2021.05.20-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210520/mcb2105200606013-n1.htm
中国、北京五輪の「外交的ボイコット」に強烈な不満
【北京=三塚聖平】
中国外務省の趙立堅(ちょう・りつけん)報道官は19日の記者会見で、
ペロシ米下院議長が2022年の北京冬季五輪の「
外交的ボイコット」
を行うべきだと提唱したことについて「
人権問題を利用して中国を中傷し、北京冬季五輪の妨害や破壊を企てている」と述べ、強烈な不満を表明した。米側に対し「五輪を卑劣で政治的な悪だくみに使うのをやめるべきだ」と牽制(けんせい)した。
趙氏は、米側が中国政府による新疆ウイグル自治区などでの人権弾圧を批判していることに関し、「
嘘やフェイク情報がはびこっている」と主張。その上で「スポーツの政治化は五輪憲章の精神に背いている。各国選手の利益や国際的な五輪事業を損なう」と述べ、米国などで目立つボイコットを求める声に反発した。
2021.05.19-朝日新聞 DIGITAL-https://www.asahi.com/articles/ASP5M3QY3P5MUHBI00H.html
北京五輪「外交ボイコットを」 米下院議長が発言
民主党のペロシ下院議長は18日、米議会でのオンライン公聴会で、
中国国内の人権弾圧を「ジェノサイド(集団殺害)」と非難し、来年2月の北京冬季五輪に各国の国家元首を派遣しない「外交ボイコット」を行うように呼びかけた。
ペロシ氏は「我々はあたかも五輪参加のために中国に行くことは何も悪くないというふうに、物事を前に進めることはできない」と強調。「
中国へ(各国の)国家元首を派遣することで中国政府に敬意を払うようなことはやめるべきだ」と述べ、「
外交ボイコットをしよう。沈黙は許されない」と訴えた。ただし、
各国選手団の参加は容認する考えを示した。
一方、ペロシ氏は、北京冬季五輪のスポンサー企業についても「
自分たちの収益ばかりを気にして中国の権力乱用に見て見ぬふりをしている」と厳しく批判した。
米議会内では、超党派で
ボイコット論が強まっており、4月に米上院外交委員会で可決された「
戦略的競争法案」では、北京冬季五輪への参加を米政府当局者が
ボイコットすることを求める内容が盛り込まれている。民主党主流派のペロシ氏の態度表明は、バイデン政権の態度決定に影響を与える可能性もある。
(ワシントン=園田耕司)