日本・韓国の問題-1
2023.06.05-Yahoo!Japanニュース(読売新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/d83d44660fad83844bbf2bf324e7b5e8b9127cab
日韓、対北朝鮮で連携優先 レーダー照射問題は棚上げ
【シンガポール時事】
約3年半ぶりとなる4日の日韓防衛相会談は、懸案となっていた
韓国軍艦艇による自衛隊機への火器管制レーダー照射問題について、再発防止策を実務者間の協議に委ねることとした。
事実上の棚上げで、弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮に対し、連携して対応することを優先した形だ。
浜田靖一防衛相と
李鐘燮国防相の会談は約40分間行われた。浜田氏はレーダー照射問題を含むさまざまな問題で意見交換を行ったと説明したが、具体的なやりとりは明らかにしなかった。
会談後、
防衛省関係者は「
韓国側の主張に大きな変化があったとは捉えていない」と説明。
再発防止を求める日本側に対し、韓国側は事実関係を否定する従来の立場を繰り返した。
日韓がレーダー照射問題を実務者協議の枠組みとするのは、問題を沈静化させる狙いがあるとみられる。先の防衛省関係者は
「日本を取り巻く安全保障環境が厳しくなる中、課題があっても韓国との協力が必要だ」と説明する。
防衛省によると、巡航ミサイルを含めた北朝鮮のミサイル発射は2022年に37回と過去最多を記録。先月末には、日米韓の自制要求を無視して「
軍事偵察衛星」打ち上げを強行。今回は失敗したものの成功すれば「自衛隊や在韓・在日米軍の動きを把握される」と自衛隊関係者は危機感を示す。
日韓関係は、
岸田文雄首相と尹錫悦大統領が徴用工問題で「政治決着」を図ったことを契機として急速に改善。北朝鮮対応でも日韓、日米韓の協力が不可欠との認識を確認している。3日の日米韓防衛相会談では、北朝鮮のミサイル情報を年末までに即時共有することで一致した。
「レーダー照射は日本に強硬姿勢だった文在寅政権の時に発生した。今の政権とは関係ない」。
政府関係者はレーダー問題の早期解決にはこだわらない姿勢を示した。
2023.06.04-Yahoo!Japanニュース(読売新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/e0af0a47abaa1d728054df1ce1cbc11356d272b2
日韓、レーダー照射問題の再発防止へ協議加速…防衛相会談で一致
【シンガポール=天野雄介、溝田拓士】
【シンガポール=天野雄介、溝田拓士】
浜田防衛相は4日(日本時間同)、韓国の李鐘燮(イジョンソプ)国防相とシンガポールで約40分間会談した。懸案となっている
韓国海軍による海上自衛隊機への火器管制レーダー照射問題について、
再発防止策を含めた協議を加速させることで一致した。
日韓防衛相会談は2019年11月以来、約3年半ぶり。会談では、日韓首脳が相互訪問する「シャトル外交」が再開するなど、両国の関係改善が進んでいる状況を踏まえ、防衛当局間でも、一層緊密に意思疎通していく方針も確認した。
18年12月に日本海上で海自の哨戒機がレーダーを照射された問題を巡り、浜田氏は、防衛省が「韓国駆逐艦からの照射は明らか」などとした「最終見解」(19年1月発表)に基づき、日本側の立場を説明した。浜田氏は会談後、「引き続き、韓国側と緊密に意思疎通を図っていく」と記者団に語った。
韓国側は照射の事実を認めていない。李氏は会談後、記者団に
「再発防止対策作りに重点を置き、実務協議から始めて解決していくことにした」と述べた。
事実関係の主張は変えないまま、妥協点を探る思惑があるとみられる。会談後、韓国政府は「防衛当局間の信頼を構築しながら、様々なレベルでの交流協力の増進が重要との意見で一致した」と発表した。
会談では、
北朝鮮による5月31日の「軍事偵察衛星」の打ち上げを強く非難し、日韓、日米韓の防衛協力を推進する重要性も確認した。
2023.05.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230507-ZOVN33DPLNL7FM3432JPC6MEKU/
日韓シャトル外交「反日カード」で過去2度中断
(ソウル 田中一世)
日韓間ではかつて、首脳が年1回程度、相互に往来するシャトル外交を実施してきた。久々に復活した
岸田文雄首相と尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領のシャトル外交について、政府高官は「両国は共通の課題が多く、距離的に近い。年1回といわず頻繁な往来を続けたい」と語る。
2004年7月、当時の小泉純一郎首相が訪韓し、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と会談したことが日韓シャトル外交の始まりだ。その原点は、
小渕恵三首相と金大中(キム・デジュン)大統領が1998年10月に発表した日韓共同宣言における「首脳間の緊密な相互訪問・協議を維持・強化し、定期化していく」の文言だった。
盧氏は最初の会談で、任期中に歴史問題を提起しない意向を示した。ところが小泉氏の靖国神社参拝に反発を強め、
2005年3月の国内演説で歴史問題を巡る謝罪を日本に要求。同年中に予定していた盧氏の訪日は中止となった。
2008年2月、対日関係改善を掲げる李明博(イ・ミョンバク)大統領の就任式に福田康夫首相が出席した際の首脳会談で、「未来志向の日韓新時代」構築に向けたシャトル外交の再開で合意した。しかし
2012年8月、支持率低迷に悩む李氏が竹島(島根県隠岐の島町)に上陸。このため、シャトル外交は前年12月に野田佳彦首相と李氏が京都で会談したのを最後に再び途絶えた。
首相は今回、3月に尹氏と再開で合意したことを受け、わずか約50日後に訪韓した。韓国側は過去に2度「反日カード」を切り、中断した経緯があるだけに、今後も安定的な信頼関係を築けるかが焦点となる。
(ソウル 田中一世)
2023.03.30-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/179ed8b95e9d06734a5d1b44cf83bc7d7dec1285
拉致で日韓連携打ち出した韓国政権「今後4年がチャンス」
【ソウル=桜井紀雄】
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は、
北朝鮮の人権侵害状況を記した「北朝鮮人権報告書」を初公開することで、北朝鮮の人権問題を重視する姿勢を目に見える形で示した。尹政権は、韓国で南北対話の障害とみなされてきた
拉致問題でも日本との連携を目指す。
北朝鮮の人権問題に取り組む国際団体からは、尹大統領の残る任期の4年間が、
人権問題で日韓が連携できる最大の機会だと期待する見方が出ている。
報告書には、
漁船ごと拉致された韓国人被害者や、朝鮮戦争(1950~53年)当時に捕虜となった韓国人とその子孫が炭鉱や鉱山での過酷な労働や監視、差別を強いられる状況も詳述された。
いずれも韓国内でほとんど関心を持たれてこなかった被害者らだ。 権寧世(クォン・ヨンセ)統一相は報告書の巻頭で、
今回の公開について
「北の人権の実質的な改善に一層努めていくという政府の意志の表れだ」と強調した。
尹氏は28日の閣議で
「人権の実情を公開するのは、安全保障にも極めて重要だ」と述べ、「
今後、北に一方的に与えることはやめ、北が核開発を進める状況では1ウォン(約0・1円)も与えない点を明確にすべきだ」と主張した。
尹氏は2010年の韓国哨戒艦撃沈など、北朝鮮との戦闘での戦死者を追悼する24日の式典で、遺族から
「日本には謝罪しろと言う人が、私たちの子供を殺した北へはなぜ謝罪しろと言わないのか」と問われたことにも言及。「こうした見方が普遍的に広がらなければいけない」と語った。
反日世論を政治利用する一方、北朝鮮が嫌うことを持ち出そうとしてこなかった文在寅(ムン・ジェイン)前政権や現在の最大野党への批判が念頭にある。
特に日本人や韓国人の拉致問題を巡っては、韓国の当局者や専門家の間でも、拉致問題の解決を繰り返し訴える日本の姿勢を対北問題解決の障害とみなす見方が根深い現実がある。
これに対し、権氏は23日の東京での松野博一官房長官兼拉致問題担当相との会談で
「朝鮮半島の問題で非核化に劣らず重要なのが北の人権問題だ」と指摘。「北の住民の人権だけでなく、拉致被害者や抑留者、離散家族も含まれる」と強調し、問題の解決に向けた日韓の連携を呼びかけた。
北朝鮮は27日、対外宣伝メディアで権氏の訪日について、韓国の政策への「支持を哀願した醜態を見ていられない」と非難。北朝鮮住民は「自由と権利を享受して幸せに暮らしている」と人権問題を否定した。
北朝鮮がいかに人権問題での日韓共闘に神経をとがらせているかを物語っている。 韓国を拠点に北朝鮮の人権侵害を調査・公表してきた国際団体の代表は
「尹政権の残る4年間は、北朝鮮の人権問題で連携がうまくいかなかった韓国と日本が協力関係を構築できるチャンスだと考える」と話す。
2023.03.17-JIJI com.-https://www.jiji.com/jc/article?k=2023031600991&g=pol
日韓首脳、関係正常化で合意 徴用工「解決」、岸田首相が評価―シャトル外交12年ぶり再開へ
岸田文雄首相は16日、初来日した
韓国の尹錫悦大統領と首相官邸で会談した。
両首脳は、元徴用工問題などにより一時極度に悪化した日韓関係の正常化に取り組む方針を確認。首脳が相互に往来する
「シャトル外交」再開で合意した。首相は今夏までを視野に、初めてとなる訪韓に向けて調整を本格化させる。
会談は少人数会合に続いて全体会合を実施。その後、共同記者会見と夕食会を行った。国際会議に合わせたものを除き、
韓国大統領の来日と共同会見は2011年以来。
全体会合の冒頭、首相は
「政治、経済、文化など多岐にわたる分野で、政府間の意思疎通強化について意見を交わしたい」と強調。尹氏は
「首相と緊密に意思疎通を図りながら、両国の新しい時代に向け共に協力したい」と応じた。
戦時中の徴用工の問題は近年、日韓で最大の懸案。
日本側は1965年の国交正常化時に締結した請求権協定で「決着済み」との立場だが、
日本企業に賠償を命じる韓国最高裁判決が18年に確定し、2国間関係の土台が揺らぐ事態となった。
首相は共同会見で、賠償を韓国財団が肩代わりする韓国政府の解決策を「評価している」と表明。植民地支配への「痛切な反省と心からのおわび」を明記した98年の日韓共同宣言を含め、歴代内閣の歴史認識を引き継ぐ考えを示した。尹氏は「両国の不幸な歴史を克服し、韓日協力の新たな時代に踏み出す第一歩となった」と述べた。
韓国財団が被告企業に賠償金を求める「求償権」の行使については、両首脳とも「想定していない」と否定した。会談では、北朝鮮が16日朝に大陸間弾道ミサイル(ICBM)級1発を発射したことを受け、今後の対応を協議。
日米・韓米同盟の抑止力、対処力の強化で一致した。中国の軍事的威圧などを踏まえ、外務・防衛当局による安全保障対話の約5年ぶり再開と、半導体など先端技術の供給網強化を含む経済安保対話の枠組み創設を申し合わせた。
運用が凍結されている
軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の正常化でも合意。首相は、慰安婦問題に関する15年の日韓合意について、尹氏に着実な履行を求めた。
シャトル外交は11年12月に当時の李明博大統領が京都市で野田佳彦首相と会談したのが最後。岸田首相は会見で「適切な時期の訪韓を検討する」としつつ、「時期は決まっていない」と述べた。首相周辺によると、会談では5月に広島市で開催される先進7カ国首脳会議(G7サミット)への尹氏招待も話題に上った。
2023.03.16-Yahoo!Japanニュース(夕刊フジ)-https://news.yahoo.co.jp/articles/b0b02d6d860ace6ab69b308d24c4e730eb4999a7
懸案事項は山積、日韓首脳会談 レーダー照射事件は尹政権下でも否定
岸田文雄首相は16日夕、
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と官邸で会談する。東アジアの安全保障環境が悪化するなか、尹政権はいわゆる「元徴用工」訴訟問題の解決策を提示し、「
日韓関係の改善」「
日米韓の安全保障協力の深化」を目指す。ただ、
日韓間の懸案事項は山積している=別表。韓国海軍の駆逐艦が2018年12月、海上自衛隊の哨戒機に射撃用の火器管制レーダー照射した事件は深刻だ。こんな状況で防衛協力が進むのか。
「膠着(こうちゃく)した韓日関係を放置し時間を無駄にすることはできず、対立の悪循環を断ち切らなければならない」 尹氏は訪日前日(15日)、共同通信などの書面インタビューにこう答えた。
元徴用工訴訟の解決策は、「忠実に履行していく」と答えた。
北朝鮮は16日朝、長距離弾道ミサイルを日本海に撃ち込んだ。 尹氏は書面インタビューで、北朝鮮の核・ミサイル問題の抑止のため、
日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)をはじめとする防衛協力活性化への期待を示した。
GSOMIAは「反日」姿勢を取り続けた文在寅(ムン・ジェイン)前政権が2019年8月、破棄を通告したものだ。
日韓の防衛協力に向けて、最大の懸案事項なのが
「レーダー照射」事件だ。韓国海軍駆逐艦は、海自哨戒機への射撃準備といえる火器管制レーダーを照射したのだ。 ところが、聯合ニュースによると、韓国国防部のムン・ホンシク副報道官は昨年11月17日の定例会見で、「当時、わが軍のレーダー照射はなかった」との立場を示した。
尹政権はこの事件にどうケジメを付けるのか。 麗澤大学の西岡力客員教授は「韓国の国防白書(2月公表)でも、
レーダー照射事件は『(日本側が)事実確認なしに一方的に、照射があったと発表している』と事実すら認めていない。
岸田首相は尹氏との首脳会談で、国防白書の記述を指摘し、『これは絶対受け入れられない。日韓の軍事協力が必要であれば、照射問題の再調査を要請する。再調査を約束しない限り、改善はあり得ない』と求めるべきだ」と語った。
【韓国による主な「反日」暴挙】 ・島根県・竹島の不法占拠 ・韓国国会議長(当時)による「
天皇陛下(現上皇さま)への謝罪要求」 ・
韓国海軍駆逐艦による海上自衛隊哨戒機へのレーダー照射事件 ・
日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄決定 ・いわゆる
「元徴用工」訴訟をめぐる異常判決 ・自衛隊旗(旭日旗)への侮辱
2023.02.01-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/9fc5dfaaae5569ac3c41307e1603721a291bf54f
日韓改善への悪影響は回避 盗難仏像巡り韓国高裁 「徴用工」交渉が佳境
【ソウル=時吉達也】
韓国人窃盗団が長崎県対馬市の観音寺から韓国に持ち込んだ仏像をめぐり、
韓国・大田(テジョン)高裁の1日の判決は韓国側の所有権を否定した。日韓関係の最大の懸案である、いわゆる
元徴用工訴訟問題の
解決へ両国政府の協議が大詰めを迎える中、関係改善に向けたムードに韓国の司法判断が水を差す事態は回避された形だ。
「
10年前に窃盗団に盗まれて不法に韓国に持ち込まれたという事件の本質に立ち返るべきだ」。観音寺の田中節竜住職は昨年6月、控訴審弁論に韓国政府側の補助参加人として出廷し、こう訴えていた。
2017年1月の1審大田地裁判決は、仏像が盗まれ韓国に持ち込まれた経過や、現代法上の所有権の論点を考慮しないまま、倭寇の存在などに言及して韓国・浮石寺(プソクサ)への像の引き渡しを命令した。
これには韓国国内でも「
韓国人が盗んできたことが明らかな文化財を『韓国のものだ』と主張するのは国益にならない」(朝鮮日報)などと疑問視する声が上がった。
韓国司法でも軌道修正を図る動きがあり、1審が認めた判決確定前の仏像引き渡しについて、地裁の別の裁判官が強制執行を認めないと判断。控訴審では、裁判所が原告側に、仏像を日本に返還して複製品を保管するよう提案したことも報じられた。
韓国の司法判断が日韓関係を悪化させた点で、日本企業に賠償を命じた18年10月の韓国最高裁判決が外交の障害となった徴用工問題に重なる。
この問題では、韓国政府による解決案の公表に向け大詰めの交渉が続くが、先月30日のソウルでの局長級協議では詳細の合意に至らなかった。韓国の朴振(パクチン)外相は1日、今月中旬に国際会議があるドイツで林芳正外相との面会実現に期待を示し、「
持続的な協議を通じて合理的な解決策を見つけたい」と話した。
2022.09.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220922-7FF55JM56RKRVATI2NU2JULHGM/
日韓首脳懇談 韓国側は「略式会談」と発表 意義強調「対立解消へ一歩」
【ソウル=時吉達也】
韓国大統領府は22日未明(日本時間)、米ニューヨークで尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が岸田文雄首相と面会したことについて「
略式会談」が開催されたと発表。
正式な会談ではなく「懇談」だとする日本側の発表と表現に違いが出た。大統領府関係者は「
さまざまな対立がある中、両首脳が会って具体的な成果を出すための第一歩を踏み出したことに意味がある」と意義を強調した。
同関係者は国連総会に合わせた今回の面会について、「
多国間会談中に行うことになった首脳会談は
具体的な議題を決めて議論しない。こうした点から(正式会談ではなく)『
略式会談』とした」と説明した。
この日の懇談をめぐっては、韓国大統領府が15日、日本に先行して「会談開催が決まった」と発表。日本政府が「決まった日程はない」と不快感を示し、面会の成否自体が不透明な状況となっていた。聯合ニュースによると、大統領府高官は両首脳の面会後、「歴史問題に言及する余力、ゆとりはなかった」と事前交渉の経過を振り返り、「あまりにも多くの障害を乗り越えた。両首脳が会った事実だけでも、ひとまず息を吹き返した」と評価した。
2022.09.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220907-GDDJAWAMJZPKFN662B26VFCMZY/
日韓防衛協力「正常化」へ一歩 韓国では反発も 次官級協議
(ソウル 時吉達也)
韓国・文在寅(ムン・ジェイン)前政権下では一度も行われなかった日韓防衛次官級協議が、
6年ぶりに実現した。防衛協力の「正常化」に向け一歩踏み出した形だが、
韓国国内では尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が「対日接近に前のめりになっている」と反発し、より慎重な対応を求める声も上がる。
「国防協力の『正常化』に向け互いに努力することで合意した」。
韓国国防省の申範澈(シン・ボムチョル)次官は会談後、記者団に対し関係の「正常化」を繰り返し強調した。
歴史問題をめぐり日韓関係が悪化する中でも強固な信頼関係を維持していた防衛当局間の関係が「異常」な状態に陥ったのは、2018年12月。韓国海軍駆逐艦が、射撃用の火器管制レーダーを海上自衛隊の哨戒機に照射したことが判明した。日本側の非難に対し、韓国側は意図的な照射はなく、むしろ哨戒機が低空飛行で異常接近したと反発、主張は平行線をたどった。
韓国側は翌19年2月、自衛隊機のみを対象にした火器管制レーダーの照射指針を作成。韓国領空や防空識別圏にも侵入する中国やロシア以上に、友邦国の日本に強硬な対応を取るという前代未聞の事態が生じた。
一連の応酬から時間が経過した後も、文政権は関係修復に消極的だった。韓国SBS放送によると、
昨年7月に日米韓の海軍高官らが出席し日本で開かれた会議で、米側が「日本のみを対象にした指針は国際法上問題になりうる」と指摘。出席者らは指針改正に合意したが、報告を受けた韓国国防省の上層部が「余計なことをした」と叱責し、合意をほごにしたという。
これに対し、
尹政権は日米韓の軍事協力強化の必要性を強調、
関係修復に前向きな立場を示してきた。
国防省関係者は「日韓当局の関係正常化を明確に示すことは、北朝鮮を牽制(けんせい)し、中露の挑発行為を防ぐことにもつながる」と意義を強調する。
ただ、
日韓協力の象徴でもある軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の運用正常化に対しては、日本による韓国向け輸出管理の厳格化措置の撤回が先行すべきだとの主張が、尹政権支持層でも根強い。今年11月に日本で開催される観艦式への参加についても、韓国野党議員らは自衛隊旗である旭日旗への世論の反発を挙げ、軍艦派遣に反対する姿勢を示している。
申氏は記者団に「観艦式への参加を希望する、との『一般論的な』言及が日本側からあり、検討していると伝えた」などと説明。
世論を意識した慎重な言い回しは、関係修復になお時間を要する状況をうかがわせた。
(ソウル 時吉達也)
2022.08.17-Yahoo!Japanニュース(毎日新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/7786788dace320748fe0acb74bab8bdee7b340ee
尹大統領「日本と衝突しないよう補償」 元徴用工訴訟解決案で
【ソウル渋江千春】
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は17日、就任100日の記者会見を開いた。
日韓関係で最大の懸案となっている元徴用工訴訟について、「判決の(強制)執行の過程で、日本政府が憂慮する主権問題と衝突することなく、原告が補償を受けられるようにする解決案を検討している」と述べ、
敗訴した日本企業の資産の現金化に伴う実害が出ない措置を準備していることを示唆した。
元徴用工訴訟に関しては、
2018年に韓国最高裁(大法院)で、第二次世界大戦中に日本企業で働かされた韓国人の元徴用工らへの賠償を命じた判決が確定。日本企業が賠償に応じなかったため、日本企業が韓国国内に持つ資産の売却命令が出ており、一部の資産について
19日にも売却命令が最高裁で確定する可能性がある。
尹氏は日本との関係について、「
北東アジアと世界の安保状況に照らしても、供給網と経済安保の次元から見ても、未来のために緊密に協力しなければいけない関係になった」と指摘。元徴用工訴訟や元慰安婦訴訟などの歴史問題について、
「未来志向的な協力関係を強化する時、譲歩と理解を通じてより円満に早く解決できると信じている」と述べ、日本側の協力も求めた。
【ソウル渋江千春】
2021.02.23-Yahoo!Japanニュース(WoW!Korea)-https://news.yahoo.co.jp/articles/02a9bf4d68bcd1a483ce3f21c879c6673dd745de
日韓関係の回復…韓国「米の助けを借りるかも」VS日本「結局 両国の問題」
「ジョー・バイデン米政権は、北朝鮮問題において日米韓の連携を重視している。これが 日韓関係改善へと繋がるかもしれないという期待感はあるが、
日韓間の懸案を改善するためには、日韓当事国が努力する必要がある」
冨田浩司 駐米日本大使は19日(現地時間)記者会見で、日米韓関係についての質問に先のように答えた。冨田大使は先月まで駐韓日本大使を務めていた。
冨田大使の発言は、
日米韓3角協力を重視するバイデン米大統領の就任が日韓関係に影響を与え得るが、結果的に日韓間で解決すべき事案だという見解だとみられる。
この発言は、チョン・ウィヨン(鄭義溶)韓国外相の発言とは対照的だと言える。チョン外相は18日、日韓関係改善のために「必要なら、米国の助けを借りるかもしれないとみている」という見解を明らかにしている。
チョン外相のこのような発言は
、韓国が日韓関係改善のために多様な努力を傾けているが、日本は微動だにしないという認識から出たものである。実際 日本による韓国に対する冷遇は、所々でみられる。
菅義偉首相はナム・グァンピョ(南官杓)駐日韓国大使(当時)の離任による接見を拒否し、また 新たに赴任したカン・チャンイル(姜昌一)駐日韓国大使とも未だ会っていない。加えて
カン大使は茂木敏充外相とも面談できずにいる。
これらのことは
徴用工・慰安婦賠償問題判決問題に対する解決なしには「会わない」ということだとされている。 日本は日米韓協力において必要な部分では積極的に協力するが、日韓関係は結局 韓国側が「国際法違反」状況を是正しなければ改善は難しいという立場である。
そのような日本は、米国との「密着」の動きを強化している。中国の台頭に対応し、アジア太平洋地域での存在感を強化しようとしているとみられる。米国も中国の影響力が増大することをけん制することとは別に、分裂した国内を治癒することが急務な中
信頼できる同盟国の存在は切実である。 このような状況の中、米国が日韓の歴史問題において無条件 韓国側につくという期待は困難だとみられている。
過去にも米国は慰安婦問題について「むごたらしい人権侵害」とみているが、この問題に対しては2国間のことだとして、介入を避けている。実際 米国側の圧力がきっかけとなり
2015年の日韓慰安婦合意が実現したとされているが、
米国が協議過程と合意内容については一切介入していないことが明らかとなっている。
韓国で
日韓慰安婦合意を民・官合同で再検討した“
日韓元慰安婦問題合意検討結果報告書”には「パク・クネ(朴槿恵)大統領(当時)は、慰安婦問題を解決するために米国を通じて日本を説得するという戦略をとっていた」とし「しかし このような戦略は効果を収めることができず、むしろ
米国内に“歴史疲労”現象を引き起こさせた」と分析している。
2021.01.22-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210122/k10012828961000.html
長崎県沖 海洋調査の測量船に韓国が再び中止要求 海保は抗議
日本の排他的経済水域の
長崎県の沖合で、海上保安庁の測量船が韓国海洋警察庁の船から調査の中止を要求される行為が22日朝から断続的にありました。ことしに入って
2回目で海上保安庁は外務省を通じて韓国に抗議をしました。
海上保安庁によりますと、
22日午前6時半前、海上保安庁の測量船「拓洋」が、日本の排他的経済水域の長崎県の五島列島の女島の西163キロ付近で調査を始めたところ、韓国海洋警察庁の船から無線で調査を中止するよう断続的に要求されました。
要求の内容は「ここは韓国の管轄海域であり、調査は違法だ。直ちに中止して退去せよ」というものだということです。
これに対し、海上保安庁は「日本の排他的経済水域で、正当な調査活動をしている。直ちに中止要求をやめるとともに、本船から離れなさい」と回答したということです。
海上保安庁によりますと、今月11日から16日にかけて別の測量船「昭洋」も、今回の現場近くで中止要求を受けていて、ことしに入って2回目となり、外務省を通じて韓国に抗議を行いました。
海上保安庁は予定どおり調査を続けることにしています。
2021.1.11-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/3d1c74caa63242f85a2490ba684b8998aa97deec
EEZで調査中の海保測量船に韓国公船が中止要求
11日午前3時25分ごろ、長崎・五島列島の南西に位置する女島から西方約140キロの東シナ海で、日本の排他的経済水域(EEZ)内で海洋調査をしていた
海上保安庁の測量船「昭洋」に対し、韓国の海洋警察庁所属船が接近し「ここは韓国の海域だ」として、調査の中止を繰り返し要求した。
海保は日本のEEZ内であることから「要求は受けられない」と現場で要求を拒否。日本政府は外交ルートでも韓国に抗議した。海保によると、韓国公船は同日午後8時現在、周辺の海域での航行を続けている。
海保によると、韓国公船は昭洋に併走しながら「ここは韓国の海域で、海洋の科学的調査を行うためには韓国政府の事前の同意が必要」と、同日午前9時22分まで調査の中止を繰り返した。
同11時40分ごろにいったんこの海域を離れたが、午後0時7分からは別の韓国警察庁の所属船が現れ、同4時52分まで同様の中止要求を繰り返した。
昭洋は1月から同海域の水深などの海洋の基礎調査を開始。周辺の港で補給を繰り返しながら、2月まで調査を続ける計画だ。韓国公船は昨年8月にも近くの海域で調査中だった海保の船に対し、同様に中止要求をし、日本政府が抗議していた。
2020.12.17-Yahoo!Japanニュース(KYODO)-https://news.yahoo.co.jp/articles/d8cb0af76737f5f3a3142f085ec498b65783241b
韓国裁判所で仏像の返還要求へ 盗難被害の対馬・観音寺
長崎県対馬市の観音寺から盗まれ韓国に持ち込まれた仏像を巡り、
所有権を主張する韓国の寺が像を保管する韓国政府に引き渡しを求めた訴訟で、
韓国政府が観音寺に裁判参加を促す書面を送り、外交ルートを通じて17日までに同寺に届いたことが分かった。寺の関係者が明らかにした。早期返還を求めている観音寺は応じる意向で、韓国の法廷で初めて直接訴える可能性が出てきた。 韓国政府は書面で、観音寺の返還要求を補完する証拠収集などで日本政府が協力していないとしており、同寺に直接参加による「協力」を求めた形。審理中の韓国中部、大田高裁も観音寺の参加に前向きな姿勢を示している。
2020.8.23-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/ff2f408cc68581340c7af00ed11bf9c42e55f4fb
韓国、切れないカード GSOMIA破棄、24日に通告期限
【ソウル=桜井紀雄】
韓国政府が昨年、破棄を通告しながら維持に転じた日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA=ジーソミア)は24日、本来の破棄通告の期限を迎える。韓国は破棄通告を保留しているだけで、期限にとらわれず「いつでも終了できる」と主張する。日本に輸出管理厳格化の撤回を迫るカードにし続ける構えだが、
米国の強い反発を前に協定破棄はもはや“切れないカード”との見方が強い。
韓国外務省の副報道官は20日、「
韓国政府はいつでも協定を終了できる権利がある」と主張し、日本が昨年とった韓国向け輸出管理厳格化の早期撤回を改めて要求した。昨年11月に下した破棄通告の「
効力停止」を「
忍耐心を持って維持している」とも強調した。
協定の有効期間は1年で、本来は日韓いずれかが8月24日までに破棄を通告しない限り、11月23日に自動延長される。だが、韓国側の言い分は、昨年11月22日に表明したのは破棄通告の一時停止にすぎず、その状態は今も続いているとの理屈だ。「1年ごとに延長する概念は現在、適用されていない」(韓国外務省)とも主張している。
一方的な理屈にも日本は異議を唱えていない。真っ向から反論して韓国の協定破棄世論を刺激するのは得策でないとの判断からだ。
対日カードとしての有効性も薄いのが現実だ。
文在寅(ムン・ジェイン)政権が昨年8月に破棄を決めたのは、日本に輸出管理厳格化を撤回させる狙いだった。だが、強い反応を示したのは日本ではなく、
協定を日米韓安全保障協力の要とみた米国だった。文政権には、トランプ米政権の高官から繰り返し翻意を迫られ、終了期限直前に撤回した苦い記憶がある。
「いつでも終了できる」とは「日本に一方的に折れたわけでなく、韓国が主導権を握っている」との国内向けの言い訳の側面が強い。
米国の怒りを目の当たりにし、韓国政府関係者も「実際に終了するのは困難だ」とみている。
韓国は昨年11月にいったん中断した輸出管理厳格化をめぐる世界貿易機関(WTO)での紛争解決手続きも今年6月に再開させており、日本に措置撤回を迫るカードとしての名分ももはや通用しにくい。 いわゆる徴用工訴訟で日本企業に賠償を命じた韓国最高裁の判決に日韓対立の根源があるが、文政権はいまだ有効な解決案を示していない。協定の維持にかかわらず、
日韓関係の不安定さは続くことになる。
◇
軍事情報包括保護協定(GSOMIA) 2国間や多国間で軍事上の機密を共有する際、第三国への漏洩(ろうえい)を防ぐために結ぶ協定。日韓の協定は、韓国内の反発による署名延期などを経て2016年11月に締結された。日韓はこれまで北朝鮮が発射した弾道ミサイルの情報などを共有してきた。日本は米英仏や北大西洋条約機構(NATO)、オーストラリアなどとも結んでいる。
2020.8.20-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200820/mca2008200500008-n1.htm
韓国、WTOの期限切れ後にバルブ課税撤廃 日本は「遺憾」
韓国政府は19日、
日本製産業用バルブへの反ダンピング(不当廉売)課税を撤廃した。課税は不当だとする日本側の提訴を受け、世界貿易機関(WTO)が協定違反を認定し、是正を勧告していた。経済産業省は同日、「WTO紛争解決手続きを通じ、問題措置の早期解消につながった」と評価する一方、
韓国が本来の是正期限だった5月30日までに課税を撤廃しなかったことについては「是正勧告の誠実な履行とは言えず、遺憾だ」というコメントを出した。
韓国政府は公式にコメントせず、日本の経産省が19日午前0時の課税措置撤廃を確認し、発表した。韓国は、2015年からの5年間の課税措置が満了したという理屈で、日本側の主張を受け入れたと認めたくなかったようだ。
対象となったのは「空気圧伝送用バルブ」で、圧縮した空気の流れを制御する部品。自動車や家電など工場の組立工程で使われる。
韓国は、日本企業が不当に低価格で輸出したと主張し、15年に11.66~22.77%の追加関税を適用した。日本は韓国の措置はWTO協定違反だとして提訴。WTOは1審に続き、最終審に当たる上級委員会も日本側の主張に軍配を上げ、昨年9月に韓国側の協定違反を認定していた。
韓国は、是正期限前日の今年5月29日、「再調査を行い、措置を是正した」と主張し、
すぐには課税を撤廃しなかった。8月18日の期間満了まで課税を続け、延長しないという形を取った。
2020.8.16-NHK NEWS WEB-
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200816/k10012569651000.html
長崎県沖で海保測量船 韓国公船から調査中止を要求される
日本の排他的経済水域の長崎県の沖合で、
海上保安庁の測量船が韓国海洋警察庁の船から調査の中止を要求される行為が15日から続いています。
海上保安庁によりますと、15日午前4時すぎ、海上保安庁の測量船「平洋」が日本の排他的経済水域の長崎県の五島列島の女島の西140キロ付近で調査をしていたところ、韓国海洋警察庁の船から無線で調査を中止するよう要求されました。
その際「韓国の海域で科学的調査を行うためには韓国政府の事前の同意が必要である。直ちに調査を中止しなさい」と主張したということです。
これに対して、海上保安庁は「日本の排他的経済水域で、正当な調査活動をしている。直ちに中止要求をやめるとともに本船から離れなさい」と回答したということです。
16日も調査の中止を要求される行為が1時間に1回ほどのペースで続いているということですが、海上保安庁は予定どおり調査を続けることにしています。
海上保安庁によりますと、韓国海洋警察庁の船からの中止要求は初めてで、外務省を通じて韓国に抗議をしています。
2020.6.26-excite news(Jcast会社ウオッチ)-https://www.excite.co.jp/news/article/Jcast_kaisha_388856/
【日韓経済戦争】不買運動がブーメラン? 日本進出の韓国企業の96%が「事業が苦しい」 それでも日本を離れない魂胆は......
(1)
2019年7月の日本の輸出規制以来、1年近く日本製品の不買運動が続き、韓国に進出した日本企業は撤退を余儀なくされるところが出るなど苦境が続いている。
ところが、日本に進出した韓国企業も同じように事業悪化に苦しんでいることがわかった。別に日本で韓国製品のボイコット運動が起こっているという話は聞かないが、因果応報、ブーメランが戻ってきたのだろうか?
韓国紙で読み解くと、 必ずしも日本企業のような「
苦境」とは様子が違うようで......。「
日本市場はとても重要、関係悪化でも儲けは出る」
日本に進出している韓国企業が窮地に陥っている様子を、2020年6月26日付の中央日報が「韓日関係の悪化で...日本進出の韓国企業95.7%、『事業が苦境』」の見出しで、こう伝える。
(「日本で製造業者を運営するA代表は最近もどかしい思いから夜眠れずにいる。韓国製は中国製よりもコスパがよいため着実に(日本で)一定の市場シェアを維持してきたが、最近需要を中国製品が代わることが大きく増えたためだ。A代表は『日本の顧客が製品のレビューをする際に韓国製を暗黙的に避けているのではないかと心配だ。社内での解決策もなく気をもんでいる』と述べた」)
そして、韓国の経営者組織である全国経済人連合会(全経連)の衝撃的な調査結果を、こう報告するのだった。
(「
凍りついた韓国と日本の関係に新型コロナウイルス感染症による入国制限まで重なり、日本で事業を行う韓国企業の苦境が深刻化している。6月25日、全国経済人連合会によると、
駐日韓国企業の95.7%が韓日間の相互入国制限措置で事業に悪影響を受けていることがわかった。6月9~22日に実施したアンケート調査の結果だ。日本は4月3日から新型コロナの感染拡大防止を理由に韓国人の入国を全面的に禁止し、韓国も日本へのビザ免除措置とビザ効力停止などで対抗している」)
(2)
このため、
事業の現場訪問や管理、取引先とのコミュニケーションが難しくなり、専門人材の交流も途絶えているという。とり急ぎオンライン会議を拡大した企業が多かったが、企業4社に3社(77%)は今年(2020年)の売上高が昨年より減少すると予想した。企業の99%は下半期も
相互入国制限措置が続けば、ビジネスにマイナスの影響を及ぼすと答えた。
もちろん、コロナの感染拡大だけが日本進出の韓国企業にダメージを与えたわけでない。新型コロナの前に昨年7月、
日本の韓国輸出規制により両国関係が悪化の一途をたどったことが大きい。中央日報はこう続ける。
(「駐日韓国企業の3社に2社(69.1%)以上が日韓関係の悪化以降、日本国内の事業環境が以前に比べて悪化したと答えた。これは『影響なし』という回答(30.9%)の倍以上であるうえ、『好転した』というゼロだった。それでも日本事業を維持する理由は『
日本市場(需要)の重要性』という回答が47.9%と最も高かった。続いて『韓日関係(の悪化)にもかかわらず収益創出が可能』(39.4%)が続いた」)
韓国から撤退する日本企業はあるが、逆がないのはなぜ?
日本製品の不買運動によって韓国から撤退を余儀なくされた日本企業は少なくない。日産自動車、オリンパス、オンワード、デサント、GU(ジーユー、ユニクロの姉妹ブランド)、ロイズ(チョコレート)などなど。
しかし、韓国企業が日本から撤退した例はほとんど聞かない。
日本ではボイコットコレア運動は起こっていないし、KPOPの「BTS」が日本のオリコン上半期アルバム1位に踊り出たほどだ。これは海外歌手では1984年のマイケル・ジャクソン「スリラー」以来の快挙だ。撤退しない理由の9割近くが「
日本は長期的に重要な市場で、関係悪化が続いてもまだまだ収益創出が可能だ」と考えているからだ。
(3)
韓国に進出した日本企業で、唯一、例外的に好調な売り上げを維持しているのは、ゲーム「
どうぶつの森」
が大ブームになっている任天堂くらいだが、日本進出の韓国企業では、「
日韓関係の悪化が業績に関係ない」と答えたところが3割以上いることも大きな違いだ。中央日報は、こう続ける。
(「全経連のキム・ボンマン国際協力室長は『両国が相互入国制限の緩和との関係改善のための積極的な努力をすることを願う』と語った。特に、『
有効関係を困難にする政治的発言や報道を自制してほしい。日本市場での円滑な事業継続のために日本経済界との交流を維持していく』と強調した。そのための今年下半期に在韓日本大使を招待した会員企業懇談会を準備しており、日本経済団体連合(経団連)と11月6日にアジア域内の民間経済団体の集まり『アジア・ビジネス・サミット』を開催する予定だ」)
徴用工問題が破裂したら韓国企業の資産差し押さえも
政治レベルでの日韓交流はすっかり冷え切っているが、
経済レベルでは楽観視しているようだ。しかし、そうは問屋が卸すだろうか。
徴用工問題では8月4日を期限に、韓国の裁判所が差し押さえた被告企業・日本製鉄の韓国内資産の現金化が迫っている。文在寅(ムン・ジェイン)政権と与党・共に民主党は、現金化は既定路線として日本の報復に備えている。
中央日報(6月25日付)「韓国与党『日本の追加貿易報復を予想...対応策をあらかじめ立てなければ』」が、臨戦態勢をこう報じる。
(4)
(「
日本の強制徴用企業に対して韓国裁判所が韓国内資産の売却手続きに入ることで追加の貿易報復措置が予想されるにつれ、韓国与党と政府が先制的に素材・部品・装備対策を補完・点検していくことにした。共に民主党の金太年(キム・テニョン)院内代表は6月24日、国会で開かれた素材・部品・装備党政点検会議で『
日本の追加報復時、措置が速かに取られるようにその間素材・部品・装備対策推進懸案を点検・補完する必要がある。民主党は素材・部品・装備産業の戦略シーズン2を始める』と明らかにした」)
日本の報復措置が実行されてから始めるのではなく、可能なシナリオを検討して対応策をあらかじめ立てておくというのだ。では、韓国側は日本がどんな報復に出てくると予想しているのか。
朝鮮日報(6月20日)「コラム:次第に遠ざかる韓日、破局へ向かうのか」で、チョン・グォンヒョン論説委員が悲観的な見通しを、こう述べている。
(「
日本に『敵に塩を送る』ということわざがある。16世紀の日本では諸大名が乱立して争っていた。そのさなかに宿敵同士だった一方が塩不足に苦しんでいた相手方に塩を送ったというエピソードに由来する。窮地に陥った敵の弱点を狙わず、雅量を示した形だ。(ところが韓国では)慶尚北道慶州市は最近、新型コロナ対策物資の確保に苦しんでいた日本の奈良市に防護服1200セットを支援したところ、大騒ぎになった。『売国奴』という非難が相次いだ」)
「塩」を送って敵を助けた行為として「慶州市長を解任せよ」という抗議運動が巻き起こった。「塩」をやりとりするどころか、互いの傷に塩を塗ることがすっかりすっかり定着したと、チョン論説委員は嘆くのだ。
(5)
(「
8月4日が過ぎれば、
日本製鉄の資産を現金化することが可能となる。青瓦台(大統領府)と与党内部では資産の売却を既成事実化しているムードだ。支持率の挽回を目指す安倍内閣の事情を考慮すれば、(日本に進出した)韓国企業側の資産差し押さえや関税引き上げといった金融カードを切るかもしれない。輸出規制は『国産化』で乗り切ることができるかもしれないが、金融分野の『国産化』はあり得ない。
基軸通貨『円』の発券国(日本)との争いは最初から相手にならない」)
チョン論説委員は、
日本に進出している韓国企業の資産の差し押さえと、「円」に頼っている韓国経済の破綻を強く憂えるのだった。そして、文大統領の自制を強く求めた。確かに、8月4日に
徴用工問題の「爆弾」が爆発したら、
日本進出の韓国企業のやや甘い「楽観論」も吹き飛ぶかもしれない。
(福田和郎)
2020.5.19-Yahoo!!Japanニュース(中央日報)-https://news.yahoo.co.jp/articles/b4d9b195300e20f433ad18db121b04c1f3f8897f
日本外交青書で「韓国は重要な隣国」再び明記…輸出規制やGSOMIAなどにも言及
日本政府が毎年刊行している
外交青書に3年ぶりに韓国を「
重要な隣国」と再び明記した。しかし、独島(トクド、日本名・
竹島)が
日本の領土であり韓国が不法占拠中であるという主張は今年も繰り返された。
日本外務省は19日、持ち回り閣議で報告した2020年版外交青書で「
韓国は日本にとって重要な隣国」という表現を再び入れた。
外務省は2017年版外交青書で韓国を「
戦略的利益を共有する最も重要な隣国」と記述したが、2018年版と2019年版からはこのような表現を削除した。3年ぶりに
「重要な隣国」という文面は復活したが、「戦略的利益を共有する」という表現は今年の青書には含まれなかった。 外交青書は外務省が自国の外交状況や見通し、国際情勢などに関する認識をまとめて1957年から毎年刊行している白書だ。
安倍晋三首相は昨年10月の国会演説で「
韓国は重要な隣国」と言及したことがあるが、このような認識が今年の外交青書に反映されたとみられる。
独島に関しては「竹島は、歴史的事実に照らしても、かつ国際法上も明らかに我が国固有の領土」という主張を繰り返した。続いて
「韓国による竹島の占拠は,国際法上何ら根拠がないまま行われている不法占拠」と記述した。
日本政府は、2017年までは外交青書で独島が自国領土だと主張はしていたものの「(韓国が)不法占拠している」という内容は入れていなかった。しかし2018年からは不法占拠という表現を使って領有権を強く主張している。
旧日本軍慰安婦問題、強制徴用賠償判決など両国の外交懸案に対する内容も盛り込まれた。外務省は旧日本軍慰安婦問題に関連し、「性奴隷」という表現は事実に反し、このような点を2015年韓日慰安婦合意で韓国も確認したと今年の外交青書でも主張した。
外務省は昨年の外交青書に「『性奴隷』という表現は、事実に反するので使用すべきでない。この点は、2015年12月の日韓合意の際に韓国側とも確認しており、同合意においても一切使われていない」という主張を掲載した。
韓国政府はこのような記述は事実と異なると指摘した。 外交青書には昨年の韓国大法院徴用賠償判決に続く日本の輸出規制強化、韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)をめぐる両国間の葛藤に対する記述とあわせて、
韓日関係は「
厳しい状況が続いた」という内容も入れられた。
竹島の日
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竹島の日は、島根県が条例により定めた記念日。
2月22日がこれに定められた。
概要
竹島の日は、
2005年(平成17年)に
「竹島の日を定める条例」(平成17年3月25日島根県条例第36号)により定められた。
島根県
隠岐郡隠岐の島町の
竹島は、
日露戦争中の
1905年(
明治38年)1月28日に島根県への編入を
閣議決定し、同年2月22日に第16代
島根県知事の
松永武吉が所属所管を明らかにする
告示を行った(明治38年島根県告示第40号)。なお
日本海海戦(1905年5月)、
日韓保護条約(第二次日韓協約,1905年11月)、
韓国併合に関する条約(1910年8月22日調印)以前の決定である。
2005年はこの
閣議決定および告示から100周年にあたることを記念して、同年3月16日、島根県議会は
2月22日を「竹島の日」とする「竹島の日を定める条例」を制定し、
澄田信義島根県知事もこれを全面的に支持した
。
同条例1条は、「県民、市町村及び県が一体となって、竹島の領土権の早期確立を目指した運動を推進し、
竹島問題についての国民世論の啓発を図るため、竹島の日を定める。」としている。
制定に対する反応
日本
日本では、竹島の日の制定とは関係なく交流行事などは通常通り実施された。
全国紙各紙は、いずれも韓国に対して冷静な対応を求めたが、
毎日新聞は「国交正常化以来40年間積み重ねてきた友好関係にここでキズをつけては、両国民にとってプラスではない。」、
朝日新聞は「将来は領土争いを超えて、島が友好の象徴になる日だって来ないとも限りません。竹島問題を、日韓が互いを思い合う素材としたいものです。」と韓国側に呼びかけ、また、同紙論説主幹の
若宮啓文が「例えば竹島を日韓の共同管理にできればいいが、韓国が応じるとは思えない。ならば、いっそのこと島を譲ってしまったら、と夢想する。」
と書くなど、日本の領有権主張を弱めるか放棄した上での日韓友好関係の構築を支持したのに対して、
読売新聞は「領土問題は国の尊厳にかかわる基本問題だ。ゆるがせにしてはならない。韓国を刺激しないよう、という事なかれ主義では、日本国民の理解は深まらない。」とし、
産経新聞は「日本国内でも、「竹島の日」条例成立を機に、田村
らが残した研究を多くの国民が学び、
竹島が歴史的にも法的にもまぎれもない日本の領土であるという認識をさらに深めたい。」とするなど、日本が竹島の領有権を主張することへの正当性を支持する意見を掲載した。
曹洞宗の僧侶たちが韓国側から竹島に上陸し「独島は韓国領」と主張する抗議活動を行なった。
第2次安倍内閣は日本政府主催による「竹島の日」記念式典の開催は見送ったが、
2013年2月22日に島根県主催でおこなわれた
第8回「竹島の日」記念式典には、日本政府の代表として島尻安伊子内閣府大臣政務官を派遣した(政府関係者としては初)。島根県は
安倍晋三首相の出席を要望したが、実現しなかった
。他の閣僚の出席についても韓国側に配慮し、見送られた
韓国
大韓民国では、この「竹島の日」の制定に対して、激しい抗議運動が起こった。
2005年2月23日、
テレビ朝日ソウル支局の韓国人記者が、外信記者クラブで
高野紀元駐韓
大使に対し
『竹島の日』条例をどう思うかと質問した。高野大使は「そういう問題が起きているのは知っている」が
「竹島は日本領」で「この問題が日韓関係全般に悪影響を与えないことを望む」と回答した。韓国では「竹島は日本領」の部分のみが切り出されて報じられ、反発を呼び、ついには駐韓
公使を呼び出しての「厳重抗議」に至った。
2005年3月16日、
ソウル特別市議会議員
崔在翼が抗議のため島根県議会を訪問。玄関付近で
カッターナイフを取り出したため、
警察官らに取り押さえられる
事件が発生した。同日11時に
慶尚北道議会は道議会前の庭で「日本の独島領有権侵奪の野慾を糾弾する決起大会」を開催し、横3メートル・縦2メートルの大きさの
日の丸旗に火をつけて、
大邱市議会も
「日本政府は、韓国の犠牲者に頭をさげて謝罪するように」の決議文を採択した。
竹島の日条例制定に反発した韓国政府はこれまで厳重に規制していた観光客の竹島上陸を解禁すると発表し、3月28日に一般観光客が初めて竹島に上陸した。
2005年6月19日、
慶尚南道馬山市は竹島の日に対抗し、
1419年(
応永26年)に
李氏朝鮮の
李従茂が大軍を率い、
倭寇の根拠地と見なしていた
対馬征伐のために出兵した6月19日を「
対馬島の日」とする条例を制定した。馬山市は応永の外寇のちに対馬が服属したとしているが、韓国政府は馬山市に対して条例の撤回を求めている
。
2005年6月に慶尚北道は、10月を「独島の月」とし、日本との交流を制限できるとする条例を制定した。
2007年2月24日に島根県で行なわれた
「竹島の日」記念式典について、外交通商省が「条例を即時に撤廃し、竹島に対する不当な領有権主張をやめるよう、強く求め」る声明を発表。
「竹島は歴史的、地理的、国際法的に明白な韓国固有の領土であり、領有権を損なういかなる試みも容認しない」としている。3月2日に
江原道知事が、鳥取県庁が「竹島は日本固有の領土」と表示する電光掲示板を設置している事に触れ「領土問題は両国政府が国レベルで取り上げるべき課題であるにもかかわらず鳥取県が直接介入することは、両地域間の友好協力の観点からも実に遺憾」である旨表明、関係正常化への適切かつ必要な措置を望むメッセージを鳥取県宛に発した。
2009年2月の調査で、韓国のネット利用者の6割が、島根県が2月22日を「竹島の日」としたことを知らなかったり、関心がないと回答している
「竹島の日」記念式典
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「竹島の日」記念式典、竹島・北方領土返還要求運動県民大会とは島根県松江市で竹島の日と定められている毎年2月22日に実施されている式典。
概要
1) 竹島は日本固有の領土であると主張する事を目的とした会合であり来賓による講演などが行われている。
2)
2003年11月15日、「竹島北方領土返還要求運動島根大会」を開催。
島根県選出の国会議員などが出席した。
3)
2005年3月16日、「
竹島の日を定める条例」が制定され、
2006年から毎年開催されている。
4) 第1回(2006年)は、「竹島の日の集い」として開催された。
5) 第3回(2008年)には、亀井亜紀子が国会議員として初めて出席した。
6) 第8回(2013年)には、
島尻安伊子が政府関係者として初めて出席したほか、過去最多となる20人の国会議員が出席した。これ以降、国会議員の出席者は減少傾向にある
。
7) 会場周辺では、
右翼団体による街宣活動や韓国の市民活動家が抗議に訪れるため、島根県警や他県警によって厳重に警戒されている
。
韓国の反応
1)
韓国側は、
黄祐呂などが式典中止を求めているものの第1回開催以降、一度も中止には至っていない。
2)
2013年には、式典が行われたことに反発し、韓国の600万の会員を抱える自営業者団体が
日本製品を一切取り扱わないことを決定した。
3) 韓国外務省当局者は、式典に日本政府関係者が出席することを撤回するよう求めている
対馬島の日
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対馬島の日とは、
大韓民国の
慶尚南道 旧
馬山市が
2005年3月18日に制定した
記念日で、
毎年の6月19日である。
6月19日は、
1419年の
応永の外寇の際、
李氏朝鮮軍の将軍
李従茂が対馬征伐のために馬山浦を出発した日である。
日本の
島根県が制定した「
竹島の日」に対抗して制定された記念日で、「対馬島の日」条例には
「対馬島が韓国領土であることを内外に知らしめ、領有権確立を目的とする」と明記されている
「対馬島の日」制定の背景
竹島に関して、韓国は一方的に警備隊を上陸させ施設の構築を行ったり、竹島海域での軍事演習を行うなど、実効支配を強化する方策をたびたび実行してきた。日本政府もそのたびに韓国政府への抗議を発表し、竹島の領有権を継続的に主張してきた。しかし、日本側がこのような領有権の主張を行うたびに、韓国では
キジ科の鳥(日本の国鳥はキジである)を惨殺したり、日の丸や時の首相の肖像を燃やしたりするなど、日本に対する抗議行動が巻き起こった。
2005年2月22日、こうした問題への認知を求めるため、竹島を管轄する日本側の
都道府県である島根県は「
竹島の日」条例を制定する。これに対し、韓国側ではやはり抗議行動が発生し、韓国
外交通商部も「竹島の日」制定を非難する声明を発表する事態となった。
このような中、
朝鮮海峡(
対馬海峡)に面する
市で、竹島問題には当事者性が無く関与権の無い自治体である慶尚南道馬山市の市議会が、同年
2005年3月18日に制定したのがこの「対馬島の日」条例である。
なお、「対馬は韓国領」という主張は、この「対馬島の日条例」が制定されたことによって巻き起こったものではなく、それ以前の比較的早い段階から叫ばれてきた主張である。実際、
独島博物館(
1997年開館)の正面入り口に「対馬はもともと我々の領土」(対馬島本是我国之地)という碑石が設置されたのは
2002年8月であり、それをさらに遡る
2001年5月には「対馬島は我々の領土」という曲が発表されている。また、
2004年7月に小泉首相が訪韓した際に開かれた集会(
反日デモ)では、主催者らが「対馬を韓国に返還するよう日本に促す一方、韓半島への侵略の歴史を謝罪」するよう求めている
反日感情
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反日感情(英語
:Anti-Japanese sentiment)は、日本や日本人、日系人に対して抱いている反感を指す言葉である。
原因
アジアでは、
BBCが定期的に実施している
世界各国を対象とした対他国感情に関する調査によれば、概ね日本に好意的な回答が示される中でいわゆる
特定アジア2ヶ国である
中国と韓国は日本を肯定的に考える回答より否定的にとらえる回答が多い傾向にある。また、アジアでは
読売新聞・
韓国日報・
ギャラップが共同で行った世界各国を対象とした対他国感情に関する調査によれば、東南アジアを含め他の調査対象国における対日・対日本人感情は好意的な回答を示した一方で、中国と韓国では日本を肯定的に考える回答より否定的にとらえる回答が多くなっており、「特定アジア」の国が突出して日本に対して反日感情を抱いている結果が出ている。
特に中国と北朝鮮、韓国との間には現在でも歴史認識などで軋轢があり、日本への歴史的・政治的批判は日本国内でも頻繁に報道されている。
東北アジアにおける「反日」感情は、
反日教育の賜物であるといわれている
日本の外国人政策
日本政府による外国人受け入れ問題や、外国人不法就労者に絡む人権問題から日本政府の対応を批判する活動がある。これらは
ヘイトクライムの側面こそもたないものの、広義の意味で反日感情を助長しているものと指摘する論者がある。
日本国内においては、本人の意志に反して売春させられている外国人女性たちの問題に対し日本国民がほとんど放置していたという問題に対しては、
米国国務省・
国際労働機関(ILO)
・各種
NGO・各種研究機関
などから
人身売買と厳しく批判されている。このため、近年、入国管理を強化する一方で、不当就労を強いられている被害者の発見と保護を目的とした法改正が始まっている。
また、日本国の
外国人労働者受け入れは
少子高齢化社会のため増加傾向にはあるものの
、世界各国の外国人労働者受け入れ動向と比較すれば極めて限定的であり、日本国内の労働者人口に占める
外国人労働者の比率は先進国の中では著しく小さい
。これらのことは日本国内における外国人労働者の問題が軽視される原因ともなっており、政府同士による
FTA/
EPA交渉や労働組合による交渉などを通じて積極的に改善されることが望まれている。
日本では外国からの単純労働力の受け入れを
原則として拒否しており、
外国人研修制度や
技能実習制度といった抜け穴を利用した就労を斡旋された
外国人出稼ぎ労働者たちが日本国内の職場に不当に拘束され、日本人には強いられないような過酷な労働を強要され続けていたという事件が発生しており、外国人就労者の反発を招いている。一部の外国人労働者は、言語的・経済的不利にもかかわらず、余りの人権侵害的な扱いに裁判を起こさざるを得ないような状況に追い込まれている
。
中華人民共和国
歴史問題や領土問題を巡って反日感情が 高まっている。
しかし、日本と現在の中国を見ると、
日中戦争・
第二次世界大戦時の中国は
中華民国であり、厳密には日本と中華人民共和国は戦争状態になったことはない。もっとも中華人民共和国の事実上の支配政党である
中国共産党、その軍隊である
中国人民解放軍との戦闘が
中国大陸において行われたことは歴史的事実であり、このような説明は外交上の言辞的修辞以上の意味はない。また自国の歴史の重要な要素であるとして
日中戦争における日本軍による残虐行為についても
教科書で多く取り上げられているが、この教育については、「反西洋を愛国」とし、「野蛮な犯罪を革命」とする思想であるという指摘がある
。
また
尖閣列島の領有権や
東シナ海の海底資源をめぐって対立も歴史問題に加えて反日感情を助長した。
2003年9月に起こった珠海日本人買春事件では中国の多くのメディアは行為者の違法行為をもとに、連日の報道キャンペーンを展開し日本あるいは総体としての日本人にまで批判的な姿勢をとった。
反日感情から日本人が歴史・政治問題について謝らないとサービスの提供を拒否する店や病院がでてきている
。
中国における反日感情は、おもに旧日本軍による中国大陸への侵攻(
日中戦争)に焦点が集まっており、日清戦争から
辛亥革命期、第一次世界大戦下における
対華21ヶ条要求などが話題となることは少ない。当時は
対華21ヶ条要求が大変な問題となり
中華民国政府は大規模な反日キャンペーンを展開したが、現代の中国でこれが問題視されることは少ない。
しかし日本は仮想敵国
ソ連の脅威があったために、満州事変以降一貫して中国本土を植民地化また侵略する意図は持っていなかった。特に日中戦争で中国を刺激させたのは陸軍出先が推し進めた
華北分離工作であり、これが
広田弘毅が訴えた日中親善政策を挫折させる事となり、抗日意識を煽った
。
梅津・何応欽協定と
土肥原・秦徳純協定で中国と満州国の間に中国側の自治政府の
冀察政務委員会と日本側の
冀東防共自治政府が成立し、事実上満州国防衛のための緩衝地帯となった。
1936年、広田弘毅が提案した「広田三原則」や有田八郎や川越茂が提案した防共協定締結を蒋介石は拒否している。同年に一致抗日を主張した張学良により
西安事件が起こり、これにより反共路線から反日路線へと転換し日中の防共協定は破綻となった。1937年に
林銑十郎内閣で
佐藤尚武外相が華北分離工作を中止事を述べた
。しかし盧溝橋事件の際、7月11日に現地軍が停戦協定を結んだものの蒋介石の中央軍が北上した情報により
近衛文麿内閣が北支派兵を発表した事により、現地解決は困難となった。現地軍が和平したものの、結局刺激を受けた
蒋介石開戦を決意し、近衛文麿が8月に船津に華北分離工作を解消しようとした和平工作を行おうとしたものの、中国軍が上海に駐留する日本軍に総攻撃した
第二次上海事変が勃発する。蒋介石は自身が期待していた日本への対日制裁が行われなかったため、11月初頭に日本側が提出した「華北の行政権は南京政府に委ねる」が記載されている非併合・非賠償の条件の
トラウトマン工作で1度目の和平案を12月初頭に受諾を検討したものの、南京陥落により2度目の和平案が加重されたため失敗した。後に様々な和平案を出すが、中国側が承諾できない過酷なものであり、1940年の桐工作の際まで最悪の日中関係となった。このように日中戦争は第二次世界大戦の始まりの
ナチスドイツと
ソビエト連邦の
ポーランド侵攻のような不可侵条約を破棄した一方的な侵攻とは多少異なる。
中国政府は、日本との関係が良好な時には戦時中の日本軍による残虐行為などを取り上げている映画に対して、日本や日本人への敵意が表立って見られない場合でも圧力をかけることがあり、
中国における「反日」感情は政権の都合により利用されたり抑制されるのが実情であるという意見もある。福田康夫政権は「親中」と見られていることから、中国は南京大虐殺を取り上げた映画などに圧力をかけているという報道もあった。しかし四川大地震では
日本の救援隊が派遣された際には歴史とは別に被災者から感謝の意を表した。
2007年に
新華社通信が中国人約1万2000人を対象にアンケート調査した結果、「好きではない隣国」の1位に韓国(40.1%)、2位に日本(30.2%)が挙げられた。一方、「好きな隣国」の1位はパキスタン(28.0%)、次いでロシア、日本が3位(13.2%)となった。また、2007年12月に中国の大手
ポータルサイト『天涯コミュニティ』の行った世論調査では、最も嫌いな国の1位は韓国、次いで日本が挙げられた。一方、最も好きな国の3位が日本となった。また、中国の
インターネット上で実施された「どの国が一番好きか?」という統計によると、中国人が最も好きな国の1位は米国、2位は日本だったという
。また
人民日報の姉妹紙『
環球時報』が中国の
北京、
上海、
広州、
武漢、
重慶の5つの都市に在住する中国人、1350人を対象に「中国人が見た世界」と題する調査を行った結果、中国人が最も好きな国は順に米国、フランス、オーストラリア、シンガポール、日本だった
。
中国人が一番嫌いな国は韓国であり、日本は「好き」「嫌い」双方の設問で上位に入っている。
2009年末の
人民日報系の国際情報紙『
環球時報』の世論調査では15〜20歳の若年層では「最も好きな国」の1位に日本を挙げている。国民全体でも「最も好きな国」「最も行きたい国」の区分で、日本は5位、3位に入っている。2010年2月に『
北京晨報』が報じた大手旅行会社の調査によると、海外(中国本土以外)の人気旅行先は、日本が
台湾と並んで3位だった。1位の
香港、2位の
マカオは中国領であるため、純粋な外国では実質的には日本が1位となる。
南京事件を巡る対立(詳細は「
南京事件論争」を参照)
抗日神劇
中国ではテレビ番組の内容について共産党の
検閲が行われているが、内容が「反日」的であれば規制が緩くなるとされる。そのため、第二次大戦中の中国大陸を舞台に中国人が日本兵を撃退する「
抗日ドラマ(反日ドラマ)」というジャンルが一定数制作されていた。これらの一部は「神劇という中国のネットスラングから「
抗日神劇」と通称されている。
精日日本人への制裁
日本の支配下であった台湾と日本の交戦国である中国は政府が反日的であっても
親日派に対する制裁は近年では行われていなかったが、
近年中華人民共和国では中国江蘇省人民代表大会常務委員会会議は23日、南京大虐殺を否定する行為や、南京市内の国家追悼施設で旧日本軍の軍服を着るなどの「精日(精神日本人)」行為を処罰する「南京市国家公祭保障条例」を満票で可決しており、韓国同様に戦前の日本に対する言論統制を行うようになった。
中国江蘇省人民代表大会常務委員会会議は23日、南京大虐殺を否定する行為や、南京市内の国家追悼施設で旧日本軍の軍服を着るなどの「精日(精神日本人)」行為を処罰する「南京市国家公祭保障条例」を満票で可決した。条例は12月13日から施行される。条例は第28条で、いかなる組織や個人も南京大虐殺の史実を歪曲、否定したり、犠牲者や生存者を侮辱、誹謗したり、前述の内容を含む国家と民族の尊厳を損ない人民の感情を傷つける言論や情報をつくり出したり、伝播させたりすることを禁止。第29条では、国家公祭施設や抗日戦争の遺跡や記念館などで、日本軍国主義を象徴する軍服や旗、図または関連する道具を用いて写真や動画を撮ったり、インターネットを通じて前述の行為を公開伝播したりすることを禁じた
中華民国(台湾)
日本や日本人自体への反感はきわめて少ないとされており、日本文化も若者を中心に人気である。日本と
中華民国が断交した際、「反日」意識が高まった時期もあった。本土化意識の強い台湾人の間では、
中国寄りの姿勢を取り続ける日本政府に対して不満と失望感も強い。また、中華民国は日中戦争を戦った当事国であり、
泛藍連盟系政党の支持派の中には「反日」意識を強く持つ人達も存在する。
尖閣諸島(
魚釣島)の領有権を巡る問題や台中関係における日本の外交姿勢などが論じられる事がある。尖閣諸島を台湾の領土と主張する運動である
保釣運動など日本政府に抗議しているものも存在している。
2008年6月13日、中国
劉兆玄行政院長は立法院の答弁で「問題解決の最終手段として開戦も辞せず」と
戦争の可能性を示唆したが、その日の晩に行政院は、行政院長の発言の趣旨について、外交処理を優先し、日本と開戦するとは言っていないとする見解を出している
。
また日本植民地統治時代の差別・圧迫を強く記憶している本省人、先住民や日本軍の慰安婦として性的搾取を受けたとする女性たちを中心に、日本植民地統治への反感も存在しており、日本政府に対する訴訟や抗議なども行われている。
2007年の安倍晋三首相の慰安婦問題に関する発言に関しては、台湾政府も元慰安婦たちの圧力に押されて抗議声明をだした。
また
台湾人の中には、自国の「親日」的意見を日本の右派・保守派が過大に取り上げることを嫌う人物も存在している。日本人研究者の中にも、台湾における「親日」的な植民地統治肯定・賛美論を安易に一般化することを批判するものもある
。
麻生太郎外相(当時)が
2006年に講演で植民地支配下で台湾の教育水準が向上したなどと述べたことについて、台湾の英字紙『
Taipei Times』は「麻生外相の発言(それ自体)はその通りであり、抗議するには及ばない。日本の為政者から発せられる冷淡で無思慮なコメントは(中韓以外の)日本の友人の好意を損ないかねないという点を東京は考慮すべきであろう」「日本の植民地時代を過ごした台湾人には、懐旧の念とほろ苦さのこもごもの思いを持つ人がよく見受けられる。これは自然なことである。日本人が国家として台湾の発展に貢献した多くの良い側面があるのは疑う余地がない」という社説を掲載した
親日派に対する制裁
韓国・北朝鮮は日本統治を肯定する親日派に対する制裁が厳しい。北朝鮮で親日派は終身収容所送りとなり、韓国では親日派は社会的に抹殺され、盧武鉉政権下の
2005年に歴史問題、竹島問題や
小泉純一郎首相の
靖国神社参拝などで反日感情が高まった際には日本統治時代の親日派の子孫で日露戦争開始前から韓国独立前までの間、反民族反国家行為の対価として取得、相続もしくは故意による贈与を受けた財産の財産を没収する
親日反民族行為者財産の国家帰属に関する特別法や
日帝強占下反民族行為真相糾明に関する特別法の制定など、反日的政策が実行された。
韓国のインターネットでは親日的な書き込みに対してネット検閲が行われている。大統領直属機関である大韓民国放送通信委員会が、親日的な発言をするウェブサイトとブログを強制的に削除やアクセス禁止をし、
言論統制を行っている。
