ソロモン諸島-1


2024.05.02-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240502-725W7AOQKNKK7PCIMLGWSVCETQ/
ソロモン諸島新首相にマネレ氏 与党連合候補勝利、親中路線継続へ

  【シンガポール=森浩】南太平洋の島嶼(とうしょ)国、ソロモン諸島の議会(定数50)は2日、首相選出投票を行い、マネレ外務・貿易相を新首相に選出した。マネレ氏は親中派であるソガバレ政権の中心人物新政権でも外交政策は継承される見通しで、ソロモンの中国接近は続きそうだ

  首相選出選挙は4月の議会選を受けて実施された。地元メディアによると、与党所属のマネレ氏は31票を獲得し、野党候補のワレ氏を退けた議会選の結果は与野党が拮抗(きっこう)していたが、マネレ氏は無所属議員の取り込みに成功した。ソガバレ首相は「新しい指導部が必要だ」などとして首相選出選に出馬しなかった。
  ソロモンはソガバレ政権下で、2019年に台湾と断交し、中国と国交を樹立22年に安全保障協定、23年には警察に関する協力協定を締結するなど、急速に中国接近が進んだ。
  マネレ氏は外相として一連の親中外交に関与しており、中国との国交樹立の際には「われわれは歴史の正しい側にいる」と言及している。4月の会見でマネレ氏は、自身が首相になれば、「誰にとっての敵でもないという(ソガバレ政権と)同じ外交政策」を持つことになるだろうと述べていた。


2024.04.30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240429-DUV577NGMNNKBGQJZVOB7QVHNU/
親中派首相、続投断念「新しい指導部迎える」 ソロモン諸島

  【シンガポール=森浩】南太平洋の島嶼(とうしょ)国、ソロモン諸島のソガバレ首相29日、17日投票の議会(定数50)選挙を受けて5月2日に実施される首相選出投票に立候補しないことを明らかにした与党側はマネレ外務・貿易相を首相候補に擁立する。急速に中国接近を進めたソガバレ氏の続投断念は、米中が影響力拡大を競う地域情勢を左右する可能性がある。

  ロイター通信やオーストラリアメディアによると、ソガバレ氏はテレビ演説で、ソロモンは「米国と西側各国から圧力を受けている」と主張しつつ、「党は新しい指導部を迎える」時期が来たと言及した。自身のOUR党が議会選挙で伸び悩んだことで責任を取った可能性がある
  ソガバレ氏は、2019年の前回選挙で4度目の首相に就任。同年に台湾と断交して中国と国交を樹立した。22年に安全保障協定、23年には警察に関する協力協定を締結するなど、急速に中国接近を進めた。
  17日投票の議会選挙でOUR党は15議席を得て第一党になったが、野党連合が13議席、別の野党の統一党が7議席を獲得。過半数を獲得した政党はなかった。主要野党は統一の首相候補を擁立することで既に一致している。


2023.06.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230606-NITLUTUWAZIHZIYXLT5ZMFJLEI/
中国が「国の分断招いた」 対中傾斜で揺れる島国ソロモン

  太平洋戦争の激戦地として知られる南太平洋のソロモン諸島は今、中国の太平洋進出を象徴する島国だ。約4年前に台湾と断交して中国と国交を結び、軍事拠点化も警戒される。現地を訪ねると、中国の経済支援による発展への期待がある一方、中国との関係が「国の分断を招いた」との強い懸念も上がっていた

  ガダルカナル島にある首都ホニアラの国際空港と中心部をつなぐ幹線道路は、舗装はされていてもデコボコがひどい。車に乗って激しく揺られていると、市街地の外れに近代的な競技場の建設現場があった。11月に行われる南太平洋諸国の競技大会「パシフィックゲームズ」の会場だ。資金は中国の無償支援。周囲に高い建造物は少なく、その存在感は異彩を放つ。
  「スタジアムができて、ソロモンに(著名サッカー選手の)ネイマールが誕生したら素晴らしい」。近くに住む男性、ウィリアム・ダグラスさんはスポーツ振興への期待を膨らませる。
  ただ、「将来はどう管理するんだろう」と漏らす。人口の約23%が1日1・9ドル(約260円)未満で暮らす貧しい国が競技場を持続的に運営できるのかとの疑問だ。「懸念はその通りだ。計画はない。中国からの友好のプレゼントは国の負担になる」と語るのは、野党国会議員のピーター・ケニロレア氏。建設を決めたソガバレ首相を批判した。
中国人が「職を奪う」
  ソロモンは1978年に英国から独立後、83年に外交関係を結んだ台湾から熱心な支援を受けた。ホニアラの国立病院など台湾支援で完成した施設は多い。だが、ソガバレ政権は2019年、「国益に基づく対外関係の見直し」を理由に台湾と断交し、中国と国交を樹立。経済支援をテコに台湾の孤立化を目指す中国の〝成功例〟となった。
  ケニロレア氏は突然の転換の理由が不明だと憤る。中国の過剰な融資で途上国が苦しむ「債務の罠(わな)」への心配もあるが、それ以上に大きな問題と感じるのは「外交関係の変更が国を分断したことだ」という。
  国の「分断」の例が、21年11月の暴動だ。台湾との断交に反発した野党支持者や親台湾派が多いマライタ島出身者らが、ソガバレ政権の退陣を訴え、政権を支える中国への反発も拡大した。ホニアラの中華街が放火され、少なくとも市民3人が死亡した。
  中華街には暴動の跡が残る。近くに住む女性のジョージナさんは、暴動に加わらなかったが「気持ちは理解できた」という。1970年代頃から中国系住民が増え、小売業を中心に地元の店の経営が圧迫されていると不満がくすぶっていた。「そんな不満に中国との国交が火をつけたのではないか」とジョージナさんは推察した。
  ソロモンでは伝統的にガダルカナル島とマライタ島の間で反目がある。マライタ州のダニエル・スイダニ前知事は、中央政府の外交転換がマライタの住民を刺激したと説明する。マライタは台湾支援のインフラも多く、親台湾的な土壌があるため、「従来の対立を一層深めた」という。
  中国への支持が浸透しているとはいえない。昨年の世論調査では、中国からの援助に肯定的な回答は23%で、否定的な回答は77%に達した。「台湾への親しみは全国的に深い。それでもソガバレ氏は中国を選んだんだ」。スイダニ氏は語気を強めた。
  今年5月、ホニアラの国立病院では台湾支援を示す記念碑が突然撤去された。野党側は背後に中国の指示があると批判するが、理由は不明。ただ、病院を利用する女性は「台湾がつくったこの病院に愛着がある。記念碑が壊され、非常に憤っている」と語った。
「地政学が国を富ます」
  国内に反発が根強くても、ソガバレ政権の中国接近は止まらない。中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)による約160基の電波塔建設を決め、3月には中国企業と「1億ドル規模」の港湾改良事業の契約を締結した。
  政権与党に近いガダルカナル州のフランシス・サデ知事は「独立以来貧しいこの国にとり、望ましいのはインフラが整備されることだ」と中国の進出を歓迎する。中国は意思決定も早いと称賛し、中国への警戒は「一部のメディアが言っているだけ」と切り捨てた。
  ソロモンは米国とオーストラリアを結ぶ海路の要衝だ。米国はその中国傾斜を警戒し、2月に大使館を開設するなど関与を強化。サデ氏は「国の価値は中国と国交樹立以降、高まった。あなたのような記者も来るようになった」と笑い、米国や日本の支援にも期待を寄せた上でこう述べた。
「地政学が国を発展させるのだ」
  ホニアラ 森浩)

ソロモン諸島
  ニューギニア島の東方に位置し、1千近い島や環礁で構成される島嶼(とうしょ)国。人口約72万人。1978年に英国から独立した。林業や漁業が主な産業で、輸出の7割近くが中国に集中している。南太平洋の中でも経済発展が遅れており、国連は途上国の中でも開発の遅れた「後発開発途上国」に認定している。ソガバレ現首相は2000年以来、4度首相を務めている。


ソロモン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


  ソロモン( 紀元前1011年頃 - 紀元前931年頃)は、旧約聖書の『列王記』に登場する古代イスラエルイスラエル王国)の第3代の王(在位紀元前971年 - 紀元前931年頃)。父はダビデ。母はバト・シェバエジプトに臣下の礼をとり、ファラオの娘を降嫁されることで安全保障を確立し、古代イスラエルの最盛期を築いたとされる一方、堕落した王ともされる。
生涯(「イスラエル王国#ソロモンの時代」も参照)
















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