日本赤十字社北海道支部点字図書センターhttp://www.hokkaido.jrc.or.jp/pdf/m2pdf/h28_shikakushogai.pdf
ひとり歩きの視覚障害者に積極的な声かけを!
平成28年、東京と大阪で、視覚障害者が駅のホームから転落して電車にはねられると いう痛ましい事故が相次ぎました。 なぜ、人の多い所でこのような事故が起きてしまうのでしょうか。
その場で誰か一人が声をかけてくださっていたら・・・。 思い込み ありませんか? おそらく事故が起きる前、声をかけそびれた人はたくさんいたのではないでしょうか。
視覚障害のある方はこんなことを仰っていました。 『バスなど狭い空間では、周囲の方の「声をかけなければ」という雰囲気が伝わって くるが、実際に声をかけてもらえるのは50%くらい。今回のような事故を未然
に防ぐなら、声かけは100%でなければ』 また、声をかけたいのにかけられない理由を「視覚障害者についての思い込みがある のでは」とも仰っています。
こんな思い込み ありませんか?
① 視覚障害者は耳が良い 確かに、視覚障害者は目が見えない代わりに、普段、耳を十二分に働かせていま す。障害のない人が聞き逃している音も聞き逃さないことが多いですが、それで
全てが把握できるわけではありません。
② 点字ブロックがあれば安全 足の感触だけで「これはバス停」「この先は線路」などとは到底分かりません。
③ まっすぐ歩ける 人がまっすぐ歩けるのは、おそらく目に頼る部分がほとんどではないでしょうか。 視覚障害者の場合、まっすぐ歩いているつもりでも、道路やホームなどでは、
危険と感じられる音から無意識に離れようとして、斜めに歩いていることが結構 あります。
④ 盲導犬は万能 盲導犬は、
あくまで使用者が状況を判断し、盲導犬に指示して歩いています。 行き先を言えば連れて行ってくれるわけではありません。
声のかけ方・ガイドのしかた では、実際に視覚障害者を目の前にしたとき、どのように声をかけて、どのように 接したらいいのでしょうか。
声のかけ方・ガイドのしかた
特に駅や交差点などでひとり歩きの視覚障害者を見かけたら--
① なるべく正面から声をかける 無理なくできる範囲で、お手伝いしましょう。
②「どのようにお手伝いすればいいですか?」と尋ねる 相手の希望や意向を尊重し、ガイドの経験があってもなくても、その場で相手に 教えてもらいましょう。
③相手の半歩先に立ち、「ひじ」を握ってもらい、一緒に歩く 肩に手をかけてもらう方法もあります。相手の希望に合わせましょう。
④ 段差などがあるときは、必ずいったん立ち止まって状況を説明 段差、階段、スロープ、降雪時の歩道・交差点、エレベーター、電車の乗降など、 歩行に変化があるときは、必ずいったん立ち止まって、「階段を降ります」などと 説明しましょう。
◎ 以下のことは厳禁です。お気をつけください!
・白杖をつかむ ・盲導犬に触る ・後ろから押す
※ 危なくない場所をスイスイ歩いている人に、無理に声をかける必要はありません。 また、鉄道の場合、駅員に頼めばサポートしてもらえます。
駅での事故以降、視覚障害者に声をかける人は増えているようです。 しかし、100%の声かけにはまだまだ遠いのが現状です。
視覚障害者の方々が悲惨な事故にあうことがないように、積極的に声かけをしましょう。
啓発用パンフレット(「見えない人・見えにくい人のことを知って私たちにできることを考えてみよう!」)をダウンロードすることができます。ご利用ください。