日本の自衛隊(軍事力)-1
2025.12.02-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20251202-Q34JGKVVIRKZ7HDTVS4FNDOFEA/?outputType=theme_nie
韓国、豪州、北朝鮮そして日本…各国が原子力潜水艦の導入を目指しているのはなぜなのか?
原子力潜水艦の導入する動きが各国で相次いでいます。
日本も例外ではありません。
なぜ各国は原潜保有を目指すのでしょうか。中高一貫校に通うはるとさん、ひなたさんの会話から、条例について学びましょう。
はると 最近、原子力潜水艦のニュースをよく聞くようになったね。略して「原潜」って呼ばれているよ。核兵器を持っていない国も原潜保有を目指しているんだってね。
ひなた 日本も原潜を持つべきだと言う人がいるわ。日本を守るために潜水艦はとても大事な役割を果たしているのよ。
はると 2025年10月に韓国の李在明(イジェミョン)大統領が原潜建造で協力を求めて、トランプ米大統領が認めたらしいね。オーストラリアはAUKUSという枠組みで原潜を導入すると聞いたよ。
ひなた 原潜は船の中の原子炉がエネルギーを生み出して動くタイプだよ。原子力以外のディーゼルエンジンや蓄電池などで動かすタイプは通常動力潜水艦っていうんだよね・
はると 潜水艦は水中に身を隠して敵の船を攻撃するんだよね。でも通常型は蓄電池を充電するために定期的に水上に浮上しなきゃいけない。この時に敵に見つかりやすいんだ。
ひなた 原潜はずっと水中を潜っていられるから敵に見つかりにくいの。高速で航行できるから、ミサイルを打った後すぐに発射地点から遠く離れた場所に逃げて敵の反撃を回避するのよ。
はると 日本も原潜を持つべきだという意見があるよ。原潜は核兵器じゃないから非核三原則にも反しないんだよね。でも原子力基本法では原子力は平和利用に限ると決められていると聞いたよ。
ひなた 国会が原子力基本法を改正すれば原潜を保有できるわ。それに、軍事分野以外でも原子力で動く船を使っていれば、法律を変えなくても原潜を保有できるという意見もあるそうよ。
「弱者の兵器」日本も重視
ほとんどの核保有国は、原子力潜水艦に核ミサイルを搭載しています。仮に敵から核攻撃があった場合、最初の攻撃を生き残った潜水艦で反撃するためです。
潜水艦は「弱者の兵器」とも呼ばれます。敵の船と真正面から戦えば負ける場合でも、敵から隠れて不意打ちすることで対抗できます。
島国の日本は海の防衛が大事です。自衛隊は潜水艦に力を入れてきました。通常動力潜水艦としては世界有数の性能水準だといわれています。原潜を保有すれば守りはより強くなるでしょう。
ただ、原潜の建造費は1隻1兆円といわれています。防衛費は令和7(2025)年度で約8兆5千億円。原潜は高額すぎるという意見があり、原子力を使った兵器は嫌だという人もいます。
AUKUS(オーカス)
米国、英国、オーストラリアの3カ国による安全保障協力の枠組み。2021年に創設。2030年代に豪州が米国製の原潜を最大5隻購入。その後、米英豪で次世代原潜を共同開発する予定。原潜以外にもサイバー、人工知能(AI)、量子技術などで協力。米英豪は日本にも協力を呼び掛けている。
非核三原則
核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」とする日本政府の基本政策。
1967年に当時の佐藤栄作首相が表明し、歴代内閣は堅持してきた。ただ、
日本の安全は米国の核兵器によっても守られており、「持ち込ませず」という原則を見直すべきだという意見もある。
2025.11.30-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20251130-RSSMCJ2YWJOV3P6BZWIH2ZBOIU/
海上自衛隊、フィリピン軍と南シナ海演習 進出図る中国けん制
フィリピン軍は
30日、南シナ海で29日に海上自衛隊と演習「海上協同活動」を実施したと発表した。
日本とフィリピンは11月中旬にも、米太平洋艦隊を交えて海上協同活動を実施。この海域での一方的な進出を図る中国へのけん制を目的に、防衛協力を強めている。
海自からは護衛艦「はるさめ」と哨戒ヘリコプター1機、フィリピン軍からはフリゲート艦のほか、ヘリや小型航空機が参加した。
共同で隊列を組み、維持するための訓練などを実施したという。
(共同)
2025.10.09-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20251009-BRVZSHTNJRMI5JJQPWURTWITXA/
自衛隊は「予備役の規模か」と驚くイスラエル人 「米国が助けに来なかったらどうする」
(岡田美月)
「そんなに少ない⁉ それは予備役のことか」。
イスラエルから先日、来日した中東政治の専門家から自衛隊の規模を聞かれた際、数字を答えると驚いた様子でこんな返答があった。
自衛隊は計22万人規模。専門家は22万人というのがイスラエルの10倍を超える日本の人口に比してあまりに少なく、予備役かと勘違いしたのだ。ちなみに日本の予備役にあたる予備自衛官などは計約6万人となっている。
イスラエルでは戦闘が絶えずユダヤ人らには兵役義務がある。日本とは単純に比較できないが、正規軍は約17万人、予備役が約47万人とされる。
近年の内閣府による世論調査では、日本の安全を守るため「日米安全保障条約を続け、自衛隊で日本の安全を守るべきだ」との回答は90・9%に上る一方、日米安保を解消して「自衛隊だけで日本の安全を守るべきだ」と答えた人は5・6%にとどまる。自衛隊の規模は「増強した方がよい」が41・5%、「今の程度でよい」が53・0%だった。多くの日本国民は、自衛隊規模は維持し、日米同盟で脅威に対処すべきだと考えているようだ。
ただ
、冒頭の専門家は「日本は米国が助けに来なかったらどうやって国を守るのか」「自国を守れるよう国防力を強化するのは当然だ」と畳みかけるように語った。単純な問いだったが、即答に窮した。
(岡田美月)
2025.09.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250914-D4P2N3N6WRLWTIQXL4DRXFXNWM/
エイサー陸自隊員参加で曲折 反発一部市民団体の「説得力」欠く理由
「エイサー」と呼ばれる先祖供養の踊りを披露する「沖縄全島エイサーまつり」で、
地元自衛隊の参加を巡り、一部団体が拒否反応を示し、
反発する事態に発展した。ただ、
主催者側は「政治を持ち込む場ではない」と参加を容認し、観客らにも隊員らの演技は拍手で受け入れられた。一部団体は、これまでも自衛隊のイベント参加に反発してきたが、世論調査では市民の多くが信頼を寄せる結果も出ており、一様に反発する姿勢に疑問も浮かぶ。
「イーヤーサーサー」
まつり最終日を迎えた14日、威勢のよい掛け声とともに太鼓の音や指笛が会場の沖縄市の街に響いた。12日夜には「道ジュネー」と呼ばれる練り歩きが行われ、先頭を切って、陸上自衛隊第15旅団(沖縄)のエイサー隊が初登場。沿道に詰めかけた観客は、鍛え抜かれた隊員たちの勇壮な演舞に魅了され、大きな拍手を送っていた。・・・ただ、この自衛隊の参加には曲折があった。
市民団体「止めよう辺野古新基地建設沖縄市民会議」は8日、「戦後80年の節目の年に自衛隊の宣伝になるエイサーまつりへの出演は、市民感情・県民感情からして許されない」とし、主催者側に出演中止を要請した。共同代表を務める「オール沖縄」系県議の仲村未央氏は「無条件に市民生活や地域の行事の中で垣根をなくすのはいけない」と主張した。
先の大戦末期の沖縄戦の遺骨収集を続ける市民団体「ガマフヤー」代表の具志堅隆松氏も「日本軍が名前を自衛隊に変えてまつりに参加するという。戦没者も含む先祖の霊ははたして自衛隊のエイサーを受け入れるだろうか」などと訴え、
まつり実行委員会の構成団体である地元紙の琉球新報社もエイサー隊の参加に「違和感」を表明した。
これに対し、
沖縄戦を生き抜き、戦後は沖縄県隊友会の初代会長を務めた石嶺邦夫氏(91)は「自衛隊を旧軍と結び付けているが認識が間違っている」と指摘。
「自衛隊員というだけで排除するのは、職業差別につながりかねない」との考えを示す。実際、SNSやネット記事のコメント欄でも「職業差別だ」との投稿が相次いだ。
まつりの実行委員長を務める沖縄市の花城大輔市長も「祭りは政治を持ち込む場ではない。『平和を』という主語を使って分断を招いているのは誰なのか」と一部市民団体の主張を疑問視した。
自衛隊の出演は正規の選考を経て決定。そして自衛隊の演技は多くの市民らから拍手で受け入れられた。
自衛隊を巡っては、これまでも一部団体がイベントへの参加に反発。1月には、那覇市の市立小学校で予定されていた航空自衛隊音楽隊によるコンサートが、沖縄県教職員組合那覇支部の反発によって取りやめに追い込まれた。
コンサートも今回のまつりも、団体側は市民感情や不安感を自衛隊参加の反対理由に挙げる。ただ、
令和4年に共同通信が実施した世論調査では県民の8割以上が自衛隊に信頼を寄せているというデータもあり、説得力に欠いている側面も浮かんでいる。
(大竹直樹)
2025.05.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250514-4XT2RGXRNBLZJBLJWAIMCJJGLI/
空自墜落機体の一部発見、平成元年製 T4練習機、過去3回の死亡事故
中谷元・防衛相は14日、
愛知県犬山市付近でレーダーから消えた航空自衛隊のT4練習機を巡り、地上で機体の一部が発見されたと明らかにした。同市内の入鹿池の水面に油が浮かんでおり、
中谷氏は「同機が墜落したと考えている」と語った。防衛省で記者団の取材に応じた。
T4練習機には空自新田原基地(宮崎県)所属の隊員2人が乗っていた。階級や氏名は明らかにしていない。自衛隊が警察、消防と連携して現場を捜索している。
中谷氏は航空幕僚監部に事故調査委員会を立ち上げたとし、「現時点で墜落原因は不明だが、人命救出に引き続き全力を尽くす」と述べた。
空自によると、墜落した機体は平成元年9月に製造された。空自はT4練習機を約200機保有。T4練習機の死亡事故は過去3回発生している。
2025.05.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250514-5DKHLX5U2VI7XMWPNQKBSC24ZQ/
空自機、宮崎の新田原基地に向かう途中 防衛省、搭乗者と連絡取れず 離陸直後に墜落か
防衛省は
14日、航空自衛隊のT4練習機が同日午後3時台に空自小牧基地(愛知県)を離陸した直後、同県犬山市の入鹿池付近でレーダーから消えたと明らかにした。
同機は2人が搭乗しており、空自新田原基地(宮崎県)に向かおうとしていた。搭乗者と連絡は取れていないという。
機体は入鹿池に墜落したとの情報がある。自衛隊は捜索機や捜索隊を出して状況を調べている。
2025.01.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250114-VYQYD3CLPJKY3DIM6GKKTWBH5A/
不審船の監視想定、「ソノブイ」投下で潜水艦の特徴把握も 海自最新鋭哨戒機P1搭乗ルポ
(松崎翼)
海上自衛隊下総教育航空群(千葉県柏市)が8日、
実施した初訓練飛行で下総航空基地を飛び立った最新鋭哨戒機「P1」に、
記者も搭乗した。
勝浦沖の「不審船」を監視するという想定での約1時間半のフライト。国民の安心・安全を確保するため、日本周辺海域の警戒監視を担うスペシャリスト集団の活動の一端を見た。
多数の電子機器
機体に乗り込むと、通路の両側に精密な電子機器類が所せましと並んでいた。旅客機のような座席はほとんど見当たらない。
暗がりの中にある無数のモニターが、機体の前方で目に入った。4人のミッションクルーが並んで座り、画面を見つめる。検知したわずかな電波や、投下したソノブイ(音響探知機)から送られる信号などが映し出され、解析する。
「彼らがいなければ、警戒・監視は成り立ちません」(ベテラン搭乗員)
コックピット後方の左右にあるモニターの前に、戦術航空士が座る。ミッションクルーからの情報を集約、分析し、任務遂行のための戦略を練る。
日ごろは、同基地でパイロットや戦術航空士を目指す航空学生に、必要な知識や技能を磨くための教育を行っている隊員たちだ。
P3Cしのぐ速度、高度
この日は、四街道市や茂原市の上空を飛び、勝浦で洋上に出る飛行ルート。高度約600メートルを時速400~450キロで飛んだ。
快晴だったが、強風で機体は絶え間なく、大きく揺れた。手すりにつかまらないと立っていられず、記者は離陸後、20分ほどで吐き気を催すほどだった。
P1は全長38メートル、全幅35・4メートル。主力の哨戒機「P3C」よりも飛行高度や速度は1・3倍、航続距離も1・2倍の高性能を誇る。
ソノブイを連続で海中に投下する装置も備わる。ベテラン搭乗員は「間隔を短く落とせば詳細な海中の音が入り、それだけ探知能力も上がる」と語る。こうして得たデータから、上空から目視ができない潜水艦の特徴まで割り出す。
房総半島を抜けると、ベテラン搭乗員は窓から見える海面を見つめて言った。・「風速は25~30メートル。北西の風が吹いていますね」
何を見ればそんなことが分かるのか問うと、「海面に立つ白波の様子を見て判断するんです」と教えてくれた。記者も目をこらすが、さっぱり分からない。
雲の高さなどから高度も推定するという。「現場では、ちょっとした変化を感じる力が重要です。風速や風向は基礎中の基礎。訓練では、こうした搭乗員として必要な素養も養います」
五感を研ぎ澄ます
基地を飛び立ち、約30分後。勝浦沖を東に約60キロ地点、不審船に見立てた貨物船が見えてきた。高度を150メートルまで落とす。旋回を繰り返す機内から、搭乗員が双眼鏡や目視で特異な積載物がないかを確認し、カメラで船体を撮影した。
今回は貨物船との通信はなかったが、近づく哨戒機側に、「何をしにきたんだ」と外国船から通信が来る場合もあるという。そんな時には「こちらは国際法に基づき、正規の行動をしている」と毅然(きぜん)と応対しているという。
不測の事態も想定し、五感を研ぎ澄まして対処する搭乗員の緊張感を肌で感じた。
(松崎翼)
2025.01.12-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250112-UVM4SHRSIZOTLFUQIOZK7J2RXQ/
<独自>「自爆ドローン」310機導入へ 令和8年度に陸自、イスラエル製など候補
防衛省が、侵攻してきた敵の車両や舟艇を撃破する小型攻撃用無人機(ドローン)を令和8年度に約310機導入する方針を固めたことが分かった。
爆弾を搭載して体当たりする「自爆型」となり、自衛隊が保有するのは初めて。
ロシアによるウクライナ侵略で両軍がドローンを多用している戦況などを踏まえ、配備が必要だと判断した。
12日、複数の政府関係者が明らかにした。すでにイスラエル製、オーストラリア製、スペイン製のドローンで運用試験を行った。今後、一般競争入札で機種を決める。
防衛省は7年度予算案に小型攻撃用ドローンの取得費として32億円を計上した。陸上自衛隊の普通科部隊に配備し、南西諸島などでの対処力を高める狙いがある。陸自は既存の戦闘・偵察ヘリコプターをドローンに置き換える方針だ。
ドローンの導入は、安保3文書で掲げた「無人アセット(装備品)防衛能力」の一環。同省は5年度から5年間で約1兆円をドローン配備などに投じる。
少子化や中途退職者の増加で隊員不足に悩まされる自衛隊にとって、隊員を危険にさらさないドローンは「切り札」(同省幹部)といえる存在だ。従来の兵器に比べて、短期間で安価に取得可能▽大量運用が可能▽要員養成が容易―などのメリットもある。
陸自は段階的にドローンによる攻撃能力を高めていく計画だ。将来的には、車両で運搬する大型の攻撃用ドローンの保有も視野に入れる。7年度予算案には、偵察用ドローンの取得費や輸送用ドローンの調査・実証費も盛り込まれた。海上自衛隊や航空自衛隊もドローンの配備を急いでいる。
2024.11.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241116-NR64MXSZQBKFRFSCI6TTE57JJQ/
海自機密漏洩、露武官は悠々帰国 日本の情報保全体制の脆弱さ浮き彫りに-
警視庁150年 110/150
(橋本昌宗)
「警視庁まで来てもらえますか」。平成12年9月7日夜、
東京都港区の洋風居酒屋で語り合う日本人とロシア人の男性2人を突然、捜査員が取り囲んだ。
観念したように応じた海上自衛隊の3佐。一方の在日ロシア大使館のボガチョンコフ駐在武官は「外交特権がある。応じる必要はない」と車で立ち去った。
警視庁公安部と神奈川県警は、武官に海自の機密情報を漏洩(ろうえい)したとして、自衛隊法違反容疑で3佐を逮捕した。
外務省を通じて武官の聴取を要請したが、ロシア側は拒否。
2日後、武官は報道陣の問いかけに無言のまま、成田空港からモスクワへ出国した。
3佐は11年1月、防衛研究所主催のシンポジウムで武官と知り合った。
次第に親交を深め、防衛庁(当時)の持ち出し禁止情報を武官に渡す見返りに、現金や飲食接待を受けていた。
武官はロシア軍参謀本部情報総局(GRU)の情報官も兼ねていたとみられ、在日米軍の潜水艦情報や自衛艦の建造計画に関心を寄せていたという。
3佐は武官を通じてロシア側の情報を得ようと考えていたが巧みに手玉に取られ、情報提供者にさせられていた。12年11月の初公判で、3佐は罪状認否に続く意見陳述で、
「自分がロシア研究の第一人者になりたいと思って、秘密扱いの資料を貸与してしまった」と経緯を語った。
事件は日本の機密情報保護の脆(ぜい)弱(じゃく)性を浮き彫りにし、翌13年には機密保全体制を強化するため
自衛隊法が改正された。
(橋本昌宗)
2024.07.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240718-SWJNDSQV65MLLGEC37KM5R52BQ/
海自の潜水手当不正受給で4人逮捕 いずれも起訴猶予 処分発表時に言及せず
海上自衛隊の潜水手当不正受給で、
海自の捜査機関である警務隊が
昨年11月、詐欺と虚偽有印公文書作成・同行使容疑で潜水艦救難艦の元ダイバー4人を逮捕していたことが18日、分かった。
海自が明らかにした。
海自は12日、不正受給で計65人を懲戒処分にしたと発表。逮捕者のうち3人は65人に含まれていたが、逮捕に触れなかった。
海自はこれまで、65人の処分は12日付としていた。だが18日の説明で、逮捕者3人が昨年4月と11月に免職の懲戒処分を受けていたと訂正。残る1人は依願退職して処分を受けていない。いずれも昨年12月に起訴猶予処分となった。
海自の担当者は18日、逮捕を公表しなかったことに関し「隠蔽(いんぺい)の意図は全くない」と釈明。
処分日の誤りは「事務的ミス」と主張した。
この問題で海自は潜水艦救難艦の潜水部隊で虚偽の訓練実績を報告するなどして隊員65人が総額約4300万円を不正受給したとしている。
海自は不正受給の総額には依願退職者の受給分が含まれていないとも説明しており、総額は膨らむ可能性もある。
2024.07.09-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240709-GWZ3T22CCFLMVCVRJRSYAYBFD4/
海自トップの酒井良海上幕僚長、進退を明言せず 特定秘密のずさんな扱いなど不祥事相次ぐ
海上自衛隊トップの酒井良海上幕僚長は9日の記者会見で、
複数の護衛艦で特定秘密のずさんな扱いが判明した問題で辞任意向を伝えたとする報道について
「(防衛)省全体で調査中であり、現時点でコメントは差し控えさせていただきたい」として明言を避けた。
潜水作業に従事する海自の複数の隊員が、手当を不正に受け取った疑いがあることについて酒井氏は、内部調査していることを明らかにした上で
「徹底した調査を行っている段階にある。調査結果に基づき、適切に対応していく。適切な時期にしっかりと説明したい」と述べた。
海自では潜水艦の修理契約に絡み、
川崎重工業が裏金を捻出し、乗員に金品などを提供していた疑いが浮上。これについて酒井氏は「仮に事実であった場合、国民の信頼を大きく損ねる事案となり、決して許されるべきものではない」と話した。
特定秘密の扱いについては海自を中心に陸、空自衛隊を含めてずさんな運用が複数確認され、防衛省は近く数十人規模の幹部らを処分する見通し。
相次ぐ不祥事について
酒井氏は「大半の隊員はしっかりと任務に就いている。一方でこのような不祥事が生起しているのも間違いない事実。信頼回復に向け、しっかりと任務を遂行し、不祥事をいかに生起させないかという取り組みを進めたい」とした。
2024.07.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240706-OZQVKWJT5RLUHIXXTXI32Q63SI/
海自で特定秘密不適切扱い、情報共有の妨げに 保全体制、防衛協力に不可欠
(小沢慶太)
海上自衛隊の複数の護衛艦で特定秘密の不適切な取り扱いが確認され、
海自トップの海上幕僚長が引責辞任する意向を示していることが明らかになった。
特定秘密など機密情報の保全体制は、日米同盟や同志国との防衛協力の強化に必要不可欠だ。
ずさんな運用が改められなければ、外国からの信用を失い、安全保障上、重要な情報が共有されない可能性がある。
「同盟国・同志国との連携を強化していく上であってはならない」。
木原稔防衛相は、海自護衛艦「いなづま」で特定秘密の不適切な扱いが明らかになった4月の記者会見で、強い危機感を示していた。
平成26年に施行された特定秘密保護法は、米国などから日本の秘密保全体制の脆弱(ぜいじゃく)さを指摘され、法整備で関係国からスムーズに機微な情報を入手できるようにする狙いがあった。
中国や北朝鮮など周辺国の脅威が増す中、関係国との情報共有は一層、重要になっている。先の通常国会では、経済安全保障上の機密情報へのアクセスを官民の有資格者に限る「セキュリティー・クリアランス(適格性評価)」制度を創設するための法律が成立した。
民間も巻き込み厳格な情報保全体制を構築しようとしている最中、
多くの安保上の機密を扱う自衛隊で不適切な運用実態が発覚した。政府関係者は
「これでは他国から機微な情報は提供されなくなる」と漏らす。
自衛隊による特定秘密の取り扱いを巡っては、
令和4年12月にも海自1佐がOBに情報を漏らし、懲戒免職となっている。防衛省は一連の事案を受けて再発防止検討委員会を設置し、情報保全体制の見直しを進めている。隊員の規範意識を高め、実効性のある対策を早急に講じる必要がある。
(小沢慶太)
2024.07.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240705-X34GIKGXMNK5XGT7RQW4Y2ORQU/
「自衛隊70年の現在地(3)」-日米同盟、変わる「矛と盾」 反撃能力で連携不可欠
海上自衛隊の艦長クラスを中心とした自衛官約25人が
3月下旬、米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)に集まった。
令和7年度に予定する米国製巡航ミサイル「トマホーク」の導入に向け、米海軍第7艦隊から実地訓練を受けるためだ。
トマホークは、政府が4年末に策定した国家安全保障戦略など安保3文書で初めて保有をうたった。
他国の領域内に攻撃を加える反撃能力(敵基地攻撃能力)の手段となる。昭和29年の創設以来、自衛隊は1千キロを超える長射程ミサイルを保有したことはなく、トマホークの運用は未知の領域だ。
5日間の訓練では、運用にあたっての部隊内の役割分担や通信ネットワークなどについて座学を実施。横須賀基地に停泊する米イージス駆逐艦マッキャンベルに乗艦し、戦闘指揮所で実際に戦闘で用いるボタンや操作卓を使って運用に必要な操作を習った。
「これから協力してやっていこう」。米軍の教官は真剣なまなざしを向ける自衛官たちに呼びかけた。
日本政府は昨年、反撃能力の整備を急ぐためトマホークの導入を当初予定から1年前倒しする方針を決めた。訓練に参加した海上幕僚監部防衛部の北原広太郎2等海佐(39)は引き締まった表情でこう語った。・・・「緊張感を持って、ネジを巻いて準備していかなければいけない」
退任直前の安倍元首相の談話
日本政府が初めて敵基地攻撃能力の保有を検討する考えを示したのは、平成25年末に閣議決定した防衛計画の大綱(25大綱)だった。軍備を急拡大する中国や核・ミサイル開発を進める北朝鮮の脅威が背景にあった。
しかし、令和4年の安保3文書で保有を正式決定するまでに10年近くの時間を要した。この間、政府は平成29年末に射程500~900キロの「スタンドオフ・ミサイル」の導入を決めた。だが、政府はあくまで日本の離島に上陸した敵などを攻撃するためのミサイルであり、敵基地攻撃能力ではないと説明してきた。
敵の領土の標的を効果的に攻撃するには攻撃目標の発見・識別・捕捉から攻撃の効果を確認する「キルチェーン」の構築が欠かせない。敵基地攻撃能力の保有を正式決定しなければ、キルチェーン構築に必要な人工衛星や敵のレーダーを無力化する装備を整備したり、米軍の協力を仰いだりすることはできなかった。
「やはりミサイルをミサイルで迎撃するなんて無理がある。打撃力を持たないといけない」
当時の安倍晋三首相は防衛省幹部にこう語り、令和2年9月の首相退任直前には敵基地攻撃能力の保有を検討する談話を発表し、4年末の決定に道筋を付けた。
急がれる日米同盟の「現代化」
米国による日本防衛義務が明記された昭和35年発効の日米安全保障条約に基づく日米同盟は
「米軍は矛・自衛隊は盾」という役割分担を基本としてきた。他国への攻撃を米軍に委ねてきた自衛隊が打撃力を持つことで、矛と盾の役割は変わりつつある。
ただ、
自衛隊関係者は「ミサイルを持っても自衛隊には衛星などターゲッティングに必要な『目』が欠けている」と漏らす。攻撃判断は自衛隊が主体的に行うにしてもキルチェーンを独自に構築することは難しく、米軍との連携は必須となる。日米間での攻撃目標の調整も欠かせない。
それだけに今後は日米の指揮統制を含む作戦面での連携が一層重要となる。日本側が令和6年度末に陸海空自衛隊を一元指揮する統合作戦司令部を創設するのに合わせ、米側も在日米軍の機能強化を図り、部隊運用の連携を円滑化する。
自衛隊制服組トップの吉田圭秀統合幕僚長は「経験豊かな同盟国の知見を吸収しながら万が一への対処に備えたい」と強調し、日米同盟の「現代化」を急ぐ考えだ。
224.07.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240703-GUIC7N4DBFLVFCYF5ZI4D2P3E4/
潜水艦乗組員に金品提供か 川重、架空取引で捻出疑い 海自と修理など年間百数十億円契約
海上自衛隊の潜水艦の修理事業を受注した川崎重工業が、
下請け企業との架空取引で簿外資金を捻出し、潜水艦の乗組員に金品や物品を提供していた疑いがあることが3日、分かった。防衛省と川重が同日発表した。
川重によると、不正な資金捻出が始まったのは遅くとも6年前で、流用した額は少なくとも十数億円に上る疑いがある。
乗組員にとって川重社員は利害関係者に当たり、事実と認められれば、自衛隊員倫理法に基づき懲戒処分になる可能性がある。防衛省担当者は
「疑いがあることを真摯に受け止め、全容解明に向けて調査を進めている」と述べ、結果がまとまり次第公表するとした。
防衛省によると、海自潜水艦の約半数に当たる12隻を川重が製造。3年に1回の定期検査などのほか、臨時の修理も担っている。潜水艦が配備されている神奈川県の横須賀地方総監部と広島県の呉地方総監部が随意契約で発注しており、近年の契約金額は年間約百数十億円という。
2024.06.01- 産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240601-5S5TDLGT7JN4DF3H5PN6US7UMA/
将来の空自幹部400人が整然と観閲行進、F15も飛来 奈良基地祭に8千人訪れる
自衛隊の活動に理解を深めてもらおうと、航空自衛隊奈良基地(奈良市法華寺町)は1日、
空自創設70周年を記念した基地祭を実施し、敷地内を一般開放した。親子連れや自衛隊ファンら約8千人が訪れ、普段見ることができない戦闘機の展示飛行などを楽しんだ。
同基地には、3尉以上の幹部を養成する幹部候補生学校が所在する。式典では、約400人の学生が岡本秀史校長の前を観閲行進。防衛大などですでに教育を受けた学生だけでなく、今年春に大学を卒業したばかりの学生らも整然とした行進を披露し会場を魅了した。
F15戦闘機やC130輸送機などの航空機が基地上空に飛来し、多くの来場者がカメラを空に向けていた。
父親と2人で基地を訪れた大阪市の男児(5)は「飛行機や車がかっこよかった。また来たい」と話していた。
2024.05.30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240530-DP55HG7XR5H25MWN7EQ2ZZSE7Y/
半径10~15メートルは死亡か重傷 手榴弾の威力に注意 最近は住宅街でも爆発事件
山梨県の陸上自衛隊北富士演習場で
30日、訓練中に爆発した手榴弾の破片が男性隊員に当たり、隊員が死亡した。
手榴弾は爆発時、半径10~15メートル範囲内にいる人に死亡か重傷を負わせるほどの高い殺傷力があるとされる。
最近は住宅街でも暴力団の抗争で使われる事件が発生。戦時中の不発弾として見つかることもあり、注意が必要だ。
飛び散る破片は高い殺傷力
手榴弾は安全ピンを抜いて投げると4~5秒後に爆発する。
爆発力で対象を吹き飛ばすのではなく、高速で破片を飛ばすことで殺傷力を高める設計となっている。
戦時中に多く使われ、現在も国内の戦地や訓練場の跡地で不発弾として見つかることもある。近年は暴力団の抗争で使用される事件も目立ち、暴力団関係者の多い自治体では、警察が注意を呼びかけている。
福岡県警では、「手榴弾に注意」とホームーページで注意喚起している。威力は、手りゅう弾から
「半径10~15メートル以内は死亡または重傷」、「半径50メートル以内は破片により重傷」、「半径200メートル以内は飛散した破片が到達」と説明する。発見した場合は、「踏んだり、触ったり、蹴飛ばしたりしない」「早急に離れる」「物陰などに隠れて身の安全を確保する」の原則を守り、「すぐに警察に通報してほしい」と呼び掛けている。
暴力団の抗争で利用
こうした注意喚起をする背景には、身近で手榴弾に関連する事件が最近も起きていることがある。 4月18日には、岡山県倉敷市の住宅街で手榴弾の爆発により、女性が住むアパートのガラスが割れる事件が発生した。女性宅には特定抗争指定暴力団池田組の組員が出入りしていたとされ、暴力団抗争の可能性が高いとされる。昨年1月14日には、佐賀市中心部で指定暴力団浪川会幹部の自宅に手榴弾が投げ込まれ、爆発によりバルコニーなどが損壊した。
暴力団の抗争以外でも、手榴弾の被害が心配されるケースもある。令和元年5月30日には沖縄県宜野湾市で小学生が不発の手榴弾を発見し、自転車かごに入れて持ち帰るなど「あわや大惨事」という事案もあった。
2024.04.11-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240411-PQE7THAITZJIXAPP3JNL6W4REY/
<独自>陸自の高額賠償、不適切支出か バス事故で骨折の乗客に7千万円超 防衛省調査
(調査報道班)
熊本県のトンネルで12年前、陸上自衛隊のトラックが観光バスと衝突し22人が死傷する事故があり、
陸自側が右腕を骨折した乗客の女性に事故後約10年間で総額7千万円超の賠償金を支払っていたことが11日、産経新聞の調べで分かった。
法曹資格を持つ予備自衛官から「賠償額が高すぎる」との指摘を受け、昨年夏ごろに支出をやめた。防衛省は不適切な支出だった疑いもあるとみて調査を進めている。
事故は平成24年1月、熊本県八代市の生名子(おいなご)トンネルで発生。
トラックと衝突したバスの乗員1人が死亡、乗客ら21人が重軽傷を負った。関係者の話などによると、乗客だった当時60代の女性は、右腕骨折や頸椎(けいつい)捻挫などと診断された。
ほどなくして医療費や休業損害といった名目で、陸自西部方面総監部(熊本市)から女性に毎月数十万円程度の支払いを開始。
約10年間にわたって120回超の支払いを続け、総額は7千万円を上回っている。
女性は当初から陸自側担当者との面会を断り続けた。事故から約2年後の25年末を最後にけが自体を治療した記録は途絶えたが、さらに
適応障害などとも診断され、長期にわたり、少なくとも月1回のペースで通院を続けていたとみられる。
令和4年以降、けがの治療が終了している可能性があるにもかかわらず、当初と変わらず支出が続いていることを問題視する声が
陸自内部で浮上。総監部側が予備自衛官に任用されている弁護士に見解を尋ねると、賠償額が一般的な相場を大幅に超過しているとして「支出をストップすべきだ」と指摘されたため、
昨年夏ごろに支払いをやめた。
また、
防衛省の訓令によると、事故の損害賠償額が4千万円を超える場合、支出の可否は防衛相が判断する事項となるが、
超過後も報告されていなかった。支出が続いた理由は判然としておらず、防衛省関係者によると、陸自側が一連の支出について内部調査を進めている。
同省報道室は「万が一、不適切な手続き等があった場合は、判明した事実関係に基づき厳正に対処する」としている。
(調査報道班)
生名子トンネル事故
平成24年1月28日午前8時半過ぎ、熊本県八代市の九州自動車道上り線の生名子トンネル内で、陸上自衛隊えびの駐屯地(宮崎県)所属の大型トラックが、落ちていた毛布を避けようとして車線変更した際、トラックの右後部が観光バスの前方部と衝突。バスの添乗員だった男性=当時(39)=が死亡し、21人が重軽傷を負った。
2023.10.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231017-YW4UKDC2IZIXPJ3WMQNW3FXIX4/
海自の最新鋭潜水艦は「雷」と「鯨」で「らいげい」 神戸で命名・進水式
海上自衛隊の最新鋭潜水艦の名称が
「らいげい」に決まり、川崎重工業神戸工場(神戸市中央区)で17日、命名・進水式が行われた。艦名は力の象徴としての「雷」と「鯨」を組み合わせた。
令和7年3月ごろの就役を予定し、海上防衛の第一線で運用される。
川崎重工によると、
「らいげい」は昨年3月に就役した
「たいげい」型潜水艦の4番艦で、基準排水量約3千トン、全長84メートル、水中速度約20ノット、乗員約70人。建造費は約700億円。
リチウムイオン電池を採用し、高い潜航性能を備えているという。
式典には三宅伸吾防衛大臣政務官や海自トップの酒井良・海上幕僚長、川崎重工関係者ら約1400人が出席した。進水式でロープが切られると、
らいげいが船台から水上に勢いよく滑り出し拍手がわき起こった。
2023.10.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231013-W2CEATIPOJMVZM53VBSCY4V3PY/
自衛隊機、ジブチ派遣へ 岸田首相「邦人退避に万全期す」
岸田文雄首相は13日、
パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスとイスラエル軍による大規模な戦闘を巡り、
現地からの邦人退避に向けて、
自衛隊の拠点があるアフリカ東部ジブチに自衛隊機を派遣すると表明した。首相は「関係各国とも緊密に連携しつつ、在留邦人の退避、安全確保に万全を期していきたい」と述べた。官邸で記者団の取材に答えた。
2023.09.23-産経新聞(夕刊フジ)-https://www.sankei.com/article/20230923-5DEOYGPWD5CB7FWJK23UJ5UR4U/?outputType=theme_weekly-fuji
「自腹」だった自衛隊の高速道路代問題がついに進展 防衛省概算要求
小笠原理恵(国防ジャーナリスト)
日本を取り巻く安全保障環境が悪化するなか、防衛省は2024年度一般会計予算の概算要求で、過去最大7兆7050億円を求めた。
数十年にわたる防衛費抑制のため、自衛隊は装備・弾薬の不足、施設・官舎の老朽化などが深刻化していた。国民の生命と安全を守り切るには、防衛力強化と防衛費増額、自衛隊員の待遇向上は絶対に不可欠だ。国防ジャーナリストの小笠原理恵氏は、懸案だった「高速道路代問題」の進展について報告する。
「米軍や警察の公用車は無料なのに、自衛隊は高速道路代が足らず、隊員たちは仕方なく自腹で高速代を払っている」
私はニュースサイト「日刊SPA!」で18年、こう問題提起した。
この高速道路代問題に、やっと光明が見えた。24年度の防衛省概算要求に
「必要な運搬費(有料道路使用料を含む)を計上し、隊員の移動にかかる負担を軽減し、勤務環境の改善を推進」と明記されたのだ。
高速道路代は、米軍や警察の公用車は無料だが、自衛隊は災害派遣時(自治体負担)以外は、演習場や訓練で遠方にいくためでも有料だ。高速道路を使うための「運搬費」は不足しており、上限を超えた場合、自衛隊車両は目的地のはるか手前から下道を走るしかない。
自衛隊員の移動は、トラックの荷台が多い。道路交通法で、トラックの荷台への人の乗車は禁止されているが、自衛隊や警察は適用除外だ。機動隊も昔は荷台に乗車していたが、バスに改善された。
クッションのないベンチに座って、下道での長距離移動はつらい。振動も激しく座骨神経痛や痔(じ)を患う自衛隊員も多い。エアコンのない荷台は、熱中症のリスクが高い。重度の熱中症は、臓器に深刻なダメージをもたらしかねない。
あまりにも過酷なため、以前は仲間内でカンパして高速道路に乗っていたが、規則で禁止された。仕方なく、つらい下道での長時間移動に耐えるしかなかった。
他の先進国では、熱中症予防と兵士の消耗を防ぐため、戦車や装甲車には冷暖房が完備され、乗用車用シートが搭載されている。自衛隊にも空調付き防護機動車があるが数台しかない。
浜田靖一前防衛相は23年版防衛白書の刊行に寄せて、
「どれだけ高度な装備品を揃えたところで、それを扱う『人』がいなければ防衛力は発揮できません」とつづっていた。昨年の自衛官候補生の採用は4割近くまで落ち込んだ。その
職務に報いる待遇や生活環境でなければ、志願制で人を集めることはできない。
米俳優、シルベスター・スタローンのベトナム帰還兵を描いた映画「ランボー」の最後のセリフ、
「俺たちが国を愛したように、国も俺たちを愛してほしい」という言葉を、新任の木原稔防衛相に考えてもらいたい。
(国防ジャーナリスト)
2023.05.03-Yahoo!Japanニュース(FNNプライムオンライン)-https://news.yahoo.co.jp/articles/c686265270c5e2ff73081ac5bb522fe617632515
陸自ヘリ海底から引き揚げ 損傷激しく フライトレコーダー回収
宮古島沖に墜落した、陸上自衛隊のヘリコプターの
引き揚げが行われた。 フライトレコーダーも回収され、墜落原因の究明が進められる。
水深およそ106メートルの海底から引き揚げられた、陸上自衛隊のヘリコプター。 日の丸のマークがついた、迷彩模様の機体。 筒状の燃料タンクとみられるものが確認できるが、コックピットなどは原型をとどめていなかった。
4月6日、沖縄県の宮古島沖で突然消息を絶った、陸上自衛隊のヘリコプター。
事故原因究明の鍵を握る
フライトレコーダーが、2日、引き揚げられた機体の中から回収された。
自衛隊は今後フライトレコーダーを解析し、事故原因の究明を進める方針。
この事故では、
これまでに6人の遺体が引き揚げられたが、残る4人の行方はわかっていない。 2日は隊員の装備品とみられるものも回収されたが、人の姿は確認されておらず、3日以降も捜索活動が続く見通し。
2023.05.02-Yahoo.!Japanニュース(テレ朝 NEWS)-https://news.yahoo.co.jp/articles/da06bf9e2c7988008df2b0fcf47c53e30720fc37
陸上自衛隊ヘリコプター事故 6人目の死亡確認
(「グッド!モーニング」2023年5月2日放送分より)テレビ朝日
防衛省によると、
1日午後5時半ごろ、捜索海域周辺で新たに隊員1人を引き揚げ、午後7時すぎに死亡が確認されたということです。
2日以降、DNA鑑定などで身元の特定を急ぐ方針です。関係者によると、見つかった隊員は、海底で機体を移動する際に発見しましたが、機体の中に残っていた隊員かどうかは、分からないということです。これまでに
見つかった隊員は、10人のうち6人です。
防衛省はヘリの機体自体を、天候などの条件が整えば、2日午前8時から引き揚げ、事故原因などを調べる方針です。
(「グッド!モーニング」2023年5月2日放送分より)テレビ朝日