ワクチン問題-1



2020.3.26-AnswersNews-https://answers.ten-navi.com/
新型コロナウイルス 治療薬・ワクチンの開発動向まとめ【COVID-19】

治療薬
米国の臨床試験登録サイト「CrinicalTrials.gov」や中国の同「Chinese Clinical Trial Registry(ChiCTR)」によると、現在、COVID-19を対象に世界で臨床試験が行われているのは、
▽抗ウイルス薬レムデシビル(米ギリアド・サイエンシズ)
▽抗HIV薬ロピナビル/リトナビル配合剤(米アッヴィの「カレトラ」)
▽抗インフルエンザウイルス薬ファビピラビル(富士フイルム富山化学の「アビガン」)
――など。
  国内でもこれら3種類の薬剤を投与する観察研究が国立国際医療研究センターを中心に行われているほか、
▽喘息治療薬シクレソニド(帝人ファーマの「オルベスコ」)
▽皮膚エリテマトーデス/全身性エリテマトーデス治療薬ヒドロキシクロロキン(仏サノフィの「プラニケル」)
▽膵炎治療薬ナファモスタット(日医工の「フサン」など)

――なども治療薬の候補に挙がっています。
レムデシビル(米ギリアド)
レムデシビルはもともとエボラ出血熱の治療薬として開発されていた抗ウイルス薬。コロナウイルスを含む一本鎖RNAウイルスに対して抗ウイルス活性を示すことが明らかになっており、現在、COVID-19の治療薬として最も有望視されている薬剤です。

  現在、中国(中日友好医院主導)と米国(国立アレルギー・感染症研究所=NIAID主導)で医師主導臨床試験が行われており、国立国際医療研究センターは3月23日、NIAID主導の臨床試験に参加する形で国アイでもレムデシビルの臨床試験を開始すると発表しました。
  これとは別に、ギリアドが日本を含む世界各国で臨床第3相(P3)試験を行っています。ギリアドの試験は中国と米国で行われている医師主導臨床試験のデータを補完するものになるとみられ、ギリアドによると中国での医師主導臨床試験の結果は4月に結果が得られる見通しです。
ファビピラビル(富士フイルム富山化学の「アビガン」)
ファビピラビルは2014年に日本で承認された抗インフルエンザウイルス薬。新型インフルエンザが発生した場合にしか使用できないため、市場には流通していませんが、新型インフルエンザに備えて国が200万人分を備蓄しています。
  ファビピラビルは、インフルエンザウイルスの遺伝子複製酵素であるRNAポリメラーゼを阻害することでウイルスの増殖を抑制する薬剤。COVID-19を引き起こす新型コロナウイルスもインフルエンザウイルスと同じRNAウイルスであることから、効果を示す可能性があると期待されています。ただし、動物実験で催奇形性が確認されているため、妊婦や妊娠している可能性がある人には使うことができず、妊娠する可能性がある場合は男女ともに避妊を確実に行う必要があります。
  中国政府は3月17日、COVID-19に対するファビピラビルの臨床試験で良好な結果を得たとして、診療指針に正式に採用すると発表。日本では、藤田医科大病院と群馬大病院がそれぞれ、多施設共同の臨床研究を始めました。
シクレソニド(帝人ファーマの「オルベスコ」)
  シクレソニドは、日本では2007年に気管支喘息治療薬として承認された吸入ステロイド薬。国立感染症研究所による実験で強いウイルス活性を持つことが示され、実際に患者に投与したところ肺炎が改善した症例も報告されています。
  国内では日本感染症学会が主導する観察研究が行われており、全国の医療機関から報告を集めて有効性の評価を進めています。帝人ファーマは厚生労働省からの要請を受け、この研究のためにシクレソニドの供給体制を確保。国立国際医療研究センターも臨床研究を計画しています。
ロピナビル/リトナビル配合剤(米アッヴィの「カレトラ」)
  ロピナビルはウイルスの増殖を抑えるプロテアーゼ阻害薬で、リトナビルはその血中濃度を保ち、効果を増強する役割を果たします。これらの配合剤であるカレトラは、日本では2000年にHIV感染症に対する治療薬として承認されています。
  In vitroや動物モデルを使った研究でMERSへの有効性が示されており、COVID-19に対してもバーチャルスクリーニングで有効である可能性が示唆されました。CrinicalTrials.govによると、中国を中心にCOVID-19患者を対象とした臨床試験が複数行われていますが、中国の研究グループは3月18日付の米医学誌「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に、カレトラを投与しない群と比べて臨床的な改善までの時間に差はなかったとの結果を発表しました。
その他
  中国政府は抗マラリア薬リン酸クロロキンがCOVID-19に一定の効果を示したと発表しており、日本でも同薬と類似したヒドロキシクロロキンを投与して症状が改善した症例が報告。群馬大では、ロピナビル、リトナビル、ヒドロキシクロロキンの3剤併用療法の臨床研究が計画されています。東京大医科学研究所は、ナファモスタットがCOVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2の細胞内への侵入を阻止する可能性があるとの実験結果を発表。近く臨床研究を始めるとしています。

  米リジェネロン・ファーマシューティカルズは、仏サノフィと共同開発した抗IL(インターロイキン)-6受容体抗体サリルマブ(製品名「ケブザラ」)を重症患者に投与するP2/3試験を海外で実施中。同薬は日本でも関節リウマチ治療薬として承認されています。中国では同じ抗IL-6受容体抗体トシリズマブ(中外製薬の「アクテムラ」)が重症患者に対する治療薬として診療指針でも言及されており、スイス・ロシュは4月上旬に重症COVID-19を対象としたトシリズマブのP3試験を米国などで始める予定です。
  既存薬を転用するアプローチで治療薬の開発が進む一方で、新規の薬剤を開発しようとする動きも広がっています。
  
  武田薬品工業は3月4日、原因ウイルスSARS-CoV-2に対する高免疫グロブリン製剤「TAK-888」の開発を進めています。TAK-888は、回復した患者の血漿から採取した病原体特異的な抗体を濃縮したもので、これを投与すると患者の免疫系の活性が高まり、回復の可能性が高まることが期待できるといいます。

  リジェネロンはSARS-CoV-2に対する多数の抗体を特定し、このうち2つを混合したカクテル抗体の臨床試験を初夏までに始める方針。米ビル・バイオテクノロジーも2つの抗体を特定し、中国での権利を上海のウーシー・バイオロジクスに導出しました。ビルは米アルナイラム・ファーマシューティカルズと共同でSARS-CoV-2を標的とするsiRNA核酸医薬も開発中。米アブセラ・バイオロジクスは同イーライリリーと治療用・予防用の抗体を共同で開発しています。

ワクチン
  感染を予防するワクチンの開発も進んでいます。

mRNAワクチンが臨床試験開始
  米国立衛生研究所(NIH)は3月16日、NIHの一部門である国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)と米バイオベンチャーのモデルナが協力して開発したmRNAワクチン「mRNA-1273」のP1試験を始めたと発表しました。CrinicalTrials.govに登録されている情報によると、mRNA-1237のP1試験は18~55歳の健康な男女45人を対象に実施。ワクチンを4週間隔で2回投与し、安全性と免疫原性を評価します。

  新型コロナウイルスに対するワクチンの開発をめぐっては、ノルウェーに本部を置く「感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)」が、▽米イノビオ▽豪クイーンズランド大▽モデルナ/NIADI▽独キュアバック▽米ノババックス▽英オックスフォード大▽香港大▽仏パスツール研究所/豪テーミス/米ピッツバーグ大――とパートナーシップを締結。イノビオはDNAワクチン「INO-4800」のP1試験を4月に米国で始めるとしており、ノババックスは自社開発したナノ粒子ワクチンのP1試験を今年の晩春に始めるとしています。

  英グラクソ・スミスクライン(GSK)は、アジュバント技術の提供でCEPIの開発プログラムに協力しています。GSKはさらに、中国のクローバー・バイオファーマシューティカルズとも研究協力に合意。クローバーにもアジュバント技術を提供し、同社創製のワクチンの大量生産をサポートします。

  このほか、仏サノフィや米ジョンソン・エンド・ジョンソンなどもワクチンの開発に乗り出しています。米ファイザーと独ビオンテックは3月17日、COVID-19に対するmRNAワクチン「BNT162」を共同で開発すると発表。4月末までに臨床試験を始める予定です。

アンジェスや田辺三菱が開発に名乗り
  日本企業では、アンジェスが3月5日、大阪大とDNAワクチンを共同で開発すると発表しました。タカラバイオが製造面で協力し、化学大手のダイセルが有効性を高めるための新規投与デバイス技術を提供。アンジェスは「6カ月以内のできる限り早い時期の臨床試験開始を目指す」としており、同26日には非臨床試験の開始を発表しました。

  田辺三菱製薬もワクチン開発に乗り出しています。同12日、カナダの子会社メディカゴが、SARS-CoV-2の植物由来ウイルス様粒子(VLP)の作製に成功したと発表。これを使ったCOVID-19向けワクチンの非臨床試験を行っており、「順調に進めば、ヒトでの臨床試験を今年8月までに開始するために当局と協議したい」(田辺三菱)としています。

このほか、アイロムグループのIDファーマは、中国・復旦大付属上海公衆衛生臨床センターとワクチンの共同開発で合意。両者はセンダイウイルスベクターを使った結核ワクチンを共同開発しており、その経験を生かして新型コロナウイルスに対するワクチンの開発を目指すといいます。


2020.3.25-ITmedia NEWS (産経新聞THE SANKEI NEWS)-https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2003/25/news059.html
阪大発ベンチャー、新型コロナのワクチン原薬完成

大阪大学発バイオベンチャーのアンジェスは24日、開発中の新型コロナウイルス予防用ワクチンの原薬が完成したと発表した。近く動物向け試験を始める。マウスやラット、サルなどに投与し、有効性や安全性などを確認する。問題がなければ、早ければ秋にも人への臨床試験を始める見通し。
   同社のワクチンは新型コロナウイルスのDNA(デオキシリボ核酸)を使う新たな手法で開発する。病原性を全く持たず、安全性が高く、短期間で製造できるのが特徴。投与後に体内でウイルスのタンパク質が作られ、免疫ができれば感染や重症化が抑えられるという。
   ワクチンの製造はタカラバイオが担当。またワクチンを細胞内に送り込む小型機器の開発には大手化学品メーカーのダイセルが携わっている。
   アンジェスは阪大医学部の森下竜一教授による研究成果を基に1999年設立。2002年に大学発バイオベンチャーとして初めて東証マザーズに上場した。


2020.3.13-JIJI COM-https://www.jiji.com/jc/article?k=20200313039830a&g=afp
【解説】新型コロナウイルスと季節性インフルエンザは別の物

【パリAFP=時事】筋肉や節々の痛み、のどの痛み、発熱──症状が似ているため新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)と季節性インフルエンザは同じようなものだと感じる人もいるかもしれない。だが専門家らは11日、両者は全く別の物だとあらためて強調している。

致死率
  COVID-19と確認された患者の致死率は3.5%前後だと判明している。
  感染していても気付かないケースが多い可能性があることも考えると、COVID-19の実際の致死率はこれよりも低いとは思われるが、季節性インフルエンザの致死率0・1%に比べると著しく高い。

 また、COVID-19の致死率は平均2%前後で、現在流行している季節性インフルエンザ株の約20倍だとする専門家もいる。

重症患者
 だがCOVID-19の本当の脅威は、その死者数ではない可能性が高い。専門家らによると本当の脅威は、入院を必要とする患者数が増えすぎ、医療システムが容易に崩壊する恐れがあることだという。
 今回の流行の発生源である中国で感染が確認された新型コロナウイルス感染者4万5000人を分析したところ、死亡した患者の大半が高齢者で、80歳以上の致死率が14.8%であることが明らかになった。
 だが中国の別の研究は、重症化した患者の41%が50歳未満だったのに対し、27%が65歳以上だったことを示している。

感染力
 感染症専門家らは、新型コロナウイルス感染者1人から2~3人の別の人にうつっていると推定している。一方、季節性インフルエンザは通常1.3人となっている。

ワクチンと治療法
 仏保健当局のジェローム・サロモン氏によると、人間はインフルエンザと100年以上共生している。インフルエンザについてはその間に研究が進んできた。
 COVID-19については、ワクチンや確実に効果があると証明された治療法がないことが、季節性インフルエンザとの最大の違いといえる。
 抗レトロウイルス薬の重症患者への投与や、一部の実験的治療など臨床試験で有望な結果が出ているものもあるが、一般に行うにはサンプルサイズが小さすぎる。
 世界中の大勢の科学者がCOVID-19のワクチン開発に懸命に取り組んでいるが、開発には数か月が必要で、現在の流行には間に合わない可能性が高い。

類似点
 だが、COVID-19にはインフルエンザと共通する特徴もある。握手を避ける、せっけんと水で頻繁に手を洗う、手で顔を触らない、症状があるときはマスクをするなど、感染スピードを遅らせるために個々人でできる対策があることだ。
 このような対策によって、インフルエンザや胃腸炎、その他の感染症と同様、新たな感染を抑えることができる。
 仏保健当局によると、トイレの後に必ず手を洗う人は10人に2人にすぎないという。また「せきやくしゃみをする時に、ひじやティッシュで口を覆う人は42%のみだ」。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕








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