森友学園-加計学園問題-1
2023.11.18-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20231116-OYT1T50106/
千葉科学大の公立化、運営する加計学園が銚子市に要請…開校時の建設費補助で市は深刻な財政危機に
(1)
千葉県銚子市の越川信一市長は15日の記者会見で、
千葉科学大学(銚子市潮見町)を運営する学校法人加計学園(岡山市)から、同大の公立大学法人化を要請されたと明らかにした。
定員割れが続く同大の存続を目指した要望とみられる。ただ、
市は同大誘致に伴う多額の支出で、財政危機に直面した。「市立化」がさらなる出費を招く可能性もあり、有識者検討会議(仮称)を設置して検討を進める。
同大は2004年4月に開学した。薬学部、危機管理学部、看護学部と大学院からなる。
大学全体の収容定員は2281人だが、5月1日現在の在学者数は1528人で、
収容定員に対する充足率は67%にとどまっている。
加計学園からは10月11日付で、要望書が提出された。市に対して、25年4月の公立大学化を求めている。市立大への移行を想定しているという。
同大が開校する際、市は10・7ヘクタールの市有地を無償貸与し、
建設費77億5000万円を補助した。市の
一般会計当初予算の3割に相当する額で、
市立銚子高校の整備など他の大型事業も重なったことから、
市は深刻な財政危機に至り、緊縮財政を強いられた。建設費補助で生じた借金の返済は25年度まで続く。市は財政再建の途上だ。
さらに、
人口は減り続けており、学生が増えなければ大学経営が赤字となる恐れもある。越川市長は
「公立大学法人化した場合も、市の財政負担が生じないことが基本」と話している。こうしたことから、
学生確保のめどや教職員給与など大学経営のコストを厳しく検証することが求められる。検討会議は大学、高校、PTA関係者や産業界の代表者らでつくり、公立大学化の是非を話し合う。
(2)
メリットは志願者増、デメリットは負担増のリスク
少子化が進む中、
自治体が地元の私立大学を公立化して大学の生き残りを図るケースが増えている。2009年の高知工科大(高知県香美市)から今年4月に開学した旭川市立大(北海道旭川市)まで、12大学が公立大に移行している。
最大のメリットは、
公立大としてのブランド力と、授業料の引き下げによる志願者の増加だ。
公立化に伴って公立大学法人を設置した地方自治体には、国から多額の地方交付税が交付される。これによって授業料を国立大並み少子化が進む中、自治体が地元の私立大学を公立化して大学の生き残りを図るケースが増えている。
2009年の高知工科大(高知県香美市)から今年4月に開学した旭川市立大(北海道旭川市)まで、12大学が公立大に移行している。
最大のメリットは、公立大としてのブランド力と、授業料の引き下げによる志願者の増加だ。公立化に伴って公立大学法人を設置した地方自治体には、国から多額の地方交付税が交付される。これによって授業料を国立大並みが定員に達していなかった。しかし、
公立化から数年以内に、8校全てが定員割れを解消している。
公立化初年度の入学志願者倍率が33倍に跳ね上がった大学もある。
ただ、
少子化は今後も進む。急速な人口減が進み、周囲も小規模自治体の銚子市で、定員を満たせるかどうかは未知数だ。
交付金があるといっても、定員ではなく在学者数に応じて交付額が決まる。定員割れが進めば交付金が減り、市の持ち出しが増える。
また、
交付金は大学の運営費に対して出るお金で、校舎の建て替え費用などは対象外。総務省財務調査課の担当者も「いわゆるハコモノの整備費は、大学の積み立てや自治体からの支出で賄うことになる」と話す。
兵庫県姫路市は昨年、
「校舎の老朽化に伴う多額の経費負担が生じる」として、
私立大から提出された公立化要望を拒否している。
公立大を担当する文部科学省入試課は、少子化と学生確保について「学生募集の出し方によっても、集まり方が変わってくる」と話す。公立化には、単なる看板の掛け替えではなく、教育内容の見直しなど
魅力ある大学づくりへの覚悟も求められる。
2023.01.17-KYODO-https://nordot.app/987927338970808320?c=302675738515047521
森友の籠池夫妻、異議申し立て 上告棄却の最高裁決定に
国などから補助金計約1億7千万円を詐取したとして詐欺罪などに問われた学校法人「森友学園」の理事長籠池泰典(本名・康博)被告(69)と妻諄子(本名・真美)被告(66)側は17日までに、
泰典被告を懲役5年、諄子被告を懲役2年6月とした二審大阪高裁判決を支持し、両被告の上告を棄却した10日付の最高裁決定に異議を申し立てた。
最高裁によると、14日に両被告の弁護人から申し立てがあった。退けられると実刑判決が確定し収監される。
二審判決によると、両被告は2016~17年、大阪府豊中市の国有地で開校予定だった小学校建設で、国の補助金約5600万円を詐取するなどした。
© 一般社団法人共同通信社
2023.01.12-NHK NEWS WEB(関西NEWS WEB)-https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20230112/2000069842.html
森友学園 A理事長と妻の実刑確定へ 補助金詐欺などの罪
森友学園のA理事長と妻が国などの補助金をだまし取った罪に問われた裁判で、
最高裁判所は12日までに上告を退ける決定をし、理事長と妻をともに実刑とした2審の判決が確定することになりました。
森友学園の理事長、A被告(69)と妻のB被告(66)は、小学校の建設工事や幼稚園の運営をめぐり、国や大阪府、それに大阪市の補助金、あわせて1億7000万円余りをだまし取ったとして、詐欺などの罪に問われました。
A理事長は一部の不正を認めたほかは無罪を主張し、B被告は全面的に無罪を主張しましたが、2審の大阪高等裁判所はA理事長について「小学校の設計業者に対して補助金を『国から多めにもらって建築費に充てよう』などと発言しており、みずからの判断で虚偽の申請をしていた」などと指摘して、1審に続いて懲役5年の実刑判決を言い渡しました。
一方、B被告について1審は一部を無罪として執行猶予のついた有罪判決を言い渡していましたが、2審は「学園は家族経営で、書類の内容などから理事長が水増し請求を行っている認識はあった」などと判断し、懲役2年6か月の実刑としました。
2人は判決を不服として上告していましたが、最高裁判所第1小法廷の深山卓也 裁判長は12日までに退ける決定をし、ともに実刑とした2審の判決が確定することになりました。
2人は今後、刑務所に収容されることになります。
【森友学園めぐる経緯】
森友学園をめぐる問題が発覚したのは6年前の2017年2月。小学校の用地として学園に売却された大阪・豊中市の国有地が地中のごみの撤去費用などとして8億円余りも値引きされていたことが明るみになったのです。
小学校の名誉校長が当時の安倍総理大臣の妻・昭恵氏だったことから、政治が関与した不当な値引きではないかと国会で激しい論戦となり、安倍氏が「私や妻が関係していれば総理大臣も国会議員も辞める」と言い切ったことで、野党が追及を強めていきました。
国会ではA理事長の証人喚問も行われ、値引きについて「『
神風が吹いたかな』と思った。何らかの見えない力が動いたのではないかと。政治的な関与があったのだろう」と発言しました。このころ、財務省や近畿財務局の職員らが刑事告発され、大阪地検特捜部が捜査を始めます。
そうした中、A理事長にも、学園が小学校建設や幼稚園の運営などをめぐり国や大阪府、大阪市の補助金を不正に受け取ったという疑惑が浮上しました。国などから刑事告発を受けた大阪地検特捜部は学園を捜索。
2017年7月、A理事長と妻は詐欺の疑いで逮捕され、その後、起訴されました。2019年3月の初公判でA理事長は「官邸の意向と官邸への忖度により財務省が動いた重大な事件から国民の目をそらすための国策捜査だ」と述べて検察の捜査や当時の安倍総理大臣への批判を展開。
大阪府や市の補助金については一部の不正を認めたものの、国の補助金についてはだます意図はなかったとして無罪を主張しました。一方、財務省をめぐっては佐川元理財局長の主導で学園との交渉記録を廃棄したり、決裁文書を改ざんしたりしていた事実が判明しましたが、特捜部は刑事責任を問うのは難しいと判断し、2018年5月、告発された38人全員が不起訴となりました。
弁護士グループや市民団体などが検察審査会に申し立てを行い、2019年3月には「不起訴不当」の議決が出されましたが、再捜査の結果、再び不起訴に。
去年(2022年)9月には決算文書の改ざんに関与させられ自殺した、赤木俊夫さんの妻らが、学園との交渉記録の情報公開請求をめぐりうその公文書を作成した疑いがあるなどとして元理財局長ら当時の幹部3人を東京地検特捜部に告発しましたが、先月(去年12月)嫌疑不十分で不起訴となっています。
森友学園をめぐる問題で唯一、刑事責任を問われたA理事長と妻。無罪の主張は退けられ、刑務所に収容される見通しになりました。
【A夫妻 “承服できない”】
森友学園のA理事長と妻は、最高裁判所が上告を退けたことは不当だとして抗議のコメントを出しました。
この中で、「
最高裁判所の決定は事実に基づかない誤ったものです。国策捜査を司法が安易に追認したものであり、到底承服できるものではありません。私たちは、今後とも再審請求等の手続きを含め、真実を明らかにすべく闘っていきます」としています。
2022.12.02-REUTERS-https://jp.reuters.com/article/idJP2022120201000908
森友改ざん訴訟、職員妻が控訴-By 共同通信, Kyodo
森友学園に関する財務省の決裁文書改ざんを苦に自殺した近畿財務局の元職員赤木俊夫さん=当時(54)=の
妻雅子さん(51)が、佐川宣寿元国税庁長官に損害賠償を求めた訴訟で、雅子さん側は2日、佐川氏個人の賠償責任を否定し、請求を棄却した大阪地裁判決を不服として
控訴した。
11月25日の地裁判決は、佐川氏が改ざんの方向性を決定付けたとする財務省の調査報告書を踏まえ、
同省が組織的な改ざんをしたと認定。一方、国家賠償法の規定に基づき賠償責任が認められるのは国だけで、佐川氏個人は責任を負わないと結論付けた。
【共同通信】
2022.11.25-Yanhoo!Japanニュース(毎日新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/d92c8d679b21caf8fca1b86f26b2b9657eb3be03
森友文書改ざん 佐川元理財局長の賠償責任認めず 大阪地裁
【山本康介】
学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、
財務省の決裁文書改ざんを苦に自殺した近畿財務局職員、赤木俊夫さん(当時54歳)の妻雅子さん(51)が、
改ざんを主導したA・元理財局長(65)に1650万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁(中尾彰裁判長)は25日、雅子さん側の請求を棄却した。
訴訟を巡っては、A氏とともに被告だった国が2021年12月、
雅子さん側の請求を全面的に受け入れる「認諾」を宣言。自殺と改ざん作業との因果関係や約1億円の賠償請求を認め、裁判を一方的に終結させた。
近畿財務局の上席国有財産管理官だった赤木さんは、学園への国有地売却が発覚した17年2月以降に数回、上司の指示で改ざん作業を強いられた。うつ病を発症して休職し、問題が表面化した直後の18年3月に自宅で命を絶った。
雅子さんは20年3月、国とA氏を相手取って提訴し、
「人生を破壊したのは理財局」などと記された赤木さんの遺書や手記も公表した。
雅子さん側は「赤木さんはA氏の指示で自死に追いやられた」として、A氏の賠償責任を主張。一方、A氏側は国家賠償法を巡る最高裁判例を挙げ、公務員個人の賠償責任は問えないと反論していた。最高裁は国家公務員が職務中の行為で他人に損害を与えた場合、国が責任を負うとの判断を示している。
訴訟では、赤木さんが改ざんの詳細な経緯を記録した「赤木ファイル」が開示された。赤木さんの備忘記録やA氏の「直接指示」を示すメールも含まれていたが、改ざんの動機や具体的な指示系統など今も解明されていない点が少なくない。
【山本康介】
◇財務省の決裁文書改ざん問題
森友学園が国有地を約8億円の大幅な値引きで取得した取引を巡り、財務省と近畿財務局は組織ぐるみで関連の決裁文書の改ざんを繰り返した。同省の調査報告書によると、安倍晋三首相(当時)が2017年2月、「(取引に)関与していれば首相も国会議員も辞める」と国会で答弁。妻昭恵氏らの名前が書かれた売却の決裁文書について、A・理財局長(同)が改ざんの方向性を決定付けた。A氏を含む同省職員ら38人が虚偽公文書作成容疑などで刑事告発されたが、大阪地検特捜部は全員を不起訴処分にした。
2022.07.27-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF268WV0W2A720C2000000/
森友文書改ざん訴訟結審、元職員の妻「真実知りたい」
森友学園に関する財務省の決裁文書改ざんで自殺した近畿財務局の元職員、赤木俊夫さん(当時54)の
妻、雅子さん(51)が、改ざんを指示した佐川宣寿元国税庁長官に損害賠償を求めた訴訟は27日、
大阪地裁で結審した。
判決期日は11月25日。
雅子さんはこの日の本人尋問で「
私は真実を知りたい」などと佐川氏の尋問を求めたが、中尾彰裁判長は合議し、
弁論の終結を決めた。
尋問は約45分にわたり、雅子さんは「
夫は改ざんに関与させられ、死にたいと口にするようになった。頻繁にけんかをするようになり、地獄のような日々だった」と振り返った。改ざんが始まる前の生活については「普通だったが、毎日が充実していた」と語った。
雅子さんは2020年3月、改ざんへの関与が自殺の原因だとして、国と佐川氏に損害賠償を求め、大阪地裁に提訴した。
21年12月に国が賠償責任を認めたため審理が打ち切られたが、佐川氏を相手取った訴訟は続いていた。
2021.10.13-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211013/k10013305171000.html
財務省改ざん関連資料 不開示決定 自殺職員の妻不服申し立てへ
財務省の決裁文書の改ざんに関与させられ自殺した
近畿財務局の男性職員の妻が、改ざんをめぐる内部のやり取りが分かる資料の開示を求めた情報公開請求で、
財務省は開示しない決定をしました。妻は不服を申し立てる方針です。
森友学園に関する財務省の決裁文書の改ざんに関与させられ自殺した近畿財務局の職員、赤木俊夫さん(当時54)の妻の雅子さんは、ことし8月、財務省に対して夫が残した、いわゆる「
赤木ファイル」では明らかにならなかった
改ざんをめぐる内部でのやり取りが分かる資料の公開を求めて、情報公開請求を行っていました。
代理人の弁護士によりますと、財務省は13日までに、開示しない決定をしました。
この中で請求された資料のうち、調査報告書を作るために集めた文書については「職員の監察などに関わるもので、一部でも公開されれば、今後、同種の任意調査に必要な協力が得られなくなり違法行為などの発見が困難になるおそれがある。また、最終的な報告書に至る前の未成熟な情報であり、不当に混乱を生じさせるおそれがある」などとしています。
このほか、検察に任意提出した文書については、「存在するか否かを答えるだけで、捜査機関の活動内容を明らかにすることになる」としています。
雅子さん側は、納得できないとして不服を申し立てる方針です。
妻の赤木雅子さん「期待を裏切られ とても残念だ」
財務省が、改ざんをめぐる内部のやり取りが分かる資料を開示しない決定をしたことについて、赤木俊夫さんの妻の雅子さんが報道陣の取材に応じ、「何かしらの資料が出てくると期待していたが、何度も期待しては裏切られることを繰り返しているので、とても残念だ。なんとか出してもらえるように弁護士と一緒に求めていきたい」と述べました。
そのうえで今後、国に対しては、「
夫のことをなかったことにされるのが、いちばん困る。真実を知りたいが、まだ何も分からず解決していない。裁判や再調査でうみを出し切るように明らかにしてほしい」と話していました。
2021.06.22-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210622/mca2106221206011-n1.htm
改竄経緯文書を開示、郵送で遺族側に 近財職員自殺
学校法人「森友学園」をめぐる財務省の決裁文書改竄(かいざん)問題で、
自殺した近畿財務局の元職員、赤木俊夫さん=当時(54)=が改竄の経緯をつづったとされる文書(通称・赤木ファイル)が22日午前、遺族側に開示された。遺族側代理人が明らかにした。妻の雅子さん(50)が国などを相手取った損害賠償訴訟で提出を求め、国側が21日に大阪地裁に提出し、遺族側にも郵送していた。
国は改竄の過程を時系列でまとめた文書や、改竄を指示した財務省理財局と実行した近畿財務局との間で交わされたメールなどがこのファイルにあたるとし、個人情報など一部は黒塗りにするとしていた。
平成30年6月に財務省が公表した報告書によると、
大阪府豊中市の国有地が格安で森友学園に売却された契約をめぐり、国会審議の紛糾を避けるため、29年2~4月に交渉記録などの廃棄や改竄が行われた。
記録には首相夫人(当時)の安倍昭恵氏や国会議員の名前があり、理財局長だった佐川宣寿(のぶひさ)氏が「外に出すべきではないと反応」したことなどが明らかに。ただ、改竄の具体的な指示の内容や指揮系統は判然としていなかった。
改竄に強く抵抗したとされる赤木さんは鬱病を発症し、30年3月に自殺。雅子さんは昨年3月、
不正を強制されたことが自殺の原因として国と佐川氏に対して損害賠償請求の訴訟を起こした。国は1年以上、ファイルの存否を明らかにしなかったが、今年5月に存在を認め、6月23日の弁論までに開示するとしていた。
2021.06.07-NHK NEWS WEB(関西NEWS WEB)-https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20210607/2000046757.html
補助金詐欺などの罪 籠池前理事長夫妻 2審も全面的争う構え
森友学園の籠池前理事長と妻が、国などの補助金をだまし取った罪に問われている裁判の2審が始まりました。
1審で有罪判決を受けた2人は、2審も全面的に争う構えを示しました。
森友学園の前理事長、籠池泰典被告(68)と妻の諄子被告(64)は、小学校の建設工事や幼稚園の運営をめぐり、国や大阪府、大阪市の補助金1億7000万円余りをだまし取ったとして詐欺などの罪に問われています。
1審の大阪地方裁判所は去年2月、籠池前理事長には懲役5年の実刑判決を、諄子被告には一部を無罪として執行猶予のついた有罪判決を言い渡し、夫婦と検察の双方が控訴していました。
7日、大阪高等裁判所で2審が始まり、前理事長側は、「
この事件は国有地売却や公文書改ざんの疑惑を不起訴にした検察の不正義を隠すためで、1審判決には事実誤認がある」と主張し、全面的に争う構えを示しました。
一方、検察側も1審で府と市の補助金詐欺について諄子被告を無罪としたのは誤りだと主張して、諄子被告の関与を証言した府の職員の証人尋問を行いました。
【籠池前理事長“徹底的に反論”】。
裁判のあと、森友学園の籠池前理事長と妻は記者会見を開き、前理事長は、「
何か大きなものを隠すために私たちがスケープゴートにされたという気持ちは変わらない。高裁では徹底的に反論をしたい」と話していました。
2021.05.18-SANSPO COM-https://www.sanspo.com/geino/news/20210518/sot21051819390010-n1.html
籠池学園が補助金返還へ 不正受給訴訟請求受け入れ
学校法人「森友学園」の前理事長籠池泰典被告(68)=詐欺罪などで実刑、控訴中=が
理事長を務める別の学校法人「籠池学園」が大阪府の補助金約1300万円を不正受給したとして府が返還を求めた大阪地裁の訴訟は、学園側が請求を全て受け入れる「認諾」の手続きを取り、終結したことが18日、学園側への取材で分かった。
府によると、加算金などを含めると返還額は少なくとも3000万円に上るという。
学園側によると、12日に大阪地裁(金地香枝裁判長)で開かれた口頭弁論で
認諾を表明した。学園側代理人は「早期解決のため」としている。
訴状によると、府教育庁は2011~13年度に籠池学園が運営する開成幼稚園=休園=に対し計約8400万円の補助金を支給。専任とされた教員が別の保育園と兼任していたほか、幼児への支援が実施されていないなど支給要件を満たしていなかったとし、うち1300万円は不正受給に当たるとして19年3月に提訴していた。
2021.05.07-Yahoo!Japanニュース(FNNプライムオンライン)-https://news.yahoo.co.jp/articles/b97255009e5189120e9cdd891b28eed88973cbf4
「赤木ファイル」国が存在認める 財務省公文書改ざん問題
財務省の公文書改ざん問題で、自殺した近畿財務局の職員が改ざんの詳細を記したとされる「
赤木ファイル」について、国が存在を認めた。
近畿財務局の職員だった赤木俊夫さん(当時54)は、学校法人「
森友学園」に関する公文書の改ざんを苦に、3年前に自殺し、妻の雅子さん(50)は、国などに対し、損害賠償を求める訴えを起こしている。
雅子さん側は、赤木さんが改ざんの詳細を記していたとされる、いわゆる「
赤木ファイル」の提出を国に求めているが、国はこれまで、ファイルの有無も含めて回答を拒否してきた。
しかし6日、国は一転して、「
赤木ファイル」の存在を認める書面を雅子さん側に提出した。 雅子さん「
夫が残したものが、まだ残ってるんだという安心感はあります。国が夫の残したものを真摯(しんし)に出していただいて。夫がなぜ死ななければいけなかったのか、改ざんをしなければいけなかったのか、それを明らかにできるように進むだけです」 ファイルには、改ざんの過程を時系列でまとめたものや、財務省と近畿財務局との間でやりとりされたメールの記録などがまとめられているという。
国は開示できる中身を精査し、6月23日までにファイルを裁判所に提出する予定。
2021.04.19-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/affairs/news/210419/afr2104190009-n1.html
森友学園の管財人への告訴状 大阪府警が受理
民事再生中の学校法人「森友学園」(大阪市淀川区)をめぐり、無断で幼稚園の休園手続きを進めたなどとして学園側が民事再生法違反(特別背任)などの罪で管財人の弁護士2人を告訴した問題で、
大阪府警が告訴状を受理したことが19日、分かった。学園側が取材に対し明らかにした。府警は今後、捜査を進めるとみられる。
告訴状によると、管財人らは今年1月、学園側に無断で運営する塚本幼稚園(同区)の休園許可を大阪地裁に申請し、保護者らに3月末での休園を通知した上、職員を解雇した。経営再建の可能性があったにもかかわらず再建に努めるべき善管注意義務に違反し、学園や債権者に損害を与えたなどとしている。
学園側が2月、府警に告訴状を提出。管財人が申請した休園許可は認められたため、学園は4月以降、幼稚園の自主運営を続けている。管財人の1人はこれまでの取材に「
学園側に説明しようとしたが返答がなく、事業継続は困難と考え、管財人権限で休園を決めた」と説明していた。
2021.02.25-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/affairs/news/210225/afr2102250038-n1.html
森友学園が管財人を刑事告訴、幼稚園を無断で「休園」に
経営再建の可能性があるのに無断で幼稚園の休園手続きを進めたなどとして、民事再生中の学校法人「森友学園」(大阪市淀川区)は25日、民事再生法違反(特別背任)と背任の罪で、管財人2人に対する告訴状を大阪府警に提出した。
府警は受理を検討している。
告訴状によると、
管財人らは1月、学園側との事前協議もないまま、運営する塚本幼稚園(同区)の休園許可を大阪地裁に申請し、保護者らに
「3月末で休園する」と通知。経営再建に努めるべき善管注意義務に違反したほか、外部から預かった資金8400万円の受け入れを拒み、学園や債権者に損害を与えたとしている。
学園側は25日、同市内で記者会見し、告訴に至った経緯を説明。籠池町浪(ちなみ)理事長は「管財人に月額70万~80万円の報酬を渡しているが、(近年は)園に来たことがない」と批判した。
学園側の代理人、
南出喜久治(きくぢ)弁護士は、休園許可申請の翌日に、地裁が許可決定を出したことを問題視。「これは事実上の閉園申請だ。(閉園に必要な)知事の認可を得ておらず、地裁も管財人も違法行為をしている」と指摘した。また、国有地の値引き問題に端を発した一連の問題と現在の学園は無関係とし、「(前理事長の義父の)創業者の精神に立ち返り、原点回帰で頑張っている。管財人は自発的に辞めてほしい」と訴えた。
管財人の疋田(ひきた)淳(きよし)弁護士はこれまでの取材に、「何度も学園側に説明しようとしたが返答がなかった。多額の赤字で事業継続は困難と考え、管財人権限で休園を決めた」と説明していた。
2021.02.08-Yahoo!Japanニュース(8カンテレ)-https://news.yahoo.co.jp/articles/ced7fc5690d8a12649f70a33eee9cebba342357f
国は「赤木ファイル」の存在を認めるか… 自殺した財務省職員の妻、国に対し”次の一手” 記者解説
森友学園をめぐる公文書の改ざんを苦に財務省の職員赤木俊夫さんが自殺し、妻が国などを訴えている裁判で「
新たな一手」です。 赤木さんが改ざんの詳細を記したとされる「ファイル」について、妻側が裁判所に対し国に提出を命じるよう申し立てました。
【自殺した赤木俊夫さんの妻・雅子さん(8日午後)】
「夫の残した
赤木ファイルは、夫が職務中に作ったものなので、財務省や財務局や一部の人のものではないと思う。日本国民の財産でもあると思うので、ぜひこれを出していただいて、公にしてほしい」
財務省近畿財務局の職員だった赤木俊夫さんは、(当時54歳)
学校法人森友学園との土地取引に関する公文書を改ざんするよう強いられたことを苦に、3年前、自殺しました。
妻の雅子さん(49)は、改ざんを指示したとされる佐川宣寿元理財局長と国に対し、損害賠償を求める裁判を起こしています。
【赤木雅子さん(20年7月)】
「何が原因で(夫が)改ざんしないといけなくなったのかを、ちゃんと公にしてほしい」 誰から、どのように改ざんを指示され、夫は命を絶ったのか…。
真実を知るために起こした裁判で、雅子さんが最も重要だと考える資料。
それが…「改ざんの詳細を記した
“赤木ファイル”」 赤木さんが生前、公文書の改ざん内容や経緯を事細かにまとめたとされる通称「
赤木ファイル」です。 こうしたファイルが存在することは、赤木さんの直属の上司が直接、雅子さんに証言していました。
【赤木さんの元上司(音声データ19年3月)】
「修正前の文書であるとか、修正後の文書であるとか、何回かやり取りしたようなやつがファイリングされていて、それがきちっと、パッと見ただけで分かるように整理されてある。これ見たら、我々がどういう過程で(改ざんした)のかということが全部分かるので」
しかし、裁判で、雅子さんの弁護団が「
赤木ファイル」を速やかに提出するよう要求しても、国側は、「『ファイルの有無』も含め、回答する必要はない」と反論。 この状況を打ち破るため、雅子さん側は8日、“新たな一手”を打ちました。
【雅子さんの代理人・生越照幸弁護士】
「本日、『
文書提出命令』の申し立てを行いました」 文書提出命令は、裁判所が当事者に対し、証拠となる資料を強制的に提出させる手続きです。今回のケースであれば、国が「
赤木ファイル」の存在を認めた場合、まずは裁判官だけで内容を確認し、裁判を進める上で必要な資料だと判断すれば、提出を命じることになります。
雅子さん側は、「精神的苦痛の程度を立証するためには、改ざんについての具体的な経緯を明らかにする必要がある」として、「
文書提出命令」を申し立てたのです。
【赤木雅子さん(8日午後)】
「(夫が生前)あまりにも辛そうだったので、『(
赤木ファイルを)残してよかったのか悪かったのか』を聞きました。そしたら、ボソッと小さい声で『よかったと思う』と答えてくれました。今でも苦しんでいる方が財務局の中にいると思う。夫と同じ仕事をしてきた人たち。その人達のためにも夫が残したものを出すことによって、話せる環境になると思う。
赤木ファイルが出ることで今苦しんでいる人達も助けられるし、もう二度と同じようなことがおきないようにしてほしい」
≪記者解説≫ なぜ、赤木雅子さんは、「
文書提出命令」の申し立てに踏み切ったのか。 それは、
これまで国側が “ゼロ回答”を続けてきたからです。 去年10月の裁判(第2回口頭弁論)で、国は「赤木ファイル」について、「裁判の争点に関係がないので、『有無』も含めて回答の必要がない」と主張しました。 そして、去年11月には、衆議院の調査局が公文書改ざん問題について報告書をまとめましたが、ここでも国(財務省)は、「訴訟に関わるので回答を差し控えたい」としました。
麻生太郎財務大臣も、国会で、野党議員からの質問に対し、同じ趣旨の答弁をしています。 国は裁判でも、国会でも、中身のない回答に終始してきたわけですが、「一度も『ない』とは答えていない」と捉えることもできます。
赤木ファイルが存在しないのであれば、「ない」と答えれば、それで済むはず。 「ない」と明言しないのは、裏を返せば、
赤木ファイルの存在を暗に示しているではないか… こう考え、雅子さんと弁護団は、「
文書提出命令の申し立て」で、国に“明確な回答”を迫りました。
今後、裁判所は国に対し、
赤木ファイルが「ある」のか「ない」のかを、確認することになります。
赤木ファイルについて、国が「ある」と答えた場合は、裁判所が中身を精査した上で、裁判に必要な証拠書類にあたるのかを判断し、開示・不開示の決定=命令を出すことになります。
国が「ない」と答えた場合は、雅子さんの立場からすると、厳しい状況に立たされますが、一方で、もし後に、内部告発などで
赤木ファイルの存在が発覚したら、“大問題”となることは必至です。
そもそも、
森友学園問題では、佐川宣寿元理財局長の「応接録は廃棄した」という、事実とは異なる答弁に合わせる形で、公文書の改ざん・廃棄が起きた経緯を考えると、国にとっては、「ない」と答えることも大きなリスクなのです。
いずれにしても、「
文書提出命令の申立て」によって、国は最低限、「
赤木ファイルがあるのか、ないのか」を回答しなければならない状況まで追い込まれたと言えるでしょう。 今後の国の対応が注目されます。
(関西テレビ記者 諸岡陽太)
2021.01.20-日刊スポーツ-https://www.nikkansports.com/general/news/202101200000630.html
森友学園運営の塚本幼稚園が休園へ 赤字や園児不足
民事再生中の
学校法人「森友学園」が運営する塚本幼稚園(大阪市淀川区)について、
学園管財人の疋田淳弁護士は20日、赤字や園児不足のため3月末で休園すると明らかにした。
再生計画では塚本幼稚園の収益を債権者への弁済に充てる予定だったが、疋田弁護士は、系列保育園用地の売却資金で充当するとし「
休園で学園が直ちに破産するものではない」と説明した。
再生計画は2017年12月に大阪地裁が認可。債務約28億8000万円の97%を免除した上で3年間支払いを猶予し、21年からの10年で約8000万円を弁済する。疋田弁護士によると、塚本幼稚園の園児を増やし収益を確保する見込みだったが、計画認可後も月約300万円の赤字が続いていた。学園系列の高等森友学園保育園(淀川区)の用地を約1億4000万円で売却し赤字を補てんし、4月から始まる弁済にも充てる。
現在、園児は3月卒園予定の5歳児クラスに10人、3歳児クラスに8人が在籍。3歳児の転園費用は学園が負担し、学園理事長の籠池町浪園長や職員ら計8人は解雇する。
大阪府豊中市で学園が小学校新設を計画していた土地は国が買い戻し、校舎建築を請け負った「藤原工業」(同府吹田市)に校舎解体と土地の明け渡しを請求。一方、同社は土地と校舎の一体売却を求め、国と疋田弁護士を相手に調停中だが、疋田弁護士は「国側が方針を示さず、1センチも進展がない」と語った。(共同)
2020.8.12-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/da9a1a24c5f4cc65f3cddbf5f900bc29835631a4
「森友保育園」に6150万円支払い命じる 不当な運営費受給 大阪地裁
保育士数などの基準を満たしていないのに保育園の運営費を不当に受給したなどとして、
大阪市が学校法人「森友学園」の籠池泰典前理事長=詐欺罪などで懲役5年の有罪判決、控訴=が代表を務める社会福祉法人に返還を求めた訴訟の判決が12日、大阪地裁であり、森鍵一裁判長は「悪意の受益者と認められる」として、請求通り約6150万円の支払いを命じた。
法人は、同市淀川区で保育園「
高等森友学園」(平成29年に認可取り消し)を運営していた「肇國舎(ちょうこくしゃ)」。市は23~28年度に支給した保育運営費などのうち、保育士数や栄養士数の要件を満たしていなかった計約5560万円分の返還や、同法人での保育士不足に伴って派遣した応援人員の費用約590万円の支払いを求めていた。
法人側は「受給要件を満たしていると認識していた」などと主張したが、森鍵裁判長は判決で、職員の勤怠管理などを通じて「
要件を満たしていないことを認識していたと推認される」と指摘。法人側には不当利得の返還義務があり、応援人員の派遣も両者の間で合意があったとして、市による費用の支払い請求には理由があると認定した。
2020.7.15-NHK NEWS WEB-
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4442/index.html
”森友問題”裁判はじまる~疑惑は明らかになるのか~
森友学園をめぐる問題で、決裁文書の改ざんに関わり、自殺した近畿財務局の職員、赤木俊夫さんの妻が、国や佐川元理財局長を相手に損害賠償を求める裁判をおこした。裁判では何が争点になるのか、新たな事実が明らかになるのか、最新情報を交えて伝える。
自殺した赤木さんは、手記に何をつづっていたのか・・・妻が語る、亡くなるまでの夫の様子とは。財務省の報告書や証言などから浮かび上がる、改ざんの経緯や組織の問題とは。これまでの経緯を整理し、“
森友問題”の何が解明され、何が疑問として残されているのか考える。
2020.7.15-NHK NEWS WEB-
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200715/k10012516951000.html
森友学園めぐる裁判 自殺した職員の妻 法廷での意見陳述 全文
亡くなった赤木俊夫さんの妻で原告の雅子さんが15日、法廷で述べた意見の全文です。
私の夫、
赤木俊夫は決裁文書を改ざんしたことを悔やみ、自ら人生の終止符を打ちました。
2018年3月7日のことです。夫は震える手で遺書や手記を残してくれました。
私は夫の死後2年経過した2020年3月18日、やっと遺書や手記を公表しました。
そして、同じ日に
夫が自ら命を絶った原因と経緯を明らかにし、夫と同じように国家公務員が死に追い詰められることがないようにするため、そして、事実を公的な場所で説明したかったという夫の遺志を継ぐため、国と佐川さんを訴えるところまで進みました。
以下、この訴訟に対する私の思いを陳述させて頂きます。
夫は、亡くなるおよそ1年前である2017年2月26日(日曜日)私と神戸市内の梅林公園にいた時、近畿財務局の上司である池田靖さんに呼び出され、森友学園への国有地払い下げに関する決裁文書を改ざんしました。
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決裁文書を書き換えることは犯罪です。-
夫は「
私の雇い主は日本国民。国民のために仕事ができる国家公務員に誇りを持っています」と生前知人に話していた程国家公務員の仕事に誇りを持っていました。
そのような夫が決裁文書の書き換えという犯罪を強制されたのです。夫の残した手記によると、夫は改ざんを指示された際に「抵抗した」とあります。 また、私は夫の死後、池田さんからも、夫は改ざんに最初から反対していたと聞きました。
夫が、決裁文書の改ざんによって受けた心の痛みはどれだけのものだったでしょうか。国家公務員としての誇りを失ったでしょうし、強い自責の念に襲われたと思います。
夫は手記や遺書に「
この事実を知り、抵抗したとはいえ関わったものとしての責任をどう取るか、ずっと考えてきました。事実を、公的な場所でしっかりと説明することができません。今の健康状態と体力ではこの方法をとるしかありませんでした。(55才の春を迎えることができない儚さと怖さ)」、「現場として相当抵抗し、
最終的には次長が修正に応じ、修正前の調書に合わせて自ら、チェックマークを入れて体裁を整えました。事実を知っている者として責任を取ります」と書いています。
夫は、改ざんしたことを犯罪を犯したのだと受け止め、国民の皆さんに死んでお詫びすることにしたんだと思います。
夫の残した手記は、日本国民の皆さんに残した謝罪文だと思います。
国は、夫の自死の真相が知りたいという私の思いを裏切り続けてきました。
財務省は、
夫が亡くなった5日後の2018年3月12日に改ざんしたことを認め、3か月後の6月4日に調査報告書を発表しました。
しかし、この調査報告書の中には、
誰のどのような指示に基づいて夫が改ざんを強制されたのか記されていません。が自死したことすら記載されていません。夫の手記についても、提出を求められていないので当然ですが一切触れていません。
池田さんは、夫が亡くなってから1年後、自宅で私に「
赤木さんはきっちりしているから、文書の修正、改ざんについて、ファイルにして、きちっと整理していたんです」、「
パラッと見たら、めっちゃきれいに整理してある。全部書いてある。どこがどうで、何がどういう本省の指示かって。修正前と修正後、何回かやり取りしたような奴がファイリングされていて、パッと見ただけでわかるように整理されている。これを見たら我々がどういう過程で改ざんをやったのかというのが全部わかる」と仰っていました。
でも、調査報告書には、このファイルについても記載がありません。私は、夫の自死が公務災害となった理由を知るため、人事院に対して情報開示請求をしました。しかし、
人事院の開示した文書は70ページのほとんどが黒塗りで、夫がなぜ自ら死を選び悩み苦しんだのか、私の知りたいことは何一つわかりません。
そこで私は、
2020年4月13日に、近畿財務局に対して情報開示請求をしました。しかし、1か月後の5月13日に開示されたのは、年金の金額や支払日などが書かれたたった10頁の文書でした。残りの文書については、新型コロナウイルスによる
緊急事態宣言に伴う処理可能作業量の減少などを理由に、
1年後の2021年5月14日までに開示決定をするそうです。
国はこの裁判でも同じような態度をとるのでしょうか?これではこの裁判でも真実には近づけません。私は、夫が自死に追い詰められた真相を明らかにするため、第三者委員会による再調査を求める電子署名を始めました。
電子署名には、35万人を超える方々から賛同の署名を頂きました。電子署名は、2020年6月15日に安倍首相や麻生財務大臣へ提出しました。
しかし、安倍首相も、麻生財務大臣も、すでに検察の捜査も済んでいるので調査しないと、夫のことを切り捨てました。でも、検察の捜査は刑事処分のためのもので、真相解明の調査とは別の物です。
国は、国民にも夫にも向き合わず、あるものを出さず、ズルズル先延ばしにして逃げています。再調査を実施して、正直に全て明らかにしてください。再調査の結果はこの訴訟でも役に立つと思います。
安倍首相は、2017年2月17日の国会で、安倍首相や安倍昭恵さんが森友学園の国有地払い下げにかかわっていたら総理大臣も国会議員も辞めると発言しました。
務省秘書課長は2018年10月、私に対して「
この首相の発言によって、野党が理財局に対して資料請求するなど炎上したため、理財局は改ざん前の文書を出せなかった。その意味で、首相の発言と改ざんは関係がないとはいえない」と言いました。
安倍首相は、自分の発言が改ざんの発端になっていることから逃げているのではないでしょうか。安倍首相は、自分の発言と改ざんには関係があることを認め、真相解明に協力して欲しいと思います。安倍昭恵さんも森友学園への国有地売却の関係を明らかにしてほしいと思います。
池田さんも、池田さんの前任者も「裁判になれば、本当のことを話します」と私にはっきりと言いました。この裁判では、前任者には、安倍昭恵さんと籠池夫妻のいわゆるスリーショット写真がどのように国有地の取引に影響したのかを、池田さんには、国有地値引きと決裁文書改ざんをめぐり、近畿財務局の中で何が行われたのかを話して頂きたいと思います。
また、
佐川さんをはじめとする理財局の幹部の人達や、美並局長をはじめとする近畿財務局の幹部の人達も、事実をありのままに話して欲しいと思います。
もしこれらの人たちが裁判に来なかったり、裁判に来ても事実を話さなかったとしたら、国が本当にあったことを国民から隠し、全てなかったことにするために止めたのだと思います。
安倍首相、麻生大臣、私は真実が知りたいです。夫は亡くなった日の朝、私に「
ありがとう」と言ってくれました。
最期の夫の顔は「絶望」に満ち溢れ、泣いているように見えました。決して生き残らないように、電気コードは首にきつく二重にくくりつけていました。怖がりだった夫が、こんなことをしなければならないなんて。真面目に働いていた職場で何があったのか、何をさせられたのか私は知りたいと思います。
最後に、裁判官の皆様にお願いがあります。私は、訴状でも書いていますが、
3つの目的のために訴訟を始めました。
その中でも一番重視しているのは1つ目の、
夫が自ら命を絶った原因と経緯を明らかにすることです。
訴訟の手続きは私には難しくて分かりませんが、
是非とも夫が自ら命を絶った原因と経緯が明らかになるように訴訟を進めてください。
夫が作成したファイルを含めてできるだけ沢山の資料を集め、
できるだけ沢山の人の尋問を行って事実を明らかにしてください。
そしてそのうえで、公正な判決を下してください。
宜しくお願い致します。
以上
2020.5.8-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/politics/news/200508/plt2005080019-n1.html
籠池夫妻の動画・SNS発信が話題 野党や反政権と距離
安倍晋三政権が批判された
学校法人「森友学園」の
小学校建設などをめぐる補助金詐取事件で、
詐欺罪などに問われた前理事長の籠池泰典被告と妻の諄子被告が、最近まで歩調を合わせてきた野党や反政権の人たちと距離を置くようなメッセージを動画やSNS(会員制交流サイト)で発信し、注目を集めている。
泰典氏は1日、動画投稿サイト「ユーチューブ」で「安倍晋三首相だけが悪いのではなく、政権打倒のために動いた人がたくさんいた」と告白。「二枚舌、三枚舌を使う人間が私の近くにたくさんいた。私をアンダーコントロール(支配)しようとした人間もいたが、今はアンダーコントロールが崩れ、離れた」とも振り返った。諄子氏は「ふと思い出せば何かおかしい。『安倍犯罪だ』とか安倍がどうのとか(主張する人たちに)乗っかっていた」と訴えた。
さらに、籠池夫妻はツイッターでも野党議員4人が自宅を訪れたことを振り返り、「家の前にはマスコミが、溢(あふ)れかえっていた。そもそもそこから、
政権に喧嘩を売る構図をつくったのです。私達の知らない内に、仕組まれていました」と後悔の念を示した。
一方、泰典氏は1日の動画で、自身が進めた保守的な教育方針を掲げた小学校建設計画の阻止に左派勢力が動いたと指摘。諄子氏も「小学校を建てさせたくなかった方たちの妨害だった。真っ先に駆けつけたのは(立憲民主党衆院議員の)辻元清美さんだった」と名指しした。
2020.3.24-毎日新聞-https://mainichi.jp/articles/20200324/k00/00m/040/196000c
首相「申し訳ない」 森友問題で自殺した財務局職員の妻に 要求された再調査は否定
安倍晋三首相は24日の参院財政金融委員会で、
森友学園に関する財務省文書改ざん問題で近畿財務局職員が自殺したのは「総理大臣として大変申し訳ない思いだ」と述べた。職員の妻に対するコメントを求めた大塚耕平氏(国民民主党)への答弁。
大塚氏が「(自殺した職員の)奥様に一言おっしゃっていただきたい」と求めると、首相は
「大変、痛ましい出来事であったと思う。奥様にとっても愛する方が自ら命を絶たれた。本当に大変な思いをされたんだろうなと改めてお見舞い、お悔やみを申し上げたい」と述べた。
森友問題では改ざん作業を強いられたと訴える職員の遺書や手記が公表されたが、
首相や麻生太郎副総理兼財務相は問題の再調査を否定している。職員の妻は23日、
「夫の遺志がないがしろにされていることが許せない。何を言われても何度も再調査の実施を訴えたい」とのコメントを出した。
首相は財政金融委で「我々の答弁について、さまざまなお気持ちを持っておられるだろうと思う。お気持ちを察するところだ」と語った。【野原大輔】
2020.2.19-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/affairs/news/200219/afr2002190010-n1.html
籠池被告に懲役5年の実刑判決、諄子被告も有罪
(1)
国や大阪府・市の補助金をだまし取ったとする詐欺罪などに問われた
学校法人「森友学園」前理事長、籠池(かごいけ)泰典被告(67)と妻の諄子(じゅんこ)被告(63)の判決公判が19日、大阪地裁で開かれた。野口卓志裁判長は籠池被告に懲役5年、諄子被告に懲役3年、執行猶予5年をそれぞれ言い渡した。
野口裁判長はこの日、検察側の主張に誤りがあるとする両被告側の申し立てを受け、職権で弁論の再開を決めた。検察側は同日、改めて論告し、従前通り両被告にいずれも懲役7年を求刑した。
両被告は今月、府・市から詐取したとされる補助金の一部が実際は弁済されていたなどと説明。弁済などを考慮しないまま求刑した検察側主張に誤りがあったとし、地裁に弁論再開を申し立てていた。
これまでの公判で検察側は、両被告が業者に「多めにもろといて。国からぼったくって」などと指示し、詐欺を主導したと指摘。両被告にいずれも懲役7年を求刑していた。両被告は「補助金詐取の共謀や故意はなかった」などと主張していた。
(2)
起訴状によると、両被告は平成23~29年、大阪府豊中市の国有地で開校予定だった小学校の建設費を水増しして国の補助金約5600万円を、教員数などを偽り府や市の補助金計約1億2千万円を、それぞれだまし取ったとされる。
森友学園をめぐる問題では、大阪地検特捜部が30年、背任や公用文書毀棄(きき)などの罪で告発された佐川宣寿(のぶひさ)元国税庁長官や財務省職員ら38人を不起訴処分とした。検察審査会で不起訴不当と議決されたが、特捜部は昨年8月、佐川氏ら10人を再び不起訴とし捜査を終えている。
2020.1.9-大分合同新聞-
https://www.oita-press.co.jp/1002000000/2020/01/08/NP2020010801000777
森友訴訟、国の全面敗訴が確定
学校法人「森友学園」への国有地売却問題を巡り
売却額を当初非開示とした国の処分は違法として、大阪府豊中市議が国に11万円の損害賠償を求めた訴訟で、全額の支払いを命じ国が全面敗訴した大阪高裁判決が8日までに確定した。
国側が上告しなかった。
昨年12月17日の高裁判決は、売却額非開示について「財務省近畿財務局は職務上の注意義務を尽くさず、漫然と非開示の判断をした」と指摘。土地の埋設ごみなどを記載した契約条項の非開示についても「客観性を確保するために、減価要因である契約条項を公表すべき要請は一層高い」とし、いずれも違法とした。