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忖度
(そんたく)は、他人の心情を推し量ること、また、推し量って相手に配慮することである
[1]
。「忖」「度」いずれの文字も「はかる」の
意味
を含む
[2]
。
2017年
に表面化した
森友学園問題
と
加計学園問題
に際して用いられたことで、
流行語
として広く知れ渡ることとなった(詳細後述)。
歴史
辞典編集者の
神永曉
によれば、そもそも「忖度」という言葉は、すでに
中国
の古典『
詩経
』に使用されており、
平安時代
の『
菅家後集
』などにも存在が確認
されている
[3]
。
明治
期にも使用例があるが、しかし、この頃には、単に人の心を推測するという程度の意味しかなく、相手の気を配って何か行動する
という意味合いはなかったという
[3]
。
毎日新聞
の記事によれば、
1990年代
には「忖度」という言葉は、
脳死
や
臓器移植
といった文脈でしばしば用いられていたが、この際もやはり患者の生前
の意思を推量するというもともとの意味で使用されていた
[4]
。ところが、
1997年
夏の時点になると、毎日新聞の記事においても、
小沢チルドレン
が
小沢一郎
の意向を「忖度」するというような記述が見つかり、上位者の意向を推し量る意味合いでの「忖度」の用例が見つかるという
[4]
。
日本語学者の
飯間浩明
も、
2006年
12月15日
の
朝日新聞
の社説において、上位者の意向を推し量る「忖度」の用例を採集している
[4]
。
そして、飯間によれば、
2014年
以降には
NHK
会長の
籾井勝人
の意向をNHK職員が「忖度」するという用例もしばしば報道に見られるようになり、
「忖度」という言葉には否定的なニュアンスが含まれるようになっていた
[4]
。