向けて政府が導入拡大を目指している洋上風力発電をめぐり、東京の風力発電会社側が外務政務官で自民党のA衆議院議員側に多額の資金を提供していた疑いがあるとして、東京地検特捜部が風力発電会社の社長から任意で事情を聴いたことが関係者への取材でわかりました。

  特捜部は、不透明な資金の流れについて実態解明を進めるものとみられます。関係者によりますと、東京地検特捜部に任意で事情を聴かれたのは、東京・千代田区に本社がある風力発電会社「日本風力開発」の社長で、政府が導入拡大を目指している洋上風力発電をめぐり、自民党のA・衆議院議員側に多額の資金を提供をしていた疑いがあるということです。
  「日本風力開発」は、政府が3年前からおととしにかけて入札を実施した洋上風力発電のプロジェクトなどへの参入を目指していましたが、落札することができなかったということです。
  この入札について、A議員は去年2月に国会で質問し次のプロジェクトの公募から入札の評価基準を見直すよう求めていました。
  A議員は2017年8月から翌年10月まで国土交通政務官を務め、洋上風力発電の導入を促進する「再エネ海域利用法」の法案作成に関わったほか、去年8月からは外務政務官を務めています。
  特捜部は、日本風力開発の社長から任意で事情を聴き、A議員との関わりや不透明な資金の流れについて実態解明を進めるものとみられます。
  NHKの取材に対し日本風力開発は「当社が国会議員ほか公務員に対し、贈賄をした事実は一切なく、この点を立証できる客観的な証拠が数点存在しています」とコメントしています。また、A議員は3日夜、海外の訪問先から帰国しましたが報道陣の問いかけには応じませんでした。


2023.07.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230716-GWGLG2WQHNOCTDQJIGCOYBNAFA/
(933)『文春』の木原官房副長官スクープ、他メディア「黙殺」の異常事態

  これだけのスクープを新聞、テレビのワイドショーなどが一切報じない。・・・異常な事態だ。
  木原誠二官房副長官の妻が、前夫の不審死事件(自宅で刃物で刺殺されていた)に関し、重要参考人として事情聴取を受けていた―。
  『週刊文春』先週号(7月13日号)、発売後、全く後追いがない。岸田文雄首相も完黙。政界でも、誰ひとり話題にしない。

  ひどい話だ、と思っていたら、『文春』今週号(7月20日号)の第2弾「木原副長官の噓を暴く〝怪死〟捜査音声160分」で、自民党の森山裕選対委員長の発言を紹介している。7月5日、政治部記者を集めた懇談会で、森山委員長、こう語ったという。
〈「印象が悪い。木原は早く代えた方がいい」〉怒気を含んだ口調でさらに。
  〈「政治家にとって一番大事なのは、有権者にとって常識的であること。ディズニーランドに愛人と行っていたのも、おかしな話ですよ」〉。これこそ、まさに正論だ。こんな発言を聞いていながら、なぜ新聞記者は1行も報じないのか
  オフレコ? こんなオフレコこそ破ればいい。『文春』の第2弾自体は先週号のなぞりで新情報は少ない

  硬派路線に変わりつつある『週刊現代』(7/15・22)、安倍晋三元首相一周忌に合わせた特集の1本が旧統一教会批判で名を売ったジャーナリスト、鈴木エイト氏による、「山上徹也がこれから口にすること」。山上徹也容疑者とツイッターでやりとりしていたことを根拠に、〈山上が安倍をターゲットとした根拠は私の記事だったと言っても過言ではないのだ〉。〈私にはその根拠を公判で示す責任がある〉
  なんか思い違いをしているのでは。そんなに気張らんときぃや。


2023.07.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230714-LNLL63YIXJMHFGU5ISMOACC6W4/
「中国発言」で謝罪決議、泉南・A市議の取り消し請求退ける 大阪地裁

  大阪府泉南市議会の一般質問でA詩織市議が中国出身の国際交流員に言及した内容が差別的だとして議会が謝罪を求める決議をした問題で、A氏が市に決議の取り消しと330万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が14日、大阪地裁であり、横田典子裁判長は「決議は法的効力を伴わず、懲罰ではない」として請求を退けた。

  A氏は昨年7月の市議会で、中国政府が国民に情報活動への協力義務を課す「国家情報法」に触れつつ「市民目線でいえば、半分公務員のような職業に中国籍の方が就くのは大丈夫か、怖いという声をもらっている」と発言。これに対し市議会は同月、「謝罪及び反省を求める決議」を可決した。
  A氏側は、決議は「実質的な懲罰」と主張。発言は安全保障上の懸念を指摘しただけで差別的言動ではないとして「議員としての社会的な評価を低下させた」と違法性を訴えた。
  一方、市側は「決議は単に勧告ないし要望としての意思表示の域を出ない」ため、訴訟の対象となる行政処分に該当しないと反論していた。


2023.07.09-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230709-KUEWGW5OUZOVNEWF4JI4E6ASZI/
(932) 木原官房副長官の妻めぐる『文春』の特大スクープ

  官房副長官の妻が、かつて結婚していた男を殺した容疑で取り調べを受けていた―。超弩級(ちょうどきゅう)のスクープだ。・・・『週刊文春』(7月13日号)「岸田最側近木原副長官衝撃音声『俺がいないと妻がすぐ連行される』」8ページ。

  妻の前夫が不審死を遂げたのは平成18年。〈「ナイフを頭上から喉元に向かって刺したと見られ、その傷は肺近くにまで達していた。死因は失血死」(捜査関係者)〉
  一度は「未解決の不審死事案」として処理された事件が動き出したのは30年。「東京都内に約百余あるコールドケース(未解決事件)」を掘り起こしていた大塚署の女性刑事がこの事件に疑念を抱いた。
  キーマンとして浮上したのが、事件発生当時、現在の木原誠二氏の妻と親密だったY氏。捜査陣は覚醒剤事件で逮捕され宮崎刑務所に収監中だったY氏から重要な証言を引き出す。
  〈「あのとき、X子(現在の木原氏の妻)から『殺しちゃった』と電話があったんだ。家に行ったら、種雄(当時のX子さんの夫)が血まみれで倒れていた。『どうしたんだ?』と聞いたらX子は『夫婦喧嘩になって夫が刃物を持ち出してきて、殺せるなら殺してみろと言われた。刃物を握らされたので切ってしまった』と告白された」〉
  この供述で事件は解決に向けて大きく舵(かじ)を切る。X子さんは数回事情聴取され、〈木原氏も捜査員と複数回〝面会〟している〉。が捜査は突然、幕を閉じる
  〈当時の捜査員は、次のように本音を吐露する。「(Y氏の)アゴ(供述)はあっても、それを支える物的証拠が少なかった」〉


2023.04.06-東京新聞-https://www.tokyo-np.co.jp/article/242515#
不倫報道のA神奈川県知事が「軽率な行動で女性を傷つけた」と謝罪 県知事選は「審判を仰ぎたい」
(志村彰太)

  神奈川県のA知事(68)は6日、横浜市内で記者会見し、同日発売の週刊誌「週刊文春」で報じられた過去の不倫について事実を認め、「軽率な行動で女性を傷つけたこと、長年支えてくれた妻を裏切ったことを心からおわびする」と謝罪した。4選を目指して立候補した知事選(9日投開票)では、「(有権者の)審判を仰ぎたい」と活動を続ける意向を示した。

  同誌やA氏によると、フジテレビキャスター時代の2000年ごろ、共通の知人が開いた会合で女性と知り合い、11年間交際。11年、知事選初出馬に際して別れを申し出た。妻にも同年、謝罪したという。
  A氏は会見で県民に対し、「不快な思いをさせた。がっかりさせた」と陳謝。知事選について問われると、自身の政策に期待している有権者もいるとし、「撤退するのは逆に県民に迷惑をかける」と述べた。
  知事選には他に、無所属新人の岸牧子さん(66)=共産党推薦、無所属新人の加藤健一郎さん(73)、政治家女子48党党首の大津綾香さん(30)=同党公認=も出馬している。(志村彰太)


2023.04.04-JIJI com.-https://www.jiji.com/jc/article?k=2023040400530&g=eco

A 氏、人事介入認め謝罪 「有力OB」は元次官2人―国交省


  元国土交通事務次官で東京メトロ代表取締役会長のA氏(69)が民間企業「空港施設」に、同省OBで副社長だったB氏(63)=3日付で辞任=を社長に昇格させるよう求めた問題に関し、同省は4日、A氏へのヒアリング結果を公表した。同氏は人事介入を認め謝罪。自らを「国交省OBの名代」と発言したことについて、このOBは別の元次官2人であると明らかにした

  2人はC氏(78)とD氏(75)。D氏は4日、時事通信の取材に「(A氏に)関係者と調整してうまくやってよという話はしたが、人事に介入するつもりはない。最終的には株主が決める話だ」と述べた。
  ヒアリングは3日午後、同省幹部が対面で行った。A氏は、昨年12月に空港施設の乗田俊明社長(65)らと面会。自身の立場を「国交省OBの名代」とし、B氏を社長に昇格させるよう求めた。乗田氏らは断った。
  同省によると、A氏は「幾人かの私の周りの方々がそういう考え(B氏の社長起用)を持っていることで一致していた」と説明。幾人かの名前としてC 、D両氏を挙げた。2人へのヒアリングの予定はないという。
  面会でA氏は、B]氏が社長になれば「国交省としてサポートする」とも話した。これについては「国交省OBとして、注意をしたり、相談に乗ったりするとの趣旨で、国交省やその職員の権限をかさに着て何かをお願いしたいとの趣旨では全くない」と釈明した。
  A氏は4日、時事通信の取材に対し、自身の進退について「人事は認可する国が決めることだ」と話した


2023.03.30-毎日新聞-https://mainichi.jp/articles/20230330/k00/00m/010/228000c
立憲・小西氏が発言陳謝 「憲法審、毎週開催ってサルのやること」
【加藤明子、安部志帆子】

  立憲民主党の小西洋之参院議員は29日、衆院憲法審査会について毎週開催ってサルのやることだ」と発言した。各党から発言の撤回や謝罪を求める意見が相次ぎ、小西氏は30日、「不快な思いをされた方々にはおわびしたい」と陳謝した

  小西氏は29日、参院憲法審の幹事懇談会後、記者団に「(参院憲法審では)毎週開催はやりたくない。毎週開催ってサルのやることだ憲法を真面目に議論しようと思ったら毎週開催なんかできない」と述べた。週1回の開催が定着している衆院憲法審について「何も考えていない人たちだ。蛮族の行為だ。衆院なんて誰かが書いている原稿を読んでいるだけだ」とも語った。
  発言を巡り、30日の衆院憲法審では、日本維新の会の三木圭恵氏が「私は自分で自分の原稿を書いている。衆院憲法審に対する侮辱ではないか」と批判し、小西氏の謝罪を要求。野党筆頭幹事を務める立憲の中川正春氏は「私自身も納得していない」などと述べた。
  小西氏は30日、国会内で記者団の取材に応じ、「私はいつものように皆さんとの『オフレコ』の場だと理解していた。オフレコの場面で即時の撤回、修正をしたが、私の発言、報道により、不快な思いをされた方々にはおわびを申し上げたい」と述べた
  29日の小西氏への取材は、毎日新聞を含む複数社が参加。実名報道を前提とする「オンレコ」取材で、ICレコーダーで録音していた。小西氏は「サル発言」の前後に「オフレコ発言しないほうがいいかもしれないけど」「サルって言ったら差別発言になるのかな?」などと述べたが、撤回や修正はしなかった。小西氏は30日、記者団に「普段からオフレコでも記者の求めがあれば録音に応じていた」などと説明した。【加藤明子、安部志帆子】


2023.01.30-東京新聞-https://www.tokyo-np.co.jp/article/228331
元自衛官の五ノ井里奈さん、性暴力の加害者や国を提訴 「できればやりたくなかった」裁判へ踏み切った理由
(森田真奈子)

  陸上自衛隊内で性被害を受けた元自衛官の五ノ井里奈さん(23)が30日、国と加害者の元隊員5人を相手取り、計750万円の損害賠償を求める訴訟を横浜地裁に起こした。性被害を訴えた際に適切な調査をしなかった国の責任などを問う。提訴後に記者会見した五ノ井さんは「再発防止につなげ、自衛隊が正義感を持った組織になってほしい」と求めた。

  代理人弁護士によると、国が性被害の訴えを放置したことは安全配慮義務違反にあたるとして200万円の国家賠償を請求し、元隊員の男性5人からは性的暴行などにより精神的苦痛を受けたとして計550万円を支払うよう求めた。
  五ノ井さんは退職後の昨年6月、性的発言や胸を触られるなどのセクハラ被害を実名で告発。陸自は事実を認めて謝罪し、5人を懲戒免職としたほか、訴えを受けたのに十分な調査をしなかったなどとして上司にあたる中隊長ら4人を停職などの処分とした。
  加害者のうち強制わいせつ容疑で書類送検された3人は否認して不起訴となったが、昨年9月、検察審査会が不起訴不当を議決、再捜査の対象となった。問題を受けて防衛省が全自衛隊を対象に実施した特別防衛監察では、パワハラやセクハラなど約1400件の被害申告があった。
◆宮城で被災 好きだった自衛隊、でも辞めざるを得なかった
  「自衛隊員は素晴らしい職業。女性が安心して勤務できる環境をつくってほしい」。五ノ井さんは日本記者クラブで開いた記者会見で、性被害の再発防止が提訴の目的だと説明した。
  昨年10月に加害者側から謝罪を受けた。「できることなら裁判はしたくなかった」と言うが、その後の示談交渉では12月以降、加害者側からの回答がなくなった。「本当には反省していないのでは。このままではハラスメントを根絶できない」と感じて提訴を決めたという。
  性被害を訴えた際、上司にあたる中隊長は調査を行おうとはしなかった。「上に立つ立場の人は隠蔽いんぺいなどせず、正義感を持った対応をしてほしい。一人一人が大切にされる組織になってほしい」
  東日本大震災の際、宮城県で被災した。自衛隊員に助けられた経験に触れ「自衛隊が今でも好き。自衛隊を辞めざるを得なかった責任をとってほしい」と強調した。(森田真奈子)


2023.01.05-47NEWS(KYODO NEWS) -https://www.47news.jp/politics/8771157.html
東京都に経費再調査を求める 女性支援事業の監査結果

  東京都監査事務局は4日、都の若年被害女性等支援事業を受託している一般社団法人「Colabo(コラボ)」に委託料の不正受給があるとした住民監査請求について、主張の大半は「妥当ではない」と退ける監査結果を公表した。一方、コラボの経費精算に一部不当な点があるとして都に再調査を指示。不適切な委託料があれば返還請求するよう求めた。

  都はコラボに2018年度から同事業を委託。昨年11月、21年度に支出した委託料2600万円について「不正受給がある」との住民監査請求があり、都監査委員が調査していた。
  監査結果は妥当性が疑われる食事代などが一部計上されていると指摘した。


2022.12.09-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221209/k10013918411000.html
名古屋刑務所の刑務官22人 複数受刑者に繰り返し暴行 齋藤法相

  齋藤法務大臣は臨時の記者会見で、名古屋刑務所の刑務官22人が、去年11月からことし8月にかけて、複数の受刑者に対して繰り返し暴行を加えていたことを明らかにしました。齋藤大臣は、誠に遺憾だとして陳謝したうえで、引き続き、徹底した調査を進め、厳正に対処する考えを示しました。

  それによりますと、ことし8月下旬、名古屋刑務所で収容中の60代の受刑者がまぶた付近にけがをしているのが見つかったため、理由を確認したところ、刑務官に暴力をふるわれたと申告しました。
  このため、名古屋刑務所が調査した結果、この受刑者も含めて合わせて3人の受刑者に対し、刑務官22人が、去年11月からことし8月にかけて、繰り返し暴行を加えていたことが分かったということです。
  顔や手をたたいたり、アルコールスプレーを顔に噴射したり、尻をサンダルでたたくなどの暴行だとみられます。
  関係した刑務官らは、20代から30代の、ほとんどが採用から3年未満の若手で、受刑者が指示に従わず、大声を出したり要求を繰り返したりするなどの行為をしていたため、問題の行為に及んだと話しているということです。
  今回の問題について、齋藤大臣は「誠に遺憾だ。被害を受けた受刑者に心からおわび申し上げる」と陳謝し、外部有識者による検討会を立ち上げたうえで徹底した調査を進め、関係者への厳正な対処と再発防止策の検討を進める考えを示しました。
  そして、全国の刑務所で同じ事態が生じていないかについても調査するよう、指示を出したとしています。
名古屋矯正管区がコメント「深くおわび申し上げます」
  名古屋刑務所を管轄する名古屋矯正管区は、「今回の案件については調査中で、厳正に調査を進めて、対応していきたい。極めて遺憾であり被害を受けた受刑者の方には、深くおわび申し上げます」とコメントしています。
受刑者支援の弁護士「法改正の理念 浸透していない可能性」
  受刑者の支援活動を行うNPO法人「監獄人権センター」の代表で、刑務所の処遇などに詳しい海渡雄一弁護士は、「名古屋刑務所の過去の事件をきっかけに、2005年に受刑者の処遇を見直す法改正が行われ、暴力が闇に隠れない制度が作られた。同じような事件を二度と起こさせないための法改正だったはずだが、現場にその理念が浸透していない可能性がある。法務省は各地の刑務所を点検すべきだ」と指摘します。
  そのうえで、「またしても深刻な事態が起き、しかも長期間にわたって発覚しなかったことは残念だ。ほかにも同様のことが起きていないか注視していきたい」と話していました。
名古屋刑務所 事件に発展したケースも
  名古屋刑務所では過去にも刑務官による受刑者への暴行が明らかになり、事件に発展したケースもあります。
  2001年には、刑務官が受刑者の下着を脱がせて至近距離から消防用のホースで水を浴びせ死亡させる事件が起き、その後、特別公務員暴行陵虐致死の罪で刑務官3人の有罪が確定しています。
  2002年には、革手錠付きのベルトで受刑者2人の腹部を締め上げて死傷させる事件が起き、刑務官4人の有罪が確定しています。
  一連の事件を受けて国は刑務所の在り方について抜本的な見直しを検討するため「行刑改革会議」を設置。
  2005年、受刑者の人権への配慮が不足しているという指摘を踏まえて明治時代に制定された「監獄法」が改められ、新たに受刑者の処遇などを定めた法律が制定されました。







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