日米韓問題-1(3カ国)


2024.08.29-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240829-BZQ5H2WRGBONHBXB6Z2DTNHVQM/
韓国大統領「日本の次期首相とも協力維持」 日米韓協力体制は「非常に重要」と強調

  【ソウル=桜井紀雄】韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領29日、国内外のメディアを対象に記者会見を開いた。来月の自民党総裁選を経て日本の首相が変わることについて「どの指導者が国政を担っても、韓日間で未来のための協力が引き続き維持されるようにしたい」と述べ、日韓関係改善の流れが続くことに期待を示した。

  尹氏は昨年3月の初訪日以来、岸田文雄首相計11回会談を重ね、多様な課題を協議してきたことに言及。日韓両政府が来月上旬で調整している岸田首相の訪韓について「まだ確定していない」としつつ、「訪韓することになれば、いつでも歓迎する」と述べた。
  米大統領も11月の選挙を経て交代する。尹氏は、昨年8月に米キャンプデービッドでの日米首脳との会談で確認した日米韓の協力体制について「指導者の変更があっても変わらない」と説明。3カ国の協力体制は「インド太平洋地域やグローバル経済・安全保障において非常に重要だ」と強調し、日米との協力を引き続き重視していく姿勢を示した。
  記者会見は内政問題が中心となった。尹氏が力を入れる医療改革を巡っては、政府の大学医学部の大幅な定員増加政策に反発し、大量の研修医が現場を離脱して半年が過ぎた。尹氏は研修医に依存しすぎた大病院の構造の転換を強調。妥協することなく、定員増政策を維持する姿勢を示し、今後は地域医療の再生に注力すると説明した。


2024.06.02-産経新聞(週刊フジ)-https://www.sankei.com/article/20240602-QYJMHK3NWZE3TD5PMU4YQ4RKLU/?outputType=theme_weekly-fuji
日中韓FTA正気の沙汰か 中国製EV、太陽光など洪水輸出で西側分断思うつぼ 田村秀男
(産経新聞特別記者 田村秀男)

  岸田文雄首相今週、中国の李強首相、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領との3カ国首脳会談を行い、中断している日中韓自由貿易協定(FTA)締結交渉の加速で一致した。共同宣言には、「自由で公正な質の高い互恵的な日中韓FTAの実現に向け、交渉を加速するための議論を続ける」と盛り込まれた。
  習近平国家主席率いる中国は、EV(電気自動車)をはじめ過剰生産した廉価な製品を海外に輸出して国際社会の反発を招いている岸田首相は、日本経済や自由主義国の連携、環境を守る覚悟があるのか。産経新聞特別記者の田村秀男氏は、中国経済の問題点をデータで示し、日中韓FTAに潜む「中国の罠(わな)」を解き明かす

  日中韓3カ国首脳はソウルでの会談の結果、FTAの交渉再開で合意したという。経済学の教科書は自由貿易でウィンウィン(共栄)」と説くが、共産党独裁の中国に期待するのは正気の沙汰ではない
  日中韓FTAは2019年から中断していたが、原因となった政治的対立は解消どころではない。台湾、沖縄県・尖閣諸島周辺海域での中国の威圧行為はエスカレートする一方だ。中国の習政権は対日輸入・輸出の禁止措置で威圧する。それを止めるはずはないだろう
  中国はEVなどで安値輸出攻勢を加速させ、「自由貿易」という名目のもとに世界貿易秩序を根底から揺るがせている。対中貿易依存度の高い韓国はともかく、対中強硬策を打ち出しつつある先進7カ国(G7)の一角、日本が中国側の誘いに応じると、西側の分断をもくろむ習政権の思うつぼにはまることになる
  経済外交担当の李氏は、日韓とのFTAを外国企業投資回復の呼び水にしたいのだろう。グラフは中国の不動産投資と外国の対中直接投資の前年同期比増減率である。21年末に始まった不動産バブル崩壊に伴い、中国経済を牽引(けんいん)してきた不動産投資が大幅に落ち込んだままである
  習政権はそれでも実質経済成長率は5%台を維持していると喧伝(けんでん)しているが、「粉飾」の疑いがある。不動産関連を中心とする固定資産投資、家計消費、純輸出の原データから再計算すれば、23年はゼロ%前後の成長率にしかならない
  外国企業は勢い、対中投資に慎重になる。23年は前年比8割減、今年1~3月は前年同期比56%減となった。直接投資減退に引きずられて、株式、債券などの証券投資も低迷している。
  習政権が大号令をかけているのが「新質生産力」と呼ぶリチウムイオン蓄電池などEV関連製品を中心とする新成長分野への投資、生産の増強である。中国各地でこれらの分野の工場建設ラッシュが起きており、たちまちのうちに生産能力過剰に陥った。中国の自動車メーカー各社は政府補助金など手厚い支援策を受けて、続々とEVに新規参入してきた。中国製EV販売台数は23年、世界全体の59%に上った。
日韓は中国に〝関税原則ゼロ〟
  生産過剰は鉄鋼、太陽光パネルなど中国が圧倒的な世界シェアを誇る製品全般に及び、鉄鋼や太陽光パネルのドル建て輸出単価は21年末に比べて20~40%下落している。すさまじい中国の洪水輸出に対し、米欧は高関税で対抗しようとしているバイデン米政権は8月1日から中国製EVの関税を100%、鉄鋼を25%、太陽光パネルを50%とする。
  対照的に、日韓は中国とFTAを結び、中国製品の輸入関税を原則ゼロにするというのである。
  日本の山林原野や農地は、中国製太陽光パネルでますます覆われるようになり、環境破壊が頻発するだろう。太陽光と同様、「クリーンエネルギー」を名目に中国製EVが走り回れば日本はどうなるのか、岸田首相は気にならないのだろうか
(産経新聞特別記者 田村秀男)


2024.05.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240527-RLR3FTWPOFOM5IQ45NGYLMEJGA/
北朝鮮が衛星打ち上げ予告 6月4日まで 海域に警報 日米韓、発射中止を要求

  日本政府は27日未明、北朝鮮から人工衛星を打ち上げるとの通報があったと明らかにした。海上保安庁は同日午前0時から6月4日午前0時までの間、黄海とフィリピン・ルソン島東方の海域に航行警報を発表した。

  日米韓3カ国の北朝鮮担当高官は電話協議を行い、弾道ミサイル技術を使用した発射はいかなる目的でも国連安全保障理事会決議違反だとして、北朝鮮に打ち上げ中止を求めると確認した。
  岸田文雄首相は通報を受け情報収集・分析に万全を期し、国民に対して適切に情報提供を行う米韓など関係諸国と連携し、発射しないよう強く中止を求める不測の事態に備えて万全の態勢を取る―との対応を関係省庁に指示した。



2023.10.23-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231022-3GP4EY4K2BKSVKIGH6RZMBRCT4/
日米韓、朝鮮半島周辺で初の空中訓練 北朝鮮の核開発に対応

  【ソウル=時吉達也】韓国空軍は22日、日韓両国の防空識別圏内にあたる韓国南方の空域で、日米韓が共同空中訓練を実施したと発表した。日米、米韓はそれぞれ訓練を行っているが、朝鮮半島周辺空域での3カ国訓練は初めて。北朝鮮の核・ミサイル開発に対抗、抑止力の強化を図る。

  今回の訓練は、核兵器を搭載できる米戦略爆撃機B52を日米韓の戦闘機が護衛し、編隊飛行する形式で実施。B52は17日、韓国国内の空軍基地に初めて着陸し、北朝鮮の朝鮮中央通信は「意図的な戦争挑発行為だ」と非難する論評を発表していた。今回の訓練に対抗し、示威行動に踏み切る事態も想定される。
  日本海の公海上で日米韓が対潜水艦共同訓練などを実施した際には、韓国周辺で海上自衛隊が活動することに、野党「共に民主党」が反発。今回の訓練に対し、韓国内で再び議論となる可能性がある。


2023.08.19-朝日新聞-https://www.asahi.com/articles/ASR8M62SRR8MUTFK00B.html
日米韓、「前例ないレベル」で安保協力へ 前のめりの米国、日韓は?

  日米韓の3首脳が、安全保障の連携強化に向けた新たな一歩を踏み出した。北朝鮮や中国の軍事的活動が活発化するなか、3カ国のトップらで重層的、定例的に協議していくことを確認し、「歴史的」と胸を張った。ただ、会談をめぐる各国の思惑の違いも透け、実効性をどこまで高められるかは今後の取り組み次第だ。

  ノーネクタイ姿の3首脳が、木立に囲まれた屋外の記者会見場に連れ立ってゆっくりと現れた。 18日午後、米国の首都ワシントンから北西100キロの山間部にある米大統領専用山荘「キャンプデービッド」。数々の歴史的な会談が行われてきた場で、昼食を含め約2時間の会談を終えて演台に立った3人は、報道陣らに笑顔を振りまいた。
  「私が幸せそうに見えるなら、それは私が幸せだからだ」。会見をそう切り出したバイデン米大統領は、「歴史的な場での会談、歴史的な瞬間だ。日米韓協力の新たな時代だ」と高揚感をみなぎらせた。
  韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領も「歴史的な場として記憶にとどまるだろう。韓米日の協力の新たな章を開いた」と続き、岸田文雄首相は「ジョー(バイデン氏)や尹大統領との信頼関係をさらに深める貴重な機会となった。歴史に新たな一ページを刻むことを光栄に思う」と語った。
  3首脳が会談の「成果」と口をそろえたのが、安全保障分野での連携強化だ。首相が「安全保障協力を新たな高みへと引き上げる」と評価すると、尹氏も「3カ国の協力で最も核心的で、象徴的な分野が安保協力分野だ」と同調した。日本政府関係者は「日米、米韓それぞれの同盟は、ともすると同じ方向を向いていないことがあった」と振り返りつつ、今回の連携を「画期的」と評価した。
念頭には中国の存在
  連携強化の念頭には、核・ミサイル開発を進める北朝鮮への対処のみならず、米国と覇権を争う中国の存在がある。岸田首相はその認識を裏付けるように「東シナ海南シナ海での力による現状変更の試みは続き、北朝鮮による核・ミサイルの脅威は増大している」と述べて、対中抑止も含めた3カ国の連携の重要性を指摘した。
  日米韓が今回の安保協力の核心と位置づけたのが、日米韓共同声明に明記された3カ国が相互に迅速・円滑に協議することへの「約束(コミットメント)」だ。


2023.08.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230808-AX6CAFLBD5M5VFSQFQYN3OA63E/
立民・岡田氏「軽率だ」 麻生氏日米台の抑止力強化言及で

  立憲民主党の岡田克也幹事長は8日の記者会見で、自民党の麻生太郎副総裁が訪問先の台湾での講演で、台湾有事を念頭に日米や台湾には「戦う覚悟」が求められていると言及したことに対し、「非常に軽率だ」と批判した。

  岡田氏は「台湾有事にならないように外交的にどうするかが求められる。アメリカは(台湾有事になった場合)はっきりと軍事介入するとは言っていない。含みを持たせている。それが外交だ」と述べた。「最終的に国民の命と暮らしを預かっているのは私たち政治家なので、軽々に言う話ではない」とも語った。


2023.08.08-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230808-N2IZLM6MKNMHNJKICP7IVMSB2U/
「戦う覚悟」で抑止力強化 麻生太郎氏、台湾訪問中に講演 中国反発招く可能性も

  自民党の麻生太郎副総裁は8日、訪問先の台湾で講演した。軍事的圧力を強める中国を念頭に、台湾海峡の平和と安定には強い抑止力を機能させる必要があり、そのために日米や台湾には「戦う覚悟」が求められていると主張した。挑発的な発言と受け取られかねず、中国のさらなる反発を招く可能性もある。

  昨年8月に当時のペロシ米下院議長が訪台した際、反発した中国が台湾周辺で大規模軍事演習を強行し、日本の排他的経済水域(EEZ)内を含む周辺海域に弾道ミサイルを撃ったと指摘。「平時から非常時に変わりつつある」との認識を示した。
  その上で「今ほど日本、台湾、米国などの有志国に強い抑止力を機能させる覚悟が求められている時代はない」と力説した。「最も大事なのは、台湾海峡を含むこの地域で戦争を起こさせないことだ」とも語った。(共同)


2023.06.03-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230603/k10014088451000.html
日米韓 北朝鮮弾道ミサイル情報の即時共有 本格運用開始で合意

  日米韓3か国の防衛相会談がシンガポールで行われ、北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイル発射を受けて、発射に関するデータをリアルタイムで共有する仕組みについて、年内に本格的な運用を開始することで合意しました

  「アジア安全保障会議」に出席するためシンガポールを訪れている浜田防衛大臣は、アメリカのオースティン国防長官韓国のイ・ジョンソプ国防相とおよそ1時間会談しました。
  共同声明によりますと、会談では、さきの北朝鮮による軍事偵察衛星の打ち上げを国連安保理決議の深刻な違反だとして非難し、2回目の打ち上げを可及的速やかに行うとしていることから、今後に備えて、3か国で強固に対応していくことを確認しました。また、北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイルの発射を受けて発射に関するデータを、リアルタイムで共有する仕組みについて、年内に本格的な運用を開始することで合意しました。
  今後数か月以内に初期的な運用開始を目指すということです。さらに会談では北朝鮮の核・ミサイルの脅威への対応を強化するため、ミサイル防衛などの訓練を定例化させることや、アメリカが核戦力を含む抑止力で同盟国を守る「拡大抑止」の必要性についても確認しました。
ミサイル情報即時共有とは
  北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイルの発射をめぐっては同盟関係にある日本とアメリカ、アメリカと韓国の間ではミサイルデータを直ちに共有する仕組みがあります。しかし、同盟関係にない日本と韓国の間では事後的な情報の共有にとどまっています。
  日米韓3か国は去年11月にカンボジアで行われた首脳会談で対処力を向上させるため、発射に関する警戒データの即時共有を目指すことを確認しました。これを受けて、3か国の防衛当局で仕組みの構築に向けた協議が進み今回、日本と韓国にとっていずれも同盟国であるアメリカを経由して情報を即時共有することで合意しました。
  韓国は、北朝鮮が発射した直後の低い高度の動きを日本より把握しやすいことから、防衛省によりますと、情報の共有によって迎撃能力や避難情報の発信の向上につながることが期待されているということです。
浜田防衛相「早期に実現できるよう取り組む」
  会談のあと浜田防衛大臣は記者団に「ミサイルの探知など各国の能力を向上させるためのもので、早期に実現できるようしっかり取り組んでいきたい」と述べました。
米国防長官“日米韓の枠組みで北朝鮮への対応強化”
  アメリカのオースティン国防長官は日米韓3か国の防衛相会談の前に行った講演で「日本と韓国がより緊密に協力するための重要な一歩を踏み出したことに敬意を表する。両国の強い結び付きは地域にとってよいことだ」と述べて、日韓関係の改善に向けた動きを歓迎しました。
  そして日本と韓国の間で北朝鮮のミサイル発射に関するデータを即時に共有できるよう検討を進めていると説明し、日米韓3か国の枠組みで核・ミサイル開発を加速させる北朝鮮への対応を強化する考えを強調しました。
米韓 北朝鮮の「衛星」部品を共同調査へ
  日米韓3か国の防衛相会談に先立ち、アメリカのオースティン国防長官と韓国のイ・ジョンソプ国防相が会談しました。
  韓国国防省の関係者によりますと、両氏は北朝鮮の軍事偵察衛星の打ち上げ失敗について意見を交わしたということです。この中で、韓国軍が発見した、朝鮮半島西側の黄海に落下した部品の一部と推定される物体について、引き上げた後、米韓両国が共同で調査することで一致したとしています。
  韓国軍は、長さおよそ15メートル、直径が2メートルから3メートルほどの物体を海中で発見していて、現在、引き上げのための作業を続けています


2023.05.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230510-QQ342RG6ZNJ47GYIITNQBANVUM/
<独自>21日に日韓・日米首脳会談、韓国人慰霊碑も

  政府は、広島市で19日に開幕する先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)に合わせて、最終日の21日に日韓・日米の首脳会談をそれぞれ行う方向で調整に入った。岸田文雄首相は同日、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領ととそろって平和記念公園内の「韓国人原爆犠牲者慰霊碑」に参拝する予定。日米韓3カ国の安全保障分野での連携強化を図るとともに、日韓の関係正常化を加速させる。複数の政府関係者が10日、明らかにした。

  日韓首脳会談は、首相がシャトル外交の一環として韓国を訪問した今月7日に続き、短期間での開催となる。両首脳は中国や北朝鮮情勢をにらみ2国間関係を一層強化させたい考えだ。
  ただ、韓国海軍による海上自衛隊機へのレーダー照射や、文在寅(ムン・ジェイン)政権が事実上破棄した慰安婦合意の履行など、韓国側に起因する懸案は未解決のままだ。会談では、これらに進展があるかも焦点となる。
  また、両首脳が訪れる慰霊碑は、昭和45年に在日韓国人の有志らが建立した。碑文は先の大戦で約10万人の韓国人が広島に在住し、原爆投下により約2万人が犠牲になったことなどを説明しており、在住者の一部は「徴用工」とも記されている。歴代首相としては、平成11年に小渕恵三元首相が慰霊碑に献花している。
  一方、首相は21日にバイデン米大統領との個別会談や夕食会を開くほか、日米韓3カ国の首脳会談も実施する。ただ、米国はデフォルト(債務不履行)回避に必要な連邦政府の債務上限引き上げ問題を抱えており、日米両政府はぎりぎりまで日程を調整する。
  広島サミットでは核軍縮やウクライナ情勢、グローバルサウス(南半球を中心とする新興・途上国)への関与強化策などが主要議題となる。討議終了後、首相は議長として会合全体の成果を発表する記者会見を平和記念公園内で実施する方向で検討している。


2023.04.03-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/e84edac667b245dbd2f566c0f307412542d128f7
米空母参加し日米韓が対北共同訓練、7年ぶりに救助訓練も復活

  【ソウル=桜井紀雄】韓国国防省は3日、日米韓3カ国が3~4日の日程で、南部、済州島(チェジュド)南方の公海上で北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)に対応するための共同訓練を開始したと発表した。3月下旬に海上自衛隊や韓国軍と訓練を行った米原子力空母「ニミッツ」も参加する。

  日米韓は2016年以降、中断していた捜索救助訓練も7年ぶりに実施する。
  韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)政権は、文在寅(ムンジェイン)前政権下で揺らいだ日米韓の安全保障協力の強化を目指しているが、今回の共同訓練は3カ国安保協力の正常化を印象づける動きだ。
  米韓両軍は北朝鮮への上陸と進撃を想定した「双竜(サンヨン)訓練」も3日まで続けている。これら米韓や日米韓の訓練に対し、強く反発してきた北朝鮮が対抗措置として新たな軍事的行動に出ることが警戒されている。
  日米韓の共同訓練には、米韓のイージス駆逐艦などのほかに、海上自衛隊の護衛艦「うみぎり」が参加。北朝鮮の潜水艦やミサイルを探知、追跡し、情報を共有した上で追撃する能力の向上を目的としている。



2022.06.29-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220629-GKGDMQYPF5PMLN6DXK3GMBCVCQ/
日米韓首脳、対北連携を確認 4年9カ月ぶり会談

  【マドリード=田村龍彦】岸田文雄首相は29日午後(日本時間同日夜)、スペイン・マドリードで米国のバイデン大統領、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と会談し、弾道ミサイル発射を繰り返し、核開発を続ける北朝鮮に対処するため、3カ国の連携を強化する方針で一致した。ただ、首相は尹氏との首脳会談は見送る方針だ。政府内からは、いわゆる徴用工訴訟などで解決策を示さないまま関係改善に前のめりになる韓国側に不快感を示す声も出ている。

  3カ国の首脳会談は2017年9月以来、4年9カ月ぶり。首相は会談で「核実験を含め、北朝鮮によるさらなる挑発行為の可能性が深刻に懸念されている。日米韓の連携強化が不可欠だ」と強調。核実験が行われた場合は「共同訓練も含め、日米韓で対応したい」とも言及した。
  尹氏も「韓米日の協力の重要性は増した」と指摘。今回の会談を機に「韓米日協力が世界平和と安定のための重要な中心軸として位置づけられるよう期待する」と語った。

  首相は北朝鮮の核・ミサイル開発や拉致問題の解決に向け、日米、日米韓の連携を重視してきた。米国も前向きで、今月11日の日米韓防衛相会談では共同訓練の再開などで合意した。
  一方、首相は28日、現地で開かれたスペイン国王主催の夕食会の際、尹氏と短時間会話した
  韓国大統領府によると、首相から声を掛け、尹氏の就任や統一地方選での与党勝利を祝福。尹氏は来月10日投開票の参院選で「良い結果をお祈りする」と応じた。さらに首相が「日韓関係がより健全な関係に発展できるよう努力しよう」と呼び掛けたという。

  これに対し、日本側は、首相が尹氏に非常に厳しい日韓関係を健全な関係に戻すため尽力してほしいと求めたと発表した。外務省関係者は「会談での相手の発言は言わないのがルールだが、あまりに事実関係に反しているので発表した」と説明する

  今回、政府はNATO首脳会議に合わせた日韓首脳会談の開催を見送る方針だ。反日姿勢が顕著だった文在寅(ムン・ジェイン)政権の交代をきっかけに、韓国側には対面の首脳会談への期待があったが、日本側は慎重姿勢を貫いた

  背景には、韓国側が尹氏の就任後も、徴用工訴訟や慰安婦問題などで具体的な解決策を示していないことがある。さらに、不法占拠する竹島(島根県隠岐の島町)周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)内で無許可の海洋調査を行うなど、関係改善に冷や水を浴びせたことも影響している。

  「会談したいと言ってくるが、何の解決策も示さない。ふざけている」。 日本政府高官は自国の主張を押し付ける韓国側への不満を募らせた。


2022.06.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220605-7WU2Z7NX4ZKINNCGLQBTYYJ6XQ/
日米韓「分断作戦」に対抗 首相、次官級協議で結束アピール
(杉本康士、竹之内秀介)

  政府は北朝鮮による新たな形でのミサイル発射に危機感を強めている。5日に初めて3カ所以上の地点から同時発射したほか、5月25日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)と変則軌道の短距離弾道ミサイルを同時発射したのも異例だった。北朝鮮の行動は、短距離でも射程に収まる日韓と、ICBMを重視する米国の切り離しを狙った可能性もある。これに対抗するため日米韓3カ国連携を強化する姿を内外に示す考えだ。

  北朝鮮のミサイル発射を受け、外務省の船越健裕アジア大洋州局長は5日、米国のソン・キム北朝鮮担当特別代表、韓国の金健(キム・ゴン)朝鮮半島平和交渉本部長と電話で対応を協議した。日米韓は8日に次官級協議を行うほか、10日からシンガポールで開かれる「アジア安全保障会議」に合わせ、防衛相会談を約2年半ぶりに行う方向で調整している。
  「8日に日米韓次官協議を行うなど引き続き米国、韓国とも緊密に連携しながら情報収集、警戒監視に全力をあげる」
  岸田文雄首相は5日、視察先の福島県葛尾(かつらお)村で記者団にこう語った。首相が日米韓の次官級協議にわざわざ言及したのは、最近の北朝鮮によるミサイル発射は日米韓の足並みの乱れを誘う意図をうかがわせるからだ。
  北朝鮮のICBMは米本土を射程に収めており、北朝鮮が韓国や日本を攻撃しても米国が「核の報復」を恐れて核使用をためらう「デカップリング(切り離し)」が生じる恐れがある。トランプ前米政権はICBMの開発中止を優先し、短距離ミサイルの発射を事実上黙認した。
  日本政府内には、5月25日に北朝鮮がICBMと短距離ミサイルを同時発射したことでデカップリングの状況を意図的に作り出そうとしたとの見方がある。今月5日に3カ所以上の地点から短距離ミサイルを発射したのも、ICBMで米国を抑止しつつ、韓国や日本に対し、相手の対処能力を上回る攻撃を加えて迎撃を困難にする「飽和攻撃」を行う能力を誇示する狙いがあったとみられる。

  バイデン米政権は同盟国との連携を重視し、5月の日韓両国歴訪では拡大核抑止力を強化する意向を表明した。とはいえ、北朝鮮が一連の行動でデカップリングに成功したと思えば、軍事的挑発を行う誘惑にかられかねない。首相が日米韓の結束をアピールしたのは、こうした「誤解」を打ち消すためでもある(杉本康士、竹之内秀介)


2022.06.04-東京新聞-https://www.tokyo-np.co.jp/article/181414
日米韓、抑止力強化で一致 北朝鮮核実験にらみ連携

  【ソウル共同】日米韓3カ国は3日、ソウルで開かれた北朝鮮担当高官による会合で、北朝鮮の完全な非核化実現に向け、3カ国の安全保障協力を含む抑止力強化に取り組む考えで一致した。日本外務省が発表した。北朝鮮による7回目の核実験が懸念される中、日米韓で緊密に連携する

  3者の対面協議は、韓国の尹錫悦新政権発足後初めて韓国の文在寅前政権下では、日米韓の足並みは乱れたが、尹政権は日韓関係の改善に意欲を見せ、日米韓協力を重視する姿勢を示している。
  外務省の船越健裕アジア大洋州局長、米国のソン・キム北朝鮮担当特別代表、韓国の金健・朝鮮半島平和交渉本部長が出席した。







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