教育問題(学校)-1


2024.07.29-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240729-WU7QDEKMSFJP7PBRH7XGNY6YSY/
社説 <主張>朝鮮学校 補助金支出を即刻やめよ

  北朝鮮の独裁体制を支える教育活動に、日本の税金が投入されていいのか朝鮮学校に補助金を出している自治体は即刻やめるべきである。

  北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記1月に韓国との平和統一路線の放棄を宣言したことを受け、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)が朝鮮学校に、南北統一に向けた学習指導を禁じる指示を出した
  北朝鮮が朝鮮総連を介し、朝鮮学校を実質的に支配している構図が再確認されたといえるだろう。その教育活動が、民主主義と相いれないのは言うまでもない
  朝鮮学校への指示は、産経新聞が入手した朝鮮総連の内部文書で明らかになった文書には「各学校の教職員が教授教養事業を進める」にあたり、「自主・平和統一・民族大団結」などの表現は「一切使用しない」と書かれていた。
  また、「既に発行された祖国統一関連の出版物は、そのままにしておくものの、教育と学習においては一切使わず、今後再び出版・発行する際には全面修正する」とも指示していた。
  朝鮮総連はこれまで、北朝鮮が目指す「祖国の自主的平和統一」に向けた教育活動を指導していた。だが、金総書記が1月の最高人民会議での施政演説で韓国を「第1の敵対国」と呼び、政策転換を表明したため、それに従うことになった
  一方、朝鮮学校で使われている教科書には「統一」に関する記述が多い。その部分の削除も指示され、教員や保護者らに混乱が広がっているという。
  朝鮮学校は都道府県が「各種学校」として認可している。問題なのは、一部の自治体が補助金を支出し、学校運営を支えていることだ。
  文部科学省の内部資料によれば、令和4年度に補助金を支出したのは愛知、兵庫など10道府県と京都市、横浜市など83市区町に上る平成23年度の22道府県132市区町に比べ約10年で4割減少したが、いまだに計2億3千万円超もの税金が投入されている。
  自治体の首長は、朝鮮学校の実態を把握した上で、補助金支出の意図を明確に説明しているのか議会はチェックしているのか朝鮮総連の強い影響下にある教育活動に、目をつぶってはならない


2024.06.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240622-3A5PST6TOBMXBLCJD7OIC4FWPM/
東大・安田講堂に学生侵入 警備員けが、周辺で集会

  東大22日、学生らが21日夜に本郷キャンパス(東京都文京区)の安田講堂内に侵入し、制止しようとした警備員がけがをしたと発表した。東大では同日夜、授業料値上げを巡って藤井輝夫学長と学生のオンラインによる意見交換会が開催され、反対する学生らが終了後に講堂周辺で抗議集会を開いていた。

  警視庁本富士署によると、21日午後10時半ごろ、大学関係者から「学生を含む男性数人が警備員と口論している」と110番があった。同署が当時の詳しい状況を調べている。


2024.06.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240622-RYHH4CVJSFIHLOTEWDPNTHNK64/
「台湾は中国の一部」誤解生む地理教材が検定合格 教科書と共産主義・上
(大阪正論室参与)

  共産主義の礼賛にその罪の隠蔽(いんぺい)、そして中国へのおもねり―。今年3月に文部科学省が検定合格を発表した中学校の歴史や地理など社会科教科書・教材には、共産主義の思想や体制に肩入れする内容が目立った周辺国への軍事的威圧を強める中国ウクライナで侵略戦争を続けるロシア、ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮。共産主義をルーツとする独裁・強権体制が国際秩序と平和を乱す世界情勢にあって、共産主義についての教育には「負」の側面を含めることが重要なはずだが、適正さを欠く教科書が多いようだ

台湾の民意に反し
  まず取り上げたいのは、地図帳と地理の教科書の台湾をめぐる表記である。今回検定に合格した地図帳は、帝国書院(帝国)と東京書籍(東書)の2点。両者には東アジアの地図が数点ずつ掲載されているが、いずれも台湾が中国(中華人民共和国)の領土であるかのような図柄となっているのだ。中国と台湾の間の台湾海峡に中間線などの線がなく、台湾の東(太平洋)側や南(バシー海峡)側にだけ国境線が引かれているためだ
  さらに帝国の地図帳は、世界各国の面積をまとめた一覧表で、中国について「ホンコン、マカオ、台湾を含む」と注記して、台湾を含めた数字を記述している。
  また地理で検定合格した帝国、東書、教育出版(教出)、日本文教出版の教科書4点はいずれも、台湾を中国の一部として色付けした中国作成の統計資料(地域別の人口密度の分布や1人あたりの総生産額など)の簡略地図を掲載している。
  これらを読んでいる限り、生徒たちは台湾が中国の一部だと誤解するだろう。台湾は中国の不可分の一部とする「一つの中国」という中国の主張を信じかねないのだ。 なお、歴史分野でも、中台の現状を「分断」(教出)、「分断状況」(東書)と記述した教科書が今回の検定で合格している。「分断」とは、「本来は1つの国」だと受け取られかねない表現だが、台湾が現在の「中華人民共和国」の一部であったことは一度もない。歴史的にみても、清朝時代に大陸側に統治されたことはあったが、その一時期に過ぎない
  台湾の民意も「中国との一体化」を拒否している。台湾の政治大学選挙研究センターの昨年の世論調査によれば、中台関係についての回答は、「永遠に現状維持」が33・2%「当面は現状維持で将来再決定」が27・9%「どちらかというと独立」21・5%―となっており、中国との「一体化」を望む「すぐに統一」「どちらかというと統一」は、合わせて7・4%に過ぎない
  「現状」については、歴代総統が、「台湾は主権独立国家である」(陳水扁氏)、「私たちはすでに独立国家である」(蔡英文氏)と表明。5月20日に総統に就任した頼清徳氏も、就任演説で、「中華民国(台湾)と中華人民共和国は互いに隷属しない」と中国の統一攻勢を拒否する姿勢を明確にし、「高慢にも卑屈にもならずに現状維持に取り組む」と表明した。
過去にも問題化
  中国・共産党政権は1949年の建国以来、台湾を自国領土と見なしてきた。現在の習近平国家主席は歴代の指導者と比べても併合への意志が強固。軍事挑発など台湾への圧力を強めており、緊張が高まっている
  実は地図帳や教科書が台湾を中国の領土のように表記するのは今回が初めてではない過去にもたびたび問題視され、平成17年には、笠浩史衆院議員が政府に質問主意書を提出している。問題になったのは今回同様、帝国と東書の地図帳。質問主意書は、台湾をめぐる図柄を両社側が「日本政府の見解に基づいている」と説明していたことを受け、政府の見解などを問うている
  それにしても、中国が台湾に武力侵攻する「台湾有事」が日本を巻き込む形で起きるかもしれないとの予測が各方面でなされる現状に至ってなお、中国の言い分だけに従うような教育が許されるのだろうか
政府見解が「根拠」
  今回の地図帳の表記の根拠について尋ねると、帝国書院は「日本政府の見解に準じた」と説明。東京書籍は「回答は差し控える」とした。
  「日本政府の見解」とはどのようなものか。前述の質問主意書に対し、当時の小泉純一郎内閣が閣議決定した回答書によれば、「昭和四十七年の日中共同声明第三項にあるとおり、『台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部である』との中華人民共和国政府の立場を十分理解し尊重するというものである」―。
  この「十分理解し尊重する」という表現は、「承認」ではないとされている。「(台湾は自国領土だという)中国の立場」を認めたわけではない、ということだ。
  一方で、日本政府は過去、中国への「おもねり」も繰り返してきた。靖国神社の首相・閣僚参拝を見送ったり、尖閣諸島を奪いにきているのに毅然(きぜん)とした態度を取らなかったり。今回見た教材の台湾表記もそんな政府の姿勢が反映されているように思える
  台湾をめぐる情勢は悪化の一途だ。中国による軍事挑発のレベルは上がり、フェイクニュースなどを使った認知戦や世論戦でも台湾が屈服するよう揺さぶりをかけているとされる。中国が台湾に武力侵攻をしても、米国は台湾を助けない―という「疑米論」の浸透などがその代表例だという。
  中国の武力侵攻に対し、台湾を助ける米軍は日本国内の基地を使用するだろう。そのとき、この地図帳や地理教科書は、「台湾は中国の一部」だと叫ぶ人々に反米運動の根拠を与えかねないわが国が中国の情報戦にやられている証(あかし)に思えてならないのだ(大阪正論室参与)


2024.05.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240516-ZJVXXGE4OVO6VGHPNZAFGJNVLM/
致死量は160~250人分か 青酸カリ紛失、大阪公立大「警察への通報が大変遅れた」

  大阪公立大がキャンパス内で保管していた青酸カリ(シアン化カリウム)などの毒物計50グラムを紛失した問題で、同大は16日記者会見し、桜木弘之副学長が「警察への通報が大変遅れた」と謝罪。鍵の管理状況から部外者の侵入は可能性が低いことを明らかにした。

  大学によると、紛失したのはシアン化カリウム25グラムと、シアン化ナトリウム25グラム化学実験のため購入したものの、平成10年にシアン化ナトリウムをわずかに使ってからは使用の形跡がないとした。
  いずれの薬品も教員の研究室で、開閉が記録される鍵付きの箱に保管されていた。最後に保管を確認したのは昨年6月下旬の棚卸しで、今年5月2日に同様の作業をした際、紛失に気付いた
  10日まで学生らと室内を捜したものの見つからず、14日以降、学内の危機管理部署や住吉署などに順次報告した。
  大学によると、青酸カリは人が口にすれば200~300ミリグラムで死に至る。このため、致死量は160~250人分とみられる。


2024.04.09-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240409-YUCP53GLHRKG3OHJLN6T5PXQ6Y/
おやつ食べさせないなど不適切保育指摘 長野・駒ケ根市が市立保育園調査 嘔吐した園児を「汚い」と放置か

  長野県駒ケ根市は6日、市立赤穂保育園の保護者から、園児におやつを食べさせないなどの不適切保育があるとの指摘を受け、顧問弁護士も交えて調査していると明らかにした。調査の中間結果では、保育士は事実関係を否定している。来月にも最終的な調査結果を公表する予定だ。

  市によると、昨年11月、園児の父親から「年中クラスの担任保育士が昼寝しなかった子どもにおやつをあげなかった」との指摘があった。この園児は、同じ保育士が別の園児に「臭い」と言ったり、嘔吐した園児を「汚い」と言って放置したりしたとも話しているという。
  保育士は市の聞き取りに「おやつをいらないというのであげなかったことはあるが、自らあげなかった事実はない」と否定。園児への不適切な言動もなかったと説明した。


2024.01.23-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240123-EQFPBWLDPRJFNKIW656WGXHDPM/?outputType=theme_nyushi
旧帝大なのに倍率1.0倍 全員合格の衝撃、隔年現象で反動も

  昨年の国公立大学2次試験前期日程で大きな話題を集めたのが、大阪大学外国語学部インドネシア語専攻だ。募集定員10人に対し、志願者数は10人とまさかの倍率1・0倍に。結果、受験生10人全員が合格し、SNSなどで「旧帝大で全入なんてあっていいのか」などと騒然となった。

  この年の国公立大学前期日程の確定志願倍率は、文部科学省によると、2・9倍だった。少子化で大学全入時代はそう遠くない将来に実現するといわれて久しいが、国公立大学人気は健在。だからこそ、全員合格の倍率1・0倍という現実を目の当たりにし、「今年、受験したい」と考えた人もいたかもしれない。
  今年の志願者数はまだ確定していないが、大学や学部の志願者数が1年おきに増減する「隔年現象」が起きることも考慮しなくてはならない。受験生の心理として、前年に高倍率だった大学・学部を敬遠する傾向にあるため、倍率が高い年と低い年を交互に繰り返すことがあるという。
  こうした現象の裏をかき、「志望先を2択で迷っているなら、前年高倍率だった方を受験するよう指導している」という予備校関係者もいるらしい。だが、その読みも当たるとは限らない。倍率も気になるだろうが、まずは行きたい大学に挑戦するというのが、正攻法かもしれない。



2023.12.05-朝日新聞-https://www.asahi.com/articles/ASRD566QDRD5UTFL017.html
困窮家庭の2割「子どもが不登校」 学用品買えず 友人関係にも影響
(高橋健次郎)

  経済的に苦しい家庭約2割が「子どもが不登校または不登校気味」と回答した――。困窮世帯を支援する認定NPO法人「キッズドア」(東京)は5日、そんなアンケート結果を公表した。自由記述からは、経済的な困窮が理由で、友人関係がうまく築けなかったり、学用品が買えなかったりする様子がうかがえる。同法人は、支援策の拡充を訴えている。

  調査は11月10日~16日、同法人が支援する家庭を対象にインターネットで実施した。回答数は1822件で、回答者の9割が母子世帯だった。
  「子どもが不登校または不登校気味であるか」の問いには、21%が「はい」と答えた。72%が「いいえ」、7%が「回答しない」だった。「はい」の回答のうち、子どもの年代を複数回答で尋ねたところ、小学生45%、中学生39%、高校生24%などだった。
  自由記述には不登校などの理由とみられる内容もあり、「いじめ」「授業についていけない」のほか、「リコーダーや体操服も買ってあげられず、(子どもが)恥をかいてしまうから」「出費を抑えている分、(子どもが)友達と遊びに出かけることが減った」といった経済困窮にかかわる内容も目立った。
  単純比較はできないが、文部科学省の調査によると、2022年度の不登校の小学生と中学生は計約29万9千人で、在籍する児童生徒の3%余りだった。
(高橋健次郎)


2022.06.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220604-R5SZ7DQD2BMMTFI26KB3JFXTOE/
教師と生徒の「禁断の愛」に刑事罰を科すべきか

  教師と生徒の恋愛は、フィクションでは許されても実社会では違法となりえる-。4月に施行された「教員による児童生徒性暴力防止法」は、生徒に対する性的な行為について同意の有無にかかわらず性暴力に当たるとして禁止した。文部科学省は懲戒処分や刑事告発などの厳しい対応を求めているが、新法は違反した場合の罰則規定は設けていない。法制審議会では一律に刑事罰を科すべきとの声もあるが、「真摯な恋愛も犯罪とするのはやり過ぎだとの慎重論も出て、意見は分かれている。

  法律は議員立法で昨年5月に成立。性交をはじめ不必要に体を触る行為、性的な発言などを広く「児童生徒性暴力」と定義した。教員による一方的な行為だけでなく、合意のもとでの関係も性暴力に含まれると位置付けたのが大きな特徴だ。
  立法の背景には「合意による恋愛」という主張が、教員による性暴力の〝隠れみの〟になってきたという問題意識がある。
  性暴力被害に詳しい上谷さくら弁護士(第一東京弁護士会)によると、性暴力を受けた子供は、最初は恋愛と思い込む何年も後になってから被害を自覚する心の傷に生涯苦しむ-という流れをたどることが多いのだという。

  法整備に向けた与党ワーキングチームで座長を務めた公明党の浮島智子衆院議員は「『教員と生徒との恋愛はあり得る』という議員の意見もあったが、最終的には、性暴力は絶対に許さないという強い意志を法律で示すことが重要だと考えた」と厳格立法の経緯を振り返った。
  もっとも、子供と性的関係を持った教員が「真剣交際」を訴えても、今回の法施行前から行政や司法は厳しい姿勢で臨んでいた。

  埼玉県で平成27年、大学卒業時に15歳の女子生徒と交際を始め、後に教員になってからも交際を続け、自宅に泊まらせたり、キスをしたりした男性に、県教委は懲戒免職の処分を下した。県の基準では、キスなどの身体接触はわいせつ行為に該当していた。
  男性は処分が重すぎるとして取り消しを求め提訴。1審は男性側の主張を認めて処分取り消しを命じたが、2審東京高裁は「同意があっても正当化は許されない」と指摘、懲戒免職は妥当と判断した。
  たとえ性的な行為がなくても、教員と生徒という関係性から、プライベートな付き合い自体を避けるべきだという意見も少なくない。大阪市教委の担当者は「デートや交際も教員としては望ましくない。処分対象になり得る」と話す。
  ただ、合意のもとでの性的な関係を、身体拘束を含む刑事罰の対象にするかとなると、異論もある。

  各都道府県は青少年保護育成条例を定め、たとえば大阪府では18歳未満への「淫らな性行為やわいせつな行為」を禁止、2年以下の懲役か100万円以下の罰金という罰則規定もある。ただ昭和60年の最高裁判例は「真摯な恋愛」は、こうした条例にいう「淫行に含まれず処罰対象外とした。親公認のケースなどが該当する。
  昨年10月以降、性犯罪厳罰化を検討する法制審議会の部会でも、教員の性暴力について議論が進む。
  複数の委員は、刑法上の強制性交罪強制わいせつ罪では、たとえ教員が立場を利用して行為に及んだとしても、その手段として暴行や脅迫を用いなければ適用困難なことから、両者間の性的行為には、無条件で犯罪の成立を認めるべきだと提案した。
  これに対し、法学者の委員らは刑法改正は必要としつつ、一律に処罰対象とすれば「真摯な恋愛」に基づく行為も含まれることになり、法理論的に正当化が難しいとの見解を示した。
  上谷弁護士は「恋愛感情を持つのは自由で、教員と生徒で真摯な恋愛もあるのかもしれない。だが、性的な行為は許されない」と指摘。教員と児童生徒の恋愛を許容する風潮がまだ社会に残っていることに対して「新法が『社会は認識を変えるべきだ』とのメッセージを発した意義は大きい」と話した。(西山瑞穂)



2021.3.18-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/life/news/210318/lif2103180015-n1.html
女性教諭が児童に差別的発言で「学級崩壊」、大阪の小学校

  大阪市立小学校の女性教諭が、担任を務める3年生の学級の児童に対し、「特別支援に行かなければいけない子」といった差別的な発言をしたり、「担任を代わってほしい」「もう辞職する」と指導を投げ出すようなことを言ったりしていたことが18日、産経新聞の取材で分かった。学校側は事態を把握しながら保護者に伝えず、謝罪もしていないという。
突き放すような言動
  クラスには学習についていけない児童が複数おり、授業中に席を立ったり、机の上に座ったりすることが常態化する「学級崩壊」の状態にあったという。
  保護者らによると、女性教諭は昨年4月から3年の1クラスを担当。指導の中で、児童を職員室に引きずって連れて行こうとし、見かねた別の教諭が理由を聞くと、他の児童も聞いている状況で「この子は特別支援に行かなければならない」と他の児童と区別するような発言をした。
  また給食を食べるのが遅いため、教室ではなく保健室で食べられるように措置していた別の児童の面前で「私が言っても何もしないし、正直言って担任を代わってほしいくらい」と突き放すような言動があった。
  クラスの児童の上履きが隠されたり、机の上にごみが置かれたりと、いじめが疑われる事案も複数あったが、女性教諭から学年主任や校長らに申告されず、事実関係の調査がされなかったケースもあるという。
  校長は取材に対し、女性教諭に不適切な発言があったことを認めた上で、「市教育委員会からも何回も指導に来てもらい、サポートの人員も投入して、みんなで支えながら取り組んできた」と説明し、「クラスは落ち着いている」と学級崩壊を否定した。事実関係を保護者に伝えず、発言を受けた児童も含めて謝罪していない点については「連絡を入れておけばよかったという反省はある」と話した。
問われる学校管理職のマネジメント
  「保護者からクレームが来て、新聞社から取材があるとも聞いています。私は3月で辞めますから、どうぞ、おうちの方にも言ってください」
  大阪市立小の3年の学級で、担任の女性教諭は児童ら全員の前で、こんな投げやりな発言をしたという。学校側によると、昨年4月に新任教諭として赴任。まじめで教育にも熱意を持っていたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う臨時休校など難しい時期に対応を迫られ、次第に指導が追いつかなくなった。
  一般に「学級崩壊」は授業規律を失い、正常な学習活動ができない状況を指すが、「いじめ」や「不登校」と違って明確な定義があるわけではない。「100クラスあれば100通りの学級崩壊がある」とも言われ、一律の対処ができない難しさがあるという。
  現職の小学校長で、学級崩壊に関する著作もある中嶋郁雄氏は「荒れてしまう学級の先生はみんなから責められている気になり、話し相手もいなくなって、どうしても孤立する。荒れる前に人間関係を築いておけるかが大切だ」と、学校管理職のマネジメントの重要性を指摘する。

  大阪市立小のケースではクラスに「学力向上支援サポーター」と呼ばれる職員が複数配置されたが、学校関係者によると、事実上機能していなかったという。
  中嶋氏によれば、学校管理職には校内巡回や教諭とのコミュニケーションを通じて、崩壊の芽を早期に察知することが求められる。悩みがちな現場の教諭には「対処的な指導ではなく、『こういうやり方もある』と提案することが重要だ」と話した。
  大阪市立小の児童の保護者は、問題を把握しながら担任を交代させなかった校長の判断に疑問を呈し、「学校組織の問題のしわ寄せが子供に及び、貴重な学びの時間が失われた」と批判した。


2021.02.08-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210208/mca2102080631012-n1.htm
朝鮮学校、10年で補助金75%減 自治体見直し拡大

  全国に64校(うち3校休校)ある朝鮮学校に自治体が支出した令和元年度の補助金総額は計2億960万円で、10年前の4分の1程度にまで減ったことが7日、文部科学省の内部資料で分かった。平成22年に導入された国による高校授業料無償化の適用をめぐり、運営実態の不透明さが指摘され続けるなどしたことで、自治体側でも補助金支出を見直す動きが広がったとみられる。

  補助金は運営費として学校に提供されたり、保護者支援で家庭に提供されたりと、自治体によって名目が異なる。内部資料によると、令和元年度に管内の朝鮮学校や通学する子供がいる家庭に補助金を支出していた自治体は、11道府県7111万円(前年比275万円減)、92市区町1億3849万円(同570万円減)。前年と道府県数は変わらず市区町数は2市減った。

  朝鮮学校は学校教育法で「学校」と認定されておらず、都道府県が「各種学校」として認可し、独自に補助金を支出してきた。文科省による集計では、自治体が平成21年度に支出した補助金は、27都道府県148市区町村の計約8億4千万円に上った。
  だが、朝鮮学校をめぐっては、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)による教育基本法が禁じた「不当な支配」の疑いが指摘されており、22年に当時の民主党政権が高校授業料無償化を導入した後も、無償化の可否について継続審査の対象となった。さらに同年、北朝鮮が韓国・延坪(ヨンピョン)島を砲撃する事件が起きるなどし、審査は一時凍結された。

  こうした状況を受け、適用対象として疑問の声が噴出すると、直後の23年度は計約5億4千万円に減少。さらに自公政権下の25年に審査の結果「適正な学校運営が確認できなかった」として正式に無償化適用対象外となると、自治体の支出見直しの動きに拍車がかかり、28年度には3億円を割り込んだ。
  朝鮮学校側は無償化の対象から除外したのは違法だとして全国5カ所で訴訟を起こしたが、現在までに最高裁で国側勝訴の判決が3件確定している。
進まぬ拉致、続く支援
  朝鮮学校への自治体による補助金支出額が大幅に減ったのは、国が高校授業料無償化の対象から除外するなど朝鮮学校に厳しい姿勢を示したり、自治体側が教育内容に不信感を募らせたりしたことが背景にある。ただ、依然として「政治と教育は別」と支援を続ける自治体もある。
  「朝鮮学校の児童生徒も外国人である前に県民。政治的な話は抜きに、教育は保証しなければならない」
  県内6校(児童生徒計約700人)に学校の運営費補助として計約4148万円を支出している兵庫県の担当者は補助金の必要性を主張。他の自治体と比べ額が多い理由を「他よりも朝鮮学校に通う子供が多い。一人当たりの補助額が突出しているわけではない」と説明する。市区町でトップクラスの支出額約1404万円となった東京都荒川区は、申請のあった家庭に授業料の補助を実施。担当者は「あくまで趣旨は保護者の負担軽減。学校を支援する意図はない」と話す。
  一方、過去には補助金が支給された家庭の保護者が「寄付」名目で学校側に納付させられた事例があり、寄付勧誘の際に朝鮮総連と関係が深い団体関係者の活動が指摘されるなど、総連は学校側に強い影響力を持っているとされる。
  朝鮮学校に補助金を支出する上で最も問題視されることの一つに、教科書の内容をはじめとした教育内容がある。これまで金日成(キム・イルソン)、金正日(ジョンイル)両氏らを礼賛する記述があったり、北朝鮮による拉致問題に触れなかったりしたことが指摘されることもあった。

  国が高校授業料無償化を適用するかどうかが議論になった平成22年度以降、東京都や大阪府をはじめ自治体が支出を取りやめる事例が続発。28年には文部科学省が公益性の観点などから補助金支出の妥当性を検討するよう求める通知を出すと、その流れは加速した。 現在も流れは止まっておらず、新たに大阪府内にある自治体が「過去の経緯もあって支出を続けてきたが、公費での支援は(住民の)理解を得られない」(担当者)とし、令和2年度から補助金を廃止した。
  拉致被害者の支援組織「救う会」会長の西岡力・麗澤大客員教授は「教育の自由はある。だが、独裁者を神格化したり、日本が拉致問題を使って排外主義をあおっていると教えたりしている学校にまで、公的な支援をするべきだということにはならない。『政治とは別』という次元の話ではない」と話している。



2020.11.19-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201119/k10012721211000.html
旅客船が漂流物に衝突浸水 小学生ら62人全員救助 香川 坂出沖

  19日夕方、香川県坂出市沖で船が漂流物に衝突して浸水しているという通報があり、修学旅行中の小学生や教員ら合わせて62人が救助されました。このうち3人には低体温症などの症状があり、病院に運ばれたということです
  今回の事故で、児童たちは浸水が激しくなったため、船から海に飛び込むなどして救助を待ったということです。

  高松海上保安部によりますと、19日午後4時40分ごろ、香川県坂出市沖にある与島の北側を航行していた船から「漂流物に衝突して船が浸水している」と118番通報がありました。
  船には、坂出市立川津小学校の、6年生と担当教員など合わせて62人が乗っていて、18日から1泊2日の日程で修学旅行で移動中だったということです。
  いずれも、午後5時半ごろに救助され、このうち児童2人を含む3人に低体温症などの症状があって、病院に運ばれたということです。

  学校によりますと、児童らは19日午後3時ごろに旅客船に乗って高松港を出て、午後5時ごろまで高松市沖から坂出市沖をクルージングをしたあと、学校に戻る予定だったということです。
  事故があった船は高松市の「株式会社高松海上タクシー」が運航する19トンの旅客船で、海に沈没したということです。
  会社のホームページによりますと、個人や企業、団体向けに瀬戸内海の香川・岡山の海域で定期便がない島への渡航や、フェリーの運航時間外の移動などを主な業務としています。
  海上保安部が詳しい状況を調べています。
「一部の児童は海に飛び込み救助待った」
  事故を受けて、坂出市教育委員会や学校は、午後8時から記者会見しました。
  児童たちとともに乗船し川津小学校の白川豊浩校長によりますと、きょう午後4時45分ごろ、船に突然、「ドン」という衝撃音があったということです。
  その後に、船内の照明が切れ、不安な様子を見せる児童もいたため、引率の教員や男子児童たちで「大丈夫だ」などと声をかけあいました。
  船が浸水し始めると、乗組員が児童らに救命胴衣を着用するよう指示したうえで、「海に飛び込める子は飛び込んで船から離れろ」などと声をかけ、一部の児童は船から海に飛び込み救助を待ったということです。

  その後、近くにいた与島漁港の漁船などが救助にあたりましたが、船が到着した時にはあたりは薄暗くなっていて、白川校長は、児童10人とともに腰のあたりまで水につかりながら船の天井にのぼった状態で救助を待ったということです。
  救助され、与島に送り届けられた児童たちは、市が手配したバスで学校に向かい救急搬送された児童も含めて、午後7時40ころまでに全員が帰宅しました。会見で坂出市の國重英二教育長は、「このたびは、子どもたちに大変つらい思い、保護者らにご心配をおかけしましたこと、深くおわびを申し上げます」と述べました。
海上保安官撮影 救助を待つ子どもたち
  午後5時3分に香川県坂出市沖の与島の北側で巡視艇から海上保安官が撮影した写真です。西側には瀬戸大橋が見えています。
  手前には、児童たちが乗っていた旅客船の一部のみが海面に浮かび、オレンジ色の救命胴衣を着た複数の児童が救助を待っている様子が確認できます。また、左側の海の中には浮きにつかまって救助を待つ人の姿が映っています。その奥に見える漁船の上には救助された児童らが複数いるものの、表情までは確認することができません。
海上保安官  救命胴衣を着た児童
  午後5時12分に香川県坂出市沖の与島の北側で海上保安官が巡視艇の上には、手前に児童らの救助にあたった3隻の漁船。灰色がかった船体をした漁船や手前に見える白い船体の漁船の上にはオレンジ色の救命胴衣を着た児童らが複数乗っています。
  これらの漁船の間には児童らが乗っていた旅客船の船体の一部がわずかに海面に浮かんでいる。
「救助された時は体が海の中に」
  沈没した船に乗っていたという男性は、「何かに『どん』と当たったような感覚でその衝撃で体が前に押し出された。衝突してからは船が沈んでいくのが早く、だんだんと足場がなくなっていったので船の上部にある大きなビート板のようなものにつかまっていました。救助された時は体が海の中に浮いた状態でした。子どもたちの中には泣いている子もいましたが、行動としては落ち着いていました」と話していました。


2020.11.02-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/f838adf28cf1fbb42666b2c662a3724bdb0a4d09
ハラスメント申告教員に口外禁止の署名要求、神戸市教委

  神戸市教育委員会全教職員約1万2千人に実施した職場のハラスメント調査をめぐり、被害を申告した教職員に対し、市教委が内容を口外しないよう誓約書へのサインを求めていたことが2日、分かった。
   市教委は「配慮や説明が不十分だった可能性がある」などと釈明した。
   神戸市立東須磨小で教諭4人が同僚をいじめるなどした問題を受け、市教委は昨年10月、アンケートを実施。約1600人から被害申告やハラスメントを見聞きしたなどの情報が寄せられた。
   市教委は調査後、被害申告した教職員らにヒアリングを実施。その際、「自身が発言した内容を含め、当該案件にかかる全ての内容について、地方公務員法34条に従い、秘密を厳守します」と記された誓約書への署名を任意で求めていた。
   市教委担当者は「加害者として挙げられる人の人権侵害にもつながりかねないと考え、署名を求めた。被害者への配慮や説明は不十分だったかもしれない」などとした。


2020.9.15-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200915/k10012618871000.html
教員免許失効情報 検索できる期間 3年から40年に延長へ 文科相

  わいせつな行為をしたとして懲戒処分などを受けた教員が増加する中萩生田文部科学大臣は、教員免許を失効した人の情報を検索できるシステムについて、対象期間を直近の40年間に延長することを明らかにしたうえで「より慎重な採用選考が可能になる」と述べました。
  児童や生徒などにわいせつな行為をしたとして、懲戒処分などを受けた公立学校の教員は平成30年度に282人と、調査を始めた昭和52年度以降、最も多くなりました。
  これを踏まえて、萩生田文部科学大臣は、閣議のあとの記者会見で、文部科学省が教育委員会などに提供している、教員免許を失効した人の情報を検索できるシステムについて、対象期間を現在の直近の3年間から40年間に延長することを明らかにしました。
  そのうえで「教員を採用する人は、対象者が過去40年間に懲戒免職処分などを受けたかどうかを確認できるようになり、より慎重な採用選考が可能になる」と述べました。
  一方、処分を受けた人への対応について「採用してはいけないのではなく、改めて面接などをして心配がなければ社会でもう一度働くチャンスというものは残っているので、制度上は問題ない」と述べました。


2020.1.20-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200120/k10012251441000.html
最後の大学入試センター試験が終了 来年から共通テストへ

今回が最後となる大学入試センター試験は19日終了しました。来年からは、思考力などをより重視した「大学入学共通テスト」に切り替わります。今回で最後となる大学入試センター試験は、全国689の会場で19日までの2日間行われ、50万人以上が受験しました。
  大学入試センターによりますと、18日埼玉県の会場で、受験生1人が、地理歴史・公民の試験中にスマートフォンを使っているのが見つかったということです。
  受験生は、「わからない問題を、検索しようと思った」と話したということで、試験結果はすべて無効とされました。
  平成2年に始まったセンター試験は、来年から、「大学入学共通テスト」に切り替わります。
  出題方法はこれまでどおり、マークシート方式が維持されますが、思考力や判断力などがより重視される見通しです。
  今回のセンター試験でも、国語の漢文で、漢詩の中に表現されている情景を、4つのイラストの中から、正しく読み取らせる問題などが出されました。
  今回の試験について、大手予備校の担当者は、「知識の必要性や、難易度は変わらないが、共通テストを意識したような思考力が問われたものも、一部でみられた」と分析しています。
  文部科学省は、導入を見送った英語の民間試験と記述式問題について、今後1年をめどに検証委員会で議論することにしています。


2020.1.17-産経新聞 THE SANKEI NEWS WEB-https://www.sankei.com/world/photos/200117/wor2001170006-p1.html
香港の周庭さん研究員に 北大公共政策大学院で

香港の大規模民主化デモ「雨傘運動」を率いた周庭さん(23)が北海道大公共政策大学院のフェロー(研究員)に就任していたことが17日、分かった。周さんが16日、ツイッターで明らかにした。
 同大学院によると、本年度より教育活動に携わる無給のフェロー制度を導入しており、周さんは昨年10月1日に大学院の要請を受けグローカルフェローに就任。大学院の研究・教育事業に協力する。任期は今年3月末まで。
 周さんは昨年8月、無許可集会への参加を扇動するなどした罪で起訴された。周さんは「とても光栄」としながら、「出境を禁止されている私がフェローの任期が終わる前に北大に行けるかどうかはわかりません。皮肉としか感じられません」とツイートしている。
 同大学院の遠藤乾院長は「今年4月からも再任をお願いしたい」と任期延長を要請する方針で「自由を守るための運動を応援したい。出国できるようになったら、北大に来て学生と直接話をしていろいろな刺激を与えてくれれば」と話した。







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