燃料の問題-1(トリガー条項)


2023.12.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231215-X5TYCZ3P3NOQVDPT7GVITBQSPY/
窮地の国民民主・玉木氏 トリガー凍結解除、公明幹部が協議打ち切り示唆
(松本学)

  国民民主党の玉木雄一郎代表が窮地に立たされている。ガソリン税を一部軽減する「トリガー条項」の凍結解除に向けた国民民主と与党との協議について、公明党の石井啓一幹事長が15日、打ち切りの可能性に言及したからだ。国民民主が岸田文雄内閣不信任決議案に賛成したことが公明の反発を招いた。凍結解除実現に政治生命をかけると公言してきた玉木氏に局面打開の一手はあるのか

  トリガー条項凍結解除は国民民主が約2年前から訴えている看板政策だ。玉木氏は11月22日の衆院予算委員会で、凍結解除を条件「令和5年度補正予算案に賛成してもいい」と首相に迫った。これを受けて首相は3党間で検討すると表明し、国民民主は予算案の衆院採決で賛成に回った。
  野党にとって予算案賛成は、政権と対峙する姿勢を放棄したと解釈されかねないリスクを伴う。だが、政府・与党に「貸し」を作ることで協議の環境を整え、党是の「対決より解決」を貫く道を玉木氏は選んだ。
  しかし、今月13日の内閣不信任案の採決では、自民派閥の政治資金パーティー裏金問題によって「政治への信頼という大前提が崩れている」(玉木氏)として国民民主は賛成した。
  石井氏は15日の記者会見で、不信任案賛成が「大きな状況変化だ」と主張した上で、「自民、公明の作った政権に信を持たないということだ。これまでと同様に3党協議を続けていいのか」と疑問を示した
  石井氏の発言を受け、国会内で記者団に囲まれた玉木氏は、珍しく怒気をはらんだ言葉で訴えた。 「悪いのは与党ですよ。協議できる環境を自ら壊しているのは与党側でしょう!」
  玉木氏は、不信任案に賛成せざるをえない状況を作ったのは政府・与党側だと指摘し、石井氏の発言を「本末転倒だ」と断じた。筋が通った言い分ではあるが、「結果責任」を問われるのは政治家の宿命だ。凍結解除が頓挫すれば玉木氏の求心力は地に落ちる。
  「政局ではなく、物価高に苦しむ国民のために政策を実現しましょうよ」 玉木氏は懇願にも似た訴えを口にするほかなかった(松本学)


2023.02.03-東芝 JAPAN(東芝CLIP)-https://www.toshiba-clip.com/detail/p=9741
超電導モーターこそ、カーボンニュートラルの救世主【後編】 ~次なる目標は、超電導モーターで空を飛ぶ!

  今、航空業界では、2024年以降に国際線航空機が排出するCO₂を、2019年と比べて15%削減し、2050年には実質ゼロにすることが目標だ。その対応として、航空機を化石エネルギーではなく電気エネルギーで飛ばすために、東芝が世界初の「軽量・小型・高出力の超電導モーター」を完成させた経緯について【前編】でご紹介した。
  脱化石エネルギーを至上命題として、次世代航空機の開発に乗り遅れないよう各社が競い合っている。その中核部品として超電導モーターは期待されており、様々な研究機関、ベンチャーが激しい競争を繰り広げてきた。だが、必要な出力(2MW)を実現し、航空機に載せられる軽量・小型のものは開発に成功していなかった。
  そこで、重量は数百kg、外径約50cm、全長約70cm(シャフトを除く)という、同じ出力のモーターと比べて「10分の1以下」の軽量化小型化を東芝が実現させ、国内外で注目を集めている。その世界初の装置を作り出す過程には、技術者の苦労と奮闘があった。【後編】では、その一端を担った若手たちに語ってもらおう。

地球規模の社会課題を、本気で解決しようとする
  「従来モーターの10分の1以下に軽量化・小型化するなんて本当にできるのかなと、最初は正直思っていました。しかも出力を上げるために、モーターを超電導化して高速回転させるのですからね」(髙橋氏)
  そう言って笑うのは、東芝エネルギーシステムズの髙橋智之氏だ。これまで、タービン発電機の設計を手がけてきた。このプロジェクトでは、超電導モーターの設計と試験を担った。超電導とは、簡単に言えば電気抵抗をゼロにして電力を最大限流すことだ。
  東芝は、約25年前に超電導発電機の開発に取り組んだ。「だったら、超電導モーターに応用できる部分があるはず」と考えた髙橋氏は、当時の資料を地道にひたすら読みこんだ。そこで見えたのは、発電機とモビリティ用モーターではサイズも仕組みも違い、新しく検討することだらけということ。それが先ほどの「本当にできるのかな」という思いにつながるわけだ。しかし、髙橋氏はそこで諦めない。
  「通常の10分の1以下の重さ・大きさを実現するには何をどうすればいいか、あらゆる変数を徹底的に調査しました。例えば、『この厚みを段階的に薄くしたら重量はどうなるか』など、細かく見ていきました。
  一方で、『一箇所を変えることで他に影響が出て、成立しないのでは?』など、考え得るシミュレーションをしました。プロジェクトのメンバーだけでなく、様々な部署の知見も借りてずっと繰り返しました。相当な時間をかけたので、機器としての信頼性を上げられました」(髙橋氏)
  試行錯誤の末、10分の1以下に軽量・小型化できる、超電導モーターの基本設計にたどり着いた。このような緻密さが求められ、かつ誰も達成したことのない領域へ挑戦する力は、どこから湧き上がるのだろうか。髙橋氏に尋ねると、「東芝の技術力をもって、『世界規模の社会課題を解決する』という、心意気でしょうか。『この重さ、大きさならできる』ではなく、『課題解決には、この重さ、大きさでないとだめ』というのが東芝流です。この覚悟が、世界初の成功につながったと思います」(髙橋氏)
  とごく自然に答えてくれた。次世代の電動航空機を作り出し、カーボンニュートラルという地球規模の社会課題を達成する。そのためには、超電導モーターの圧倒的な軽量化・小型化が必須だ。社会インフラの製品、サービスを提供する東芝だからこそ、取り組むべき課題として口に出さずとも、メンバー間で思いは共有されていたそうだ。
年齢は関係ない「技術の前ではみなが平等」という東芝の精神
  「このプロジェクトを通じて、東芝には様々な専門家がいると改めて実感しました」と語るのは、仲間啓太氏だ。先ほどの髙橋氏と同じく、東芝エネルギーシステムズに所属する。髙橋氏がタービン発電機の基本設計の専門家なのに対して、仲間氏は詳細設計が専門。プロジェクトでは冷却機構の設計を担当した。
  「超電導状態を作るためには、非常に低い温度に冷やすことになります。冷却構造や、どんな経路で冷媒を流すかなどを設計しました。これまでの設計では過去の設計資料や試験データがあり、それを参考に『この設計なら、こんな結果になる』と予測できました。なので、軌道修正はあっても意図した機器を作れます。
  一方で今回は世界初なので、当然データはありません。設計しても、はたして想定通りに冷やせるのか分からない。超電導モーターとして試験するまで、かなりドキドキでした」(仲間氏)
  仲間氏が対応したことは多岐にわたる。たとえば、極低温時に金属が収縮することの対策、周囲との断熱、極低温状態の維持など─。これらを解決できたのは、先ほど仲間氏が語った東芝の技術者の知見、そして風土がいきたからだ。
  「事業所が違っても、必要な技術があればどんどん連絡を取り合い、同じ目標に突き進んで行く風土は、東芝ならではだと思います。東芝には『技術の前では全員平等』の精神があります。
  議論をしている時、責任者の意見に対しても、私や髙橋さんが『ちょっと違うんじゃないか』と思ったらそのまま言えますし、反論が通ることも普通です。お互いに思ったことを言い合い、団結して課題に取り組む。これが東芝の良さですね」(仲間氏)
初挑戦の技術者が、「なぜ?」を武器に世界初を達成
  髙橋氏仲間氏よりも若い阿部格氏は、入社3年目。東芝エネルギーシステムズの研究所に所属する。このプロジェクトでは、モーターの回転部分に電気を流すコイルを担当し、超電導状態を作った。
  「仲間さんの話した『技術の前では全員平等』に加えて、東芝は上司・部下の関係でも、社長に対しても、『さん』付けで呼び合います。だから、本当に対等に議論がきますし、質問もしやすい雰囲気がありますね。
  私のような超電導体の担当と、髙橋さん・仲間さんのようなモーター担当とでは、自分の常識が相手の非常識になり得ます。たとえば、超電導体を使う時は、通常ですと静置して使うことが多くなります。ところが今回は、モーターという回転体に組み込むので、回転力や遠心力など通常は考えないことも考慮しました。
  ですから丁寧な意思疎通に努め、『超電導体ではこういうことが危ないですよ』と伝える際に、『ここの数値はこれ以下に抑えてください』と数値を挙げて示す工夫をしましたね」(阿部氏)
  そんな阿部氏は、大学での研究テーマは金属材料や磁石であり、東芝入社後に超電導に関わり始めたというから驚きだ。「超電導は初挑戦でした。そのおかげで、先輩が言うことに『なぜそうなるのか』と突き詰められました。だから、超電導体を回転させるという普段はしないことに対して、様々な最適化が可能になりました。
  試験したら想定外に動かない、気軽に分解する訳にもいかない、データから想像を膨らませるなど問題が起こるたびに、多くの先輩に話を聞きました。それを自分で考え直すことを繰り返したから、未知の領域でしたが課題を克服できましたね」(阿部氏)
思わず「ついに、ここまできたか…」と、驚愕の声!
  東芝の超電導モーターは2022年6月に発表され、「本当に多数の問い合わせが来た」という。航空機やエンジンの企業、大学などから「すぐに見せてほしい」という声が寄せられた。自動車や鉄道など航空機以外のモビリティ企業からも問い合わせがあり、様々な業界において製品化への期待が高まっている。見学者からは、「これほど小さいのか」「超電導技術の実用化は、ついにここまできたか」と、驚きの声が多数あがったという。
  大きな反響を呼んだ今回の発表だが、これで「めでたしめでたし」ではない。これはまだ試作第1号だ。東芝の技術陣は、すでに次に解くべき課題を見据えている。今後の展開も含めて、今回の登場人物たちの声を聞いて、この物語を締めくくろう。
  設計と試験を担った髙橋氏は、「航空機に載せるには、さらなる軽量化が必要です。実用化に向けて長期試験で信頼性を確認し、量産化のために材料や構造を改良し、コストも考えた設計を詰めます。次号機では、より挑戦的なことを行います」と、実用化への道程を思い描く。
  冷却機構を設計した仲間氏は、「今回は、軽量・小型・高出力の実現性を検証するためのものです。内部重量のバランスを整える、回転による振動を抑えるなど、解決すべき課題は山積みです。ここから先が本番であり、社会インフラを担う企業として信頼性を確保します」と、言葉に力を込めた。
  そして、超電導体を担当した阿部氏は、「高速回転でも壊れないために、寸法、重量に厳しい基準を設け、データで品質管理できるようにします。材料で難しければ構造で解決するなど、モビリティに使われるという信頼性、安全性に応えます」と、品質への目配せを忘れない。
  「人と、地球の、明日のために。」という、東芝の経営理念。それを体現する、超電導モーター搭載の電動航空機の実現に向け、挑戦は続いていく。


2023.01.30-東芝 JAPAN(東芝CLIP)-https://www.toshiba-clip.com
超電導モーターこそ、カーボンニュートラルの救世主【前編】 ~航空機の未来へ、誰も超えられない壁を突破!

  民間航空機の運航のあり方を定めるICAOは2022年10月に新たな目標を定め、2024年以降に国際線航空機が排出するCO₂を、2019年と比べて15%削減し、2050年には実質ゼロにするとした。モビリティ業界では、ガソリン車に代えて電気自動車を普及させるなど変革が進んでいるが、航空機も化石燃料でジェットエンジンを動かさず、電動モーターへの置き換えが期待されている。しかし、これを実現するのは非常に厳しいのが現状だ。(※ International Civil Aviation Organization,国連機関として、国際航空の健全かつ経済的な運営のために協力を図る。)
  この世界が直面する課題を、先進技術を組み合わせて解決するのが東芝の超電導モーターだ。「既存の技術の延長では到底解決しない。航空機特有の条件を満たす、革新的アプローチが必要」と解説するのは、このプロジェクトの中心となった水谷氏。キーワードは、「軽さ」と「高出力」の両立。一体、どのようにプロジェクトは進んだのか、開発の舞台裏に迫る。

世界がしのぎを削る超電導モーターで、世界初を達成
  「ICAOが定めた、国際線航空機のCO₂排出実質ゼロを2050年に達成するため、航空機のモーター置き換えが期待される中で注目されているのが超電導モーターです」(水谷氏)
  そう教えてくれたのは、プロジェクト・リーダーの水谷氏。超電導モーターなら、航空機に載せる上で求められる「軽さ」と、ジェットエンジンの代替となる「高出力」を、同時に実現できる。そこで、各国の研究機関、大学、ベンチャー、大企業が、一斉に開発に乗り出した。しかし─。
  「航空機の中で数が多く、CO₂削減でインパクトが大きいのは中長距離の機体です。これを飛ばすため、小型モーターを複数搭載する航空機モデルがあり、我々はそのモデルを参考に、出力2MW(メガワット)のモーターの開発を目指しました。だが、プロジェクトを立ち上げた時、2MWを超える出力で、かつ軽量・小型の超電導モーターを世界で誰も完成させていなかったのです。そこで、世界の課題を解決するために、東芝が『やらねばならぬ』と思い、先進技術を詰め込みました」(水谷氏)
  世界がしのぎを削るなか、東芝が航空機向け超電導モーターの開発を始めたのは2019年11月で、世界の超電導モーターの開発状況を調査し、それを受けて技術コンセプトの検討を開始したという。それまで誰も完成させていないため、まず関連研究の調査から始めるなど、ハードルの高さがうかがい知れる。しかし水谷氏の胸には、「東芝ならできる」という目算があった。
  「東芝は、タービン発電機を製造し続けており、高速回転機を製造する技術が多数あります。また、軽量・小型で高出力のモーターを作るのに必要な、超電導の技術もあります。この2つを融合すれば、世界初の超電導モーターを製作できる自信がありました」(水谷氏)
  そして、プロジェクト発足からわずか2年半の2022年3月、軽量・小型・高出力の超電導モーターが世界で初めて生まれた。これは、同等の出力のモーターと比べ10分の1以下の軽量・小型化を実現した画期的な製品である。
「軽量・小型・高出力」を可能にした、超電導モーターのしくみ
  プロジェクトの舞台裏を紹介する前に、そもそも超電導モーターとはどういうものかを簡単に解説しよう。通常のモーターと何が違うのか。説明してくれるのは、発足当初からのプロジェクトメンバーで、現在は東芝エネルギーシステムズ 経営企画部に所属する淵本遼氏。入社以降、火力・原子力のタービン発電機を設計し、このプロジェクトではローターと全体組立の設計リーダーを務めた。
「超電導モーターは小さくて軽いのに、なぜ高い出力を生めるか。その理由を、モーターの原理から端的に説明します。
  モーターの回転する部分(ローター)には、磁石が取り付けられています。モーターの静止している部分(ステーター)にあるコイルに交流電流を流すと、回転する磁界が発生します。この回転磁界にローターの磁石が引きつけられて、ローターも同じ速さで回転するのです。
  モーターの大きさを変えずに出力を大きくするには、ローターの磁石とステーターの回転磁界を強くする必要があります。ローター側の永久磁石では限界があるため、電気を送るほど強い磁力が得られる電磁石を利用することになります」(淵本氏)
  しかし、問題が1つある。電流を増やすと、コイルの電気抵抗によって熱が発生する。そして温度が高くなり過ぎると、コイルが熱で損傷してしまうのだ。そのため、モーターの大きさを変えずに出力を上げるには、通常のコイルでは限界がある。
  これを解決する方法が、電磁石のコイルを超電導化することです。超電導とは、電気抵抗がゼロとなる状態です。具体的には、通常は銅線でできているコイルを、超電導材料を使ったコイルに変えます。するとコイルの電気抵抗がゼロなので、大きな電流でも発熱せず、強力な磁界を得ることができます。
  このように、モーターの電磁石のコイルを超電導化することが、小さなサイズのままモーターの出力を極限まで高めるポイントです」(淵本氏)
  そしてもう1つ、超電導モーターの鍵となるのが冷却だ。電気抵抗がゼロの超電導状態を維持するためには、超電導材料で作ったコイルを超低温にしないといけない。一方、モーターは高速回転している。動いているものを極低温に維持することは非常に難しく、超電導モーター開発において常に大きな課題となる。プロジェクトチームは、様々な分野の社内有識者と相談しながら、ローターの冷却構造、製造方法、冷媒の流し方を工夫することで乗り越えた。
家電、空調、原子力、火力発電……東芝の強みを結集させたチーム力
  世界初の軽量・小型・高出力の超電導モーターを開発するまでには、「繊細な超電導材料を高速回転させるという矛盾」「高速回転による遠心力約8,000Gに耐える構造(例:ロケット打ち上げの際に宇宙飛行士にかかるのは3~4G)」など、試行錯誤が続いた。プロジェクトの初期では、誰も成功していない開発に費やすリソースに限界があるのは当然だ。
  そんななか、「私もプロジェクトに参画させていただきたい」と声をかけて途中から加わったのが、東芝 生産技術センターの中山忠弘氏だ。
「生産技術センターは、東芝グループのモノづくりに関する技術・仕組みを研究開発しています
  私はこれまで、家電、空調、車載などといったモーターに関する技術の研究開発を行い、各事業部に様々なモーター技術を提供していました。そして、私たちの取り組みを淵本さんの部署に紹介する機会がありました。
  その時、淵本さんから超電導モーターを開発していると聞き、『小型高速モーターの設計について、色々と教えてください』と言われ、『具体的に何をしているのですか?』と質問するところから始まりました」(中山氏)
  淵本氏からプロジェクトの概要や課題などを聞いた中山氏は、プロジェクトへの参加を決意。それまで検討があまりできていなかった、モーターの静止部分(ステーター)の設計や製作のリーダーとして加わることとなった。このように、超電導モーターの完成に向けて、必要な先端技術のピースが埋まっていった。
  超電導モーターの仕組みを解説してくれた淵本氏は、「冷却の収縮に耐えられる柔軟さと、大きなGに耐えうる強度を両立させる構造設計が重要だった」と、技術的な表現で振り返った。この頃には30名を超えるチームとなり、超電導技術、回転機技術、モータードライブ技術が集結し、設計と検証を繰り返しながら「こうでなければ」という形に落ち着いた。毎週実施する進捗報告、設計・製造方針の確認定例会の実施、リーダー 水谷氏の開発スケジュールのコントロールだけでなく、メンバーへの鼓舞、メンバーの超電導モーターを完成させるという強い信念により、チームの臨場感は守られた。
  今、チームは、多様なパートナーシップを形成しようとしている。水谷氏によると、「東芝の超電導モーターを発表して以降、航空機だけでなく、自動車、鉄道などのモビリティ企業、エンジンメーカー、大学などから問い合わせがあります。『2MW出力が、こんなに小さくて実現できるのか』と驚かれている」とのこと。
世界規模の課題を解きにいく
  東芝の超電導モーターは、カーボンニュートラルの救世主として、誰も越えられなかった壁を突破し、航空機の未来を変えていく。後編では、今回の3人のもとで超電導モーター開発に挑んだ若手たちに、どう技術課題を超えたかを聞いてみよう。


2022.10.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20221004-FPAS5JJSGRITFAYCQMPE7WR3Y4/
ガソリン高騰も「低価格」のしわ寄せ セルフ式GSの危ない事情
(中井芳野)

  原油価格の高騰でガソリンスタンド(GS)の価格競争が続く中、車のドライバーが自ら給油を行うセルフサービス式GSが増えている。従業員を減らせる分、販売価格を抑えられるのが理由だが、一部の店舗ではさらに人件費を抑えるため、常駐が義務付けられている危険物の取り扱いに必要な国家資格所有者を配置せずに営業するケースが発覚している。無資格のアルバイトだけで営業する時間帯が生じており、重大な事故や凶悪な事件につながるリスクが高まっている
「深夜はバイトだけ」
  「どこにあるかは分からないけど、自宅を探したらあります」
  9月下旬の夜、兵庫県内のセルフ式GS。1人で勤務していた男性アルバイトは「危険物取扱者」の免状について尋ねた記者にそう言い残し、足早に待合室へと戻っていった。
  危険物取扱者は、ガソリンや石油などの引火しやすい危険物を扱うことができる国家資格「甲」「乙」「丙」の3段階に分かれており、消防法では無資格のドライバーらが給油する場合は「甲」または「乙」の所有者が監視しなければならないと定めている。
  セルフ式GSは一見すると無人に見えても、別室の危険物取扱者がカメラなどでドライバーの様子を確認し、「給油許可」のスイッチを押さなければ給油できない仕組みをとっている。
  ただ、客からはその仕組みも、危険物取扱者の有無も分からない。冒頭のGSで過去にアルバイトをしていた男性は「深夜は無資格のアルバイトしかいなかった」と明かす。
マニュアルで危機管理
  男性が理由として挙げたのが人件費だ。「会社も危険物取扱者がいないといけないのは分かっているが、資格を持っていれば給料が高くなる」。誘導や清掃などのサービスを削り、価格で勝負するセルフ式GSにとって人件費の抑制は死活問題だ。深夜帯はさらに手当が上乗せされる半面、客は少なく、無資格のアルバイトだけでの営業が常態化していたという。
  その時間帯に消防が抜き打ちで検査に入ったり、何らかの事情で客から免状の提示を求められたりすることもある。カード型の免状は顔写真入りで、他人が使うことはできない。
  「そういう場合は『一時的に外出している』と説明して、その間に近くに住む資格を持つスタッフを呼び出すことになっていた」。深夜に勤務するアルバイトには、窮地を切り抜けるこうした対応マニュアルが言い含められていたという。
  危険物取扱者の勤務状況は消防が立ち入り検査で定期的に確認することになっているが、検査方法は各消防に委ねられている3年に一度のペースで立ち入り検査を行う大阪市消防局は口頭での確認のみ。担当者は「噓をつかれたらどうしようもない」と漏らす
セルフ20年で8倍
  セルフ式GSは平成10年の消防法改正で、危険物取扱者にしかできなかった給油が、ドライバーにも可能となったことで誕生した。低価格を売りに人気を集め、スタッフが給油や清掃などを行うフルサービス式から次々に切り替わっていった。日本エネルギー経済研究所石油情報センターのまとめによると、13年度は1353店だったのが、令和3年度は1万608店にまで増加。全体の37%を占めている。
  セルフ式GSは24時間営業の店が多く、深夜や早朝の危険物取扱者の不在はしばしば指摘されている。神戸市消防局では定期的な立ち入り検査のほか、市民らから通報があった場合などに抜き打ちでの夜間検査を実施。昨年度も通報に基づく検査で不在が確認された1店に改善指導を行った。そのほかの自治体でも毎年のように発覚しており、不正な営業が横行している可能性が高い。
  価格競争の激化でさらにセルフ式GSが増加する可能性もある中、危険物取扱者の不在によるリスクは看過できない給油中のガソリン漏出や事故は重大な火災につながりかねず、セルフ式GSでは禁止されている携行缶などへの給油が見過ごされれば、凶悪事件につながるリスクも高まる。ある警察関係者は「常駐しているかどうかはもちろん、きちんと監視しているのか確認することも重要だ。立ち入り検査の強化を検討すべきだ」と指摘している。
(中井芳野)



ZURICH-https://www.zurich.co.jp/car/useful/guide/cc-whatis-gasstation-self/
ガソリンスタンドのセルフとは。営業時間や有人フルサービスとの違い

  少し前までガソリンの給油は、ガソリンスタンドのスタッフに任せることが一般的でした。現在は、ドライバー自身で給油するセルフサービスのガソリンスタンドが増えています。本記事では、セルフサービスのガソリンスタンドの給油方法や、営業時間、有人フルサービスのガソリンスタンドとの違い、ガソリンスタンドの種類などについてご説明します。
ガソリンスタンドの種類
  現在のガソリンスタンド(給油取扱所)の種類は、フルサービスのガソリンスタンドとセルフサービスのガソリンスタンドの2種類があります。
フルサービスのガソリンスタンドとは
  専門スタッフによって、給油を行うサービス方式の給油取扱所のことです。
  ガソリンや灯油は引火性のある第4類危険物で、本来給油は国家資格(危険物取扱者乙4類)の所持者が行う業務です。給油作業はもちろん、窓拭きや灰皿の清掃、ゴミの処理、オイル交換、洗車、タイヤの空気圧チェックなど安全走行に関するサービスを提供します。
セルフサービスのガソリンスタンドとは
  ドライバー自身が、給油を行うサービス方式の給油取扱所のことです。
  ドライバーによる事故(吹きこぼれや誤給油など)を防止するために、従業員が給油状況を直接監視もしくは監視カメラによる間接監視を行う必要があります。また、給油ノズルのオートストップ機構、静電気対策、パッケージ型固定泡消火設備を含む一定の安全対策を行うことが必要です。これらを行えば、従来のガソリンスタンド(フルサービススタンド)と同等の安全性を確保したと認められます。
  1998年(平成10年)に、消防法の改正により普及しました。
ガソリンスタンドの利用手順
  給油はスタッフ任せで済むフルサービスのガソリンスタンドでの注意点といえば、給油中はエンジンを切って待機することぐらいでしょう。
  一方、セルフサービスのガソリンスタンドは運転手自身で行うため、「操作の仕方がよくわからない」、「自分で入れるのはちょっと不安……」という人もいるかもしれません。そこで簡単に手順をご紹介します。
セルフサービスの手順
  給油機の操作については、ガソリンスタンドによって異なります。各ガソリンスタンドの操作方法を確認した上で、操作を行ってください。
     1.-動車の給油口の場所に合わせて停車し、エンジンを停止。2-給油機の画面と音声ガイドに従って、支払い方法や燃料の種類、給油量などを指定。3-計量機に付いている、静電気除去シートに触れてから燃料キャップを外し、指定した油種のノズルを給油口の奥までしっかり差し込む。4-レバーを引いて給油開始。5-指定した給油量に達すると、自動的に給油がストップ。6-給油口にキャップをしたら、給油完了。7-給油機の画面や音声ガイドに従い、現金やクレジットカードなどの支払い方法を選択。清算が終わったら、レシートを受け取る。8-エンジンをかけて出発。
フルサービスの手順
     1-スタッフの誘導で給油機近くに停車。2-スタッフに燃料の種類、給油量、支払い方法を伝言。3エンジンを停止して給油を開始してもらう。4-給油中に窓拭き、灰皿の清掃・ゴミの引き上げ、車のチェックなどが行われる。5-給油完了。6-支払い。7-エンジンをかけて出発。
  無人と思われがちなセルフスタンドですが、必ず担当スタッフがいて、何か困ったことやわからないことがあったときは対応してくれます。消防法令の基準を満たした設備が整っているので、安心です。
セルフサービスとフルサービスの違い
  給油するという利用目的は同じでも、利用条件には大きな違いがあります。
  フルサービスおよびセルフサービスともに、さまざまなケースがあります。最近は料金価格に大差のないフルサービスのガソリンスタンドもありますが、料金差に魅力を感じてセルフサービスのガソリンスタンドを利用する人も多いようです。空気が乾燥している季節にセルフサービスのガソリンスタンドを利用する際には、とくに静電気の発生に注意しましょう。また、なんらかの理由で、給油に4分以上の時間がかかった場合は、給油が自動的に止まってしまうことも覚えておきましょう。
ガソリンスタンドの設置基準について
  サービス表示と、スタッフ人数や事務所の有無で判断できますが、外観は一見どこも同じように見えます。それは、以下のような消防法に定められた基準があるからです。
  位置の基準 *給油空地(給油や自動車の出入りに必要な空地)  *間口10m以上、奥行6m以上が必要である
  構造の基準 *タンク  *専用タンクの容量は、無制限  *廃油タンクの容量は、10,000L以下
  設備の基準-設置できる建築物  *給油、詰め替え、点検、整備、洗浄のための作業場  *業務を行うための事務所  *店舗、飲料店、展示場(給油取扱所に給油のために出入りする者を対象としたもの)  *関係者が居住するための住居
  塀、壁  *周囲に耐火構造または不燃材料でできた高さ2m以上の塀または壁を設ける。~給油取扱所の基準(危政令第17条第1項)より
  このような設備基準のもと、営業形態としてフルサービスのガソリンスタンドとセルフサービスのガソリンスタンドの2種類に分けられています。
まとめ
  近年、フルサービスのガソリンスタンドが減少し、セルフサービスのガソリンスタンドが増えているようです。どちらのタイプも利用できれば、不意にガソリン不足になっても給油所探しに苦労することがないでしょう。
  さらに、給油時間をリラックスして過ごしたいときにはフルサービスのガソリンスタンドで、自分のペースで給油したいときにはセルフサービスのガソリンスタンドで、と使い分けることができるようになれば、いっそう自由なカーライフを楽しめるのではないでしょうか。最後に、車を所有されている方は、チューリッヒの自動車保険をご検討ください。
  万が一の車の事故・故障・トラブルに備えておくと安心です。
※記載の情報は、2020年2月時点の内容です
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