社会問題(日本)-1


外務省 新型コロナウイルス 情報

新型コロナウイルス(日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置及び入国・入域後の行動制限)

新型コロナウイルス(日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置及び入国・入域後の行動制限)

新型コロナウィルス感染に関する緊急情報
全世界に対する危険情報の発出(新型コロナウイルスの感染拡大を受けての出国制限措置や航空便の運休による出国困難)(新規)



2020.4.6-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/tokyo/correspondence.html
「緊急事態宣言」が出た場合 東京都の対応

東京都の小池知事は、今後、仮に、新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく「緊急事態宣言」が出された場合に都がとる対応について、4月3日の記者会見で説明しました。
  このなかで、小池知事は「緊急事態宣言」が出された場合は、都として、
▽都民に外出の自粛などを要請し、
▽各施設やイベントの主催者には施設の使用停止などを要請するなどとしています。
個別の要請内容は今後、国から出される方針などを受けて決定すると説明しました。
  そのうえで、食料品や医薬品などの生活必需品の販売や、銀行や証券取引所などをはじめとする金融サービスなど、社会や経済生活を維持するうえで必要なサービスは、必要な衛生管理などを行ったうえで、引き続き営業してもらうと説明しました。
  さらに、都民や事業者が抱く疑問や不安に答えるため、新たにコールセンターを設置して、相談体制を強化するということです。
  また、感染の拡大が続く今の状況について、小池知事は「感染爆発の重大局面と何度も申し上げているが、この局面は変わっておらず、より深刻になっている」と述べ、感染リスクが高まるいわゆる3つの密を避けるよう呼びかけました。
「緊急事態宣言」で東京都ができることは
  新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく「緊急事態宣言」は、総理大臣が緊急的な措置を取る期間や区域を指定して出します。
  東京都を対象に「緊急事態宣言」が出された場合、小池知事は都民に対して、特別措置法に基づき、生活の維持に必要な場合を除いて外出しないことや、感染の防止に必要な協力を要請することができます。
  同じく、特措法に基づいて、学校や保育所、通いで利用する福祉施設などに対して、施設の使用の制限を要請、指示することができるほか、多くの人が集まる劇場や映画館といった娯楽施設や、ナイトクラブなどの遊興施設は感染拡大の状況に応じて必要な場合には施設を使用しないよう、要請、指示することも可能になります。
  さらに、緊急の場合は、運送事業者などに対し、医薬品や医療機器を配送するよう要請、指示ができることになっています。
  ただ、これらの要請や指示に従わなくても罰則はありません。
一方、公共交通機関のほか、病院や食料品店、ドラッグストアなどは、特措法のなかで営業などを制限する対象には含まれていません。
「緊急事態宣言」が出た場合の対応 特別措置法で定められた内容は
【イベント】
イベントについては、特措法の45条2項に基づき、イベントを開催しないよう知事がまず「要請」して、それでも応じない場合は「指示」できます。指示には罰則はないものの、公権力を背景とした指示は、事実上の強制力を持つと考えられます。さらに「指示」を行ったら、事業者名などを知事がホームページなどに「公表」することになります。
【休校】
学校の休校についても、特措法の45条2項が根拠となり、休校を「要請」または「指示」できるようになります。都道府県立の高校は都道府県が所管しているので知事の判断で休校できます。私立学校や市町村立の小中学校は、知事が休校を「要請」し、応じない場合には「指示」できるという建て付けになっていますが、罰則はありません。
【店舗や施設】
店舗の営業についても、特措法の45条2項で「多数の者が利用する施設」は使用制限や停止を「要請」できるとなっていて、「多数の者が利用する施設」は政令で定められています。主なものは、映画館や展示場、百貨店やスーパーマーケットのほかホテル、美術館、キャバレー、理髪店、学習塾などとなっています。ただし、スーパーマーケットのうち、食品、医薬品、衛生用品、燃料など生活必需品の売り場だけは、営業を続けることができます。ただ、民間企業を強制的に休業させる直接的な規定はありません。企業が活動を休止したり、イベントを中止したりした場合の損失補償については、そもそも強制的に店舗を閉めたり、イベント中止を命じることはできないため、特措法には直接の規定はないということです。
【マスク】
マスクについては、特措法の55条でマスクなど必要な物資の売り渡しの要請ができるほか、応じないときには、知事が強制的に収用できるようになります。また、特措法とは別に、すでに政府は、国民生活安定緊急措置法などに基づいて、マスクを買い上げるなどして、北海道や医療機関などに配っています。
【強制的にできること】
緊急事態宣言が出たときに、行政が強制的に出来ることは、▼都道府県知事が、臨時の医療施設をつくるために必要がある場合に、土地や建物を所有者の同意を得ないで、使用できることと、▼知事が医薬品や食品など必要な物資の保管を命じることです。命令に従わず物資を隠したり、廃棄したりした場合は、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。保管場所の立ち入り検査を拒否した場合も、30万円以下の罰金となります。罰則があるのはこの2つだけです。
「緊急事態宣言」を行う際は
「緊急事態宣言」を行う際は、国民の生命や健康に著しく重大な被害を与えるおそれがある場合と、全国的かつ急速なまん延によって国民生活と経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある場合の、2つの要件をいずれも満たす必要があると定められています。
  さらに、感染症の専門家でつくる「諮問委員会」に意見を聞くなどの手続きも必要です。
  また「緊急事態宣言」を行う場合、総理大臣は、緊急的な措置を取る期間や区域を指定し、宣言を出します。
ロックダウン=都市の封鎖はできるのか
厚生労働省などによりますと、日本で「ロックダウン」=都市の封鎖を行うには、根拠となる法律が必要ですが、施行された「新型コロナウイルス対策特別措置法」には、「ロックダウン」という言葉はどこにも書かれておらず、明確な定義もないということです。
仮に「ロックダウン」のようなことをするにしても、まずは政府が「緊急事態宣言」を出すことが前提になるということです。
《外出》
ただ仮に「緊急事態宣言」が出されても、特措法では外出禁止を強制することはできないということです。特措法の45条では、「都道府県知事は、生活の維持に必要な場合を除き、みだりに当該者の居宅又はこれに相当する場所から外出しないこと、その他の感染の防止に必要な協力を要請することができる」と書かれていて、あくまで外出自粛の「要請」にとどまり、外出した際の罰則はないということです。東京都が先月末に要請した外出自粛と、緊急事態宣言後の外出自粛はどちらも「要請」で、差異はないとしています。
《交通》
交通機関についても、都市封鎖するために公共交通機関を止めることは法律に書かれていません。特措法の20条と24条には、総理大臣や都道府県知事は、鉄道会社などの「指定公共機関」と総合調整を行うことができると書かれています。これはストップさせるというよりも逆で、感染が拡大した際でも公共機関の職員は働かなければいけないので、「最低限は交通機関を動かしてください」というもので、鉄道などを止めることは想定していません。また、道路についても、特措法で道路を封鎖できるという規定はありません。
  一方、感染症法33条では、感染した場所が十分に消毒できていない場合、そこに人が集まらないように、72時間以内で局所的に閉鎖したり、そこに向かう交通手段を遮断したりできますが、それは消毒のためであって、広域的に人の動きを止めるために使える条文ではありません。
  このように、仮に緊急事態宣言が出たとしても、外出自粛は「要請」ベースで、強制力はなく、これまでの自粛要請とほとんど変わらない見通しです。
  今の特措法では、海外のような「ロックダウン」はできず、徹底的に実施するならば、諸外国のように罰則付きの法律を別途整備することが必要だということです。


2020.4.5-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200405/k10012369141000.html
「アビガン」200万人分の備蓄目指す 政府 緊急経済対策の原案

新型コロナウイルスの感染拡大を受けた政府の緊急経済対策の原案が明らかになりました。治療薬として効果が期待される「アビガン」の200万人分の備蓄を目指すとしているほか、子育て世帯を支援するため、児童手当の受給世帯に対し、児童1人あたり1万円を上乗せするとしています。
  対策の原案によりますと日本経済は国難とも言うべき厳しい状況にあるとして、感染収束にめどがつくまでの「緊急支援フェーズ」とその後の「V字回復フェーズ」の2段階で行うとしています。
  そして、「医療体制の整備と治療薬の開発」「雇用の維持と事業の継続」など5つの柱の施策を講じるとしています。
  このうち、「治療薬の開発」で効果が期待されているインフルエンザ治療薬の「アビガン」について、今年度内に200万人分の備蓄を目指すとしています。
  1世帯あたり30万円の現金給付については手元に早く届くよう、みずから申請する方式で行い、給付金は非課税とするとしています。
  給付対象については、感染症が発生する前に比べて月収が減り、住民税非課税世帯の水準まで落ち込む世帯とする案などが検討されています。
  また子育て世帯を支援するため、児童手当の受給世帯に対し児童1人あたり1万円を上乗せするとしています。
  さらに感染拡大の収束後、観光業やイベント事業などを支援するため消費者に割引やクーポン券などを付与するキャンペーンを実施するとしています。
  一方、雇用の維持に向け雇用調整助成金を6月末まで拡充するとしていて、解雇を行わない場合は、中小企業で10分の9、大企業で4分の3まで助成率を引き上げ非正規の労働者も対象とするなどとしています。
  またマスクなど国民の健康に重要な製品の生産拠点を国内に整備する際の補助率を中小企業では4分の3、大企業は3分の2に引き上げるとしています。
  緊急経済対策について政府は与党との調整を経て、今週7日にも決定することにしています。


2020.4.3-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200403/k10012366431000.html
新型コロナ 現金給付1世帯30万円 一定水準まで所得減少の世帯

新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急経済対策の焦点の1つ、現金給付をめぐり、安倍総理大臣と自民党の岸田政務調査会長が会談し、一定の水準まで所得が減少した世帯に対し、1世帯当たり、30万円を給付することで一致しました。
  新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急経済対策をめぐり、安倍総理大臣は、3日午後、自民党の岸田政務調査会長と総理大臣官邸で会談しました。
  そして焦点の1つ、現金給付について、一定の水準まで所得が減少した世帯に対し、1世帯当たり、30万円を給付することで一致しました。
  このあと岸田氏は記者団に対し、1世帯当たり30万円とした理由について、「さまざまな議論の結果で、日本の世帯の人数など、さまざまな観点から出てきた数字だ」と説明しました。
  そのうえで、「スピード感が大事だと強く申し上げ、迅速に支給することが大事だと強調した。詳細は政府でしっかり詰めてもらいたい。経済対策の全体の規模と、ほかの課題は、週末にかけて政府としっかりと調整していきたい」と述べました。
  政府は今後、現金給付の対象範囲など具体的な制度設計を詰めたうえで、来週前半にも取りまとめる緊急経済対策に盛り込むことにしています。
  そして、今年度の補正予算案を編成して速やかに国会に提出し、大型連休前の成立を目指す方針です。
菅官房長官「世帯単位が適当」
菅官房長官は、午後の記者会見で世帯ごとに現金給付を行うとしたことについて「仕事が減るなどによって収入が減少し、生活に困難を来すおそれがある家庭を中心に、生計維持のために必要な給付水準を検討した。生活支援を中心に考えれば、やはり世帯単位で考えることが適当ではないか」と述べました。
  そのうえで「対象世帯の具体的な基準や、全体規模は検討中だ。実際の交付にあたっては、基準をできるかぎ明確にする必要がある。迅速な交付が必要で、政府と自治体が協力して工夫していく必要がある」と述べました。
  また、菅官房長官は、給付対象を日本国籍の人に限定するのかと問われ「制度の詳細の検討を進めているが、過去の事例では、不法滞在者や短期滞在者を除き、国内で生活する外国人にも給付しており、こうした事例も参考にしながら検討していきたい」と述べました。
自民 世耕参院幹事長「経費増の世帯にも給付を」
自民党の世耕参議院幹事長は、記者会見で「収入が減って困っている世帯や、学童保育などで必要な経費が増えて困っている世帯に救いの手を差し伸べ、現金を配るべきだ」と述べました。
立民 枝野代表「迅速対応に1人当たりで給付を」
立憲民主党の枝野代表は、記者会見で「金額が大きくなるのは歓迎すべきだが、世帯と言っても1人世帯から何人も扶養がいる世帯まであるし、所得減少の要件を厳格に審査すれば相当な時間がかかる。今、生活が困っている人に迅速に対応するためには、1人当たりで配るしかない」と述べました。
公明 石田政調会長「児童手当1万円上乗せを」
公明党の石田政務調査会長は記者団に対し、「突然の発表だった。公明党としては1人あたり10万円の給付を提言していたが、安倍総理大臣がさまざま考え、自民党の岸田政務調査会長との話し合いの中で結論を出したのではないか」と述べました。
  また、「中間所得層にもう少し何かすべきだ」として、6月に支給される児童手当に、子ども1人あたり1万円を上乗せするよう、政府に要請したことを明らかにしました。


2020.4.1-産経新聞 THE SANKEI NEWS WEB-https://www.sankei.com/life/news/200401/lif2004010074-n1.html
首相、5千万世帯に布マスク配布 今月中旬以降郵送

安倍晋三首相は1日、官邸で開いた新型コロナウイルス感染症対策本部会合で、品薄が続くマスクについて、全国の約5千万世帯を対象に1住所当たり2枚の布マスクを配布すると表明した。日本郵政のシステムを活用し、今月中旬以降、感染者の多い都道府県から順次発送を開始する。
   布マスクを着用し、会合に臨んだ首相は「店頭でのマスク品薄が続く現状を踏まえ、国民の不安解消に少しでも資するように速やかに取り組みたい」と述べた。
   布マスクは洗剤で洗うことで再利用が可能という。


2020.3.31-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200331/k10012360191000.html
緊急事態宣言「国家としての判断求められている」小池都知事

新型コロナウイルスの感染が拡大している状況を受けて、小池知事は、31日安倍総理大臣と会談して対応について協議しました。会談のあと記者団に対し、新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく「緊急事態宣言」について「国家としての判断が今、求められているのではないか」と述べ、宣言すべき状態かどうかを国は判断すべきだという考えを示しました。
  東京都の小池知事は31日午後、総理大臣官邸で安倍総理大臣と会談し、感染が拡大している新型コロナウイルスへの対応について協議しました。
  会談のあと、小池知事は都庁で記者団に対し「東京の感染度合いや今後の予測、都としての準備などについて話した」と述べました。
  そのうえで新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく「緊急事態宣言」について、「国が決めることなので、その参考になればということで都内の感染状況を伝えた。状況はギリギリと申し上げており、国家としての判断が今、求められているのではないか」と述べ、宣言すべき状態かどうかを国は判断すべきだという考えを示しました。
  このほか、小池知事は臨時休校から春休みに入った学校の新学期の開始時期について、今後、国と都の考え方をすり合わせながら対応を検討していくことを明らかにしました。
「緊急事態宣言」都ができること
  新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく「緊急事態宣言」は、総理大臣が緊急的な措置を取る期間や区域を指定して出します。
  東京都を対象に「緊急事態宣言」が出された場合、小池知事は都民に対して特別措置法に基づき、生活の維持に必要な場合を除いて外出しないことや、感染の防止に必要な協力を要請することができます。
  同じく特措法に基づいて、学校や保育所、通いで利用する福祉施設などに対して、施設の使用の制限を要請、指示することができるほか、多くの人が集まる劇場や映画館といった娯楽施設やナイトクラブなどの遊興施設は、感染拡大の状況に応じて必要な場合には施設を使用しないよう、要請、指示することも可能になります。
  さらに、緊急の場合は、運送事業者などに対し、医薬品や医療機器を配送するよう要請、指示ができることになっています。ただ、これらの要請や指示に従わなくても罰則はありません。
  一方、公共交通機関のほか、病院や食料品店、ドラッグストアなどは、特措法の中で営業などを制限する対象には含まれていません。
  特措法には強制力がある措置もあり、都知事が特に必要があると判断した場合には、臨時の医療施設を整備するために所有者の同意を得ずに土地や建物を使用できるほか、医薬品や食料品をメーカーや販売店から強制的に取得することもできます。



2020.3.28-産経新聞 THE SANKEI NEWS WEB-https://www.sankei.com/politics/news/200328/plt2003280020-n1.html
首相記者会見全文(1)「医療崩壊 対岸の火事でない」「最悪の事態想定し全力尽くす」

 安倍晋三首相は28日夕、首相官邸で記者会見し、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた政府の取り組みなどについて述べた。記者会見の全文は次の通り。
  「新型コロナウイルス感染症が世界で猛威を振るっています。感染者は50万人を超えました。最初の10万人に達するまで60日以上かかりましたが、直近ではわずか2日で10万人増加しており、まさに爆発的なペースで拡大しています。いくつかの国々では連日、数百人規模で死者数が増えており、増加する重症者に十分な医療を提供できていない、まさに医療崩壊ともいうべき事態も発生しています。これは決して対岸の火事ではありません。日本でも短期間のうちに同じ状況になっているかもしれない、それぐらいの危機感をもって最大限の警戒を国民の皆さまにお願いします。
   これまでわが国では、専門家の皆さん、保健所をはじめ、現場の医療関係者の皆さんの努力によって、いわゆるクラスターと呼ばれる集団での感染のつながりを早期に発見し、しっかりとコントロールする、そうすることで何とか持ちこたえてきました。しかし足元では、感染経路がわからない患者が東京や大阪など都市部を中心に増加しています。感染のつながりが見えなければ、その背景にどれぐらいの規模の感染者が存在しているのか、知ることができません。そして制御できない感染の連鎖が生じれば、どこかで爆発的な感染拡大が発生しかねません。
   このいわゆるオーバーシュートの可能性について、東京では25日、小池(百合子)知事が、重大局面にあるとし、夜間・休日の外出自粛などを都民の皆さんに要請しました。千葉、神奈川、埼玉、山梨の4県知事とともに、イベントの自粛、人混みへの不要不急の外出自粛などについて、協力を呼びかけています。大阪や熊本でもこの週末の外出自粛が要請されています。私からもこうした自治体の呼びかけにご協力いただくよう、深く、お願いいたします。ひとたび爆発的な感染拡大が発生すると、欧米の例から試算すると、わずか2週間で感染者数が今の30倍以上に跳ね上がります。そうなれば、感染のスピードを極力抑えながら、ピークを後ろ倒ししていくとのわれわれの戦略が一気に崩れることとなります。
  まだ欧米に比べれば、感染者の総数は少ないと考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、私たちが毎日見ている感染者の数は、潜伏期間などを踏まえれば2週間ほど前の新規感染の状況を捉えたものにすぎません。つまり、今すでに爆発的な感染拡大が発生していていたとしてもすぐには、察知することができません。
   2週間経って、数字となって表れたときには、患者の増加スピードはもはや制御できないほどになってしまっている。これがこの感染症の最も恐ろしいところであり、私たちはこの恐ろしい敵と不屈の覚悟で戦い続け抜かなければないのです。その強い危機感のもとに、自衛隊も動員して水際対策を抜本的に強化しました。一昨日には改正特別措置法に基づいて、政府対策本部の設置を閣議決定いたしました。これにより全ての都道府県にも対策本部が設置されたところであり、自治体との緊密な連携のもとに、最悪の事態も想定しながら、感染拡大の防止に全力を尽くしてまいります」


2020.3.26-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200326/k10012350651000.html
全世界への渡航自粛を要請 政府 新型コロナウイルス感染拡大で

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、政府は海外への不要不急の渡航をやめるよう求める「レベル2」の「危険情報」を世界全体を対象に出しました。政府が国・地域を問わず、全世界への渡航の自粛を要請するのは初めてです。
  新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、政府は感染症への注意が必要な国や地域に出す「感染症危険情報」について、イタリアやスペインなどヨーロッパの国々やイランのほか、中国と韓国の一部地域には渡航中止を勧告する「レベル3」を出しています。
  た今月18日には全世界への渡航に十分注意するよう呼びかける「レベル1」を出しました。
  こうした中、外務省は昨夜「感染症危険情報」とは別に海外の治安情勢などを考慮して出している「危険情報」について、世界全体を対象に不要不急の渡航をやめるよう求める「レベル2」に引き上げました。
  感染症を理由に「危険情報」が出されるのは異例のことで、政府が国・地域を問わず全世界への渡航の自粛を要請するのは初めてです。
  外務省は感染が広がっていない国や地域でも、現地で行動制限を受けたり国際線の運航停止などで出国できなくなったりするおそれが出ているためだとしています。
「海外渡航を考えている方は再検討を」茂木外相
  茂木外務大臣は26日未明、記者団に対し「世界では、感染がそれほど広がっていない地域でも移動制限や空港の閉鎖などが行われている。一度そうした国に行くと、移動や帰国ができなくなる懸念もあり、渡航する方への注意喚起の意味で全世界を対象に危険情報をレベル2に引き上げた。ぜひ、国民の皆さん、海外渡航を考えている方は再検討していただきたい」と述べました。


2020.3.19-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200319/k10012340171000.html
「3連休 大阪府~兵庫県の往来自粛を」大阪府知事 呼びかけ

大阪府の吉村知事は19日夜、緊急の記者会見を開き、20日からの3連休、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、大阪府と兵庫県の間の不要不急の往来を控えるよう求めました。
  この中で吉村知事は、20日から22日まで3連休の間、大阪府民や兵庫県民に大阪府と兵庫県の間の不要不急の往来を控えるよう求めました
  吉村知事はその理由について「国の専門家から大阪府・兵庫県における緊急対策の提案をいただいた。全国的にも感染者が増えている中で、特に兵庫県は1人の感染者が2次感染者を生み出す平均値が1を超えている。爆発的な感染がいつ起きてもおかしくない大阪は1を超えていないが、感染者が増えていて警戒しないといけない状況だ。国の試算では大阪と兵庫で次の7日間で感染者が586人となる。さらに次の7日間で3374人となり重症者は227人となっている。これは最悪、急速に感染が拡大すればこうなるという試算結果だ。この事態を重く受け止め、20日からの3連休、往来を控えていただきたい」と説明しました。
  そのうえで「不要不急かどうかは個別で判断するしかないが、この3連休でやらなくてもいいことは控えていただくしかないと思う。仕事で行き来しないといけない人もたくさんいると思うが、感染予防ための行動を取ってもらいたい」と述べ、理解を求めました。
  一方、開催の自粛を続けている府の主催イベントなどについては「21日以降をどうするかは、20日開く府の対策本部会議で判断したい。社会経済活動を完全に止めるのは別の大きな問題で、必ずしもすべて中止とすることを考えているわけではない」と述べました。
兵庫県 井戸知事「大阪などへの不要不急の行き来控えて」
  兵庫県の井戸知事は、19日夜、記者会見し、国の感染症の専門家チームが18日兵庫と大阪府に入り、兵庫と大阪の往来を自粛するよう提案されたことを明らかにしました。
  そのうえで、「今、大事なのは、クラスター化の防止や、二次感染の封じ込めだ」と述べ、県民に対し、引き続き、手洗いやせきエチケットなどを徹底するとともに、大阪やそのほかの地域への不要不急の行き来は自粛するよう呼びかけました。
  一方、大阪府の吉村知事が、20日からの3連休の間、兵庫と大阪の不要不急の行き来を控えるよう呼びかけたことについて、「これまでも不要不急の外出は控えるようお願いしており、3連休だけの問題ではない。当面は、政府の専門家会議がある来週の火曜日までの呼びかけだ」と述べました。
専門家「妥当な判断だ」
3連休中に大阪府と兵庫県の間で不要不急の往来の自粛を呼びかけることについて、感染症の制御に詳しい愛知医科大学の三鴨廣繁教授は、「大阪ではようやく感染拡大の動きが鈍ってきているが、関西は交通網が発達していて人の行き来が盛んなので、この3連休でまたクラスターが発生してしまう可能性がある。また、兵庫では空いている病床が少なくなっているという情報もあり、少しでも感染の拡大を抑えるという観点では、人の行き来を抑えることは妥当な判断だ」と話していました。
大阪・兵庫間の交通機関は通常どおり
  大阪府の吉村知事が新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、20日からの3連休、大阪府と兵庫県のあいだの不要不急の往来を控えるよう呼びかけたことについて、大阪と兵庫を結ぶ交通機関は今のところ通常通り運行するとしています。
  JR西日本は新幹線、在来線ともに今のところ特別な対応はせず、通常通り運行するとしているほか、私鉄の阪急電鉄と阪神電鉄も、今のところ通常どおり運行する予定だということです。
  このほか、高速道路も、西日本高速道路、阪神高速道路ともに特別な対応は予定していないということです。
  また、大阪空港と神戸三宮駅や姫路駅など兵庫県内を結ぶリムジンバスを運行している大阪空港交通も今のところ特別な対応をせず通常通り運行するとしています。
JR大阪駅前では
  大阪府の吉村知事が20日からの3連休、大阪府と兵庫県のあいだの不要不急の往来を控えるよう大阪府民と兵庫県民に呼びかける考えを示したことについて、JR大阪駅前では理解を示したり、疑問を感じたりする人の声が聞かれました。
  兵庫県の大学2年生の男性は、「個人的には不便になりますが、これで感染が広まらないんだったらいいのかなと思います。連休中は友達と会う約束していましたが日程を変えます」と話していました。
  大阪府の20代の女性は「これ以上感染が広がったらオリンピックの開催とかにも関わってくると思うので、できることをやるのは賛成です」と話していました。
  大阪・堺市の20代の男性は「守る人はあんまりいないんじゃないでしょうか。仕事で行き来する人もいるし、完全に止めるのは簡単にはいかないと思います」と話していました。


2020.2.28-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200228/k10012306531000.html
北海道知事 道民に「緊急事態宣言」 外出控えるよう呼びかけ

北海道の鈴木知事は28日夕方、新型コロナウイルスの感染が道内で広がっているとして、28日から3週間の間、「緊急事態宣言」を出し、道民に向けて、特にこの週末の外出を控えるよう呼びかけました。
  道は午後5時半から新型コロナウイルスに関する対策会議を開き、新型コロナウイルスの道内での感染拡大は深刻さを増しているとして「緊急事態宣言」を出しました。
  期間は28日から3月19日までの3週間で、特にこの週末は道民に外出を控えるよう呼びかけました。
緊急事態宣言の内容
鈴木知事の名前で公表された緊急事態宣言は、次のような内容になっています。
  「新型コロナウイルスの感染を防ぐため、オール北海道で取り組んできましたが、状況はより深刻さを増しています。早期の終息、そして皆さんご自身と大切な人の命と健康を守るため、お願いしたいことがあります。感染の拡大防止のため、この週末は、外出を控えてください。皆様のご理解とご協力を、よろしくお願いします」としています。知事「まさに今が山場 この週末外出控えて」
  鈴木知事は新型コロナウイルスに関する対策本部の会合で「北海道では現在までに63件の感染者が確認されており、感染拡大のスピードを抑える対策が必要になっている。まさに今が山場であり、1日も早く終息させる必要がある」と述べました。
  また、「飲食店やスポーツジムなどでの接触の可能性が出てきいるので、週末については基本的には外出を控えてもらいたい」、「子どもたちには外出を控えてもらっており、大人も同じようにすることで、道民一丸となってこの週末、取り組みを進めていきたい。極めて深刻な状況であると認識し、行動してもらうようご協力をお願いしたい」と述べました。
知事「地域間での感染拡大のおそれ」
  鈴木知事は対策本部の会合の後、臨時の記者会見を開き、北海道内の住民にこの週末の外出を控えるよう呼びかける「緊急事態宣言」を出したことを改めて説明しました。
  そのうえで「きのう、集団感染の疑いがある6人が北見市で開催された展示会に参加していたことが判明し、札幌市からの参加者も確認されている。地域間での感染拡大のおそれが出てきている」と述べました。
  また「緊急事態宣言を出したことを受けて、安倍総理大臣に日本で感染者が最も多い北海道の実情を直接伝える緊急の要望をしたい」と述べました。
  さらに「北海道は全国で最も感染者が多く、今後は感染拡大防止のモデルを作り、国と一緒になって取り組んでいく」と述べました。
知事「観光客も行程変更を」
  また道内を訪れる観光客に対しては「人がたくさんいる場所について行程を変更するなど、適切に判断してもらいたい」と述べました。
  そのうえで「北海道は世界からすばらしいところだと認識され、観光客も多い。だからこそ早く終息させたい。あらゆる資源を投入し、全力で感染拡大の防止に取り組まなければならない」と述べました。
主な交通機関は通常どおり運行の見通し 
  北海道の主な交通機関は今のところ通常どおり運行される見通しです。
  このうちJR北海道は「列車はビジネスなどさまざまな理由で利用する人がいて外出せざるをえない人もいる。公共交通機関として列車を間引き運転するなどの対応は今のところ考えていない」として、週末も通常どおりのダイヤで運転する予定だとしています。
  また全日空、日本航空、エア・ドゥなど航空会社10社は、この週末に北海道を発着する便について、今のところ通常どおり運航する予定だということです。
北海道教委「公立高校入試は学力検査のみ実施」
  北海道教育委員会によりますと、鈴木知事が緊急事態宣言を出したことを受けて、来月4日と5日の日程で行われる予定だった公立高校入試は、4日の学力検査のみを行い、5日の面接などは中止することを決めたということです。
  さらに、試験前日には受験生のために校内を開放し下見を行えるようにしていましたが、新型コロナウイルスの感染防止のため、中止することを決めたということです。
  北海道教育委員会は、試験中にマスクを着用するなど感染予防を十分に行い、試験に臨むよう呼びかけています。
  また、来月1日に予定されていた公立高校の卒業式については、実施する場合は来月2日以降に行い、出席者は卒業生のみとするという内容の通知をすべての道立高校と市町村教育委員会に出したということです。
4人感染確認の旭川市では…
  旭川市では28日までに飲食店の経営者や保育士など4人が新型コロナウイルスに感染しているのが確認されています。
  鈴木知事が「緊急事態宣言」を出したことについてJR旭川駅前を歩いていた、60代のアルバイト従業員の女性は「感染が広がっているので、緊急事態宣言を出すことはいいと思う。ただ、宣言を出すだけでなく、しっかりサポートもしてほしい」と話していました。
主な小売り各社の対応
  北海道の鈴木知事が「緊急事態宣言」を出したことを受けて、札幌市の一部のデパートの営業時間などにも影響が出る見通しです。
  三越伊勢丹ホールディングスは来月1日の日曜日、丸井今井札幌本店、札幌三越、函館丸井今井の3店舗で食品フロアをのぞいて臨時で休業することを決めました。
  この日は食品フロアについても1時間程度、営業時間を短縮します。丸井今井札幌本店と札幌三越は29日については、閉店時間を30分前倒しし、午後7時とするほか、来月2日から19日までの間は、通常より1時間程度、営業時間を短縮し、午前11時から午後7時までの営業とします。
  また、函館丸井今井は29日と、来月2日から19日までの間、閉店時間を1時間早めて午後6時とします。
  また、「さっぽろ東急百貨店」は、来月1日から18日までの間、開店を朝10時半と30分遅くするほか、閉店も午後7時半と30分早める
ことにしています。
  一方、「イオン北海道」、「コープさっぽろ」は、それぞれ「食料品などは生活必需品だ」として、週末も通常どおり営業する予定だとしています。
  このほか、セイコーマートを展開するコンビニチェーン「セコマ」は、この週末、大半の店舗では通常どおり営業する一方、一部で休業したり、営業時間を短縮したりする店舗があるとしています。
外食産業も一部で臨時休業 
  北海道の鈴木知事が「緊急事態宣言」を出したことを受けて、外食チェーンではこの週末に道内の店舗を臨時休業する動きが出ています。
  ファミリーレストラン最大手のすかいらーくホールディングスは29日と1日の2日間、ガストなど北海道内の38店舗のうち、商業施設に入る一部の店舗を除く25店舗については臨時休業とすることを決めました。
  1日以降の対応については今後の状況をみて判断するとしています。また、牛丼チェーンのすき家では29日と1日、道内のおよそ50店舗の一部で店内飲食を取りやめ、持ち帰りやドライブスルーのみの対応にするとしています。
専門家「一定の効果 外出は必要最小限に」
感染症の予防対策に詳しい東北医科薬科大学の賀来満夫 特任教授は「今は非常に大事な時期なので、娯楽などで人の動きが活発になる週末に外出を控えることは、感染を抑制する観点から一定の効果があると考えられる。買い物や薬の補充などやむにやまれぬ理由で外出しなければならない場合は、外に出る人を1人に絞り、短時間ですますなど外出の機会、時間を必要最小限にしてほしい」と話しています。


2020.2.26-日経ビジネス-https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00023/022500146/
日米同盟を揺るがしかねない新型コロナ対応、米軍が船客を救出?!
(1)
英船籍のクルーズ船内で新型コロナウイルスの感染が拡大した。日本政府は横浜港への寄港を受け入れ、船内を検疫し、経過観察の措置を進めている。日米関係に詳しい香田洋二・元海上自衛隊自衛艦隊司令官(海将)は、一連の対応が日米関係に負の影響を与える可能性を指摘する。米国は「日本政府の対応を黙って勤務評定している」と言う。(聞き手 森 永輔)

新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」からの乗客の下船がおおむね完了しました。しかし、早くも2月22日、下船した乗客の中からウイルス検査で陽性を示す人が現れました。収束に至る以前に、感染がさらに拡大する事態が懸念されます。
 香田さんは、幹部海上自衛官として海上勤務していた時に、護衛艦に乗船している隊員の8割がインフルエンザウイルスに感染する事態に見舞われたそうですね。それを踏まえて、今回の日本政府の対応をどう評価しますか。

香田:お答えする前に1つ話しておきたいことがあります。危機対応が現在進行形で進んでいる今、最もしてはならないのは、その取り組みを批判・批評することです。私たちのように政府の外にいる人間が知ることのない情報の下で、現場は最善の取り組みを懸命にしているはずですから。なので、これから申し上げるのは、その取り組みをさらに良くするための提案と理解してください。また、医学上の取り組みについても、専門家に任せるべきであることは当然です。

「香田洋二(こうだ・ようじ)
海上自衛隊で自衛艦隊司令官(海将)を務めた。1949年生まれ。72年に防衛大学校を卒業し、海自に入隊。92年に米海軍大学指揮課程を修了。統合幕僚会議事務局長や佐世保地方総監などを歴任。著書に『賛成・反対を言う前の集団的自衛権入門』など(写真:大槻純一)」


1981年の冬、護衛艦「ゆうだち」の砲雷長として勤務していた時のことです。ゆうだちは、母港である京都・舞鶴で次の航海に出る準備をしていました。そこで、最初の発病者が出てから2週間で、乗艦していた隊員約250人の8割がインフルエンザに感染してしまったのです。護衛艦勤務において最も留意すべきことは感染症と食中毒といわれています。
  この時の経験に照らして考えると、ダイヤモンド・プリンセスの横浜港への寄港を受け入れ、乗客・乗員を船内にとどめる対応は適切だったと思います。
  ゆうだちでは、最初の感染者が現れたと思ったら、あれよあれよという間に10人、20人と増えていきました。護衛艦は機関部と武器の間で人が暮らしているようなものです。護衛艦に限らず船舶に共通の事項として、船体によって外気から遮断された閉鎖空間で多くの乗員が生活するため、換気が必要でファンを絶え間なく回しています。それもあって感染が一気に広がったと思われます。
(2)
状況を認識して第1に考えたのは、舞鶴に停泊する他の艦船、隊員の家族、地域の住民に感染を波及させないこと。よって、全隊員の外出をおよそ2週間にわたって禁じました。通常の停泊中、250人ほどの乗組員のうち3分の2ほどが課業時間後には艦外に出られます。あの時は艦にとどまった隊員の家族が、替えの下着などを持って港に現れる姿が目に入りました。結果として、インフルエンザの一般的な流行はありましたが、他の艦船や地域にインフルエンザを伝播(でんぱ)させることなく、ゆうだちの中だけでおおむね収束させることができました。
   今回のダイヤモンド・プリンセスのケースで、日本政府が最も重視すべきは日本国民の安全確保です。乗客・乗員の人権の観点から、狭い船内に長期間足止めした措置を批判する向きもありますが、政府はよく決断したと評価しています。
   ダイヤモンド・プリンセスが横浜港への寄港を求めてきた時に、日本政府が取り得る選択肢は3つありました。
   第1は、同船の日本の港への寄港を拒否することです。同船は英国船籍なので、公海上にあるとき、新型ウイルスの感染拡大にどう対処するかは英国の制度にのっとることになります。また同船を保有するプリンセス・クルーズは米国の会社です。なので、米国の制度にのっとるべきだと考えることもできます。一義的に日本が責任を負うものではないと考えられます。
   第2の選択肢は、横浜港に寄港した後、その乗客・乗員の上陸を認め、陸上で経過観察する方法です。
   いずれの選択肢も問題があります。第1の選択肢は、地理的な条件と人道の観点から取れるものではありません。ダイヤモンド・プリンセスは沖縄から最終目的地である横浜に向かっていました。日本の近海で困難に遭っている船舶を拒否することができるでしょうか。中国で拡散が始まり死者が出ていることから考えて、事は急を要するのです。放っておけば、感染は広がる一方になります。加えて、乗員・乗客3711人のうち日本人乗客が3割強の1281人を占めていました。
   第3の選択肢はキャパシティーの観点から不可能だったと思います。日本国民への感染拡大を防ぐ観点に立つと、約3700人の乗客・乗員すべてを陽性とみなして接する必要があります。それだけの設備が短期間で用意できるでしょうか。

ウイルス検査で陽性だった人たちは、指定医療機関もしくは同等の医療機関に運んで手当てをしています。「陰圧室」*などの特殊な設備を備えているところですね。感染予防策の徹底が図られた2月5日から5日目の10日時点で陽性と判明した人は135人にとどまっていました。それでも、この一部は山梨県の医療機関にまで運んで対応しています。横浜港周辺の指定医療機関の収容能力をこの時点で超えていたと推定されます。その後、感染者を愛知県の施設に収容するケースもありました。3700人分の施設を整えるのはとても難しいですね。

香田:なので、第2の選択肢は取り得ないでしょう。
 よって第3の選択肢、すなわち、横浜港に寄港させ、船内で経過を観察するのが、この時に取り得る最善の現実解ということになります。
(3)
乗客の健康を害するのは新型ウイルスだけではない
ただし、船内生活の質の維持と情報発信について、重要な視点が欠けていた可能性があるので、その点を指摘したいと思います。重要な視点とは、日米同盟を支える信頼感を揺るがす恐れがあるということです。極端な例を挙げれば、ダイヤモンド・プリンセス内にとどまっている米国人乗客を“救出”する作戦を米軍が実行する事態もなかったとは言えません。これについては、後で詳しくお話ししましょう。
   船内生活の質の維持については大きく2つあります。1つ目は、ウイルスに感染していなくても健康上の問題を抱える乗客らへの配慮が十分だったのかということ。乗客には高齢者が多く、最短でも2週間という長期戦をこなすのは容易ではありません。糖尿病の患者さんが必要とするインスリンや、継続して服用する必要がある高血圧の薬などが、乗客の手元になかなか届かず困る事態が何度も伝えられました。

2月19日には、ウイルスに感染していないものの、別の原因で重症に陥った人が1人確認されましたね。

香田:そうなのです。船内の感染拡大を抑える措置はもちろん重要です。しかし、感染していなくても別の健康上の理由で急を要する人もいる。そういう方々の存在にも留意してトリアージ*を考えることが重要です。この点に注意が至っていない印象を受けました。
(*:医師の数や能力、時間などの与件を考慮して、最多の人命を救えるよう治療の優先順位を決めること)
 自衛隊では戦場での救急法を身に付けます。例えば、心臓マッサージはろっ骨が折れてもよいから続ける。ろっ骨の骨折は後で治療できますが、死んでしまったら元も子もないからです。
   2つ目は、船内での日常生活を快適に過ごすすべを提供できているかです。横浜港に入港した2月3日から、感染していない乗客の下船が始まった19日まで、その期間は17日間に及びました。そして約3700人の乗客・乗員のうち3100人強は感染が認められていません(2月19日時点)。この方たちは、不安と不便の中で暮らさざるを得ませんでした。

ある乗客が「洗濯サービスの順番がなかなか回ってこず、洗面所で洗濯するなどの不便があった」と下船後にコメントするのを目にしました。

香田:護衛艦ゆうだちでインフルエンザがまん延した際には、元気な隊員の気持ちをまぎらわせることに注意しました。大砲の分解整備を4年ぶりにして、普段は手を付けない細かい部品を磨きこんだり、日ごろはレーダーの操作を担当している隊員にエンジンを触らせて新たな知識を得てもらったりしました。

 エンターテインメントの面では映画ですね。元気な隊員を食堂に集めて上映会を開きました。いちばん人気だったのは、渥美清さん演じる寅さんが主人公の『男はつらいよ』。36mmフィルムを借り出し、幾度も上映しました。
  ありがたかったのは、隊員の一部が自主的に艦内新聞を発行し始めたことです。記事をネタに話に花を咲かせることができます。「〇〇さんの飼い猫が子猫を生んだ」という話でも30分は場がもちました。
  もちろんダイヤモンド・プリンセスの乗客は文字どおり「お客さん」で自衛隊の隊員のように命令したり仕事させたりするわけにはいきません。重要なのは、心の安定を維持する工夫が必要だということです。
 不満や不安が高じると、彼ら・彼女らはそれを外に向かって発信します。いまは、スマートフォンがあれば動画が容易に送信できますから。

あるインド人の乗組員とみられる人物がSNS(交流サイト)に動画を投稿し、同国のモディ首相に“救出”を要請したそうです。
(4)
アメリカファースト、日本を空にしてでも米国と米国人を守る

香田:船内生活の質を維持できなければ、「日米同盟の信頼基盤を揺るがす」という次なる大きな問題を引き起こしかねないことを政府や関係者は認識していたでしょうか。そして、次なる問題を引き起こさないためには情報発信の質を高める必要がある、というのが次にお話ししたいことです。
   米国をはじめとするいくつかの国々がチャーター機などを用意して、希望する自国民を帰国させました。各国政府が、自国からの乗客が不満と不安を高めていることを知り、その生活を懸念したからです。日本政府はその懸念を払拭する十分な説明や情報提供ができているでしょうか。
   自国民の安全を守るのが、国を率いるリーダーの究極の役割です。中でも米国が自国民保護を最重要視する姿勢は徹底しています。
   今回のような船内感染が拡大した場合、米国は軍艦を派遣して、実力で自国民を“救出”する措置に出る可能性を否定できません。さすがに、その船が寄港している国の領海内は遠慮することがあっても、領海の外に出れば機会が生じます。船は、生活に必要な真水を造水するため、ある間隔で沖合に出る必要があります。ダイヤモンド・プリンセスも大黒ふ頭を離れて沖に出て、再び戻ってくる動きを何度か繰り返していました。飲料に供するきれいな水をつくろうと思ったら、なるべく岸から離れた方がよい。このため、寄港している国の領海の外に出ることがあるのです。米国はこの機をついて、軍艦で自国民を“救出”することが考えられます。

   米軍の関係者に、こうした展開の可能性について尋ねると「理論上の話ということを強調したうえで、関係部署は当然考えていると思う。最も緊密な同盟国である日本に対してはやらないだろうが」と話していました。
   米軍が実際に動いた例が過去にあります。2009年に米国の貨物船がソマリア沖で海賊に襲撃され、船長ら2人の米国人が拘束される事件がありました。この時、米国は海軍の特殊部隊を派遣し、救出劇を演じています。その過程で、海賊3人を射殺しました。たとえ2人であっても、米国人の安全を確保するため、軍事力を行使するのです。
   先の米軍関係者は「理論上の話」としていましたが、「日本に当事者能力がない」と判断したら米国がためらうことはありません。人道上はもちろん、この意味においても、ダイヤモンド・プリンセスの米国人乗客から死者を出すのは決して許されないことでした。

   実は、2011年に東日本大震災が起きたとき、米国は日本の当事者能力を測っていました。もちろん、米当局はこのことを公式には一切認めないでしょうが、米軍関係者との接触を通じた私の経験からすれば、この点を確信します。通常は米ハワイにいるパトリック・ウォルシュ米海軍太平洋艦隊司令官(海軍大将、当時)が東京・横田まで移動して指揮を執ったのです。日米の関係において前代未聞のことです。理由の1つは、トモダチ作戦を指揮するため(関連記事「トモダチ作戦、米兵はシャワーすら浴びなかった」)。
   加えて、福島第1原発事故に伴う最悪の事態を懸念し、在日米軍を大々的に避難させる措置を念頭に置いていました。日本の失策によって、三沢・横田・横須賀・厚木の米軍アセットが原発事故による放射能汚染で運用不能になるという最悪の事態を防ぐためです。そのようなことになれば、米軍がアジアに前方展開する抑止能力が半減してしまいます。米国は中国に対し「在日米軍を大規模に動かすが、中国に脅威を与える意図はない」と説明までしていたと、当時この件に直接関わった親しい友人から聞いています。
   米軍や米国務省はいま黙っていますが、現在進行中の日本の取り組みをひそかに勤務評定しているでしょう。いざというときに、本当に頼りになる同盟国かどうか、注意深く見つめているのです。
   さらに、米国はいま選挙シーズンに入りました。大統領選だけでなく議会の選挙もあります。ダイヤモンド・プリンセスに乗船する米国民が強い不満を発信したら、その人々が住む地域を選挙区とする議員や候補、要するに米国議会が極めて強い姿勢でホワイトハウスに“救出”を要請することも想定する必要があります。
   こうした事態に陥らないよう、日本政府は船内の不満・不安を高めないよう配慮するとともに、米国の議員や有権者をも視野に入れた状況説明と情報発信が必要なのです。
(5)
状況説明の重要さについても、東日本大震災のときに起きた事態が思い出されます。東京電力福島第1原発の事故を受けて、在日米国大使館は3月16日、同原発から半径80キロメートル圏内に住む米国人に対して「予防的措置」として避難するよう勧告しました。日本政府が発していたのは半径20キロメートル圏内からの退避でしたから、大違いです。「米国は日本を見捨てた」との見方まで浮上しました。
   産経新聞の報道によると、米国は「4号機の使用済み核燃料プールが崩壊した」との情報に基づいてこの勧告を発したとのこと。しかし、日本政府はプール崩壊を数時間後に否定。米国に誤った情報が伝わっていたことを認めました。

外圧に屈して下船を決心したように受け取られた


香田さんが、ダイヤモンド・プリンセスをめぐる今回の対応について、日本政府が十分な説明をできていないと考えるのはどのような点ですか。

香田:1つは、ダイヤモンド・プリンセスの横浜港への寄港を認めた日本の姿勢についての説明です。先ほどお話ししたように、日本は寄港を拒否する選択もできたわけです。しかし、乗客の命に関わるという人道上の観点から、一時的に責任を引き受けた。あえて火中の栗を拾ったことをきちんと発信すべきです。

   つまり、今回は、船の所有者、運航会社、極めて多数で多国籍の乗客と乗員が関係しており、責任をもって対応する当事者が不明確な状況にありました。それでも、乗客などの健康を確保しなければならないという一刻の猶予も許されない事態です。このような事態に対して、わが国政府が人道面に配慮し、未知のウイルスへの対処というリスクも承知のうえで、強い決意をもってダイヤモンド・プリンセスの入港を認め、国を挙げて対処する決心をした結果が、今回の入港受け入れである――このことが正確に発信できていれば、少なくともその後に起きた誤解や風評に基づく根拠なき非難は大幅に減少した可能性があります。
   船内で感染が拡大した責任は、船長と運航会社、それが属す米国政府、船籍登録がされている英国政府にもあります。

香港で下船した乗客のウイルス感染が明らかになった2月1日から、日本政府が横浜港で検疫を始める3日まで、船の中で対策が講じられたとの情報は目にしません。ある乗客が2月3日の夕方、「新型コロナウイルスに感染した患者が出たことを知らされていないので混乱はない」という趣旨のメッセージをSNSに投稿したことが伝えられています。別の乗客はNHKの取材に「4日は普通のクルーズ中と変わらず、食事も自由、ショーも普通どおりにやって」いた、と答えました。

香田:なので、そうした点を、米国をはじめとする諸外国にも伝わるように情報を発信する必要があるのです。

   情報発信に関して懸念を抱くもう1つの事例は、19~21日にかけて実施した乗客の下船です。「なぜ乗客・乗員を狭く、感染の危険が高い船内に長期にわたってとどめるのか」という世論や外圧に屈して、「日本国民の安全を守る」という最も重要な役割を見失い、下船を認めてしまった--という印象を強く残しました。

これまでの経過を振り返ると、日本政府の姿勢は一貫しているようです。船内で乗客の感染が初めて確認された5日の時点で、この日から2週間、つまり19日まで、乗客に客室で待機するよう求めています。そして、この方針を変更することなく、ウイルス検査で陰性であるなどいくつかの条件を満たした乗客を19日から下船させました。

香田:専門家が提示する基準を満たした人を下船させたわけですね。しかし、感染から検査までの時間が短ければ検査結果が「陽性」と出ないことも想定されます。検査の精度も完全とは言えないでしょう。検査のあと下船するまでの間に感染する可能性だってある。国民は不安をぬぐえません。
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このような、国民が抱く常識的な、ある意味自然発想的な不安に対するきめの細かい説明こそ、国民を安心させるものです。これまでの説明は不十分なように見受けられました。つまり、厚生労働省は「定められた条件に合う人たちが下船者です」という説明を繰り返すだけで、「定められた条件に合う人たちということは理解できますが、その人たちがあとで発症するリスクはないのですか?」という、極めて自然な問いに対する、かゆいところに手が届くような説明はされてなかったように見えました。
   外圧に屈したとの印象を与えているのは、諸外国との対応に差があり、その理由を明確に説明できていないからです。いくつかの国や地域は、下船してチャーター機で帰国する乗客を、帰国後さらに2週間、隔離する意向を示しています。これに対して日本では、下船した乗客がそのまま自宅に帰ることができる。「国にウイルスを入れない」という最重要の目的を見失ったように映ります。

新たな隔離を決めているのはオーストラリアとカナダ、香港ですね。米国は疾病対策センター(CDC)が、下船後さらに2週間にわたってウイルスが検出されないことを確認しない限り、米国行きの旅客機への搭乗を認めない方針を示しています。
   これに対して、下船した日本人乗客は公共の交通機関を使って帰宅しています。下船後数日間は、健康状況を捕捉するため厚生労働省と連絡を取り合うことになっているようですが。
   結果として、残念なことに「ダイヤモンド・プリンセスから国内にウイルスを入れない」という目標は達成できませんでした。19日に下船して栃木県の自宅に戻った女性が発熱し、陽性だったことが明らかになりました。14日に受けたウイルス検査の結果は陰性だったとのこと。14日に行った検査*の結果が正しくなかった、もしくは検査後に感染した可能性があります。このほか、ウイルス検査を受けておらず下船の条件を満たしていない23人が下船していたことを厚生労働省が明らかにしました。

 (*:今回行われた検査について、その精度があまり高くないことが指摘されている)
香田:先ほどお話しした「日本の当事者能力」が問われる事態です。

ゆうだちで隊員を事実上隔離した時、それを解除するタイミングはどのように決めたのですか。

香田:最後のグループの患者の熱が引き、病状がほぼ回復したころに、医師に相談しました。「ゆうだちが原因となり、ほかに感染を爆発的に広げることはない」という判断を得て、自主隔離の措置を解きました。ただし、これはインフルエンザのケースです。新型ウイルスが引き起こす、いまだ治療法が確立していない肺炎の拡散を防止しなければならない今回のケースとは背景と深刻度が異なることは当然です。
  ウイルスへの大規模感染は、安全保障の世界では常に議論されており、国際会議の議題にも上ります。しかし、今回のような事態はさすがに想定してきませんでした。船籍を置く国と、運用会社が本拠を置く国が異なるクルーズ船でウイルス感染が拡大し、それを第三国が保護・救助する。加えて、ワクチンが存在せず、治癒は感染者の抵抗力にのみ依存している。初めての事態です。
   日本政府はなんとかこれを乗り切り、次に生かす教訓をまとめてほしいと思います。そのときに、最も重視すべきことは「日本国民の安全確保」です。


2020.2.26-NHK NEWS WEB-https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/mainichi/politics/mainichi-20200226k0000m010385000c
新型コロナ検査、実際は「1日平均約900件」 説明大きく下回り野党批判

加藤勝信厚生労働相は26日の衆院予算委員会で、18〜24日の7日間に実施した新型コロナウイルスの検査件数が約6300件で、1日平均約900件だったと明らかにした。政府は最大で1日約3800件の検査が可能と説明していたが、実数はそれを大きく下回っていた。質問した立憲民主党の枝野幸男代表は「検査してもらいたいのに放っておかれているとの声があがってくる。わが国が持っている資源をフル稼働できていない」と批判した。
  加藤氏は「3800件は最大限可能な数字だ。いわば供給力で、需要は別途出てくる」と釈明。その上で検査の実数が少ない要因として「最初は『地域縛り』ということで(中国)湖北省とか(に滞在していた人の検査を優先する)ということだった」と説明した。「しっかり調査し、(検査が)できる環境を作っていく。医師が判断すれば(検査できる)と通知を出した」とも語った。
   これに先立ち、加藤氏は18〜23日の検査件数の内訳も明かした。18日996件▽19日672件▽20日656件▽21日1594件▽22日1166件▽23日675件――だった。立憲民主党などの統一会派の山井和則氏(無所属)への答弁。【野原大輔】


2020.2.26-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20200226/7000018350.html
札幌市も全小中学校の休校決める

札幌市の秋元市長は26日午後7時半から記者会見し、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、市立のすべての小中学校を休校にすると明らかにしました。
  休校の期間は、市の教育委員会が検討するということですが、秋元市長は28日以降からになるという見通しを示しました。また、札幌市の長谷川教育長は27日会議を開き、休校の期間を決めると明らかにしました。
  これで道教育委員会からの要請を受け、道内すべての市町村が休校を決めたことになります。休校の期間は各市町村によって異なります。


2020.2.24-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200224/k10012299271000.html
政府 基本方針素案 “患者増で重症患者中心の医療提供体制を”

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための具体策を盛り込んだ政府の基本方針の素案が判明しました。患者が増加するペースを抑制するための感染拡大の防止策を講じるとともに、今後、患者数が大幅に増えた場合は、重症の患者を中心とした医療提供体制を整備するため、症状が軽い人は自宅での療養を求めることなどが柱となっています。
  医療機関をむやみに受診 感染しやすい環境を避けて新型コロナウイルスをめぐり、政府は、24日専門家会議の会合を開き、専門家の意見を踏まえて、具体策を盛り込んだ総合的な基本方針の素案をまとめました。
  それによりますと、現在の状況について、「国内の複数地域で感染経路が明らかではない患者が散発的に発生し、一部地域には小規模な集団感染が把握されている」としています。
  そのうえで「患者の増加のスピードを可能なかぎり抑制することは、今後の流行を抑える上で重要であり、今後、患者数が大幅に増えた時に備え、重症者対策を中心とした医療提供体制などを整える準備期間にもあたる」としています。
  そして、今が今後の健康被害を最小限に抑える上で極めて重要な時期だとして、国民に対しては医療機関をむやみに受診することや、感染しやすい環境に行くことを避けるよう求めています。
かぜの症状みられる場合 休暇取得や外出自粛を
続いて具体策です。
  国民や企業に対して、▽発熱などかぜの症状がみられる場合、休暇の取得や外出の自粛などを呼びかけるとともに、▽イベントの開催については、一律の自粛要請は行わないものの、感染の広がりや会場の状況などを踏まえ、開催の必要性を改めて検討することなどを求めています。
地域で患者数増えた場合 広く外出自粛を求める対応も
  感染拡大の防止策では、今後、地域で患者数が継続的に増えた場合は、感染経路などを調べる調査や濃厚接触者に対する健康観察は縮小し、広く外出自粛の協力を求める対応にシフトするとしています。
かぜ症状が軽度な場合 自宅での安静・療養を原則
  医療提供体制について、現在は、感染が疑われる人は、「帰国者・接触者相談センター」に電話をしたうえで、紹介された専門の「帰国者・接触者外来」を受診してもらい、そこで入院などの措置をとっています。
  これを今後、患者数が大幅に増えた場合は、▽一般の医療機関で、診療時間や動線を区分するなどの感染対策を講じたうえで、患者を受け入れるとしています。
  あわせて、▽重症者を多数受け入れる見込みの指定医療機関から順に、専門の外来を段階的に縮小するとしています。
  また、▽かぜの症状が軽度な場合は、自宅での安静・療養を原則とし、状態が変化した場合にかかりつけ医などに相談の上、受診するよう求めるほか、▽かぜの症状がない高齢者や基礎疾患がある人は、感染防止の観点から、電話による診療で処方箋を発行するなど、医療機関を受診しなくてもよい体制を構築するとしています。
  政府は、25日、対策本部を開き、基本方針を決定し、公表することにしています。


2020.2.23-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/life/news/200223/lif2002230057-n1.html
興行中止保険 新型肺炎は補償外 主催者は泣き寝入りか
(1)
新型コロナウイルスの感染拡大で多くのイベントが中止に追い込まれる中、中止による損害を補償する「興行中止保険」への関心が高まっている。最近は雪不足で冬のスポーツ大会や祭りの中止も相次いでおり、同保険の利用も増えているが、今回のように感染症が直接起因して中止となった場合は補償されないのだ。被害やリスクの規模を把握しづらいことが主な理由だが、主催者側は泣き寝入りするしかないのか…。
   興行中止保険は、イベントが中止・延期になった場合、主催者側がそれまでに支出した費用や中止・延期に伴い発生した費用などの最大90%を保険会社が保険金として支払う仕組みだ。
   ただ、保険金が支払われる条件は、台風や豪雨といった悪天候や、交通機関の事故、出演者の病気やけがによる出演取りやめなど、「被害とリスクの規模がある程度予測できる」(大手損保)場合に限られる。
   損害保険には「危険度に応じた保険料を負担しなければならない」との原則があり、「危険度の査定ができなければ、そもそも補償はできない」(同)という考えが根底にあるようだ。
   このため、今回のような感染症の発生のほか、地震や戦争といった被害の規模がどこまで及ぶか予測が難しい場合は、補償対象から外される。また、主催者の違法行為発覚や、出演者が保険契約前に負っていたけがや妊娠などを理由に出演できなかった場合なども補償されない。
(2)
とはいえ、興行中止保険は季節や地域性などを考慮し、イベントごとに補償内容の詳細を決めるオーダーメードで設計されるため、「感染症による中止も補償対象に追加できるケースもある」(別の大手損保)という。ただし、その場合は「リスクの大きさから保険会社の引き受け審査は相当厳しくなる」(同)。
   また、感染症が“間接的”に関わりイベントが中止に追い込まれた場合も、補償対象になる。例えば、感染症拡大防止のため交通機関が運休し、イベント会場までの移動が困難になり中止に追い込まれた場合などは補償される。


2020.2.23-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200223/k10012298211000.html
安倍首相 新型コロナ対策 総合的な基本方針策定を急ぐよう指示

政府の新型コロナウイルス対策本部が開かれ、安倍総理大臣は、国内で患者数が大幅に増えた場合に備え、重症化の防止に向けた医療体制を早急に整備する必要があるとして、加藤厚生労働大臣を中心に、総合的な基本方針の策定を急ぐよう指示しました。
  この中で、安倍総理大臣は「複数地域で感染経路が明らかではない患者が発生しており、大規模な感染拡大を防止するうえで重要な局面だ。確実かつ効果的な感染防止策を講じ、患者増加のスピードを抑制することが、今後の流行を抑えるうえで極めて重要だ」と述べました。
  そのうえで「今後、国内で患者数が大幅に増えた時に備え、重症者の発生を抑制する観点から、重症化防止を中心とした医療提供体制を早急に整える必要がある」と述べ、加藤厚生労働大臣を中心に、感染拡大を想定した総合的な基本方針の策定を急ぐよう指示しました。
  また、安倍総理大臣は治療方法の確立に向けて一部の医療機関でインフルエンザ治療薬の「アビガン」などの投与を始めていると説明し、取り組みを加速するよう求めました。
  さらに、新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船への対応をめぐり、安倍総理大臣は今後、船を下りた人たちの健康状態の確認を強化するとともに、乗員の下船に向けた必要な検討を進めるよう指示しました。



2020.2.15-Goo ニュース(産経新聞)-https://news.goo.ne.jp/article/sankei/politics/sankei-plt2002150010.html
病院船「検討」、閣僚相次ぎ発言 震災後検討も立ち消え

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、閣僚から「病院船」の保有を検討するとの発言が相次いでいる。最新の医療設備を備えた「洋上の総合病院」建造へ議論が活性化する可能性がある。ただ、主要国は海軍が保有する中、「軍隊」のない日本は事情が異なり課題も多い。政府は平成23年の東日本大震災後も検討したが、建造に消極的な報告をまとめた経緯もある。
   加藤勝信厚生労働相は12日の衆院予算委員会で、厚労省が病院船を保有してはどうかと問われ「配備のあり方は加速的に検討する必要がある」と答えた。河野太郎防衛相も14日の記者会見で「しっかり検討していきたい」と述べた。予算や人員の確保を課題に挙げつつ、海上自衛隊に議論を指示したとも明らかにした。
   主要国の病院船は戦時に海外での傷病兵の治療を主任務とする。災害時に患者の陸上搬送が難しかったり病院が機能を失ったりした場合の活用も可能だ。
   米海軍の病院船「マーシー」は1千床の病床や80床の集中治療室(ICU)を備え、2004年のスマトラ島沖地震で派遣された。遠洋漁業者らの治療目的で雇用・社会保険省が保有するスペインのように、軍以外が持つ国もある。
   旧日本軍は病院船を保有していたが、海外で原則、戦闘行為をしない自衛隊は「保有する理由が見当たらない」(幹部自衛官)。防衛省は海自艦に「総合病院」機能は必要ないとの立場を取ってきた。負傷隊員を治療するため、一部の護衛艦や補給艦などには1〜2台の手術台を備える。
   東日本大震災の後には「災害時多目的船」の名称で内閣府で建造・保有が検討された。ただ、2年後に公表した報告書は、政府がチャーターした民間船に医療器材を搭載する方法や、海自や海上保安庁の既存船舶の活用を促した。大規模災害時を想定し、海自輸送艦に臨時の病院機能を持たせた訓練も実施している。
   病院船については「建造費は140億〜350億円」「最低2隻必要」「補完的な医療施設としては莫大(ばくだい)な金額を要する」「医療スタッフ確保など困難な問題が多数」と消極的な要素を列挙した。
   感染症対応で再び注目が集まるが、その場合の病床は個室が望ましく、一般的な病院船とは仕様が異なる。自民党国防族議員は「新型コロナウイルスと病院船を結びつけると論点がずれる」と指摘している。(田中一世)


https://www.nhk.or.jp/politics/articles/tags/42/
石破茂 | 記事一覧 | NHK政治マガジン

石破氏「反安部」で勢い。足元は未定?


日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約
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日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約:Treaty of Mutual Cooperation and Security between the United States and Japan、昭和35年条約第6号)は、日本国アメリカ合衆国安全保障のため、日本本土にアメリカ軍在日米軍)が駐留することなどを定めた二国間条約のことである。1960年昭和35年)1月19日に、ワシントンD.C.で締結された。いわゆる日米同盟の根幹を成す条約であり、条約には「日米地位協定」が付属している。ただし、日本において日米関係を「同盟」と表現するのが一般化したのは、1980年代になってからのことである。
  形式的には1951年(昭和26年)に署名され翌1952年(昭和27年)に発効した旧安保条約を失効させ、新たな条約として締約・批准されたが、実質的には安保条約の改定とみなされている。この条約に基づき、在日米軍としてアメリカ軍の日本駐留を引き続き認めた。60年安保条約、新安保条約などともいわれる。新・旧条約を特段区別しない場合の通称は日米安全保障条約日米安保条約
概 要
1951年(昭和26年)9月8日アメリカ合衆国を始めとする第二次世界大戦連合国側49ヶ国との間で日本国との平和条約(サンフランシスコ平和条約)が締結された。この際、同条約第6条(a)但書に基づき、同時に締約された条約が旧日米安全保障条約であり、この条約に基づき、GHQ麾下部隊のうちアメリカ軍部隊は在日米軍となり、他の連合国軍(主にイギリス軍)部隊は撤収した。
  旧条約は日本の自主防衛力が除去された戦後占領期の社会情勢を前提に、日本政府が米軍の駐留を希望するという形式をとるものであり、また米国の「駐留権」にもとづく片務的な性格を持つ条約であった。
1960年(昭和35年)1月16日に渡米した岸信介首相率いる全権委任団は、同1月19日に旧安保条約に代わる新安保条約に調印した。ドワイト・D・アイゼンハワー大統領訪日が予定されていた同年6月19日までに条約を批准したい岸首相の意向もとで、期日までに衆議院の優越を利用した自然承認が成立するぎりぎりの日程であった5月20日衆議院本会議で条約が承認された。
条約承認については野党が強く反発しており、前日の5月19日には社会党議員らが清瀬一郎議長を監禁して採決を阻止していたが、同日午後11時7分に警官隊がこれを排除。清瀬議長は金丸信ら屈強な自民党議員らに守られながら議場に入り、自民党が会期延長を単独採決した。更に日付が変わった直後の午前0時5分に清瀬議長が開会を宣言し、そこで条約承認が緊急上程され可決した。なお、多数の議員が壇上に押しかける中で清瀬一郎議長がマイクを握りしめているという有名な「強行採決」の様子は、会期延長を議決したときのものであり、条約批准案の可決自体は野党議員らが抗議の退出をしたため粛々と行われた
  この強行策は安保闘争の活発化を招く結果となり、条約反対運動は次第に激しいものとなっていった。アイゼンハワー大統領の訪日も結局中止されることとなるが、岸政権の目論見通り、条約は30日後の6月19日参議院の承認のないまま自然承認された。批准書交換が行われて条約が発効した6月23日、岸は退陣を表明した。
  新条約では集団的自衛権を前提とした(形式としては)双務的体裁を採用しており、日米双方が日本および極東の平和と安定に協力することを規定した。また、その期限を10年とし、以後は締結国からの1年前の予告により一方的に破棄出来ると定めた。締結後10年が経過した1970年(昭和45年)前後に再び安保闘争が興隆したものの、以後も当条約は破棄されておらず、現在も効力を有している。
  新安保条約は、同時に締結された日米地位協定によりその細目を規定している。日米地位協定では日本がアメリカ軍に施設や地域を提供する具体的な方法を定めるほか、その施設内での特権や税金の免除、兵士・軍属などへの裁判権などを定めている。
条 文
前文・・・条約を締結することの意義について説明する。個別的及び集団的自衛権についても言及。
第1条・・国際連合憲章の武力不行使の原則を確認し、この条約が純粋に防衛的性格のものであることを宣明する。
第2条・・自由主義を護持し、日米両国が諸分野、とくに経済分野において協力することを規定する。
第3条・・日米双方が、憲法の定めに従い、各自の防衛能力を維持発展させることを規定する。
第4条・・(イ)日米安保条約の実施に関して必要ある場合及び
     (ロ)我が国の安全又は極東の平和及び安全に対する脅威が生じた場合には、日米双方が随時協議する旨を定める。この協議の場として設定される安全保障協議委員会の他、通常の外交ルートも用いて、随時協議される。
第5条・・両国の日本における、(日米)いずれか一方に対する攻撃が自国の平和及び安全を危うくするものであるという位置づけを確認し、憲法や手続きに従い共通の危険に対処するように行動することを宣言している。
第6条・・在日米軍について定める。細目は日米地位協定に規定される。
第7条、第8条、第9条・・・他の規定との効力関係、発効条件などを定める。
第10条・・当初の10年の有効期間(固定期間)が経過した後は、1年前に予告することにより、一方的に廃棄できる旨を規定する。いわゆる自動延長方式の規定であり、この破棄予告が出されない限り条約は存続する。
安保条約の本質、諸解釈など
日米安全保障条約の本質の変化
日米安全保障条約は時代と共に本質を変化させて来た。
  旧安保条約が締結された当時、日本の独自防衛力は事実上の空白状態であり(警察予備隊の創設が1950年(昭和25年)秋)、一方ですでに前年の1950年(昭和25年)に朝鮮戦争が勃発しており在日米軍は朝鮮半島に出撃しており、アメリカは出撃拠点ともなる後方基地の安全と補給の確保を喫緊の課題としていた。日本側の思惑としては独自の防衛力を再建するための時間的猶予がいまだ必要であり、また戦争により破壊された日本の国力が正常な状態に復活するまで安全保障に必要な大半をアメリカに委ねることで経済負担を極力抑え、経済復興から経済成長へと注力するのが狙いであった1953年(昭和28年)7月に朝鮮戦争が停戦した後もひきつづき冷戦構造のもとで、日本は韓国中華民国台湾)と共に、陸軍長官ケネス・クレイボーン・ロイヤルの唱えた「封じ込め政策」に基づく反共主義の砦、防波堤として、ソ連中華人民共和国朝鮮民主主義人民共和国に対峙していた。
  1950年代中期になると、日本経済は朝鮮戦争特需から1955年(昭和30年)の神武景気に入り、1955年(昭和30年)の主要経済指標は戦前期の水準を回復して復興期を脱した。経済白書は「もはや戦後ではない」と述べ、高度経済成長への移行が始まった。政治体制においても自由党と民主党が合併し自由民主党に、右派と左派が合併した日本社会党が設立され、いわゆる「55年体制」が成立し安定期に入った。そして1959年、日本が戦後初めて発行した外債は合衆国の金融市場が引受けた。一方で、1954年(昭和29年)から1958年(昭和33年)にかけて中華人民共和国と中華民国(台湾)の間で台湾海峡危機が起こり、軍事的緊張が高まった。また、アメリカ政府が支援して成立したゴ・ディン・ジエム大統領独裁体制下の南ベトナムでは後のベトナム戦争の兆しが現れていた。
  こうした日米が置かれた状況の変化を受けて締結されたのが新安保条約である。当条約の締結前夜には反対運動が展開された(安保闘争)。
  新安保条約は1970年(昭和45年)をもって当初10年の固定期間が満了となり、単年毎の自動更新期に突入したが、東西冷戦構造の下で条約は自動的に更新され続けた。一方、その意義づけは、1978年以降「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)と、その改定の形で示され、実質的に対ソ・対朝鮮有事・対中軍事条約へと性質を変えていった。
  1979年(昭和54年)5月に訪米した大平正芳首相は、日本の首相として初めて米国を「同盟国」と表現した。しかし、後任の鈴木善幸首相は、1981年(昭和54年)の訪米時のレーガン大統領との日米共同声明に初めて「同盟」という表現が入ったことについて、帰国後「軍事的意味合いは持っていない」として、外務事務次官が異なる説明をすると激怒し、伊東正義外相が事実上これに抗議して辞任している。日米「同盟」という言葉が市民権を得たのは、1983年の中曽根康弘首相による訪米時の共同宣言からとされる
  1991年(平成3年)のソ連崩壊により冷戦は終結したが、ソ連崩壊後の極東アジアの不安定化や北朝鮮の脅威、中台関係の不安定さや中国の軍事力増強など、日本および周辺地域の平和への脅威に共同対処するため引き続き条約は継続している。日本政府は、基本的価値や戦略的利益を共有する国がアメリカであるとし、日米安保は日本外交の基軸であり極東アジアの安定と発展に寄与するものとしている。一方で日米双方において、当条約の有効性や歴史的存在意義についての多くの議論がおこなわれるようになっている。
  2004年(平成16年)度の日本防衛白書では初めて中華人民共和国の軍事力に対する警戒感を明記し、また米国の安全保障に関する議論でも、日本の対中警戒感に同調する動きが見られ、2005年(平成17年)、ジョージ・W・ブッシュ米大統領の外交に大きな影響を持つコンドリーザ・ライス国家安全保障問題担当大統領補佐官が中国に対する警戒感をにじませる発言をし、日米安全保障条約の本質は対中軍事同盟・トルコ以東地域への軍事的存在感維持の為の物へと変化して来ている。
  2010年(平成22年)1月19日バラク・オバマ米大統領は、日米安保条約改定の署名50周年に際して声明を発表した。声明では、「共通の課題に対して両国が協力することは、われわれが世界に関与する上での重要な一部となる」として、日米安保を基盤として両国の世界規模での協力の必要性を強調した。また「日本の安全保障に対する米国の関与は揺るぎない」として、「同盟を21世紀向けに更新し、両国を結束させる友好関係と共通の目的を高めよう」と呼びかけていた。また、安保改定50年にあたり日米の外務・防衛担当閣僚が共同声明を出している。
  2019年6月、以前から同様の発言をしていたドナルド・トランプ米大統領は日米安保条約について「もし日本が攻撃されれば我々は戦う」「我々が攻撃されても日本は助ける必要が全くない」「(日本は)ソニーのテレビで見るだけだ」などと発言。日米両政府は否定したものの、29日G20大阪で来日し閉幕後の会見で「破棄することはまったく考えてない。不平等な合意だと言っている」「6カ月間、条約は見直す必要があると安倍晋三首相に伝えてきた」などと発言したが、菅官房長官は否定した。
日本抑止論
1971年(昭和46年)7月、中国を訪問したヘンリー・キッシンジャーとの会談で、周恩来首相が日本には「拡張主義的傾向がある」と指摘したのに対し、キッシンジャーは同意して日米安保関係がそれを防いでいる、と述べた。これは現在の記録で確認できる、米中首脳が最初に日米安保「瓶の蓋」論を共有した瞬間とされる。
  1990年(平成2年)3月、在沖縄米海兵隊司令官ヘンリー・スタックポール(Henry C. Stackpole, III)少将は「米軍が日本から撤退すれば、すでに強力な軍事力を日本はさらに増強するだろう。我々は 『瓶のふた』 のようなものだ」と発言し、日本を抑止する必要があるとの見解を示した。
  1999年(平成11年)のアメリカの世論調査では、条約の目的は何かという質問への回答が、「日本の軍事大国化防止」49%、「日本防衛」12%となった
第5条共同対処宣言(義務)に関する解釈
この条約の第5条では日米両国の「共同対処」宣言が明記されており、米国が集団的自衛権を行使して、日本を防衛する義務を負うという根拠とされている。日本の施政下においては、日本はもちろん「在日米軍に対する武力攻撃」であっても」「日米が共同して対処すること」となる。この際、日本はあくまで「日本への攻撃」に対処すると考えるられるため、日米安保に基づいた行動を行う場合も集団的自衛権ではなく自国を守るための個別的自衛権の行使に留まるとの解釈が過去になされた。
  また第5条では「日本の施政下の領域における日米どちらかへの攻撃」についてのみ述べられており、在日米軍基地や在日米国施設等は含まれていない。しかし、日本の領土や領空を侵害せずにこれらに対する攻撃を行うことは不可能であるため、米国施設に対する攻撃であっても日本への攻撃と同等とみなして同様に対処を行う。その他に、日本を防衛するために活動を行っている米艦艇に関しても、第98回国会の衆議院予算委員会にて谷川防衛庁長官(当時)が「(前略)米艦艇が相手国から攻撃を受けたときに、自衛隊がわが国を防衛するための共同対処行動の一環としてその攻撃を排除することは、わが国に対する武力攻撃からわが国を防衛するための必要な限度内と認められる以上、これはわが国の自衛の範囲内に入るであろう」と答弁しており、自衛隊による防護が可能となっている。
  2012年(平成24年)11月29日、米上院連邦議会は本会議で、尖閣諸島問題を念頭に日本の施政権についての米国の立場について「第三国の一方的な行動により影響を受けない」「日米安保条約第5条に基づく責任を再確認する」と宣言する条項を国防権限法案に追加する修正案を全会一致で可決した。
  2013年(平成25年)1月2日、前月20日米下院、翌21日米上院連邦議会で可決された尖閣諸島日米安全保障条約第5条の適用対象であることを明記した条文を盛り込んだ「2013年会計年度国防権限法案」にバラク・オバマ大統領が署名し法案が成立した。尖閣諸島の条文には「武力による威嚇や武力行使」問題解決を図ることに反対するとしている。
条 文ARTICLE NO.5
Each Party recognizes that an armed attack against either Party in the territories under the administration of Japan would be dangerous to its own peace and security and declares that it would act to meet the common danger in accordance with its constitutional provisions and processes.
第5条
各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危機に対処するように行動することを宣言する。
米国下院で「日本側に有利過ぎる」と批判された日米安保条約
一方で、米国側からの「日本に有利すぎる」といった批判がある。
  日米地位協定第24条において、米軍の維持経費は「日本国に負担をかけないで合衆国が負担する」と規定されている。旧ソ連(現在のほぼ独立国家共同体構成国、主にロシアに相当)を主な脅威としていた日米安全保障の本質は冷戦終結と共に変化しているが、条約部分に決定的な変化は無い。また日米安全保障条約は、日本側が正常な軍事力を持つまで……として締結された経緯もあり、アメリカ側には日本を防衛する事を必要とされるが、日本側は必ずしもアメリカを防衛することは必要では無い状態になっている。これは日本側の憲法解釈(政府見解)上の制約で、個別的自衛権の行使は日米両国共に可能だが、集団的自衛権の場合は日本は憲法に抵触する恐れがあるという政策を採っている。抵触するかどうかについては議論が続いており、結論は出ていない。この事実を日本の二重保険外交と解釈し、日本はアメリカに対する防衛責務を負っていないのに、アメリカから防衛されている状態ではアメリカの潜在的敵国と軍事的協調をとれる余地を残している、との批判が米議会にあったことも事実である。また、アメリカ側は日本に対して集団的自衛権を行使出来ると明言しており、費用面からも、軍事的負担がアメリカ側に多いと、日米安全保障条約はアメリカで時として非難される。
だが実際のところ、日米安全保障条約の信頼を失墜させるほどの行為は日米両国共にとっていないので、こう言った批判は、やはり米国でも少数派に留まっている。
米軍が日本に駐留し続ける事の意義
2008年(平成20年)2月13日ホワイトハウス報道官デイナ・ペリーノは「米国はどこに居ようとどこに基地を持とうと、それはそれらの国々から招かれてのことだ。世界のどの米軍基地でも撤去を求められているとは承知していない。もし求められれば恐らく我々は撤退するだろう」と述べた(ダナ・ペリノ発言、「恒久的基地は世界のどこにもない」AFP通信電)。
  ただし、世界的には、米軍自身が戦略的に必要と考える地域で現地の国民が駐屯に反対した場合には、駐留と引き換えの経済協力を提案し、あるいはパナマ侵攻グレナダ侵攻死の部隊の活動などに見られるように、反対勢力には経済制裁や対外工作機関(中央情報局など)による非公然活動(スキャンダル暴露や暗殺など)、場合によっては軍事介入などのさまざまな妨害をちらつかせ、「アメとムチ」を使って駐留を維持するとされるという説もある。またディック・チェイニーは国防長官当時の1992年(平成4年)、議会で「米軍が日本にいるのは、日本を防衛するためではない。米軍が必要とあらば、常に出動できる前方基地として使用できるようにするため。加えて日本は駐留経費の75%を負担してくれる」とまで発言している(思いやり予算)。
  日本が米軍の駐留費用を負担する意味があるかとの疑問が日本共産党などから出されている。他国では米軍が全て駐留費用を負担し、かつ米軍に制限がかけられている例も数多く存在する(アイスランドなどは逆に駐留費の全額負担を持ちかけた末に拒否され米軍は撤退している)。カタールにおいては米軍はカタール政府の同意がないとカタール国内の米軍基地から物資を持ち出せない
米国の核の傘を否定する発言
米国の核の傘に対する否定的見解が、個人的見解として米国の政治家、学者等から出ている

ヘンリー・キッシンジャーは「同盟国に対する核の傘を保証するため自殺行為をするわけはない」と語っている。中央情報局長官を務めた元海軍大将スタンスフィールド・ターナーは「もしロシアが日本に核ミサイルを撃ち込んでも、アメリカがロシアに対して核攻撃をかけるはずがない」と断言している。元国務次官補のカール・フォードは「自主的な核抑止力を持たない日本は、もし有事の際、米軍と共に行動していてもニュークリア・ブラックメール(核による脅迫)をかけられた途端、降伏または大幅な譲歩の末停戦に応じなければならない」と述べた。
その他、以下の米国の要人が、米国の核の傘を否定する発言をしている。

サミュエル・P・ハンティントン(ハーバード大学比較政治学教授)
・マーク・カーク(連邦下院軍事委メンバー)
ケネス・ウォルツ(国際政治学者、カリフォルニア大学バークレー校名誉教授)
エニ・ファレオマバエガ(下院外交委・アジア太平洋小委員会委員)

上記のように、米国中枢の人間が個人的立場で他国のために核報復は無いと明言しているが、その場合日本にとって核の傘の意味が低下する。

しかしこれらの発言は、全て現職の閣僚・高官時の発言ではなく、要職を退いてからの個人的発言であり、アメリカ政府としては、1965年(昭和40年)にある日米共同声明8項「8.大統領と総理大臣は,日本の安全の確保につきいささかの不安もなからしめることが,アジアの安定と平和の確保に不可欠であるとの確信を新たにした。このような見地から,総理大臣は,日米相互協力及び安全保障条約体制を今後とも堅持することが日本の基本的政策である旨述べ,これに対して,大統領は,米国が外部からのいかなる武力攻撃に対しても日本を防衛するという同条約に基づく誓約を遵守する決意であることを再確認した。」とあるようにいかなる武力攻撃に対しても日本を防衛する誓約を遵守する決意を表明しており、1966年(昭和41年)の外務省による「日米安保条約の問題点について(外務省)」でも米国の核抑止力について、「安保条約第五条は,日本が武力攻撃をうけた場合は,日米両国が共通の危険に対処するよう行動することを定めている。ここにいう「武力攻撃」は,核攻撃を含むあらゆる種類の武力攻撃を意味する。このことは,佐藤・ジョンソン共同声明が,米国が外部からの「いかなる武力攻撃」に対しても日本を防衛するという,安保条約に基づく誓約を遵守する決意であると,述べていることによっても確認されている。」とあるように米国政府としてはいかなる武力攻撃に対しても日本を防衛する方針である。このことは、2004年(平成16年)の日本プレス・クラブでの記者会見で、当時国務副長官であるリチャード・アーミテージが「条約は、日本あるいは日本の施政権下にある領土に対するいかなる攻撃も、米国に対する攻撃とみなされることを定めている」と発言したことからも明らかである。また、核の傘の存在を肯定する意見として、ジョセフ・ナイ(ハーバード大学教授、元国務省国務次官補)、ポール・ジアラ(国防総省日本部長)、ジェームス・シュレジンジャー(元国防長官)、キャスパー・ワインバーガー(元国防長官)らの意見が代表例である。

日本側の「核の傘」に対する疑問
西村眞悟衆議院議員は第155回国会内閣委員会第2号(平成14年10月30日(水曜日))において、「アメリカは主要都市に核ミサイルが落ちる危険性を覚悟して日本に核の傘を開くのか」と疑念を述べた。また欧州へ向けられたロシアの核についてのアメリカの「シアター・ミサイル・ディフェンス」という発言を捉え、アメリカ自身が核ミサイルの射程外の場合関係ないというアメリカの意識がにじみ出ていると主張した

日本国内の認識
沖縄県(「在日米軍#沖縄県の基地問題」も参照)
  沖縄県の在日米軍基地が日本の国土面積に占める割合は1割以下だが、在日米軍基地面積の7割以上(ただし自衛隊との共用地を除いた米軍専用地の割合)が沖縄県に集中している事で、本土(沖縄県を除く他の46都道府県全体)と比べて不公平だとする意見や、在日米軍基地の必要性についても疑問視する意見が、沖縄県には多数ある。また、在日米軍基地近隣の騒音問題がある。
  2010年(平成22年)5月に、毎日新聞琉球新報が沖縄県民を対象に行ったアンケートによると、同条約を「平和友好条約に改めるべき」が55%、「破棄すべき」が14%、「維持すべき」は7%だった
識 者
時事通信社解説委員の田崎史郎は、2017年2月10日に行われた日米首脳会談のニュースに触れ、中国が領有権を主張する尖閣諸島を巡っては、安倍晋三首相が首脳会談後の記者会見で、日米安保条約5条の適用対象であると首脳間で確認したと説明。トランプ氏が会談でどのように発言したかは不明だが、共同声明に「日米安保条約第5条が尖閣諸島に適用される」と明記したことに対して、日本の防衛において日米安保は無くてはならない条約。日米関係に隙間を空けてはならないと答えた。
  評論家の大井篤1960年(昭和35年)の条約改定にあたり、日米安全保障条約のもつ抑止効果を積極的に追求するべきであると結論付けた
  元外務省局長の孫崎享は、日米安保は日本の利益を守るためにあるのではなく、存在意義はまったくないと述べている。また孫崎は、集団的自衛権について米国が日本を戦闘に巻き込むのが狙いと述べている。
世論調査
内閣府が2010年(平成22年)1月におこなった世論調査では、同条約が日本の平和と安全に「役立っている」との回答が76.4%、「役立っていない」との回答が16.2%となった。また「日本の安全を守るためにはどのような方法をとるべきだと思うか」との問いには「現状どおり日米の安全保障体制と自衛隊で日本の安全を守る」との回答が77.3%、「日米安全保障条約をやめて、自衛隊だけで日本の安全を守る」が9.9%、「日米安全保障条約をやめて、自衛隊も縮小または廃止する」が4.2%となった
集団的自衛権との関係
従来の日本国憲法第9条解釈と日米安全保障条約では、安保条約第5条で米国に日本防衛で米兵を出してもらう借りで、第6条で日本国内に米軍基地の土地で返す事を1960年の安保条約改定時には、「人(米軍)と物(日本)とのバーターと言われ、安保条約は、5条と6条によって対等な関係とされた。米軍が日本を守るのに、日本の自衛隊は米軍を守れないから集団的自衛権を行使する第2次安倍内閣の憲法新解釈を、民主党江崎孝参議院議員は2014年6月の参議院決算委員会で「集団的自衛権を容認するなら(従来と比べて日本側にとっては)在日米軍の分だけ負担が重くなる」と基地提供を認める安保条約6条の削除を迫ったが、安倍晋三首相は「条約を変える考えは毛頭ない。」と応えた。


(旧日米安保条約)
日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約
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日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約(Security Treaty Between the United States and Japan)は、日本における安全保障のため、アメリカ合衆国が関与し、アメリカ軍を日本国内に駐留させること(在日米軍)などを定めた二国間条約である。いわゆる旧日米安保条約と呼ばれるものであり、1951年(昭和26年)9月8日の日本国との平和条約の同日に署名された。1960年(昭和35年)に日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(新日米安保条約)が発効したことに伴い、失効した。
日本の降伏以降、日本はアメリカ軍を中心とした連合国軍に占領され、日本軍は解体された。冷戦による陣営対立が深まり、1950年(昭和25年)6月25日には朝鮮戦争が勃発している。日本駐留のアメリカ軍は朝鮮半島に移動し、警察予備隊(のちの陸上自衛隊)が創設されるなど、日本の防衛・安全保障環境は不安定であった。
朝鮮戦争が継続されるなか、日本は共産主義陣営を除いた諸国と講和する運びとなってきた(単独講和)。防衛・安全保障環境を憂えた日米両国は、日本の主権回復後もアメリカ軍が駐留することで、極東における安全保障環境を維持することとした。これにより、日本国との平和条約と同時に、“全ての占領軍は講和成立により速やかに撤退する、二国間協定により引き続き駐留を容認される国も存在出来る”と定めた条約第6条a項但し書きの規定を基に本条約が結ばれた。この条約により、アメリカ合衆国は「望む数の兵力を望む場所に望む期間だけ駐留させる権利を確保」(ジョン・フォスター・ダレス)した。
条約は前文と5条からなり、アメリカ軍が引き続き日本国内に駐留し続けることが骨子となっている。条約の期限は無く、駐留以外に援助可能性には触れているが、防衛義務は明言されていない。また、内乱対応への言及もあった。このため、防衛義務の明言や内乱条項の削除などを行った日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(新日米安保条約)が締結、1960年に発効した。旧日米安保条約第四条および新日米安保条約第九条の定めにより、旧日米安保条約は1960年6月23日に失効した。


2020.1.4-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://special.sankei.com/f/politics/article/20200104/0001.html
南鳥島深海レアアース採取急ぐ 中国に先行、1年前倒し

地球深部探査船「ちきゅう」を用いて南鳥島(東京都小笠原村)周辺の深海底からレアアース(希土類)を採取する実証試験について、政府が着手する時期を1年以上前倒しし、令和3年度の初めから行うことが分かった。中国が昨年7月、南鳥島付近の公海で海底鉱物の排他的探査権を取得したことを踏まえた。今後、中国がハイテク製品に欠かせないレアアースの海底採取を本格化させる前に、回収技術の実用化に向けた対応を急ぐ。
 南鳥島周辺の水深5000メートル超の海底では、電気自動車のモーターなど高性能磁性材料に使われる元素を相当量含むレアアース泥が確認されている。








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