台 風



2019.12.23-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191223/k10012225341000.html
台風19号災害廃棄物 生活圏の仮置き場 ”年内にほぼ撤去完了”

台風19号で発生した災害廃棄物について、環境省は生活に身近な場所にある仮置き場79か所のうち77か所で年内に撤去が完了するという見通しを示しました。ことし10月の台風19号では、11の都県で災害廃棄物が発生していて、集計できているだけで少なくとも174万トンに上るとみられています。
  23日の閣議後の会見で、小泉環境大臣が廃棄物の処理状況を説明し、住宅地や学校の近くなど生活に身近な場所にある仮置き場79か所のうち77か所で、今月末までに処理施設や別の仮置き場に搬出して撤去が完了するという見通しを示しました。
  環境省は当初、生活に身近な場所にある廃棄物については、年内をめどに撤去を完了したいとしていましたが、宮城県丸森町の町民広場にある仮置き場と宮城県柴田町の工場の跡地に設置された仮置き場は、住民による片づけなどが続いていて撤去が終わらない見通しだということです。
  小泉大臣は「地元の実情にも留意しながら円滑に処理が進められるよう引き続き支援していきたい」と述べました。


2019.12.3-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/affairs/news/191203/afr1912030038-n1.html
最強台風の高潮なら関空や咲洲浸水 大阪府想定、南海トラフ津波超え

大阪府は3日、過去最大クラスの台風が大阪を直撃した場合の高潮被害想定を公表した。大阪湾沿岸部や大阪市内の淀川流域を中心に府内15市町が被害を受け、最大10メートル近くの浸水が見込まれるエリアもある。府全体の最大浸水面積は、南海トラフ巨大地震の津波の想定を上回る結果となっている。
 想定台風は、各地に甚大な被害をもたらした昭和9年の室戸台風と同規模で中心気圧は910ヘクトパスカル。満潮に重なると5メートル超の高潮が発生する。
 淀川は河口から上流9キロ付近まで影響が及ぶ。大阪市内24区のうち、浸水を免れるのは東成、生野、東住吉、平野の4区のみ。特に大きな被害が見込まれるのは住之江、此花、淀川、西淀川の各区で、5~10メートルの浸水が予測されるエリアもあった。
 府の出先庁舎がある人工島・咲洲(住之江区)と、関西国際空港の第1ターミナルはほぼ全域が水につかり、都心では梅田地区で5メートル程度、難波地区で3~5メートルの浸水とされた。
 府全体では、北部の豊中市から南部の岬町に至る大阪湾沿岸部で広範囲に被害が発生。最大浸水面積は約2万1千ヘクタールで、府の面積(約19万ヘクタール)の1割を超え、府が推計する南海トラフ巨大地震の津波による浸水想定(最大1万1千ヘクタール)を大きく上回った。
 2025年大阪・関西万博の会場である人工島・夢洲沖も最高潮位は7・3メートルと想定されたが、府は護岸強化や土地のかさ上げにより、ほとんど被害を受けないとしている。
 府は今後、想定結果を踏まえた浸水想定区域図を作成することにしており、吉村洋文知事は「最大の被害を想定をすると、ハード整備だけでは対応できない。一人でも多くの命をまもるため(高所に逃げる)垂直避難の徹底など、ソフト対策に力を入れたい」と述べた。


2019.11.12-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/west/news/191112/wst1911120026-n1.html
水害防ぐ神殿ならぬ「地下トンネル」雨水集めて大阪湾へ

東日本の各地に甚大な被害をもたらした台風19号の上陸から1カ月。首都圏では、その巨大な構造から“地下神殿”とも呼ばれる「首都圏外郭放水路」(埼玉県春日部市)が被害を軽減させたとして注目を集めた。実は、大阪にも同様の放水路があり、河川の氾濫による水害から地域を守っている。(井上浩平)
 「酸欠注意」の看板がかかる地上入り口から階段で地下25メートルまで下りると、コンクリートに覆われた巨大なドームのような空間が広がり、直径7メートルのトンネルが口を開けていた。
 大阪府東大阪市の若江立坑(たてこう)。延長13キロに及ぶ「寝屋川南部地下河川」の起点だ。降雨で下水道の処理能力を超えた水を集めて大阪湾近くまで流し、ポンプでくみ上げて川に放出する仕組み。下水に由来する有毒ガスが発生することもあり、立ち入る際は換気が欠かせない。
 昭和56年に工事が始まり、平成23年に東大阪-大阪市阿倍野区間の供用を開始した。最終的に大阪湾に注ぐ木津川河口付近までの2キロをつなぎ、25年後に完成予定。施設を有効活用するため、現在は最大63万立方メートルを貯水し、川の水位が安全なレベルまで下がれば放出する「調節池」として使用している。
 地下河川は、北の淀川と南の大和川、東の生駒山地と西の上町台地に挟まれた寝屋川流域に造られている。南部地下河川と別に延長14キロの「寝屋川北部地下河川」があり、総事業費は合わせて約3660億円となっている。
 府寝屋川水系改修工営所によると、寝屋川流域は大部分が大阪湾と高さがほぼ同じ低平地。このため、周囲の土地よりも高い「天井川」の淀川、大和川の両河川に、雨水が自然に流れ込んでいかない。結果、雨水の出口が寝屋川の1カ所に集中し、さらに一帯の都市化で保水・遊水機能が低下していることもあって、寝屋川流域では浸水被害が繰り返されてきた。

 こうした経緯から、流域では地下河川を活用しながら、河川改修や貯留施設の整備などを合わせた水害対策を実施。西日本各地に被害が出た昨年7月の豪雨では、2つの地下河川と周辺施設で208万立方メートルの水を貯留した。同程度の雨量があった平成7年の7月時は流域の2040戸が床上・床下浸水したが、昨年7月は数戸にとどまったという。
 同工営所建設課の横江一雄課長補佐は「総合的な治水効果で、昔と比べると水害は減っている」とする一方、「近年は大型台風やゲリラ豪雨もあり、雨の降り方によっては浸水の恐れもある。非常時は命を守る行動を取ってほしい」と話した。


2019年10月10日 台風19号

2019.11.13-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/affairs/news/191113/afr1911130003-n1.html
【台風19号】久慈川でも氾濫情報出さず 河川事務所 決壊3地点のうち1カ所

 台風19号による大雨で、茨城県を流れる那珂(なか)川で国土交通省常陸(ひたち)河川国道事務所が警戒レベル5相当の氾濫発生情報を出さなかった問題で、同事務所が同県内の久慈(くじ)川についても決壊地点3カ所のうち1カ所についての発生情報を出さなかったことが12日、関係者への取材で分かった。発生したとの情報は把握していたとみられる。国交省は14日から検証チームを立ち上げることを明らかにした。
 常陸河川国道事務所は10月13日午前5時20分、常陸大宮市小倉、富岡付近の久慈川左岸の2カ所で、川の水があふれる氾濫が発生したとして警戒レベル5相当の氾濫発生情報を発表。その後、久慈川では同市内の右岸での1カ所を含めた計3カ所で堤防の決壊が確認された。
 常陸大宮市では13日午前4、5時ごろの段階で市民からの情報提供などで3カ所での氾濫を把握したが、同事務所に伝えていなかった。関係者によると、同事務所の巡回員も3カ所での氾濫を把握していた可能性があるが、うち1カ所で発生情報を出さなかった。
 河川管理者は氾濫発生を確認した地点ごとに氾濫発生情報を発表しなければならない。
 台風19号では全国の国管理河川のうち、堤防が決壊した7つを含む計15河川で氾濫が確認されたが、那珂川と久慈川の2河川だけが発生情報を出せていなかった。
 所管する関東地方整備局は、那珂川で情報が出せなかったことについて「久慈川でも氾濫が起き、現場が混乱していた」と釈明していたが、久慈川でも不備があったことになる。
 産経新聞の取材に対し、同整備局は「久慈川についても発生を把握していたのか経緯を現在調べている」と回答した。

検証チーム設置へ
 一方、赤羽一嘉国土交通相は12日の記者会見で、河川情報の伝達方法を見直す検証チームを国交省と気象庁合同で設置すると明らかにした。来年3月までに結論を取りまとめる予定。
 常陸河川国道事務所の問題のほか、河川の水位などを伝える国交省サイトがアクセス集中により閲覧しにくくなったことなども検証する。
 チームは防災や治水対策の担当者らで構成し、再発防止策や、分かりやすい情報発信の在り方を議論する。堤防強化やダムの水位調節、土砂災害の警戒避難体制づくりといった課題についても、別の有識者会議などの場で、改善に向けた検討を進める。


2019.11.12-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://special.sankei.com/a/life/article/20191112/0002.html
堤防決壊、30時間前に予測 東大、法規制で公表できず

台風19号による大雨で長野市の千曲川などで起きた堤防の決壊を、東京大などが約30時間前に予測していたことが12日、分かった。ただ、住民への情報提供は国の規制で認められていないため、公表されなかった。研究チームは「安全な段階での早期避難に役立てるため、規制緩和を求めたい」としており、洪水予報の在り方に一石を投じた形だ。
 チームは河川の地形と通常の水量、気象予測に基づく流入雨量や雨雲の進路など膨大なデータをコンピューターでシミュレーション(模擬計算)し、洪水リスクを予測するシステムを開発。上陸前日の10月11日午前9時に予測を開始した。


2019.10.27-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/affairs/news/191027/afr1910270027-n1.html
台風19号】路上生活者「NO」…避難所利用を拒否した区役所に批判 必要な配慮とは
(1)
甚大な被害をもたらした台風19号は、都市部における避難所運営のあり方にも課題を突きつけた。平成以降、30年以上にわたって避難所開設の経験がなかったという東京都台東区は、路上生活者(ホームレス)の利用を「区民ではない」として断り、批判を浴びた。住所を問わず、すべての被災者を受け入れるのが災害関係法令の理念だが、それが浸透していなかった格好だ。自治体には受け入れ後もきめこまかな配慮が求められ、専門家は事前計画の必要性を指摘している。
 ■「区民の施設」
 首都圏に台風の猛威が近づいてきた12日午前9時半ごろ。台東区の区立小学校に開設された自主避難所に、ホームレスの男性が身を寄せた。
 避難所の受付では住所や氏名の記入を求めていた。ここで男性は「北海道に住民票がある」と回答。現場で応対した職員は区の担当課に問い合わせた上で「避難所は区民のための施設です」と利用を断った。その後、別のホームレスの男性2人も訪れたが、同様の理由で受け入れを拒んだ。
 支援団体がネットで問題視すると、区には抗議の電話が殺到。服部征夫区長が「対応が不十分であり、大変申し訳ありませんでした」と、謝罪に追い込まれる事態となった。問題の検証はこれからだが、平成から令和にかけ、一度も避難所を運営したことがなかったという経験不足が指摘されている。
 ■受け入れが原則
 そもそも災害対策基本法は避難所について「被災した住民、その他の被災者を一時的に滞在させるための施設」と定義しており、内閣府の担当者は「避難したすべての人を受け入れるのが法の精神」と話す。
 災害救助法は「現在地救助の原則」を定めており、その地域に住民票を置く住民だけでなく、旅行者や一時的な通過者であっても、現にその人がいる場所の自治体が対応にあたることとしている。
 東京に次いでホームレスが多いとされる大阪市の場合、災害発生時に設置が予定される避難所は約550カ所に及ぶが、台東区のような事例は「聞いたことがない」(大阪市の担当者)という。
(2)
同市でも受付で住所・氏名を聞くが、健康に不安がある人や介護が必要な人を把握したり、だれがどこに避難しているかを確認したりするのが主な目的。住民か否かを選別するためのものではない。 もっとも、ホームレスが避難所に来ることは少ないという。担当者は「避難所に入ることを避けたがるホームレスもいる。台風接近前に巡回相談員が安全な場所に移るように声かけをしており、シェルターなどに避難するケースが多いのでは」と推測する。
 ■配慮や事前計画を
 災害社会学が専門の岩手大の麦倉哲教授は平成7年の阪神大震災の際、神戸市内でホームレスの避難状況について調査した。当時、地域住民らと同じ避難所に入所したホームレスは、他の被災者の目を気にして危険な路上生活に戻るケースが散見されたという。
 麦倉教授は「地域住民との間でトラブルが起きないよう、受け入れ場所の配慮が必要。ホームレスの多い大都市の自治体は事前計画を作っておく必要がある」と指摘する。 ただ、ホームレスとそうでない人とで扱いに差を設けることは平等原則の観点から、別の問題を生じかねない。このため繊細な対応が求められるが、事前計画も含め、多くの自治体でそこまで手が回らないのが現状とみられる。
 大阪市を中心に路上生活を送る人の生活・就労支援を行うNPO法人「ホームドア」(同市北区)の笠井亜美さんは「なかには他人とコミュニケーションを取るのが苦手な人や、心身に障害があって集団生活になじめない人もいる」と話し、個室の使用も含めた多様な避難所設置や周知方法の工夫を訴えている。


2019.10.26-朝日新聞デジタル-https://www.asahi.com/articles/ASMBV2VPLMBVUDCB006.html
大雨、千葉と福島で死者10人に 1カ月分超の雨量襲う

台風21号に伴う記録的な大雨による死者は26日、千葉県と福島県で計10人となった。福島県で1人が行方不明となっている。河川の氾濫は千葉など5県で27河川、土砂災害は千葉を中心に4県16カ所で確認された。千葉県佐倉市や茂原市では、冠水した道路などの排水作業が続いた。

千葉県や県警、消防などによると、長柄町鴇谷(とうや)では氾濫した一宮川に軽乗用車が流され、車内から男性(54)が意識不明で見つかり、死亡が確認された。長南町岩川でも路上に残された車の中から男性(91)が死亡した状態で発見された。
 土砂崩れも相次いだ。市原市郡本3丁目では自宅の裏山が崩れ、女性(57)が土砂に巻き込まれて死亡。千葉市緑区では住宅計3棟を巻き込む土砂崩れが発生し、住人の60代の男性と女性、40代の女性が亡くなった。
 大雨による冠水も広がった。県によると、佐倉市では鹿島川などの氾濫で住宅街が水につかった。茂原市でも川が氾濫し、JR茂原駅周辺など市街地が冠水。ポンプ車を派遣して下水処理施設の排水を進めた。 同県によると、千葉市や八街(やちまた)市などで計178戸が床上・床下浸水し、鴨川市では約4700戸が断水した。同日午後4時時点で、208人が避難所に身を寄せている。 道路の冠水や交通網の寸断で帰れなくなる児童や生徒が相次ぎ、26日午前6時時点で、31校の833人が校内などに残った。県立長生高校では133人、土気高校では80人、千葉南高校で83人が一夜を明かした。
 福島県では、避難指示が出た相馬市で女性(61)が亡くなり、男性1人が行方不明。いわき市では住宅が土砂に巻き込まれ、2人が軽傷を負った。
 死亡が確認されたのは、相馬市のホテル従業員、花澤三保子さん。相馬地方広域消防本部によると、相馬市原釜の笠岩公園の砂浜で26日午前7時半ごろ、遺体でみつかった。運転していた車も市内で発見されたが、同乗していたとみられる30代の息子と連絡が取れなくなっている。
 気象庁によると、6時間雨量は養老川が氾濫した千葉県市原市で25日昼すぎまでに219・5ミリを記録。福島県相馬市では深夜までで195・5ミリと、いずれも平年の10月の1カ月分の雨量を上回り、観測史上最多を更新した。千葉県佐倉市鴨川市茨城県鉾田市福島県いわき市などでも半日の雨量が200~250ミリ近くになり、平年の1カ月分を超えた。
 今回の大雨は、台風21号や紀伊半島付近にあった低気圧の影響などで、房総半島の上空に次々と雨雲が発生。南北に広がった前線が長時間、房総半島を覆った。 気象庁は大雨前日の24日、台風19号の上陸以降では最多の雨量になるとして、関東や東北で厳重な警戒が必要になると呼びかけた。ただ、予測した26日までの総雨量は200~300ミリの栃木県が最多。千葉と茨城、福島の3県は100~200ミリと想定していたが、実際は各地でこれを上回った。
 今回のような雨雲の急増は予測が難しい面もあり、気象庁の担当者は「低気圧の関東沿岸への北上が遅く、複数の気象要件が房総半島の上空でそろってしまった」と話した。 武田良太防災担当相と今井絵理子内閣府政務官は26日、台風21号に伴う大雨で被害を受けた千葉県茂原市の一宮川の氾濫現場を視察した。視察後、記者団に「今回の度重なる災害については、激甚災害指定に取り組む方向で検討を進めたい」と述べた。 同市役所で田中豊彦市長から被害状況の説明を聞いたあと、同市役所屋上から冠水した地域を視察。その後、住宅などが冠水した同市緑町と同市法目を訪れ、被災者から話を聞いた。


2019.10.26-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/affairs/news/191026/afr1910260024-n1.html
高気圧に阻まれ台風の水蒸気が流れ込む 千葉豪雨、複数の要因重なる
 千葉県付近で25日に降った局地的大雨は、台風21号がもたらした暖かく湿った空気が高気圧に阻まれて東から集中的に流れ込んだことなど複数の要因が重なったことで発生した。千葉県市原市では10月の1カ月分の平年値を上回る雨量をわずか半日で観測した。
 気象庁などによると、25日は日本列島の東側を台風21号が北上したが、北東側の高気圧の勢力が強く、進路を阻(はば)まれる形になった。ここで高気圧周辺の風の流れと台風本体の風の流れが重なり、関東地方へ強い東風が吹くことになった。
 さらに東海地方を東へ進んだ低気圧に向かって南から暖かく湿った風が流入。東風と南風が房総半島付近で重なり、陸側からの冷たい風とぶつかることで上昇気流が発生し、次々と雨雲を発達させた。
 また、関東上空には25日夜の時点で高度約5700メートルにマイナス11・9度の寒気が流れ込んだため、大気の状態が不安定で上昇気流を強めることになった。
 一定時間、同じ場所に強い風が集中したことで局地的大雨になった。千葉県市原市牛久の観測点では午前11時に1時間64ミリの集中豪雨となり、降り始めから12時間で285ミリに達した。10月の1カ月間に降る平年値218・6ミリを超えた。
 日本気象協会の堀口貴行気象予報士(42)は「台風が近くにあったことで予想雨量を大幅に上回ることになった。シーズンは終わりに近づいているが、台風の動きには今後も注意が必要」と話した。


2019.10.26-東京新聞 Tokyo Web-https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2019102601001409.html
大雨、5県27河川で浸水被害 千葉と福島で死者10人
台風21号や低気圧の影響による、関東から東北にかけての記録的な大雨で、国土交通省によると、千葉や福島など5県の計27河川で堤防から越水するなどの浸水被害が確認された。千葉県では佐倉市の鹿島川や高崎川、茂原市の一宮川が氾濫し、26日はポンプ車による排水作業を実施した。千葉県と福島県で、土砂災害や川に流されたことなどによる死者は計10人。福島県では1人が行方不明のままで、消防などが捜索を続けた。 国交省は今回の大雨により、台風19号で堤防が決壊した河川のうち福島県の夏井川など4カ所で水があふれ、浸水被害が発生したと明らかにした。(共同)


2019.10.25-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191024/k10012146901000.html
台風19号 死者86人 行方不明者8人に
NHKが各地の放送局を通じてまとめたところ、台風19号で亡くなった人は全国で86人となり、8人が行方不明となっています。


2019.10.25-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191025/k10012148951000.html
台風被害 農林水産関係 38都府県で1000億円超(25日午前7時)
台風19号による農林水産関係の被害額が合わせて1000億円を超えました。全国38の都府県におよび、被害額は今後さらに増える見通しです。農林水産省によりますと、台風19号による農林水産関係の被害額は、25日午前7時の時点で38の都府県で合わせて1027億3000万円となりました。
  このうち、ため池や用水路など農業用施設の被害が7300か所以上に上り被害額は380億円に、コメやりんごなど農作物の被害が1万ヘクタール以上におよび、被害額は85億円になっています。
  林道や木材加工の施設など林業関係の被害は314億円、漁港の施設など水産関係の被害が95億円となっています。
  今回の台風19号では河川の堤防が決壊し浸水の被害が広範囲に及んでいる地域を中心に、被害額はさらに増える見通しで、農林水産省は全容の把握に努めたいとしていま


2019.10.21-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51215390R21C19A0000000/
友達との再会に笑顔 台風19号被災地で一部学校再開
台風19号の影響で休校していた宮城、福島両県の学校のうち、一部が21日、再開した。登校した児童や生徒は、友人らとの再会を笑顔で喜び合った。多数の死者が出た宮城県丸森町の公立小中学校は、23日に再開する予定だ。
町中心部が浸水した宮城県大郷町は、浸水がほぼ解消し、通学路の安全が確認できたため、町立小、中学校がそれぞれ再開した。大郷小では、児童らがスクールバスで登校すると、迎えた教員と「おはようございます」と明るく声を交わした。体育館で開かれた臨時の集会では台風19号の犠牲者を悼み、全校で黙とうをささげた。
小沢裕教頭は取材に「自宅が被災して避難所や町外の親戚宅から通ったり、ランドセルや勉強道具が流されたりした児童もいる。注意深く見守っていきたい」と話した。
福島県内では休校していた公立小中高など37校のうち、31校が授業を再開。いわき市立平第三小学校では、早朝から児童が次々と登校した。小学5年の次女を送り届けた八代さとみさん(47)は「友達に会いたいと話していたのでよかった」と笑顔を見せた。
栃木県でも栃木市立大平西小が再開した。千曲川の堤防決壊で大きな被害を受けた長野市は、市立小中学校4校で休校が続いている。〔共同〕


2019.10.21-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/affairs/news/191021/afr1910210034-n1.html
【台風19号】武蔵小杉だけではない…都市部の盲点突く内水氾濫 「日本中どこでも起こる」専門家
(1)
多くの貯水施設に守られた東京都心部、その周辺地域では台風19号による河川堤防の決壊を免れた一方、川沿いの一部低地で雨水を川に流すための排水管から増水した川の水が逆流して浸水する「内水氾濫(はんらん)」が相次いだ。都市部の盲点を突いた災害といえるが、今回の台風では都市部以外でも発生。専門家は「(地理的な)条件がそろえば、日本中どこでも起こりうる」と警鐘を鳴らしている。
 東京と神奈川の境を流れる多摩川の南側に位置する川崎市の武蔵小杉駅。台風19号による大雨が降った12日、付近で川の水が堤防を越えることはなかった。しかし、駅の自動改札機は水没、街に泥水があふれた。周辺のタワーマンションの一部では、地下の電気系統が浸水して停電、断水するなどした。東京電力によると、16日午後には変圧器などの設備を改修、完全復旧への道筋をつけた。
 市によると、要因は街中に降った雨水を多摩川に排出するための排水管などを通じ、水位が上がった川の水が逆流したことだった。川への最終的な排水口には水門が設置されており、閉じれば逆流を防げたが、街中の雨水を排出できなくなることを懸念して閉じなかったという。市の担当者は「(逆流防止と雨水の排出で)どちらを選択するか判断が難しかった」と話す。
 今回の台風では改めて都市部での内水氾濫の危険性が顕在化。東京電機大の安田進名誉教授(地盤工学)は近年の気候変動に触れ、「従来の水防設備の設計を超える雨の降り方になり、整備が追いつかない状況」と危機感を募らせる。都市部では人が密集して住むエリアが堤防と隣り合う低地にまで迫っており、被害が繰り返される恐れもある。
(2)
国土交通省によると、平成5年からの10年間で起きた洪水被害を見ると、全国では内水氾濫と、堤防の越水など内水氾濫以外による被害総額の割合は、ほぼ半々で拮抗。しかし、東京だけで見ると内水氾濫が8割を占め、データでも都市型災害であることを物語る。
 ただ、都市部でなくとも内水氾濫は発生している。中心部が大規模な浸水に見舞われた宮城県丸森町。中心部は複数の川(の堤防)に囲まれ、背後には山が迫るなど水がたまりやすい条件がそろっていた。
 公益財団法人「市民防災研究所」(東京)の坂口隆夫理事は「堤防の整備などハード面の対策には限界があり、(完全に)水を止めることはできない。命を守るため、安全なときに安全な方法で逃げること。津波と同じだ」と話している。
 ■内水氾濫
 大雨で河川の水位が上昇した際、市街地などに降った雨水を川に流すための排水管や下水管を通じて川の水が逆流し、マンホールや側溝などから噴き出て一帯が浸水する災害。一般的には、排水管などの処理能力を超える量の大雨が降り、雨水を川に流しきれなくなって浸水するケースを指すことが多い。「内水」は堤防の内側の土地にある水のことで、河川の水は「外水」。


2019.10.21-GOOニュース-https://news.goo.ne.jp/article/tokyo/region/tokyo-CK2019102102000133.html
再び鬼怒川氾濫「早く堤防を」 15年豪雨被害 筑西・下川島地区

二〇一五年の関東・東北豪雨で浸水した筑西市下川島地区では、台風19号で再び鬼怒川が氾濫し、住民たちは「早く堤防を完成させて」と訴えている。
 国土交通省下館河川事務所は四年前の水害を受け、二〇年度中の完成を目標に鬼怒川堤防の整備を進めている。しかし、下川島地区では、まだ工事はほとんど始まっていない。
 鬼怒川沿いのそば店「まるじゅう」を夫と二人で経営する菊池博江さん(48)によると、十三日午後に店を訪れると、床上約五十センチまで浸水して泥だらけだった。
 四年前の水害でも床上約一メートル五十センチまで浸水し、当時取り換えた厨房(ちゅうぼう)がまた水に漬かった。冷蔵庫なども使えなくなった。「また厨房を交換しなきゃいけないのかな」と肩を落とす。
 店の裏から数百メートル下流では、堤防の土が積み上がり、途中で途切れた状態。湿った畳を干したり、床を消毒するなどの作業に追われながら「一年半後にできると聞いているけど、もっと早くしてくれていたら…」と嘆いた。
 近くで自営業を営む田中博さん(79)は「自宅前の路上まで浸水し、大量のごみが流れてきた。四年前も考えれば、この地区にはダブルパンチだ」と怒る。
 向かいに住む池羽昌大さん(66)は「消防団員たちが自宅前に土のうを積んでくれたおかげで、今回は浸水しなかった。堤防を急ピッチでつくると聞かされているが、これでは安心して暮らせない」とこぼした。 (宮本隆康)


2019.10.21-tenki.jp-https://tenki.jp/forecaster/t_yoshida/2019/10/21/6372.html
元台風20号 近畿~関東 非常に激しい雨や猛烈な雨-吉田友海

台風20号は温帯低気圧に変わりましたが、油断はできません。近畿から関東を中心に非常に激しい雨が降り、局地的には猛烈な雨が降って、大雨となるでしょう。
台風20号は温帯低気圧に変わりましたが、油断は禁物です。一番上の図(21日午前9時計算)のように多くのモデルで本州付近を進む予想となっており、本州に熱帯由来の暖かく湿った空気を大量に運び込みそうです。

近畿から関東で21日夜遅くから22日(火)の昼頃にかけて雨のピークとなりそうです。滝のような非常に激しい雨やバケツをひっくり返したような激しい雨が降るでしょう。局地的には猛烈な雨が降り、大雨となる恐れがあります。特に紀伊半島を中心に雨量が多くなりそうです。総雨量は多い所では東海は300ミリ、近畿は200ミリ、関東甲信で150ミリほどになるでしょう。北陸や東北も22日(火)は雨が降り、所々で雨脚が強まりそうです
土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水に警戒、注意が必要です。一般的に総雨量が200ミリを超すと土砂災害などの災害が起こる可能性があります。台風第19号による記録的な大雨により堤防が損傷を受けた地域では、普段では災害が起きないような雨量でも洪水の危険度が高まる恐れがあります。川や危険な斜面には近づかないようにして下さい。
沿岸部では風も強まり、波が高くなりますので、強風や高波にも注意が必要です。
台風21号の影響は
また、マリアナ諸島にある台風21号は非常に強い勢力で23日(水)頃から小笠原近海を進む予想です。小笠原諸島では24日(木)から25日(金)にかけて雨や風が強まり、大荒れの天気となる恐れがあります。また、海上では大しけとなる恐れもあり、警戒が必要です。その後、台風は日本の東の海上を進む予想で、本州へ上陸する可能性は低くなっています。ただ、予報円の西側の進路をとると、25日(金)から26日(土)頃にかけて本州付近でも雨や風の強まる可能性がありますので、今後も最新の台風情報にご注意下さい。


2019.10.20-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/affairs/news/191020/afr1910200011-n1.html
住宅被害、5万6千棟超 西日本豪雨上回る 台風被災地、捜索続行

甚大な被害をもたらした台風19号で総務省消防庁は20日、住宅被害が同日時点で5万6753棟に達し、昨年の西日本豪雨の約5万1千棟を上回ったとの集計を発表した。被災地では警察や消防が行方不明者の捜索を続け、住民らは浸水した自宅の片付けなどに追われた。死者は12都県79人、不明者は10人とみられる。
 総務省消防庁によると、住宅被害の内訳は全半壊が14都県986棟、一部損壊が28都道府県2682棟、床上浸水が16都県2万9982棟、床下浸水が21都県2万3103棟。
 宮城県丸森町では、ボランティアの受け入れが始まった。受け付け開始の午前9時前には、県内外の100人以上が窓口に列を作った。
 ボランティアは15人ずつに分かれ、住宅の泥をスコップとバケツでかき出したり、家財道具を運び出したりした。


019.10.19-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/affairs/news/191019/afr1910190036-n1.html
【台風19号】雨の丸森「油断できぬ」 不明者捜索中止、不安なお-(塔野岡剛)
(1)
台風19号で複数の犠牲者・行方不明者が出た宮城県丸森町では、18日夜から19日にかけて断続的に雨が降り注いだ。降雨による二次災害を考慮し、自衛隊は19日午前から予定していた行方不明者の捜索を一時中止に。「被害が拡大するのでは」「油断できない」。復旧への道筋が見通せない無情の雨に、住民は不安を募らせた。 現在も約260人の住民が避難している丸森町では、降雨による二次災害に備え、18日から防災無線や防災メールなどで二次災害への警戒を呼びかけるとともに、新たな避難所を町内3カ所に設置。この日は職員が外出する人に対し、行き先を確認するなどして警戒を呼びかける姿も見られた。
 また、羽出庭(はでにわ)、五福谷(ごふくや)の両地区で行われている自衛隊などによる行方不明者の捜索はこの日、安全面を考慮して午前は中止し、午後に再開された。さらに、この日予定していたボランティアの受け付けも20日に延期された。
 阿武隈川の支流・新川近くの飯泉地区で自宅の片付け作業をしていた60代の女性はこの日、浸水した車3台のうち1台の運び出しを終えた。その表情には、疲労の色がにじんだ。
(2)
女性は「水に漬かった家具などはすべて処分できたので、当分は家の中に入り込んだ土砂をかき出す作業で大変。見通しはまだ考えられない」と肩を落とし、「少しの雨でも被害が拡大するのではないかという不安もある。決壊した堤防が早く復旧してくれれば」と切望した。 同町役場近くの自宅で、土砂のかき出しをしていた50代の女性は「堤防の決壊部分への影響が心配。今後も雨が降ることがあると思うので、油断できない状況が続く」と表情をこわばらせながらも、懸命に作業を続けた。
 また、避難所となっている丸森小学校に五福谷地区から避難している50代の女性は「雨が降ったことで道路の状態が悪くなっており、車を取りに行くのをあきらめた」と話し、「自宅の裏が山なので、この雨で土砂崩れなどの二次災害が起こらないか心配だ」とうつむいた。(塔野岡剛)


2019.10.19-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/affairs/news/191019/afr1910190047-n1.html
自衛隊、全国の台風被災地支える 「いずも」や予備自衛官も投入-(田中一世)
(1)
台風19号の上陸から1週間、1都11県から災害派遣要請を受けた自衛隊は陸海空の指揮系統を一本化した統合任務部隊を3万1千人態勢で編成し、2043人を救助した。16日以降は被災地の生活支援に軸足を移している。猛烈な雨により浸水被害が広範囲で起き、生活支援の長期化が見込まれるため、東日本大震災(平成23年)に次ぐ活動規模になりそうだ。 栃木県佐野市の秋山川西側の住宅街は、堤防決壊で冠水し、水が引いた今も茶色い泥に覆われている。
 18日、陸上自衛隊第48普通科連隊の80人が泥の除去作業にあたった。このうち36人は元自衛官で、現在は別の仕事を持つ「即応予備自衛官」だ。 土嚢(どのう)を泥の中からシャベルでかき出し、「せーのっ…」と声を絞り出しながら担ぎ上げ、トラックの荷台に乗せて運び出していく。砂ぼこりが舞う中、黙々と重労働をこなしていた。 普段は障害者支援施設の責任者として働く坂井康哲3等陸曹は「自衛官時代の経験を生かして被災者の役に立ちたい」と語る。
(2)
16日以降、即応予備自衛官約80人が各地で入浴や炊き出し、がれきの除去、避難所への物資輸送など生活支援を行っている。「いなければ手が足りない。大きな戦力だ」(同連隊第4中隊長の松本至巨3等陸佐)。元自衛官でなくても教育訓練を受けて任用される「予備自衛官」も近く被災地入りする見通しだ。
 防衛省・自衛隊は台風19号に対し異例の態勢で対応した。大規模停電が発生した9月の台風15号を教訓とし、上陸前から大雨特別警報が発令された自治体や東京電力など252カ所に連絡員を派遣した。
 海上自衛隊は14日から甲板にヘリコプターを搭載できる最大級の護衛艦「かが」を、16日夜には同「いずも」に交代して福島県沖に配備している。多数の海自ヘリが同艦を発着拠点に、福島、宮城両県などで上空からの行方不明者の捜索や物資輸送を行っている。防衛省によると、こうした護衛艦の活用は東日本大震災以来。自衛隊幹部は「できる限りの態勢を組んで対応していきたい」と語る。(田中一世)


2019.10.19-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/affairs/news/191019/afr1910190032-n1.html
【台風19号】首都圏の調節池ギリギリ…9割に到達、危機目前だった
(1)
記録的な大雨を降らせた台風19号で、河川の水位を下げるために水を溜め、下流の東京近郊などで氾濫しないように建設された各地の大規模な調節池、遊水地が、総貯留量の9割に達していたことが、各河川事務所などへの取材で分かった。長野県や福島県などで大規模氾濫が発生する一方、東京近郊は回避できたとされてきたが、実際には目前に危機が迫っていたことが判明した。
 ■渡良瀬遊水地、過去最大量に…利根川、江戸川守る
 各地の河川事務所などによると、茨城、栃木、群馬、埼玉4県にまたがり、利根川に流れ込む渡良瀬川などの水の量を調節する役割を持つ日本最大の渡良瀬遊水地は、今回の台風で総貯留量約1億7千万トンのうち、過去最大となる約1億6千万トンをため込んだ。
 渡良瀬川が利根川に合流する埼玉県久喜市の栗橋観測所では、13日午前1~10時まで、水位が氾濫危険水位の8・9メートルを超えていたが、利根川から分かれて東京湾に注ぐ江戸川は氾濫危険水位に達しなかった。
 また、下流に東京都葛飾区や足立区、埼玉県八潮市などがある中川や綾瀬川の水位が上がった際は、同県春日部市の「首都圏外郭放水路」で江戸川に水を流し込み、洪水を防いでいる。
(2)
埼玉県戸田市などにまたがる荒川第1調節池でも、総貯留量3900万トンのうち、3500万トンと過去最大の水を溜めたことで、下流の東京都北区では、氾濫危険水位まで水位が上がることはなかった。
 ■神田川「環7地下調節池」、ほぼ満タン
 都内でも同様だ。神田川などの水を地下に溜める地下調節池「神田川・環状7号線地下調節池」でも、総貯留量54万トンの約9割程度まで水が達したという。
 横浜市などを流れる鶴見川では一時水位が上がったが、ラグビーワールドカップの日本対スコットランド戦が行われた日産スタジアムがある「鶴見川多目的遊水地」(同市港北区)は総貯留量390万トンのうち、94万トンを貯めた。
 ただ、調節池より上流部分の支流などで氾濫が起きているところもある。国土交通省の担当者は「応急復旧を進めるとともに、原因を調査していく」としている。
 ■調節池
 上流で大雨が降るなどして、川の水位が上昇した際に、水の一部を一時的にためることで川の水の量を減らす設備。川と池の間の堤防を一部低くすることで、水位が上がると自動的に流れ込む。大小さまざまで、普段は公園や空き地になっている場合もある。自然豊かな渡良瀬遊水地や、日産スタジアムのある鶴見川多目的遊水地などが有名。


2019.10.18-Yahoo!!Japanニュース(KYODO)
決壊河川「2割」に水位計なし 台風19号、宮城など5県

台風19号で堤防が決壊した64河川のうち、宮城や福島など5県が管理する13河川で水位計が設置されていなかったことが18日、各県への取材で分かった。水位計は、自治体が避難勧告などを発表する判断材料の一つで、各自治体は「予算の問題もあり優先順位を付けて設置している」と説明。専門家は「できるだけ広範囲に設置し活用した方がいい」と指摘している。
 各自治体は、気象庁の警報や雨量、定点カメラの映像、水位計のデータなどを基に災害時の住民避難を判断している。水位計の観測値は「川の防災情報」「川の水位情報」といったウェブサイトで確認できる。


2019.10.18-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/affairs/news/191018/afr1910180009-n1.html
政府、台風19号を特定非常災害に閣議決定

政府は18日午前の閣議で、記録的な大雨をもたらした台風19号を「特定非常災害」に指定することを決定した。運転免許証の有効期間延長などの特例措置を実施し、被災で行政手続きができなくなった人を救済する。被災自治体の財政負担軽減を図る「激甚災害」も近く指定する方針だ。
 特定非常災害の指定は、東日本大震災や西日本豪雨などに続き6例目。運転免許証の更新手続きができない被災者の免許証の有効期限を令和2年3月31日まで引き延ばすほか、被災で債務超過に陥った法人の破産手続きの開始も令和3年10月9日まで延長する。
 武田良太防災担当相は18日の記者会見で「被災者の不安の解消を図ることができるのではないか」と述べた。


2019.10.18-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/affairs/news/191018/afr1910180060-n1.html
【台風19号】道志村の女児不明現場が壊滅 母「娘はここにいてほしくない」
(1)
千葉県成田市の小学1年、小倉美咲さん(7)が行方不明になった山梨県道志村のキャンプ場が、台風19号で壊滅的被害を受けた。現場周辺にとどまっていた美咲さんの母、とも子さん(36)は山を下りて同市に帰った。とも子さんは18日、産経新聞の取材に応じ、「美咲は山にいると信じていたが、惨状を見たら、いてほしくないと思った」とジレンマを語った。(渡辺浩)
 美咲さんが行方不明になった「椿荘オートキャンプ場」は、12日の豪雨でキャンプ場内を流れる椿沢が氾濫。斜面の崩落も起き、大量の岩や土砂、倒木などが流れ込んだ。
 18日に記者が取材に向かったところ、国道413号から最短距離でキャンプ場につながる林道は舗装がめくれ上がり、通れなかった。別ルートでたどり着いたが、キャンプ場は大きく姿を変えていた。
■ ■ ■
 美咲さんは9月21日、とも子さんや姉、友人家族らとキャンプに訪れた。同日午後3時40分ごろ、小川へ先に遊びに行った子供たちを1人で追い掛けた後、行方が分からなくなった。
 とも子さんら家族はそれから1週間ほど、テントを張ったまま美咲さんを捜し、その後は近くの旅館に滞在して捜索活動を見守ってきた。県警などは今月6日、大規模な捜索を打ち切り、ボランティアが捜し続けてきた。
 台風19号の接近でいったん成田に帰っていたとも子さんは、14日朝に現場に戻って、あまりの被害の大きさに驚いた。
(2)
「そこにあるはずのない大きな岩があった。ここに美咲がいてほしくないと思った」。17日に道志村を後にした。
 ボランティアによる捜索も中断し、再開のめどは立たない。とも子さんは「今後は現場以外の場所で協力していただければありがたい」と話す。美咲さんの写真などを掲載したチラシを制作。3万~4万枚印刷し、ボランティアの力を借りて全国で配るという。
■ ■ ■
 美咲さんがいなくなって以降、ネット上ではとも子さんへの批判も出た。髪形を変えると、「こんなときに美容室に行くなんて」と書かれた。
 とも子さんは「報道関係者などに説明するために、いなくなったときの美咲の髪と同じ長さにしようと友達に切ってもらっただけ。家族の心情も考えてほしい」と訴える。  「美咲はどこかで生きている。必ず見つけ出したいので皆さんの力を貸してほしい」と情報提供を呼びかけている。
 美咲さんは身長約125センチ、やせ形。不明になったときは黒の長袖シャツにジーパン姿で、緑のスニーカーを履いていた。

情報提供は山梨県警大月署(0554・22・0110)。


2019.10.18-Yahoo!!Japanニュース-https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191018-00000125-mai-soci
死者79人不明12人 決壊、7県71河川128カ所 台風19号、19日で1週間

台風19号は12日の上陸から19日で1週間となる。堤防が決壊した河川は7県の71河川128カ所に上る。未復旧の堤防が多い中、東日本と東北では19日昼過ぎにかけて激しい雨が降る見込みで、気象庁は河川の氾濫や土砂災害に警戒を呼び掛けている。福島県いわき市などは18日に避難勧告を出した。
  国土交通省によると、国管理河川流域の浸水は最大約2万5000ヘクタールに上り、昨年7月の西日本豪雨の約1万8500ヘクタールを上回った。17日時点で、宮城県大郷町の吉田川流域を除き浸水はほぼ解消したという。堤防が決壊した国管理の7河川12カ所のうち千曲川や阿武隈川など7カ所は仮堤防が完成済みで、2カ所も18日に工事が終わる予定だ。残りも21日までに完成する。
   行方不明者の捜索が続く中、不明となっていた福島県郡山市の男児(10)の遺体が見つかった。毎日新聞の集計では、住宅の浸水や増水した川への転落、土砂崩れなどにより79人が死亡、12人が行方不明となっている。福島県いわき市では、東京消防庁のヘリコプターが救助活動中の女性(77)を誤って落下させ、死亡させる事故も起きている。
   各省庁によると、けが人は372人。土砂災害は20都県で247件発生した。被災住宅は4万5286棟で9割が床上・床下浸水だが、棟数はさらに膨らむ見通しだ。4092人(18日現在)がなお避難生活を送り、断水も12都県の約9万5000戸(同)で続いている。【松本惇】
 ◇台風19号による死者・行方不明者(都県別、人)※18日午後10時現在 (県 死者 不明者)
岩手(2,0)-宮城(16,4)-福島(29,1)-茨城(2,1)-栃木(4,0)-群馬(4,0)-埼玉(2,0)-千葉(1,0)-東京(1,0)-神奈川(14,3)-長野(3,2)-静岡(1,1)・・・計(死者79,不明者12)


2019.10.17-NHK 福島 NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20191017/6050007410.html
台風19号 浸水した工場から毒物流出

台風19号による川の氾濫で浸水した郡山市のメッキ工場から、毒物のシアン化ナトリウムが流れ出し、敷地内の池で基準を上回る濃度で検出されたことが分かりました。
工場の従業員などに健康被害は出ていないということです。

シアン化ナトリウムが流出したのは、郡山市富久山町のメッキ工場「エム・ティ・アイ」です。
この工場は、台風19号で氾濫した阿武隈川沿いにあり、シアン化ナトリウムを使用する生産ラインや、薬品の保管庫が水没していました。
16日夜、被害状況の調査に入った市の職員が、敷地内にある工場の排水をためる調整池で、基準の46倍の濃度のシアン化ナトリウムを検出したということです。
シアン化ナトリウムは、毒物に指定されていて、高濃度で摂取すると死亡する危険性もあるということですが、浸水で流れ出た際に薄まっているとみられ、清掃作業にあたった工場の従業員などに健康被害は出てないということです。
郡山市は、念のため、工場の周辺に住む5世帯に避難を促しましたが、避難した人はいないということです。
市は、17日から周辺で水質検査を行い、環境への影響を詳しく調べることにしています。


2019.10.17-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/affairs/news/191017/afr1910170049-n1.html
【台風19号】阿武隈川「決壊連鎖」 南から北への流れ、台風の進路と並行に
(1)
台風19号に伴う記録的な大雨に見舞われた福島県と宮城県では、阿武隈(あぶくま)川が41カ所で連鎖的に決壊した。南から北へと向かう川の流れは台風の進路と並行しており、豪雨により全域の水かさが持続的に急増。支流の水が本流との合流地点で行き場を失い、逆流してあふれ出す「バックウオーター現象」が多発して、次々と堤防を破壊していった可能性がある。
 「水がジャブジャブと渦巻いていた」。福島県本宮市で阿武隈川の堤防近くに暮らす男性(55)は、13日未明の決壊で押し寄せた濁流の様子をこう証言する。同市では阿武隈川と支流の安達太良(あだたら)川の2つが相次いで氾濫し、市街地の浸水で7人が犠牲になった。
 国土交通省によると、阿武隈川では支流を含め41カ所が決壊。那珂(なか)川(14カ所)や久慈川(7カ所)と比較しても格段に多い。
 阿武隈川は何が違ったのか。その原因について、土木学会の現地調査団に加わった福島大の横尾善之准教授(流域水文学)は、北から南へと流れる那珂川や久慈川と逆に、南から北へと流れる阿武隈川特有の川筋を挙げる。「偶然にも台風が川筋と並行に進んだことで、大雨が川の流れに沿って降り続けた」というわけだ。
 河川の一点で雨が降った場合、その水域が一時的に増水してもしばらくすれば下流へと流れて上流の水かさは減る。しかし今回は、降雨が川の流れと同じ方向に移動したため、下流の水位も上がり、上流からの水を受け流すだけの余裕がなくなった。その結果、各所で堤防の限界を超える増水が起こったとみられる。
 防災科学技術研究所(茨城県つくば市)は、阿武隈川流域の一部では12日午前0時からの24時間で「100年に1度」と想定される量を超える雨量だったと分析する。100年に1度の雨は福島市では計算上は180ミリだが、今回は220ミリ前後だった。阿武隈川の本流は12日深夜から13日未明にかけ、福島県に8地点ある国の主要観測所の全てで観測史上最大の水位まで上昇した。
(2)
「年間降雨量の4分の1程度が24時間で降り、水位が早く上がった」。阿武隈川本流の堤防が約50メートルにわたって決壊した須賀川市で16日に現地調査を行った日本大の高橋迪夫(みちお)名誉教授(河川工学)はこう指摘する。同市などでは過去の水害被害を踏まえ、堤防強化など「平成の大改修」と呼ばれる治水事業を進めたが、今回の被害は「平成の大改修の想定を上回った」(高橋名誉教授)。
 一方、本流の水位上昇は支流にも深刻な事態をもたらす。横尾准教授によると、本流の水位が上昇すれば、支流の水が合流地点でせき止められ、行き場を失ってあふれ出るバックウオーター現象が発生しやすくなるという。昨年7月の西日本豪雨で被災した岡山県倉敷市真備(まび)町でも、この現象で川の堤防が決壊した。
 国交省の集計では、阿武隈川で決壊した41カ所のうち8割超(34カ所)は支流で発生。横尾准教授が行った本宮市での現地調査では、支流の安達太良川が合流地点から上流に500メートルの地点で決壊していることが判明しており、横尾准教授は「本流の堤防に比べて支流の堤防は強度が弱い。持ちこたえられなかったのだろう」と話した。
  阿武隈川は過去にもたびたび氾濫し、流域に大規模な水害を引き起こしてきた。昭和61年8月5日には、台風から変わった温帯低気圧の影響で福島県や宮城県で2万戸以上が浸水する被害が出た。「8・5水害」と呼ばれ、流域住民の記憶に残っている。
 平成10年8月にも台風の影響で3千戸以上が浸水。当時は流域全体の3割で堤防がない状態だったため、国は「平成の大改修」と呼ばれる治水事業に着手、堤防の設置や強化などを進めた。その結果、14年の台風による洪水では福島県の浸水面積を半減させることに成功した。しかし、今回の水害は、住民らの想定を超えたものだった。
(3)
「これほどまでとは…」。市街地が冠水した福島県本宮市の会社員、永井信一さん(55)は絶句する。8・5水害の被災経験があるため、自身は事前に郡山市の親類宅に避難したが、自宅は1階天井付近まで浸水した。「また次の災害が来るかと思うと不安だ」と話した。
 東北学院大の松本秀明教授(地形学)によると、浸水被害が相次いだ流域の市街地の多くは阿武隈川の氾濫で運ばれた土砂が堆積して形成された盆地状の土地だという。
 阿武隈川の支流が8カ所で決壊し、市街地が浸水した宮城県丸森町も盆地の一つ。現地調査を行った東北大の森口周二准教授(地盤工学)は山と堤防に囲まれ水がたまりやすい上に記録的な雨が降り、さらに市街地近くの山間部からも雨水が流入し、水が排水されなくなって起こる「内水氾濫」が被害を拡大させた可能性を指摘。「今回のような記録的な大雨が降った場合は日本中どこで被害が起きてもおかしくない。普段から備えておく必要がある」と話している。


2019.10.17-日経経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51067180X11C19A0CE0000/
死の間際「世話になった」 台風浸水の自宅で妻の手握り

背丈の高さまで水が迫る中、夫は妻の手を握り「長いこと世話になったな」と別れを告げて沈んだ。夏井川の氾濫で大きな被害が出た福島県いわき市の自宅で亡くなった関根治さん(86)は最後の瞬間、妻に感謝の気持ちを伝えた。
  妻の百合子さん(86)と2人暮らしだった治さんは検察庁の元事務官。16日に家の片付けをしていた百合子さんは、泥だらけになった六法全書や治さんのノートを見て「家でも勉強していたね」と思い出し、釣りや山菜採りが趣味の「温厚で謙虚な夫」との突然の別れを悲しんだ。
  水害時は隣同士の布団で眠っていた。部屋の水位が徐々に上昇する中、隣室の普段は使わないベッドの上に百合子さんが先に避難。治さんは別の部屋から外に向かって助けを求めて叫び、119番もしたが救助は来なかった。ベッドの上に立って溺れるのを避けようとしていた百合子さんの下に、水に漬かりながら治さんがたどり着いた時には体力を消耗し切っていた。
  百合子さんは治さんの手を引っ張ってベッドに上げようとしたが、大量の水の中で、足腰の不自由な治さんはどうしてもベッドに上がることができず「世話になった」と言い残して沈んでいった。治さんの手の冷たい感触が今も残る。
  「夫婦って2人でいるのが良いことで、1人になったら生活が変わってしまうね」。百合子さんは、娘や親戚と片付けをしながら、小さくつぶやいた。〔共同〕


19.10.17-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/lnews/shutoken/20191017/1000038707.html
台風の浸水被害 3万3千棟超に

NHKが各地の放送局を通じてまとめたところ、台風19号の影響でこれまでに全国で少なくとも3万3000棟を超える住宅が水につかり、1600棟以上の住宅が全半壊や一部損壊の被害を受けました。
  このうち、床上まで水につかったのは栃木県や長野県など16の都県で1万9701棟、床下が水につかったのは埼玉県や静岡県など21の都県で1万3880棟となっています。また、全半壊の被害を受けた住宅は千葉県など11の都県で87棟、一部損壊が東京都や神奈川県など24の都道府県で1610棟となっています。


2019.10,17-NHK 福島NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20191017/6050007410.html
浸水した工場から毒物流出

台風19号による川の氾濫で浸水した郡山市のメッキ工場から、毒物のシアン化ナトリウムが流れ出し、敷地内の池で基準を上回る濃度で検出されたことが分かりました。工場の従業員などに健康被害は出ていないということです。
  シアン化ナトリウムが流出したのは、郡山市富久山町のメッキ工場「エム・ティ・アイ」です。この工場は、台風19号で氾濫した阿武隈川沿いにあり、シアン化ナトリウムを使用する生産ラインや、薬品の保管庫が水没していました。
  16日夜、被害状況の調査に入った市の職員が、敷地内にある工場の排水をためる調整池で、基準の46倍の濃度のシアン化ナトリウムを検出したということです。
  シアン化ナトリウムは、毒物に指定されていて、高濃度で摂取すると死亡する危険性もあるということですが、浸水で流れ出た際に薄まっているとみられ、清掃作業にあたった工場の従業員などに健康被害は出てないということです。
  郡山市は、念のため、工場の周辺に住む5世帯に避難を促しましたが、避難した人はいないということです。市は、17日から周辺で水質検査を行い、環境への影響を詳しく調べることにしています。


2019.10.16-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/politics/news/191016/plt1910160004-n1.html
【台風19号】予備費7・1億円を支出と首相 参院予算委

安倍晋三首相は16日午前の参院予算委員会で、台風19号被害の政府対応について、被災地へのプッシュ型支援を強化するため、令和元年度予算の予備費7億1千万円の支出を同日決定すると述べた。「被災自治体が財政上安心して全力で復旧にあたれるよう、その都度必要な手当を行う」と強調した。
 激甚災害に指定する時期について「私が『指定する方向』と言っているので安心して全力を尽くしてもらいたい。基準を満たしたものから速やかに公表する」と述べた。
 国民民主党の増子輝彦幹事長代行に対する答弁。


2019.10.16-dmenu ニュース-https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/kyodo_nor/nation/kyodo_nor-2019101601002369
台風19号、水害で半数超死亡か 犠牲76人分析、土砂崩れ原因も

台風19号により犠牲となった12都県の76人(16日午後時点)のうち、半数超の47人は浸水や洪水といった水害で死亡したとみられることが、共同通信の集計で16日、分かった。土砂崩れによる死者も11人に上る。台風19号による広範囲の暴風雨が、地形などにより複合的な被害をもたらしたことが浮き彫りになった。死亡状況が依然不明の犠牲者もおり、今後の防災のため詳細な検証が不可欠だ。 
12都県の災害対策本部や警察などへの聞き取りと、犠牲者の自宅や発見現場での取材を通じ現段階で可能性が高いとみられる死因を分析した。死者が26人と最多の福島県では、20人が水害で死亡した。


2019.10.16-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/affairs/news/191016/afr1910160039-n1.html
【台風19号】「ギリギリの判断」緊急放流、課題浮かぶ
(1)
台風19号による記録的な大雨で関東甲信越と東北地方にある計6カ所のダムでは、満水に達する前に流入量と同量を放流する「緊急放流」に踏み切った。下流で大規模水害が起きる可能性があり、管理者は洪水調節機能を放棄することになる苦渋の判断を迫られた。これらのダムでは、昨年の西日本豪雨の教訓として提言された事前放流(利水用の最低限の貯水を含む)を行っておらず、運用をめぐる課題も浮かび上がる。(市岡豊大、宮野佳幸)
通常流量の2倍以上
 「極力回避したい事態。ギリギリまで洪水調節を行った」。神奈川県中部を流れ、流域人口約128万人を抱える相模川上流の城山(しろやま)ダム(相模原市)で12日夜、緊急放流を判断した石坂智ダム運用部長(51)はそう振り返る。
 ダムでは通常、大雨が降ると流入量の一部をため、残りを放流する洪水調節を行う。しかし、満杯が近づくと、あふれ出して決壊するのを防ぐために流入量と同量を放流する。これは「異常洪水時防災操作」(緊急放流)と呼ばれ、洪水調節機能が果たせなくなる「例外中の例外」だ。
 城山ダムでは流域住民へ避難を促すために原則3時間前に周知する。管理事務所は12日午後1時過ぎに「午後5時から緊急放流」と周知したが、雨量が予想を下回り、午後4時に「開始を遅らせる」とした。
 その後、雨脚が強まり、一転して午後9時に「午後10時から開始」と予告。さらに予想より早いペースで上昇したため前倒しで午後9時30分に緊急放流を始めた。最大放流量は相模川の平常流量の2倍に相当する毎秒3千トン以上に上った。
建造54年で初操作
 国土交通省によると、12日夜~翌朝に緊急放流を行ったのは、美和ダム(長野県伊那市)▽竜神(りゅうじん)ダム(茨城県常陸太田市)▽水沼ダム(同県北茨城市)▽城山ダム▽塩原ダム(栃木県那須塩原市)▽高柴(たかしば)ダム(福島県いわき市)-の6カ所。このうち、塩原ダムでは緊急放流との関係性は不明だが、下流の茨城県内3カ所で決壊が確認された。
(2)
城山ダムの緊急放流は昭和40年の建造以来初めてだった。石坂部長は「結果的に大規模災害が起きずに済んだ」と胸をなで下ろすが、情報に翻弄(ほんろう)された自治体からは「できる限り避難に余裕を持たせたい」(海老名市)、「最終的な連絡が10分前で驚いた」(厚木市)との不満も上がる。
最低限の水位残す
 緊急放流は昨年7月の西日本豪雨では6府県8カ所で行われ、愛媛県の2カ所では下流で約3千棟が浸水し8人が死亡。国交省の有識者による検証会議では、空き容量確保のため、通常の放流以上に農業、工業用の貯水まで含め事前放流する対策が提言された。
 だが、今回緊急放流した6つのダムでは、事前に定められた最低限の水位まで放流を行うなどし、いずれも水利権者との追加協議を要するレベルまでの放流は行わなかった。一歩踏み込んだ事前放流を行えば、緊急放流に至る前に少しでも空き容量を確保できた可能性はあり、国交省が検証する。
 東大大学院の池内幸司教授(河川工学)は「河川管理者としては事前放流を増やしたくても、上流域の正確な降水予測ができない現状では、空振りになった場合に水利権者に迷惑がかかる可能性がある。空振りリスクを軽減できる仕組みが必要だ」としている。


2019.10.16-LiveDoorニュース-産経ニュース-https://news.livedoor.com/article/detail/17239535/
【台風19号】泥まみれの机やいす、授業再開メド立たず 福島・郡山の小学校

泥まみれになった子供たちの机、掲示物…。
 記録的な大雨をもたらした台風19号で、福島県郡山市を流れる阿武隈川支流の逢瀬(おうせ)川が氾濫し、近くの同市立赤木小学校も校舎1階が高さ2メートル近くまで濁流にのみ込まれた。授業再開のメドは今も立たない。「早く子供たちの元気な声を聞きたい」。校内では連日、教職員や保護者らが泥だらけの机やいすなどの片付けに追われている。
 台風19号が通過した13日朝、学校を高台から見た鈴木久校長(60)は、自分の目を疑った。校舎1階部分が濁った水につかっていた。
水がひいた同日夕、校舎1階に入ると、室内の備品は水に流されて散乱し、すべてが泥だらけに。普段、子供たちの明るい声がこだまする校内には、目を覆いたくなるような光景が広がっていた。
 「内部は大丈夫と信じていたが、だめだった」。鈴木校長はショックを隠さない。校内に電気を供給する設備が水没したため電気も水も使えず、被害がなかった2~3階を使うこともできない状況だ。
 14日に続いて15日も教職員と保護者ら約70人が、泥水がたまったままの1階の教室などで片付けに追われた。濁流に押し流された備品がぶつかったのか、教室と廊下の間のガラスが割れている場所も。床から1・5メートルほどの高さの壁には水の跡が残り、時計は12時40分を過ぎたあたりで止まっている。壁の掲示物も泥水で汚れており、教職員らが懸命に取り外すなどして授業の再開に備えた。
  同校の児童は279人。教員が自宅から電話をしたり避難所を回ったりして、全員の安否は確認できた。しかし、電源を失い「学校から保護者らに情報発信ができない」という。
 鈴木校長は「教職員とPTAでできることには限界がある」と語る。片付けは16日で一区切りにする。
 17日には校外に設ける臨時職員室で職員会議を開き、今後の学校運営を話し合い、週内には市の教育委員会と対応を協議し決定したい考えだ。
 18日までは臨時休校になるが、鈴木校長は「来週の21日から近隣校の協力を仰ぐなどして、授業を再開できれば」と話している。


2019.10.16-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/affairs/photos/191016/afr1910160020-p1.html
【台風19号】死者12都県74人に 高齢者の逃げ遅れ目立つ

記録的な大雨をもたらした台風19号で16日、死者は12都県の74人に上った。都県別では福島県が最多の26人、宮城県と神奈川県がいずれも14人。行方不明者は13人とみられる。死者の半数を占める福島、宮城は高齢の溺死者が多く、河川氾濫や堤防決壊による浸水から逃げ遅れたケースが目立つ。
 国土交通省によると、堤防の決壊は7県の55河川79カ所になった。総務省消防庁によると、住宅の床上浸水が6694棟、床下浸水が5364棟。断水や停電が続いている地域もあり、生活の再建には時間がかかりそうだ。厚生労働省によると、宮城や福島など10県49市町村に災害ボランティアセンターが開設されている。


2019.10.16-東京新聞 TOKYO WEB-https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201910/CK2019101602000129.html
台風死者、12都県73人 52河川決壊、避難5000人

記録的な大雨をもたらした台風19号により、東日本の広い範囲で甚大な被害が出ている。共同通信の十五日の集計で、死者は十二都県の七十三人に上った。行方不明者は十三人とみられる。国土交通省によると、決壊した堤防は七県の五十二河川七十三カ所に上り、捜索や復旧作業を急いでいる。大規模な浸水被害があった宮城県丸森町では道路陥落により一部集落が孤立、被害の全容はなお見通せない。内閣府によると、十五日午後二時半時点で十三都県の五千八人が避難生活を続けている。
 台風の影響による都県別の犠牲者数は福島県が最も多く、二十六人が死亡。うち六人が、いわき市で亡くなった。次いで神奈川県十四人、宮城県では十三人が死亡している。浸水した地域の水深は国土地理院の推計によると、水戸市の那珂川流域で最大約七・二メートルに達した。阿武隈川では福島県国見町川内付近で最大約五・二メートル。
 国交省によると土砂災害は十九都県で計百七十件。同省北陸地方整備局によると、千曲川の堤防決壊で長野市穂保地区周辺は約九百五十ヘクタールと大規模に浸水したが、うち約84%は解消された。長野市の北陸新幹線車両基地も含まれている。
 北陸新幹線の長野-飯山間で冠水による信号装置への重大な被害も十五日判明。JR東日本は、東京-金沢間の全線再開まで少なくとも一~二週間かかるとした。 総務省消防庁によると、住宅の床上浸水が五千七百八十五棟、床下浸水は四千百七十七棟。電力各社によると、十五日午後九時現在で八県の約一万七千戸が停電。厚生労働省のまとめでは、十二都県の十二万八千戸超で断水中という。
 文部科学省のまとめでは、通学路の寸断や交通機関のまひにより、十二都県の国公私立の小中高校など計二百八十三校が十五日に休校した。都県別では福島県の百十八校が最多で、ほかに十一都県の百二十一校が短縮授業となった。
 厚労省によると、高齢者や障害者施設、保育所などで少なくとも十二都県の二百六十九施設が被災した。
 安倍晋三首相は官邸での十四日の会合で「激甚災害に指定する方向で調査を進める」と述べた。


2019.10.15-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/affairs/news/191015/afr1910150086-n1.html
【台風19号】予備自衛官を震災以来の招集 長期、広域支援に対応-(田中一世)
(1)
台風19号による被害拡大に伴い、民間人である予備自衛官と即応予備自衛官に招集命令が出された。広域で長期にわたる見通しの災害派遣を持続するためだ。防衛省・自衛隊は当面約200人を招集し、状況によって最大1千人規模への増加も検討している。
 予備自衛官は元自衛官でなくても教育訓練を受ければ任用され、現在約3万4千人。即応予備自衛官は原則として元自衛官に限られ、約4500人いる。普段は企業で働くなどしているが、有事や大災害時に自衛官の不足を補うため臨時に自衛隊の活動に加わる。一定の手当が支給される。
 台風19号の被災地入りは早くても16日になる見通し。危険性が高くない給水や入浴、炊き出しなどの生活支援が主な任務になる。練度の高い即応予備自衛官は行方不明者の捜索など緊急性の高い任務に組み込まれる可能性もある。
 台風19号による災害派遣は、岩手県から長野県に至る1都11県に広がった。断水や住宅浸水が相次いでいるほか、千曲川が氾濫した長野市などでは避難生活が長引く恐れがある。河野太郎防衛相は15日、記者団に「生活支援のニーズが高まってきたので、しっかり対応できるようにしたい」と語った。
(2)
一方、国防に関わる警戒・監視活動に隙を作るわけにはいかず、個々の自衛官や部隊は日々の必要な訓練を続ける必要もある。このため、「正規の自衛官だけで数カ月間、災害派遣のローテーションを組むのは負担が重すぎる」(自衛隊幹部)という。
 予備自衛官の招集は平成23年の東日本大震災、即応予備自衛官は昨年9月の北海道胆振(いぶり)東部地震以来だが、それぞれなり手不足の課題を抱えている。現在、即応予備自衛官の定員充足率は6割弱、予備自衛官は7割程度にとどまっている。即応予備自衛官は年間30日間、予備自衛官は5日間の訓練が必要で、本人にも職場にも負担がかかっているのが一因だ。
 防衛省は平成30年、招集中もしくは招集時のけがで業務を休む場合、雇用企業に1日3万4千円を支給する制度を創設したが、企業側の人手不足が解消されるわけではない。自衛隊幹部は「予備自衛官と即応予備自衛官は、万全の国防と災害対応を両立するために重要な存在だ。企業の理解を得ながら人材を確保していきたい」と話している。(田中一世)


2019.10.15-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/affairs/news/191015/afr1910150060-n1.html
【台風19号】全流域で強い雨、川幅狭い場所で詰まったか 千曲川決壊
(1)
台風19号による河川堤防の決壊や氾濫で甚大な被害が出た長野市の千曲(ちくま)川。川の水量がかつてないほど増え、川幅が狭い部分で流れが詰まるような形になり、上流部の水かさが増えたことが要因とみられる。専門家は「大きな川の全流域で強い雨が降り続けるというめったにないことが起こった」と警戒し、さらなる対策強化を訴えた。
 国土交通省北陸地方整備局によると、川の水があふれ出し、堤防(高さ約6メートル)が決壊したのは長野市穂保(ほやす)地区の千曲川左岸。このあたりは平成14~28年にかけ、堤防の幅を大きく広げる増強工事をしたばかりだったが、今回の台風では約70メートルにわたって堤防が崩壊した。担当者は「(整備した強度の)レベルを超える雨だった」と説明する。
 あふれた水が堤防の土を徐々に削り、周囲よりくぼんで強度が弱くなった箇所に川の水が集中して流れ込み、加速度的に堤防を崩していったとみられる。名古屋大の辻本哲郎名誉教授(河川工学)は「強固な堤防をつくっても、越水してしまうと強度が弱まる」と説明する。 決壊地点周辺は両岸の幅が1キロ前後と広いのに、なぜ流れ込んだ水を収容しきれなかったのか。
(2)
北陸地方整備局などによると、決壊地点から約7キロ下流の同県中野市立ケ花(たてがはな)地区には、両岸に山が迫っているために川幅が約200メートルと狭い部分がある。その部分に大量の水が入り込むことで、流れが滞留。逆流するような形で、上流に水がたまり続け、越水につながった可能性が高い。
 決壊地点周辺では、昭和58年にも台風による大規模な洪水被害に見舞われている。この台風被害をモデルケースとして、国は平成26年に今後30年間の河川整備計画を策定。完了した堤防の増強工事に加え、新たに川底の掘削工事なども計画されている中での今回の被害となった。
 今後は川幅が狭い部分の拡幅なども考えられるが、中央大の山田正教授(土木工学)は「河川の整備ではある箇所を直しても、そこに次ぐ2番目に脆弱(ぜいじゃく)な箇所が壊れるだけ。上流から下流まで流域一貫でモノを考えないといけない」と整備の難しさを説明する。
 一方、辻本名誉教授は地球温暖化などによる災害の激甚化に触れ、「すべての懸念箇所で対策を進めるのは(時間や予算など)今の力では難しい。脅威が迫った際、住民は腹をくくって避難することを考えないといけない」と語った。


2019.10.15-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/affairs/news/191015/afr1910150081-n1.html
【台風19号】千曲川・阿武隈川流域「100年に1度の豪雨」 防災科研が解析

台風19号で大規模な洪水被害が発生した長野県の千曲(ちくま)川や宮城、福島両県の阿武隈(あぶくま)川の流域は、100年に1度の猛烈な雨に襲われたことが15日、防災科学技術研究所の解析で分かった。大量の雨水が河川に流れ込み、氾濫につながったとみられる。
 気象庁が観測した過去30年間の降水量をもとに、過去100年間で最大の24時間降水量を統計的に算出。12日の降水量を調べた結果、千曲川、阿武隈川流域を中心に長野、福島両県などの広範囲で100年間の最大値を上回った。
 このうち福島市の降水量は100年間の最大値と比べ3割増の233・5ミリ。長野市も1割増の132ミリだった。群馬、栃木両県の一部でも最大値を超えた。
 同研究所の三隅(みすみ)良平部門長は、地形などの影響で降水量が増えたとした上で「台風の雲が上陸前から長時間とどまり、非常にまれな大雨となった」と話す。


2019.10.15-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/affairs/news/191015/afr1910150067-n1.html
【台風19号】水没の北陸新幹線、1~2週間後に全線復旧見込み

台風19号による千曲(ちくま)川の堤防決壊でJR東日本の「長野新幹線車両センター」(長野市赤沼)の車両基地が浸水、北陸新幹線の車両120両が水没した。水没車両が運用する全車両の3分の1にあたり、修理には大幅な機器交換などが必須。北陸新幹線の全線再開は少なくとも1~2週間かかる見通しだが、仮に復旧しても運転本数は5~6割にとどまる見通しだ。
 当初、湖のようになっていた現場は15日には水が引き、作業員らが浸水後、初めて被害状況の確認を行った。JR東の担当者は「なぜ、こうなったのか分からない」とこぼした。 高崎(群馬県高崎市)-金沢(金沢市)間を結ぶ北陸新幹線は、高崎-上越妙高(新潟県上越市)間がJR東、上越妙高-金沢間がJR西日本の管轄。1編成12両の計30編成(360両)を運用している。
 基地はJR長野駅の北東約10キロ、氾濫した千曲川からは西に約1キロ離れた場所にあり、営業運転を終えた車両を収容、検査などを行っている。当時は両社保有の車両が1編成12両ずつ、計10編成止められていた。
 千曲川から基地までの間には新幹線の線路や田んぼ、民家が並ぶ。鉄道評論家の川島令三氏は、「実際に見たことがあるが、川からあそこまで水が来るとは考えられなかった」と驚くが、長野市のハザードマップでは洪水時の基地付近の浸水を「最大10メートル以上」と予想していた。
 車両は、急勾配区間を安定して走行できるブレーキや、豪雪地帯を走るため床下に雪除けのカバーも備える。JR西の平成27年3月期の有価証券報告書によると、120両の製造費用は約328億円。JR東も「製造費は1両当たり3億円程度」としている。
 今回、車両は床下からかなりの高さまで水につかった。床下にはブレーキや空調を制御する装置や変圧器といった重要機器が搭載されており、機器の基板か機器自体の交換が必要になるとみられる。室内に水が入り込んでいれば座席の交換なども必要になるが、浸水したセンターでの作業は難しく、別の基地まで車両を牽(けん)引(いん)する可能性もある。 北陸新幹線は現在、長野(長野市)-上越妙高間で運転を見合わせている。JR東によると、線路が冠水し信号装置に被害が確認された箇所があり、全線再開まで少なくとも1~2週間かかるという。


2019.10.15-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/affairs/news/191015/afr1910150003-n1.html
台風19号、堤防決壊52カ所、死者は11県で56人 「激甚災害」指定へ

台風19号による被害は15日、岩手、宮城、福島、神奈川、長野、静岡の6県で新たに死者が判明し、共同通信の集計では11県で死者56人、行方不明者16人となった。国土交通省や総務省消防庁によると、決壊した堤防は7県の37河川52カ所に上り、住宅の床上浸水が1975棟、床下浸水は1729棟に達した。
 水の深さで立ち入りが困難な場所もあり、被害の全容は見通せない。警察や消防、自衛隊が取り残された人の救助や行方不明者の捜索を続行。停電や断水も各地で続き、生活への影響は長期化しそうだ。
 安倍晋三首相は官邸で14日に開いた非常災害対策本部の会合で「激甚災害に指定する方向で調査を進める」と述べた。
 交通機関は深刻な状況だ。JR東日本は、長野新幹線車両センターで多数の車両が浸水したことで、北陸新幹線東京-金沢間の全線の運転再開に「相当期間を要する」と明らかにした。


2019.10.14-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/affairs/news/191014/afr1910140032-n1.html
【台風19号】高水温で発達「強大」台風、温暖化で確率上昇も

今回の台風19号は、海面水温が比較的高い海域を進んだことにより勢力が急激に増す「急速強化」と呼ばれる現象が起き、一時「スーパー台風」と呼ばれる勢力となった。専門家は「地球温暖化による海水温の上昇が続けば、同規模かそれ以上の勢力の台風が発生する確率は高まり、日本列島を襲う可能性がある」と指摘する。
 気象庁などによると、台風19号は6日、本州から南東約1800キロの南鳥島近海で発生。7日から8日にかけて、中心気圧が915ヘクトパスカルまで急降下し、24時間で急激に発達する「急速強化」が起きたと考えられる。一時は、米国が最も強いクラスに分類する1分間の平均最大風速が秒速65メートル以上の「スーパー台風」と同規模の勢力となった。
 台風は、海水面の温度が高いと水蒸気の供給を受けて発達する。通常は北上して海水温が下がると勢力は衰えるが、今回は日本列島南岸に至るまでの水温が平年より1、2度高い27~28度だったため、勢力を維持したとみられる。
 東大大気海洋研究所の新野宏名誉教授(海洋大気力学)は、「発生周辺海域の海水温が30度以上と高かったために急速に大型の猛烈な台風に発達した」と説明。「台風が大型で比較的ゆっくりとしたスピードで北上したことも、記録的な大雨となった要因の一つ」と指摘する。
 国立環境研究所地球環境研究センターの江守正多(せいた)・副センター長も「個々の台風の発生や進路は不規則で、傾向を見いだすのは難しい」とした上で、「一般的に海水温が1度上がれば、その分だけ台風の勢力は強くなる」と話す。
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書では、地球温暖化が今のペースで続くと、2040年前後に世界の平均気温が18~19世紀の産業革命前より1・5度上昇する恐れがあるとされる。江守氏は「温暖化が進めば、今回と同等、あるいはそれ以上の勢力の台風が日本にも訪れる確率が上昇することは明らか。温室効果ガスの削減など、温暖化を止めるということを真剣に考える1つの契機にしなくてはならない」と警鐘を鳴らす。


2019.10.14-朝日新聞 DEGITAL-https://www.asahi.com/articles/ASMBF4Q0KMBFULOB03J.html
緊急放流の決断、その時何が 影響大、最後は「やろう」

神奈川県相模川上流部の城山ダム(相模原市緑区)で、貯水量の急増による決壊を防ぐための緊急放流を12日午後9時半から13日午前1時15分にかけて実施した。放流に伴う下流域での大規模水害は起きなかったが、課題も浮かんだ。
 県は気象庁の雨量データなどを踏まえ、11日の段階で下流域の自治体に緊急放流実施の可能性を示唆。12日も午後1時過ぎに「午後5時開始」と知らせたうえで、それを公表した。だが雨量が刻々と変わり、県発表の時刻は午後5時→10時→9時半と変更が続いた。
 下流域の多くの住民に避難を促すのは影響が大きい。県の担当者は「難しい判断を迫られたが、最後は『(緊急放流を)やろう』とまとまった」と語った。 ダムの下流の厚木市は緊急放流による水害を懸念し、緊迫した対応を続けた。
 県のウェブサイトで相模川の水位予測を確認した同市の担当者は驚いた。午後10時時点の情報として、堤防の高さが約10メートルの同市上依知の水位観測地点で、同10時半に12・15メートル、同11時20分には13・85メートルに達すると予測されていたからだ。市が独自に相模川の岸に派遣していた職員が水位を監視し続けた。
 市は12日午後1時半に、相模川の近くに住む市民に避難指示を発令していた。同9時前に「10時に緊急放流」の情報が入ると、職員が川沿いの家々を回り、避難を呼びかけた。放流が30分繰り上がって始まったのは、そのさなかだった。
 緊迫度を高める別の要因もあった。市中心部付近で相模川に合流する中津川の上流にある国管理の宮ケ瀬ダム(愛川町など)でも緊急放流するという情報が12日午後9時ごろ入ったからだ。結局、実施されなかったが、緊急放流が重なれば危険はさらに増していた。小林常良市長は取材に「ダム管理者と下流域の自治体間には、もっと密接な事前調整が必要だ」と語った。


2019.10.14-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/affairs/news/191014/afr1910140021-n1.html
【台風19号】水あふれ決壊までわずかな時間…振り返る恐怖「もうだめかと」
(1)
台風19号がもたらした大雨で千曲川の堤防が決壊し、濁流が街を飲み込んだ長野市北部。堤防から水があふれ出してから決壊までわずかな時間だったと証言する住民もいる。「もうダメかもしれないと思った」。住民は恐怖を振り返った。(吉原実)
 浸水の被害が激しい長野市穂保地区。14日には一部で水が引き、歩けるようになった場所もでてきた。だが、濁流がもたらした泥が膝上の高さまで広がる。
 上空では地元消防のヘリが行き交い、警察官らが孤立住民らの捜索にあたっていた。 りんご農園を営む男性(62)は、床上浸水した自宅の様子を見に戻ってきたという。床一面に泥が覆い「どこから手をつければいいのか」と嘆く。
 地区に避難指示が出されたのは12日午後11時40分ごろだった。その後、千曲川は、増水して氾濫危険水域を越えたとみられ、70メートルにわたって堤防が決壊し、地区に濁流が流れ込んだ。 男性は12日午後8時ごろには避難したが、携帯電話と財布だけを持ってきただけだった。深夜、決壊したニュースを耳にした。「もうだめかと思った」。男性は振り返る。
ただ、自宅は流されずには済んだ。周辺には自宅へ戻ることができない避難者も多く、男性は「自分家の状況を例に、みんなが何を必要としているのか把握したい」と話した。
 「越水から決壊まであっという間だった」。主婦の土屋栄美子さん(67)も恐怖を振り返る。13日午前1時ごろ、越水を受けて避難したが、14日朝、氾濫後に初めて自宅に戻ってきた。外壁は高さ約1・5メートル、家の内部には約50センチの高さまで泥が押し寄せた。土屋さんは「この辺りはまだ良い方。決壊現場近くでは2階まで浸水している」と話す。
 これまで何度も氾濫を繰り返してきた千曲川。河川敷一帯に川の水が流れ込んだこともあったというが、土屋さんは「住宅街まで水は来ないと思い、逃げ遅れた人が多かったと思う」と話した。 水は完全に引かず、長期化も懸念される住民の避難生活にも不安が浮かぶ。
 今も200人以上の住民が身を寄せる「北部スポーツ・レクリエーションパーク」(同市三才)。食料や水の救援物資は確保されているものの、暖房は完備されていない。被災地ではこの後、雨が降るとの予報もあり、夜間の冷え込みも想定される。「冬用ジャンパーを用意するなど、手を打たないといけない」。管理する男性は頭を抱えた。


2019.10.13-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/affairs/news/191013/afr1910130048-n2.html
【台風19号上空ルポ】濁流にのみ込まれた街 乳児抱えベランダから救助求める女性の姿
(1)
街が消えた。茶色く濁った水が一面に広がる光景に言葉を失った。東日本を縦断した台風19号の上陸から一夜明けた13日、取材ヘリで上空から長野県と栃木県に入った。千曲(ちくま)川の堤防が決壊した長野市穂保(ほやす)地区は、かろうじて建物の屋根や高層部が水面に顔を出す程度で、泥水につかっていた。千曲川の濁流の勢いは強く、日常を完全に流し去っていた。(北野裕子)
 千曲川に沿うようにして、街中を延びる北陸新幹線の線路の一部は、泥水の中に沈んでいた。 付近にはJR東日本の「長野新幹線車両センター」がある。上空から確認できただけでも、少なくとも7本の新幹線が窓の下部あたりまで水につかっていた。少し離れた山側を走る、しなの鉄道北しなの線も途中から線路が見えなくなっていた。 あふれ出た濁流は住宅や学校、コンビニエンスストアなど、人々の生活の拠点を容赦なくのみ込んだのだろう。店舗があったことは看板からうかがえるが、上空から見えるのはほぼ屋根だけだ。住宅のほとんどは1階部分が水没していた。 目をこらすと、今にも沈みそうな住宅の2階で動く布のようなものが見えた。ベランダや窓から、取り残された住民らが救助を求めて必死に合図を出している。乳児を抱え、必死にタオルのようなものを振る女性の姿も見えた。
 自衛隊や警察のヘリが上空から救助にあたっていたほか、水没した場所でボートが泥水をかきわけ、住人らを運んでいた。
(2)
濁流はどこから流れ込んだのだろうか。堤防を目で追うと、70メートルほど決壊した所があった。濁流に削り取られたのか、堤防の一部で茶色い壁がむき出しに。川幅は大きく広がり、川沿いに生えた木が水流できしんでいた。 一帯は一夜にして街の原形を失ったようだ。かろうじて被害を免れたであろう人々が道の所々で、沈んだ街を見つめて立ち尽くす姿が見えた。
 被害は広範囲に及び、長野県上田市では、千曲川にかかる上田電鉄別所線の赤い鉄橋の一部が濁流の中に崩れ落ちた。東御市でも、千曲川にかかる田中橋が崩落、亀裂が入った橋は半分が濁流に崩れ落ち、3人が行方不明のままだ。
 取材ヘリは続いて栃木上空に入った。市内を流れる秋山川の堤防が決壊し、多くの住宅が浸水した栃木県佐野市の様子を取材するためだ。上空に到達したのは13日午後3時半ごろだったが、住宅や水田が広がる一帯を埋め尽くした濁流は徐々に引きつつあり、地面が見える部分もあった。 ただ、水が引いたことで、横転している車やコンビニエンスストアなどが泥だらけになった惨状があらわになっていた。水浸しの住宅街を住民らがまばらに歩く様子も見える。 川は濁流ではあったが、水流の勢いは収まりつつあり、決壊した堤防付近では一部損傷した橋を補修するため、工事関係者らが土嚢(どのう)を積んだりして急ピッチで作業を進めていた。


2019.10.13-東京WEB-https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201910/CK2019101302000142.html
台風上陸、多摩川氾濫 12都県で大雨特別警報

大型で強い台風19号は十二日午後七時前、伊豆半島に上陸した。関東を縦断して十三日は東北沖に達する見通し。共同通信の集計で竜巻とみられる突風や土砂崩れで二人が死亡し、六人が行方不明になった。負傷者は二十四都府県の七十五人に上った。気象庁は十二都県の自治体に大雨特別警報を発表。大雨・洪水警戒レベルで最高の5に相当し、最大級の警戒や避難を求めた。高波や高潮、土砂災害や低地の浸水、河川の増水・氾濫が相次ぎ、多摩川も東京都世田谷区玉川(左岸)付近で氾濫した。
 特別警報の対象は東京都のほか、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、神奈川、新潟、山梨、長野、静岡各県。一度の災害で十二都県に発表されたのは過去最多。これらのうち宮城、茨城、栃木各県を除く九都県は初めて発表された。十三日も東日本や東北を中心に記録的な暴風が吹き、大雨となる地域がありそうだ。
 千葉県市原市では十二日午前、竜巻のような突風が原因とみられる車両横転や住宅損壊で一人が死亡、八人が負傷。静岡県御殿場市では水路に二人が流され、一人が救助されもう一人の行方が分からなくなった。
 群馬県富岡市では土砂崩れが発生。一時三人と連絡が取れなくなり、救助された一人が死亡した。相模原市でも土砂崩れが起き、住宅三棟が全壊した。
 十日からの総降水量は神奈川県箱根町で一〇〇〇ミリ、静岡県伊豆市で七〇〇ミリを突破。東京・神津島で十二日、四四・八メートルの最大瞬間風速を観測した。
 交通機関は、十三日は首都圏のJR在来線が昼ごろまで運転を見合わせる見通し。東海道新幹線も始発から運休する可能性が高い。
 台風は十二日午後九時現在、川崎市付近を時速約四〇キロで北北東に進んだ。中心気圧は九六〇ヘクトパスカル、最大風速は四〇メートル、最大瞬間風速は五五メートル。中心の南東側三三〇キロ以内と北西側二六〇キロ以内は風速二五メートル以上の暴風域。十二日午後六時に「大型で非常に強い台風」から「大型で強い台風」に変わった。
 内閣府は十二日、東京、群馬、長野の三都県の五十七市町村に災害救助法が適用されたと発表。政府は同日、首相官邸の情報連絡室を官邸対策室に格上げした。

 台風19号による降雨の影響で十二日、国土交通省千曲川河川事務所によると、長野県上田市と長野市で千曲川が氾濫した。ほかに東京都八王子市の南浅川と青梅市の成木川、静岡県菊川市の牛淵川、埼玉県東松山市の荒川水系・都幾川も、各自治体などによると氾濫した。国交省は多摩川や荒川、相模川など四十以上の河川の観測所で、氾濫危険水位を超えたと明らかにした。記者会見した関東地方整備局(さいたま市)の高畑栄治河川調査官は、荒川と多摩川で氾濫危険水位に到達したと発表した。

首都圏38万戸停電
 東京電力によると、首都圏では十二日午後十時現在、神奈川県内で約十四万九千戸、千葉県内で約十二万七千戸など計約三十八万戸が停電している。
 千葉県では南房総市で約一万六百戸、市原市で約九千八百戸など県内全域で発生。神奈川県では川崎市高津区が約一万三千戸、横須賀市で約二万二千戸、鎌倉市は約一万八千戸など。東京都内は世田谷、大田、江戸川、墨田各区などで停電が目立っている。


2019.10.12-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/economy/news/191012/ecn1910120011-n1.html
【台風19号】相次ぐ企業店舗の計画休業、企業意識に変化

台風19号の接近に伴い、スーパーや携帯電話販売店は、早々と12日の休業を決めるなどの危機対応を講じた。従来は「顧客重視」の観点から、台風が近づいても開店する努力をしてきた各社だが、交通機関の計画運休などで従業員が出社できないなどの物理的制約と併せ、企業の意識が収益重視から安全重視に傾いていることも、“計画休業”の動きを強めている。
 百貨店では三越伊勢丹が三越日本橋本店などの臨時休業を前日までに決めたほか、高島屋や大丸松坂屋百貨店なども同様の動きを見せた。スーパーのイトーヨーカ堂が100店舗以上の休業を発表したのも前日の早い時間帯だ。ソフトバンクは、東京都など23都府県で携帯電話の販売店を臨時休業にしたが、広域で災害に備えて一斉休業したのは初めてという。
 「24時間営業、年中無休などのルールを死守するという企業や社会風土は変化している。休業に対する企業の抵抗感も低下してきた」。第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは潮目の変化を語る。現場でも「これまで社会的責任として営業継続にこだわってきたが、最近は従業員への配慮を重視する空気がある」(スーパー)という。
 先月の台風15号による甚大な被害がまだ記憶に新しい中、「大きな被害がある程度見えている災害に対しての計画的な休業は、「社会全体の動き」(通信大手関係者)として容認する流れが強まった。大手百貨店の担当者は「交通機関の計画運休で判断の見通しが立てやすかった」と話す。
 MS&ADインターリスク総研の山口修(おさむ)主席コンサルタントは、「ここ数年、企業の間で、災害のレベルに応じて事前に対応を決めておき、早め早めに判断するという動きが広がっており、こうした流れは今後も定着していく」と語る。


2019.10.11-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/column/news/191011/clm1910110003-n1.html
主張:台風19号 厳重警戒で被害を最小に

大型で猛烈な台風19号が太平洋の南海上を北上している。
 12日から13日にかけて非常に強い勢力を保ったまま、日本列島を直撃する可能性が高い。気象庁は9日、異例の「3日前会見」を開き、最大限の警戒を呼びかけた。 関東を直撃した先月の台風15号、近畿圏を襲った昨年9月の台風21号と同程度の暴風になる恐れがあるという。進路によっては、東海から北日本にかけての首都圏を含む広い範囲が最大級の暴風に襲われる。非常に危険な台風である。
 トラックが横転し、電柱、鉄塔や街路樹がなぎ倒される。屋根、窓ガラスが損壊しても、暴風雨で避難できない。大規模な停電が発生し、長期化する。
 こうした事態を「自分の身にふりかかること」として想定しなければならない。台風が接近してからでは、避難もできない。自分と家族、大切な人の命を守るために、11日のうちに「できることはすべてやる」しかない。
 まず、高齢者や持病のある人、土砂崩れや高潮による浸水のリスクが高い地域の人は、安全な場所に身を寄せてほしい。
 そして、各家庭では暴風への対策を徹底することが大事だ。ベランダや庭にある物は可能な限り屋内に片付ける。風の影響が小さいと思える物干し竿(ざお)などでも、秒速50メートル級の暴風で窓ガラスなどの損壊の原因になる。家族を守るためにも、誰かの命を脅かさないためにも、暴風による飛来物をなくすことに徹したい。
 1カ月前の台風15号でも昨年の21号でも、大規模な停電が発生した。停電が長期化した千葉県が今度も被災する恐れがある。
 電気は光と熱と情報の供給に不可欠なインフラだ。大規模停電は防がなければならないし、長期化させてはならない。が、長期にわたって電力供給が断たれる事態も想定し、備える必要がある。
 食料や日用品、ガスコンロなどの熱源を多めに備える。スマートフォンなどの充電も当座の連絡手段確保のためには欠かせない。乗用車のガソリンも満タンにしておきたい。 電力会社や自治体による被害の予防、最小化の取り組みが重要だが、広域の被害には対応しきれない。「自助」、そして地域の「共助」で命を守る覚悟をもって、最強台風に備えたい。


2019.10.11-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/affairs/news/191011/afr1910110092-n1.html
【台風19号】「過去最大級の台風」に備えに奔走 先に帰省、電柱近くの倒木除去、物資買いだめ…

大型で非常に強い勢力を維持したまま本州に上陸する恐れのある台風19号。気象庁が11日、臨時会見を開いて最大級の警戒を呼びかけると、鉄道や航空各社も12日の運休や欠航の具体的な内容を示した。百貨店やスーパーも軒並み閉店を発表。台風15号の被害も鮮明に残る中、人々は備えに奔走した。
早めの移動
 「今日中に移動しないと間に合わないから」 11日午後3時すぎ、仕事を早めに切り上げて東京駅を訪れた新宿区の会社員、山内勇二さん(46)は、足早に新大阪駅に向かう新幹線に乗り込んだ。来週の大阪での仕事に備え、12日に移動を計画していたが予定を早めた。「いきなりストップされると困るけど、今回はだいぶ早くから運休する可能性を知らせてくれていたので助かった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
 12日からの計画運休を受け東海道新幹線の券売機や窓口には行列ができた。大阪方面に向かう新幹線は満席が続き、和歌山から観光で訪れた男性(33)は「自由席で帰るしかない」と苦笑いを浮かべた。
食料品“確保”
 横浜市中区伊勢佐木町の商店街にある商業施設の食品売り場では、飲料や非常食のコーナーで多くの商品棚が空になった。「レトルト食品なども売れていて売り上げは普段の4割増しになっている」。従業員は話した。
 同市南区の主婦、池上多恵子さん(72)は保存食を求めて訪れた。調理が不要の総菜も購入したという。「過去最大級の台風と聞いているので、とても心配」と不安げな表情を浮かべた。
 川崎市のスーパーでもパンや水などは品薄の状態が続いた。買い物に来た女性会社員(32)は「早退して食べ物や飲み物を確保しようと思ったのにもう遅かったなんて…」とため息を漏らした。
停電への備えも
 停電への備えをする住民の姿もみられた。 家電量販店「ビックカメラ」では懐中電灯やランタンなどが品薄となる店舗も出ているほか、スマートフォンなどにつないでテレビが見られる「ワンセグチューナー」も売れているという。
 電気に代わるエネルギー源としてカセットコンロを求める人も多く、販売メーカーの岩谷産業の担当者は「消費者からは『どこで売っているのか』『使用期限の近いガスボンベを使って大丈夫か』などの問い合わせが集中している」と話した。


令和元年台風第19号
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令和元年台風第19号(アジア名:ハギビス/Hagibis、命名:フィリピン、意味:すばやい)は、2019年10月6日3時にマリアナ諸島の東海上で発生した台風である。関東地方甲信地方東北地方を中心に東日本各地に甚大な被害をもたらした。なお、2018年に気象庁が定めた「台風の名称を定める基準」において、浸水家屋数が条件に相当する見込みとなったため、沖永良部台風以来42年ぶりに命名される見通しとなった。また、政府は、この台風の被害に対し、激甚災害の指定を行ったほか、台風としては初となる特定非常災害の認定を行った。また、災害救助法適用自治体は18日現在、13都県の317市区町村となり、東日本大震災を超えて過去最大の適用となり、今後も適用自治体は増える見込みである
台風の動き
  10月1日頃にマーシャル諸島近海で形成が始まった低圧部が、5日3時に熱帯低気圧に発達。合同台風警報センター(JTWC)は同日11時30分(UTC 2時30分)に熱帯低気圧形成警報(TCFA)を発し、18時(UTC 9時)に熱帯低気圧番号20Wを付番した。20Wは翌6日3時に南鳥島近海の北緯15度5分、東経158度10分で台風となり、アジア名ハギビスHagibis)と命名された。
  台風は平年よりも高い海水温の領域を通過しながら急速に発達し、7日18時には、同時刻までの24時間での気圧低下77 hPaを記録。発生から僅か39時間で中心気圧915 hPaとなり、猛烈な勢力に発達した。勢力を維持したまま小笠原諸島に接近し、10日21時に非常に強い勢力へ、12日18時に強い勢力になる。同日19時前に強い勢力で静岡県伊豆半島に上陸した。その後は関東地方福島県を縦断し、13日12時に三陸沖東部の北緯41度、東経147度で温帯低気圧に変わった。なおこの台風は、温帯低気圧となって日本の北海道付近を離れてからも勢力を保ち続け、ベーリング海を通過してアメリカ合衆国アラスカ州に達するという、異例の経路を辿っている
  台風19号が猛烈な勢力を維持した期間は7日18時から10日21時までの75時間となり、第1位の昭和53年台風第26号、および第2位の平成30年台風第22号の90時間に次いで、第3位を記録した。
  台風19号の特徴としては、北上しても中心気圧が低く、勢力を保ったままであったことが挙げられる。日本のすぐ南の海水温が27度以上と、平年より1度から2度高く、エネルギー源となる水蒸気を多く取り込むことが可能であったことが要因とみられる。また、強風域が本州の半分以上を覆うほどの大型で、勢力も強かったため、大雨に加えて暴風、高潮などを伴う広範囲の被害に繋がったとみられる。さらに太平洋高気圧が例年より強く張り出しており、その縁を回るように台風が北上した後、偏西風の影響で東に進路を変えたことが、関東地方を直撃した要因の一つに挙げられる
  毎日新聞によると、2018年に気象庁が定めた「台風の名称を定める基準」において、浸水家屋数が条件に相当する見込みとなったため、沖永良部台風以来42年ぶりに命名される見通しとなった
  政府の対応として、激甚災害に指定されたほか、台風としては初となる特定非常災害に認定された。また、災害救助法適用自治体は18日現在、13都県の317市区町村となり、東日本大震災を超えて過去最大の適用となり、今後も適用自治体は増える見込み
気象状況
  10月12日より関東甲信地方を中心に記録的な大雨となり、15時30分に大雨特別警報静岡県神奈川県東京都埼玉県群馬県山梨県長野県の7都県に発表され、19時50分に茨城県栃木県新潟県福島県宮城県、13日0時40分に岩手県にも発表された。半日で13都県での発表とは、3日で11府県に発表された平成30年7月豪雨を超え、特別警報の運用を開始して以来最多の発表数となった。
  大雨特別警報が出た12都県では、台風19号本体が上陸する前から活発な雨雲が断続的に生じ、広範囲で強い雨が降り続けた。その結果、各地で観測記録を塗り替えるような大雨になった。神奈川県箱根町では、降り始めからの降水量が1,000 mmを超え、10月12日の日降水量も全国歴代1位となる922.5 mmを観測した[24]。10月12日午後に会見した気象庁の梶原靖司予報課長は、台風19号の特徴について「台風の中心の北側に非常に発達した広い雨雲があり、記録的大雨となった」と説明した。台風の接近、上陸に伴い、東や南東からの暖かく湿った風が、関東の秩父、丹沢や静岡の伊豆半島、東北南部などの山々にぶつかることで、上昇気流が生じ、広い範囲で雨雲が次々と発生したという。
  また12日は大潮にあたっていたため、気象庁では大雨以外にも満潮時の高潮にも留意するよう伝えた。静岡県の御前崎や石廊崎、神奈川県の小田原市などでは、高潮の過去最高を記録した。
以下は国土交通省が発表した資料より引用する

被害・影響
人的被害
この台風の影響で、水や土砂に襲われ死亡した者が続出した。死亡した際の状況が判明した64人を毎日新聞が分析したところによると、住宅内で水や土砂に襲われ死亡したのは27人で4割超を占め、少なくとも3割近い17人が車での移動中に死亡したとされている
  台風通過前には、千葉県市原市で10月12日午前8時頃に竜巻のような激しい突風が吹いたとみられ、横転した軽トラックの中から男性1名が意識不明で発見され、その後病院で死亡が確認された。また同市を管轄する市原市消防局市津消防署の消防車両3台が、竜巻のような突風の影響でフロントガラスが割れ、出場不能になるなどの被害を受けた。静岡県御殿場市では2人が川に流され、1人は救助されたが1人は行方不明となっている。
  12日には群馬県富岡市の内匠で住宅の裏山が崩れ、2棟が全壊した。これにより男性1名が死亡、住民2人と一時連絡が取れなくなっていたが、13日に死亡が確認された。同日午後7時ごろに長野県東御市千曲川にかかる田中橋の近くの道路が陥没し、車3台が転落。乗っていた人のうち3人は救助されたが、残る3人は行方不明となっている。また同日23時頃、神奈川県川崎市沖合3キロほどの東京湾上で、パナマ船籍の貨物船「JIA DE」(1925トン)の乗組員が漂流しているのが見つかった。乗組員12人のうち4人が救助され、7人が死亡、1人が行方不明となっている。第三管区海上保安本部によると、貨物船は台風のため沖合に停泊していたが、台風接近時に沈没したものとみられている。この事故で重油が流出し、千葉県富津市のノリ養殖用ブイに重油が付着した。
  13日午前10時頃には福島県いわき市で、浸漬した家屋からの救助のため、消防ヘリコプターにけが人の70代女性を収容しようとしたところ、誤って約40メートルの高さから地上に落下する事故が発生した。女性は同市内の医療機関に搬送されたが死亡が確認された。ヘリコプター側のワイヤと救助機材を繋ぐ金具が掛けられておらず、収容時に隊員が確認を怠ったとみられる。この事故を受けて東京消防庁は同日午後に記者会見を開き、「活動中の手順を誤った」として謝罪した。
  最も人的被害が大きかったのは福島県で、死者26名、行方不明3名だった。被害が最大となった理由は、阿武隈川流域での多くの河川の氾濫で郡山市、須賀川市、本宮市、伊達市、白河市などで幅広く決壊したためで、2階まで浸水した家屋も多くあった。1986年に「8.5水害」が発生し、その際にも大きな被害があり、1998年から約3年間で800億円以上の予算が組まれ改修されたが、川内村では、雨が降り出した11日午後から13日昼の間のおよそ2日弱、その間に3ヵ月分くらいの雨が降ったことなどがあり、想定を上回る被害となった。東京都の場合は地下に水が流れるシステムがあるが、東京だけに集中的に行われているのはまずいのではないかという指摘もある。
  河川敷に住んでいたホームレスの被害状況の全容は不明。14日午後に日野市の多摩川河川敷で普段中洲に住んでいた70代とみられる男性の遺体(解剖により溺死と判明)が発見された。公的な死者数には含まれていないが、都内唯一の死者とみられている

国家機関等の対応
皇室
10月15日、天皇皇后による「お見舞いの気持ち」が、宮内庁を経て発表された。22日には即位の礼の一部である祝賀御列の儀も予定されていたが、被害の甚大さを考慮して同儀式は11月10日に延期された。
総理大臣官邸
10月8日13時に情報連絡室を設置。以後関係閣僚会議を実施[37]。10月12日15時30分、情報連絡室を官邸対策室に改組した。同時刻に安倍晋三内閣総理大臣より関係閣僚に指示を行った
海外の反応
英国BBC、米国CNN、米国ABC、オーストラリアABC、などの日本国外メディアがニュースを配信した。
観艦式に参加する予定だった中国海軍ミサイル駆逐艦太原」は東京に寄港する際、お見舞いの意を横断幕で表した。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長国連人道問題調整事務所、台湾の蔡英文総統、インドのナレンドラ・モディ首相などの日本国外の要人・機関、ボクサーのマニー・パッキャオなどの著名人が相次いで声明を公表した。
ラグビーワールドカップ2019予選で、岩手県釜石市で予定されていたナミビア対カナダ戦が中止になったため、滞在していたカナダ代表が釜石市内の被災地域でボランティア活動を実施、ナミビア代表は同県宮古市で交流活動を実施した


台風
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台風Typhoon)は、北西太平洋または南シナ海に存在する熱帯低気圧で、かつ低気圧域内の最大風速が約17 m/s(34ノット風力8)以上にまで発達したものを指す呼称強風域暴風域を伴って強いをもたらすことが多く、ほとんどの場合気象災害を引き起こす。上空から地球に向かって見ると反時計回りの積乱雲の渦からなる。超大型と呼ばれる台風は風速15m/sの強風域が半径800km以上と、とても大きな台風となる。

台風の発生と発達
1980年から2005年までの北西太平洋上での熱帯低気圧の経路。
ほとんどの台風は北半球におけるからにかけて発生する。最盛期のコースを例にとると、発生当初は貿易風の影響で西寄りに北上しつつ、太平洋高気圧の縁に沿って移動し、転向した後は偏西風の影響で東寄りに北上し、ジェット気流の強い地域に入ると速度を速めて東進し、海水温や気温の低下に起因する中心部上昇気流勢力の低下、海上に比べ起伏が激しくまた昼夜の温度差が大きい陸への上陸によって勢力を弱めていく。ただこのような教科書的なコースを辿るものはそれほど多くなく、太平洋高気圧の影響により西進し続けたり、停滞したりと、複雑な経路をとるものもしばしば現れる。日本列島やフィリピン諸島、台湾中国華南華中沿海部、朝鮮半島などに大きな被害を与える。コースによってはベトナムマレーシアマリアナ諸島ミクロネシアなどを通ることもある。稀ではあるが冬季にも、海水温の高い低緯度で発生する。コースの北限はジェット気流であり、その流路変化に伴って暖かくなるにつれコースは北に移り、夏を過ぎると南に下がってくる。日本へのコースの詳細は、#日本へのコースを参照。

台風による被害
台風が上陸、あるいは接近すると、暴風(強風)、高潮、高波による看板や標識、樹木などの倒壊や、落雷、建物の損壊(屋根が飛んだりするなど)のほか、大雨による洪水、浸水や道路、橋などの流出、土砂崩れ、地すべりなどの被害が発生する。

渦性降雨 - 台風の中心付近では激しい雨となる。
地形性降雨 - 台風により山地に向かって気流を生じるような地形では大雨となりやすい。
前線の発達 - 台風の接近により時期によっては秋雨前線梅雨前線を刺激して大雨をもたらし、これによる被害が発生することも多い(例:平成24年台風第4号)。なお、台風の中心付近は暖かい空気でおおわれた構造であり、台風そのものが前線を伴うことはない。しかし、冷たい空気の影響で台風の中心に前線が達した場合、台風は温帯低気圧に変化する。

台風により暴風・強風を生じる。塩害を生じることもある。

台風により高波やうねりを生じる。波の高さが10mを超えることもある。高潮強風による吹き寄せと気圧低下によって高潮を生じることがある。珊瑚礁のある海岸等海岸地形によっては波群津波が発生することもある。

雲が発達する割には台風本体接近時にはを伴うことは少ない。台風による間接的な雷雨が発生することがある。台風本体においては、進行方向の左側で比較的発生しやすい。
その他 竜巻 - 関連性は解明されていないが、台風の接近による竜巻も発生することがある。
- 熱帯低気圧であるため台風である時期にはは降らないが、温帯低気圧に変化した後に高緯度地区で降雪となることや、冬型気圧配置となることによる降雪となることがある。稀に1932年晩秋に上陸した俗称七五三台風や1990年晩秋に上陸した平成2年台風第28号のように、台風接近時に山間部の集落で大雪が降ったケースもある。
台風が日本海側を通った時接近時の日本海側や、台風が太平洋側を通った時の離れていく時の太平洋側で、台風によるフェーン現象が発生しやすく(特に前者)乾燥した熱風による火災や急激な気温上昇による雪崩なども起こりやすい。
なお、雨による被害が大きな台風を雨台風カスリーン台風など)、風による被害が大きな台風を風台風平成3年台風第19号など)と呼ぶが、勢力が強い台風の場合は、雨と風の両方で甚大な被害が出ることも多い。

日本における台風の被害は、記録が明確な20世紀中盤以降、確実に減少してきている。これには、学術面では台風研究の発展、行政では予報の充実や経験等をもとにした防災体制の構築、民間では災害記録の伝承や自主防災活動による効果と考えられる。上陸時勢力が日本史上稀に見る強さであった伊勢湾台風以降、災害対策基本法制定をはじめ、伊勢湾台風クラスあるいは「スーパー伊勢湾台風」クラスの台風に耐えられるような防災体制が目標とされてきた。しかし、現在においても大きな被害が出て、さらなる防災の強化が行われている地域もある。また、日本の周辺諸国、特に東南アジアでは防災体制やインフラ等がまだ成熟していないため、地すべりや洪水等により多数の死者を伴う甚大な被害が発生することがある。

日本における記録的な台風
明治以前
  永祚の風:989年9月(永祚元年8月)近畿地方。「夜、天下に大風。皇居の門・高楼・寝殿・回廊及び諸々の役所、建物、塀、庶民の住宅、神社仏閣まで皆倒れて一軒も立つもの無く、木は抜け山は禿ぐ。又洪水高潮有り、畿内の海岸・河岸・人・畑・家畜・田この為皆没し、死亡損害、天下の大災、古今にならぶる無し、云々」(『扶桑略記』、原文は漢文)
  弘安の役台風:1281年8月(弘安4年閏7月)西日本。弘安の役で日本に来襲した高麗連合軍14万人のうち約10万人溺死。(これが後に神風として言い継がれることとなる。)
  シーボルト台風:1828年9月(文政11年8月)西日本。九州西岸を北上したと考えられる。9月17日(旧暦8月9日)、ドイツシーボルト出島で952hPaの気圧を観測した記録が残っており、後に気象学者根本順吉が「シーボルト台風」と命名した。気象学者の高橋浩一郎の推定によれば、九州来襲時の中心気圧は900hPa、最大風速50m/s、総雨量300mmで、過去300年間に日本を襲った台風の中で最強のものとされる。また、小西達男の推定によれば中心気圧は935hPa、最大風速は55m/s程度とされる有明海博多湾周防灘などで高潮が発生し、佐賀藩だけで死者が約1万人に達する被害が出た。
安政3年の大風災:1856年9月23日(安政3年8月25日)から24日にかけての夜間に関東地方を襲ったもの。伊豆半島付近から江戸のすぐ北を通過したと考えられる。猛烈な暴風と高潮で江戸をはじめ関東の広い範囲に大被害が起き、「近世史略」は死者10万人余りとしている。
 1890年代:1890年9月16日の台風:オスマン帝国の軍艦エルトゥールル号が、和歌山県紀伊大島沖で遭難(エルトゥールル号遭難事件)。
 1900年代足尾台風1902年9月28日)、1906年10月24日の台風:九州近海でサンゴ採り漁船が多数遭難、死者行方不明630名余り。
 1910年代:1917年10月1日の台風(東京湾台風):フィリピン東方から北東に進んで10月1日未明に東京北方を通過した台風で、東京湾に高潮発生、死傷者およそ3,000人、全半壊流失家屋6万戸。東京で記録した952.7ヘクトパスカルの最低気圧記録は2013年10月現在も破られていない。
 1920年代:1921年9月26日の台風:本州南方をゆっくり東進していた台風が急に北上し、不意打ちの形で紀伊半島から日本を縦断。そのため警報発表が遅れ、富山県下で漁船の遭難多数。当時の伏木測候所長が世間の糾弾のため自殺した事件で知られる台風。ただし、測候所長の自殺の裏には気象観測施設に関する県と国のいさかいがあったようである。 新高台風(にいたかたいふう、1922年8月26日):8月24日関東地方を通過した台風が北上して26日にはカムチャツカ半島付近に達し、その近海にいた日本帝国海軍の巡洋艦新高が沈没した。高緯度であったので、事故発生時には台風は温帯低気圧に変わっていた可能性もある。初めて固有名(ただし非公式)が付いた台風。
 1930年代:屋島丸台風(1933年10月20日):石垣島付近から西日本に進んだ台風は、上陸時には衰えていたが、瀬戸内海で定期旅客船屋島丸が沈没、犠牲者69名。  室戸台風1934年9月21日
 1940年代枕崎台風(昭和20年台風第16号) 阿久根台風(昭和20年台風第20号) カスリーン台風(昭和22年台風第9号・Kathleen) アイオン台風(昭和23年台風第21号・Ione) デラ台風(昭和24年台風第2号・Della) ジュディス台風(昭和24年台風第9号・Judith) キティ台風(昭和24年台風第10号・Kitty)
 1950年代ジェーン台風(昭和25年台風第28号・Jane) ルース台風(昭和26年台風第15号・Ruth) 昭和27年台風第2号 (Dinah) 昭和28年台風第13号 (Tess) 洞爺丸台風(昭和29年台風第15号・Marie) 狩野川台風(昭和33年台風第22号・Ida) 宮古島台風(昭和34年台風第14号・Sarah) 伊勢湾台風(昭和34年台風第15号・Vera)
 1960年代第2室戸台風(昭和36年台風第18号・Nancy) 第2宮古島台風(昭和41年台風第18号・Cora) 第3宮古島台風(昭和43年台風第16号・Della)
 1970年代昭和51年台風第17号 (Fran) 沖永良部台風(昭和52年台風第9号・Babe) 昭和54年台風第20号 (Tip)
 1980年代昭和57年台風第10号 (Bess) 昭和62年台風第12号 (Dinah)
 1990年代平成2年台風第19号 (Flo) 平成3年台風第19号 (Mireille) 平成5年台風第13号 (Yancy) 平成11年台風第18号 (Bart)
 2000年代平成15年台風第14号 (Maemi) 平成16年台風第18号 (Songda) 平成16年台風第23号 (Tokage) 平成17年台風第14号 (Nabi)
 2010年代平成23年台風第12号 (Talas) 平成25年台風第26号 (Wipha) 平成28年台風第10号 (Lionrock) 平成30年台風第21号 (Jebi) 令和元年台風第15号 (Faxai) 令和元年台風第19号 (Hagibis)









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