万博(2025年大阪万博)他-1


2025.10.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20251016-2U5K57IMEBLUBC2OSTOW7HTPRA/
万博〝ミャクミャク旋風〟は続く 日本が誇るソフトの力が記憶継承 日本館キティも存在感

  「かわいい!」10月上旬、大阪・関西万博の東ゲート近くで来場者を出迎える公式キャラクター「ミャクミャク」のモニュメント付近は、記念撮影しようとする人でごった返した。大津市の会社員、原田粋(すい)さん(23)は「あちこちでミャクミャクを見るうちに、ぽってりとした体がかわいいと思えるようになった」と笑顔を浮かべた。

  独特なデザインのミャクミャクは、当初は「気味が悪い」との声も上がったが、万博が開幕すると評価は一変。会場の店舗はグッズを買い求める人で長蛇の列ができた。
  日本国際博覧会協会によると、人気の高まりから、開幕当初は会場内に8店舗しかなかった土産物店は20店舗まで拡大。ミャクミャクをはじめとした公式ライセンス商品の売れ行きは絶好調で、売上高は8月末時点で約800億円に上った。
  〝ミャクミャク旋風〟は閉幕後も続く。協会は公式商品の販売期間を10月13日から来年3月末まで延長した。商品は価格の8%程度がロイヤルティー(権利使用料)として企業から協会に支払われる。ここから万博の知的財産管理団体に一部が割り当てられ、残りが万博の運営費に入るため、協会の期待は大きい。
  さらに閉幕後、東西ゲート付近にあったミャクミャクのモニュメント2体を、大阪府が譲り受け、1970年大阪万博跡地の万博記念公園(同府吹田市)に移設する。
  来年4月以降は府内の観光地を巡回させる予定で、訪れた観光客に撮影してSNSで発信してもらうことで万博のレガシー(遺産)や観光地のPRにつなげる。府の担当者は「万博の盛り上がりを見ればその効果は大いに期待できる」と話す。
藻類に「ハロー」
  ミャクミャクに象徴されるように、文化や価値観などで影響力を生み出す「ソフトパワー」が大きく発揮された万博だった。会場内のいたる場所で、各国の伝統芸能やポップカルチャー、食文化が発信された。
  日本館では、世界的に知名度のあるハローキティが藻類に扮し、バイオ燃料の原料となるだけでなく、高い栄養価で人類の課題解決に役立つと期待される藻類をアピール。キャラクターなど日本固有の魅力を発信する政府の「クールジャパン戦略」とともに、日本が目指す「循環型社会」の考え方を世界に示した。
  日本館の出展に携わった経済産業省の担当者は「日本を代表するキャラがナビゲートし、難しいテーマにも関心をもってもらえた。展示は次世代の行動変容を起こすきっかけとなった」と語る。
モリゾーに続けるか
  過去の万博でも、さまざまなソフトパワーが発信された。2005年愛知万博では、公式キャラ「モリゾー」と「キッコロ」が人気を集め、閉幕後もテレビ番組などに登場し、愛知博の記憶を継承した。会場の市民参加型ボランティアも地域イベントなどに受け継がれた。
  万博の歴史に詳しい大阪国際大の五月女賢司准教授は「万博のテーマが定着するかどうかは、社会に根付くためのストーリーが重要となる。1970年大阪万博が高度経済成長期の象徴となったように、関係者は時代をうつすアイコンとして閉幕後も繰り返し発信し、人々の記憶に再生産させるべきだ」と指摘する。
  大阪・関西万博で示されたソフトパワーは、レガシー(遺産)として残るのか。それは閉幕後の発信にかかっている。


2025.10.14-Yahoo!-https://news.yahoo.co.jp/articles/852aa14e471c49b7b719873d6a3d4d5fa9f444d2
熱狂万博 184日間の夢のあと 閉幕一夜明け、静寂に包まれた会場 パビリオンで撤収作業

  大阪市此花区の人工島・夢洲で184日間にわたり、2557万人を集めた大阪・関西万博が閉幕して一夜明けた14日、会場内は前日までの熱狂がうそのような静寂に包まれていた。はや撤収作業に取りかかるパビリオンもあり、関係車両や作業員らが出入りする光景も見られた


2025.10.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20251013-HNAPLT2UAVPXVEGNCOKMXT5DFU/
大阪・関西万博がついに閉幕 集結した世界の英知、次世代に引き継ぐ

  大阪・関西万博13日夜、閉幕した。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)を会場に4月から184日間にわたり開催。158の国・地域が参加し、期間中の一般来場者数は2500万人を超えた。万博に集結した世界の英知を次世代に引き継ぎ、課題解決に生かせるかどうかが問われる。

  会場内の「EXPOホール シャインハット」で開かれた閉会式では、万博名誉総裁の秋篠宮さまが「人類が直面する共通の課題への解決策について、共に考える機会を得たのは意義深い」とお言葉を述べられた。石破茂首相は公式キャラクターのミャクミャクを「愛くるしい姿で万博を成功に導いた」とたたえた。
  政府が取りまとめた「大阪・関西万博宣言」も発表。万博は「相互理解と対話を促す重要な公共財」とし、さまざまな関係者が自発的に協力してきた姿は「将来の万博や国際交流の道しるべとなりうる」とした。
  式では、ホールに掲げた博覧会国際事務局(BIE)旗が降ろされ、2030年に首都リヤドで次回の万博を開催するサウジアラビアの関係者に引き継がれた。
  会期中の累計一般来場者数は、12日時点で2529万人(速報値)となり、05年愛知万博の2205万人を上回った。入場券の販売枚数は2207万枚で、運営収支は最大280億円の黒字となる見込み。
  一方、会場整備費は資材費高騰などで当初計画の約1・9倍の2350億円に膨張。「並ばない万博」を掲げながら複雑な予約システムなどが影響して長蛇の列ができ、運営面に批判も出た


2025.10.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20251005-YB4TTAJVEROI5JRCRSWTLS2RCU/
パレスチナ展示に万博協会が撤去要請 「イスラエル軍事占領で遅れ」空の展示台に立て札

  大阪・関西万博に出展しているパレスチナが開幕前の4月展示物の到着遅れを知らせるためブースに設置した立て札について、運営を担う日本国際博覧会協会(万博協会)が撤去を要請していたことが5日までに分かった展示物はイスラエルの規制で到着が遅れていたという

  駐日パレスチナ常駐総代表部のワリード・シアム代表(大使)によると、展示物は船で輸送する予定だったが、パレスチナ自治区ガザへ侵攻を続けるイスラエルから港の使用許可が出ず、航空便に切り替えたものの開幕日の4月13日に間に合わなかった。空の展示台に「発送はイスラエルの軍事占領のため遅れています」と書いた立て札を置いたが、万博協会側から口頭で「問題を起こしたくない」と撤去を要請されたという。
  万博協会の担当者は取材に「参加者とのやりとりの詳細を明らかにすることは控える」と回答。展示内容は「各国の裁量に任されている」とした。イスラエル側は規制について「事実ではない」としている


2025.09.26-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250926-6IJ4YIQTKNNGTKLT44ZDXZVGNE/
万博未払い問題、解体工事で「大きな不安要素」 業界団体が協会に上申書、環境整備求める
(木ノ下めぐみ)

  大阪・関西万博10月13日に閉幕した後に行われるパビリオンなどの解体工事を巡り、解体業者などでつくる大阪府解体工事業協会(大阪市西区)26日、解体工事を円滑に実施するための環境整備を求め、運営主体の日本国際博覧会協会(万博協会)に上申書を提出した。万博では海外パビリオンの建設費未払いトラブルが相次いでおり、上申書は「大きな不安要素として立ちはだかっている」と言及した。

  万博協会が作成したパビリオンの工事・解体のガイドラインによると、閉幕から1週間後には解体工事を着工することができる。出展国側が独自のデザインや工法で建てた「タイプA」については11月以降に工事が本格化し、来年4月13日をめどに完了する見込み。
  上申書は、解体でも建設と同様に工事費の急騰など想定外の状況が発生する可能性があることを念頭に、元請けと下請けの間で「相互認識に齟齬(そご)が生じて、後々の憂いとなる可能性を完全に排除しきれない」と指摘。「施工条件の事前明確化が不可欠」とし、元請けから下請けに条件変更などの通知を「瞬時かつ確実に」行うことを求めた。
  同工事業協会によると、会員事業者74社のうち、パビリオンの解体工事をすでに受注したか、契約手続きを進めている事業者が十数社ある。建設費未払い問題を受け、「解体工事の支払いも滞るのでは」といった不安の声が寄せられているという。
  同協会の名和祥行代表理事は大阪市内で万博協会の担当者に上申書を手渡した後、報道陣に「万博の成功は解体工事の完了までを含めてだと思っている。万博協会には懸念材料がないよう協力をお願いした」と話した。万博協会の担当者は「円滑な解体工事に向けて意見交換ができた」と語った。
  また、パナソニックホールディングスは出展しているパビリオン「ノモの国」で使用した建設資材の大半を再活用する計画で、パソナグループは兵庫県の淡路島にパビリオンを移設して観光事業に活用する方針。オランダ館も同グループなどにより淡路島に移設される。ルクセンブルク館は大阪府交野市で子育て支援施設としての転用を検討している。
  万博協会の発表によると、アンゴラやインド、ウズベキスタンなど11カ国の海外館で建設費について下請け業者などから未払いの相談が寄せられている(木ノ下めぐみ)


2025.08.31-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250831-LWKPLHXPU5PYXEMDDYBIE3HD7U/
<独自>万博の会期中来場者2820万人は事実上困難に 黒字ライン2200万人は到達か
(井上浩平)

  大阪・関西万博で想定されていた会期中の累計一般来場者数2820万人について、達成が事実上困難になったことが31日、分かった現在までの来場者は1600万人を超えているが、運営主体の日本国際博覧会協会が1日の最大来場者数と想定する22万7千人が閉幕の10月13日まで続いたとしても、最終的な想定数には届かないことになったただ、運営収支の黒字化ラインとする2200万人はクリアできそうな情勢だ

  万博は4月13日~10月13日までの184日間開催。協会は期間中の一般来場者数を2820万人と想定し、達成には1日平均約15万人超の来場が必要とされていた。
  月別の1日の来場者数は4~6月は右肩上がりの8万~12万人台で推移し、その後は伸び悩んだものの、8月中旬以降は平日でも連日15万人に迫る来場があり、会期終盤に向けての駆け込みも期待されている。これまでの1日の一般来場者数が最多だったのは、「大曲の花火」が打ち上げられた6月28日で18万4990人だった。
  協会の計画では1日の最大来場者として22万7千人を見込むが、会期の残り日数全てでこの来場者数が続いたとしても2820万人には届かない。日本総合研究所は、会期終盤に来場者数が伸びた2005年の愛知万博と同様の推移をたどった場合、最終的に2500万人前後になると予測する。
  協会は会場運営費の8割超を入場券収入で賄う計画で、来場者数が今後順調に推移すれば、収支の黒字化ラインの目安とする2200万人には到達しそうだ。
  2820万人を巡っては、毎日の来場者数が当初は伸びなかったことや、混雑すれば来場者が快適に過ごせない恐れがあることなどから下方修正すべきではないかとの意見も出ていたが、協会は「2820万人は目標ではなく、あくまでも想定」と主張していた。

  過去の万博では、1970年の大阪万博が1日最大約83万人が来場し、期間中に約6421万人が来場。愛知万博では想定の1500万人を上回る約2205万人が来場し、いずれも成功したと評価されている。
(井上浩平)


2025.08.30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250830-MVV2IPI5YRJYLCOGSOAPH5LMXE/
万博当日予約サイトに「過剰な高速アクセス」 自動化ツール悪用のID利用停止を初公表

  大阪・関西万博を運営する日本国際博覧会協会(万博協会)は、パビリオンを予約する公式サイトに今月26日、過剰な高速アクセスが自動的に繰り返され、運営が妨害されたと明らかにした当日予約を確保しやすくするための「自動化ツール」が悪用されたとし、アクセスに使われた「万博ID」などの利用をただちに停止したとしている当日予約枠を巡る妨害行為の公表は初めて協会は「サイトにアクセスしにくいといった声に対応した」と説明する。

  万博の公式サイトでは一部のパビリオンやイベントを対象に、万博IDやチケットIDを使って事前予約や当日予約ができるようになっている。ただ、入場ゲートを通過して10分後から可能な当日予約(登録)を巡っては、特定の時間や不定期に予約枠が開放され、空き枠を巡る「争奪戦」が繰り広げられていた。
  これに拍車をかけるのが、パビリオン予約の自動化をうたう専用ツールの存在だ。予約サイトで自動化ツールを用いれば、放置しておくだけで自動的にサイトへのアクセスを繰り返し、空き枠が出た直後に予約できる仕組みといい、インターネット上にはツールが拡散している。
  万博協会によると、当日予約サイトには最近、自動化ツールを悪用したとみられる一部ユーザーの過剰なアクセスが続き、一般の来場者らから「登録にタイムラグができる」「アクセスしにくい」との声が広がっていた。そこで、26日にツールを悪用してアクセスしたユーザーに対し、予約サイトの利用規約などに基づき、万博IDとチケットIDの利用停止に踏み切ったという。
  万博協会の広報担当者は「IDの利用を停止したユーザー数などは公表できないが、これまでにも複数回、IDの利用停止を実施している」と説明。一方で、ネット上に拡散する自動化ツールについては「(削除などの)対処はできていない」としている。
  協会の公式サイトでは、今後もサイト運営の妨害事案が確認された場合、万博IDなどの利用停止処置を実施するとした上で、「必要に応じてしかるべき対応」も行うとしている。


2025.08.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250813-XC3UH62QJVIU3NBEESIVJAT4TI/
万博アンゴラ館建設工事 無許可請負 「いまさら投げ出せなかった」 男性社長が釈明

  大阪・関西万博のアンゴラ館の建設工事を無許可で請け負ったとして、大阪府警生活経済課13日、建設業法違反(無許可営業)の疑いで、建設会社「一六八(いろは)建設」(大阪市鶴見区)の40代男性社長の居住先など関係先を家宅捜索した。

  開幕4カ月を迎えた日に異例とも言える会期中の家宅捜索。「一六八建設」の男性社長は産経新聞の取材に、「問題なく取得できていると認識していたが、工事がほぼ完了する3月ごろに無許可であることを把握した」と説明。「工期が迫る中でいまさら仕事を投げ出すことはできなかった」と話した。
  六八社を巡っては、下請け業者への未払い問題も指摘されているが、社長は「元経理担当者に一六八社の資金約1億2千万円を横領された」と支払いが滞っている理由を説明した。
  関係者によると、一六八社は令和5年7月に創業。今の社長が6年9月に引き継ぎ、数人で運営、経理作業や事務手続き、下請け業者への支払いなどは全て元経理担当者に一任していた。2月ごろに下請け業者から「工事代金の支払いが滞っている」と連絡があり、元経理担当者に問い合わせたが、連絡がつかなくなったという。建設業の許可を取得する手続きも元経理担当者が担っていたとしている。社長は「支払いが滞っている下請け業者には申し訳ない」と述べた。
  一方、元経理担当者は産経新聞の取材に、横領の事実はなく、「一六八社の経営状況は厳しかった。万博の建設工事とは別の工事の支払いなどに使われただけで不正はない」と反論。建設業の許可についても「取るつもりだったが、手続きに不備が生じた」と説明する。

  社長は7月、元経理担当者が約1億2千万円を着服したとして、業務上横領罪の告訴状を府警に提出。下請け業者も元経理担当者を提訴した。
  下請け業者は5月末、「被害者の会」を設立。万博を巡っては、米国や中国など複数の海外館で、受発注業者間の工事費未払いが発生しており、同会は大阪府や万博を運営する日本国際博覧会協会(万博協会)に未払い分の立て替えなど救済措置を求めた。
  同会は「『国の事業だから少なくとも支払いの問題はない』という信頼のもとに、過酷な環境で働いてきた」と主張。未払いによる下請け企業の連鎖倒産の恐れもあると窮状を訴える。
  府は7月、建設業法に違反し無許可で営業をしていたとして、一六八社の30日間の営業停止処分を決定同会の要望については事業者間の仲裁などを行う府建設工事紛争審査会や、公的金融機関の融資制度などを活用するよう提案している。


2025.08.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250806-7LV47DDOR5JWZNW73JQZSHQOGU/
「ほぼゼロ回答、まるで人ごと」 万博協会の対応に弁護士激怒 海外館未払いトラブル巡り

  大阪・関西万博の海外パビリオンで建設費の未払いトラブルが相次いでいる問題で、日本国際博覧会協会に質問書を送っていた大阪市のNPO法人「労働と人権サポートセンター・大阪」は5日に記者会見し、アンゴラパビリオンの作業実態の把握などに関する協会の回答書を公表した代表理事の在間秀和弁護士(大阪弁護士会)は、ほぼ「ゼロ回答」だったとして「問題を人ごととしかとらえていない」と憤りをあらわにした。

  協会の「人権方針」は万博事業で人権を損なう影響を引き起こした場合、救済や是正に取り組むと明記している。この方針に基づき、建設費未払いトラブルを巡る協会の責任を追及しようと、同法人と、未払い被害を受けたと主張する下請け会社が7月中旬以降、2回にわたり協会に公開質問書を提出していた。
  協会からは7月22日付と8月4日付で回答があり、4日には協会国際局幹部とも協議した。
  未払い被害を受けている事業者の救済を検討したかとの質問に対し、協会は回答書で情報収集や相談窓口の紹介を行っているとする一方、元請けと下請けの間の未払いについては「契約当事者ではない協会が立て替え払いをすることはない」と記した。
  また協会が建設を代行し外装や内装の工事を参加国が担う「タイプX」に当たるアンゴラ館の工事について、協会は「当時、法令違反があると認めるに足りる事情は特に認識されていない」とした。
  在間弁護士は協会の対応について「立派な方針を掲げていながら、その内容を理解しようとしていない」と批判。万博の黒字化が達成される可能性を念頭に「協会が立て替え払いの議論の外にいるとは思えない。引き続き追及していく」と話した。


2025.07.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250727-WUP6HRABFVJKNAJJDSF4QZMMJI/
万博予約「深夜の争奪戦」やや一服?  3日前空き枠先着、アクセス改善し不正も排除

  大阪・関西万博のパビリオンを予約する公式サイトで、来場3日前の午前0時に始まる「空き枠先着予約」を巡る混雑が解消されつつあるアクセスの殺到で深夜に数万人が待機する状況だったが、システム強化や不正行為の排除などで改善が進んだとみられる。ただ、空き枠自体はわずかで、万博に連日通うリピーターは「まだ予約はしにくい」とも。会期末に向け人出の増加も見込まれ、再び「争奪戦」が加熱する可能性はある。

  日本国際博覧会協会(万博協会)のパビリオン予約システムには、国内館の大半や海外館の一部など30館余りが参加。来場2カ月前と7日前に一定の抽選枠を設けている。協会によると、2カ月前抽選の当選枠は300未満や1千未満で、7日前の枠も多くは300未満。協会は当選率を2カ月前で平均8割程度、7日前で平均5割程度と公表するが、抽選に何度も挑戦するリピーターは「人気パビリオンは10回以上の抽選で1回当たるのがやっと」と明かす。
  来場3日前の午前0時からは、2回の抽選で当選が出なかった空き枠を先着で予約できる機会もあるが、限られた枠を目指しサイトにはアクセスが殺到。「順番にご案内しております」の表示とともに、アクセス待機者が数万人にのぼる事態が連日続いた。大阪府の吉村洋文知事も5月末、報道陣の取材に「(システムの)容量が足りないとの声がある。協会にシステムの強化をお願いしている」と述べていた。
  ただ、最近は混雑も解消の傾向がみられる。実際、3日前先着が始まる直前の今月24、25両日の午後11時50分過ぎにアクセスを試みると、ほぼ待機することなくアクセスできた。協会の広報担当者は「常にシステムの改善は図っている」とのみ答え詳細の説明を避けるが、容量の増強なども図ったもようだ。
  また、3日前先着を巡っては、午前0時よりも前にルールを逸脱した手法でアクセスするケースがあり、他の人が予約を取れない問題も浮上。協会は今月10日、「不正行為」を検知すればサイトから強制排除する仕組みを導入したと公表した。不正行為の詳細について、協会は「セキュリティーの観点から答えられない」とするが、3日前先着を巡る不正に対処したとみられる。
  混雑の解消傾向について、万博に通期パスを使って通う大阪市内の40代女性は「最近は猛暑で来場者が少し減っていることも要因では」とし、来場者が増える会期末に再び混雑する可能性もあるとみる。一方で、女性は「連日深夜の3日前先着に参加すると、寝不足で体がもたない」とも嘆く協会は深夜の先着開始について「変更の予定はない」としている。


2025.07.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250724-2VXMWZ5CTJJ3XGUQGACMQTWBKE/
<独自>ゼレンスキー大統領夫人が万博出席 首相も同行、国際社会にウクライナ支持訴え
(黒川信雄)

  ロシアによる侵略を受けるウクライナが、開催中の大阪・関西万博で8月5日に予定される同国の「ナショナルデー」の式典に、ゼレンスキー大統領の妻、オレナ夫人を出席させる方針を固めたことが24日、分かった。7月に就任したばかりのスビリデンコ首相も同行する。複数の同国政府関係者らが明かした。当初はゼレンスキー大統領の訪日が検討されたが、ロシアによる攻撃が激化している状況などを踏まえて見送られた

  オレナ氏はファーストレディーとして、ウクライナの現状を国際社会に伝える活動を活発に展開している。スビリデンコ氏は第1副首相兼経済相時代に、難航した米国との資源協定の交渉で中心的な役割を果たし、まとめあげた実績がある。
  両氏は人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)の万博会場での式典のほか、8月4日に東京都内で開催されるウクライナ支援についての経済フォーラムにも出席する予定。ロシアによる侵略が始まってから3年以上が経過する中、万博での訪日をきっかけに国際社会に対して平和の重要性や支援の継続を訴える構えだ。
  万博でウクライナは、戦時下の人々の生活の現状をIT技術で知ることができるパビリオンを、日本政府の全面的な支援で出展している。一方のロシアはパビリオンを出展していない
(黒川信雄)


2025.07.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250716-FNBXYWEIRRLMRPSA7RTHJITH24/
訪日客2000万人を最速で突破 2025年上半期、6月は過去最多の337万人

  政府16日、2025年上半期に日本を訪れた外国人客が前年同期比21・0%増の推計2151万8100人で、年2千万人を最速で突破したと発表した。6月は前年同月比7・6%増の337万7800人で、6月としては過去最多。4~6月に訪日客が宿泊や買い物などに消費した額(1次速報)は前年同期比18・0%増の2兆5250億円だった。

  年間3687万148人で過去最多だった24年の上半期は1778万2422人で、2千万人を超えたのは7月だった。


2025.07.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250715-IVE67KUHNZIKREO7DBDJGR43ZA/
万博で一転、拉致問題のパネル展を開催へ 「政治性の排除」覆した執念
(山本考志)

  大阪・夢洲(ゆめしま)の大阪・関西万博会場8月11、12日、北朝鮮による拉致問題の実態を伝えるパネル展が開かれる。ただ、その実現には紆余曲折(うよきょくせつ)があった。1月、大阪府・市議会が会場で啓発ブースを設置することを求めたものの、政府は万博から政治性を排除したいとの考えから見送り。その後、万博でウクライナ支援を念頭に置いたイベントが行われたことなどが追い風となり、一転、開催が決まった

  拉致問題の展示は、地元自治体である大阪府内の超党派の地方議員有志でつくる「大阪拉致議連」が発案。拉致問題を「一刻の猶予も許されない重大な人権問題」と捉え、政府が出展するパビリオン「日本館」に啓発ブースの常設を求める意見書をまとめて、昨年9月に大阪市議会、同11月に府議会で可決された。
  府議時代に議連会長を務めた西田薫衆院議員は今年1月、政府に万博での啓発を求める質問主意書を提出。しかし、政府は2月、啓発の取り組みを進める考えを示しながらも万博での展示の「具体的な予定はない」と答弁。西田氏は「政府内では万博会場で政治的なメッセージを発信することに難色を示す意見があった」と振り返る。
  潮目が変わったのは4月だ。英国パビリオンがロシアによる侵攻を受けるウクライナの社会情勢などについて議論するイベントを開催。
  さらに、衆議院の拉致問題特別委員会での英国の取り組みの紹介など政府関係者への粘り強い働きかけがあった。この執念が実を結び、ついに今回のパネル展へとつながった。
  西田氏は「国内の教育現場や行政機関では拉致問題を政治的な問題として啓発を避けようとする空気がある。万博でのパネル展が国外への発信に加えて国内での取り組みを後押しし拉致被害者家族の希望の光になれば」と期待を寄せている。
  「人生を奪われた拉致被害者~北朝鮮による日本人拉致問題パネル展~」は万博会場のギャラリーEASTで開催。
  8月11日(月・祝)は正午から午後9時まで、12日(火)は午前9時から午後6時まで。
(山本考志)


2025.0713-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250713-WOCL4NVSW5KQDMSGLFNNPDAZ3Q/
ブルーインパルスまもなく出発、準備整う 大きな天気の乱れなし、午後3時に万博会場へ

  航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が12日に続いて、13日も大阪・関西万博会場(大阪市此花区)上空で展示飛行を行う積乱雲の急発達など気象条件の悪化や、ドクターヘリを伴う救急事案の発生などによってはルート・演目の変更や中止もあり得るが、13日正午時点で大きな天気の乱れはなく、前日同様の内容となる可能性が高い

  展示飛行を前にパイロットらは正午すぎ、関西国際空港内の一室でミーティングを開き、飛行ルートやデモンストレーションの内容を確認した。
  計画では午後2時40分ごろに関西国際空港を出発し、通天閣や大阪城、1970年大阪万博のシンボル「太陽の塔」、ひらかたパーク上空を通過し、午後3時ごろから約15分間、万博会場で展示飛行を行う。
  12日の飛行では、2機で大きなハートを描く「ビッグハート」や、6つの円で桜の花を描く「さくら」、5機が扇状に広がり上昇する「サンライズ」のほか、デルタ360▽720度ターン▽チェンジ・オーバー・ターン-の計6演目が行われた。
  気象庁によると、13日の大阪府内は晴れ時々曇りの予報だが、昼過ぎから所により雷を伴った激しい雨が降る恐れがあり、注意を呼びかけている。


2025.07.12-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250712-QACINXVZIBIT3J5Q26CPZ2I7HQ/
「応援していただいた」「幸せ」ブルーインパルス隊員が喜びと感謝 13日も万博上空へ

  12日の展示飛行を終えた航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」のパイロットたちが12日午後、報道陣の取材に応じ、「本当に良い環境で飛ぶことができた」と喜びと感謝の言葉を述べた。

  チームは午後2時40分ごろに関西国際空港を離陸し、3時ごろから万博会場上空で当初予定していた6種類の演目を全て披露し、3時20分ごろ同空港に戻った。
  飛行隊長の江尻卓2等空佐(42)は「天気も非常に良く、視界も良かったので、応援していただいているのが分かるぐらいだった」と振り返った。
  開幕日の4月13日は悪天候で飛行中止となり、再チャレンジとなった今回のフライトについて「(前回は)悔しかったし申し訳ない気持ちでいっぱいだったが、その気持ちを晴らすかのように本当にいい環境でできた」と感謝を述べた。
  飛行したパイロットの一人で、大阪府吹田市出身の松浦翔矢1等空尉(30)は「『見たかった』という声に応えられて本当に良かった」と話し、「上空から地元を見ることはあまりなかったので、貴重な機会を与えていただき幸せだった」と笑顔を浮かべた。
  展示飛行は天候など条件が整えば13日も実施される予定午後2時40分ごろ関西国際空港を出発し、通天閣や大阪城、1970年大阪万博のシンボル「太陽の塔」などの上空を飛行した後、万博会場上空で3時から15分ほど展示飛行を行う。


2025.07.12-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250712-KAOYC4ZAHVNQNKNABQAGHH4ZGM/
万博の空で舞うブルーインパルス 華麗な飛行技術に「すごい」と歓声や拍手
(藤谷茂樹)

  大阪・関西万博の会場(大阪市此花区)の上空で航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」12日午後3時ごろ、展示飛行の再挑戦を果たした。煙幕で美しい飛行軌跡が描かれていくと、空を見上げた万博来場者たちは「すごい」と歓声を上げ、華麗な飛行技術を披露したパイロットたちに盛大な拍手を送っていた

  開幕日の4月13日に予定されていた展示飛行は悪天候のため中止になっていた。それだけに開始前から期待は高く、大屋根リング上は混雑防止のため、立ち入り制限がかけられた。
  展示飛行開始の3時間前からリングに上り、カメラを準備していた大阪市大正区の会社員、坂本浩務さん(51)は「ジェットエンジン音は1回聞くと、もう1度聞きたくなる迫力。連写でいい写真をねらっていきたい」と語った。
  午後3時ごろ、南の空から機体が現れると大きな歓声。煙幕を出しながら、会場をぐるりと1周。2機の機体でハート形を描いたり、ダイヤモンド形に並んだ編隊飛行など次々と見せていた。
  すばらしい展示飛行に機体に向かい手を振ったり、拍手を送ったりする来場者も多く、最後は5機の機体が煙幕を扇形に広げて締めくくった。
  家族で万博に訪れていた川崎市中原区の小学6年、尾嶋広偉(ひろより)くん(11)は「万博に来る楽しみの1つだった。すごい迫力だった」と笑顔をみせた。
  フランスパビリオンの入場待ちの列に並んでいる間に観賞できた大阪府岸和田市の会社員、菅秀美さん(25)は「機体をひねりながら飛ぶ姿はかっこよかった。タイミングよく見れてよかった」と喜んだ。
  大屋根リングの立ち入り規制直前に上れたという堺市北区の会社員の男性(32)は「ブルーインパルスがテレビの向こうの世界ではなく、本物と実感できた。航空自衛隊の存在が身近に感じられた。素晴らしい飛行技術に誇らしい思い」と話していた。
(藤谷茂樹)


2025.07.12-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250712-4Y7ULVGLB5JK3N5EOUD3AVPERA/
まもなく万博の空へ ブルーインパルス、午後2時40分の出発に向け関空で最終調整

  航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」12日正午ごろ、大阪・関西万博での展示飛行を前にミーティングを開き、飛行ルートやデモンストレーションの内容を確認した。

  1970(昭和45)年大阪万博でも飛行したブルーインパルスが大阪府内でデモンストレーションを披露するのは平成2年の「国際花と緑の博覧会(花の万博)」以来35年ぶり。
  関西国際空港内の一室で開かれたミーティングでパイロットたちは、声と手の動作でスモーク噴射のタイミングを確認するなどして準備を進めていた。
  発表では、両日とも午後2時40分ごろ関西国際空港を出発し、通天閣や大阪城、1970年大阪万博のシンボル「太陽の塔」などの上空を飛行。その後、万博会場上空では3時から15分ほど展示飛行を行う。
  日本国際博覧会協会や大阪府市は、会場の夢洲(ゆめしま)や隣接する舞洲(まいしま)で混雑が予想されるため、万博来場者や舞洲の施設利用者以外の来訪を控えるよう呼びかけている。


2025.07.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250710-RK3QSHTPQZOOVBQJU3MYHD3N7M/
万博の水上ショー、11日からの再開発表 新たにポンプ8台設置など対策、安全確保

  大阪・関西万博を運営する日本国際博覧会協会10日、レジオネラ属菌の検出を受けて中止が続いていた水上ショーを11日に再開すると発表した。会場となる「ウォータープラザ」に海水の循環をよくするためのポンプを新たに設置するなどして、安全が確保されたと判断した。

  再開に向けた対策として、外海の海水との循環用にポンプ8台を新たに設置。ウォータープラザ内の海水に定期的に塩素を投入し、消毒する。原則毎日実施する検査で指針値を上回る値が検出されれば、再び中止する。
  水上ショーを巡っては、ウォータープラザで指針値の最大20倍に当たるレジオネラ属菌が検出されたことから、6月4日から中止されていた。協会はその後、詳細な検査を実施した結果、菌が指針値を下回ったと発表していた。
(黒川信雄)


2025.06/26-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250626-HHAF5V6BERITTEDVNZCRLFSQ4E/
万博工事代金未払い問題 大阪府が業者に勧告 無許可業者は7月中にも営業停止など処分
(山本考志)

  大阪・関西万博のアンゴラパビリオンを巡り、受注業者間で工事代金の未払いが起きている問題で、大阪府は26日、未払いの事実が確認できたとして、元請け業者や代金の一部を支払っていない下請け業者に対し、問題の実態把握や早期解決に向けた措置を講ずるよう、建設業法に基づく勧告を行ったと発表した。

  また、府は未払いを起こした下請け業者1社が建設業法上の無許可営業の疑いがあると判断し、同日、弁明の機会を与える通知書を発出。無許可営業の事実が確定すれば7月中にも営業停止などの行政処分を科す。工事代金が支払われていない業者に対しては、国などとともに資金繰りなどの相談に対応する。
  吉村洋文知事は26日、記者団の取材に「民間同士の契約になるので府が税金で(未払い代金を)建て替えるのは難しいが寄り添った対応をしたい」とし、未払いを起こしている業者には「真摯(しんし)に対応してほしい」と述べた。
  万博の工事を巡ってはこれまでアンゴラや中国、マルタなどのパビリオンで下請け業者に対する工事代金の未払いが発覚。一部の下請け業者らが「万博工事未払い問題被害者の会」を発足し府や日本国際博覧会協会などに救済を求めている
(山本考志)


2025.06.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250624-7WHGIU6M6JKNVHV2MSSOLDAEAI/
万博リング「人が上れる形」で一部保存 再利用向け部材提供費用は最大24億5000万円

  大阪・関西万博の会場シンボルである大屋根リングを巡り日本国際博覧会協会は23日、関係機関との会議を開き、閉幕後に人が上れる形で活用するための手続きを進めることで合意した。大阪府市は開発事業者を募集し、北東約200メートル分の活用を推進。代替案として南西約350メートル分についても管理主体や費用、財源を検討する。

  協会は同日、国や大阪府市、経済団体と会議を開き、活用のあり方について合意。その後の理事会で報告した。
  府市は建築基準法に基づく準用工作物の「物見塔」(展望台)として活用することを提案。防火対策が不要で改修コストが抑えられるというが、リングの下部を店舗などに利用することはできない。防火対策が必要になる「建築物」としての活用も検討する。
  府市は今後、北東約200メートル分を活用する開発計画を事業者から募集するが、実現しなかった場合に備え、南西約350メートルの保存も検討。今年8月末までに管理主体と費用、財源のめどを関係者会議の実務者間で合意し、9月末~10月上旬の次回理事会で決める。
  一方、理事会では、保存とは別にリングを解体し、ベンチなどの再利用部材として提供する費用として最大約24億5千万円を支出することを決めた。このうち約17億円分は会場建設費約2350億円の予備費で賄う可能性がある。
  23日の理事会後に記者会見を開いた十倉雅和会長は「万博を象徴する建築を目に見える形で残す方向で議論を続ける。未来に向けてこの万博が多くの人の記憶に残り語り継がれることにつなげたい」と話した。


2025.06.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250615-3XLJLFOZWBLDNGDGX3QQ44MGJM/
万博で空前のホテル高騰の関西、1泊4990円からの裏技「ふね泊」が登場「特別感ある」
(堀口明里)

  2025年大阪・関西万博が開催されている大阪府には国内外から多くの観光客が訪れ、ホテルなどの宿泊料金の相場が高騰している。週末や連休にはビジネスホテルでも1泊1人2万円程度まで跳ね上がっており、予約も取りづらい状況の中、より手頃な価格で宿泊できるよう、フェリーを活用した宿泊プランも登場している。

  神戸から高松間でフェリーを運航する「ジャンボフェリー」(神戸市)では、万博開催などによる宿泊費の高騰から、今年2月、船を宿替わりに利用できる「ふね泊」のプランを始めた。プランは午後7時台に神戸港を出発後、高松港を経由して往復し、翌午前5時に神戸港に到着する。事前に申し込めば、最長で午前7時まで船に滞在でき、実質神戸市内に宿泊したのと同じになる。
   通常運行しているフェリーのロフト個室などを活用したことで、価格は1泊1人4990~9990円と安価に抑えた。フェリー内には軽食をとれるカフェ、浴場、足湯、お土産ショップも完備されている。軽食はフェリーが運航されている瀬戸内海の名産品にちなんだものが数種類用意されている。
  夫婦で「ふね泊」を利用した兵庫県西脇市の会社員、倉橋聡美さん(23)は「費用を抑えられるところが魅力に感じた。フェリーに泊まれる特別感もある」と話した。
  大阪府内の宿泊価格の高騰は、夏休みを迎える7月に向けてピークを迎えるという見立てもある。ホテルの企画・開発などを支援する「カソク」(東京都新宿区)が、万博開催に伴い今年4月に大阪市内の本町・堺筋本町エリアの一部ホテルに実施した調査によると、客室単価は平均で16107円(前年同期比163・1%)となった。また、稼働率も昨年同期比から5ポイント増加の約97%に上ったという。同社は5、6月にも稼働率は高い水準で推移するとみており、夏休みを迎える7月には価格や稼働率はピークを迎えるとしている。
  大手ビジネスホテル「アパホテル」によると、5月の大阪府内の直営全店の平均客室単価は約1万4千円と前年同期と比べて約50%上昇。稼働率は4、5月で100%で、万博開催による需要の高まりが見て取れる。
(堀口明里)


2025.05.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250525-OLVAZ7HVVBPDDBKRHMZVFS2MMQ/
ガラガラの万博定期船、割高感否めず苦戦 桟橋利用料が「押上げ要因」の声も…対策模索
(秋山紀浩)

  大阪・関西万博の会場・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)周辺を結ぶ船便が苦戦している。水都・大阪の魅力発信も兼ね、最新技術の船舶を導入するなど準備を進めてきたが、定期便の乗客が定員の10分の1に満たないケースも見られる船便は万博会場への交通手段の一つとして期待されながら、マイカーとバスを乗り継ぐ「パーク・アンド・ライド(P&R)」と同様、割高な運賃が課題として浮かぶ

  5月下旬の昼過ぎ、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)近くの船着き場「ユニバーサルシティポート」(大阪市此花区)から出発した定期便。最大定員150人に対し、乗客は10人に満たない。船はストレスなく約30分で夢洲の桟橋に到着したが、男性客は「USJから移動するならいいが、値段がネックだな…」とぼやいた。
  客足が伸び悩んでいる原因の一つに「割高な運賃」を挙げる声は多い。大阪市内の2カ所と堺旧港(堺市堺区)、淡路島(兵庫県淡路市)を結ぶ定期便は片道一般で2800~3800円。混雑や渋滞を避けられるとはいえ、会場に直結する大阪メトロ中央線の運賃などと比べると高額だ。
  万博会場への船便は、水都ならではのアクセス手段として準備が進められ、開幕直前に夢洲北岸の東西2カ所に桟橋を設置。阪急十三駅近くの淀川には今年3月、新たに船着き場も整備された。しかし、採算性や条件に合致する船舶の運航が困難などの理由から定期便は3路線にとどまり、淀川の新たな船着き場にも定期便の姿はない。
  ある船便の事業者は、発着場所となる夢洲の桟橋利用料が「運賃を押し上げている要因の一つ」と指摘。日本国際博覧会協会(万博協会)の担当者は「大阪港周辺の料金を踏まえ、管理費などを考慮している」と説明するが、駐車場の利用が1~3割程度と低迷するP&R(最大7500円)と同じく割高感は否めない。
  万博に合わせ、岩谷産業は二酸化炭素(CO2)を排出しない水素燃料電池船「まほろば」を投入するなど、運航各社はPRを図るが、想定ほどの誘客に至っていないのが実情だ。このまま会期末を迎えるわけにはいかないと、次なる対策を打つべく模索する。
  大阪市内や堺旧港との間で定期便を運航する「ユニバーサルクルーズ」の担当者は「朝の便は比較的利用者が多いが、午後や夕方が少ない」と分析。現在の最終便は午後8時半発だが、「(午後9時ごろ開始の)ドローンショーを見終わってから乗船できる便がない状況を何とかしたい」と述べ、出航時間の変更も検討するとした。
(秋山紀浩)


2025.05.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250525-LRPS46VVARJILFINI4XDXEPSCA/
万博の夜間退場巡り、海外勢が怒りの抗議 BIEの閉場時間延長案に飛びつけぬ運営事情
(山本考志、山口暢彦、黒川信雄)

  2025年大阪・関西万博来場者数底上げに向け、日本国際博覧会協会などが夜間の集客を強化している。23日の一般来場者数は開幕後最多の13万9千人(速報値)に上ったものの、会期中の2820万人達成にはさらなる誘客促進が必要閉場時間の延長はハードルが高く、夜ならではの魅力をいかに発信するかが鍵を握りそうだ

夕方の入場時間繰り上げ
  17日、人工島・夢洲(ゆめしま)の万博会場で博覧会国際事務局(BIE)のケルケンツェス事務局長と大阪府の吉村洋文知事らが会談した。「夜の万博」のPRが話題に上り、BIE側は午後10時の閉場時間を1時間延長することなどを提案した。
  問題意識は協会などの運営側も共有している。現在、入場予約はおおむね2週間先まで開場直後の午前9~10時台に集中し、空きがない。一方で正午以降の枠は比較的余裕があり、夜間は短時間で入場できる予約不要のパビリオンも増える。
  協会が想定する会期中2820万人の来場には1日平均で約15万3千人が必要だが、現時点では届いていない。底上げを狙い、5月7日から夜間券(大人3700円)の入場者を対象にキャンペーンを始め、夕方の入場可能時間を午後5時から同4時に繰り上げた
水と光の演出
  23日夜は、ソーセージやビールを味わえるドイツ館などに列ができた。噴水と光の演出を組み合わせた水上ショーが開かれたほか、色とりどりに輝く約千基のドローンが上空で幾何学模様などを描き、多くの来場者が大屋根リングの上で撮影を楽しんだ。午後から家族と訪れた大阪府豊中市の女性(40)は「夜はパビリオンがライトアップされ、昼とは違う光景を楽しめた。日差しがなく人気のパビリオンにも並びやすい」と話した。
  ただ課題もある。ドローンショーが午後9時すぎに終わると、来場者らは一斉に退場し、東ゲートに近い大阪メトロ中央線夢洲駅が混雑する。
  関係者によると、大型連休中の5月4日夜も退場者が東ゲートに集中した。協会はスタッフを含めて人流を制御するため、関係者ゲートを閉鎖したが、帰宅に時間がかかった海外パビリオンの関係者が反発。協会はBIEを通じて抗議を受け、翌日から関係者ゲートの閉鎖を取りやめた。
  閉場時間の延長について、協会幹部は退場者の分散につながるとする一方、運営費の増加や帰宅時の交通手段がなくなることを課題に挙げる。
「夜ならではの魅力発信を」
  そこで吉村氏は、飲食店や土産物店が閉場直前の午後9時50分ごろまで営業時間を延長することを提案。ドローンショー終了後の退場者の分散にもつながるとし、「夜の万博には昼にはないポテンシャル(潜在力)がある」とアピールする。
  ただ日本では、欧米や東南アジアなどのように日頃から夜遅くまで催事を楽しんだり、ナイトマーケットで食事したりする文化に対するなじみが薄い。会場内の飲食店関係者は「午後9時台の売り上げがどれだけ見込めるか。従業員の労務管理を考えると頭が痛い」と話した。
  大阪公立大の橋爪紳也特別教授は「夜の来場者を増やすには、夜ならではの魅力を生かし、会場でなければ味わえない体験を提供する工夫が必要だ」と指摘する。「皆が一体となって盛り上がるイベント」の例として、参加型のダンスフェスティバルを挙げた。
  また「日本もお祭りの日の夜はにぎわう」として、万博会場の広場などでちょうちんを飾り付けたり夜店を出したりするなど「(昔ながらの)日本的な祝祭の雰囲気を演出すれば海外を含む来場者に楽しんでもらえるのではないか」と語った。
ドバイの先例、暑さ対策も
  夏場を控えた万博会場で、日中に比べて涼しくなる夜間の集客を促進することは暑さ対策としても有効だ。BIE側が閉場時間の1時間延長を提案した背景には、2021~22年に中東のアラブ首長国連邦(UAE)で開かれたドバイ万博で、夜間に来場者が集中した経験があるとみられる。ドバイ万博の運営当局は当初午後10時だった閉場時間を開幕後に1時間延長した。
  ドバイ万博開幕直後の21年10月初旬、日中の気温は40度を超え、パビリオン観覧のために屋外で長時間並ぶことは難しかった。そのため日中の来場者は少なく、夕方以降に家族連れなどが多く訪れた。
  こうした状況を踏まえ運営当局はより多くの来場者受け入れを狙い、午後10時の閉場時間を同11時まで延ばした。BIE側はこうした経緯を踏まえて大阪府市側に延長を提案したとみられるが、大阪・関西万博は会場へのアクセス手段が限られるなど、海外の万博とは条件が異なる。
既に熱中症で搬送者
  日本国際博覧会協会の公表資料によると、5月に入り、少なくとも7人が熱中症(疑い含む)で搬送されており、猛暑に備えて会場内外に送風機や休憩所、給水施設などが増設される。吉村洋文知事は「入場時やパビリオンでの待機時間が短くなる夜の万博会場を楽しんでもらうことは、暑さ対策にもつながる」と強調している。
(山本考志、山口暢彦、黒川信雄)


2025.05.20-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250520-C5SDMWVC2FNJZJPNGEDI27HFQQ/
万博会場で虫が大量発生、ハエの一種「ユスリカ」 協会が殺虫剤などで対策
(黒川信雄)

  2025年大阪・関西万博の会場大量の虫が発生していると指摘されている問題を巡り、20日に記者会見した日本国際博覧会協会の高科淳副事務総長は、虫はハエの一種である「ユスリカ」との認識を示し、発生を抑えるために殺虫剤の散布など対策を講じていると明らかにした。

  高科氏は、ユスリカが会場南側で水上ショーなどが行われる「ウォータープラザ」の水辺を中心に、大屋根リング上や会場中心部の静けさの森、パビリオン周辺など「広範囲で確認されている」と説明した。
  協会として虫の羽化を防ぐ発泡剤を植栽帯にまいたり、施設内に入らないよう殺虫ライトの設置や殺虫剤の散布などを行ったりしていると明かした。専門業者と相談し、追加の対応も検討しているという。
  また、博覧会国際事務局(BIE)が、来場促進策として大阪府市に午後10時の閉場を1時間繰り下げる案を提案したことについて「警備員らの勤務が長時間になるほか、帰宅時の輸送手段を確保できるかといった問題がある。費用も増大する」と指摘。夜間に行われている営業施設などへの物資搬入にも影響が出るとし、「慎重に対応しなくてはならない」と述べた。
(黒川信雄)


2025.05.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250513-XTZMKMWKSZKM5EO47765CCQ5JE/
〈独自〉万博海外館で建設費2億円未払いか 突貫工事があだ、天井たわみや冷風機器故障も

  寒風が吹きすさぶ昨年の暮れ、開幕まで半年を切った2025年大阪・関西万博の会場となる人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)の一角で、職人らが急遽(きゅうきょ)、建設部材の溶接作業に追われていた。・・・現場を仕切るのは大阪の施工会社。欧州のある国のパビリオン建設を外資系イベント会社から請け負い、建物の骨組みを受け取ったが、寸法や形状に誤りがあったのだ。

  施工会社の男性社長は「はりが短い。設計通りに穴は開いていない。そんなミスが相次いで見つかった」と明かす。
  イベント会社から提供された灰色の部材に、独自で調達した赤色の部材を接合し、寸法を合わせる。そんな計画外の対応に月日を費やす羽目になり、「ただでさえ時間がない中、工程がどんどん後ろ倒しになった」(男性社長)という。
  このパビリオンの建設は、イベント開催で豊富な経験がある外資系イベント会社が受注し、男性社長の会社が下請けで参入。発注は細分化され、男性社長の会社から複数の国内業者に工事が依頼された。
  敷地面積は約300坪で鉄骨2階建て。万博開幕3日前にようやく竣工(しゅんこう)したものの、外観や設備の急な仕様変更が重なったため、重機のレンタル料や人件費といった追加費用が膨れ上がり、支出は契約金額を上回った。男性社長が続ける。
  「昨年8月に4億円余りで契約を結び、着工は10月。トータルの費用は8億円を超え、このうち約2億円が未払い。費用に関する資料はそろっているが、イベント会社が支払いに応じない」
徐々にひずみ明らかに
  万博開幕から13日で1カ月。パビリオン建設のひずみが明らかになりつつある。ネパール館では建設費未払いで工事が中断し、開館のめどが立っていないことが4月下旬に判明。別の国の建設を請け負った関西の業者も約1億円の支払いを同じ外資系イベント会社に求めている
  トラブル原因の一つとなった建設の遅れは、2年ほど前から懸念されていた
  新型コロナウイルス禍によって前回ドバイ万博が1年遅れの21年開催となった影響を受ける形で大阪・関西万博への各国準備が先延ばしに。23年春の時点で「多くの国が図面すら用意できていない状況だった」(ゼネコン関係者)という。
  万博を運営する日本国際博覧会協会は、日本側が建てたパビリオンへの「入居」を出展国に促したが、画一的な仕様などを理由に広がらず、限られた工期の中で独自パビリオンの建設が進んだ
  産経新聞は外資系イベント会社に取材を申し込んだが「遠慮している」と回答。約2億円の未払い金を請求している大阪の施工会社の男性社長は「場合によっては万博会期中に訴訟を起こす」と明かしている。
竣工が開幕直前に
  産経新聞が建設費の未払いトラブルを確認したのは「万博の華」と呼ばれ、出展国側が独自のデザインや工法で建設する「タイプA」の海外パビリオン。共同館を含めて47カ国が42棟を展開するが、竣工が開幕直前というケースが目立つ
  開幕を約3週間後に控えた3月21日時点で、開館が可能な「使用許可」を日本国際博覧会協会から取得していたのは42棟のうちわずか2棟。開館前に不具合が判明しながら、是正がなおざりにされたケースもあった。突貫で完成させたこれら海外パビリオンが、本当に安全といえるのか。
事前に「過電圧」の恐れ指摘
  ある国のパビリオン工事に携わった施工会社の男性によると、開幕まもない4月下旬、館内へ冷風を送る機器のモーター3台のうち2台が故障。許容以上の電圧がかかる「過電圧」が原因とみられるが、モーターが壊れる可能性は工事段階ですでに指摘されていた
  男性は「3台すべてが故障すれば熱中症のリスクが高まる。電気の容量を増やすべきだと元請け側に提案したが聞き入れられなかった」と訴える。また、植栽に水を与える装置が使えなかったり、屋上に雨水がたまったりと、小さな不具合を挙げれば「きりがない」という。
  別の海外パビリオンの建設に「孫請け」として関わったある業者は、開館後の天井の状態を懸念している。「外国人の職人らが忠告を聞かず、建設作業中に骨組みを踏んで重力をかけ、天井にたわみが生じた。補修はされたが、その後も職人らは骨組みを踏み続けており、元請け側には安全が約束できないと伝えた」と明かした。
国・万博協会は当事者意識で尽力を
  海外パビリオンの建設を巡る未払いトラブルの影響は、ピラミッド状に成り立つ受発注構造の末端にも及ぶ取引先への支払いが滞ったり、借入先から返済を迫られたりして、経営が危機にひんする国内業者の存在も確認された
  国や日本国際博覧会協会などの主催者側は、これらの契約に直接関与する立場ではないが、多くの国内業者は開幕が迫る中で突貫工事を受け入れ、パビリオンを完成させた。もしも万博への参入があだとなり、企業生命が絶たれることになれば、次の「国家イベント」開催の際に建設業者が損失を懸念し、参入に二の足を踏むことになりかねない。こうした事態を避けるためにも、国や協会は当事者意識を持ち、トラブルの解決に尽力すべきだ

  開幕から1カ月となる大阪・関西万博。開幕前に浮き彫りとなった課題はいまだ積み残されたままだ。残り5カ月で克服できるかを検証する。


2025.05.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250506-ZBAX7TUUTBP27D6NDML7RUCJU4/
<独自>万博のVIP来場「予測の3割」 案内役に勤務機会なし、夏の参院選も影響か

  開催中の大阪・関西万博で、会場を訪れる国内外の賓客(VIP)が運営側の予測を大幅に下回り、案内役として雇用されているアテンダントの大半がほぼ勤務日がない状況となっていることが6日、関係者への取材で分かった。アテンダントの事業会社は「VIP来場は予測の3割に満たない状態」としている。

「契約違反」の声も
  アテンダント業務は、万博を運営する日本国際博覧会協会から委託を受けた日本コンベンションサービス(東京)が担当。同社は2005年の愛知万博でも施設運営を手掛けた実績がある。
  関係者によると、アテンダントは万博会期中のアルバイト契約で、場内の迎賓館や日本館を拠点にパビリオンやイベントの視察などに同行する。
  同社は協会からVIPの来場予定の情報提供を受け、勤務シフトを組んでいる。万博関連の仕事の時給は一般の仕事よりも高水準となっていることもあり、1週間に5日など〝フル稼働〟を希望する契約者が多い。
  だが、会場を訪れるVIPが少なく、アテンダントの稼働がない状況が続いているVIP側が協会ルートではなく、関係先のパビリオンを直接訪問するケースもあるほか、国内の政治家に関しては、夏に参院選があるため、万博訪問よりも地元対策を優先しているとの見方も出ている
  万博開幕から3週間が経過したが、勤務回数が0または1という人が続出。アテンダントからは「契約違反ではないか」との声が出ている。協会はこの問題について「コメントを出すなどの準備をしている」とした。・・・協会はVIPについて、王族や閣僚といった地位により「S」~「D」に分類している
「生活に支障」丸投げの協会に批判
  万博を訪れるVIPの案内役の仕事がほぼないことについて、事業会社に雇用されているアテンダントからは「収入が得られず生活に支障が出ている」との声が出ている。万博会場で働くことを希望し、それまでの仕事を辞めて応募した人も少なくない。日本国際博覧会協会はこの問題について特段対応をしておらず、事業会社への〝丸投げ〟に批判が出ている
  「万博期間中の収入は生活費として相当あてにしていたのに、開幕以来1日しか勤務がなく非常に困っている」事業会社と契約している大阪府の女性は、苦しい胸の内をこう明かす
  女性はもともと、万博とは無関係のサービス業でアルバイト収入を得ていたが、時給2千円近くのアテンダントの仕事が決まったため、主な収入源を万博に移した。アテンダントの研修も受けて期待を膨らませていたが、仕事で万博会場に行ったのは開幕直前のユニホームの採寸と、VIPの案内が1度だけだ
今さら副業OKと言われても…
  今も万博会場で働く希望を持つが、事業会社からは「VIPの来場が増えるかどうか見通しが立たない。万博が盛り上がるかにもよる」などの説明を受けたという。女性は「10月の閉幕までこの状況が続くならどうしてくれるのか。協会は何の反応もしていないが、事業会社に丸投げは許されない」と憤る。
  さらに別のアテンダントは4月末まで一度も仕事がなかったといい、「これから急にVIP対応に入るよう言われも不安だ」とこぼす。別のスタッフは「事業会社から副業をしていいとの連絡がきたが、今さら条件の合う仕事なんてない」語気を強める
  一方、関係者によると、事業会社は4月下旬、スタッフに状況を説明。VIPの来場の少なさが問題の主要因との見解を示し、来場キャンセルで仕事がなくなった場合は「平均賃金の日額6割」を支払うことになったという。


2025.05.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250505-52TVVXKF7NLVBC4MTMQMNAUSLE/
マイカーで万博、想定外の低調 「車社会」の愛知博参考にパーク&ライド準備も〝誤算〟

  大阪・関西万博への主要交通手段の一つ「パーク・アンド・ライド(P&R)」の利用が低調だ。専用駐車場3カ所(最大計1万1千台超)にマイカーを止め、シャトルバスに乗り換える方式だが、日本国際博覧会協会(万博協会)によれば、4月中の駐車場利用率は週末で「3割程度」、平日だと「1割程度」。想定外の低迷に陥る背景には、車社会の愛知で20年前に開かれた万博を参考に需要を見積もったこともあるという。

  P&Rの専用駐車場は、万博会場の人工島・夢洲(ゆめしま)の隣にある舞洲(まいしま)に最大6千台超分、さらに堺市に2千台分、兵庫県尼崎市に3千台分を用意。いずれも事前予約制だが、万博協会のサイトが示す予約状況は、3カ所とも十分余裕のある「空きあり」の印が並ぶ。
  P&Rの利用率について、万博協会の幹部は「4月中は3カ所平均で土日祝が3割、平日は1割程度」と説明するが、連休中の5日も会場の混雑をよそに、舞洲の駐車場は空きスペースが目立った。現状について、万博協会の高科淳副事務総長は「想定より利用率は低い」と課題を認める。
  万博協会はピーク時に1日22万7千人が来場すると想定。このうち会場に直結する大阪メトロ中央線の利用を13万3千人(58・6%)、P&Rは3万5千人(15・5%)などと見込む。現状でも中央線に集中する傾向がみられ、P&Rの利用が落ち込んだままだと、今後のピーク時に混雑のしわ寄せが中央線に及ぶ恐れがある。
  また、P&Rの基本料金は舞洲が1台5500円、少し離れた堺と尼崎でも5千円。シャトルバス利用も料金に含まれるが、お盆や会期末といった繁忙期には料金が上乗せされ、遠方の来場予定者からは「高い」との声も聞こえる。ただ、混雑の緩い時期を選ぶなどすれば最大千円の割り引きも用意。さらに万博協会は大人2人、子供2人の家族の場合、関西圏でも神戸市や和歌山市より遠ければ「鉄道よりP&Rの方がお得」との試算も示してアピールする。
  万博協会は今回のP&Rについて、2005年愛知万博での車利用状況を参考に駐車場の確保などを進めたという。協会幹部は「車社会の愛知と違い、関西は公共交通機関の利用が思った以上に多い」と車需要の想定に〝誤算〟があったと認め、P&Rの周知不足もあったと言及「関西以外から大人数で訪れる場合は車の方が割安だ。今後は中部や北陸、中国地方など中距離圏のグループを中心にP&R利用を積極的に呼びかけたい」としている。


2025.05.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250501-VT2TSEVWXNPJLJETUGUJPLMBXU/
インドに続きブルネイ館もオープン 残すはネパールのみ

  大阪・関西万博ブルネイパビリオンが1日、オープンした。各国が共同で展示するコモンズ館内にあり、日本国際博覧会協会によると開館したのは午前11時。国土の70%が手つかずの熱帯雨林に覆われ、豊かな文化遺産が受け継がれる同国は「平和の郷」をテーマに出展。4月13日の開幕から18日遅れで来場者を受け入れる。一度も開館できていないパビリオンは、ネパールのみとなった。


2025.04.30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250429-GXB7SWMXDFLKVH4FOAIU5C5FYA/
万博シャトルバス壁に接触 自動運転車、停止後動き出す けが人なし

  大阪メトロ29日、大阪・関西万博の会場アクセス手段の一つ、パーク・アンド・ライド(P&R)の自動運転バスが、大阪市の人工島・舞洲の待機場で停車後に動き出し、コンクリートの壁に接触する事故が28日にあったと発表した。回送中でけが人はなかった。事故車両を含む5台の運行を一時見合わせている。

  大阪メトロによると、28日午後4時半ごろ、運転士がバスを止めて運転席を離れた後に動き出した。急いで戻ったが、間に合わなかった。システムに問題がなかったかどうか、原因を調べている。
  大阪メトロは当面、手動運転の車両で舞洲のP&R駐車場と人工島・夢洲の会場を結ぶ。P&Rの利用には事前予約が必要だが、事故による影響はないとしている。


2025.04.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250427-77BJH4QAFZJB3KUIO53Q433J6I/
万博の「空飛ぶクルマ」デモ飛行中に部品落下、当面の運航中止に、原因を調査

  2025年大阪・関西万博の目玉の一つとされる空飛ぶクルマについて日本国際博覧会協会(万博協会)27日、デモ飛行中に部品が落下して機体の一部が破損したため、安全性が確認されるまで飛行を中止する方針を明らかにした。運航する丸紅側が原因を調査している。

  同協会によると、トラブルが起きたのは米リフト・エアクラフト社製の「HEXA(ヘクサ)」。26日午後3時ごろ、人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)の会場の一角にある「モビリティエクスペリエンス」でのデモ飛行中に、機体の部品が落下。フレームの一部や18あるプロペラモーターの1つが破損した。デモ飛行は一般来場者が入ることのできないエリアで実施され、来場者や関係者にけがはなかった
  機体はほかに1機あるものの、安全が確認されるまで運航を停止するという。


2025.04.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250424-36QXPGT62VOL7MSLFWQLVMWF7Q/
4千人足止めの鉄道トラブル 大阪メトロと万博協会、代替輸送「検討せず」

  2025年大阪・関西万博の会場に向かう唯一の鉄道路線・大阪メトロ中央線で22日夜に発生した車両故障による運転見合わせを巡り大阪メトロと万博を運営する日本国際博覧会協会のいずれもが代替輸送を検討していなかったことが24日分かった。報道陣の取材に対応した協会の担当者が明らかにした。

  担当者によると、大阪メトロ中央線が不通となった場合、規模に応じてバスによる代替輸送を想定しているが、今回は復旧の見込みなどを総合的に判断し、代替輸送の検討は行わなかったとしている。
  大阪メトロは22日午後9時半ごろに大阪港駅(大阪市港区)で電車が故障したことを受け、約1時間にわたり全線で運転を見合わせた。協会は、遅延が発生してから約30分後に事態を把握。会場最寄りの夢洲(ゆめしま)駅(同市此花区)には一時、約4千人が滞留した。


2025.04.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250422-36SNZYCGSBI3DHGRTYNY22CJSQ/
万博会場で警備員が来場者に土下座か、SNSで映像広がる 協会「詳細は事実確認中」

  大阪市此花区の人工島・夢洲(ゆめしま)で開催中の2025年大阪・関西万博の会場入り口付近で、来場者とみられる人物の前に警備員がひざまずいて土下座をしている映像が民放テレビ局に報じられ、交流サイト(SNS)上で広がっていることを受け、万博を運営する日本国際博覧会協会は22日、事実関係の確認を進めていることを明らかにした。

  この日午前の報道陣の取材に対し、協会側の担当者は「SNSについては確認をしているが、詳細については事実確認中」とした。
  映像によると、現場は万博会場の西ゲート付近。ほかの来場者が行き交う中、ピンク色のバッグを抱えながら腕を組んで立つ人物の前で、制服を着用した警備員が土下座する様子が撮影されていた。


2025.04.21-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250421-6QFM5YWD5NPJFCCOABFPP7VJ74/
万博会場のメタンガス発生受けパビリオン出展国にガス測定器配布 「安全性高める」強調

  大阪・関西万博会場で地中の廃棄物から可燃性のメタンガスが発生している問題を受け、万博を運営する日本国際博覧会協会は21日、パビリオンを出展する海外政府や民間企業にガスの測定器を配布したことを明らかにした協会幹部は「安全性をさらに高めるため」と説明している。

  埋め立て地である万博会場の夢洲(ゆめしま)(大阪市)では昨年3月に爆発事故が起きたほか、今年4月に招待客らを入れた予行演習の際にも高濃度ガスが検知されるなどの事象が発生している。
  幹部は「協会として測定や(ガスがたまりやすい場所の)換気などをしっかりと行っているが、その上で各館に協力をお願いすることにした」と強調。測定器を配布したのは「最近」といい、測定結果は協会に報告してもらうことにしている


2025.04.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250419-SOPKPYNW6NMD7LHQWMOBRN6D7E/
万博警備の内部資料を開幕前に一時紛失 大阪府警の巡査部長が置き忘れ、連絡まで気付かず

  13日に開幕した2025年大阪・関西万博をめぐり、大阪府警警備1課に所属する巡査部長が開幕前に警備に関する内部資料を一時紛失していたことが19日、府警への取材で分かった。資料は全て回収し、流出などは確認されていないという。

  府警によると、巡査部長は開幕目前の今月10日午後、府立国際会議場(大阪市北区)に勤務時間中に立ち寄った際、資料を置き忘れたとみられる。同日、来場者が書類に気付き、施設に届け出た。12日に施設職員が府警に連絡し、紛失が発覚した。
  巡査部長は連絡を受けるまで書類の紛失に気付いていなかったという。府警は巡査部長の処分を検討する。
  府警は「文書の内容を踏まえ警戒警備に万全を期すべく対応した。文書の適切な管理が行われるよう再発防止に努める」とコメントした。
  万博は13日に開幕。前日の開会式には天皇、皇后両陛下が出席されたほか、石破茂首相らも出席した。


2025.04.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250417-C5GMLUVHPVP6JORFFQHBZD4O2Y/
万博の大屋根リング「ゆがんでいる」指摘に協会「高さ調整のため」と回答 安全性問題なし

  2025年大阪・関西万博のシンボルとなっている大屋根リングの一部がゆがんでいるとの指摘がSNS(交流サイト)で拡散されたことを受け、運営主体の日本国際博覧会協会は17日、記者団の取材に「高さ調整のため斜めに設置している部材がある」として、安全性に問題がないとの認識を示した。

  万博が開幕した13日、SNSでは多くの人が上っている大屋根リングのはりの画像が「ゆがんでるのかそういうデザインなのか」などとする文章とともに投稿され、「これは建築ミスですか?」「近いうちに事故が起きる」などといった反応が広がった
  協会によると、リングは108のユニットをつなぎ合わせて建設。埋め立て地である夢洲(ゆめしま)の地盤が沈下し、ユニットに高さの違いが生じた際に影響が出ないよう、接合部分のユニットでは、施工段階ではりを斜めに設置しているという。
  一方、協会には13日以降、天候が悪化した際にリング下のベンチなどに雨が吹き込むなど雨宿りできる場所がないとの指摘があったとし、「団体休憩所での雨の吹き込み対策の検討を進めていきたい」とした。


2025.04.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250417-OPFP6UETJBM3TJRJA5ZVQSF2XU/
万博でも注目集めるiPS細胞由来の心筋シート 「医師や科学者目指すきっかけになれば」

  京都大17日、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った神経のもとになる細胞を難病のパーキンソン病患者に移植する治験で、安全性と有効性を確認したと英科学誌ネイチャーで報告した。2025年大阪・関西万博でも大阪府市が出展する地元館「大阪ヘルスケアパビリオン」でiPS細胞を活用した再生医療の研究が進められていることが紹介されている。

  同パビリオンの目玉は、大阪大が再生医療への実用化を目指すiPS細胞でつくった「心筋シート」。培養液の中で自発的に拍動しながらたゆたう様子が来場者を魅了している。
  心筋シートはiPS細胞を心臓の筋肉へと分化させ、シート状に加工したもので、大阪大の澤芳樹特任教授らが開発、同大発のベンチャー「クオリプス」が製造を担う。血管が詰まって心臓の筋肉に血液が届きにくくなる虚血性心筋症の治療への実用化を目指しており、心臓表面に定着させることで血管を発生させ、心機能を回復させることが期待される。

  クオリプスの長谷川光一研究部長は産経新聞の取材に「子供や若者には展示を見ることで困っている人を助けるための最先端技術に興味を持ち、医師や科学者を目指すきっかけにしてほしい」と話していた。


2025.04.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250416-47HLXTVB2FPLDJYYNFJ5T53OVA/
中止のブルーインパルス飛行「万博期間中に」 大阪知事、防衛相に実現要望

  2025年大阪・関西万博が開幕した13日に予定されていた航空自衛隊の飛行隊「ブルーインパルス」の展示飛行が天候不良のため中止となったことについて、大阪府の吉村洋文知事は16日の定例会見で、万博期間中に飛行を実現するよう中谷元防衛相に求めたと明かした。

  吉村知事は会見で「多くの方が期待を寄せられていて、万博の空をブルーインパルスに飛んでほしいという思いが僕自身強い」とした上で15日、中谷氏に直接要望を行ったことを報告。「大臣から前向きに検討するというお答えをいただいた」と説明した。
  ブルーインパルスは航空自衛隊松島基地(宮城県東松島市)の第4航空団に所属する「第11飛行隊」が正式名称2021年東京五輪・パラリンピックなど各地のイベントに花を添え、大阪府内での披露は1990年の国際花と緑の博覧会(花博)以来35年ぶりとして期待が集まっていた


2025.04.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250415-AZNJDD6RY5HU3A6AV2SV54IQYY/
万博の仕切りない子供トイレ 便器5つは「基本一組使用想定」の説明 石垣氏「無理ある」
(奥原慎平)

  立憲民主党の石垣のり子参院議員15日の参院内閣委員会で、大阪・関西万博会場の一部の子供用トイレが男女の別も仕切りもなく大小便器が並んでいることについて「子供のプライバシーの配慮に欠けているのではないか。親子で利用するにしても、見ず知らずの大人に丸見えになってしまう」と指摘し、改善を訴えた。

経産省「プライバシー担保されている」
  問題の子供専用トイレは、「迷子/ベビーセンター」に隣接した2カ所に設置され、大小便器3つ、男児用小便器2つが並んでいる。大便器同士の間には低い仕切りが設けられている。
  経済産業省の担当者の説明によれば、このトイレは0歳~2歳の乳幼児の利用を前提とし、保護者や見知った大人のみが乳幼児を連れて入れるという。会場スタッフが入口に控えているため、無断で入ることはできず、担当者は「基本的には一組、了解が取れた場合は他の組み合わせがある」と述べ、「利用者のプライバシーは担保されて運用されている」と強調した。
  石垣氏は5つの便器が並んでいる設計について「三つ子と双子で年子ということもあり得るが…」と述べた上で、「基本一組での利用を想定し、了解があれば別の人も使ってもらうというのは説明に無理があるのでは。設計のミスがあれば仕切りを作るなど改善すればいいだけの話だ」と改めて疑問視した。
(奥原慎平)


2025.04.11-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250411-ZRSMJO4FTZOGTOGVHMV2MXIVQI/
万博テストラン取材から「赤旗排除」と抗議 共産、メタンガス検知で開催中止も要求

  大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)の大阪・関西万博会場で可燃性のメタンガスが検知されたことを受け、日本共産党大阪府委員会は11日、日本国際博覧会協会(万博協会)に開催を見合わせるよう申し入れた。また、党機関紙「しんぶん赤旗」の記者に取材証が発行されず、開幕前の予行演習「テストラン」などの取材から排除されたと抗議し、改善を要求した

  府委員会の清水忠史副委員長らが大阪市の万博協会を訪れ、文書を協会職員に手渡した。
  メタンガスは6日、会場を訪れていた同党の大阪府守口市議の通報をきっかけに協会側が検知。引火すると爆発の可能性がある濃度だった。文書で「来場者の命と安全を保証できない」とし、万博中止を求めた。
  また清水氏は、赤旗記者がテストランと、9日に実施された報道関係者向け内覧会「メディアデー」の取材を協会に拒否されたと指摘。「国際的なイベントで線引きをして拒否することに抗議する。今からでも改めていただきたい」と訴えた。


2025.04.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250410-KH6S53YOKZG4RED4YRALB44YR4/
万博「こども用トイレ」一部に仕切りなし異例の「中国式」-男子も女子も一緒-SNS賛否

  13日開幕する大阪・関西万博会場の子供用トイレの一部で、男女別も仕切りもない大小便器が並んでいることがわかり、「災害の避難所より劣悪」「保育園などではよくある」などとSNS上で賛否を呼んでいる。9日に報道公開された会場で確認すると、仕切りのほか男女の別もなく利用するようになっていた

  万博協会の公式サイトによると、万博会場には計46カ所のトイレがある。それぞれのトイレには成人用のほか、子供用の小型便器が設置されているところも多い。
  ところが、実際に会場で確認したところ、このうち東西ゲートにある「迷子/ベビーセンター」に隣接した2カ所には「こども用」として子供専用のトイレが設置されていた。
  男女の別はなく、室内に大小便器3つ、男児用小便器2つが並んでいる。大便器同士の間はプラスチック製の仕切りが設けられているだけだった。
  こうした仕切りのない便器は中国では一般的とされるが、日本では極めて異例。
  SNS上では「建築設計に携わる者ですが1~3歳児用のトイレはこれが標準です」といった説明の一方、「いまどきの子供たちの心理をまったく無視した設計」「保育園や幼稚園の場合は、使う子供たちも見守る大人も知っている人だけど、公共の場は知らない人ばかり。やっぱりこれは違う」といった意見が交わされている


2025.04.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250405-HQVL536C4ZKDHMDGGDNSCA6UDM/
「どんだけ並ばせるねん!」 並ばない万博のはずが…入場まで1時間半 テストラン2日目
(木ノ下めぐみ、桑島浩任)

  2025年大阪・関西万博の開幕直前に人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)の会場で行われた5日の予行演習「テストラン」は、多数の一般客らでにぎわう一方、入場ゲート前に長蛇の列ができ、混雑時は入場まで約1時間半かかるなど課題もみえた事前の来場予約を推奨し「並ばない万博」を打ち出してきた日本国際博覧会協会(万博協会)は改善策を検討する

  「どれだけ並ばせるねん!」。大阪メトロ夢洲駅近くの会場東ゲート前で列に並んでいた男性の怒号が響き、周辺は殺気立った空気に包まれた
  近くにいた大阪府和泉市の女性(49)は正午の入場を指定されていたが、実際入場できたのは午後1時半ごろ。「係の人から説明がなく、待ち時間などの情報がほしかった」といらだっていた。。。。4~10月の会期中に2820万人の来場を見込む万博では、開幕後の1日当たりの最大来場者数を22万人超と想定する。
  企業関係者や一般客ら約3万人が招待されたこの日、開場30分前の午前8時半ごろに並び始めた別の女性は9時40分に入場できたが、9時半に予約したパビリオンへの入館が遅れた。「手荷物検査の案内が少なく、外国人に分かりにくい。開幕後はさらに時間がかかるのでは」と不安を漏らした。
  パビリオンへの入館もオンラインで予約したほうが望ましいとされる。予約がなくても入れる施設はあるが、人気施設では開場20分後に1時間超の待ち時間が発生した
  大阪府柏原市の勝川喜弘さん(66)は予約制を知らず、会場到着後に慌ててスマートフォンで予約に必要な「万博ID」の登録から始めた。「スマホ操作に不慣れで30分ほどかかった。予約ページを開いたら、かなり埋まっていた」
  オーストラリア館を予約した上で訪れた大阪市阿倍野区の男性(51)によると、午前中は次に訪れるパビリオンを予約できたが、来場者が増えた午後には予約が取れなくなった。・・・もっとも、待たずに入れた施設もあり「事前の報道では批判的な内容が多かったが、来てみて、とても楽しめた」と満足げ。男性の妻(42)も「海外パビリオンの情報が魅力的で実際に訪れてみたくなった」と笑顔だった。
  6日の最終日は約5万人の参加が見込まれる。万博協会の幹部は記者団に「入場遅れの原因を検証し、改善すべきところは改善する開幕までに万全を期したい」と話した。(木ノ下めぐみ、桑島浩任)


2025.03.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250319-XKTUJSMXBROQDLQM3BXHYEXUDI/
万博前売り券「経済界の購入がなければ大変なことに」 関経連会長、目標達成は「無理」
(井上浩平)

  関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)は19日の定例会見で、2025年大阪・関西万博の前売り入場券に関し、販売目標としてきた1400万枚達成は実質的に不可能との見解を示した。その上で「経済界の購入がなければ大変なことになっていた」と強調した。

  前売り券は、12日時点で売れたのは目標の6割に満たない821万枚で、このうち約700万枚は企業による購入分となっている。日本国際博覧会協会の十倉雅和会長(経団連会長)は、修学旅行などで見込む200万枚程度を加えると、販売数は1021万枚になると説明していた。
  販売目標の達成について松本氏は「(開幕まで)二十数日しかなく、無理だ」と言及。「1千万枚強で終わるかもしれないが、良しとしないと仕方がない」と語った。
  一方、関経連は19日、副会長に北尾裕一氏=クボタ社長、都司尚(つじたかし)氏=近鉄グループホールディングス(HD)会長、玉置(たまおき)肇氏=パナソニックHD執行役員=を内定したと発表した。5月に開く理事会で正式決定する。
(井上浩平)


2025.03.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250313-XOXY2IH7TJNSZO5GZTGJK6IIPU/
工事遅延・複雑チケット・赤字懸念 開幕1か月前の万博三重苦と向き合う吉村知事の方向性
(山本考志)

  2025年大阪・関西万博までいよいよ1カ月遅れが指摘されてきたパビリオンの建設が急ピッチで進むなど、開幕を迎える準備は整いつつあるが、課題はなお残る。運営主体の日本国際博覧会協会で副会長を務める大阪府の吉村洋文知事が産経新聞のインタビューに応じ、準備状況や機運醸成、運営収支という3つの課題について語った。

  「準備は最終段階。着実に進んでいる」。吉村氏は万博会場の整備状況をこうアピールし、パビリオン建設の進捗(しんちょく)について「開幕までに間に合うのかとの指摘もあったが、すべてで完成する予定だ」と説明した。
  海外パビリオンなどの一部で、開幕までに内装や展示が整わない可能性があるが、「(前回の)ドバイ万博などでもあったことだ」とした。
  大阪府市が昨年末に実施した全国のインターネット意識調査では、高齢者の万博への興味・関心や来場意向は前年比で低下。入場券の前売りは目標の6割弱にとどまる。
  ネットでの購入手続きの複雑さが一因と指摘されるが、吉村氏は、会場前で購入可能な当日券などが導入されたとして「行きたいと思えば簡単に入場券が買える仕組みが重要。高齢者も行きやすい万博を目指す」と強調。「できあがってきた会場の臨場感を伝え、来場意向を高めたい」と意欲を示した。
  当日券の販売により、完全予約制で来場者を平準化させて会場や交通機関の混雑を防ぐ計画に影響が出る懸念もあるが、予約枠が埋まった日は当日券販売が中止されるとし、「予約状況をリアルタイムで公開し、混雑具合の見える化を図る」と述べた。
  入場券の収益は1160億円に上る運営費の原資となる。入場者が伸びず、赤字になれば公費負担増の議論が再燃する。
  吉村氏は、協会のCFO(最高財務責任者)が収支を適正に管理するとし、今後のPR策として「万博でどんな体験ができるかを色々な媒体やSNSで発信していく」と説明。その上で、万博の意義を「世界各国が技術や知恵を持ち寄り、社会課題を解決していくこと」だと訴え、「万博をきっかけにいろんな技術が社会実装され、経済成長につなげていくという大きな方向性を見失わないようにしたい」と語った。
(山本考志)


2025.02.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250228-LSQGJJ424VPH7MQORBQFCNIN4A/
<独自>万博工事入札3分の2が「1者応札」 支出増要因か 談合立件の東京五輪でも続発
(鈴木文也)

  4月13日開幕の大阪・関西万博で、日本国際博覧会協会(万博協会)が発注した会場整備工事の一般競争入札を巡り1事業体のみが参加する「1者応札」が全体の3分の2を占めたことが28日、産経新聞の調べで分かった。建設コスト高騰などで入札参加を控えた影響もあったとみられるが、予定価格と落札価格の差を示す平均落札率は1者応札に限ると98%超。競争性の低さが事業費増大につながった恐れもあり、検証が求められそうだ
(鈴木文也)

  協会公表の入札資料などによると、令和4年4月~昨年12月、木造大屋根(リング)や催事場などの工事入札は、参加者がなく再入札となった「取りやめ・不調」の25件を除くと計66件。このうち1者応札は44件、2者応札は11件、3者以上の応札は11件だった。
  1者応札の最高落札額は、リングの一部を含むパビリオンワールド北東工区施設事業で166億8千万円(税抜き)。再入札となった各テーマ館でも1者応札が相次ぎ、44件の平均落札率は98・9%だった。一方、2者応札の平均落札率は91・9%、3者以上の応札では89・4%と低下した。
  出展各国が原則発注するパビリオン建設などを除く万博の会場整備費は最大2350億円で、政府と大阪府・大阪市、経済界が等分に負担する。1者応札の多い状況に、万博協会の担当者は「デザイン性を重視した建築で、製作や施工の難易度が高い」など工事の特殊性から参加業者が少なくなったと説明。資材費や人件費など近年の建設コスト急騰も「影響した可能性がある」としている。

  ただ、1者応札は競争性の低さから支出増大につながる上、不透明性が問題視されるケースが多い。東京五輪・パラリンピックのテスト大会や本大会の運営を巡っては、総額400億円超の入札談合が事件化。東京都がまとめた調査報告書では、テスト大会の入札26件のうち17件が1者応札で、「不正リスクに対しての牽制(けんせい)が十分に機能しなかった」と指摘した。
  入札制度に詳しい上智大の楠茂樹教授は、万博の入札について「入札不調は(利益にならず)魅力のない工事に誰も手を挙げないという自由競争の結果だろうが、1者応札の多さは不信感を招く。予算や工期などに問題があった可能性があり、入札だけでなく万博招致からの一連のプロセスを検証する必要がある」と述べた。


2025.02.-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250222-MGVWIJ6WEBJJNLMW2ZHRCR5HPU/
大阪府警、万博に向け対ドローン部隊配置 「不審飛行物1キロに迫れば確実検知」
(土屋宏剛)

  4月に開幕する2025年大阪・関西万博で、大阪府警が小型攻撃用無人機(ドローン)によるテロに備え専門の対策部隊を編成し、万博会場の人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)周辺に専門装備を配置したことが、府警への取材で分かった。万博は22日で開幕まで50日。府警は近年兵器としての存在感を強めているドローン対策に万全を期し、空からの侵入防止に目を光らせる。

  夢洲は四方を海に囲まれ、不審者が侵入しにくいという利点があるが、「視認性がよく、ドローンの操縦には都合がよい」(府警警備部幹部)と指摘される。
  万博に合わせて、今回府警が編成したドローン対策部隊は会場周辺に配置され、複数人に分かれて、昼夜を問わず空からの侵入を警戒。不審な飛行物の接近を高性能レーダーで検知し、妨害電波を発して操縦不能にさせる「ジャミング装置」も配備した。
  大阪府は昨年11月、夢洲の周囲約1キロの範囲でドローン飛行を原則禁止する条例を制定。大阪市も条例を改正し、会場周辺護岸の立ち入り禁止区域を拡大した。府警幹部は「不審飛行物が会場まで1キロに迫った段階で確実に検知し、会場内に入らせないようにする」と強調する。
  軍事・安全保障に詳しい笹川平和財団の小原凡司(おはらぼんじ)・上席フェロー(61)によれば、ドローンは人工知能(AI)の搭載により大きく機能が向上。爆弾などを積んだ自律型兵器として、事前に学習した目標物に向かって飛行し、複数機を同時運用する研究も進められている。2022年以降のロシアのウクライナ侵略でも、両軍が兵器として投入している。
  こうした軍事用ドローンを海外から日本国内に持ち込むのは難しいが、国内で既製品を組み合わせれば代替可能という。小原氏によれば、対抗手段のジャミング装置は周辺の電子機器に不具合が生じる場合もあるが、海に囲まれた夢洲では比較的使いやすいとみる。
  小原氏は「ドローン対策で必要なのは、会場への接近を許さないことに加え、攻撃を受けた際に混乱が生じないようにすること。避難経路や誘導方法などを決めておけば雑踏事故など二次被害のリスクを低減できる」と話す。
(土屋宏剛)


2025.02.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250222-KJ2HJBIW3ZKE3FFV7BQD4FA57I/
万博シンボルの大屋根リングにつきまとうコスト問題 再利用検討も、解体費高騰で見通せず
(黒川信雄)

  2025年大阪・関西万博22日で開幕まで50日となった。人工島・夢洲(ゆめしま)にある会場の象徴、木造大屋根(リング)は閉幕後のレガシー(遺産)になり得る。大阪府市は、民間事業者から一部をモニュメントとして残す案やベンチなどに再利用する案が示されたとし、日本国際博覧会協会とも協議する方針。ただコスト問題が解消されず、先行きは不透明だ

  協会は1月下旬、再利用に向け、大阪府木材連合会などとともに自治体や団体向けの説明会を開いたが、人件費が高騰する中、参加者からは「解体費を買い手が負担すると、新品より高くなる」などと懸念する声が上がった。
  協会幹部は解体費の負担について「決まっていない」と言葉を濁す。公募は3月ごろの実施が想定されるが、別の幹部は「解体費込みの値段で募集し、不調なら値下げせざるを得ないだろう」と打ち明ける。
  協会は本来、リングを閉幕後に撤去する方針だったが、建設費が約350億円と巨額だったことから批判が高まり、方針を変更した。モニュメントにするにしても維持費がかかるため、コスト負担の問題は避けられない
(黒川信雄)


2025.02.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250205-VHY2YIAIGRJS3EGBMPAT3JG6GQ/
幻に終わった夢洲の「新橋」建設計画 万博での混雑解消策 鉄道延伸も見通し立たず
(黒川信雄)

  2025年大阪・関西万博の会場となる人工島・夢洲(大阪市此花区)大阪メトロ中央線によって市中心部との行き来ができるほか、近隣の人工島である舞洲(まいしま)と「夢舞大橋」で、咲(さき)洲(しま)とは「夢咲トンネル」でつながっている一時はこれに加えて新たな橋を造り、アクセスを向上させる構想が浮上したが、幻に鉄道の延伸計画も検討されているが、コストや需要見通しなどの問題を背景に実現はしていない

  新橋の建設構想は、万博開催中の夢洲へのルート混雑を懸念した財界や日本国際博覧会協会がかつて要望した経緯がある。夢舞大橋とは別に、夢洲と舞洲を結ぶ橋を建設するものだった
  2020年1月に関西経済連合会など関西経済3団体首脳と、大阪府市の首長が会合を行った際にも議題となった。関経連の松本正義会長は「国家プロジェクトである万博の成功という観点からは、(夢洲周辺の交通インフラには)非常に心配がある」と報道陣に発言し、橋の建設が必要との考えを強く示唆した。
  新橋を巡っては、渋滞を懸念する協会からも建設を要望していた。ただ同年4月、当時の松井一郎大阪市長と協会の石毛博行事務総長が建設見送りで合意。市側は交差点の立体交差化などで、スムーズな交通を担保できるとの考えを示したという。

  夢洲周辺では、鉄道アクセスの向上を図る計画もある。JR西日本は桜島駅から舞洲経由で夢洲に至るルートを検討。私鉄も、夢洲方面に向かう列車の開発や一部路線の延伸を検討している。ただ、いずれの計画も巨額の費用がかかることや需要が見通せないことなどから実現はしていない
(黒川信雄)







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