パキスタン共和国-1


2024.08.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240810-5AZYT7T2AZEMTFVPBHKY5OLIUA/
異国の地なのに有名人 パキスタンの新聞にほぼ毎日、顔写真載る 「野党説得を」と依頼も-国際舞台駆けた外交官 大江博氏(17) 
(聞き手 黒沢潤)〈おおえ・ひろし〉

  公に目にする記者会見の裏で、ときに一歩も譲れぬ駆け引きが繰り広げられる外交の世界。その舞台裏が語られる機会は少ない。ピアニスト、ワイン愛好家として知られ、各国に外交官として赴任した大江博・元駐イタリア大使に異色の外交官人生を振り返ってもらった。

「大変なことが起きる気がする」
《駐パキスタン大使として2011年春、首都イスラマバードに赴任した》
  
佐々江賢一郎外務次官から赴任前、「パキスタンで近く、大変なことが起こる気がする。できるだけ早く赴任してほしい」と言われました。彼がどこまで予想していたかは別として、赴任から1週間後、大事件が起きました。米中枢同時多発テロ(01年)の首謀者、ウサマ・ビンラーディンが首都郊外で米軍に発見され、殺害されたのです。
  大統領への信任状奉呈はちょうどその日。延期されずに実施されました。ビンラーディン問題についてザルダリ大統領、私と同じ日に信任状を奉呈したアフガニスタン大使とさっそく意見交換することができ、ある意味、幸運なスタートを切ったわけです。
10日後、対米批判一色になる
《殺害事件は、パキスタンを親米から嫌米国家へと転換させる契機となる》
  ザルダリ氏はビンラーディン殺害を前向きに評価していました。ところが約10日後、パキスタン世論が対米批判一色となる。米国の無人機(ドローン)が殺害のため自国領土に侵入し、主権を侵害したーというのです。彼はこれで反米姿勢へと転換せざるを得ませんでした。転換前の発言を聞けたうえに、世論によって意見を変えたことを垣間見る大変貴重な体験となりました。
陸軍参謀総長が「会いたい」
《パキスタンで日本は米国から頼られる存在だった》
  非常に残念ながら、日本は多くの国から、「米国の決定に常に従うため、米国と話をすれば十分」と思われることが多い。ところがパキスタンでの日本の存在は特別でした。米国とパキスタンとの関係が悪化し、北大西洋条約機構(NATO)もアフガンを巡りパキスタンとの関係があまり良くはなかったからです。
  ある日、キヤニ陸軍参謀長が私に「会いたい」と言ってきました。メディアの目が気になり、彼が欧米の大使と会いにくい状況の中、自分の考えを私に話せば、米大使やドイツ大使に伝わると期待したのです。
  私も自分の役割を理解していますから、すぐ彼らに伝達しました。利用されているのですが、必要かつ重要な役割です。
  パキスタンでは米国や欧州と共同で何かをするとき、「お前が前面に立ってやってくれ。その方がスムーズに事が運ぶ」とよく言われました。他の任地で、そういう経験をしたことはありません。
広大な豪邸はまるで〝動物園〟
  私はパキスタンで、大統領にも閣僚にも自由に会えました。後に首相に就任したナワズ・シャリフ氏、現在の首相のシャバズ・シャリフ氏も北東部ラホールに出張するたびに自宅に招待してくれました。ナワズ・シャリフ氏の自宅は門から建物まで車で約5分もかかるほどの豪邸で、動物園のように、さまざまな動物が飼われていました。
「人気投票すれば絶対に1番」
《要人と会うたび、英字新聞など現地メディアに盛んに取り上げられた》
  毎日のように写真付きの記事が出るのです。私用車で週末、街に行くと、市民から「一緒に写真を撮ってほしい」と頻繁にせがまれました。他国の大使館のレセプションに行っても、食べる時間がないほど「一緒に写真を」と来客から頼まれる。急に有名人、アイドルになった感覚です。それほどメディアに取り上げられ、「各国大使の人気投票をパキスタンで行えば、お前が絶対に1位だ」と他の国の大使からよく言われました。
《ザルダリ大統領から、いい意味で利用された》
  パキスタンではテロが発生し、治安が悪いというイメージがあり、外国企業は進出をためらう傾向にあります。このため、ザルダリ氏は日本にパキスタンを売り込みたがっていました。私は彼にお願いし、日本からパキスタンに進出する数十社の企業で作る商工会議所とのランチを大統領主催でして頂きました。日本の経済ミッションにもパキスタンに来てもらい、大統領主催のランチと経済閣僚との意見交換会を実施。それが全て、テレビで同時放映されました。
「野党、説得してくれ」に苦笑
  傑作だったのは、パキスタンの政界から内政で役割を果たすよう声が掛かったことです。野党政治家や知事ともよく会っていたためです。ある日、官房長官から、次のように言われました。「自分は今、国会で法律を通そうとしているが、野党が反対している。あなたは、野党の人たちともすごく親しいらしいから、彼らを説得してみてくれないか」。
  これには苦笑せざるを得ませんでした。(聞き手 黒沢潤)

〈おおえ・ひろし〉
  1955年、福岡市生まれ。東京大経済学部卒。79年に外務省入省。国連政策課長、条約課長などを経て、2005年、東大教授。11年にパキスタン大使、16年に環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)首席交渉官、17年に経済協力開発機構(OECD)代表部大使、19年にイタリア大使。現在は東大客員教授、コンサルティング会社「神原インターナショナル」取締役などを務める。


2024.04.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240419-BR2TPLGX5NJLHCYBV5HQTSIKFQ/
パキスタンで邦人が攻撃受け負傷 林芳正官房長官が説明

  林芳正官房長官は19日の記者会見で、パキスタン南部カラチで日本人が乗った車が襲撃を受け、1人の負傷が確認されたことを明らかにした。けがの程度は確認中という。林氏は「外務省で詳細の把握に努めるとともに、在留邦人への注意喚起を行った」と述べた。



2023.0.24-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20231024-2D5M3RLVMNM67C4TB26BHPET24/
シャリフ元首相の有罪停止 パキスタン、汚職事件で

  パキスタン中部パンジャブ州政府は24日、汚職を巡る罪に問われ英国へ事実上亡命後、今月帰国したナワズ・シャリフ元首相に対する有罪判決の効力を停止した。次期総選挙への出馬実現に向け、一歩前進する。地元メディアが報じた。

  パキスタンの刑事訴訟法によると、州政府には刑の執行を停止したり免除したりする権限がある。パンジャブ州首相は政治家一族のシャリフ家と近い関係にあり、ナワズ氏側が州首相側に判決停止を求めていたという。(共同)


2023.09.29-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230929-X2JJYD5ZYJIZ3E6YSW5RDCUK2Y/
パキスタンで爆発34人死亡 モスク近く、自爆テロか

  パキスタン南西部バルチスタン州のモスク(イスラム教礼拝所)近くで29日、爆発があり、少なくとも34人が死亡、100人以上が負傷した。警察は自爆テロとみて調べている。犯行声明は確認されていない。地元メディアが報じた。

  この日はイスラム教の預言者ムハンマドの生誕祭で、多くの人が行事に参加するためモスク近くに集まっていた。男が付近の警察車両に近づき、爆発物を起爆させたとみられる。(共同)


2023.08.03-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230803-7ZA2RTUCDNIUTHNUFICNLO7DVI/
パキスタンテロ死者63人に

  パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州の政治集会で7月30日に起きた自爆テロで、AP通信は2日、死者が63人になったと報じた。過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出している。負傷者には容体が不安定な人もおり、死者が増える恐れがある。

  集会は連立政権に加わるイスラム急進派政党「イスラム聖職者協会(JUI)」が開いた。指導者のファズルウル・レーマン師は隣国アフガニスタンのイスラム主義組織タリバンに近い。警察はタリバンと対立するISが集会を狙った経緯などを調べている。(共同)


2023.07.31-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230730-ULT7ISLKYRJ25ELYFTEJ6SMKZM/
パキスタンで自爆テロ、40人死亡 政党集会標的

  【シンガポール=森浩】パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州で30日、イスラム教系政党「JUI-F」が実施していた集会で爆発があった。AP通信によると、少なくとも40人が死亡、100人以上が負傷した。警察は自爆テロとみて、調べを進めている。

  パキスタンは8月に下院解散を控えている。JUI-Fは与党連合の一角を占めており、政党幹部や支持者が標的となった可能性がある。


2023.05.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230510-RR5RNWXWAZIJVGFQGYU6DKUROI/
パキスタン国内でデモ激化 前首相逮捕に反発

  【シンガポール=森浩】パキスタンで野党「パキスタン正義運動(PTI)」党首のカーン前首相が逮捕され、反発する支持者によるデモが拡大している。治安部隊との衝突で1人が死亡、10人以上が負傷した。求心力があるカーン氏の拘束により、経済苦に直面するパキスタンは国内の不安定化が進みそうだ

  カーン氏は9日、大学設立のための土地取得を巡る汚職容疑で逮捕された。PTIは「逮捕は完全に不当だ」と抗議活動を呼びかけ、東部ラホールでは暴徒化した支持者が軍の施設に突入した。抗議の拡大を食い止めるため、首都イスラマバードなどで通信が制限されているもようだ。
  カーン氏は経済政策の失敗などが反発を招き、昨年4月に下院で不信任案が可決され、失職した。だが、クリケットの元スター選手であるカーン氏は厚い支持を背景に下院の早期解散などを要求。シャリフ政権や内政に強い影響力を持つ軍が警戒を強めていた。
  パキスタンは対中債務が生む負担新型コロナウイルス禍で経済が疲弊していた中、昨年8月に国土の3分の1が冠水したとされる大洪水が発生し、デフォルト(債務不履行)の危機に直面する。カーン氏逮捕を受けた国内情勢の不安定化は、国際通貨基金(IMF)への支援交渉に影響する可能性がある。



2022.08.31-Yahoo!Japanニュース(日テレNEWS)-https://news.yahoo.co.jp/articles/379e2ce7710bbd410cd36dc71903315a82d72807
パキスタン洪水 WFP現地代表“早急な支援を”

  大雨による洪水で甚大な被害に見舞われているパキスタンの状況について、国連のWFP=世界食糧計画の現地代表がインタビューに応じ国際社会に対し早急な支援を呼びかけました。

   パキスタン政府は、6月から続く大雨により国土の3分の1が冠水し、これまでに死者は1100人以上、被災者は3300万人にのぼっていると明らかにしています。
  被災地で食糧支援にあたっている国連WFP現地事務所のクリス・ケイ代表は31日、日本テレビのインタビューに応じ、国際社会に早急な支援を呼びかけました。
   WFPパキスタン国事務所 クリス・ケイ代表「子供や妊婦、授乳中の女性の栄養状態を特に懸念している。食料が手に入らない人々に支援ができなくなることにも強い懸念を抱いている」 ケイ代表はこのように述べ、国連が30日に呼びかけた1億6000万ドルの緊急拠出に協力するよう各国に訴えました
  また、今回の洪水について地球温暖化が被害拡大の一因だと指摘し、先進国に行動を促しました。
  クリス・ケイ代表「地球温暖化は先進国がもたらしたものであり、パキスタンのような発展途上国は最も大きな影響を受けている。豊かな国は責任感をもち、より貧しい国を支援してほしい」 また日本に対しても「今回のような災厄に対してこれまでも惜しみない支援を行ってくれた」と述べ、国連の救援活動への協力を呼びかけました。







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