石破茂首相-1
2024.11.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241117-TQCK3WWPSFLRHD3ZLZXRBYWRBE/
石破首相、トランプ次期米大統領との会談見送りを表明 改めて機会を検討
【リマ=小沢慶太】石破茂首相は16日(日本時間17日)、
トランプ次期米大統領との早期会談を見送る方針を明らかにした。南米で国際会議に出席後、帰国途中での実施を模索していたが
「会談などの予定はない」と説明した。訪問先のペルーの首都リマで同行記者団に述べた。
首相によると、
トランプ氏側が大統領就任前に外国要人との会談は行わない方針を伝えた。政権移行を控え、トランプ氏には各国首脳から会談依頼が寄せられていることに加え、民間人が米政府の外交問題で外国政府と交渉することを禁じた米ローガン法を踏まえた判断だと説明を受けた。
首相は
「双方最も都合のいい時期になるべく早期に会談を行いたい」と話し、来年1月の大統領就任以降に、改めて会談の機会を検討する。
2024.11.12-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241112-BIB4HX3FOBIO3FPQQTDDUGYGJY/
<主張>第2次石破内閣 外交安全保障を忘れるな 信なき首相の続投は残念だ-社説-
特別国会が召集され、衆院での首相指名選挙の決選投票で、石破茂首相(自民党総裁)が立憲民主党の野田佳彦代表を破り第103代首相に選ばれた。宮中での親任式などを経て第2次石破内閣が発足した。
石破首相は衆院選で、自身が設定した与党過半数という勝敗ラインを達成できなかった。国民の信を得られなかったにもかかわらず石破首相も森山裕幹事長も責任を取って辞任することはなかった。憲政の筋を踏まえない首相続投は残念である。
石破首相に批判的な自民議員は少なくない。彼らが首相指名選挙で石破氏を選んだのは、安全保障政策などで非現実的な立民の野田氏に国の舵(かじ)取りを任せるわけにはいかないと考えた末の苦渋の選択だろう。
少数与党で展望描けず
30年ぶりの少数与党政権として石破首相は再出発を図る。国内外の課題は山積し、政権基盤が脆弱(ぜいじゃく)とあっては石破首相の前途は多難というほかない。国政の停滞を憂えるばかりだ。
真っ先に取り組むことになるのは政治とカネをめぐる問題である。石破首相は、年内召集予定の臨時国会に政治資金規正法の再改正案を提出し、成立を期す必要がある。政治資金の透明性確保とパーティー収入不記載事件の再発防止に決着を図らなければならない。
政策活動費廃止や調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開、政治資金を監視する第三者機関設置などが焦点とされるが、外国人・外国法人のパーティー券購入の禁止も不可欠の課題である。
自民、公明両党の与党は衆院でキャスチングボートを握る国民民主党と、年収が103万円を超えると所得税が発生する「103万円の壁」の解消などについて協議しているが、財源確保の問題もある。
重要なのはデフレからの完全脱却に向け、物価上昇を上回る賃上げを確実なものにし、自律的な経済成長を実現することだ。衆院が過半数割れである以上、野党側との政策協議は欠かせないが、経済財政運営の大局は見失ってはならない。
最も懸念されるのは、国会運営の混乱で日本の政治が内向きに終始し、国の平和と独立、国民の安全を守る政策遂行がおろそかになってしまうことだ。
外交安全保障への関心を失っては大変なことになる。
米国との同盟関係は、国家安全保障にとって死活的に重要である。石破首相は、米大統領選に勝利したトランプ前大統領と早期に直接会談し、同盟強化を確認しなければならない。
中国、北朝鮮、ロシアの脅威に直面する日本は、日本防衛や台湾有事、朝鮮半島有事への米国の関与を常に確かなものにしておく必要がある。トランプ氏の関心を、日本および北東アジア、インド太平洋にも向けさせるのは石破首相に課せられた最も重要な責務である。
国の「基本」を守り抜け
ロシアのウクライナ侵略は続き、派兵された北朝鮮軍がウクライナ軍と交戦する事態となった。「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」という危機感を石破首相は忘れず、侵略者ロシアが凱歌(がいか)をあげるような展開を許さない外交を展開すべきである。
中東は喫緊の課題だ。戦火が拡大し、イスラエル・イラン間の「第5次中東戦争」の様相を呈する恐れがある。イランなどにいる日本人の帰国や安全確保を急ぐべきだ。エネルギー需給の面からも備えてほしい。
防衛力の抜本的強化を確実に進めたい。募集難になっている自衛官確保策の推進や、有事を想定した空港、港湾、シェルター建設も課題だ。
もう一つ懸念されるのは、与党が目先の国会運営にとらわれて、十分な議論もなしに国や社会の基本を乱す施策を受け入れてしまうことだ。
自民は衆院で、予算委員会や法務委員会の委員長、憲法審査会の会長などの重要ポストを立民に譲った。憲法審会長に就く立民の枝野幸男元代表は改憲の動きにブレーキをかけてきた人物だ。憲法審の議論が滞るなら改憲に前向きな政党で改憲原案の条文化を進めるべきだ。
野田氏は衆院法務委員長を得たのは選択的夫婦別姓の実現が狙いだとSNSで明かし、「自民党を揺さぶるには非常に効果的だ」とも語った。石破首相と自民は、家族や社会のありように関わる基本問題の変更は絶対に受け入れてはならない。
2024.11.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241103-SWVY65BUBZMHNHPWOQ4FRBSUMU/?outputType=theme_election2024
櫻井よしこさんが石破茂首相を『新潮』で徹底批判 『毎日』はまだヨイショかい 花田紀凱-花田紀凱の週刊誌ウォッチング(1000)
(月刊『Hanada』編集長)
櫻井よしこさんが『週刊新潮』(11月7日号)の名物コラム「日本ルネッサンス」で
石破茂首相を完膚なきまでに批判・・今週の週刊誌では、これ一本読めば十分だ。・・まず10月28日、大敗北後の会見。
<石破氏は大敗北のおよそ全ての原因を「政治とカネ」問題に帰した。必要以上に丁寧な言葉遣いで氏は語る。それをよく聞くと、石破氏が本質的に「巧言令色鮮(すくな)し仁」の人だと思えてくる>
「国民の皆様方から極めて厳しいご審判をいただいた」「国民の皆様方からご叱責をたまわった」
ぼく自身、見ていてテレビのスイッチを切りたくなった。・・・ある記者が惨敗した石破氏に来年夏の参院選の顔になる資格があるのかと、問うた。
<回答がふるっていた。「真摯に誠実に」「謙虚に誠実に」「国民の皆様方がどのように受け止められているのか」「国民の皆様のお気持ちに沿って」(以下略)>
<石破氏は会見で、賃上げなどこれから実現する政策について延々と語り続けた。続投の意思表示だ。来年の参院選挙も自分の手で行うつもりなのだ。これを厚顔無恥という>・・・で櫻井さんの結論。
<氏のだらしない佇(たたず)まい。総裁選の時はもとより、首相になってからも聞く者をウンザリさせるその時々で変わる発言。批判されるや即反応して世論に従う信念のなさ。こんなことでトランプ、プーチン、習近平各氏らと渡り合えるとは到底、思えない。リーダーが最も忌避しなければならない資質ばかりが目立つのが石破氏だ>一読、胸のつかえが下りた。・・・これまでさんざん石破氏を持ち上げてきた『サンデー毎日』(11月10・17日号)、この事態をどう扱うのか。
石破氏のヨイショ本を出した倉重篤郎元毎日新聞論説委員長が山崎拓元自民党副総裁にインタビュー。
首相としての必要条件は優れた頭脳、胆力、相手を圧倒するオーラで、<石破氏は少なくとも頭脳と胆力を備え、首相になれば外国首脳を圧倒するオーラが出てくると思った>・・・・・まだヨイショかい。
(月刊『Hanada』編集長)
2024.11.02-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241102-6WPNB2X5HNMNBFXN6QMSQ7YZMM/
責任とらぬ首相 石破氏で反転攻勢できるのか-風を読む 論説委員長・榊原智
衆院選で自ら公言した「与党過半数」という勝敗ラインを下回っても責任をとらない石破茂首相(自民党総裁)や
森山裕幹事長には、廉恥心も、民意を重んじる心も感じられない。
辞任して新総裁が特別国会での首相指名選挙に向け他党と交渉するのが筋だが、
石破首相は居座りを決め込む。少数与党政権を発足させたいのだろう。
共同通信社の10月28、29両日の世論調査で、石破内閣の支持率は32・1%、不支持率は52・2%と早くも危機的水準になった。石破首相の辞任を求めたのは28・6%で辞任不要は65・7%と、石破首相がすがりつきたくなるような数字も出た。
一見矛盾する結果だが、自民と公明党の連立を弱体化させるには石破首相続投がよいとみなす野党支持者が辞任不要の回答者に含まれるのかもしれず、自民は油断しない方がよい。
与党は目先の政権維持に加え、過半数をできるだけ早期に回復して安定政権を取り戻すことが課題となる。それには他党の連立入りか、衆院解散総選挙で勝利することが必要だ。その仕事に
最も相応(ふさわ)しくない自民議員は石破首相だろう。「言い訳選挙」に終始した政治の流れを変える力量も乏しく、待ち受けるのは国会での野党の大攻勢と自民内の動揺、抗争である。
就任後の掌(てのひら)返しや言行不一致に加え、衆院選の審判を無視した石破首相の声は国民の心に届かないため反転攻勢のきっかけは摑(つか)めまい。来夏の参院選を意識する野党の猛批判に石破政権は防戦一方になるに違いない。
石破首相が、国民民主党との政策ごとの部分連合に期待しても、首相指名選挙での中立はともかく、協力深化は難題だ。
国民民主も参院選で勝ちたいと思っているからだ。部分連合による看板政策実現の成果は誇りたいだろうが、さりとて世間から石破政権の補完勢力とみなされては本末転倒になる。物分かりのいい顔ばかりは示すまい。
石破首相が参院選でも大敗して退陣するのでは遅すぎる。
今後予想される与野党の対立は民主主義の付属物だから否定しないが外交安全保障は疎(おろそ)かにしてほしくない。
20歳代の若手記者だった筆者は平成6年に少数与党の羽田孜政権をめぐる政局を取材した。64日間の短命政権だったが政治家も筆者を含む記者も朝鮮半島核危機そっちのけで大騒ぎしていた。これを現代日本が繰り返せば大変なことになる。
2024.10.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241019-YUYJ7CQTJZDX3L4FIER4PBSZJI/?outputType=theme_weekly-fuji
ユーチューバーも消えた、石破自民への厳しい視線 ドラスチックな敗北の可能性 安積明子
(政治ジャーナリスト・安積明子)
第50回衆院選が15日に公示された。この直前の
13日、石破茂首相(自民党総裁)は埼玉14区と東京29区で街頭演説を行った。
埼玉14区は友党・公明党の石井啓一代表が、東京29区には同じく岡本三成政調会長が出馬する。
岡本氏が街頭演説したJR日暮里駅(東京都荒川区)を訪ねると、駅前のロータリーは聴衆で埋め尽くされ、街宣車上の石破首相らの姿を遠巻きに確認するのはほぼ不可能だった。スピーカーの声が聞き取りにくいほどだ。
岡本氏の支持者と思われる年配女性の姿が目立った。石破首相は上機嫌で、「この荒川区、日暮里。これから発展していく、原動力となるのが岡本三成さんです」と持ち上げ、拍手を浴びていた。
だが、気になることがあった。選挙関連の動画を配信するユーチューバーの姿が、演説会場に見当たらなかった点だ。7月の東京都知事選で2位に躍進した石丸伸二氏の〝フィーバー〟を例に出すまでもなく、ネット配信は今や政治に大きな影響力を持つ。
ユーチューバーは、配信で得られる広告収入や課金が目的の場合も少なくない。近年では、候補者の街宣活動などを大声を張り上げて批判する〝アンチ〟と、陣営のトラブルも目立つ。これは動画の素材として重宝されるようだ。
かつて安倍晋三元首相が選挙演説すると、「『アベ政治』を許さない」などと書いたプラカードを掲げてヤジを飛ばす人々と、防ごうとする自民党スタッフらの〝攻防戦〟がたびたび見られた。だが、岡本氏の演説会場では、ユーチューバーも、アンチも見かけなかった。
派閥パーティー収入裏金事件や、旧統一教会の問題など、自民党への批判材料は事欠かない。今回の衆院選で、旧安倍派議員ら12人を「非公認」とするなどしたが、国民は納得したのか。いや、そうとはいえないだろう。
共同通信が12、13両日に行った世論調査で、石破内閣の支持率は42%となった。調査規模が異なり単純比較はできないが、発足直後の1、2両日の調査と比べ、8・7ポイント減と大幅下落した。
投票先を決める際、裏金事件を「考慮する」との回答が、「ある程度」も含めて計65・2%にのぼった。非公認の対応は「不十分だと思う」は実に71・6%だった。
「内閣支持率が下がらないうちに衆院を解散してしまえ」という自民党の思惑は、裏切られたのかもしれない。
石破首相は勝敗ラインを「自公で過半数」としたが、政権交代が起こった1993年や2009年より、ドラスチックな事態に直面するかもしれない。「お灸をすえる」程度ではすまなくなったかもしれない民意を、石破自民党はどう受け止めるのか。
(政治ジャーナリスト・安積明子)
2024.10.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241007-UUO6F2U43VAMLPQJXI34PJUZR4/
15年ぶりの「クリスチャン宰相」 18歳で洗礼受けた石破氏、一方で浄土宗や神道も敬う
(渡辺浩)
石破茂首相は18歳のときにプロテスタントの教会で洗礼を受けたキリスト教徒だ。
クリスチャン宰相は、平成21年に首相を退任したカトリックの麻生太郎自民党最高顧問以来、15年ぶりとなる。
首相は一方で浄土宗の檀家で、神道とも関係が深い。
「人間は神の前には塵芥」
石破首相の母方の曽祖父は明治から昭和にかけての牧師、金森通倫(1857~1945年)。金森は熊本洋学校の生徒でつくるキリスト教グループ「熊本バンド」のメンバーとして活動した後、同志社で新島襄から洗礼を受け、伝道活動を続けた。
4代目である石破首相は、鳥取から上京して慶応高校に通っていたとき、日本キリスト教会世田谷伝道所に所属し、日曜学校の教師も務めた。慶応大入学直前に日本基督教団鳥取教会で洗礼を受けた。
政治家になってから、キリスト教の集会やキリスト教メディアに度々登場している。あだむ書房「石破茂語録 主よ、用いてください」によると、今年4月27日に神戸市内で開かれた「日本国家祈祷会」で次のように語っている。
「議員になろうが大臣になろうが、人間というものは神の前には塵芥(ちりあくた)のような存在なのであって、できることは『罪人の私をお赦しください』ということと『御(み)心ならば御用のためにお用いください』ということしか究極、祈ることしかできないのではないかなと、日々思っているところです」
戦争なくすには「均衡」と「祈り」
また、キリスト教の教えと政治活動の葛藤について「自分たちが正しくて相手が間違っておるという演説はなるべくしないようにいたしております。私ども自民党が間違っていることはたくさんありますし、政治家も間違いだらけです。ただそのときに、相手がいかに駄目で、だから私たちを選んでくださいという言い方をしてはいかんと思います」と指摘。戦争をなくすには「バランス・オブ・パワー」と「平和のための祈り」の両方が大事だとしている。
地方創生担当相だった平成28年には「クリスチャントゥデイ」のインタビューに対し、「私が防衛庁長官だったときに、イラクへ自衛隊を派遣しました。その時も、昨年の安保法制の時も、キリスト者から猛烈な抗議が来ました。大変な抗議です」「正直に言うと、同じ信仰を持つキリスト者からの批判が本当に一番つらいです」と話していた。
浄光会と神道政治連盟
一方で、鳥取県知事や自治相を務めた父、石破二朗氏の家系は代々浄土宗。首相は浄土宗檀信徒の国会議員64人でつくる「浄光会」の会員で、選挙の際は浄土宗から推薦を受けている。「浄土宗新聞」には、今年1月24日に東京・芝公園の増上寺で開かれた浄光会総会で「南無阿弥陀仏」と念仏を唱える首相の写真が掲載されている。
一神教のキリスト教と、法然が開いた浄土宗の念仏の教えが両立するわけがないが、日本人的な宗教観と選挙対策だと思われる。
多くの自民党国会議員と同様に「神道政治連盟国会議員懇談会」の会員でもある。8月24日、鳥取県八頭町の和多理神社に参拝した後、社殿の前で自民党総裁選への出馬表明を行い、こう語った。
「ここは父祖の地。子供の頃、ここで夏祭りがあった。本当ににぎやかだった。子供たちも高齢者もみんな笑顔だった。今、人はいなくなり、夏祭りも行われなくなったが、もう一度、にぎやかな、みんなが笑顔で暮らせる日本を取り戻したい」
(渡辺浩)
2024.10.06-産経新聞(週刊フジ)-https://www.sankei.com/article/20241006-UJL4DKLOOBEE7HTFXXPBXQKOZA/?outputType=theme_weekly-fuji
韓国メディアは石破政権「歓迎」 理由は「自虐史観と対韓贖罪意識の強さ」 室谷克実
(ジャーナリスト・室谷克実)
韓国メディアは、ほぼ一様に「石破茂政権の発足」を歓迎している。その理由は、
石破首相の「自虐史観」と、それに伴う「対韓贖罪(しょくざい)意識の強さ」にある。端的に言えば、
「付け入りやすい人物が首相になった」と見ているのだ。
主要閣僚に、日朝国交正常化推進議員連盟のメンバーが入った内閣。日本の対半島政策は、村山富市政権時代に戻りかねない。
石破氏が自民党総裁選で僅差で勝利してから、韓国メディアの「石破評」には、必ずと言ってよいほど「歴史観」の文字があった。
そこで採り上げられているのは、韓国紙「東亜日報」とのインタビュー(2017年5月23日)での発言だ。
「歴代総理、日王(筆者註=石破氏は『天皇』と言っただろう)まで謝罪の意向を明らかにしたのに、韓国で受容されないことについては挫折感も大きい。それでも納得を得るときまでずっと謝罪するしかないだろう」
石破氏は翌日、後段の部分について「お互いが納得するまで努力を続けるべきだと話した」と釈明したが、東亜日報に抗議はしなかった。
そればかりか、20年1月には、再び東亜日報とのインタビューに応じた。石破氏と東亜日報の間には「隠された何か」があるのかと疑いたくなる。
このインタビューでは、安倍晋三政権の「ホワイト国外し」について「支持率を上げるために相手国を悪く言ってはいけない」などと述べ、文在寅(ムン・ジェイン)政権を喜ばせた。
韓国メディアが採り上げる「好ましい歴史観」とは、ほとんどが東亜日報記事の引用だ。韓国メディアは採り上げていないが、石破氏はもっとすさまじい「自虐史観」と「贖罪意識」をあらわにしている。
石破氏は19年10月、徳島市での講演で、
「なぜ韓国は『反日』か。もしも日本が他国に占領され、『今日から君はスミスさんだ』と言われたらどう思うか」と述べている(朝日新聞19年10月5日)。
石破氏は「韓国史を熱心に学んだ」と自慢しているが、創氏改名についてすら〝日教組教育〟の誤った知識しかないことを自らさらしたのだ。
こんな知識と感覚だから、文政権が日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄に動くと、「我が国が敗戦後、戦争責任と正面から向き合ってこなかったことが多くの問題の根底にあり」(公式ブログ19年8月23日)と反応したのだろう。
贖罪意識にドップリと嵌(はま)って、韓国企業に技術提供し、自分の会社を倒産させた経営者がいたことを思い出す。日本国がそうならないことを願う。
(ジャーナリスト・室谷克実)
2024.10.05-産経新聞(週刊フジ)-https://www.sankei.com/article/20241005-LDER6NPEAFCMFBYN3MSR3HW4DY/?outputType=theme_weekly-fuji
総裁選、筆者の統計学的な予想はあたったものの…石破政権で消費税15%も 高橋洋一-日本の解き方
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
自民党総裁選はまれに見る激戦の末、石破茂元幹事長が新総裁になった。第1回投票では、高市早苗経済安保相が181票(国会議員票72、党員票109)、石破氏が154票(国会議員票46、党員票108)、小泉進次郎元環境相が136票だった。林芳正官房長官が65票、小林鷹之前経済安保相が60票、茂木敏充幹事長が47票、上川陽子外相が40票、河野太郎デジタル相が30票、加藤勝信元官房長官が22票となった。
筆者の予想は、高市氏が155票(国会議員票45、党員票110)、石破氏が155票(国会議員票35票、党員票120)で、小泉氏115票、林氏70票、小林氏80票、茂木氏50票、上川氏50票、河野氏45票、加藤氏30票だった。
党員票はほぼ当たりだが、高市氏の国会議員票は外した。これは第1回投票で他候補に紛れる票が、決選投票で出てくるはずと読んでいたからだ。麻生太郎副総裁が土壇場で高市氏に投票を呼び掛けたと報じられたが、筆者が前から指摘していたことをご存じだろう。しかし、第1回からというのは想定していなかった。高市氏の票が多く出たのはそのためだ。
決選投票では、石破氏が215票(国会議員票189、都道府県連票26)、高市氏が194票(国会議員票173、都道府県連票21)だった。
筆者の予想は石破氏が205票(国会議員票180、都道府県連票25)、高市氏が205票(国会議員票185、都道府県連票20)だった。筆者が互角としたのは、石破氏には小泉氏、林氏らの票、高市氏には小林氏、茂木氏らの票が行くというのが基本的な流れで、河野氏、加藤氏、上川氏は分断という読みからだ。両陣営ともに刃こぼれ(相手陣営に投票)があったが、岸田文雄首相が石破氏側に回ったのが大きかった。
筆者の予想は統計的にはまずまず当たりだったが、結果は日本にとって好ましくない。
国際情勢は、中国やロシアの領空侵犯や中国による大陸間弾道ミサイル(ICBM)の太平洋への発射実験などがあり、国内でも能登の復旧や経済対策が喫緊の課題だ。
第1回投票で高市氏が新総裁になるとマーケットは一時思ったのだろう。
円安株高に振れたが、石破氏の勝利が決まると円高株安となり、「石破ショック」といわれた。
石破氏は記者会見で、
日本の輸出依存度が低いとして、円安で日本経済はよくならないことを示唆した。
石破氏はかつて筆者にも同様のことを語っている。要するに円安による「近隣窮乏化」を理解できていない。
能登でも補正予算ではなく予備費で対応すると言い、財務省の走狗(そうく)のようだった。これでは経済は期待できない。
財務省にとっては、立憲民主党が野田佳彦代表、小川淳也幹事長の「増税コンビ」ということもあり、石破氏の勝利は大歓迎だろう。
おそらく来年の参院選後に「消費税率15%」を狙ってくるのではないか。
石破氏はアジア版NATO(北大西洋条約機構)を主張しており、中国は大歓迎だろう。新政権は前途多難だ。
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
2024.10.04-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA03C7I0T01C24A0000000/
石破茂首相の所信表明演説の全文
石破茂首相の4日の所信表明演説の全文は次の通り。
1 はじめに
このたび、第102代内閣総理大臣に就任いたしました。
「すべての人に安心と安全を」
私は、日本国内閣総理大臣として、全身全霊をささげ、日本と日本の未来を守り抜いてまいります。
この決意を申し上げるに当たり、まずは、政治資金問題などをめぐり、国民の政治不信を招いた事態について、深い反省とともに触れねばなりません。
政治資金問題に際し、岸田首相は、自由民主党内の派閥解消や政治資金規正法改正などに取り組まれた後に、所属議員が起こした事態について、組織の長として責任を取るために退任されました。これらは、全て、政治改革を前に進めるとの思いを持って決断されたものでした。
また、岸田内閣の3年間は、経済、エネルギー政策、こども政策、安全保障政策、そして外交政策など、幅広い分野において、具体的な成果が形になった3年でありました。岸田首相のご尽力に、心より敬意を表します。
その思いや実績を基に、私は、政治資金問題などにより失った国民の皆様からの信頼を取り戻し、そして、すべての人に安心と安全をもたらす社会を実現してまいります。
千年単位で見ても類を見ない人口減少、生成AI(人工知能)等の登場による急激なデジタルの進化、約30年ぶりの物価上昇。我が国は大きな時代の変化に直面しています。この変化に対し、政治は十分に責任を果たしてきたでしょうか。
政治資金問題で失われた政治への信頼を取り戻すとともに、これまで以上に、我が国が置かれている状況を国民の皆様に説明し、納得と共感を頂きながら安全安心で豊かな日本を再構築する。それが政治の責任です。
そのために、私は、「ルールを守る」「日本を守る」「国民を守る」「地方を守る」「若者・女性の機会を守る」、これらの5本の柱で、日本の未来を創り、そして、未来を守ります。
2 ルールを守る
【国民からの信頼】
国民の皆様からの信頼を取り戻す。そのために、「政治家のための政治ではない、国民のための政治」を実現してまいります。
政治資金収支報告書への不記載の問題については、まずは、問題を指摘された議員一人一人と改めて向き合い、反省を求め、ルールを守る倫理観の確立に全力を挙げます。
それぞれの政治家が国民一人一人と誠実に向き合い、改正された政治資金規正法を徹底的に順守し、限りない透明性を持って国民に向けて公開することを確立せねばなりません。国民の皆様方にもう一度、政治を信頼していただくため、私自身も説明責任を果たし、さらに透明性を高める努力を最大限していくことを固くお約束申し上げます。
3 日本を守る
【外交・安全保障】
激変する安全保障環境から日本を守り抜きます。国連安全保障理事会の常任理事国であるロシアによるウクライナ侵略はいまだに続いており、戦火は絶えません。今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない。そのような不安を多くの方々が抱いております。何故ウクライナにおいて抑止力が効かなかったのか、私は強い思いを持っております。中東情勢なども相まって、国際社会は分断と対立が進んでいます。
そうした現状を踏まえ、私は、現実的な国益を踏まえた外交により、日米同盟を基軸に、友好国・同志国を増やし、外交力と防衛力の両輪をバランスよく強化し、我が国の平和、地域の安定を実現します。その際、自由で開かれたインド太平洋というビジョンの下、法の支配に基づく国際秩序を堅持し、地域の安全と安定を一層確保するための取り組みを主導してまいります。
日米同盟は、日本外交・安全保障の基軸であり、インド太平洋地域と国際社会の平和と繁栄の基盤です。まずはこの同盟の抑止力・対処力を一層強化します。加えて、同志国との連携強化に取り組んでまいります。先日は、早速バイデン米国大統領に加え、韓国、豪州、G7(主要7カ国)各国の首脳と電話会談を行いました。
現下の戦略環境の下、日韓が緊密に連携していくことは、双方の利益にとって極めて重要です。日韓間には難しい問題もありますが、来年に国交正常化60周年を迎えることも見据え、岸田首相が尹大統領との間で築かれた信頼関係を礎に、日韓両国の協力をさらに堅固で幅広いものとしていきます。また、日米韓で一層緊密に連携していきます。
中国に対しては、「戦略的互恵関係」を包括的に推進し、あらゆるレベルでの意思疎通を重ねてまいります。一方、中国は、東シナ海や南シナ海における力による一方的な現状変更の試みを、日々、強化しております。先月には、幼い日本人の子供が暴漢に襲われ、尊い命を失うという痛ましい事件が起きました。これは断じて看過しがたいことであります。我が国として主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めつつ、諸懸案を含め対話を行い、共通の諸課題については協力する、「建設的かつ安定的な関係」を日中双方の努力で構築していきます。日中韓の枠組みも前進させます。
拉致被害者やそのご家族が高齢となる中で、時間的制約のある拉致問題は、ひとときもゆるがせにできない人道問題、国家主権の侵害であり、政権の最重要課題です。日朝平壌宣言から20年余、残された拉致被害者たちのご帰国が実現していないことは痛恨の極みです。
日朝平壌宣言の原点に立ち返り、すべての拉致被害者の一日も早いご帰国を実現するとともに、北朝鮮との諸問題を解決するため、私自身の強い決意の下で、総力を挙げて取り組んでまいります。
対ロ制裁、対ウクライナ支援は今後とも強力に推し進めます。日ロ関係は厳しい状況にありますが、我が国としては、領土問題を解決し、平和条約を締結するとの方針を堅持します。
ASEAN(東南アジア諸国連合)との連携強化に引き続き取り組みます。グローバルサウスとの関係強化や、軍縮不拡散、気候変動など地球規模課題へ取り組みを進めてまいります。また、在外邦人の安全確保に全力を尽くしてまいります。
我が国は戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面しています。中国及びロシアによる一連の領空侵犯も発生しました。これは、我が国の主権の重大な侵害です。北朝鮮は、核・ミサイル開発を継続し、近年、かつてない頻度で弾道ミサイルの発射を繰り返しているほか、米国を射程に収める長射程ミサイルの開発も追求しています。これは、国連安保理決議違反であり、我が国のみならず、地域、国際社会の平和と安全を脅かすものです。このような中、国家安全保障戦略等に基づき、我が国自身の防衛力を抜本的に強化すべきことは論をまちません。
衛力の最大の基盤は、自衛官です。いかに装備品を整備しようとも、防衛力を発揮するためには、人的基盤を強化することが不可欠です。日本の独立と平和を守る自衛官の生活・勤務環境や処遇の改善に向け、首相を長とする関係閣僚会議を設置し、その在り方を早急に検討し成案を得るものといたします。
先の大戦中、沖縄では、国内最大の地上戦が行われ、多くの県民が犠牲になられたこと、戦後27年間、米国の施政下に置かれたことなどを、私は決して忘れません。基地負担の軽減にも引き続き取り組みます。在日米軍の円滑な駐留のためには、地元を含む国民のご理解とご協力を得ることが不可欠です。普天間飛行場の一日も早い全面返還を目指し、辺野古への移設工事を進めます。また、いまだ全国最下位である1人当たりの県民所得や、子どもの貧困の問題などの課題も存在します。沖縄振興の経済効果は十分に域内に波及しているのだろうか、そしてそれが、本当に実感していただけているのだろうか。沖縄の皆様の思いに向き合い、沖縄経済を強化すべく支援を継続します。
【少子化対策】
少子化とその結果生じる人口減少は、国の根幹にかかわる課題、いわば「静かな有事」です。今の子育て世代が幸せでなければ、少子化の克服はありません。子育て世帯の意見に十分に耳を傾け、今の子育て世帯に続く若者が増えるような子育て支援に全力を挙げます。こども未来戦略を着実に実施するとともに、社会の意識改革を含め、短時間勤務の活用や生活時間・睡眠時間を確保する勤務間インターバル制度の導入促進など、働き方改革を強力に推し進めます。さらに、少子化の原因を分析し、子育て世帯に寄り添った適切な対策を実施します。
少子化をめぐる状況は地域によって異なります。婚姻率が低い県は、人口減少率も高いことは厳然たる事実です。若年世代の人口移動を見ると、この10年間で全国33の道県で男性より女性の方が多く転出する状況となっています。若者・女性に選ばれる地方、多様性のある地域分散型社会をつくっていかなければなりません。それぞれの地域において、地方創生と表裏一体のものとして若者に選ばれる地域社会の構築に向け、全力で取り組んでまいります。
【経済・財政】
日本経済のデフレ脱却を確かなものとし、日本経済の未来を創り、日本経済を守り抜きます。その中で、「デフレ脱却」を最優先に実現するため、「経済あっての財政」との考え方に立った経済・財政運営を行い、「賃上げと投資がけん引する成長型経済」を実現しつつ、財政状況の改善を進め、力強く発展する、危機に強靱(きょうじん)な経済・財政をつくっていきます。
イノベーションを促進すること等による高付加価値創出や生産性の向上、意欲ある高齢者が活躍できる社会を実現し、我が国のGDP(国内総生産)の5割超を占める個人消費を回復させ、消費と投資を最大化する成長型経済を実現します。
このため、コストカット型経済から高付加価値創出型経済へ移行しながら、持続可能なエネルギー政策を確立し、イノベーションとスタートアップ支援を強化していきます。また、経済安全保障の観点から、半導体等のサプライチェーンの国内回帰を含む強靱化や技術流出対策等を進めます。あわせて、能動的サイバー防御の導入に向けた検討をさらに加速させるなど、サイバーセキュリティーの強化に取り組みます。柔軟な社会保障制度の再構築を実現するとともに、データに基づき財政支出を見直し、ワイズスペンディングを徹底していきます。
私は、国全体の経済成長のみならず、国民1人当たりのGDPの増加と、満足度、幸福度の向上を優先する経済の実現を目標とします。そのために、官民で総合的な「幸福度・満足度」の指標を策定・共有し、一人一人が豊かで幸せな社会の構築を目指します。
2024.10.04-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241004/k10014600671000.html
石破首相 新たな経済対策指示 衆院選後に補正予算案提出へ
石破総理大臣は、
物価高対策として
低所得世帯向けの給付を行うことや、
中堅・中小企業の賃上げの支援などを盛り込んだ新たな経済対策の策定を閣僚に指示し、衆議院選挙のあと速やかに今年度の補正予算案を国会に提出する考えを示しました。
石破総理大臣は4日の閣議で「成長と分配の好循環が力強く回っていく経済を実現しなければならない。賃上げや設備投資などが改善を続けているが、デフレからの脱却を確実なものとすることが必要だ」と述べました。
その上で、物価高の克服、地方を含めた経済成長、それに国民の安全・安心の3つを柱とする経済対策の策定を閣僚に指示しました。
この中では、物価高の影響を特に受ける低所得世帯向けの給付金や、地域の実情に応じた「重点支援地方交付金」などを盛り込むのに加え、エネルギーコストの上昇に強い社会の実現も図るとしています。
また、成長につながる国内投資の促進に取り組み、中堅・中小企業の賃上げも支援するとしています。
さらに、石川県能登地方などの復旧・復興に全力を尽くし、防災体制の抜本強化や避難所の環境整備などを進める方針です。
その上で、10月27日に投票が行われる見通しの衆議院選挙のあと、速やかに経済対策を決定し、今年度の補正予算案を国会に提出する考えを示しました。
一方、石破総理大臣は、能登地方の被災地支援は迅速で切れ目ない対応が必要だとして、10月中旬をめどに予備費を使用した追加の措置を講じることも指示しました。
林官房長官「補正の規模は政策の積み上げ」
林官房長官は閣議のあとの記者会見で「与党とも十分に連携して具体的な施策の検討を進め、総選挙のあと速やかに経済対策を決定し、補正予算案を提出する。規模は具体的な政策の積み上げの結果、決まってくるもので、現時点で何らかのめどを用意しているわけではない」と述べました。
一方、記者団から電気・ガス料金などエネルギー価格を抑えるための対策を講じる考えがあるか問われ「エネルギーコストを含めた物価高への対策は状況を丁寧に見極めながら低所得世帯向けの給付金や『重点支援地方交付金』を含め今後、経済対策を議論する中で総合的に検討していく」と述べました。
加藤財務相「デフレ脱却に全力尽くすべき」
加藤財務大臣は閣議のあとの記者会見で「まずは経済対策の具体的な政策について総理の指示をふまえて与党と連携し検討を進めたい。経済あっての財政であり、今は、デフレではないという状況にはきているものの、デフレ脱却には至っていない。それをしっかりとデフレ脱却という状況にしていく、これにまずは全力を尽くすべきだ」と述べました。
また、補正予算案の編成作業の日程や国会での成立を目指す時期について「これから与党と連携をしながらスケジュールも含めて検討していくことになるかと思う」と述べました。
赤澤経済再生相「『イシバノミクス』と呼ぶ」
赤澤経済再生担当大臣は閣議のあとの記者会見で「物価上昇を上回って賃金が上昇し、成長と分配の好循環を後戻りさせることなくデフレからの脱却を確実なものとするため3年間の集中的な取り組みが必要だ。規制改革の手法なども積極的に活用し取りまとめに尽力したい」と述べました。
また「石破内閣で打ち出す経済政策を『イシバノミクス』と呼ぶ。『経済あっての財政』という考え方に立ってデフレ脱却最優先の経済財政運営を行う。成長分野へ官民挙げての投資を行い、賃上げと投資がけん引する成長型経済の実現を図る」と述べました。
武藤経産相 半導体などの投資促進に取り組む方針示す
武藤経済産業大臣は閣議のあとの記者会見で「中堅、中小企業を中心に物価高に負けない賃上げを実現するため、生産性向上に向けた投資の推進や、価格転嫁対策の強化などに取り組んでいる。国内投資の拡大を一過性のものに終わらせず、持続的な成長につなげていく必要がある」と述べ、中小企業支援のほか、半導体や脱炭素などの投資促進に取り組んでいく方針を示しました。
また、10月末の使用分で終了する電気・ガス料金への補助については「状況を丁寧に見極めながら、低所得世帯向けの給付金などを含め今後経済対策を議論する中で総合的に検討する」と述べました。
2024.10.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241004-HC76VF7V5JMLBI5YBAWSKU7J34/
石破首相、就任祝意のゼレンスキー氏にXで謝意表明 ウクライナと協力に意欲
石破茂首相は4日、X(旧ツイッター)上で首相就任への祝意を示した
ウクライナのゼレンスキー大統領に感謝を伝えるメッセージを投稿した。ロシアの侵略を踏まえ「一日も早くウクライナの永続的な平和を実現するため、緊密に協力できることを楽しみにしている」と意欲を表明した。
ゼレンスキー氏は1日にXで、祝意に加え
「両国の互恵関係をさらに深め、真の友情を強化したい」と呼びかけた。
欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長や英国のスターマー首相、イタリアのメローニ首相らもXに祝意を寄せ、石破首相は返信で関係強化に意欲を示した。
2024.10.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241003-P344FWOCZRKA7B73AY6RWUY3FQ/
<独自>石破首相、政治改革議論加速へ自民党内に新組織立ち上げへ 不記載事件受け
石破茂首相(自民党総裁)は
派閥のパーティー収入不記載事件を受けた政治改革に向け
、党に総裁直属の新組織「政治改革本部」を立ち上げる方針を固めた。4日の党総務会で正式決定する。本部長には渡海紀三朗前政調会長を起用する方向だ。
3日、複数の政府・与党関係者が明らかにした。
既存の「政治刷新本部」と「党改革実行本部」を統合し、組織の縦割りの弊害を解消する。政策活動費や
国会議員に月額100万円支給される「調査研究広報滞在費」(旧文書通信交通滞在費)の改革などに関する議論を加速させる狙いがある。
首相は次期衆院選で、
政治改革を選挙公約の柱に据える考えだ。渡海氏は首相の当選同期で、リクルート事件に端を発した「平成の政治改革」に首相らとともに取り組んだ。
2024.10.02-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241002-RFGV6XPU3VJBNO66HGFLL6NUYY/
インドのジャイシャンカル外相、石破首相の「アジア版NATO」創設を支持せず
(岩田智雄)
米国を訪問したインドのジャイシャンカル外相は1日、米カーネギー国際平和財団での対談行事で、
石破茂首相が掲げる「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」の創設について、「われわれはそのような戦略的な構造は考えていない」と述べ、支持しない考えを表明した。
ジャイシャンカル氏は
「われわれには異なる歴史があり、異なる取り組み方がある」と説明した。インドはどの国とも軍事同盟関係を結んでいない。
(岩田智雄)
(岩田智雄)
2024.10.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241001-ZDT26KTQ7JPTVAY3H2HKRVW7BE/
石破茂内閣 閣僚19人の横顔 国際弁護士に俳優、配管工、元刺客…異色の経歴持つ閣僚も
石破茂内閣が1日、発足した。自民党総裁選で石破陣営の推薦人となった6人を閣僚に登用するなど石破首相自身が信頼するメンバーらを据えた。
初入閣は13人。閣僚19人の横顔を紹介する。
村上誠一郎総務相 安倍氏を「国賊」発言で処分
石破茂首相と昭和61年の衆院選初当選同期で、首相が平成30年、令和2年の総裁選に出馬した際に推薦人となった仲だ。
安倍晋三元首相に対しては、森友・加計学園問題や安全保障法制などを巡り批判。安倍氏の死去後、「国賊」と発言したとして、党紀委員会から1年間の党役職停止処分を受けた。戦国時代に瀬戸内海で活動した海賊衆「村上水軍」の末裔。
牧原秀樹法相 地元のライバルは立民・枝野元代表
総裁選では、上川陽子前外相の推薦人代表として奔走した。愛称は「マッキー」。大学受験中、バラエティー番組にレギュラー出演した異色の経歴を持つ。国際弁護士から政界に転身。環境政務官時代に動物愛護に力を入れ、殺処分ゼロに向けた「牧原プラン」を策定した。
地元のライバルは立憲民主党の枝野幸男元代表で、一度も実現していない選挙区当選が悲願。
岩屋毅外相 総裁選では石破陣営の選対本部長
衆院当選9回を重ねるベテランだが、2度の落選で7年の浪人生活を送った苦労人。総裁選では石破茂陣営の選対本部長を務め、石破総裁誕生に奔走した。国防族として知られるが、時の首相に対し持論を展開することも。
ホームページでは趣味のギターの弾き語りの動画や、孫とのセッションの様子の写真を投稿し、普段は見せない一面も披露している。
加藤勝信財務相 安倍氏最側近だった「たわし」
総裁選では「国民の所得倍増」を掲げ、政策通ぶりや安定した答弁はSNSでも好評。最下位の9位だったが、政権の要職に起用された。
旧大蔵省出身。義父の加藤六月元農林水産相は安倍晋三元首相の父、晋太郎元外相の側近で、加藤、安倍両家は家族ぐるみの付き合いだった。安倍政権を最側近の一人として支えた。髪質の硬さからSNSでは「たわし」の愛称で呼ばれる。
阿部俊子文科相 看護・福祉に精通する元「刺客」
平成17年の衆院選で、郵政民営化に反対した平沼赳夫元経済産業相の「刺客」として、縁もゆかりもなかった岡山3区から出馬。比例復活当選を果たし、現在6期目。数少ない女性閣僚として初入閣となった。
看護師を目指して短大に進学した後、「老人施設の経営者になる」ために米国に留学。博士号を取得した。好きな言葉は、ヘレン・ケラーの「希望は人を成功に導く」。
福岡資麿厚労相 参院で返り咲きの苦労人
平成21年の衆院選で議席を失い、翌年の参院選でくら替えして返り咲いた苦労人。自民党の派閥パーティー収入不記載事件を受け、所属していた旧茂木派を退会した。
小学2年で剣道を始め、慶大剣道部で副将を務めた腕前を持つ。党厚生労働部会長を務め、厚労行政に明るい。ただ、扱う政策の幅が広い厚労相は、安定感のある国会答弁など求められるハードルは高い。
小里泰弘農水相 阪神大震災時は震災担当相秘書官
証券会社勤務、父の小里貞利元自民党総務会長の秘書を経て平成17年に衆院初当選した。谷垣禎一元総裁の側近で、旧谷垣グループの事務総長を長年、務めた。
23年の東日本大震災では、阪神大震災時の震災担当相秘書官経験を生かし、野党でありながら対策を立案した。農林水産行政にも精通する。趣味は魚をさばくところまでやり遂げる釣り。
武藤容治経産相 4代続く政治家一家、父は通産相
衆院当選5回ながら重要閣僚の一つである経済産業相に抜擢された。4代続く政治家一家で育ったが、父・嘉文通産相(現経産相)の秘書、酒造会社経営と多彩な経歴を持つ。経験を生かし、中小企業・小規模事業者対策などに取り組む。
高校時代にアイスホッケー部でインターハイに出場した経験も。所属する麻生派では、「いい人」と評価が高い。
斉藤鉄夫国交相 ライドシェアの全面解禁は慎重
公明党枠となって久しい国土交通相を引き続き担う。党代表を退任した山口那津男氏と同じ72歳。15年ぶりの代表交代で刷新が進む中、衆院当選10回のベテランは健在だ。
自動車大手の「型式指定」認証申請不正、自身が慎重なライドシェアの全面解禁といった課題が山積し、手腕が問われる。東工大院出身の工学博士。鉄道とあんこが大好物。
浅尾慶一郎環境相 祖父と父は在外公館の大使
曽祖父2人が衆院議員、祖父と父が在外公館の大使を務めた「華麗なる一族」出身。平成10年参院選で民主党公認で初当選。みんなの党結成に参加し、21年に衆院に転身した。
26年の同党解散に際し代表として政党交付金総額14億円超の国庫返納を決断。落選を経験し、令和4年参院選で自民党公認で当選した。赤ワインを好んで飲むが、酒はさほど強くなく、酔うタイプだ。
中谷元防衛相 「千手観音大臣」、3度目の登板
元陸上自衛官で、厳しい訓練で有名な「レンジャー隊員」の教官を務めた。安全保障政策に精通し、防衛庁長官時代も含め、3度目の防衛相就任となった。前回は安保関連法の審議で忍耐強さと実直さを発揮し、成立に尽力。びっしり付箋を貼った答弁原稿を用意した様子から、「千手観音大臣」とも呼ばれた。カラオケで強烈な風刺を効かせた替え歌を披露する一面も。
林芳正官房長官 音楽と食愛する「ピンチヒッター」
政策全般に通じ、時の政権が閣僚の不祥事などで窮地に陥るたびに後任に起用されてきたことから「政界のピンチヒッター」の異名を持つ。
楽器演奏を得意とし、外相時代はジョン・レノンの「イマジン」をピアノで即興演奏し、各国外相の拍手喝采を浴びた。会食好きで、飲食店予約サイト「食べログ」を重宝。座右の銘は松尾芭蕉が見いだした俳諧の理念とされる「不易流行」。
平将明デジタル相 政界進出前は青果仲卸業を営む
令和3年に解散した旧石破派のメンバー。先端技術の動向に明るく、生成人工知能(AI)などに関する党プロジェクトチームで座長を務める。政界進出前は青果仲卸業を営み、資金繰りに奔走した経験も。平成17年、日本青年会議所会頭選挙に立候補。OBである麻生太郎最高顧問の「影響力」を排除するためだったが、落選。市場で使うモートラ(運搬用の小型車)の操縦も得意。
伊藤忠彦復興相 事態急転で悲願の初入閣
入閣が予定されていた他の議員が辞退したため、急遽の差し替えで復興相のポストにすべり込んだ。5期目で悲願の初入閣。旧二階派で二階俊博元幹事長に師事し、国土強靱化や環境分野の政策に明るい。総裁選では河野太郎氏の推薦人を務めた。
父は東海銀行の元頭取で、伯父は山本壮一郎元宮城県知事。小渕恵三元首相の秘書を務めた経験もある。座右の銘は「天下為公」。
坂井学国家公安委員長 菅義偉氏最側近の元配管工
菅義偉副総裁の最側近。菅氏を慕う衆院の中堅・若手らでつくるグループ「ガネーシャの会」のまとめ役で、菅政権時代は官房副長官として支えた。総裁選では小泉進次郎陣営の中核を担った。
東大法学部卒で松下政経塾生でもあったエリートだが、熊本県で配管工として働いた異色の経歴を持つ。小学生から大学卒業までは野球漬けの日々。趣味はウオーキング。
三原じゅん子こども相 医療制度改革訴え政界入り
TBSドラマ「3年B組金八先生」の生徒役で有名に。女優や歌手として活躍するかたわら、子宮頸がんを患った経験から医療制度改革の必要性を訴え平成22年参院選で初当選。菅義偉副総裁に近く、28年参院選では菅氏の地元・神奈川選挙区から立候補、トップ当選を果たした。
カーレーサーとして活躍していたことも。4月に愛車が盗難に遭ったことが話題になった。
赤沢亮正経済再生相 政策通の「石破マニア」
自ら「趣味は石破茂」というほど、同じ鳥取県選出の石破首相の側近を自任する「石破マニア」。旧石破派の政策委員長として過去の総裁選で政策集の作成に携わった。首相が「最後の戦い」とした今回の自民党総裁選でも奔走した。
元国土交通省の官僚で、平成17年の衆院選で初当選。内閣府副大臣や財務副大臣を歴任して政策全般に明るく、国会対策にも精通する。
城内実経済安保相 造反、落選経験の保守論客
外務官僚を経て平成15年衆院選で初当選。安倍晋三元首相に見いだされたが、17年の郵政民営化法案採決では本会議場内での安倍氏の説得を振り切って反対。「刺客」を放たれ、落選の憂き目に遭った。
復党後は保守論客として活動。総裁選では高市早苗氏を支援した。高市氏が顧問の「保守団結の会」幹部で、靖国神社参拝を欠かさない。趣味はレコード収集とサッカー。
伊東良孝地方創生相 美術教諭でアマチュア画家
総裁選でいち早く石破茂首相支持を決め、推薦人として勝利に貢献。75歳と遅咲きでの初入閣となった。初当選は60歳だった平成21年衆院選で、自民党への逆風をはねのけた。
農林水産副大臣を2回務めた農水族で、国対副委員長や衆院議院運営委員会理事を経験し、国会運営にも明るい。大学時代に美術教諭の資格を取得。アマチュア画家の顔を持ち、ギターの腕前もプロ並み。
2024.10.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241001-U57IFFMCJVAN7GRI46PTIEYZL4/
石破首相、衆院選の大義は「新内閣が発足したら信を問う。内閣を支持するかどうか問う」
石破茂首相は1日夜、首相官邸で臨んだ就任の記者会見で、
27日投開票の日程で実施すると表明した
衆院選について「新しい内閣が発足したら国民に信を問う。この内閣を支持してもらえるか、ほかの選択肢があるのか、主権者たる国民に問うのが大義だ」と語った。
首相は先の自民党総裁選で、国会で野党側と論戦を交わしてから衆院選を実施するのが望ましいとの姿勢を示していた。
記者団に「『すぐに解散する』といっておけばよかったのでは」と指摘されると、
「国会でいろいろな議論が行われる。所信表明演説も自分の言葉で語り、代表質問に対する答えも誠心誠意やりたい。国民の心に響くようにやっていく」と述べた。
2024.09.30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240930-QU2CTJJHBBCVXKTONKXIGE6QPQ/
高市早苗氏支援の藤川晋之助氏「ネットで勝ち派閥に負けた」「岸田文雄氏は今後も権力者」
(聞き手 渡辺浩)(ふじかわ・しんのすけ)
石破茂元幹事長(67)が当選した自民党総裁選で、
高市早苗経済安全保障担当相(63)は1回目の投票でトップだった。高市氏の陣営に支援に入った選挙プランナーの藤川晋之助氏に、高市氏の健闘の理由と決選投票での敗因を聞いた。
―1回目の投票で高市氏が1位になることは予想していたか
「自分でも驚いている。
2位に滑り込むことで決選投票に持ち込もうと、SNSやユーチューブなどで党員票の獲得を目指した。
7月の東京都知事選で石丸伸二・前広島県安芸高田市長を支援した若者たちの一部がフル回転した。高市氏のユーチューブチャンネルの総再生回数は300万回以上で、石破氏や小泉進次郎元環境相(43)を圧倒した。ネット戦略は成功した」
―なぜネット戦略が党員票につながったのか
「今回、自民党は政策パンフレットの郵送や自動音声(オートコール)による電話作戦など8つの禁止事項を決めた。それによって党員には候補者からの情報が届かなくなり、ネットを見るしかなくなった。これまでならネットで発信しても党員が見るとは限らなかったが、8つの禁止事項が高市氏をより有利にした」
―小泉進次郎元環境相(43)が急速に沈んだのはなぜか
「自民党員が減少する中で、しっかりした考えの党員が残っている。それなのに選択的夫婦別姓を最も強調したのは選挙戦略として失敗。もう一つは、共同記者会見の受け答えで頼りないと思われてしまった」
―高市氏は1回目の投票で議員票も党員票も石破氏を上回っていたのに、決選投票でひっくり返された。敗因は
「脱派閥の総裁選のはずだったのに、キングメーカーからの投票指示が飛び交った。岸田文雄首相は旧岸田派の議員に『党員票で1位になった候補に決選投票で入れろ』と指示していたが、高市氏が1位になったので『高市氏は除く』と石破氏に投票させた。石破氏は多くの議員から好かれているわけではないのに、派閥的な力学で幸運にも当選したわけだ。
岸田氏は今後10年ほどはキングメーカーであり続けるだろう。
高市氏だって、麻生太郎副総裁のおかげで議員票を伸ばしたのは事実。国会議員が自主的に政策や人物で選ぶ総裁選にならなかったのは残念だ」
(聞き手 渡辺浩)
ふじかわ・しんのすけ
昭和28年、大阪市生まれ。本名・藤川基之。自民党田中派の山本幸雄元自治相の秘書を経て大阪市議2期。民主党の小沢グループや減税日本、みんなの党、日本維新の会などで事務局長や選挙参謀を務め、「選挙の神様」の異名をとる。令和4年に藤川選挙戦略研究所を設立。
2024.09.29-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240929-6BCV5UOZJZLGLNWFBFGZ5C4YTE/
石破氏、邦人男児殺害の中国対応「話にならない」と批判 領空侵犯で対応措置明確化も検討
自民党の石破茂総裁は29日のフジテレビ番組で、
中露軍機による相次ぐ領空侵犯に関し、正当防衛か緊急避難でしか危害射撃を認めない現行の対応を改める必要性を強調した。
「法律上は『必要な措置を取ることができる』と書いてあるが、
必要な措置とは何か。国家として意思ははっきりさせておかないといけない」と述べ、
検討に着手する考えを示した。
経済政策については
「金融緩和の方向性は維持しなければならない。デフレが脱却できたと断言できない状況で、金利をうんぬんと言ってはいけない」と述べ、岸田文雄政権の路線を引き継ぐ考えを示した。
中国広東省深圳市で日本人男児が刺殺された事件では、
中国側に説明を求めていく考えを示した。犯行動機などを説明しない中国側の対応を「話にならない」と批判した。・・・また、
米国に自衛隊の訓練基地を置き、あわせて日米地位協定の改定を目指す持論を重ねて強調。「まず自民党の中をまとめないといけない」として、
党内議論に着手する考えを示した。
石破氏はこの後、NHK番組にも出演。首相就任後の米国訪問について
「(次期大統領の)就任は来年1月だ。それまでにできたらいいなとは思う」と述べ、現バイデン政権への対応とあわせて判断していく考えを示した。ラオスで10月6~11日に開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議について
「日本の主張は言わねばならず、基本、出席すべきだ」と述べた。
拉致問題では、東京と北朝鮮の平壌に連絡事務所を開設する持論に改めて言及。
「常に水面下で(交渉を)やっていてよいとは思わない」と強調した。
平成14年の日朝平壌宣言について「なぜ実現しなかったのか、検証はきちんとする」と述べた。
地方創生では
「(地方が)もっと自由に使えるお金が多くなければいけない」と述べ、
予算を増額する考えも示した。
2024.09.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240928-JAWPKVPNBNKF5GCRPBA52W5SHM/
<独自>衆院選「10月27日投開票」軸に検討 自民・石破茂総裁、早ければ9日解散
自民党の石破茂総裁は28日、
10月1日に首相に就任した後
、9日にも衆院解散に踏み切り、「10月15日公示、27日投開票」の日程を軸に衆院選を実施する方向で検討に入った。
首相就任後の4日に所信表明演説を行い、7日から衆参両院の本会議で各党の代表質問を行う。9日に党首討論を開催する選択肢もある。野党側が求めている予算委員会は開催しない方向だ。
石破氏は9月30日、新たな党執行部を発足させ、野党側とこうした国会日程について協議に入る意向だ。
2024.09.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240928-IN6R33IPHBIE5JHR7SM4A4U4ZI/
菅義偉前首相、自民副総裁就任に前向き 石破茂総裁が打診検討
自民党の
石破茂総裁は28日、
菅義偉前首相に党副総裁就任を打診する方針を固めた。
打診があれば菅氏は受ける考えだ。関係者が明らかにした。
菅氏や同氏に近い無派閥議員の大半が総裁選の決選投票で石破氏を支持した。
2024.09.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240927-6ANS37POH5IKDE3JIA4AI4RPLM/
石破氏の新総裁選出、ロシアでも速報 集団安全保障の信奉者と紹介 日露関係「変化なし」
(小野田雄一)
27日に行われた
自民党総裁選で石破茂元幹事長が新総裁に選出されたことをロシアメディアも速報した。
タス通信は、
石破氏が総裁選中、日本の防衛力強化や「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」の創設などを訴えたほか、「ウクライナがNATOに加盟していれば、ロシアとの紛争は防げたはずだ」との考えを示したと指摘。
「石破政権が発足しても、日本は対露制裁を維持し、ウクライナ支援を続ける見通しだ」とした。
タスはまた、
石破氏が2022年7月以降、日本の敵対的な対露政策への報復として、露政府の入国禁止対象者リストに含まれているとも伝えた。
タスは石破氏の経歴や人物像も紹介。防衛相や農林水産相、自民党幹事長などを歴任したほか、「党内の批判者」として知られてきたと伝えた。鉄道や兵器、漫画、1970年代の大衆音楽の愛好者だとも説明した。
(小野田雄一)
2024.09.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240927-QEQMTZO4FJK7VNBWAJXXAZWLJ4/
沖縄で考えた自衛隊の意義 石破茂新総裁は憲法改正実現掲げ速やかに衆院解散を
(政治部長 酒井充)
自民党総裁選の投開票直前、
沖縄県に展開する陸海空自衛隊の施設を訪ねた。24時間365日、国民の生命・財産を守るため崇高な使命感を持って作業と訓練を続ける自衛隊員に頭が下がった。・・・
彼らが最前線で向き合う中国の軍事的脅威は強まるばかりだ。8月26日の中国軍機による初の領空侵犯に続き、総裁選中の今月18日には海軍空母「遼寧」が与那国島と西表島の間を初航行した。
25日には大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射し、44年ぶりに公海上に落下させた。中国海警局の船による尖閣諸島周辺の接続水域航行や領海侵入は常態化している。
目を北に転じれば23日にロシアの空軍機が北海道・礼文島付近の領空を3度侵犯した。対領空侵犯措置として自衛隊機が「フレア(火炎)」を初めて発射した。そして中露両軍は海に空に共同で日本を脅かす示威行動を繰り返す。
人員、戦闘機、ミサイルといった戦力は中国が圧倒的に優位だ。それでも自衛隊員は与えられた任務を地道にこなす。全ては国民を守るためだ。
その自衛隊は憲法に一文字も書かれていない。沖縄では米軍のみならず自衛隊への反対活動がいまだにあると聞いた。
石破茂新総裁はじめ総裁選の全9候補は憲法改正、なかんずく「自衛隊の明記」の早期実現を約束した。党の総意と言っていい。石破氏は、岸田文雄首相が道筋を示した憲法改正の実現へ動かなければ背信行為になる。
11月で結党69年を迎える自民は憲法改正が党是だという。婉曲(えんきょく)的な表現を使ったのは、本気で実現する考えがなかったのではないかとの疑念が拭えないからだ。
問われるのは「議論が必要だ」が口癖の石破氏の実行力であり、その前提となるのは国民の信頼だ。このままでは新政権は常に「政治とカネ」の問題を引きずる。安全保障一つ見ても猶予がないのに、国民の審判を受けない限り何事も前に進まないだろう。
だからこそ
石破氏は1日の首相指名後、速やかに衆院を解散し、憲法改正実現を掲げて国民に信を問うべきである。いろいろあっても自民がいいのかダメなのか、あるいは立憲民主党などの野党がいいのかダメなのか。決めるのは有権者だ。
2024.09.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240927-XYTNOOGYJ5L3XMEOMIPR5BRTFA/
新総裁の石破氏 政治とカネに厳しく、選択的夫婦別姓賛成、外国人材受け入れ「進める」
27日投開票の
自民党総裁選で新総裁に選ばれた石破茂元幹事長(67)は、
派閥パーティー収入不記載事件に関し
「党として厳しく臨む」と語り、各社の世論調査でも
「政治とカネ」の問題を重視する層から支持されている。・・・
選択的夫婦別姓については、制度導入に賛成の考えを示し、
「夫婦が別姓になると家族が崩壊するとか、よく分からない理屈があるが、やらない理由がよく分からない」と語る。
また、エネルギー政策については出馬会見で「原発をゼロに近づける努力を最大限する」と他候補と一線を画す姿勢を示したが、12日の告示後は「安全性を最大限に高め、引き出せる可能性は最大限に引き出すのは当然だ」とも語るようになった。再生可能エネルギーである地熱や小水力発電の可能性を引き出すとしている。
一方、
外国人材の受け入れについては、総裁選の9候補を対象に共同通信が20日集計した政策アンケートで「国内の雇用・労働環境への影響に配慮して進める」と回答している。
2024.09.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240927-MGMAZX44RVIJBCGWRUXXSZMMG4/
自民党総裁選、決選投票結果 石破氏215票、高市氏194票
自民党総裁選の決戦投票で、両候補が獲得した票は次の通り(敬称略)。
▽石破茂=215票(議員票189、都道府県連票26)
▽高市早苗=194票(議員票173、都道府県連票21)
2024.09.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240927-IWOPIQWFBZMK7IWZMZ42Y3HKFU/
「ワイドショー政治」は健在か 「高市潰し」「包囲網」はねのけられず、高市氏敗れる
自民党総裁選で27日、
石破茂元幹事長(67)に決選投票で敗れた高市早苗経済安全保障担当相(63)。大手メディアはワイドショーや政治番組などで、人気のある小泉進次郎元環境相(43)らを中心に扱う一方、
高市氏については「政策リーフレット問題」や「タカ派」などのイメージを繰り返し報じ、「高市包囲網」を敷いた。
選挙結果は、高市氏が党員・党友票では最多を獲得。大手メディアの「高市潰し」とは裏腹に、国民の支持が裏づけられた選挙だった。
「高市さんは推薦人の半分以上が『裏金議員』ですよね」
25日放送のテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」で、元同社員の玉川徹氏はこう指摘し、「内閣をつくるときに推薦人を重用しないわけにはいかず、『裏金内閣』になる」と懸念を述べた。
18日放送のTBS系「ひるおび」では、出演した朝日新聞ゼネラルエディター補佐、毎日新聞論説委員、TBS政治部長が異口同音に、「政治とカネ」をめぐる高市氏の対応に疑問を呈した。
また、
24日放送のBSフジ「プライムニュース」では、中国出身の李昊(り・こう)東大大学院准教授が出演、高市氏が首相に就任後も靖国神社参拝を続けるとしていることについて「壊滅的なダメージですね。日本の国内の右翼の支持以外に何も得られない」と切り捨てた。
高市氏は9候補の中で、財政出動によって経済成長を図る積極財政を主張。中国・深圳の日本人男児刺殺事件で中国側に対し毅然とした対応を求めるなど、財務省の財政均衡主義や外務省の対中外交と一線を画す政治姿勢も、一部メディアで強調された。