オリンピック・パラリンピック-1


2024.09.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240901-RPX3JDUXN5BFXJGFEYNPS4NUVM/
12歳の少女が見た昭和39年「世界はこれからどんどん平和になる」感動した五輪閉会式

  <当時の出来事や世相を「12歳の子供」の目線で振り返ります。ぜひ、ご家族、ご友人、幼なじみの方と共有してください。>

町全体が工事現場のようだった。10月の東京オリンピック開幕に向けて、私の住む町でも首都高速道路の建設が進んでいた
  去年完成した部分は日本橋の上に架かっていて驚いたが、私の家の近くも川の水を抜いてその上に道路が造られた。9月に完成したモノレールと同じように羽田空港と都心を結ぶためのものだ。
  自動車が増えると、排ガスで空気が汚くなるという人もいるけど、もともとドブ臭い川だったので私は別にいいと思う。工事中はトラックの砂ぼこりでせき込む日もあったが、オリンピックのためと思えば我慢できた。
  オリンピック直前には、東京と大阪を4時間の速さで結ぶ東海道新幹線が開通し、柔道などの会場になる日本武道館も完成した。
  学校では男の子たちを中心に切手がブームだった。先生に内緒で学校に持ってきていたが、珍しい絵柄のものは値上がりするらしい。切手博士みたいな子もいて、いちいち周りの子の収集に値段をつけていた。
  学校では「オリンピック学習」も開かれて、大会の歴史や意味、東京はアジアで初の開催ということや90カ国以上が参加することなどを勉強した。「街をきれいに」「外国のお客さんに恥ずかしくないように」といった話も多くて、ちょっと退屈だったが、いざ開幕すると、私はオリンピックに夢中になった。
  10月10日土曜日、前日の雨はすっかりあがり、空は真っ青だった。学校から急いで家に帰り、家族でテレビの前に座った。感動したのは聖火ランナーの姿だった。国立競技場の聖火台に最後に立ったのは私より7つ年上の19歳。広島に原爆が投下されたその日に広島県で生まれた人だという。
  原爆については学校で学んだが、あの残酷な日に生まれた人が19歳のお兄さんとしてハレの舞台に立っている。あの日から、人が成人するほどの時間がたったことを多くの日本人はどう感じているのだろう。日本がオリンピックをやれるような国になったことをどう思っているのだろう。そんなことを考えていたら、戦争を経験していない私まで何だか涙が出てきた。
  今回初めて正式種目となった柔道や「東洋の魔女」と呼ばれる女性たちのバレーボールなどで日本は金メダル16個を獲得した。東京では靴を履いていたけど、男の子たちはエチオピアのマラソン選手アベベのマネをして校庭をはだしで走るのがはやった。
  みんなオリンピックの話題で持ちきりで、切手博士はさびしそうだった。私が一番感動したのは競技よりも閉会式だった。開会式のような整然とした国別の行進ではなく、各国が入場後に自由に入り乱れて行進したのだ。いろいろな肌の色の選手たちが笑い合って肩を組んだり、写真を撮ったり、中には肩車している選手たちもいた。 
  世界では今も戦争が起きたり、原爆実験が行われたりしているけど、私の目の前の光景は全然違った。人間っていいな、スポーツの力って大きいな、と思った。世界はこれからどんどん平和になっていくのだろう
  私が生きているうちにまた東京でオリンピックをやってほしい。その時は絶対に会場で生の競技を見たい。そして、あの閉会式のように多くの外国人たちとふれあうのが私の夢だ。
  ※この年の東京五輪10月10日から24日までの15日間行われ日本は金16個、銀5個、銅8個のメダルを獲得した。


2024.07.26-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240726-ACAO2AAO6ZPMBC5CC7LGWFAJFM/
世界水連、中国の競泳選手の再調査はしない意向 東京五輪でのドーピング問題

  世界水連のフセイン・ムサラム会長は25日、パリで記者会見し、中国の競泳23選手がドーピング検査で陽性となりながら東京五輪への出場を許された問題世界水連の対応に不正はなかったとの立場を強調し「専門家を雇って調査し、報告書を示した。やれるだけのことをやった」と、再調査はしない姿勢を示した。

  パリ五輪に向けては「前例のない回数」のドーピング検査を行ったとし「われわれの仕事に自信を持っている」と述べた。世界水連によると、疑惑がかかっている中国の競泳代表は今年1月から現在までに平均で21回の検査を受けたという。米国勢は同じ期間に平均6回、日本勢は同4回だった。(共同)


024.06.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240603-TPA2GM5T75NVJICUTYNSVX2X34/
国立競技場、528億円でドコモなどが運営へ 公費による赤字補塡回避

  東京五輪・パラリンピックのメインスタジアムだった国立競技場民営化事業について、日本スポーツ振興センター(JSC)は3日、NTTドコモを代表とするグループを優先交渉権者に選んだと発表した。前田建設工業やサッカーJリーグなども入った。同陣営は運営権の対価として528億円を収めることを提案しており、懸念されていた公費による赤字補塡がなくなる見通しとなった。

  事業期間は来年4月から30年で、近く正式に契約する。3グループから事業方針の提案を受け、運営方法やコストの提案を総合評価する方式で審査した。
  民営化にあたっては採算性が課題とされ、国が年間約10億円を上限に負担可能とする方針を示していた。関係者によると、NTTドコモのグループは独自に開発する遮音技術により、収益性の高いコンサートの開催頻度を増やすなどして、国の負担を求めない


2024.05.30-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240530-7RT5MMNKZFNE3L5L27BEQT3CIM/
韓国、国際パラ委に抗議へ ユーチューブチャンネルで旭日旗紹介

  大韓障害者体育会は30日、国際パラリンピック委員会(IPC)のユーチューブチャンネルで日本が旭日旗と共に紹介されたとしてIPCに抗議の書簡を送ると明らかにした。再発防止も求めるという。韓国メディアが報じた。

  IPCは今月カナダで行われたパラアイスホッケー世界選手権の日韓戦の映像で、日本選手を旭日旗と共に表示。韓国では、旭日旗は「帝国主義の象徴」として強い拒否感がある。
  IPCは2021年の東京パラリンピック時、メダルデザインが旭日旗に似ていると韓国側が指摘したのに対し「日本の伝統文化を反映したものだ」として見直しは不要という見解を示したことがある。(共同)


2024.05.04-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240504-6JAXRI6KOBPWZC6LAWBEHLMOJM/
アハマド氏に15年資格停止 IOC、刑事訴訟有罪で

  国際オリンピック委員会(IOC)が、刑事訴訟で有罪となった国際スポーツ界の実力者、シェイク・アハマド氏(クウェート)に15年間の資格停止処分を科したと4日、AP通信が報じた。IOCは「(委員就任時の)宣誓に対する裏切りで、IOCの名声に深刻な損害を与えるもの」とし、近く処分を公表するという。

  アハマド氏はクウェートの元首相がクーデターを画策している証拠として偽の映像を同国当局に提出したことが罪に問われた。
  アジア・オリンピック評議会(OCA)会長選に干渉した問題では、既に3年間のIOC委員資格停止を受けていた(共同)


東京五輪開幕 大国民らしい態度でこの大会を迎えよう 昭和39年コラム「声なき声」-プレイバック「昭和100年」-(昭和39年10月10日)

  きょう、いよいよ第十八回オリンピック東京大会の幕があく。なによりもまず大国民らしい態度でこの大会を迎えよう。冷静で、落ちついて、それでいて細心で、緊張して、静かな情熱をこめて。

  ▼いかに長い間待ちに待った日だろう。ローマ大会から四年待っていたともいえるし、一九四〇年に東京と予定された日から待っていたともいえるし、一九一二年にはじめてストックホルム大会に参加した日からだったともいえる。
  ▼その長い夢が実現した。夢心地というが、まだ夢心地だ。しかし、夢から現実へ、青白い希望から緑の現実へ。われわれはその現実をつかんだのだ。
  ▼いっさいの準備ができあがっている。史上でももっともすばらしい設備だろう。来日した選手や役員たちがみんな目をみはったり、口をそろえてほめたたえたりしている。
  ▼シンコム3号が空から見おろしているのもこの大会の大きい特色だろう。これはアメリカの協力によるものだが、その受け入れ体制ができあがっているということで、じゅうぶんに自信をもとう。
  ▼オリンピックは一つの競技であるが、これはばらばらの競技ではなく、整然たる組織だ。それも大きい組織で、全国民がその中にくみこまれている。たとえ日本選手の数は数百人で、十万人に一人もないくらいの割合でしかないが、つぶよりで、文字どおりに国民の中の選良だ。
  ▼選手の力や努力や気構えやが第一なのはもちろんだが、これは国民的な力や努力や気構えやがあってのことである。オリンピックは選手と選手の競技にちがいないが、これは舞台のうえのことで、その背後をもふくめると、国民と国民との偉大な競技だ。
  ▼政治も、経済も、文化も、道徳も、それに道路や、施設や、サービスの末までも、いっさいのものをふくめてである。オリンピックほど国民的なものはない。国民が血をわかすのもそのためである。
  ▼オリンピックにはこういう性質が内在する。これは「国民の、国民のための、国民によっての」である。しかしもっと大きいことは世界的、全人類的ということだ。これはどこの国民にもぞくしているが、どこの国民をも越える。内在と超越だ。この偉大な理想へ。
(昭和39年10月10日)







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