更に、2012年5月から中華人民共和国で新規発行されたパスポートの査証ページ上に南シナ海の三沙市の行政区画が印刷されており、ベトナム社会主義共和国の領土主権を主張し実効支配している西沙諸島・南沙諸島を否定する図となっていることが発覚、ベトナム外務省は中華人民共和国に対して猛烈に抗議をし、新パスポート所持者に対しては、入国審査官が入国・出国スタンプの捺印を拒否、ベトナム政府が用意した別紙にて入国・出国スタンプを捺印することで、新しい中華人民共和国のパスポート上に捺印することを拒否している。
このような中華人民共和国の一連の出来事に対して、毎週日曜日にハノイにある、駐ベトナム中華人民共和国大使館前にて、ベトナム人民が抗議のデモ活動をしている。しかし、北京オリンピックの聖火リレーでは、表立って非難はされなかった。対中関係は首脳レベルでの会議は行われるものの、領土・領海紛争問題で対立を続けている。中華人民共和国とは陸続きのため、最大の貿易相手国であり、中国製品(Made
in China, Made in PRC)も多く流通しているが、ベトナムでは華人(主に漢民族)が急増し、不法滞在・不法就労も多発していることから、過去の侵略された歴史を含めて、反中感情を抱く者は非常に多い。2014年には、ベトナムが主張する排他的経済水域において、中華人民共和国が石油掘削リグを設置したとして、中国海警がベトナム沿岸警備隊に、南シナ海で衝突されたことをベトナム政府が公表したことから、ベトナム国内で2014年ベトナム反中デモが起きた。2016年には緊張が続いていることから中国との国防省同士のホットラインを開設している。