日本の選挙問題-1


2024.07.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240718-NI5MAGLKGBH75PC2MIK5UVPFME/
「学生時代に産経と朝日を読み比べていた」「ネットばかり頼るな」石丸伸二氏に聞く

  先の東京都知事選で2位に躍進した石丸伸二氏(41)。「マスメディアは当初から自らを取り上げてくれなかった」と批判するが、産経新聞を含む既存の新聞やテレビは、どう映ったのだろうか。活用した動画投稿サイト「ユーチューブ」の懸念も含め、さまざまな問いをぶつけた。

テレビにはかなわない
  ー既存メディアがそう対応している間に、われわれのお客さんはユーチューブに逃げた面もあるだろう。この選挙はユーチューブが投票行動に大きな影響を及ぼした。石丸さんも、大手メディアよりユーチューブをたくさん使う方が有利だと思っていたか
  半分「イエス」で半分「ノー」だ。 「ノー」の方から行くと、大手メディアには勝てません。たとえばテレビの視聴率が1%あった場合、1億人の1%、それだけで視聴者が100万人いる。100万回再生する動画ってなかなか出ない。1%でそれだ。テレビ各社を集めたら何十%。そこに勝てる力はなかなかない。
  私が使えるものはユーチューブ、ネットメディアしかないので、そっちをフル活用したというだけだ。これが「イエス」の面だ。自分で動かせられるものがそれしかない。それを一生懸命動かしただけだ。
  ー「マス(大衆、大量)」という定義を考えたときに、今回の選挙で初めてユーチューブが「マス」の仲間入りをしたとの指摘がある
  なにより量だ。それは動画の尺(長さ)も、アップできる数も、既存のメディアとはケタ違いだ。
  例えば、新聞は基本的に1日1回しか発行されないはずだ(夕刊を発行する新聞などはある)。特別な号外はめったに出ないでしょ。テレビも、1日の中で番組の枠は決まっている。反面、自分の好きなタイミングで情報発信できるネットメディアは、格段に武器として強い。
  ーー他方、ユーチューブには懸念もある。検索履歴などを独自の「アルゴリズム」(計算手法)で分析し、ユーザーに心地よい「おすすめ動画」がどんどん出てくる。見たいものばかり見ていると、一定の枠の中しか世界が見えない「フィルターバブル」になる可能性がある。そうなると、ユーザーは客観的に物事を判断できなくなるのではないか。石丸さんの周囲にそういう懸念はないか。
  その通りだ。(自分と同じ考えの情報ばかりに接する)「エコーチェンバー」という言葉もある。ただそれは、もろ刃の剣というか…。
  切れ味のいい刀は、自分の手を切るリスクもある。よく切れる包丁は、自分の指も切れる。これを考えたら、使いようなのかと思う。「危ないから使わない」は賢くない。いかに便利に使うか。これが人類の英知の見せどころ、賢さだと思う。恐れる対象ではない。「注意事項をよく読んでご利用ください」というだけだ。
  むしろ既存のマスメディアの方が、注意書きがないまま使いまくっている意味では、危険だと思う。読んでいる人は分かった気になっているかもしれないが、例えば産経新聞に載っている社会が日本の正しい社会だと思ってしまう。これは無意識だ。「アルゴリズム」うんぬんの話がない中で、それをずっと受け入れてきた人たちがいると考えると、より危険な気がする。注意事項を知らされていないのだから。
ネットこそ多様だ
  ー産経新聞を読みながら、朝日新聞を読む人はなかなかいない。
  本当は、それを産経新聞でいうとかっこいい。「われわれはこういう風に報じていますが、朝日新聞は全く逆です」と書いてあると「信頼できる」となるのではないか。
  実は、学生時代に大学の図書館で産経新聞と朝日新聞をずっと読み比べていた。両方好きだ。その世界の多様性が面白い。でも、片方しかないならば、僕からするとつまらないし、何より危うい。むしろ今、ネットの世界はバラエティーに富んでいるというか、多様そのものだ。そういう意味では、マシという気がする。
  ー産経と朝日は、物事を言い合ってもいいし、批判しあってもいい。その多様性を認め合いながらやると。
  それが、読者にとって一番優しいのではないか。「これだけが正しい」「これだけ読みなさい」というのは支配的で、今の時代には合わないのではないか。
  ー私からすると、朝日新聞のここは絶対許せない!、というのはたくさんある。これは今後もいいますよ。一方で、SNSの世界は、そういうやり合いが過激すぎるとも思う。その危険はないか。
  それはある。だから、あらゆるメディアに対するリテラシー(知識や能力を活用する力)が大切だ。「ネットリテラシー」という言葉がある。これまでも必要だったが、これからは特に、教育で伝えないといけない。今、高校や中学でネットの使い方のような授業をやると聞くが、もっと前からあってもよかったのではないか。
マスメディアの「軸」は頼りに
  ー「フィルターバブル」を「自己責任」とまではいえないのでないか。(発信側がユーザーに)外に出てもらい、多様な世界をみてもらえるようにすることも必要ではないか。フィルターバブルに陥らないようにするにはどうしたらいいか。
  ひとつはネットに頼らないこと。マスメディアの方に頼るのは、ひとつの手だと思う。マスメディアは企業がやっている意味では、そこに軸はあるはずだ。傾いているかまっすぐかという議論はあるにせよ、軸は「ある」。そこは頼りにできるポイントだ。
  なにより、ネットとマスメディアの両方を使いながら、一次情報に自分でコンタクトする。これがネットは自分でどこかの議会の動画を見ることができる。それを面倒くさがらずにやればいい。全部やる必要はない。ときどき「これってどうだったっけ」と、(ネットを通じて)めくってみる。「あっ、中身は表紙と一緒だ」という点検を抜き打ち的にやるだけで、媒体の健全性が保てるのではないか。


2024.07.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240716-5RC2CBVC7VJELF7YNAUQDX6BLQ/
自民・萩生田光一氏が東京都連会長辞任を表明 都議補選惨敗「指揮を執った私の責任大きかった」

  自民党の萩生田光一前政調会長16日、党本部で記者団に対し、自身が務める党東京都連会長を辞任すると表明した。萩生田氏は「(7日投開票の東京都議補欠選挙では)8人の公認候補を擁立しながら、2議席の獲得にとどまった。指揮を執った私の責任は大きかった」と述べた。

  都議補選(全9選挙区)では、萩生田氏の地元・八王子で敗れるなど2勝6敗と惨敗。萩生田氏の去就が注目されていた。


2024.07.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240714-HA7RV3J22JPTFOQ6NOYMDJYSME/
蓮舫氏を「終わった人」扱いした『新潮』 2位の石丸伸二氏に注目 東京都知事選
(月刊『Hanada』編集長)

  今週、読者の関心がいちばん高い人物は、やはり、都知事選で165万8363票を獲得、2位につけた石丸伸二氏だろう。 こういうところを決してハズさないのが『週刊新潮』の強み。今週(7月18日号)のトップ。  「『蓮舫』を〝終わった人〟にした『石丸伸二』の正体」

  山口真由氏(信州大学特任教授)は<「石丸さんは〝SNS選挙第一号〟」>とし、石丸氏の著書『覚悟の論理』を読んだうえでこう言う。
  <「端的に言えば〝中身が薄い〟と感じました(中略)〝自分がどう見えるか〟には徹底的にこだわる一方、〝何を実現したいのか〟にはこだわりが感じられず、他で聞いたような主張ばかり」>
  <「こうした政治家はアテンションエコノミー(関心経済)に乗っていかなければならず、次々に新しい話題を繰り出して注目を集め続ける必要があります」>
  唐澤俊一氏(評論家)も石丸氏の危険性を指摘
  <「SNSなどで〝相手を叩く〟〝論破する〟ことがコミュニケーションだと思い込んでいる人が多い(中略)〝ユーチューバー的〟ともいうべき、場を引っ掻き回して混乱を生む手法の危険性を、我々はもっと認識すべきだ」>
  所詮、「あだ花」と見た。・・・『週刊文春』(7月18日号)は「松本人志5・5億円裁判 A子さん出廷妨害工作を告発する!」がトップ。
  探偵業者が告発したA子さんの身辺を洗っているとか、大手出版社の女性週刊誌の元編集長が〝脅迫〟まがいの行動を取ったとか、ま、どうでもいい話。お互い司法の場での決着を待てばいいのでは
  政局情報では『週刊ポスト』(7・19/26)が「内部調査情報に地元・広島で悲鳴! 岸田総理、落選危機」。
  全国の「1区」は無党派層が多く、自民党逆風下の総選挙では、<1区で自民党議員が軒並み野党に敗れる「1区現象」が>。事実<広島1区内の海田町長選(昨年11月)、府中町長選(今年5月)で岸田首相が支援した候補が負け続けている>というのだが。
  会見で石丸氏は「広島1区も考える」と発言。岸田首相がいちばんショックを受けたかも

(月刊『Hanada』編集長)


2024.07.13-産経新聞(週刊フジ)-https://www.sankei.com/article/20240713-R2Y3RI3GNJBR3HLQXOVQMOPW6U/?outputType=theme_weekly-fuji
都知事選、蓮舫氏の敗因は「小池知事と対等にいようとし過ぎた」こと 安積明子
(政治ジャーナリスト・安積明子)

   東京都知事選が7日に投開票された。小池百合子知事が291万8015票を獲得し、大方の予想通り、3回目の当選を果たした。
  インターネット動画が多数の再生回数を誇り、連日、約10カ所も街頭演説を行った前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏は165万8363票を獲得して大いに健闘した。  衝撃的だったのは、立憲民主党を離党して出馬した前参院議員の蓮舫氏が128万3262票しか獲得できず、石丸氏に及ばなかったことだ。
  蓮舫氏は「反自民・非小池」をスローガンに掲げ、「行革の専門家」をアピールしたが、訴えは都民の心には刺さらなかったようだ。   〝失敗の理由〟として、まず、「小池知事と対等にいようとし過ぎた」ことが挙げられるだろう。

  参院議員として約20年のキャリアがあるとはいえ、蓮舫氏は都知事選ではチャレンジャーだ。にもかかわらず、平日はもっぱら、公務を優先する小池氏に合わせるかのように、蓮舫氏の街頭演説の回数はさほど多くはなかった
  その代わりに、熱心に活動したのは共産党だ。ただ、蓮舫氏の顔を印刷した幟を立てて応援していた会場の多くで、肝心の蓮舫氏自身の姿は見ることはなかった
  ネット戦略もうまくなかった。蓮舫氏が公約を発表したときの公式チャンネルの同時接続数は、2600に過ぎなかった。さまざまなチャンネルで街頭演説の様子が配信された石丸氏と比べても差があった。
  最大のミスは、「過去の知名度を過信したこと」だろう。これは選挙を取り仕切った責任者らの問題かもしれない。
  2010年の参院選で171万票を獲得した蓮舫氏は、22年の参院選で、67万票しか得られなかった

  投開票前から、厳しい情勢は明らかだった。・・・あるメディアの選挙班が7月4日に行ったとされる「票読み会議」では、小池氏は約260万票、石丸氏が160万票に対し、蓮舫氏は110万票にとどまった。この分析は、かなり正確だった。
  立憲民主党は、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件をめぐる「政治とカネ」の問題を契機に、一気に反転攻勢をかけようとしているが、今回の惨敗は、これに水を差すことになりそうだ。
  一方、17日間の選挙戦で228回も街頭演説をした石丸氏は、野心をさらに燃やし、国政進出について「選択肢として当然考える。例えば、衆院広島1区」と、岸田文雄首相の選挙区を名指しした。だが、石丸氏の地元である安芸高田市で7日投開票された市長選では「石丸市政の転換」を訴えた新人が当選した。
  政治とは常に栄枯盛衰だ。それにしても、小池氏のしぶとさが際立っている。(政治ジャーナリスト・安積明子)


2024.07.11-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240711-KOFBPRB3E5GU7ADV6N2ZXD7RHA/
蓮舫氏、公共物の「R」シール「すぐに原状回復を」 都知事選「支援の思いからでも」

  7日投開票の東京都知事選で3位となった蓮舫前参院議員=立憲民主党を離党=11日、黒地に白抜きの「R」のロゴのシールが都内の公共物に多数貼り付けられている問題について、X(旧ツイッター)で言及した。「貼り付けをおこなった方は、候補者への支援の思いからだったとしても、すぐに原状回復をされるようにお願い申し上げます」と訴えた。

  「R」のシールは渋谷、新宿、杉並各区などで消火器ボックスや地下街への入り口などに貼り付けられていることが確認されており、蓮舫氏の支援者が貼り付けた可能性が取り沙汰されていた
  蓮舫氏はXで「蓮舫陣営として、このシールの企画・作成・配布・貼付のいずれにもまったく関わっておらず、本件についてはSNSなどで知ったところです」と書き込み、陣営の関与について否定した。
  蓮舫氏の陣営は都知事選を通じて「R」のロゴをポスターやビラ、Tシャツなどに使用した一方、小池氏の街頭演説で大声でヤジを飛ばしていた一部の聴衆が掲げたビラなどにも使われていた。

  小池百合子都知事陣営の幹部5日、Xで小池氏の街頭演説で「R」のプラカードを掲げて騒いでいた人々が「R」のシールを貼った現場を目撃したとして、蓮舫氏陣営に早急に剥がすように求めていた
  一方、蓮舫氏は7日、記者団に「R」のシールが都内で多数確認された状況についての考えを問われた際、「まったく意味が分からない」と述べるにとどめていた。


2024.07.11-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240711-RIJ3NDEXXNLPFII7FCNXYCVCW4/
石破茂氏、総裁選立候補の可否を8月に正式判断「一つの時期」

  自民党の石破茂元幹事長は11日放送のTBSのインターネット番組で、立候補に向けて調整している党総裁選に関し、8月に可否を正式判断する考えを示した。「総裁選日程が決まる頃が一つのタイミングではないか」と語った。2021年の総裁選は、8月26日の総裁選挙管理委員会で日程が決まった
  物価高対策や憲法改正、安全保障政策を総裁選の争点に列挙「『自民はこう変わる』というものを見せなければいけない。全候補に求められることだ」と強調した。
  石破氏「ポスト岸田」を問う報道各社の世論調査トップを走る。受け止めを聞かれ「自分が任に堪えるかどうか常に考えることが大事だ」と述べるにとどめた。


2024.07.11-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240711-SEZC4CMTFBM4PIN2LN2UIUUSRM/
公選法改正で規制強化検討を 公明党の北側副代表 都知事選ポスター掲示枠売買で

  公明党の北側一雄副代表は11日の記者会見で、東京都知事選でポスター掲示枠を売買する「掲示板ビジネス」のような事態があったとして、公選法改正による規制強化を検討すべきだとの認識を示した。「営利目的に掲示板が使われるのは全く想定していない。当然規制をかけることも検討の対象ではないか」と述べた。党に検討チームを設置し、具体化を急ぐ。
  異様な政見放送が散見された点については「政治活動の自由はあるが、無制約ではない。公費助成もされている」と指摘。秋の臨時国会前の衆院解散も想定されるとして、法改正に向けて「できるだけ早く政党間の合意形成をすることが大事だ」と強調した。


2024.07.11-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240711-5U2N3ZHUZJGAVIH2KWUTIMXLQE/
国民・榛葉賀津也氏、街中の「R」シールで立民に苦言 「きれいに剥がした方がいい」

  国民民主党の榛葉賀津也幹事長は10日の記者会見で、7日投開票された東京都知事選で立憲民主党が支援した蓮舫前参院議員が3位になった結果を巡り、立民が「アップデート」する上で必要なことを記者団に尋ねられ、「まずは街中に貼った『R』のシールをきれいに剥がした方がいい。明らかに。そこが最初だ。選挙が終わってずっと貼ってある」と苦言を呈した。

  最近、渋谷や新宿、練馬各区などで電柱や道路標識に黒地に白抜きで「R」のロゴを書いたシールが多数貼られており、3選した小池百合子都知事陣営の幹部は蓮舫氏の支援者とみられる人物が貼り付けたと指摘している。蓮舫氏は「R」のシールが公共物に貼られている状況について「意味が分からない」としている。
  榛葉氏は令和4年10月公開で異例のヒットを見せているインド映画を挙げ、「映画『RRR』を見たけど、(『R』のシールで)『RRR』を思い出す人よりも、蓮舫さんを思い出す人の方が多いのではないか。蓮舫さんは『関係ない』(『意味が分からない』)と言ったが、見るたびに嫌な気持ちになる」と述べた。


2024.07.11-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240711-OPTMCJXASRBUBN2OWDHTYR3HUI/
都知事選2位の石丸伸二氏「雑な質問は相当の対応」、特徴的な言い回し「石丸構文」は歓迎

  7日投開票の東京都知事選で2位になった前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏は10日夜、ユーチューブチャンネル「ReHacQ−リハック−【公式】」に出演し、都知事選の開票番組での対応について司会者に「厳しめだった」と指摘され、「雑な質問に対しては相応の対応をする。コミュニケーションの基本としてミラーリング(鏡のように合わせる)する。善意には善意で、敵意には敵意で返す」と説明した。

  石丸氏は7日の開票番組でコメンテーターの質問に質問で返すなどしており、リハックの司会者らに「感じが悪かった」「切れていた」「冷たく突き放していた」と指摘されていた。
  石丸氏は「雑」と表現した理由については「(回答中に再質問を)かぶせてきて、再質問もまた分かっていないのだろうと思う。最初から選挙が終わるまで、(石丸氏の活動を)見ていなかったというインタビューだった」と指摘した。
  その上で、「地上波は特に、紋切り型の一問一答にしたくて仕方がない。『選挙を振り返ってどうか』『事前の予想は3番手だったが2番だった。うれしいか』みたいな。『力及ばず、残念』と謝らせたり、『躍進でき、うれしい』といわせたりする絵を取りたいのが透けてみえる」と述べ、「(選挙で)勝ち負けという視点は小さい。候補者の視点でしかない。有権者に失礼だ。投票した170万人くらいの人は負けた、間違えたわけではない」とも語った。
  SNSでは、石丸氏の特徴的な言い回しが「石丸構文」として注目を集めている。石丸氏がファストフード店に行った際などの会話を想像して大喜利状態になるなど「石丸構文」という言葉がX(旧ツイッター)でトレンド入りした状況については、「全然かまわない。いいぞ、もっとやれと。それくらい政治のエンタメ化に真剣だ」と語った。


2024.07.09-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240709-ZCQ2VNTSFRJY5ECMZSEI3GMWMU/
立民・岡田克也幹事長「都知事選の戦略に間違いや失敗」 執行部の責任は「聞いていない」

  立憲民主党の岡田克也幹事長9日の記者会見で、東京都知事選で支援した蓮舫氏が3位に甘んじた結果を受け、党として敗因を分析する考えを示した「蓮舫氏は頑張ってくれた。戦略面での間違いや失敗、戦術面の不徹底があった」と語り、無党派層への浸透などを課題に挙げた。

  党執行部や東京都連幹部の責任を問う声には「私は誰からも聞いたことがない」と述べるにとどめた。
  蓮舫氏を上回り次点となった前広島県安芸高田市長、石丸伸二氏の得票について「既成政党全体への忌避感があり、その受け皿になった」と分析した。


2024.07.08-首都圏 NWES WEB-https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20240708/1000106274.html
東京都知事選挙 現職の小池百合子氏が3選【開票結果】

  過去最多の56人が立候補した東京都知事選挙は、現職の小池百合子氏(71)が、3回目の当選を果たしました過去最多の56人が立候補した東京都知事選挙は、現職の小池百合子氏(71)が、3回目の当選を果たしました。

東京都知事選挙の開票結果です。・・・小池百合子、無所属・現、当選、291万8015票・・・石丸伸二、無所属・新、165万8363票・・・蓮舫、無所属・新、128万3262票・・・田母神俊雄、無所属・新、26万7699票・・・・・

  自民党、公明党、国民民主党都連、地域政党の都民ファーストの会が自主的に支援した現職の小池氏が、広島県安芸高田市の元市長石丸伸二氏、立憲民主党、共産党、社民党が支援した元参議院議員の蓮舫氏らを抑えて、3回目の当選を果たしました。小池氏は兵庫県出身で71歳。
  民放のニュースキャスターなどを経て、1992年の参議院選挙に当時の日本新党から立候補して初当選しました。その後、衆議院議員に転じて8回連続当選し、防衛大臣などを歴任したあと、8年前・2016年の都知事選挙で初当選し、2期務めてきました。
  選挙戦で小池氏は、これまでの都政運営の実績をアピールするとともに、少子化対策として都が行っている保育料無償化の対象拡大や災害対策の推進などを訴えました。その結果、自民党や公明党、それに都民ファーストの会の支持層を固めたほか、いわゆる無党派層の支持も集めました。
  小池氏は「力強い支持を頂き、3期目の都政のかじ取りを任せて頂いたことに重責を痛感している。東京大改革のバージョンアップを進め、1400万人の都民の命と暮らしを守っていく」と抱負を述べました。

  投票率は60.62%で、前回・4年前の選挙を5.62ポイント上回り、平成以降では2番目に高くなりました。今回の東京都知事選挙で、各候補がどこで多くの支持を得たのか自治体ごとに見てみます。小池氏は、62のすべての自治体でほかの候補を上回る票を獲得しました。特に島しょ部や多摩西部では、50%台から60%台の得票率のところも多く、23区では足立区、江戸川区、葛飾区で45%以上の得票率となりました。
  一方、得票率が低かったのは、渋谷区や目黒区、武蔵野市などでした。
  石丸氏の得票率が特に高かったのは、世田谷区、渋谷区、中央区、品川区、目黒区、港区で、27%以上でした。
  蓮舫氏は、武蔵野市、国立市、多摩市、小金井市、杉並区、三鷹市、国分寺市などで、20%を超える得票率でした。

  今回の東京都知事選挙の候補の得票率を見ると、小池氏が42.8%、石丸氏が24.3%、蓮舫氏が18.8%を獲得し、この3人で有効投票数の85.9%を占めました。
今回の選挙には、過去最多となる56人が立候補しましたが、このほかの53人の得票は、いずれも有効投票数の10分の1に達しませんでした。53人が法務局に預けた立候補に必要な供託金300万円、あわせて1億5900万円は没収され、東京都に納められて一般財源として扱われます。

  今回の東京都知事選挙と都議会議員の補欠選挙について、東京都選挙管理委員会が開票結果を発表したのは、午前5時ごろでした。
  都の選挙管理委員会は、当初から開票作業は深夜まで及ぶ見込みだったとしたうえで、「都知事選挙の投票率が平成以降では2番目に高くなって扱う票が増えた。また、知事選挙の候補者数が56人と非常に多く、票が有効か無効かなどを見極めるため、開票に時間がかかった」と話しています。


2024.07.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240707-PGMPJMXQJBKVBB6OXK3MXUGDTA/
広島・安芸高田市長に前職、石丸氏の手法批判の藤本氏が初当選 市政継続訴えた候補ら退ける

  東京都知事選に立候補した石丸伸二前市長の辞職に伴う広島県安芸高田市長選7日、投開票され、無所属新人の元郵便局長、藤本悦志氏(51)が初当選した。藤本氏は市議会との対立を繰り返した石丸氏の政治手法を批判石丸市政を評価し「継続と改善」を訴えた無所属新人の元市議、熊高昌三氏(70)ら3人を退けた。

  投票率は58.07%で、前回選を1・09ポイント上回った。  藤本氏は「対話からの前進」を掲げた石丸氏と対立した市議の多くが支援。6月30日の出陣式には、市を含む衆院広島3区選出で公明党の斉藤鉄夫国土交通相ら与野党の国会議員や地方議員が駆け付けた
  熊高氏は市議として石丸氏と協調路線を取ってきた。「石丸市政の継続と、市民を置き去りにしない改善が必要だ」と主張したが及ばなかった。


2024.07.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240708-BLFMR2INVVM5FGUE5MKVKZLRJA/
東京都議補選は、自民2勝6敗で惨敗 萩生田光一氏の地元で落とす

  東京都の江東区、品川区、中野区、北区、板橋区、足立区、八王子市、府中市、南多摩(多摩市、稲城市)の9選挙区の都議会補欠選挙(各欠員1)7日、投開票が行われ、8人を擁立した自民党は2勝6敗と惨敗した。政権運営に影響する可能性がある。

  3人を擁立した立憲民主党は1勝、4人を擁立した共産党は全敗だった。ほかの当選者は地域政党の都民ファーストの会が3人、諸派1人、無所属2人が当選した。
  過去最多となった9選挙区同時での都議補選には計30人が立候補。結果は、次期衆院選の情勢分析にもつながるため、注目されていた。
  9選挙区のうち、自民都連会長でもある萩生田光一前政調会長の地元・八王子で落選。派閥パーティー収入不記載事件に揺れる自民の退潮が際立つ結果となった。
  重複を避けて計7選挙区で擁立した立民、共産は立民の1勝のみ。蓮舫氏(56)が大敗した都知事選とともに、連携に課題を残した。


2024.07.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240707-5CB7VA7GDRLVVHZU7MRWIDDU2Q/
小池都知事が3選確実 蓮舫、石丸氏ら破る 2期8年の実績評価

  任期満了に伴う東京都知事選は7日、投開票が行われ、無所属現職の小池百合子氏(71)が無所属新人の前参院議員、蓮舫氏(56)、無所属新人の前広島県安芸高田市長、石丸伸二氏(41)、無所属新人の元航空幕僚長、田母神俊雄氏(75)らを破って3選を確実にした。

  過去最多の56人が立候補した選挙戦では、小池都政2期8年に対する評価や少子化対策などが争点となった。これまで、所得制限を撤廃し高校授業料実質無償化を実現し卵子凍結に対する助成などを進めたほか、新たに「無痛分娩への助成」「保育無償化を第1子まで拡大」といった具体策を打ち出したことで有権者の信任を得た。
  選挙戦は、小池氏を自民・公明の両党が支援、蓮舫氏を立憲民主・共産・社民の各党が支援する事実上の与野党対決となった。小池氏の勝利が、今後の国政にどのように影響するかが注目される。
  蓮舫氏は自公の支援を受ける小池氏を批判し、都政刷新を訴えた。石丸氏は「東京を動かそう」をスローガンに政治再建を強調。田母神氏は伝統保守の立場から選挙を進めたがいずれも届かなかった。
  小池氏は昭和27年、兵庫県芦屋市生まれ。キャスターを経て平成4年の参院選で初当選。翌年から衆院議員。環境相や防衛相を歴任した。平成28年、舛添要一氏の辞職に伴う都知事選に自民内の了解を得ずに無所属で出馬し、女性初の首都のトップに就任。新型コロナウイルス禍が始まった令和2年に再選した。
  都選挙管理委員会によると、午後6時現在の投票率は33・07%で前回令和2年の同時刻と比べて0・43ポイント下回っている。


2024.07.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240706-WYIQ5D7N3FBMHDCBP2FIAJBSAQ/
『安倍晋三〝最後の肉声〟』著者の阿比留瑠比記者に聞く「岸田氏は無党派保守層手放した」
(産経新聞の阿比留瑠比論説委員-阿比留瑠比記者)

  安倍晋三元首相が凶弾に倒れてから間もなく2年。それを前に、安倍氏に四半世紀にわたって取材してきた産経新聞の阿比留瑠比論説委員による『安倍晋三〝最後の肉声〟 最側近記者との対話メモ』(産経新聞出版・1650円)が3日発売された。阿比留論説委員は、安倍氏が日本近現代史と首相を輩出した一族の「ファミリーヒストリー」を重ねていたと推測し、それゆえ「日本の歴史が不当に貶められることが許せなかった」との見方を示した。阿比留論説委員との一問一答は以下の通り。

  ―本書では、一般読者が知らない安倍氏の赤裸々な本音や実像が紹介されている。取材者として近くから見た安倍氏の人物像とはどのようなものだった
  
「とにかく前向きで、父の安倍晋太郎元外相譲りの優しさもさることながら、一度定めた目標には匍匐前進も回り道もいとわずに近づこうとする執念も感じました。自民党内では若手議員の頃から議員連盟などをいくつもつくり、そのコアメンバーを固めつつ仲間を増やし、20年かけて培ったその力で再チャレンジを果たし、2度目の首相に就いたのは、まさに安倍さんの真骨頂だったと思います。この本でも紹介していますが、第二次政権時に、憲法改正について第一次政権時の参院選で適当に勝っていた場合よりも近づいたと振り返っていたポジティブさには感心しました」
靖国参拝巡る駐日米大使館「失望」表明に憤慨
  ―憲法改正など何年かかろうとも国家や国民にとって必要なことは絶対に成し遂げようという強い姿勢が本書を通じて浮かび上がる。理不尽なことに対してもすさまじい怒りを露にすることが少なくなかったとある。特に印象に残っている発言は
  「祖父も大叔父も首相といういい意味での世襲政治家として、日本の近現代史は自分たちのファミリーストーリだとみていたのではないか。過去の日本の歴史が歪められたり、不当に貶められたりすることが許せないという思いが強かったのだと思います。オバマ米政権時にバイデン副大統領が安倍さんの靖国神社参拝に対し、駐日米大使館に『失望』を表明させたときには、米政府関係者とはしばらく会談しないとまで怒っていましたし、中国や韓国の反日勢力を勢いづかせるだけで全然戦略的でない態度にも憤っていました。所詮は白人がルールや善悪を決める欧米社会の冷然としたシステムを承知しつつ、それには容易に屈さないという意志が強い人でした」
  ―安倍氏の外交面でのレガシーは少なくない。とりわけ世界を翻弄したトランプ大統領との関係構築による日米同盟の基盤強化、戦後レジームを終わらせた対中韓外交などにみる政治技術は特筆に値する。阿比留論説委員から見た安倍氏の凄みとは
  「ある時、民主党政権の外交について『中国と問題が起きたら中国だけを見て、韓国と問題が起きたら韓国だけを見るからダメなんだ』と語っていました。その通り、安倍さんは地球儀を俯瞰する外交を展開し、中韓の外堀、内堀を埋めて安倍さんに会わざるを得ない形をつくってしまった。安倍さんによる自由で開かれたインド太平洋構想は、米国が初めて日本の戦略を自らの戦略として採用した例として特筆すべきです。伝統的に双方を苦手としたインドと米国の仲を取り持ち、中国に傾きがちだったオーストラリアを引きはがして日米豪印の枠組みクワッドをつくったのも画期的です」
自民も無党派保守層をあきれさせている
  ―安倍氏が亡くなったあと、自民党は漂流を続け、行き先を見失った感がある。かじ取り役の岸田文雄首相も当初は安倍路線を引き継ぐ意向を示していたが、その意志は今判然としない。安倍氏が岸田氏をどう具体的に見ていたのか、また支持率が低迷する岸田氏はどこでつまずいたのか、そして今の自民党に必要なものは何か
  「安倍さんは岸田首相を『誠実な人』だと言っていました。ただし、飲み会などでもあまりしゃべらず、聞き役に回ることの多い岸田首相についてつかみあぐねていた部分もあったのではないか。一方、岸田首相は安倍路線を継承した政策を前に進める分にはいいが、それ以外の独自政策を取ろうとすると、いろいろと迷走しているように見える。安倍さんは無党派の保守層を大切にし、彼らに気を遣った。それは政治信条的に近いということも当然あるが、それだけでなく、この層をしっかり確保していれば自民党は選挙に勝てるという確信もあった。ところが、岸田首相はLGBT法でこの層を手放したし、自民党もまた今、選択的夫婦別姓の検討でこの層をさらにあきれさせている」
安倍氏の肉声メモ「まだまだある」
  ―最後に。本書は雑誌「正論」に連載中のコラムを加筆・修正したものだが、まだ出し切っていない安倍氏の肉声はあるのか。また、安倍氏の赤裸々な肉声をふんだんに盛り込んだ本書を、安倍氏が読んだらどんな反応を示すと思うか
  「安倍さんの肉声はまだまだあるが、あまり特定の政治家や政党への評価や感情表現にかかわることは表に出すべきではないと考えました。また、テーマや構成に合わず、記事化していない言葉もたくさんあります。安倍さんはこれまでも私や他の記者の書いた本を読んで『よかったよ』などと感想を述べてくれましたから、生きていたらこの新刊もきっと目を通し、苦笑したのではないかと思います」


2024.7.06-産経新聞(週刊フジ)-https://www.sankei.com/article/20240706-KCYOGVRBIZCSTELZM2XTDWDJ7E/?outputType=theme_weekly-fuji
「狭い世界」の総裁選は麻生VS菅の「選挙の構図」が焦点 注目は加藤勝信氏 松井一郎
(前大阪府知事、前大阪市長 松井一郎)

  9月の自民党総裁選を見据えて、「ポスト岸田」をめぐる報道が相次いでいる。石破茂元幹事長(67)や、河野太郎デジタル相(61)出馬意向を固めたという記事もあったが、本人は明言していない。小泉進次郎元環境相(43)や、高市早苗経済安保相(63)を推す声もある。

  私の感触では、現時点では「自民党内に有力な候補者がいない」という状況ではないか。このため、岸田文雄首相(66)側近は「総裁選で再選の可能性がある」と分析しているように思う。
  まず、石破氏は、報道各社の世論調査では「ポスト岸田」のトップだが、自民党の党員や国会議員の人気はそれほどでもない「石破氏との一騎打ちなら、議員票で勝てる」と読むだろう。
  進次郎氏国民的人気は高いが、まだまだ経験不足で、なっても短命で終わる可能性が高い。父の小泉純一郎元首相も「50歳になるまでは総裁選に出馬しないように」と言い渡しているそうだ。河野氏と高市氏は一部で高い人気を誇るが、党内での支持は偏っている気がする。

  自民党総裁選は、現在進行中の米大統領選とは違って、自民党の党員と国会議員による狭い世界での選挙である。岸田政権の「主流派」のキーマンである麻生太郎副総裁に対峙(たいじ)する、「非主流派」の菅義偉前首相がどういう「選挙の構図」をつくるかが焦点だ。
  私は、菅政権で官房長官を務めた加藤勝信氏(68)に注目している。元大蔵官僚という政策通で、人柄がよく、政敵がいない。派閥裏金事件にも関与しておらず、「政治とカネ」の問題でケジメを付けやすい人物だ。

  さて、東京都知事選は終盤戦に突入した。・・・報道各社の情勢調査では、現職の小池百合子知事(71)がリードし、前参院議員の蓮舫氏(56)と、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)が激しく追い上げているようだ。無党派層では、蓮舫氏と石丸氏が2位争いをしており、石丸氏が上位の調査が複数ある。
  参院当選4回、国会に20年近くいる蓮舫氏が思わぬ苦戦を強いられているのは、共産党が選挙戦の前面に出てきているからだろう蓮舫氏は無所属で出馬しているが、「共産党色」「立憲共産党色」が付いてしまった。
  永田町の人々は「足し算」ばかりしているが、共産党が全力支援することによる「引き算」はできていない。選挙は中盤戦が一番重要だが、報道各社の情勢調査を見る限り、蓮舫氏は戦略ミスを犯したようだ。
  石丸氏については今回、初めて名前を知った有権者も多いのではないか。安芸高田市での行政経験をうまくアピールして、「小池氏も、蓮舫氏もイヤだ」という都民に浸透しているようだ。石丸陣営としては、満足のいく戦いをしているのではないか。
(前大阪府知事、前大阪市長 松井一郎)


2024.07.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240705-EA6PBYFEOVNLNP6AW444ERB7PY/
都知事選で掲示板枠足りず提訴 候補者「平等に扱われず」乱立で8人分クリアファイル対応

  東京都知事選で選挙ポスター掲示板の枠が足りず、クリアファイルを用いて枠外に張ることになったのは到底受け入れられないとして、候補者の1人が5日までに、都などに2千万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした候補者は都庁で記者会見し「平等に扱われていない」と提訴の理由を説明した。

  訴状などによると、都知事選には過去最多の56人が立候補。都選挙管理委員会が用意した掲示板は48人分しか張れず8人はクリアファイルを用いるなどして枠外に張ることになった
  提訴した候補者は、都選管に掲示板を増設するように依頼したが受け入れられなかったといい「雨や風でポスターがはがれたり、顔や名前が見えなくなったりしている」と訴えた。
  都選挙管理委員会は「担当者が不在のためコメントできない」としている。


2024.07.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240705-WORJWPSJMFJ3LEVG7UCC2R7LMQ/
東京都知事選 進化するネット選挙 政策もプライベートもアップ 街頭告知にとどまらず

  東京都知事選(7日投開票)では、各陣営とも交流サイト(SNS)やユーチューブなどを中心としたインターネットによる発信に力を入れている。これまではネットを通じた街頭活動の告知がメインとなってきたが、今回の都知事選では、さまざまな角度から有権者の関心を呼ぼうとする取り組みが目立つ。公約発表やイメージ映像に加え、プライベートな様子をさらけ出すものまで出ている。

AI、ライブ
  無所属現職の小池百合子氏(71)が自身のSNSで使い分けるのはリアルと人工知能(AI)自身が出演して話しかける「リアルゆりこ」の動画では、追加公約などを発表。自身の音声を学習したCG(コンピューターグラフィックス)が登場する「AIゆりこ」では、これまでの政策を振り返る。
  無所属新人の前参院議員、蓮舫氏(56)は「東京には夢がある」と呼びかける動画をSNSのトップに固定支援者が作成・投稿した動画や画像などを積極的に引用して、支持の広がりを目指す。リアルタイムで視聴者とやり取りができるライブ配信にも取り組んでいる
大病や愛犬
  ともすれば、〝強い女性〟代表と目される両氏。両陣営ともそんな世評を気にしているのか、いずれも〝柔らかさ〟を演出する発信に力を入れている。

  小池氏は、過去に患った大病や母の介護経験を振り返ったものから、自宅にカメラを招き入れるなどを日常生活を明かす発信も多い小池氏陣営によると「若手スタッフがいろいろな面を引き出す質問を作り、本人も楽しんでいる」という。
  蓮舫氏SNSでは、その日の予定を終えて帰宅し、愛犬に抱き着いて癒やされる姿や、自身の子育てを振り返る動画などがアップされている。蓮舫氏のスタッフによると「強いイメージを持たれがちなので、違う側面も知ってもらいたい」との考えがあるという。

拡散呼びかけ
  無所属新人で前広島県安芸高田市長石丸伸二氏(41)は、街頭演説に集まった聴衆に動画などを撮影してもらい、ネット上で拡散するよう呼びかけている市長時代からSNSや動画を積極的に使って知名度を上げてきただけに、本人、陣営ともにネットの活用方法は心得ているもようだ。「石丸伸二」で検索すると、公式以外にも多くの動画が上がっていることが分かる。
  無所属新人で元航空幕僚長田母神俊雄氏(75)は、昨今の日本の状況を憂う様子などを「としおのぼやき」としてシリーズ化し、短い動画に編集して配信している
  東京都知事選でも話題になっているインターネットによる選挙活動について明治大の湯浅墾道教授に話を聞いた。要旨は以下の通り。
  インターネットでの選挙活動は解禁当初、影響力に否定的な見方もあったが、選ぶ側も選ばれる側も当選者を出せると分かり、潮目が変わった。特に東京都知事選のような浮動票の多い大型選挙では、現職知事さえ無視できない存在だ

  ただ、3つの点で問題がある。1つ立候補していないのに立候補しているかのような「フェイク候補者」が現れたこと。2つ目は有権者以外のネット上の支援者が大勢いること。有権者ではない人たちの活動が有権者の判断に影響を与えてよいのかということだ。
  3つ目は営利目的の選挙活動が定着していること。これが最も問題で、動画サイトやSNSなどを運営する、いわゆるプラットフォーマーによる自主規制やチェックが必要だ
  大手メディアは厳格な基準を設けているが、プラットフォーマーは現状、チェック機能を果たしていない自主規制を強く求めるべきだし、それができないなら規制を導入する公職選挙法改正を検討すべきだ。海外企業であっても違法性を示す意味はある


2024.07.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240704-CSUJ7QSR6RIBFDKH7AH2DXAY74/
小池百合子氏、自公・無党派固め優位 蓮舫氏は広がりに課題 都知事選終盤情勢

  東京都知事選は7日、投開票が行われる。選挙戦は最終盤を迎え、3選を目指す無所属現職の小池百合子氏(71)がリードし、無所属新人の前参院議員、蓮舫氏(56)が追う展開。また、無所属新人の前広島県安芸高田市長、石丸伸二氏(41)が支持を広げつつある

  自民・公明両党が小池氏を支持し、立憲民主・共産・社民の各党が蓮舫氏を支援する事実上の与野党対決を軸とした選挙戦。結果は国政に影響を与える可能性がある。
  小池氏は公務をこなす合間に街頭に出て、2期8年の実績と小池都政の継続を強調。力を入れてきた子育て支援や防災対策を中心に各分野に満遍なく触れた公約を掲げていて、現職らしい手堅い戦略で進めてきた。
  「チャレンジャーとして全ての都民に向き合っている」と陣営幹部。現職として批判にもさらされているが、他陣営に関する言及を避ける。党派色を抑える戦略を取りつつも、自公支持層を手堅くまとめている。さらに無党派層にも一定程度浸透している。
  蓮舫氏は立民・共産色を前面に押し出す戦略。民間事業として進む神宮外苑の再開発批判を軸に小池都政の刷新を訴える。支援を受ける政党所属の国会議員と街頭に立ち、小池氏を支持する自民の派閥パーティー収入不記載事件にたびたび言及、国政の問題を都知事選に重ねる。
  陣営関係者は「街頭活動がどんどん熱を帯びている」と手応えを口にする。立民・共産支持層の大半を押さえているが、党派色を強く打ち出したことが裏目に出たのか、無党派層の動きが鈍いのが課題となっている。
  石丸氏は、支援を受ける企業家らと積極的に街頭活動をこなす。安芸高田市長時代から得意としたインターネットでの発信を活用しながら「多くのボランティアに支えてもらっている」(選対幹部)。独自の選挙戦で無党派層を取り込みつつある。

  無所属新人で元航空幕僚長の田母神俊雄氏(75)は、著名人の支援を受けつつ保守層に訴えるが、支持の広がりに欠けている。


2024.07.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240704-7JAB7CXXKRFFZPYXKE6FQIDXUI/
都知事選で過熱するヤジや中傷行為、容姿や年齢を揶揄 別の候補も苦言「リスペクトを」
(奥原慎平)

  東京都知事選(7日投開票)を巡って、一部陣営に対するヤジや中傷行為が過熱している。6月20日の告示以降、この陣営の演説会場に批判ビラを掲げる一団が現れる場面は少なくなかったが、ここ数日は演説が聞き取りにくいほどの大声を上げている。4月の衆院東京15区補欠選挙では政治団体「つばさの党」陣営が東京地検に公選法違反(自由妨害)罪で起訴される事態となったが、都知事選でつばさの党の「選挙妨害」を模倣したとみられる動きもある。

「落選運動をしている」
  3日夕、都内のある広場の一角は選挙カーに向かって柵で仕切られ、中に入る人に対してSP(セキュリティーポリス)や陣営スタッフが手荷物検査を行っていた。
  外側では子供連れや中学生ら通行人が行きかう中、「おい 有権者をなめるな」「一緒に中指 立てください(まま)」「落選運動 しています」と書かれたビラを掲げる人々がいる。
  選挙カーに候補が登壇し、演説が始まると、聴衆から散発的に声援が飛ぶ一方、「アンチ」の人々は警戒に当たる陣営スタッフを引き連れる形で、ほとんど声を上げることなく周囲を巡回していたが、終盤になると、「だいっきらいだー」と大声で繰り返す人がいた
  この候補を巡っては、街宣活動を行うたびに、アンチの一団が現れては、ビラなどで誹謗中傷を繰り返している
注意されると「中国か」
  2日に都内の駅前で行った街宣活動では、候補が現れる前から、候補が会場を去って仕切りで設けた柵が撤去されるまで、絶えず絶叫調でヤジが飛んでいた。
  中には候補の容姿を動物に例えたり、年齢を揶揄(やゆ)したりする内容も含まれている。陣営スタッフに「ほかの人もいるから静かに…」と注意されると、「寄らないで。出たー出たー、ドロボー、ふざけるなー」と声のトーンを上げる人や、「この国は中国か」と言論統制が激化する中国と重ね合わせる人もいた。聴衆の前で目を大きく開いて、ぴょんぴょん飛び跳ねて「帰れー帰れー」と候補に向かって叫ぶ人もいた。
  候補もヤジに影響されたのか、ヤジが飛んだ直後、言葉が詰まる場面もあり、一般の聴衆にはヤジを飛ばす一団に向かい眉をひそめる人がいた。
  6月30日にこの候補が別会場で演説した際も同じようにビラを掲げる集団が現れたが、おおむね無言で抗議の意思を示していた。投開票日が迫るにつれて、ヤジなどが過激化する傾向にある。
  一般の聴衆が候補の演説を聞きにくくする選挙妨害を巡っては、4月の東京15区補選で政治団体「つばさの党」の幹部が他陣営の会場に押しかけて、大音量で一方的な質問や罵声を浴びせるなどした結果、公選法違反(自由妨害)容疑で再逮捕を繰り返している
「互いにリスペクトを」
  一方、今回の都知事選もつばさの党の手法に影響されたとみられる行為も確認される。
  ある候補が2日に都内で街頭演説した際、スマートフォンを固定した自撮り棒を持った男性が現れ、演説を終えて聴衆と握手する候補に対し、距離を取った上で「統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と関係あるんですか」「日本会議と関係あるんですか」などと大声で「質問」を繰り返していた。

  都知事選に立候補している別の候補は3日、一部候補に対して罵声ともとれるようなヤジが飛んでいる状況について「同じ候補者として演説を皆さんに伝えたいという思いは同じだろう。現場を見ていないが同情したい。選挙はやはり、お互いをリスペクトしながら、応援していく活動になればいいなと思う」と記者団に語った。
(奥原慎平)


2024.07.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240704-ISIMWSYQRJL6FCUCCLC57ITVYY/
公明がPT設置へ 公選法改正検討 都知事選のポスターと政見放送「極めて非常識」

  公明党の北側一雄副代表は4日、東京都知事選(7日投開票)で選挙掲示板に同一のポスターが複数貼られたり、奇抜な政見放送が散見されたりしていることなどを受け、近く党内に公選法改正を検討するプロジェクトチームを設置する考えを明らかにした。

  記者会見で「公職選挙法上、想定されてないような事態になっている」と強調。「候補者を選んでいただくためのポスター掲示や政見放送が、極めて非常識な形で行われていることは許しがたい」とも述べた。


2024.07.02-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240702-SIRZOXJFLBNM5NRPNIAEH35NHY/
立・国、「対共産」で衆院選連携に影 東京都知事選が火種に…玉木氏「立憲共産党の結果出る」
(深津響)

  次期衆院選での立憲民主、国民民主両党の連携の成否を巡り、共産党との関係をどう整理するかが波乱要素として浮上している。きっかけは7日に投開票される東京都知事選だ。立民が共産との「共闘」に突き進む一方、両党の支援組織である連合と国民民主は別陣営に回り、溝は深まりつつある。国民民主の玉木雄一郎代表は2日の記者会見で、衆院選に向けた「共産切り」を立民に促した

  その苦言は問わず語りに飛び出した。会見で自民党総裁選に関する質問に応じていた玉木氏は、唐突に話題を変え、非自民連立政権構想「ミッション(使命)型内閣」を掲げる立民の泉健太代表に矛先を向けた
  「政権というものをどういう考え方で担うのか。少なくとも3つの基本政策については、考え方をすり合わせていく必要がある」
  3つの基本政策とは、憲法、安全保障、エネルギー政策を指す。玉木氏はこれらに関する見解の一致を衆院選での協力の必須条件と位置づけており、政策面で溝がある共産との連携に傾く立民に対して苦々しい思いを抱いてきた。立民と国民民主の連携を後押しする連合も、共産とは「水と油」の関係にある。
  都知事選では、国民民主都連と連合東京が無所属現職の小池百合子氏(71)を支持し、立民や共産は無所属新人で前参院議員の蓮舫氏(56)の支援に回っている。
  玉木氏は会見で、都知事選が国政に与える影響として「『立憲共産党』といわれる立民と共産が一体となってやるやり方がどうなのかということの結果が出る」と主張した。その上で、選挙後に「結果の検証」や将来の国政選挙への影響の分析が必要になるとの認識も示した。小池氏の先行を伝える世論調査結果を念頭に、共産との関係を見直すよう求めた格好だ
  一方で、立民は玉木氏の「提案」を受け流す構えを示す。岡田克也幹事長は2日の会見で「都知事選を真剣に戦っている最中だ。何を言われたのか分からないが、コメントするに値しない」と突き放した。
  泉氏は最近、「基本政策」や共産との関係を巡る問題を意識した発信を重ねてきた。6月19日の党首討論では「現実路線で政権運営をしていきたい。外交も安全保障も経済もそうだ」とアピールし、同月13日のニッポン放送番組では、共産に関し「政権に入ることは想定はしていない」と明言した。衆院選に向けた国民民主などへのメッセージであることは明らかだ。
  都知事選での「立共共闘」は、政権交代を視野に現実路線へのシフトを強調してきた泉氏の姿勢に、結果として水を差したともいえる。さらに、蓮舫氏が勝利を逃せば、4月の衆院3補欠選挙で全勝した上げ潮ムードも暗転しかねない。
  立民閣僚経験者は、泉氏が都知事選に関与し過ぎたと懸念を口にする。
  「深入りしないほうがいいのに…。俺が代表だったらしない。負けたら責任が及ぶことになる」
(深津響)







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