韓国問題-1
2025.07.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250703-GXLLTATTXZOYHHFN7BQKWML47Y/
韓国・李在明大統領、日韓関係「右の手でケンカしても左の手で握り合う」 就任1カ月会見
韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は
3日、就任1カ月に合わせて記者会見を行った。
日韓関係について、歴史・領土問題を念頭に「対立要素はあるが、右の手でケンカしても左の手で握り合う」合理的な関係を目指すと述べ、
早期の訪日とシャトル外交への意欲を示した。
李氏は会見で産経新聞記者の質問に答え、対日関係について「自由民主主義陣営であり、米国との同盟関係でもある」と語り、北朝鮮の核・ミサイル問題や経済分野で協力できることは多いと述べた。また、北朝鮮の日本人拉致問題に関しては、「日本の拉致問題解決への努力に共感する」と述べた。
李氏は6月4日に就任し、本格的な記者会見は初めて。政治や外交・安全保障、経済など幅広い分野で国内外の記者らの質問に応じた。
李氏は就任当日、元徴用工問題を巡り「国家間の関係は政策の一貫性が重要だ」と述べ、
尹錫悦(ユン・ソンニョル)前政権が示した解決策を継承する考えを示唆していた。
17日にはカナダで石破茂首相と初めて対面で会談し、日韓関係の安定的発展に向け緊密に意思疎通する方針で一致した。
2025.06.09-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250605-4NL5DPMPU5M55EZFK6SUOWYI3U/
韓国国会、尹前大統領関連の捜査法案を可決 早くも前政権への報復に着手…司法掌握も加速
(時吉達也)
韓国国会は
5日、尹錫悦前大統領による「非常戒厳」宣布や尹氏の妻、金建希夫人の不正疑惑に対し、
検察などに代わり、与党などが推薦する「特別検察官」に捜査させる法案を賛成多数で可決した。
李在明新大統領率いる政権与党が、歴代政権でも行われた前政権への報復捜査に早くも着手した形だ。
法案は、特別検察官が今回の戒厳宣布に関し、首謀者に死刑または無期刑を科す内乱事件として捜査すると規定。金夫人による株価操作や国政介入など16件の不正疑惑も捜査対象となる。新与党「共に民主党」が議席の過半数を占める国会は、尹前政権当時から同様の法案を複数回可決したが、尹氏が拒否権を発動していた。
与党は検察・裁判所の掌握に向けた動きも加速させた。国会は5日、検事に対する懲戒請求を、検事総長に加えて法相も行えるようにする改正案を可決。最大野党「国民の力」の議員は採決に先立ち「(複数の事件で起訴された)李大統領を捜査した検事を懲戒し、仕事を遂行不能にする報復法案」だと批判した。
また、国会の法制司法委員会は4日、最高裁判事を現行の14人から30人に増やす法案を通過させた。韓国メディアによると、法案の規定に従えば30人中26人が李氏の任期(5年)中に任命される計算になる。
最高裁の曺喜大長官は5日、判事増員は「『国家百年の大計』の問題であり、長い間議論してきた」と述べ、法案に事実上反対する立場を表明した。
一方、
最高裁は5日、李氏が京畿道知事時代に北朝鮮に不正送金したとして起訴された事件にからみ、
李氏の側近だった当時の副知事に対して2審に続き懲役7年8月を言い渡した。大統領に就任した李氏本人の裁判が今後も続くかは不透明だ。
(時吉達也)
2025.06.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250607-Z32PRISPHVFLTMXCI5E4EMIGDA/
「日韓合意は破棄を」韓国の慰安婦支援団体、新大統領を歓迎 尹前政権は「対日屈従外交」
(奥原慎平)
韓国の慰安婦支援団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)」は
4日、李在明(イ・ジェミョン)大統領の就任を歓迎する声明を発表した。
慰安婦問題の不可逆的解決を確認した2015年の日韓合意について「死文化されており、破棄を促す」と主張。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)前政権に対して「失政は数え切れない。一貫した対日屈従外交で国益を毀損(きそん)した」と非難した。
声明は尹政権について「日帝強占期(日本の朝鮮半島統治期)の被害者の人権を地に落としたのは、最も許せない暴挙」と強調。日韓合意に関し「尹氏は『2015韓日合意が公式合意』と繰り返し、日本政府のスポークスマンを自任した」と批判した。
李氏に対しては、大統領選公約に「歴史・領土・人権研究予算の復元」「強制動員・日本軍慰安婦関連資料の構築拡大」「女性人権と平和財団(仮称)設立」を盛り込んだとして評価した。
「何より意味があるポイント」として、元慰安婦に対する人権侵害や名誉毀損行為に対し、禁止・処罰規定を設けるとしたことを挙げ「極右勢力を処罰し、少女像をテロから保護する意志に読める」とし、革新系の文在寅(ムン・ジェイン)政権に比べても「はるかに進歩した」と指摘した。
その上で、声明は「日本軍性奴隷制問題という巨大な歴史的不正義のもつれた糸を解きほぐしていく必要がある」と訴えている。
正義連を巡っては、尹美香(ユン・ミヒャン)前理事長による元慰安婦への寄付金の私的流用が発覚するなど韓国で支援活動の実態が疑問視されつつある。
(奥原慎平)
2025.06.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250604-IONFM74KR5BIPMVWHUGWPMOFWY/
「関係にひび入らぬように」立民・小熊氏が岩屋外相に注意 韓国新大統領の名前言い間違い
岩屋毅外相は
4日の衆院外務委員会で、韓国大統領選で当選した李在明(イ・ジェミョン)氏について、
「日本と韓国との関係は、これから国際社会の様々な課題、地域情勢に対する取り組みという面でも、パートナーとして協力すべき重要な二国間関係だと思っている」と述べた。「日韓関係が引き続き安定的に前に進むように、しっかりと韓国の新政権側とも緊密に意思疎通をしてまいりたい」と強調した。立憲民主党の小熊慎司氏に答えた。
ただ、岩屋氏は答弁の中で「昨晩というか今日というか、『イ・ジョミン』新大統領が誕生することとなった」「私どもは日韓関係、日米韓協力の重要性は変わらないというふうに考えているが、『イ・ジョミン』候補、『イ・ジョミン』大統領のご発言の中にも、『イ・ジェミン』ですかね」などと語った。
小熊氏から指摘を受け「『イ・ジェミョン』。すいません失礼しました。李在明大統領の発言の中にもそういうものがあったと承知をしている」と述べた。
小熊氏は
「名前を呼び間違えると、われわれも選挙で大変なことになるので、二国間関係にひびが入らないように、是非、名前を間違えないようにお願いをしたい」と笑顔を見せながらもくぎを刺した。
「外務省にも、大臣が名前を間違えないように、レクをお願いする」と語った。
2025.06.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250604-46O5G5E6LBFDJHUDGOFV2U7SYA/
慰安婦、徴用工…韓国新大統領に蒸し返し懸念「反日利用するな」「子供に正しい歴史を」
(奥原慎平)
韓国革新系政党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)前党代表が4日、大統領に就任した。
李氏は日本について「大切なパートナー」と発言する一方、過去に「敵性国家」と名指しし、韓国内の反日感情を利用した形跡がある。
前大統領の尹錫悦氏が岸田文雄首相(当時)と日韓関係を改善しただけに揺り戻しを懸念する声がくすぶる。
「ちゃぶ台返しは悪夢」
「前の大統領が引いたレールを壊さないように願うばかりだ。歴史問題を蒸し返し、反日運動を刺激すれば、再び壁ができてしまう。交渉しても最後にちゃぶ台返しされる悪夢が繰り返されないよう、願うしかない」
立憲民主党の渡辺周元防衛副大臣は4日、産経新聞の取材にこう語った。
「日韓の若者はファッションや音楽を通じ、壁がなくなっている。韓国国内の反日勢力をたき付けて支持の源にしようとするオールドスタイルはもうやめてほしい」とも訴え、石破茂政権に対して、こう注文する。
「石破首相は外交の面でいまだに未知数だ。対韓姿勢が分からない。岩屋毅外相も答弁書を読み返すような外交はやめてほしい」
「思想や哲学は変わらない」
日本維新の会の和田有一朗衆院議員も李氏に懐疑的な1人だ。
「反日思想で北朝鮮寄りの人物だ。『日本や米国と協調する』というが、本音ではないだろう。簡単に哲学や思想は変わるのか」と疑問視し、石破政権の対韓外交を注視する考えを示した。
大統領選で李氏側の外交に関する公約作成を統括した元外務次官は産経新聞の取材に「ゴールポストを動かさない。党として過去の政府間の合意や約束は破らない」と表明した。ただ、党の公約には「強制動員・日本軍慰安婦関連資料の構築を拡大する」と掲げている。
軍艦島の韓国人語り部と対談の機会を
強制動員を巡っては、長崎市の端島炭坑(通称・軍艦島)は韓国内で朝鮮半島出身者を強制連行した「地獄島」といった言説が流布されている。
軍艦島の元島民、中村陽一さんは産経新聞の取材に「韓国は子供たちに正しい歴史を教えてほしい。端島は決して『地獄島』『強制労働の島』ではない。『一島一家』で半島出身者も苦楽を共に住んでいた」と語る。
韓国メディアを通じて戦時徴用を巡る虚偽情報が拡散した契機とされるNHK番組「緑なき島」(昭和30年放送)についてNHK会長は元島民に謝罪した一方、韓国では今も戦時中に軍艦島で強制労働されたと主張する「語り部」が誤った歴史認識の形成に寄与しているとされる。
代表的な語り部、具然喆(グ・ヨンチョル)氏の証言には事実誤認や元島民の回想と大きく異なる。
中村氏は「李氏へのお願い」として、「ぜひ、具然喆氏に会えるように取り持ってほしい。一回お会いして、相手の言い分を聞かないといけない。対談させてほしい」と述べ、具然喆氏の主張を正したい考えを示す。
(奥原慎平)
2025.06.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250604-2V6NPMNMDNLS3ICXZAMDOYOU3A/
韓国大統領に李在明氏が就任 「国民統合の責任忘れない」 引継ぎ期間なく任期開始
【ソウル=石川有紀】3日投開票された韓国大統領選は4日、
革新系政党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)前党代表(60)の当選が確定し、李氏が第21代大統領に就任し、5年の任期が始まった。
李氏は4日未明に「当選確実」の報を受けて支持者の前に立ち、「国民を統合させる大統領の責任を決して忘れない」と勝利宣言した。
韓国社会に衝撃をもたらした昨年12月の「非常戒厳」宣布から半年を経て、李氏は政権交代を果たした。前大統領の罷免による大統領選では引き継ぎ期間はなく、中央選挙管理委員会の当選者確定と同時に就任し、任期が始まった。
李氏は4日、国会で行われる就任式で就任演説する予定。その後閣僚人事も発表するとみられる。
「当選確実」の報道が流れた3日深夜から、ソウル市中心部の汝矣島(ヨイド)に設けられた会場には李氏の支持者が続々と集結。青いペンライトを高く掲げ、「李在明」の名前を繰り返し熱気に包まれた。
李氏は4日未明に会場に到着。演説では昨年12月の尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領による「非常戒厳」宣布に言及し、「皆さんがこの国の主人は私たち自身だということを投票で証明した」と支持者をたたえた。そして、「内乱」克服や経済回復、朝鮮半島情勢を安定化すると誓った。
保守系政党「国民の力」候補の金文洙(キム・ムンス)前雇用労働相も4日未明、「国民の選択を謙虚に受け入れる」と述べ、敗北を認めた。
中央選挙管理委員会によると、開票は4日終了し、得票率は李氏が49・42%、金氏が41・15%だった。投票率は暫定値で79・4%。2022年の前回選挙の77・1%を上回った。
2025.06.03-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250603-YSTXVN7WVVLZJDSGPXFXUTBPB4/
韓国大統領選の投票始まる、日本に厳しい発言繰り返した革新野党の李在明氏がリードか
尹錫悦前大統領の罷免に伴う韓国大統領選の投票が3日午前6時(日本時間同)から約1万4千カ所の投票所で始まった。
選挙戦は昨年12月の尹氏による「非常戒厳」宣言への「審判」を訴えた革新系最大野党「共に民主党」の李在明前代表(60)がリードし、保守系与党「国民の力」の金文洙前雇用労働相(73)が追う展開となった。3年ぶりの保革の政権交代となるかどうかが焦点。
投票は午後8時まで。即日開票され、3日深夜から4日未明までに大勢が判明する見通し。新大統領は当選確定と同時に就任し、5年間の任期が始まる。
新政権の発足は日韓関係にも影響しそうだ。
李、金両候補とも日本との連携強化を掲げるが、李氏は過去に日本に対する厳しい発言を繰り返しており、日本政府内では警戒する見方がある。
金氏は関係改善に導いた尹政権の対日政策を継承する方針だ。
支持率3位の保守系少数野党「改革新党」の李俊錫議員(40)は、金氏陣営が求めた候補一本化に最後まで応じず、二大政党に不満を持つ有権者の支持獲得を図った。
(共同)
2025.05.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250525-SGUWH7GDQNLKZG2SOOIQFRIH3I/
韓国保守、強まる宗教色 キリスト教右派が「陰の支配者」に 与党取り込み拡大
(ソウル 時吉達也)
6月3日投開票の韓国大統領選は、
革新系最大野党「共に民主党」候補の李在明(イジェミョン)前党代表がリードする展開となっている。
与党陣営では尹氏による戒厳宣布を擁護するキリスト教右派が存在感を高め、中道層離れが加速している。宗教勢力が伸長し、変質する韓国保守の事情をリポートする。
集会費用1回1億円
週末のソウル市中心部、光化門広場前。ソウル市内を周遊する韓国版「はとバス」が、無数の太極旗がはためく集会の脇を通り過ぎていく。2階建てバスに乗った外国人観光客にとって、数万人規模の保守系支持者が集う
「太極旗集会」は、今やお決まりの撮影スポットとなっている。
北朝鮮への融和政策を進めた文在寅(ムンジェイン)政権下の2019年以降、毎週の太極旗集会を主導してきたのは、プロテスタントの所属教団から除名された異端の牧師、全光焄(チョングァンフン)氏だ。
「北朝鮮による連邦制国家の設立、朝鮮半島統一が目前に迫っている」。全氏が北朝鮮の脅威を強調すると、参加者らは両手を挙げて
「アーメン」と応じた。
地方住民のバスでの動員、大型ビジョンや簡易トイレの設置…。全氏は産経新聞のインタビューで、集会の費用について「1回につき10億ウォン(約1億円)かかる」と明かした。信者らの献金に加えて、クレジットカード事業による収入なども太極旗集会を下支えする。
抜群の資金力と動員力を誇る全氏を、保守系与党「国民の力」も無視できない。「牧師は右派陣営を天下統一した」。23年春、全氏を称賛する発言が問題となり、党最高幹部職を辞した国会議員は現在、
大統領選の党公認候補・金文洙(キムムンス)陣営の秘書室長を務める。
金候補も、過去に全氏の集会で演説するなど、強固な関係を誇ってきた。
「尹錫悦(ユンソンニョル)前大統領とは就任前から毎週通話していた」「私が金文洙を閣僚(雇用労働相)に起用するよう推薦した」。全氏は取材に対し、大統領に直言する
「影の支配者」としての影響力をあけすけに語った上で、こううそぶいた。
「われわれの勢力は大きい。私の助けなしには、韓国の大統領にはなれないということだ」
カリスマ塾講師参加の宗教団体も拡大
保守系与党に浸透する宗教右派は、全光焄氏率いる勢力だけではない。
日本統治下の1919年に起きた「三・一独立運動」の記念日を迎えた3月1日、国会議事堂前。警察推計で6万4千人を動員した光化門の太極旗集会と並び、5万5千人もの参加者を集結させたのが、1月に設立されたばかりのプロテスタント団体
「セーブコリア」だった。拙速な大統領弾劾手続きを批判し、瞬く間に集会規模を拡大。この日は与党議員37人も参加した。
「韓国が自由民主主義を守るのか、全体主義・共産主義に転落するのかの瀬戸際にある」。地方なまりで軽妙な語り口の歴史の授業が人気を集め、年俸60億ウォン(約6億円)超えのカリスマ塾講師だった全ハンギル氏が1時間以上熱弁をふるうと、参加者らは大きな歓声で応じた。
高齢者中心で信者の比率が高い太極旗集会に比べ、
セーブコリアは学生ら若年層の姿も目立つ。全ハンギル氏は取材に対し
「われわれは太極旗集会と違い、(革新系政権を率いた大統領である)金大中(キムデジュン)や盧武鉉(ノムヒョン)が果たした民主化の功績を否定しない。陣営を大きくするため戦略的に活動している」と明かす。
2団体の合計参加者数は12万人近い。同じ日に開催された革新系集会の1万8千人を圧倒した。宗教右派の影響力がさらに拡大する現状を浮き彫りにしている。
いびつな与党の構造
しかし、現場の熱気とは対照的に、
「サイレント・マジョリティー(物言わぬ大衆)」の中道層は、
時代錯誤の戒厳宣布を強行した尹錫悦前大統領を擁護する与党を敬遠。野党支持に大きく傾いている。
韓国ギャラップが16日に発表した世論調査では、
革新系の李在明候補の支持率は51%を記録。保守系の金文洙候補の29%を大きく引き離した。同社は李氏が
「歴代最高の得票率を記録する可能性がある」との見方を示している。ポイント差はその後やや縮小したものの、接戦と呼ぶにはほど遠い状況にある。
多くの有識者は
「尹氏と決別し、中道層の取り込みを図るのが保守陣営勝利の最低条件」(月刊朝鮮の趙甲済元編集長)と口をそろえる。それでも与党が宗教色を強め真逆の方向に向かう背景には、いびつな党内の構造が影響している。
昨春の総選挙で惨敗した与党は、ソウルなど首都圏122選挙区の獲得議席が19にとどまった。一方で
「党公認を得られれば当選がほぼ決まる」と指摘される保守の地盤、
南東部慶尚道地方では65選挙区のうち59議席を得た。その結果、国会議員の地域バランスの偏りはさらに強まった。
大統領選の勝利には、大票田である首都圏での得票が不可欠だ。しかし、そのために改革派が党を主導することになれば、
尹氏と歩調を合わせてきた慶尚道選出の議員らは次期総選挙で公認を得られなかったり、来年6月の統一地方選で意に沿わない人選を強いられたりするジレンマに陥ってしまう。
大統領選挙戦で金氏陣営は大きなうねりを起こせないまま、最終盤を迎えている。与党関係者は「与党議員の多くは、改革派に党の実権さえ奪われなければ大統領選に負けても構わないと考えている」と指摘し、力なく首を振る。
「大統領選で大敗するだけでは、党は正気に戻らない。韓国保守が再建の道に向かうのは、地方選で惨敗し、現職議員の地盤が崩された後だろう」
(ソウル 時吉達也)
2025.05.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250525-TX4SB2OMK5N5VMJTPIJLJ6QXZ4/
韓国政界の「影の支配者」福音派牧師インタビュー 「私の助けなしには大統領になれない」
(ソウル 時吉達也)
6月3日の韓国大統領選投開票を前に、現政権を含む右派陣営に影響力を持ち「影の支配者」とも呼ばれる全光焄(チョングァンフン)牧師が産経新聞のインタビューに応じた。
全氏は弾劾罷免された尹錫悦(ユンソンニョル)前大統領と「毎週通話していた」などと述べ、
保守系与党「国民の力」と密接な関係にあることを強調。自身の支援がなければ、「韓国大統領にはなれない」と豪語した。
反北朝鮮、大規模デモを主催
全氏は、聖書の内容を忠実に守ることを重視するキリスト教のプロテスタント福音派の牧師。同性愛に反対する原理主義的な言動や反北朝鮮の姿勢で知られ、革新系の文在寅(ムンジェイン)政権(2017~22年)下で活発化した右派陣営の毎週定例の大規模デモ「太極旗集会」を主催してきた。
多い日には警察推計で6万人以上の動員を誇る太極旗集会について、全氏は「(宗教の自由がない)北朝鮮主導で朝鮮半島に連邦制が敷かれれば、『教会が運営できなくなり、信者は移民を余儀なくされる』との危機感から支持者が集まっている」と説明。地方住民のバスでの動員や人件費など、1回あたり「10億ウォン(約1億円)」に上る開催経費を参加者の献金で賄っているとした。
与党「国民の力」と強固な関係
太極旗集会には保守系与党「国民の力」の現職議員らが出席することもあり、同党との強固な関係が伝えられている。全氏は、同党所属だった尹氏と、前回22年の大統領選挙以前から「毎週通話していた」と説明。今回大統領選の与党候補、金文洙(キムムンス)前雇用労働相とは集会を通じて過去4年間活動を共にしてきたとし、尹政権での金氏の閣僚起用についても「私が(前)大統領に推薦した」と述べた。
全氏はさらに、自身の支持勢力を背景に「私の助けなしには、韓国大統領にはなれない」と強調。李承晩(イスンマン)初代大統領ら韓国の歴代指導者に言及した上で、「今(の時代の指導者)は私だと思う」と述べた。
(ソウル 時吉達也)
「非暴力の革命を目指している」
全光焄牧師とのインタビューでの主なやり取りは以下の通り。
―太極旗集会に多くの支持者が参加している
「第一の理由は信仰だ。北朝鮮主導で朝鮮半島に連邦制が敷かれれば『教会が運営できなくなり、信者は移民を余儀なくされる』との危機感から支持者が集まっている」
「すでに、金大中(キムデジュン)、盧武鉉(ノムヒョン)、文在寅という左派の大統領3人が、(南北首脳会談を通じて)連邦制に応じる署名をしている。今回、(革新系候補である)李在明(イジェミョン)が大統領に当選すれば、すぐに連邦制への移行を進めるだろう」
―与党に影響力を持つようになった経緯は
「(ソウル市中心部の)光化門広場での(太極旗)集会を通じて、議員らと4年間活動を共にしてきた。公の場では言わないようにしていたが、実は尹錫悦(前)大統領とは(22年の)大統領当選前から毎週通話をしていた。われわれの勢力が大きいから、私の助けなしには大統領になれないんだ。(保守系候補の)金文洙(前雇用労働相)の閣僚起用を尹大統領に推薦したのも私だ」
―尹氏の弾劾を審理した憲法裁判所に対する暴動をあおったと批判されている。法治を軽視していないか
「わが国はすでに、司法が崩壊しているじゃないか。憲法前文には(李承晩元大統領の選挙不正を糾弾した1960年の四月革命を指す)『4・19』の理念を継承するとの記載もあり、韓国国民には『抵抗権』が保障されている。ただ、われわれは非暴力の革命を目指している」
―大統領選の見通しは
「李在明が当選する可能性が高いが、新政権が日本や米国とうまくやろうとすれば、北朝鮮が放置しない。北朝鮮(の工作活動)によって、1年以内に弾劾されることになるだろう」
―過去には「神様も俺に楯突けば死ぬ」などの発言が物議を醸した
「過去2000年間で、言葉遣いが最も汚かったのは(米公民権運動指導者の)マーティン・ルーサー・キング牧師だ。闘争の中では汚い言葉も飛び出すものだ」
「私の発言は一種のジョークで、一部を切り取って伝えられた。ただ、発言を告発した者はその後、自殺した。李承晩初代大統領をはじめとした時代の指導者と対立した者は、みな死ぬことになっている。神様が歴史を運営する原理だ」
―自身もその系譜を継ぐ指導者だと考えるのか
「今(の時代の指導者)は、私だと思う」
2025.05.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250510-MMGX35A2WJMKNCA56CHCHVN7II/
韓国与党がドタバタ 公認候補交代に失敗して党トップは辞意、金文洙氏が候補復活へ-(韓国大統領選2025)
【ソウル=桜井紀雄】韓国の保守系与党「国民の力」は
10日未明、6月3日の大統領選の候補に選出した金文洙前雇用労働相の公認を取り消したと発表した。党執行部は無所属で出馬表明した韓悳洙前首相を新たな公認候補に交代させる手続きに着手。10日に全ての党員を対象に候補交代の賛否を問う投票を実施した結果、反対多数で否決された。
党トップの権寧世非常対策委員長は、保守系候補の早期一本化に難色を示した金氏を強引に引き降ろそうとし、失敗した責任を取って辞任すると表明。革新系最大野党「共に民主党」公認候補の李在明前代表に大きくリードされる中、与党指導部は、候補の一本化で支持拡大を図ろうとしたものの、強引な手法には、党内からも激しい批判が相次ぎ、かえって大きな混乱をもたらした。
中央選挙管理委員会への候補届け出は11日が期限で、金氏の公認候補資格が復活され、金氏が与党候補として出馬する可能性が高い。
執行部の候補交代手続きに対し、金氏は10日、記者会見で「正当に選出された候補資格を剝奪した政治クーデターだ」と執行部を非難し、「不法な候補交代に法的、政治的措置を直ちに取る」と表明した。公認取り消しの効力停止を求める仮処分を同日、裁判所に申し立てていた。
12日から正式な選挙戦がスタートするが、党執行部と金氏の対立は深刻化しており、与党陣営はしばらく混迷から抜け出せそうにない。
「非常戒厳」を宣布した尹錫悦前大統領の弾劾に反対してきた金氏は、尹氏の支持層ら強硬保守派の支持を集めてきた。
金氏は党内予備選に参加した候補のうち、韓氏との候補一本化に最も前向きな姿勢を示してきたが、
3日に公認候補に選出された後、消極姿勢に転じ、執行部が求める早期の一本化を拒否。7日から韓氏側と断続的に協議したが、決裂した。
2025.05.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250510-BFBQCIONZJNWRJ2ZVGUA6MNRAY/
韓国与党が公認候補をすげ替えへ、「政治クーデター」と元の候補は徹底抗戦 韓国大統領選
【ソウル=桜井紀雄】韓国の保守系与党「国民の力」は
10日、6月3日の大統領選の候補に選出した金文洙前雇用労働相の公認を取り消し、無所属で出馬表明した韓悳洙前首相を新たに候補に登録したと発表した。金氏が中央選挙管理委員会への候補届け出期限である11日までの保守系候補の一本化を拒否したことから、党執行部は事実上、強制的な公認候補のすげ替えに乗り出した。
与党は10日、候補交代の賛否を問う党員投票を実施。11日に全国の党関係者らを集めた委員会を開いて韓氏を公認候補に指名し直す見通しだ。
金氏は10日、記者会見で「正当に選出された候補資格を剝奪した政治クーデターだ」と執行部を非難し「不法な候補交代に法的、政治的措置を直ちに取る」と表明した。公認取り消しの効力停止を求める仮処分を同日、裁判所に申し立てた。
10日に国民の力に入党した韓氏も記者会見し、「われわれは皆、力を合わせなければならない。勝利だけに集中する」と訴え、候補交代を巡る混乱について陳謝した。
革新系最大野党「共に民主党」公認候補の李在明前代表が支持率で大きくリードする中、与党執行部は、保革双方の政権で首相を務めるなどし、一定の無党派層の支持も見込める韓氏への候補一本化で支持拡大を図ろうとした。だが、金氏との深刻な対立を生んだ今回のやり方には党内からも批判の声が出ている。
「非常戒厳」を宣布した尹錫悦前大統領の弾劾に反対してきた金氏は、尹氏の支持層ら強硬保守派の支持を集めており、今回の内紛は支持層の離反を招く可能性がある。
金氏は党内予備選に参加した候補のうち、韓氏との候補一本化に最も前向きな姿勢を示してきたが、3日の党大会で公認候補に選出された後、消極的な姿勢に転じ、執行部が求める早期の一本化を拒否。7日から韓氏側と断続的に協議したものの、9日夜に決裂した。
2025.05.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250503-CQUPI46U6ZJLVICGLUKUJAIFTQ/
韓国与党公認候補に尹氏擁護の金文洙氏、韓前首相との候補一本化に前向き-韓国大統領選2025
【ソウル=桜井紀雄】韓国の保守系与党「国民の力」は
3日、ソウル近郊で党大会を開き、6月3日の大統領選の公認候補に金文洙(キム・ムンス)前雇用労働相(73)を選出した。
金氏は「非常戒厳」を宣布した尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領を擁護し一貫して弾劾に反対。尹氏の支持者ら強硬保守層の支持を集めた。
尹氏擁護派のイメージが強い金氏に拒否感を抱く有権者も少なくなく、
中道層の取り込みが難しいという課題も抱える。
保守陣営では金氏に代わり、2日に無所属で出馬表明した韓悳洙(ハン・ドクス)前首相を推す声も強い。金氏も韓悳洙氏との保守系候補の一本化に前向きな立場を示しており、一本化に向けた動きが本格化する見通し。
金氏は公認候補選出後に演説し、閣僚の弾劾訴追を乱発してきた革新系最大野党「共に民主党」を「歴史上最悪の国会独裁だ」と非難。同党公認候補の李在明(イ・ジェミョン)前代表による政権奪取を防ぐため、「いかなる勢力とも連帯していく」と訴えた。
与党の予備選では、党員らの投票や世論調査による決選投票で、金氏が56・53%の得票率で韓東勲(ハン・ドンフン)前与党代表を退けた。
尹氏と同じ検事出身の韓東勲氏は、有力な大統領候補と目されながら、尹氏の戒厳宣布を批判し、弾劾に賛成したことで、尹氏の支持者から「裏切り者だ」と攻撃され、支持が伸び悩んだ。
金氏は世論調査の多くで、保守系政治家のうち、支持率で首位に立ってきた。ただ、野党の李氏に大きくリードされ、与党内でも「中道受けしない金氏では勝てない」との声が漏れる。
一方、韓悳洙氏は、革新系の盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権でも首相を務め、革新系の地盤の南西部、全羅道地域出身だ。過去の対米交渉の実績から対米関税交渉の難局に当たる適任者とも評価され、中道層の取り込みが期待されている。
ただ、
2022年の尹政権発足時から首相を続けてきた韓悳洙氏は、戒厳の責任を免れ得ないとの批判がある。
野党は、尹氏による戒厳という「内乱の共犯者だ」と韓悳洙氏を非難してきた。
金氏と韓悳洙氏の候補一本化が実現したとしても、戒厳の負のイメージは払拭し切れず、支持拡大には限界があるとの見方も出ている。
2025.04.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250427-SO2CSJX2Y5I6RPWO4U5MPZPBRY/
「日本は敵性国家」、処理水放出は「宣戦布告」…韓国大統領有力候補、李氏の「妄言集」
韓国・尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の弾劾罷免に伴う次期大統領選で、選挙戦をリードする最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)前代表に対抗しようと、保守系与党「国民の力」側が李氏の問題発言をまとめた語録「妄言集」を発表した。
日本敵視発言や「陰謀論」に近い主張を繰り返してきた李氏が国を治める危険性を強調する内容となったが、なりふり構わない与党のネガティブ・キャンペーンに冷ややかな反応も少なくない。
自衛隊を敵視、日米との合同訓練は「国防惨事」
「妄言集」は3月下旬、与党ナンバー2の権性東(クォン・ソンドン)院内代表が出版を発表。過去に波紋を呼んだ李氏の発言計138個を紹介する内容となった。尹氏の大統領罷免の判断が出る前のタイミングでの出版は、表面上は弾劾反対を訴えつつ、罷免を見越して大統領選への準備を進める与党の姿勢を公然と示した。
語録の中で、李氏が一貫して批判的な視線を向ける対象の一つが、日本だ。2016年、当時の朴槿恵(パク・クネ)政権が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を締結した際、ソウル近郊の城南市長だった李氏はフェイスブックでこう主張した。(以下、《》は語録に収められた発言)
《軍事的側面からすれば、依然として日本は敵性国家であり、日本が軍事大国化する場合、最初に攻撃対象になるのが朝鮮半島であることは自明だ。そんな日本に軍事情報を提供し、日本の軍隊を公認する軍事協定だなんて…》
22年の前回大統領選で尹氏に惜敗し、最大野党の党代表に就任した後も李氏の対日スタンスは一貫している。尹政権下で日米との安全保障協力が強化された22年には、日本海上で実施された3カ国訓練をこう批判した。
《韓米日軍事訓練をすれば、日本の自衛隊を正式な軍隊として認めるように見えるのではないか。外交惨事に続く国防惨事であり、極端な親日行為、極端な親日国防だ》
尹政権が取り組んだ日韓関係の改善と反比例するように、李氏の対日発言は過激化していく。東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出が実施された23年8月には、日本との「戦争」にまで言及した。
《日本が越えてはならない線を越えた。核汚染水の放流は、(韓国を含む)太平洋沿岸国家に対する戦争を宣布したものだ》
一方、昨年12月に尹氏が弾劾訴追され、自身の大統領就任が現実味を帯び始めると、「個人的に日本に対する愛情はとても深い」「韓日関係は敵対的でなく、日本の国防力強化は脅威ではない」などと述べ、李氏は対日スタンスを大きく転換している。
尹氏と重なる「アンチ司法」発言
「実用主義」を標榜(ひょうぼう)し、状況に応じてあっさりと前言を翻す李氏の行動原理は「妄言集」に記載された他の発言からも確認できる。
尹氏の大統領弾劾を巡り、李氏は「民主共和国で憲法秩序に従った決定が下されれば、承服しないでどうするのか」と述べ、憲法裁の決定に従うよう尹氏に促した。
一方、8年前の17年2月には、憲法裁の判断に対して正反対の考えを示していた。当時、憲法裁では朴槿恵氏弾劾に関する審理が進行中だった。
《国家機関(憲法裁)の決定に従わなければならないという議論には失望させられる。私は同意しない》
李氏は朴氏に批判的な立場。憲法裁が罷免を退けたとしても、その判断は受け入れられない、という主旨の強硬発言だ。
検事出身の尹氏と、弁護士出身の李氏。ともに法曹出身でありながら、司法への不信感を隠さないのは共通といえる。
李氏はさらに、保守系与党が惨敗した昨年4月の総選挙で開票不正があったとの主張を展開した尹氏と同様、過去の選挙で開票不正の「陰謀論」を開陳している。保守系の朴槿恵氏が当選した12年の大統領選について、結果を認めない立場を明らかにしていた。
《大統領選挙は(李承晩政権下で行われた1960年の)3・15不正選挙をしのぐ不正選挙でした。国家機関の大々的な選挙介入に開票不正まで…。手作業で開票し、不正を遮断しなければいけません》
妄言ではなく、実は「名言集」?
与党幹部の権氏は語録の冒頭あいさつで、「過去は未来を映す鏡」だと強調。内政・外交のあらゆる分野で変遷する李氏の言葉は「国民を欺く道具に過ぎない」と主張した。与党は語録を通じ、李氏の大統領としての資質に問題があることをアピールする構えだ。
しかし、出版に対する反応は必ずしも思惑通りになっていない。「妄言とはいえない発言まで多数掲載され、野党支持者らは『名言集』として喜んでいる」(革新系のハンギョレ紙)。語録には、李氏の真意や主張の一貫性はさておき、「正論」を訴えた発言も多く収録されたためだ。
《誰かは政治報復をやめなければならず、機会があれば当然私の段階でやめる》
《政治的利益を得ようととする「安全保障ポピュリズム」は国を滅ぼす道だ》
《フェイクニュースは民主主義の敵だ。われわれ民主党の力量を総動員して厳重に責任を問い、必ず退治する》
共に民主党は報道官名義の論評で、「妄言集」について「李在明代表の苦悩と考えに共感するのに役立ちそうだ。代表の情熱、韓国を変えようとする代表の意思が本に込められた」と皮肉たっぷりに評価。選挙戦を優勢に進める陣営の余裕をうかがわせた。
2025.04.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250416-5TPVL3JNP5JPHCEHDODSMFDKSQ/
韓国大統領選、与党は候補8人乱立も低迷 支持率合計でも野党の李在明氏に太刀打ちできず
【ソウル=桜井紀雄】6月の韓国大統領選に向けて保守系与党「国民の力」と革新系最大野党「共に民主党」は党公認候補を選ぶ予備選の候補登録を16日までに行い、与党では届け出た11人のうち8人が書類審査を通過した。
李在明(イ・ジェミョン)前代表が独走状態の最大野党と対照的に与党は候補者が乱立するが、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の弾劾罷免を受けた選挙だけに勢いは低迷。
与党候補の支持率を合計しても李氏1人に太刀打ちできない状況だ。
怪物政権誕生-に対抗も
「李在明候補を司法の審判台に立たせるべきだ」。与党の重鎮である洪準杓(ホン・ジュンピョ)前大邱(テグ)市長は出馬を表明した14日の会見で、李氏が市長時代の不正疑惑など5つの公判を抱えていることを念頭にこう強調した。
韓東勲(ハン・ドンフン)前与党代表も10日の出馬宣言で「危険な人間が大統領になり、怪物政権が誕生し、国を滅ぼすことは防がねばならない」と李氏への対抗を前面に打ち出した。いずれの与党候補も、親北朝鮮・親中国傾向にあり、さまざまな不正疑惑を抱える李氏が政権を握ることへの危機感を訴えるが、与党刷新の施策は十分に打ち出せず、新たな支持層を取り込めていない。
世論調査会社、韓国ギャラップが11日に発表した支持率調査では、李氏の37%に対し、与党候補は最も高い金文洙(キム・ムンス)前雇用労働相でも9%にとどまった。李氏との1対1の対決を仮定した調査でも、どの候補も李氏に大きく水を開けられている。
尹錫悦氏の影
与党候補が予備選を勝ち抜く上で、強い結束力と存在感を誇る尹氏の支持層を無視できないのが実情だ。
金氏は尹氏を擁護するような発言を繰り返し、戒厳を巡り国会で野党議員に起立して謝罪するよう迫られた際には、閣僚で唯一起立に応じず、尹氏の支持層から評価された。重鎮女性議員の羅卿瑗(ナ・ギョンウォン)氏も、これまで大統領弾劾に強く反対。尹氏と度々面会し、親しい関係性をアピールしてきた。
一方で、戒厳騒動の前まで次期大統領の保守系最有力候補だった韓前代表は、尹氏との対立が表明化した上、弾劾への賛成を表明したことから、支持層に「裏切り者」とみなされ支持率が伸び悩んでいる。
尹氏と距離を置く他の候補も、苦戦ぶりがうかがえる。中道層からも一定の支持があり、戒厳に批判的な立場を示していた呉世勲(オ・セフン)ソウル市長は有力候補と目されながら、12日に記者会見で「与党の誰も尹政権の失敗の責任から自由ではない」と述べ、不出馬を表明した。同じく中道層の支持もある劉承旼(ユ・スンミン)元議員も旧態依然の与党を批判し、予備選への不参加を発表した。
「代行」に待望論
そうした中、大統領の権限を代行する韓悳洙(ハン・ドクス)首相に与党内から待望論が持ち上がっている。手堅い行政運営が評価されている上、革新系の盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権でも首相を務めた経歴があり、保守層以外の支持も期待できるからだ。
韓首相は党内予備選には登録しなかったが、無所属での立候補を求める声もある。
14日の閣議では「最後の使命を果たす」と述べ、
当面は米国との関税協議など、喫緊の行政課題に集中する立場を示した。
2025.04.11-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250411-VF3QBH4JL5KUXC7QSPO6UXUO3Y/
韓国地下鉄トンネルが工事中に崩落 ソウル近郊 作業員1人閉じ込められ、もう1人不明
韓国ソウル近郊の光明(クァンミョン)市で
11日午後3時10分ごろ
(日本時間同)、補強工事を行っていた地下鉄トンネルと上部の道路が崩落した。
作業員5人と一時連絡が取れなくなり、3人が救助された。1人は地下に閉じ込められ、もう1人の行方が分かっておらず、救助を急いでいる。韓国メディアが報じた。
光明市は崩落事故を受けて、近隣住民に避難を勧告した。
11日未明、深さ約30メートルの地下鉄トンネル内の柱に亀裂が見つかり、作業員17人が工事を行っていたという。
(共同)
2025.04.09-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250408-E5THWX7HNFOOREMVEA2NU52ACQ/
北朝鮮兵10人が軍事境界線侵犯 韓国軍の警告射撃で引き返す、昨年6月にも侵犯3回発生
(時吉達也)
韓国軍合同参謀本部は8日、
同日午後5時ごろ、北朝鮮兵約10人が南北軍事境界線を侵犯した。
兵士らは韓国軍の警告射撃などを受けて北側に戻った。聯合ニュースによると、
韓国軍が非武装地帯(DMZ)内で北朝鮮軍に警告射撃をしたのは昨年10月以来。
軍事境界線周辺では昨年6月にも、北朝鮮兵が南側に侵犯する事案が3回発生。兵士らは地雷の埋設や荒れ地の造成を進めているとみられていた。
(時吉達也)
2025.04.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250406-A6ZWVRGLU5MIDDB6R5S3HAHAJI/
姿見せぬ韓国の尹錫悦前大統領、近く公邸退去か 警護処は10年警護 待遇は剝奪
【ソウル=石川有紀】韓国の「非常戒厳」宣布を巡り弾劾罷免された尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領は、
憲法裁の宣告から2日が過ぎた6日も公の場に姿を見せず、動静が注目されている。
尹氏は内乱首謀罪の刑事裁判で14日に初公判を控える。現職大統領の不訴追特権を失ったことで、職権乱用など別の容疑でも捜査が進展する可能性がある。
尹氏は罷免の宣告後も大統領公邸にとどまり、側近や与党「国民の力」指導部らと面会している。近く退去し、金建希(キム・ゴンヒ)夫人や愛犬と、ソウル市内の私邸マンションへ移るとみられている。2017年に大統領を罷免された朴槿恵(パク・クネ)氏は、宣告から2日後に青瓦台(当時の大統領府)からソウル市内の私邸に移った。
韓国の法律では、在職中に弾劾罷免された大統領でも、警護処による警護・警備は最長10年間、保障される。
一方、大統領経験者としての待遇はほぼ剝奪され、在職時の年俸の95%の年金▽事務室▽本人と家族の医療▽秘書官3人と運転手▽死去後の国立墓地への安置-といった権利を失う。
聯合ニュースによると、尹氏は6日、弁護人を通じ、「若者の皆さん、今日の現実がつらくても決して挫折せず、自信と勇気を持ってください」などと支持者団体に向けメッセージを送った。尹氏は拘置所で拘束されていた2月、団体の集会を知り涙が出たと振り返り、「大統領職は降りたが、ずっと皆さんを見守る」と感謝した。
ソウル市中心部では6日、尹氏の弾劾賛成派の「祝勝」集会と弾劾反対派の抗議集会が行われ、それぞれ大規模な人出が見られた。
2025.04.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250404-JS4HHLFYVJD55P6JA77WK75RUU/
反日揺り戻しか「文前政権ほど悪化しない」崔碩栄氏「李在明氏はポピュリスト」 尹氏失職
(聞き手 奥原慎平)
韓国の憲法裁判所は4日、
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の罷免を決定し、
尹氏は即時失職した。
尹氏は日韓関係を劇的に改善させており、歴史問題を蒸し返した文在寅(ムン・ジェイン)前政権時代への揺り戻しが懸念される。
韓国の「反日システム」の仕組みに詳しい著作家の崔碩栄(チェ・ソギョン)氏が産経新聞のインタビューで「尹政権ほど良好な関係は維持しないが、文政権ほどは悪化しない」との見方を示す。主なやり取りは以下の通り
─憲法裁判所で裁判官8人全員が尹氏の「非常戒厳」宣布について「正当化できない」と判断し、罷免が言い渡された
「事前に弾劾反対派が集会を催すなど抗議活動を行い、弾劾訴追が棄却される予想もあったが、憲法裁判所の裁判官はプライドが高く圧力に左右されなかった」
─60日以内に次期大統領選が行われる
「野党『共に民主党』が優位だろう。ただ、北朝鮮との距離は文政権ほど近くはならない。党代表の李在明(イ・ジェミョン)氏は文氏と本質的に異なる。文政権中枢は北朝鮮とつながりがあったが、李氏にそういうのはない。李氏は人気が得られるなら親米にも反米にも親日にも反日にもなるポピュリストだ」
─共に民主党内は李氏に対抗できる有力政治家は見当たらないのでは
「ただ、李氏が大統領候補になる確証はない。文氏は共に民主党に一定の力を持っている。文氏の大統領秘書室長だった任鍾晳(イム・ジョンソク)は、李氏ではなく『他の候補に頑張ってほしい』とメッセージを送っている」
─歴史問題を蒸し返しされる可能性は
「韓国で慰安婦問題やいわゆる徴用工問題は勢いを失っている。ただ、新しい歴史ネタは出してくる恐れがある。有力なのは関東大震災での『朝鮮人虐殺』などだろう」
─石破茂政権の対韓政策についてどう見る
「石破首相はやんわりとした言い方で『関係改善』『友好』というが、目指すものが具体的に見えない。韓国国内での石破首相に対する関心は低い」
(聞き手 奥原慎平)
2025.03.26-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250326-MV4ZTIEERZAFLGBN3NJU75JUXI/
「道徳守れ」「国の恥」の声、韓国人迷惑行為で立ち入り禁止の対馬の神社 韓国でも報道
韓国人観光客による迷惑行為に悩まされる長崎県対馬市の和多都美(わたづみ)神社が23日に
参拝目的以外での立ち入りを禁止したことは、
韓国メディアでも相次いで報じられた。
毎日経済新聞は26日、一部の外国人観光客の無秩序な行動を理由に、和多都美神社は観光目的での入場を禁止したと報じた。同紙によれば、神社周辺での違法駐車を注意した神社職員に対して、
韓国人男性が慶尚道の方言を使いながら悪口をいう映像もSNSに投稿されていたという。
日本の中国情報サイト「レコードチャイナ」は25日、韓国メディアに寄せられた「恥ずかしい」「外国へ行って醜態をさらす韓国人がいまだに存在しているとは」「海外ではより慎重に、マナーのある行動をするべき。国の恥をさらすな」という韓国人による批判の声を紹介した。
韓国での報道には、中国人観光客のマナーが韓国でも問題視されていることを踏まえ、
「中国人観光客が(韓国の観光スポットの)済州島で子供に排便させたり、ポイ捨てをしたりするのと同じ」「いつも中国人観光客のマナーを批判しているのだから、われわれも外国に遊びに行ったらその国の公衆道徳を守らないと」といった意見もみられたという。
他方、韓国メディアのアジア経済は25日、
和多都美神社を訪れた韓国人観光客が「嫌韓」を体験したと伝えた。あるユーチューバーは「いきなりほうきを持って出てきて高圧的な態度で追い出された」「韓国語で『出ていけ!』と言われ、よい経験ではなかった」と語っているという。
2025.03.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250308-GPWAX3KNQNLMFP5C6YOBZJWC4M/
韓国・尹大統領が52日ぶりに釈放、検察が即時抗告断念 「応援に深く感謝」と声明
【ソウル=桜井紀雄】韓国検察は8日、
「非常戒厳」宣布を巡る内乱首謀罪で逮捕、起訴された尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の勾留取り消しを認めたソウル中央地裁の決定に対し、
即時抗告しないと明らかにした。
尹氏はソウル拘置所から釈放され、大統領公邸に戻った。
尹氏の釈放は1月15日に拘束されて以来、52日ぶり。
尹氏は弁護団を通じて
「応援してくれた国民に深く感謝する」と表明。戒厳を巡り逮捕、起訴された他の関係者らの「釈放を祈る」とも訴えた。
尹氏の罷免の可否を判断する憲法裁判所の弾劾審判の決定が今月中旬にも見込まれている。刑事裁判も同時に進んでいるが、尹氏は在宅で臨むことになる。地裁は、勾留期間が満了後に起訴したといった捜査当局の手続きの不備を指摘しており、今後の公判に影響する可能性がある。
2025.02.25-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250225-222TRAHBVBMQPJ4CFUMGKZYJQI/
高速道路工事で橋桁崩落 韓国、作業員ら7人死傷、他にも生き埋めか
韓国中部、忠清南道天安市の高速道路の工事現場で
25日午前9時50分(日本時間同)ごろ、橋桁が崩落し、作業員2人が死亡、5人が負傷した。
他にも生き埋めになっている人がいる可能性があり、消防当局が救助作業に当たっている。
聯合ニュースによると、橋桁は長さ約50メートルにわたって崩落し、下にいた作業員らが巻き込まれた。韓国メディアは、崩落の瞬間を捉えた映像を伝えている。
(共同)
2025.02.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250222-J3M535E3IVPJDJGBEO2MPTXFWI/
光州に本当の〝民主化〟の動き 大統領支持派の集会が圧勝
(黒田勝弘)
韓国では戒厳令騒ぎで逮捕されてしまった尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する
糾弾派と支持派が集会・デモを競っているが、先週末、伝統的に野党・革新勢力の牙城である光州(クァンジュ)市で珍しい対決風景が見られた。
大統領の弾劾・罷免を要求する知事や市長、市民団体はじめ野党勢力の集会より、弾劾反対を叫ぶ保守系の集会の方が盛況だったのだ。
光州は人口約140万で韓国南西部の大都市。1980年、戒厳令下で金大中(キム・デジュン)氏が逮捕されたことに市民ぐるみで反発し、民主化要求のデモと軍の衝突で多数の犠牲者が出た光州事件の歴史から〝民主化の聖地〟などと呼ばれてきた。しかし一方では光州事件に対する批判や異論をはじめ、保守派の主張は一切認められないなど〝野党独裁〟の雰囲気でも知られる。
今回も弾劾反対集会に対して市長や野党陣営は「光州市民への冒瀆(ぼうとく)」などといって堂々と禁止論を主張していた。弾劾反対集会には他地域からキリスト教系などがかなりはせ参じていたようだが、結果は地元警察発表では1万人と3万人で保守派が圧勝。光州では全く異例の出来事となった。
保守派は「光州も政治的に異論と多様性を認める本当の民主化が進むといいね」と皮肉っているが、これ一過性のエピソードに終わるのかどうか。
(黒田勝弘)
2025.02.20-産経新聞(KYOO)-https://www.sankei.com/article/20250220-4GV2EUUVXZJDBJPYTHMZRARZNY/
米爆撃機が朝鮮半島展開 トランプ政権で初、韓国「米との緊密な協力で北の脅威に対応」
韓国国防省は
20日、米軍のB1B戦略爆撃機と韓国軍の戦闘機が同日、朝鮮半島上空で訓練を実施したと発表した。
米国の「核の傘」提供を軸とする拡大抑止を誇示し、核・ミサイル技術を高度化させる北朝鮮を牽制する狙い。
第2次トランプ政権の発足後、米軍の戦略爆撃機が朝鮮半島に展開するのは初めて。北朝鮮が反発する可能性がある。
訓練には米軍のF16戦闘機のほか、韓国軍のステルス戦闘機F35Aなども投入された。国防省は「韓米の緊密な協力で北朝鮮の脅威に対応できるよう合同訓練を拡大していく」と強調した。
(共同)
2025.02.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250218-WCHYDYK5BBI6HK6KYE553732KA/
尹大統領支持へ声上げた20~30代韓国男性 「親中」野党に不満、女性優遇への反発も
韓国で
「非常戒厳」を宣布し、
弾劾訴追や逮捕・起訴された尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領を支持するデモが拡大している。
目立つのが20~30代男性の参加者だ。
昨年12月の戒厳直後に尹氏の弾劾を求めたデモは20~30代女性が牽引(けんいん)したのに対し、同世代の男性が声を上げることは少なかった。彼らが声を上げ始めた背景には、尹氏が進めた対日協力策への評価や野党の親中姿勢への反感も見られた。
「尹錫悦を守る」「大統領を守る!」。今月13日夜、ソウル中心部で開かれた「大統領国民弁護団」の発足式で、壇上に立った塾講師出身の人気ユーチューバーがこう声を張り上げると、
集まった人々も合わせて連呼し、会場は異様な熱気に包まれた。
尹氏の弁護団が弾劾反対の世論を盛り上げようと、一般人らの参加を呼び掛けたものだが、加入者は17日現在、18万人を超える。発足当時の集計では、そのうち
4割近くを10~30代が占めた。
戒厳直後、尹氏の弾劾を求めるデモの会場で目を引いたのは20~30代女性だ。K-POPアイドルの歌を口ずさみ、ペンライトを振る光景が見られた。それに対し、弾劾に反対するデモ参加者の大半は高齢層だった。
ただ、今年1月15日の尹氏の身柄拘束と前後して変化が生じている。尹氏支持のデモに加わる20~30代男性が目立ち始め、世論調査でも保守系与党を支持する20~30代は40%前後まで増えた。
13日の発足式に参加した中部・春川(チュンチョン)の塾講師、劉容準(ユ・ヨンジュン)さん(37)は、産経新聞の取材に「戒厳宣布に対しては人それぞれ考え方が違うだろうが、違法や内乱とは言えない」と語った。
劉さんら参加した20~30代の多くが尹氏を支持する理由に挙げるのが、閣僚らの弾劾訴追を乱発するなどして国政を停滞させた革新系野党に対する反感と、韓国の国政選挙などに中国が介入したとする不正選挙疑惑だ。
尹氏も中央選挙管理委員会に軍部隊を投入し、選挙システムをチェックすることが戒厳の目的の一つだったと主張する。
親中傾向が強い野党陣営への警戒感を口にする参加者もいた。ソウル近郊から来た会社員男性(34)は「大統領は中国に寄りすぎた政治家からわが国を守るため、命を懸けた」と主張する。
尹氏が進めた日本との協力策を評価する声も目立つ。劉さんは、半導体産業一つとっても「韓国と日本は運命共同体ではないか」と指摘。中部・唐津(タンジン)から参加した明鍾勲(ミョン・ジョンフン)さん(29)は、尹氏の対日外交への批判は「メディアで歪曲(わいきょく)されたもの」で、尹氏支持のデモを通じて再評価されるだろうと話した。
最近の世論調査では、
アニメや日本旅行を通じて日本に好感を抱く半面、強権的な中国に警戒感を持つ20~30代が他の世代に比べ増えている。
20~30代の行動心理に詳しい韓国・成均館(ソンギュングァン)大の具廷禹(ク・ジョンウ)教授は、2022年の大統領選当時、尹氏を支持した20~30代男性が「回帰した」現象だとの見方を示す。
韓国では若い世代の男女間の対立が社会問題化。多くの20~30代男性が女性優遇とみなされる政策に反発し、一時、女性家族省の廃止などを公約に掲げた尹氏の支持に回った。