万博(2025年大阪万博)-1
2025.03.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250319-XKTUJSMXBROQDLQM3BXHYEXUDI/
万博前売り券「経済界の購入がなければ大変なことに」 関経連会長、目標達成は「無理」
(井上浩平)
関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)は19日の定例会見で、
2025年大阪・関西万博の前売り入場券に関し、販売目標としてきた1400万枚達成は実質的に不可能との見解を示した。
その上で「経済界の購入がなければ大変なことになっていた」と強調した。
前売り券は、12日時点で売れたのは目標の6割に満たない821万枚で、このうち約700万枚は企業による購入分となっている。日本国際博覧会協会の十倉雅和会長(経団連会長)は、修学旅行などで見込む200万枚程度を加えると、販売数は1021万枚になると説明していた。
販売目標の達成について松本氏は「(開幕まで)二十数日しかなく、無理だ」と言及。「1千万枚強で終わるかもしれないが、良しとしないと仕方がない」と語った。
一方、
関経連は19日、副会長に北尾裕一氏=クボタ社長、都司尚(つじたかし)氏=近鉄グループホールディングス(HD)会長、玉置(たまおき)肇氏=パナソニックHD執行役員=を内定したと発表した。5月に開く理事会で正式決定する。
(井上浩平)
2025.03.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250313-XOXY2IH7TJNSZO5GZTGJK6IIPU/
工事遅延・複雑チケット・赤字懸念 開幕1か月前の万博三重苦と向き合う吉村知事の方向性
(山本考志)
2025年大阪・関西万博までいよいよ1カ月。
遅れが指摘されてきたパビリオンの建設が急ピッチで進むなど、開幕を迎える準備は整いつつあるが、課題はなお残る。
運営主体の日本国際博覧会協会で副会長を務める大阪府の吉村洋文知事が産経新聞のインタビューに応じ、準備状況や機運醸成、運営収支という3つの課題について語った。
「準備は最終段階。着実に進んでいる」。吉村氏は万博会場の整備状況をこうアピールし、パビリオン建設の進捗(しんちょく)について「開幕までに間に合うのかとの指摘もあったが、すべてで完成する予定だ」と説明した。
海外パビリオンなどの一部で、開幕までに内装や展示が整わない可能性があるが、「(前回の)ドバイ万博などでもあったことだ」とした。
大阪府市が昨年末に実施した全国のインターネット意識調査では、高齢者の万博への興味・関心や来場意向は前年比で低下。入場券の前売りは目標の6割弱にとどまる。
ネットでの購入手続きの複雑さが一因と指摘されるが、吉村氏は、会場前で購入可能な当日券などが導入されたとして「行きたいと思えば簡単に入場券が買える仕組みが重要。高齢者も行きやすい万博を目指す」と強調。「できあがってきた会場の臨場感を伝え、来場意向を高めたい」と意欲を示した。
当日券の販売により、完全予約制で来場者を平準化させて会場や交通機関の混雑を防ぐ計画に影響が出る懸念もあるが、予約枠が埋まった日は当日券販売が中止されるとし、「予約状況をリアルタイムで公開し、混雑具合の見える化を図る」と述べた。
入場券の収益は1160億円に上る運営費の原資となる。入場者が伸びず、赤字になれば公費負担増の議論が再燃する。
吉村氏は、協会のCFO(最高財務責任者)が収支を適正に管理するとし、今後のPR策として「万博でどんな体験ができるかを色々な媒体やSNSで発信していく」と説明。その上で、万博の意義を「世界各国が技術や知恵を持ち寄り、社会課題を解決していくこと」だと訴え、
「万博をきっかけにいろんな技術が社会実装され、経済成長につなげていくという大きな方向性を見失わないようにしたい」と語った。
(山本考志)
2025.02.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250228-LSQGJJ424VPH7MQORBQFCNIN4A/
<独自>万博工事入札3分の2が「1者応札」 支出増要因か 談合立件の東京五輪でも続発
(鈴木文也)
4月13日開幕の大阪・関西万博で、
日本国際博覧会協会(万博協会)が発注した会場整備工事の一般競争入札を巡り、
1事業体のみが参加する「1者応札」が全体の3分の2を占めたことが28日、産経新聞の調べで分かった。
建設コスト高騰などで入札参加を控えた影響もあったとみられるが、
予定価格と落札価格の差を示す平均落札率は1者応札に限ると98%超。競争性の低さが事業費増大につながった恐れもあり、検証が求められそうだ。
(鈴木文也)
協会公表の入札資料などによると、令和4年4月~昨年12月、木造大屋根(リング)や催事場などの工事入札は、参加者がなく再入札となった「取りやめ・不調」の25件を除くと計66件。このうち1者応札は44件、2者応札は11件、3者以上の応札は11件だった。
1者応札の最高落札額は、リングの一部を含むパビリオンワールド北東工区施設事業で166億8千万円(税抜き)。再入札となった各テーマ館でも1者応札が相次ぎ、44件の平均落札率は98・9%だった。一方、2者応札の平均落札率は91・9%、3者以上の応札では89・4%と低下した。
出展各国が原則発注するパビリオン建設などを除く万博の会場整備費は最大2350億円で、政府と大阪府・大阪市、経済界が等分に負担する。1者応札の多い状況に、万博協会の担当者は「デザイン性を重視した建築で、製作や施工の難易度が高い」など工事の特殊性から参加業者が少なくなったと説明。資材費や人件費など近年の建設コスト急騰も「影響した可能性がある」としている。
ただ、1者応札は競争性の低さから支出増大につながる上、不透明性が問題視されるケースが多い。東京五輪・パラリンピックのテスト大会や本大会の運営を巡っては、総額400億円超の入札談合が事件化。東京都がまとめた調査報告書では、テスト大会の入札26件のうち17件が1者応札で、
「不正リスクに対しての牽制(けんせい)が十分に機能しなかった」と指摘した。
入札制度に詳しい上智大の楠茂樹教授は、
万博の入札について「入札不調は(利益にならず)魅力のない工事に誰も手を挙げないという自由競争の結果だろうが、1者応札の多さは不信感を招く。予算や工期などに問題があった可能性があり、入札だけでなく万博招致からの一連のプロセスを検証する必要がある」と述べた。
2025.02.-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250222-MGVWIJ6WEBJJNLMW2ZHRCR5HPU/
大阪府警、万博に向け対ドローン部隊配置 「不審飛行物1キロに迫れば確実検知」
(土屋宏剛)
4月に開幕する
2025年大阪・関西万博で、
大阪府警が小型攻撃用無人機(ドローン)によるテロに備え、
専門の対策部隊を編成し、万博会場の人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)周辺に専門装備を配置したことが、府警への取材で分かった。
万博は22日で開幕まで50日。府警は近年兵器としての存在感を強めているドローン対策に万全を期し、空からの侵入防止に目を光らせる。
夢洲は四方を海に囲まれ、不審者が侵入しにくいという利点があるが、「視認性がよく、ドローンの操縦には都合がよい」(府警警備部幹部)と指摘される。
万博に合わせて、今回府警が編成したドローン対策部隊は会場周辺に配置され、複数人に分かれて、昼夜を問わず空からの侵入を警戒。不審な飛行物の接近を高性能レーダーで検知し、妨害電波を発して操縦不能にさせる「ジャミング装置」も配備した。
大阪府は昨年11月、夢洲の周囲約1キロの範囲でドローン飛行を原則禁止する条例を制定。大阪市も条例を改正し、会場周辺護岸の立ち入り禁止区域を拡大した。府警幹部は「不審飛行物が会場まで1キロに迫った段階で確実に検知し、会場内に入らせないようにする」と強調する。
軍事・安全保障に詳しい笹川平和財団の小原凡司(おはらぼんじ)・上席フェロー(61)によれば、ドローンは人工知能(AI)の搭載により大きく機能が向上。爆弾などを積んだ自律型兵器として、事前に学習した目標物に向かって飛行し、複数機を同時運用する研究も進められている。2022年以降のロシアのウクライナ侵略でも、両軍が兵器として投入している。
こうした軍事用ドローンを海外から日本国内に持ち込むのは難しいが、国内で既製品を組み合わせれば代替可能という。小原氏によれば、対抗手段のジャミング装置は周辺の電子機器に不具合が生じる場合もあるが、海に囲まれた夢洲では比較的使いやすいとみる。
小原氏は
「ドローン対策で必要なのは、会場への接近を許さないことに加え、攻撃を受けた際に混乱が生じないようにすること。
避難経路や誘導方法などを決めておけば雑踏事故など二次被害のリスクを低減できる」と話す。
(土屋宏剛)
2025.02.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250222-KJ2HJBIW3ZKE3FFV7BQD4FA57I/
万博シンボルの大屋根リングにつきまとうコスト問題 再利用検討も、解体費高騰で見通せず
(黒川信雄)
2025年大阪・関西万博は
22日で開幕まで50日となった。人工島・夢洲(ゆめしま)にある会場の象徴、木造大屋根(リング)は閉幕後のレガシー(遺産)になり得る。大阪府市は、民間事業者から一部をモニュメントとして残す案やベンチなどに再利用する案が示されたとし、日本国際博覧会協会とも協議する方針。ただコスト問題が解消されず、先行きは不透明だ。
協会は1月下旬、再利用に向け、大阪府木材連合会などとともに自治体や団体向けの説明会を開いたが、人件費が高騰する中、参加者からは「解体費を買い手が負担すると、新品より高くなる」などと懸念する声が上がった。
協会幹部は解体費の負担について「決まっていない」と言葉を濁す。公募は3月ごろの実施が想定されるが、別の幹部は
「解体費込みの値段で募集し、不調なら値下げせざるを得ないだろう」と打ち明ける。
協会は本来、リングを閉幕後に撤去する方針だったが、建設費が約350億円と巨額だったことから批判が高まり、方針を変更した。
モニュメントにするにしても維持費がかかるため、コスト負担の問題は避けられない。
(黒川信雄)
2025.02.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250205-VHY2YIAIGRJS3EGBMPAT3JG6GQ/
幻に終わった夢洲の「新橋」建設計画 万博での混雑解消策 鉄道延伸も見通し立たず
(黒川信雄)
2025年大阪・関西万博の会場となる人工島・夢洲(大阪市此花区)は
大阪メトロ中央線によって市中心部との行き来ができるほか、近隣の人工島である舞洲(まいしま)と「夢舞大橋」で、咲(さき)洲(しま)とは「夢咲トンネル」でつながっている。
一時はこれに加えて新たな橋を造り、アクセスを向上させる構想が浮上したが、幻に。
鉄道の延伸計画も検討されているが、コストや需要見通しなどの問題を背景に実現はしていない。
新橋の建設構想は、万博開催中の夢洲へのルート混雑を懸念した財界や日本国際博覧会協会がかつて要望した経緯がある。
夢舞大橋とは別に、夢洲と舞洲を結ぶ橋を建設するものだった。
2020年1月に関西経済連合会など関西経済3団体首脳と、大阪府市の首長が会合を行った際にも議題となった。関経連の松本正義会長は「国家プロジェクトである万博の成功という観点からは、(夢洲周辺の交通インフラには)非常に心配がある」と報道陣に発言し、橋の建設が必要との考えを強く示唆した。
新橋を巡っては、渋滞を懸念する協会からも建設を要望していた。ただ同年4月、当時の松井一郎大阪市長と協会の石毛博行事務総長が建設見送りで合意。市側は交差点の立体交差化などで、スムーズな交通を担保できるとの考えを示したという。
夢洲周辺では、鉄道アクセスの向上を図る計画もある。
JR西日本は桜島駅から舞洲経由で夢洲に至るルートを検討。私鉄も、
夢洲方面に向かう列車の開発や一部路線の延伸を検討している。ただ、
いずれの計画も巨額の費用がかかることや需要が見通せないことなどから実現はしていない。
(黒川信雄)