プ-チン氏の問題-1



2023.03.18-JIJI COM.-https://www.jiji.com/jc/article?k=2023031800021&g=int
プーチン氏に逮捕状 子供連れ去りで戦争犯罪容疑―国際刑事裁

  【ブリュッセル時事】国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)は17日、ロシアが侵攻したウクライナの占領地からの違法な子供の連れ去りに関与したとして戦争犯罪の疑いでロシアのプーチン大統領に逮捕状を出した。ロシアはICC設立条約の締約国ではなく、実際に身柄引き渡しを求めるのは困難だが、ICCはロシアのトップであるプーチン氏の責任を追及する姿勢を鮮明にした。

  ICCは声明で「プーチン氏が個人的に刑事責任を負うと信じるに足る合理的な根拠がある」と強調。また、公表によって「犯罪防止に寄与する可能性がある」と説明した。ICCのカーン主任検察官も、孤児院や児童養護施設から数百人の子供たちが連れ去られた実態を確認したと述べた。
  逮捕状が出されたのを受け、ウクライナのゼレンスキー大統領は「歴史的な決定だ」と歓迎。侵攻後、子供の連れ去りは1万6000件超に上ると指摘した。一方、ロシアのペスコフ大統領報道官は「いかなる決定も法的に無効だ」と反発した。


2023.02.23-BBC NEWS JAPAN-https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-64728278
プーチン氏はこれからどうする……開戦前に交渉した前アメリカ駐ロシア大使に聞く
-バーバラ・プレット・アッシャー、BBC米国務省担当編集委員

  ロシア政府と交渉するのはどのような感じなのか。ウラジーミル・プーチン大統領はなぜウクライナを簡単には諦めないのか。アメリカの前駐ロシア大使がBBCに説明した。ジョン・サリヴァン氏は、ロシアによるウクライナ侵攻の前まで、アメリカ大使としてモスクワにいた。戦争を防ごうとロシア当局と話をした人物だが、「向こうは本気でやりとりしてこなかった」と言う。

  「ロシアは自国の安全保障を要求したが、ウクライナの安全保障については建設的に話そうとしなかった。決定済みの論点以上のことは決して言わなかった。見せかけだけだった」
  アメリカは紛争を終わらせるため、対話を続ける努力をもっとすべきか。そう尋ねると、サリヴァン氏はプーチン氏について「開戦前、交渉に関心がなかったし、今も交渉には関心がない」と述べた。
ロシアは目標を変えていない
  アメリカのジョー・バイデン政権は、ウクライナへの軍事支援とロシアに対する制裁について世界各国の支持を集めることに力を入れている。また、アメリカ単独でもウクライナに何十億ドル分もの兵器を供与している。
  プーチン氏は21日の年次教書演説で「西側諸国が戦争を始めた」「西側がロシアに『戦略的敗北』をもたらそうとウクライナを利用した」「存在そのもののために戦っているのは、ウクライナではなくロシアだ」という見解を繰り返した。
  ロシアは「特別軍事作戦」の失敗にもかかわらず、当初宣言した目標(ウクライナの「脱ナチス化」と「非軍事化」)は変えていないと、サリバン氏は言う。ロシアが掲げるそうした目標は、つまり「キーウにある政府の排除と、ウクライナ国民の服従」を意味すると、前大使は解釈する。
  これは、ソヴィエト連邦の崩壊でばらばれになったロシア民族を再集結させるという、プーチン氏が描いている構想の一部でもある。
  「民主的に選ばれた政府が、とりわけ(ウォロディミル・)ゼレンスキー大統領が率いる政府が、キーウに存在することを、(プーチン氏は)認めるわけにいかない」とサリヴァン氏は言う。「その政府が存在する限り、彼は決して満足しない。なぜなら、その政府はロシアにとって、そして彼が作ろうとしている大ロシア国家構想にとって、脅威だと考えているからだ」
では、プーチン氏はどうなれば戦争をやめるのか。
  「勝つことはできないと、彼が確信する必要がある」とサリヴァン氏は言う。「勝利は到底不可能だと確信するまで、彼は攻撃を強めるだろう。戦場でどれほど重大な敗退をすれば、その確信に至るのかはわからない。ただ、現時点ではその状態に全く近づいていない」
  サリヴァン氏はまた、プーチン氏は長期的な展望の持ち主だと話す。「達成したいビジョンがあり、それを簡単には諦めない」はずだと。一方で、ウクライナ人も簡単にはあきらめないはずだと、サリヴァン氏は考えている。
  そして、ウクライナを構成する4400万人のスラヴ民族に自分への拒否感を植え付けたことが、プーチン氏による戦争の戦略的失敗のひとつだと、前大使は言う。
  「ウクライナ人は許さないし、忘れない」とサリヴァン氏は言う。「仮にゼレンスキー大統領が戦争を終わらせようと、領土で譲歩し、基本的に降伏したいと思っても、ウクライナ国民がそれを許さないだろう」。
  このような軍事的、政治的、イデオロギー的な対立がある以上、アメリカは長期戦に備えなければならない
  バイデン氏は、侵攻1年に合わせてキーウを電撃訪問し、アメリカの支援継続を強調した。しかしサリヴァン氏は、今年中にこの紛争が終わるとはみていない。「その先のことは分からない」とサリヴァン氏は言う。「ただ、プーチン氏は出口を求めていない。この特別軍事作戦の目標は達成されると、常に繰り返している
(英語記事 US diplomat on what it's like negotiating with Putin


2023.02.23-Yahoo!Japanニュース(Newsweek)-https://news.yahoo.co.jp/articles/88b3a68bc7fe07ca1af9c1cfb8df726076bed713
ウクライナ戦争の行方は、春には決まる...鍵を握る、ロシアに「残された勝利への道筋」-【木村正人(国際ジャーナリスト)】

  <春にウクライナが優位に立てるかは、現在のロシア軍の攻勢に対して予備部隊を投入せざるを得ない状況を回避できるかにかかっている>
【木村正人(国際ジャーナリスト)】

  [ロンドン]ロシアのウクライナ侵攻1年を前に、ウラジーミル・プーチン露大統領は21日の年次教書演説で、米露の間に残された最後の核軍備管理条約である新戦略兵器削減条約(新START)への「参加を停止する」と表明した。射程150キロメートルのロケット弾GLSDBなどウクライナへの長距離兵器供与を始める西側を改めて牽制した。

  プーチンは相手に責任をなすりつけて侵略を正当化する転倒した論理を繰り返した。「キーウがロシアの戦略的航空基地を攻撃しようとしたことに西側は直接関与している。にもかかわらず北大西洋条約機構(NATO)から核防衛施設への査察の申し入れがあった。偽善と皮肉の極み、バカの極みというか不条理劇場だ。米国が核兵器実験をすれば、ロシアもやる」 ウクライナ東部、南部を占領するロシア軍はウクライナ軍の砲撃の射程に合わせて後退してきた。
  米M142高機動ロケット砲システムHIMARSからGLSDBを発射できるようになれば弾薬庫や補給基地をさらに後退させなければならない。そうなると現在の前線を維持するのが難しくなる。一方、西側は自分たちが戦争に巻き込まれないよう慎重に閾値を上げてきた。
  プーチンは「愛する人を失った家族を支援し、子供たちを育て、教育と職業を与えることは私たちの義務だ」として国家基金の設立を提案する一方で、戦時経済体制への移行を示した。「石油の代わりに大砲と俗に表現される。国防は最重要課題だが、自国経済を破壊してはならない。
  昨年、農業生産は2桁の伸びを示した。失業率は3.7%と歴史的な低水準だ」
■バイデン氏「世界は見て見ぬふりをすることはない」
  「ロシア経済は顕在化したリスクを克服した。昨年、景気が悪化したのは第2四半期だけだ。盤石な国際収支のおかげで、ロシアは外国に頭を下げて借金をし、どういう条件で返済するか、長い協議をする必要がない」とプーチンは胸を張った。
  演説では4州占領を既成事実化する一方で、大砲と石油の力でウクライナと西側との戦争を継続する姿勢を新たにした。 これに対し、ウクライナを電撃訪問した米国のジョー・バイデン大統領はワルシャワに移動して演説し「プーチンは、炎と鋼鉄で勇気が鍛えられた男が率いる国と戦争になった。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領だ。キーウは強く、生きている。世界は見て見ぬふりをすることはない」とウクライナを全面的に支える姿勢を強調した。
  独キール世界経済研究所によると、軍事・人道・金融支援は米国732億ユーロ、欧州連合(EU)と加盟27カ国で計549億ユーロ、英国83億1000万ユーロ。軍事支援に限ると米国443億ユーロ、英国49億ユーロ、ポーランド、ドイツ各24億ユーロ、カナダ13億ユーロと続く。米英とポーランドの支援がなかったらウクライナはプーチンの手中に落ちていた。
  「プーチンはNATOをフィンランド化(対ロシア宥和主義)できると考えていた。 その代わりフィンランドとスウェーデンのNATO化を手にした。NATOはかつてないほど団結している。われわれは欧州のロシア産化石燃料への依存を終わらせるため協力している」とバイデン氏は力説した。ウクライナはロシアが一時支配していた地域の50%以上を奪還した。


2023.02.23-NHK 国際ニュースナビ-https://www3.nhk.or.jp/news/special/international_news_navi/articles/qa/2023/02/22/29581.html
“プーチンの戦争”が世界戦争に 国際政治学者の警鐘とは?
(聞き手:井上二郎アナウンサー / 国際部記者 岡野杏有子)

  「これから世界戦争が起きるのが必然だとは思わないが、その可能性はあると言わざるをえない」ロシアによるウクライナ侵攻から1年となる中、そう警鐘を鳴らすのは京都大学大学院の中西寛教授です。なぜウクライナでの戦争が世界に拡大するのか。これから世界はどこに向かっていくのか。国際政治学が専門で、安全保障の歴史に詳しい中西教授に話を聞きました。
(聞き手:井上二郎アナウンサー / 国際部記者 岡野杏有子)

(※以下、中西教授の話)
侵攻1年 ウクライナ情勢どう見る?
  ロシアもウクライナも戦争を続ける意志と能力を失っておらず「戦争が長期化する」というシナリオが今後も続くだろうというのが一番可能性が高いと思います。  2022年の早い段階では、仲介による停戦ということもある程度言われていましたが、ロシアの戦い方が非常に非人道的であるという印象が強くなって西側諸国はより強くウクライナの勝利にコミットメントするようになりました。
  一方、ロシアは9月にウクライナの東部4州を国内法的に併合し、ロシアの国内法では占領した地域あるいは今戦闘しているドネツクなどはロシアの領土であるという位置づけになってしまったので、なおさら妥協が困難になってしまいました。
  ウクライナは市民生活に対しても攻撃を受けて多大な被害を受けていますが、ゼレンスキー政権の下でロシアに奪われた領土を取り戻すということで結束しています。
  ロシアは、プーチン政権の内部である種の動揺や論争というようなものが見られないわけではないですが、政権を揺るがすような事態にはなっていません。また、ロシア軍は大きな被害を受けているものの、今のところ戦争を続ける能力に大きな支障が出るほどの損害は受けていないように見えます
プーチン政権の動揺 崩壊の可能性はないか?
  今のところそこまでの兆候は見えないというのが結論になると思います。ロシアの中で保守派からは戦い方が手ぬるいという批判がありますし、リベラル派には戦争に対する潜在的な批判があったり徴兵を恐れて国外へ脱出したりする人もいます。
  全般的にロシアが経済制裁に苦しんでいることは間違いなく、ロシア市民の生活水準は低下してきました。今後もそういう可能性が高いと思いますが、それがプーチン政権の打倒という方向になる可能性は今のところない、とりわけプーチン政権に代わる、受け皿となるような政治勢力がロシアにはないので、今のところプーチン政権は基本的には安定しているという状況だと思います。
  プーチン政権を支持してきた中高年層からすると「現在の生活水準の低下は、西側がロシアを圧迫しているから起きている」というプーチン政権のプロパガンダ的メッセージを受け入れる素地が、やはりあるのだと思います。現状は厳しいものの、プーチン政権を支えていこうという意識はそれなりにあり、大規模なデモがプーチン政権を揺るがすというような可能性は今のところあまり考えられないと思います。
  有名なナワリヌイ氏のように反プーチンの政治勢力がいないわけではないですが、過去20年あまりのプーチン体制のもとでそうした勢力はほぼ無力化されていると言えます。
  国外には反プーチンのロシア人勢力がそれなりにありますが、国内社会とは切れてしまっているので国内の状況に大きな影響力を及ぼせる存在ではないと思います。
プーチン政権崩壊すると国際的にも混乱するか?
  最大の問題はプーチン政権が倒れた場合、それに代わる受け皿、安定した政治を営めるような政治勢力がないということです。
  そうなるとプーチン政権が倒れたあと、分裂した政治勢力の間で権力闘争が生まれるでしょう。ロシアは世界最大の領土を持っており、その中に数千発の核兵器や原子力発電所、その他の非常に重要なものもありますので、国際社会としても放置することはできない。
  各国が何らかの形でロシアの安定化のために影響力を及ぼそうとするでしょうが、西側と、長い国境を接している中国ではロシアのあり方についても考え方が大きく違うでしょう。そうした各国のロシアに対する干渉というのは改めて国際的な対立を乱す可能性も高いと思います。
  核兵器使用のリスクはあるか?
今のところロシアが核兵器を使用する兆候はないと思います。
  2022年のある時期には、ロシアがウクライナの反攻を受けて厳しい状況になったという認識のもとで、ロシアがヨーロッパに対して牙を向けて、戦術核兵器も使うという可能性は一定程度はあったと思います。
  しかしロシアとしてもやはりその道はプーチン政権にとって自滅の道であることは間違いないので、それは控え、ロシア国内で動員を増やしウクライナでの戦いを続けるという選択をとりました
  今のところそれが続いていますので、現時点でロシアが戦術核を使うという可能性は比較的低いと思います。ただ、今後ウクライナでの戦況がロシアにとって非常に不利になり、プーチン政権の存亡にかかわるような事態になってきたときに、プーチン氏がどう考えるかはそのときになってみないと分からないのも実際のところだと思います。
  ウクライナが徐々にロシアに対して攻勢をかけて奪還していくというのが今後、一番ありそうなシナリオで、西側なり国際社会にとって望ましい方向ではあります。しかし、それがどんどん進んでいくと当然ながらプーチン政権としては追い詰められていくことになるので、追い詰められたプーチン政権が何をするか分からなくなってくる、よりリスクが高くなってくるということも率直に言って、あると思います。
ウクライナ侵攻前後で世界は変わったのか?
  ウクライナ戦争ですべてが変わったわけではなく、2010年代を通じて徐々に国際社会は分裂の方向に進んでいたと言うことができると思います。ロシアだけでなく中国も西側の秩序に対してある種の距離を取って自前の秩序を作ろうという傾向を示し始めていました。
  また、トランプ政権に典型的に見られるように、西側でも従来のグローバリゼーションのやり方には問題があったと考え、ある種の保護主義や関係の制限に動きだしています。
  それを加速したのが新型コロナによる国際的な動きの停止で、それによってグローバリゼーションの動きはいったん大きく停止しました。そして、今回の戦争によって貿易や経済関係が政治的な目的のために使われるということを世界は改めて認識せざるをえなくなったのです。
  ロシアはこれまでもエネルギーを他国にプレッシャーを与えるために使ってきましたが、今回は西側もロシアに圧力をかけるために従来の仕組みを乗り越えて、金融や貿易でも積極的に制裁をかけていくという方針を示しました。経済関係を政治的手段のために使うという先例になりましたので、今後そうした傾向は簡単には元に戻らないと思います。
なぜ世界は分裂の方向に進んでしまったのか?
  ある種の驕り、楽観主義というのが西側にあったと私は思います。それは非常に大きな問題で、現代の世界が本当によく考えないといけない、反省しないといけないことです。
  西側は冷戦に勝利したということで、自由民主主義の政治体制や市場経済がもはや唯一の正解になってしまい、それに従わない国や社会はどんどん力を失っていくだけで、気にする必要もないと考えるようになってしまいました。
  ただ、そうした認識が現実とずれているということは、北朝鮮という国とずっと向き合っている我々はわかっています。核開発やミサイル開発、そういうことを何とか止めようとアメリカもやってきましたが、結局今に至るまでできていない。
  北朝鮮のような非常に経済的にも小さく人口も少ない国に対してすら、圧力で体制を変えて市場経済を採用させるということはできなかったわけです。そんなに簡単に世界が自由主義という1つの価値観で塗りかえられるわけではなかったのだと思いますが、そのことについてとりわけ西側が直視してこなかった結果なのです。
ウクライナ侵攻 日本にはどう影響?
  「戦争は過去のものではなく、未来のものでもありうる」と考えざるをえなくなったというのが今回の戦争の基本的な影響だと思います。
  ロシアは日本とも海を隔てて国境を接しているわけで、現在の戦争が東アジアに波及してこないとも限りません。また、北朝鮮のミサイルは常に日本に対してある種のプレッシャーを与えていますし、中国と台湾、そしてアメリカを巡る緊張もかなり高まっています。今のところそれがおさまっていく可能性というのはあまり見えませんので、日本としても安全保障という問題を真剣に考えざるをえないというのは間違いないことだと思います。
  戦後日本は二度と戦争をしない、戦争への反省、平和主義こそがアイデンティティーだという認識が強かったと思います。しかし2010年代に入って国際環境がしだいに厳しくなってくる、いわゆる大国間の競争というのが本格化していくにつれて、日本という国も、そうした国際、大国間競争から無縁ではいられないという感覚が強くなってきて、そうした状況に対応しないといけないという意識が徐々に強まっていたところだと思います。
  今日ではその方向にさらに踏み込んでNATO諸国、アメリカの同盟国であるヨーロッパやカナダのような国と足並みをそろえるということに、基本的に日本人はもう躊躇しなくなってきています。そういう意味で、日本人が自分で思ってる以上に、日本人のアイデンティティーに対する認識はいま、変わりつつあるような気がします。
G7議長国 日本はどうすべき?
  ロシアによるウクライナ侵攻が始まって以来、日本は西側と歩調を合わせてロシアに制裁を行い、ロシアの侵略を非難して国際的にもそうした方向で結束を高めようと努力をしてきました。それ自体は国際的にも高く評価されているものだと思います。また、日本が安保防衛政策を大きく転換して防衛力を強化するという方針に転じたこともとりわけ西側の中では歓迎されていることだと思います。
  私自身、これはしかるべき政策だったと思いますが、軍事力だけでは国際秩序はできません
  現在の国際秩序を守るにしても軍事力は不可欠の要素ではあるけれども、それだけでは十分ではないのです。ですから、外交や経済やそうした面と軍事力をどういうふうに組み合わせていくかというのが、日本とりわけG7の議長国の日本として問われるところだろうと思います。例えば、米中の対立でも論理的に考えると米中の間で妥協点はもうなくなってしまっています。

  中国は「1つの中国だ」と言っていて、その中国は民主主義の国ではない。それに対してアメリカは台湾の民主主義は絶対守らないといけないと言っています。もう妥協点はないはずなんですが、その妥協がないところでどう妥協を作り出すかというのが発想力だと思います。
  それは簡単なことではないですが、やはりそういうところで知恵を出すかどうかというのが日本の安全保障であったり、我々自身の生存、生活に関わってきますので、そこを頑張らないといけないと思います。
ウクライナ侵攻から学ぶべきことは?
  やはり、現在の世界が大きな変化の時期にあるということだと思います。変化の時期というのはやはり危険性をはらんでいて、我々の視野が狭いと、今回の戦争のような暴力、あるいは流血の事態が起きてしまうということだと思います
  起きてしまったことに対してはできるだけその犠牲を少なくして収束させていく必要がありますし、起きそうな所ではできるだけそれが現実にならないように配慮していく必要があると思います。少なくとも、人類が滅亡する選択を誰も望んでいないことは確かなので、その選択を回避しながらよりよい世界をつくっていくにはどうすればいいかということを、改めて根本から考え直すべき時期にきているということが、今回の戦争が我々に教えている最も重要なことではないかと私は思います
  我々が忘れてはいけないのは1930年代の末、1936年にスペインで内戦が始まり、それに対してファシズム国家や西側がそれぞれ介入して内戦が3年ほど続きました。
  1937年には日本と中国の間で本格的な軍事戦争が始まりました。そういうことの積み重ねのあとに1939年9月にヨーロッパで第2次世界大戦が始まり、1941年12月には日本がアメリカなどを攻撃して太平洋戦争が始まって最終的に第2次世界大戦という戦争になっていきました。
  現在、ロシアとウクライナの間で起きていることがそうした世界戦争に向かう1つのステップであるという可能性も現段階では否定できないと思います。これから世界戦争が起きるのが必然だとは思わないですが、正直、その可能性はあると言わざるをえません。ですから我々は、その点について非常に自覚的であるべきで、いかにそれを回避しながら、よりよい秩序に変えていくかということを考えないといけない。それが現代の我々が負っている課題であり、過去の教訓もそういう観点から学んでいくべきだと思います。


2023.02.21-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230221-2GTNZMFZSBKXFIP7E5YT46XDJE/
プーチン氏演説「自衛戦争」強調 侵略を正当化

  ウクライナ侵略を続けるロシアのプーチン大統領は21日、モスクワで外交や内政の方針を示す年次教書演説を行い、ウクライナを支援する米欧諸国が「ロシアを敗北させ、永遠に滅ぼそうとしている」と主張した。「ロシアは国民の命と故郷を守る」とも述べ、今回の軍事作戦はロシアを屈服させようとする米欧に対する「自衛戦争」だとする持説を展開。「米欧は戦場でロシアを敗北させることは不可能だと悟るだろう」とも述べ、軍事作戦を完遂する意思を示した。

  24日で開始から1年を迎える軍事作戦を巡り、露世論調査などからは、国民内に水面下で厭戦機運が高まっている兆候が浮かび上がっている。プーチン氏は今回の軍事作戦を、第二次世界大戦の対ナチス・ドイツ戦と同じ祖国防衛のための戦いだと位置付け、国民の愛国心を鼓舞し、作戦継続への支持を高める思惑だ。
  プーチン氏は演説で「米欧は1930年代、ナチス・ドイツの台頭を許した」と主張。旧ソ連に侵攻したナチスと同じく、米欧は現代も「東(ロシア)への攻撃」を企図しているとし、そのため米欧はウクライナを取り込み、ロシアを攻撃する「手先」にしようとしたと主張した。その上で、軍事作戦の目的はウクライナから米欧の影響力を排除することだとし、改めて侵略を正当化した。
  プーチン氏は、軍事作戦に従事している兵士や家族への社会支援を拡充する方針も表明した。
  プーチン氏は年次教書演説を原則的に年1回行ってきたが、昨年は国民と直接対話する行事や年末の大規模記者会見とともに実施を見送った。露軍の苦戦などを受けた対応とされる。プーチン氏自身も昨年12月、演説の見送りについて「情勢が変動しており、ある時点での結果や近い将来の計画を取りまとめるのが困難だった」と認めていた。
  ただ、ここ最近、露軍は激戦地の東部ドネツク州バフムト方面などで、多大な損害と出しながらも前進を遂げているとされる。プーチン氏は戦局が好転しつつあるとみて、演説の実施に踏み切ったとみられる。


2023.01.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230203-YKBD7RT3GRI6TKYCQYKSIXM4FY/
プーチン氏、第二次大戦なぞらえ侵略正当化 「独戦車再び脅威」

  ロシアのプーチン大統領は2日、露南西部ボルゴグラード(旧スターリングラード)で演説し、ドイツが決定したウクライナへの戦車供与について「十字が描かれたドイツの戦車がロシアを再び脅かすとは信じがたいが、事実だ」と述べた。「ナチズム思想が現代もロシアの安全保障を脅かしている」とも主張し、ウクライナ侵略を第二次世界大戦の対ナチス・ドイツ戦になぞらえて正当化した。

  演説は第二次世界大戦中の激戦「スターリングラード攻防戦」の戦勝80周年を記念する式典で行われた。
  ロシアでは第二次大戦の独ソ戦での勝利は国民統合の象徴とされてきた。プーチン氏は、ウクライナ侵略も同様の「祖国防衛戦争」だと位置付け、国民の戦意高揚を図ったとみられる。
  プーチン氏は昨年2月24日の演説でも、ウクライナを「ナチ国家」だと一方的に断じた上で、同国の「非ナチス化」などを掲げて軍事作戦の開始を宣言した。
  プーチン氏は米欧の戦車供与を巡り、「ロシアは彼らとの国境に戦車を送らないが、対抗手段がある」と述べた上で「ロシアに勝利できると考えている者は、ロシアとの現代戦が(過去とは)全く別物だと理解していない」と指摘。核兵器の存在を示唆し、ウクライナや米欧を威嚇した。
  ロシアは米欧製戦車について「脅威にならない」と主張しているが、実際は露軍が劣勢に陥る事態を危惧しているとの観測が強い。プーチン氏の威圧的な発言には、米欧によるウクライナ支援の拡大を阻止したい思惑があるとみられる。
  前線の戦況を巡り、ウクライナ軍参謀本部は3日、最前線である東部ドネツク州のバフムト方面やリマン方面で前進を試みた露軍を撃退したと発表した。

  米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は2日、「露軍の死傷者数が20万人近くに達している」とする推計を米欧当局者が示したと報じた。バフムト周辺での戦闘で露軍は特に多くの損害を被ったとしている。
  ウクライナのゼレンスキー大統領は2日、「露軍は戦略的敗北が明らかな段階にある」と述べつつ、「露軍にはなお攻撃を続ける能力が残っている」とし、各国に支援継続を求めた。

■スターリングラード攻防戦
  第二次世界大戦の独ソ戦で、ソ連南西部の工業都市スターリングラード(現ボルゴグラード)を巡って行われた激戦。1942年夏から43年2月にかけて行われ、ナチス・ドイツ軍が敗北、欧州戦線の形勢の転換点となった。当初は独軍が優勢だったが、ソ連軍が持久し反攻に成功。都市の大部分が破壊され、死傷者はソ連側約113万人、ドイツなど枢軸国側約150万人とされる。


2023.01.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230124-PPCL74MLUBMW7MALWBQJIA5RTM/?dicbo=v2-27eeefedba6c25a98d29adae1587a53a
「戦後最大の困難」認める 露参謀総長、ウクライナで

  ロシア軍制服組トップのゲラシモフ参謀総長がロシア紙「論拠と事実」と会見し、ウクライナ侵攻について「現代のロシアがこのレベルの集中的な軍事行動を取ったことはなかった」と述べ、ロシア軍が第2次大戦以降で最大の困難に直面していることを認めた。同紙電子版が24日に伝えた。

  国家の主権と領土の一体性保持のため「持てるあらゆる手段を講じる」と強調。プーチン大統領の指示に従い軍事作戦の目的を達成する決意を示した。
  ゲラシモフ氏は、ウクライナ軍への攻撃と状況の安定化、昨年9月にプーチン氏が一方的に併合を宣言したウクライナ東部・南部4州の防衛のため30万人規模の部分動員を迫られたとし「このようなことは第2次大戦以来だった」と述べた。
  ゲラシモフ氏は今月11日、ショイグ国防相によりウクライナでの作戦の統括司令官に任命された。(共同)


2023.01,18-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230118/k10013952461000.html
ロシア 軍の総兵力150万人に増強 ウクライナへの侵攻継続

  ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアのショイグ国防相は、軍の総兵力を150万人に増やすことをプーチン大統領が決定したと明らかにしました。一方的に併合したウクライナの4つの州の支配を維持するためなどとしていて、兵力を増強し侵攻を続ける考えを強調しています。

  ロシアのショイグ国防相は17日、国防省や軍の幹部を集めた会議を開き、プーチン大統領が軍の総兵力を150万人に増やすことを決定したと明らかにしました。
  兵力の増強についてショイグ国防相は、ロシアの安全を保障するとともに、去年9月にロシアが一方的に併合したウクライナの4つの州の支配を維持するためだとしていて、ことしから2026年にかけて軍を編成していくとしています。
  これについてロシア大統領府のペスコフ報道官は17日、「欧米諸国がロシアに対して行っている代理戦争に対応するためだ」と主張しました。
  ロシア軍の総兵力を巡っては、プーチン政権が去年8月、兵士の総数をおよそ115万人に増やす方針を発表していますが、ショイグ国防相は先月ウクライナ侵攻の任務遂行のためには150万人にまで増やす必要があると強調していました。
  一方、今月14日にロシア軍のミサイル攻撃を受けたウクライナ東部の都市ドニプロの9階建てアパートの現場ではウクライナ当局ががれきの下に取り残された人がいないか重機などを使って捜索と救助を続けていましたが、17日、救助活動を終了したと発表しました。
  ウクライナの非常事態庁によりますとこの攻撃で子ども6人を含む45人が死亡し79人がけがをしていて、ロシア軍に対し国際社会からの非難が強まっています。


2023.01.17-HEAD TOPICS JAPAN-https://headtopics.com/jp/387062226938450575244-34182500
露国防省と非正規軍に軋轢 戦果巡り「手柄争い」か
【井土映美、神山恵】.

  「ワグネル」の創設者、プリゴジン氏=2016年8月、ロシア・サンクトペテルブルク(AP) ロシアがウクライナ侵略を続ける中、露国内で国防省と、独自の兵力を参戦させてきた非正規軍勢力との軋轢(あつれき)が強まっているとの観測が出ている。

  東部ドネツク州ソレダルを巡る攻防戦で最近、露国防省と露民間軍事会社(PMC)「ワグネル」がそれぞれ「自身の部隊がソレダルを制圧した」と食い違う主張をしたのが一例だ。
  戦果が乏しい中、各勢力はプーチン大統領にアピールするため「手柄争い」を繰り広げているもようだ。 ソレダルを巡り、「ワグネル」トップのプリゴジン氏は11日までに「ワグネル部隊が同市を制圧した」と主張。しかし露国防省は同日、「戦闘が続いている」と打ち消した。
  露国防省は13日昼になって「12日夕に露軍部隊が制圧した」と主張したものの、ワグネルの関与には言及しなかった。
【井土映美、神山恵】.


2023.01.17-Yahoo!Japanニュース(FNN プライムオンライン)-https://news.yahoo.co.jp/articles/b9aff01fdfde49756fcd04c36cb69a4ac2d6e195
3月までにドンバス完全制圧を プーチン大統領が新総司令官に指示-国際取材部

  ロシアのプーチン大統領が、ウクライナ東部2つの州の完全制圧を3月までに終えるよう指示したことがわかりました。

  ウクライナ国防省の情報総局は16日、ロシアによるウクライナ侵攻の見通しについて「ロシアの優先事項はドンバスだ。プーチン大統領は新しく着任した総司令官に、3月までにドンバスを完全制圧するよう指示した」と述べました。
  ドンバスはロシアが一方的に併合したウクライナ東部のドネツク州とルハンスク州の2つを含む地域で、ロシア軍はルハンスク州を既に制圧した一方、ドネツク州で苦戦が続いています。
  プーチン大統領は先週、軍事侵攻の指揮をとる総司令官に、ロシア軍の制服組トップのゲラシモフ参謀総長を就任させました。 中枢にいた人物を現場に戻す異例の人事を敢行するだけでなく、ドンバスの制圧に「3月まで」と期限を設けるなど、侵攻開始から1年が経つのを前に、戦果を出しきれない状況にいらだちが出始めているとみられます。
国際取材部


2023.01.06-Yahoo!Japanニュース(ABEMA TIMES)-https://news.yahoo.co.jp/articles/7840ac6db38d6288e82b10d9df816f05054b3360
プーチン大統領、停戦を指示 ウクライナにも一時休戦を呼びかけ-(ANNニュース)

  ウクライナへの侵攻を続けるロシアプーチン大統領が一時的な停戦を呼びかけたウクライナ側は偽善だとしている

  プーチン大統領は5日、ロシア正教のクリスマスにあたる6日の正午から8日午前0時まで停戦するよう、ショイグ国防相に指示した。あわせてウクライナにも停戦を呼びかけた。
  プーチン氏の提案は、ロシア正教会のキリル総主教が5日午後に提案したクリスマス休戦に応じたもので、ウクライナ側に対してもロシア正教徒が多いことから停戦するよう呼びかけた。
  独立系メディアによるとウクライナ側は「ロシアが占領地を離れて初めて停戦がはじまる」としていて、応じないものとみられる。
  ロシア政府関係者によると、クリスマス休戦をめぐっては、本格的な停戦交渉のきっかけにもなり得ることから昨年からヨーロッパ諸国を含めて、12月25日を含んだ12下旬から1月中旬までを視野に模索が続けられてきたが、成立しなかった(ANNニュース)







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