日本とアメリカの問題-1



2021.04.17-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210417/k10012980541000.html
日米共同声明 約半世紀ぶりに台湾に言及 中国を強くけん制

  菅総理大臣とアメリカのバイデン大統領は、日米首脳会談を受けて共同声明を発表しました。中国を強くけん制する内容となっていて、およそ半世紀ぶりに台湾に言及し、香港や新疆ウイグル自治区の人権状況に対し、深刻な懸念を共有するとしています。
  共同声明で、日米両国は、日米同盟が揺るぎないものだとして、自由で開かれたインド太平洋を推進するとともに、航行や上空飛行の自由を含む海洋における共通の規範を推進するとしています。
  そして、ルールに基づく国際秩序に合致しない中国の行動に対する懸念を共有し、日米両国は、東シナ海でのあらゆる一方的な現状変更の試みに反対するとともに、南シナ海での中国の不法な海洋権益に関する主張や活動への反対を表明するとしています。

  また、中国が「核心的利益」と位置づける台湾をめぐり「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」と明記しました。
  首脳会談の共同声明で台湾に言及したのは、日中国交正常化前の1969年の佐藤総理大臣とニクソン大統領の会談以来、およそ半世紀ぶりです。

  また日米両国は、香港および新疆ウイグル自治区の人権状況への深刻な懸念を共有するとした一方、中国との率直な対話の重要性を認識し、直接、懸念を伝達するとしたうえで、共通の利益を有する分野で、中国と協働する必要性を認識したとしています。
  また安全保障をめぐり、日本は、日米同盟および地域の安全保障を一層強化するため、みずからの防衛力を強化する方針を示したのに対し、アメリカは、核を含むあらゆる種類の能力を用いた日本防衛への揺るぎない支持を示し、沖縄県の尖閣諸島が日米安全保障条約第5条の適用対象であると再確認したとしています。
  また、北朝鮮の完全な非核化に向けて、国際社会による国連安保理決議の完全な履行が必要だと指摘したほか、拉致問題の即時解決へのアメリカのコミットメントを再確認したとしています。

  世界的に不足している半導体などのサプライチェーンをめぐっては、国家主導で生産力の強化を図る中国との競争を念頭に両国の安全と繁栄に不可欠な重要技術を育成・保護しつつ、半導体を含む機微なサプライチェーンについても連携するとしています。
  気候変動の分野では、気候危機は、世界にとって生存に関わる脅威であることを認識し、日米両国は、この危機と闘うための世界の取り組みを主導していくとしています。そして、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」に整合的な形で2030年までに確固たる行動をとるとしています。

  さらに、新型コロナウイルスの感染拡大について日米両国は、パンデミックを防ぐ能力を強化するとともに、パンデミックを終わらせるため、世界的なワクチンの供給と製造で協力するとしています。
   東京オリンピック・パラリンピックについて、バイデン大統領は、この夏、安全・安心な大会を開催するための菅総理大臣の努力を支持するとしています。
台湾「心からの歓迎と感謝」
  日米首脳が共同声明で台湾に言及したことについて、台湾総統府の張惇涵報道官は「アメリカと日本が台湾海峡の平和と安定を重視していることに感謝し、評価する」というコメントを発表しました。
  張報道官は「台湾海峡の平和と安定はすでに海峡両岸の関係という範ちゅうを超えて、インド太平洋地域、ひいては全世界の焦点になっている。われわれは、北京当局が地域の一員としての責任を尽くして、台湾海峡および地域の安全に前向きな貢献をともにするよう期待する」と呼びかけました。
  また、台湾の外交部も「心からの歓迎と感謝を表す」というコメントを発表しました。
  この中で外交部は「台湾は第1列島線の要に位置し、地域の安定と繁栄の鍵であり続けるが、このところ地域の国々が直面しているのと同様の圧力や侵略の脅威を感じている」という認識を示しました。
  そして「アメリカと日本が地域の安全に関する現状を懸念していることをうれしく思う。米日および理念の近いほかの国々と緊密に協力しながら、民主制度やルールに基づく国際秩序を守り抜き、インド太平洋地域の平和と安定と繁栄を守る」としています。
  台湾の主要なメディアは日米首脳会談とその後の共同記者会見や共同声明について詳しく報じています。
米 中国大使館「強い不満と断固とした反対を表明」
  日米首脳の共同声明についてアメリカにある中国大使館は記者の質問に答える形で報道官の談話を発表し「台湾と香港、新疆ウイグル自治区に関わる問題は中国の内政であり、東シナ海と南シナ海は中国の領土と主権、海洋権益に関わるもので、干渉することは許さない。われわれは強い不満と断固とした反対を表明する。中国は国家の主権と安全、発展の利益を断固として守る」と強く反発しました。
  そのうえで「2国間の関係の範囲を完全に超えており、第三者の利益や、アジア太平洋地域の平和と安定を損なうものだ。時代に逆行し、地域の人々の心に背こうとする企ては自身を傷つける結果になるだろう」としています。
駐日中国大使館「日米双方に厳正な申し入れ行った」
  日米首脳会談の共同声明について東京にある中国大使館は記者の質問に答える形で報道官の談話を発表し「中国に対していわれのない非難を行い、中国の内政に干渉し、領土と主権を侵害しており、われわれは強い不満と断固とした反対を表明する。中国側はすでに日米双方に厳正な申し入れを行った」と強く反発しました。
  そして「台湾と新疆ウイグル自治区、香港などは純粋に中国の内政であり、いかなる外部からの干渉も許さない」としたうえで、沖縄県の尖閣諸島について「中国固有の領土であり、日米が何を言っても、中国に属するという客観的事実を変えることはできない」と、中国側の従来の立場を改めて主張しました。
  さらに「最近、日本側は中国に関わる問題で相次いで消極的な行動をとり、政治的な相互信頼を著しく損ない、双方の関係発展の努力を妨害している。われわれは日本側に対し、両国関係が振り回されず、停滞も後退もせず、大国間の対抗の渦に巻き込まれないよう忠告する」としています。
中国「1つの中国」原則堅持 米が踏み込んだ背景は
  中国は、台湾は中国の一部であるとする「1つの中国」の原則を堅持しています。
  このため、中国が各国と国交を結ぶ際には、各国に対し、台湾との間で政府高官の往来など政治的な交流は認めていません。
  中国は台湾に関する問題について主権などに関わり、一切譲歩することができない「核心的利益」だとしていて、将来的には台湾の統一を目指しています。
  一方、アメリカのバイデン政権が台湾で踏み込んだ姿勢を示す背景には、情勢の緊迫化への懸念があります。
  アメリカ軍の司令官は先月、議会の公聴会で台湾をめぐる情勢について「今後6年以内に脅威が明白になる」と述べて警戒感を示していて、これを防ぐためにも圧力と抑止力を強めたいねらいがあると見られます。
  また、バイデン政権は中国との競争を「民主主義と専制主義の闘い」と位置づけています。
  このため、民主主義の理念と価値観を共有する台湾の蔡英文政権への支援により積極的に取り組んでいるとみられます。
共同声明 安全保障面での協力推進の記述
  共同声明には、両国間の安全保障面での協力を推進する記述が盛り込まれました。
  このうち、鹿児島県西之表市の馬毛島に在日アメリカ軍などが使う施設を建設する計画について、日米両国が「在日米軍再編に関する現行の取り決めを実施することに引き続きコミットしている」と明記されました。
  この計画は、現在、小笠原諸島の硫黄島で行われている在日アメリカ軍の空母艦載機の離着陸訓練の移転先などとするため、自衛隊施設を建設する計画で、防衛省はことし2月に、周囲の環境に与える影響を調査するため、法律に基づく環境影響評価の手続きを始めています。
  一方、地元の西之表市の市長は、計画に反対を表明して、ことし1月の市長選挙で再選され今月12日に防衛省を訪れ、改めて計画に反対する考えを伝えました。
  計画については、先月行われた日米の外務・防衛の閣僚協議、いわゆる「2プラス2」などでも着実に進めることを確認していましたが、首脳会談の共同声明に明記されたことも踏まえ、防衛省は、計画の重要性を引き続き説明しながら、地元の理解を求めていきたい考えです。
  また、共同声明では、在日アメリカ軍の駐留経費の日本側負担をめぐっても「安定的及び持続可能な駐留を確保するため、時宜を得た形で、有意義な多年度の合意を妥結することを決意した」と明記されました。
  在日アメリカ軍の駐留経費の日本側負担、いわゆる「思いやり予算」は、日本政府がアメリカ軍基地で働く従業員の給与や、光熱費の一部などを負担しているもので、日米両政府は、ほぼ5年ごとに特別協定を更新しています。
  政府は去年11月にトランプ前政権との間で実務者による交渉を始めましたが具体的な負担額で折り合いがつかず、バイデン政権に引き継がれました。
  そして、ことし3月に特別協定の期限が迫っていたことを踏まえ、両政府は、今年度の負担額を前年度と同じ水準の2017億円とし、来年度・2022年度以降について継続して協議することで合意しました。
  今回、共同声明に明記されたことを受け、継続協議とされている来年度以降の負担額については、年内の妥結に向けて、日米の実務者による交渉が今後、加速することも予想されます。
イノベーションの分野での成果文書まとめる
  日米首脳会談では、共同声明に加えてイノベーションの分野での成果文書をまとめました。
  この中では高速・大容量の通信規格、5Gや6G、ビヨンド5Gなどと呼ばれる次世代の通信規格での競争力を強化するためにアメリカが25億ドル、日本が20億ドルを投資し、研究開発を行うとしています。
  また、半導体を含む機微なサプライチェーンの構築や重要技術の育成・保護に向けて協力を行うほか、脅威が高まっているサイバーセキュリティーの分野でも日米が連携して対応していくとしています。
  また、気候変動対策では、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする目標と整合する形で2030年までに確固たる行動を取るとして、水素や蓄電池の活用や二酸化炭素の再利用などの技術開発で連携することや、インド太平洋諸国を含む新興国で再生可能エネルギーを普及させるために支援していくことが盛り込まれました。
  このほか、新型コロナウイルス対策ではワクチンの公平な分配を目指す「COVAXファシリティ」や「クアッド」と呼ばれる日本とアメリカ、オーストラリアとインドの4か国の枠組みを通じて途上国へのワクチンの供給に向けて緊密に連携するほか、日本の「富岳」などのスーパーコンピューターを活用してより効果的な感染防止対策の開発にも取り組むことで一致しました。
  さらに、日米両国が人的な絆を強化するため留学の機会を拡大するなどの方針が確認されました。


2021.04.16-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/f73fd7786e26275381c832ce4f07694970da0c46
日米、台湾の平和明記へ 共同声明 首脳会談で中国牽制

  【ワシントン=杉本康士、黒瀬悦成】訪米中の菅義偉首相は16日(日本時間17日未明)、バイデン大統領とホワイトハウスで会談する。会談では台湾海峡の平和と安定が重要との認識で一致する見通しで、バイデン政権高官は15日の電話記者会見で会談後に発表される共同声明に明記したい意向を示した。中国企業がシェアを拡大する第5世代(5G)移動通信システムなどに関し、日米が20億ドル規模の協力を進める方針を発表することも明らかにした。

  首相はバイデン氏が就任してから初めて米国に迎える外国首脳で、対面形式で会談する外国首脳としても初めて。会談に先立ち、首相はハリス副大統領と会談し、「バイデン・ハリス政権が同盟国との協調を重視していることを高く評価したい。今回の訪米で日米同盟をさらに強固なものにしていきたい」と述べた。  会談で両首脳は中国の新疆(しんきょう)ウイグル自治区と香港の人権状況について深刻な懸念」を共有。中国に依存しない半導体などのサプライチェーン(調達網)構築や中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に対抗するインフラ整備支援での協調も確認する。
   バイデン氏は「核の傘」を提供する意向を示すほか、中国海警船が領海侵入を繰り返す尖閣諸島(沖縄県石垣市)に関し、米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約5条の適用対象に含まれることを確認するとみられる。
   首相はまた、北朝鮮による拉致問題の解決に向けバイデン政権の協力を改めて求める。核・ミサイル開発に関し、日米韓3カ国で連携して対処する方針でも足並みをそろえる。
   一方、両首脳は地球温暖化対策をめぐり、目標、手法、第三国支援の方針を共有し、パートナーシップ協定締結を目指す。2050年までの温室効果ガス排出実質ゼロに向け、22~23日にオンラインで開催されるバイデン氏主催の気候変動サミットで日米が主導的役割を果たす姿を描く。
   新型コロナウイルス対策に関しては、日米豪印4カ国の首脳が3月12日のオンライン会合で東南アジア向けを中心に新型コロナワクチンの生産、流通で連携する方針を打ち出しており、日米首脳会談でも改めて協力を確認する。
   今夏の東京五輪・パラリンピックも議題に上る見通しで、バイデン政権高官は「(五輪開催を目指す)日本の取り組みに水を差したくない」としつつ、事態がどう展開するかを見通すのは「やや時期尚早だ」と述べるにとどめた。


2021.03.21-ニッポン報送NEWS NLINE-https://news.1242.com/article/279257
中国排除・日米連携の通信政策でNTTが中心を担う複雑な環境

  ジャーナリスト・須田慎一郎が3月21日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送『須田慎一郎のスクープ ニュース オンライン』に出演。日本の通信政策・安全保障においてNTTがおかれる複雑な環境について解説した。

日米の緊密な連携の継続をアピールできワンポイントゲット
  菅総理は来月(4月)にアメリカを訪れ、バイデン大統領と初めて対面し、日米首脳会談を行う。他の主要国首脳に先んじてバイデン氏と顔を合わせて会談が行われるのは、アメリカが最優先する対中国戦略で、地政学的にも重要な位置にある日本との連携を重視しているからとされているが、本当にそれだけなのか。
  須田:アメリカというと、これまでトランプ政権のなかで一国主義というか、自国最優先主義のような形で進んで来た。ところが、バイデン政権になったら国際協調、特に同盟国との関係を優先してしっかりやって行きますよ、という方向に転換したわけです。そのなかで、アメリカにとって重要な地域や国がいくつかあって、やはりアジア太平洋地域で言えば、日本との関係ということになる。もちろん日本にとって、いちばん重要な国際関係、外交関係はアメリカであり、日米同盟であると。
  ですからアメリカの大統領が変わる、あるいは日本の首相が変わると、いちばん最初にどこへ行くのかと言えば、一部例外はあるにせよほぼアメリカへ行って、大統領と会談をやるというのが習わしになっているわけです。

  今回はアメリカの大統領が交代したということで、菅総理がいつ訪米して会談するのかということが注目されていましたが、各国首脳のなかではトップバッターで会談を持つことができたのは、外務省ないし日本の外交としてはワンポイントゲットかなと思います。
  政権交代が行われても日米が緊密な連携、そういう関係にあるということを世界に向けて発信できたのは、評価できるのかなと思います。
  新行:はい。
  須田:私が最も注目しているのは、米中関係と言うとさまざまな局面があるけれども、やはり注目はハイテク分野です。特に通信などを中心とするハイテク分野、例えば5Gですよね。
  言うまでもなくトランプ政権はファーウェイの排除……ファーウェイ以外にも、いくつか中国系のハイテク企業はあるのだけれども……政府調達からそういった企業の製品、サービスは外すということを決めました。加えて、そういったリストに載っている企業と取引しているような、外国企業からの政府調達もしませんよ、ということで、ある意味でデカップリングが進んで来ています。
  実は、これは政策面で進めていると同時に、民間企業というか、民間も主導する形で静かに深く潜行しています。
ハイテク分野での「日米連携」「中国排除」の中心的存在NTT
  須田:例えばどういうことかと言うと、中国では中国共産党政府が指示を出せば、企業が集めて来たデータを提供しなくてはならないという義務を負っているわけです。いくら「やりません」と言っても、その法律に逆らうことはできない。だから、個人情報の漏洩等々を含めて非常にリスキーなので、要するに取引を切りましょうという動きが、アメリカなどを中心に起こって来ている。
  新行:はい。
  須田:そのなかで、最終的に完成した製品だけではなく、その製品に組み込まれているような、製品をつくるために必要な部品……部品と言っても、例えばCPUなどがなければパソコンなどの通信機器は使えませんよね。そういった、中心になっている部品です。これについても、チャイニーズリスクから除外するために、「中国製品は使いません。あるいは中国に部品を提供している企業のものは使いません」という動きになって来ているわけです。
  全面的に中国排除という動きになっているのですが、実を言うと日本もかなり深く連携していて、その中心企業になっているのがNTT、旧電電公社ということで、ある意味で国策企業ですからね、NTTがそちらの方にずっと動いていくのも当然なんですが。
  加えて、かつて電電公社を支えた電電御三家というものがありました。1社はもうすでにそういう役割を果たしていないのですが、残り2社のうち1社は富士通、もう1社は日本電気(NEC)です。こういったところが今後、半導体の生産を担って行くのではないかと思います。一時期は日の丸半導体というと、斜陽と言われていたのですが、いままさにもう1回チャンスが巡って来ている。
  新行:なるほど。
  須田:そういった流れで考えてみると、中国あるいは中国陣営サイドからすれば、「NTTって何だか目障りだよね」ということにもなるのですよ。もちろんそれに追随するかのように、ソフトバンクもかつてはファーウェイの端末を使うような動きを見せていましたが、いまは完全に関係を切っています。
  NTTがそういった主導役、リーダー役を務めるとなると、結局日本の通信政策というのは反中国、非中国になってしまう。やはりここは、「NTTにくさびを打ち込んだ方がいいのではないか」というところもある。ですから、なぜNTTが、澤田社長がいま矢面に立っているのかを考えてみると、場合によっては水面下でそういう動きがあってもおかしくないと思っています。それが事実かどうかは別として、可能性として言っているのだけれども。
  NTTをめぐる環境を考えてみると、非常に安全保障的な……あるいは中国との関係を考えてみても、複雑な状況に置かれていると思います。その枠組みのなかで日米連携というのが、日を追うごとに着々と進んでいる。そして、日本においてその中心を担っているのがNTTなのだと、そのように読み解いていただきたいなと思います。


2021.03.10-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/smp/politics/news/210310/plt2103100029-s1.html
中国海警法への懸念明記へ 16日に日米2プラス2

  日米両政府は10日、外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)を16日に東京で開くと発表した。両政府は、中国が2月1日に施行した海警局の武器使用権限を明確化した海警法を議題として取り上げ、共同発表する文書に同法への懸念を明記する方向で調整している。共同文書で中国を名指しして批判するのは異例で、現状変更を試みる中国を強く牽制(けんせい)する狙いがある
  2プラス2には、日本側から茂木敏充外相と岸信夫防衛相、米側はブリンケン国務長官とオースティン国防長官が参加する。バイデン米政権の発足以降、外務・防衛担当の閣僚がそろって外国を訪問するのは初めてで、日米2プラス2の日本開催は平成25年以来、約8年ぶりとなる。

  バイデン政権は今年後半にも「国家安全保障戦略」を策定する予定で、今月3日には暫定版となる指針を公表した。指針では、中国を「安定的で開かれた国際秩序に挑戦する力を有する唯一の国」と位置付けた。日本政府関係者は「今回は安保戦略の策定に向け、日米の対中観をすり合わせる場となる」と指摘する。
  これまで、日米の共同文書では、中国を念頭に置きつつも名指しは避け、「東シナ海・南シナ海における現状を変更しようとする一方的な試みに関し、深刻な懸念と強い反対を表明」などの表現にとどめてきた。

  しかし海警法に関しては、日本側が中国海警船による尖閣諸島(沖縄県石垣市)への領海侵入なども念頭に危機感を強めており、米国も国務省のプライス報道官が懸念を表明した。
  防衛省幹部は、今回の共同文書に海警法への懸念を盛り込むことについて「日米のあらゆるレベルで確認することが重要だ」と強調する。海警法への危機感は地方でも高まっており、那覇市議会は9日に「海警法施行に対する適切な対応を政府に求める意見書」を可決し、同日政府に送った。
  米国務省は10日、日米2プラス2の開催を発表し、ブリンケン、オースティン両氏が17、18両日に韓国を訪問して米韓2プラス2を開催することを明らかにした。


2021.03.10-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/affairs/news/210310/afr2103100024-n1.html
トモダチ作戦の日米調整役「日米の絆が太くなった」
(1)
  【台北=矢板明夫】東日本大震災発生時に米国の駐沖縄総領事を務め、米軍による支援活動「トモダチ作戦」に深く関わったレイモンド・グリーン米国在台協会(AIT)台北事務所(在台湾大使館に相当)副所長が10日までに、産経新聞のインタビューに応じ「日本人被災者のマナーの良さに感銘を受けた。震災支援を通じて日米の絆はさらに太くなった」などと述べた。

  東日本大震災の発生直後、沖縄にいたグリーン氏は東京の米大使館に呼ばれ、救援に参加する米軍の政治顧問の役割を与えられた。その後の約6週間、都内の米軍横田基地に赴き、日米両政府や米軍との調整役を務めた。

  2万4000人が参加し、米軍史上で最大級の支援活動となった「トモダチ作戦」の中心にいたグリーン氏は「日米間の意思疎通はいつもスムーズだったが、逆に米国の政府関係者、専門家と軍人の考え方などに大きな違いがあり、米国人同士間での調整にかなり苦労した」と振り返った。
  グリーン氏らは毎日のように「救援活動に必要な人材、資金、技術」といった要望を本国に提出したが、ワシントンからの対応の早さに驚いたという。
  「政府に予算を申請するときは常に煩雑な手続きを強いられるが、当時の米国は『
日本が必要なものなら何でも出す』という姿勢で、震災に関する要請はすぐ聞き届けられた」と話す。グリーン氏は「あんなに効率の高い政府は見たことがなかった」と笑った。
  司令官と一緒に第一線で支援する各部隊を回り、兵士らを激励することもグリーン氏の仕事の一つだった。「しかし、『同盟国のために頑張ろう』という兵士たちの士気はとても高く、激励する必要はなかった」という。
  グリーン氏が最も感銘を受けたのは、沿海部の被災地を回り、水や食料を配った、あるヘリコプター部隊からの報告だった。
(2)
  この部隊はそれまでに世界各国で災害支援をした経験があったが、日本の被災者だけはほかの国と違っていたという。みんなが整然と列に並んで静かに待ち、もらった物資が全員に行き渡るように分け合っていた。多くの兵士が被災者の姿に感動していたという。
  トモダチ作戦を経て沖縄に戻ったグリーン氏は「地元で米軍に対する印象が良くなっており、日米同盟を支持する人が増えた」ことを実感したという。

  レイモンド・グリーン氏 米メリーランド大学で日本語を学び、シンクタンクの研究員などを経て国務省入り。1998年から2012年にかけて計9年間日本に駐在し、駐沖縄総領事などを歴任した。駐(中国)成都・米総領事などを経て、18年から米国の対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)台北事務所副所長。



2020.12.08-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/201208/wor2012080018-n1.html
米知日派「アーミテージ・ナイ報告」 ファイブアイズへの日本参加促す

  【ワシントン=黒瀬悦成】アーミテージ元米国務副長官、ハーバード大のナイ特別功労教授ら米国の超党派の知日派有識者は7日、バイデン次期米政権と菅義偉政権が「安全保障上の最大の課題」である中国との「競争的共存」に向け、日米同盟を強化していくべきだとする報告書を発表した。
  報告書は「アーミテージ・ナイ報告」と通称され、公表されるのは2000年以降5回目。
  報告書は、米英とカナダ、オーストラリア、ニュージーランドの英語圏5カ国による機密情報共有の枠組み「ファイブアイズ」に関し、日本を加えた「シックスアイズ」にする方向で日米が真剣に努力し、同盟協力を深化させていくべきだと訴えた。
  また、菅首相がバイデン政権発足後、できるだけ早い段階で訪米し、日米首脳会談を行うことを強く支持するとした。
  トランプ政権下での日米関係については、日本が自由貿易や多国間協調で主導的な役割を果たしたとし、「両国関係史上、日本が初めて同盟において対等な役割を担うようになった」と評価した。
  日米同盟のあり方については「共通の戦略構想の実現に関心と取り組みを集中させるべきだ」と指摘。「同盟は重荷ではない」との見方も示し、トランプ政権下で大幅な増額要求があった在日米軍の駐留経費負担に関する交渉については「早急に仕切り直し、決着させる必要がある」とした。
  台湾情勢では「中国による台湾への軍事・政治的圧力に対する米国の懸念を日本が共有していることに疑いの余地があってはならない」とし、日米が台湾との政治・経済的関与で連携し、中国の圧力に対抗していくべきだと強調した。
  北朝鮮の非核化については「短期間で実現させるのは非現実的だが、長期的な目標であり続ける」とし、北朝鮮の核の「抑止と封じ込め」に向けて日米と米韓が優先課題として取り組んでいくべきだとした。同時に、日米韓の情報および防衛協力の強化も不可欠だと強調した。
  日韓関係については「過去ではなく、未来に関心を向けるべきだ」とした。
  経済分野では、トランプ大統領が離脱した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に米国は復帰すべきだとしたほか、クリーンエネルギー分野や環境対策でも協力を拡大させていくべきだとした。


2020.10.7-CNN co.jp(香港)-https://www.cnn.co.jp/world/35160592.html
ポンペオ米国務長官、日豪印との4カ国外相会合で対中結束を確認

  香港(CNN) ポンペオ米国務長官は6日、訪問先の日本でオーストラリア、インドを加えた4カ国外相会合に臨み、中国の脅威に対する結束を確認した。
  ポンペオ氏は東京都内での会合に先立ち、新型コロナウイルス感染拡大の初期段階で中国共産党による「隠ぺい」があったと批判。「我々が中国共産党の搾取と腐敗、抑圧から自国民と友好国を守るために連携することが、今ほど重要だった時はない」と訴えた。
  残る3カ国のうち、オーストラリアのペイン外相とインドのジャイシャンカル外相はともに「自由で開かれた包含的なインド太平洋」を目指す必要があると述べた。この表現は、中国の領有権主張に対抗する場面でよく使われる。
  会合後に会見した国務省高官も、日本やインドが米国と同様、中国によって民主主義や自由市場経済が侵される現状に対して行動を起こしているとの認識を示した。
  ポンペオ氏はトランプ政権きっての対中強硬派として知られる。政権内部がトランプ大統領の新型コロナウイルス感染で混乱するなかでも、対中戦略に重点を置いてきた。
  4カ国外相会合が初めて提唱された2007年から、中国は全参加国に強く抗議し、オーストラリアがこれを懸念して脱退。会合自体も見送られたが、中国の南シナ海進出に対抗する形で17年に再開された経緯がある。









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